説明

埋設管路探査装置およびこの装置を使用した埋設管路探査方法

【課題】
本願発明は、安価で簡単な埋設管路探査装置を提供し、埋設電線管の正確な埋設位置を、短時間で確認できる埋設管路探査方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
走行用車輪には全方向に回動自在の球車輪を使用し、下部にはウエイトを固着し、側部には管壁に僅かの離間距離をもって対向する回動自在の側車輪を突設した台車に、進行前後方向の傾斜角度を検出する傾斜角度検出センサーを搭載し、前記傾斜角度検出センサーからの傾斜角度情報信号を遠隔のモニターで表示させる構成とした埋設管路探査装置を提供するとともに、この装置からの移動距離と傾斜角度の情報から埋設管路の埋設深さを算定する方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、埋設電話線管の地表面からの埋設深さを、地面を掘り返すことなく確実に検出する装置およびこの装置を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
道路下の地中には電話線管、電線管、上下水道管、ガス管等、様々な配管が埋設されている。このような埋設管路は、敷設当初は完成図面などにその位置が記載されることから埋設深さの確認は容易である。しかし、敷設時からの時間の経過に伴って、埋設箇所の地盤沈下や近接工事などによりその埋設深さは経年変化するし、また、完成図面などが紛失して図面や文献などから確認する手段が失われてしまう場合も生ずる。
このため、新たに埋設管路を敷設する場合や、既埋設管路の補修・取替え、地中設備建設工事などにより地面を掘削する場合には、既埋設管路の損傷や破損を防ぐために、図面や文献などに頼らずに既埋設管路の現状の位置や埋設深さを知る必要になる場合が生ずる。
【0003】
既埋設管路の位置や埋設深さを、図面や文献などに頼らずに前以て知る方法として、電磁波を利用する方法がある。これは、地表面を移動しながら地中に電磁波または音波を放射し、地中埋設物からの反射波を受信し、この受信信号を処理して、埋設物の位置を探査する3次元探査方法である。3次元探査にあたっては、3次元探査装置が使用されるが、この装置は、地表面上の特定の位置において電磁波を地中に向けて放射し、埋設物からの反射信号を受信して、一定間隔の反射時間後との受信強度を測定するものである。
【0004】
本来、3次元探査方法では、3次元探査装置の地表面上の位置を一定間隔の格子状に取ることにより、埋設物の位置が漏れなく把握することができるが、3次元探査装置を地表面上で走査する場合、実際の現場環境によっては、必ずしも正確な格子状の走査ができるとは限らず、埋設物の位置を完全に把握できない場合が生ずる。特開2000−75025号公報に記載の発明は、正確な格子状の走査ができない場合に、その漏れた部分の埋設物の位置を補完する方法を提供するものである。
【特許文献1】特開2000−75025号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、埋設電話線管の工事に際しては、電話線マンホールとこの電話線マンホールに隣接する他の電話線マンホールとの位置から、埋設電話線管の平面上の位置は推測することができることが多く、埋設電話線管の埋設深さのみが不明の場合が生ずる。上述の3次元探査方法は設備が大掛かりで時間も掛かり、使用する機器も高価であるため、このような場合には甚だ使い勝手が悪いものである。
【0006】
また、埋設電話線管は、地表面に開口部のある電話線マンホールと電話線マンホールの間に、数本から数十本の電話線管を束ねて埋設されていて、夫々の電話線マンホールに開放端を有している。そして、電話線はこの開放端から挿入して埋設電話線管内に敷設されるのであるが、非常時に備えて、束ねられた数本から数十本の電話線管のうち、少なくとも一本の電話線管は必ずその内部に電話線が敷設されずに内部が空洞のままの予備管となっている。
本願発明者は、この予備管に注目して、鋭意研究の結果、本願発明に至ったものである。
【0007】
そこで、本願発明は、安価で簡単な埋設管路探査装置を提供し、埋設電話線管の正確な埋設位置をこの予備管を利用することにより、短時間で簡単に確認することができる埋設管路探査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本願請求項1の発明に係る埋設管路探査装置は、埋設管路内を牽引されて移動する台車に該台車の進行前後方向の傾斜角度を検出する傾斜角度検出センサーが搭載され、前記台車は、進行前後方向に直交する前記台車の傾きを自動修正する台車傾き修正装置と、前記台車の本体が前記埋設管路の管壁に接触することを防止する管壁接触防止装置とを備え、前記傾斜角度検出センサーが検出した傾斜角度情報信号は、ケーブルを介して遠隔のモニターに送信されて表示されることを特徴としている。
