説明

地域内電力需給制御システム

【課題】需要家における発電及び蓄電の処理を制御して電力供給を行うことが可能な、需要家の発電設備及び蓄電設備を十分に活用する地域内電力需給制御システムを提供する。
【解決手段】本発明は、地域内の電力の需要家の電力の需要量と逆潮流とによる電力を制御する地域内電力需給制御システムであり、宅内の電力供給、発電及び逆潮流を制御する宅内電力分配器と、宅内電力分配器の電力センサで、宅内の発電電力、蓄電電力及び電力需要を検出し、電力供給を制御するホームゲートウェイとを有する逆潮流需要家と、地域内住宅への商用電力供給及び地域内の逆潮流需要家に対して、電力の供給状況に応じた発電要請、蓄電要請及び需要要請を行う電力会社と、電力会社からの制御要請により、地域内の逆潮流需要家に対し、逆潮流電力、蓄電可能電力及び需要可能電力を問合わせて電力供給を制御する地域管理サーバとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自然エネルギー利用発電所、自然エネルギー発電設備と蓄電設備を備えた需要家、戸建てまたは集合住宅等の一般需要家、を含む地域における電力制御システムに関し、発電所と需要家をネットワークで接続し管理する地域管理サーバと需要家内でエネルギー需給機器を管理する地域内電力需給制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、クリーンエネルギーへの関心から、個人の住宅(需要家)にも太陽光発電などの自然エネルギーを利用した発電設備が設けられるようになってきている。
しかし、自然エネルギーを用いた発電の場合、例えば、太陽光発電の場合、季節及び天候による発電量の変化があるため、自身の住宅の電力を自給できない状態、あるいは発電した電力を蓄積してさらに発電量が余る状態などの安定した発電を行うことができないことがある。
【0003】
このため、発電所と発電設備を有する需要家とにおける電力の需給バランスを取るため、需要家毎の家庭電化製品(以降、家電)などを稼動させる制御を調停サーバが行うようにしたシステムがある(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1においては、各需要家における家電の稼動に必要な電力量の供給要求を、需要家から調停サーバが受ける。そして、調停サーバは、需要家からの供給要求に対して、現在の総供給量を考慮し、供給要求に対して許可あるいは拒否を行う。
また、電力需要が増加して全ての需要家に対して供給要求に対応した電力を供給できない場合、調停サーバは、需要家間において予め設定された優先度や、家電の種別に応じて緊急度の低い家電を一次停止させたり、あるいは家電間の稼働時間をずらしたり、家電の能力を変更している。
【0004】
また、自然エネルギーによって需要家が発電した電力の売買をオープンとし、電力会社が需要家が蓄電している電力を、需要家における蓄電量を管理している管理センターを介して買い取り、電力負荷の平準化を推進するビジネスモデルがある(例えば、特許文献2参照)。
この特許文献2においては、太陽電池による発電設備を有した需要家において、発電設備の発電量が需要家の需要を超える場合、発電設備が発電した電力を破棄することなく有効に活用するためには、余剰の電力を蓄電池に蓄える構成が必要となる。
しかし、現在の需要家が発電した電力の売買に関しては、蓄電池を有した発電設備の場合、安価な夜間電力により蓄電した電力と、昼間に太陽光により発電した電力との区別が付かない。このため、夜間電力により蓄電した電力を、昼間に電力会社に売ることにより、利鞘が生じることとなり、電力会社が損失を被ることになり、蓄電池を有する発電設備のある需要家から電力を買わないという買電制度となっている。
この特許文献2においては、管理センターが需要家で蓄電された電力の由来を厳格に管理し、電力会社に通知することにより、商用電力系統から供給される電力と太陽光発電システムで生成した電力とを分離し、買い取り価格を販売価格と別に設定することを可能としている。これにより、太陽電池と蓄電池とを設置した需要家に対するインセンティブを与え、蓄電池を普及させることで、電力負荷の平準化を推進する構成となっている。
【0005】
また、需要家が大量に接続される、電力会社と接続された配電系統を、複数有する分散型発電装置からの逆潮流を制御する必要がある。すなわち、各需要家から逆潮流される場合、連系点における電圧は、変電所から離れるほど高くなる傾向がある。従って、連系点の位置が変電所から遠いほど系統連系装置の解列及び連系処理の頻度が高くなってしまう。その結果、逆潮流の機会が減るので、同じ配電系統内において需要家間で不公平が生じる。
このため、配電系統への負担を抑えつつ、電力会社が逆潮流を公平に受け入れるため、電力網の物理的特性を考慮した需要家のグループ化を行い、配電系統が所定の逆潮流の電力となるように、グループ内の各需要家の逆潮流電力の制御を行う構成がある(例えば、特許文献3参照)。
【0006】
また、太陽電池の導入に加え、太陽電池による太陽光発電(以下発電)による発電電力の供給系統に対し、車載用バッテリーを接続して、車載バッテリの充電も太陽電池の発電により行う構成がある(例えば、特許文献4参照)。
これにより、車載用バッテリーの充電を、太陽電池で賄うことにより自然エネルギーの有効利用を図ることが期待できる。
しかしながら、この特許文献4の構成においても、自然エネルギーの不安定性をカバーするためのスケジュール管理が考案されている。すなわち、ユーザは予定した時間内になるべく安いコストで充電することを望む要望に対して、商用電力を適切に利用する方法を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−193562号公報
【特許文献2】特開2005−185016号公報
【特許文献3】特開2010−200539号公報
【特許文献4】特開2010−268640号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1のシステムは、電力会社側から見た視点において、需要側の電力使用を制御することによって、電力の配電系統を安定させようとするものである。
需要側の電力使用の制御に対して、調停サーバの運用をうまく行うことにより、電力の配電系統を安定化するという効果が得られることが想定できる。
しかしながら、需要側において太陽電池が大量に導入され、さらにそのエネルギーを無駄なく活用するための蓄電池が導入されることを考慮すると、需要家の発電能力をさらに発電所や蓄電所としての機能として活用する必要がある。
特許文献1のシステムは、需要家の発電設備及び蓄電設備を十分に活用する構成とはなっておらず、需要家の発電する電力を十分に生かすことができない。
【0009】
また、特許文献2のシステムは、電力の売買をオープン化するため、電力の由来(電力の発電元)毎の計測を正確に行い公平な取引を行うことは必須の要素となる。
しかしながら、今後の自然エネルギーを用いた発電設備の大量導入を考慮すると、電力の発生と需要を自然(例えば、天候状態)に任せたり、より高く買う相手に電力を売るというような経済原理だけで運用することには、電力の安定した供給を阻害するという問題が発生することが想定される。
したがって、特許文献2のシステムは、特許文献1と同様に、需要家の発電設備及び蓄電設備を十分に活用する構成とはなっておらず、需要家の発電する電力を十分に生かすことができない。
【0010】
また、特許文献3のシステムは、自然エネルギーを配電系統に受け入れるためになされた考案である。
しかしながら、発電量そのものは、すでに述べたように自然の成り行きにより大きく変動することになる。
このため、配電系統への電力の受け入れには限界が発生し、この限界を超えた場合には逆潮流を禁止し、エネルギーを破棄する可能性がある。
より積極的に自然エネルギーを利用するためには、蓄電池への電力の蓄電や蓄電池からの電力の供給などの制御も必要になる。
したがって、特許文献3のシステムは、特許文献1と同様に、需要家の発電設備及び蓄電設備を十分に活用する構成とはなっておらず、需要家の発電する電力を十分に生かすことができない。
【0011】
また、特許文献4のシステムは、EV(Electric Vehicle)の普及に伴い今後、発生する課題に取り組んだ発明である。
しかしながら、ユーザ視点に立ってみると、電力会社の電力を必要な時だけうまく活用している方法ではあるが、配電系統からすると特許文献1にも記載されているように、車載用バッテリーに充電するなどの負荷の変動を抑えるため、車載バッテリーの充電を安いコストで充電するなどして、需要を制御したい要望もある。
すなわち、同一のロジックでスケジューリングされる電力を需要する機器が、その需要時期が集中した場合には、全体に対して安定的な電力を供給できないとする問題が発生することが想定される。
したがって、特許文献4のシステムは、特許文献1と同様に、需要家の発電設備及び蓄電設備を十分に活用する構成とはなっておらず、需要家の発電する電力を十分に生かすことができない。
【0012】
上述したように、配電系統における電力供給の安定化と、自然エネルギーにより発電した電力の有効活用を両立させるため、複数の需要家における電力設備と蓄電設備とを有機的に結合させたシステムを運用することが必要となる。
さらに、この先の自然エネルギーを用いた発電設備の導入は、より進捗すると考えられる。
しかしながら地域や建物の形態によっても、発電設備には多くのバラエティがあり、これらの管理の全てを発電所が取り扱っていくには、配電の設備が大型化し、処理が複雑となることが考えられる。
また、有機的なシステムを構成するためには、通信技術と電力制御技術とが必要となるが、各バラエティに応じて実現したい内容によって制御レベルが異なっており、コストも違ってくる。
結果として、発電設備及び蓄電設備の制御方式を決定するためには、社会システム全般にかかわるため、その仕様に関しては決定が非常に難しい。
【0013】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、需要家における発電及び蓄電の処理を制御し、配電系統における安定した電力供給を行うことが可能な、需要家の発電設備及び蓄電設備を十分に活用する構成を有する地域内電力需給制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の地域内電力需要管理システムは、地域内の電力の需要家における電力の需要量と逆潮流による電力の供給量とを制御する地域内電力需要管理システムであり、自然エネルギーを利用した発電設備と、電力を蓄積する蓄電設備と、宅内の電力供給、発電及び逆潮流を制御する宅内電力分配器と、前記宅内電力分配器における電力センサにより、前記発電設備の発電電力、前記蓄電設備の蓄電電力及び宅内における電力需要を検出し、宅内の電力供給を制御するホームゲートウェイとを有する、逆潮流需要家に設けられた電力制御装置と、前記地域内の住宅に対する商用電力の供給、及び前記地域内の前記逆潮流需要家に対して、電力の供給状況に応じた発電を要請する発電要請、蓄電を要請する蓄電要請及び需要を要請する需要要請の制御要請の各要請信号を出力する、電力会社に設けられたサーバと、前記電力会社からの前記要請信号の制御要請に応じて、前記地域内における全ての前記逆潮流需要家に対し、逆潮流可能な電力、蓄電可能な電力及び需要可能な電力を問い合わせを行う地域管理サーバとを有し、前記ホームゲートウェイが、前記問い合わせに対応し、前記電力センサにより得られる発電電力、蓄電電力及び需要電力に基づき、逆潮流可能な電力、蓄電可能な電力及び需要可能な電力を求めて、前記地域管理サーバへ回答として出力し、前記地域管理サーバが、前記逆潮流需要家各々からの前記回答を集計し、予め設定された選択のルールに従い、前記制御要請に対応した発電処理、蓄電処理及び需要処理を指示する処理制御信号を、選択した前記逆潮流需要家に対して出力することを特徴とする。
