地図情報処理装置、地図情報処理プログラム
【課題】地図情報が印刷された紙媒体に書き込まれた情報を容易に登録できるようにする。
【解決手段】地図情報処理装置10は、ユーザにより指定された地図を印刷するための印刷画像を生成する印刷画像生成部25と、印刷画像生成部25により生成された印刷画像をMFP18に送信して印刷を実行させる画像送信部26と、MFP18から送信された画像を取得する画像取得部30と、画像取得部30により取得された画像と印刷画像との差分を取って差分画像を抽出する画像差分抽出部32と、差分画像と印刷画像に対応する地図に対応する地図情報をもとに登録対象とする情報を判定する登録情報判定部33と、登録情報判定部33により判定された情報を地図情報サービス提供サーバ14に登録する情報登録部34とを有する。
【解決手段】地図情報処理装置10は、ユーザにより指定された地図を印刷するための印刷画像を生成する印刷画像生成部25と、印刷画像生成部25により生成された印刷画像をMFP18に送信して印刷を実行させる画像送信部26と、MFP18から送信された画像を取得する画像取得部30と、画像取得部30により取得された画像と印刷画像との差分を取って差分画像を抽出する画像差分抽出部32と、差分画像と印刷画像に対応する地図に対応する地図情報をもとに登録対象とする情報を判定する登録情報判定部33と、登録情報判定部33により判定された情報を地図情報サービス提供サーバ14に登録する情報登録部34とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図情報処理装置及び地図情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、どこでもいつでもデジタル情報にアクセスできるユビキタス環境が整備されつつある。それにより、旅行先で携帯電話機等のブラウザから地図情報を提供するWebサービスにアクセスして、地図情報を参照することができるようになってきた。
【0003】
一方で、携帯電話機等のポータブルなデジタル機器に地図を表示した場合に、画面が小さく、複雑な地図情報や縮尺が小さい場合(縮尺分母が大きい)は可視性が悪くなるため、地図情報を紙に印刷し、紙媒体で持ち運ぶ人も多い。
【0004】
Webサービスには、ユーザが情報を登録して、知り合いと共有することができるものものがある。従来では、地図情報に関連したユーザが指定した情報、例えばユーザが通過した経路やコメントなどの情報をWebサービスに登録しようとした場合、地図情報を紙媒体で持ち運んでいると多大な労力を必要としていた。例えば、紙媒体にユーザが情報を書き込んだ場合、こうした情報をデジタル化してからWebサービスに登録する必要がある。特に、地図情報を複数枚の紙媒体に分けて持ち運んでいた場合には、複数枚の紙媒体に書き込まれた情報を関連付けることが困難となっていた。
【0005】
特許文献1には、指定の地図(場所)を指定の枚数で印刷する技術について記載されている。
特許文献2には、デジタル情報の識別子を表すQRコードを印刷画像に張り付けて印刷し、スキャン時に、そのQRコードからデジタル情報を取得して、スキャン画像とデジタル情報との画像差分から指定の処理を実行する技術について記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように従来では、地図情報が印刷された紙媒体に書き込まれた情報をWebサービス等に登録することが簡単にできなかった。
【0007】
本発明はこのような事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、地図情報が印刷された紙媒体に書き込まれた情報を容易に登録することが可能な地図情報処理装置、地図情報処理プログラムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ユーザにより指定された地図を印刷するための印刷画像を生成する印刷画像生成手段と、前記印刷画像生成手段により生成された印刷画像を印刷装置に送信して印刷を実行させる画像送信手段と、前記印刷装置から送信された画像を取得する画像取得手段と、前記画像取得手段により取得された画像と前記印刷画像との差分を取って差分画像を抽出する画像差分抽出手段と、前記差分画像と前記印刷画像に対応する地図に対応する地図情報をもとに登録対象とする情報を判定する登録情報判定手段と、前記登録情報判定手段により判定された情報を登録する情報登録手段とを備えたものである。
【発明の効果】
【0009】
かかる手段を講じた本発明によれば、地図情報が印刷された紙媒体に書き込まれた情報を容易に登録することができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態における地図情報処理システムの全体構成図。
【図2】本実施形態における地図情報処理システムの機能を示すブロック図。
【図3】地図情報処理装置10における地図印刷モジュールによる印刷処理を示すフローチャート。
【図4】本実施形態における印刷設定用の初期画面の一例を示す図。
【図5】本実施形態における1枚分の地図画像に識別コード画像を表すQRコードが合成された印刷画像の一例を示す図。
【図6】本実施形態における印刷画像生成部によって印刷地図情報が記録された印刷地図情報保管テーブルの一例を示す図。
【図7】本実施形態におけるMFPによって印刷された複数枚の地図の一例を示す図。
【図8】本実施形態における差分画像の一例を示す図。
【図9】本実施形態における地図情報登録モジュールのスキャン処理について示すフローチャート。
【図10】本実施形態における登録情報判定部による登録する情報の判定方法の一例について示すフローチャート。
【図11】本実施形態における登録情報判定部による登録する情報の判定方法の一例について示すフローチャート。
【図12】本実施形態における登録情報判定部による登録する情報の判定方法の一例について示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施する一形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本実施形態における地図情報処理システムの全体構成図である。地図情報処理システムは、地図情報処理装置10と、インターネット12を介して接続された地図情報サービス提供サーバ14と、地図情報処理装置10にLAN(Local Area Network)16を介して接続された複数台のMFP(Multi Function Printer)18(18−1、…,18−n)が設けられている。
【0012】
MFP18は、例えばプリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能を有した複合機である。MFP18は、LAN16を通じてインターネット12に接続し、地図情報サービス提供サーバ14等にアクセスしてデータを送受信することができる。
【0013】
図2は、本実施形態における地図情報処理システムの機能を示すブロック図である。
図2に示すように、MFP18は、コンピュータの機能が実装されており、各種プログラムをプロセッサにより実行することで、インターネット12上に公開されたWebサイトや地図情報処理装置10から提供される情報を閲覧する際に利用される組み込みWebブラウザ(Embedded Web Browser(EMB))40、地図情報処理装置10や地図情報サービス提供サーバ14等から地図画像(イメージ)を含む地図情報を取得する画像取得部41、画像取得部41で取得した画像をユーザが指定した印刷設定に従って紙媒体に印刷する印刷処理部42と、MFP18にセットされた原稿(地図が印刷された紙媒体等)をスキャニングして画像として読み込む画像読み取り部43、及び画像読み取り部43で読み込んだ画像をユーザが指定した場所(地図情報処理装置10)に送信する画像送信部44とを実現する。
【0014】
地図情報処理装置10は、コンピュータにより実現されたサーバ機能を提供するもので、メモリ等の記録媒体に記録されたプログラムをプロセッサにより実行することにより各種の機能を実現する。地図情報処理装置10は、地図情報処理プログラムを実行することにより、MFP18においてユーザ指定に応じた地図を印刷するための処理を実行する地図印刷モジュール10aと、MFP18において読み取られた画像からユーザにより入力された地図情報と関連する情報を抽出して地図情報サービス提供サーバ14に登録するための処理を実行する地図情報登録モジュール10bによる処理機能を提供することができる。
【0015】
地図印刷モジュール10aは、MFP18のWebブラウザ40を通じてユーザからのアクセス要求や指定された情報(地図情報、印刷枚数、印刷指示等)を受信し、次の処理を決定するユーザ入力処理部20と、ユーザ入力処理部20により受信されたアクセス要求に応じてWebブラウザ40に地図画像、印刷枚数、印刷指示ボタン等を指定する設定画面を表示させる印刷設定画面表示部21と、ユーザが指定した地図情報と印刷枚数に従って地図情報サービス提供サーバ14から地図画像を取得する地図画像取得部22と、ユーザにより複数の印刷枚数が指定された場合に複数の印刷画像の関係を示す識別子を生成するものであって、ユーザの印刷指示の単位で識別子(グループ識別子)を作成し、グループ識別子とユーザが指定した緯度、経度、縮尺を関連付けて保存すると共に、印刷する地図画像毎に識別子(ページ識別子)を作成し、ページ識別子とグループ識別子、緯度、経度、縮尺、地図画像を関連付けて保存するページ・グループ識別子保存部23と、ページ識別子を表す識別コード画像を生成する識別コード生成部24と、地図画像取得部22で取得した地図画像の指定の位置に識別コード画像を重ね合わせた画像を生成する印刷画像生成部25と、その画像をMFP18に送信する画像送信部26を有している。
【0016】
地図情報登録モジュール10bは、MFP18の画像送信部44から送信された画像を取得する画像取得部30と、画像取得部30により取得された画像から識別コード画像を抽出し、識別コード画像からページ識別子とグループ識別子を抽出するページ・グループ識別子抽出部31と、地図印刷モジュール10aにおいてページ識別子と関連付けて保存された地図画像(印刷画像)と画像取得部30によりMFP18から取得した画像との差分を抽出する画像差分抽出部32と、差分結果と地図情報サービス提供サーバ14から得られた地図情報とをもとに、地図情報サービス提供サーバ14に登録する情報を判定する登録情報判定部33と、登録情報判定部33の判定結果に基づき指定のサービスに情報を登録する情報登録部34を有している。
【0017】
また、地図情報サービス提供サーバ14は、地図情報をWebサービスとして提供するサーバであり、インターネット12を介して、地図情報処理装置10及びMFP18によりアクセスされる。具体的には、地図情報サービス提供サーバ14は、アクセス対象とする地図の中心の緯度、経度、縮尺(尺度)が指定されると指定箇所の地図情報を返す。地図情報には、地図画像(イメージ)や地図中の場所(例えば、緯度経度により示される位置)と関連付けて設定されている店や道路などの地図中に印刷される各種対象物に関する情報が含まれている。店や道路などに関する情報には、例えば位置の他に各種の付加情報が含まれていても良い。
