地域モビリティエージェントとして機能する基地局の構成
【課題】基地局を地域モビリティエージェント(例えば、地域ホームエージェント、地域フォーリンエージェント等)として利用することを容易にする。
【解決手段】基地局は、基地局が他の基地局との間にトンネルを作成し、これらの基地局に無線端末に向けられたデータを選択的に送信することを可能にする機能を備えることができる。これらの基地局は、続いてデータを無線端末に送信することができる。
【解決手段】基地局は、基地局が他の基地局との間にトンネルを作成し、これらの基地局に無線端末に向けられたデータを選択的に送信することを可能にする機能を備えることができる。これらの基地局は、続いてデータを無線端末に送信することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に無線通信に係り、特に無線通信システムのための柔軟な(flexible)通信方式に関する。
【背景技術】
【0002】
無線ネットワークシステムは、世界中で他者と通信するための一般的な手段となっている。セルラ電話機、携帯情報端末等の無線通信デバイスは、消費者ニーズに応えるために、並びに可搬性及び利便性を高めるために、より小型且つよりパワフルになっている。消費者は、これらのデバイスに依存するようになっており、信頼度の高いサービス、サービスエリア(areas of coverage)の拡大、サービスの追加(例えば、ウェブ閲覧機能)及びこのようなデバイスのサイズとコストが引き続き低減されることを求めている。
【0003】
典型的な無線通信ネットワーク(例えば、周波数分割技術、時分割技術及び符号分割技術を使用する)は、加入者にサービスエリアを提供する1以上の基地局と、サービスエリア内でデータを送受信することのできるモバイル(例えば、無線)デバイスとを含む。典型的な基地局は、ブロードキャストサービス、マルチキャストサービス、及び/又はユニキャストサービスのために複数のデバイスに複数のデータストリームを同時に送信することができ、この場合のデータストリームとは、ユーザデバイスにとって独立の受信対象とすることのできるデータの流れである。この基地局のサービスエリア内のユーザデバイスは、複合ストリームによって搬送される1つ、複数又は全すべてのデータストリームを受信しようとすることができる。同様にユーザデバイスは、この基地局又は他のユーザデバイスにデータを送信することができる。
【0004】
無線端末がインターネットに接続することを可能にする無線ネットワークにおいて、モバイルIP(MIP)は、インターネットへの接続を維持しながら、無線端末の移動を容易にするためによく使用される一般的なプロトコルである。無線端末は、MIPを使用すると、無線端末に関連づけられたインターネットプロトコル(IP)アドレスを変更せずに、インターネットへの接続点を変更することができる。従って、モバイルデバイスは、インターネットへの接続点の変更を求められることなく、異なるIPアドレスに関連づけられた異なるローカルエリアネットワーク(LAN)の間で移行することができる。
【0005】
また、システムによっては、モバイルIPは、無線端末が異なるアクセスポイントの複数のリンクと関連づけることを可能にするために利用される。より詳細には、モバイルIPの利用を介して複数のトンネルの作成が可能であり、(例えば、期待されるスループット、測定された信号対雑音比又は他の適切な要因に基づいて)これらのトンネルの各々を介して特定のトラフィックが導かれる(directed)ことができる。
【発明の概要】
【0006】
以下に、開示する主題のいくつかの態様の基本的理解を可能にするための簡単な概要を示す。この概要は、包括的な概要ではなく、重要/不可欠な要素を特定するためのものでも、開示の主題の範囲を線引きするためのものでもない。この概要の目的は、後述するより詳細な説明への前置きとしていくつかの概念を簡略化した形で提示することにすぎない。
【0007】
簡単に述べると、開示する主題は、一般に基地局を地域モビリティ管理エージェントとして機能させることに関するものである。より詳細には、無線端末は、基地局との物理リンクを要求することができ、この基地局は、無線端末に対して地域モビリティエージェント(regional mobility agent)として機能することができる。従って、無線端末が他の基地局との他の物理リンクを得る場合、(ホームエージェントからの)無線端末に向けられたデータを地域モビリティエージェントに先ず導くことができる。従って、無線端末が他の基地局との物理リンクを得るたびに、ホームエージェント及び基地局間でトンネルを作成する必要がない。
【0008】
詳細な一例では、無線端末に向けられたデータのためにホームエージェント及び第1の基地局間にトンネルを作成することができる。また、第1の基地局は、地域モビリティエージェントとして機能するように構成されることができる。無線端末が第2の基地局とのリンクを要求するとき、第2の基地局は、地域登録技術を用いて(地域モビリティエージェントとして機能している)第1の基地局に登録することができる。さらに、トンネルは、第1及び第2の基地局間に作成されることができ、第1の基地局は、第2の基地局に関して実施される特定のフィルタ規則を認識することができる。従って、ホームエージェントが無線端末に向けられたデータを第1の基地局に送ると、第1の基地局は、このデータのサブセットを無線端末に送信するために第2の基地局に選択的に転送することができる。
【0009】
前述の目的及び関連する目的を達成するために、本明細書では、以下の説明及び添付の図面と関連づけていくつかの例示的態様を説明する。しかしながら、これらの態様は、開示の主題の原理が用いられ得る様々なやり方のうちのいくつかを示すものにすぎず、特許請求される主題は、これらの全ての態様及びこれらの等価物を含むように意図される。他の利点及び新規な特徴は、以下の詳細な説明を図面と併せて考察すれば明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】基地局が地域モビリティエージェントとして機能することのできるネットワークアーキテクチャの一例を示すハイレベルブロック図である。
【図2】基地局が地域モビリティエージェントとして機能することのできるネットワークアーキテクチャの一例を示すハイレベルブロック図である。
【図3】無線通信環境の一例を示す図である。
【図4】基地局を地域モビリティエージェントとして機能させることを容易にする装置の一例を示す図である。
【図5】基地局を無線端末に対する地域モビリティエージェントとして機能させる手順の一例を示す典型的な流れ図である。
【図6】無線端末にデータを送信する手順の一例を示す典型的な流れ図である。
【図7】基地局を地域モビリティエージェントとして機能するように構成する手順の一例を示す典型的な流れ図である。
【図8】基地局を地域モビリティエージェントとして使用することに関連して無線端末と2つの基地局とホームエージェントとの間の相互動作の一例を示す流れ図である。
【図9】基地局内で無線端末に対する地域モビリティ管理サービスの提供を容易にするシステムの一例を示す図である。
【図10】基地局を地域モビリティエージェントとして機能するように構成するシステムの一例を示す図である。
【図11】ハンドオフの要求と関連して使用することのできるシステムの一例を示す図である。
【図12】地域モビリティエージェントとして使用することのできるシステムの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、図面を参照して開示の主題を説明する。類似の参照番号は、図面全体を通して類似の要素を参照するのに使用する。以下の記述では、開示の主題の十分な理解を図るために、説明として多くの具体的詳細を示す。しかしながら、開示の主題がこれらの具体的詳細がなくても実施することができることは明らかである。他の例では、開示の主題の説明を容易にするために、周知の構造及びデバイスがブロック図として示されている。
【0012】
さらに、種々の実施の形態は、アクセス端末と関連して本明細書中に説明される。アクセス端末は、システム、加入者ユニット、加入者局、移動局、ユーザ装置、モバイルデバイス、リモート局、リモート端末、ユーザ端末、端末、ユーザエージェント、又はユーザデバイスとも呼ぶことができる。例えば、アクセス端末は、セルラ電話機、コードレス電話機、セッション開始プロトコル(SIP)電話機、無線ローカルループ(WLL)局、PDA、無線接続機能を有するハンドヘルドデバイス、モバイルデバイス内のプロセッサ、無線モデムに接続された他の処理デバイス等とすることができる。
【0013】
さらに、開示の主題の態様は、本明細書で説明される種々の態様を実現するようにコンピュータを制御するソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア又はこれらの任意の組合せを生成するために、標準的なプログラミング及び/又はエンジニアリング技術を使用して、方法、装置又は製造品として実現されることができる。「製造品」という用語は、本明細書に使用される場合、任意のコンピュータ読取可能デバイス、搬送波又は媒体からアクセス可能なコンピュータプログラムを包含するものである。例えば、コンピュータ読取可能媒体には、以下に限定されないが、磁気記憶装置(例えば、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ等)、光ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)等)、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ等)が含まることができる。また、音声メールの送受信の際に、或いはセルラネットワーク等のネットワークにアクセスする際に使用されるデータ等のコンピュータ読取可能電子データを搬送するために搬送波を使用することができることも理解されるべきである。当然ながら、この構成には、本明細書に記載される発明の範囲又は精神を逸脱することなく、多くの変更が加えられ得ることも理解することができる。
【0014】
次に図面を参照すると、図1は、無線端末の地域登録(regional registration)に関連して使用することのできるネットワークアーキテクチャ100を示している。アーキテクチャ100は、ホームエージェント102を含み、ホームエージェント102は、インターネット106から受信される無線端末104へのパケットのルーティング(routing)に関する情報を保持する無線端末104のホームネットワーク上のルータであることができる。一例によれば、ホームエージェント102は、トンネリング機構を使用してインターネット106からデータを転送することができ、従って、無線端末104が異なる場所からホームネットワークに接続するたびに無線端末104のIPアドレスを変更しなくてもよい。
【0015】
アーキテクチャ100は、第1の基地局108及び第2の基地局110をさらに含み、第1の基地局108及び第2の基地局110は、無線端末104にデータを中継し、無線端末104からデータを受信することができる。基地局108及び110は、夫々アクセスモジュール112及び114を含むことができる。アクセスモジュール112及び114は、無線端末104のためのエアインターフェース(air interface)接続点を提供する。一例では、無線端末104は、電源を投入されることができ、双方向通信によってアクセスモジュール112を見つけることができる。例えば、無線端末104は、アクセスモジュール112に識別インディシア(identifying indicia)を提供することができ、アクセスモジュール112は、この情報をアクセス及び認証(AAA:access and authentication)サーバ(図示せず)に中継することができる。認証されると、無線端末104は、(例えば、第1の基地局108のアイデンティティ(identity)を示すことによって)サービスが第1の基地局108によって提供されるよう要求することができる。一例によれば、このような要求は、モバイルIPによって実行されることができる。
【0016】
第1の基地局108は、続いて無線端末104の要求をホームエージェント102に通知することができ、さらに、(例えば、まだホームアドレスが割り当てられていないことを示すことによって)無線端末104のホームアドレスを要求することができる。ホームアドレスは、無線端末104及び/又は無線端末104をホストするデバイスに割り当てられるIPアドレスであることができる。例えば、無線端末104は、電話機、コンピュータ、又は他の適切なデバイスの周辺装置であるカードであることができる。ホームエージェント102は、一般に、モバイルIPによって基地局108に(及び特にアクセスモジュール112に)ホームアドレスを提供することができ、基地局108(及びアクセスモジュール112)は、さらにこのホームアドレスを無線端末104に提供することができる。これにより、ホームエージェント102及びアクセスモジュール112は、ホームエージェント102及びアクセスモジュール112間にトンネルを確立することが可能となり、その結果、ホームエージェント102は、このトンネルによって基地局108に、例えばIPカプセル化データパケットを提供することができる。データパケットは、音声信号、テキスト、画像、及び/又は他の任意の適切なデータを含むことができる。
【0017】
