説明

埋め込み型医療装置における併用療法検出

様々な方法実施形態は、複数の療法パルスを含む併用療法を検出する。併用療法を検出する段階は、少なくとも1つの電気パルスを検出する段階と、少なくとも1つの電気パルスから少なくとも1つの特徴を抽出する段階と、検出されたパルスの少なくとも1つの特徴を療法パルスの少なくとも1つの特徴と比較する段階と、検出されたパルスの少なくとも1つの特徴が療法パルスの少なくとも1つの特徴と比較して勝る場合に併用療法が適用中であることを検出する段階とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔優先権の主張〕
本出願は、引用により本明細書に組み込まれる2009年12月8日出願の米国特許仮出願、出願番号第61/267,610号に対する「35 U.S.C.§119(e)」の下での優先権の恩典を請求するものである。
【0002】
本出願は、一般的に医療装置に関し、より具体的には、併用療法を検出するためのシステム、装置、及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
電気療法を送出するいくつかの埋め込み型医療装置(IMD)が存在し、他のものも提案されている。一例としてかつ限定ではなく、IMDには、心臓ペースメーカー、心臓除細動器、及び除細動器のような埋め込み型心調律管理器(CRM)が含まれる。CRM装置は、心臓の選択された腔に電気刺激を与えて心調律障害を治療する。例えば、埋め込み型ペースメーカーは、タイミングを合わせた整調パルスで心臓を整調するCRM装置である。他のIMDの例には、脊髄刺激器、筋刺激器、及び神経刺激器が含まれる。例えば、様々な病状を治療するために神経ターゲットを刺激すること(神経性刺激、神経刺激、又は神経調節と呼ばれる)が提案されている。例えば、研究では、頸動脈洞枝の電気刺激は、実験的高血圧を低下させることができ、かつ頸動脈洞自体の圧受容領域への直接的な電気刺激は、実験的高血圧の反射性低下をもたらすことが示されている。更に、埋め込み型装置以外の装置も、電気刺激を送出することができる。そのような装置の一例には、経皮的電気神経刺激(TENS)装置が含まれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
患者に適用された併用電気療法を検出するためのシステムの様々な実施形態は、患者の体内に埋め込まれるように構成され、かつ併用電気療法を検出するように構成された埋め込み型医療装置(IMD)を含む。併用電気療法は、複数の電気療法パルスを含む。IMDは、ストレージと、併用療法検出回路と、コントローラとを含む。ストレージは、併用電気療法における療法パルスの少なくとも1つの特徴を含む。併用療法検出回路は、電気パルスを検出して検出された電気パルスの少なくとも1つの特徴を抽出するように構成される。コントローラは、検出された電気パルスの少なくとも1つの特徴を療法パルスの少なくとも1つの格納された特徴と比較して、検出された電気パルスの少なくとも1つの特徴が療法パルスの少なくとも1つの格納された特徴と比較して勝る場合、併用療法が患者に適用中であることを示すように構成される。
【0005】
様々な方法実施形態は、複数の療法パルスを含む併用療法を検出する。併用療法の検出は、少なくとも1つの電気パルスを検出する段階と、少なくとも1つの電気パルスから少なくとも1つの特徴を抽出する段階と、検出されたパルスの少なくとも1つの特徴を療法パルスの少なくとも1つの特徴と比較する段階と、検出されたパルスの少なくとも1つの特徴が療法パルスの少なくとも1つの特徴と比較して勝る場合に併用療法が適用中であることを検出する段階とを含む。
【0006】
この「発明の概要」は、本出願の教示の一部を概説したものであり、本発明の内容の排他的又は網羅的な取り扱いを意図したものではない。本発明の内容の更なる詳細は、詳細説明及び添付の特許請求の範囲に見出される。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物によって定められる。
【0007】
様々な実施形態は、添付の図面の図に例証として示している。そのような実施形態は、例証的なものであり、本発明の内容の網羅的又は排他的な実施形態であるように意図しているものではない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】様々な実施形態による埋め込み型神経刺激器及び埋め込み型CRM装置を備えたシステムを示す図である。
【図2】様々な方法実施形態を示す図である。
【図3】神経刺激療法パルスの一例を示す図である。
【図4A】台形波形を示す図である。
【図4B】事前調整波形を示す図である。
【図4C】2相波形を示す図である。
【図5A】パルスを示す図である。
【図5B】高周波帯域通過フィルタに通して整調した後の30kHz程度の中心周波数を有する図5Aの変形信号を示す図である。
【図5C】パルス検出回路の実施形態を示す図である。
【図6】遠隔ペース検出回路の実施形態を示す図である。
【図7】図6に示すペース検出回路を用いてパルスを検出するための実施形態の流れ図である。
【図8】様々なIMDの実施形態のための可能な入力を示す図である。
【図9】学習モードを実行して併用療法のための刺激波形を特徴付ける方法の実施形態を示す図である。
【図10】様々な実施形態によるマイクロプロセッサベースの埋め込み型装置の実施形態の系統図である。
【図11】IMDを備えかつ外部データベース装置を備えたシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の内容の以下の詳細説明は、本発明の内容を実施することができる特定的な態様及び実施形態を例証として示す添付の図面を参照する。これらの実施形態は、当業者が本発明の内容を実施することを可能にするのに十分に詳細に説明される。他の実施形態を利用する場合があり、かつ構造的、論理的、及び電気的な変更は、本発明の内容の範囲から逸脱することなく行うことができる。本発明の開示における「実施形態」、「1つの実施形態」、又は「様々な実施形態」への参照は、必ずしも同じ実施形態へのものではなく、かつそのような参照は、1つよりも多い実施形態を意図している。従って、以下の詳細説明は、限定的な意味に解釈すべきではなく、その範囲は、特許請求の範囲及びそのような特許請求の範囲が権利を与えられる法的均等物の全範囲によってのみ定められる。
【0010】
様々なIMDは、「不随意」器官を調節する自律神経系(ANS)を刺激する。不随意器官の例には、呼吸器官及び消化器官が含まれ、また血管及び心臓も含まれる。例えば、ANSは、多くの場合に、不随意かつ反射的に機能し、腺を調節し、皮膚、眼、胃、腸、及び膀胱の筋肉を調節し、かつ心筋及び血管の周りの筋肉を調節する。
【0011】
ANSには、交感神経系と副交感神経系とが含まれる。交感神経系は、ストレス及び緊急事態に対する「闘争又は逃走反応」と関連がある。他の効果の中でも特に「闘争又は逃走反応」は、血圧及び心拍数を上昇させて骨格筋血流量を増大させ、かつ消化を低下させて「闘争又は逃走」のためのエネルギを提供する。副交感神経系は、リラクセーション及び「休息及び消化反応」と関連があり、これらは、他の効果の中でも特に血圧及び心拍数を低下させ、かつ消化を高めてエネルギを保存する。ANSは、正常な内部機能を維持し、かつ体性神経系と連携して働く。
【0012】
心拍数及び心拍力は、交感神経系が刺激されると増大し、交感神経系が抑制される(又は副交感神経系が刺激される)と減少する。交感神経系及び副交感神経系の刺激は、心拍数及び血圧以外にも作用を及ぼすことができる。例えば、交感神経系の刺激は、瞳孔を拡張させ、唾液及び粘液の生成を低減し、気管支筋を弛緩させ、胃の不随意収縮(蠕動)の連続波及び胃の運動性を低減し、肝臓によるグリコーゲンのグルコースへの変換を増大させ、腎臓による尿分泌を低減し、膀胱の壁を弛緩させ、かつ膀胱の括約筋を閉める。副交感神経系の刺激(交感神経系の抑制)は、瞳孔を収縮させ、唾液及び粘液の生成を増大させ、気管支筋を収縮させ、胃及び大腸における分泌及び運動性を増大させ、小腸における消化を高め、尿分泌を増大させ、膀胱の壁を収縮させ、かつ膀胱の括約筋を弛緩させる。交感神経系及び副交感神経系に関連する機能は多く、かつ互いに複雑に統合することができる。
