説明

垂直に保持された印字媒体を有する印字装置

【課題】より小さくより小型のワークステーションという現在進行中の傾向とともに、利用できる作業空間を最大にする必要があり、卓上プリンタなどの設備によって占められる空間を少なくすることが、ますます必要になってきている。
【解決手段】印字媒体の表面へと画像を印字するための印字装置であって、印字のための印刷エンジンを有するハウジングと、前記印刷エンジンによる印字のための印字媒体を収容するための印字媒体供給トレイであって、前記印字媒体が実質的に垂直な向きに保たれるように前記ハウジングに収容されるべく構成されている印字媒体供給トレイと、前記ハウジングに設けられ、前記供給トレイが前記ハウジングに収容されたときに、印字媒体を前記実質的に垂直な向きに保持すべく印字媒体に接触するように構成されている保持部材と、を有する印字装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高速プリンタに関し、さらに詳しくは、占有する空間の大きさが最小限でありながら高品質で毎分30ページ以上を印字できる卓上型のプリンタからの印字出力物を収集する方法に関する。
【0002】
[同時係属中の出願]
以下の出願が、本件出願の出願人によって本件出願と同時に出願されている。
【表1】


これら同時係属中の出願の開示は、参照として本明細書に組み込まれたものとする。上記の出願は、出願時の事件整理番号によって特定されているが、対応する出願番号が割り当てられ次第、事件整理番号をそれら出願番号で置き換える予定である。
【0003】
[関連出願への相互参照]
本件発明の出願人または譲受人によって出願された以下の特許または特許出願は、参照として本明細書に組み込まれたものとする。
【表2】


いくつかの出願は、事件整理番号によって列挙されている。これらは、出願番号が明らかになった時点で置き換える予定である。
【背景技術】
【0004】
自宅およびオフィス環境において使用される卓上型のプリンタが、周知であり、種々の設計および能力を備えて幅広く市販されている。典型的には、市販の卓上プリンタは、プリンタユニット、ならびに印字媒体の入力トレイおよび/または出力トレイなどの関連のコンポーネントを設置するために、比較的大きな空間を必要とするサイズおよび構成である。実際、この従来のプリンタの大きな「占有面積」の大部分は、入力トレイおよび出力トレイによって占められるであろう。さらに、プリンタの占有面積には、典型的には、プリンタへとアクセスするために必要な空間および妨げられることなく印字を行うために必要な空間も含まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そのような印字媒体用のトレイを使用せず、印字媒体の供給および収集の領域をプリンタユニットそのものの内部に組み入れている従来のプリンタにおいてさえも、それらが最低でも例えばA4またはA3用紙など、印字される印字媒体の最大寸法に相当しなければならないという点で、プリンタの占有面積を最小限にするうえでの制約が依然として存在している。
【0006】
より小さくより小型のワークステーションという現在進行中の傾向とともに、利用できる作業空間を最大にする必要があり、卓上プリンタなどの設備によって占められる空間を少なくすることが、ますます必要になってきている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様において、本発明は、
印字のための印字媒体を供給するための印字媒体供給源と、
上記印字媒体へと印字を行うための印字ヘッドと、
上記印字済みの印字媒体を収集するための印字媒体収集器と、
印字ヘッドを経由する印字媒体供給源から印字媒体収集器までの送達経路を通って印字媒体を搬送するための搬送装置と
を備えており、
印字媒体供給源および印字媒体収集器が、実質的に垂直に配置され、印字媒体の送達経路が、少なくとも140°の角度を通過するプリンタを提供する。
【0008】
場合により、上記印字ヘッドが、ページ幅のインクジェット印字ヘッドである。
【0009】
場合により、印字媒体の送達経路が、少なくとも180°の角度を通過する。
【0010】
場合により、上記印字媒体供給源が、種々のサイズの印字媒体を貯蔵すべく調節可能である。
【0011】
場合により、上記印字媒体供給源が、垂直に対して約15°〜20°の角度だけ傾いている。
【0012】
場合により、上記印字媒体収集器が、垂直に対して約10°〜15°の角度だけ傾いている。
【0013】
場合により、上記印字媒体供給源および上記印字媒体収集器が、上記印字ヘッドの下方で互いに隣接して配置されている。
【0014】
場合により、上記搬送装置が、
上記印字媒体供給源から印字媒体のシートを摘み上げるように構成されたピッカーアセンブリと、
上記摘み上げられたシートを上記ピッカーアセンブリから受け取って、受け取ったシートを印字のために上記印字ヘッドへと搬送するローラーアセンブリと、
を備える。
【0015】
場合により、上記搬送装置が、上記摘み上げられた印字媒体のシートを上記ピッカーアセンブリから上記ローラーアセンブリへとガイドするための印字媒体ガイドをさらに備える。
【0016】
さらなる態様においては、
上記印字ヘッドの印字を駆動させるとともに、上記摘み上げられた印字媒体のシートを前進させるべく上記ピッカーアセンブリを制御し、上記受け取った印字媒体のシートを上記印字ヘッドへと搬送すべく上記ローラーアセンブリを制御するための駆動用電子機器をさらに備えるプリンタが提供される。
【0017】
さらなる態様においては、
基部と、
印字媒体へと画像を印字するための上記印字ヘッドを有する印刷エンジンと、
少なくとも2つの実質的に垂直に延びる表面を有し、上記基部と上記印刷エンジンとを接続する実質的に垂直に延びる本体と、
をさらに備えており、
上記印字媒体供給源が、上記本体の上記表面のうちの第1の表面に設けられ、上記印字媒体収集器が、上記本体の上記表面のうちの第2の表面に設けられているプリンタが提供される。
【0018】
さらなる態様においては、印字済みの印字媒体のシートを収集するための手段をさらに備えるプリンタであって、上記手段が、
印字済みシートを上記印字ヘッドから排出し、
上記シートについて、実質的に垂直な経路をとっての上記印字ヘッドからの落下を可能にし、
上記シートの前縁を捕捉し、
上記シートに、上記実質的に垂直な経路に実質的に直交する成分を有する拘束力を加え、さらに
上記シートを、上記実質的に垂直な経路に対して傾いている上記印字媒体収集器の保持面上に収集するプリンタが提供される。
【0019】
さらなる態様においては、
上記印字ヘッドが印刷エンジンを構成するとともに、上記印刷エンジンが、実質的に垂直な経路で上記印刷エンジンから印字済みシートを排出するように構成された出口を有しており、
上記印字媒体収集器が、上記出口の下方に配置され、上記排出されたシートを収集するため上記実質的に垂直な経路に対して傾いた収集面と、上記収集面から突き出している足部分とを有しており、
上記足部分が、上記排出されたシートの上記実質的に垂直な経路へと突き出すように構成され、上記シートの前縁に接触して上記実質的に垂直な経路における上記シートの動きを止めるように構成された接触面を有しており、上記接触面が、上記シートを収集のために上記収集面に向かって追いたてるように構成されているプリンタが提供される。
【0020】
さらなる態様においては、上記印字媒体収集器が、上記印字ヘッドから実質的に垂直な方向に送られる印字媒体の1つ以上のシートを収集して、上記1つ以上のシートを実質的に垂直な向きに保持するように構成された実質的に垂直な収集面を有しており、上記収集面が、収集した印字媒体に印字媒体の上記送りの方向に直交する横方向の曲率を付与するように構成されているプリンタが提供される。
【0021】
さらなる態様においては、上記プリンタの状態を知らせるためのシステムを組み入れてなり、上記システムが、
複数の色の光を放射するように構成された光源と、
上記プリンタの表面に沿って延びる光伝達通路であって、上記光源からの光を伝達し、上記光を上記通路の長さに沿って放射するように構成された光伝達通路と、
上記光伝達通路があらかじめ定義されたプリンタの種々の状態を知らせるべくあらかじめ定義された種々の色を放射するよう、上記プリンタについて検出された動作状態に応答して上記光源を制御するように構成されたコントローラと、
を備えるプリンタが提供される。
【0022】
さらなる態様においては、
上記印字ヘッドを備える印刷エンジンを有するハウジングと、
上記印刷エンジンによる印字のための印字媒体を収容すべく上記印字媒体供給源に組み入れられた印字媒体供給トレイであって、上記印字媒体が実質的に垂直な向きに保たれるように上記ハウジングに収容されるべく構成されている印字媒体供給トレイと、
上記ハウジングに設けられ、上記供給トレイが上記ハウジングに収容されたときに、印字媒体を上記実質的に垂直な向きに保持すべく印字媒体に接触するように構成されている保持部材と、
をさらに備えるプリンタが提供される。
【0023】
さらなる態様においては、上記印字媒体供給源、上記印字ヘッド、および上記印字媒体収集器を、上記印字媒体供給源および上記印字媒体収集器が実質的に垂直に配置される動作時の向きに支持するための着脱式スタンドをさらに備えるプリンタが提供される。
【0024】
さらなる態様においては、卓上型のプリンタとして構成されており、
上記印字ヘッドが、上記実質的に垂直向きの印字媒体供給源から供給されて印字後に上記実質的に垂直向きの印字媒体収集器へと送達される印字媒体の全幅にわたっての印字のため、少なくとも5000個の印字ノズルからなる2次元のアレイとして構成されたページ幅の印字ヘッドを組み入れており、
上記印字媒体供給源と上記印字媒体収集器とが、上記卓上型のプリンタの実質的に垂直に延びる本体の異なる側に設けられているプリンタが提供される。
【0025】
さらなる態様においては、卓上型のプリンタとして構成されており、
上記印字ヘッドが、インク排出ノズルのアレイを有しており、上記アレイが、上記実質的に垂直向きの印字媒体供給源から供給された印字媒体へと少なくとも毎秒5000万滴の速度で上記印字媒体の全幅にわたってインク滴を排出することによって印字を行い、印字済み媒体を上記実質的に垂直向きの印字媒体収集器へと送達するように構成されたページ幅の印字ヘッドとして構成されており、
上記印字媒体供給源と上記印字媒体収集器とが、上記卓上型のプリンタの実質的に垂直に延びる本体の異なる側に設けられているプリンタが提供される。
【0026】
第2の態様において、本発明は、媒体供給源から供給された媒体へと印字を行うとともに、印字済み媒体を媒体収集器へと送達するためのプリンタであって、
基部と、
媒体へと画像を印字するための印刷エンジンと、
少なくとも2つの実質的に垂直に延びる表面を有し、上記基部と上記印刷エンジンとを接続している実質的に垂直に延びる本体と
を備えており、
上記媒体供給源が、上記本体の上記表面のうちの第1の表面に設けられ、上記媒体収集器が、上記本体の上記表面のうちの第2の表面に設けられているプリンタを提供する。
【0027】
場合により、上記印刷エンジンが、ページ幅のインクジェット印字ヘッドを備える。
【0028】
場合により、上記本体の上記第1の表面が、上記第2の表面の反対側である。
【0029】
場合により、上記印刷エンジンが、上記本体の上部に設けられている。
【0030】
場合により、上記媒体供給源が、約15°〜20°の角度で垂直に対して傾いている。
【0031】
場合により、上記媒体収集器が、約10°〜15°の角度で垂直に対して傾いている。
【0032】
場合により、上記媒体供給源が、印字のための媒体を貯蔵するための入力トレイを、上記第1の表面によって形成される上記本体の受入部にヒンジ式で収容されるように構成して備える。
【0033】
場合により、上記印刷エンジンが、上記媒体供給源から上記媒体収集器へと上記印刷エンジンを経由して媒体を搬送するための媒体搬送システムを備える。
【0034】
場合により、上記印刷エンジンおよび上記媒体搬送システムを覆うべく、上記本体にヒンジで係合するヘッドユニットをさらに備える。
【0035】
場合により、上記ヘッドユニットがユーザーインターフェイスを備えており、上記ユーザーインターフェイスを介して上記プリンタのユーザーが上記プリンタの動作を制御することができる。
【0036】
場合により、上記ユーザーインターフェイスが、上記プリンタの動作に関する情報を表示するためのタッチ式スクリーンを備えており、上記ユーザーが上記スクリーンの所定の領域を触ることによって上記動作を制御することができる。
【0037】
場合により、上記基部が、
上記媒体搬送システム、上記印刷エンジン、および上記ユーザーインターフェイスへの電力の供給のための外部の電源への接続のための電源コネクタと、
上記印刷エンジンおよび上記ユーザーインターフェイスへのデータの供給のための外部のデータソースへの接続のためのデータコネクタと、
を備える。
【0038】
場合により、上記ヘッドユニットが、媒体を上記印刷エンジンへと手動で供給するため上記印刷エンジンの位置の上方に位置する手動供給用スロットを備える。
【0039】
さらなる態様においては、
上記媒体への印字のための上記印刷エンジンに組み入れられた印字ヘッドと、
上記媒体供給源から上記媒体収集器まで上記印字ヘッドを経由する送達経路を通って媒体を搬送するための搬送装置と、
をさらに備えるプリンタであって、
上記印字媒体供給源および上記印字媒体収集器が実質的に垂直に配置され、上記印字媒体の送達経路が少なくとも140°の角度を通過するプリンタが提供される。
【0040】
さらなる態様においては、上記印刷エンジンから印字済み媒体のシートを収集するための手段をさらに備えており、上記手段が、
印字済みシートを上記印刷エンジンから排出し、
上記シートについて、実質的に垂直な経路をとっての上記印刷エンジンからの落下を可能にし、
上記シートの前縁を捕捉し、
上記シートに、上記実質的に垂直な経路に実質的に直交する成分を有する拘束力を加え、さらに
上記シートを、上記実質的に垂直な経路に対して傾いている上記媒体収集器の保持面上に収集するプリンタが提供される。
【0041】
さらなる態様においては、
上記印刷エンジンが、実質的に垂直な経路で上記印刷エンジンから印字済み媒体のシートを排出するように構成された出口を有しており、
上記媒体収集器が、上記出口の下方に配置され、上記排出されたシートを収集するため上記実質的に垂直な経路に対して傾いた収集面と、上記収集面から突き出している足部分とを有しており、
上記足部分が、上記排出されたシートの上記実質的に垂直な経路へと突き出すように構成され、上記シートの前縁に接触して上記実質的に垂直な経路における上記シートの動きを止めるように構成された接触面を有しており、上記接触面が、上記シートを収集のために上記収集面に向かって追いたてるように構成されているプリンタが提供される。
【0042】
さらなる態様においては、上記媒体収集器が、上記印刷エンジンから実質的に垂直な方向に送られる媒体の1つ以上のシートを収集して、上記1つ以上のシートを実質的に垂直な向きに保持するように構成された実質的に垂直な収集面を有しており、上記収集面が、収集した印字媒体に媒体の上記送りの方向に直交する横方向の曲率を付与するように構成されているプリンタが提供される。
【0043】
さらなる態様においては、上記プリンタの状態を知らせるためのシステムを組み入れてなり、上記システムが、
複数の色の光を放射するように構成された光源と、
上記プリンタの表面に沿って延びる光伝達通路であって、上記光源からの光を伝達し、上記光を上記通路の長さに沿って放射するように構成された光伝達通路と、
上記光伝達通路があらかじめ定義されたプリンタの種々の動作状態を知らせるべくあらかじめ定義された種々の光を放射するよう、上記プリンタについて検出された動作状態に応答して上記光源を制御するように構成されたコントローラと、
を備えるプリンタが提供される。
【0044】
さらなる態様においては、
上記印刷エンジンを有するハウジングと、
上記印刷エンジンによる印字のための媒体を収容すべく上記媒体供給源に組み入れられた媒体供給トレイであって、上記媒体が実質的に垂直な向きに保たれるように上記ハウジングに収容されるべく構成されている媒体供給トレイと、
上記ハウジングに設けられ、上記供給トレイが上記ハウジングに収容されたときに、媒体を上記実質的に垂直な向きに保持すべく媒体に接触するように構成されている保持部材と、
をさらに備えるプリンタが提供される。
【0045】
さらなる態様においては、上記本体、上記媒体供給源、上記印刷エンジン、および上記媒体収集器を、上記媒体供給源および上記媒体収集器が実質的に垂直に配置される動作時の向きに支持するための着脱式スタンドをさらに備えており、媒体の送達経路が少なくとも140°の角度を規定しているプリンタが提供される。
【0046】
さらなる態様においては、卓上型のプリンタとして構成されており、上記印刷エンジンが、上記実質的に垂直向き刷媒体供給源から供給されて印字後に上記実質的に垂直向きの媒体収集器へと送達される印字媒体の全幅にわたっての印字のため、少なくとも5000個の印字ノズルからなる2次元のアレイとして構成されたページ幅の印字ヘッドを組み入れているプリンタが提供される。
【0047】
さらなる態様においては、卓上型のプリンタとして構成されており、上記印刷エンジンが、インク排出ノズルのアレイを有しており、上記アレイが、上記実質的に垂直向きの媒体供給源から供給された媒体へと少なくとも毎秒5000万滴の速度で上記媒体の全幅にわたってインク滴を排出することによって印字を行い、印字済み媒体を上記実質的に垂直向きの媒体収集器へと送達するように構成されたページ幅の印字ヘッドとして構成されているプリンタが提供される。
【0048】
第3の態様において、本発明は、プリンタから印字済み媒体のシートを収集する方法であって、
印字済みシートを上記プリンタから排出するステップと、
上記シートについて、実質的に垂直な経路をとっての上記プリンタからの落下を可能にするステップと、
上記シートの前縁を捕捉するステップと、
上記シートに、上記実質的に垂直な経路に実質的に直交する成分を有する拘束力を加えるステップと、
上記シートを、上記実質的に垂直な経路に対して傾いている保持面上に収集するステップと、
を備える方法を提供する。
【0049】
場合により、上記プリンタが、ページ幅のインクジェット印字ヘッドを有する。
【0050】
場合により、この方法が、上記保持面に上記実質的に垂直な経路から約10°〜15°の傾斜を与えるステップをさらに備える。
【0051】
場合により、この方法が、上記保持面から上記保持面の傾きに実質的に直交して突き出す停止面を配置するステップをさらに備えており、
上記捕捉するステップおよび上記力を加えるステップにおいて、上記シートの前縁が上記停止面に接触することで、上記実質的に垂直な経路に沿った上記シートの動きが止められて、上記シートに上記拘束力が加えられる。
【0052】
場合により、この方法が、上記保持面に上記実質的に垂直な経路から約10°〜15°の傾斜を与えて、上記停止面に水平から約10〜15°の角度を与えるステップをさらに備える。
【0053】
場合により、この方法が、上記保持面上に収集した上記シートに、上記実質的に垂直な経路に直交する横方向の曲率を付与するステップをさらに備える。
【0054】
場合により、上記シートの落下を可能にするステップにおいて、上記シートが、上記実質的に垂直な経路をとるべく重力により落下できるようにされる。
【0055】
さらなる態様においては、上記プリンタが、
印字のための媒体を供給するための媒体供給源と、
上記媒体へと印字を行うための印字ヘッドと、
上記捕捉するステップ、上記力を加えるステップ、および上記収集するステップにおいて、上記印字済み媒体を収集するための印字媒体収集器と、
上記印字ヘッドを経由する上記媒体供給源から上記媒体収集器までの送達経路を通って媒体を搬送するための搬送装置と、
を備えており、上記媒体供給源および上記媒体収集器が実質的に垂直に配置され、上記媒体の送達経路が少なくとも140°の角度を通過する方法が提供される。
【0056】
さらなる態様においては、上記プリンタが、媒体供給源から供給された媒体へと印字を行って、上記捕捉するステップ、上記力を加えるステップ、および上記収集するステップにおいて、上記印字済み媒体を媒体収集器へと送達するように構成されていて、
基部と、
媒体へと画像を印字するための印刷エンジンと、
少なくとも2つの実質的に垂直に延びる表面を有して、上記基部と上記印刷エンジンとを接続している実質的に垂直に延びる本体と、
を備えており、
上記媒体供給源が、上記本体の上記表面のうちの第1の表面に設けられ、上記媒体収集器が、上記本体の上記表面のうちの第2の表面に設けられている方法が提供される。
【0057】
さらなる態様においては、上記プリンタから印字済み媒体のシートを収集するためのシステムにおいて実行される方法であって、
上記システムが、
媒体のシートへと画像を印字するための印字ヘッドを有する印刷エンジンであって、実質的に垂直な経路で上記印刷エンジンから上記印字済みシートを排出するように構成された出口を有する印刷エンジンと、
上記出口の下方に配置され、上記排出されたシートを収集するため上記実質的に垂直な経路に対して傾いた収集面と、上記収集面から突き出している足部分とを有する収集器と、を備えており、
上記足部分が、上記排出されたシートの上記実質的に垂直な経路へと突き出すように構成され、上記シートの前縁に接触して上記実質的に垂直な経路における上記シートの動きを止めるように構成された接触面を有しており、上記接触面が、上記シートを収集のために上記収集面に向かって追いたてるように構成されている方法が提供される。
【0058】
さらなる態様においては、上記捕捉するステップ、上記力を加えるステップ、および上記収集するステップにおいて、上記プリンタから送られる媒体を収集するための収集器が使用され、上記収集器が、
上記プリンタから実質的に垂直な方向に送られる印字媒体の1つ以上のシートを収集して、上記1つ以上のシートを実質的に垂直な向きに保持するように構成された実質的に垂直な収集面を有しており、上記収集面が、収集した印字媒体に印字媒体の上記送りの方向に直交する横方向の曲率を付与するように構成されている方法が提供される。
【0059】
さらなる態様においては、上記プリンタの状態を知らせるためのシステムにおいて実行される方法であって、
上記システムが、
複数の色の光を放射するように構成された光源と、
上記プリンタの表面に沿って延びる光伝達通路であって、上記光源からの光を伝達し、上記光を上記通路の長さに沿って放射するように構成されている光伝達通路と、
上記光伝達通路があらかじめ定義された上記プリンタの種々の状態を知らせるべくあらかじめ定義された種々の色を放射するよう、上記プリンタについて検出された動作状態に応答して上記光源を制御するように構成されたコントローラと、
を備える方法が提供される。
【0060】
さらなる態様においては、
上記プリンタが、
印字のための印刷エンジンを有するハウジングと、
上記印刷エンジンによる印字のための媒体を収容するための媒体供給トレイであって、上記媒体が実質的に垂直な向きに保たれるように上記ハウジングに収容されるべく構成されている印字媒体供給トレイと、
上記ハウジングに設けられ、上記供給トレイが上記ハウジングに収容されたときに、媒体を上記実質的に垂直な向きに保持すべく上記媒体に接触するように構成されている保持部材と、