【0015】
本発明の地域内電力需要管理システムは、前記地域管理サーバが、予め設定したランク付けルールに従い、前記回答に応じて、前記逆潮流需要家のランク付けを行い、ランクの最上位から順に、前記電力会社からの制御要請における要請電力となるまで、前記回答における電力を加算し、前記要請電力となるランクまでの前記逆潮流需要家を、制御要請に対応した前記各処理を要請する逆潮流需要家として選択することを特徴とする。
【0016】
本発明の地域内電力需要管理システムは、前記ランク付けルールが、A.前記電力会社の要請が前記発電要請の際、Aa.前記宅内における前記発電電力が過剰であり、かつ前記商用電力による前記蓄電設備に対する充電を行う商用充電状態の場合、Ab.前記宅内における発電電力が過剰であり、かつ前記発電設備の発電電力による前記蓄電設備に対する充電を行う自己充電状態の場合、Ac.前記宅内における発電電力が不足であり、かつ前記商用電力を受電している商用受電状態の場合、Ad.前記宅内における発電電力が不足であり、かつ商用充電状態の場合、のAa、Ab、Ac、Adの順番であり、同一の場合には要請電力に対応した発電電力の大きい方がランクが高くなるとした定義であり、 B.前記電力会社の要請が前記蓄電要請の際、Ba.前記宅内における前記発電電力が不足であり、かつ前記蓄電設備を放電している放電中状態の場合、Bb.前記宅内における発電電力が不足であり、かつ商用受電状態の場合、Bc.前記宅内における発電電力が過剰であり、かつ前記逆潮流を行っている逆潮流状態の場合、Bd.前記宅内における発電電力が過剰であり、かつ前記自己充電の場合、のBa、Bb、Bc、Bdの順番であり、同一の場合には要請電力に対応した蓄電電力の大きい方がランクが高くなるとした定義であり、
C.前記電力会社の要請が前記需要要請の際、Ca.前記宅内における前記発電電力が不足であり、前記放電中状態であり、かつ要請を受け入れた後の状態が前記商用充電の場合、Cb.前記宅内における発電電力が不足であり、前記放電中状態であり、要請を受け入れた後の状態が前記商用受電の場合、Cc.前記宅内における発電電力が過剰であり、前記逆潮流状態であり、かつ要請を受け入れた後の状態が前記商用充電の場合、Cd.前記宅内における発電電力が過剰であり、前記逆潮流状態であり、かつ要請を受け入れた後の状態が前記自己充電の場合、のCa、Cb、Cc、Cdの順番であり、同一の場合には要請電力に対応した需要電力の大きい方がランクが高くなるとした定義である、ことを特徴とする。
【0017】
本発明の地域内電力需要管理システムは、前記宅内電力分配器が、複数のスイッチを有しており、前記ホームゲートウェイが、前記スイッチの導通及び非導通状態により、前記発電設備と、前記蓄電設備及び前記電力会社の電力供給線との接続状態を制御し、前記逆潮流処理、前記蓄電処理及び前記需要処理の各々を制御することを特徴とする。
【0018】
本発明の地域内電力需要管理システムは、前記ホームゲートウェイが、前記宅内電力分配器における前記スイッチの前記逆潮流処理、前記蓄電処理及び前記需要処理の状態毎のスイッチの制御ルールが定義された制御テーブルとが記憶された宅内記憶部と、前記残存容量と、電力センサから得られる発電電力、蓄電電力、放電電力及び宅内で消費される電力の状態及び前記地域管理サーバからの制御に基づき、前記制御テーブルから前記状態毎の前記制御ルールを読み出し、当該制御ルールに基づいて前記宅内電力分配器におけるスイッチを制御する分波器制御部と、前記蓄電設備における残存容量を、電力センサから得られる前記蓄電設備に対する蓄電電力及び放電電力の時間単位の積算により求める蓄電池残存容量算出部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、地域管理サーバが所定の地域における複数の逆潮流需要家の管理を行っているため、地域管理サーバを介して複数の逆流需要家に対して、発電要請、蓄電要請及び需要要請を行うことができ、電力会社から見た場合に仮想的な一般需要家と発電所および蓄電所に見えるように逆潮流需要家を制御し、逆潮流需要家に置かれた発電及び蓄電設備や、環境ごとに発生する複雑な状況(状態遷移)をすべて取り扱うことなく、商用低圧線における電力の正確な需給バランスを制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明の一実施形態による地域内電力需給制御システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の技術思想を説明する電力会社3と逆潮流需要家1との関係を示す概念図である。
【図3】本実施形態における宅内電力分配器12の構成例を示す概念図である。
【図4】本実施形態におけるホームゲートウェイ14の構成例を示すブロック図である。
【図5】本実施形態における地域管理サーバ2の構成例を示すブロック図である。
【図6】本実施形態における制御テーブル145の構成例を示す図である。
【図7】発電電力Ppの数値に応じて宅内電力分配器12における発電、蓄電などの状態遷移を示す図である。
【図8】発電要請における電力会社3、地域管理サーバ2及び住戸(逆潮流需要家1)とにおける制御のシーケンスの一例を示す図である。
【図9】地域管理サーバ2の集計部22が生成する逆潮流需要家1のランク付けの結果を示すテーブルである。
【図10】蓄電要請における電力会社3、地域管理サーバ2及び住戸(逆潮流需要家1)とにおける制御のシーケンスの一例を示す図である。
【図11】地域管理サーバ2の集計部22が生成する逆潮流需要家1のランク付けの結果を示すテーブルである。
【図12】需要要請における電力会社3、地域管理サーバ2及び住戸(逆潮流需要家1)とにおける制御のシーケンスの一例を示す図である。
【図13】地域管理サーバ2の集計部22が生成する逆潮流需要家1のランク付けの結果を示すテーブルである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、この発明の一実施形態による地域内電力需給制御システムの構成例を示す概略ブロック図である。
図1において、地域内電力需給制御システムは、逆潮流需要家1(電力制御装置)、地域管理サーバ2、電力会社3のサーバ(後述する電力会社3に設けられた電力調整サーバ)と従来電力網4とで構成されている。各逆潮流需要家1は、広域ネットワーク5を介して地域管理サーバ2と接続され、各種データの送受信を地域管理サーバ2と行う。
地域管理サーバ2は、電力会社3の電力調整サーバと接続されている。
従来電力網4は、発電所41が発電した電力(交流電力)を、電力会社3が発電設備を有していない需要家に対して供給している電力(交流電力、以下特に断りのない場合、電力とは交流電力を指す)の供給網である。
【0022】
逆潮流需要家1は、太陽電池11、宅内電力分配器12、蓄電池13及びホームゲートウェイ14とからなる電力制御装置を住宅に備えている。
ホームゲートウェイ14は、太陽電池11の発電状態を検出し、宅内電力分配器12を制御し、蓄電池13に対する蓄電処理、電力会社3からの受電処理、電力会社3への逆潮流処理などの各処理を制御する(後に詳述)。
地域管理サーバ2は、電力会社3からの電力制御の要請信号(発電要請、蓄電要請及び需要要請の要請信号)を受けると、これらの電力制御の要請信号に対応して、各逆潮流需要家1の蓄電処理、受電処理及び逆潮流処理の各々を制御する(後に詳述)。
【0023】
次に、図2は本発明の技術思想を説明する電力会社3と逆潮流需要家1との関係を示す概念図である。
従来は、図2(a)に示すように、逆潮流需要家1において発電電力が余った場合(発電電力が自宅における需要を上回った場合)、電力会社3(すなわち、電力会社3の低圧線)に対して余剰電力を逆潮流し、発電電力が需要量に満たない場合、電力会社3から電力の供給を受けている。
一方、本実施形態によれば、電力会社3が地域管理サーバ2に対し、すでに述べた電力制御の要請信号を出力し、地域管理サーバ2がこの要請信号に基づいて、逆潮流需要家1に対して発電処理、蓄電処理及び逆潮流処理を制御している。
これにより、図2(b)に示すように、電力会社3は、自身の有する発電所41の他に、地域ごとにグループ化された逆潮流需要家1を、仮想発電所、仮想蓄電所及び仮想需要家として制御することができ、電力需要の急激な変化に対して、地域内で電力の不足及び余剰を解消して、電力の安定供給を行うことができる。
【0024】
次に、図3は、宅内電力分配器12の構成例を示す概念図である。図3に示すように、通信インターフェース121、DC(直流)/DCコンバータ122、123、DC/AC(交流)コンバータ124、125、ダイオード126、電力測定器(電力センサ)m1、m2、m3、スイッチSW1、SW2、SW3、SW4、SW5を備えている。ここで、スイッチSW1、SW2及びSW3には例えば電子スイッチが用いられ、スイッチSW4及びSW5は例えば電子スイッチや、あるいは電圧や位相を制御することにより電流の流れる方向を切り替える機能を有するものを用いる。また、物理的に電線をオンオフして電気的な接続を切断したりする機構部品を用いても良い。
DC/DCコンバータ122は、太陽電池11から電力測定器m1方向にのみ電力を供給する片方向のコンバータであり、ダイオード126を介して太陽電池11の発電する電力を予め設定された電圧に変換して出力する。ここで、DC/DCコンバータ122は、入力端子がダイオード126のカソードに接続され、出力端子がスイッチSW1の共通端子3に接続されている。ダイオード126は、アノードが太陽電池11に接続されている。
【0025】
電力測定器m1は、DC/DCコンバータ122の出力端子から出力される電力である発電電力Ppを測定し、この発電電力Ppを通信インターフェース121を介してホームゲートウェイ14へ出力する。
スイッチSW1は、端子1がDC/DCコンバータ124の端子124aと接続され、共通端子3がDC/DCコンバータ122の出力端子と接続され、端子2がオープン状態である。そして、スイッチSW1は、DC/DCコンバータ122の出力端子とDC/ACコンバータ124の端子124aとを、オン状態(共通端子3が端子1と接続)にて接続とし、一方、オフ状態(共通端子3が端子2と接続)にて非接続とする。
【0026】
DC/DCコンバータ123は、蓄電池13と電力測定器m2とのいずれの向きにも、予め設定した電圧にて電力を供給する双方向のコンバータであり、分配器制御部141の制御により電力を供給する方向を制御する。また、DC/DCコンバータ123は、入出力端子である端子123aが蓄電池13と接続され、入出力端子である端子123bがスイッチSW2の共通端子3に接続されている。また、DC/DCコンバータ123は、蓄電池13を蓄電する蓄電状態の場合、電力測定器m2側から蓄電池13に対して蓄電用の電力を供給し、蓄電池13を放電する放電状態の場合、蓄電池13から電力測定器m2側に電力を供給する。
【0027】
電力測定器m2は、蓄電状態の場合、DC/DCコンバータ123に入力される電力である蓄電電力Psを測定し、一方、放電状態の場合、DC/DCコンバータ123から出力される電力である放電電力Pdを測定する。ここで、電力測定器m2は、電流の極性(電流の流れる向き)により、充電及び放電の状態を検出する。
スイッチSW2は、共通端子3がDC/DCコンバータ123の端子123bと接続され、端子2がオープンであり、端子1がDC/ACコンバータ125の入力端子である端子125aと接続されている。そして、スイッチSW2は、DC/DCコンバータ123の端子123bと、DC/ACコンバータ125の入力端子125aとを、オン状態(共通端子3が端子1と接続)にて接続とし、一方、オフ状態(共通端子3が端子2と接続)にて非接続とする。