【0013】
迷走神経変調は、以下に限定するものではないが、心不全、MI(心筋梗塞)後リモデリング、及び高血圧を含む様々な心臓血管疾患を治療するために用いることができる。心不全とは、心臓機能が組織の代謝要求を満たすのに適切なレベルよりも小さい可能性がある正常な心拍出力よりも小さい心拍出力を引き起こす臨床的症候群を指す。心不全は、付随する静脈及び肺のうっ血により、うっ血性心不全(CHF)として発症する可能性がある。心不全は、虚血性心疾患、高血圧、及び糖尿病のような様々な病因による可能性がある。高血圧は、心臓病及び他の関連する心臓共存症の原因である。高血圧は、血管が収縮する時に発生する。その結果、より高い血圧で流れを維持するために、心臓はより強く働き、それが心不全の一因になる可能性がある。高血圧は、一般的に、心臓血管損傷又は他の悪影響を誘発する恐れのあるレベルへの全身の動脈圧の一過性又は持続的な上昇のような高い血圧に関する。高血圧は、140mmHgを超える収縮期血圧又は90mmHgを超える拡張期血圧と定義される。管理不良高血圧の影響には、以下に限定するものではないが、網膜血管疾患及び脳卒中、左心室の肥大及び不全、心筋梗塞、解離性動脈瘤、並びに腎血管性疾患が含まれる。心臓リモデリングとは、MI又は心拍出力低下の他の原因の後に生じる可能性がある構造的、生化学的、神経ホルモン性、及び電気生理学的なファクタを含む心室の複雑なリモデリング過程を指す。心室リモデリングは、いわゆる後方不全に起因して心拍出力を増大させるように作用する生理学的代償機構によってトリガされるものであり、生理学的代償機構は、心室の拡張期充満圧を増大させ、それによっていわゆる前負荷(すなわち、拡張期の末期に心室内の血液量によって心室が伸張される程度)を増大させる。前負荷の増大は、収縮期の一回拍出力の増大、フランク−スターリングの法則として公知である現象を引き起こす。しかし、ある期間にわたって心室が前負荷の増大に起因して伸長されると、心室は拡張する。心室容積の拡大は、所定の収縮期圧での心室壁応力の増大を引き起こす。心室によって行われる圧−容積仕事の増大と共に、これは、心室筋の肥大に対する刺激として作用する。拡張の欠点は、正常な残存心筋に課せられる余分な作業負荷及び肥大に対する刺激を表す壁張力の増大(ラプラスの法則)である。肥大が張力の増大に適合するのに十分でない場合、更に別のかつ進行性の拡張を引き起こす悪循環が続いて発生する。心臓が拡張し始める時に、求心性の圧受容器信号及び心肺受容器信号が血管運動の中枢神経系制御中枢に送信され、制御中枢は、ホルモン分泌及び交感神経放電で応答する。血行力学、交感神経系、及びホルモン変化(アンギオテンシン変換酵素(ACE)活性の有無のような)の組合せは、心室リモデリングに関わる細胞構造の有害変化の原因になる。肥大を引き起こす持続的応力は、心筋細胞のアポトーシス(すなわち、プログラム化された細胞死)及び心臓機能の更に別の低下を引き起こす最終的な壁の菲薄化を誘発する。従って、心室の拡張及び肥大は、最初は代償性であって心拍出力を増大させる場合があるが、この過程は、最終的には、収縮期と拡張期の両方における機能不全をもたらす。心室リモデリングの程度は、MI後及び心不全の患者における死亡率の増加と正に相関することが示されている。
【0014】
神経刺激療法の例には、睡眠呼吸障害のような呼吸困難、高血圧の治療のような血圧コントロール、心調律管理、心筋の梗塞及び虚血、心不全、てんかん、うつ病、痛み、片頭痛、及び摂食障害、並びに肥満に対する神経刺激療法が含まれる。多くの提案されている神経刺激療法には、迷走神経の刺激が含まれる。他の神経刺激療法に関するこのリストは、網羅的なリストであるように意図しているものではない。例えば、自律神経系の電気神経刺激は、神経カフ、経脈管的に送り込まれたリード、又は経皮電極のいずれかを用いて送出することができる。
【0015】
療法実施形態には、心室リモデリングの防止及び/又は治療が含まれる。自律神経系の活性は、MIの結果として又は心不全に起因して発生する心室リモデリングに少なくとも部分的に関わっている。リモデリングは、例えば、ACE阻害剤及びβ遮断薬を用いた薬理学的介入の影響を受ける可能性があることが明らかにされている。薬理学的治療は、副作用危険性を伴うが、厳密な方法で薬物の効果を調節することも困難である。本発明の内容の実施形態は、抗リモデリング療法(ART)と呼ばれる電気刺激手段を用いて自律活性を調節する。リモデリング制御療法(RCT)とも呼ばれる心室再同期整調と併せて送出されると、自律活性のそのような調節は、心臓リモデリングを逆転させるか又は防止するように相乗的に作用することができる。
【0016】
神経刺激療法実施形態は、高血圧を低下させるのに十分な持続的期間にわたって圧反射を刺激することによって高血圧を治療する。圧反射は、圧受容器又は求心性神経幹の刺激によってトリガすることができる反射である。圧反射神経ターゲットには、内部からの圧力の増大に起因する壁の伸長に敏感でかつこのような圧力を低下させようとする中枢性反射機構の受容器官として機能するいずれかの圧力変化センサ(例えば、圧受容器として機能する感覚神経終末)が含まれる。圧反射神経ターゲットには、圧受容器から延びる神経経路も含まれる。圧反射神経ターゲットとしての機能を果たすことができる神経幹の例には、迷走神経、大動脈神経、及び頸動脈神経が含まれる。
【0017】
心筋刺激療法は、心筋の電気刺激を用いて心臓治療を行う。以下に心筋刺激療法の一部の例を含む。ペースメーカーは、最も一般的には、心拍数が遅すぎる徐脈の治療のためにタイミングを合わせた整調パルスで心臓を整調する装置である。適正に機能している場合、ペースメーカーは、最小心拍数を強制することにより、代謝要求を満たすために適切な調律で心臓自体を整調する心臓機能の低下を補う。血液の効率的なポンピングを容易にするために、心周期中の心腔の収縮の方式及び程度に影響を与える埋め込み型装置も開発されている。心腔が協調して収縮すると、心臓はより有効にポンピングし、通常は心筋にわたる急速な興奮伝導(すなわち、脱分極)を可能にする心房と心室の両方における特殊伝導路によって提供される結果が得られる。これらの経路は、洞房結節から心房心筋、房室結節へ、従って、次に心室筋へと興奮性インパルスを伝導し、両心房及び両心室の協調収縮をもたらす。これが、各心腔の筋繊維の収縮を同期させ、かつ各心房又は各心室の収縮を対側の心房又は心室と同期させる。正常に機能する特殊伝導路によってもたらされる同期なしでは、心臓のポンピング効率は大幅に減少する。これらの伝導路の病変及び他の心室間伝導欠損又は心室内伝導欠損は、心臓機能の異常によって心拍出力が末梢組織の代謝要求を満たすのに適切なレベルよりも小さい臨床的症候群を指す心不全の原因ファクタである可能性がある。これらの問題を処理するために、心臓再同期療法(CRT)と呼ばれる心房及び/又は心室の収縮の協調を改善する試みで1つ又はそれよりも多くの心腔に適切にタイミングを合わせた電気刺激を与える埋め込み型心臓装置が開発されている。心室再同期は、直接心筋収縮力に影響を与えるものではないが、再同期により、ポンピング効率の改善及び心拍出力の増大を伴う心室のより協調した収縮を得ることができるので、心不全を治療するのに有用である。CRT実施例は、同時に又は特定の二心室オフセット間隔だけ分離して、固有の心房収縮の検出又は心房ペースの送出に対する特定の房室遅延間隔後に両心室に刺激パルスを印加する。
【0018】
CRTは、MI後患者及び心不全患者に発生する恐れのある有害な心室リモデリングを低減するのに有用とすることができる。推定されるように、これは、CRTが適用される時に心臓のポンピングサイクル中心室が受ける壁応力分布の変化の結果として生じる。心筋繊維が収縮する前にそれが伸長される程度は前負荷と称され、筋繊維短縮の最大張力及び最大速度は、前負荷の増大と共に増大する。心筋部位が他の部位に対して相対的に遅れて収縮すると、それらの対向部位の収縮が、遅れて収縮している部位を伸長させて前負荷を増大させる。心筋繊維が収縮する際の心筋繊維上の張力又は応力の程度は、後負荷と呼ばれる。血液が大動脈及び肺動脈内に送り出される時に、心室内部の圧力が拡張期の値から収縮期の値まで急速に上昇するために、興奮性刺激パルスにより最初に収縮する心室の部分は、遅れて収縮している心室の部分が収縮するよりも低い後負荷に対抗して収縮する。従って、他の部位よりも遅れて収縮する心筋部位は、増大した前負荷と後負荷の両方を受ける。この状況は、MIに起因する心不全及び心室機能障害に関連する心室伝導遅延によって多くの場合に作り出される。遅れて活性化している心筋部位に対する増大した壁応力は、心室リモデリングのトリガである可能性が最も高い。より協調された収縮を生じさせることができる方法で梗塞領域の近くの心室内の1つ又はそれよりも多くの部位を整調することにより、CRTは、そうでなければ後に収縮中に活性化されて壁応力が増大することになる心筋部位に早期興奮を与える。他の部位に対して相対的なリモデリングされた部位の早期興奮は、この部位を機械的応力から解放し、リモデリング発生の逆転又は防止を可能にする。