を備える方法が提供される。
【0061】
さらなる態様においては、
上記プリンタが、
印字のための媒体を供給するための印字媒体供給源と、
上記媒体へと印字を行うための印字ヘッドと、
上記捕捉するステップ、上記力を加えるステップ、および上記収集するステップにおいて上記印字済みの印字媒体を収集するための印字媒体収集器と、
上記印字ヘッドを経由する上記媒体供給源から上記媒体収集器までの送達経路を通って媒体を搬送するための搬送装置と、
上記媒体供給源、上記印字ヘッド、および上記媒体収集器を、上記媒体供給源および上記媒体収集器が実質的に垂直に配置され、上記媒体送達経路が少なくとも140度の角度を規定する動作時の向きに支持するための着脱式スタンドと、
を備える方法が提供される。
【0062】
さらなる態様においては、上記プリンタが、実質的に垂直向きの媒体供給源から供給されて印字後に実質的に垂直向きの媒体収集器へと送達される媒体の全幅にわたっての印字のため、少なくとも5000個の印字ノズルからなる2次元のアレイとして構成されたページ幅の印字ヘッドを備える卓上型のプリンタであり、上記媒体供給源と上記媒体収集器とが、上記プリンタの実質的に垂直に延びる本体の異なる側に設けられている方法が提供される。
【0063】
さらなる態様においては、上記プリンタが、実質的に垂直向きの媒体供給源から供給された媒体へと少なくとも毎秒5000万滴の速度で上記媒体の全幅にわたってインク滴を排出することによって印字を行い、印字済み媒体を実質的に垂直向きの印字媒体収集器へと送達するように構成されたページ幅の印字ヘッドとして構成されたインク排出ノズルのアレイを備える卓上型のプリンタであり、上記媒体供給源と上記媒体収集器とが、上記プリンタの実質的に垂直に延びる本体の異なる側に設けられている方法が提供される。
【0064】
第4の態様において、本発明は、プリンタから印字済み媒体のシートを収集するためのシステムであって、
媒体のシートへと画像を印字するための印字ヘッドを有する印刷エンジンであって、実質的に垂直な経路で上記印刷エンジンから上記印字済みシートを排出するように構成された出口を有する印刷エンジンと、
上記出口の下方に配置され、上記排出されたシートを収集するため上記実質的に垂直な経路に対して傾いた収集面と、上記収集面から突き出している足部分とを有する収集器と、
を備えており、
上記足部分が、上記排出されたシートの上記実質的に垂直な経路へと突き出すように構成され、上記シートの前縁に接触して上記実質的に垂直な経路における上記シートの動きを止めるように構成された接触面を有しており、上記接触面が、上記シートを収集のために上記収集面に向かって追いたてるように構成されているシステムを提供する。
【0065】
場合により、上記印字ヘッドが、ページ幅のインクジェット印字ヘッドである。
【0066】
場合により、上記収集面が、約10°〜15°だけ上記実質的に垂直な経路から傾けられている。
【0067】
場合により、上記足部分の上記接触面が、上記収集面の傾きに実質的に直交するように上記収集面から突き出している。
【0068】
場合により、上記収集面が、約10°〜15°だけ上記実質的に垂直な経路から傾けられることで、上記接触面が水平から約10°〜15°の角度を有する。
【0069】
場合により、上記収集面が、上記収集面上に収集された上記シートに上記実質的に垂直な経路に直交する横方向の曲率を付与するように構成されている。
【0070】
場合により、上記出口が上記足部分に対して、上記排出されたシートが重力により落下して上記実質的に垂直な経路をとることができるように配置されている。
【0071】
さらなる態様においては、
上記プリンタが、
印字のための媒体を供給するための媒体供給源と、
上記印字ヘッドを経由する上記媒体供給源から上記収集器までの送達経路を通って媒体を搬送するための搬送装置と、
を備えており、
上記媒体供給源および上記収集器が実質的に垂直に配置され、上記媒体の送達経路が少なくとも140°の角度を通過するシステムが提供される。
【0072】
さらなる態様においては、
上記プリンタが、
基部と、
少なくとも2つの実質的に垂直に延びる表面を有して、上記基部と上記印刷エンジンとを接続している実質的に垂直に延びる本体と、
を備えており、
媒体供給源が、上記本体の上記表面のうちの第1の表面に設けられ、上記収集器が、上記本体の上記表面のうちの第2の表面に設けられているシステムが提供される。
【0073】
さらなる態様においては、
上記印刷エンジンから印字済みシートを、上記シートが上記印刷エンジンから上記実質的に垂直な経路をとって落下するように排出するための手段と、
上記収集器上の上記シートへと、上記実質的に垂直な経路に実質的に直交する成分を有する拘束力を加えるための手段と、
をさらに備えるシステムが提供される。
【0074】
さらなる態様においては、上記実質的に垂直な収集面が、上記印刷エンジンから実質的に垂直な方向に送られる媒体の1つ以上のシートを収集して、上記1つ以上のシートを実質的に垂直な向きに保持するように構成されており、かつ収集した媒体に媒体の上記送りの方向に直交する横方向の曲率を付与するように構成されているシステムが提供される。
【0075】
さらなる態様においては、
複数の色の光を放射するように構成された光源と、
上記プリンタの表面に沿って延びる光伝達通路であって、上記光源からの光を伝達し、上記光を上記通路の長さに沿って放射するように構成されている光伝達通路と、
上記光伝達通路があらかじめ定義された上記プリンタの種々の状態を知らせるべくあらかじめ定義された種々の色を放射するよう、上記プリンタについて検出された動作状態に応答して上記光源を制御するように構成されたコントローラと、
をさらに備えるシステムが提供される。
【0076】
さらなる態様においては、
上記プリンタが、
印字のための上記印刷エンジンを有するハウジングと、
上記印刷エンジンによる印字のための媒体を収容するための媒体供給トレイであって、上記媒体が実質的に垂直な向きに保たれるように上記ハウジングに収容されるべく構成されている媒体供給トレイと、
上記ハウジングに設けられ、上記供給トレイが上記ハウジングに収容されたときに、媒体を上記実質的に垂直な向きに保持すべく媒体に接触するように構成されている保持部材と、
を備えるシステムが提供される。
【0077】
さらなる態様においては、
上記プリンタが、
印字のための媒体を供給するための媒体供給源と、
上記印字ヘッドを経由する上記媒体供給源から上記収集器への送達経路を通って媒体を搬送するための搬送装置と、
上記媒体供給源、上記印字ヘッド、および上記収集器を、上記媒体供給源および上記収集器が実質的に垂直に配置されて、上記媒体送達経路が少なくとも約140°の角度を規定する動作時の向きに支持するための着脱式スタンドと、
を備えるシステムが提供される。
【0078】
さらなる態様においては、実質的に垂直向きの媒体供給源から供給されて印字後に上記実質的に垂直向きの収集器へと送達される媒体の全幅にわたっての印字のため、少なくとも5000個の印字ノズルからなる2次元のアレイとして構成されたページ幅の印字ヘッドを備える卓上型のプリンタであって、上記媒体供給源と上記収集器とが、上記プリンタの実質的に垂直に延びる本体の異なる側に設けられている卓上型のプリンタから、印字済み媒体のシートを収集するためのシステムが提供される。
【0079】
さらなる態様においては、実質的に垂直向きの印字媒体供給源から供給された媒体へと少なくとも毎秒5000万滴の速度で上記媒体の全幅にわたってインク滴を排出することによって印字を行い、印字済み媒体を上記実質的に垂直向きの収集器へと送達するように構成されたページ幅の印字ヘッドとして構成されているインク排出ノズルのアレイを備える卓上型のプリンタであって、上記媒体供給源と上記収集器とが、上記プリンタの実質的に垂直に延びる本体の異なる側に設けられている卓上型のプリンタから、印字済み媒体のシートを収集するためのシステムが提供される。
【0080】
第5の態様において、本発明は、プリンタから送られる印字媒体を収集するための収集器であって、
上記プリンタから実質的に垂直な方向に送られる印字媒体の1つ以上のシートを収集して、上記1つ以上のシートを実質的に垂直な向きに保持するように構成された実質的に垂直な収集面を備えており、
上記収集面が、収集した印字媒体に印字媒体の上記送りの方向に直交する横方向の曲率を付与するように構成されている収集器を提供する。
【0081】
場合により、上記プリンタが、ページ幅のインクジェット印字ヘッドを有する。
【0082】
場合により、上記収集器が、上記収集面の長さに沿って上記収集面から突き出す複数のガイドリブを、印字媒体に上記横方向の曲率を付与すべく、中央に配置されたガイドリブが他のガイドリブよりも大きく上記収集面から突き出すように構成してさらに備える。
【0083】
場合により、上記複数のガイドリブのそれぞれが、上記収集した印字媒体を支持するため、上記収集面から上記収集面に対して実質的に直角に突き出す足部分を備える。
【0084】
場合により、上記収集面が、約10°〜15°だけ垂直から傾けられることで、上記足部分に、水平から約10〜15°の角度が与えられている。
【0085】
場合により、上記収集面が、上記収集した印字済みの印字媒体を実質的に直立した向きに保つ。
【0086】
場合により、上記収集面が、約10°〜15°だけ垂直から傾けられている。
【0087】
さらなる態様においては、
印字のための印字媒体を供給するための印字媒体供給源と、
上記印字媒体へと印字を行うための印字ヘッドと、
上記印字ヘッドを経由する上記印字媒体供給源から上記収集器への送達経路を通って印字媒体を搬送するための搬送装置と、
を備えるプリンタであって、
上記印字媒体供給源および上記収集器が、実質的に垂直に配置され、上記印字媒体の送達経路が、少なくとも140°の角度を通過しているプリンタに組み入れられている収集器が提供される。
【0088】
さらなる態様においては、
印字媒体供給源から供給される印字媒体へと印字を行って、上記印字済み媒体を上記収集器へと送達するためのプリンタであって、
基部と、
印字媒体へと画像を印字するための印刷エンジンと、
少なくとも2つの実質的に垂直に延びる表面を有して、上記基部と上記印刷エンジンとを接続している実質的に垂直に延びる本体と、
を備えており、
上記媒体供給源が、上記本体の上記表面のうちの第1の表面に設けられ、上記収集器が、上記本体の上記表面のうちの第2の表面に設けられているプリンタに組み入れられている収集器が提供される。
【0089】
さらなる態様においては、
上記プリンタから印字済みシートを、上記シートが実質的に垂直な経路をとって上記プリンタから落下するように排出するための手段と、
上記シートの前縁を捕捉するための手段と、
上記シートへと、上記実質的に垂直な経路に実質的に直交する成分を有する拘束力を加えるための手段と、
上記シートを、上記実質的に垂直な経路に対して傾いている上記収集面上へと収集する手段と、
をさらに備える収集器が提供される。
【0090】
さらなる態様においては、
上記プリンタから印字済みの印字媒体のシートを収集するためのシステムであって、
印字媒体のシートへと画像を印字するための印字ヘッドを有する印刷エンジンであって、実質的に垂直な経路で上記印刷エンジンから上記印字済み媒体のシートを排出するように構成された出口を有する印刷エンジンを有するシステムに組み入れられ、
上記収集器が、上記出口の下方に配置されるとともに、上記排出されたシートを収集するため上記実質的に垂直な経路に対して傾いた収集面と、上記収集面から突き出している足部分とを有しており、
上記足部分が、上記排出されたシートの上記実質的に垂直な経路へと突き出すように構成され、上記シートの前縁に接触して上記実質的に垂直な経路における上記シートの動きを止めるように構成された接触面を有しており、上記接触面が、上記シートを収集のために上記収集面に向かって追いたてるように構成されている収集器が提供される。
【0091】
さらなる態様においては、
複数の色の光を放射するように構成された光源と、
上記収集器の表面に沿って延びる光伝達通路であって、上記光源からの光を伝達し、上記光を上記通路の長さに沿って放射するように構成された光伝達通路と、
上記光伝達通路があらかじめ定義された上記プリンタの種々の状態を知らせるべくあらかじめ定義された種々の色を放射するよう、上記プリンタについて検出された動作状態に応答して上記光源を制御するように構成されたコントローラと、
をさらに備える収集器が提供される。
【0092】
さらなる態様においては、
印字のための印刷エンジンを有するハウジングと、
上記印刷エンジンによる印字のための印字媒体を収容するための印字媒体供給トレイであって、上記印字媒体が実質的に垂直な向きに保たれるように上記ハウジングに収容されるべく構成されている印字媒体供給トレイと、
上記ハウジングに設けられ、上記供給トレイが上記ハウジングに収容されたときに、印字媒体を上記実質的に垂直な向きに保持すべく印字媒体に接触するように構成されている保持部材と、
を備えるプリンタに組み入れられた収集器が提供される。
【0093】
さらなる態様においては、
印字のための印字媒体を供給するための印字媒体供給源と、
上記印字媒体へと印字を行うための印字ヘッドと、
上記印字ヘッドを経由する上記印字媒体供給源から上記収集器までの送達経路を通って印字媒体を搬送するための搬送装置と、
上記印字媒体供給源、上記印字ヘッド、および上記収集器を動作時の向きに支持するための着脱式のスタンドと、
を備えるプリンタであって、
上記印字媒体供給源および上記収集器が実質的に垂直に配置され、上記印字媒体の送達経路が少なくとも140°の角度を規定しているプリンタに組み入れられた収集器が提供される。
【0094】
さらなる態様においては、
実質的に垂直向きの印字媒体供給源から供給されて印字後に上記実質的に垂直向きの収集器へと送達される印字媒体の全幅にわたっての印字のため、少なくとも5000個の印字ノズルからなる2次元のアレイとして構成されたページ幅の印字ヘッドを備える卓上型のプリンタに組み入れられており、
上記印字媒体供給源と上記収集器とが、上記プリンタの実質的に垂直に延びる本体の異なる側に設けられている収集器が提供される。
【0095】
さらなる態様においては、
インク排出ノズルのアレイを備える卓上型のプリンタであって、上記インク排出ノズルのアレイが、実質的に垂直向きの印字媒体供給源から供給された印字媒体へと少なくとも毎秒5000万滴の速度で上記印字媒体の全幅にわたってインク滴を排出することによって印字を行い、印字済み媒体を上記実質的に垂直向きの収集器へと送達するように構成されたページ幅の印字ヘッドとして構成されている卓上型のプリンタに組み入れられており、
上記印字媒体供給源と上記収集器とが、上記プリンタの実質的に垂直に延びる本体の異なる側に設けられている収集器が提供される。
【0096】
第6の態様において、本発明は、プリンタの状態を知らせるためのシステムであって、
複数の色の光を放射するように構成された光源と、
プリンタの表面に沿って延びる光伝達通路であって、上記光源からの光を伝達し、上記光を上記通路の長さに沿って放射するように構成された光伝達通路と、
上記光伝達通路があらかじめ定義されたプリンタの種々の状態を知らせるべくあらかじめ定義された種々の色を放射するよう、プリンタについて検出された動作状態に応答して上記光源を制御するように構成されたコントローラと
を備えるシステムを提供する。
【0097】
場合により、上記プリンタが、ページ幅のインクジェット印字ヘッドを有する。
【0098】
場合により、上記光源が、上記複数の色を放射するための複数の光源を備える。
【0099】
さらなる態様においては、
上記プリンタが、印字媒体への印字のための印字ヘッドを経由して印字媒体供給源から印字媒体収集器へと印字媒体を搬送するための搬送装置を備えており、
上記プリンタのあらかじめ定義された種々の状態が、待機状態、印字状態、上記搬送装置における印字媒体の詰まり、上記印字媒体供給源における印字媒体の欠如、および上記印字ヘッドのインクの欠乏で構成されるグループから選択される状態を含むシステムが提供される。
【0100】
場合により、上記光伝達通路が、上記プリンタの本体の前面に設けられた光パイプである。
【0101】
さらなる態様においては、上記本体の上記前面が、ユーザーディスプレイインターフェイスを備えており、上記ユーザーディスプレイインターフェイスを介して上記システムのユーザーが上記プリンタの動作を制御することができるシステムが提供される。
【0102】
他の態様において、本発明は、プリンタの状態を知らせるためのシステムであって、
プリンタの種々の機能領域に対応してプリンタ上の複数の位置に配置された光放射部と、
上記光放射部を、上記光放射部の近傍の機能領域の状態を知らせる光を放射するように制御するためのコントローラと、
を備えるシステムを提供する。
【0103】
さらなる態様においては、
上記光放射部のそれぞれが、複数の色の光を放射するように構成されており、
上記コントローラが、上記光放射部のそれぞれを、プリンタの機能領域のあらかじめ定義された種々の状態を知らせるべくあらかじめ定義された種々の色を放射するように構成されているシステムが提供される。
【0104】
さらなる態様においては、上記プリンタの機能領域が、印字のための印字媒体を貯蔵するための印字媒体供給源、印字済みの印字媒体を収集するための印字媒体収集器、ならびに印字媒体への印字の実行および印字のための印字媒体供給源から印字媒体収集器への印字媒体の搬送のための印刷エンジン、で構成されるグループから選択される領域を含むシステムが提供される。
【0105】
さらなる態様においては、上記プリンタの機能領域のあらかじめ定義された種々の状態が、上記機能領域の待機状態、上記機能領域の印字状態、上記印刷エンジンにおける印字媒体の詰まり、上記印字媒体供給源における印字媒体の欠如、および上記印刷エンジンのインクの欠乏、で構成されるグループから選択される状態を含むシステムが提供される。
【0106】
さらなる態様においては、上記光放射部のそれぞれが、光源および上記プリンタの本体に配置された光伝達通路を備えており、上記光伝達通路が、上記光源からの光を伝達するとともに、上記光を上記光伝達通路の長さに沿って放射するシステムが提供される。
【0107】
場合により、上記光源が、上記複数の色を放射するための複数の光源を備える。
【0108】
さらなる態様においては、
上記プリンタがユーザーディスプレイインターフェイスを備え、上記ユーザーディスプレイインターフェイスを介して上記システムのユーザーが上記プリンタの動作を制御することができ、
上記コントローラが、上記プリンタの上記機能領域の状態についての知らせを表示するため、上記ユーザーディスプレイインターフェイスを制御するようにさらに構成されているシステムが提供される。
【0109】
他の態様において、本発明は、プリンタの状態を知らせる方法であって、
プリンタの種々の機能領域に対応するプリンタ上の複数の位置から光を放射するステップと、
上記機能領域の状態を知らせるため、上記光の放射を制御するステップと、
を備える方法を提供する。
【0110】
さらなる態様においては、
上記放射するステップが、複数の色の光を放射する工程を備えており、
上記制御するステップが、プリンタの機能領域のあらかじめ定義された種々の状態を知らせるべくあらかじめ定義された種々の色を放射するように、上記光の放射を制御する工程を備える方法が提供される。
【0111】
さらなる態様においては、上記プリンタの機能領域が、印字のための印字媒体を貯蔵するための印字媒体供給源、印字済みの印字媒体を収集するための印字媒体収集器、ならびに印字媒体への印字の実行および印字のための印字媒体供給源から印字媒体収集器への印字媒体の搬送のための印刷エンジン、で構成されるグループから選択される方法が提供される。
【0112】
さらなる態様においては、上記プリンタの機能領域のあらかじめ定義された種々の状態が、上記機能領域の待機状態、上記機能領域の印字状態、上記印刷エンジンにおける印字媒体の詰まり、上記印字媒体供給源における印字媒体の欠如、および上記印刷エンジンのインクの欠乏、で構成されるグループから選択される状態を含む方法が提供される。
【0113】
さらなる態様においては、
上記プリンタが、
印字のための印字媒体を供給するための印字媒体供給源と、
上記印字媒体へと印字を行うための印字ヘッドと、
上記印字済みの印字媒体を収集するための印字媒体収集器と、
上記印字ヘッドを経由する上記印字媒体供給源から上記印字媒体収集器までの送達経路を通って印字媒体を搬送するための搬送装置と、
を備えており、
上記印字媒体供給源および上記印字媒体収集器が実質的に垂直に配置され、上記印字媒体の送達経路が少なくとも140°の角度を通過するシステムが提供される。
【0114】
さらなる態様においては、
上記プリンタが、
基部と、
媒体へと画像を印字するための印刷エンジンと、
少なくとも2つの実質的に垂直に延びる表面を有し、上記基部と上記印刷エンジンとを接続する実質的に垂直に延びる本体と、
を備えており、
媒体供給源が、上記本体の上記表面のうちの第1の表面に設けられ、媒体収集器が、上記本体の上記表面のうちの第2の表面に設けられているシステムが提供される。
【0115】
さらなる態様においては、
上記プリンタが、
上記プリンタの印字ヘッドから印字済みシートを、上記シートが上記印字ヘッドから実質的に垂直な経路をとって落下するように排出するための手段と、
上記シートの前縁を捕捉するための手段と、
上記シートへと、上記実質的に垂直な経路に実質的に直交する成分を有する拘束力を加えるための手段と、
上記シートを、上記実質的に垂直な経路に対して傾いている収集面上へと収集するための手段と、
を備えるシステムが提供される。
【0116】
さらなる態様においては、プリンタから印字済み媒体のシートを収集するためのシステムに組み入れられており、
上記収集システムが、
媒体のシートへと画像を印字するための印字ヘッドを有する印刷エンジンであって、実質的に垂直な経路で上記印刷エンジンから上記印字済み媒体のシートを排出するように構成された出口を有する印刷エンジンと、
上記出口の下方に配置され、上記排出されたシートを収集するため上記実質的に垂直な経路に対して傾いた収集面と、上記収集面から突き出している足部分とを有する収集器と、
を備え、上記足部分が、上記排出されたシートの上記実質的に垂直な経路へと突き出すように構成され、上記シートの前縁に接触して上記実質的に垂直な経路における上記シートの動きを止めるように構成された接触面を有しており、上記接触面が、上記シートを収集のために上記収集面に向かって追いたてるように構成されているシステムが提供される。
【0117】
さらなる態様においては、プリンタから送られる印字媒体を収集するための収集器に組み入れられており、
上記収集器が、上記プリンタから実質的に垂直な方向に送られる印字媒体の1つ以上のシートを収集して、上記1つ以上のシートを実質的に垂直な向きに保持するように構成された実質的に垂直な収集面を備えており、上記収集面が、収集した印字媒体に上記印字媒体の上記送り方向に直交する横方向の曲率を付与するように構成されているシステムが提供される。
【0118】
さらなる態様においては、
印字のための印刷エンジンを有するハウジングと、
上記印刷エンジンによる印字のための印字媒体を収容するための印字媒体供給トレイであって、上記印字媒体が実質的に垂直な向きに保たれるように上記ハウジングに収容されるべく構成されている印字媒体供給トレイと、
