説明

垂直磁気記録媒体及びそれを備えた磁気記録再生装置並びに垂直磁気記録媒体の製造方法

【課題】本発明は、外部から印加された磁界により情報を記録する垂直磁気記録媒体及びそれを備えた磁気記録再生装置並びに垂直磁気記録媒体の製造方法に関し、サイドイレーズを抑制することのできる垂直磁気記録媒体及び磁気記録再生装置並びに垂直磁気記録媒体の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】垂直磁気記録媒体100は、基板1と、基板1上に形成された磁性層3と、磁性層3上に形成され、基板面1aに略垂直な方向に印加された磁界により磁化されて情報を記録する複数の記録層5n、5sと、隣接する記録層5n、5sの間にそれぞれ形成され、複数の記録層5n、5sのうちの情報の記録対象となる対象記録層5nに印加された磁界が、対象記録層5nに隣接する隣接記録層5sに到達するのを遮る磁気シールド層7とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部から印加された磁界により情報を記録する垂直磁気記録媒体及びそれを備えた磁気記録再生装置並びに垂直磁気記録媒体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基板面に略垂直な方向に印加された磁界により情報を記録する垂直磁気記録媒体及びそれを備えた磁気記録再生装置が知られている。近年、この垂直磁気記録媒体の大容量化が要求されており、垂直磁気記録媒体の記録密度の向上が望まれている。
垂直磁気記録媒体の記録密度の向上を図ることのできる技術として、パターンドメディア媒体を用いる垂直磁気記録媒体が提案されている。また、ディスクリート基板の記録層に溝を掘ることによってサイドクロストークを低減させることのできる垂直磁気記録媒体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。パターンドメディアを用いた垂直磁気記録媒体は、孤立した微小記録ビットを規則的に配列しているため、従来の垂直磁気記録媒体と比べて高密度記録が可能である。
【0003】
図16は、パターンドメディアが用いられた従来の垂直磁気記録媒体200の断面図である。図16に示すように、垂直磁気記録媒体200は、ガラス基板101上に形成された磁性層103と、磁性層103の上方に形成された複数の記録層(トラック)105n、105sと、記録層105n、105sの底面及び側面を囲んで形成された中間層113とを有している。図16では、磁気ヘッド201によって磁界mfが印加され、中央に形成された記録層105nに情報を記録している状態が示されている。
【0004】
しかしながら、磁気ヘッド201から記録層105nに磁界を印加して情報を記録する際に、当該記録層105nに隣接する記録層105sにも当該磁界の一部が漏れて印加されてしまう。これにより、隣接する記録層105sには、記録磁区が反転してしまうサイドイレーズ現象が起こる。このため、垂直磁気記録媒体の再生時のS/Nm比は低下し、記録層105nに記録された情報の再生が困難となってしまう。
【特許文献1】特開2000−48340号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、サイドイレーズを抑制することのできる垂直磁気記録媒体及びそれを備えた磁気記録再生装置並びに垂直磁気記録媒体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、非磁性基板と、前記非磁性基板上に形成された磁性層と、前記磁性層上に形成され、前記基板面に略垂直な方向に印加された磁界により磁化されて情報を記録する複数の記録層と、隣接する前記記録層の間にそれぞれ形成され、前記複数の記録層のうちの前記情報の記録対象となる対象記録層に印加された磁界が、前記対象記録層に隣接する前記記録層に到達するのを遮る磁気シールド層と、前記磁性層及び前記磁気シールド層と、前記記録層との間に形成された非磁性体の中間層とを有することを特徴とする垂直磁気記録媒体によって達成される。
【0007】
上記目的は、情報を磁気的に記録再生可能な垂直磁気記録媒体と、前記垂直磁気記録媒体に前記情報を磁気的に記録し再生する磁気記録再生ヘッドとを有する磁気記録再生装置において、上記本発明の垂直磁気記録媒体を有していることを特徴とする磁気記録再生装置によって達成される。
【0008】