また、本願請求項2の発明に係る埋設管路探査装置は、前記請求項1に係る埋設管路探査装置において、前記台車は、前記埋設管路内を移動する際に管底の段差部および/または窪み部から受ける衝撃を緩和する衝撃緩和装置を備えていることを特徴としている。
そして、本願請求項3の発明に係る埋設管路探査装置は、前記請求項1または請求項2に係る埋設管路探査装置において、前記台車傾き修正装置は、前記台車の走行用車輪である全方向に回動自在の球車輪と、前記台車の下部に固着されたウエイトとからなり、管壁接触防止装置は、前記台車の側部から前記台車の進行前後方向に対して左右に突設されて埋設管路の左右の管壁に僅かの間隙をもって対向する回動自在の車輪からなり、前記衝撃緩和装置は、側面視に対する前記球車輪の位置を前記台車の進行前後方向に対して前後にずらして固着されたことを特徴としている。
さらに、本願請求項4の発明に係る埋設管路探査方法は、請求項1ないし請求項3のいずれかに係る埋設管路探査装置を使用した埋設管路探査方法であって、前記台車は、マンホール間に埋設され夫々のマンホールに開放端を有する埋設管路の一方の開放端から挿入され、他方の開放端に達する牽引ロープにより牽引されて前記埋設管路内を移動し、前記埋設管路内の移動距離に対する前記傾斜角度検出センサーからの傾斜角度情報を同期させて前記台車の現在位置における前記埋設管路の一方の開放端からの水平距離と垂直距離を算出し、その後、前記埋設管路の一方の開放端からの水平距離とその水平距離における地表面から前記埋設管路までの埋設深さを算定することを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
以上のように本願請求項1に係る発明によれば、台車は埋設管路内を牽引されて移動し、自走する構造とはしていない。そのため、埋設管路探査装置自体は簡単な構造になるとともにメンテナンスも容易で経済的である。また、埋設管路内で台車に何らかの故障が生じた場合であっても、台車を牽引するロープを台車の進行前後方向のみならず台車の後部にも結着しておけば、埋設管路途中で立ち往生した台車を、きわめて簡単に埋設管路内から取り出すことができる。
また、台車には台車傾き修正装置と管壁接触防止装置が具備されているため、台車は埋設管路内を蛇行することなく移動し、常に埋設管路内において同じ姿勢を保持することができる。そのため、台車の進行前後方向に対する傾斜を検出する傾斜角度検出センサーは、台車の傾斜を検出することにより埋設管路自体の勾配を検出することになる。
【0010】
そして、傾斜角度検出センサーが検出した傾斜角度情報信号は、ケーブルを介して遠隔のモニターに送信されて表示されるため、無線による場合と異なり、地中から発信される傾斜角度情報信号が途絶えることなく、確実にモニターに届き表示される。また、モニターは台車とは遠隔の地にあり、モニターを地上に設置すれば、時々刻々と変化する傾斜角度情報を机上で記録することができる。さらに、例えば、モニターにパソコンを接続することにより傾斜角度情報を時系列に自動記録することも可能である。また、巻尺のようにケーブル自体に長さの目盛りを付しておけば、ケーブルにより台車の移動距離を簡単に測定することができる。
【0011】
そして、本願請求項2に係る発明によれば、台車には衝撃緩和装置が具備されているため、管底の段差部および/または窪み部から埋設管路探査装置が受ける衝撃が緩和されて、埋設管路探査装置のライフサイクルが長くなり、埋設管路探査装置のメンテナンスに要する費用の軽減につながる。
【0012】
さらに、本願請求項3に係る発明によれば、台車傾き修正装置は、台車に固着された全方向に回動自在の球車輪と、台車の下部に固着されたウエイトとからなるきわめて簡単な構造であり、故障も少ない。
【0013】
この台車傾き修正装置は、台車が傾いた場合に管底は円筒状となっているため、ウエイトの位置が上方に移動し台車自体の位置エネルギーが高くなり、この位置エネルギーにより、台車自体が元の位置に戻ることを利用したものであり、台車に固着された球車輪により、台車が前方に移動しているときでも、この位置エネルギーを低めるべく、進行前後方向に対し直交する方向に台車を移動させることができる。