【0018】
次に、本実施形態における地図情報処理システムの動作についてフローチャートを参照しながら説明する。
図3は、地図情報処理装置10における地図印刷モジュール10aによる印刷処理を示すフローチャートである。
【0019】
まず、MFP18は、ユーザからの指示によりWebブラウザ40(EMB)が起動されると、Webブラウザ40を通じて地図情報処理装置10にアクセスする。地図情報処理装置10のユーザ入力処理部20は、MFP18からのアクセスに応じて、印刷設定画面表示部21により印刷設定用の初期画面をWebブラウザ40を通じてMFP18において表示させる。
【0020】
図4には、印刷設定用の初期画面の一例を示している。印刷設定画面表示部21は、例えば、地図情報を表示するための地図情報表示エリア50、地図情報表示エリア50において表示された地図を印刷する際の縦方向と横方向のそれぞれの印刷枚数を設定するための印刷設定エリア51、印刷設定のキャンセルを指示するためのキャンセルボタン52、印刷の実行を指示するための印刷実行ボタン53とが設けられた印刷設定画面を表示させる。
【0021】
また、地図情報表示エリア50に最初に表示される地図画像は、例えば、システムで一意に定められた場所を表示する。また、印刷設定用の縦方向及び横方向の印刷枚数は、リストボックスにして、予め設定された組合せのみ(例えば2×2、3×3など)選択できるようにしてもよい。
【0022】
地図情報表示エリア50の表示を定義する例えばHTML(Hyper Text Markup Language)には、地図情報サービス提供サーバ14に対して、指定位置の地図を表示するように依頼するスクリプト言語(例えばジャバスクリプト)が埋め込まれているものとする。それにより、印刷設定画面を表示したMFP18のWebブラウザ40(EWB)は、直接、地図情報サービス提供サーバ14にアクセスして、地図情報表示エリア50においてユーザにより指定された位置(緯度、経度)と縮尺に応じた地図情報を受信して地図を表示させることができる。
【0023】
MFP18を操作するユーザにより、印刷設定画面において印刷する地図(場所)と印刷枚数(縦、横の枚数)が指定され、印刷実行ボタン53が押されると(ステップA2)、ユーザ入力処理部20は、現在、地図情報表示エリア50において表示されている地図の中心の緯度、経度、縮尺と、印刷設定エリア51において設定されている印刷枚数を、Webブラウザ40を通じて取得する(ステップA3)。
【0024】
地図画像取得部22は、ユーザ入力処理部20を通じて、MFP18からの情報を取得し、印刷する地図(場所)を印刷枚数に従って分割した時の各地図画像の中心位置の緯度、経度、縮尺を計算する(ステップA4)。
【0025】
次に、地図画像取得部22は、印刷する各地図画像の中心位置の緯度、経度、縮尺とを地図情報サービス提供サーバ14に送信し、それぞれに対応する印刷枚数分の地図情報を取得する(ステップA5)。
【0026】
なお、印刷する各地図画像の地図の中心位置(緯度、経度)、縮尺の計算方法の例は下記のとおりである。
α:元の地図の中心位置の緯度
β:元の地図の中心位置の経度
Z:元の地図の縮尺率
R:地球一周の距離(m)
H:画面表示縦サイズ(cm)
W:画面表示幅サイズ(cm)
Row:縦の印刷数
Col:横の印刷数
CenterHeight(j):分割後の地図の中心位置から元の地図の中心位置までの縦方向の距離
δ_lat(j):分割後の地図の中心位置から元の地図の中心位置までの緯度差
θ_lat(j):分割後の地図の中心位置の緯度
CenterWeight(i):分割後の地図の中心位置から元の地図の中心位置までの横方向の距離
δ_lag(i):分割後の地図の中心位置から元の地図の中心位置までの緯度差
θ_lag(i):分割後の地図の中心位置の経度
γ:分割後の地図の縮尺率
Math.floor(x):xの小数部分を切り捨てた整数
とすると、分割後の緯度、経度、縮尺は次のように算出される。
【0027】
δ_lat(j)=CenterHeight(j)*360/R
θ_lat(j)=α+δ_lat(j) (j≧0の場合)
θ_lat(j)=α−δ_lat(j) (j<0の場合)
δ_lat(i)=CenterWeight(i)*360/(R*cos(α/180*π))
θ_lat(i)=β+δ_lag(i) (i≧0の場合)
θ_lat(i)=β−δ_lag(i) (i<0の場合)
γ=Z*Row (Row≦Colの場合)
γ=Z*Col (Row>Colの場合)
[Rowが偶数の場合]
j=±1,…,±(Row/2)
CenterLength(j)=(|j|−1/2)*H/(100*Z*Row)
[Rowが奇数の場合]
j=0,±1,…,±Math.floor(Row/2)
CenterLength(j)=|j|*H/(100*Z*Row)
[Colが偶数の場合]
i=±1,…,±(Col/2)
CenterWidth(i)=(|i|−1/2)*W/(100*Z*Col)
[Colが奇数の場合]
i=0,±1,…,±Math.floor(Col/2)
CenterWidth(i)=|i|*W/(100*Z*Col)
次に、地図情報処理装置10のページ・グループ識別子保存部23は、印刷する地図(場所)を印刷枚数に従って分割した複数の地図画像を管理するための識別子を生成する。ここでは、ページ・グループ識別子保存部23は、印刷される複数の地図画像毎に振られたページ識別子と、複数の地図画像に共通する、ユーザの印刷指示の単位で振られたグループ識別子とを生成する(ステップA6)。
【0028】
次に、識別コード生成部24は、ページ・グループ識別子保存部23によって生成された地図画像毎のページ識別子とグループ識別子を表す識別コード画像を生成する。ここでは、識別コード画像として、QR(Quick response)コードを生成するものとする(ステップA7)。なお、後述するスキャン処理において識別可能であれば、QRコード以外の他の形態による識別コード画像を生成するようにしても良い。
【0029】
印刷画像生成部25は、複数の地図画像毎に、それぞれの地図画像に対応する識別コード画像(QRコード)を合成して、印刷枚数分の印刷画像を生成する(ステップA8)。地図情報処理装置10は、印刷画像生成部25により生成された印刷画像を記録しておく。
【0030】
図5には、1枚分の地図画像55に識別コード画像を表すQRコード56が合成された印刷画像の一例を示している。
図5に示す印刷画像では、QRコード56を地図画像55の左上角において重ね合わせて合成している。QRコード56を合成する位置を特定の位置に決めておくことで、スキャン処理における識別コード画像を抽出する処理の負担を軽減することができる。なお、QRコード56の合成位置は、特定の位置に限らず、スキャン処理において識別コードを抽出することができれば任意の位置とすることも可能である。
【0031】
また、印刷画像生成部25は、印刷した地図に関係する印刷地図情報を記録するための印刷地図情報保管テーブルに、グループ識別子と、ユーザが指定した中心位置の緯度と経度、及び縮尺を関連付けて記録する。さらに、印刷画像生成部25は、印刷地図情報保管テーブルに、ページ識別子と、印刷画像に対応する地図の中心位置の緯度と経度、縮尺、グループ識別子、及び地図画像の記録先を示す画像パスとを関連付けて記録する。
【0032】
図6には、印刷画像生成部25によって印刷地図情報が記録された印刷地図情報保管テーブルの一例を示している。
図6に示す印刷地図情報保管テーブルでは、例えば、グループ識別子「0001」が振られた印刷指示では、ユーザによって、緯度「35」、経度「140」、縮尺「1/2500」の地図が印刷対象として指定されたことを示している。
【0033】
また、グループ識別子「0001」に対応する複数枚の印刷画像(地図画像、ここでは4枚)に対しては、ページ識別子「0001_A1」「0001_A2」「0001_B1」「0001_B2」が振られたことを示している。また、例えば、ページ識別子「0001_A1」に対応する印刷画像(地図画像)は、緯度「34」、経度「139」、縮尺「1/1250」で示され、記録先を示す画像パスが「C\temp0001_A1.jpg」であることが記録されている。印刷枚数を複数にすることにより1枚に印刷可能な地図の範囲が広くなるため、印刷枚数に応じて縮尺が大きくなっている。この例では、縦2×横2の4枚に地図が分割されているため、元の地図の縮尺「1/2500」が「1/1250」に変更されている。
【0034】
次に、画像送信部26は、Webブラウザ40からアクセスしてきたMFP18に対して、ユーザが指示した地図に対応する印刷画像を送信する(ステップA10)。ユーザが印刷設定画面において複数枚の印刷枚数を指定していた場合には、前述のようにして、印刷画像生成部25において生成された複数枚分の印刷画像を送信する。
【0035】
この際、地図情報処理装置10(画像送信部26)とMFP18との間の印刷画像の受け渡しの方法としては、地図情報処理装置10側に印刷ドライバを予めインストールしておき、Web(インターネット12)を介してアクセスしてきたMFP18こ対応する印刷ドライバを経由してMFP18に画像を送信する。または、地図情報処理装置10側に印刷ドライバをインストールせずに、Devices Profile for Web Servies(DPWS)等のWebサービスを利用して印刷画像の受け渡しをしても良い。
【0036】
さらに、MFP18において地図画像を印刷する際の印刷設定の内容を指示するようにしても良い。この場合、例えば印刷設定画面において、地図に関する設定(地図と印刷枚数)と共に、印刷設定をユーザによって指定できるようにする。印刷設定では、例えば、印刷部数やカラー印刷(カラーモード)、モノクロ印刷、1枚に印刷する地図枚数等をユーザ任意に指定することができる。画像送信部26は、印刷画像と共に印刷設定が記述された印刷指示書とを合わせた形式、例えば、XPS(XML Paper Specification)形式でMFP18に送信する。
【0037】
一方、MFP18の画像取得部41は、地図情報処理装置10から印刷画像を受信すると、印刷処理部42に受け渡す。印刷処理部42は、プリンタ機能によって印刷画像をもとに印刷を実行する。印刷設定が記述された印刷指示書を受信している場合には、印刷指示書の記述に応じた印刷を実行する。複数枚分の印刷画像を受信している場合には、複数枚の地図を印刷する。
【0038】
図7は、MFP18によって印刷された複数枚の地図の一例を示している。
図7に示す例では、ユーザが印刷対象とする地図の印刷枚数を、縦3×横3の9枚に指定した場合を示している。9枚の地図71〜79には、それぞれに対応するページ識別子を表すQRコード71a〜79aが予め決められた位置(左上角)に合成されている。
