説明

地図表示システム

【課題】地物に関連する詳細な地物情報をユーザが容易に参照可能な地図表示システムを得る。
【解決手段】ステップS36では、クライアントはクリックされた地物図形の地物情報をサーバから受信し、地物情報表示部に地物情報を表示する。地物情報表示部には、建物名称、及びその建物に入居するテナント名称が表示される。建物名称の下には建物の住所が表示され、テナント名称はテナントが入居する階ごとに分けて表示される。これらの地物名称の表示にはハイパーリンクが設定される。建物名称の表示がクリックされたとき、第1の詳細情報表示部に建物の詳細な地物情報が表示される。第1の詳細情報表示部に表示される詳細な地物情報は、建物の名称、解説及び住所等である。テナント名称がクリックされると、テナント名称に対応した地物の詳細な地物情報が第2の詳細情報表示部に表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地物に関する情報を参照可能な地図表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、クライアントが有する表示部に表示される地図の上に地物情報を表示する地図表示システムが知られている。サーバは地図データ及び地物に関する地物情報を記録しており、クライアントはサーバから地図データ及び地物情報を受信すると、地図データを用いて地図を表示すると共に、地物表示が示す地物に関連する地物情報を地物表示の範囲内に表示する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、地図上における地物表示の面積が限られているため、地物表示の範囲内に表示可能な地物情報が制限される。そのためユーザが所望する地物情報を十分に表示できないおそれがある。
【0004】
本発明はこの問題を鑑みてなされたものであり、地物に関連する詳細な地物情報をユーザが容易に参照可能な地図表示システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願第1の発明による地図表示システムは、地物を示す地物表示を有する地図と地物表示に対応する地物図形とを同時に表示する地図表示部と、地図表示部に表示された地物図形を選択する地物選択手段と、地物に関連する情報である地物情報を表示する地物情報表示部と、選択された地物図形が対応する地物に関連する地物情報を記録する情報記録手段とを備え、地物情報表示部は、地図と重複しない位置に表示され、地物図形が選択されたとき、選択された地物図形に対応する地物に関連する地物情報を情報記録手段から読み出して表示することを特徴とする。地物は、概念的な領域、例えば、都道府県や市区町村、街区などの領域を含む。
【0006】
地図表示システムは、地物情報表示部に表示された地物情報を選択する地物情報選択手段と、地物情報表示部に表示された地物情報に関連する詳細地物情報を表示する地物情報詳細表示部とをさらに備え、地物情報詳細表示部は、地物情報が選択されたとき、選択された地物情報に関連する詳細地物情報を表示することが好ましい。
【0007】
地物情報は相互に関連する複数の階層を有し、地物情報表示部は、地物図形が選択されたとき、選択された地物図形に対応する地物に関連する地物情報のうち最上階層の地物情報を表示するように構成されてもよい。地物情報を階層別に整理して表示することにより、ユーザが地物情報を容易に把握することが可能になる。
【0008】
地図表示システムは、地物情報表示部に表示された地物情報を選択する地物情報選択手段と、地物情報表示部に表示された最上階層の地物情報よりも下の階層の地物情報を表示する地物情報詳細表示部とをさらに備え、地物情報詳細表示部は、地物情報が選択されたとき、選択された地物情報よりも下の階層の地物情報を表示するように構成されてもよい。地物情報を階層別に整理して表示することにより、ユーザが地物情報を容易に把握することが可能になる。
【0009】
最上階層の地物情報は、地物図形に対応する建築物に関する情報であり、最上階層の地物情報よりも下の階層の地物情報は建築物が有する施設に関する情報であることが好ましい。地物情報を階層別に整理して表示することにより、ユーザが地物情報を容易に把握することが可能になる。
【0010】
地物図形は地物表示の形状に応じた形状を有することが好ましい。これにより、ユーザは、地図上に表示された地物形状を違和感なく選択することが可能になる。
【0011】
地図表示部、地物選択手段、及び地図情報入力手段は端末装置に設けられ、情報記録手段と端末装置とは通信手段を介して接続されてもよい。これにより、遠隔地に設けられた端末装置を用いて地物情報を入力することが可能になる。
【0012】