【0028】
DC/ACコンバータ124は、端子124aから供給されるDC電圧の電力を、予め設定されたAC電圧の電力に変換して端子124bから出力し、また、端子124bから入力されるAC電圧の電力を、予め設定したDC電圧の電力に変換して端子124aから出力する双方向のコンバータである。
スイッチSW5は、共通端子3がDC/ACコンバータ124の端子124bに接続され、端子2がオープンであり、端子1が外部の商用低圧線(電力会社からの電力の供給線)に接続されている。そして、スイッチSW5は、オン状態(共通端子3が端子1に接続)の場合、DC/ACコンバータ124の端子124bと商用定圧線とを接続し、オフ状態(共通端子3が端子2に接続)の場合、DC/ACコンバータ124の端子124bと商用定圧線とを非接続とする。
【0029】
DC/ACコンバータ125は、入力端子125aがスイッチSW3の端子2に接続され、出力端子がスイッチSW4の共通端子3に接続されている。そして、DC/ACコンバータ12は、スイッチSW3の共通端子3から入力端子125aに対して入力される所定のDC電圧の電力を、予め設定されたAC電圧の電力に変換して、出力端子からスイッチSW4の端子1に対して出力する。
【0030】
スイッチSW4は、共通端子3が宅内の機器に電力を供給する宅内電力供給線に接続され、端子2がDC/DCコンバータ125の出力端子125bと接続され、端子1がDC/ACコンバータ124の端子124bと接続されている。そして、スイッチSW4は、共通端子3と端子2とが接続している状態において、DC/ACコンバータ125から出力されるAC電圧の電力を宅内電力供給線に供給し、一方、共通端子3が端子1に接続されている状態において、スイッチSW5の共通端子3から出力されるAC電圧の電力を宅内電力供給線に供給する。
電力測定器m3は、共通端子3と端子2とが接続している状態において、DC/ACコンバータ125の出力端子から宅内電力供給線に供給される電力である蓄電電力Psを測定し、一方、放電状態の場合、DC/DCコンバータ123から出力される電力である放電電力Pdを測定する。電力測定器m1、m2及びm3の各々は、それぞれ測定する測定電力をモニタデータ(Pp、Ps、Pd、Pc)として通信インターフェース121を介して、ホームゲートウェイ14へ出力する。
【0031】
スイッチSW3は、共通端子3がDC/DCコンバータ122の出力端子に接続され、端子1がオープンであり、端子2がDC/ACコンバータ125の入力端子に接続されている。そして、スイッチSW3は、オン状態(共通端子3が端子2に接続)の場合、DC/ACコンバータ125の入力端子とDC/DCコンバータ122の出力端子とを接続し、オフ状態(共通端子3が端子1に接続)の場合、DC/ACコンバータ125の入力端子とDC/DCコンバータ122の出力端子とを非接続とする。すなわち、スイッチSW3は、共通端子3と端子2とが接続しているオン状態において、DC/DCコンバータ122から出力されるDC電圧の電力をDC/ACコンバータ125の入力端子に供給し、一方、共通端子3が端子1に接続されている状態において、DC/DCコンバータ122から出力されるDC電圧の電力をDC/ACコンバータ125の入力端子に供給しない。
通信インターフェース121は、ホームゲートウェイ14からのスイッチ制御のための制御信号を、スイッチSW1、SW2、SW3、SW4及びSW5の各々へ供給し、電力測定器m1、m2及びm3から出力されるモニタデータ(Pp、Ps、Pd、Pc)を、ホームゲートウェイ14に対して出力する。
また、上述した電力測定器m1、m2及びm3の各々は、測定器内部の電圧計が測定する電圧と、測定器内部の電流計が測定する電流とから、各々の電力を求める。
【0032】
次に、図4は、ホームゲートウェイ14の構成例を示すブロック図である。図4に示すように、ホームゲートウェイ14は、分配器制御部141、蓄電池残存容量算出部142、天気予報問い合わせ部143、宅内記憶部144を備えている。
分配器制御部141は、宅内記憶部144に記憶されている制御テーブル145に従い、宅内電力分配器12の制御を行う。
蓄電池残存容量算出部142は、宅内電力分配器12から供給されるモニタデータにおける蓄電電力Ps(W)及び放電電力Pd(W)により、蓄電池13の残存容量SOCの算出を以下の(1)式により行う。
SOC=(Pint+(KcΣPs−(1/Kd)ΣPd))/Pmax …(1)
このSOCを求める式において、係数Kcは、蓄電池13における充電効率係数である(0<Kc<1)。充電効率係数Kcは、電力の交流から直流への変換における損失、直流での電圧変換における損失、蓄電池13を構成するバッテリーセル内の内部抵抗による損失、及びこのバッテリーセルを直並列に組み合わせて運用するための蓄電池13内の制御回路による蓄電池13への充電の際における損失を実験的に求め、これら各損失により求めた蓄電池13への与えられた電気エネルギーに対し、実際に蓄電池13に対して充電される電気エネルギーの割合を示す充電効率係数である。ここで、蓄電池13内の制御回路は、個々のバッテリーセルの安全性やバランスの制御、高電圧制御を行う回路であり、一般的に、バッテリーセルで構成される蓄電池で用いられているセルマネージメントユニットまたはバッテリーマネージメントユニットと呼ばれている電子回路である。
また、Kdは、蓄電池13における放電効率係数である(0<Kd<1)。電力の直流から交流への変換における損失、交流での電圧変換における損失、蓄電池13を構成するバッテリーセルの内部抵抗による損失、及び上記蓄電池13内の制御回路による蓄電池13からの放電の際における損失を実験的に求める。そして、この実験的に求めた各損失かに基づき、蓄電池13に蓄電された電気エネルギーを外部に供給する際、蓄電池13から放電されるエネルギーに対して、上述した損失分減少して実際に外部に供給される割合を示す放電効率係数を求めている。したがって、電力容量Pdを供給する際、実質的に(1/Kd)Pdが蓄電池13から放電されて消費されることになる。
【0033】
ここで、Pint(Wh)は蓄電池を宅内電力分配器12に接続した時点における蓄積されている初期電力量である。Pmax(Wh)は蓄電池13の定格容量または、SOCが100%の際の蓄電池13の電力量を示している。
すなわち、蓄電池残存容量算出部142は、上記(1)式により、蓄電電力Ps及び放電電力Pdの各々を、時間単位すなわち測定周期(例えば、30分あるいは1時間周期など)毎の積算値として、電力量である蓄電量積算値ΣPdに係数Kcを乗算した結果と放電量積算値ΣPdを係数Kdにより除算した結果との差分を求め、この差分を初期電力量Pintに加算し、電力量Pmaxで除算した結果を残存容量SOCとして求めている。
【0034】
宅内記憶部156には、制御テーブル145、条件テーブル146および電力消費履歴テーブル147が記憶されている。
次に、図6は制御テーブル145の構成例を示す図である。この図6には、後述する分配器制御部141がモニタデータなどにより、条件テーブル146を参照して判定した、状態に応じたスイッチSW1からSW5の設定が記述されている。
分配器制御部141は、条件テーブル146を参照して、自己充電中である状態SO1、商用充電中である状態SO2、逆潮流である状態SO3、強制逆潮流である状態SO4、強制商用充電であるSO5、放電中である状態SU1、商用受電である状態SU2、商用充電である状態SU3、強制逆潮流である状態SU4、強制商用充電であるSU5の何れかの状態であるか否かの判定を行う。
条件テーブル146には、図7に示す各状態の条件が記載されている。電力過剰状態であるPp≧(Pc+Ps)の場合、状態SOn(1≦n≦5)の各状態と定義され、電力不足状態Pp<(Pc+Ps)の場合、状態SOq(1≦q≦5)の各状態と定義されている。図7は、発電電力Ppの数値に応じて宅内電力分配器12における発電、蓄電などの状態遷移を示す図である。以下の状態遷移が行われる際の各スイッチSWの制御は分配器制御部141が行う。また、図7において、実線の矢印は地域管理サーバ2からの要請信号に基づく要請制御による状態間の移行を示し、破線の矢印は宅内における分配器制御部141の判定処理に基づく状態間の移行を示している。
【0035】
また、条件テーブル146で規定されている、各状態とする判定基準を以下に列挙する。
状態SO1:SOCが1未満であり、蓄電電力Psが予め設定した蓄電電力閾値以上である状態。すなわち蓄電池13が充電可能な状態の場合に設定される。ここで、蓄電池13の運用に関しては、SOCを1を上限とするのではなく、0.9を上限とするなど、蓄電池13の寿命を考慮した運用をしても良い。すなわち、分配器制御部141は、電力過剰の状態となった場合、宅内電力分配器12の各スイッチSWを制御して、宅内電力分配器12の各スイッチSWの接続を電力不足状態(SU1〜SU5)から状態SO1に移行させる。また、地域管理サーバ2の需要を行う処理を要請する要請信号である需要要請信号を受け、上記状態の場合、分配器制御部141は、宅内電力分配器12の各スイッチSWを制御して、宅内電力分配器12の各スイッチSWの接続を状態SO3から状態SO1に移行させる。
状態SO2:SOCが1未満であり、蓄電電力Psが予め設定した数値以下であり、現在の時刻が電力料金が安価な(充電コストが安い)夜間である場合に設定される。すなわち、地域管理サーバ2の需要を要請する要請信号である需要要請信号を受け、上記状態の場合、分配器制御部141は、宅内電力分配器12の各スイッチSWを制御して、宅内電力分配器12の各スイッチSWの接続を状態SO3から状態SO2に移行させる。
状態SO3:電力会社3に対して電力を売る状態。太陽電池11の発電電力Ppが、Pp≧(Pc+Ps)であって、SOCが1であり、逆潮流需要家1においてユーザが逆潮流とする制御を行った場合に設定される。すなわち、蓄電池13の蓄電量がPmaxとなった場合、分配器制御部141は、宅内電力分配器12の各スイッチSWを制御して、宅内電力分配器12の各スイッチSWの接続を状態SO1から状態SO3に移行させる。
状態SO4:電力会社3に対して電力を売る状態。SOCが供給閾値以上であり、地域管理サーバ2から、逆潮流を行うように発電要請信号を受けた場合に設定される。すなわち、地域管理サーバ2からの発電を行う処理を要請する要請信号である発電要請信号を受け、上記状態の場合、分配器制御部141は、宅内電力分配器12の各スイッチSWを制御して、宅内電力分配器12の各スイッチSWの接続を状態SO1またはSO2から状態SO4に移行させる。
状態SO5:蓄電池13が充電可能なSOCが1未満の場合であり、地域管理サーバ2から蓄電を行う処理を要請する要請信号である蓄電要請信号を受けた場合に設定される。すなわち、地域管理サーバ2の蓄電要請により、分配器制御部141は、宅内電力分配器12の各スイッチSWを制御して、宅内電力分配器12の各スイッチSWの接続を状態SO1からSO5に移行させる。この状態SO5は、宅内電力分配器12の各スイッチ(SW1からSW4)の接続状態が、商用電力から蓄電池13に対して充電を行っている状態SO2と同様である。
また、状態SO1、SO2、SO3、SO4及びSO5の各々の電力過剰状態(Pp≧Pc+Ps)にあったが、電力不足状態(Pp<Pc+Ps)となると、電力不足状態における状態SU1に設定が移行される。
【0036】