上記ハウジングに設けられ、上記供給トレイが上記ハウジングに収容されたときに、印字媒体を上記実質的に垂直な向きに保持すべく印字媒体に接触するように構成されている保持部材と、
を備えるプリンタに組み入れられたシステムが提供される。
【0119】
さらなる態様においては、
印字のための印字媒体を供給するための印字媒体供給源と、
上記印字媒体へと印字を行うための印字ヘッドと、
上記印字済みの印字媒体を収集するための印字媒体収集器と、
上記印字ヘッドを経由する上記印字媒体供給源から上記印字媒体収集器までの送達経路を通って印字媒体を搬送するための搬送装置と、
上記印字媒体供給源、上記印字ヘッド、および上記印字媒体収集器を動作時の向きに支持するための着脱式のスタンドと、
を備えるプリンタであって、
上記印字媒体供給源および上記印字媒体収集器が実質的に垂直に配置され、上記印字媒体の送達経路が少なくとも140°の角度を規定しているプリンタに組み入れられたシステムが提供される。
【0120】
さらなる態様においては、
実質的に垂直向きの媒体供給源から供給されて印字後に実質的に垂直向きの媒体収集器へと送達される媒体の全幅にわたっての印字のため、少なくとも5000個の印字ノズルからなる2次元のアレイとして構成されたページ幅の印字ヘッドを備える卓上型のプリンタであって、
上記媒体供給源と上記収集器とが、上記プリンタの実質的に垂直に延びる本体の異なる側に設けられている卓上型のプリンタに組み入れられているシステムが提供される。
【0121】
さらなる態様においては、
インク排出ノズルのアレイを備える卓上型のプリンタであって、上記インク排出ノズルのアレイが、実質的に垂直向きの媒体供給源から供給された媒体へと少なくとも毎秒5000万滴の速度で上記媒体の全幅にわたってインク滴を排出することによって印字を行って、印字済み媒体を実質的に垂直向きの媒体収集器へと送達するように構成されたページ幅の印字ヘッドとして構成され、上記媒体供給源と上記収集器とが、上記プリンタの実質的に垂直に延びる本体の異なる側に設けられている卓上型のプリンタに組み入れられているシステムが提供される。
【0122】
第7の態様において、本発明は、印字媒体の表面へと画像を印字するための印字装置であって、
印字のための印刷エンジンを有するハウジングと、
上記印刷エンジンによる印字のための印字媒体を収容するための印字媒体供給トレイであって、上記印字媒体が実質的に垂直な向きに保たれるように上記ハウジングに収容されるべく構成されている印字媒体供給トレイと、
上記ハウジングに設けられ、上記供給トレイが上記ハウジングに収容されたときに、印字媒体を上記実質的に垂直な向きに保持すべく印字媒体に接触するように構成されている保持部材と、
を有する印字装置を提供する。
【0123】
場合により、上記印刷エンジンが、ページ幅のインクジェット印字ヘッドを有する。
【0124】
場合により、上記保持部材が、上記ハウジングから突き出す少なくとも1つの弾性ホイル部材を備える。
【0125】
場合により、上記供給トレイが、種々のサイズの印字媒体を貯蔵すべく調節可能であり、上記保持部材が、上記供給トレイに貯蔵される種々のサイズの印字媒体を保持するようにそれぞれ構成された複数の上記弾性ホイル部材を備える。
【0126】
場合により、上記供給トレイが、約15°〜20°の角度だけ垂直に対して傾けられている。
【0127】
さらなる態様においては、上記貯蔵した印字媒体のシートを印字のために上記供給トレイから上記印刷エンジンの印字ヘッドへと搬送するための印字媒体搬送システムをさらに備えており、上記保持部材が、上記貯蔵した印字媒体の最上位のシートを上記搬送システムのローラーに抗して保持するようにさらに構成されている印字装置が提供される。
【0128】
さらなる態様においては、
上記印字媒体へと印字を行うための上記印刷エンジン内の印字ヘッドと、
上記印字済みの印字媒体を収集するための印字媒体収集器と、
上記印字ヘッドを経由する上記印字媒体供給源から上記印字媒体収集器までの送達経路を通って印字媒体を搬送するための搬送装置と、
をさらに備えており、
印字媒体供給トレイおよび上記収集器が実質的に垂直に配置され、上記印字媒体の送達経路が少なくとも140°の角度を通過する印字装置が提供される。
【0129】
さらなる態様においては、
基部と、
少なくとも2つの実質的に垂直に延びる表面を有して、上記基部と上記印刷エンジンとを接続する実質的に垂直に延びる本体と、
をさらに備えており、
上記印字媒体供給トレイが、上記本体の上記表面のうちの第1の表面に設けられ、上記印字媒体収集器が、上記本体の上記表面のうちの第2の表面に設けられている印字装置が提供される。
【0130】
さらなる態様においては、
上記印刷エンジンから印字済みシートを、上記シートが上記印刷エンジンから実質的に垂直な経路をとって落下するように排出するための手段と、
上記シートの前縁を捕捉するための手段と、
上記シートへと、上記実質的に垂直な経路に実質的に直交する成分を有する拘束力を加えるための手段と、
上記シートを、上記実質的に垂直な経路に対して傾いている収集面上へと収集するための手段と、
をさらに備える印字装置が提供される。
【0131】
さらなる態様においては、
上記印刷エンジンが、印字媒体のシートへと画像を印字するための印字ヘッド、および実質的に垂直な経路で上記印刷エンジンから上記印字済みシートを排出するように構成された出口を有しており、
上記印字装置が、
上記出口の下方に配置され、上記排出されたシートを収集するため上記実質的に垂直な経路に対して傾いた収集面と、上記収集面から突き出している足部分とを有する収集器、をさらに備えており、
上記足部分が、上記排出されたシートの上記実質的に垂直な経路へと突き出すように構成され、上記シートの前縁に接触して上記実質的に垂直な経路における上記シートの動きを止めるように構成された接触面を有しており、上記接触面が、上記シートを収集のために上記収集面に向かって追いたてるように構成されている印字装置が提供される。
【0132】
さらなる態様においては、印字装置から送られる印字媒体を収集するための収集器をさらに備えており、上記収集器が、
上記印字装置から実質的に垂直な方向に送られる印字媒体の1つ以上のシートを収集して、上記1つ以上のシートを実質的に垂直な向きに保持するように構成された実質的に垂直な収集面を備えており、
上記収集面が、収集した印字媒体に印字媒体の上記送りの方向に直交する横方向の曲率を付与するように構成されている印字装置が提供される。
【0133】
さらなる態様においては、
複数の色の光を放射するように構成された光源と、
上記印字装置の面に沿って延びる光伝達通路であって、上記光源からの光を伝達し、上記光を上記通路の長さに沿って放射するように構成された光伝達通路と、
上記光伝達通路があらかじめ定義された上記印字装置の種々の状態を知らせるべくあらかじめ定義された種々の色を放射するよう、上記印字装置について検出された動作状態に応答して上記光源を制御するように構成されたコントローラと、
をさらに備える印字装置が提供される。
【0134】
さらなる態様においては、
上記印刷エンジンの印字ヘッドから印字済みの印字媒体を収集するための印字媒体収集器と、
上記印字ヘッドを経由する上記印字媒体供給トレイから上記印字媒体収集器までの送達経路を通って印字媒体を搬送するための搬送装置と、
上記印字媒体供給トレイ、上記印刷エンジン、および上記印字媒体収集器を動作時の向きに支持するための着脱式のスタンドと、
をさらに備えており、
上記印字媒体供給トレイおよび上記印字媒体収集器が、実質的に垂直に配置され、上記印字媒体の送達経路が、少なくとも140°の角度を規定している印字装置が提供される。
【0135】
さらなる態様においては、卓上型のプリンタとして構成され、
上記印刷エンジンが、上記実質的に垂直向きの印字媒体供給トレイから供給されて印字後に実質的に垂直向きの印字媒体収集器へと送達される印字媒体の全幅にわたっての印字のため、少なくとも5000個の印字ノズルからなる2次元のアレイとして構成されたページ幅の印字ヘッドを備えており、
上記印字媒体供給トレイと上記収集器とが、上記プリンタの実質的に垂直に延びる本体の異なる側に設けられている印字装置が提供される。
【0136】
さらなる態様においては、卓上型のプリンタとして構成され、
上記印刷エンジンが、インク排出ノズルのアレイを備えており、上記インク排出ノズルのアレイが、上記実質的に垂直向きの印字媒体供給トレイから供給された印字媒体へと少なくとも毎秒5000万滴の速度で上記印字媒体の全幅にわたってインク滴を排出することによって印字を行い、印字済み媒体を実質的に垂直向きの印字媒体収集器へと送達するように構成されたページ幅の印字ヘッドとして構成されており、
上記印字媒体供給トレイと上記収集器とが、上記プリンタの実質的に垂直に延びる本体の異なる側に設けられている印字装置が提供される。
【0137】
第8の態様において、本発明は、
印字のための印字媒体を供給するための印字媒体供給源と、
上記印字媒体へと印字を行うための印字ヘッドと、
上記印字済みの印字媒体を収集するための印字媒体収集器と、
上記印字ヘッドを経由する上記印字媒体供給源から上記印字媒体収集器までの送達経路を通って印字媒体を搬送するための搬送装置と、
上記印字媒体供給源、上記印字ヘッド、および上記印字媒体収集器を、上記印字媒体供給源および上記印字媒体収集器が実質的に垂直に配置される動作時の向きに支持するための着脱式のスタンドと、
を備えており、
上記印字媒体の送達経路が、少なくとも140°の角度を規定しているプリンタを提供する。
【0138】
場合により、上記印字ヘッドが、ページ幅のインクジェット印字ヘッドである。
【0139】
場合により、上記スタンドが、
下部フレーム部と、
上記下部フレーム部から実質的に垂直に延びるよう、上記下部フレーム部によって支持された本体フレーム部と、
上記本体フレーム部の上に設けられ、上記プリンタの残りの部分と入れ子構成によって着脱可能につながるように形作られた上部フレーム部と、
を備える。
【0140】
場合により、上記本体フレーム部が、印字媒体を貯蔵するための少なくとも1つの印字媒体トレイを含む。
【0141】
場合により、上記足部分および上記本体フレーム部が、上記プリンタの占有面積を実質的に維持するように構成されている。
【0142】
場合により、上記本体フレーム部が、上記プリンタへの接続のための外部装置用ケーブルを収容するためのハウジングを含む。
【0143】
さらなる態様においては、
基部と、
印字媒体へと画像を印字するための上記印字ヘッドを組み入れている印刷エンジンと、
少なくとも2つの実質的に垂直に延びる表面を有して、上記基部と上記印刷エンジンとを接続している実質的に垂直に延びる本体と、
をさらに備えており、
上記印字媒体供給源が、上記本体の上記表面のうちの第1の表面に設けられ、上記印字媒体収集器が、上記本体の上記表面のうちの第2の表面に設けられているプリンタが提供される。
【0144】
さらなる態様においては、
上記印字ヘッドから印字済みシートを、上記シートが実質的に垂直な経路をとって上記印字ヘッドから落下するように排出するための手段と、
上記シートの前縁を捕捉するための手段と、
上記シートへと、上記実質的に垂直な経路に実質的に直交する成分を有する拘束力を加えるための手段と、
上記シートを、上記実質的に垂直な経路に対して傾いている収集面上に収集するための手段と、
をさらに備えるプリンタが提供される。
【0145】
さらなる態様においては、
印字媒体のシートへと画像を印字するための印字ヘッドを有する印刷エンジンであって、実質的に垂直な経路で上記印刷エンジンから上記印字済み媒体のシートを排出するように構成された出口を有する印刷エンジン
をさらに備えており、
上記印字媒体収集器が、上記出口の下方に配置されるとともに、上記排出されたシートを収集するための上記実質的に垂直な経路に対して傾いた収集面と、上記収集面から突き出している足部分とを有しており、
上記足部分が、上記排出されたシートの上記実質的に垂直な経路へと突き出すように構成され、上記シートの前縁に接触して上記実質的に垂直な経路における上記シートの動きを止めるように構成された接触面を有しており、上記接触面が、上記シートを収集のために上記収集面に向かって追いたてるように構成されているプリンタが提供される。
【0146】
さらなる態様においては、
上記印字媒体収集器が、上記印字ヘッドから実質的に垂直な方向に送られる印字媒体の1つ以上のシートを収集して、上記1つ以上のシートを実質的に垂直な向きに保持するように構成された実質的に垂直な収集面を備えており、
上記収集面が、収集した印字媒体に印字媒体の上記送りの方向に直交する横方向の曲率を付与するように構成されているプリンタが提供される。
【0147】
さらなる態様においては、上記プリンタの状態を知らせるためのシステムを組み入れており、上記システムが、
複数の色の光を放射するように構成された光源と、
上記プリンタの表面に沿って延びる光伝達通路であって、上記光源からの光を伝達し、上記光を上記通路の長さに沿って放射するように構成された光伝達通路と、
上記光伝達通路があらかじめ定義された上記プリンタの種々の状態を知らせるべくあらかじめ定義された種々の色を放射するよう、上記プリンタについて検出された動作状態に応答して上記光源を制御するように構成されたコントローラと、
を備えるプリンタが提供される。
【0148】
さらなる態様においては、
上記印字ヘッドを備える印刷エンジンを有するハウジングと、
上記印刷エンジンによる印字のための印字媒体を収容すべく上記印字媒体供給源に組み入れられた印字媒体供給トレイであって、上記印字媒体が実質的に垂直な向きに保たれるように上記ハウジングに収容されるべく構成されている印字媒体供給トレイと、
上記ハウジングに設けられ、上記供給トレイが上記ハウジングに収容されたときに、印字媒体を上記実質的に垂直な向きに保持すべく印字媒体に接触するように構成されている保持部材と、
をさらに備えるプリンタが提供される。
【0149】
さらなる態様においては、卓上型のプリンタとして構成され、
上記印字ヘッドが、上記実質的に垂直向きの印字媒体供給源から供給されて印字後に上記実質的に垂直向きの印字媒体収集器へと送達される印字媒体の全幅にわたっての印字のため、少なくとも5000個の印字ノズルからなる2次元のアレイとして構成されたページ幅の印字ヘッドであり、
上記印字媒体供給源と上記収集器とが、上記プリンタの実質的に垂直に延びる本体の異なる側に設けられているプリンタが提供される。
【0150】
さらなる態様においては、卓上型のプリンタとして構成され、
上記印字ヘッドが、インク排出ノズルのアレイを有しており、上記インク排出ノズルのアレイが、上記実質的に垂直向きの印字媒体供給源から供給された印字媒体へと少なくとも毎秒5000万滴の速度で上記印字媒体の全幅にわたってインク滴を排出することによって印字を行い、印字済み媒体を上記実質的に垂直向きの印字媒体収集器へと送達するように構成されたページ幅の印字ヘッドとして構成されており、
上記印字媒体供給源と上記収集器とが、上記プリンタの実質的に垂直に延びる本体の異なる側に設けられているプリンタが提供される。
【0151】
第9の態様において、本発明は、卓上型のプリンタであって、実質的に垂直向きの媒体供給源から供給されて印字後に実質的に垂直向きの媒体収集器へと送達される媒体の全幅にわたっての印字のため、少なくとも5000個の印字ノズルからなる2次元のアレイとして構成されたページ幅の印字ヘッドを備えており、
上記媒体供給源と収集器とが、上記プリンタの実質的に垂直に延びる本体の異なる側に設けられている卓上型のプリンタを提供する。
【0152】
場合により、上記ページ幅の印字ヘッドが、上記媒体の全幅にわたっての印字のため、少なくとも10,000個の印字ノズルからなる2次元のアレイとして構成されている。
【0153】
場合により、上記ページ幅の印字ヘッドが、上記媒体の全幅にわたっての印字のため、少なくとも20,000個の印字ノズルからなる2次元のアレイとして構成されている。
【0154】
場合により、上記ページ幅の印字ヘッドが、上記媒体の全幅にわたっての印字のため、少なくとも50,000個の印字ノズルからなる2次元のアレイとして構成されている。
【0155】
場合により、上記媒体供給源が、約15°〜20°の角度だけ垂直に対して傾けられている。
【0156】
場合により、上記媒体収集器が、約10°〜15°の角度だけ垂直に対して傾けられている。
【0157】
さらなる態様においては、
基部と、
上記ページ幅の印字ヘッドを組み入れている印刷エンジンと
をさらに備えており、
上記実質的に垂直に延びる本体が、上記基部と上記印刷エンジンとを接続しているプリンタが提供される。
【0158】
さらなる態様においては、上記本体の上記媒体供給源が設けられている方の側が、上記本体の上記媒体収集器が設けられている方の側の反対側であるプリンタが提供される。
【0159】
場合により、上記印刷エンジンが、上記本体の上部に設けられている。
【0160】
さらなる態様においては、上記媒体供給源が、印字のための媒体を貯蔵するための入力トレイを、上記本体の上記媒体供給源が設けられている方の側によって形成された上記本体の受入部に、ヒンジ式で収容されるように構成して備えるプリンタが提供される。
【0161】
さらなる態様においては、上記印刷エンジンが、上記ページ幅の印字ヘッドを経由して上記媒体供給源から上記媒体収集器まで媒体を搬送するための媒体搬送システムを備えるプリンタが提供される。
【0162】
さらなる態様においては、上記基部が、上記印刷エンジンへと電力およびデータを供給するため、外部の電源およびデータソースへの接続のための電源コネクタおよびデータコネクタを備えるプリンタが提供される。
【0163】
さらなる態様においては、上記印字ヘッドを経由する上記媒体供給源から上記媒体収集器までの送達経路を通って媒体を搬送するための搬送装置をさらに備えており、上記印字媒体の送達経路が、少なくとも140°の角度を通過する卓上型のプリンタが提供される。
【0164】
さらなる態様においては、基部と、媒体へと画像を印字するため上記印字ヘッドを有する印刷エンジンとをさらに有しており、
上記実質的に垂直に延びる本体が、上記基部と上記印刷エンジンとを接続するとともに、少なくとも2つの実質的に垂直に延びる表面を有しており、
上記媒体供給源が、上記本体の上記表面のうちの第1の表面に設けられ、上記媒体収集器が、上記本体の上記表面のうちの第2の表面に設けられている卓上型のプリンタが提供される。
【0165】
さらなる態様においては、
上記印字ヘッドから印字済みシートを、上記シートが実質的に垂直な経路をとって上記印字ヘッドから落下するように排出するための手段と、
上記シートの前縁を捕捉するための手段と、
上記シートへと、上記実質的に垂直な経路に実質的に直交する成分を有する拘束力を加えるための手段と、
上記シートを、上記実質的に垂直な経路に対して傾いている保持面上に収集するための手段と、
をさらに備える卓上型のプリンタが提供される。
【0166】
さらなる態様においては、
媒体のシートへと画像を印字するため上記印字ヘッドを有する印刷エンジンであって、実質的に垂直な経路で上記印刷エンジンから上記印字済み媒体のシートを排出するように構成された出口を有する印刷エンジン
をさらに備えており、
上記媒体収集器が、上記出口の下方に配置されるとともに、上記排出されたシートを収集するため上記実質的に垂直な経路に対して傾いた収集面と、上記収集面から突き出している足部分とを有しており、
上記足部分が、上記排出されたシートの上記実質的に垂直な経路へと突き出すように構成され、上記シートの前縁に接触して上記実質的に垂直な経路における上記シートの動きを止めるように構成された接触面を有しており、上記接触面が、上記シートを収集のために上記収集面に向かって追いたてるように構成されている卓上型のプリンタが提供される。
【0167】
さらなる態様においては、
上記媒体収集器が、上記印字ヘッドから実質的に垂直な方向に送られる媒体の1つ以上のシートを収集して、上記1つ以上のシートを実質的に垂直な向きに保持するように構成された実質的に垂直な収集面を備えており、
上記収集面が、収集した媒体に上記媒体の上記送り方向に直交する横方向の曲率を付与するように構成されている卓上型のプリンタが提供される。
【0168】
さらなる態様においては、上記プリンタの状態を知らせるためのシステムを組み入れており、上記システムが、
複数の色の光を放射するように構成された光源と、
上記プリンタの表面に沿って延びる光伝達通路であって、上記光源からの光を伝達し、上記光を上記通路の長さに沿って放射するように構成された光伝達通路と、
上記光伝達通路があらかじめ定義された上記プリンタの種々の状態を知らせるべくあらかじめ定義された種々の色を放射するよう、上記プリンタについて検出された動作状態に応答して上記光源を制御するように構成されたコントローラと、
を備える卓上型のプリンタが提供される。
【0169】
さらなる態様においては、
上記印字ヘッドを備える印刷エンジンを有するハウジングと、
上記印刷エンジンによる印字のための媒体を収容すべく上記媒体供給源に組み入れられた媒体供給トレイであって、上記媒体が実質的に垂直な向きに保たれるように上記ハウジングに収容されるべく構成されている媒体供給トレイと、
上記ハウジングに設けられ、上記供給トレイが上記ハウジングに収容されたときに、媒体を上記実質的に垂直な向きに保持すべく媒体に接触するように構成されている保持部材と、
をさらに備える卓上型のプリンタが提供される。
【0170】
さらなる態様においては、
上記印字ヘッドを経由する上記媒体供給源から上記媒体収集器までの送達経路を通って媒体を搬送するための搬送装置と、
上記媒体供給源、上記印字ヘッド、および上記媒体収集器を動作時の向きに支持するための着脱式のスタンドと、
をさらに備えており、
上記媒体の送達経路が少なくとも140°の角度を規定している卓上型のプリンタが提供される。
【0171】
さらなる態様においては、上記印字ノズルが、少なくとも毎秒5000万滴の速度で上記媒体の全幅にわたってインク滴を排出することによって媒体へと印字を行うように構成されている卓上型のプリンタが提供される。
【0172】
第10の態様において、本発明は、卓上型のプリンタであって、インク排出ノズルのアレイを備えており、上記インク排出ノズルのアレイが、実質的に垂直向きの媒体供給源から供給された媒体へと少なくとも毎秒5000万滴の速度で上記媒体の全幅にわたってインク滴を排出することによって印字を行って、印字済み媒体を実質的に垂直向きの印字媒体収集器へと送達するように構成されたページ幅の印字ヘッドとして構成されており、
上記媒体供給源と収集器とが、上記プリンタの実質的に垂直に延びる本体の異なる側に設けられている卓上型のプリンタを提供する。
【0173】
場合により、上記インク排出ノズルのアレイが、少なくとも毎秒1億滴の速度で上記媒体の全幅にわたってインク滴を排出するように構成されている。
【0174】
場合により、上記インク排出ノズルのアレイが、少なくとも毎秒3億滴の速度で上記媒体の全幅にわたってインク滴を排出するように構成されている。
【0175】
場合により、上記インク排出ノズルのアレイが、少なくとも毎秒10億滴の速度で上記媒体の全幅にわたってインク滴を排出するように構成されている。
【0176】
場合により、上記媒体供給源が、約15°〜20°の角度だけ垂直に対して傾けられている。
【0177】
場合により、上記媒体収集器が、約10°〜15°の角度だけ垂直に対して傾けられている。