上記目的は、非磁性基板面に略垂直な方向に印加された磁界により磁化されて情報を記録する複数の記録層を形成し、前記記録層を囲う非磁性材料の中間層を形成し、前記複数の記録層のうちの前記情報の記録対象となる対象記録層に印加された磁界が、前記対象記録層に隣接する前記記録層に到達するのを遮る磁気シールド層を隣接する前記記録層の間にそれぞれ形成することを特徴とする垂直磁気記録媒体の製造方法によって達成される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、サイドイレーズを抑制することのできる垂直磁気記録媒体及びそれを備えた磁気記録再生装置が実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の一実施の形態による垂直磁気記録媒体及びそれを備えた磁気記録再生装置並びに垂直磁気記録媒体の製造方法について図1乃至15を用いて説明する。図1は、本実施の形態による垂直磁気記録媒体100の要部断面図である。また、図2は、図1の上面図である。なお、図2では、理解を容易にするため、磁気記録再生ヘッド30の図示を省略している。本実施の形態では、パターンドメディアを用いた垂直磁気記録媒体を例に説明する。
【0011】
図1に示すように、垂直磁気記録媒体100は、基板(非磁性基板)1と、基板1上に形成された磁性層3と、磁性層3上に形成され、基板面1aに略垂直な方向に印加された磁界mfにより磁化されて情報を記録する複数の記録層5n、5sと、隣接する記録層5n、5sの間にそれぞれ形成され、複数の記録層5n、5sのうちの情報の記録対象となる対象記録層5nに印加された磁界が、対象記録層5nに隣接する隣接記録層5sに到達するのを遮る磁気シールド層7と、磁性層3及び磁気シールド層7と、記録層5n、5sとの間に形成された非磁性体の中間層13とを有している。対象記録層5n及び隣接記録層5sは、構成、作用及び機能に相違はないが、説明の便宜上、情報が記録される記録層を対象記録層5nと呼び、対象記録層5nに隣接する記録層を隣接記録層5sと呼ぶことにする。また、必要に応じて、対象記録層5n及び隣接記録層5sを総称して記録層5と呼ぶことにする。
垂直磁気記録媒体100は、磁界を印加して対象記録層5nに情報を記録する磁気記録再生ヘッド30と共に、例えばハードディスクドライブ等に内蔵される。
【0012】
基板1は、例えばガラス基板であり、円盤形状に形成されている。基板1は、例えば約0.3mm(ミリメートル)の厚さに形成されている。
磁性層3は、基板1の基板面1a上に形成されている。磁性層3は、軟磁性裏打ち層とも呼ばれる。磁性層3は、Co、Fe、Ni、Cr、Nb、Zr、Ta、B及びPtの少なくともいずれか1種の元素を含む合金を用いた軟磁性材料で形成されている。磁性層3の膜厚は15nm(ナノメートル)〜30nmである。磁性層3上には複数の記録層5が形成されている。
【0013】
記録層5は、矩形断面の角柱形状に形成されている。基板1の基板面1aに垂直な方向の記録層5の厚さは、300nmよりも薄く形成されており、本実施形態では8nm〜20nmに形成されている。記録層5は、FePt、CoPt、FePtNi、CoCrPt又はCoPtの多層膜のいずれか、及び/又は、希土類金属合金あるいは遷移金属合金を含む材料で形成されている。記録層5は、CoPt、Fept又はCoPdの合金若しくはCoPd多層膜等で形成されていてもよい。記録層5は、磁気記録再生ヘッド30から印加された磁界により磁化される。記録層5は、基板1の基板面に略垂直な方向vに磁化されるようになっている。記録層5に基板1の基板面1aに略垂直な方向に磁気記録再生ヘッド30からの磁界mfが印加されることにより、記録層5に情報を記録することができる。記録層5は、磁界の向きに応じて磁化の向きが変わる。このため、例えば磁化の向きの一方を「1」に対応付け、この向きとは逆の他方の向きを「0」に対応付けることにより、記録層5は、1ビットのデータを記憶することができる。
【0014】
磁気シールド層7は、間隔を空けて隣接する各記録層5n、5sの間に形成されており、隣接する各記録層5n、5sをそれぞれ画定するように仕切っている。磁気シールド層7は、磁性層3に接して形成されている。磁気シールド層7は、Fe、Co、Ni、Cr、Nb、Zr、Ta、B及びPtのいずれか1種又はこれらの少なくともいずれか1種の元素を含む合金を用いた軟磁性材料で形成されている。磁気シールド層7は、飽和磁束密度の高い材料(高Bs材料)で形成されることにより、磁界を遮ることができるようになっている。これにより、磁気シールド層7は、情報の記録対象となる対象記録層5nに磁気記録再生ヘッド30により印加された磁界mfが、対象記録層5nに隣接する隣接記録層5sに到達するのを遮ることができる。
【0015】
磁気シールド層7は、基板1の基板面1aから磁気シールド層7の上端7aまでの距離が、基板面1aから記録層5n、5sの上端5aまでの距離よりも短く形成されている。基板面1aから磁性シールド層7の上端7aまでの距離と、基板面1aから記録層5n、5sの上端5aまでの距離との差dは、2nm以上3nm以下に形成されるのが好ましい。なお、本実施形態では、各上端5a、7aまでの距離の差dは、2nmの長さに形成されている。