【0019】
QRS群と同期させて心臓に送出される電気ショックである電気的除細動、及びQRS群と同期させずに送出される電気ショックである除細動を用いて、殆どの頻脈性不整脈を終了させることができる。電気ショックは、心筋を同時に脱分極させかつ心筋を無反応性にすることによって頻脈性不整脈を終了させる。埋め込み型除細動器(ICD)として公知であるCRM装置の部類は、装置が頻脈性不整脈を検出した場合に心臓に衝撃パルスを送出することによってこの種の治療を提供する。頻脈に対する別の種類の電気療法は、抗頻脈整調(ATP)である。心室ATPでは、頻脈を引き起こすリエントラント回路を遮断するために、心室は、1つ又はそれよりも多くの整調パルスによって競合整調される。現代のICDは、一般的にATP機能を有し、頻脈性不整脈が検出されると、ATP療法又は衝撃パルスを送出する。ATPは、オーバードライプ整調と呼ぶことができる。調整療法とも呼ぶことができる間欠的整調療法(IPT)のような他のオーバードライプ整調療法が存在する。
【0020】
図1に、様々な実施形態による埋め込み型神経刺激器101及び埋め込み型CRM装置102を備えたシステムを示している。例えば、神経刺激器は、図示のように、頸部の迷走神経を刺激するように構成することができる。CRM装置の例には、ペースメーカー、除細動器及び抗頻脈装置のような抗不整脈装置、及び心臓再同期療法(CRT)を送出する装置が含まれる。図示の神経刺激器は、神経刺激を送出するのに用いるための神経刺激のためのリード103を有する。図示のリード実施形態は、神経カフ電極104を有する。他のリード実施形態は、神経の経血管刺激(例えば、内頸静脈からの迷走神経の刺激)を提供する。一部の実施形態では、神経刺激のためのリード103は、神経感知機能及び/又は感知機能を有する。図示のCRM装置102は、右心房リード105と右心室リード106とを含む。他のリード、付加的なリード、又はよりも少ないリードを様々な装置実施形態に用いることができる。一部の実施形態では、神経刺激器101は、図1に概略的に示すような、迷走神経刺激器である。一部の実施形態では、神経刺激器は、脊髄刺激器である。神経刺激器及びCRM装置が互いと通信するように設計されていない場合、装置のうちの少なくとも1つは、様々な実施形態による併用療法検出器を含む。
【0021】
従って、上に挙げた非網羅的な例に示すように、電気刺激を用いる多くの埋め込み可能な技術がある。一人の個人が、治療を提供する2つ又はそれよりも多くの埋め込み装置を有する場合がある。埋め込みシステム間でこの協調を可能にするために、通信システムを設計して標準を作り出すことができると考えられる。しかし、そのような通信システムは、埋め込み装置の設計に複雑さを加え、かつ装置の寿命に影響を及ぼす可能性があるであろう。更に、埋め込み型医療装置間通信に対する基準は存在しないか又は現在計画されていない。
【0022】
例えば、迷走神経刺激療法又は脊髄刺激療法のような療法は、心臓機能を変化させる可能性があり、そのことがCRM療法に影響を及ぼす場合がある。これらの併用療法を識別することにより、診断の機会及び併用療法の存在に応じてCRM療法を調整する機会を提供することができる。本発明の開示は、CRM療法が神経刺激療法の影響を受ける場合の例を説明するものである。当業者は、CRM療法が神経療法に影響を与える可能性があることを理解するであろう。より一般的には、第1の電気療法が第2の電気療法に干渉するか又はそれを増強する可能性がある。
【0023】
埋め込み型医療装置における感知アルゴリズムは、装置感知チャンネル帯域幅内部のノイズが感知機能に干渉する時に損なわれる可能性がある。ペースメーカーによって感知されたノイズは、例えば、装置によって本物の心イベントと勘違いされ、心臓再同期療法(CRT)装置における誤った心房感知追跡又は誤った心室感知のトリガした整調に起因する整調の抑制又は不適切な整調をもたらす場合がある。整調の抑制は、長期にわたる収縮不全をもたらす場合がある。不適切な整調は、心臓機能障害又は不整脈をもたらす場合がある。埋め込み型除細動器(ICD)によって感知されるノイズは、心室性頻脈の誤診による不適切なATP又はショック療法の送出を引き起こす可能性があると考えられる。
【0024】
様々な実施形態は、検出された併用療法に応じて感知アルゴリズムを修正する(例えば、閾値を増大させ、又はブランキングウィンドウを提供する)。しかし、以下に識別する様々な実施形態は、併用療法との競合を緩和し、相補的併用療法の調整を行い、併用療法又はそれらの様々な組合せを説明する増強された診断法を提供するので、本発明の内容は、感知アルゴリズムの修正に限定されない。
【0025】
埋め込み型装置によって送出される療法は、互いに干渉し合う場合がある。干渉の例には、別の埋め込み型装置による1つの埋め込み型装置の療法の不適切な感知、及び競合療法(例えば、神経刺激器が心拍数を低下させようにとする一方、ペースメーカーは心拍数をより高くしようにとする)が含まれる。本発明の内容の様々な実施形態は、併用療法を検出し、これらの種類の干渉を緩和するための複数の埋め込み型装置間での療法の協調を可能にする。
【0026】
埋め込み型装置によって送出される療法は、互いに補完し合うことができる。本発明の内容の様々な実施形態は、併用療法を検出し、複数の埋め込み型装置間での相補的療法の協調をトリガするか又は協調を可能にする。相補的療法の一例には、同じ患者に埋め込まれたペースメーカー及び神経刺激器が含まれる。神経刺激器がペースメーカーを認識した場合、神経療法を右心房、右心室、又は左心室の整調信号のタイミングサイクルに対してゲートすることができる。別の例は、神経刺激を抑制又は開始することができる最大心拍数及び最小心拍数を設定する。心房性頻脈性不整脈イベント又は心室性頻脈性不整脈イベントが発現した場合、ペースメーカーは、高レベルの連続神経刺激を可能にする信号を送出することができる。
【0027】
別の例には、同じ患者に埋め込まれた肺動脈内無線埋め込み型圧力センサ及び神経刺激器が含まれる。圧力センサは、代償不全イベントに応答して神経刺激を可能にする信号を送出することができる。
【0028】
埋め込み型装置によって送出される療法は、互いに干渉又は補完しない場合があるが、それにも関わらず、有用な診断情報を提供することができる。本発明の内容の様々な実施形態は、併用療法を検出して併用療法が存在することを使用者に知らせる。様々な実施形態は、埋め込まれた装置の主要な診断収集器になる装置のうちの1つを用いる。一例には、神経刺激器と共に埋め込まれる心臓装置が含まれる。心臓装置が神経刺激信号を認識した場合、心臓装置は、神経整調存在のタイムスタンプを記録することができる。次に、医師は、データを神経刺激の存在又は不在に分割する診断報告を実行することができる。神経刺激がオンの時に好ましい改善が示された場合、これは、プログラミングの変更をもたらすことができると考えられる。これは、心臓装置内部で自動化することができるであろう。
【0029】
図2に、様々な方法実施形態を示している。207でパルスが検出される。208で併用療法が示される。例えば、検出されたパルスが併用療法に用いられるパルスの特徴を有する場合に併用療法が示される。併用療法が存在すると判断された場合、一部の実施形態は、209でリアルタイムマーカ情報を格納又は呈示し、一部の実施形態は、210でCRMの感知特徴を修正し、一部の実施形態は、211で併用療法の存在中に収集された診断情報を他の期間のものと区別し、一部の実施形態は、212で併用療法の検出に基づいてCRM療法又は機能を変更する。