通信手段はインターネットであってもよい。これにより、遠隔地に設けられた端末装置を用いて地物情報を入力することが容易になる。
【0013】
本願第2の発明による地図表示プログラムは、地物を示す地物表示を有する地図と地物表示に対応する地物図形とを同時に表示する地図表示ステップと、地図表示部に表示された地物図形を選択する地物選択ステップと、選択された地物図形が対応する地物に関連する地物情報を記録する情報記録ステップと、地物図形が選択されたとき、選択された地物図形に対応する地物に関連する地物情報を情報記録手段から読み出して表示する地物情報表示ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、地物に関連する詳細な地物情報をユーザが容易に参照可能な地図表示システムを得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明における地図表示システムの一実施形態について添付図面を参照して説明する。図1はネットワークを介して接続された情報記録手段すなわちサーバBと、複数の端末装置すなわち第1〜第nクライアントA1からAnとを概念的に示した図である。ここで、nは1以上の整数である。第1〜第nクライアントA1〜Anは、ネットワーク、例えばインターネットを介してサーバBと通信可能である。
【0016】
第1〜第nクライアントA1〜Anは、クライアント制御部30A1〜30An、入力部40A1〜40An、及び表示部50A1〜50Anを各々有する。クライアント制御部30A1〜30Anは、第1〜第nクライアントA1〜Anの各部の制御、及びサーバBとのデータの送受信を行う。入力部40A1〜40Anは、キーボードやポインティングデバイス等の入力装置であり、ユーザはこれらを用いて第1〜第nクライアントA1〜Anにデータを入力する。入力されたデータはクライアント制御部30A1〜30Anにより処理され、例えばサーバBに送信される。表示部50A1〜50Anは、サーバBから受信したデータの表示、及び入力部40A1〜40Anを用いて入力されたデータ等を表示する。
【0017】
サーバBはサーバ制御部30B及びサーバ記録部60Bを備える。サーバ制御部30Bはネットワークを介してクライアント制御部30A1〜30Anとデータを送受信する。サーバ制御部30Bはサーバ記録部60Bからデータを読み出して送信、あるいは受信したデータをサーバ記録部60Bに記録する。
【0018】
サーバ記録部60Bには地図データ及び地物情報が記録される。地物情報は地図データが有する地物に関連付けて記録される。
【0019】
表示部50A1〜50Anには、地図データを用いて地図が表示される。地図上には、地上に存在する天然又は人工の物体、すなわち地物を上空から見た形状に略合致した二次元形状である地物表示が表示される。地物表示は地図の一部として表示されるものであり、その形状、位置は座標により特定されない。地物表示上には、地物表示の二次元形状に略合致した二次元形状を有する地物図形が表示される。地物図形は、地図上において地物表示と同じ位置に同じ形状で表示される図形であり、その形状は世界測地系による座標を用いて定められる。この座標は地物固有の地物IDと共に地物図形データとしてサーバ記録部60Bに記録される。
【0020】
図2を用いて地図表示と地図データ及び地物図形データとの関係について説明する。
【0021】
まず、第nクライアントAnとサーバBとの間で行われる送受信の前に予めサーバ記録部60Bに記録されるデータについて説明する。
【0022】
地図は複数の地図データ領域に分割されてサーバ記録部60Bにあらかじめ記録されている。図2では、地図の一部が分割線121、122、123、124により地図データ領域A1、A2、A3、B1、B2、B3、C1、C2、C3に分割されて示される。
【0023】
地図には地物表示が表示され、地図上において地物表示と同じ位置に同じ形状で地物図形α、β、γ、δ、εが表示される。地物図形αは地図データ領域B1とB2に位置し、地物図形βは地図データ領域A2に、地物図形γは地図データ領域B1とC1に、地物図形δは地図データ領域B3とC3に、地物図形εは地図データ領域A1にそれぞれ位置する。
【0024】
地物図形は地物を上空から見た形状における頂点の座標であらかじめ定義される。例えば地物図形αは座標の集合(α1,α2,α3,α4)により定義される。α1、α2、α3、α4は地物図形αにおける各頂点の世界測地系による座標である。同様にして地物図形βは座標の集合(β1,β2,β3,β4)により、地物図形γは座標の集合(γ1,γ2,γ3,γ4)により、地物図形δは、座標の集合(δ1,δ2,δ3,δ4)により、地物図形εは座標の集合(ε1,ε2,ε3,ε4)により、あらかじめ各々定義される。これらの座標は地物図形データを構成し、地物ごとに割り当てられる地物IDと共にサーバ記録部60Bに記録される。