【0014】
管壁接触防止装置は、台車の側部から左右に突設された回動自在の車輪からなっていて、その構造は前述の台車傾き修正装置と同様に簡単である。この車輪は僅かの間隙をもって埋設電線管壁に対向しているため、台車が移動する際に進行前後方向に対し台車の左右の振れを防止することができる。
【0015】
管底衝撃緩和装置は、球車輪の位置を台車の進行前後方向に対して前後にずらして固着されている。管底の段差部および/または窪み部は、主として埋設管路と埋設管路のジョイント部分に存在し、当該部分は管路方向に対し直交している。そのため、台車の球車輪の位置を前後にずらすことにより、左右の車輪が同時にジョイント部分を通過することがないため、このような簡単な装置であっても、有効に管底の段差部および/または窪み部を通過する際に台車が受ける衝撃を緩和できる。
【0016】
そして、本願請求項4に係る発明によれば、埋設管路探査装置の現在位置における埋設電線管の一方の開放端からの水平距離と垂直距離は、埋設管路探査装置の移動距離と傾斜角度検出センサーからの傾斜角度情報とから算出されるが、この演算は然程難しいものではなく、電卓を使用することにより簡単にでき、かつ、精度も高い。そして、埋設管路探査装置の現在位置における埋設電線管の一方の開放端からの水平距離と垂直距離が分かれば、この水平距離に於ける地表面の高さは、地上で測量できるので、当該地表面からの台車までの深さを算定でき、ひいては、当該地表面から束ねられた埋設管路群の埋設深さを算定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本願発明を実施するための最良の形態に係る実施例について、図1ないし図3に基づいて説明する。図1は、本実施例に係る埋設管路探査装置の側面図であり、図2は、図1のII−II矢視図であり、図3は、本実施例に係る埋設管路探査装置を使用した埋設管路探査方法の説明図である。
【0018】
図1ないし図2において、符号1は本実施例1に係る埋設管路探査装置、符号10は台車、符号12は台車本体、符号14は前台車フレーム、符号16は後台車フレーム、符号18は前走行球車輪、符号20は後走行球車輪、符号22は球体、符号24は球把持体、符号26は側車輪、符号28は側車輪支持軸、符号30はウエイト、符号32は牽引ロープ、符号34はケーブル、符号36はモニター、符号40は埋設管路である。
【0019】
埋設管路探査装置1は、大きく分けて台車10と台車本体12内に収納され固着されている図示外の傾斜角度検出センサーと、台車10を牽引する牽引ロープ32と、モニター36と、図示外の傾斜角度検出センサーとモニター36を接続するケーブル34と、から構成されている。
【0020】
台車10は、台車本体12と、前台車フレーム14と、後台車フレーム16と、1個の前走行球車輪18と、2個の後走行球車輪20と、4個の側車輪26と、から構成されていて、図1においては、台車10は台車10の左側にその一端を固着された牽引ロープ32に牽引されて、図面の左方向に移動する。したがって、台車10の左側が台車前部になり右側が台車後部になる。
台車本体12は筐体であって、前述したように、その内部に図示外の傾斜角度検出センサーが収納されている。本実施例において、この傾斜角度検出センサーには商品名「デジタル角度センサーDP−641」(丸井計器株式会社製)を使用している。そして、台車本体12の前端には前台車フレーム14が固着され、台車本体12の後端には後台車フレーム16が固着されている。
【0021】
前台車フレーム14の下面には、1個の前走行球車輪18が固着されていて、この前走行球車輪18は、車輪自体である金属製の球体22とこの球体22を回動自在に把持する球把持体24から構成されている。そして、後前台車フレーム16の下面には、2個の後走行球車輪20、20が固着されていて、後走行球車輪20は前走行球車輪18と同様の構成となっている。後走行球車輪20、20は側面視において前後にずらして配置されている。そして、正面視においては、図2に示すように、台車10を埋設管路40内に設置したときに円形を呈する埋設管路40の断面の中心から放射状に配置されていて、後走行球車輪20は埋設管路40の内周面に対し、垂直に接触するようになっている。
なお、本実施例においては、台車の走行車輪を1個の前走行球車輪18と2個の後走行球車輪20としていて、台車は埋設管路40の管底に3点で支持されているため、台車ががたつくことはない。また、後走行球車輪20、20の前後方向の「ずれ」は、側面視において22mmとし、放射状に配置された後走行球車輪20、20と円形を呈する埋設管路40の断面の中心との挟角は、正面視において60°としている。