【0030】
様々な実施形態によれば、本発明の内容は、装置間の通信を可能にする各装置内の通信回路の必要なしに、かつ埋め込み型装置の製造業者間で通信標準に関して合意を開発する必要なしに異なる製造業者が提供している複数の療法を検出することができる。様々な実施形態によれば、センサ及び診断法は、1つの1次医療装置にグループ分けされ(例えば、一例としてかつ限定ではなく、CRM装置)、それによって2次的な医療装置及び療法を簡素化する。一部の実施形態では、各IMDにおける埋め込み型医療装置の種類は、他の電気療法に関する製造業者を問わず、その療法に影響を与える電気療法のみを識別してそれに適合するように設計される。
【0031】
様々な実施形態は、リアルタイムマーカ情報を格納又は呈示する。一部の実施形態は、装置対装置通信を確立することなしに、様々なレベルの外部送出又は内部送出される併用療法の詳細を伝達し、一部の実施形態は、CRMの感知特徴を修正する。一部の実施形態は、検出されたパルスに関連する速い脈拍を再分類する。一部の実施形態は、速い脈拍をECGから除去し、マーカで指摘する。一部の実施形態は、検出されたパルスの存在中に感知閾値を変化させ、ブランキング期間の延長又は無反応期間の延長などを行う。例えば、自律神経ターゲットに送出される神経刺激療法は、心臓伝導を変更することができる。従って、一例としてかつ限定ではなく、検出された併用療法時のHRVは、神経刺激が併用されていない場合とは異なる可能性がある。この併用療法に関する知識は、診断の洞察力をもたらす。別の例として、CRTの損失を引き起こす恐れのあるAV遅延は、併用療法時に変化させることができる。この情報は、装置を適切に再プログラムするために用いることができる。このようにして、様々な実施形態は、併用療法の存在中に収集された診断情報を他の期間のものと区別する。
【0032】
一部の実施形態は、神経調節療法が認識されているか又は通信されている時には、CRM装置の応答を変化させる。例えば、一部の実施形態は、ノイズを抑制し、一部の実施形態は、ノイズ応答アルゴリズムを用い、一部の実施形態は、神経調節療法の期間中、感知閾値を上げ、一部の実施形態は、神経調節療法の送出中に生じる身体的変化(リモデリングのように長期間ではない短期間のもの)に対して緩徐療法を変更し、一部の実施形態は、神経調節療法が送出されている間、換気量のような他のセンサの特徴又は応答を変更する。
【0033】
検出された併用療法に適合するように感知アルゴリズムを調節する一部の例を以下に提供する。様々な実施形態は、別々の緩徐性検出閾値及び急速性検出閾値を含んで実施される。「正常な」緩徐性であると感知されるP波及びR波の振幅は、一般的に、急速であると感知される心房性又は心室性の細動の振幅よりも大きい。急速療法は、急速性検出閾値を用いて頻脈イベントが感知され、かつ緩徐性検出閾値を用いて感知した場合に徐脈が消滅していた場合にのみ開始される。2つの閾値を用いる技術は、ノイズの存在下で正常な心臓機能が持続していると仮定している。心室細動時のPVC又は補充収縮に起因する大きいR波はなく、筋ノイズの振幅はP波又はR波の振幅よりも小さく、外部ノイズの振幅はP波又はR波の振幅よりも小さく、かつノイズ応答機能は依然として実施される。
【0034】
例えば、感知閾値は、感知又は整調後に階段状に低下させることができる。2次閾値については、急速な症状の発現中に使用することができる。2次閾値を用いた感知検出値が緩徐の範囲内であった場合、装置は、この症状の発現をノイズ誘発性として示すことができる。一部の実施形態によれば、標準的な緩徐速度で2次閾値を超える心室感知が発生している限り、ノイズは通常時間が限定されているものであるので、装置は、「x」(又は不定)秒間ショック療法を遅延させることによって応答する。一部の装置実施形態は、2次閾値を超える心室感知がある限り、より低い心拍数レベルで心房を整調しながらショック療法を遅延させる。これは、AS又はAPAからの正常な伝導が依然として発生しているか又は心室補充収縮があると仮定している。2次緩徐性閾値は、頻脈性不整脈を確認するのに用いられる。筋ノイズ及び周期ノイズは、電流ノイズ検出ウィンドウを回避する可能性があり、過剰感知を引き起こす。2次緩徐性閾値は、そのような場合における不適切な治療を防ぐ。
【0035】
一部の実施形態は、ノイズ信号の周期毎にこの信号を短い間無効にするか又は無視し、一部の実施形態は、周期性、幅、振幅、勾配等に基づいて周期信号をノイズとして特徴付け、信号全体から減算する。一部の実施形態は、リアルタイムストリップ上の表記を含み、プログラマーは、周期ノイズが検出されたことを表示する。
【0036】
一部の実施形態は、不整脈が検出されたことの妥当性を検査することによって検出された不整脈に応答する。初期の検出又は再確認中には、内因性のイベント(例えば、洞結節に起因するもの又は補充収縮)がモニタされる。内活性をモニタするためのウィンドウの時間枠(例えば、約80BPMから約25BPMの範囲)が作成される。これは、ノイズの存在下で正常な心臓機能が持続し、かつ心室細動時の心室性期外収縮(PVC)又は補充収縮に起因する大きいR波はないと仮定している。これは、筋ノイズの振幅と外部ノイズの振幅の両方がP波又はR波の振幅よりも小さいとも仮定している。
【0037】
自律神経刺激療法は、心臓伝導を変更することができる。一部の実施形態は、併用療法の検出に応答して、この療法をその個人の薬物療法による治療に合ったものにするようにCRM療法を変更するように構成される。例えば、自律神経刺激療法中に、修正されたAV遅延を用いるように、修正されたAV遅延補正を用いるように、AV遅延の探索ヒステリシスを一時停止するように、修正された低速限界(LRL)を用いるように、調律識別テンプレート収集を修正し、かつ捕捉閾値の変更により修正されたペース振幅を用いるようにCRM療法を変更することができる。
【0038】
全ての検出可能な併用療法が心臓伝導に直接に影響を与えるわけではない。従って、CRMシステムの様々な実施形態は、併用療法の種類間(例えば、痛み管理対高血圧療法)で区別を行い、一方に対してのみのマーカ及び他方に対する修正された診断収集のような判断に基づく異なる応答を有するように構成される。様々な実施形態は、装置対装置通信を行う必要なしに情報を装置に統合する。CRM療法は、全身療法の送出を提供する併用療法に応答する。
【0039】
207に概略的に示すように、様々な実施形態は、パルスを検出し、208に概略的に示すように併用療法が存在するか否かを検出する。多くの刺激パルスの特徴は、鋭い立ち上がり及び立ち下がりである。
【0040】
図3に、神経刺激療法パルスの一例を示している。図示のパルス313は、鋭い立ち上がり及び立ち下がりを有し、波形の立ち上がり314及び立ち下がり315における鋭い遷移は、有意な高周波エネルギを生じさせる。他の波形又はパルスは、神経刺激の潜在機能を有する。図4Aに台形波形を示し、図4Bに事前調整波形を示し、図4Cに2相波形を示している。これらの波形は、単一パルスと同様に、これも高周波エネルギを生じさせる鋭い遷移を有する。従って、これらの波形は、以下に説明する方法に類似した方法で検出することができる。
【0041】
図5Aに、パルス516を示している。図5Bに、高周波帯域通過フィルタに通して整調した後の約30kHzの中心周波数を有する図5Aの変形信号517を示している。図5Aのパルスの立ち上がりは、パルス中に減衰する図5Bの正信号になり、図5Aのパルスの立ち下がりは、図5Bの負信号になる。
【0042】
図5Cに、パルス516を受信し、変形信号517に示すような刺激信号の鋭い立ち上がり、鋭い立ち下がり、又は鋭い立ち上がりと鋭い立ち下がりの両方に起因する高周波成分を検出するための高周波帯域通過フィルタ518を含むパルス検出回路を示している。一部の実施形態では、一例としてかつ限定ではなく、高周波帯域通過フィルタの出力517は、ポジティブエッジトリガ型Dフリップフロップのような処理回路519に送り込まれ、次に「検出」信号520としてログされる。図示の実施形態では、「検出」信号520は、適切に処理するために、IMDの制御論理521によって受信される。一部の実施形態は、パルスが併用療法パルスと一致することを確認するために、様々な基準をこのパルスに適用する。更に、図2に、例えば、制御論理の様々な実施形態が検出された併用療法に応答する一部の方法を示している。事前調整波形又は真の2相波形は、各パルスに対する出力では異なるスパイクパターンになるが、概念上、同じである。一部の実施形態は、エッジ検出に対してノイズ又はより高い周波数フィルタリングを除外するために、以下に説明する可変感知閾値を含む。それらの改良点は、誤検出を低減することにより、併用療法の検出を改善することになる。