【0178】
さらなる態様においては、
基部と、
上記ページ幅の印字ヘッドを組み入れている印刷エンジンと
をさらに備えており、
上記本体が、上記基部と上記印刷エンジンとを接続しているプリンタが提供される。
【0179】
場合により、上記本体の上記媒体供給源が設けられている方の側が、上記本体の上記媒体収集器が設けられている方の側の反対側である。
【0180】
場合により、上記印刷エンジンが、上記本体の上部に設けられている。
【0181】
場合により、上記媒体供給源が、印字のための媒体を貯蔵するための入力トレイを、上記本体の上記媒体供給源が設けられている方の側によって形成された上記本体の受入部に、ヒンジ式で収容されるように構成して備える。
【0182】
場合により、上記印刷エンジンが、上記ページ幅の印字ヘッドを経由して上記媒体供給源から上記媒体収集器まで媒体を搬送するための媒体搬送システムを備える。
【0183】
場合により、上記基部が、上記印刷エンジンへと電力およびデータを供給するため、外部の電源およびデータソースへの接続のための電源コネクタおよびデータコネクタを備える。
【0184】
さらなる態様においては、上記印字ヘッドを経由する上記媒体供給源から上記媒体収集器までの送達経路を通って媒体を搬送するための搬送装置をさらに備えており、上記印字媒体の送達経路が、少なくとも140°の角度を通過する卓上型のプリンタが提供される。
【0185】
さらなる態様においては、
基部と、媒体へと画像を印字するため上記印字ヘッドを有する印刷エンジンとをさらに有しており、
上記実質的に垂直に延びる本体が、上記基部と上記印刷エンジンとを接続するとともに、少なくとも2つの実質的に垂直に延びる表面を有しており、
上記媒体供給源が、上記本体の上記表面のうちの第1の表面に設けられ、上記媒体収集器が、上記本体の上記表面のうちの第2の表面に設けられている卓上型のプリンタが提供される。
【0186】
さらなる態様においては、
上記印字ヘッドから印字済みシートを、上記シートが実質的に垂直な経路をとって上記印字ヘッドから落下するように排出するための手段と、
上記シートの前縁を捕捉するための手段と、
上記シートへと、上記実質的に垂直な経路に実質的に直交する成分を有する拘束力を加えるための手段と、
上記シートを、上記実質的に垂直な経路に対して傾いている保持面上に収集するための手段と、
をさらに備える卓上型のプリンタが提供される。
【0187】
さらなる態様においては、
媒体のシートへと画像を印字するため上記印字ヘッドを有する印刷エンジンであって、実質的に垂直な経路で上記印刷エンジンから上記印字済み媒体のシートを排出するように構成された出口を有する印刷エンジン
をさらに備えており、
上記媒体収集器が、上記出口の下方に配置されるとともに、上記排出されたシートを収集するため上記実質的に垂直な経路に対して傾いた収集面と、上記収集面から突き出している足部分とを有しており、
上記足部分が、上記排出されたシートの上記実質的に垂直な経路へと突き出すように構成され、上記シートの前縁に接触して上記実質的に垂直な経路における上記シートの動きを止めるように構成された接触面を有しており、上記接触面が、上記シートを収集のために上記収集面に向かって追いたてるように構成されている卓上型のプリンタが提供される。
【0188】
さらなる態様においては、
上記媒体収集器が、上記印字ヘッドから実質的に垂直な方向に送られる媒体の1つ以上のシートを収集して、上記1つ以上のシートを実質的に垂直な向きに保持するように構成された実質的に垂直な収集面を備えており、
上記収集面が、収集した媒体に上記媒体の上記送り方向に直交する横方向の曲率を付与するように構成されている卓上型のプリンタが提供される。
【0189】
さらなる態様においては、上記プリンタの状態を知らせるためのシステムを組み入れており、上記システムが、
複数の色の光を放射するように構成された光源と、
上記プリンタの表面に沿って延びる光伝達通路であって、上記光源からの光を伝達し、上記光を上記通路の長さに沿って放射するように構成された光伝達通路と、
上記光伝達通路があらかじめ定義された上記プリンタの種々の状態を知らせるべくあらかじめ定義された種々の色を放射するよう、上記プリンタについて検出された動作状態に応答して上記光源を制御するように構成されたコントローラと、
を備える卓上型のプリンタが提供される。
【0190】
さらなる態様においては、
上記印字ヘッドを備える印刷エンジンを有するハウジングと、
上記印刷エンジンによる印字のための媒体を収容すべく上記媒体供給源に組み入れられた媒体供給トレイであって、上記媒体が実質的に垂直な向きに保たれるように上記ハウジングに収容されるべく構成されている媒体供給トレイと、
上記ハウジングに設けられ、上記供給トレイが上記ハウジングに収容されたときに、媒体を上記実質的に垂直な向きに保持すべく媒体に接触するように構成されている保持部材と、
をさらに備える卓上型のプリンタが提供される。
【0191】
さらなる態様においては、
上記印字ヘッドを経由する上記媒体供給源から上記媒体収集器までの送達経路を通って媒体を搬送するための搬送装置と、
上記媒体供給源、上記印字ヘッド、および上記媒体収集器を動作時の向きに支持するための着脱式のスタンドと、
をさらに備えており、
上記媒体の送達経路が少なくとも140°の角度を規定している卓上型のプリンタが提供される。
【0192】
さらなる態様においては、上記インク排出ノズルのアレイが、媒体の全幅にわたっての印字のための少なくとも5000個のインク排出ノズルからなる2次元のアレイとして構成されている卓上型のプリンタが提供される。
【発明の効果】
【0193】
本発明は、高速プリンタに関し、さらに詳しくは、占有する空間の大きさが最小限でありながら高品質で毎分30ページ以上を印字できる卓上型のプリンタからの印字出力物を収集する方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0194】
【図1】本発明の一実施の形態によるプリンタの斜視図である。
【図2】図1のプリンタの正面図である。
【図3】図1のプリンタの背面図である。
【図4】印字媒体ソーストレイアセンブリおよび基部ユニットを示す図1のプリンタの背面の斜視図である。
【図5】開放された位置にある図4の印字媒体ソーストレイアセンブリを示す図である。
【図6】図1のプリンタのハウジングおよびヘッドユニットの構成部品を示す図である。
【図7】図1のプリンタの種々の構成部品を示す分解図である。
【図8】A4の印字媒体が装填された図4の印字媒体ソーストレイアセンブリを示す図である。
【図9】図8の印字媒体ソーストレイアセンブリの分解図である。
【図10】写真印字媒体が装填された図4の印字媒体ソーストレイアセンブリを示す図である。
【図11】印字媒体ソーストレイアセンブリを取り除いた図4のプリンタを示す図である。
【図12】図11のプリンタにおいてホイル部材を取り除いてWIFIおよびBluetooth(登録商標)カード部品を示す図である。
【図13】図2の線A−Aに沿ったプリンタの断面図である。
【図14】プリンタのピッカーアセンブリの動作時の位置を、図10の印字媒体ソーストレイアセンブリに対して示す図である。
【図15】図13に示したプリンタの上部の構成部品を、図14のピッカーアセンブリを通過する印字媒体ソーストレイアセンブリに保持された印字媒体の積層からの最上位のシートの経路に関して、さらに詳しく示す図である。
【図16】カートリッジユニットが図6のプリンタから取り除かれた場合の開放位置のヘッドユニットを示す図である。
【図17】カートリッジユニットが配置されカートリッジユニットに補充カートリッジが適用された図16の開放状態のヘッドユニットをさらに詳しく示す図である。
【図18】図1のプリンタによって実行される印字媒体の収集およびプリンタの展張可能な支持部材を示す図である。
【図19】図1のプリンタの上面図である。
【図20】本発明の一実施の形態によるプリンタの上部の構成部品を断面で示し手動で供給される印字媒体シートの経路を説明するための図である。
【図21】図20のプリンタの上面図である。
【図22】図1のプリンタの側面図である。
【図23】図1のプリンタの印刷エンジンアセンブリから出る印字媒体のシートの位置を示す図である。
【図24】図1の印刷エンジンの光パイプを示す図である。
【図25】本発明の一実施の形態によるプリンタの斜視図である。
【図26】カバーを取り除いた図4の基部を示す図である。
【図27】図1のプリンタの底面図である。
【図28】スタンドアセンブリ上に配置された図1のプリンタを示す図である。
【図29】図28のスタンドアセンブリ上に配置されたプリンタの背面斜視図である。
【図30】図1のプリンタの印字ヘッドに組み入れられた印字ヘッド集積回路について、そのノズルシステムの一部分の(部分断面の)斜視図である。
【図31】静止状態にある(図30に示したノズルシステムのうちの)単一のノズルの垂直断面図である。
【図32】初期の動作状態にある図31のノズルの垂直断面図である。
【図33】後期の動作状態にある図32のノズルの垂直断面図である。
【図34】図32に示した初期の動作状態にあるノズルについて、部分縦段面を斜視によって示す図である。
【図35】図33に示した後期の動作状態にあるノズルについて、部分縦段面を斜視によって示す図である。
【図36】図1のプリンタにおける文書データの流れの概略図である。
【図37】図36において使用されるページ要素のデータ表現を示す図である。
【図38】図36において使用されるアーキテクチャを示すさらに詳細な概略図である。
【図39】図1のプリンタの印刷エンジンアセンブリに組み入れられたコントローラの概略図である。
【図40】図36において使用するためのCMOS駆動および制御ブロックを説明する概略図である。
【図41】ノズル列と図40のCMOSブロックのドットシフトレジスタとの間の関係を説明する概略図である。
【図42】単位セル、ならびにその図41のノズル列およびドットシフトレジスタに対する関係を説明するさらに詳細な概略図である。
【図43】図36の単一のノズルについてのロジックを説明する回路図である。
【図44】図1のプリンタの印刷エンジンアセンブリから解放された印字媒体のシートの位置を示す図である。
【図45】図24の光パイプの光源を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0195】
本発明によるプリンタ100が、図1〜7に種々に示されている。プリンタ100は、ハウジング101、ヘッドユニット102、および印字媒体ソーストレイアセンブリ103を備える。
【0196】
ハウジング101は、プリンタ100の実質的に垂直に延びる本体として設けられ、上部104および下部105を備える反転L字形状を有する。上部104は、ピッカーアセンブリ106および印刷エンジンアセンブリ107(図6および7を参照)を収容するように構成され、ピッカーアセンブリ106および印刷エンジンアセンブリ107が協働し、プリンタ100の印字媒体の源または供給源として機能する印字媒体ソーストレイアセンブリ103から、印刷エンジンアセンブリ107の印字機(後述)まで、印字媒体を搬送する印字媒体搬送システムをもたらしている。下部105は、印字媒体収集領域または収集器として構成されている。本明細書において、上方、下方、外側、内側、底部、および上部という表現はすべて、図1〜3に示したプリンタ100の向きに関して規定されている。
【0197】
ヘッドユニット102が、ヒンジ108を介して上部104へと枢動可能に取り付けられ、ハウジング101の上部104によって保持されたピッカーアセンブリ106および印刷エンジンアセンブリ107を覆っている(図6を参照)。これにより、ピッカーアセンブリ106および印刷エンジンアセンブリ107の保守ならびに印字媒体の詰まりの除去などを実行できるよう、ピッカーアセンブリ106および印刷エンジンアセンブリ107への容易なアクセスがもたらされている。ヘッドユニット102には、ユーザーがプリンタ100を操作できるようにするためのユーザーインターフェイス109が組み込まれている(さらに詳しく後述する)。
【0198】
印字媒体ソーストレイアセンブリ103は、図5および6に示すように、ハウジング101の下部105によって収容されており、印字のための印字媒体110を自身の紙トレイ部111(図7を参照)に貯蔵することができる。印字媒体110は、約250枚のシート、および最大500枚のシート、すなわち1リームの紙でそれぞれ構成される種々のサイズの印字媒体の積層の形態で供給することができる。例えば、図7においては、例えば4インチ×6インチの用紙である写真印字媒体が、ソーストレイアセンブリ103によって保持される一方で、図8においては、A4用紙が保持されている。以下の説明では、プリンタ100において使用される印字媒体を、紙と称するが、他の形態の印字媒体も適用可能である。
【0199】
ハウジング101およびソーストレイアセンブリ103は、基部ユニット112によって支持されており、基部ユニット112は、プリンタ100の種々の電子構成部品のための電力およびデータの接続を収容している。詳しくは、ハウジング101の収集領域105およびソーストレイアセンブリ103が、基部ユニット112によって実質的に垂直な向きに支持されている。すなわち、それぞれ印字のための紙および印字された紙を支持するために使用されるソーストレイアセンブリ103および収集領域105の平面が、実質的に垂直を向くように基部ユニット112によって保持され、これにより、さらに詳しく後述するとおり、小さな「占有面積」のプリンタ100がもたらされている。
【0200】
図5、7、8、11、および13(図13は、図2の線A‐Aに沿って得たプリンタ100の断面図を示している)を参照すると、プリンタ100は、収集領域105の内表面105aおよび側部105bをそれぞれ基部ユニット112の前縁112aおよび側部112bを覆うようにスライドさせることによって組み立てられ、ハウジング101の上部104が、印刷エンジンアセンブリおよびピッカーアセンブリ106および107を、ヘッドユニット102によってヒンジ式に覆って搭載している。
【0201】
ソーストレイアセンブリ103は、下縁のタブ103aを基部ユニット112の上面112dの溝112cに係合させることによって、基部ユニット112に固定される。これにより、ソーストレイアセンブリ103を、紙トレイ部111にアクセスするため、図5に示すようにヒンジ式にハウジング101に係合させることができる。これは、ソーストレイアセンブリ103の外表面103bに設けられた凹状の取っ手113を使用することによって行われる。当業者であれば、上述の構成技法がそのような技法の1つに過ぎず、例えば1つ以上の「クリップ」機構を使用するなど、プリンタ100を構成する他の手段が本発明の技術的範囲に包含されることを、理解できる。
【0202】
このように構成されたプリンタ100は、少なくとも毎分30ページ(30ppm)、好ましくは少なくとも60ppmの速度で、少なくとも1インチ当たり1200ドット(1200dpi)、好ましくは少なくとも1600dpiのいわゆる写真品質印字を提供する印字解像度によって、紙へと情報を印字できる卓上型のプリンタとして使用されるように意図されている。使用時、プリンタ100の呈する占有面積、すなわち卓上においてプリンタ100が占める表面積は、プリンタ100が、その紙供給および収集器、すなわちソーストレイアセンブリ103および収集領域105とともに、卓上の表面に対して実質的に垂直向きに起立しているため、従来のプリンタよりも大幅に少ない。この実質的に垂直な向きにおいてプリンタ100が動作する様相を、次に説明する。
【0203】
図8は、プリンタ100から分離され、A4用紙の積層110を保持しているソーストレイアセンブリ103を示しており、図9は、図8に示したソーストレイアセンブリ103の分解図を示している。見て取れるように、ソーストレイアセンブリ103は、ソーストレイアセンブリ103が基部ユニット112およびハウジング101へと取り付けられたときにプリンタ100の後部外表面103bを形成するカバー部114を備える(図4を参照)。カバー部114は、トレイ115と、トレイ115内に配置されたプラテン116と、ストッパ板117と、フェンス板118とで構成される紙トレイ部111を保持している。紙の積層110が、トレイ115内に配置されたプラテン116上へと位置させることによってソーストレイアセンブリ103上に装填され、ストップ板117およびフェンス板118を使用することによってプラテン116上の所望の位置に保持される。
【0204】
支持部材119が、図19に示されているようにソーストレイアセンブリ103の上縁を超えて最上の位置までスライドできるように、カバー部114とトレイ115との間に保持されている。カバー114の隆起部114aが、支持部材119の内縁119aに接触し、支持部材119に図8に示すような最も下の位置をもたらしている。このような滑動可能な支持部材119を設ける理由は、後述する。
【0205】
プラテン116は、プラテン116の側部116bおよび116cの穴116aをトレイ115の側部115bの対応するラグ115aに係合させることによって、トレイ115に固定される。この係合によって、プラテン116は、トレイ115に対して枢動することができる。プラテン116にこのような枢動運動を与える理由は、後の検討から明らかになるであろう。枢支点115a/116aの下方においてプラテン116の下端に位置するプラテン116の側部116cは、プラテン116の平坦な本体から斜めに離れており、プラテン116の枢動を容易にするためのレバーアーム120をもたらしている。
【0206】
パッド121が、プラテン116の上部アーム部116dに設けられており、側部116bおよび116cは、プラテン116の下部アーム部116eから突き出している。パッド121は、ゴム、フェルト、コルク、など、組み立てられたプラテン116およびトレイ115へと装填された積層110のうちの最も下側の紙片の背面に摩擦をもたらす材料で形成されている。この摩擦は、さらに詳しく後述するように、印字のために積層110から紙片を摘み上げるプロセスを容易にするために、設けられている。
【0207】
ストッパ板117は、トレイ115の複数の(一対の)穴115dに係合させることができるように配置された(2つの)タブ117aと、トレイ115の複数のさらなる穴115eに係合させることができるように配置されたタブ117bとを有する。穴115dおよび115eは、トレイ115の平坦部において、プラテン116を収容する部位よりも下方の部位に設けられており、タブ117aおよび117bを穴115dおよび115eに係合させてストッパ板117をトレイ115へと固定できるよう、1つの穴115eが各組の穴115dの間に設けられている(図13を参照)。
【0208】
同様に、フェンス板118は、トレイ115上に横列に設けられた穴115fと係合するタブ118aを有する。タブ118aは、係止部材118bの底縁に設けられており、係止部材118bが、タブ118aを穴115fのうちの1つに係合させることによって、フェンス板118をトレイ115上の所定の位置に係止すべく使用される。これは、係止部材118bが枢支点118cを中心としてフェンス板118の本体に対して枢動可能であることによって、可能にされる。穴(または、くぼみ)が、係止部材118bに設けられており、タブ118aをトレイ115の穴115fから脱離させるべくユーザーの指などを位置させることができる。フェンス板118は、クリップ118dをトレイ115の凹部115gに設けられた棒122に係合させることによってトレイ115に固定され、図9に個別に示されているクリップ要素123が、棒122の直下に位置している。このような方法で、フェンス板118は、棒122に沿ってトレイ115を横方向に横切って滑動可能である。
【0209】
トレイ115、したがってソーストレイアセンブリ103は、プリンタ100において使用される最大サイズの用紙に充分に対応するサイズに作られている。図に示した実施の形態においては、このような方法で収容できる最大の用紙サイズは、USリーガル(8.5インチ×14インチ)である。しかしながら、プリンタ100を、別の最大印字媒体サイズに対応するように構成することが可能である。異なるサイズの用紙は、図8および10に示されているように、ストッパ板117およびフェンス板118を穴115d〜fによる種々の位置へと移動させることによって、ソーストレイアセンブリ103に収容される。当業者であれば、ソーストレイアセンブリ103に種々のサイズの用紙の積層を収容するための上述の構成が単なる例にすぎず、そのような用紙の積層をしっかりと保持するために本発明に従って他の構成および機構を使用してもよいことを、理解できる。
【0210】
図11は、ハウジング101の内部を示しており、ハウジング101が、基部ユニット112へと取り付けられている。ハウジング101の内部は、紙の積層110のための拘束部材として、ホイル124を備える。ホイル124は、内部の全幅にわたって広がっており、一端においてブラケット125を介してハウジング101に着脱可能に固定されている。例えば、図12においては、ホイル124のうちの1つが取り外されて示されている。取り付けられた時、ホイル124は、それらの固定端からぶら下がり、ハウジング101の内部から突き出している。ホイル124は、プラスチックなどの柔軟な材料から作られるが、小さな力に対して弾性的であるように固定される。ホイル124の目的は、次のとおりである。
【0211】
図13のプリンタ100の断面図を参照すると、ハウジング101の収集領域105が、水平から約75°〜80°(すなわち、垂直から10°〜15°)だけ斜めになっており、この角度は、さらに詳しく後述されるように、印刷エンジンアセンブリ107からの印字済み用紙の収集を助けるために設けられている。この結果、ソーストレイアセンブリ103は、ハウジング101に取り付けられたとき、水平から約70°〜75°(すなわち、垂直から15°〜20°)の角度にある。ソーストレイアセンブリ103のこの角度は、積層110の貯蔵を助けるとともに、経時的に生じる積層110の用紙の「垂れ」を少なくする。一方で、積層110から最上位のシートを摘み上げるべく使用されるピッカーアセンブリ106の作用によって、次のシートに、それらをとくに下方の領域において積層110から僅かに引き離すことができるいくらかの運動を加えることができる。
【0212】
したがって、ホイル124は、積層110のシートに対してそれらを積層110に向かって押し戻す拘束力を加えるために設けられており、個々のシートが別れて紙トレイ部111の下部領域へと落下すると紙詰まりが生じうるが、そのようなことがないようにしている。ホイル124の弾性的性質が、シートを所定の位置に保つための適切な拘束力をもたらす。2つのホイル124が示されているが、より多数またはより少数のホイルも、ホイルが連続的であるというよりもむしろそれらの長さ方向に沿って凹部を有しており、その配置構成が積層110のシートの固定をもたらす限りにおいて、本発明の技術的範囲に包含される。図6および14に示すように、積層110は、積層110の最上位のシート110aがピッカーアセンブリ106へと提示されるよう、トレイ115の右上角に位置している。
【0213】