基地局108は、モビリティモジュール116をさらに含むことができ、モビリティモジュール116は、基地局108が地域モビリティエージェント(regional mobility agent)としてのみならず、無線(OTA:over-the-air)接続のための接続点として機能することも可能にする。言い換えると、無線端末104は、(アクセスモジュール114によって)基地局110とのリンクを得ることができ、モビリティモジュール116を使用して、基地局108と基地局110との間にトンネルを作成することができる。従って、ホームエージェント102は、無線端末104が異なる基地局とのリンクを作成するたびにトンネルの削除及び追加を行う必要がない。
【0018】
詳細な一例では、ホームエージェント102と第1の基地局108との間でトンネルを作成することができる。無線端末104は、第2の基地局110とのリンクを要求することができる。より詳細には、無線端末は、基地局108が主基地局(primary base station)であることを、地域モバイルIP(地域登録)によって基地局110に示すことができる。第2の基地局110は、続いて、第1の基地局108が主基地局として機能することを第1の基地局108に通知することができる。第1の基地局は、地域モバイルIPによって第2の基地局110から提供された情報を確認することができ、第2の基地局は、地域モバイルIPによって無線端末104へリンクを確認することができる。この時点において、モビリティモジュール116は、第1の基地局108と第2の基地局110との間にトンネルを作成することができ、さらに、事前定義された規則に従って、或いはエアインターフェースメトリック(metric)に基づいてデータをフィルタリング(filter)することができる。従って、ホームエージェント102は、トンネルによって第1の基地局108にデータを提供し、第1の基地局108は、第2の基地局110に、このデータのサブセットを選択的に提供することができる。要約すると、第1の基地局108は、地域モビリティエージェントとして機能するよう構成されることができ、地域モビリティエージェントは、地域ホームエージェント及び/又は地域フォーリンエージェントと呼ばれることもできる。第2の基地局110は、無線端末104との地域登録によって、第1の基地局108が地域モビリティエージェントとして機能していることを暗黙的に認識している。
【0019】
次に図2を見ると、一例のネットワークアーキテクチャ200が示されている。アーキテクチャ200は、ホームエージェント202を含み、ホームエージェント202は、前述のように、インターネット204から受信される無線端末206へのパケットのルーティングに関する情報を保持することができる。アーキテクチャ200は、無線端末206に対して地域モビリティエージェントとして機能する第1の基地局208をさらに含む。より具体的には、第1の基地局208は、モビリティモジュール210を含むことができ、モビリティモジュール210は、第1の基地局208が特定の領域に関して(例えば、特定のエリア内の1以上の基地局に関して)地域モビリティエージェントとして機能することを可能にする。一例のアーキテクチャ200では、第1の基地局208は、第2の基地局212及び第3の基地局214に対して地域モビリティエージェントとして機能することができ、第2の基地局212及び第3の基地局214は、夫々アクセスモジュール216及び218を含み、アクセスモジュール216及び218は、エアインターフェース接続点を無線端末206に提供する。
【0020】
一例によれば、無線端末206は、初めに、第1の基地局208によってホームエージェント202に登録することができる。従って、トンネルがホームエージェント202と第1の基地局208との間に作成されることができ、第1の基地局208及び前述のトンネルによって無線端末206とホームエージェント202との間でのデータ交換が可能となる。無線端末206は、携帯式のものであり、チャネル条件に変化が生じるため、第1の基地局208から第2の基地局210へのハンドオフを要求することもあり、或いはハンドオフするよう通知されることもある。さらに又はこれに代えて、無線端末206は、第1の基地局208との物理リンク及び第2の基地局210との物理リンクを同時に有することができる。前述のように、無線端末206は、(地域モバイルIPを使用して)第2の基地局212に地域的に(regionally)登録することができ、その結果、第1の基地局208は、第2の基地局212との物理リンクを認識しており、第2の基地局212は、第1の基地局208が無線端末206に関して地域モビリティエージェントとして機能していることを認識している。従って、ホームエージェント202から出ている無線端末206向けのデータ、及び/又は無線端末206から出ているホームエージェント202向けのデータは、第1の基地局208によって導かれる(directed)ことになる。モビリティモジュール210は、どの基地局が無線端末206にデータを提供するかを決定するフィルタ規則(filter rules)を保持することができる。例えば、モビリティモジュール210は、無線端末206への伝送のために、ホームエージェント202から受信したデータを第1の基地局208から第2の基地局212へ送信することができる。
【0021】
上記の例を続けると、無線端末206は、第1の基地局208との物理リンクを切断し、第3の基地局214との物理リンクを作成することが望ましくなるように、地理的に移動する(transition)ことがある。従って、図示されるように、無線端末206は、第2の基地局212とのリンク及び第3の基地局214とのリンクを有することができる。より詳細には、無線端末206は、アクセスモジュール218及び地域モバイルIPを使用して、第3の基地局214とのリンクを作成する。この登録に際して、第3の基地局214は、第1の基地局208が地域モビリティエージェントとして機能していることを通知されることができ、第1の基地局208は、無線端末206が第3の基地局214との物理リンクを有することを通知されることができる。第1の基地局208は、第3の基地局214に関連するフィルタ規則を提供されることができ、及び/又は第3の基地局214に関連するフィルタ規則を保持することができる。従って、例えば、ホームエージェント202が第1の基地局208にデータを提供するときに、第1の基地局208は、第2の基地局212及び第3の基地局214夫々にデータを選択的に広める(disseminate)ことができる。この例は、無線端末への物理リンクがなくても、基地局が無線端末に対して地域ホームエージェントとして機能することができることを示すためのものである。
【0022】
次に図3を参照すると、一例の無線通信システム300が示されている。システム300は、複数のセクタ302〜312を含み、無線端末は、これらのセクタ302〜312内で無線サービスを利用することができる。各セクタ302〜312は、事実上六角形で、実質的に同サイズのものとして図示されているが、各セクタ302〜312のサイズ及び形状が建物等の物理的障害物の地理的領域、数、サイズ及び形状、並びにいくつかの他の要因に応じて変化しうることは理解される。アクセスポイント(基地局)314〜324は、セクタ302〜312に関連づけられ、アクセスポイント314〜324は、セクタ302〜312内のユーザ装置にサービスを提供するために利用される。また、アクセスポイント314〜324のうちの1以上は、システム300内の他のアクセスポイント及び無線端末に対して地域モビリティマネージャとして機能することができる。例えば、システム300では、無線端末326は、アクセスポイント322及びアクセスポイント324との物理リンクを有することができる。しかしながら、任意の特定の時点において、無線端末326が3以上のアクセスポイントとの物理リンクを有してもよいことは、理解されるべきである。この例を続けると、アクセスポイント322は、無線端末326の主アクセスポイント(primary access point)として機能することができ、アクセスポイント324及び無線端末326に対して地域モビリティエージェントとして機能することができる。
【0023】
特定の例では、無線端末326は、アクセスポイント322とだけ物理リンクを有することができる。しかしながら、無線端末326がセクタ310の境界に近づくにつれて、無線端末326がアクセスポイント324との物理リンクを得ることが望ましくなることがある。この場合、無線端末326がアクセスポイント322との物理リンクを保持することもでき、及び/又はアクセスポイント322との物理リンクを削除することもできる。無線端末326及びアクセスポイント324は、地域モバイルIPを使用してリンクを作成することができる。(地域モビリティエージェントとして機能している)アクセスポイント322は、無線端末326がアクセスポイント324との物理リンクを有していることを認識することができ、アクセスポイント324は、アクセスポイント322が地域マネージャとして機能していることを認識することができる。さらに、アクセスポイント324は、無線端末326に関連するトラフィックがアクセスポイント326を介してどのように流れるか決定する1以上のフィルタ規則を、アクセスポイント322に提供することができる。従って、例えば、データが無線端末326に望ましく送られる場合、このデータを最初にアクセスポイント322に提供することができ、アクセスポイント322は、(1以上のフィルタ規則に従って)アクセスポイント322とアクセスポイント324との間でデータを選択的に分配することができる。データは、続いて無線端末326に提供されることができる。
【0024】
次に図4を参照すると、無線通信環境内での使用のための通信装置400が示されている。装置400は、基地局(例えば、アクセスルータ、アクセスポイント等)又はその一部、ホームエージェント(例えば、サーバ又はその一部等)、無線端末、ホストデバイス、又は他の適切な無線通信デバイスであることができる。装置400は、基地局を地域モビリティエージェントとして機能させることに関する種々の命令を保持するメモリ402を含むことができる。
【0025】
一例では、装置400は、ホームエージェントであることができ、ホームエージェントは、サーバであってもよく、サーバの集合体であってもよく、サーバ内部にあってもよく、及び/又はサーバの集合体の間で分散されていてもよい。この場合、メモリ402は、無線端末が基地局との物理リンクを要求するという指示を受信するための命令を含むことができ、この指示は、モバイルIPに準拠することができる。さらに、メモリ402は、無線端末に対して地域モビリティエージェント(例えば、地域ホームエージェント又は地域フォーリンエージェント)として機能するように基地局を構成するための命令を含むことができる。このような構成の一部として、ホームエージェントは、基地局にホームアドレスを提供することができ、このホームアドレスは、無線端末に関連するIPアドレスであることができる。この場合にも、この構成は、ホームエージェントと基地局との間でモバイルIPを使用して行うことができる。装置400は、命令を実行するプロセッサ404をさらに含むことができる。
【0026】
他の例では、装置400は、地域モビリティエージェントとして機能するように構成される基地局、又は地域モビリティエージェントとして機能している基地局に関連づけられる基地局であることができる。メモリ402は、無線端末が基地局との物理リンクを要求する指示を受信する命令を含むことができる。この指示は、モバイルIPによって受信され、無線端末から基地局へOTAで送信されることができる。メモリ402は、物理リンクに関する要求をホームエージェントに通知する命令をさらに含むことができ、この要求は、モバイルIPによって送信されることができる。メモリ402は、ホームエージェントからホームアドレスを受信するとすぐに、無線端末に対して地域モビリティエージェントとして機能するための命令をさらに含むことができる。装置400が主基地局でない(例えば、地域モビリティエージェントとして機能していない)基地局である場合、メモリ402は、(地域モバイルIPによって)無線端末から物理リンクに関する要求を受信するとともに、この要求を主基地局に通知するための命令を含むことができる。メモリ402は、無線端末へのデータの提供に関連する1以上のフィルタ規則を主基地局に通知するための命令をさらに含むことができる。さらに、メモリ402は、装置400と主基地局との間でトンネルを作成し、トンネルを介して受信されたデータを無線端末に送信するための命令を保持することができる。プロセッサ402は、このような前述の命令のうちの1以上を実行するように構成されることができる。
【0027】
図5〜7を参照すると、無線端末の地域登録に関連する手順が示されている。説明を簡単にするために、各手順が一連の動作として図示されて説明されているが、これらの手順は、この動作順序に限定されるものではなく、いくつかの動作は、本明細書に示されて記述されている順序と異なる順序で起こってもよく、及び/又は他の動作と同時に起こってもよいことは理解されて認められるべきである。例えば、当業者は、手順が状態図等において一連の相互に関連した状態又はイベントとして表わすこともできることを理解して認識するであろう。さらに、1以上の実施の形態に従った順序を実施するのに必ずしも図示された全ての動作が使用されるとは限らない。
【0028】