状態SU1:SOCが0でなく、蓄電電力Psが予め設定した数値以上である状態。すなわち、蓄電池13は充電可能状態であるが、太陽電池11の発電電力が宅内電力供給線に供給するのに不十分な数値(Pp<Pc)であり、かつPpが予め設定した発電閾値を下回っていない場合に設定される。すなわち、分配器制御部141は、電力不足の状態となった場合、宅内電力分配器12の各スイッチSWを制御して、宅内電力分配器12の各スイッチSWの接続を電力過剰状態(SO1〜SO5)から状態SU1に移行させる。また、分配器制御部141は、蓄電池13の蓄電電力Psが予め設定した数値を超えた場合、宅内電力分配器12の各スイッチSWを制御して、宅内電力分配器12の各スイッチSWの接続を状態SU2から状態SU1に移行させる。
状態SU2:SOCが1未満であり、蓄電電力Psが予め設定した蓄電電力閾値以下であり、現在の時刻が電力料金が安価な(充電コストが安い)夜間でない場合に設定される。すなわち、地域管理サーバ2の需要を行う処理を要請する要請信号である需要要請信号を受け、上記状態の場合、分配器制御部141は、宅内電力分配器12の各スイッチSWを制御して、宅内電力分配器12の各スイッチSWの接続を状態SU1から状態SU2に移行させる。また、分配器制御部141は、蓄電池13の蓄電電力Psが予め設定した数値を下回った場合、宅内電力分配器12の各スイッチSWを制御して、宅内電力分配器12の各スイッチSWの接続を状態SU1から状態SU2に移行させる。また、分配器制御部141は、蓄電池13の蓄電電力Psが予め設定した数値を越えた場合、宅内電力分配器12の各スイッチSWを制御して、宅内電力分配器12の各スイッチSWの接続を状態SU3から状態SU2に移行させる。
状態SU3:SOCが1未満であり、蓄電電力Psが予め設定した蓄電電力閾値以下であり、現在の時刻が電力料金が安価な(充電コストが安い)夜間である場合に設定される。すなわち、地域管理サーバ2の需要を要請する要請信号である需要要求信号受け、上記状態の場合、分配器制御部141は、宅内電力分配器12の各スイッチSWを制御して、宅内電力分配器12の各スイッチSWの接続を状態SU1から状態SU3に移行させる。また、分配器制御部141は、蓄電池13の蓄電電力Psが最大蓄電電力に対して余裕があり、夜間電力の時間帯となったことを検出した場合、宅内電力分配器12の各スイッチSWを制御して、宅内電力分配器12の各スイッチSWの接続を状態SU2から状態SU3に移行させる。
状態SU4:電力会社3に対して電力を売る状態。SOCが供給閾値以上であり、地域管理サーバ2から、逆潮流を行う処理を要請する要請信号である発電要請信号を受けた場合に設定される。すなわち、地域管理サーバ2の発電要請により、分配器制御部141は、宅内電力分配器12の各スイッチSWを制御して、宅内電力分配器12の各スイッチSWの接続を状態SU2またはSU3から状態SU4に移行させる。
状態SU5:蓄電池13が充電可能なSOCが1未満の場合であり、地域管理サーバ2から蓄電を行う処理を要請する要請信号である蓄電要請信号を受けた場合に設定される。すなわち、状態SU1から状態SU5への移行は、上述したように、地域管理サーバ2からの蓄電要請信号が供給された場合にしか行われない。この状態SU5は、宅内電力分配器12の各スイッチ(SW1からSW4)の接続状態が、商用電力から蓄電池13に対して充電を行っている状態SU3と同様である。このとき、分配器制御部141は、宅内電力分配器12の各スイッチSWを制御して、宅内電力分配器12の各スイッチSWの接続を状態SU1またはSU2から状態SU5に移行させる。
また、分配器制御部141は、状態SU1、SU2及びSU3において、電力が過剰となった場合、状態SU1、SU2、SU3から状態SO1に遷移させ、状態SO1、SO3において、電力が不足した場合、状態SO1、SO3から状態SU1に遷移させる。
また、状態SU1、SU2、SU3、SU4及びSU5の各々の電力不足状態(Pp<Pc+Ps)にあったが、電力過剰状態(Pp≧Pc+Ps)となると、電力過剰状態における状態SO1に設定が移行される。
【0037】
上述したように、分配器制御部141は、モニタデータと、安価な夜間電力の時間帯と、蓄電電力閾値と、供給閾値と、発電閾値とに対応する条件を検索し、対応する条件が設定された状態(SOn、SOq)を読み出し、この状態に対応するスイッチ制御を制御テーブルから読み出し、スイッチSW1からSW5の各々の制御を行う。
天気予報問い合わせ部143は、一定周期毎に天気予報データを配信する天気予報会社のサーバにアクセスし、周期単位の天気予報データ(天候、温度など)を取得する。天候は「晴れ」、「曇り」、「雨」及び「雲量」などの種別がある。
宅内記憶部144には、すでに説明した制御テーブル145及び条件テーブル146と電力消費履歴テーブル147とが記憶されている。
電力消費履歴テーブル147には、天候毎に、月、曜日、時間帯における過去の使用電力が記憶されている。
【0038】
また、分配器制御部141は、地域管理サーバ2から蓄電処理、受電処理及び逆潮流処理を制御する問い合わせ情報が供給されると、現在の残存容量SOC、指定された時間帯における発電電力Pp及び使用電力Pcに基づいて、供給可能な電力である供給可能電力Puと供給可能な時間である供給可能時間Tuとを算出する(詳細な説明は後述)。
また、分配器制御部141は、地域管理サーバ2から供給された問い合わせ情報に対し、自身の識別情報と、計算した供給可能電力Pu及び供給可能時間Tuと、現在の状態である元の状態及び要請を受け入れて動作する際の変更後の状態とを地域管理サーバ2に対して出力する。
【0039】
上述した条件テーブルにおける判定基準、及び制御テーブルの状態の各々は一例であり、通常運転についてはホームゲートウェイ14の各部が行い、以下に説明するように、地域管理サーバ2からの要請信号(発電要請信号、蓄電要請信号、需要要請信号)により、ホームゲートウェイ14が分配器制御部141の状態を変更し、電力会社3からの発電、蓄電及び需要の要請に対応することが本実施形態の技術思想である。
【0040】
次に、図5は、地域管理サーバ2の構成例を示すブロック図である。この図5において、地域管理サーバ2は、問い合わせ部21、集計部22、回答部23、制御部24を備えている。
問い合わせ部21は、電力会社3から発電要請、蓄電要請及び需要要請の要請信号(発電要請信号、蓄電要請信号、需要要請信号)を受けると、自身の管理する逆潮流需要家1のグループに対し、逆潮流処理、蓄電処理及び受電処理を行えるか否かの回答を要求する問い合わせ信号(以下、問い合わせ)情報を出力する。
集計部22は、問い合わせに対する、各逆潮流需要家1からの回答信号(以下、回答)より、識別情報と、供給可能電力Pu及び供給可能時間Tuと、元の状態及び変更後の状態とを抽出し、元の状態及び変更後の状態とが、予め内部に設定された状態の組み合わせ(元の状態及び変更後の状態の組み合わせ)に対応するか否かの判定を行い、設定されている状態の組み合わせと一致する状態の組み合わせを有する逆潮流需要家1の抽出を行う。この状態の組み合わせは、発電要請、蓄電要請及び需要要請の各々に対して別々に複数設けられている。
また、集計部22は、状態の組み合わせと、残存容量SOCと、供給可能電力Puと、供給可能時間Tuとの各々の大小関係で設定されたランク付けルールにより、状態の組み合わせが一致する逆潮流需要家1のランク付けを行う。ここで、集計部22は、予め内部に設定されている供給時間より少ない供給可能時間Tuの逆潮流需要家1をランクから削除するようにしても良い。
【0041】
制御部24は、集計部22のランク付けの結果から、発電要請、蓄電要請及び需要要請を要請する要請信号に対し、要請された要請電力となるまで、ランクにおける最上位の逆潮流需要家1から順次下位の逆潮流需要家1の各可能電力を加算、例えば発電要請においては供給可能電力Puを加算する。この際、制御部24は、ランク付けされた全ての逆潮流需要家1の供給可能電力Puを加算しても、電力会社3から要請信号により要請された要請電力に満たない場合、ランク付けされた全ての逆潮流需要家1の供給可能電力Puを加算した結果を、供給可能総電力とする。ここで、制御部24は、ランク付けされた逆潮流需要家1の供給可能時間Tuで最も短い時間を、供給可能総時間とする。
【0042】
回答部23は、制御部24が求めた電力の供給が可能または供給可能総電力のいずれかと、供給可能総時間とを電力会社3へ回答として出力する。
上述した供給可能な能力である供給可能総電力を電力会社3に対して回答しておくことにより、電力会社3は逆潮流需要家1からの電力供給にリスクがあることを認識させることができる。この際、電力会社3は、能力いっぱいの回答をした地域管理サーバ2に対しては、追加の要請信号(発電要請、蓄電要請及び需要要請の要請信号)を出力しない。
そして、電力会社3は、他の逆潮流需要家1のグループを管理している地域管理サーバ2に対し、新たに要請信号(発電要請、蓄電要請及び需要要請の要請信号)を出力する。
【0043】
次に、電力会社3が地域管理サーバ2に対して、要請信号(発電要請、蓄電要請及び需要要請の要請信号)を出力する際における、地域管理サーバ2及び逆潮流需要家1の各部の動作について説明する。
<発電要請>
図8及び図9を用いて発電要請における地域内電力需給制御システムの動作を説明する。図8は、発電要請における電力会社3、地域管理サーバ2及び住戸(逆潮流需要家1)とにおける制御のシーケンスの一例を示す図である。図9は、地域管理サーバ2の集計部22が生成する逆潮流需要家1のランク付けの結果を示すテーブルである。この図9において、ランキングの順位と、元の状態、変更後の状態、残存容量SOC、発電量(供給可能電力Pu)、電力供給が可能な継続時間(供給可能時間Tu)とが対応され、図示しないがそれぞれランキングされた逆潮流需要家1の識別情報も対応付けられている。
【0044】
ステップS11:
電力会社3の電力調整サーバは、電力網における供給電力が不足すると、地域管理サーバ2に対し、この地域管理サーバ2の管理する逆潮流需要家1に対して逆潮流を行わせるための発電要請を示す発電要請信号に対し、必要とする電力である要請電力と、この要請電力を供給する時間と付加し、地域管理サーバ2に出力する。
【0045】
ステップS12:
問い合わせ部21は、電力会社3の電力調整サーバからの発電要請信号を受信すると、自身の管理する逆潮流需要家1の全てに対し、逆潮流処理に対する能力の問い合わせを行う問い合わせ情報を出力する。
【0046】
ステップS13:
分配器制御部141は、天気予報会社のサーバから天気予報データを取得し、電力消費履歴テーブル147から、この天気予報データが表す天候における月及び曜日及び時間帯における単位時間当たりの使用電力Pdと発電電力Ppとを読み出し、予想使用電力Pd、予想発電電力Ppとする。
そして、分配器制御部141は、現在の残存容量SOC、予想使用電力Pd、予想発電電力Ppとを用いて、以下の(2)式に基づいて、供給可能電力Puと供給可能時間Tuとを予め設定された単位時間(例えば、30分や1時間)毎に算出する。この単位時間の長さは、気象情報の示す現在の気象状態(天気、外気温などの状態)や、過去の気象状態における電力使用の実績記録の精度に基づいて設定される。
Pu=SOC・Pmax+Kc・Pp−(1/Kd)・Pd …(2)
また、分配器制御部141は、例えば、単位時間を1時間とした場合、1時間毎に積算値ΣPuを計算し、計算を行った時点からΣPuが0となる時点までの時間を供給可能時間Tuとする。したがって、分配器制御部141は、ΣPの積算回数、すなわち単位時間毎に算出した供給可能電力Puの加算値が4回でΣPuが負となると、3回まではΣPuが正であることを検出し、1時間×3を計算し、供給可能時間Tuを3時間として求める。
また、分配器制御部141は、単位時間が30分の場合、3回目でΣPuが負となると、直前の単位時間の計算時の2回目まではΣPuが正であるため、30分×2を計算し、供給可能時間Tuを1時間(60分)として求める。
そして、分配器制御部141は、現在の残存容量SOCと、算出した供給可能電力Pu及び供給可能時間Tuとを、回答(能力回答)として地域管理サーバ2へ出力する。