ピッカーアセンブリ106は、図14に最もよく示されているが、モータ軸129およびローラー軸130上に位置するギア機構128を介してモータ127によって駆動される駆動ローラー126を備えることができる。図示の構成において、駆動ローラー126がモータ127によって時計方向に回転して、最上位のシート110aを摘み上げるが、駆動ローラー126の速度は、エンコーダ機構131の検出結果を制御回路(図示されていない)を介してモータ127へとフィードバックすることによって制御される。駆動ローラー126は、紙のシートを把持するゴムなどの表面を有する。
【0214】
駆動ローラー126に対して可変の位置を有するアイドラローラーまたはピンチローラー132が、それらの間を種々のサイズの印字媒体が通過できるようにするために使用される。シートが1度に1枚だけピッカーアセンブリ106を通って印字のために印刷エンジンアセンブリ107へと供給されるようにするため、セパレータパッド133が設けられており、紙詰まりおよび/または歪んだ印字物を生じうる印刷エンジンアセンブリ107への多重供給を防止している。
【0215】
ピッカーアセンブリ106は、積層110に対して図14に示す所定の位置にあるよう、図6、7、および13に示すとおり支持フレーム134を介してハウジング101の上部104の内部に保持されている。動作時、積層110の最上位のシート110aが、ピッカーアセンブリ106の駆動ローラー126に当接して位置し、したがって積層110の最上位のシート110aを、印字のために印刷エンジンアセンブリ107へと前進させるため、図15に示すように容易に摘み上げることができる。順次に最上位のシート110aがそれぞれ摘み上げられるにつれて、積層110の相対高さが減少する。そこで、ソーストレイアセンブリ103のプラテン106がピッカーアセンブリ106に向かってばねで付勢され、最上位のシート110aが常にピッカーアセンブリ106へと提示されるように保証している。
【0216】
これを達成するため、ハウジング101は、図13に示すようにプラテン116のレバーアーム120に接触するばね機構135を備える。ばね機構135が、レバーアーム120をトレイ115に向かって押し付け、プラテン116に枢支点115a/116aを中心とする枢動を生じさせ、積層110のシートの上部をトレイ115から離れてハウジング101へと向かうように傾ける。このようにして、摘み上げのプロセスの全体にわたり、積層110の上部がピッカーアセンブリ106に向かって押し付けられる。代案として、ばね機構135を、ハウジング101の内部と係合するようにプラテン116のレバーアーム120に組み込んでもよい。
【0217】
この摘み上げのプロセスにおいて、積層110が枯渇状態に近付いたとき、例えば2枚のシートなど、少数のシートのみが残る状況となる。この状況において、それらのシートのすべてがまとめて摘み上げられ、多重供給を生じる可能性がある。これは、シート間の摩擦が、おそらくは積層110とソーストレイアセンブリ103との間の摩擦よりも大きいためである。したがって、すでに述べたようにプラテン116にパッド121が設けられ、積層110の最後の紙片とプラテンとの間に、積層110の最後の紙片と最後から2番目の紙片との間よりも摩擦の大きい表面を提供している。この構成は、余分なシートが一度に供給されることがないようにするうえで役に立ち、さもなければ、セパレータパッド133とピッカー機構106の駆動ローラー126との間の境界において、あるいは搬送システムまたは印刷エンジンアセンブリ107のさらに下流において、紙詰まりが生じうる。
【0218】
駆動ローラー126を出ると、前進するシート110aの前縁が、図15に示すようにヘッドユニット102の上面に突き当たる。したがって、複数の(成形)ガイド136が、シート110aを印刷エンジンアセンブリ107へとガイドすべく、ヘッドユニット102のこの上面に設けられている(図6も参照)。すなわち、シート110aの前縁が、ガイド136の形状の軌跡の従い、印刷エンジンアセンブリ107のガイド板137に接触し、次いでこのガイド板137がシート110aを、ピッカーアセンブリ106の駆動ローラー126の駆動のもとで印刷エンジンアセンブリ107へとガイドする。
【0219】
印刷エンジンアセンブリ107は、本件出願の出願人による出願事件整理番号RRA01US〜RRA33USという米国特許出願に記載されている種類の印刷エンジンアセンブリであってよく、これらの出願の開示は、すべてここでの言及によって本明細書に組み込まれたものとする。これらの出願は、それらの出願事件整理番号によって特定されているが、対応する出願番号が割り当てられた時点で、割り当てられた出願番号によって置き換える予定である。したがって、印刷エンジンアセンブリ107は、図6、7、15、および16に種々に示されているように、全体的には、クレードルユニット138およびカートリッジユニット139という2つの部分で構成されている。
【0220】
カートリッジユニット139は、傍らを通過する印字媒体のシートへと印字を行うための印字ヘッド140と、印字ヘッド140へとインクを供給するためのインク取扱・貯蔵用リザーバ141を備える。印字ヘッド140は、ページ幅の印字ヘッドであり、これは、シートを横切って印字ヘッド140が走査を行う必要がないということを意味する。これは、高速な印字を実行可能にする。しかしながら、本発明が他の種類の印字ヘッドを使用するプリンタにも適用可能であることを、当業者であれば理解できる。さらに、図15に示されているように、カートリッジユニット139が単一の印字ヘッド140を備える。しかしながら、ページ幅の印字ヘッドを2つ有するカートリッジユニットであって、それら印字ヘッドをそれらの印字面が印字媒体のシートを受け入れるためのすき間を間に有して対向するように整列させてなるカートリッジユニットを用いる両面印字プリンタを、使用してもよい。
【0221】
クレードルユニット138は、ガイド板137、シート110aを前進させるとともに印字ヘッド140を通過するシート110aの軌跡および速度を制御するためのローラーアセンブリ142および関連のモータ143、印字ヘッド140によって実行される印字を制御するための駆動用電子機器144、ならびに印字が実行されていないときに印字ヘッド140をキャッピングするキャッピングユニット145を備える。
【0222】
クレードルユニット138は、ハウジング101の上部104の内部に取り付けられ、カートリッジユニット139は、クレードルユニット138の内部に着脱可能に収容され、適宜、印字ヘッド140およびインク貯蔵用リザーバ141を容易に交換できるようにしている。この取り外しを制御するため、解放ラッチ146が設けられている。カートリッジユニット139のインク取扱・貯蔵用リザーバ141は、種々の色のインク、ならびに印字インクの定着を助けるための固定剤など、関連の印字用流体を貯蔵することができる。印字ヘッド140は、印字媒体のシートへと印字を行うため、リザーバ141からインクを汲み出す。
【0223】
印字によって枯渇しうる特定の種類のインクでリザーバを満たすため、図17にシアンのインクの場合について示されているように補充カートリッジ148を適用することができる補充ポート147が、カートリッジユニット139に組み入れられている。この補充プロセスを容易にするため、本件出願の出願人による上述の出願に記載されている方法において、補充の必要および/または補充の完了をユーザーに知らせるべく制御されるLEDなどの表示ライト149が、クレードルユニット138に設けられる。さらに、後述するように、補充の必要を、ヘッドユニット102のユーザーインターフェイス109によって、あるいはプリンタ100へと接続されたユーザーのパーソナルコンピュータ(PC)にロードされた印字管理ソフトウェアによって、ユーザーに知らせることができる。
【0224】
クレードルユニット138の取り付け位置は、ピッカーアセンブリ106の駆動ローラー126から供給されて複数のガイド136およびガイド板137によってガイドされるシート110aの前縁が、クレードルユニット138のローラーアセンブリ142へと進入して、印字されるべくローラーアセンブリ142(および、部分的には駆動ローラー126)の作用のもとで印字ヘッド140を通過して進められるような位置である。シート110aの前縁が、クレードルユニット138を通って前進し、印字後に、出口スロット104bを介してハウジング101の上部104から出る(図7および13を参照)。このように、シート110aは、ソーストレイアセンブリ103から印字ヘッド140を通って収集領域105まで、少なくとも140°の角度、好ましくは少なくとも180°の角度にわたってガイドされる。
【0225】
印字プロセスの最中に、シート110aの後縁は、駆動ローラー126によって駆動される状態から、印刷エンジンアセンブリ107のローラーアセンブリ142のみによって駆動される状態に移行する。印字されると、後縁が、出口スロット104bを通ってハウジング101の上部104から出て、印字済みシート110aが、図18に示すようにハウジング101の収集領域105によって収集される。印刷エンジンアセンブリ107のクレードルユニット138およびカートリッジユニット139の向きは、印字済みシート110aが、収集領域105によって収集されるべく出口スロット104bを通って重力により落下するような向きである。
【0226】
さらに、印字媒体のシートを、ソーストレイアセンブリ103によって保持された積層110からではなく、印刷エンジンアセンブリ107のローラーアセンブリ142へと手動で供給してもよい。この手動供給は、主として、例えば写真用紙、あるいはボール紙、木材、布地、およびプラスチックなどの他の種類の印字媒体など、ソーストレイアセンブリ103に配置することができず、あるいはソーストレイアセンブリ103に適していない印字媒体へと個々の印字ジョブを印字するために用意されている。
【0227】
この手動供給を提供するために、スロット150が、図19に示すようにヘッドユニット102の上部に設けられており、この溝を通して印字媒体のシートが手動で供給される。スロット150は、プリンタ100の最大の印字媒体のサイズの幅に対応するための充分な長さを有する。埃等がインジヘッド140を傷める場合があることから、スロット150を通っての印刷エンジンアセンブリ107への塵埃などの進入を少なくするため、ヒンジによって内向きまたは外向きに動くようにばねで付勢されたフラップ151(図15を参照)を、手動供給が実行されていないときにスロット150を閉鎖するために、設けることができる。
【0228】
再び図19を参照すると、ヘッドユニット102は、ヘッドユニット102の上面においてスロット150の全長にわたって走行するマージン要素152を備えることができる。マージン要素152は、供給されるシートを部分的に支持し、スロット150を通じての種々のサイズの印字媒体の供給の制御を促進するスライド式フェンス153を組み入れている。この構成においては、印字媒体のシートをプリンタ100へと手動で供給するため、フラップ151がヒンジによって下げられ、あるいは持ち上げられ、シートの前縁が、スロット150を通って印刷エンジンアセンブリ107のガイド板137の左手側(図15の向きで)に突き当たるように供給される。次いでシートは、ガイド板137を下方へと前進し、先に説明した自動供給シートについてのプロセスと同様に、ローラーアセンブリ142へと進入する。
【0229】
一連のシートについて手動供給を行う場合、ソーストレイアセンブリ103の支持部材119を図18に示すように展張させることができ、これから供給されるシートを、ヘッドユニット102の上面および支持部材119に当接させて保持することができる。この支持は、上述のようにソーストレイアセンブリ103が傾けられているため、支持部材119が垂直から傾いていることによってもたらされる。
【0230】
手動供給のシートについてのさらなるガイドの支持を、図20に示すようにもたらすことができる。すなわち、代案としてヘッドユニット102のフラップ151を、スロット150よりも大きくなるように構成し(図21を参照)、手動での供給が望まれる場合に、フラップ151の一部がヘッドユニット102の内部へと延び、フラップ151の残りの部分がヘッドユニット102から突き出すようにヒンジで動作させることによって、手動供給シート110bのための支持をもたらすように構成することができる。見て取れるように、この構成においては、ガイド板137が、支持位置にあるフラップ151を助けるようにヘッドユニット102に設けられ、マージン要素152およびスライド式フェンス153が、フラップ151に組み込まれている。
【0231】
さらに、図20および21から見て取れるように、この構成におけるヘッドユニット102は、より大きなフラップ151に対応するため、図15および19に示したヘッドユニット102と僅かに異なって、より小型に構成されている。より小型なサイズであるため、モータ127および駆動ローラー126を同じ軸上に有する直接駆動のピッカーアセンブリ106を、図20に示すように使用することができる。
【0232】
すでに述べたように、ハウジング101の下部105の外表面は、ハウジング101の上部104の出口スロット104bを通って印刷エンジンアセンブリ107から出る印字済みシートを収集する収集器として機能する。これは、印字済みシートが自動供給されたものであっても、手動で供給されたものであっても、行われる。
【0233】
少なくとも積層110を構成するシートの数に達しうる複数の印字済みシート110aを確実に収集するため、収集領域105は、印字済みシート110aの収集をガイドし、ひとたび収集されたそれらを保持するためのガイドまたはリブ154を備える。これを達成するため、ガイド105は、図1に示すように、収集領域105の下端に位置する足155と、実質的に収集領域105の全長にわたって延びるレッグ156とを備える実質的にL字の形状である。
【0234】
図18に見て取れるように、足155の平坦な上面は、互いに平行に整列するとともに、収集領域105の傾斜に対して実質的に直交しており、落下してくる印字済みシート110aの前縁のために停止面および支持を提供している。足155を備える複数のリブ154(例えば、図には3つが示されている)を平行に整列させて使用することによって、連続して解放されるシート110aを「直角」にし、あるいは「衝突」させて、印字済みシート110aを整えて収集することができる。
【0235】
2つの外側リブ154の間に位置する中央のリブ154は、左手側(図1の向きによる)の外側リブ154よりも右手側の外側リブに近付けて配置されている。これは、トレイ115の右上角に整列させられた図10に示す写真用紙など、収集領域105の全幅に満たない広がりの幅を有する印字媒体を、収集領域105によって適切に収集して衝突させるためである。
【0236】
さらに、中央のリブ154は、そのレッグ156が外側のリブ154のレッグ156よりも大きく収集領域105の表面から突き出すように構成されている。これが図19および22に示されており、図19の上面図において、破線157が、外側のリブ154のレッグ156が収集領域105の表面に関して互いに平行に整列している旨を示す一方で、中央のリブ154のレッグ156は、ライン157を超えて表面から突き出しており、図22の側面図においては、中央のリブ154のレッグ156が、外側のリブ154のレッグ156よりも大きく収集領域105の表面から突き出して、はっきりと見えている。
【0237】
リブ154のレッグ156がこのような方法で構成され、したがって印字済みシート110aに曲率が付与され、印字済みシート110aのそれぞれの中央部が、それらの縁部分よりも収集領域105から遠く離れて位置する。すなわち、収集領域105の表面に直交する横方向の曲率が、収集されたシートへと付与され、これによってシートがより剛になるようにするとともに、足155に接したときに傾いて前方に落下することがないようにすることで、シートに拘束力を加える。これは、シートを収集領域105に確実に落ち着かせることができるようにし、印字された画像に影響を及ぼしうる前方への倒れがないようにする。この作用は、すでに述べたように収集領域105が水平から約75°〜80°傾いており、レッグ156も実質的にこの角度に位置していることによって、促進される。
【0238】
シート110aがハウジング101の上部から出て、収集領域105によって捕らえられる様相が、それぞれ図23および44に示されている。図23から見て取れるように、シート110aは、実質的に垂直な向き(すなわち、矢印Aの方向)で、ハウジング101の上部104の出口スロット104bを出る。ひとたびシート110aが出口スロット104bから解放されると、図44に示すように、シート110aの前縁が足155に接触することによって下方への運動が止められるまで、シート110aが重力により下方へと落下する。
【0239】
図22に見て取れるように、足155は、収集領域105の表面から、この表面に実質的に直交する方向に突き出している。したがって、足155は、水平から約10°〜15°傾いている。したがって、足155に接触するとシート110aは、収集領域105の表面へと落ち着き、あるいは収集領域105の表面へと矢印Bの方向に(ゆっくりと)後退し、最終的に図18に示した位置へと置かれるようになる。上述のとおり、シート110aに曲率が付与されるため、シート110aが比較的剛になって、シート110aの上部が倒れかかってシート110aを収集領域105から外れて前方へと移動させる可能性を少なくしている。
【0240】
プリンタ100の高速な印字能力のために、印字済みシートの表面間の接触が、連続するシートの収集の間の時間が例えば60ppmの印字の場合には1秒などと比較的短いために生じうる汚れなど、印字された画像の品質に悪影響を及ぼす可能性がある。すなわち、シートの表面へと印字されたインクが、次のシートが接触して先のシートの表面上に置かれるようになるまでに、乾燥または定着のための時間を持つことができない可能性があり、結果としてシート間でインクが滲む可能性がある。上述した本発明のシート収集機構は、印字済みの画像にそのような影響が生じる可能性を、以下のとおり最小限にする。
【0241】
連続的に印字されたシートが、収集領域105へと垂直向きに送達されるため、ハウジング101の上部104を出た後に下向きの軌跡に沿って進むとき、印字済みシートは最も多く空気暴露することとなり、印字されたインクの乾燥および定着の向上が促進される。さらに、上部104から解放された後に、最初のシートの前縁がリブ154の足155によって捕らえられたとき、シートが収集領域105の表面に向かって所定の位置へと落下するため、落下するシートと収集領域105との間に空気のクッションが生み出される。連続するシートにおいて、この空気のクッションは、シートが落ち着いて、この落ち着きの動きを通じて先に収集されたシートの上へと置かれるようになるまで、残留する。このシートの落ち着きまでの空気のクッションが、先に収集されたシートへと印字されているインク、または両面印字の場合には両方のシートへと印字されているインクの乾燥/定着を助ける。
【0242】
印字出力物を収集するための手段としての機能に加え、収集領域105のリブ154は、プリンタ100のユーザーにプリンタ100および/またはプリンタ100によって実行されている印字の状態についての通知をもたらすための手段としても、機能することができる。これは、リブ154を、そのような状態を知らせる光を通過させて放射することができる光パイプ158から形成することによって実現され、それらの光パイプ158は、図12に示すように収集領域105の表面内に設けられる。
【0243】
光パイプ158の1つの構造が、図24に示されている。光パイプ158は、リブ154の形状または他の所望の任意の形状に成型できる光伝達通路として設けられるプラスチックなどの中空の透明材料で構成される。中空材料の内表面は、特定の角度で表面に衝突する光について高度に反射性であり、他の角度で衝突する光については透過性であるライニングを組み入れている。したがって、中空部分へと伝えられた光は、光パイプ158の全長にわたって流れて、光パイプ158の全長を通じて放射されるように、処理される。
【0244】
図24に示されているように、光パイプ158へと配置された光源アセンブリ159が、光パイプ158の中空部分へと光を供給するために使用される。光源アセンブリ159を、図24に示した位置など、光パイプ158に関連して配置でき、あるいは例えば光パイプ158の端部に配置することができる。光源アセンブリ159は、図45に示すように、3つの異なる色の光源、すなわち赤色光源160、緑色光源161、および青色光源162を備えることができる。光源160〜162のそれぞれは、LEDであってよい。これら異なる色の光源160〜162を使用することで、光源160〜162を個々または組み合わせにおいて選択的に動作させたときに、幅広いスペクトルの色を光パイプ158によって放射することができる。あるいは、複数の色を放射することができる単一の光源を使用してもよい。このように、プリンタ100の制御回路および/または印刷エンジンアセンブリ107の駆動用電子機器144において光源アセンブリ159の放射を制御することによって、種々の色の光を、プリンタ100および/またはプリンタ100によって実行されている印字について種々の状態を知らせるために使用することができる。
【0245】
例えば、収集領域105のリブ154として使用されている光パイプ158が発する青色の光で、プリンタ100が待機状態にあることを知らせることができ、緑色の光で、プリンタ100が印字状態にあることを知らせることができ、赤色の光で、紙詰まりの存在や追加の紙またはインクの必要性など、プリンタ100が機能不全にあることを知らせることができる。代案として、点灯、ストロボ、フラッシュ、などの他の組み合わせを、このような目的に使用することが可能である。例えば、待機状態を色のスペクトルを横切るサイクルによって知らせることで、プリンタ100の審美的訴求性を向上させることができる。紙詰まりの発生などのプリンタ100の動作状態は、当業者であれば理解している従来の方法で、判断することが可能である。
【0246】
図1に示すように、光パイプ158を、プリンタ100のヘッドユニット102に組み入れることも可能である。ヘッドユニット102の光パイプ158を、プリンタ100の状態などをユーザーに知らせるために、上述のとおりリブ154の光パイプと同じ方法で制御することができる。さらには、ヘッドユニット102および収集領域105の両者の光パイプ158の組み合わせを、それらの個々の動作によってプリンタ100の種々の部分の状態を知らせるために、使用することができる。またさらに、プリンタ100の他の部分に、この目的のための光パイプ158を配置することができる。例えば、ヘッドユニット102の光パイプ158によって赤色の光を表示する一方で、プリンタ100の残りの光パイプ158が緑色の光を表示して、ヘッドユニット102の領域に紙詰まりなどの問題が存在している一方で、プリント100の残りが正常に機能していることを、ユーザーに迅速に知らせることができる。このような方法で、ユーザーは、プリンタ100の機能における問題を、容易かつ迅速に特定して対処することができる。
【0247】