【0022】
前台車フレーム14の上面先端の両脇、および後台車フレーム16の上面先端の両脇には、側車輪支持軸28が垂設され、その中間部には側車輪26が回動自在に軸支されている。この両脇にある側車輪26、26を結ぶ線は、図2に示すように、台車10を埋設管路40に設置したときに円形を呈する埋設管路40の中心を通るように側車輪26、26は配設されていて、埋設管路40の管壁と僅かの距離を隔てて位置するようになっている。
【0023】
埋設電線管40の内径は、電話管用としては通常78mmであり、台車10もこの大きさに合わせて形成されており、台車10の全長は略270mm、幅は側車輪26、26の外外寸法で77mm、高さは略70mmとなっている。したがって、側車輪26と埋設管路40の管壁との間隙は、0.5mmとなる。
【0024】
つぎに、埋設管路探査装置1の使用方法について説明する。
前述のように、埋設管路40は、地表面に開口部のあるマンホールとマンホールの間に、数本から数十本の電線管を束ねて埋設されていて、夫々のマンホールに開放端を有している。そして、束ねられた電線管のうち、少なくとも1本の電線管は必ずその内部に電線が敷設されずに、内部が空洞のままの予備管とすることが求められている。埋設管路探査装置1は、この予備管である埋設管路40を利用する装置である。
【0025】
(1)まず、探査の対象となる埋設管路40の開放端から、当該埋設管路40内にメッセンジャーワイヤーを挿通させる。
(2)メッセンジャーワイヤーの一端に、牽引ロープ32の先端を結着し、メッセンジャーワイヤーの一端を引っ張ると、もう一方の埋設管路40の開放端から牽引ロープ32の先端が突出する。この状態で、牽引ロープ32は一方のマンホールから他方のマンホールへと埋設管路40を介して張り渡されたことになる。
(3)他方のマンホールにあるもう一方の埋設管路40の開放端から突出している牽引ロープ32先端を牽引すると、台車10は、一方の埋設管路40の開放端から埋設管路40内に進入する。この段階で移動距離を測る巻尺などの距離測定具と傾斜角度検出センサーの確認やゼロ補正をおこなう。
(4)さらに牽引ロープ32の先端を牽引すると、台車10は埋設管路40内にさらに進入して行く。台車10を移動させつつ、移動距離を測定し、傾斜角度検出センサーからの信号を読み取って、移動距離の数値と傾斜角度の数値の同期を図る。
(5)(4)に示す工程を繰り返した後、さらに牽引して台車10を移動させ、もう一方の埋設管路40の開放端から台車10を回収し、ケーブル32を取り外す。取り外されたケーブル32は一方の埋設管路40の開放端から回収され、現場の作業は終了する。
(6)その後、同期された移動距離の数値と傾斜角度の数値を下記に述べる演算方法により演算して、地表面から埋設管路40までの埋設深さを算定する。
【0026】
つぎに、埋設管路の埋設深さの演算方法について、図3に基づいて説明する。
図3において、符号42は埋設管路40の開放端、符号50はマンホールである。なお、図3においては、埋設管路40は予備管を示していて、実際には埋設管路40の周りには複数段および複数列の埋設管路群が存在する。
【0027】
ここでは、埋設管路40の開放端の位置をA地点とし、地点から水平距離にしてD離れたA地点の埋設管路40の埋設深さHを算定する場合について説明する。
11はA地点とA地点のレベル差、H12はA地点におけるマンホール50の天端と埋設管路40の天端のレベル差、H13は埋設管路40の径、そして、H14は開放端42における埋設管路40の管底とA地点における埋設管路40の管底のレベル差である。ここで、H11の値は、A地点よりもA地点のレベルが高い場合は、「+」であり、低い場合は「−」とする。図3の例ではH11の値は「+」である。また、l、l、・・、lは移動距離と傾斜角度を同期したときの台車10の移動距離であり、α、α、・・、αは同期したときの台車10の傾斜角度である。ここで、αが俯角の場合は「+」とし、仰角の場合は「−」とするが、図3の例ではαは俯角であり、その値は「+」である。
【0028】
地点とA地点との距離Dは、
=d+d+・・+d (1)
で表され、
地点の埋設管路30の埋設深さHは、
=H11+H12+H13+H14−H13=H11+H12+H14 (2)
で表される。
上記のl、l、・・、lに対応する水平距離をd、d、・・、dとし、垂直距離をh、h、・・・、hとすると、
14=h+h+・・・+h (3)