このとき、分配器制御部141は、上記回答に対して、自身の識別情報と、現在の状態と、発電要請により変更した後の状態を付加する。ここで、分配器制御部141は、現在の状態が状態SO1からSO3の場合、逆潮流処理を行うため、条件テーブル146のルール(制御ルール)により、変更後の状態を状態SO4とする。一方、分配器制御部141は、現在の状態が状態SU1からSU3の場合、逆潮流処理を行うため、条件テーブル146のルールにより、変更後の状態を状態SU4とする。本実施形態において、複数の要請が同一の地域管理サーバ2に対して行われないとし、要請された際、各逆潮流需要家1は通常運転状態の状態SO1からSO3、状態SU1からSU3のいずれかの状態にある。
【0047】
ステップS14:
集計部22は、予め内部記憶部に記憶されている管理下にある全ての逆潮流需要家1の識別情報と、回答を送信してきた逆潮流需要家1の識別情報とを比較し、全ての逆潮流需要家1から回答が来たことを検出すると、以下の集計処理を行う。
そして、集計部22は、逆潮流需要家1毎に、元の状態と変更後の状態との組み合わせと、予め内部に発電要請に対応して設定されていた元の状態と変更後の状態とを比較し、一致する組み合わせの逆潮流需要家1を抽出する。ここで、内部に発電要請に対応して設定されていた元の状態と変更後の状態の組み合わせは、図9に示すように、[元の状態,変更後の状態]として、[SO2,SO4]、[SO1,SO4]、[SU2,SU4]、[SU3,SU4]である。
【0048】
したがって、集計部22は、各逆潮流需要家1の元の状態と変更後の状態の組み合わせ[元の状態,変更後の状態]が、設定されている組み合わせ[SO2,SO4]、[SO1,SO4]、[SU2,SU4]、[SU3,SU4]のいずれかに一致するか否かの判定を行う。
そして、集計部22は、設定されている組み合わせ[SO2,SO4]、[SO1,SO4]、[SU2,SU4]、[SU3,SU4]のいずれかに一致した組み合わせ[元の状態,変更後の状態]の逆潮流需要家1を抽出し、抽出した逆潮流需要家1のランク付けを行う。
例えば、ランク付けのルール(制御ルール)としては、
Aa.電力会社3の電力調整サーバの要請信号が発電要請信号の際、逆潮流需要家1の宅内における発電電力が過剰(Pp≧Pc+Ps)であり、かつ商用電力による蓄電設備に対する充電を行う商用充電状態(SO2)の場合、
Ab.電力会社3の電力調整サーバの要請信号が発電要請信号の際、逆潮流需要家1の宅内における発電電力が過剰であり、かつ発電設備の発電電力による蓄電池13に対する充電を行う自己充電状態(SO1)の場合、
Ac.電力会社3の電力調整サーバの要請信号が発電要請信号の際、逆潮流需要家1の宅内における発電電力が不足(Pp<Pc+Ps)であり、かつ商用電力を受電している商用受電状態(SU2)の場合、
Ad.電力会社3の電力調整サーバの要請信号が発電要請信号の際、逆潮流需要家1の宅内における発電電力が不足であり、かつ商用充電状態(SU3)の場合、
のAa、Ab、Ac、Adの順番であり、同一の場合には要請電力に対応した発電電力の大きい方がランクが高くなるとした定義がなされている。
【0049】
ここで、集計部22は、内部に設定されているランク付けのルールに対応して、抽出した逆潮流需要家1のランク付けを行う。例えば、ランク付けのルールとしては、組み合わせ[元の状態,変更後の状態]として、[SO2,SO4]、[SO1,SO4]、[SU2,SU4]、[SU3,SU4]の順番にランク付けする。また、この組み合わせが同一の場合、残存容量SOCの大きい順番にランクが付くルールとなっている。
したがって、集計部22は、上述したルールに従い、逆潮流需要家1のランク付けを行い、それぞれ供給可能電力Pu及び供給可能時間Tuを付加し、図9に示すランク付けのテーブルを生成し、内部記憶部に書き込んで記憶する。図示されていないが、集計部22は、逆潮流需要家1の識別情報を、この逆流需要家1のランクに対応してランク付けのテーブルに書き込み記憶させる。
次に、制御部24は、ランク付けのテーブルにおいて、要請信号の発電要請として供給された要請電力の数値となるまで、識別情報により最上位のランクの逆潮流需要家1から順番に下位のランクの逆潮流需要家1の供給可能電力Puを積算する。
このとき、制御部24は、供給可能電力Puの加算が要請電力を超えた場合、そのとき要請電力を超えるまで加算した供給可能電力Puの逆潮流需要家1を電力供給元として選択する。一方、制御部24は、ランク付けした全ての逆潮流需要家1の供給可能電力Puを加算しても要請電力を超えない場合、ランク付けした全ての逆潮流需要家1を電力供給元として選択する。ここで、制御部24は、ランク付けされた逆潮流需要家1の供給可能時間Tuで最も短い時間を、供給可能総時間とする。このとき、制御部24は、電力供給元として選択した逆潮流需要家1の識別情報を内部の記憶部に書き込んで記憶させる。
そして、回答部23は、電力の供給が可能または供給可能総電力のいずれかと、供給可能総時間とを電力会社3の電力調整サーバへ回答として出力する。
【0050】
ステップS15:
電力会社3の電力調整サーバは、地域管理サーバ2から、発電要請を要請する発電要請信号に対する回答として、電力の供給が可能または供給可能総電力のいずれかと、供給可能総時間とが入力されると、電力と時間とを確認する。
そして、電力会社3の電力調整サーバ(本実施形態においては電力会社3と記載する)は、各選択された逆潮流需要家1の電力制御装置(本実施形態においては逆潮流需要家1と記載する)に対して、逆潮流を開始することを指示する了解信号を地域管理サーバ2へ出力する。
【0051】
ステップS16:
地域管理サーバ2は、電力会社3の電力調整サーバから了解信号が供給されると、ステップS14において電力供給元として選択した逆潮流需要家1(識別情報により識別)の各々に対し、個別に逆潮流処理(強制逆潮流)を行うことを指示する変更要請信号を出力する。すなわち、地域管理サーバ2において、制御部24は、電力供給元として選択した内部の記憶部に記憶している逆潮流需要家1の識別情報を読み出し、当該識別情報の示す逆潮流需要家1の各々に対し、個別に逆潮流処理(強制逆潮流)を行うことを指示する変更要請信号を出力する。
【0052】
ステップS17:
分配器制御部141は、地域管理サーバ2から強制逆潮流を行うことを指示する変更要請信号が供給されると、自身が送信した変更後の状態に対応するスイッチ制御の情報を制御テーブル145から読み出し、宅内電力分配器12における各スイッチSWの制御を行う。
例えば、状態SO4に遷移した場合、分配器制御部141は、図6に示す制御テーブル145の状態SO4のスイッチ設定に基づいて、スイッチSW1において共通端子3を端子1と導通状態にさせ、スイッチSW2において共通端子3を端子1と導通状態とさせ、スイッチSW3において共通端子3を端子2と導通状態とさせ、スイッチSW4において共通端子3を端子2と導通状態とし、スイッチSW5において共通端子3を端子1と導通状態とする。このとき、分配器制御部141は、DC/ACコンバータ124を、端子124aから入力される電力を、端子124bから商用低電圧線へ供給するように制御する。また、分配器制御部141は、DC/DCコンバータ123を、端子123aから入力される蓄電池13からの電力を、端子123bから出力するように制御する。
これにより、宅内電力分配器12は、太陽電池11からDC/DCコンバータ122を介して得られる発電電力Ppと、蓄電池13からの放電電力PdとをDC/ACコンバータ124を介して、商用電圧線に対して逆量流させる。また、このとき、太陽電池11からDC/DCコンバータ122を介して得られる発電電力Ppと、蓄電池13からの放電電力Pdとが、DC/ACコンバータ125を介して宅内電力供給線に対して供給される。
【0053】
また、例えば、状態SU4に遷移した場合、分配器制御部141は、図6に示す制御テーブル145の状態SO4のスイッチ設定に基づいて、スイッチSW1において共通端子3を端子1と導通状態にさせ、スイッチSW2において共通端子3を端子1と導通状態とさせ、スイッチSW3において共通端子3を端子2と導通状態とさせ、スイッチSW4において共通端子3を端子2と導通状態とし、スイッチSW5において共通端子3を端子1と導通状態とする。このとき、分配器制御部141は、DC/ACコンバータ124を、端子124aから入力される電力を、端子124bから商用低電圧線へ供給するように制御する。また、分配器制御部141は、DC/DCコンバータ123を、端子123aから入力される蓄電池13からの電力を、端子123bから出力するように制御する。
これにより、宅内電力分配器12は、太陽電池11からDC/DCコンバータ122を介して得られる発電電力Ppと、蓄電池13からの放電電力PdとをDC/ACコンバータ124を介して、商用電圧線に対して逆潮流させる。また、このとき、太陽電池11からDC/DCコンバータ122を介して得られる発電電力Ppと、蓄電池13からの放電電力Pdとが、DC/ACコンバータ125を介して宅内電力供給線に対して供給される。
【0054】
次に、分配器制御部141は、宅内電力分配器12の各スイッチSWの制御が終了した後、終了したことを示す了解信号を、地域管理サーバ2に対して出力する。
上述したように、電力会社3の電力調整サーバ出力する発電要請を示す発電要請信号に応じて、地域管理サーバ2が各逆潮流需要家1に対して逆潮流処理の制御を行うことにより、電力会社3は逆潮流需要家1のグループをあたかも発電所(仮想発電所)として用いることが可能となる。
また、上述したステップS14において、電力会社3の電力調整サーバが要請電力とともに要請時間(要請電力を供給する時間)が要求された場合、時間をずらして要請する場合もある。
【0055】
<蓄電要請>
図10及び図11を用いて蓄電要請における地域内電力需給制御システムの動作を説明する。図10は、蓄電要請における電力会社3の電力調整サーバ、地域管理サーバ2及び住戸(逆潮流需要家1)とにおける制御のシーケンスの一例を示す図である。図11は、地域管理サーバ2の集計部22が生成する逆潮流需要家1のランク付けの結果を示すテーブルである。この図11において、ランキングの順位と、元の状態、変更後の状態、残存容量SOC、発電量(蓄電可能電力Pst)、継続時間(蓄電可能時間Tst)とが対応され、図示しないがそれぞれランキングされた逆潮流需要家1の識別情報も対応付けられている。
【0056】
ステップS21:
電力会社3の電力調整サーバは、天気の状態などから、将来(数時間あるいは翌日など)の電力網における供給電力の不足が予想されると、地域管理サーバ2に対し、この地域管理サーバ2の管理する逆潮流需要家1に対して電力を蓄電させるための蓄電要請を示す蓄電要請信号に対し、必要とする電力である要請電力と、この要請電力を供給する時間と付加し、地域管理サーバ2に出力する。
【0057】
ステップS22:
問い合わせ部21は、電力会社3の電力調整サーバからの蓄電要請を示す蓄電要請信号を受信すると、自身の管理する逆潮流需要家1の全てに対し、蓄電処理に対する能力の問い合わせを行う問い合わせ情報を出力する。
【0058】
ステップS23:
分配器制御部141は、天気予報会社からの天気予報データを取得し、電力消費履歴テーブル147から、この天候における月及び曜日及び時間帯における単位時間当たりの使用電力Pdと発電電力Ppとを読み出し、予想使用電力Pd、予想発電電力Ppとする。
そして、分配器制御部141は、現在の残存容量SOC、予想使用電力Pd、予想発電電力Ppとを用いて、以下の(3)式に基づいて、蓄電可能電力Pstと蓄電可能時間Tstとを、予め設定された単位時間(例えば、30分や1時間)毎に算出する。この単位時間の長さは、気象情報の示す現在の気象状態(天気、外気温などの状態)や、過去の気象状態における電力使用の実績記録の精度に基づいて設定される。