【0016】
保護膜9は、記録層5、中間層13及び磁気シールド層7上に形成されている。保護膜9は、例えば、カーボン等を用いて形成されている。保護膜9は、記録層5、中間層13及び磁気シールド層7まで形成された後に、基板1全面に形成されるので、磁気シールド層7の上端7a上の隣接する記録層5の間に埋め込まれて形成される。保護膜9の下端9aは、磁気シールド層7の上端7aの上面に接している。
【0017】
図2に示すように、磁気シールド層7は、基板面1a(図1参照)の法線方向に見て、矩形断面を有する記録層5を画定しており、格子状に形成されている。図1及び図2に示すように、磁気シールド層7は、記録層5の磁化が形成される方向mに延在し、基板1の基板面1aに沿って記録層5を囲むように形成されている。基板1の基板面1aの面内方向hの磁気シールド層7の幅tは、1nm〜5nmであり、特に1nm以上2nm以下が好ましい。
【0018】
中間層13は、磁性層3及び磁気シールド層7と、各記録層5n、5sとの間に形成されている。これにより、中間層13は、各記録層5n、5sの側面及び底面を覆うように形成されている。このため、各記録層5n、5sは、磁性層3及び磁気シールド層7に直接接触しないようになっている。さらに、各記録層5n、5sは、磁性層3及び磁気シールド層7と磁気的に結合しないようになっている。中間層13は、非磁性体であり、Ru、Ta、Cr、Ti及びWの少なくともいずれか1種を含む合金や、SiO、ZrO、Al、MgO、TiO、AlN、NiO、Si、HfB、ZrCのいずれかを含む材料を用いて形成されている。基板面1aに平行な方向の中間層13の幅と、基板面1aの法線方向の中間層13の厚さは、ともに1nm〜3nmである。
【0019】
次に、図3乃至図12を参照して、垂直磁気記録媒体100の製造方法を説明する。図3乃至図12は、垂直磁気記録媒体100の製造工程断面図である。図4から図12では、理解を容易にするため、各製造工程により新たに形成された形成層をハッチングを付して表すことにする。まず、スパッタリング法を用いて、将来的に磁性層3(図1参照)となる軟磁性材料層L1を真空中で基板1上に成膜する。次いで、スパッタリング法により真空中で、将来的に中間層13(図1参照)となる非磁性材料層L2を軟磁性材料層L1上に成膜する。次いで、将来的に記録層5(図1参照)となる磁気異方性材料層L3をスパッタリング法により真空中で非磁性材料層L2上に成膜する。
【0020】
次に、図4に示すように、磁気異方性材料層L3上にレジストを塗布してパターニングし、将来的に記録層5が形成される領域にレジストが残されたレジスト層L4を形成する。次いで、レジスト層L4をマスクとして各層L3、L2、L1を露光する。次に、図5に示すように、露光された軟磁性材料層L1、非磁性材料層L2及び磁気異方性材料層L3の領域をエッチングにより除去して、基板1が露出する穴部H1を形成する。これにより、磁気異方性材料層L3は記録層5となり、非磁性材料で形成された基板1上に複数の記録層5が形成される。
【0021】
次に、レジスト層L4を除去した後に、全面に下地層(不図示)を形成する。次に、図6に示すように、当該下地層を電極として用いて、メッキ法により記録層5上及び穴部H1に軟磁性材料層L5を形成する。軟磁性材料層L5は軟磁性材料層L1と同じ膜厚となるように形成される。これにより、軟磁性材料層L1のエッチングにより除去した部分が再度形成される。このとき、軟磁性材料層L1に充填された軟磁性材料と、記録層5上に形成された軟磁性材料層L5とは、膜厚がほぼ同じになる。以下、軟磁性材料層L1及び軟磁性材料層L5を軟磁性材料層L1と総称する。
【0022】
次に、図7に示すように、各層L1、L5を電極として用いて、メッキ法により軟磁性材料層L5上及び穴部H1の軟磁性材料層L1上に非磁性材料層L6を形成する。非磁性材料層L6は、非磁性材料層L2及び磁気異方性材料層L3の膜厚とほぼ同じ膜厚となるように形成される。これにより、非磁性材料層L2のエッチングにより除去した部分が再度形成される。以下、非磁性材料層L2及び非磁性材料層L6を非磁性材料層L2と総称する。
【0023】
次に、図8に示すように、表面エッチングにより、記録層5よりも上方にある軟磁性材料層L5及び非磁性材料層L6を除去する。
【0024】
次に、図9に示すように、非磁性材料層L2及び記録層5上にレジストを塗布してパターニングし、将来的に磁気シールド層7が形成される領域を開口したレジスト層L7を形成する。次に、レジスト層L7をマスクとして各層L2、L1を露光する。次に、図10に示すように、露光された軟磁性材料層L1及び非磁性材料層L2の領域をエッチングにより除去して、基板1が露出する穴部H2を形成する。非磁性材料層L2は中間層13となる。これにより、記録層5を囲う非磁性材料の中間層13が形成される。
