説明

地球儀装置

【課題】 回転する地球儀の特徴を活かすことができる、表示装置を利用する地球儀装置を提供することである。
【解決手段】 地球儀装置1は、地球儀本体3の地形図に対応する地図画像22をテレビジョンモニタ21に表示する。地球儀装置1は、地球儀本体3の回転を検出する回転センサ35を有している。地球儀装置1は、回転センサ35によって検出された地球儀本体3の回転に応じて、テレビジョンモニタ21に表示された地図画像22を変位させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地球儀と、表示装置に表示された地図画像と、を対応させた地球儀装置及びその関連技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、地球儀を開示する。この地球儀の地形図上には、複数のタッチセンサが配置される。そして、触れられたタッチセンサが配置される地球儀の地形図上の位置に対応する文字や画像がディスプレイに表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−182555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の地球儀は、回転するという機能を持つ地球儀の特徴を活かしているとは言えない。
【0005】
そこで、本発明の目的は、回転する地球儀の特徴を活かすことができる、表示装置を利用する地球儀装置及びその関連技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点によると、地球儀装置は、地球儀と、前記地球儀に対応する地図画像を表示装置に表示する地図表示手段と、前記地球儀の回転を検出する回転検出手段と、を備え、前記地図表示手段は、前記回転検出手段によって検出された前記地球儀の回転に応じて、前記表示装置に表示された前記地図画像を変位させる。
【0007】
この構成によれば、地球儀の回転に応じて地図画像を変位する。従って、回転する地球儀の特徴を活かすことができる、表示装置を利用する地球儀装置を提供できる。このように、地図画像を地球儀の回転と連動させることにより、ユーザは、地球儀による学習を楽しみながら行うことができる。また、このような連動により、ユーザは、地球儀の操作による爽快感を得ることもできる。
【0008】
さらに、地図画像を操作する点で、地球儀はコントローラとみなすこともできる。このように、本発明の地球儀は、新規なユーザインタフェースである地球儀型コントローラとして利用できる。ユーザは、このような地球儀型コントローラを利用して、学習やゲーム等を行うことができる。
【0009】
本発明の第2の観点によると、映像制御方法は、地球儀に対応する地図画像を表示装置に表示するステップと、前記地球儀の回転を検出するステップと、を含み、表示する前記ステップでは、検出する前記ステップによって検出された前記地球儀の回転に応じて、前記表示装置に表示された前記地図画像を変位させる。
【0010】
この構成によれば、上記第1の観点による地球儀装置と同様の効果を奏する。
【0011】
本発明の第3の観点によると、コンピュータプログラムは、上記第2の観点による映像制御方法をコンピュータに実行させる。
【0012】
この構成によれば、上記第1の観点による地球儀装置と同様の効果を奏する。
【0013】
本発明の第4の観点によると、記録媒体は、上記第3の観点によるコンピュータプログラムを記録した記録媒体である。
【0014】
この構成によれば、上記第1の観点による地球儀装置と同様の効果を奏する。
【0015】
記録媒体には、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、CD(CD−ROM、Video−CDを含む)、DVD(DVD−Video、DVD−ROM、DVD−RAMを含む)、ROMカートリッジ、バッテリバックアップ付きのRAMメモリカートリッジ、フラッシュメモリカートリッジ、不揮発性RAMカートリッジ等を含む。実施の形態では、記録媒体は、図3のメモリ33である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態による地球儀システムの全体構成を示す図である。
【図2】図1の地球儀システムの動作を説明するための図である。
【図3】図1の地球儀装置1の電気的構成を示す図である。
【図4】図3のプロセッサ31による処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付してその説明を援用する。
【0018】
図1は、本発明の実施の形態による地球儀システムの全体構成を示す図である。図1を参照して、この地球儀システムは、地球儀装置1及びテレビジョンモニタ21を備える。地球儀装置1は、表面に地形図(地図の一種)が表され、球体である地球儀本体3を含む。地球儀本体3は、半円弧状のフレーム7により、軸5の回りに回転自在(時計回り及び反時計回り)に支持される。フレーム7の一方端部は、台座9に固定される。また、台座9には、上下左右に対応する方向キー11、決定ボタン13、キャンセルボタン15、地球儀ボタン17、及び、クイズボタン19が設けられる。
【0019】
地球儀装置1は、AVケーブル20により、テレビジョンモニタ21と接続される。従って、地球儀装置1が生成したビデオ信号VD及びオーディオ信号AUは、AVケーブル20により、テレビジョンモニタ21に与えられる。これにより、テレビジョンモニタ21は、地球儀装置1から受け取ったビデオ信号VDに応じた映像を表示し、オーディオ信号AUに応じた音声をそのスピーカから出力する。なお、テレビジョンモニタ21は、表示装置の一例であり、地球儀装置1は、その他の表示装置に応じた映像信号及び音声信号を生成してもよい。
