説明

基地局装置、プログラム、集積回路、移動局装置および通信システム

【課題】上り回線における協調通信で必要とされる周波数リソースを削減する。
【解決手段】複数の基地局装置が、協調通信で少なくとも一つの移動局装置と通信を行なう通信システムに適用される基地局装置であって、協調通信を行なう際に他の基地局装置と通信を行なう基地局間通信部220と、他の基地局装置で協調して受信される信号と、他の基地局装置で協調せずに受信される信号とが一部の周波数で重複するように、前記移動局装置が通信に用いる帯域の割り当てを行なう制御情報決定部216と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局装置が、複数の移動局装置から送信された信号を受信する際、他の基地局装置と協調通信を行なう技術に関する。
【背景技術】
【0002】
第4世代の携帯電話機の無線通信システムとして、LTE(Long Term Evolution)システムをより発展させたLTE−A(LTE-Advanced、IMT-Aなどとも称する)の標準化が行なわれている。
【0003】
LTE−Aシステムでは、カバレッジを改善する技術として、下り回線と上り回線の協調通信が検討されている(非特許文献1参照)。協調通信は、基地局と移動局間のデータ送受信時に、複数の基地局が協調してデータ送信を行なうもしくは受信を行なう技術である。特に上り回線の協調通信では、移動局が伝送する信号を複数の基地局で受信し、それぞれ基地局で受信した信号を合成することにより、伝送特性を改善できる。複数の基地局で受信した信号の共有は、光ファイバなどの有線通信により行なわれる。
【0004】
図21は、上り回線における協調通信(複数地点受信、Coordinated Multi-Point reception:CoMP)を適用したシステムを示す概略図である。図21に示すシステムでは、基地局eNB3とeNB4が存在し、これらの基地局は光ファイバを介して受信データ等を共有可能である。また、いずれかの基地局と通信する移動局UE5〜7が存在する。移動局UE5〜7は、同期信号などにより最も受信電力の高いもしくは信号対雑音・干渉電力比(SINR:Signal to Interference plus Noise Ratio)の高い基地局と接続する。
【0005】
図21に示す通信システムでは、移動局UE5とUE6はそれぞれ基地局eNB3とeNB4に接続している。一方、移動局UE7は、基地局eNB3とeNB4が協調通信を行なっており、基地局eNB3とeNB4の両方と接続する。ただし、移動局UE7は、必ずしも協調通信する基地局すべてを把握する必要はなく、移動局がデータ送信に用いるパラメータを制御情報として特定の基地局のみから受信しても良い。
【0006】
協調通信を行なう基地局と接続する移動局がデータ伝送に用いる周波数帯域は、一般的に協調する基地局すべての周波数帯域の使用状況によって決められる。つまり、各基地局で接続されている移動局の帯域割当は周波数軸上で直交するように決定する。そのため、図21に示す例において、基地局eNB3は移動局UE5とUE7とがデータ伝送に用いる周波数帯域が直交するように帯域割当を決定する。他方、基地局eNB4は、移動局UE6とUE7がデータ伝送に用いる周波数帯域が直交するように帯域割当を決定する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】NTT DOCOMO, R1-110248,“Views for Rel. 11 CoMP”
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このように、基地局間で協調通信を行なう無線通信システムでは、各基地局で接続されている移動局の帯域割当を周波数軸上で直交するように決定する。しかしながら、上り回線の協調通信では協調する基地局の数だけ周波数リソースを使用するため、周波数リソースが逼迫する問題があった。
【0009】
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、上り回線における協調通信で必要とされる周波数リソースを削減する基地局装置、プログラム、集積回路、移動局装置および通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明の基地局装置は、複数の基地局装置が、協調通信で少なくとも一つの移動局装置と通信を行なう通信システムに適用される基地局装置であって、協調通信を行なう際に他の基地局装置と通信を行なう基地局間通信部と、他の基地局装置で協調して受信される信号と、他の基地局装置で協調せずに受信される信号とが一部の周波数で重複するように、前記移動局装置が通信に用いる帯域の割り当てを行なう制御情報決定部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