【0039】
また、印刷対象として指定した地図を9枚に分割して印刷しているため、1枚に印刷されている地図の縮尺が大きくなっている。ユーザは、必要とする範囲の地図を、任意に指定した枚数で分割して所持することが可能となる。
【0040】
本実施形態では、MFP18により印刷された地図にユーザが手書きによって書込みをすることにより、例えば道路や店などに関係する情報を地図情報サービス提供サーバ14に登録することができる。例えば、ユーザは、印刷された地図を見ながら移動して、その移動経路となった道路に沿った線を地図に書き込んだものとする。この移動経路を表す手書きの線を、図7中においてラインL1によって示している。また、移動中に立ち寄った店の位置を囲む線を地図に書き込んだものとする。この店の位置を囲む線を、図7中においてラインL2によって示している。
【0041】
後述するスキャン処理では、図8に示すように、差分画像としてユーザにより地図に記録されたラインL1,L2の情報を抽出し、このユーザが地図に書き込んだラインL1,L2の情報をもとにして地図情報サービス提供サーバ14に登録する情報が判定される。
【0042】
次に、地図情報処理装置10における地図情報登録モジュール10bのスキャン処理について、図9に示すフローチャートを参照しながら説明する。スキャン処理は、MFP18によって印刷された地図にユーザが書き込んだ情報を、MFP18によって読み取って地図情報サービス提供サーバ14に登録するための処理である。
【0043】
MFP18の画像読み取り部43は、スキャン(画像読み取り)の対象とする地図がセットされ、情報登録のためのスキャンの実行が指示されると、セットされた地図をスキャナ機能によってスキャン(画像読み取り)する。複数枚の地図がセットされている場合には、全ての地図についての画像を読み取る。
【0044】
なお、地図71〜79に合成されたQRコード71a〜79aに、それぞれの地図が、印刷対象としてユーザにより指定された地図全体の何れの位置に該当するか判別可能な情報が含まれていれば、MFP18にセットする地図の順番は決められた順番でなくても良い。すなわち、QRコード71a〜79aから得られる情報をもとに、各地図から読み取られた情報の並べ替えをすることができる。また、QRコード71a〜79aに地図全体における位置を示す情報が含まれなくても、所定の順番に複数の地図71〜79を並べてセットしてスキャンを実行することにより、各地図から読み取られた情報を正しい順番で処理することができる。
【0045】
画像送信部44は、画像読み取り部43により全ての地図についての画像読み取りが完了すると、地図情報処理装置10の画像取得部30に送信する。
【0046】
この際、MFP18(画像送信部44)は、地図情報処理装置10側のフォルダを指定して、指定したフォルダに画像を送信するようにしても良い。地図情報処理装置10は、MFP18により指定されたフォルダを一定間隔で監視し、MFP18から新しい画像が受信されたことを検知する。または、Device Profile for Services(DPWS)等のWebサービスを利用して、画像の受け渡しをしてもよい。
【0047】
地図情報処理装置10の画像取得部30は、MFP18(画像送信部44)から画像を取得すると(ステップB1、Yes)、複数枚の画像を処理するための初期設定として、MFP18から受信した画像の枚数を「N」、処理対象とする画像を示すnに「0」を設定し、処理対象とする画像を管理するリスト(List)を初期化する(ステップB2)。
【0048】
ページ・グループ識別子抽出部31は、画像取得部30により受信されたn番目(初期値0)の画像からQRコード等の識別コード画像の領域を特定し、この特定した領域の識別コード画像からページ識別子とグループ識別子を抽出する(ステップB4)。識別コード画像の位置が例えば図5に示すQRコード56のように決められている場合、ページ・グループ識別子抽出部31は、画像中の予め決められた位置(図5では画像の角近傍)を対象として識別コード画像の特定を行うことで処理を効率化する。
なお、識別コード画像の特定は、輪郭線抽出処理などの他の画像処理技術を利用して実行することが可能である。
【0049】
次に、画像差分抽出部32は、ページ・グループ識別子抽出部31によって抽出されたグループ識別子とページ識別子をキーにして、図6に示す印刷地図情報保管テーブルに保管されている印刷地図情報を取得する(ステップB6)。すなわち、グループ識別子とページ識別子とが一致する情報を検索し、該当するページ識別子と対応付けられた画像パスが示す記録先から印刷画像(地図画像)を読み出す。
【0050】
次に、画像差分抽出部32は、画像取得部30において取得した画像と、印刷地図情報の画像パスから読み出した元の画像との差分を抽出し(ステップB7)、この処理対象となっている画像を示すグループ識別子とページ識別子、及び差分によって抽出された差分画像とを差分情報として一時的にリストに保存する(ステップB8)。画像パスが示す場所に記録された元の画像は、MFP18によって読み取られた地図に印刷された地図であるので、画像間の差分をとることにより共通する地図の部分が消えて、図8に示すような、ユーザによって地図に書き込まれた部分の差分画像が抽出されることになる。なお、地図に合成された識別コード画像については、画像の差分によって消すことができないが、画像全体の僅かな範囲であるので無視する。
【0051】
MFP18から取得した画像が複数枚ある場合には、画像差分抽出部32は、処理対象とする画像を示すnを更新(インクリメント)しながら(ステップB9)、全画像枚数Nに到達するまで(ステップB3)、前述したように画像毎にグループ識別子とページ識別子の抽出、及び差分画像の抽出を繰り返して行う(ステップB4〜B9)。
【0052】
次に、登録情報判定部33は、一時的にリストに保存したグループ識別子とページ識別子とをもとに、グループ識別子毎に差分画像を統合する(ステップB10)。すなわち、各差分画像を、図8に示すように、ページ識別子をもとにして、各差分画像の全体の地図における配置に応じて並べ替えて合成する。
【0053】
また、登録情報判定部33は、印刷地図情報保管テーブルに記録されたページ識別子に該当する地図を示す情報(緯度、経度、縮尺)を読出し、この情報により地図情報サービス提供サーバ14に対して地図情報を要求する。そして、登録情報判定部33は、地図情報サービス提供サーバ14から受信される地図情報と、この地図情報に対応する差分画像をもとにして、地図情報サービス提供サーバ14に登録する情報を判定する(ステップB11)。
【0054】
以下、登録情報判定部33による地図情報サービス提供サーバ14に登録する情報の判定方法の一例について、図10、図11、及び図12に示すフローチャートを参照しながら説明する。
ここでは、図7に示すように、縦3枚、横3枚に分割して印刷された地図に対して、ユーザにより書き込まれた線(ラインL1,L2)を、図8に示すように抽出した場合を例にして説明する。なお、地図情報サービス提供サーバ14に登録する情報として、例えば、ユーザが地図上で手書きによって示した道路(経路)についての情報と店に関する情報があるものとする。
【0055】
ここで、差分画像の各データは、差分画像の最も左上を原点としたxy座標系のx座標(横座標)とy座標(縦座標)、及びユーザにより手書きされた線の部分に該当する差分データ(差がある箇所は1、無い箇所は0)を一つのデータとして管理されるものとする。
【0056】
図10に示すフローチャートでは、差分画像の全てのデータを順次処理対象とし、差分データ1(ユーザにより手書きされた部分)のデータが地図上の道路に該当するかを判別し、道路であった場合に経由点として保存していく。
【0057】
ここでは、y座標とx座標をそれぞれ初期値0にセットし(ステップC1,C4)、y座標の地図における緯度をY(ステップC3)、x座標の地図における経度をX(ステップC6)として、x座標を順次更新していく(ステップC10)。そして、現在の座標(x,y)に対応する差分データが1であり、かつ緯度Xと経度Yに該当する位置が道路であるかを、地図情報サービス提供サーバ14から受信した地図情報に含まれる道路に関する情報をもとに判定する(ステップC7)。
【0058】
緯度Xと経度Yに該当する位置が道路であると判定された場合には(ステップC8、Yes)、登録情報判定部33は、ユーザによって地図上で手書きされた経路中の経由点として、緯度Y、経度Xを保存する(ステップC9)。すなわち、図8に示すラインL1に該当する部分の緯度Yと経度Xが経路を表す情報として保存される。
【0059】
登録情報判定部33は、x座標が差分画像の横方向(x座標軸)の画素数Wとなるまで順次更新しながら(ステップC5、C10)、前述した判定を実行する(ステップC7)。x座標が画素数Wまで更新されると(ステップC5、No)、y座標を更新して(ステップC11)、前述した処理を繰り返して実行する(ステップC2〜C10)。そして、登録情報判定部33は、y座標が差分画像の縦方向(y座標軸)の画素数Hとなるまで処理が完了すると(ステップC2、No)、差分画像の全ての画素について判定を完了したものとして処理を終了する。
【0060】
一方、緯度Xと経度Yに該当する位置が道路でないと判定された場合には(ステップC8、No)、登録情報判定部33は、現在の処理対象としている座標(x,y)を含む所定の輪郭線(差分データ1の部分)を差分画像から抽出する(図11、ステップD1)。すなわち、差分データ1の座標(x,y)を含む道路ではない部分については、店についての情報を登録するためにユーザが手書き入力された部分であるかを判定する。ここで、輪郭線としては、例えば店の位置を指定する場合にユーザによって手書き入力される、店の位置を囲む線とする。
【0061】
登録情報判定部33は、座標(x,y)を含む輪郭線が抽出された場合(ステップD2、Yes)、輪郭内の座標の1つを取得して座標Tとし(ステップD3)、座標Tのy座標の緯度をYt、座標Tのx座標の経度をXtとする(ステップD4)。
【0062】
登録情報判定部33は、緯度Ytと経度Xtに該当する位置に店があるかを、地図情報サービス提供サーバ14から受信した地図情報に含まれる店に関する情報をもとに判定する(ステップD5)。
【0063】
緯度Ytと経度Xtに該当する位置に店がないと判定された場合(ステップD6、No)、登録情報判定部33は、輪郭線内の全ての座標について前述した判定を完了していなければ(ステップD7、No)、座標値を更新して輪郭線内の別の座標を取得して前述と同様の処理を繰り返して実行する(ステップD3〜D6)。
【0064】
一方、緯度Ytと経度Xtに該当する位置に店があると判定された場合(ステップD6、Yes)、登録情報判定部33は、ユーザによって地図上で手書きの囲み線で指定された店(例えば、ユーザが途中で立ち寄った経由店)として、緯度Ytと経度Xtを保存する(ステップD8)。また、緯度Ytと経度Xtと共に、地図情報に含まれている店自体についての情報(例えば、店名、住所、電話番号など)を保存するようにしても良い。