Pst=(1/Kc)・(1−SOC)・Pmax−Pp+Pd …(3)
また、分配器制御部141は、例えば、単位時間を1時間とした場合、1時間毎に積算値ΣPstを計算し、計算を行った時点からΣPstが0となる時点までの時間を蓄電可能時間Tstとする。したがって、分配器制御部141は、ΣPstの積算回数、すなわち単位時間毎に算出した蓄電可能電力Pstの加算値が4回でΣPstが負となると、3回まではΣPstが正であることを検出し、1時間×3を計算し、蓄電可能時間Tstを3時間として求める。
また、分配器制御部141は、単位時間が30分の場合、3回目でΣPstが負となると、直前の単位時間の計算時の2回目まではΣPstが正であるため、30分×2を計算し、蓄電可能時間Tstを1時間(60分)として求める。
そして、分配器制御部141は、現在の残存容量SOCと、算出した蓄電可能電力Pst及び蓄電可能時間Tstとを、回答(能力回答)として地域管理サーバ2へ出力する。
このとき、分配器制御部141は、上記回答に対して、自身の識別情報と、現在の状態と、蓄電要請により変更した後の状態を付加する。ここで、分配器制御部141は、現在の状態が状態SU1からSU3の場合、蓄電処理を行うため、条件テーブル146のルールにより、変更後の状態を状態SU5とする。一方、分配器制御部141は、現在の状態が状態SO1からSO3の場合、蓄電処理を行うため、条件テーブル146のルールにより、変更後の状態を状態SO5とする。本実施形態において、複数の要請が同一の地域管理サーバ2に対して行われないとし、要請された際、各逆潮流需要家1は通常運転状態の状態SO1からSO3、状態SU1からSU3のいずれかの状態にある。
【0059】
ステップS24:
集計部22は、予め内部記憶部に記憶されている管理下にある全ての逆潮流需要家1の識別情報と、回答を送信してきた逆潮流需要家1の識別情報とを比較し、全ての逆潮流需要家1から回答が来たことを検出すると、以下の集計処理を行う。
そして、集計部22は、逆潮流需要家1毎に、元の状態と変更後の状態との組み合わせと、予め内部に蓄電要請に対応して設定されていた元の状態と変更後の状態とを比較し、一致する組み合わせの逆潮流需要家1を抽出する。ここで、内部に蓄電要請に対応して設定されていた元の状態と変更後の状態の組み合わせは、図11に示すように、[元の状態,変更後の状態]として、[SU1,SU5]、[SU2,SU5]、[SO3,SO5]、[SO1,SO5]である。
【0060】
したがって、集計部22は、各逆潮流需要家1の元の状態と変更後の状態の組み合わせ[元の状態,変更後の状態]が、設定されている組み合わせ[SU1,SU5]、[SU2,SU5]、[SO3,SO5]、[SO1,SO5]のいずれかに一致するか否かの判定を行う。
そして、集計部22は、設定されている組み合わせ[SU1,SU5]、[SU2,SU5]、[SO3,SO5]、[SO1,SO5]のいずれかに一致した組み合わせ[元の状態,変更後の状態]の逆潮流需要家1を抽出し、抽出した逆潮流需要家1のランク付けを行う。
例えば、ランク付けのルールとしては、
Ba.電力会社3の電力調整サーバからの要請信号が蓄電要請信号の際、逆潮流需要家1の宅内における発電電力が不足であり、かつ蓄電設備を放電している放電中状態(SU1)の場合、
Bb.電力会社3の電力調整サーバからの要請信号が蓄電要請信号の際、逆潮流需要家1の宅内における発電電力が不足であり、かつ商用受電状態(SU2)の場合、
Bc.電力会社3の電力調整サーバからの要請信号が蓄電要請信号の際、逆潮流需要家1の宅内における発電電力が過剰であり、かつ逆潮流を行っている逆潮流状態(SO3)の場合、
Bd.電力会社3の電力調整サーバからの要請信号が蓄電要請信号の際、逆潮流需要家1の宅内における発電電力が過剰であり、かつ自己充電(SO1)の場合、
のBa.Bb.Bc.Bdの順番であり、同一の場合には要請電力に対応した蓄電電力の大きい方がランクが高くなるとした定義が成されている。
【0061】
ここで、集計部22は、内部に設定されているランク付けのルールに対応して、抽出した逆潮流需要家1のランク付けを行う。例えば、ランク付けのルールとしては、組み合わせ[元の状態,変更後の状態]として、[SU1,SU5]、[SU2,SU5]、[SO3,SO5]、[SO1,SO5]の順番にランク付けする。また、この組み合わせが同一の場合、残存容量SOCの小さい順番に(蓄電する電力量が大きいため)ランクが付くルールとなっている。
したがって、集計部22は、上述したルールに従い、逆潮流需要家1のランク付けを行い、それぞれ蓄電可能電力Pst及び蓄電可能時間Tstを付加し、図11に示すランク付けのテーブルを生成し、内部記憶部に書き込んで記憶する。図示されていないが、集計部22は、逆潮流需要家1の識別情報を、この逆流需要家1のランクに対応してランク付けのテーブルに書き込み記憶させる。
次に、制御部24は、ランク付けのテーブルにおいて、蓄電要請として供給された要請電力の数値となるまで、識別情報により最上位のランクの逆潮流需要家1から順番に下位のランクの逆潮流需要家1の蓄電可能電力Pstを積算する。
このとき、制御部24は、蓄電可能電力Pstの加算が要請電力を超えた場合、そのとき要請電力を超えるまで加算した蓄電可能電力Pstの逆潮流需要家1を電力蓄電先として選択する。一方、制御部24は、ランク付けした全ての逆潮流需要家1の蓄電可能電力Pstを加算しても要請電力を超えない場合、ランク付けした全ての逆潮流需要家1を電力蓄電先として選択する。ここで、制御部24は、ランク付けされた逆潮流需要家1の蓄電可能時間Tstで最も短い時間を、蓄電可能総時間とする。このとき、制御部24は、電力蓄積先として選択した逆潮流需要家1の識別情報を内部の記憶部に書き込んで記憶させる。
そして、回答部23は、電力の供給が可能または蓄電可能総電力のいずれかと、蓄電可能総時間とを電力会社3へ回答として出力する。
【0062】
ステップS25:
電力会社3は、地域管理サーバ2から、蓄電要請の回答として、電力の蓄電が可能または蓄電可能総電力のいずれかと、蓄電可能総時間とが入力されると、電力と時間とを確認する。
そして、電力会社3は、選択された各逆潮流需要家1に対して、蓄電を開始することを指示する了解信号を地域管理サーバ2へ出力する。
【0063】
ステップS26:
地域管理サーバ2は、電力会社3から了解信号が供給されると、ステップS14において電力の蓄電元として選択した逆潮流需要家1(識別情報により識別)の各々に対し、個別に蓄電処理(強制商用蓄電)を行うことを指示する変更要請信号を出力する。すなわち、地域管理サーバ2において、制御部24は、電力蓄積先として選択した内部の記憶部に記憶している逆潮流需要家1の識別情報を読み出し、当該識別情報の示す逆潮流需要家1の各々に対し、個別に蓄電処理を行うことを指示する変更要請信号を出力する。
【0064】
ステップS27:
分配器制御部141は、地域管理サーバ2から変更要請信号が供給されると、自身が送信した変更後の状態に対応するスイッチ制御の情報を制御テーブル145から読み出し、宅内電力分配器12における各スイッチSWの制御を行う。
例えば、状態SU5に遷移した場合、分配器制御部141は、図6に示す制御テーブル145の状態SU5のスイッチ設定に基づいて、スイッチSW1において共通端子3を端子1と導通状態にさせ、スイッチSW2において共通端子3を端子1と導通状態とさせ、スイッチSW3において共通端子3を端子2と導通状態とさせ、スイッチSW4において共通端子3を端子2と導通状態とし、スイッチSW5において共通端子3を端子1と導通状態とする。このとき、分配器制御部141は、DC/ACコンバータ124を、端子124bから入力される商用低電圧線のAC電力を、端子124aからDC電力として出力するように制御する。また、分配器制御部141は、DC/DCコンバータ123を、端子123bから入力される電力を、端子123aから蓄電池13に対して出力するように制御する。
これにより、宅内電力分配器12は、太陽電池11からDC/DCコンバータ122を介して得られる発電電力Ppと、商用低圧線からの商用電力により、蓄電池13を充電する。また、このとき、太陽電池11からDC/DCコンバータ122を介して得られる発電電力Ppと、商用定圧線から入力される電力とが、DC/ACコンバータ125を介して宅内電力供給線に対して供給される。
【0065】
また、例えば、状態SO5に遷移した場合、分配器制御部141は、図6に示す制御テーブル145の状態SO5のスイッチ設定に基づいて、スイッチSW1において共通端子3を端子1と導通状態にさせ、スイッチSW2において共通端子3を端子1と導通状態とさせ、スイッチSW3において共通端子3を端子2と導通状態とさせ、スイッチSW4において共通端子3を端子2と導通状態とし、スイッチSW5において共通端子3を端子1と導通状態とする。このとき、分配器制御部141は、DC/ACコンバータ124を、端子124bから入力される商用低電圧線のAC電力を、端子124aからDC電力として出力するように制御する。また、分配器制御部141は、DC/DCコンバータ123を、端子123bから入力される電力を、端子123aから蓄電池13に対して出力するように制御する。
これにより、宅内電力分配器12は、太陽電池11からDC/DCコンバータ122を介して得られる発電電力Ppと、蓄電池13からの放電電力PdとをDC/ACコンバータ124を介して、商用電圧線に対して逆潮流させる。また、このとき、太陽電池11からDC/DCコンバータ122を介して得られる発電電力Ppと、蓄電池13からの放電電力Pdとが、DC/ACコンバータ125を介して宅内電力供給線に対して供給される。
【0066】
次に、分配器制御部141は、宅内電力分配器12の各スイッチSWの制御が終了した後、終了したことを示す了解信号を、地域管理サーバ2に対して出力する。
上述したように、電力会社3の蓄電要請を示す蓄電要請信号に応じて、地域管理サーバ2が各逆潮流需要家1に対して蓄電処理の制御を行うことにより、電力会社3は逆潮流需要家1のグループをあたかも蓄電所(仮想蓄電所)として用いることが可能となる。
また、上述したステップS14において、電力会社3が要請電力とともに要請時間(要請電力を供給する時間)が要求された場合、時間をずらして要請する場合もある。
【0067】
<需要要請>
図12及び図13を用いて需要要請における地域内電力需給制御システムの動作を説明する。図12は、需要要請における電力会社3、地域管理サーバ2及び住戸(逆潮流需要家1)とにおける制御のシーケンスの一例を示す図である。図13は、地域管理サーバ2の集計部22が生成する逆潮流需要家1のランク付けの結果を示すテーブルである。この図13において、ランキングの順位と、元の状態、変更後の状態、残存容量SOC、発電量(需要可能電力Pdemand)、継続時間(需要可能時間Tdemand)とが対応され、図示しないがそれぞれランキングされた逆潮流需要家1の識別情報も対応付けられている。
【0068】
ステップS31:
電力会社3は、天気の状態などから、電力網における供給電力が余剰である場合、地域管理サーバ2に対し、この地域管理サーバ2の管理する逆潮流需要家1に対して電力を需要(消費)させる必要がある。このため、電力会社3は、需要要請を示す需要要請信号に対し、必要とする電力である要請電力と、この要請電力を供給する時間と付加し、地域管理サーバ2に出力する。
【0069】
ステップS32:
問い合わせ部21は、電力会社3からの需要要請を示す需要要請信号を受信すると、自身の管理する逆潮流需要家1の全てに対し、需要処理に対する能力の問い合わせを行う問い合わせ情報を出力する。
【0070】
ステップS33:
分配器制御部141は、天気予報会社のサーバから天気予報データを取得し、電力消費履歴テーブル147から、この天気予報データが表す天候における月及び曜日及び時間帯における単位時間当たりの使用電力Pdと発電電力Ppとを読み出し、予想使用電力Pd、予想発電電力Ppとする。
そして、分配器制御部141は、現在の残存容量SOC、予想使用電力Pd、予想発電電力Ppとを用いて、以下の(4)式に基づいて、需要可能電力Pdemandと需要可能時間Tdemandとを、予め設定された単位時間(例えば、30分や1時間)毎に算出する。この単位時間の長さは、気象情報の示す現在の気象状態(天気、外気温などの状態)や、過去の気象状態における電力使用の実績記録の精度に基づいて設定される。
Ps=(1/Kc)・(1−SOC)・Pmax−Pp+Pd−Pt …(4)
また、分配器制御部141は、例えば、単位時間を1時間とした場合、1時間毎に積算値ΣPdemandを計算し、計算を行った時点からΣPsが0となる時点までの時間を需要可能時間Tsとする。したがって、分配器制御部141は、ΣPdemandの積算回数、すなわち単位時間毎に算出した需要可能電力Pdemandの加算値が4回でΣPdemandが負となると、3回まではΣPsが正であることを検出し、1時間×3を計算し、蓄電可能時間Tdemandを3時間として求める。
また、分配器制御部141は、単位時間が30分の場合、3回目でΣPdemandが負となると、直前の単位時間の計算時の2回目まではΣPsが正であるため、30分×2を計算し、需要可能時間Tdemandを1時間(60分)として求める。
上記(4)式におけるPtは、タイムシフト可能負荷の単位時間当たりの電力使用量を示している。このタイムシフト可能負荷とは、指定された時間帯へ、家電製品の動作時間や温水器の動作時間の変更を行う場合の負荷を示している。すなわち、需要要請が供給されたということは、電力供給が過剰であるため、負荷を追加して需要可能電力Pdemandを増加させることになる。例えば、「スタンバイ状態としていた洗濯乾燥機を動作させる」、「風呂の水を温める電気温水器の動作時間を早める」の負荷の追加が考えられる。このように、需要要請に対応して動作の時間帯をシフトして(ずらして)、電力消費量を増加させる負荷を、本実施形態においてはタイムシフト可能負荷Ptとしている。
そして、分配器制御部141は、現在の残存容量SOCと、算出した需要可能電力Pdemand及び需要可能時間Tdemandとを、回答(能力回答)として地域管理サーバ2へ出力する。
このとき、分配器制御部141は、上記回答に対して、自身の識別情報と、現在の状態と、需要要請により変更した後の状態を付加する。ここで、分配器制御部141は、現在の状態が状態SU1の場合、需要処理を行うため、条件テーブル146のルールにより、変更後の状態を状態SU3またはSU2とする。また、分配器制御部141は、現在の状態が状態SO3の場合、需要処理を行うため、条件テーブル146のルールにより、変更後の状態を状態SO2またはSO1とする。
すなわち、分配器制御部141は、残存容量SOCが1未満である場合、条件テーブル146のルールにより、元の状態SU1を変更後の状態SU3とする状態遷移を行い、残存容量SOCが1である場合、元の状態SU1を変更後の状態SU2とする状態遷移を行う。また、分配器制御部141は、条件テーブル146のルールにより、残存容量SOCが1未満であり、商用電源を用いた充電コストが安い時間帯(夜間電力帯)の場合、元の状態SO3を変更後の状態SU2とする状態遷移を行い、残存容量SOCが1未満であり、商用電源を用いた充電コストが安くない時間帯の場合、状態SO3から状態SO1への状態遷移を行う。
【0071】
ステップS34:
集計部22は、予め内部記憶部に記憶されている管理下にある全ての逆潮流需要家1の識別情報と、回答を送信してきた逆潮流需要家1の識別情報とを比較し、全ての逆潮流需要家1から回答が来たことを検出すると、以下の集計処理を行う。
そして、集計部22は、逆潮流需要家1毎に、元の状態と変更後の状態との組み合わせと、予め内部に需要要請に対応して設定されていた元の状態と変更後の状態とを比較し、一致する組み合わせの逆潮流需要家1を抽出する。ここで、内部に需要要請に対応して設定されていた元の状態と変更後の状態の組み合わせは、図13に示すように、[元の状態,変更後の状態]として、[SU1,SU3]、[SU1,SU2]、[SO3,SO2]、[SO3,SO1]である。
【0072】
したがって、集計部22は、各逆潮流需要家1の元の状態と変更後の状態の組み合わせ[元の状態,変更後の状態]が、設定されている組み合わせ[SU1,SU3]、[SU1,SU2]、[SO3,SO2]、[SO3,SO1]のいずれかに一致するか否かの判定を行う。
そして、集計部22は、設定されている組み合わせ[SU1,SU3]、[SU1,SU2]、[SO3,SO2]、[SO3,SO1]のいずれかに一致した組み合わせ[元の状態,変更後の状態]の逆潮流需要家1を抽出し、抽出した逆潮流需要家1のランク付けを行う。
例えば、ランク付けのルールとしては、
Ca.電力会社3の要請信号が需要要請信号の際、逆潮流需要家1の宅内における発電電力が不足であり、放電中状態(SU1)であり、かつ要請を受け入れた後の状態が商用充電(SU3)の場合、
Cb.電力会社3の要請信号が需要要請信号の際、逆潮流需要家1の宅内における発電電力が不足であり、放電中状態(SU1)であり、要請を受け入れた後の状態が商用受電(SU2)の場合、
Cc.電力会社3の要請信号が需要要請信号の際、逆潮流需要家1の宅内における発電電力が過剰であり、逆潮流状態(SO3)であり、かつ要請を受け入れた後の状態が商用充電(SO2)の場合、
Cd.電力会社3の要請信号が需要要請信号の際、逆潮流需要家1の宅内における発電電力が過剰であり、逆潮流状態(SO3)であり、かつ要請を受け入れた後の状態が自己充電(SO1)の場合、
のCa、Cb、Cc、Cdの順番であり、同一の場合には要請電力に対応した需要電力の大きい方がランクが高くなるとした定義が成されている。
【0073】
ここで、集計部22は、内部に設定されているランク付けのルールに対応して、抽出した逆潮流需要家1のランク付けを行う。例えば、ランク付けのルールとしては、組み合わせ[元の状態,変更後の状態]として、[SU1,SU3]、[SU1,SU2]、[SO3,SO2]、[SO3,SO1]の順番にランク付けする。また、この組み合わせが同一の場合、残存容量SOCの小さい順番に(需要する電力量が大きいため)ランクが付くルールとなっている。
したがって、集計部22は、上述したルールに従い、逆潮流需要家1のランク付けを行い、それぞれ需要可能電力Pdemand及び需要可能時間Tdemandを付加し、図13に示すランク付けのテーブルを生成し、内部記憶部に書き込んで記憶する。図示されていないが、集計部22は、逆潮流需要家1の識別情報を、この逆流需要家1のランクに対応してランク付けのテーブルに書き込み記憶させる。
次に、制御部24は、ランク付けのテーブルにおいて、需要要請として供給された要請電力の数値となるまで、識別情報により最上位のランクの逆潮流需要家1から順番に下位のランクの逆潮流需要家1の需要可能電力Pdemandを積算する。
このとき、制御部24は、需要可能電力Pdemandの加算が要請電力を超えた場合、そのとき要請電力を超えるまで加算した需要可能電力Pdemandの逆潮流需要家1を電力需要先として選択する。一方、制御部24は、ランク付けした全ての逆潮流需要家1の需要可能電力Pdemandを加算しても要請電力を超えない場合、ランク付けした全ての逆潮流需要家1を電力需要先として選択する。ここで、制御部24は、ランク付けされた逆潮流需要家1の需要可能時間Tdemandで最も短い時間を、需要可能総時間とする。このとき、制御部24は、電力需要先として選択した逆潮流需要家1の識別情報を内部の記憶部に書き込んで記憶させる。
そして、回答部23は、電力の供給が可能または需要可能総電力のいずれかと、需要可能総時間とを電力会社3へ回答として出力する。
【0074】
ステップS35:
電力会社3は、地域管理サーバ2から、需要要請の回答として、電力の需要が可能または需要可能総電力と、需要可能総時間とが入力されると、電力と時間とを確認する。
そして、電力会社3は、各逆潮流需要家1に対して、需要を開始することを指示する了解信号を地域管理サーバ2へ出力する。
【0075】
ステップS36:
地域管理サーバ2は、電力会社3から了解信号が供給されると、ステップS14において電力の需要先(電力需要先)として選択した逆潮流需要家1(識別情報により識別)の各々に対し、個別に需要処理(電力の消費)を行うことを指示する変更要請信号を出力する。すなわち、地域管理サーバ2において、制御部24は、電力需要先として選択した内部の記憶部に記憶している逆潮流需要家1の識別情報を読み出し、当該識別情報の示す逆潮流需要家1の各々に対し、個別に需要処理を行うことを指示する変更要請信号を出力する。
【0076】
ステップS37:
分配器制御部141は、地域管理サーバ2から変更要請信号が供給されると、自身が送信した変更後の状態に対応するスイッチ制御の情報を制御テーブル145から読み出し、宅内電力分配器12における各スイッチSWの制御を行う。
例えば、状態SU3に遷移した場合、分配器制御部141は、図6に示す制御テーブル145の状態SU3のスイッチ設定に基づいて、スイッチSW1において共通端子3を端子1と導通状態にさせ、スイッチSW2において共通端子3を端子1と導通状態とさせ、スイッチSW3において共通端子3を端子2と導通状態とさせ、スイッチSW4において共通端子3を端子2と導通状態とし、スイッチSW5において共通端子3を端子1と導通状態とする。
このとき、分配器制御部141は、DC/ACコンバータ124を、端子124bから入力される商用低電圧線のAC電力を、端子124aからDC電力として出力するように制御する。また、分配器制御部141は、端子123bから入力される電力を、端子123aから蓄電池13に対して出力するように、DC/DCコンバータ123を制御する。
これにより、宅内電力分配器12は、太陽電池11からDC/DCコンバータ122を介して得られる発電電力Ppと、商用低圧線からの商用電力により、蓄電池13を充電する。また、このとき、太陽電池11からDC/DCコンバータ122を介して得られる発電電力Ppと、商用定圧線から入力される電力とが、DC/ACコンバータ125を介して宅内電力供給線に対して供給される。
【0077】
また、例えば、状態SU2に遷移した場合、分配器制御部141は、図6に示す制御テーブル145の状態SU2のスイッチ設定に基づいて、スイッチSW1において共通端子3を端子2と導通状態にさせ、スイッチSW2において共通端子3を端子2と導通状態とさせ、スイッチSW3において共通端子3を端子1と導通状態とさせ、スイッチSW4において共通端子3を端子1と導通状態とし、スイッチSW5において共通端子3を端子1と導通状態とする。
このとき、分配器制御部141は、DC/ACコンバータ124を、端子124bから入力される商用低電圧線のAC電力を、端子124aからDC電力として出力するように制御する。また、分配器制御部141は、DC/DCコンバータ123を、端子123bから入力される電力を、端子123aから蓄電池13に対して出力するように制御する。
これにより、宅内電力分配器12は、太陽電池11からの発電電力Ppを、蓄電池13に対して充電することもなく、宅内電力供給線に供給することもない。宅内電力分配器12は、商用低圧線からの商用電力を直接に、宅内電力供給線に対して供給する。
【0078】