【0025】
次に、全面に下地層(不図示)を形成する。次いで、図11に示すように、当該下地層を電極として用いて、メッキ法により記録層5及び中間層13上と、穴部H2とに軟磁性材料層L8を形成する。軟磁性材料層L8は軟磁性材料層L1と中間層13とを足し合わせた膜厚よりも例えば2nm低く形成される。これにより、軟磁性材料層L8のうちの軟磁性材料層L1に挟まれた部分と軟磁性材料層L1とにより磁性層3が形成される。また、軟磁性材料層L8のうちの中間層13間に挟まれた部分は磁気シールド層7となる。磁気シールド層7は、記録層5よりも例えば2nm低く形成される。磁気シールド層は、隣接する記録層5の間にそれぞれ形成される。
【0026】
次に、表面エッチングにより、記録層5及び中間層13よりも上方にある軟磁性材料層L8を除去する。次いで、図12に示すように、非磁性材料の保護膜9をCVD(Chemical Vapor Deposition)法により形成する。このとき、保護膜9は、中間層13の間であって磁気シールド層7上端の空間に埋め込まれる。また、必要に応じて保護膜9の上面を表面エッチングを用いて平坦化する。
以上の製造工程を経て、垂直磁気記録媒体100が完成する。
【0027】
図13は、磁気シールド層7の高さを変化させたときの磁界分布のシミュレーション結果を示す図である。なお、記録対象としての対象記録層5nに磁界を印加する磁気記録再生ヘッド30の光学ライトコア幅は21nm、メインポール長は42nm、ネックハイトは8nmであり、メインポールの飽和磁束密度は2.3Tである。また、磁気記録再生ヘッド30に流す電流は全て50mA(ミリアンペア)であり、磁気記録再生ヘッド30の浮上量は1nmである。なお、各記録層5n、5sの厚さは10nmであり、磁気シールド層7と磁性層3との飽和磁束密度は2.3Tである。
【0028】
図13において、横軸は対象記録層5nの中心からのトラック方向の距離(nm)を表し、縦軸は印加磁界(kOe(キロエルステッド))を表している。図13では、各記録層5n、5sは、トラック方向の幅が24nmと設定され、膜厚が10nmと設定されている。対象記録層5nに磁界mf(図1参照)を印加する磁気記録再生ヘッド30(図1参照)の中心、及び、当該磁気記録再生ヘッド30から磁界mfが印加される対象記録層5nの中心は、それぞれトラック方向の距離を0nmに設定されている。対象記録層5nの中心から12nmの位置が対象記録層5nの側面の位置である。中間層13は、トラック方向の幅が1nmであり、対象記録層5nの中心から12nm〜13nmの位置に配置されている。磁気シールド層7は、トラック方向の幅が2nmであり、対象記録層5nの中心からの距離が14nmの位置に配置されている。すなわち、図13において、磁気シールド層7は、対象記録層5nの中心から13nm〜15nmの位置に配置されている。対象記録層5nの中心に対して磁気シールド層7の外側には、対象記録層5nの中心から16nmの位置に隣接記録層5sの側面が配置されている。対象記録層5nの中心から15nm〜16nmの位置に隣接記録層5sの中間層13が配置されている。
【0029】
図13には、磁気シールド層7を形成しなかった場合の結果、及び、磁気シールド層7の上端7aと各記録層5n、5sの上端5aとの高さの差d(図1参照)を変化させた場合の結果がそれぞれ示されている。◆印を結ぶ曲線c1は、磁気シールド層7を形成しなかった場合の磁界分布を示している。■印を結ぶ曲線c2は、d=0nmでの磁界分布を示している。▲印を結ぶ曲線c3は、d=1nmでの磁界分布を示している。大きな●印を結ぶ曲線c4は、d=2nmでの磁界分布を示している。小さな●印を結ぶ曲線c5は、d=3nmでの磁界分布を示している。○印を結ぶ曲線c6は、d=4nmでの磁界分布を示している。
【0030】
ここで、対象記録層5nの中心から16nm及び19nmのそれぞれの位置での印加磁界は、磁気シールド層7がない場合(曲線c1)では、3.5kOeと2.0kOeであり、d=0nm(曲線c2)では、2.5kOeと0.6kOe(不図示)であり、d=1nm(曲線c3)では3.0kOeと0.8kOe(不図示)であり、d=2nm(曲線c4)では、3.3kOeと1.3kOeであり、d=3nm(曲線c5)では、2.7kOeと1.5kOeであり、d=4nm(曲線c6)では、3.5kOeと2.0kOeである。これらの結果から、隣接記録層5sに印加された磁界は、一定の傾きで磁界が減少する。すなわち、隣接記録層5sへの漏れ磁界は、磁気シールド層7の高さによらずに略一定の傾きで減少する。このため、対象記録層5nに印加される印加磁界の隣接記録層5sへの影響は、中間層13と隣接記録層5sとの境界の位置(16nm)で判断できることがわかる。対象記録層5nの中心から16nmの位置で印加磁界の値が低いので、サイドイレーズが低いことがわかる。