【0065】
なお、登録情報判定部33は、現在の処理対象としている座標(x,y)を含む所定の輪郭線(差分データ1の部分)を差分画像から抽出できなかった場合(ステップD2、No)、すなわち差分画像の差分データ1の部分において経由点と判定されず、かつ、経由店も判定されていない場合には、判定の対象とする位置を補正して経由点の判定を実行する。すなわち、ユーザが地図上で経路を示すために手書きした際に、正確に道路に沿って線が記入できなかったとしても、手書きされた線の近傍に道路がある場合は、経由点として保存できるようにする。
【0066】
登録情報判定部33は、差分画像から現在の処理対象としている座標(x,y)の周囲の座標を1つ取得して(例えば8近傍の何れか)、座標Uとし(図12、ステップE1)、座標Uのy座標の緯度をYu、座標Uのx座標の経度をXuとする(ステップE2)。
【0067】
登録情報判定部33は、緯度Xuと経度Yuに該当する位置が道路であるかを、地図情報サービス提供サーバ14から受信した地図情報に含まれる道路に関する情報をもとに判定する(ステップE3)。
【0068】
緯度Xuと経度Yuに該当する位置が道路であると判定された場合には(ステップE4、Yes)、登録情報判定部33は、ユーザによって地図上で手書きされた経路中の経由点として、緯度Yu、経度Xuを保存する(ステップE9)。すなわち、実際には、地図に対して正確に道路の部分が手書きされなかったとしても、経路を表す情報として保存することができる。
【0069】
一方、緯度Xuと経度Yuに該当する位置が道路でないと判定された場合には(ステップE5、No)、登録情報判定部33は、現在の処理対象としている座標(x,y)の周囲全ての座標について判定が完了していなければ(ステップE5、No)、別の周囲の座標を1つ取得して、前述と同様の処理を繰り返して実行する(ステップE1〜E5)。なお、処理対象としている座標(x,y)に対して、周囲の何れの範囲の座標まで判定対象とするかは、手書きされた線と道路のずれの許容範囲に応じて決定することができる。
【0070】
こうして、登録情報判定部33は、地図情報サービス提供サーバ14への登録対象とする情報を、差分画像と地図情報サービス提供サーバ14から取得した地図情報をもとに判定することができる。
【0071】
なお、前述した道路(経路)と店に関する情報の登録は、一例であって、差分情報と地図情報をもとにして判別可能な情報であれば、対象とする情報別にルール(判定方法)を設定しておくことにより、各種の情報を地図情報サービス提供サーバ14に登録することができるようになる。例えば、前述した説明では、店(地図中の特定の対象物)を指定する場合に囲み線を用いているが、点や特定の記号など他の形式によって指定することも可能である。
【0072】
また、ユーザによって手書きされた文字や図形などのパターン(差分画像)そのものを登録対象とする情報としても良い。これにより、ユーザが地図に手書きしたメモや図形、イラストなどを登録対象とすることもできる。また、手書き文字については文字認識処理により文字コード化して登録対象とすることも可能である。
【0073】
こうして登録情報判定部33により地図情報サービス提供サーバ14へ登録する情報が保存されると、情報登録部34は、地図情報サービス提供サーバ14が提供するWebサービスを利用して、ユーザが地図に手書きすることによって指定した経路及び立ち寄った店等の情報を登録する(図9、ステップB12)。
【0074】
地図情報サービス提供サーバ14は、Webサービスにより地図情報処理装置10から登録された情報を記録して、Web(インターネット12)を通じて公開する。
【0075】
このようにして、本実施形態における地図情報処理システムを利用することにより、ユーザがMFP18のWebブラウザ40を通じて指定した地図を指定した枚数で印刷することができ、この地図に対して書き込んだ情報をMFP18において地図をスキャンすることにより、地図情報処理装置10を通じて簡単に地図情報サービス提供サーバ14のWebサービスに登録することができる。このため、地図を複数枚の紙に印刷する場合のコスト、及び、複数枚に印刷された地図に書き込まれた情報をWebサービスに登録する等のデジタル化に伴うコストを削減することができる。
【0076】
なお、前述した説明では、地図情報処理装置10が独立した装置として構成されているが、MFP18に地図情報処理装置10の機能が実装された構成としても良い。この場合、地図情報処理装置10の機能が実装されたMFP18は、LAN16とインターネット12を介して地図情報サービス提供サーバ14と接続され、地図情報サービス提供サーバ14から必要な情報を取得し、またユーザにより指定された情報を登録することができる。この場合、地図情報処理装置10の機能が実装されたMFP18によって、他の一般のMFP18に対して、前述した地図情報処理装置10と同様の処理を提供することもできる。これにより、地図情報処理システムに1台の地図情報処理装置10の機能が実装されたMFP18を設けることにより、他の通常機能を有する複数のMFP18から、地図情報サービス提供サーバ14に対して情報を簡単に登録することができる。
【0077】
また、前述した説明では、地図情報処理装置10を介して、ユーザにより指定された情報を地図情報サービス提供サーバ14に登録するものとして説明しているが、地図情報サービス提供サーバ14とは別に設けられた登録サーバや例えば個人使用されているパーソナルコンピュータに対して、インターネット12を通じて情報を送信して登録させるようにしても良い。
【0078】
また、MFP18のEWB(Webブラウザ40)を通じて地図を指定して印刷を実行しているが、ブラウザを備えるPC(Personal Computer)から地図情報処理装置10にアクセスして印刷指示をする構成でもよい。
【0079】
さらに、地図情報処理装置10の内部に地図情報処理プログラムが予め記録されているものとして説明をしたが、これに限らずインターネット12を通じて他のサーバから地図情報処理プログラムをダウンロードしても良いし、地図情報処理プログラムが記録された記録媒体からインストールしてもよい。記録媒体としては、CD−ROM等プログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能な記録媒体であれば、その形態は何れの形態であっても良い。またこのように予めインストールやダウンロードにより得る機能は装置内部のOS等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0080】
この他、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を組合わせてもよい。
【符号の説明】
【0081】
10…地図情報処理装置、10a…地図印刷モジュール、10b…地図情報登録モジュール、12…インターネット、14…地図情報サービス提供サーバ、16…LAN、18(18−1、…,18−n)…MFP、20…ユーザ入力処理部、21…印刷設定画面表示部、22…地図画像取得部、23…ページ・グループ識別子保存部、24…識別コード生成部、25…印刷画像生成部、26…画像送信部、30…画像取得部、31…ページ・グループ識別子抽出部、32…画像差分抽出部、33…登録情報判定部、34…情報登録部、40…Webブラウザ、41…画像取得部、42…印刷処理部、43…画像読み取り部、44…画像送信部。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0082】
【特許文献1】特開2006−40218号公報
【特許文献2】特開2009−70136号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図情報処理装置及び地図情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、どこでもいつでもデジタル情報にアクセスできるユビキタス環境が整備されつつある。それにより、旅行先で携帯電話機等のブラウザから地図情報を提供するWebサービスにアクセスして、地図情報を参照することができるようになってきた。
【0003】
一方で、携帯電話機等のポータブルなデジタル機器に地図を表示した場合に、画面が小さく、複雑な地図情報や縮尺が小さい場合(縮尺分母が大きい)は可視性が悪くなるため、地図情報を紙に印刷し、紙媒体で持ち運ぶ人も多い。
【0004】
Webサービスには、ユーザが情報を登録して、知り合いと共有することができるものものがある。従来では、地図情報に関連したユーザが指定した情報、例えばユーザが通過した経路やコメントなどの情報をWebサービスに登録しようとした場合、地図情報を紙媒体で持ち運んでいると多大な労力を必要としていた。例えば、紙媒体にユーザが情報を書き込んだ場合、こうした情報をデジタル化してからWebサービスに登録する必要がある。特に、地図情報を複数枚の紙媒体に分けて持ち運んでいた場合には、複数枚の紙媒体に書き込まれた情報を関連付けることが困難となっていた。
【0005】
特許文献1には、指定の地図(場所)を指定の枚数で印刷する技術について記載されている。
特許文献2には、デジタル情報の識別子を表すQRコードを印刷画像に張り付けて印刷し、スキャン時に、そのQRコードからデジタル情報を取得して、スキャン画像とデジタル情報との画像差分から指定の処理を実行する技術について記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように従来では、地図情報が印刷された紙媒体に書き込まれた情報をWebサービス等に登録することが簡単にできなかった。
【0007】
本発明はこのような事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、地図情報が印刷された紙媒体に書き込まれた情報を容易に登録することが可能な地図情報処理装置、地図情報処理プログラムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ユーザにより指定された地図を印刷するための印刷画像を生成する印刷画像生成手段と、前記印刷画像生成手段により生成された印刷画像を印刷装置に送信して印刷を実行させる画像送信手段と、前記印刷装置から送信された画像を取得する画像取得手段と、前記画像取得手段により取得された画像と前記印刷画像との差分を取って差分画像を抽出する画像差分抽出手段と、前記差分画像と前記印刷画像に対応する地図に対応する地図情報をもとに登録対象とする情報を判定する登録情報判定手段と、前記登録情報判定手段により判定された情報を登録する情報登録手段とを備えたものである。
【発明の効果】
【0009】
かかる手段を講じた本発明によれば、地図情報が印刷された紙媒体に書き込まれた情報を容易に登録することができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態における地図情報処理システムの全体構成図。