【0043】
様々な実施形態によれば、本発明の内容は、併用療法を検出するための基礎としてパルス検出を用いる。遠隔測定及び換気量に対して用いられるような他の電気信号は、ある時間量だけ併用療法の検出を混乱させる場合がある。一部の療法に関しては、この時間量はさほど重要ではない可能性があり、従って、より簡素な検出回路で十分である場合がある。
【0044】
図6〜図7に、一例としてかつ限定ではなく、併用療法を遠隔測定のような他の電気信号と区別するための実施形態を示している。高周波帯域通過の出力は、定義済みの期間内に発生する正方向のスパイクと負方向のスパイクとの対の信号を含む。信号源及びパルスの極性とも関連する感知ベクトルに応じて、正方向のスパイクは負方向のスパイクに先行することができ、逆も同様である。例えば、神経刺激療法は、300μSが典型的である10μSから1000μSの範囲のパルス幅を有する刺激パルスを送出することができる。パルス検出は、定義済みパルス幅の時間枠内で対の1組のスパイクが発生した場合に示すことができる。
【0045】
図6に、遠隔ペース検出回路の実施形態を示している。入力信号622は、感知電極から来て、約30KHzの中心周波数を有する図示の帯域通過フィルタ623を通過する。ペース検出回路は、2つの検出信号を生成する。第1の検出信号624は、ペースパルスの立ち上がりが正の閾値625よりも大きいレベルで帯域通過フィルタを通過する時に発生される。第2の検出信号626は、ペースパルスの立ち下がりが負の閾値627よりも負のレベルで帯域通過フィルタを通過する時に発生される。デジタル状態機械又はマイクロコントローラ628によって受信されるような2つの検出信号の組合せにより、ペース検出が得られる。図示の検出信号の各々に対して、図示の回路は、比較器として機能するカスケード接続増幅器629A及び629Bと、1MHzシステムクロックによってクロック制御されるサンプル及び保持回路630A及び630Bとを含む。
【0046】
図7に、図6に示すペース検出回路を用いてパルスを検出するための実施形態の流れ図を示している。731に表された状態1は、回路が最初のパルスを待つ状態である。最初のパルスが正であった場合、3つのタイマが始動され、回路は、732に表された状態2Pに入る。これらのタイマには、極めて短時間のタイマ(RST)として識別された第1のタイマと、短時間タイマ(ST)として識別された第2のタイマと、長時間タイマ(LT)として識別された第3のタイマとが含まれる。これらのタイマに付与された名称は、程度の種類を表し、限定的であるように意図しているものではない。状態2Pは、回路が第1のタイマ(RST)が終了するのを待つ状態である。RSTで表される時間の終了は、731で感知された正パルスの後に出現することが予想される負パルスに対する時間枠の開始を表している。第1のタイマが終了した状態で、回路は、回路が予想される負パルスを待つ状態である733に表される状態3Pに入る。第2のタイマ(ST)が負パルスなしで終了した場合、回路は、731で状態1に戻る。負パルスが出現した場合、回路は、回路が第3のタイマ(LT)の終了を待つ状態である734に表される状態4に入る。第3のタイマ(LT)が終了すると、回路は状態1に戻る。第1のパルスが負であった場合、3つのタイマが始動され、回路は、735に表される状態2Nに入る。これらのタイマには、極めて短時間のタイマ(RST)として識別された第1のタイマと、短時間タイマ(ST)として識別された第2のタイマと、長時間タイマ(LT)として識別された第3のタイマとが含まれる。これらのタイマに付与された名称は、程度の種類を表し、限定的であるように意図しているものではない。また、負パルスに関連するタイマは、正パルスに関連するタイマと同じであってもよく、同じでなくてもよい。状態2Nは、回路が第1のタイマ(RST)が終了するのを待つ状態である。RSTで表される時間の終了は、731で感知された負パルスの後に出現することが予想される正パルスに対する時間枠の開始を表している。第1のタイマが終了した状態で、回路は、回路が予想される正パルスを待つ状態である736に表される状態3Nに入る。第2のタイマ(ST)が正パルスなしで終了した場合、回路は、731で状態1に戻る。正パルスが出現した場合、回路は、回路が第3のタイマ(LT)の終了を待つ状態である734に表される状態4に入る。第3のタイマ(LT)が終了すると、回路は状態1に戻る。このアルゴリズムは、RSTとSTの間に別々に出現する異極性のパルスを探し、RST及びSTは、それぞれ、最小予想整調パルス幅及び最大予想整調パルス幅である。ペースが検出された状態で、アルゴリズムは、ペースの開始から予想最小パルス間隔である第3のタイマ(LT)に対応する時間だけ待ち、その後、別のパルスを探す。
【0047】
パルス幅の代わりに又はパルス幅に加えて、パルス周波数を用いて併用療法の存在を判断することができる。例えば、神経療法は、20Hzが典型的である2Hzから1200Hzの範囲の周波数を有する刺激パルスを送出することができる。従って、療法パルスが50ms毎に検出されていれば、併用療法が実際に送出中であり、かつそれは20Hzで送出中であると確信を持って判断することができる。併用療法の存在を検出するのにパルス周波数のみが用いられる場合には、定義済みの一貫した周波数での正方向スパイク又は負方向スパイクの検出により、より簡素な回路で併用療法が検出されたという同じ確信が得られることになる。
【0048】
心臓ペースパルスは、例えば、このパルスの前縁、このパルスの後縁、定義済み間隔の許容範囲内での前縁と後縁の間のタイミング、又はそれらの様々な組合せを感知することにより、別の埋め込み型医療装置からの併用療法として示すこともできる。捕捉は、広視野ベクトル内部電位図を通じて確認することができると考えられる。一部の実施形態は、検出基準を適用する。一例としてかつ限定ではなく、心臓ペースパルスは、整調上限(例えば、3Hz)よりも速い心拍数で出現することはなく、かつ抗頻脈整調(ATP)は、ATP下限(3Hz)とATP上限(例えば、20Hz)の間の心拍数で出現することになる。
【0049】
別の例では、神経療法パルスは、このパルスの前縁、このパルスの後縁、定義済み間隔の公差内での前縁と後縁の間のタイミング、又はそれらの様々な組合せを感知することにより、別の埋め込み型装置による併用療法として示すこともできる。神経療法を併用療法として示すにあたって更に信頼性を付与するために、一部の実施形態は、2つ又はそれよりも多くの連続パルスを検出するか、又は定義済み速度の許容範囲内で2つ又はそれよりも多くの連続的な立ち上がり検出又は2つ又はそれよりも多くの連続的な立ち下がり検出を行う。
【0050】
図8に、様々なIMDの実施形態に対して可能な入力を示している。これらの入力について、以下でより詳細に説明する。入力には、併用療法が存在することが見出されている場合の有効化837、パルス幅、投与のオン/オフ比、波形の種類、周波数、又は療法におけるパルスに関する他の療法詳細のようなカスタマイズ可能な併用療法の詳細838、感知パラメータ又は療法パラメータ、格納データ又はリアルタイムデータから併用療法を検索又は学習するためのパラメータ840の修正のような併用療法に対する望ましい装置応答839、及び併用療法のデータベース841が含まれる。
【0051】
埋め込み型医療装置によって送出することができる多くの潜在的な併用療法があり、かつこれらの療法は異なる波形及び周波数を有するので、現在得られる可能な併用療法の波形及び周波数の全てを特徴付けることは困難であり、まして将来実施されることになる併用療法を予想することはできない。しかし、他の装置が患者の体内に埋め込まれていることを患者及び患者の臨床医は承知していると思われるので、様々な実施形態は、臨床医から併用療法情報を受け取る。
【0052】