図5だけを参照すると、無線端末及び/又は1以上の他の基地局に対して地域モビリティエージェントとして機能するように、基地局を構成及び使用する手順500が示されている。手順500は、502から開始し、504において、無線端末が第1の基地局との物理層リンクを要求しているという指示が受信される。一例では、無線端末は、モバイルIPによって第1の基地局にホームアドレスを要求することができる。506において、無線端末は、モバイルIPによってホームエージェントに登録される。一例によれば、第1の基地局は、ホームエージェントにホームアドレスを要求することができる。また、第1の基地局及びホームエージェントは、第1の基地局とホームエージェントとの間に、無線端末に送信されるデータ、又は無線端末から受信されるデータのためのトンネルを作成(set up)することができる。従って、ホームエージェントは、第1の基地局が無線端末に対して地域モビリティエージェントとして機能していることを認識することになる。508において、第1の基地局は、無線端末に対して地域モビリティエージェントとして機能する。例えば、無線端末が第2の基地局との物理リンクを得る場合、第1の基地局及び第2の基地局は、第1の基地局と第2の基地局との間にトンネルを作成することができ、第1の基地局は、(1以上のフィルタ規則に従って)無線端末に送信するためのデータを第2の基地局に選択的に提供することができる。他の例では、無線端末は、アップリンク上で第2の基地局にデータを提供することができ、次いで第2の基地局は、このデータを第1の基地局に中継することができ、第1の基地局は、このデータをホームエージェント又は他の適切なネットワークモジュールにさらに送信することができる。手順500は、続いて510で終了する。
【0029】
次に図6を参照すると、無線端末にデータを送信する手順600が示されている。手順600は、602から始まり、604では、無線端末が第1の基地局との物理リンクを要求するという指示が第1の基地局において受信される。より詳細には、無線端末は、無線通信ネットワークを介してポートされる(ported)ことができ、第1の基地局にサービスを要求することができる。606において、第1の基地局は、無線端末との物理リンクを第2の基地局に通知することができる。第2の基地局は、主基地局であることができる。即ち、第2の基地局は、無線端末に対して地域モビリティエージェントとして機能することができる。これにより、無線端末が(ハンドオフ毎にホームエージェントに再登録することを必要とせず)地域的に登録されることが可能となる。
【0030】
608において、第1の基地局と第2の基地局との間にトンネルが作成されるが、このトンネルは、ホームエージェント及び第2の基地局に作成されたトンネルに加えて存在する。従って、ホームエージェントと第1の基地局との間のどんなデータトラフィックも第2の基地局を介して中継され、この第2の基地局は、第1の基地局及び無線端末に対して地域モビリティエージェントとして機能している。610では、無線端末への伝送のために、第1の基地局において、データが第2の基地局から受信される。一例では、第2の基地局は、ホームエージェントから、無線端末に望ましく提供されるデータを受信することができる。1以上のフィルタ規則(静的なものでも動的なものでもよい)に従って、第2の基地局は、受信したデータのサブセットを(608で作成したトンネルによって)第1の基地局に選択的に提供することができる。例えば、測定された信号対雑音比(SNR)に応じて、一定量のデータは、無線端末への伝送のために、第1の基地局に導かれることができる。手順600は、続いて612で終了する。
【0031】
次に図7を参照すると、地域モビリティエージェントとして機能するように基地局を構成する手順700が示されている。手順700は、702から始まり、704において、無線端末が基地局との物理リンクを要求しているという指示がモバイルIPによって受信される。例えば、この指示は、ホームエージェントにおいて受信され、無線端末のホームアドレスを求める要求を含むことができる。706において、ホームエージェントは、無線端末に関して地域モビリティエージェントとして機能するように基地局を構成することができる。一例では、これは、無線端末に割り当てられるホームアドレスを基地局に提供することによって達成されることができる。続いて手順700は、708で終了する。
【0032】
次に図8を参照すると、地域モビリティエージェント(RMA)として機能するように基地局を使用することに関連して、無線端末(WT)802と、第1の基地局(BS1)804と、第2の基地局(BS2)806と、ホームエージェント(HA)808との間の相互動作の例を示す流れ図800が示されている。810では、無線端末802及び基地局804は、相互通信して、無線端末802が使用できるサービスを決定し、無線端末802のアイデンティティを認証し、及び/又は第1の基地局804を所望の地域モビリティエージェントとして識別する。812では、無線端末802は、無線端末802が第1の基地局804によるサービスを受けることを要求することを第1の基地局804に示す。次に814では、第1の基地局804は、第1の基地局804が無線端末802に対してサービスを提供することになることをホームエージェントに示し、ホームエージェント808に無線端末802のホームアドレスを要求する。この通信は、モバイルIPを使用して実行することができる。816では、ホームエージェント808は、登録要求814を確認し、無線端末802及び/又は無線端末802と関連づけられたホストデバイス(図示せず)のホームアドレスを状況に応じて第1の基地局804に(又は無線端末802に直接)提供する。次いで818では、第1の基地局804は、無線端末802にホームアドレスを提供することができる。
【0033】
820では、ホームエージェント808が第1の基地局804を介し無線端末802にデータを導くことができるように、ホームエージェント808と第1の基地局804との間に(又は直接無線端末802との間に)トンネルを作成することができる。822では、無線端末802及び第2の基地局806が通信し、無線端末802は、無線端末802が第2の基地局806との物理リンクを要求するという指示を第2の基地局806に提供することができる。824では、第1の基地局804は、無線端末802のプロファイル、並びに無線端末802に関連するサービスを第2の基地局806に提供する。或いは、無線端末802と第2の基地局806との間の信号交換824は、第1の基地局804との既存のリンクを介して実行される。826では、無線端末802は、地域モバイルIPによって、第1の基地局804が無線端末802のための地域モビリティエージェントとして機能していることを第2の基地局に通知し、気付アドレス(CoA:care of address)が第2の基地局806と関連づけられていること、及び他のCoAが第1の基地局804と関連づけられていることを、第2の基地局806にさらに示し、無線端末802は、1以上のフィルタ規則を第1の基地局804にさらに提供することができる。828では、第2の基地局806は、地域モバイルIPによって、第1の基地局が地域モビリティエージェントとして機能していること、気付アドレスが第2の基地局806と関連づけられていること、及び他のCoAが第1の基地局804と関連づけられていることを第1の基地局804に示し、第1の基地局804に1以上のフィルタ規則をさらに提供することができる。
【0034】
830では、第1の基地局804がこれらの情報を確認し、832では、地域モバイルIPを使用して、無線端末802と第2の基地局806との間にリンクが作成される。834では、ホームエージェント808から第1の基地局804に、無線端末802に向けたデータが提供される。次いで836では、第1の基地局804は、このデータのサブセットを無線端末802に中継することができる。さらに838では、第1の基地局804は、第2の基地局806との間に作成されたトンネルによって第2の基地局806にデータのサブセットを中継することができる。次いで第2の基地局806は、(2次的な)リンクを介してこのデータのサブセットを無線端末802に送ることができる。
【0035】
次に図9と図10を一括して参照すると、基地局を地域モビリティエージェントとして使用することに関連するシステム900及びシステム1000が示されている。システム900及びシステム1000は、機能ブロックを含むものとしてものとして表わされており、これらのブロックは、プロセッサ、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせたもの(例えば、ファームウェア)によって実施される機能を表わし得ることを理解すべきである。
【0036】
図9だけを参照すると、基地局による無線端末への地域モビリティ管理サービス(regional mobility management services)の提供を容易にするシステム900が示されている。一例では、システム900は、基地局であることができ、かつ/又は基地局で構成することもできる。システム900は、基地局を地域モビリティエージェントとして機能させることに関連して機能し得るための電気的構成要素のグループ902を含む。グループ902は、無線端末が基地局との物理リンクを要求していることを判断する電気的構成要素904を含む。一例では、この判断は、チャネル品質表示(CQI:channel quality indicator)報告を精査すること、無線端末による明示的要求を認識すること等によって行うことができる。グループ902は、無線端末に対して地域モビリティ管理サービスを提供するための電気的構成要素906をさらに含む。従って、無線端末は、地域的に他の基地局に登録することができる。システム900は、メモリ908をさらに含むことができ、メモリ908は、構成要素904、906を実行することに関連する命令を保持することができる。代替として、グループ902又はグループ902のコンテンツを、メモリ908に含まれてもよい。
【0037】
図10を参照すると、地域モビリティエージェントとして機能するように基地局を構成することを容易にするシステム1000が示されている。システム1000は、前述のように基地局を構成することに関連して機能する電気的構成要素のグループ1002を含む。グループ1002は、基地局からIPアドレスを求める要求を受信するための電気的構成要素1004を含む。この要求は、モバイルIPプロトコルによって受信されることができる。グループ1002は、基地局をモバイルIPによって地域モビリティエージェントとして機能するように構成するための電気的構成要素1006をさらに含む。システム1000は、構成要素1004及び1006を実行する命令を保持することができ、かつ/又はこれらの構成要素を保持することができるメモリ1008をさらに含む。
【0038】
図11に、基地局を地域モビリティエージェントとして使用することに関連して使用され得るシステム1100を示す。システム1100は、例えば、1以上の受信アンテナ等から信号を受け取り、受信信号に対して典型的な処置(例えば、フィルタリング、増幅、ダウンコンバート等)を実行し、調整された信号をデジタル化してサンプルを得る受信器1102を備える。復調器1104は、受信パイロットシンボルを復調して、チャネル推定のためにプロセッサ1106に提供することができる。
【0039】
プロセッサ1106は、受信器構成要素1102が受信する情報の分析、及び/又は送信器1114が送信するための情報を生成するために設けられるプロセッサであることができる。プロセッサ1106は、システム1100の1以上の部分を制御するプロセッサであることができ、及び/又は受信器1102が受信した情報を分析し、送信器1114が送信するための情報を生成し、システム1100の1以上の部分を制御するプロセッサであることができる。システム1100は、ハンドオフ前、ハンドオフ中、及び/又はハンドオフ後のユーザ装置の性能を最適化することのできる最適化構成要素1108を含むことができる。最適化構成要素1108は、プロセッサ1106に組み込まれていてもよい。最適化構成要素1108がソーストランシーバモジュールからターゲットトランシーバモジュールにハンドオフするかどうか決定することに関連して、ユーティリティベースの分析(utility based analysis)を行う最適化コードを含み得ることは、理解されるべきである。最適化コードは、ハンドオフの実行に関連した推定及び/又は確率的決定及び/又は統計に基づく決定を実行することに関連して、人口知能に基づく方法を利用することができる。
【0040】