【0025】
各地図データ領域には、地物表示のうち少なくとも一部を含む地物表示の地物図形データをあらかじめ関連付ける。すなわち、地図データ領域A1には地物図形εの地物図形データが、地図データ領域A2には地物図形βの地物図形データが、地図データ領域B1には地物図形α、γの地物図形データが、地図データ領域B2には地物図形αの座標が、地図データ領域B3には地物図形δの地物図形データが、地図データ領域C1には地物図形γの地物図形データが、地図データ領域C3には地物図形δの地物図形データが、あらかじめそれぞれ関連付けられる。地図データ領域A3、C2には地物図形が存在しないため、これらの地図データ領域に関連付けられる地物図形データはない。
【0026】
次に第nクライアントAnとサーバBとの間で行われる地図データ及び地物図形データの送受信について説明する。
【0027】
第1の表示領域100は、現在、表示部50Anに表示されている地図の領域を示す。この領域を表示するために、第nクライアントには地図データ領域A1、A2、B1、B2の地図データと、地図データ領域A1、A2、B1、B2に関連付けられている地物表示の地物図形データ、つまり地物図形α、β、γ、εの地物図形データとが送信されている。第nクライアントは地図データと地物図形データとを受信して、地物図形データをSVG(Scalable Vector Graphics)言語で記述し、地図及び地物図形として表示する。このとき、地物図形は、地図上に示された地物表示と同じ形状かつ同じ位置に、地物の属性に応じた色、例えば薄緑色を用いて表示される。
【0028】
ユーザが表示部50Anに第2の表示領域101を表示するとき、第nクライアントは地図データ領域A1、A2、B1、B2の地図データと地物図形α、β、εの地物図形データとを必要とする。しかし、これらのデータは第1の表示領域を表示するときに既に第nクライアントが受信しているデータである。そのため、第nクライアントは何らの地図データ及び地物図形データをサーバBに要求しなくても、第2の表示領域101を表示することが可能である。
【0029】
次に、ユーザが表示部50Anに第3の表示領域102を表示するとき、第nクライアントは地図データ領域B2、B3の地図データと地物図形α、δの地物図形データとを必要とする。これらのデータのうち、地図データ領域B2の地図データと地物図形αの地物図形データとを第nクライアントは既に受信している。一方、地図データ領域B3の地図データと地物図形δの地物図形データとを第nクライアントは未だ受信していない。そのため、第nクライアントは地図データ領域B3の地図データと地物図形δの地物図形データとをサーバBに要求する。そして、第nクライアントは地図データと地物図形データとを受信して、地物図形データをSVG(Scalable Vector Graphics)言語で記述し、地図及び地物図形として表示する。
【0030】
これにより、サーバBと第nクライアントとの間で生じるデータの送受信回数を減らして、表示部50Anに地図及び地物図形を迅速に表示することが可能となる。
【0031】
次に、図3から6を参照して、地物情報を表示する処理である地物情報表示処理について説明する。
【0032】
ステップS31において、ユーザが所望の地点の周辺地図を閲覧しようとするとき、ユーザは表示部50Anの地図表示部321に表示された地図を参照しながら、表示されている地図上において閲覧したい地点を入力部、例えばマウスを操作して選択、つまりクリックする。クリックされたとき処理はステップS33へ移行する。ステップS33では、クライアント制御部30Anはクリックされた地点の緯度・経度及び表示したい地図の範囲を地図リクエスト信号としてサーバBに送信する。サーバBでは、サーバ制御部30Bが地図リクエスト信号を受信して、サーバ記録部60Bにクリックされた地点の緯度・経度及び表示したい地図の範囲に相当する地図データ、並びに地図データの範囲に含まれる地物の地物図形データを要求する。サーバ記録部60Bは相当する地図データ及び地物図形データをサーバ制御部30Bに送信し、サーバ制御部30Bは第nクライアントAnに地図データを送信する。そして処理はステップS34へ移行する。
【0033】