【0031】
曲線c2と曲線c1とで示すように、磁気シールド層7がある場合(曲線c2)は、磁気シールド層7がない場合(曲線c1)に比べて、隣接記録層5sへの磁界の漏れが少なくなる。曲線c2及び曲線c3で示すように、磁気シールド層7の上端7aと各記録層5n、5sの上端11aとの高さが同じ場合(曲線c2)あるいは略同じ場合(曲線c3)は、磁気記録再生ヘッド30からの磁界の一部が磁気シールド層7に直接吸い込まれてしまうので、対象記録層5nへの印加磁界が低くなる。このように、磁気シールド層7を高くすると、対象記録層5nに印加される磁界が弱くなるので、対象記録層5nは、印加磁界によって磁化され難くなる。
【0032】
曲線c5及び曲線c6で示すように、磁気シールド層7の上端7aと各記録層5n、5sの上端11aとの高さの差dを大きくする程、磁気シールド層7が形成されていない曲線c1に近づく。特に、曲線c6で示すように、磁気シールド層7の上端7aと各記録層5n、5sの上端11aとの高さの差dを4nmにすると、曲線c1、c6で示す磁界分布が略一致する。すなわち、磁気シールド層7の上端7aと各記録層5n、5sの上端11aとの高さの差dを4nm以上にすると、磁気シールド層7を有していない場合と同等の磁界分布となることがわかる。
【0033】
曲線c4、曲線c5及び曲線c6で示すように、磁気シールド層7の上端7aと各記録層5n、5sの上端5aとの高さの差dを2nm以上にすると、対象記録層5nに印加される磁界は、曲線c1の磁界分布と同等の強度を維持する。特に、曲線c4及び曲線c5で示すように、磁気シールド層7の上端7aと各記録層5n、5sの上端11aとの高さの差dを2nm以上3nm以下とすることにより、対象記録層5nに印加される磁界強度を強く維持しつつ、隣接記録層5sへの磁界の漏れを少なくすることができる。従って、上端7aと上端11aとの差dは、2nm以上3nm以下であることが好ましい。
【0034】
図14は、磁気シールド層7の幅を変化させたときの磁界分布のシミュレーション結果を示す図である。なお、磁気記録再生ヘッド30の各種条件、各記録層5n、5sの厚さ及び磁気シールド層7と磁性層3との飽和磁束密度は、図13で用いた値と同一である。
【0035】
図14において、横軸は対象記録層5nの中心からのトラック方向の距離(nm)を表し、縦軸は印加磁界(kOe)を表している。図14では、各記録層5n、5sは、トラック方向の幅を24nmとし、膜厚を10nmと設定されている。各記録層5n、5sに磁界mf(図1参照)を印加する磁気記録再生ヘッド30(図1参照)の中心、及び、当該磁気記録再生ヘッド30から磁界mfが印加される対象記録層5nの中心は、それぞれトラック方向の距離を0nmに設定されている。対象記録層5nの中心から12nmの位置が対象記録層5nの側面の位置である。対象記録層5nの中心からの距離が14nmの位置に磁気シールド層7の幅方向の中心が配置されている。対象記録層5nの中心に対して磁気シールド層7の外側には、隣接記録層5sが配置されている。対象記録層5nの中心から16nmの位置には、対象記録層5nに隣接する隣接記録層5sの側面が配置されている。図14において、対象記録層5nの中心から12nm〜16nmの位置に、磁気シールド層7と中間層13とが配置されている。
【0036】
図14には、磁気シールド層7を形成しなかった場合の結果、及び、磁気シールド層7の幅t(図1参照)を変化させた場合の結果がそれぞれ示されている。◆印を結ぶ曲線e1は、磁気シールド層7を形成しなかった場合の磁界分布を示している。■印を結ぶ曲線e2は、t=1nm、すなわち、磁気シールド層7の両側の中間層7の幅をそれぞれ1.5nmとした場合の磁界分布を示している。▲印を結ぶ曲線e3は、t=2nm、すなわち磁気シールド層7の両側の中間層7の幅をそれぞれ1.0nmとした場合の磁界分布を示している。大きな●印を結ぶ曲線e4は、t=3nm、すなわち磁気シールド層7の両側の中間層7の幅をそれぞれ0.5nmとした場合の磁界分布を示している。小さな●印を結ぶ曲線e5は、t=4nm、すなわち磁気シールド層7の両側に中間層7が形成されていない場合の磁界分布を示している。
【0037】
ここで、対象記録層5nの中心から19nmの位置の印加磁界は、磁気シールド層7のない場合(曲線e1)では、2.0kOeであり、t=1nm(曲線e2)では、1.6kOeであり、t=2nm(曲線e3)では、1.3kOeであり、t=3nm(曲線e4)では、0.8kOe(不図示)であり、t=4nm(曲線e5)では、0.6kOe(不図示)である。
【0038】