例えば、一部の実施形態では、臨床医は、以下のパラメータ、すなわち、併用療法の存在(同時検出機能を可能/不能にする)837及びパルス幅、周波数、投与(オフ/オン比)、並びに波形の種類のようなカスタマイズ可能な併用療法の詳細838のうちの1つ又はそれよりも多くを1次埋め込み型装置に入力する。埋め込み型医療装置は、入力されたパラメータを用いて、帯域通過フィルリング、パルス幅基準、周波数基準、及びあらゆる他の基準をカスタマイズし、上述の検出技術を用いて既知の併用療法を明確に検出することができる。この設計の柔軟性により、製造業者の併用療法の詳細に関する予備知識なしに、設計中に装置を製造業者の併用療法に適合させることが可能になる。臨床医は、上述のパラメータの入力後、併用療法の存在によって埋め込み型装置が正確に判断されたことを確認することができる。
【0053】
加えて、臨床医は、検出された併用療法に望ましい装置応答839を入力することができる。そのような応答の例には、以下に限定するものではないが、検出された併用療法の診断に関する確認(例えば、マーカ)、併用療法の過剰感知の緩和、併用療法がオンである期間を併用療法がオフである期間と区別する増強された診断、検出された併用療法の開始に連動する療法の閉ループ、検出された併用療法の休止に連動する療法の閉ループ、検出された併用療法の存在に連動する療法の閉ループ、及び検出された併用療法の存在中に修正される療法パラメータが含まれる。一部の実施形態は、療法を開始、終了、又は変えるイベントをトリガするために用いることができ、又は療法に対して閉ループフィードバックを提供するために用いることができるような感知パラメータを修正する。
【0054】
装置が別の人間によって埋め込まれたためか又は他の理由から、臨床医は併用療法の詳細を知らない可能性があるので、臨床医が併用療法の検出をカスタマイズするのに必要な重要なパラメータを供給するのは困難である場合がある。しかし、患者及び患者の臨床医は、他の装置が埋め込まれている事実を恐らくは認識している。様々な実施形態によれば、埋め込み型装置は、臨床医による何らかの併用療法の検索命令に応答するように構成される。840に概略的に示すように、装置又はプログラマーのような装置の外部支援機器は、一定の期間(一例としてかつ限定ではなく、1分)にわたって感知された電気データを収集して併用療法に関してこのようなデータを分析するように構成される。一部の実施形態は、併用療法の波形の鋭いエッジ特徴を探し、療法の波形のパルス幅を計算し、かつ療法パルスの周波数を計算する。既知の併用療法を明確に検出するための帯域通過フィルリング、パルス幅基準、周波数基準、及びあらゆる他の基準は、臨床医によって開始された過程を通じて特徴付けられた併用療法に対して入力又は調整することができる。臨床医は、上述のパラメータの入力後、併用療法の存在によって埋め込み型装置が正確に判断されたことを確認することができる。併用療法は、先に開始されて、装置が併用送出を検索している時間中に送出することができる。臨床医は、併用療法を検索するように装置に命令する直前に併用療法を開始する場合があり、装置が検索している間に併用療法を開始する場合がある。
【0055】
臨床医は、収集された感知電気データ(リアルタイムデータ又は格納データ)から併用療法が存在する期間を選択することができ、併用療法からのパルスを選択することができる。装置又は装置の支援外部機器は、この感知データを分析するように構成される。一部の実施形態は、併用療法の波形の鋭いエッジ特徴を探し、療法の波形のパルス幅を計算し、療法パルスの周波数、又はそれらの様々な組合せを計算する。
【0056】
臨床医によって開始された処理を通じて特徴付けられた併用療法を用いて、帯域通過フィルリング、パルス幅基準、周波数基準、及び他の基準を明確にプログラム又は修正し、既知の併用療法を検出することができる。臨床医は、上述のパラメータの入力後、併用療法の存在によって埋め込み型装置が正確に判断されたことを確認することができる。
【0057】
このようにして、併用療法は、学習及び特徴付けを行い、埋め込み型医療装置によって併用療法を検出するために用いることができる。臨床医は、検出された併用療法に装置が応答する方法をプログラム又は入力することができる。一部の実施形態は、装置が併用療法を特徴付けるためのトリガを提供することができる。トリガは、磁石又は他のユーザ適用型外部トリガとすることができると考えられる。これは、併用療法が後日埋め込まれ、臨床医が再プログラミング機能又は特徴付け機能を使用できないという状況に対処する。トリガは、一貫したノイズウィンドウ拡張又は特定の基準を備えた急速検出(すなわち、併用療法の過剰感知を示す極めて周期的な感知)とすることができると考えられる。これは、併用療法が1次埋め込み型装置に悪影響を及ぼす可能性があるという懸念があるが、必要である場合を除いて1次埋め込み型装置の感知特徴又は療法特徴を変更するのには抵抗があるという状況に対処する。
【0058】
図9に、併用療法のための刺激波形を特徴付けるための学習モードを達成する方法の実施形態を示している。942で、学習モードが開始される。これは、例えば、臨床医が開始することができる。943で、周期的ノイズ源(例えば、TENSシステム又はIMDによって送出される他の併用療法)が始動される。944で、他の電気信号をパルスと区別するために用いることができるパルスの特徴を装置が分析、捕捉、及び格納する。945で、学習モードが終了する。学習モードを繰返して、他の潜在的な併用療法源を学習することができる。
【0059】
図8と共に図11を参照すると、様々な実施形態は、潜在的併用療法の電気パルス特徴を収容したデータベース840を用いる。様々な実施形態によれば、プログラマーのような1次装置の支援外部機器1156は、特定の他の2次装置(例えば、神経刺激器1157)の電気パルス特徴を収容したデータベースを使ってプログラムされる。臨床医は、製造業者及び型番のような2次装置の識別情報を1次装置(例えば、CRM装置1158)のプログラマーに入力する。プログラマーは、併用療法を特徴付けかつ検出するための関連情報を埋め込み型装置(例えば、2つ又はそれよりも多くの埋め込み型装置に対する1次装置)にプログラムする。1次装置のプログラマーがインターネット接続又は他の何らかのネットワーク1159を通じた外部データへの接続をサポートしている場合、プログラマーは、全ての装置に関する情報をプログラマー上に格納しておく必要はなく、様々なIMDに関する電気パルス情報として示す遠隔ストレージ位置内の外部データベース1160から関連情報をダウンロードすることができる。外部データベースサーバが電子医療記録(EMR)システム1161と統合されているか又はそれに接続することができる場合、外部データベースサーバは、2次装置の電気的特徴だけでなく、2次装置によって送出される特定の患者の療法の詳細もダウンロードすることができる。患者の特定の療法のこれらの詳細は、装置間における療法のより正確かつ一貫した協調をもたらすことができる。
【0060】
図10に、様々な実施形態によるマイクロプロセッサベースの埋め込み型装置の実施形態の系統図を示している。装置のコントローラは、双方向データバスを通じてメモリ1047と通信するマイクロプロセッサ1046である。コントローラは、状態機械型の設計を用いて、他の種類の論理回路(例えば、個別構成要素又はプログラマブル論理アレイ)によって実施することができると考えられる。本明細書において用いる用語「回路」は、個別の論理回路又はマイクロプロセッサのプログラミングを指すと解釈すべきである。図示するのは、リング電極1048A−C及び先端電極1049A−C、感知増幅器1050A−C、刺激又はパルス発生器1051A−C、並びにチャンネルインタフェース1052A−Cを備えた双極リードを含む「A」から「C」に指定された感知及び整調チャンネルの3つの例である。従って、各チャンネルは、電極に接続したパルス発生器で構成された整調チャンネルと、電極に接続した感知増幅器で構成された感知チャンネルとを含む。チャンネルインタフェース1052A−Cは、マイクロプロセッサ1046と双方向通信し、また各インタフェースは、感知増幅器からの感知信号入力をデジタル化するためのアナログデジタル変換器と、整調パルスを出力し、整調パルスの振幅を変化させ、かつ感知増幅器に対する利得及び閾値を調整するためにマイクロプロセッサによって書き込むことができるレジスタとを含むことができる。特定のチャンネルによって発生される電位図信号(すなわち、電極によって感知される心臓電気活動を表す電圧)が指定検出閾値を超えると、ペースメーカーの感知回路は、心房感知又は心室感知である心腔感知を検出する。特定の整調モードで用いられる整調アルゴリズムは、整調をトリガ又は抑制するような感知を使用する。固有の心房及び/又は心室の心拍数は、心房感知間及び心室感知間の時間間隔をそれぞれ測定することによって測定することができ、かつ心房及び心室の頻脈性不整脈を検出するために用いることができる。