ステップS31において閲覧したい地点が選択されないときには処理はステップS32へ移行する。ステップS32において、ユーザが表示したい住所又は地物名称を表示部50Anに表示された住所入力ボックスに入力して表示部50Anに表示された検索ボタンをクリックすると、処理はステップS33へ移行する。そうでない場合、処理は終了する。ステップS33では、クライアント制御部30Anは入力された住所又は地物名称及び表示したい地図の範囲を地図リクエスト信号としてサーバBに送信する。サーバBでは、サーバ制御部30Bが地図リクエスト信号を受信して、サーバ記録部60Bに入力された住所又は地物名称及び表示したい地図の範囲に相当する地図データ、並びに地図データの範囲に含まれる地物の地物図形データを要求する。サーバ記録部60Bは相当する地図データ及び地物図形データをサーバ制御部30Bに送信し、サーバ制御部30Bは第nクライアントAnに地図データを送信する。そして処理はステップS34へ移行する。
【0034】
ステップS34では、クライアント制御部Anが地図データ及び地物図形を受信し、クリックされた地点、又は入力された住所若しくは地物名称に相当する地点が表示部の中心となるように地図及び地物図形を地図表示部321に表示する(図4参照)。図4において斜線を用いてハッチングされて示される図形が地物図形である。
【0035】
ステップS35において、クライアント制御部30Anは地物図形、例えば建物331に重ねられた地物図形がマウスによりクリックされたか否かを判断する。マウスは、ユーザが入力部40Anを操作することにより動かされる。クリックされたときには処理はステップS36へ移行する。クリックされないときには処理は終了する。
【0036】
次にステップS36では、クライアント制御部30Anはクリックされた地物図形の地物IDを地物図形リクエスト信号としてサーバBに送信する。サーバBでは、サーバ制御部30Bが地物図形リクエスト信号を受信して、建物331に対応する地物情報をサーバ記録部60Bに要求する。サーバ記録部60Bは建物331に対応する地物情報をサーバ制御部30Bに送信し、サーバ制御部30Bは第nクライアントAnに地物情報を送信する。そして処理はステップS37へ移行する。
【0037】
ステップS37では、クライアント制御部Anが地物情報を受信し、地図表示部321に隣接して設けられる地物情報表示部341に地物情報を表示する(図4参照)。地物情報表示部341は、地図表示部321とは異なる位置に表示され、地図表示部321が表示する地図を覆い隠さない。
【0038】
地物情報表示部341には、地物名称、例えば建物名称412、及びその建物に入居するテナント名称413a、413b、413cが表示される。建物名称412の下には建物の住所が表示され、テナント名称413a、413b、413cはテナントが入居する階ごとに分けて表示される。これらの地物名称の表示にはハイパーリンクが設定され、ハイパーリンクがクリックされると、後述するように各地物名称が対応する地物の詳細情報が表示される。
【0039】
さらに地物情報表示部341は、検索テキストボックス421、及び検索ボタン422を有する。ユーザは検索テキストボックス421に検索したい地物の名称を入力し、検索ボタン422をマウスでクリックする。第nクライアントAnはサーバBに入力された地物名称を送信する。地物名称を受信したサーバBは地物名称に対応する地物情報を検索して第nクライアントAnに返信する。第nクライアントAnは地物情報を受信して地物情報表示部341に表示する。
【0040】
ステップS38では、ユーザがマウスを操作して地物名称の表示に設定されたハイパーリンクをクリックしたか否かが判断される。ユーザがクリックした場合、ステップS39においてクライアント制御部30Anはクリックされた地物名称を地物情報リクエスト信号としてサーバBに送信する。サーバBでは、サーバ制御部30Bが地物情報リクエスト信号を受信して、クリックされた地物名称に対応する地物情報をサーバ記録部60Bに要求する。サーバ記録部60Bは対応する地物情報をサーバ制御部30Bに送信し、サーバ制御部30Bは第nクライアントAnに地物情報を送信する。そして処理はステップS40へ移行する。ステップS38においてハイパーリンクがクリックされないとき、処理は終了する。
【0041】
次にステップS38において建物名称412の表示がクリックされたときのステップS40における動作について説明する。
【0042】
ステップS40では、地物名称に対応した地物の詳細な地物情報が表示される。この表示は、表示部50Anに新たに第1の詳細情報表示部611を設け、その中に建物331の詳細な地物情報を表示することにより行われる(図5参照)。
【0043】
第1の詳細情報表示部611に表示される詳細な地物情報は、建物331の名称621、解説622、住所623、フロアリスト624、建物331周辺の地図625、建物331に関連するハイパーリンク626、及び建物331に関連する情報を入力するためのウェブページに遷移するためのハイパーリンク627である。
【0044】
建物331の解説622には、例えば建物331の所有者、規模、入居者の概略が表示される。