このように、他の基地局装置で協調して受信される信号と、他の基地局装置で協調せずに受信される信号とが一部の周波数で重複するように、移動局装置が通信に用いる帯域の割り当てを行なうので、協調通信を行なう場合に、すべての基地局装置で直交性を保持する必要が無くなり、協調通信を行なう通信システムの効率的な周波数の使用が可能となる。これにより、周波数利用効率を向上させることが可能となる。
【0012】
(2)また、本発明の基地局装置は、前記一部の周波数に重複して割り当てられた信号の数よりも、少ない数のアンテナで信号を受信することを特徴とする。
【0013】
このように、一部の周波数に重複して割り当てられた信号の数よりも、少ない数のアンテナで信号を受信するので、周波数利用効率を向上させることが可能となる。
【0014】
(3)また、本発明の基地局装置は、前記他の基地局装置で協調して受信される前記移動局装置の信号を、前記他の基地局装置との間で共有してキャンセル処理を行なうことを特徴とする。
【0015】
このように、他の基地局装置で協調して受信される移動局装置の信号を、他の基地局装置との間で共有してキャンセル処理を行なうので、重複することにより生ずるユーザ間干渉を除去することができ、伝送特性への影響を少なくし、スループットを改善させることが可能となる。
【0016】
(4)また、本発明の基地局装置は、前記一部の周波数に重複して割り当てられた信号を、他の基地局装置との間で共有してキャンセル処理を行なうことを特徴とする。
【0017】
このように、一部の周波数に重複して割り当てられた信号を、他の基地局装置との間で共有してキャンセル処理を行なうので、重複することにより生ずるユーザ間干渉を除去することができ、伝送特性への影響を少なくし、スループットを改善させることが可能となる。
【0018】
(5)また、本発明の基地局装置において、前記制御情報決定部は、他の基地局装置において、協調して受信される信号と、協調せずに受信される信号とが一部の周波数で重複するように、前記移動局装置が通信に用いる帯域の割り当てが行なわれる場合、協調して受信される信号と、協調せずに受信される信号とが周波数領域で直交するように、前記移動局装置が通信に用いる帯域の割り当てを行なうことを特徴とする。
【0019】
このように、他の基地局装置において、協調して受信される信号と、協調せずに受信される信号とが一部の周波数で重複するように、移動局装置が通信に用いる帯域の割り当てが行なわれる場合、協調して受信される信号と、協調せずに受信される信号とが周波数領域で直交するように、移動局装置が通信に用いる帯域の割り当てを行なうので、ユーザ間干渉を除去することが可能となり、伝送特性への影響を少なくし、スループットを改善させることが可能となる。
【0020】
(6)また、本発明の基地局装置において、前記制御情報決定部は、他の基地局装置において、協調して受信される信号と、協調せずに受信される信号とが一部の周波数で重複するように、前記移動局装置が通信に用いる帯域の割り当てが行なわれる場合、協調して受信される信号と、協調せずに受信される信号とが一部の周波数で重複するように、前記移動局装置が通信に用いる帯域の割り当てを行なうことを特徴とする。
【0021】
このように、他の基地局装置において、協調して受信される信号と、協調せずに受信される信号とが一部の周波数で重複するように、移動局装置が通信に用いる帯域の割り当てが行なわれる場合、協調して受信される信号と、協調せずに受信される信号とが一部の周波数で重複するように、移動局装置が通信に用いる帯域の割り当てを行なうので、ユーザ間干渉を除去することが可能となり、伝送特性への影響を少なくし、スループットを改善させることが可能となる。
【0022】
(7)また、本発明の基地局装置は、前記移動局装置で所定の受信品質を満たすことができる送信電力のパラメータを算出すると共に、前記算出したパラメータを他の基地局装置との間で共有し、すべての基地局装置で算出された前記パラメータの最大値を前記移動局装置に通知することを特徴とする。
【0023】