曲線e2、曲線e3、曲線e4及び曲線e5で示すように、磁気シールド層7の幅tが厚くなるに従って、隣接記録層5sへの磁界の漏れが減少することがわかる。このとき、磁気シールド層7の幅tが厚くなるに従って、対象記録層5nに磁界が印加され難くなり、特に曲線e4及び曲線e5で示すように、磁気シールド層7の幅tを3nm以上にすると、記録層5nの記録磁区に印加される磁界が減少する。従って、磁気シールド7の幅tは、1nm以上2nm以下であることが好ましい。
【0039】
本実施形態によると、垂直磁気記録媒体100は、対象記録層5nと、対象記録層5nに隣接する隣接記録層5sとの間に磁気シールド層7を有し、対象記録層5nに磁界が印加される際に、磁界の一部が隣接記録層5sに到達するのを遮ることができる。これにより、対象記録層5nに磁界を印加して情報を記録する際に、隣接する記録層5sへの磁界の印加が防止される。このため、隣接記録層5sの記録磁区が反転してしまうサイドイレーズ現象を抑制することができる。
【0040】
図15は、本実施の形態による垂直磁気記録媒体100を備えた磁気記録再生装置の一例としてのハードディスク駆動装置(HDD)50の内部構造を概略的に示している。HDD50は、例えば直方体の内部空間を画定する箱状の筐体52を有している。筐体52内の収容空間には、1枚以上の円盤状の磁気ディスク53が収容されている。磁気ディスク53に、本実施形態の垂直磁気記録媒体100が用いられる。磁気ディスク53の中心はスピンドルモータ54の回転軸に固定されている。
【0041】
スピンドルモータ54は、例えば4200rpm(回転数/分)〜7200rpm、あるいは15000rpmの高速度で磁気ディスク53を回転させることができる。筐体52には、筐体52との間で収容空間を密閉する蓋体すなわちカバー(図示せず)が結合される。
【0042】
収容空間には、垂直方向に延びる支軸55回りで揺動するキャリッジ56がさらに収容されている。キャリッジ56は、支軸55から水平方向に延びる剛体の揺動アーム57と、揺動アーム57の先端に取り付けられて揺動アーム57から前方に延びる弾性サスペンション58とを備えている。弾性サスペンション58の先端では、いわゆるジンバルばね(図示せず)の働きで浮上ヘッドスライダ59が片持ち支持されている。浮上ヘッドスライダ59には、磁気ディスク53の表面に向かって弾性サスペンション58から押し付け力が作用する。磁気ディスク53の回転に基づき磁気ディスク53の表面で生成される気流の働きで浮上ヘッドスライダ59には浮力が作用する。弾性サスペンション58の押し付け力と浮力とのバランスで磁気ディスク53の回転中に比較的に高い剛性で浮上ヘッドスライダ59は浮上し続けることができる。
【0043】
浮上ヘッドスライダ59の浮上中に、キャリッジ56が支軸55回りで揺動すると、浮上ヘッドスライダ59は半径方向に磁気ディスク53の表面を横切ることができる。こうした移動に基づき浮上ヘッドスライダ59は磁気ディスク53上の所望の記録トラックに位置決めされる。このとき、キャリッジ56の揺動は例えばボイスコイルモータ(VCM)といったアクチュエータ60の働きを通じて実現される。複数枚の磁気ディスク53が筐体52内に組み込まれる場合には、隣接する磁気ディスク53同士の間で1本の揺動アーム57に対して2つの弾性サスペンション58が搭載される。
【0044】
浮上ヘッドスライダ59には、磁気記録再生ヘッド30が搭載されている。磁気記録再生ヘッド30の再生磁気ヘッドで磁気ディスク53に記録された磁界に応じた電気抵抗の変化に基づき情報が読み出され、誘導型記録磁気ヘッドで生じる磁界を利用して磁気ディスク53に情報が書き込まれる。
【0045】
以上、実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は、上記実施の形態に限らず種々の変形が可能である。
上記実施の形態では、各記録層5n、5sは基板1の基板面1aに沿った断面が矩形形状となるように形成されているが、本発明はこれに限られず、円形断面等、その他の形状であってもよい。
また、上記実施の形態では、磁気シールド層7の上に保護膜9が形成されているが、本発明はこれに限られず、磁気シールド層7の上には、中間層と同一の非磁性材料等、その他の部材が形成されていてもよい。
【0046】
以上、説明した本実施の形態による垂直磁気記録媒体及びそれを備えた磁気記録再生装置並びに垂直磁気記録媒体の製造方法は、以下のようにまとめられる。
(付記1)
非磁性基板と、
前記非磁性基板上に形成された磁性層と、
前記磁性層上に形成され、前記基板面に略垂直な方向に印加された磁界により磁化されて情報を記録する複数の記録層と、
隣接する前記記録層の間にそれぞれ形成され、前記複数の記録層のうちの前記情報の記録対象となる対象記録層に印加された磁界が、前記対象記録層に隣接する前記記録層に到達するのを遮る磁気シールド層と、