【0061】
各双極リードの電極は、リード内部の導体を通じてマイクロプロセッサによって制御されるスイッチングネットワーク1053に接続される。スイッチングネットワークは、電極を感知増幅器の入力に切り換えて固有の心臓活動を検出するために、かつ電極をパルス発生器の出力に切り換えて整調パルスを送出するのに用いられる。スイッチングネットワークは、リードのリング電極と先端電極の両方を用いて双極モードで、又は装置ハウジング(缶)1054を備えたリードの電極のうちの1つのみ又は接地電極としての機能を果たす別のリード上の電極を用いて単極モードで装置が感知又は整調することも可能にする。
【0062】
この図は、外部装置と通信するために用いることができるマイクロプロセッサに接続した遠隔測定インタフェース1055を示している。マイクロプロセッサ1046は、療法ルーチン(例えば、CRM療法又は神経刺激療法)を達成することができ、かつ感知を制御する(例えば、閾値、タイミング、感知されたイベントの検証)ようにも構成される。図示のシステムは、併用療法のパルスを検出するための療法検出回路1056を含み、マイクロプロセッサは、併用療法検出ルーチンを実行して信号を分析し、併用療法が存在するか否かを示すことができる。療法検出回路は、電気パルスを検出するように構成され、かつ検出された電気パルスの少なくとも1つの特徴を抽出するために用いるように構成される。例えば、一部の療法検出回路実施形態は、検出されたパルスからパルス幅情報又はパルス周波数情報を抽出するために用いるように構成される。一部の療法検出回路は、パルスエッジを検出するための高周波フィルタを含む。マイクロプロセッサは、例えば、この情報を用いて、パルスの立ち上がりと立ち下がりの間のパルス幅を検出し、かつパルス周波数を検出することができる。マイクロコントローラは、診断ルーチンを達成することができる。様々な実施形態では、マイクロコントローラは、療法を開始又は調整することにより、感知を開始又は調整することにより、又は診断ルーチンを開始又は調整することによって検出された併用療法に応答することができる。心筋療法ルーチンの例には、以下に限定するものではないが、徐脈整調療法、電気的除細動療法又は除細動療法のような抗頻脈ショック療法、抗頻脈整調療法(ATP)、及び心臓再同期療法(CRT)が含まれる。
【0063】
図10には、CRM療法を加えるように構成されたマイクロプロセッサベースの埋め込み型装置を示している。当業者は、神経刺激療法を加えるために類似の装置を構成することができることを認識するであろう。例えば、この装置は、パルス列を送出して、神経における望ましい活動電位を引き出すように構成される。一部の実施形態は、神経電極に神経カフを用い、一部の実施形態は、血管内部の神経ターゲット(例えば、圧受容器又は化学受容器)の刺激のための又は血管の近くを通る神経幹のような血管外神経ターゲットの経血管刺激のための血管内電極を提供する。神経刺激ルーチンの例には、以下に限定するものではないが、身体的調整を提供するための療法、及び心室リモデリング、高血圧、睡眠呼吸障害を治療するための療法、高血圧の治療のような血圧コントロール、心調律管理、心筋の梗塞及び虚血、心不全、てんかん、うつ病、痛み、片頭痛、摂食障害及び肥満、並びに運動障害に対する療法が含まれる。本発明の内容は、特定の療法に限定されない。
【0064】
当業者は、図に示して本明細書に説明するモジュール及び他の回路は、ソフトウエア、ハードウエア、ファームウエア、及びソフトウエアとハードウエアの組合せを用いて実施することができることを理解するであろう。
【0065】
本発明の開示に例証した方法は、本発明の内容の範囲にある他の方法を排除するように意図しているものではない。本発明の開示を読んで把握すれば、当業者は、本発明の内容の範囲にある他の方法を理解するであろう。上に識別した実施形態及び例証した一部の実施形態は、必ずしも相互排他的であるとは限らない。これらの実施形態又はそれらの一部は、組み合わせることができる。様々な実施形態では、本方法は、1つ又はそれよりも多くのプロセッサによって実行される時にプロセッサにそれぞれの方法を達成させる一連の命令を用いて実施される。様々な実施形態では、本方法は、磁気媒体、電子媒体、又は光媒体のようなコンピュータアクセス可能媒体上に収容された1組の命令として実施される。
【0066】
上述の詳細説明は例証であり、限定ではないことを意図している。以上の説明を読んで理解すれば、他の実施形態は、当業者には明らかであろう。従って、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びそのような特許請求の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲に関連して判断すべきである。
【符号の説明】
【0067】
207 パルスを検出する段階
208 併用療法が存在することを示す段階
209 リアルタイムマーカ情報を格納又は呈示する段階
210 CRMの感知特徴を修正する段階
211 併用療法の存在中に収集された診断情報を他の期間のものと区別する段階
212 併用療法の検出に基づいてCRM療法又は機能を変更する段階

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者に適用された併用電気療法を検出するためのシステムであって、
患者に埋め込まれるように構成され、かつ複数の電気療法パルスを含む併用電気療法を検出するように構成された埋め込み型医療装置(IMD)を含み、
前記IMDは、
前記併用電気療法における前記療法パルスの少なくとも1つの特徴を含むストレージと、
電気パルスを検出するように構成され、かつ該検出された電気パルスの少なくとも1つの特徴を抽出するのに用いるための併用療法検出回路と、
前記検出された電気パルスの前記少なくとも1つの特徴を、前記療法パルスの前記少なくとも1つの格納された特徴と比較し、かつ該検出された電気パルスの該少なくとも1つの特徴が該療法パルスの該少なくとも1つの格納された特徴と比較して勝る場合に前記併用療法が前記患者に適用中であることを示すように構成されたコントローラと、を含む、
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記併用療法検出回路は、前記検出された電気パルスを変形信号に変形するように構成された高周波フィルタを含み、
前記変形信号は、前記検出された電気パルスの立ち上がり又は立ち下がりに対応するパルスを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記併用療法検出回路は、前記検出された電気パルスのパルス幅を抽出するように構成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記併用療法検出回路は、前記検出された電気パルスのパルス周波数を抽出するように構成されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記ストレージは、前記患者に適用される可能性がある複数の潜在的併用電気療法に関する少なくとも1つのパルス特徴のデータベースを含むことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記患者に適用される可能性がある複数の潜在的併用電気療法に関する少なくとも1つのパルス特徴の外部データベースと、
前記外部データベースを用いて前記療法パルスの前記少なくとも1つの特徴を前記IMDの前記ストレージにプログラムするように構成された外部プログラマーと、