【図2】本実施形態における地図情報処理システムの機能を示すブロック図。
【図3】地図情報処理装置10における地図印刷モジュールによる印刷処理を示すフローチャート。
【図4】本実施形態における印刷設定用の初期画面の一例を示す図。
【図5】本実施形態における1枚分の地図画像に識別コード画像を表すQRコードが合成された印刷画像の一例を示す図。
【図6】本実施形態における印刷画像生成部によって印刷地図情報が記録された印刷地図情報保管テーブルの一例を示す図。
【図7】本実施形態におけるMFPによって印刷された複数枚の地図の一例を示す図。
【図8】本実施形態における差分画像の一例を示す図。
【図9】本実施形態における地図情報登録モジュールのスキャン処理について示すフローチャート。
【図10】本実施形態における登録情報判定部による登録する情報の判定方法の一例について示すフローチャート。
【図11】本実施形態における登録情報判定部による登録する情報の判定方法の一例について示すフローチャート。
【図12】本実施形態における登録情報判定部による登録する情報の判定方法の一例について示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施する一形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本実施形態における地図情報処理システムの全体構成図である。地図情報処理システムは、地図情報処理装置10と、インターネット12を介して接続された地図情報サービス提供サーバ14と、地図情報処理装置10にLAN(Local Area Network)16を介して接続された複数台のMFP(Multi Function Printer)18(18−1、…,18−n)が設けられている。
【0012】
MFP18は、例えばプリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能を有した複合機である。MFP18は、LAN16を通じてインターネット12に接続し、地図情報サービス提供サーバ14等にアクセスしてデータを送受信することができる。
【0013】
図2は、本実施形態における地図情報処理システムの機能を示すブロック図である。
図2に示すように、MFP18は、コンピュータの機能が実装されており、各種プログラムをプロセッサにより実行することで、インターネット12上に公開されたWebサイトや地図情報処理装置10から提供される情報を閲覧する際に利用される組み込みWebブラウザ(Embedded Web Browser(EMB))40、地図情報処理装置10や地図情報サービス提供サーバ14等から地図画像(イメージ)を含む地図情報を取得する画像取得部41、画像取得部41で取得した画像をユーザが指定した印刷設定に従って紙媒体に印刷する印刷処理部42と、MFP18にセットされた原稿(地図が印刷された紙媒体等)をスキャニングして画像として読み込む画像読み取り部43、及び画像読み取り部43で読み込んだ画像をユーザが指定した場所(地図情報処理装置10)に送信する画像送信部44とを実現する。
【0014】
地図情報処理装置10は、コンピュータにより実現されたサーバ機能を提供するもので、メモリ等の記録媒体に記録されたプログラムをプロセッサにより実行することにより各種の機能を実現する。地図情報処理装置10は、地図情報処理プログラムを実行することにより、MFP18においてユーザ指定に応じた地図を印刷するための処理を実行する地図印刷モジュール10aと、MFP18において読み取られた画像からユーザにより入力された地図情報と関連する情報を抽出して地図情報サービス提供サーバ14に登録するための処理を実行する地図情報登録モジュール10bによる処理機能を提供することができる。
【0015】
地図印刷モジュール10aは、MFP18のWebブラウザ40を通じてユーザからのアクセス要求や指定された情報(地図情報、印刷枚数、印刷指示等)を受信し、次の処理を決定するユーザ入力処理部20と、ユーザ入力処理部20により受信されたアクセス要求に応じてWebブラウザ40に地図画像、印刷枚数、印刷指示ボタン等を指定する設定画面を表示させる印刷設定画面表示部21と、ユーザが指定した地図情報と印刷枚数に従って地図情報サービス提供サーバ14から地図画像を取得する地図画像取得部22と、ユーザにより複数の印刷枚数が指定された場合に複数の印刷画像の関係を示す識別子を生成するものであって、ユーザの印刷指示の単位で識別子(グループ識別子)を作成し、グループ識別子とユーザが指定した緯度、経度、縮尺を関連付けて保存すると共に、印刷する地図画像毎に識別子(ページ識別子)を作成し、ページ識別子とグループ識別子、緯度、経度、縮尺、地図画像を関連付けて保存するページ・グループ識別子保存部23と、ページ識別子を表す識別コード画像を生成する識別コード生成部24と、地図画像取得部22で取得した地図画像の指定の位置に識別コード画像を重ね合わせた画像を生成する印刷画像生成部25と、その画像をMFP18に送信する画像送信部26を有している。
【0016】
地図情報登録モジュール10bは、MFP18の画像送信部44から送信された画像を取得する画像取得部30と、画像取得部30により取得された画像から識別コード画像を抽出し、識別コード画像からページ識別子とグループ識別子を抽出するページ・グループ識別子抽出部31と、地図印刷モジュール10aにおいてページ識別子と関連付けて保存された地図画像(印刷画像)と画像取得部30によりMFP18から取得した画像との差分を抽出する画像差分抽出部32と、差分結果と地図情報サービス提供サーバ14から得られた地図情報とをもとに、地図情報サービス提供サーバ14に登録する情報を判定する登録情報判定部33と、登録情報判定部33の判定結果に基づき指定のサービスに情報を登録する情報登録部34を有している。
【0017】
また、地図情報サービス提供サーバ14は、地図情報をWebサービスとして提供するサーバであり、インターネット12を介して、地図情報処理装置10及びMFP18によりアクセスされる。具体的には、地図情報サービス提供サーバ14は、アクセス対象とする地図の中心の緯度、経度、縮尺(尺度)が指定されると指定箇所の地図情報を返す。地図情報には、地図画像(イメージ)や地図中の場所(例えば、緯度経度により示される位置)と関連付けて設定されている店や道路などの地図中に印刷される各種対象物に関する情報が含まれている。店や道路などに関する情報には、例えば位置の他に各種の付加情報が含まれていても良い。
【0018】
次に、本実施形態における地図情報処理システムの動作についてフローチャートを参照しながら説明する。
図3は、地図情報処理装置10における地図印刷モジュール10aによる印刷処理を示すフローチャートである。
【0019】
まず、MFP18は、ユーザからの指示によりWebブラウザ40(EMB)が起動されると、Webブラウザ40を通じて地図情報処理装置10にアクセスする。地図情報処理装置10のユーザ入力処理部20は、MFP18からのアクセスに応じて、印刷設定画面表示部21により印刷設定用の初期画面をWebブラウザ40を通じてMFP18において表示させる。
【0020】
図4には、印刷設定用の初期画面の一例を示している。印刷設定画面表示部21は、例えば、地図情報を表示するための地図情報表示エリア50、地図情報表示エリア50において表示された地図を印刷する際の縦方向と横方向のそれぞれの印刷枚数を設定するための印刷設定エリア51、印刷設定のキャンセルを指示するためのキャンセルボタン52、印刷の実行を指示するための印刷実行ボタン53とが設けられた印刷設定画面を表示させる。
【0021】
また、地図情報表示エリア50に最初に表示される地図画像は、例えば、システムで一意に定められた場所を表示する。また、印刷設定用の縦方向及び横方向の印刷枚数は、リストボックスにして、予め設定された組合せのみ(例えば2×2、3×3など)選択できるようにしてもよい。
【0022】
地図情報表示エリア50の表示を定義する例えばHTML(Hyper Text Markup Language)には、地図情報サービス提供サーバ14に対して、指定位置の地図を表示するように依頼するスクリプト言語(例えばジャバスクリプト)が埋め込まれているものとする。それにより、印刷設定画面を表示したMFP18のWebブラウザ40(EWB)は、直接、地図情報サービス提供サーバ14にアクセスして、地図情報表示エリア50においてユーザにより指定された位置(緯度、経度)と縮尺に応じた地図情報を受信して地図を表示させることができる。
【0023】
MFP18を操作するユーザにより、印刷設定画面において印刷する地図(場所)と印刷枚数(縦、横の枚数)が指定され、印刷実行ボタン53が押されると(ステップA2)、ユーザ入力処理部20は、現在、地図情報表示エリア50において表示されている地図の中心の緯度、経度、縮尺と、印刷設定エリア51において設定されている印刷枚数を、Webブラウザ40を通じて取得する(ステップA3)。
【0024】
地図画像取得部22は、ユーザ入力処理部20を通じて、MFP18からの情報を取得し、印刷する地図(場所)を印刷枚数に従って分割した時の各地図画像の中心位置の緯度、経度、縮尺を計算する(ステップA4)。
【0025】
次に、地図画像取得部22は、印刷する各地図画像の中心位置の緯度、経度、縮尺とを地図情報サービス提供サーバ14に送信し、それぞれに対応する印刷枚数分の地図情報を取得する(ステップA5)。
【0026】
なお、印刷する各地図画像の地図の中心位置(緯度、経度)、縮尺の計算方法の例は下記のとおりである。
α:元の地図の中心位置の緯度
β:元の地図の中心位置の経度
Z:元の地図の縮尺率
R:地球一周の距離(m)
H:画面表示縦サイズ(cm)
W:画面表示幅サイズ(cm)
Row:縦の印刷数
Col:横の印刷数
CenterHeight(j):分割後の地図の中心位置から元の地図の中心位置までの縦方向の距離
δ_lat(j):分割後の地図の中心位置から元の地図の中心位置までの緯度差
θ_lat(j):分割後の地図の中心位置の緯度
CenterWeight(i):分割後の地図の中心位置から元の地図の中心位置までの横方向の距離
δ_lag(i):分割後の地図の中心位置から元の地図の中心位置までの緯度差
θ_lag(i):分割後の地図の中心位置の経度
γ:分割後の地図の縮尺率
Math.floor(x):xの小数部分を切り捨てた整数
とすると、分割後の緯度、経度、縮尺は次のように算出される。
【0027】
δ_lat(j)=CenterHeight(j)*360/R
θ_lat(j)=α+δ_lat(j) (j≧0の場合)
θ_lat(j)=α−δ_lat(j) (j<0の場合)
δ_lat(i)=CenterWeight(i)*360/(R*cos(α/180*π))
θ_lat(i)=β+δ_lag(i) (i≧0の場合)
θ_lat(i)=β−δ_lag(i) (i<0の場合)
γ=Z*Row (Row≦Colの場合)