あるいは、プリンタ100の全体の状態を知らせるために、プリンタ100の単一の領域に光パイプ158を設けてもよい。この場合、光パイプ158は、ユーザーに良好な視認性を提供するため、好ましくは、例えば図1に示されているように、ヘッドユニット102においてユーザーインターフェイス109の周囲のヘッドユニット102の前面にのみ設けられる。この構成において、プリンタ100の機能に問題が生じた場合には、ヘッドユニット102の光パイプ158を問題の発生を知らせるべく使用することができ、これによってユーザーがユーザーインターフェイス109またはユーザーのPCにロードされた印字管理ソフトウェアを参照して、どんな問題がどこで発生したのかを割り出すことができる。
【0248】
例えば、光パイプ158が、プリンタ100の待機状態を知らせるために青色の光を発することができ、プリンタ100の通常の動作状態を知らせるために緑色の光を発することができ、ピッカーアセンブリ106での紙詰まりまたはハウジング101に対するソーストレイアセンブリ103の不完全な閉鎖など、ソーストレイアセンブリ103の故障状態を知らせるために橙色の光を発することができ、印刷エンジンアセンブリ107のローラーアセンブリ142での紙詰まりなど、ヘッドユニット102の故障状態を知らせるために紫色の光を発することができる。しかしながら、色付きの光の他の組み合わせを、プリンタ100の種々の動作領域の状態を知らせるために、使用することが可能である。
【0249】
ユーザーインターフェイス109は、図1に示されているように、プリンタ100の状態などについての情報を表示するために使用される液晶表示装置などの表示画面であってよく、好ましくは、それによってユーザーがプリンタ100を操作することができるタッチ式のスクリーンである。これは、プリンタ100に機械式のボタンなどを設ける必要がなく、プリンタ100の小型な設計が円滑に運ぶということを意味する。しかしながら、所望であれば、そのようなボタンを単純な表示画面とともに設けてもよい。
【0250】
このように、ユーザーインターフェイス109を単独または光パイプ158との組み合わせにおいて、印刷エンジンアセンブリ107のインク貯蔵用リザーバに残るインクの量や搬送システムにおける紙詰まりの発生などのプリンタ100の状態に関する情報、ならびにプリンタ100の操作のためのコマンドおよび情報メニューを、表示するために使用することができる。これを実現するため、ユーザーインターフェイス109は、そのようなメニューのため、およびユーザーがタッチ式スクリーンの領域に触れることによって入力したコマンドを処理するためのメモリおよびプロセッサ(図示されていない)を、さらに備えることができる。あるいは、そのような構成部品を、ユーザーインターフェイス109と駆動用電子機器144との間の適切な接続をヘッドユニット102およびハウジング101の上部104に設けることで、印刷エンジンアセンブリ107の駆動用電子機器144によって設けてもよい。
【0251】
ユーザーインターフェイス109によって表示されるコマンドおよび情報メニューを、プリンタ100によって実行されている印字ジョブまたはプリンタ100によって実行される予定の印字ジョブを表示するために使用することができる。印字ジョブを受け取るため、プリンタ100を、PCなどのユーザー端末(図示されていない)へと直接接続でき、あるいはネットワークを介して複数のそのような端末に接続でき、そのような端末が、処理および印字ヘッド140による印字のために、印字ジョブを印刷エンジンアセンブリ107の駆動用電子機器144へと送信する。さらに、そのようなメニューを、種々の言語などでの表示に容易に適合させることができ、これは、種々の国々で使用するためのプリンタ100を提供するために好都合である。この方法で、ユーザーインターフェイス109が、プリンタ100の動作に関する情報をユーザーへと表示することができ、従来の卓上プリンタの場合の典型であるプリンタへと接続されたPCの印字管理のレベルで典型的に提供される情報よりも、より有用である。
【0252】
この接続は、図1に示すように、ハウジング101の収集領域105に位置して端末とプリンタ100との間の接続を可能にするピクトブリッジ(PictBridge)コネクタ163を介して、有線の様相で提供することができる。ピクトブリッジコネクタ163は、そこへと接続されたケーブル(図示されていない)が印字出力物の収集を妨げることがないよう、収集領域105の足155の紙収集面よりも下方に配置される。しかしながら、この代わりに、ピクトブリッジコネクタ163が、ハウジング101の側面または後部あるいは基部ユニット112の内部に位置してもよい。
【0253】
代案として、端末とプリンタ100との間の接続を、図7および12に示すようにハウジング101の内部に位置するWIFIカード164および/またはBluetooth(登録商標)カード165を使用することによって、無線の様相で提供することも可能である。
【0254】
さらなる代案として、あるいは追加として、プリンタ100が、ハウジング101の下部105の側部105bの一方に図25に示すスロットなどのスロット166および167を組み込むことによって、印字ジョブについての画像データを直接受け取るための手段を組み入れてもよい。スロット166および167は、フォトカードなどを受け入れるべく構成されており、そこに保存されている画像を、直接印字するためにプリンタ100または駆動用電子機器144のメモリへとダウンロードすることができる。
【0255】
ユーザーインターフェイス109、印刷エンジンアセンブリ107(とくに、ローラーアセンブリ142のモータ143、印字ヘッド140、駆動用電子機器144、およびキャッピングユニット145)、ピッカーアセンブリ106(とくに、駆動ローラー126のモータ127)、光パイプ158、ならびにプリンタ100の他の電子部品のための電力は、図7、11、および26に示されているように、基部ユニット112に設けられた電源コネクタ168および電源ユニット(PSU)169を介して外部の電源(図示されていない)から供給される。PSU169から種々の電子部品までのそれぞれの接続は、プリンタ100のハウジング101の内部および上部104に収容された適切な配線によって設けることができる。
【0256】
基部ユニット112のカバー112e(図4および7を参照)がその支持部112fから取り去られている図26から見て取れるように、基部ユニット112は、ハウジング101およびソーストレイアセンブリ103を実質的に垂直向きに保持するための基部をもたらすだけでなく、プリンタ100の種々の接続も提供している。すなわち、基部ユニット112は、電源コネクタ168の他に、すでに述べた理由のため、外部の装置/端末およびネットワークへの接続のためのUSBコネクタ170およびイーサネット(登録商標)コネクタ171を保持することができる。電源の接続と同様、コネクタ170および171、さらにはカード装置164および165ならびにピクトブリッジコネクタ163から、プリンタ100の種々のデータ部品への接続を、プリンタ100の内部および上部104に収容された適切な配線によって設けることができる。
【0257】
基部ユニット112の支持部112fは、基部ユニット112の底部からプリンタ100の後部まで延伸し、特にハウジング101およびソーストレイアセンブリ103が垂直からプリンタ100の後方に向かって傾いているために、組み立て済みのプリンタ100にさらなる支持をもたらしている。さらに、カバー112eが、支持部112fに配置されており、対応する装置/端末ケーブル(図示されていない)への接続のためにコネクタ168、170、および171へのアクセスを得るため、容易に取り外すことができる。好都合なことに、カバー112eは、ケーブル端のプラグを収容するための空間が設けられており、さらにケーブルそのものを収容するためのすき間112gが設けられているため(図3を参照)、ケーブルが接続された場合であっても支持部112fへと設置することができる。さらには、図3、22、および27に示されているように、実質的に垂直なプリンタ100に安定性をもたらすため、基部ユニット112の底部に足部分112hが設けられている。
【0258】
ハウジング101、ヘッドユニット102、およびソーストレイアセンブリ103のための支持、ならびに電源およびデータの接続を提供するという上述の目的に機能する以外に、さらに基部ユニット112を、図28および29に示すように、プリンタ100のためのスタンドアセンブリ172上に配置することができる。
【0259】
スタンドアセンブリ172によれば、プリンタ100を、純粋な「卓上」プリンタからスタンドアロンのプリンタへと、容易に変換することができる。これは、自宅またはオフィス環境にさらに大きな卓上空間をもたらすことができる。さらに、スタンドアセンブリ172には、組み立てられたプリンタ100およびスタンドアセンブリ172が比較的小さな占有面積の印字システムをもたらすべく連続するよう、プリンタ100の占有面積と同様の占有面積が与えられる。
【0260】
図29に示されているように、スタンドアセンブリ172の上部フレーム部173は、図27に示されている基部ユニット122の支持部112fを含め、基部ユニット112の底部の形状に一致するように構成されている。この方法で、基部ユニット112を上部フレーム部173へと入れ子構成によって係止することができ、プリンタ100のスタンドアセンブリ172に対し堅固に組み立てられる。
【0261】
基部ユニット112に設けられたコネクタ168、170、および171へと接続するための外部の装置/端末からのケーブル174は、上部が上部フレーム部173によってスタンドアセンブリ172の後部に保持されているケーブルハウジング175に収容される。ケーブルハウジング175は、ケーブル174を整然かつ安全に囲むと同時に、ケーブルへの迅速なアクセスを提供するため取り外すことができるカバー176を備える。組み立てられたプリンタ100およびスタンドアセンブリ172を容易に運ぶことができるよう、ケーブルハウジング175の上部において上部フレーム部173にハンドル177が設けられている。
【0262】
下部フレーム部178、および下部フレーム部178が取り付けられる基部プレート179が、スタンドアセンブリ172の底部に設けられている。基部プレート179が、比較的小さな占有面積を保ちつつ、組み立てられたプリンタ100およびスタンドアセンブリ172に充分な安定性をもたらす一方で、下部フレーム部178は、ケーブルハウジング175の下端を保持するため、上部フレーム部173と同様に形作られている。上部フレーム部173および下部フレーム部178が、両者の間にフレーム180を保持し、フレーム180に1つ以上の印字媒体トレイ181を配置することができる。
【0263】
見て取れるように、印字媒体トレイ181のそれぞれは、それぞれ紙などの印字媒体の積層を保持することができるよう、垂直に対して或る角度で設けられている。トレイ181を、印字のための用紙および/または印字済みの用紙を保管するために使用することができる。図28および29においては、フレーム180に3つのトレイ181が配置されて示されているが、本発明によれば、より多数または少数のトレイを設けてもよい。
【0264】
複数のトレイ181を設けることによって、印字用の種々のサイズの印字媒体の積層のための保管場所がもたらされる。すなわち、現在プリンタ100のソーストレイアセンブリ103に装填されている用紙とは異なるサイズの用紙に印字を行う必要がある場合、ソーストレイアセンブリ103の用紙を置き換えるべくこのトレイ181からの用紙を供給すること、またはこの用紙をプリンタ100へと手動で供給することは、ユーザーにとって単純な作業である。さらには、ソーストレイアセンブリ103への補充が必要であることが例えば光パイプ158および/またはユーザーインターフェイス109によってユーザーへと知らされたときに、ソーストレイアセンブリ103への効率的な補充手段をもたらすために、複数のトレイ181を、プリンタ100において使用される最も一般的な用紙サイズについて追加の積層を保持するために使用することができる。
【0265】
さらに、複数のトレイ181を設けることで、異なる印字ジョブの出力物を丁合いするための手段をもたらすことができる。すなわち、例えばネットワーク印字環境においては、ユーザーが彼らの印字出力物をすぐには回収しないかも知れないため、複数のユーザーの出力物を丁合いする必要がある場合がある。このような手作業による丁合いは、多数の出力物が比較的短時間で生み出されうるプリンタ100の高速印字能力のために、必要とされる可能性がある。
【0266】
トレイ181は、トレイ181の内側の縁181aがケーブルハウジング175に当接して位置する(図29を参照)よう、フレーム180の所定の位置へとスライドするように構成される。さらに、上部フレーム部173および下部フレーム部178が、内側にフレーム180およびケーブルハウジング195を着脱可能に受け入れるように構成される。このような方法で、スタンドアセンブリ172が容易に組み立ておよび分解を行うことができるよう、上述の各部分からなるモジュール式のアセンブリとして提供される。分解された状態において、スタンドアセンブリ172は、分解されたプリンタ100の部品、すなわちハウジング101、ヘッドユニット102、ソーストレイアセンブリ103、ピッカーアセンブリ106、印刷エンジンアセンブリ107、および基部ユニット112といった個別の部品と一緒に容易に梱包できるいくつかの小型な部品を呈する。組み立て/分解を容易にするとともに、組み立てられたプリンタ100およびスタンドアセンブリ172の移動性を向上させるため、スタンドアセンブリ172の構成部品は、好ましくはプラスチックなどの軽量な材料から製作される。
【0267】
次に、本発明の垂直プリンタの典型的な構成および動作を説明する。
【0268】
最大サイズの用紙としてA4の用紙に印字を行うように構成された卓上型プリンタ100においては、印刷エンジンアセンブリ107のページ幅の印字ヘッド140は、224mmまたは8.8インチの印字ヘッド幅を有する。この印字幅を形成するため、印字ヘッド140は、本件出願の出願人による上述の出願RRA01US〜RRA33USに記載のものなど、印字ノズルまたはインク排出ノズルが組み込まれてなる複数の印字ヘッド集積回路(IC)を備える。
【0269】
本発明によれば、少なくとも30ppm、好ましくは少なくとも60ppmといった高速で、必要とされる印字の品質、すなわち少なくとも1600dpiを提供するため、少なくとも5000基のノズルを組み入れることができる。しかしながら、必要とされる印字品質および速度に応じ、より高速かつ高品質な印字用途においては、印字ヘッドが、少なくとも10,000基のノズル、好ましくは少なくとも20,000基のノズル、さらに好ましくは少なくとも50,000基のノズルを備えてもよい。
【0270】
これらのノズルは、通過する印字媒体の表面へと画像を印字するため、通過する印字媒体の表面へとインクおよび固定剤などの他の印字用流体を排出するよう、印字ヘッドの全幅にわたる2次元のアレイとして配置されている。各ノズルが、印字媒体上に印字されるドットに対応し、したがってノズルの数が多くなり、印字ヘッドにおけるノズルの稠密性が高くなるにつれ、印字されるドットが接近し、印字の解像度がより高くなる。駆動用電子機器144が、1つ以上のデータコネクタ163、170、および171、またはデータ装置164および165を介して、外部のデータソースから画像データを受け取って処理し、処理した画像データに従って印字ヘッドのノズルを駆動させる(さらに詳しくは後述する)。
【0271】
印字ヘッド140に適用可能なノズルシステムの種類に関しては、印字ヘッドICに統合できる任意の種類のインクジェットノズルアレイが適切である。すなわち、連続インクシステム、静電システム、および熱式および圧電式を含むドロップ‐オン‐デマンドシステムなどのシステムを、使用することが可能である。
【0272】
熱式のドロップ‐オン‐デマンドシステムに関しては、種々の形式が知られており、典型的には、ノズルに隣接するインクリザーバと、インクリザーバに熱接触したヒータ素子とを含む。ヒータ素子がインクを加熱し、インクに気泡を生じさせる。これらの気泡がインクに圧力を生じさせ、ノズルを通って印字媒体へと液滴を排出させる。各ノズルによって印字媒体へと排出されるインクの量、および排出を生じさせる時期が、駆動用電子機器によって制御される。しかしながら、このような熱式のシステムは、インクが熱への耐性を有していなければならないため、使用できるインクの種類に制限を抱えており、さらには冷却プロセスを必要とし、最適な印字速度を低下させる可能性がある。
【0273】
圧電式のドロップ‐オン‐デマンドシステムに関して、やはり種々の形式が知られており、典型的には、圧電結晶をインクリザーバに隣接配置して使用し、電流が通されたときに撓みを生じさせる。この撓みが、上述の熱式システムと同様の方法で、ノズルからのインクの液滴の排出を生じさせる。このような圧電式のシステムは、熱式のシステムと比べ、インク液滴の形状およびサイズをより制御することが可能であり、サイクル間でインクを加熱および冷却する必要がなく、利用できるインクの種類の範囲がより広くなる。
【0274】
さらに、ノズルのマイクロ電子機械システム(MEMS)を使用することが可能であり、それは、ノズルによるインク液滴の排出を生じさせる熱アクチュエータを含む。そのようなノズルシステムは、本件出願の出願人による以下の同時係属中の出願および付与済みの出願に記載されている。
【0275】
それらは、米国特許第6,188,415号;同第6,209,989号;同第6,213,588号;同第5,213,589号;同第6,217,153号;同第6,220,694号;同第6,227,652号;同第6,227,653号;同第6,227,654号;同第6,231,163号;同第6,234,609号;同第6,234,610号;同第6,234,611号;同第6,238,040号;同第6,338,547号;同第6,239,821号;同第6,241,342号;同第6,243,113号;同第6,244,691号;同第6,247,790号;同第6,247,791号;同第6,247,792号;同第6,247,793号;同第6,247,794号、同第6,247,795号;同第6,247,796号;同第6,254,220号;同第6,257,704号;同第6,257,705号;同第6,260,953号;同第6,264,306号;同第6,264,307号;同第6,267,469号;同第6,283,581号;同第6,283,582号;同第6,293,653号;同第6,302,528号;同第6,312,107号;同第6,336,710号;同第6,362,843号;同第6,390,603号;同第6,394,581号;同第6,416,167号;同第6,416,168号;同第6,557,977号;同第6,273,544号;同第6,299,289号;同第6,299,290号;同第6,309,048号;同第6,378,989号;同第6,420,196号;同第6,425,654号;同第6,439,689号;同第6,443,558号;および同第6,634,735号、米国特許出願第09/425,420号、米国特許第6,623,101号;同第6,406,129号;同第6,457,809号;同第6,457,812号;同第6,505,916号;同第6,550,895号;同第6,428,133号;同第6,305,788号;同第6,315,399号;同第6,322,194号;同第6,322,195号;6,328,425号;同第6,328,431号;同第6,338,548号;同第6,364,453号;同第6,383,833号;同第6,390,591号;同第6,390,605号;同第6,417,757号;同第6,425,971号;同第6,426,014号;同第6,428,139号;同第6,428,142号;同第6,439,693号;同第6,439,908号;同第6,457,795号;同第6,502,306号;同第6,565,193号;同第6,588,885号;同第6,595,624号;同第6,460,778号;同第6,464,332号;同第6,478,406号;同第6,480,089号;同第6,540,319号;同第6,575,549号;同第6,609,786号;同第6,609,787号;同第6,612,110号;同第6,623,106号;同第6,629,745号;同第6,652,071号;同第6,659,590号、米国特許出願第09/575,127号;同第09/575,152号;同第09/575,176号;同第09/575,177号;同第09/608,780号;同第09/693,079号;同第09/693,135号;同第09/693,735号;同第10/129,433号;同第10/129,437号;同第10/129,503号;同第10/407,207号;同第10/407,212号;および出願事件整理番号第JUM003号および同第JUM004号、米国特許出願第10/302,274号;同第10/302,297号;同第10/302,577号;同第10/302,617号;同第10/302,618号;同第10/302,644号;同第10/302,668号;同第10/302,669号;同第10/303,312号;同第10/303,348号;同第10/303,352号;および同第10/303,433号、ならびに出願事件整理番号第MTB01号〜第MTB14号であり、これらの開示はすべて、参照として本明細書に組み込まれたものとする。上記の出願のいくつかは、それらの出願事件整理番号によって特定されているが、対応する出願番号が割り当てられ次第、割り当てられた出願番号で置き換える予定である。
【0276】
以下で、図30〜43を参照し、印字ヘッド140に適用できる典型的なMEMSノズルシステムを、駆動用電子機器が画像データを処理してそのようなノズルシステムを駆動させる典型的な方法に関して、説明する。
【0277】
図30は、ノズル機構182のアレイを示している。図示されているノズル機構182は同一であるが、異なる色のインクおよび固定剤が供給される異なるノズル機構182を使用することも可能である。好ましくは、印字ヘッド140は、ノズル機構182を列に配置して構成され、1つの列がそれぞれ、5色すなわちシアン、マゼンタ、イエロー、黒(「CMYK」)、および赤外(「IR」)のうちの1つを印字するためのものであり、1つの列が、固定剤(「F」)を印字するためのものである。CMYは、通常のカラー印字のために用意され、Kは、黒色文字、線画、およびグレースケールの印字のために用意され、IRは、「不可視」の印字を必要とする用途のために用意され、Fは、高速での印字出力物の汚れの防止を助けるために用意されている。
【0278】
しかしながら、印字ヘッド140を、任意の所望の数の色を使用して印字を行うように適合させることができ、印字ヘッド140は、実施の方法に応じてモノリシックな印字ヘッドICを備えることができ、あるいは複数の基板を必要としてもよい。さらに、ノズル機構182の列は、お互いにずらされており、印字の際に、単列のノズルにおいて可能な間隔よりも密なインクドットの間隔を可能にしている。また、複数の列は、(所望であれば)冗長性を可能にし、ノズルあたりの或る所定の故障率を許容している。
【0279】
印字ヘッド140の印字ヘッドICは、集積回路の製造技法を使用して製造され、すでに示したように、マイクロ電子機械システム(MEMS)を具現化している。ノズルを1つだけ示している図31を参照すると、各印字ヘッドICが、シリコンウエハ基板183およびシリコンウエハ基板183上に形成されたCMOSマイクロプロセシング回路を含む。これは、基板183上に絶縁層として二酸化シリコン層184を堆積させ、二酸化シリコン層184上にアルミニウム電極コンタクト層185を堆積させることによって行われる。基板183および層184の両者が、インク通路186を規定すべくエッチングされ、アルミニウム拡散バリア187が、インク通路186の周囲に配置される。