前記磁性層及び前記磁気シールド層と、前記記録層との間に形成された非磁性体の中間層と
を有することを特徴とする垂直磁気記録媒体。
(付記2)
付記1記載の垂直磁気記録媒体において、
前記基板面から前記磁気シールド層の上端までの距離は、前記基板面から前記記録層の上端までの距離よりも短いこと
を特徴とする垂直磁気記録媒体。
(付記3)
付記2記載の垂直磁気記録媒体において、
前記基板面から前記磁気シールド層の上端までの距離は、前記基板面から前記記録層の上端までの距離よりも2nm以上3nm以下短いこと
を特徴とする垂直磁気記録媒体。
(付記4)
付記1乃至3のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体において、
前記基板面内方向の前記磁気シールド層の幅は、1nm以上2nm以下であること
を特徴とする垂直磁気記録媒体。
(付記5)
付記1乃至4のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体において、
前記磁気シールド層は、前記磁性層に接して形成されていること
を特徴とする垂直磁気記録媒体。
(付記6)
付記1乃至5のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体において、
前記磁気シールド層の上方に形成された非磁性層をさらに有すること
を特徴とする垂直磁気記録媒体。
(付記7)
付記1乃至6のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体において、
前記中間層は、非磁性体であること
を特徴とする垂直磁気記録媒体。
(付記8)
付記7記載の垂直磁気記録媒体において、
前記中間層は、SiO、ZrO、Al、MgO、TiO、AlN、NiO、Si、HfB及びZrCのいずれかを含んでいること
を特徴とする垂直磁気記録媒体。
(付記9)
付記1乃至8のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体において、
前記磁気シールド層は、飽和磁束密度の高い材料を含んでいること
を特徴とする垂直磁気記録媒体。
(付記10)
付記9記載の垂直磁気記録媒体において、
前記磁気シールド層は、Fe、Co、Ni、B、Cr、Ta及びPtのいずれか1種又はFe、Co、Ni、B、Cr、Ta及びPtの少なくともいずれか1種を有する合金を含んでいること
を特徴とする垂直磁気記録媒体。
(付記11)
付記1乃至10のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体において、
前記記録層は、FePt、CoPt、FePtNi、CoCrPt又はCoPtの多層膜のいずれか、及び/又は、希土類金属合金あるいは遷移金属合金を含んでいること
を特徴とする垂直磁気記録媒体。
(付記12)
付記1乃至11のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体において、
前記基板面に垂直な方向の前記記録層の厚さは、300nmよりも薄いこと
を特徴とする垂直磁気記録媒体。
(付記13)
情報を磁気的に記録再生可能な垂直磁気記録媒体と、前記垂直磁気記録媒体に前記情報を磁気的に記録し再生する磁気記録再生ヘッドとを有する磁気記録再生装置において、
付記1乃至11記載のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体を有していること
を特徴とする磁気記録再生装置。
(付記14)
非磁性基板面に略垂直な方向に印加された磁界により磁化されて情報を記録する複数の記録層を前記非磁性基板上に形成し、
前記記録層を囲う非磁性材料の中間層を形成し、
前記複数の記録層のうちの前記情報の記録対象となる対象記録層に印加された磁界が、前記対象記録層に隣接する前記記録層に到達するのを遮る磁気シールド層を隣接する前記記録層の間にそれぞれ形成すること
を特徴とする垂直磁気記録媒体の製造方法。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の一実施の形態による垂直磁気記録媒体の要部断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態による垂直磁気記録媒体の要部の上面図である。
【図3】本発明の一実施の形態による垂直磁気記録媒体の製造工程断面図(その1)である。
【図4】本発明の一実施の形態による垂直磁気記録媒体の製造工程断面図(その2)である。
【図5】本発明の一実施の形態による垂直磁気記録媒体の製造工程断面図(その3)である。
【図6】本発明の一実施の形態による垂直磁気記録媒体の製造工程断面図(その4)である。