システム(ユーザ装置)1100は、プロセッサ1106に動作可能に結合され、基地局(トランシーバモジュール)に関する信号強度情報、スケジューリング情報等の情報を格納するメモリ1110をさらに備えることができ、このような情報は、ハンドオフを要求するかどうか、及びいつ要求するかを決定する際に使用されることができる。メモリ1110は、参照テーブル等を生成することに関連するプロトコルをさらに格納することができ、その結果、システム1100は、格納されたプロトコル及び/又はアルゴリズムを使用してシステム容量を増大させることができる。本明細書で示されるデータストア(例えば、メモリ)構成要素は、揮発性メモリ又は不揮発性メモリのいずれかであってもよく、揮発性及び不揮発性メモリの両方を含むこともできることは、理解されるであろう。限定ではなく例示として、不揮発性メモリは、読み出し専用メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、電気的プログラマブルROM(electrically programmable ROM)(EPROM)、電気的消去可能ROM(electrically erasable ROM)(EEPROM)又はフラッシュメモリを含むことができる。揮発性メモリは、外部キャッシュメモリとして機能するランダムアクセスメモリ(RAM)を含むことができる。限定ではなく例示として、RAMは、シンクロナスRAM(synchronous RAM)(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、ダブルデータレートSDRAM(DDR SDRAM)、エンハンストSDRAM(enhanced SDRAM)(ESDRAM)、シンクリンクDRAM(Synchlink DRAM)(SLDRAM)、及びダイレクトラムバスRAM(direct Rambus RAM)(DRRAM)等の種々の形態で利用可能である。メモリ1110は、これらに限定されることなく、これら及び他の任意の適切なタイプのメモリを備えるように意図される。プロセッサ1106は、シンボル変調器1112及び変調された信号を送信する送信器1114に連結される。
【0041】
図12は、地域モビリティエージェントとして機能するように構成されることができるシステムを示す。システム1200は、1以上の受信アンテナ1206を介して1以上のユーザデバイス1204から信号を受信し、複数の送信アンテナ1208を介して1以上のユーザデバイス1204に送信する受信器1210を有する基地局1202を備える。一例では、受信アンテナ1206及び送信アンテナ1208は、1セットのアンテナを使用して実現されることができる。受信器1210は、受信アンテナ1206から情報を受信することができ、受信情報を復調する復調器1212と動作可能に結合される。受信器1210は、当業者によって理解されるように、例えば、レーキ(Rake)受信器(例えば、複数のベースバンド相関器等を使用してマルチパス信号成分を個別に処理する技術)、MMSEベースの受信器、又は割り当てられたユーザデバイスを分離するための他の適切な受信器であることができる。例えば、複数の受信器が使用されることができ(例えば、1つの受信アンテナ毎に1つの受信器)、これらの受信器は、相互に通信してユーザデータの改善された推定を提供することができる。復調されたシンボルは、図11に関して上述したのと同様のプロセッサであり、ユーザデバイス割り当てに関連する情報、及びこれに関連する参照テーブル等を格納するメモリ1216に結合されているプロセッサ1214によって分析される。各アンテナの受信器出力は、受信器1210及び/又はプロセッサ1214によって一緒に処理されることができる。変調器1218は、送信アンテナ1208を介した送信器1220によるユーザデバイス1204への伝送のために信号を多重化することができる。
【0042】
本明細書で説明される実施の形態がハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、又はこれらの任意の組み合わせによって実現されうることは、理解されるべきである。ハードウェアによる実現の場合、ユーザ装置又はネットワークデバイス内の処理ユニットは、1以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラム可能論理回路(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、本明細書で説明される機能を実行するように設計された他の電子ユニット、又はこれらの組み合わせにより実現されることができる。
【0043】
本明細書で説明されるシステム及び/又は方法がソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア又はマイクロコード、プログラムコード又はコードセグメントにより実現される場合、これらは、記憶構成要素等の機械可読媒体に格納されることができる。コードセグメントは、プロシージャ、関数、サブプログラム、プログラム、ルーチン、サブルーチン、モジュール、ソフトウェアパッケージ、クラス、或いは、命令、データ構造、又はプログラムステートメントの任意の組み合せを表わすことができる。コードセグメントは、情報、データ、引数、パラメータ、又はメモリ内容の送信及び/又は受信することによって他のコードセグメント又はハードウェア回路に結合されることができる。情報、引数、パラメータ、データ等は、メモリ共有、メッセージパッシング、トークンパッシング、ネットワーク伝送等を含む任意の適切な手段を使用して受け渡され、転送され、又は送信されるこができる。
【0044】
ソフトウェアによる実現の場合、本明細書で説明される技法は、本明細書で説明される機能を実行するモジュール(例えば、プロシージャ、関数等)によって実現されることができる。ソフトウェアコードは、メモリユニットに格納され、プロセッサによって実行されることができる。メモリユニットは、プロセッサ内で実施されてもよく、或いはプロセッサ外部で実施されてもよいが、プロセッサ外部で実施される場合、メモリユニットは、種々の手段によってプロセッサに通信可能に結合されることができる。
【0045】
上記の記載は、開示された主題の例を含む。当然ながら、開示の主題を説明するために、構成要素又は方法の考えられる全ての組み合せを記述することは、不可能であるが、当業者は、多くの他の組み合わせ及変更が可能であることを認識することができる。従って、本主題は、添付の特許請求の範囲の精神及び範囲に含まれる全てのこのような変更、修正及び変形を包含するように意図される。さらに、用語「含む(includes)」が詳細な説明又は特許請求の範囲のいずれかで使用されている限りにおいて、この用語は、「具備する(comprising)」が請求項においてトランジショナルワード(transitional word)として使用されるときに解釈されるように、用語「具備する(comprising)」と同様な方法で包括的であるように意図される。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に無線通信に係り、特に無線通信システムのための柔軟な(flexible)通信方式に関する。
【背景技術】
【0002】
無線ネットワークシステムは、世界中で他者と通信するための一般的な手段となっている。セルラ電話機、携帯情報端末等の無線通信デバイスは、消費者ニーズに応えるために、並びに可搬性及び利便性を高めるために、より小型且つよりパワフルになっている。消費者は、これらのデバイスに依存するようになっており、信頼度の高いサービス、サービスエリア(areas of coverage)の拡大、サービスの追加(例えば、ウェブ閲覧機能)及びこのようなデバイスのサイズとコストが引き続き低減されることを求めている。
【0003】
典型的な無線通信ネットワーク(例えば、周波数分割技術、時分割技術及び符号分割技術を使用する)は、加入者にサービスエリアを提供する1以上の基地局と、サービスエリア内でデータを送受信することのできるモバイル(例えば、無線)デバイスとを含む。典型的な基地局は、ブロードキャストサービス、マルチキャストサービス、及び/又はユニキャストサービスのために複数のデバイスに複数のデータストリームを同時に送信することができ、この場合のデータストリームとは、ユーザデバイスにとって独立の受信対象とすることのできるデータの流れである。この基地局のサービスエリア内のユーザデバイスは、複合ストリームによって搬送される1つ、複数又は全すべてのデータストリームを受信しようとすることができる。同様にユーザデバイスは、この基地局又は他のユーザデバイスにデータを送信することができる。
【0004】
無線端末がインターネットに接続することを可能にする無線ネットワークにおいて、モバイルIP(MIP)は、インターネットへの接続を維持しながら、無線端末の移動を容易にするためによく使用される一般的なプロトコルである。無線端末は、MIPを使用すると、無線端末に関連づけられたインターネットプロトコル(IP)アドレスを変更せずに、インターネットへの接続点を変更することができる。従って、モバイルデバイスは、インターネットへの接続点の変更を求められることなく、異なるIPアドレスに関連づけられた異なるローカルエリアネットワーク(LAN)の間で移行することができる。
【0005】
また、システムによっては、モバイルIPは、無線端末が異なるアクセスポイントの複数のリンクと関連づけることを可能にするために利用される。より詳細には、モバイルIPの利用を介して複数のトンネルの作成が可能であり、(例えば、期待されるスループット、測定された信号対雑音比又は他の適切な要因に基づいて)これらのトンネルの各々を介して特定のトラフィックが導かれる(directed)ことができる。
【発明の概要】
【0006】
以下に、開示する主題のいくつかの態様の基本的理解を可能にするための簡単な概要を示す。この概要は、包括的な概要ではなく、重要/不可欠な要素を特定するためのものでも、開示の主題の範囲を線引きするためのものでもない。この概要の目的は、後述するより詳細な説明への前置きとしていくつかの概念を簡略化した形で提示することにすぎない。
【0007】
簡単に述べると、開示する主題は、一般に基地局を地域モビリティ管理エージェントとして機能させることに関するものである。より詳細には、無線端末は、基地局との物理リンクを要求することができ、この基地局は、無線端末に対して地域モビリティエージェント(regional mobility agent)として機能することができる。従って、無線端末が他の基地局との他の物理リンクを得る場合、(ホームエージェントからの)無線端末に向けられたデータを地域モビリティエージェントに先ず導くことができる。従って、無線端末が他の基地局との物理リンクを得るたびに、ホームエージェント及び基地局間でトンネルを作成する必要がない。
【0008】
詳細な一例では、無線端末に向けられたデータのためにホームエージェント及び第1の基地局間にトンネルを作成することができる。また、第1の基地局は、地域モビリティエージェントとして機能するように構成されることができる。無線端末が第2の基地局とのリンクを要求するとき、第2の基地局は、地域登録技術を用いて(地域モビリティエージェントとして機能している)第1の基地局に登録することができる。さらに、トンネルは、第1及び第2の基地局間に作成されることができ、第1の基地局は、第2の基地局に関して実施される特定のフィルタ規則を認識することができる。従って、ホームエージェントが無線端末に向けられたデータを第1の基地局に送ると、第1の基地局は、このデータのサブセットを無線端末に送信するために第2の基地局に選択的に転送することができる。
【0009】
前述の目的及び関連する目的を達成するために、本明細書では、以下の説明及び添付の図面と関連づけていくつかの例示的態様を説明する。しかしながら、これらの態様は、開示の主題の原理が用いられ得る様々なやり方のうちのいくつかを示すものにすぎず、特許請求される主題は、これらの全ての態様及びこれらの等価物を含むように意図される。他の利点及び新規な特徴は、以下の詳細な説明を図面と併せて考察すれば明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】基地局が地域モビリティエージェントとして機能することのできるネットワークアーキテクチャの一例を示すハイレベルブロック図である。
【図2】基地局が地域モビリティエージェントとして機能することのできるネットワークアーキテクチャの一例を示すハイレベルブロック図である。
【図3】無線通信環境の一例を示す図である。
【図4】基地局を地域モビリティエージェントとして機能させることを容易にする装置の一例を示す図である。
【図5】基地局を無線端末に対する地域モビリティエージェントとして機能させる手順の一例を示す典型的な流れ図である。
【図6】無線端末にデータを送信する手順の一例を示す典型的な流れ図である。
【図7】基地局を地域モビリティエージェントとして機能するように構成する手順の一例を示す典型的な流れ図である。
【図8】基地局を地域モビリティエージェントとして使用することに関連して無線端末と2つの基地局とホームエージェントとの間の相互動作の一例を示す流れ図である。
【図9】基地局内で無線端末に対する地域モビリティ管理サービスの提供を容易にするシステムの一例を示す図である。
【図10】基地局を地域モビリティエージェントとして機能するように構成するシステムの一例を示す図である。
【図11】ハンドオフの要求と関連して使用することのできるシステムの一例を示す図である。
【図12】地域モビリティエージェントとして使用することのできるシステムの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、図面を参照して開示の主題を説明する。類似の参照番号は、図面全体を通して類似の要素を参照するのに使用する。以下の記述では、開示の主題の十分な理解を図るために、説明として多くの具体的詳細を示す。しかしながら、開示の主題がこれらの具体的詳細がなくても実施することができることは明らかである。他の例では、開示の主題の説明を容易にするために、周知の構造及びデバイスがブロック図として示されている。
【0012】
