説明

地中壁の通水部施工方法

【課題】地下水を通す通水能力を十分に得た上で、貫通部の崩壊を抑えることができる地中壁の通水部施工方法を提供する。
【解決手段】地中壁1の内部に通じる導管(挿通孔)6にノズル15を挿入し、ノズル15から噴射した高圧水によって地中壁1の外壁面1aを貫通して、地中壁1が隔てる地下水の上流側と下流側とに通じた通水部7を形成する施工方法において、地中壁1の内部から外壁面1aに向かって真直に連続し、外壁面1aを線状に貫通するように、ノズル15から噴射した高圧水によって切削された複数のスリット孔からなる通水部7を形成する。このスリット孔のように細長い隙間では、従前のように垂直方向および水平方向に大きく開口する貫通空間と比較して貫通部分の内側壁部の強度の低下が極めて少ない。このため、貫通部分の崩壊を抑えることができる。そして、このスリット孔を複数設けたことで、地下水を通す通水能力を十分に得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に地下構造物の施工時に建設現場に対する土留めおよび地下水流の遮断をする地中壁に係り、地下構造物の施工後において地下水流を確保するための通水部を地中壁に形成する地中壁の通水部施工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地下構造物の施工時には、施工現場に対する土留めおよび地下水流の遮断をするための土留め壁などの地中壁が用いられる。この地中壁は、地下構造物を構築した後、地下水流を遮って地下ダムのような機能を生じ、地下水の上流側では地下水位の上昇が起こり、下流側では水位の低下が起こる。この結果、地下水の上流側にある構造物対して浮上や浸水の影響がおよぶおそれがあり、下流側では井戸枯れや地盤沈下が生じるおそれがある。そこで、従来から、地中壁に通水部を形成して地下水を通す機能を持たせることによって上記問題に対処している。
【0003】
従来では、地上に繋がる孔(または保護筒)を地中壁に設け、この孔に挿入したノズルから高圧水を噴射して、地中壁の躯体内を切り広げることで、地中壁の外壁面に垂直方向および水平方向に大きく開口する貫通空間を形成し、地下水の上流側と下流側とに通じさせる。その後、前記孔を利用して地上から投入した透水性材料を貫通空間内に充填して通水部を形成する(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平7−76827号公報
【特許文献2】特開平7−76828号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来において、地中壁の外壁面に垂直方向および水平方向に大きく開口する貫通空間は、地下水を通す通水能力を十分に得る面では好ましい。しかし、垂直方向および水平方向に大きく開口する貫通空間を形成した場合には、貫通空間の上部を支える貫通空間の内側壁部の強度が低下することから、貫通空間が潰れて崩壊し、地上部が陥没するおそれがある。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みて、地下水を通す通水能力を十分に得た上で、貫通部の崩壊を抑えることができる地中壁の通水部施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に係る地中壁の通水部施工方法は、地中壁が隔てる地下水の上流側と下流側とに通じた通水部を形成する地中壁の通水部施工方法において、地中壁の内部から外壁面に向かって真直に連続し、前記外壁面を線状に貫通するように切削された複数のスリット孔からなる通水部を形成することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項2に係る地中壁の通水部施工方法は、上記請求項1において、地中壁内に通じる挿通孔にノズルを挿入し、前記ノズルから高圧水を噴射しつつ当該ノズルを前記挿通孔に沿う所定軸周りに回転させることでスリット孔を設け、その後ノズルを挿通孔に沿って移動させて前記スリット孔を複数設けて通水部を形成することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項3に係る地中壁の通水部施工方法は、上記請求項1において、地中壁内に通じる