このように、すべての基地局装置で算出されたパラメータの最大値を前記移動局装置に通知するので、協調通信が行なわれる移動局装置と協調通信が行なわれない移動局装置の周波数領域における帯域割り当てが重複する場合に、各基地局装置において所定の受信品質を満たすことが可能となり、スループットを改善させることが可能となる。
【0024】
(8)また、本発明の基地局装置は、前記移動局装置で所定の受信品質を満たすことができる送信電力のパラメータを算出すると共に、前記算出したパラメータを他の基地局装置との間で共有し、すべての基地局装置で算出された前記パラメータの平均値を前記移動局装置に通知することを特徴とする。
【0025】
このように、すべての基地局装置で算出された前記パラメータの平均値を前記移動局装置に通知するので、協調通信が行なわれる移動局装置と協調通信が行なわれない移動局装置の周波数領域における帯域割り当てが重複する場合に、各基地局装置において所定の受信品質を満たすことが可能となり、スループットを改善させることが可能となる。
【0026】
(9)また、本発明の基地局装置は、複数のアンテナを有する移動局装置から受信した伝搬路推定用信号に基づいて、前記各アンテナの周波数応答を算出すると共に、前記算出した周波数応答を他の基地局装置との間で共有し、前記算出した周波数応答に基づいてSINR(Signal to Interference plus Noise Ratio)が最大となるようにプリコーディングを決定することを特徴とする。
【0027】
このように、算出した周波数応答に基づいてSINRが最大となるようにプリコーディングを決定するので、協調通信が行なわれる移動局装置と協調通信が行なわれない移動局装置の周波数領域における帯域割り当てが重複する場合に、各基地局装置において所定の受信品質を満たすことが可能となり、スループットを改善させることが可能となる。
【0028】
(10)また、本発明の基地局装置は、複数のアンテナを有する移動局装置から受信した伝搬路推定用信号に基づいて、前記各アンテナの周波数応答を算出すると共に、前記算出した周波数応答を他の基地局装置との間で共有し、前記算出した周波数応答に基づいて、キャパシティが最大となるようにプリコーディングを決定することを特徴とする。
【0029】
このように、算出した周波数応答に基づいて、キャパシティが最大となるようにプリコーディングを決定するので、協調通信が行なわれる移動局装置と協調通信が行なわれない移動局装置の周波数領域における帯域割り当てが重複する場合に、各基地局装置において所定の受信品質を満たすことが可能となり、スループットを改善させることが可能となる。
【0030】
(11)また、本発明のプログラムは、複数の基地局装置が、協調通信で少なくとも一つの移動局装置と通信を行なう通信システムに適用される基地局装置のプログラムであって、協調通信を行なう際に他の基地局装置と通信を行なう処理と、他の基地局装置で協調して受信される信号と、他の基地局装置で協調せずに受信される信号とが一部の周波数で重複するように、前記移動局装置が通信に用いる帯域の割り当てを行なう処理と、の一連の処理を、コンピュータに実行させることを特徴とする。
【0031】
このように、他の基地局装置で協調して受信される信号と、他の基地局装置で協調せずに受信される信号とが一部の周波数で重複するように、移動局装置が通信に用いる帯域の割り当てを行なうので、協調通信を行なう場合に、すべての基地局装置で直交性を保持する必要が無くなり、協調通信を行なう通信システムの効率的な周波数の使用が可能となる。これにより、周波数利用効率を向上させることが可能となる。
【0032】
(12)また、本発明の集積回路は、基地局装置に実装されることにより、前記基地局装置に複数の機能を発揮させる集積回路であって、協調通信を行なう際に他の基地局装置と通信を行なう機能と、他の基地局装置で協調して受信される信号と、他の基地局装置で協調せずに受信される信号とが一部の周波数で重複するように、前記移動局装置が通信に用いる帯域の割り当てを行なう機能と、の一連の機能を、前記基地局装置に発揮させることを特徴とする。
【0033】
このように、他の基地局装置で協調して受信される信号と、他の基地局装置で協調せずに受信される信号とが一部の周波数で重複するように、移動局装置が通信に用いる帯域の割り当てを行なうので、協調通信を行なう場合に、すべての基地局装置で直交性を保持する必要が無くなり、協調通信を行なう通信システムの効率的な周波数の使用が可能となる。これにより、周波数利用効率を向上させることが可能となる。
【0034】