さらに、種々の実施の形態は、アクセス端末と関連して本明細書中に説明される。アクセス端末は、システム、加入者ユニット、加入者局、移動局、ユーザ装置、モバイルデバイス、リモート局、リモート端末、ユーザ端末、端末、ユーザエージェント、又はユーザデバイスとも呼ぶことができる。例えば、アクセス端末は、セルラ電話機、コードレス電話機、セッション開始プロトコル(SIP)電話機、無線ローカルループ(WLL)局、PDA、無線接続機能を有するハンドヘルドデバイス、モバイルデバイス内のプロセッサ、無線モデムに接続された他の処理デバイス等とすることができる。
【0013】
さらに、開示の主題の態様は、本明細書で説明される種々の態様を実現するようにコンピュータを制御するソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア又はこれらの任意の組合せを生成するために、標準的なプログラミング及び/又はエンジニアリング技術を使用して、方法、装置又は製造品として実現されることができる。「製造品」という用語は、本明細書に使用される場合、任意のコンピュータ読取可能デバイス、搬送波又は媒体からアクセス可能なコンピュータプログラムを包含するものである。例えば、コンピュータ読取可能媒体には、以下に限定されないが、磁気記憶装置(例えば、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ等)、光ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)等)、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ等)が含まることができる。また、音声メールの送受信の際に、或いはセルラネットワーク等のネットワークにアクセスする際に使用されるデータ等のコンピュータ読取可能電子データを搬送するために搬送波を使用することができることも理解されるべきである。当然ながら、この構成には、本明細書に記載される発明の範囲又は精神を逸脱することなく、多くの変更が加えられ得ることも理解することができる。
【0014】
次に図面を参照すると、図1は、無線端末の地域登録(regional registration)に関連して使用することのできるネットワークアーキテクチャ100を示している。アーキテクチャ100は、ホームエージェント102を含み、ホームエージェント102は、インターネット106から受信される無線端末104へのパケットのルーティング(routing)に関する情報を保持する無線端末104のホームネットワーク上のルータであることができる。一例によれば、ホームエージェント102は、トンネリング機構を使用してインターネット106からデータを転送することができ、従って、無線端末104が異なる場所からホームネットワークに接続するたびに無線端末104のIPアドレスを変更しなくてもよい。
【0015】
アーキテクチャ100は、第1の基地局108及び第2の基地局110をさらに含み、第1の基地局108及び第2の基地局110は、無線端末104にデータを中継し、無線端末104からデータを受信することができる。基地局108及び110は、夫々アクセスモジュール112及び114を含むことができる。アクセスモジュール112及び114は、無線端末104のためのエアインターフェース(air interface)接続点を提供する。一例では、無線端末104は、電源を投入されることができ、双方向通信によってアクセスモジュール112を見つけることができる。例えば、無線端末104は、アクセスモジュール112に識別インディシア(identifying indicia)を提供することができ、アクセスモジュール112は、この情報をアクセス及び認証(AAA:access and authentication)サーバ(図示せず)に中継することができる。認証されると、無線端末104は、(例えば、第1の基地局108のアイデンティティ(identity)を示すことによって)サービスが第1の基地局108によって提供されるよう要求することができる。一例によれば、このような要求は、モバイルIPによって実行されることができる。
【0016】
第1の基地局108は、続いて無線端末104の要求をホームエージェント102に通知することができ、さらに、(例えば、まだホームアドレスが割り当てられていないことを示すことによって)無線端末104のホームアドレスを要求することができる。ホームアドレスは、無線端末104及び/又は無線端末104をホストするデバイスに割り当てられるIPアドレスであることができる。例えば、無線端末104は、電話機、コンピュータ、又は他の適切なデバイスの周辺装置であるカードであることができる。ホームエージェント102は、一般に、モバイルIPによって基地局108に(及び特にアクセスモジュール112に)ホームアドレスを提供することができ、基地局108(及びアクセスモジュール112)は、さらにこのホームアドレスを無線端末104に提供することができる。これにより、ホームエージェント102及びアクセスモジュール112は、ホームエージェント102及びアクセスモジュール112間にトンネルを確立することが可能となり、その結果、ホームエージェント102は、このトンネルによって基地局108に、例えばIPカプセル化データパケットを提供することができる。データパケットは、音声信号、テキスト、画像、及び/又は他の任意の適切なデータを含むことができる。
【0017】
基地局108は、モビリティモジュール116をさらに含むことができ、モビリティモジュール116は、基地局108が地域モビリティエージェント(regional mobility agent)としてのみならず、無線(OTA:over-the-air)接続のための接続点として機能することも可能にする。言い換えると、無線端末104は、(アクセスモジュール114によって)基地局110とのリンクを得ることができ、モビリティモジュール116を使用して、基地局108と基地局110との間にトンネルを作成することができる。従って、ホームエージェント102は、無線端末104が異なる基地局とのリンクを作成するたびにトンネルの削除及び追加を行う必要がない。
【0018】
詳細な一例では、ホームエージェント102と第1の基地局108との間でトンネルを作成することができる。無線端末104は、第2の基地局110とのリンクを要求することができる。より詳細には、無線端末は、基地局108が主基地局(primary base station)であることを、地域モバイルIP(地域登録)によって基地局110に示すことができる。第2の基地局110は、続いて、第1の基地局108が主基地局として機能することを第1の基地局108に通知することができる。第1の基地局は、地域モバイルIPによって第2の基地局110から提供された情報を確認することができ、第2の基地局は、地域モバイルIPによって無線端末104へリンクを確認することができる。この時点において、モビリティモジュール116は、第1の基地局108と第2の基地局110との間にトンネルを作成することができ、さらに、事前定義された規則に従って、或いはエアインターフェースメトリック(metric)に基づいてデータをフィルタリング(filter)することができる。従って、ホームエージェント102は、トンネルによって第1の基地局108にデータを提供し、第1の基地局108は、第2の基地局110に、このデータのサブセットを選択的に提供することができる。要約すると、第1の基地局108は、地域モビリティエージェントとして機能するよう構成されることができ、地域モビリティエージェントは、地域ホームエージェント及び/又は地域フォーリンエージェントと呼ばれることもできる。第2の基地局110は、無線端末104との地域登録によって、第1の基地局108が地域モビリティエージェントとして機能していることを暗黙的に認識している。
【0019】
次に図2を見ると、一例のネットワークアーキテクチャ200が示されている。アーキテクチャ200は、ホームエージェント202を含み、ホームエージェント202は、前述のように、インターネット204から受信される無線端末206へのパケットのルーティングに関する情報を保持することができる。アーキテクチャ200は、無線端末206に対して地域モビリティエージェントとして機能する第1の基地局208をさらに含む。より具体的には、第1の基地局208は、モビリティモジュール210を含むことができ、モビリティモジュール210は、第1の基地局208が特定の領域に関して(例えば、特定のエリア内の1以上の基地局に関して)地域モビリティエージェントとして機能することを可能にする。一例のアーキテクチャ200では、第1の基地局208は、第2の基地局212及び第3の基地局214に対して地域モビリティエージェントとして機能することができ、第2の基地局212及び第3の基地局214は、夫々アクセスモジュール216及び218を含み、アクセスモジュール216及び218は、エアインターフェース接続点を無線端末206に提供する。
【0020】
一例によれば、無線端末206は、初めに、第1の基地局208によってホームエージェント202に登録することができる。従って、トンネルがホームエージェント202と第1の基地局208との間に作成されることができ、第1の基地局208及び前述のトンネルによって無線端末206とホームエージェント202との間でのデータ交換が可能となる。無線端末206は、携帯式のものであり、チャネル条件に変化が生じるため、第1の基地局208から第2の基地局210へのハンドオフを要求することもあり、或いはハンドオフするよう通知されることもある。さらに又はこれに代えて、無線端末206は、第1の基地局208との物理リンク及び第2の基地局210との物理リンクを同時に有することができる。前述のように、無線端末206は、(地域モバイルIPを使用して)第2の基地局212に地域的に(regionally)登録することができ、その結果、第1の基地局208は、第2の基地局212との物理リンクを認識しており、第2の基地局212は、第1の基地局208が無線端末206に関して地域モビリティエージェントとして機能していることを認識している。従って、ホームエージェント202から出ている無線端末206向けのデータ、及び/又は無線端末206から出ているホームエージェント202向けのデータは、第1の基地局208によって導かれる(directed)ことになる。モビリティモジュール210は、どの基地局が無線端末206にデータを提供するかを決定するフィルタ規則(filter rules)を保持することができる。例えば、モビリティモジュール210は、無線端末206への伝送のために、ホームエージェント202から受信したデータを第1の基地局208から第2の基地局212へ送信することができる。
【0021】
上記の例を続けると、無線端末206は、第1の基地局208との物理リンクを切断し、第3の基地局214との物理リンクを作成することが望ましくなるように、地理的に移動する(transition)ことがある。従って、図示されるように、無線端末206は、第2の基地局212とのリンク及び第3の基地局214とのリンクを有することができる。より詳細には、無線端末206は、アクセスモジュール218及び地域モバイルIPを使用して、第3の基地局214とのリンクを作成する。この登録に際して、第3の基地局214は、第1の基地局208が地域モビリティエージェントとして機能していることを通知されることができ、第1の基地局208は、無線端末206が第3の基地局214との物理リンクを有することを通知されることができる。第1の基地局208は、第3の基地局214に関連するフィルタ規則を提供されることができ、及び/又は第3の基地局214に関連するフィルタ規則を保持することができる。従って、例えば、ホームエージェント202が第1の基地局208にデータを提供するときに、第1の基地局208は、第2の基地局212及び第3の基地局214夫々にデータを選択的に広める(disseminate)ことができる。この例は、無線端末への物理リンクがなくても、基地局が無線端末に対して地域ホームエージェントとして機能することができることを示すためのものである。
【0022】
次に図3を参照すると、一例の無線通信システム300が示されている。システム300は、複数のセクタ302〜312を含み、無線端末は、これらのセクタ302〜312内で無線サービスを利用することができる。各セクタ302〜312は、事実上六角形で、実質的に同サイズのものとして図示されているが、各セクタ302〜312のサイズ及び形状が建物等の物理的障害物の地理的領域、数、サイズ及び形状、並びにいくつかの他の要因に応じて変化しうることは理解される。アクセスポイント(基地局)314〜324は、セクタ302〜312に関連づけられ、アクセスポイント314〜324は、セクタ302〜312内のユーザ装置にサービスを提供するために利用される。また、アクセスポイント314〜324のうちの1以上は、システム300内の他のアクセスポイント及び無線端末に対して地域モビリティマネージャとして機能することができる。例えば、システム300では、無線端末326は、アクセスポイント322及びアクセスポイント324との物理リンクを有することができる。しかしながら、任意の特定の時点において、無線端末326が3以上のアクセスポイントとの物理リンクを有してもよいことは、理解されるべきである。この例を続けると、アクセスポイント322は、無線端末326の主アクセスポイント(primary access point)として機能することができ、アクセスポイント324及び無線端末326に対して地域モビリティエージェントとして機能することができる。
【0023】