γ=Z*Col (Row>Colの場合)
[Rowが偶数の場合]
j=±1,…,±(Row/2)
CenterLength(j)=(|j|−1/2)*H/(100*Z*Row)
[Rowが奇数の場合]
j=0,±1,…,±Math.floor(Row/2)
CenterLength(j)=|j|*H/(100*Z*Row)
[Colが偶数の場合]
i=±1,…,±(Col/2)
CenterWidth(i)=(|i|−1/2)*W/(100*Z*Col)
[Colが奇数の場合]
i=0,±1,…,±Math.floor(Col/2)
CenterWidth(i)=|i|*W/(100*Z*Col)
次に、地図情報処理装置10のページ・グループ識別子保存部23は、印刷する地図(場所)を印刷枚数に従って分割した複数の地図画像を管理するための識別子を生成する。ここでは、ページ・グループ識別子保存部23は、印刷される複数の地図画像毎に振られたページ識別子と、複数の地図画像に共通する、ユーザの印刷指示の単位で振られたグループ識別子とを生成する(ステップA6)。
【0028】
次に、識別コード生成部24は、ページ・グループ識別子保存部23によって生成された地図画像毎のページ識別子とグループ識別子を表す識別コード画像を生成する。ここでは、識別コード画像として、QR(Quick response)コードを生成するものとする(ステップA7)。なお、後述するスキャン処理において識別可能であれば、QRコード以外の他の形態による識別コード画像を生成するようにしても良い。
【0029】
印刷画像生成部25は、複数の地図画像毎に、それぞれの地図画像に対応する識別コード画像(QRコード)を合成して、印刷枚数分の印刷画像を生成する(ステップA8)。地図情報処理装置10は、印刷画像生成部25により生成された印刷画像を記録しておく。
【0030】
図5には、1枚分の地図画像55に識別コード画像を表すQRコード56が合成された印刷画像の一例を示している。
図5に示す印刷画像では、QRコード56を地図画像55の左上角において重ね合わせて合成している。QRコード56を合成する位置を特定の位置に決めておくことで、スキャン処理における識別コード画像を抽出する処理の負担を軽減することができる。なお、QRコード56の合成位置は、特定の位置に限らず、スキャン処理において識別コードを抽出することができれば任意の位置とすることも可能である。
【0031】
また、印刷画像生成部25は、印刷した地図に関係する印刷地図情報を記録するための印刷地図情報保管テーブルに、グループ識別子と、ユーザが指定した中心位置の緯度と経度、及び縮尺を関連付けて記録する。さらに、印刷画像生成部25は、印刷地図情報保管テーブルに、ページ識別子と、印刷画像に対応する地図の中心位置の緯度と経度、縮尺、グループ識別子、及び地図画像の記録先を示す画像パスとを関連付けて記録する。
【0032】
図6には、印刷画像生成部25によって印刷地図情報が記録された印刷地図情報保管テーブルの一例を示している。
図6に示す印刷地図情報保管テーブルでは、例えば、グループ識別子「0001」が振られた印刷指示では、ユーザによって、緯度「35」、経度「140」、縮尺「1/2500」の地図が印刷対象として指定されたことを示している。
【0033】
また、グループ識別子「0001」に対応する複数枚の印刷画像(地図画像、ここでは4枚)に対しては、ページ識別子「0001_A1」「0001_A2」「0001_B1」「0001_B2」が振られたことを示している。また、例えば、ページ識別子「0001_A1」に対応する印刷画像(地図画像)は、緯度「34」、経度「139」、縮尺「1/1250」で示され、記録先を示す画像パスが「C\temp0001_A1.jpg」であることが記録されている。印刷枚数を複数にすることにより1枚に印刷可能な地図の範囲が広くなるため、印刷枚数に応じて縮尺が大きくなっている。この例では、縦2×横2の4枚に地図が分割されているため、元の地図の縮尺「1/2500」が「1/1250」に変更されている。
【0034】
次に、画像送信部26は、Webブラウザ40からアクセスしてきたMFP18に対して、ユーザが指示した地図に対応する印刷画像を送信する(ステップA10)。ユーザが印刷設定画面において複数枚の印刷枚数を指定していた場合には、前述のようにして、印刷画像生成部25において生成された複数枚分の印刷画像を送信する。
【0035】
この際、地図情報処理装置10(画像送信部26)とMFP18との間の印刷画像の受け渡しの方法としては、地図情報処理装置10側に印刷ドライバを予めインストールしておき、Web(インターネット12)を介してアクセスしてきたMFP18こ対応する印刷ドライバを経由してMFP18に画像を送信する。または、地図情報処理装置10側に印刷ドライバをインストールせずに、Devices Profile for Web Servies(DPWS)等のWebサービスを利用して印刷画像の受け渡しをしても良い。
【0036】
さらに、MFP18において地図画像を印刷する際の印刷設定の内容を指示するようにしても良い。この場合、例えば印刷設定画面において、地図に関する設定(地図と印刷枚数)と共に、印刷設定をユーザによって指定できるようにする。印刷設定では、例えば、印刷部数やカラー印刷(カラーモード)、モノクロ印刷、1枚に印刷する地図枚数等をユーザ任意に指定することができる。画像送信部26は、印刷画像と共に印刷設定が記述された印刷指示書とを合わせた形式、例えば、XPS(XML Paper Specification)形式でMFP18に送信する。
【0037】
一方、MFP18の画像取得部41は、地図情報処理装置10から印刷画像を受信すると、印刷処理部42に受け渡す。印刷処理部42は、プリンタ機能によって印刷画像をもとに印刷を実行する。印刷設定が記述された印刷指示書を受信している場合には、印刷指示書の記述に応じた印刷を実行する。複数枚分の印刷画像を受信している場合には、複数枚の地図を印刷する。
【0038】
図7は、MFP18によって印刷された複数枚の地図の一例を示している。
図7に示す例では、ユーザが印刷対象とする地図の印刷枚数を、縦3×横3の9枚に指定した場合を示している。9枚の地図71〜79には、それぞれに対応するページ識別子を表すQRコード71a〜79aが予め決められた位置(左上角)に合成されている。
【0039】
また、印刷対象として指定した地図を9枚に分割して印刷しているため、1枚に印刷されている地図の縮尺が大きくなっている。ユーザは、必要とする範囲の地図を、任意に指定した枚数で分割して所持することが可能となる。
【0040】
本実施形態では、MFP18により印刷された地図にユーザが手書きによって書込みをすることにより、例えば道路や店などに関係する情報を地図情報サービス提供サーバ14に登録することができる。例えば、ユーザは、印刷された地図を見ながら移動して、その移動経路となった道路に沿った線を地図に書き込んだものとする。この移動経路を表す手書きの線を、図7中においてラインL1によって示している。また、移動中に立ち寄った店の位置を囲む線を地図に書き込んだものとする。この店の位置を囲む線を、図7中においてラインL2によって示している。
【0041】
後述するスキャン処理では、図8に示すように、差分画像としてユーザにより地図に記録されたラインL1,L2の情報を抽出し、このユーザが地図に書き込んだラインL1,L2の情報をもとにして地図情報サービス提供サーバ14に登録する情報が判定される。
【0042】
次に、地図情報処理装置10における地図情報登録モジュール10bのスキャン処理について、図9に示すフローチャートを参照しながら説明する。スキャン処理は、MFP18によって印刷された地図にユーザが書き込んだ情報を、MFP18によって読み取って地図情報サービス提供サーバ14に登録するための処理である。
【0043】
MFP18の画像読み取り部43は、スキャン(画像読み取り)の対象とする地図がセットされ、情報登録のためのスキャンの実行が指示されると、セットされた地図をスキャナ機能によってスキャン(画像読み取り)する。複数枚の地図がセットされている場合には、全ての地図についての画像を読み取る。
【0044】
なお、地図71〜79に合成されたQRコード71a〜79aに、それぞれの地図が、印刷対象としてユーザにより指定された地図全体の何れの位置に該当するか判別可能な情報が含まれていれば、MFP18にセットする地図の順番は決められた順番でなくても良い。すなわち、QRコード71a〜79aから得られる情報をもとに、各地図から読み取られた情報の並べ替えをすることができる。また、QRコード71a〜79aに地図全体における位置を示す情報が含まれなくても、所定の順番に複数の地図71〜79を並べてセットしてスキャンを実行することにより、各地図から読み取られた情報を正しい順番で処理することができる。
【0045】
画像送信部44は、画像読み取り部43により全ての地図についての画像読み取りが完了すると、地図情報処理装置10の画像取得部30に送信する。
【0046】
この際、MFP18(画像送信部44)は、地図情報処理装置10側のフォルダを指定して、指定したフォルダに画像を送信するようにしても良い。地図情報処理装置10は、MFP18により指定されたフォルダを一定間隔で監視し、MFP18から新しい画像が受信されたことを検知する。または、Device Profile for Services(DPWS)等のWebサービスを利用して、画像の受け渡しをしてもよい。
【0047】
地図情報処理装置10の画像取得部30は、MFP18(画像送信部44)から画像を取得すると(ステップB1、Yes)、複数枚の画像を処理するための初期設定として、MFP18から受信した画像の枚数を「N」、処理対象とする画像を示すnに「0」を設定し、処理対象とする画像を管理するリスト(List)を初期化する(ステップB2)。
【0048】
ページ・グループ識別子抽出部31は、画像取得部30により受信されたn番目(初期値0)の画像からQRコード等の識別コード画像の領域を特定し、この特定した領域の識別コード画像からページ識別子とグループ識別子を抽出する(ステップB4)。識別コード画像の位置が例えば図5に示すQRコード56のように決められている場合、ページ・グループ識別子抽出部31は、画像中の予め決められた位置(図5では画像の角近傍)を対象として識別コード画像の特定を行うことで処理を効率化する。
なお、識別コード画像の特定は、輪郭線抽出処理などの他の画像処理技術を利用して実行することが可能である。
【0049】
次に、画像差分抽出部32は、ページ・グループ識別子抽出部31によって抽出されたグループ識別子とページ識別子をキーにして、図6に示す印刷地図情報保管テーブルに保管されている印刷地図情報を取得する(ステップB6)。すなわち、グループ識別子とページ識別子とが一致する情報を検索し、該当するページ識別子と対応付けられた画像パスが示す記録先から印刷画像(地図画像)を読み出す。
【0050】