(13)また、本発明の移動局装置は、上記(1)から(10)のいずれかに記載の基地局装置で割り当てられた周波数帯域を用いて、複数の基地局装置と協調通信を行なうことを特徴とする。
【0035】
この構成により、協調通信を行なう場合に、すべての基地局装置で直交性を保持する必要が無くなり、協調通信を行なう通信システムの効率的な周波数の使用が可能となる。これにより、周波数利用効率を向上させることが可能となる。
【0036】
(14)また、本発明の通信システムは、上記(1)から(10)のいずれかに記載の基地局装置と、(13)記載の移動局装置と、から構成されることを特徴とする。
【0037】
この構成により、協調通信を行なう場合に、すべての基地局装置で直交性を保持する必要が無くなり、協調通信を行なう通信システムの効率的な周波数の使用が可能となる。これにより、周波数利用効率を向上させることが可能となる。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、複数の移動局から送信された信号を受信する際、他の基地局と協調通信を行なう無線通信システムにおいて、上り回線における協調通信の周波数利用効率やスループットの向上を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る上り回線における協調通信を適用した通信システムを示す概略図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る移動局の構成例を示すブロック図である。
【図3】信号の割り当て方法を示す図である。
【図4】信号の割り当て方法を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る、1本の受信アンテナを有する基地局の構成例を示すブロック図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る受信部の構成例を示すブロック図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る受信信号復調部の構成例を示すブロック図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る他の基地局の構成例を示すブロック図である。
【図9】本発明の第1の実施形態において、協調通信を行なう場合の周波数領域における帯域割当の一例を示す図である。
【図10】本発明の第1の実施形態において、協調通信を行なう場合の周波数領域における帯域割当の一例を示す図である。
【図11】本発明の第1の実施形態に係る基地局において移動局への帯域割当を決定する動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第1の実施形態に係る図11の変形例として基地局において帯域割当を決定する一例を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第1の実施形態に係る図11の変形例として基地局eNB1において帯域割当を決定する一例を示すフローチャートである。
【図14】本発明の第1の実施形態に係る図11のフローチャートに基づいて動作する移動局、基地局および他の基地局の動作を示すシーケンスチャートである。
【図15】本発明の第2の実施形態に係る移動局の構成例を示すブロック図である。
【図16】本発明の第2の実施形態に係る基地局の構成例を示すブロック図である。
【図17】本発明の第3の実施形態に係る通信システムを示す概略図である。
【図18】本発明の第3の実施形態に係る移動局の構成例を示すブロック図である。
【図19】本発明の第3の実施形態に係る基地局の構成例を示すブロック図である。
【図20】本発明の第3の実施形態に係る受信信号復調部の構成を示すブロック図である。
【図21】従来のシステムを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下の実施形態では、データ伝送を行なう送信装置を移動局とし、データを受信する受信装置を基地局とする伝送(アップリンク)について説明する。また、基地局装置を、単に基地局と呼称し、移動局装置を移動局と呼称することもある。
【0041】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る上り回線における協調通信を適用した通信システムを示す概略図である。図1に示す通信システムでは、基地局eNB1とeNB2が存在し、これらの基地局は光ファイバを介して受信データ等を共有可能である。また、いずれかの基地局と通信する移動局UE1〜3が存在する。移動局UE1〜3は、同期信号などにより最も受信電力の高いもしくは信号対雑音・干渉電力比(SINR)の高い基地局と接続する。