特定の例では、無線端末326は、アクセスポイント322とだけ物理リンクを有することができる。しかしながら、無線端末326がセクタ310の境界に近づくにつれて、無線端末326がアクセスポイント324との物理リンクを得ることが望ましくなることがある。この場合、無線端末326がアクセスポイント322との物理リンクを保持することもでき、及び/又はアクセスポイント322との物理リンクを削除することもできる。無線端末326及びアクセスポイント324は、地域モバイルIPを使用してリンクを作成することができる。(地域モビリティエージェントとして機能している)アクセスポイント322は、無線端末326がアクセスポイント324との物理リンクを有していることを認識することができ、アクセスポイント324は、アクセスポイント322が地域マネージャとして機能していることを認識することができる。さらに、アクセスポイント324は、無線端末326に関連するトラフィックがアクセスポイント326を介してどのように流れるか決定する1以上のフィルタ規則を、アクセスポイント322に提供することができる。従って、例えば、データが無線端末326に望ましく送られる場合、このデータを最初にアクセスポイント322に提供することができ、アクセスポイント322は、(1以上のフィルタ規則に従って)アクセスポイント322とアクセスポイント324との間でデータを選択的に分配することができる。データは、続いて無線端末326に提供されることができる。
【0024】
次に図4を参照すると、無線通信環境内での使用のための通信装置400が示されている。装置400は、基地局(例えば、アクセスルータ、アクセスポイント等)又はその一部、ホームエージェント(例えば、サーバ又はその一部等)、無線端末、ホストデバイス、又は他の適切な無線通信デバイスであることができる。装置400は、基地局を地域モビリティエージェントとして機能させることに関する種々の命令を保持するメモリ402を含むことができる。
【0025】
一例では、装置400は、ホームエージェントであることができ、ホームエージェントは、サーバであってもよく、サーバの集合体であってもよく、サーバ内部にあってもよく、及び/又はサーバの集合体の間で分散されていてもよい。この場合、メモリ402は、無線端末が基地局との物理リンクを要求するという指示を受信するための命令を含むことができ、この指示は、モバイルIPに準拠することができる。さらに、メモリ402は、無線端末に対して地域モビリティエージェント(例えば、地域ホームエージェント又は地域フォーリンエージェント)として機能するように基地局を構成するための命令を含むことができる。このような構成の一部として、ホームエージェントは、基地局にホームアドレスを提供することができ、このホームアドレスは、無線端末に関連するIPアドレスであることができる。この場合にも、この構成は、ホームエージェントと基地局との間でモバイルIPを使用して行うことができる。装置400は、命令を実行するプロセッサ404をさらに含むことができる。
【0026】
他の例では、装置400は、地域モビリティエージェントとして機能するように構成される基地局、又は地域モビリティエージェントとして機能している基地局に関連づけられる基地局であることができる。メモリ402は、無線端末が基地局との物理リンクを要求する指示を受信する命令を含むことができる。この指示は、モバイルIPによって受信され、無線端末から基地局へOTAで送信されることができる。メモリ402は、物理リンクに関する要求をホームエージェントに通知する命令をさらに含むことができ、この要求は、モバイルIPによって送信されることができる。メモリ402は、ホームエージェントからホームアドレスを受信するとすぐに、無線端末に対して地域モビリティエージェントとして機能するための命令をさらに含むことができる。装置400が主基地局でない(例えば、地域モビリティエージェントとして機能していない)基地局である場合、メモリ402は、(地域モバイルIPによって)無線端末から物理リンクに関する要求を受信するとともに、この要求を主基地局に通知するための命令を含むことができる。メモリ402は、無線端末へのデータの提供に関連する1以上のフィルタ規則を主基地局に通知するための命令をさらに含むことができる。さらに、メモリ402は、装置400と主基地局との間でトンネルを作成し、トンネルを介して受信されたデータを無線端末に送信するための命令を保持することができる。プロセッサ402は、このような前述の命令のうちの1以上を実行するように構成されることができる。
【0027】
図5〜7を参照すると、無線端末の地域登録に関連する手順が示されている。説明を簡単にするために、各手順が一連の動作として図示されて説明されているが、これらの手順は、この動作順序に限定されるものではなく、いくつかの動作は、本明細書に示されて記述されている順序と異なる順序で起こってもよく、及び/又は他の動作と同時に起こってもよいことは理解されて認められるべきである。例えば、当業者は、手順が状態図等において一連の相互に関連した状態又はイベントとして表わすこともできることを理解して認識するであろう。さらに、1以上の実施の形態に従った順序を実施するのに必ずしも図示された全ての動作が使用されるとは限らない。
【0028】
図5だけを参照すると、無線端末及び/又は1以上の他の基地局に対して地域モビリティエージェントとして機能するように、基地局を構成及び使用する手順500が示されている。手順500は、502から開始し、504において、無線端末が第1の基地局との物理層リンクを要求しているという指示が受信される。一例では、無線端末は、モバイルIPによって第1の基地局にホームアドレスを要求することができる。506において、無線端末は、モバイルIPによってホームエージェントに登録される。一例によれば、第1の基地局は、ホームエージェントにホームアドレスを要求することができる。また、第1の基地局及びホームエージェントは、第1の基地局とホームエージェントとの間に、無線端末に送信されるデータ、又は無線端末から受信されるデータのためのトンネルを作成(set up)することができる。従って、ホームエージェントは、第1の基地局が無線端末に対して地域モビリティエージェントとして機能していることを認識することになる。508において、第1の基地局は、無線端末に対して地域モビリティエージェントとして機能する。例えば、無線端末が第2の基地局との物理リンクを得る場合、第1の基地局及び第2の基地局は、第1の基地局と第2の基地局との間にトンネルを作成することができ、第1の基地局は、(1以上のフィルタ規則に従って)無線端末に送信するためのデータを第2の基地局に選択的に提供することができる。他の例では、無線端末は、アップリンク上で第2の基地局にデータを提供することができ、次いで第2の基地局は、このデータを第1の基地局に中継することができ、第1の基地局は、このデータをホームエージェント又は他の適切なネットワークモジュールにさらに送信することができる。手順500は、続いて510で終了する。
【0029】
次に図6を参照すると、無線端末にデータを送信する手順600が示されている。手順600は、602から始まり、604では、無線端末が第1の基地局との物理リンクを要求するという指示が第1の基地局において受信される。より詳細には、無線端末は、無線通信ネットワークを介してポートされる(ported)ことができ、第1の基地局にサービスを要求することができる。606において、第1の基地局は、無線端末との物理リンクを第2の基地局に通知することができる。第2の基地局は、主基地局であることができる。即ち、第2の基地局は、無線端末に対して地域モビリティエージェントとして機能することができる。これにより、無線端末が(ハンドオフ毎にホームエージェントに再登録することを必要とせず)地域的に登録されることが可能となる。
【0030】
608において、第1の基地局と第2の基地局との間にトンネルが作成されるが、このトンネルは、ホームエージェント及び第2の基地局に作成されたトンネルに加えて存在する。従って、ホームエージェントと第1の基地局との間のどんなデータトラフィックも第2の基地局を介して中継され、この第2の基地局は、第1の基地局及び無線端末に対して地域モビリティエージェントとして機能している。610では、無線端末への伝送のために、第1の基地局において、データが第2の基地局から受信される。一例では、第2の基地局は、ホームエージェントから、無線端末に望ましく提供されるデータを受信することができる。1以上のフィルタ規則(静的なものでも動的なものでもよい)に従って、第2の基地局は、受信したデータのサブセットを(608で作成したトンネルによって)第1の基地局に選択的に提供することができる。例えば、測定された信号対雑音比(SNR)に応じて、一定量のデータは、無線端末への伝送のために、第1の基地局に導かれることができる。手順600は、続いて612で終了する。
【0031】
次に図7を参照すると、地域モビリティエージェントとして機能するように基地局を構成する手順700が示されている。手順700は、702から始まり、704において、無線端末が基地局との物理リンクを要求しているという指示がモバイルIPによって受信される。例えば、この指示は、ホームエージェントにおいて受信され、無線端末のホームアドレスを求める要求を含むことができる。706において、ホームエージェントは、無線端末に関して地域モビリティエージェントとして機能するように基地局を構成することができる。一例では、これは、無線端末に割り当てられるホームアドレスを基地局に提供することによって達成されることができる。続いて手順700は、708で終了する。
【0032】
次に図8を参照すると、地域モビリティエージェント(RMA)として機能するように基地局を使用することに関連して、無線端末(WT)802と、第1の基地局(BS1)804と、第2の基地局(BS2)806と、ホームエージェント(HA)808との間の相互動作の例を示す流れ図800が示されている。810では、無線端末802及び基地局804は、相互通信して、無線端末802が使用できるサービスを決定し、無線端末802のアイデンティティを認証し、及び/又は第1の基地局804を所望の地域モビリティエージェントとして識別する。812では、無線端末802は、無線端末802が第1の基地局804によるサービスを受けることを要求することを第1の基地局804に示す。次に814では、第1の基地局804は、第1の基地局804が無線端末802に対してサービスを提供することになることをホームエージェントに示し、ホームエージェント808に無線端末802のホームアドレスを要求する。この通信は、モバイルIPを使用して実行することができる。816では、ホームエージェント808は、登録要求814を確認し、無線端末802及び/又は無線端末802と関連づけられたホストデバイス(図示せず)のホームアドレスを状況に応じて第1の基地局804に(又は無線端末802に直接)提供する。次いで818では、第1の基地局804は、無線端末802にホームアドレスを提供することができる。
【0033】
820では、ホームエージェント808が第1の基地局804を介し無線端末802にデータを導くことができるように、ホームエージェント808と第1の基地局804との間に(又は直接無線端末802との間に)トンネルを作成することができる。822では、無線端末802及び第2の基地局806が通信し、無線端末802は、無線端末802が第2の基地局806との物理リンクを要求するという指示を第2の基地局806に提供することができる。824では、第1の基地局804は、無線端末802のプロファイル、並びに無線端末802に関連するサービスを第2の基地局806に提供する。或いは、無線端末802と第2の基地局806との間の信号交換824は、第1の基地局804との既存のリンクを介して実行される。826では、無線端末802は、地域モバイルIPによって、第1の基地局804が無線端末802のための地域モビリティエージェントとして機能していることを第2の基地局に通知し、気付アドレス(CoA:care of address)が第2の基地局806と関連づけられていること、及び他のCoAが第1の基地局804と関連づけられていることを、第2の基地局806にさらに示し、無線端末802は、1以上のフィルタ規則を第1の基地局804にさらに提供することができる。828では、第2の基地局806は、地域モバイルIPによって、第1の基地局が地域モビリティエージェントとして機能していること、気付アドレスが第2の基地局806と関連づけられていること、及び他のCoAが第1の基地局804と関連づけられていることを第1の基地局804に示し、第1の基地局804に1以上のフィルタ規則をさらに提供することができる。
【0034】
830では、第1の基地局804がこれらの情報を確認し、832では、地域モバイルIPを使用して、無線端末802と第2の基地局806との間にリンクが作成される。834では、ホームエージェント808から第1の基地局804に、無線端末802に向けたデータが提供される。次いで836では、第1の基地局804は、このデータのサブセットを無線端末802に中継することができる。さらに838では、第1の基地局804は、第2の基地局806との間に作成されたトンネルによって第2の基地局806にデータのサブセットを中継することができる。次いで第2の基地局806は、(2次的な)リンクを介してこのデータのサブセットを無線端末802に送ることができる。
【0035】