次に、画像差分抽出部32は、画像取得部30において取得した画像と、印刷地図情報の画像パスから読み出した元の画像との差分を抽出し(ステップB7)、この処理対象となっている画像を示すグループ識別子とページ識別子、及び差分によって抽出された差分画像とを差分情報として一時的にリストに保存する(ステップB8)。画像パスが示す場所に記録された元の画像は、MFP18によって読み取られた地図に印刷された地図であるので、画像間の差分をとることにより共通する地図の部分が消えて、図8に示すような、ユーザによって地図に書き込まれた部分の差分画像が抽出されることになる。なお、地図に合成された識別コード画像については、画像の差分によって消すことができないが、画像全体の僅かな範囲であるので無視する。
【0051】
MFP18から取得した画像が複数枚ある場合には、画像差分抽出部32は、処理対象とする画像を示すnを更新(インクリメント)しながら(ステップB9)、全画像枚数Nに到達するまで(ステップB3)、前述したように画像毎にグループ識別子とページ識別子の抽出、及び差分画像の抽出を繰り返して行う(ステップB4〜B9)。
【0052】
次に、登録情報判定部33は、一時的にリストに保存したグループ識別子とページ識別子とをもとに、グループ識別子毎に差分画像を統合する(ステップB10)。すなわち、各差分画像を、図8に示すように、ページ識別子をもとにして、各差分画像の全体の地図における配置に応じて並べ替えて合成する。
【0053】
また、登録情報判定部33は、印刷地図情報保管テーブルに記録されたページ識別子に該当する地図を示す情報(緯度、経度、縮尺)を読出し、この情報により地図情報サービス提供サーバ14に対して地図情報を要求する。そして、登録情報判定部33は、地図情報サービス提供サーバ14から受信される地図情報と、この地図情報に対応する差分画像をもとにして、地図情報サービス提供サーバ14に登録する情報を判定する(ステップB11)。
【0054】
以下、登録情報判定部33による地図情報サービス提供サーバ14に登録する情報の判定方法の一例について、図10、図11、及び図12に示すフローチャートを参照しながら説明する。
ここでは、図7に示すように、縦3枚、横3枚に分割して印刷された地図に対して、ユーザにより書き込まれた線(ラインL1,L2)を、図8に示すように抽出した場合を例にして説明する。なお、地図情報サービス提供サーバ14に登録する情報として、例えば、ユーザが地図上で手書きによって示した道路(経路)についての情報と店に関する情報があるものとする。
【0055】
ここで、差分画像の各データは、差分画像の最も左上を原点としたxy座標系のx座標(横座標)とy座標(縦座標)、及びユーザにより手書きされた線の部分に該当する差分データ(差がある箇所は1、無い箇所は0)を一つのデータとして管理されるものとする。
【0056】
図10に示すフローチャートでは、差分画像の全てのデータを順次処理対象とし、差分データ1(ユーザにより手書きされた部分)のデータが地図上の道路に該当するかを判別し、道路であった場合に経由点として保存していく。
【0057】
ここでは、y座標とx座標をそれぞれ初期値0にセットし(ステップC1,C4)、y座標の地図における緯度をY(ステップC3)、x座標の地図における経度をX(ステップC6)として、x座標を順次更新していく(ステップC10)。そして、現在の座標(x,y)に対応する差分データが1であり、かつ緯度Xと経度Yに該当する位置が道路であるかを、地図情報サービス提供サーバ14から受信した地図情報に含まれる道路に関する情報をもとに判定する(ステップC7)。
【0058】
緯度Xと経度Yに該当する位置が道路であると判定された場合には(ステップC8、Yes)、登録情報判定部33は、ユーザによって地図上で手書きされた経路中の経由点として、緯度Y、経度Xを保存する(ステップC9)。すなわち、図8に示すラインL1に該当する部分の緯度Yと経度Xが経路を表す情報として保存される。
【0059】
登録情報判定部33は、x座標が差分画像の横方向(x座標軸)の画素数Wとなるまで順次更新しながら(ステップC5、C10)、前述した判定を実行する(ステップC7)。x座標が画素数Wまで更新されると(ステップC5、No)、y座標を更新して(ステップC11)、前述した処理を繰り返して実行する(ステップC2〜C10)。そして、登録情報判定部33は、y座標が差分画像の縦方向(y座標軸)の画素数Hとなるまで処理が完了すると(ステップC2、No)、差分画像の全ての画素について判定を完了したものとして処理を終了する。
【0060】
一方、緯度Xと経度Yに該当する位置が道路でないと判定された場合には(ステップC8、No)、登録情報判定部33は、現在の処理対象としている座標(x,y)を含む所定の輪郭線(差分データ1の部分)を差分画像から抽出する(図11、ステップD1)。すなわち、差分データ1の座標(x,y)を含む道路ではない部分については、店についての情報を登録するためにユーザが手書き入力された部分であるかを判定する。ここで、輪郭線としては、例えば店の位置を指定する場合にユーザによって手書き入力される、店の位置を囲む線とする。
【0061】
登録情報判定部33は、座標(x,y)を含む輪郭線が抽出された場合(ステップD2、Yes)、輪郭内の座標の1つを取得して座標Tとし(ステップD3)、座標Tのy座標の緯度をYt、座標Tのx座標の経度をXtとする(ステップD4)。
【0062】
登録情報判定部33は、緯度Ytと経度Xtに該当する位置に店があるかを、地図情報サービス提供サーバ14から受信した地図情報に含まれる店に関する情報をもとに判定する(ステップD5)。
【0063】
緯度Ytと経度Xtに該当する位置に店がないと判定された場合(ステップD6、No)、登録情報判定部33は、輪郭線内の全ての座標について前述した判定を完了していなければ(ステップD7、No)、座標値を更新して輪郭線内の別の座標を取得して前述と同様の処理を繰り返して実行する(ステップD3〜D6)。
【0064】
一方、緯度Ytと経度Xtに該当する位置に店があると判定された場合(ステップD6、Yes)、登録情報判定部33は、ユーザによって地図上で手書きの囲み線で指定された店(例えば、ユーザが途中で立ち寄った経由店)として、緯度Ytと経度Xtを保存する(ステップD8)。また、緯度Ytと経度Xtと共に、地図情報に含まれている店自体についての情報(例えば、店名、住所、電話番号など)を保存するようにしても良い。
【0065】
なお、登録情報判定部33は、現在の処理対象としている座標(x,y)を含む所定の輪郭線(差分データ1の部分)を差分画像から抽出できなかった場合(ステップD2、No)、すなわち差分画像の差分データ1の部分において経由点と判定されず、かつ、経由店も判定されていない場合には、判定の対象とする位置を補正して経由点の判定を実行する。すなわち、ユーザが地図上で経路を示すために手書きした際に、正確に道路に沿って線が記入できなかったとしても、手書きされた線の近傍に道路がある場合は、経由点として保存できるようにする。
【0066】
登録情報判定部33は、差分画像から現在の処理対象としている座標(x,y)の周囲の座標を1つ取得して(例えば8近傍の何れか)、座標Uとし(図12、ステップE1)、座標Uのy座標の緯度をYu、座標Uのx座標の経度をXuとする(ステップE2)。
【0067】
登録情報判定部33は、緯度Xuと経度Yuに該当する位置が道路であるかを、地図情報サービス提供サーバ14から受信した地図情報に含まれる道路に関する情報をもとに判定する(ステップE3)。
【0068】
緯度Xuと経度Yuに該当する位置が道路であると判定された場合には(ステップE4、Yes)、登録情報判定部33は、ユーザによって地図上で手書きされた経路中の経由点として、緯度Yu、経度Xuを保存する(ステップE9)。すなわち、実際には、地図に対して正確に道路の部分が手書きされなかったとしても、経路を表す情報として保存することができる。
【0069】
一方、緯度Xuと経度Yuに該当する位置が道路でないと判定された場合には(ステップE5、No)、登録情報判定部33は、現在の処理対象としている座標(x,y)の周囲全ての座標について判定が完了していなければ(ステップE5、No)、別の周囲の座標を1つ取得して、前述と同様の処理を繰り返して実行する(ステップE1〜E5)。なお、処理対象としている座標(x,y)に対して、周囲の何れの範囲の座標まで判定対象とするかは、手書きされた線と道路のずれの許容範囲に応じて決定することができる。
【0070】
こうして、登録情報判定部33は、地図情報サービス提供サーバ14への登録対象とする情報を、差分画像と地図情報サービス提供サーバ14から取得した地図情報をもとに判定することができる。
【0071】
なお、前述した道路(経路)と店に関する情報の登録は、一例であって、差分情報と地図情報をもとにして判別可能な情報であれば、対象とする情報別にルール(判定方法)を設定しておくことにより、各種の情報を地図情報サービス提供サーバ14に登録することができるようになる。例えば、前述した説明では、店(地図中の特定の対象物)を指定する場合に囲み線を用いているが、点や特定の記号など他の形式によって指定することも可能である。
【0072】
また、ユーザによって手書きされた文字や図形などのパターン(差分画像)そのものを登録対象とする情報としても良い。これにより、ユーザが地図に手書きしたメモや図形、イラストなどを登録対象とすることもできる。また、手書き文字については文字認識処理により文字コード化して登録対象とすることも可能である。
【0073】
こうして登録情報判定部33により地図情報サービス提供サーバ14へ登録する情報が保存されると、情報登録部34は、地図情報サービス提供サーバ14が提供するWebサービスを利用して、ユーザが地図に手書きすることによって指定した経路及び立ち寄った店等の情報を登録する(図9、ステップB12)。
【0074】
地図情報サービス提供サーバ14は、Webサービスにより地図情報処理装置10から登録された情報を記録して、Web(インターネット12)を通じて公開する。
【0075】
このようにして、本実施形態における地図情報処理システムを利用することにより、ユーザがMFP18のWebブラウザ40を通じて指定した地図を指定した枚数で印刷することができ、この地図に対して書き込んだ情報をMFP18において地図をスキャンすることにより、地図情報処理装置10を通じて簡単に地図情報サービス提供サーバ14のWebサービスに登録することができる。このため、地図を複数枚の紙に印刷する場合のコスト、及び、複数枚に印刷された地図に書き込まれた情報をWebサービスに登録する等のデジタル化に伴うコストを削減することができる。
【0076】