挿通孔にノズルを挿入し、前記ノズルから高圧水を噴射しつつ当該ノズルを前記挿通孔に沿う所定軸周りに揺動させることでスリット孔を設け、その後ノズルを挿通孔に沿って移動させて前記スリット孔を複数設けて通水部を形成することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項4に係る地中壁の通水部施工方法は、上記請求項1において、地中壁内に通じる挿通孔にノズルを挿入し、前記ノズルから高圧水を噴射しつつ当該ノズルを前記挿通孔に沿って移動させる噴射工程によってスリット孔を設け、その後ノズルを前記挿通孔に沿う所定軸周りに回転移動させて前記噴射工程を行うことで前記スリット孔を複数設けて通水部を形成することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項5に係る地中壁の通水部施工方法は、上記請求項2〜4のいずれか一つにおいて、前記スリット孔を設けた後、当該スリット孔の内部に充填させる透水性材を前記ノズルから送出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る地中壁の通水部施工方法は、地中壁の内部から外壁面に向かって真直に連続し、前記外壁面を線状に貫通するように切削された複数のスリット孔からなる通水部を形成する。前記スリット孔のように細長い隙間では、従来のように垂直方向および水平方向に大きく開口する貫通空間と比較して貫通部分の内側壁部の強度の低下が極めて少ない。このため、貫通部分の崩壊を抑えることができる。そして、このスリット孔を複数設けたことで、地下水を通す通水能力を十分に得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る地中壁の通水部施工方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0014】
図1は本発明に係る地中壁の通水部施工方法における地中壁を示す概略図、図2は図1に示した地中壁の平断面図、図3は図1に示した地中壁の縦断面図である。
【0015】
ここでの地中壁1は、柱杭2を複数連続して並設して柱列壁としたものであって、当該柱杭2を透水層101に貫通してその下方の不透水層102まで到達して設けてある。また、地中壁1は、地下水上流側と地下水下流側とにそれぞれ対向して設けてあり、その間の透水層101に例えば車両用トンネルなどの構造物Kが建設してある。
【0016】
柱杭2は、地表面GLから透水層101を貫通してその下方の不透水層102に到達して掘削した削孔3内に、例えばソイルセメント4を充填したものであり、ソイルセメント4の内部に芯材5および導管6が内設してある。
【0017】
芯材5は、例えばH鋼などの長手状の鋼材からなり、その長手方向を地表面GLから構造物Kを建設した透水層101の部位に至るように設けてある。
【0018】
導管6は、塩ビ管または鋼管など有底中空のパイプからなり、地上と地中壁1の内部との間に繋がるように、芯材5の長手方向に沿って地表面GLから不透水層102に至るまで設けてある。導管6は、平面視で削孔3(ソイルセメント4)のほぼ中央に配置してあることが好ましい。
【0019】
上記地中壁1を構築するには、まず、削孔3を複数連続して掘削する。次いで、削孔3内にソイルセメント4を形成する。次いで、ソイルセメント4の固化前に削孔3に芯材5を挿入する。この芯材5には、導管6が取り付けてある。その後、ソイルセメント4が固化することで地中壁1が完成する。このように地中壁1は、芯材5によって土圧に耐えるものとなり、対向した間の止水壁として機能する。そして、この対向した地中壁1の間に構造物Kが建設されることになる。
【0020】
構造物Kの建設が完了した後、地中壁1に透水機能を付与する。通水機能は、地中壁1の構築時に予め設けておいた導管6からなる挿通孔にノズルを挿入し、このノズルから高圧水を噴射して、地下水の上流側と下流側とに通じる通水部を地中壁1に形成することによって得られる。図4は高圧水供給装置を示す概略図、図5は通水部形成装置を示す概略図、図6〜図10は通水部を形成する作用図である。
【0021】