【0045】
建物331周辺の地図625は、第1の詳細情報表示部611の右上に表示される。建物331周辺の地図をマウスを用いてクリックすると、地図表示部321及び地物情報表示部341が表示される(図4参照)。
【0046】
建物331に関連するハイパーリンク626は、例えば建物331の案内が記載されたウェブページへのハイパーリンクである。
【0047】
建物331に関連する情報を入力するためのウェブページに遷移するためのハイパーリンク627をマウスを用いてクリックすると、ユーザは建物331の地物情報として新たな情報を入力することが可能である。入力された情報はネットワークを介してサーバ記録部60Bに記録される。
【0048】
建物331のフロアリスト624には、建物331に入居するテナントの名称413a、413b、413cが、入居する階ごとに分けて表示される。これらのテナント名称413a、413b、413cの表示にはハイパーリンクが設定される。これらのテナント名称413a、413b、413cの表示をクリックすると、表示部50Anに第2の詳細情報表示部711が表示される。クリックから表示までの処理はステップS38からS40までの処理と同様である。
【0049】
次にステップS38において地物情報表示部341に表示されるテナント名称413a、413b、413cがクリックされたときのステップS40における動作について説明する。なお、第1の詳細情報表示部611に表示されるテナント名称413a、413b、413cがクリックされたときも同様の処理が行われる。
【0050】
ステップS40では、テナント名称に対応した地物の詳細な地物情報が表示される。この表示は、表示部50Anに新たに第2の詳細情報表示部711を設け、その中に例えばテナント名称413aを有するテナントの詳細な地物情報を表示することにより行われる(図6参照)。
【0051】
第2の詳細情報表示部711に表示される詳細な地物情報は、テナント名称721、テナント名称712を有するテナントの解説722並びに住所723、テナントの取扱品目724、建物331の名称725、建物331周辺の地図726、テナントに関連するハイパーリンク727、及びテナントに関連する情報を入力するためのウェブページに遷移するためのハイパーリンク728である。
【0052】
テナントの解説722には、例えばテナントの営業品目、規模の概略が表示される。
【0053】
テナントの取扱品目724には、例えばテナントが飲食店である場合にはメニューが表示される。
【0054】
建物331の名称725には、ハイパーリンクが設定される。これをマウスによりクリックすると、表示部50Anに第1の詳細情報表示部611が表示される(図5参照)。
【0055】
建物331周辺の地図726は、第2の詳細情報表示部711の右上に表示される。建物331周辺の地図をマウスを用いてクリックすると、地図表示部321及び地物情報表示部341が表示される(図4参照)。
【0056】
テナントに関連するハイパーリンク727は、例えばテナントが有するウェブページや、テナントが紹介されているウェブページへのハイパーリンクである。
【0057】
テナントに関連する情報を入力するためのウェブページに遷移するためのハイパーリンク728をマウスを用いてクリックすると、ユーザはテナントの地物情報として新たな情報を入力することが可能である。入力された情報はネットワークを介してサーバ記録部60Bに記録される。
【0058】
そして地物情報表示処理が終了する。
【0059】
本発明によれば、ユーザが地物図形をクリックしたとき、地物情報は、地図表示部321とは異なる地物情報表示部341に表示される。ユーザが表示された地物情報をクリックすると、表示部50Anは、第1又は第2の詳細情報表示部を表示して詳細な地物情報を表示する。そのため地図上において1つの地物表示に対し多数あるいは詳細な地物情報が表示されてしまうことがない。これにより、ユーザは、地物に関連する詳細な地物情報を容易に参照することが可能となる。
【0060】
なお、本明細書においては第nクライアントとサーバとがネットワークを介してデータの送受信を行うとして説明したが、第nクライアントとサーバとが1つのコンピュータに設けられるプログラム又は装置であって、互いにデータの送受信を行うものであってもよい。
【0061】
また、地物図形は世界測地系による座標を用いて定められなくてもよく、表示部50An上において地物の位置を特定しうる座標系により定められればよい。
【0062】
ステップS35において、クライアント制御部30Anは、地物図形にクリックされたか否かを判断するが、地物図形にマウスポインタMPが一定時間の間、重ねられたか否かを判断し、一定時間の間、重ねられたときにステップS36へ移行してもよい。