なお、前述した説明では、地図情報処理装置10が独立した装置として構成されているが、MFP18に地図情報処理装置10の機能が実装された構成としても良い。この場合、地図情報処理装置10の機能が実装されたMFP18は、LAN16とインターネット12を介して地図情報サービス提供サーバ14と接続され、地図情報サービス提供サーバ14から必要な情報を取得し、またユーザにより指定された情報を登録することができる。この場合、地図情報処理装置10の機能が実装されたMFP18によって、他の一般のMFP18に対して、前述した地図情報処理装置10と同様の処理を提供することもできる。これにより、地図情報処理システムに1台の地図情報処理装置10の機能が実装されたMFP18を設けることにより、他の通常機能を有する複数のMFP18から、地図情報サービス提供サーバ14に対して情報を簡単に登録することができる。
【0077】
また、前述した説明では、地図情報処理装置10を介して、ユーザにより指定された情報を地図情報サービス提供サーバ14に登録するものとして説明しているが、地図情報サービス提供サーバ14とは別に設けられた登録サーバや例えば個人使用されているパーソナルコンピュータに対して、インターネット12を通じて情報を送信して登録させるようにしても良い。
【0078】
また、MFP18のEWB(Webブラウザ40)を通じて地図を指定して印刷を実行しているが、ブラウザを備えるPC(Personal Computer)から地図情報処理装置10にアクセスして印刷指示をする構成でもよい。
【0079】
さらに、地図情報処理装置10の内部に地図情報処理プログラムが予め記録されているものとして説明をしたが、これに限らずインターネット12を通じて他のサーバから地図情報処理プログラムをダウンロードしても良いし、地図情報処理プログラムが記録された記録媒体からインストールしてもよい。記録媒体としては、CD−ROM等プログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能な記録媒体であれば、その形態は何れの形態であっても良い。またこのように予めインストールやダウンロードにより得る機能は装置内部のOS等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0080】
この他、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を組合わせてもよい。
【符号の説明】
【0081】
10…地図情報処理装置、10a…地図印刷モジュール、10b…地図情報登録モジュール、12…インターネット、14…地図情報サービス提供サーバ、16…LAN、18(18−1、…,18−n)…MFP、20…ユーザ入力処理部、21…印刷設定画面表示部、22…地図画像取得部、23…ページ・グループ識別子保存部、24…識別コード生成部、25…印刷画像生成部、26…画像送信部、30…画像取得部、31…ページ・グループ識別子抽出部、32…画像差分抽出部、33…登録情報判定部、34…情報登録部、40…Webブラウザ、41…画像取得部、42…印刷処理部、43…画像読み取り部、44…画像送信部。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0082】
【特許文献1】特開2006−40218号公報
【特許文献2】特開2009−70136号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザにより指定された地図を印刷するための印刷画像を生成する印刷画像生成手段と、
前記印刷画像生成手段により生成された印刷画像を印刷装置に送信して印刷を実行させる画像送信手段と、
前記印刷装置から送信された画像を取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段により取得された画像と前記印刷画像との差分を取って差分画像を抽出する画像差分抽出手段と、
前記差分画像と前記印刷画像に対応する地図に対応する地図情報をもとに登録対象とする情報を判定する登録情報判定手段と、
前記登録情報判定手段により判定された情報を登録する情報登録手段と
を具備したことを特徴とする地図情報処理装置。
【請求項2】
前記印刷画像手段は、ユーザにより複数の印刷枚数が指定された場合に複数の印刷画像を生成し、
前記画像差分抽出手段は、前記画像取得手段により複数の画像が取得された場合に、前記複数の画像と前記複数の印刷画像との差分を取って差分画像を抽出することを特徴とする請求項1記載の地図情報処理装置。
【請求項3】
前記複数の印刷画像の関係を示す識別子を生成する識別子生成手段と、
前記識別子に応じた識別コード画像を生成する識別コード生成手段と、
前記識別コード画像を前記複数の印刷画像に合成する合成手段と、
前記画像取得手段により取得された画像に合成された前記識別コード画像をもとに前記識別子を抽出する識別子抽出手段とをさらに具備し、
前記画像差分抽出手段は、前記識別子抽出手段により抽出された前記識別子が示す関係に応じて前記複数の画像を合成して差分を抽出することを特徴とする請求項2記載の地図情報処理装置。
【請求項4】
前記登録情報判定手段は、前記差分画像と前記地図情報に含まれる地図に印刷される対象物の位置とが一致する場合に、前記対象物に関する情報を登録対象として判定することを特徴とする請求項1記載の地図情報処理装置。
【請求項5】
前記登録情報判定手段は、前記差分画像と前記対象物の近傍位置とが一致する場合に、前記対象物に関する情報を登録対象として判定することを特徴とする請求項1記載の地図情報処理装置。
【請求項6】
ユーザにより指定された地図を印刷するための印刷画像を生成する印刷画像生成手段と、
前記印刷画像生成手段により生成された印刷画像を印刷する印刷手段と、
前記印刷手段により印刷された印刷物をスキャンして画像を取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段により取得された画像と前記印刷画像との差分を取って差分画像を抽出する画像差分抽出手段と、
前記差分画像と前記印刷画像に対応する地図に対応する地図情報をもとに登録対象とする情報を判定する登録情報判定手段と、
前記登録情報判定手段により判定された情報を登録する情報登録手段と
を具備したことを特徴とする地図情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータを、
ユーザにより指定された地図を印刷するための印刷画像を生成する印刷画像生成手段と、
前記印刷画像生成手段により生成された印刷画像を印刷装置に送信して印刷を実行させる画像送信手段と、
前記印刷装置から送信された画像を取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段により取得された画像と前記印刷画像との差分を取って差分画像を抽出する画像差分抽出手段と、
前記差分画像と前記印刷画像に対応する地図に対応する地図情報をもとに登録対象とする情報を判定する登録情報判定手段と、
前記登録情報判定手段により判定された情報を登録する情報登録手段として機能させるための地図情報処理プログラム。
【請求項1】
ユーザにより指定された地図を印刷するための印刷画像を生成する印刷画像生成手段と、
前記印刷画像生成手段により生成された印刷画像を印刷装置に送信して印刷を実行させる画像送信手段と、
前記印刷装置から送信された画像を取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段により取得された画像と前記印刷画像との差分を取って差分画像を抽出する画像差分抽出手段と、
前記差分画像と前記印刷画像に対応する地図に対応する地図情報をもとに登録対象とする情報を判定する登録情報判定手段と、
前記登録情報判定手段により判定された情報を登録する情報登録手段と
を具備したことを特徴とする地図情報処理装置。
【請求項2】
前記印刷画像手段は、ユーザにより複数の印刷枚数が指定された場合に複数の印刷画像を生成し、
前記画像差分抽出手段は、前記画像取得手段により複数の画像が取得された場合に、前記複数の画像と前記複数の印刷画像との差分を取って差分画像を抽出することを特徴とする請求項1記載の地図情報処理装置。
【請求項3】
前記複数の印刷画像の関係を示す識別子を生成する識別子生成手段と、
前記識別子に応じた識別コード画像を生成する識別コード生成手段と、
前記識別コード画像を前記複数の印刷画像に合成する合成手段と、
前記画像取得手段により取得された画像に合成された前記識別コード画像をもとに前記識別子を抽出する識別子抽出手段とをさらに具備し、
前記画像差分抽出手段は、前記識別子抽出手段により抽出された前記識別子が示す関係に応じて前記複数の画像を合成して差分を抽出することを特徴とする請求項2記載の地図情報処理装置。
【請求項4】
前記登録情報判定手段は、前記差分画像と前記地図情報に含まれる地図に印刷される対象物の位置とが一致する場合に、前記対象物に関する情報を登録対象として判定することを特徴とする請求項1記載の地図情報処理装置。
【請求項5】
前記登録情報判定手段は、前記差分画像と前記対象物の近傍位置とが一致する場合に、前記対象物に関する情報を登録対象として判定することを特徴とする請求項1記載の地図情報処理装置。
【請求項6】
ユーザにより指定された地図を印刷するための印刷画像を生成する印刷画像生成手段と、
前記印刷画像生成手段により生成された印刷画像を印刷する印刷手段と、
前記印刷手段により印刷された印刷物をスキャンして画像を取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段により取得された画像と前記印刷画像との差分を取って差分画像を抽出する画像差分抽出手段と、
前記差分画像と前記印刷画像に対応する地図に対応する地図情報をもとに登録対象とする情報を判定する登録情報判定手段と、
前記登録情報判定手段により判定された情報を登録する情報登録手段と
を具備したことを特徴とする地図情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータを、
ユーザにより指定された地図を印刷するための印刷画像を生成する印刷画像生成手段と、
前記印刷画像生成手段により生成された印刷画像を印刷装置に送信して印刷を実行させる画像送信手段と、
前記印刷装置から送信された画像を取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段により取得された画像と前記印刷画像との差分を取って差分画像を抽出する画像差分抽出手段と、
前記差分画像と前記印刷画像に対応する地図に対応する地図情報をもとに登録対象とする情報を判定する登録情報判定手段と、
前記登録情報判定手段により判定された情報を登録する情報登録手段として機能させるための地図情報処理プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−197938(P2011−197938A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−63079(P2010−63079)
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
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