【0020】
この地球儀システムでは、テレビジョンモニタ21に映し出された映像は、地球儀本体3の回転に応じて変位する。この点を具体例を挙げながら説明する。
【0021】
図2は、図1の地球儀システムの動作を説明するための図である。図2を参照して、ユーザの操作によって地球儀本体3が図中左方向(時計回り)に回転すると、その回転量に応じて、テレビジョンモニタ21に表示された地図画像22が図中左方向に変位(スクロール)し、地図画像22により表される領域を変更する。一方、ユーザの操作によって地球儀本体3が図中右方向(反時計回り)に回転すると、その回転量に応じて、テレビジョンモニタ21に表示された地図画像22が図中右方向に変位(スクロール)し、地図画像22により表される領域を変更する。このように、地球儀本体3の回転量及び回転方向に応じて、地球儀本体3の表面に表された地形図に対応する地図画像22が水平方向に変位(スクロール)する。なお、地球儀本体3が360度回転(1回転)すると、再び同じ領域の地図画像22が表示されるので、本実施の形態では、地図画像22は、地球儀本体3の回転に応じて回転すると言うこともできる。
【0022】
また、ユーザが方向キー11の左方向キーを押下することにより、表示された地図画像22を図中左方向に変位させることもできる。ユーザが方向キー11の右方向キーを押下することにより、表示された地図画像22を図中右方向に変位させることもできる。さらに、ユーザが方向キー11の上方向キーを押下することにより、表示された地図画像22を図中上方向に変位させることができる。ユーザが方向キー11の下方向キーを押下することにより、表示された地図画像22を図中下方向に変位させることができる。
【0023】
さて、地球儀本体3は、地球儀ボタン17の押下により、地球儀モードに入る。地球儀モードは、アメリカ合衆国、フランスといった有名国から、あまり知られていない国まで、世界のほとんどの国の名前と国旗を見たり、有名な国の観光名所などの説明を見て、地理を学習できるモードである。また、国の名前や国旗から、国の場所を検索できる。
【0024】
例えば、地球儀モードでは、地球儀装置1は、地球儀本体3が回転あるいは方向キー11が操作されると、テレビジョンモニタ21に表示された地図画像22を上下左右に変位し、現在表示している地図上の国名を表示する。また、地球儀装置1は、所定の操作により、詳細モードに入ると、テレビジョンモニタ21にカーソル(例えば虫眼鏡の形態)を表示する。地球儀装置1は、方向キー11の操作に応じて、カーソルを移動する。地球儀装置1は、このカーソルが位置する地図上の国の情報を、テレビジョンモニタ21に表示したウィンドウ内に表示する。地球儀装置1は、所定の有名な国が選択されると、その国の各地方の音楽を生成し及び観光名所画像表示する。この場合、さらに、地球儀装置1は、その国又は地方の民族衣装をまとった人間を表す画像が、その国又は地方を説明する映像を生成する。
【0025】
また、例えば、詳細モードでは、地球儀装置1は、テレビジョンモニタ21の画面の所定位置に検索アイコンを表示する。地球儀装置1は、方向キー11及び決定ボタン13の操作により、この検索アイコンが選択されると、国名又は国旗を指定するウィンドウをテレビジョンモニタ21に表示する。そして、地球儀装置1は、方向キー11及び決定ボタン13の操作により、国名又は国旗が指定されると、テレビジョンモニタ21の地図画像22を変位して、その国が位置する地図画像22を表示し、かつ、地球儀本体3もまた、その国が見える位置に向かって回転する。
【0026】
一方、地球儀本体3は、クイズボタン19の押下により、クイズモードに入る。クイズモードは、世界の動物や名物を探し出して、その動物、名物の特徴や姿をチェックでき、同時にクイズも楽しめるモードである。クイズの後には、動物等をテレビジョンモニタ21に三次元表示することができる。
【0027】
例えば、地球儀装置1は、テレビジョンモニタ21に表示した地図画像22上に複数のオブジェクト(点滅画像)を表示する。そして、地球儀装置1は、カーソルにより、そのオブジェクトが選択されると、当該オブジェクトが配置された国(地方)で有名な生き物や名産品のクイズ(例えば選択問題)を表す画像を生成し、テレビジョンモニタ21に表示する。なお、同時に対応する音声を生成することもできる。カーソルの操作は、詳細モードと同じである。例えば、ユーザは、複数の選択肢が表示される選択問題では、選択肢のいずれかをカーソルで選択することにより回答する。そして、地球儀装置1は、正解、不正解に関係なく、解答に対応する三次元画像(例えば、昆虫や動物等)をテレビジョンモニタ21に表示する。この場合、地球儀装置1は、方向キー11の操作に応じて、解答に対応する三次元画像を回転し、様々な角度からの目視を可能にする。
【0028】
次に、地球儀装置1の電気的構成を説明する。
【0029】
図3は、図1の地球儀装置1の電気的構成を示す図である。図3を参照して、地球儀装置1は、プロセッサ31、メモリ33、回転センサ35、及びスイッチ群37を備える。なお、これらの要素は、台座9に内蔵される。スイッチ群37は、方向キー11、決定ボタン13、キャンセルボタン15、地球儀ボタン17、及びクイズボタン19を含む。
【0030】