図4に示すように高圧水供給装置10は、水タンク11、研磨材タンク12、ミキサ13、高圧スラリーポンプ14およびノズル15を有している。この高圧水供給装置10は、水タンク11に貯留した水と、研磨材タンク12に貯留した研磨材(例えば7号ケイ砂で粒径が0.126mmなど)とをミキサ13で混合して、研磨材が水に混入したスラリーを形成する。そして、このスラリーを高圧スラリーポンプ14で加圧し、加圧された高圧水を供給管16を介してノズル15から噴射させる。この高圧水供給装置10では、予め研磨材が混入したスラリーをノズル15から直接噴射させるため、ノズルにおいて噴射した高圧水に研磨材を混ぜる構成と比較して、ノズルを小型化することが可能である。
【0022】
図5に示すように通水部形成装置20は、いわゆるボーリング装置であり、供給ロッド21を、その中心軸周りに回転可能、かつ前記中心軸に沿って上下移動可能で、さらに水平方向に移動可能に保持している。供給ロッド21は、上記地中壁1の導管6内に挿通可能な外径を有して上下方向(中心軸方向)に長手状に形成した筒体として構成してある。また、供給ロッド21の上端には、当該供給ロッド21の内部に高圧水を供給するために上記高圧水供給装置10の供給管16がスイベル22を介して接続してある。スイベル22は、図には明示しないが、例えば二重管をなす内管と外管とを中心軸周りに相対回転するように設け、かつ内管と外管との間の隙間を止水し、さらに内管と外管とを連通するように構成してある。そして、中心軸を一致するように内管を供給ロッド21に連通して設け、外管を供給管16に連通して設ける。このようにしてスイベル22は、供給ロッド21の中心軸周りの回転を許容しつつ、供給ロッド21の内部に供給管16からの高圧水を供給する。さらに、供給ロッド21の下端には、上記高圧水供給装置10のノズル15が取り付けてある。すなわち、通水部形成装置20は、上下方向に昇降し、自身の中心軸周りに回転する供給ロッド21を、図5に示すように地中壁1の導管(挿通孔)6に挿入し、その下端にあるノズル15から高圧水を噴射して地中壁1に通水部を形成する。
【0023】
高圧水は、地中壁1の外壁面1aに交差する態様(例えば水平方向)でノズル15から直線状に噴射される。本実施の形態では、例えば噴射圧力を40Mpaとし、噴射流量を50L/minとしている。この高圧水により図6に示すように導管6が貫通された後、図7に示すように地中壁1の外壁面1aが貫通される。これにより、地中壁1に、地下水の上流側と下流側とに通じる通水部7が形成されることになる。また、高圧水には、研磨材が混入されて、ソイルセメント4の粒子を確実に削り取るため、大きな破砕片が発生しにくい。そして、細かい破砕片は、高圧水とともに導管6の内部を上昇し、ソイルセメント4を破損させることなく地上に排出される。
【0024】
具体的に通水部7を得るには、高圧水供給装置10によって高圧水をノズル15から直線状に噴射させつつ、通水部形成装置20の回転モータ(図示せず)を駆動して供給ロッド21を回転させる。これにより、図8(a)の平面図、図8(b)の正面図に示すように、高圧水を噴射しているノズル15が、導管(挿通孔)6に沿って挿通した供給ロッド21の中心軸周りに回転する。すると、ノズル15から直線状に噴射された高圧水が、平面視で円形の軌跡を描くことによって地中壁1が切削される。この結果、ノズル15から直線状に噴射した高圧水によって、地中壁1の内部から外壁面1aに向かって真直に連続し、外壁面1aを線状に貫通するように切削されたスリット孔からなる通水部7が形成されることになる。なお、図8で示す例では、ノズル15は1つ設けてあるがこれに限らず複数であってもよい。
【0025】
そして、1つのスリット孔からなる通水部7を形成した後、通水部形成装置20の昇降機構(図示せず)を駆動することで、供給ロッド21を上下に移動させてノズル15の高さ位置を変更し、再び高圧水供給装置10によって高圧水をノズル15から直線状に噴射させつつ、通水部形成装置20の回転モータ(図示せず)を駆動して供給ロッド21を回転させる。この動作を繰り返し行うことにより、図8(b)に示すように導管(挿通孔)6に沿って複数(ここでは5つ)のスリット孔からなる通水部7が形成される。また、他の導管(挿通孔)6に係り、同様に通水部7を形成すればよい。なお、スリット孔を形成するときに、通水部形成装置20の昇降機構を駆動することで、スリット孔の隙間を拡張させることも可能である。
【0026】