【0042】
図1に示す通信システムでは、移動局UE1とUE2はそれぞれ基地局eNB1とeNB2に接続している。一方、基地局eNB1とeNB2とは協調通信を行なっており、移動局UE3は、基地局eNB1とeNB2の両方と接続する。ただし、移動局UE3は、必ずしも協調通信する基地局すべてを把握する必要はなく、移動局がデータ送信に用いるパラメータを制御情報として特定の基地局のみから受信しても良い。
【0043】
図2は、本発明の第1の実施形態に係る移動局UE1〜UEmの構成例を示すブロック図である。ただし、図2では、説明に不要な構成は省略している。図2に示す例では、移動局UE1〜UEmの数がmである。移動局UE1〜UEmは、図1の移動局UE1〜UE3と同様に基地局へのデータ伝送を行なう。
【0044】
また、図2では移動局のアンテナ数を1本としているが、複数のアンテナを送受信に用い、送信ダイバーシチやMIMO(Multiple Input Multiple Output)伝送を行なっても良い。ここで、アンテナ数とは物理的なアンテナの数に限らず、アンテナポート数としても良い。アンテナポートとは、物理的に同一にみなせる構成の複数のアンテナ群を指す。各移動局のデータ伝送処理は同一であり、例として移動局UE1を説明する。
【0045】
移動局UE1では、基地局から通知された移動局UE1用の制御情報を制御情報受信部109が受信する。制御情報には、データ伝送に用いる周波数割当情報や変調多値数、符号化率、符号化方法に関する情報などが含まれる。ここで、協調通信を行なう場合には、特定の基地局からのみ制御情報を受信しても良いし、複数の基地局から同一の制御情報を受信しても良い。制御情報受信部109は、受信した制御情報に含まれる符号化率や符号化方法の情報を符号部101に入力し、変調多値数の情報を変調部102に入力し、周波数割当情報を周波数マッピング部104に入力する。
【0046】
符号部101は、入力されたデータビットに対し、誤り訂正符号であるターボ符号やLDPC(Low Density Parity Check)符号などの符号化を施す。符号部101で施す誤り訂正符号化方法は、送受信で予め決められていても良いし、制御情報として通知されても良い。符号部101は、さらに制御情報として通知された符号化率の情報を基にパンクチャを行ない、生成した符号ビットを変調部102へ出力する。
【0047】
変調部102は、符号ビットに対してQPSK(Quaternary Phase Shift Keying;四相位相偏移変調)、16QAM(16-ary Quadrature Amplitude Modulation;16直交振幅変調)や64QAMなどの変調のうち、制御情報受信部109から入力された変調多値数に相当する変調を行なう。変調部102から出力された変調シンボルは、FFT部103で時間領域から周波数領域のデータ信号に変換された後、周波数マッピング部104へ出力される。
【0048】
周波数マッピング部104は、入力された周波数領域のデータ信号に対し、制御情報受信部109から通知された周波数割当情報に基づいて、信号の割り当てを行なう。図3および図4は、信号の割り当て方法を示す図である。ここで、連続的な周波数に割り当てるDFT−S−OFDM(Discrete Fourier Transform Spread Orthogonal Frequency Division Multiplexing、SC-FDMAとも称される)では、図3のようにシングルキャリアスペクトルを割り当てる。
【0049】
一方、離散的な周波数に割り当てるClustered DFT−S−OFDMでは、図4の一例に示すように信号を割り当てる。IFFT部105は、周波数マッピング部104から出力された信号を時間領域の信号に変換する。参照信号多重部106は、時間領域において送信信号に対して送受信機で既知である参照信号を多重し、送信フレームを構成する処理を行なう。図2に示す例では、送信フレームを時間領域で参照信号を多重して構成しているが、周波数領域で参照信号を多重して構成しても良い。
【0050】