次に図9と図10を一括して参照すると、基地局を地域モビリティエージェントとして使用することに関連するシステム900及びシステム1000が示されている。システム900及びシステム1000は、機能ブロックを含むものとしてものとして表わされており、これらのブロックは、プロセッサ、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせたもの(例えば、ファームウェア)によって実施される機能を表わし得ることを理解すべきである。
【0036】
図9だけを参照すると、基地局による無線端末への地域モビリティ管理サービス(regional mobility management services)の提供を容易にするシステム900が示されている。一例では、システム900は、基地局であることができ、かつ/又は基地局で構成することもできる。システム900は、基地局を地域モビリティエージェントとして機能させることに関連して機能し得るための電気的構成要素のグループ902を含む。グループ902は、無線端末が基地局との物理リンクを要求していることを判断する電気的構成要素904を含む。一例では、この判断は、チャネル品質表示(CQI:channel quality indicator)報告を精査すること、無線端末による明示的要求を認識すること等によって行うことができる。グループ902は、無線端末に対して地域モビリティ管理サービスを提供するための電気的構成要素906をさらに含む。従って、無線端末は、地域的に他の基地局に登録することができる。システム900は、メモリ908をさらに含むことができ、メモリ908は、構成要素904、906を実行することに関連する命令を保持することができる。代替として、グループ902又はグループ902のコンテンツを、メモリ908に含まれてもよい。
【0037】
図10を参照すると、地域モビリティエージェントとして機能するように基地局を構成することを容易にするシステム1000が示されている。システム1000は、前述のように基地局を構成することに関連して機能する電気的構成要素のグループ1002を含む。グループ1002は、基地局からIPアドレスを求める要求を受信するための電気的構成要素1004を含む。この要求は、モバイルIPプロトコルによって受信されることができる。グループ1002は、基地局をモバイルIPによって地域モビリティエージェントとして機能するように構成するための電気的構成要素1006をさらに含む。システム1000は、構成要素1004及び1006を実行する命令を保持することができ、かつ/又はこれらの構成要素を保持することができるメモリ1008をさらに含む。
【0038】
図11に、基地局を地域モビリティエージェントとして使用することに関連して使用され得るシステム1100を示す。システム1100は、例えば、1以上の受信アンテナ等から信号を受け取り、受信信号に対して典型的な処置(例えば、フィルタリング、増幅、ダウンコンバート等)を実行し、調整された信号をデジタル化してサンプルを得る受信器1102を備える。復調器1104は、受信パイロットシンボルを復調して、チャネル推定のためにプロセッサ1106に提供することができる。
【0039】
プロセッサ1106は、受信器構成要素1102が受信する情報の分析、及び/又は送信器1114が送信するための情報を生成するために設けられるプロセッサであることができる。プロセッサ1106は、システム1100の1以上の部分を制御するプロセッサであることができ、及び/又は受信器1102が受信した情報を分析し、送信器1114が送信するための情報を生成し、システム1100の1以上の部分を制御するプロセッサであることができる。システム1100は、ハンドオフ前、ハンドオフ中、及び/又はハンドオフ後のユーザ装置の性能を最適化することのできる最適化構成要素1108を含むことができる。最適化構成要素1108は、プロセッサ1106に組み込まれていてもよい。最適化構成要素1108がソーストランシーバモジュールからターゲットトランシーバモジュールにハンドオフするかどうか決定することに関連して、ユーティリティベースの分析(utility based analysis)を行う最適化コードを含み得ることは、理解されるべきである。最適化コードは、ハンドオフの実行に関連した推定及び/又は確率的決定及び/又は統計に基づく決定を実行することに関連して、人口知能に基づく方法を利用することができる。
【0040】
システム(ユーザ装置)1100は、プロセッサ1106に動作可能に結合され、基地局(トランシーバモジュール)に関する信号強度情報、スケジューリング情報等の情報を格納するメモリ1110をさらに備えることができ、このような情報は、ハンドオフを要求するかどうか、及びいつ要求するかを決定する際に使用されることができる。メモリ1110は、参照テーブル等を生成することに関連するプロトコルをさらに格納することができ、その結果、システム1100は、格納されたプロトコル及び/又はアルゴリズムを使用してシステム容量を増大させることができる。本明細書で示されるデータストア(例えば、メモリ)構成要素は、揮発性メモリ又は不揮発性メモリのいずれかであってもよく、揮発性及び不揮発性メモリの両方を含むこともできることは、理解されるであろう。限定ではなく例示として、不揮発性メモリは、読み出し専用メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、電気的プログラマブルROM(electrically programmable ROM)(EPROM)、電気的消去可能ROM(electrically erasable ROM)(EEPROM)又はフラッシュメモリを含むことができる。揮発性メモリは、外部キャッシュメモリとして機能するランダムアクセスメモリ(RAM)を含むことができる。限定ではなく例示として、RAMは、シンクロナスRAM(synchronous RAM)(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、ダブルデータレートSDRAM(DDR SDRAM)、エンハンストSDRAM(enhanced SDRAM)(ESDRAM)、シンクリンクDRAM(Synchlink DRAM)(SLDRAM)、及びダイレクトラムバスRAM(direct Rambus RAM)(DRRAM)等の種々の形態で利用可能である。メモリ1110は、これらに限定されることなく、これら及び他の任意の適切なタイプのメモリを備えるように意図される。プロセッサ1106は、シンボル変調器1112及び変調された信号を送信する送信器1114に連結される。
【0041】
図12は、地域モビリティエージェントとして機能するように構成されることができるシステムを示す。システム1200は、1以上の受信アンテナ1206を介して1以上のユーザデバイス1204から信号を受信し、複数の送信アンテナ1208を介して1以上のユーザデバイス1204に送信する受信器1210を有する基地局1202を備える。一例では、受信アンテナ1206及び送信アンテナ1208は、1セットのアンテナを使用して実現されることができる。受信器1210は、受信アンテナ1206から情報を受信することができ、受信情報を復調する復調器1212と動作可能に結合される。受信器1210は、当業者によって理解されるように、例えば、レーキ(Rake)受信器(例えば、複数のベースバンド相関器等を使用してマルチパス信号成分を個別に処理する技術)、MMSEベースの受信器、又は割り当てられたユーザデバイスを分離するための他の適切な受信器であることができる。例えば、複数の受信器が使用されることができ(例えば、1つの受信アンテナ毎に1つの受信器)、これらの受信器は、相互に通信してユーザデータの改善された推定を提供することができる。復調されたシンボルは、図11に関して上述したのと同様のプロセッサであり、ユーザデバイス割り当てに関連する情報、及びこれに関連する参照テーブル等を格納するメモリ1216に結合されているプロセッサ1214によって分析される。各アンテナの受信器出力は、受信器1210及び/又はプロセッサ1214によって一緒に処理されることができる。変調器1218は、送信アンテナ1208を介した送信器1220によるユーザデバイス1204への伝送のために信号を多重化することができる。
【0042】
本明細書で説明される実施の形態がハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、又はこれらの任意の組み合わせによって実現されうることは、理解されるべきである。ハードウェアによる実現の場合、ユーザ装置又はネットワークデバイス内の処理ユニットは、1以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラム可能論理回路(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、本明細書で説明される機能を実行するように設計された他の電子ユニット、又はこれらの組み合わせにより実現されることができる。
【0043】
本明細書で説明されるシステム及び/又は方法がソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア又はマイクロコード、プログラムコード又はコードセグメントにより実現される場合、これらは、記憶構成要素等の機械可読媒体に格納されることができる。コードセグメントは、プロシージャ、関数、サブプログラム、プログラム、ルーチン、サブルーチン、モジュール、ソフトウェアパッケージ、クラス、或いは、命令、データ構造、又はプログラムステートメントの任意の組み合せを表わすことができる。コードセグメントは、情報、データ、引数、パラメータ、又はメモリ内容の送信及び/又は受信することによって他のコードセグメント又はハードウェア回路に結合されることができる。情報、引数、パラメータ、データ等は、メモリ共有、メッセージパッシング、トークンパッシング、ネットワーク伝送等を含む任意の適切な手段を使用して受け渡され、転送され、又は送信されるこができる。
【0044】
ソフトウェアによる実現の場合、本明細書で説明される技法は、本明細書で説明される機能を実行するモジュール(例えば、プロシージャ、関数等)によって実現されることができる。ソフトウェアコードは、メモリユニットに格納され、プロセッサによって実行されることができる。メモリユニットは、プロセッサ内で実施されてもよく、或いはプロセッサ外部で実施されてもよいが、プロセッサ外部で実施される場合、メモリユニットは、種々の手段によってプロセッサに通信可能に結合されることができる。
【0045】
上記の記載は、開示された主題の例を含む。当然ながら、開示の主題を説明するために、構成要素又は方法の考えられる全ての組み合せを記述することは、不可能であるが、当業者は、多くの他の組み合わせ及変更が可能であることを認識することができる。従って、本主題は、添付の特許請求の範囲の精神及び範囲に含まれる全てのこのような変更、修正及び変形を包含するように意図される。さらに、用語「含む(includes)」が詳細な説明又は特許請求の範囲のいずれかで使用されている限りにおいて、この用語は、「具備する(comprising)」が請求項においてトランジショナルワード(transitional word)として使用されるときに解釈されるように、用語「具備する(comprising)」と同様な方法で包括的であるように意図される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基地局において地域モバイルIPによってトンネルを作成する方法であって、
アクセス端末が前記第1の基地局との物理リンクを要求しているという指示を受信することと、
前記アクセス端末に対して地域モビリティエージェントとして機能することと、
を具備する方法。
【請求項2】
前記アクセス端末が第2の基地局との物理リンクを要求しているという指示を受信することと、
前記アクセス端末に提供されるデータを望ましく伝送するために、地域モバイルIPを使用して前記第1及び第2の基地局間にトンネルを作成することと、をさらに具備する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記アクセス端末に望ましく伝送されるデータを前記第1の基地局において受信することと、
前記トンネルによって、少なくとも前記データのサブセットを前記第2の基地局に中継することと、をさらに具備する請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の基地局との前記リンクによって、前記アクセス端末に向けられたデータの第1のサブセットを送信することと、
前記アクセス端末に向けられたデータの第2のサブセットを前記第2の基地局を経由して送信することと、をさらに具備する請求項2に記載の方法。
【請求項5】
モバイルIPを使用してホームエージェント及び前記第1の基地局間にトンネルを作成することをさらに具備する請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記アクセス端末からモバイルIP信号を受信した後に、前記第1及び第2の基地局間に前記トンネルを作成するためにモバイルIPを使用することをさらに具備する請求項2に記載の方法。
【請求項7】
モバイルIPを利用して、前記アクセス端末をホームエージェントに登録することをさらに具備する請求項1に記載の方法。
【請求項8】
通信装置であって、
無線端末が当該通信装置との物理リンクを要求するという指示を受信する命令と、基地局が前記無線端末に対して地域モビリティエージェントとして機能しているという指示を受信する命令と、前記基地局からデータを受信する命令と、前記データを前記無線端末に送信する命令と、を備えるメモリと、