他に、通水部7を得るには、高圧水供給装置10によって高圧水をノズル15から直線状に噴射させつつ、通水部形成装置20の回転モータを駆動して供給ロッド21を揺動させる。これにより、図9(a)の平面図、図9(b)の正面図に示すように、高圧水を噴射しているノズル15が、導管(挿通孔)6に沿って挿通した供給ロッド21の中心軸周りに揺動する。すると、地中壁1の両外壁面1aに向けて対をなす各ノズル15からそれぞれ直線状に噴射された高圧水が、平面視で扇形の軌跡を描くことによって地中壁1が切削される。この結果、ノズル15から直線状に噴射した高圧水によって、地中壁1の内部から外壁面1aに向かって真直に連続し、外壁面1aを線状に貫通するように切削されたスリット孔からなる通水部7が形成されることになる。なお、図9で示す例では、ノズル15は地中壁1の両外壁面1aに貫通するように1つずつ(1対)設けてあるがこれに限らず複数ずつ(複数対)であってもよい。
【0027】
そして、1つのスリット孔からなる通水部7を形成した後、通水部形成装置20の昇降機構を駆動することで、ノズル15の高さ位置を変更し、再び高圧水供給装置10によって高圧水をノズル15から直線状に噴射させつつ、通水部形成装置20の回転モータを駆動して供給ロッド21を揺動させる。この動作を繰り返し行うことにより、図9(b)に示すように導管(挿通孔)6に沿って複数(ここでは5つ)のスリット孔からなる通水部7が形成される。また、他の導管(挿通孔)6に係り、同様に通水部7を形成すればよい。なお、スリット孔を形成するときに、通水部形成装置20の昇降機構を駆動することで、スリット孔の隙間を拡張させることも可能である。
【0028】
他に、通水部7を得るには、高圧水供給装置10によって高圧水をノズル15から直線状に噴射させつつ、通水部形成装置20の昇降機構を駆動して供給ロッド21を上下方向に移動させる。これにより、図10(a)の平面図、図10(b)の正面図に示すように、高圧水を噴射しているノズル15が、導管(挿通孔)6に沿って上下方向に移動する。すると、地中壁1の両外壁面1aに向けて設けた各ノズル15から直線状に噴射された高圧水が、上下に移動することによって地中壁1が切削される。この結果、ノズル15から直線状に噴射した高圧水によって、地中壁1の内部から外壁面1aに向かって真直に連続し、外壁面1aを線状に貫通するように切削された一対のスリット孔からなる通水部7が形成されることになる(噴射工程)。次に、通水部形成装置20の回転モータを駆動して供給ロッド21を若干回転移動させてノズル15から噴射される高圧水の噴射方向を変える。そして、高圧水をノズル15から直線状に噴射させつつ、供給ロッド21を上下方向に移動させて上記噴射工程を行うことで、スリット孔からなる他の通水部7を形成する。以下、同様の手順を繰り返して図10に示すように複数のスリット孔からなる通水部7を形成する。なお、図10で示す例では、ノズル15は地中壁1の両外壁面1aに貫通するように1つずつ(1対)設けてあるが、ノズル15の数はこれに限らない。
【0029】
このように、上述した地中壁の通水部施工方法では、地中壁1の内部に通じる導管(挿通孔)6にノズル15を挿入し、当該ノズル15から直線状に噴射した高圧水によって地中壁1の外壁面1aを貫通して、地中壁1が隔てる地下水の上流側と下流側とに通じた通水部7を形成する施工方法において、地中壁1の内部から外壁面1aに向かって真直に連続し、外壁面1aを線状に貫通するように、ノズル15から直線状に噴射した高圧水によって切削された複数のスリット孔からなる通水部7を形成する。このスリット孔のように細長い隙間では、従来のように垂直方向および水平方向に大きく開口する貫通空間と比較して貫通部分の内側壁部の強度の低下が極めて少ない。このため、貫通部分の崩壊を抑えることができる。そして、このスリット孔を複数設けたことで、地下水を通す通水能力を十分に得ることができる。
【0030】