プロセッサ31には、メモリ33が接続される。メモリ33は、例えば、フラッシュメモリ、ROM、及び/又はRAM等により構成される。メモリ33は、プログラム領域、画像データ領域、および音声データ領域を含む。プログラム領域には、後述のフローチャートに示す処理をプロセッサ31に実行させる制御プログラムが格納される。画像データ領域には、テレビジョンモニタ21に表示される画面を構成するすべての画像データ(地図画像22等)や、他の必要な画像データが格納されている。音声データ領域には、効果音や出題等ための音声データが格納されている。プロセッサ31は、プログラム領域の制御プログラムを実行して、画像データ領域の画像データ及び音声データ領域の音声データを読み出し、必要な処理を施して、ビデオ信号VD並びにオーディオ信号AUを生成する。ビデオ信号VD及びオーディオ信号AUは、AVケーブル20を通して、テレビジョンモニタ21に与えられる。
【0031】
プロセッサ31は、図示しないが、CPU(Central Processing Unit)、グラフィックスプロセサ、サウンドプロセサおよびDMAコントローラ等の各種機能ブロックを含むとともに、アナログ信号を取り込むときに用いられるA/Dコンバータ、赤外線信号やキー操作信号(本実施の形態ではスイッチ群37からの操作信号)のような入力デジタル信号を受けかつ出力デジタル信号を外部機器に与える入出力制御回路、及び内部メモリ等を含む。
【0032】
CPUは、メモリ33に格納された制御プログラムを実行する。A/Dコンバータからのデジタル信号および入出力制御回路からのデジタル信号はCPUに与えられ、CPUは、制御プログラムに従って、それらの信号に応じて必要な演算を実行する。グラフィックスプロセサは、メモリ33に格納された画像データに対して、CPUの演算結果によって必要になったグラフィック処理を実行して、テレビジョンモニタ21に表示する画像を表すビデオ信号VDを生成する。サウンドプロセサは、メモリ33に格納された音声データに対して、CPUの演算結果によって必要になったサウンド処理を実行して、効果音等を表すオーディオ信号AUを生成する。内部メモリは、例えば、RAMにより構成され、ワーキング領域、カウンタ領域、レジスタ領域、テンポラリデータ領域、及び/又はフラグ領域等として利用される。
【0033】
さて、回転センサ35は、ロータリエンコーダを含み、地球儀本体3の回転量(回転角度)及び回転方向を検出し、これらに応じた2本のパルス信号を生成して、プロセッサ31に与える。プロセッサ31は、これらのパルス信号を解析して、地球儀本体3の回転量(回転角度)及び回転方向を算出し、これらに応じて、テレビジョンモニタ21に表示した地図画像22を変位(スクロール)する。
【0034】
次に、プロセッサ31の処理の流れを説明する。
【0035】
図4は、図3のプロセッサ31による処理の流れの一例を示すフローチャートである。図4を参照して、プロセッサ31は、メモリ33に格納された制御プログラムを実行して、ステップS1〜S5の処理を実行する。ステップS1にて、プロセッサ31は、地球儀本体3の地形図に対応する地図画像22をテレビジョンモニタ21に表示する。ステップS3にて、プロセッサ31は、回転センサ35からの信号を受けて、地球儀本体3の回転量(又は回転速度)及び回転方向を算出する。ステップS5にて、プロセッサ31は、算出した地球儀本体3の回転量(又は回転速度)及び回転方向に応じて、テレビジョンモニタ21に表示した地図画像22を変位(スクロール)し、ステップS3に戻る。
【0036】
さて、以上のように、本実施の形態によれば、地球儀本体3の回転に応じて地図画像22を変位する。従って、回転する地球儀の特徴を活かすことができる、テレビジョンモニタ21を利用する地球儀装置1を提供できる。このように、地図画像22を地球儀本体3の回転と連動させることにより、ユーザは、地球儀による学習を楽しみながら行うことができる。また、このような連動により、ユーザは、地球儀本体3の操作による爽快感を得ることもできる。
【0037】
さらに、地図画像22を操作する点で、地球儀装置1はコントローラとみなすこともできる。このように、本実施の形態による地球儀装置1は、新規なユーザインタフェースである地球儀型コントローラとして利用できる。ユーザは、このような地球儀型コントローラを利用して、学習やゲーム等を行うことができる。
【0038】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、例えば、地理学習用教材を提供する分野やゲーム分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0040】
1…地球儀装置、21…テレビジョンモニタ、31…プロセッサ、33…メモリ、35…回転センサ、37…スイッチ群。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地球儀と、
前記地球儀に対応する地図画像を表示装置に表示する地図表示手段と、
前記地球儀の回転を検出する回転検出手段と、を備え、
前記地図表示手段は、前記回転検出手段によって検出された前記地球儀の回転に応じて、前記表示装置に表示された前記地図画像を変位させる、地球儀装置。

【図3】
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【図4】
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【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−18001(P2011−18001A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−164166(P2009−164166)
【出願日】平成21年7月10日(2009.7.10)
【出願人】(396025861)新世代株式会社 (138)
【Fターム(参考)】