前記メモリ内の前記命令を実行するように構成されるプロセッサと、
を具備する通信装置。
【請求項9】
前記メモリは、当該通信装置が前記無線端末の気付アドレスに関連づけられていることを、地域モバイルIPによって前記基地局に示す命令をさらに具備する請求項8に記載の通信装置。
【請求項10】
前記無線端末が当該通信装置との前記物理リンクを要求するという前記指示は、地域モバイルIPによって受信される請求項8に記載の通信装置。
【請求項11】
前記メモリは、前記基地局に1以上のフィルタ規則を提供する命令をさらに具備する請求項8に記載の通信装置。
【請求項12】
前記メモリは、当該通信装置及び前記基地局間にトンネルを作成する命令をさらに具備する請求項8に記載の通信装置。
【請求項13】
当該通信装置は、アクセスポイントである請求項8に記載の通信装置。
【請求項14】
無線端末との間に確立された物理リンクで前記無線端末にホームアドレスを送信するコンピュータ実行可能命令と、
基地局とのトンネルを作成するコンピュータ実行可能命令と、
前記無線端末に向けられたホームエージェントからのデータを受信するコンピュータ実行可能命令と、
前記データのサブセットを前記無線端末への伝送のために前記基地局に転送するコンピュータ実行可能命令と
を具備するコンピュータ読取可能媒体。
【請求項15】
請求項14に記載のコンピュータ読取可能媒体を具備する基地局。
【請求項16】
地域モバイルIPによって前記基地局に少なくとも1つのメッセージを送信することにより前記トンネルを作成する命令をさらに具備する請求項14に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項17】
モバイルIPによって前記ホームエージェントに前記ホームアドレスを要求する命令をさらに具備する請求項14に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項18】
前記無線端末に前記データのサブセットを選択的に送信する命令をさらに具備する請求項14に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項19】
前記コンピュータ読取可能媒体を具備する第2の基地局が地域モビリティエージェントとして機能するという指示を受信する命令をさらに具備する請求項14に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項20】
地域モバイルIPを使用して前記基地局を前記無線端末に地域的に登録する命令をさらに具備する請求項14に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項21】
通信装置であって、
無線端末が当該通信装置との物理リンクを要求していると判断する手段と、
当該通信装置において、前記無線端末に地域モビリティ管理サービスを提供する手段と、
を具備する通信装置。
【請求項22】
地域モバイルIPによって基地局を前記無線端末に地域的に登録する手段をさらに具備する請求項21に記載の通信装置。
【請求項23】
ホームエージェントから、前記無線端末に向けられたデータを受信する手段と、
前記データを前記無線端末への伝送のために基地局に送信する手段と、をさらに具備する請求項21に記載の通信装置。
【請求項24】
当該通信装置及び前記基地局間にトンネルを作成する手段をさらに具備する請求項23に記載の通信装置。
【請求項25】
モバイルIPによってホームエージェントに前記無線端末のホームアドレスを要求する手段をさらに具備する請求項21に記載の通信装置。
【請求項26】
地域モバイルIPによって前記基地局からフィルタ規則を受信する手段をさらに具備する請求項21に記載の通信装置。
【請求項27】
請求項22に記載の通信装置を具備する基地局。
【請求項28】
無線端末が、第1の基地局によってカバーされる領域内にある第2の基地局との物理リンクを要求していることを判断する命令と、
前記第1及び第2の基地局間にトンネルを作成する命令と、
ホームエージェントから、前記無線端末に望ましく送信されるデータを受信する命令と、
前記データのサブセットを前記第2の基地局に選択的に転送する命令と、
を実行するように構成される前記第1の基地局内のプロセッサ。
【請求項29】
前記無線端末が前記第1の基地局との物理リンクを求めているという指示を受信する命令と、
モバイルIPによって前記ホームエージェントに前記無線端末のホームアドレスを要求する命令と、をさらに実行するように構成される請求項28に記載のプロセッサ。
【請求項30】
前記ホームエージェントから前記ホームアドレスを受信する命令と、
前記ホームアドレスを前記無線端末に送信する命令と、をさらに実行するように構成される請求項29に記載のプロセッサ。
【請求項31】
前記第1の基地局及び前記ホームエージェント間にトンネルを作成する命令をさらに実行するように構成される請求項28に記載のプロセッサ。
【請求項1】
第1の基地局において地域モバイルIPによってトンネルを作成する方法であって、
アクセス端末が前記第1の基地局との物理リンクを要求しているという指示を受信することと、
前記アクセス端末に対して地域モビリティエージェントとして機能することと、
を具備する方法。
【請求項2】
前記アクセス端末が第2の基地局との物理リンクを要求しているという指示を受信することと、
前記アクセス端末に提供されるデータを望ましく伝送するために、地域モバイルIPを使用して前記第1及び第2の基地局間にトンネルを作成することと、をさらに具備する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記アクセス端末に望ましく伝送されるデータを前記第1の基地局において受信することと、
前記トンネルによって、少なくとも前記データのサブセットを前記第2の基地局に中継することと、をさらに具備する請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の基地局との前記リンクによって、前記アクセス端末に向けられたデータの第1のサブセットを送信することと、
前記アクセス端末に向けられたデータの第2のサブセットを前記第2の基地局を経由して送信することと、をさらに具備する請求項2に記載の方法。
【請求項5】
モバイルIPを使用してホームエージェント及び前記第1の基地局間にトンネルを作成することをさらに具備する請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記アクセス端末からモバイルIP信号を受信した後に、前記第1及び第2の基地局間に前記トンネルを作成するためにモバイルIPを使用することをさらに具備する請求項2に記載の方法。
【請求項7】
モバイルIPを利用して、前記アクセス端末をホームエージェントに登録することをさらに具備する請求項1に記載の方法。
【請求項8】
通信装置であって、
無線端末が当該通信装置との物理リンクを要求するという指示を受信する命令と、基地局が前記無線端末に対して地域モビリティエージェントとして機能しているという指示を受信する命令と、前記基地局からデータを受信する命令と、前記データを前記無線端末に送信する命令と、を備えるメモリと、
前記メモリ内の前記命令を実行するように構成されるプロセッサと、
を具備する通信装置。
【請求項9】
前記メモリは、当該通信装置が前記無線端末の気付アドレスに関連づけられていることを、地域モバイルIPによって前記基地局に示す命令をさらに具備する請求項8に記載の通信装置。
【請求項10】
前記無線端末が当該通信装置との前記物理リンクを要求するという前記指示は、地域モバイルIPによって受信される請求項8に記載の通信装置。
【請求項11】
前記メモリは、前記基地局に1以上のフィルタ規則を提供する命令をさらに具備する請求項8に記載の通信装置。
【請求項12】
前記メモリは、当該通信装置及び前記基地局間にトンネルを作成する命令をさらに具備する請求項8に記載の通信装置。
【請求項13】
当該通信装置は、アクセスポイントである請求項8に記載の通信装置。
【請求項14】
無線端末との間に確立された物理リンクで前記無線端末にホームアドレスを送信するコンピュータ実行可能命令と、
基地局とのトンネルを作成するコンピュータ実行可能命令と、
前記無線端末に向けられたホームエージェントからのデータを受信するコンピュータ実行可能命令と、
前記データのサブセットを前記無線端末への伝送のために前記基地局に転送するコンピュータ実行可能命令と
を具備するコンピュータ読取可能媒体。
【請求項15】
請求項14に記載のコンピュータ読取可能媒体を具備する基地局。
【請求項16】
地域モバイルIPによって前記基地局に少なくとも1つのメッセージを送信することにより前記トンネルを作成する命令をさらに具備する請求項14に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項17】
モバイルIPによって前記ホームエージェントに前記ホームアドレスを要求する命令をさらに具備する請求項14に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項18】
前記無線端末に前記データのサブセットを選択的に送信する命令をさらに具備する請求項14に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項19】
前記コンピュータ読取可能媒体を具備する第2の基地局が地域モビリティエージェントとして機能するという指示を受信する命令をさらに具備する請求項14に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項20】
地域モバイルIPを使用して前記基地局を前記無線端末に地域的に登録する命令をさらに具備する請求項14に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項21】
通信装置であって、
無線端末が当該通信装置との物理リンクを要求していると判断する手段と、
当該通信装置において、前記無線端末に地域モビリティ管理サービスを提供する手段と、
を具備する通信装置。
【請求項22】
地域モバイルIPによって基地局を前記無線端末に地域的に登録する手段をさらに具備する請求項21に記載の通信装置。
【請求項23】
ホームエージェントから、前記無線端末に向けられたデータを受信する手段と、
前記データを前記無線端末への伝送のために基地局に送信する手段と、をさらに具備する請求項21に記載の通信装置。
【請求項24】
当該通信装置及び前記基地局間にトンネルを作成する手段をさらに具備する請求項23に記載の通信装置。
【請求項25】
モバイルIPによってホームエージェントに前記無線端末のホームアドレスを要求する手段をさらに具備する請求項21に記載の通信装置。
【請求項26】
地域モバイルIPによって前記基地局からフィルタ規則を受信する手段をさらに具備する請求項21に記載の通信装置。
【請求項27】
請求項22に記載の通信装置を具備する基地局。
【請求項28】
無線端末が、第1の基地局によってカバーされる領域内にある第2の基地局との物理リンクを要求していることを判断する命令と、
前記第1及び第2の基地局間にトンネルを作成する命令と、
ホームエージェントから、前記無線端末に望ましく送信されるデータを受信する命令と、
前記データのサブセットを前記第2の基地局に選択的に転送する命令と、
を実行するように構成される前記第1の基地局内のプロセッサ。
【請求項29】
前記無線端末が前記第1の基地局との物理リンクを求めているという指示を受信する命令と、
モバイルIPによって前記ホームエージェントに前記無線端末のホームアドレスを要求する命令と、をさらに実行するように構成される請求項28に記載のプロセッサ。
【請求項30】
前記ホームエージェントから前記ホームアドレスを受信する命令と、
前記ホームアドレスを前記無線端末に送信する命令と、をさらに実行するように構成される請求項29に記載のプロセッサ。
【請求項31】
前記第1の基地局及び前記ホームエージェント間にトンネルを作成する命令をさらに実行するように構成される請求項28に記載のプロセッサ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−59044(P2013−59044A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−225852(P2012−225852)
【出願日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【分割の表示】特願2009−546518(P2009−546518)の分割
【原出願日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−225852(P2012−225852)
【出願日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【分割の表示】特願2009−546518(P2009−546518)の分割
【原出願日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】
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