【0063】
さらに、地物図形は二次元に限定されず、地図又は地物表示が三次元で表現されるときには三次元で地図上に表現されてもよい。このとき、地物図形データは三次元の座標により構成される。
【0064】
本明細書において開示された実施形態では、地物の一例として建築物を用いたが、地物は、概念的な領域、例えば、都道府県や市区町村、街区などの領域であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明による地図表示システムを概念的に示した図である。
【図2】地図表示を概念的に示した図である。
【図3】地図情報表示処理のフローチャートである。
【図4】表示部に表示された地図及び地物情報を概略的に示した図である。
【図5】表示部に表示された詳細な地物情報を概略的に示した図である。
【図6】表示部に表示された詳細な地物情報を概略的に示した図である。
【符号の説明】
【0066】
A1 第1クライアント
30A1 クライアント制御部
40A1 入力部
50A1 表示部
B サーバ
30B サーバ制御部
60B サーバ記録部
321 地図表示部
341 地物情報表示部
MP マウスポインタ
611 第1の詳細情報表示部
711 第2の詳細情報表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地物を示す地物表示を有する地図と前記地物表示に対応する地物図形とを同時に表示する地図表示部と、
前記地図表示部に表示された地物図形を選択する地物選択手段と、
地物に関連する情報である地物情報を表示する地物情報表示部と、
選択された地物図形が対応する地物に関連する地物情報を記録する情報記録手段とを備え、
前記地物情報表示部は、前記地図と重複しない位置に表示され、前記地物図形が選択されたとき、選択された地物図形に対応する地物に関連する地物情報を前記情報記録手段から読み出して表示する地図表示システム。
【請求項2】
前記地図表示システムは、前記地物情報表示部に表示された地物情報を選択する地物情報選択手段と、
前記地物情報表示部に表示された地物情報に関連する詳細地物情報を表示する地物情報詳細表示部とをさらに備え、
前記地物情報詳細表示部は、前記地物情報が選択されたとき、選択された地物情報に関連する詳細地物情報を表示する請求項1に記載の地図表示システム。
【請求項3】
前記地物情報は相互に関連する複数の階層を有し、
前記地物情報表示部は、前記地物図形が選択されたとき、選択された地物図形に対応する地物に関連する地物情報のうち最上階層の地物情報を表示する請求項1に記載の地図表示システム。
【請求項4】
前記地図表示システムは、前記地物情報表示部に表示された地物情報を選択する地物情報選択手段と、
前記地物情報表示部に表示された最上階層の地物情報よりも下の階層の地物情報を表示する地物情報詳細表示部とをさらに備え、
前記地物情報詳細表示部は、前記地物情報が選択されたとき、選択された地物情報よりも下の階層の地物情報を表示する請求項3に記載の地図表示システム。
【請求項5】
前記最上階層の地物情報は、前記地物図形に対応する建築物に関する情報であり、最上階層の地物情報よりも下の階層の地物情報は前記建築物が有する施設に関する情報である請求項4に記載の地図表示システム。
【請求項6】
前記地物図形は前記地物表示の形状に応じた形状を有する請求項1に記載の地図表示システム。
【請求項7】
前記地図表示部、前記地物選択手段、及び前記地物情報表示部は端末装置に設けられ、
前記情報記録手段と前記端末装置とは通信手段を介して接続される請求項2に記載の地図表示システム。
【請求項8】
前記通信手段はインターネットである請求項7に記載の地図表示システム。
【請求項9】
地物を示す地物表示を有する地図と前記地物表示に対応する地物図形とを同時に表示する地図表示ステップと、
前記地図表示部に表示された地物図形を選択する地物選択ステップと、
選択された地物図形が対応する地物に関連する地物情報を記録する情報記録ステップと、
前記地物図形が選択されたとき、選択された地物図形に対応する地物に関連する地物情報を前記情報記録手段から読み出して表示する地物情報表示ステップとをコンピュータに実行させる地図表示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−180761(P2009−180761A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−17087(P2008−17087)
【出願日】平成20年1月29日(2008.1.29)
【出願人】(500257300)ヤフー株式会社 (1,128)
【Fターム(参考)】