【0280】
チッ化シリコンのパッシベーション層188が、アルミニウムコンタクト層185および層184を覆って配置されている。パッシベーション層188のうち、コンタクト層185の上方に位置する部分は、コンタクト層185へのアクセスを提供するための開口189を有する。
【0281】
各ノズルは、ノズル壁191、ノズル屋根192、および半径方向内側のノズルリム193によって規定されるノズルチャンバ190を含む。インク通路186が、チャンバ190に連通している。
【0282】
可動シールリップ195を含む可動リム194が、ノズル壁191の下端に位置している。囲み壁196がノズルを囲んでおり、ノズルが図31に示すように静止しているときに可動リム194に隣接する静止シールリップ197をもたらしている。静止シールリップ197と可動シールリップ195との間に捕らえられたインクの表面張力によって、流体シール198が形成される。これが、チャンバからのインクの漏れを防止する一方で、囲み壁196とノズル壁191との間の低抵抗の結合をもたらしている。
【0283】
ノズル壁191は、一般的にU字の形状を有して基部200において層188に取り付けられているキャリア199に関し、このキャリア199へと取り付けられたレバー機構の一部を形成している。さらにレバー機構は、ノズル壁から延び横補強梁202が組み込まれているレバーアーム201を含む。レバーアーム201は、チッ化チタンから形成されてノズルの各側に位置している一対の受動梁203に取り付けられている(図34および35において最もよく見て取れる)。受動梁203の他端は、キャリア199に取り付けられている。
【0284】
さらにレバーアーム201は、TiNから形成されたアクチュエータ梁204にも取り付けられている。このアクチュエータ梁への取り付けが、受動梁203への取り付けと比べて、僅かではあるが決定的に高い位置において行われている点に、注目できる。
【0285】
図34および35から最もよく見て取れるように、アクチュエータ梁204は、平面において実質的にU字であり、電極205と対向する電極206との間の電流経路を規定している。電極205および206のそれぞれは、コンタクト層185内のそれぞれの点に電気的に接続されている。さらに、アクチュエータ梁204は、アンカ207へと機械的に固定されており、アンカ207は、ノズル機構の動作時に、図31〜33の左方へのアクチュエータ梁204の運動を制限するように構成されている。
【0286】
アクチュエータ梁204は、TiNで構成されて導電性であるが、電流が電極205および206の間を通過するときに自発的な発熱を生じるための充分に高い電気抵抗を有する。受動梁203を通って電流が流れることはなく、したがって受動梁203が熱膨張にさらされることはない。
【0287】
動作時、ノズルがインク208で満たされ、インク208が、表面張力の作用下でメニスカス209を規定する。インク208は、メニスカス209によってチャンバ190内に保持され、他の何らかの物理的作用が存在しないとき、ほとんど漏れ出すことはない。
【0288】
インクをノズルから発射するため、電流がコンタクト205および206の間に通され、アクチュエータ梁204を通過する。梁204自身の発熱が、梁204を膨張させるが、アクチュエータ梁204は、図31〜33に関してもっぱら水平方向に膨張するような寸法および形状に作られている。左方への膨張はアンカ207によって制限されており、したがってアクチュエータ梁204のレバーアーム201に隣接する端部が、右方へと駆動される。
【0289】
受動梁203は、相対的に水平方向の柔軟性を欠くため、レバーアーム201の大きな水平方向の移動を許さない。一方で、受動梁およびアクチュエータ梁のそれぞれのレバーアームへの取り付け点が相対的に変位するため、ねじり運動が引き起こされ、結果としてレバーアーム201に、枢動またはヒンジ運動によるおおむね下方への動きが生じる。しかしながら、真の枢支点が存在していないことが、回転が受動梁203の曲がりによって規定される枢支領域を中心とすることを意味している。
【0290】
レバーアーム201の下方への動き(および、僅かな回転)が、受動梁203からノズル壁191までの距離によって増幅される。ノズル壁およびノズル屋根の下方への運動が、チャンバ190内の圧力を上昇させ、図32に示すようにメニスカス209を隆起させる。インクの表面張力が、この運動による流体シール198の伸張を生じさせるが、インクは漏れ出すことができない。
【0291】
図33に示すように、適切な時点において駆動電流が停止され、アクチュエータ梁204が速やかに冷却して収縮する。この収縮によって、レバーアーム201の休止位置への復帰が開始され、結果としてチャンバ190内の圧力の低下が生じる。隆起したインクの勢いおよびその固有の表面張力の相互作用、ならびにノズルチャンバ190の上方への運動によって引き起こされる負の圧力が、隆起メニスカス209の薄化を生じ、最終的には隆起メニスカス209の放出を生じさせ、通過中の印字媒体に接するまで上方へと動き続けるインク滴210を規定する。
【0292】
滴210が離れた直後に、メニスカス209は、図33に示す凹状の形状を形成する。表面張力が、チャンバ190の圧力を、インクが引込口186を通って上方へと吸い込まれてノズル機構およびインクが図31に示した静止状態に戻るまで、比較的低く保つ。
【0293】
各ノズルからの滴の送出を制御するため、印刷エンジンアセンブリ107は、駆動用電子機器144を使用する。すでに述べたように、駆動用電子機器144は、プリンタ100によって印字されるべき印字ジョブの画像データを受信する。図36を参照すると、この画像データを、コンピュータシステムまたはユーザーのPC211など、外部のデータソースから受信することができる。PC211は、文書を受信し(ステップ212)、上記文書をバッファリングおよびラスタ化してページ記述をもたらし(ステップ213および214)、これを圧縮してプリンタ100の印刷エンジンアセンブリ107への送信に適したページ画像を提供する(ステップ215)など、画像データ(すなわち、文書)の印字にかかわる種々のステップを実行するようにプログラムされている。
【0294】
プリンタ100に設けられた印刷エンジンアセンブリ107の駆動用電子機器144において、圧縮された複数レイヤーのページ画像がバッファリングされ(ステップ216)、次いで上記ページ画像の種々のレイヤーを分離すべく拡大される(ステップ217)。拡大された連続階調層がディザリングされ(ステップ218)、次いで黒レイヤーが、ディザリング済みの連続階調層上に合成される(ステップ219)。さらに、符号化されているデータをレンダリングして(ステップ220)、例えばヒトの眼にとって実質的に不可視である赤外インクを使用して印字されるさらなるレイヤーを形成してもよい。黒レイヤー、ディザリング済みの連続階調層、および赤外レイヤーが組み合わされ(ステップ221)、好ましくは上述のように5色で印字を行うように構成されている印字用の印字ヘッド140へと供給(ステップ222)されるページが形成される。
【0295】
さらに、好ましくは文書データが、テキストおよび線画のための高解像度の2階層マスクレイヤーと、画像および背景色のための中解像度の連続階調カラー画像レイヤーとに分割される。場合により、画像または一様な色から取り出したカラーデータでテキストおよび線画をテクスチャ化するための中‐高解像度の連続階調テクスチャレイヤーを追加することによって、カラーの文字をサポートすることができる。連続階調層は、画像データまたは一様色データと称することができる抽象的な「画像」および「テクスチャ」レイヤーで表現することによって一般化される。このコンテンツに基づくデータの複数レイヤーへの分割は、当業者にとって公知である基本モードミクスドラスターコンテント(Mixed Raster Content:MRC)モデルに従っている。MRC基本モードと同様に、印字すべきデータが重なり合ういくつかの場合においては、中間物が作られる。例えば、すべての重なり合いを、中間物を明示的に具現化するプロセス(衝突回避(collision resolution))において、3レイヤーの表現へと還元することができる。
【0296】
中心のデータ構造は、3つのレイヤーからなる一般化表現であり、ページ要素223と称され、図37に簡略化したUML図に示されている。ページ要素223を、レンダリングエンジンから現われる単一のレンダリング済み要素から印字ジョブのバンドの全体までの範囲にわたるユニットを表現するために使用することができる。概念的には、図37および38を参照してさらに詳しく後述するように、2階層のシンボル領域が、2つの色の源の間の選択を行う。図36に示したステップ212〜222を実行する図38に示した装置の各コンポーネントが、それらがさらに下流のソフトウェアまたはハードウェアコンポーネントが要求する形式へとデータを処理するという点で、典型的には装置次第であることを、理解できる。
【0297】
図38において、レンダラー224が、図36に示したより一般的なプリンタシステムパイプラインの外側に設けられており、印字すべきファイルをレンダリングして、レンダリング済み要素をパイプラインのデータ受信器225へと、この目的のためにデータ受信器225が公開しているアプリケーションプログラミングインターフェイス(API)を利用して送達する(ステップ212)。レンダリング済みの要素が、当業者にとって周知であるプリンタのアルゴリズムに合わせた順序で送達される。APIを介して渡されたデータが、データ受信器225によって、後の段階での処理のための辞書およびページ要素のリストへと変換される。
【0298】
次いでデータが、以下のとおりラスタ化される(図36のステップ214)。衝突リゾルバー226が、データ受信器225によって(ステップ213でのバッファリングによって)作り出された単純なページ要素を受け付け、新規の要素と背景およびすでに存在するあらゆる要素との交点のそれぞれについて、完全に不透明な「解決済み(resolved)」のページ要素を生成する。基本的には、衝突リゾルバー226は、全ページが不透明な要素でタイル貼りされることを保証する。ストリッパー227が、データのバンドを水平方向に重なり合う部分へと分割するが、これはプリンタ100が比較的高速であって、必要な出力ドット速度を達成するために複数の並列な装置を使用しているがために、実行される。このような場合、水平方向に重なり合う部分のそれぞれが、対応する下流の装置へと供給される。ここではそのようなデータの分割は必要とさないため、ストリッパー227を省くことが可能である。
【0299】
印字の構成が異なると、下流のハードウェアへと送るために異なるレイヤー構成が必要とされる。レイヤー再編器228が、3レイヤーのページ要素を、上記特定の構成にとって適切な2レイヤーまたは3レイヤー形式に変換する。やはり、この機能が必要とされない場合が存在する可能性があり、そのような場合、レイヤー再編器228を省略することができる。連続階調合成器229が、ストリップ内のすべてのページ要素の画像およびテクスチャレイヤーを、下流のハードウェアによって要求されるとおりに単一の画像およびテクスチャレイヤーへと合成およびクリップする。
【0300】
色変換器230は、すべてのページ要素の連続階調平面を、入力された色空間から装置固有の色空間(通常は、CMYKである)へと変換する。マスク合成器231が、連続階調合成器229が連続階調層について実行するものと同じ操作を、マスクレイヤーについて実行する。すべての要素が、ストリップ境界へとクリップされ、単一のマスクバッファへと描かれる。
【0301】
デンシトメータ232が、現在のページの密度を、生じうる全密度の割合として測定する。この操作は、プリンタ100の電源が完全に密なページを最高速度では取り扱うことができない場合に必要とされる。連続階調圧縮器233が、下流のメモリおよび/または転送帯域についての要件を緩和するため、すべてのページ要素の連続階調層を圧縮する。マスクフォーマッタ234が、配置されたシンボル参照の領域として表現されてよいページ要素のマスクレイヤーを、下流のマスク復元器が期待する形式へと変換する。
【0302】
サイズリミッタ235が、バンドおよびページ全体についてすべてのサイズの制限が順守されるよう、バンドのより小さなバンドへの分割またはデータの再度の圧縮を制限が満足されるまで繰り返すことによって、保証する。データが、パイプラインの段の間でプリンタ100へと転送されるものである場合、(シリアライザ236において)シリアル化されたデータ構造が生成され、転送され、次いで(デシリアライザ237において)非シリアル化される。
【0303】
プリンタ100へと組み込まれた印刷エンジンアセンブリ107の駆動用電子機器144において、ディストリビュータ238が、データを独自の表現からハードウェア固有の表現へと変換し、ハードウェア装置へのデータ伝達に関する制限または要件を観察して、各ストリップについてのデータが確実に正しいハードウェア装置へと送られるようにする。ディストリビュータ238は、変換済みのデータを、複数のパイプライン239のうちの適切な1つへと分配する。パイプライン239は互いに同一であり、基本的には、印字ヘッド140のノズルのために印字可能なドット出力一式を生成するため、復元、スケーリング、およびドット合成の機能を提供する。
【0304】
各パイプライン239は、PC211からページ画像データを受け取る(図36のステップ216)ためのバッファ240を含む。連続階調復元器241が、カラー連続階調平面を復元し、マスク復元器242が、モノトーン(テキスト)レイヤーを復元する(図36のステップ217)。さらに、連続階調スケーラ243およびマスクスケーラ244が、処理済みのページが印字ヘッド140によって印字されようとする印字媒体のサイズを考慮するため、それぞれ復元された連続階調平面およびマスク平面のスケーリングを提供する。
【0305】
次いで、スケーリングされた連続階調平面が、ディザ器245によって、確率論的分散ドットディザを使用してディザリングされる(図36のステップ218)。クラスタドット、または振幅変調のディザリングは、使用されない。何故ならば、分散ドット、または周波数変調のディザリングが、ほぼドット解像度の限界に至る高い空間周波数(すなわち、画像の詳細)を再現すると同時に、眼によって空間的に統合されたとき、それらの完全な色の深さまでのより低い空間周波数を再現するためである。確率論的ディザマトリクスは、画像全体へと貼り付けられたときに好ましくない低周波のパターンが比較的存在しないように、注意深く設計される。したがって、そのサイズは、典型的には、特定の数の強度レベルをサポートするために必要な最小サイズ(例えば、257の強度レベルに対して、16×16×8ビット)よりも大きい。
【0306】
次いで、ディザリングされた平面が、印字に適したドットデータをもたらすために、ドット合成器246においてドット対ドットの基準で合成される(図36のステップ219および221)。このデータが、データ配布・駆動回路247へと送られ、次いでデータ配布・駆動回路247が、データを印字ヘッド140の正しいノズルアクチュエータ204へと配布し、次いでノズルアクチュエータ204が、インクを正しい時点に正しいノズル252から放出させる(図36のステップ222)。
【0307】
上述のシステムにおいては、主としてソフトウェア主体のPC部分211が、シリアライザ236に先立って設けられ、PC211から離れてプリンタ100内に位置する主としてハードウェア主体の印刷エンジンアセンブリ部分107が、デシリアライザ237から先のすべてを含んで設けられている。しかしながら、コンピュータシステムとプリンタとの間の上記分離が或る程度任意であり、種々のコンポーネントを、全体としての動作を実質的に変化させることなく、分割の反対側へと配置することができることを、理解できる。さらに、装置のコンポーネントのいくつかを、コンピュータシステムおよびプリンタから離れたハードウェアまたはソフトウェアにおいて取り扱うことが可能であることを、理解できる。例えば、PCの汎用のプロセッサに依存するよりはむしろ、このアーキテクチャのコンポーネントのいくつかを、専用のハードウェアを使用してアクセラレートすることができる。
【0308】
好ましくは、ハードウェアパイプライン239は、印刷エンジンアセンブリ107のコントローラに組み込まれるが、これはさらに、好ましくは1つ以上のチップ上システム(SoC)コンポーネント、ならびに印字パイプラインに関して上述した機能のいくつかまたはすべてを実行するように構成された印刷エンジンアセンブリパイプライン制御特定用途ロジックを含む。
【0309】
図39を参照すると、最も高い位置から見て、印刷エンジンアセンブリ107のコントローラは、中央演算処理装置(CPU)サブシステム248、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)サブシステム249、および印刷エンジンアセンブリパイプライン(PEP)サブシステム250という、3つの個別のサブシステムで構成されている。これらサブシステム248〜250の種々のコンポーネントを以下で説明し、それらコンポーネントのさらに詳しい説明を、それらの種々の機能も含めて後で表1〜3に提示する。
【0310】
CPUサブシステム248は、他のサブシステムのすべての様相を制御および設定し、プリンタ100の種々のコンポーネントと印刷エンジンアセンブリ107とのやり取りおよび同期について全般的なサポートを提供するCPU251を含む。これはさらに、本質保証(QA)装置(後述)への低速通信を制御する。さらに、CPUサブシステム248は、モータの制御などを含む汎用入出力(「GPIO」、)、割り込みコントローラユニット(「ICU」)、低速シリアル(「LSS」)マスタ、および汎用タイマー(「TIM」)など、CPU251を助けるための種々の周辺装置を含む。
【0311】
DRAMサブシステム249は、CPU251、フルスピードのUSB1.1インターフェイスをホストへと提供するとともに、印刷エンジンアセンブリ107の他のコントローラへのインターフェイス(「INT」)を提供するCPUサブシステム248のシリアル通信ブロック(「SCB」)、ならびにPEPサブシステム250内の各ブロックから、要求を受け付ける。DRAMサブシステム249の特にDRAMインターフェイスユニット(「DIU」)が、種々の要求を仲裁し、いずれの要求がDRAMサブシステム249に組み込まれているDRAMへのアクセスを勝ち取るべきかを判定する。DIUは、すべての要求者についてDRAMへの充分なアクセスを可能にするよう、設定されたパラメータに基づいて仲裁をおこなう。さらに、DIUは、ページサイズ、バンク数、およびリフレッシュレートなど、DRAMの実装の詳細を表に出さないようにする。
【0312】
PEPサブシステム250は、圧縮されたページをDRAMから受け取り、印字ヘッド140の印字ヘッドICと直接通信する印字ヘッドインターフェイス(「PHI」)へと向けられた所与の印字ラインのための2階層のドットへとレンダリングする。ページ拡大パイプラインの第1段は、連続階調デコーダユニット(「CDU」)、ロスレス2階層デコーダ(「LBD」)、およびタグエンコーダ(「TE」)を含む。CDUが、JPEG圧縮された連続階調(典型的には、CMYK)レイヤーを拡大し、LBDが、圧縮された2階層レイヤー(典型的には、K)を拡大し、TEが、後の(典型的には、IRまたはKインクでの)レンダリングのために赤外線タグをエンコードする。第1段からの出力は、バッファ一式、すなわち連続階調FIFOユニット(「CFU」)、スポットFIFOユニット(「SFU」)、およびタグFIFOユニット(「TFU」)である。CFUバッファおよびSFUバッファは、ダイナミックランダムアクセスメモリに実装されている。
【0313】
第2段は、ハーフトーン合成ユニット(「HCU」)を含んでおり、連続階調層をディザリングし、得られる2階層ディザ済みレイヤーに位置タグおよび2階層スポットレイヤーを合成する。いくつかの合成の選択肢を、上記コントローラと一緒に使用されている印字ヘッド140に応じて実装することができる。この段階から最大6チャネルの2階層データが生み出されるが、すべてのチャネルが印字ヘッド140に存在している必要はない。例えば、印字ヘッド140がCMYのみであって、KがCMYチャネルへと押し込まれ、IRが無視されてもよい。あるいは、IRインクが利用できない場合(または、検査の目的の場合)には、エンコードされたタグを、Kで印字してもよい。
【0314】
第3段においては、故障ノズル補償器(「DNC」)が、色の冗長性および故障ノズルのデータの周囲のドットへの誤差拡散によって、印字ヘッド140内の故障ノズルを補償する。得られた2階層6チャネルのドットデータ(典型的には、CMYK、赤外、および定着剤)がバッファリングされ、ドットラインライタユニット(DWU)を介してDRAMに保存されたラインバッファ一式に書き込まれる。最後に、ドットデータが再びDRAMから取り出され、ドットFIFO(図示されていない)を介してPHIへと渡される。ドットFIFOがシステムのクロックレートでラインローダユニット(「LLU」)からデータを受け取る一方で、PHIがドットFIFOからデータを取り去り、システムのクロックレートの2/3倍の速度で印字ヘッドへと送る。
【0315】
サブシステム248〜250の上述のコンポーネント、ならびに図39に示されているが説明されなかったコンポーネントの詳細および機能が、CPUサブシステム248、DRAMサブシステム249、およびPEPサブシステム250についてそれぞれ下記の表1〜3に提示される。
【表3】


【表4】


【表5】


好ましくは、DRAMサブシステム249のDRAMが、2.5Mバイトのサイズであり、そのうちの約2Mバイトが、圧縮されたページ保存データのために利用可能である。圧縮されたページは、2つ以上のバンドによって受信され、バンドの数がメモリに保存される。ページのバンドが、印字のためにPEPサブシステム250によって消費されたとき、新たなバンドをダウンロードすることができる。新たなバンドは、現在のページまたは次のページのためのものであってよい。バンドを使用することによって、圧縮されたページの全体がダウンロードされる前に、ページの印字を開始することが可能になるが、データが印字のために常に利用可能であり、すなわちバッファアンダーランが生じることがないよう、注意を払わなければならない。
【0316】
埋め込みのUSB1.1装置が、ホストPC211(図36)から圧縮されたページデータおよび制御コマンドを受け付け、DRAMまたは複数コントローラの印刷エンジンアセンブリの他のコントローラへのデータ伝達を促進する。複数コントローラの印刷エンジンアセンブリ107は、特定の実施例に応じて種々の機能を実行することができる。例えば、いくつかの場合においては、或るコントローラを、単に自身の搭載するDRAMのために使用することができる一方で、他のコントローラを、上述の種々の復元およびフォーマット機能に向けることができる。これは、印字ヘッド140がページの印字を上記ページのすべてのデータを受け取る前に開始し、かつ残りのデータが時間内に受信されない場合に生じうるバッファアンダーランの可能性を、小さくすることができる。そのメモリバッファ能力のために余分のコントローラを追加することで、追加のコントローラの他の能力のいずれもが使用されなくても、バッファリングできるデータの量が2倍になる。