を更に含むことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記コントローラは、前記示された併用療法に応答して、該併用療法が適用中であることを識別するマーカ情報を格納するように構成されることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記IMDは、電気療法を送出し、かつ電気活動を感知して該電気療法を制御するように構成され、
前記コントローラは、前記示された併用療法に応答して、電気活動を感知するための特徴を修正するように構成される、
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記IMDは、診断情報を収集するように構成され、
前記コントローラは、前記併用療法が適用中である時に収集された診断情報と該併用療法が適用中ではない時に収集された診断情報とを区別するように構成される、
ことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記IMDは、電気療法を送出するように構成され、
前記コントローラは、前記併用療法が適用中であることが検出された場合に該電気療法を変更するように構成される、
ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記コントローラは、学習モードで作動して、前記療法パルスの前記少なくとも1つの特徴を判断し、かつ該療法パルスの該少なくとも1つの特徴を用いて前記ストレージをプログラムするように構成されることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
複数の療法パルスを含む併用療法を検出する段階、を含み、
併用療法を検出する段階は、
少なくとも1つの電気パルスを検出する段階と、
前記少なくとも1つの電気パルスから少なくとも1つの特徴を抽出する段階と、
前記検出されたパルスの前記少なくとも1つの特徴を、療法パルスの少なくとも1つの特徴と比較する段階と、
前記検出されたパルスの前記少なくとも1つの特徴が前記療法パルスの前記少なくとも1つの特徴と比較して勝る場合に前記併用療法が適用中であることを検出する段階と、を含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの電気パルスを検出する段階は、該電気パルスの立ち上がり又は立ち下がりを検出する段階を含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記電気パルスの前記立ち上がり又は前記立ち下がりを検出する段階は、該電気パルスの該立ち上がりと該立ち下がりの両方を検出する段階を含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記電気パルスの前記立ち上がり又は立ち下がりを検出する段階は、高周波フィルタを適用して、感知されたパルス信号を変形信号に変形する段階を含み、
前記変形信号は、前記感知されたパルスの前記立ち上がり及び立ち下がりでの遷移に対応するスパイクを有する、
ことを特徴とする請求項13または請求項14に記載の方法。
【請求項16】
抽出する段階は、前記少なくとも1つの電気パルスからパルス幅を抽出する段階を含み、前記検出されたパルスの前記少なくとも1つの特徴を前記療法パルスの少なくとも1つの特徴と比較する段階は、該検出されたパルスの該パルス幅を該療法パルスのパルス幅と比較する段階を含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
抽出する段階は、前記少なくとも1つの電気パルスからパルス周波数を抽出する段階を含み、前記検出されたパルスの前記少なくとも1つの特徴を前記療法パルスの少なくとも1つの特徴と比較する段階は、該検出されたパルスの該パルス周波数を該療法パルスのパルス周波数と比較する段階を含むことを特徴とする請求項15または請求項16に記載の方法。
【請求項18】
少なくとも1つの電気パルスを検出する段階は、複数のパルスを検出する段階を含み、
前記検出されたパルスの少なくとも1つの特徴を前記療法パルスの少なくとも1つの特徴と比較する段階は、該検出されたパルスに対するオン/オフ比を該療法パルスに対するオン/オフ比と比較する段階を含む、
ことを特徴とする請求項15から請求項17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つの電気パルスから少なくとも1つの特徴を抽出する段階は、該少なくとも1つの電気パルスの波形を抽出する段階を含み、
前記検出されたパルスの少なくとも1つの特徴を前記療法パルスの少なくとも1つの特徴と比較する段階は、該検出されたパルスの前記波形を該療法パルスの波形と比較する段階を含む、
ことを特徴とする請求項15から請求項18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つの検出されたパルスに療法検出基準を適用する段階と、該療法検出基準が満足され、かつ該検出されたパルスの前記少なくとも1つの特徴が前記療法パルスの前記少なくとも1つの特徴と比較して勝る場合に前記併用療法が適用中であることを検出する段階とを更に含むことを特徴とする請求項15から請求項19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記併用療法が適用中であることを識別するマーカ情報を格納又は呈示する段階を更に含むことを特徴とする請求項12から請求項20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
電気療法を送出する段階を更に含み、
前記電気療法を送出する段階は、電気活動を感知して該電気療法を制御する段階を含み、
前記方法は、前記併用療法が適用中である場合に電気活動を感知するための特徴を修正する段階を更に含む、
ことを特徴とする請求項12から請求項21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
診断情報を収集する段階と、前記併用療法が適用中である時に収集された診断情報と該併用療法が適用中ではない時に収集された診断情報とを区別する段階とを更に含むことを特徴とする請求項12から請求項22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
電気療法を送出する段階を更に含み、
前記併用療法が適用中である場合に前記電気療法を変更する段階を更に含む、
ことを特徴とする請求項12から請求項23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記検出されたパルスの特徴を療法パルスの少なくとも1つの特徴と比較する段階は、併用療法のデータベースにアクセスする段階を含み、
前記データベースは、少なくとも2つの潜在的併用療法に関するパルス特徴を含む、
ことを特徴とする請求項12から請求項24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
学習モードを開始して、埋め込み型医療装置が検出された電気信号のパルスを特徴付けることを可能にする段階と、
前記検出された電気信号の前記パルスの前記特徴付けを前記IMDに格納する段階と、を更に含み、
前記検出されたパルスの少なくとも1つの特徴を療法パルスの少なくとも1つの特徴と比較する段階は、該検出されたパルスの該少なくとも1つの特徴を前記学習モードにおいて特徴付けられた該療法パルスの該特徴のうちの少なくとも1つと比較する段階を含む、
ことを特徴とする請求項12から請求項25のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2013−512763(P2013−512763A)
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543201(P2012−543201)
【出願日】平成22年12月7日(2010.12.7)
【国際出願番号】PCT/US2010/059252
【国際公開番号】WO2011/071896
【国際公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(505003528)カーディアック ペースメイカーズ, インコーポレイテッド (466)
【Fターム(参考)】