【図7】本発明の一実施の形態による垂直磁気記録媒体の製造工程断面図(その5)である。
【図8】本発明の一実施の形態による垂直磁気記録媒体の製造工程断面図(その6)である。
【図9】本発明の一実施の形態による垂直磁気記録媒体の製造工程断面図(その7)である。
【図10】本発明の一実施の形態による垂直磁気記録媒体の製造工程断面図(その8)である。
【図11】本発明の一実施の形態による垂直磁気記録媒体の製造工程断面図(その9)である。
【図12】本発明の一実施の形態による垂直磁気記録媒体の製造工程断面図(その10)である。
【図13】本発明の一実施の形態による垂直磁気記録媒体の磁気シールド層の高さを変化させたときの磁界分布を示す図である。
【図14】本発明の一実施の形態による垂直磁気記録媒体の磁気シールド層の幅を変化させたときの磁界分布を示す図である。
【図15】本発明の一実施の形態による磁気記録再生装置としてのハードディスク駆動装置の内部構造の概略構成を示す図である。
【図16】従来の垂直磁気記録媒体の要部断面図である。
【符号の説明】
【0048】
1 基板(非磁性基板)
1a 基板面
3、103 磁性層
5 記録層
5n 対象記録層
5s 隣接記録層
5a、7a 上端
7 磁気シールド層
9 保護膜
13、113 中間層
30 磁気記録再生ヘッド
50 ハードディスク駆動装置
52 筐体
53 磁気ディスク
54 スピンドルモータ
55 支軸
56 キャリッジ
57 揺動アーム
58 弾性サスペンション
59 浮上ヘッドスライダ
60 アクチュエータ
100、200 垂直磁気記録媒体
101 ガラス基板
H1、H2 穴部
L1、L5、L8 軟磁性材料層
L2、L6 非磁性材料層
L3 磁気異方性材料層
L4、L7 レジスト層
mf 磁界

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非磁性基板と、
前記非磁性基板上に形成された磁性層と、
前記磁性層上に形成され、前記基板面に略垂直な方向に印加された磁界により磁化されて情報を記録する複数の記録層と、
隣接する前記記録層の間にそれぞれ形成され、前記複数の記録層のうちの前記情報の記録対象となる対象記録層に印加された磁界が、前記対象記録層に隣接する前記記録層に到達するのを遮る磁気シールド層と、
前記磁性層及び前記磁気シールド層と、前記記録層との間に形成された非磁性体の中間層と
を有することを特徴とする垂直磁気記録媒体。
【請求項2】
請求項1記載の垂直磁気記録媒体において、
前記基板面から前記磁気シールド層の上端までの距離は、前記基板面から前記記録層の上端までの距離よりも短いこと
を特徴とする垂直磁気記録媒体。
【請求項3】
請求項2記載の垂直磁気記録媒体において、
前記基板面から前記磁気シールド層の上端までの距離は、前記基板面から前記記録層の上端までの距離よりも2nm以上3nm以下短いこと
を特徴とする垂直磁気記録媒体。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体において、
前記基板面内方向の前記磁気シールド層の幅は、1nm以上2nm以下であること
を特徴とする垂直磁気記録媒体。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体において、
前記磁気シールド層は、前記磁性層に接して形成されていること
を特徴とする垂直磁気記録媒体。
【請求項6】
情報を磁気的に記録再生可能な垂直磁気記録媒体と、前記垂直磁気記録媒体に前記情報を磁気的に記録し再生する磁気記録再生ヘッドとを有する磁気記録再生装置において、
請求項1乃至5記載のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体を有していること
を特徴とする磁気記録再生装置。
【請求項7】
非磁性基板面に略垂直な方向に印加された磁界により磁化されて情報を記録する複数の記録層を形成し、
前記記録層を囲う非磁性材料の中間層を形成し、
前記複数の記録層のうちの前記情報の記録対象となる対象記録層に印加された磁界が、前記対象記録層に隣接する前記記録層に到達するのを遮る磁気シールド層を隣接する前記記録層の間にそれぞれ形成すること
を特徴とする垂直磁気記録媒体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−64497(P2009−64497A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−229998(P2007−229998)
【出願日】平成19年9月5日(2007.9.5)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】