【0317】
各コントローラは、プリンタ100の各機構の品質を保証し、印字の際に印字ヘッド140のノズルが損傷しないようインク供給の品質を保証し、印字ヘッド140およびプリンタ100の各機構が損傷しないようソフトウェアの品質を保証するため、互いに協働するように設計されたいくつかのQA装置を有することができる。
【0318】
通常は、印刷エンジンアセンブリ107の各コントローラが、最大印字速度など、プリンタ100の属性についての情報を保存する関連のQA装置(図示されていない)を有する。さらに、印刷エンジンアセンブリ107のカートリッジユニット139も、インク貯蔵・取扱リザーバ141に残っているインクの量など、カートリッジユニット139についての情報を保存するインクQA装置(図示されていない)を含む。印字ヘッド140も、ROM(有効には、EEPROM)として機能するように構成され、故障ノズルのマッピングおよび印字ヘッド140の特性などの印字ヘッド詳細情報を保存するQA装置(図示されていない)を有する。また、コントローラのCPUサブシステム248のCPU251が、論理(ソフトウェア)QA装置(図示されていない)を動作させるとともに、場合により、実質的にシリアルEEPROMとして機能するQA装置からプログラムコードを読み込んで実行することができる。一般的には、すべてのQA装置は物理的に同一であり、フラッシュメモリの内容のみがお互いを区別している。
【0319】
各コントローラは、システム認証およびインク使用計算のためのQA装置と通信できる2つのLSSシステムバスを有する。バスごとに多数のQA装置を使用することができ、それらのシステムにおける位置は、印字ヘッドQA装置とインクQA装置とが個別のLSSバスに位置すべきである点を除き、制限はされていない。
【0320】
使用時、論理QA装置が、インク残量を割り出すためにインクQA装置と通信する。インクQA装置からの回答が、印字ヘッドQA装置に関して認証される。印字ヘッドQA装置からの確認そのものが論理QA装置によって認証され、インクQA装置からの回答に追加の認証レベルを間接的に加える。
【0321】
印字ヘッドQA装置以外のQA装置間で渡されるデータは、デジタル署名によって認証される。例えば、データについてHMAC‐SHA1認証を使用することができ、プログラムコードについてRSAを使用することができるが、他のスキームを代わりに使用してもよい。
【0322】
単一のコントローラが、印字ヘッド140の複数の印字ヘッドICおよび最大6つの印字用流体チャネル(例えば、CMYK、赤外、およびF)を制御することができる。しかしながら、コントローラは、好ましくは色空間について寛容である。すなわち、コントローラが、CMYKまたはRGBX(Xは、場合によって第4のチャネル)として連続階調データを受け付けることができるが、任意の印字色空間において連続階調データを受け付けることもできる。さらに、コントローラは、インク最適化のためのドットの合成および任意の数の他のチャネルに基づくチャネルの生成など、入力チャネルを出力チャネルへと任意にマッピングするための機構を提供する。しかしながら、入力は典型的には、連続階調入力に対してはCMYKであり、2階層入力に対してはKであり、場合によってIRタグドットは、典型的には赤外レイヤーへとレンダリングされ、定着剤のチャネルは、高速印字の能力のために生成される。
【0323】
さらに、コントローラは、好ましくは解像度についても寛容であり、すなわち単にスケーリング係数による入力解像度と出力解像度との間のマッピングを提供するだけであって、印字ヘッド140の物理的な解像度についての知識を有さない。さらにまた、コントローラは、好ましくはページ長さについても寛容であり、すなわち連続するページが典型的にはバンドへと分けられ、情報の各バンドが消費されたときにページストアへとダウンロードされる。
【0324】
次に図40〜43に眼を向け、印字ヘッドの印字ヘッドICをさらに説明する。分かり易くするため、単一の印字ヘッドIC252のみが図40に示されているが、対応する機構が他の印字ヘッドICにおいても実装されることを、理解できる。
【0325】
図40は、印字ヘッドIC252およびその印刷エンジンアセンブリ107の駆動用電子機器144のコントローラへの接続について、概要を示している。印字ヘッドIC252は、印字ヘッドIC252に設けられた各ノズルの発射を行うための繰り返しロジックを含むノズルコアアレイ253、および高速リンク255を介してコントローラから受け取ったデータに従ってノズルの発射を行うためにタイミング信号を生成するためのノズル制御論理254を含む。ノズル制御論理254は、リンク256を介して印字のためにノズルコアアレイ253へとシリアルデータを送るように構成されている。ノズルコアアレイ253についての状態および他の動作上の情報が、他のリンク257を介して、ノズル制御論理254へと返信される。
【0326】
ノズルコアアレイ253が、図41および42に詳しく示されている。図41に見て取ることができるように、ノズルコアアレイ253が、ノズル列258のアレイ、発射/選択シフトレジスタ259、ならびにそれぞれが対応するドットシフトレジスタ260によって表わされている最大6つのチャネルを備える。
【0327】
図42に示されているように、発射/選択シフトレジスタ259は、順方向路発射シフトレジスタ261、逆方向路発射シフトレジスタ262、および選択シフトレジスタ263を含んでおり、各ドットシフトレジスタ260は、奇数ドットシフトレジスタ264および偶数ドットシフトレジスタ265を含む。奇数および偶数ドットシフトレジスタ264および265は、データが一方向において奇数シフトレジスタ264によってクロックされ、次いで逆方向において偶数シフトレジスタ265によってクロックされるように、一端において接続されている。最後の偶数ドットシフトレジスタ265を除くすべての偶数ドットシフトレジスタ265の出力が、マルチプレクサ266の複数の入力のうちの1つへと供給される。マルチプレクサ266のこの入力は、製造後検査の際に信号(CoreScan)によって選択される。通常の動作においては、CoreScan信号が、各マルチプレクサ266の他方の入力へと供給されるドットデータ入力Dot[x]を選択する。これにより、各色についてのDot[x]が、それぞれのドットシフトレジスタ260へと供給される。
【0328】
さらに図42には、ノズル列258のアレイのうちの単一の列Nが示されている。図示の実施の形態においては、列Nが、6つのドットシフトレジスタ260のそれぞれの奇数データ値267および偶数データ値268からなる12のデータ値を含む。さらに列Nは、進み発射シフトレジスタ261からの奇数発射値269、および戻り発射シフトレジスタ262からの偶数発射値270を含んでおり、これらが入力としてマルチプレクサ271へと供給される。マルチプレクサ271の出力は、選択シフトレジスタ263の選択値272によって制御される。選択値272がゼロであるとき、奇数発射値269が出力され、選択値272が1であるとき、偶数発射値270が出力される。
【0329】
奇数および偶数データ値267および268のそれぞれが、対応する奇数ドットラッチ273および偶数ドットラッチ274に、それぞれ入力として供給される。各ドットラッチ273および274ならびにその関連のデータ値267および268が、奇数ラッチ273および奇数データ値267について図42に示した単位セル275など、単位セルを形成する。奇数ドットシフトレジスタ264についてのこの状況が、図43にさらに詳しく示されており、これは偶数ドットシフトレジスタ265についての状況にも当てはまる。
【0330】
図43を参照すると、奇数ドットラッチ273は、奇数ドットシフトレジスタ264の要素を構成している単位セル(D型フリップ‐フロップ)275によって保持された奇数データ値267の出力を受け付けるD型フリップ‐フロップである。フリップ‐フロップ275へと入力されるデータは、奇数ドットシフトレジスタ264の先の要素の出力から供給される(上記要素がシフトレジスタ260の最初の要素でない場合には、その入力はDot[x]値である)。データは、ラインLsyncLに供給される負のパルスが受け取られたときに、フリップ‐フロップ275の出力から奇数ドットラッチ273へとクロックされる。
【0331】
奇数ドットラッチ273の出力は、3入力ANDゲート276への入力の1つとして供給される。ANDゲート276への他の入力は、発射許可(Fr)信号(マルチプレクサ271の出力から)およびパルスプロファイル(Pr)信号である。ノズルの発射時期は、パルスプロファイル信号Prによって制御され、例えばプリンタ100の電源がハウジング101に取り付けられる電池(図示されていない)として設けられる状況において、電池の消耗のために生じる低電圧条件(着脱式の電源の実施の形態において)を考慮に入れるため、例えば長くすることができる。これにより、発射時に各ノズルから比較的一定量のインクが効率的に放射されるように保証される。プロファイル信号Prは、各ドットシフトレジスタ260について同じであってよく、複雑さ、コスト、および性能の間のバランスがもたらされる。しかしながら、Pr信号を全体的に印加(すなわち、すべてのノズルについて同じ)することができ、あるいは各単位セルまたは各ノズルに合わせて個々に作成することも可能である。
【0332】
ひとたびデータが奇数ドットラッチ273にロードされると、FrおよびPr信号が、ANDゲート276に加えられて重ね合わされ、ロジック1を収容している各奇数ドットラッチ273について、インクのドットを打ち出すべくノズルを動作させる。
【0333】
図42および43に示した各ノズルチャネルの信号を、下記の表4にまとめる。
【表6】


図43に示されているように、Fr信号は斜めにルーティングされており、現在の列において色の発射を可能にし、次の列の次の色の発射を可能にし、以下同様である。これは、時間を遅延させる方法で6つの列にわたって分散させることで、電流の需要を平均化している。
【0334】
ドットラッチおよび種々のシフトレジスタを形成しているラッチは、完全に静的であり、CMOSに基づいている。ラッチの設計および構成は当業者にとって公知であり、したがって本明細書においては詳しくは説明しない。
【0335】
すでに述べたように、印字ヘッド140は、プリンタ100を使用して印字を行うことができる印字媒体の最大サイズのページ幅にわたる印字表面または印字ゾーンを有するが、このページ幅にわたってプリンタ100の高速印字の場合に必要とされる印字品質をもたらすため、少なくとも5,000基のノズル、さらには50,000個を超えるノズルを組み入れることができる。例えば、印字ヘッドIC252を組み合わせることによって、カラーインクおよび固定剤のチャネルを含むチャネル当たり13824基のノズルを有する印字ヘッドを規定することができる。
【0336】
ノズルの速度は、約60ppmで印字を行うことができるプリンタ100について20kHzにもなり、より高速な場合には、それ以上になりうる。このノズル速度の範囲において、印字ヘッド140の全体によって発射されうるインクの量は、少なくとも毎秒5000万滴である。しかしながら、高速かつ高品質の印字を提供すべくノズルの数が増やされているため、少なくとも毎秒1億滴、好ましくは少なくとも毎秒3億滴、さらに好ましくは少なくとも毎秒10億滴を、送出することができる。
【0337】
したがって、このような速度での印字に対応するため、駆動用電子機器144の特にコントローラが、ノズルがインク滴を発射するか否かを、少なくとも毎秒5000万ドットの速度で計算しなければならず、高速かつ高品質な印字用途においては、印字速度に応じて、少なくとも毎秒1億ドット、好ましくは少なくとも毎秒3億ドット、さらに好ましくは少なくとも毎秒10億ドットの速度で計算しなければならない。
【0338】
A4用紙の全幅で印字を行うカラープリンタ100においては、上述のノズル数および印字速度の範囲が、少なくとも毎秒50cmの面積印字速度をもたらし、高速においては、印字速度に応じて、少なくとも毎秒100cm、好ましくは少なくとも毎秒200cm、さらに好ましくは少なくとも毎秒500cmの面積印字速度をもたらす。
【0339】
プリンタ100の上述の特徴は、少なくとも30ppm、好ましくは少なくとも60ppmの高速で、少なくとも1200dpi、好ましくは少なくとも1600dpiの高品質のカラー印字を可能にする。これらの特徴が、すでに説明したプリンタ100の占有面積およびサイズの縮小とあいまって、これまでは不可能であった小型で高速かつ高品質なプリンタをもたらす。例えば、スタンドアセンブリ172を含まないプリンタ100を、全幅サイズの用紙としてA4用紙を収容すべく、約300mmの全幅、約465mmの全高、および約230mmの奥行きを有するように構成できる。しかしながら、プリンタの用途に応じて、他の寸法も可能である。
【0340】
したがって、完全に組み立てられたプリンタ100の最小の総体積、すなわちハウジング101、ヘッドユニット102、ソーストレイアセンブリ103、および基部ユニット112などといったプリンタ100の構成部品によって実際に占められる体積の合計は、約30,000cmであり、最大の総体積、すなわちプリンタ100によって占められる端から端までの空間は、約40,000cmであると考えられる。これは、60ppmでの印字において、プリンタのサイズ(体積)に対する印字速度の比が、最小でも少なくとも約0.002ppm/cmという結果をもたらす。プリンタ100が、さらに高速で印字を行うことができ、すなわち60ppm超かつ先に説明した両面印字について500ppmにものぼる速度で印字を行うことができる場合、少なくとも約0.005ppm/cm、好ましくは少なくとも約0.01ppm/cm、さらに好ましくは少なくとも約0.02ppm/cmというプリンタサイズ‐印字速度比が可能である。
【0341】
さらに、ハウジング101、ヘッドユニット102、ソーストレイアセンブリ103、および基部ユニット112といったプリンタ100のコンポーネント、ならびにこれらの種々のコンポーネントを、大部分についてプラスチックなどの軽量な材料から成型することができる。したがって、上述のサイズの縮小とともに、プリンタ100の重量も軽減することが可能である。例えば、プリンタ100が、約3.5kg〜約4.6kgの重量を有するだろうと考えられる。したがって、約30ppmで始まるカラープリンタ100の上述の可能な印字速度において、約0.2ppm/kgの印字速度‐プリンタ重量比が可能である。別のより重たい材料がプリンタ100のコンポーネントの構築に使用された場合でさえも、印字速度が高められることで、少なくとも約0.5ppm/kg、好ましくは少なくとも約1ppm/kg、さらに好ましくは少なくとも約5ppm/kgの印字速度‐プリンタ重量比が可能である。このような印字速度‐プリンタ重量比は、高速での印字が可能な従来のカラープリンタにおいて可能な印字速度‐プリンタ重量比とくらべ、それらのプリンタが典型的にはきわめて大きくて重いため、はるかに良好である。
【0342】
本発明を、本発明の典型的な実施の形態を参照して図示および説明したが、本発明の技術的範囲および技術的思想から離れることなく、様々な変更が当業者にとって明らかであり、当業者であればそのような変更を容易に行うことができるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲の技術的範囲は、本明細書において記載した説明に限定されるものではなく、むしろ特許請求の範囲は広く解釈されるべきものである。
【産業上の利用可能性】
【0343】
本発明は、高速プリンタに関し、さらに詳しくは、占有する空間の大きさが最小限でありながら高品質で毎分30ページ以上を印字できる卓上型のプリンタからの印字出力物を収集する方法に関する。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
印字媒体の表面へと画像を印字するための印字装置であって、
印字のための印刷エンジンを有するハウジングと、
前記印刷エンジンによる印字のための印字媒体を収容するための印字媒体供給トレイであって、前記印字媒体が実質的に垂直な向きに保たれるように前記ハウジングに収容されるべく構成されている印字媒体供給トレイと、
前記ハウジングに設けられ、前記供給トレイが前記ハウジングに収容されたときに、印字媒体を前記実質的に垂直な向きに保持すべく印字媒体に接触するように構成されている保持部材と、
を有する印字装置。
【請求項2】
前記印刷エンジンが、ページ幅のインクジェット印字ヘッドを有する、請求項1に記載の印字装置。
【請求項3】
前記保持部材が、前記ハウジングから突き出す少なくとも1つの弾性ホイル部材を備える、請求項1に記載の印字装置。
【請求項4】
前記供給トレイが、種々のサイズの印字媒体を貯蔵すべく調節可能であり、前記保持部材が、前記供給トレイに貯蔵される種々のサイズの印字媒体を保持するようにそれぞれ構成された複数の前記弾性ホイル部材を備える、請求項3に記載の印字装置。
【請求項5】
前記供給トレイが、約15°〜20°の角度だけ垂直に対して傾けられている、請求項1に記載の印字装置。
【請求項6】
前記貯蔵した印字媒体のシートを印字のために前記供給トレイから前記印刷エンジンの印字ヘッドへと搬送するための印字媒体搬送システム
をさらに備えており、
前記保持部材が、前記貯蔵した印字媒体の最上位のシートを前記搬送システムのローラーに抗して保持するようにさらに構成されている、請求項1に記載の印字装置。
【請求項7】
前記印字媒体へと印字を行うための前記印刷エンジン内の印字ヘッドと、
前記印字済みの印字媒体を収集するための印字媒体収集器と、
前記印字ヘッドを経由する前記印字媒体供給源から前記印字媒体収集器までの送達経路を通って印字媒体を搬送するための搬送装置と、
をさらに備えており、
印字媒体供給トレイおよび前記収集器が実質的に垂直に配置され、前記印字媒体の送達経路が少なくとも140°の角度を通過する、請求項1に記載の印字装置。
【請求項8】
基部と、
少なくとも2つの実質的に垂直に延びる表面を有して、前記基部と前記印刷エンジンとを接続する実質的に垂直に延びる本体と、
をさらに備えており、
前記印字媒体供給トレイが、前記本体の前記表面のうちの第1の表面に設けられ、前記印字媒体収集器が、前記本体の前記表面のうちの第2の表面に設けられている、請求項1に記載の印字装置。
【請求項9】
前記印刷エンジンから印字済みシートを、前記シートが前記印刷エンジンから実質的に垂直な経路をとって落下するように排出するための手段と、
前記シートの前縁を捕捉するための手段と、
前記シートへと、前記実質的に垂直な経路に実質的に直交する成分を有する拘束力を加えるための手段と、
前記シートを、前記実質的に垂直な経路に対して傾いている収集面上へと収集するための手段と、
をさらに備える、請求項1に記載の印字装置。
【請求項10】
前記印刷エンジンが、印字媒体のシートへと画像を印字するための印字ヘッド、および実質的に垂直な経路で前記印刷エンジンから前記印字済みシートを排出するように構成された出口を有しており、
前記印字装置が、
前記出口の下方に配置され、前記排出されたシートを収集するため前記実質的に垂直な経路に対して傾いた収集面と、前記収集面から突き出している足部分とを有する収集器をさらに備えており、
前記足部分が、前記排出されたシートの前記実質的に垂直な経路へと突き出すように構成され、前記シートの前縁に接触して前記実質的に垂直な経路における前記シートの動きを止めるように構成された接触面を有しており、前記接触面が、前記シートを収集のために前記収集面に向かって追いたてるように構成されている、請求項1に記載の印字装置。
【請求項11】
印字装置から送られる印字媒体を収集するための収集器をさらに備えており、前記収集器が、
前記印字装置から実質的に垂直な方向に送られる印字媒体の1つ以上のシートを収集して、前記1つ以上のシートを実質的に垂直な向きに保持するように構成された実質的に垂直な収集面を備えており、
前記収集面が、収集した印字媒体に印字媒体の前記送りの方向に直交する横方向の曲率を付与するように構成されている、請求項1に記載の印字装置。
【請求項12】
複数の色の光を放射するように構成された光源と、
前記印字装置の面に沿って延びる光伝達通路であって、前記光源からの光を伝達し、前記光を前記通路の長さに沿って放射するように構成された光伝達通路と、
前記光伝達通路があらかじめ定義された前記印字装置の種々の状態を知らせるべくあらかじめ定義された種々の色を放射するよう、前記印字装置について検出された動作状態に応答して前記光源を制御するように構成されたコントローラと、
をさらに備える、請求項1に記載の印字装置。
【請求項13】
前記印刷エンジンの印字ヘッドから印字済みの印字媒体を収集するための印字媒体収集器と、
前記印字ヘッドを経由する前記印字媒体供給トレイから前記印字媒体収集器までの送達経路を通って印字媒体を搬送するための搬送装置と、
前記印字媒体供給トレイ、前記印刷エンジン、および前記印字媒体収集器を動作時の向きに支持するための着脱式のスタンドと、
をさらに備えており、
前記印字媒体供給トレイおよび前記印字媒体収集器が、実質的に垂直に配置され、前記印字媒体の送達経路が、少なくとも140°の角度を規定している、請求項1に記載の印字装置。
【請求項14】
卓上型のプリンタとして構成され、
前記印刷エンジンが、前記実質的に垂直向きの印字媒体供給トレイから供給されて印字後に実質的に垂直向きの印字媒体収集器へと送達される印字媒体の全幅にわたっての印字のため、少なくとも5000個の印字ノズルからなる2次元のアレイとして構成されたページ幅の印字ヘッドを備えており、
前記印字媒体供給トレイと前記収集器とが、前記プリンタの実質的に垂直に延びる本体の異なる側に設けられている、請求項1に記載の印字装置。
【請求項15】
卓上型のプリンタとして構成され、
前記印刷エンジンが、インク排出ノズルのアレイを備えており、前記インク排出ノズルのアレイが、前記実質的に垂直向きの印字媒体供給トレイから供給された印字媒体へと少なくとも毎秒5000万滴の速度で前記印字媒体の全幅にわたってインク滴を排出することによって印字を行い、印字済み媒体を実質的に垂直向きの印字媒体収集器へと送達するように構成されたページ幅の印字ヘッドとして構成されており、
前記印字媒体供給トレイと前記収集器とが、前記プリンタの実質的に垂直に延びる本体の異なる側に設けられている、請求項1に記載の印字装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【公開番号】特開2010−264770(P2010−264770A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−195992(P2010−195992)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【分割の表示】特願2006−549770(P2006−549770)の分割
【原出願日】平成16年12月20日(2004.12.20)
【出願人】(303024600)シルバーブルック リサーチ ピーティワイ リミテッド (150)
【Fターム(参考)】