なお、上述のごとく形成した通水部7は、スリット孔からなることから、空洞のままで透水性材を充填しなくてもよい。ただし、スリット孔の空洞部には周囲の土層から僅かながら土砂が流入する。このため、地中壁1の極めて近くに地下構造物が存在する場合には、空洞部への土砂の流入によって地下構造物に影響が及ぶ可能性がある。このような場合には、通水部7を空洞のまま放置せず透水性材を充填する。透水性材を充填するには、高圧水供給装置10を低圧(例えば噴射圧力:2〜5Mpa、噴射流量:10〜20L/min)で稼働し、スラリーを利用して透水性材(例えばケイ砂)をノズル15から送出して通水部7の内部に充填させる。このように、透水性材を高圧水供給装置10によって送出することで、透水性材が導管6の内部に詰まることがなく、さらに通水部7に対して確実に透水性材を充填させることが可能である。
【0031】
なお、上述した実施の形態では、高圧水をノズル15から直線状に噴射させつつ高圧水を移動させることで、外壁面1aを線状に貫通するように切削されたスリット孔を形成したが、この限りではない。例えば、地中壁1の内部から外壁面1aに向かって真直に連続し、外壁面1aを線状に貫通するように、スリット孔の隙間に合わせてノズル15の口径を絞って扇状に噴射した高圧水によってスリット孔を形成するようにしてもよい。この場合、図8および図9に示すようにノズル15を回転または揺動させなくてもよくなる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に係る地中壁の通水部施工方法における地中壁を示す概略図である。
【図2】図1に示した地中壁の平断面図である。
【図3】図1に示した地中壁の縦断面図である。
【図4】高圧水供給装置を示す概略図である。
【図5】通水部形成装置を示す概略図である。
【図6】通水部を形成する作用図である。
【図7】通水部を形成する作用図である。
【図8】通水部を形成する作用図である。
【図9】通水部を形成する作用図である。
【図10】通水部を形成する作用図である。
【符号の説明】
【0033】
1 地中壁
1a 外壁面
2 柱杭
3 削孔
4 ソイルセメント
5 芯材
6 導管
7 通水部
10 高圧水供給装置
11 水タンク
12 研磨材タンク
13 ミキサ
14 高圧スラリーポンプ
15 ノズル
16 供給管
20 通水部形成装置
21 供給ロッド
22 スイベル
101 透水層
102 不透水層
GL 地表面
K 構造物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地中壁が隔てる地下水の上流側と下流側とに通じた通水部を形成する地中壁の通水部施工方法において、
地中壁の内部から外壁面に向かって真直に連続し、前記外壁面を線状に貫通するように切削された複数のスリット孔からなる通水部を形成することを特徴とする地中壁の通水部施工方法。
【請求項2】
地中壁内に通じる挿通孔にノズルを挿入し、前記ノズルから高圧水を噴射しつつ当該ノズルを前記挿通孔に沿う所定軸周りに回転させることでスリット孔を設け、その後ノズルを挿通孔に沿って移動させて前記スリット孔を複数設けて通水部を形成することを特徴とする請求項1に記載の地中壁の通水部施工方法。
【請求項3】
地中壁内に通じる挿通孔にノズルを挿入し、前記ノズルから高圧水を噴射しつつ当該ノズルを前記挿通孔に沿う所定軸周りに揺動させることでスリット孔を設け、その後ノズルを挿通孔に沿って移動させて前記スリット孔を複数設けて通水部を形成することを特徴とする請求項1に記載の地中壁の通水部施工方法。
【請求項4】
地中壁内に通じる挿通孔にノズルを挿入し、前記ノズルから高圧水を噴射しつつ当該ノズルを前記挿通孔に沿って移動させる噴射工程によってスリット孔を設け、その後ノズルを前記挿通孔に沿う所定軸周りに回転移動させて前記噴射工程を行うことで前記スリット孔を複数設けて通水部を形成することを特徴とする請求項1に記載の地中壁の通水部施工方法。
【請求項5】
前記スリット孔を設けた後、当該スリット孔の内部に充填させる透水性材を前記ノズルから送出することを特徴とする請求項2〜4のいずれか一つに記載の地中壁の通水部施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−81942(P2008−81942A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−260385(P2006−260385)
【出願日】平成18年9月26日(2006.9.26)
【出願人】(000002299)清水建設株式会社 (2,433)
【出願人】(391019740)三信建設工業株式会社 (59)
【Fターム(参考)】