で表される。また、
=lcosα、d=lcosα、・・、d=lcosα
=lsinα、h=lsinα、・・、h=lsinα
であるから、これを(1)式および(3)式に代入し、さらに、(3)式を(2)式に代入して、
=lcosα+lcosα+・・+lcosα (4)
=H11+H12+(lsinα+lsinα+・・+lsinα) (5)
となる。
【0029】
上記の(4)式および(5)式において、l、l、・・、lおよびα、α、・・、αは、埋設管路探査装置1から得られる数値であり、H11およびH12は、水準器や巻尺などの既知の測量機器により得られる数値である。このように、(4)式および(5)式のような簡単な演算式でA地点の埋設管路40の埋設深さHが得られ、同様にしてA地点に隣接する他の地点の埋設管路40の埋設深さが得られる。
上述したように、埋設電話線管は、数本から数十本の電話線管を束ねて埋設されていて、マンホール50の内壁には、その束ねられた電話線管群が埋設されているそのままの断面をもって顕示されている。そのため埋設電話線管群の天端と埋設管路40とのレベル差は、マンホール50の内壁の顕示された電話線管群の断面から測定することができ、そのレベル差から埋設電話線管群の埋設深さも容易に算定できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、本実施例に係る埋設管路探査装置の側面図である。
【図2】図2は、図1のII−II矢視図である。
【図3】図3は、本実施例に係る埋設管路探査装置を使用した埋設管路探査方法の説明図である。
【符号の説明】
【0031】
1 本実施例に係る埋設管路探査装置
10 台車
12 台車本体
14 前台車フレーム
16 後台車フレーム
18 前走行球車輪
20 後走行球車輪
26 側車輪
30 ウエイト
32 牽引ロープ
34 ケーブル
36 モニター
40 埋設管路
50 マンホール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
埋設管路内を牽引されて移動する台車に該台車の進行前後方向の傾斜角度を検出する傾斜角度検出センサーが搭載され、
前記台車は、進行前後方向に直交する前記台車の傾きを自動修正する台車傾き修正装置と、前記台車の本体が前記埋設管路の管壁に接触することを防止する管壁接触防止装置とを備え、
前記傾斜角度検出センサーが検出した傾斜角度情報信号は、ケーブルを介して遠隔のモニターに送信されて表示されることを特徴とする埋設管路探査装置。
【請求項2】
前記台車は、前記埋設管路内を移動する際に管底の段差部および/または窪み部から受ける衝撃を緩和する衝撃緩和装置を備えていることを特徴とする請求項1に記載の埋設管路探査装置。
【請求項3】
前記台車傾き修正装置は、前記台車の走行用車輪である全方向に回動自在の球車輪と、前記台車の下部に固着されたウエイトとからなり、
管壁接触防止装置は、前記台車の側部から前記台車の進行前後方向に対して左右に突設されて埋設管路の左右の管壁に僅かの間隙をもって対向する回動自在の車輪からなり、
前記衝撃緩和装置は、側面視に対する前記球車輪の位置を前記台車の進行前後方向に対して前後にずらして固着されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の埋設管路探査装置。
【請求項4】
前記台車は、マンホール間に埋設され夫々のマンホールに開放端を有する埋設管路の一方の開放端から挿入され、
他方の開放端に達する牽引ロープにより牽引されて前記埋設管路内を移動し、
前記埋設管路内の移動距離に対する前記傾斜角度検出センサーからの傾斜角度情報を同期させて前記台車の現在位置における前記埋設管路の一方の開放端からの水平距離と垂直距離を算出し、
その後、前記埋設管路の一方の開放端からの水平距離とその水平距離における地表面から前記埋設管路までの埋設深さを算定することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の埋設管路探査装置を使用した埋設管路探査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−118906(P2006−118906A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−305155(P2004−305155)
【出願日】平成16年10月20日(2004.10.20)
【出願人】(591177015)和興エンジニアリング株式会社 (6)