また、例えば、状態SO2に遷移した場合、分配器制御部141は、図6に示す制御テーブル145の状態SO2のスイッチ設定に基づいて、スイッチSW1において共通端子3を端子1と導通状態にさせ、スイッチSW2において共通端子3を端子1と導通状態とさせ、スイッチSW3において共通端子3を端子2と導通状態とさせ、スイッチSW4において共通端子3を端子2と導通状態とし、スイッチSW5において共通端子3を端子1と導通状態とする。
このとき、分配器制御部141は、DC/ACコンバータ124を、端子124bから入力される商用低電圧線のAC電力を、端子124aからDC電力として出力するように制御する。また、分配器制御部141は、DC/DCコンバータ123を、端子123bから入力される電力を、端子123aから蓄電池13に対して出力するように制御する。
これにより、宅内電力分配器12は、太陽電池11からDC/DCコンバータ122を介して得られる発電電力Ppを使用せず、商用定圧線から供給される商用電力により、蓄電池13に対する充電を行う。また、このとき、宅内電力分配器12は、DC/ACコンバータ124及びDC/DCコンバータ125を介し、商用定圧線から供給される商用電力を宅内電力供給線に対して供給する。
【0079】
また、例えば、状態SO1に遷移した場合、分配器制御部141は、図6に示す制御テーブル145の状態SO1のスイッチ設定に基づいて、スイッチSW1において共通端子3を端子2と導通状態にさせ、スイッチSW2において共通端子3を端子1と導通状態とさせ、スイッチSW3において共通端子3を端子2と導通状態とさせ、スイッチSW4において共通端子3を端子2と導通状態とし、スイッチSW5において共通端子3を端子2と導通状態とする。
このとき、分配器制御部141は、DC/ACコンバータ124を、端子124bから入力される商用低電圧線のAC電力を、端子124aからDC電力として出力するように制御する。また、分配器制御部141は、DC/DCコンバータ123を、端子123bから入力される電力を、端子123aから蓄電池13に対して出力するように制御する。
これにより、宅内電力分配器12は、商用定圧線から供給される商用電力を用いず、太陽電池11からDC/DCコンバータ122を介して得られる発電電力Ppにより、蓄電池13に対する充電を行う。また、このとき、宅内電力分配器12は、DC/ACコンバータ125を介し、太陽電池11の発電した発電電力Ppを宅内電力供給線に対して供給する。
【0080】
次に、分配器制御部141は、宅内電力分配器12の各スイッチSWの制御が終了した後、終了したことを示す了解信号を、地域管理サーバ2に対して出力する。
上述したように、電力会社3の需要要請を示す需要要請信号に応じて、地域管理サーバ2が各逆潮流需要家1に対して重要処理の制御を行うことにより、電力会社3は逆潮流需要家1のグループをあたかも需要家(仮想需要家)として用いることが可能となる。
また、上述したステップS14において、電力会社3が要請電力とともに要請時間(要請電力を供給する時間)が要求された場合、時間をずらして要請する場合もある。
【0081】
上述したように、自然エネルギーの導入の進捗状況は、地域や建物の形態によって、すなわち逆流需要家1毎に異なるため、多くのパターンがある。このパターン全てに対応するように、自然エネルギーの効率的な利用のため制御を発電所が全て処理することは複雑すぎて困難である。
また、自然エネルギーの効率的な利用する制御を行うため、従来技術全体に導入すべき技術としては、通信技術と電力制御技術がある。しかしながら、実現したい処理内容によって制御レベルが異なってきて、コストも違ってくる。そのため、方式を決定するためには社会システム全版にかかわることになり、自然エネルギーの効率的な利用の制御方式の決定が非常に難しくなる。
【0082】
そのため、本実施形態においては、地域管理サーバ2が電力会社3からの要請信号(発電要請の発電要請信号、蓄電要請の発電要請信号及び需要要請の発電要請信号)を、自身の管理下にある発電及び蓄電の設備を有する(太陽電池11と蓄電池13とを有する)需要家である逆流需要家1の監視制御を一括して受け付ける。
これにより、本実施形態によれば、地域管理サーバ2が所定の地域における複数の逆潮流需要家1の管理を行っているため、地域管理サーバ2を介して複数の逆流需要家1に対して、発電要請、蓄電要請及び需要要請を行うことができ、電力会社3から見た場合に仮想的な一般需要家と発電所および蓄電所に見えるように逆潮流需要家1を制御し、逆潮流需要家1に置かれた発電及び蓄電設備や、環境ごとに発生する複雑な状況(状態遷移)をすべて取り扱うことなく、商用定圧線に対する正確な需給バランスを行うことができる。
【0083】
また、図1における地域管理サーバ2あるいはホームゲートウェイ14の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより自身の管理化にある逆潮流需要家の発電及び蓄電の制御、あるいは逆潮流需要家の宅内電力分配器の管理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0084】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0085】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0086】
1…逆潮流需要家
2…地域管理サーバ
3…電力会社
4…従来電力網
5…広域ネットワーク
11…太陽電池
12…宅内電力分配器
13…蓄電池
14…ホームゲートウェイ
21…問い合わせ部
22…集計部
23…回答部
24…制御部
141…分配器制御部
142…蓄電池残存容量算出部
143…天気予報問い合わせ部
144…宅内記憶部
145…制御テーブル
146…条件テーブル
147…電力消費履歴テーブル
SW1,SW2,SW3,SW4…スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地域内の電力の需要家における電力の需要量と逆潮流による電力の供給量とを制御する地域内電力需要管理システムであり、
自然エネルギーを利用した発電設備と、電力を蓄積する蓄電設備と、宅内の電力供給、発電及び逆潮流を制御する宅内電力分配器と、前記宅内電力分配器における電力センサにより、前記発電設備の発電電力、前記蓄電設備の蓄電電力及び宅内における電力需要を検出し、宅内の電力供給を制御するホームゲートウェイとを有する、逆潮流需要家に設けられた電力制御装置と、
前記地域内の住宅に対する商用電力の供給、及び前記地域内の前記逆潮流需要家に対して、電力の供給状況に応じた発電を要請する発電要請、蓄電を要請する蓄電要請及び需要を要請する需要要請の制御要請の各要請信号を出力する、電力会社に設けられたサーバと、
前記電力会社からの前記要請信号の制御要請に応じて、前記地域内における全ての前記逆潮流需要家に対し、逆潮流可能な電力、蓄電可能な電力及び需要可能な電力を問い合わせを行う地域管理サーバと
を有し、
前記ホームゲートウェイが、前記問い合わせに対応し、前記電力センサにより得られる発電電力、蓄電電力及び需要電力に基づき、逆潮流可能な電力、蓄電可能な電力及び需要可能な電力を求めて、前記地域管理サーバへ回答として出力し、
前記地域管理サーバが、前記逆潮流需要家各々からの前記回答を集計し、予め設定された選択のルールに従い、前記制御要請に対応した発電処理、蓄電処理及び需要処理を指示する処理制御信号を、選択した前記逆潮流需要家に対して出力する
ことを特徴とする地域内電力需給制御システム。
【請求項2】
前記地域管理サーバが、予め設定したランク付けルールに従い、前記回答に応じて、前記逆潮流需要家のランク付けを行い、ランクの最上位から順に、前記電力会社からの制御要請における要請電力となるまで、前記回答における電力を加算し、前記要請電力となるランクまでの前記逆潮流需要家を、制御要請に対応した前記各処理を要請する逆潮流需要家として選択することを特徴とする請求項1に記載の地域内電力需給制御システム。
【請求項3】
前記ランク付けルールが、
A.前記電力会社の要請が前記発電要請の際、
Aa.前記宅内における前記発電電力が過剰であり、かつ前記商用電力による前記蓄電設備に対する充電を行う商用充電状態の場合、
Ab.前記宅内における発電電力が過剰であり、かつ前記発電設備の発電電力による前記蓄電設備に対する充電を行う自己充電状態の場合、
Ac.前記宅内における発電電力が不足であり、かつ前記商用電力を受電している商用受電状態の場合、
Ad.前記宅内における発電電力が不足であり、かつ商用充電状態の場合、
のAa、Ab、Ac、Adの順番であり、同一の場合には要請電力に対応した発電電力の大きい方がランクが高くなるとした定義であり、
B.前記電力会社の要請が前記蓄電要請の際、
Ba.前記宅内における前記発電電力が不足であり、かつ前記蓄電設備を放電している放電中状態の場合、
Bb.前記宅内における発電電力が不足であり、かつ商用受電状態の場合、
Bc.前記宅内における発電電力が過剰であり、かつ前記逆潮流を行っている逆潮流状態の場合、
Bd.前記宅内における発電電力が過剰であり、かつ前記自己充電の場合、
のBa、Bb、Bc、Bdの順番であり、同一の場合には要請電力に対応した蓄電電力の大きい方がランクが高くなるとした定義であり、
C.前記電力会社の要請が前記需要要請の際、
Ca.前記宅内における前記発電電力が不足であり、前記放電中状態であり、かつ要請を受け入れた後の状態が前記商用充電の場合、
Cb.前記宅内における発電電力が不足であり、前記放電中状態であり、要請を受け入れた後の状態が前記商用受電の場合、
Cc.前記宅内における発電電力が過剰であり、前記逆潮流状態であり、かつ要請を受け入れた後の状態が前記商用充電の場合、
Cd.前記宅内における発電電力が過剰であり、前記逆潮流状態であり、かつ要請を受け入れた後の状態が前記自己充電の場合、
のCa、Cb、Cc、Cdの順番であり、同一の場合には要請電力に対応した需要電力の大きい方がランクが高くなるとした定義である、
ことを特徴とする請求項2に記載の地域内電力需給制御システム。
【請求項4】
前記宅内電力分配器が、複数のスイッチを有しており、
前記ホームゲートウェイが、前記スイッチの導通及び非導通状態により、前記発電設備と、前記蓄電設備及び前記電力会社の電力供給線との接続状態を制御し、前記逆潮流処理、前記蓄電処理及び前記需要処理の各々を制御することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の地域内電力需給制御システム。
【請求項5】
前記ホームゲートウェイが、
前記宅内電力分配器における前記スイッチの前記逆潮流処理、前記蓄電処理及び前記需要処理の状態毎のスイッチの制御ルールが定義された制御テーブルとが記憶された宅内記憶部と、
前記残存容量と、電力センサから得られる発電電力、蓄電電力、放電電力及び宅内で消費される電力の状態及び前記地域管理サーバからの制御に基づき、前記制御テーブルから前記状態毎の前記制御ルールを読み出し、当該制御ルールに基づいて前記宅内電力分配器におけるスイッチを制御する分波器制御部と、
前記蓄電設備における残存容量を、電力センサから得られる前記蓄電設備に対する蓄電電力及び放電電力の時間単位の積算により求める蓄電池残存容量算出部と
を有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の地域内電力需給制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−196122(P2012−196122A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−34175(P2012−34175)
【出願日】平成24年2月20日(2012.2.20)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】