送信処理部107は、参照信号が多重された信号にCP(Cyclic Prefix;サイクリックプレフィックス)を挿入し、D/A(Digital/Analog;ディジタル/アナログ)変換でアナログの信号に変換した後に無線周波数にアップコンバートする。PA(Power Amplifier)は、アップコンバートされた信号を増幅し、増幅された信号は送信アンテナ108から送信される。移動局UE2〜UEmも同様の処理でデータ送信を行なう。
【0051】
次に、基地局eNB1の構成を説明する。図5は、本発明の第1の実施形態に係る、1本の受信アンテナを有する基地局eNB1の構成例を示すブロック図である。なお、基地局は、複数の受信アンテナを有していても良い。基地局eNB1では、複数の移動局からの信号をアンテナ201で受信し、受信部202へ入力する。基地局eNB1と接続している移動局として、協調通信が行なわれる移動局と協調通信を行なわれない移動局が混在する場合を一例として説明する。
【0052】
アンテナ201から入力された信号は受信部202に入力される。図6は、本発明の第1の実施形態に係る受信部202の構成例を示すブロック図である。受信処理部401は、入力された信号をベースバンド周波数にダウンコンバートする。そして、ダウンコンバートされた信号をA/D変換してディジタル信号に変換し、ディジタル信号からサイクリックプレフィックスを除去する。
【0053】
参照信号分離部402は、受信処理部401から出力された信号を参照信号とデータ信号に分離し、参照信号は伝搬路推定部214へ、データ信号はFFT部403へ出力する。FFT部403は、参照信号分離部402によって分離されたデータ信号を時間領域の信号から周波数領域の信号に変換し、周波数デマッピング部203へ出力する。
【0054】
一方、伝搬路推定部214は、参照信号により、伝搬路特性(周波数応答)を推定し、推定した伝搬路特性を受信信号復調部205−1〜205−n、制御情報決定部216に出力する。なお、参照信号は、送受信装置では既知であり、受信部202から入力される。nは、基地局にデータを送信したユーザ(移動局)の数を示す。また、制御情報決定部216は、伝搬路推定部214で得られた伝搬路特性により、各移動局について協調通信を行なうか否かの判別を行なう。さらに、協調通信が行なわれる移動局と判別した場合には、協調通信を行なう他の基地局と該当する移動局との間の伝搬路特性を要求通知する。協調通信が行なわれる移動局の伝搬路特性を、協調通信を行なう他の基地局より受信後、それぞれの基地局の制御情報決定部216は移動局の帯域割当や符号化率、変調方式などのデータ送信に必要な制御情報を決定する。制御情報決定部216における他の基地局との通信は、図5には図示していないが、基地局間通信部220を介して行なわれるものとする。ただし、別の方法で情報共有しても良いものとする。そして、次回の伝送機会のための制御情報として移動局に通知する。また、制御情報決定部216において、協調通信が行なわれる移動局の帯域割当は、協調通信を行なう他の基地局にも通知される。これらの決定された制御情報は、基地局で次回の受信信号処理を行なう際必要であり、次回のデータの受信まで保持される。制御情報決定部216は、決定された帯域割当情報を周波数デマッピング部203へ出力する。
【0055】
周波数デマッピング部203は、周波数割当情報に基づき、連続的もしくは離散的に割り当てられた周波数領域の信号をユーザ(移動局)毎に抽出する。なお、周波数割当情報は、基地局から複数の移動局に制御情報として通知されたものを用いる。
【0056】
抽出された各ユーザの信号は、ソフトキャンセラ部204−1〜204−nにそれぞれ入力される。ソフトキャンセラ部204−1〜204−nは、各復号部により得られた復号ビットから各レプリカ生成部で生成された周波数領域のレプリカをキャンセルする。キャンセル処理の詳細は、後述する。ただし、1回目のソフトキャンセラの処理では、復号部210−1〜210−nから得られる情報がないため、何もしない。
【0057】
受信信号復調部205−1〜205−nは、ソフトキャンセルが施された信号から時間領域のLLR(Log Likelihood Ratio)を得る。図7は、本発明の第1の実施形態に係る受信信号復調部205−1の構成例を示すブロック図である。各受信信号復調部の処理は同一であるため、受信信号復調部205−1を例として図7を用いて説明をする。
【0058】
受信信号復調部205−1では、ソフトキャンセルが施された信号が等化部501に入力される。等化部501は、ソフトキャンセルが施された信号に対し無線伝搬路の歪みを補償する等化処理を行ない、IFFT部502に出力する。ここで、等化処理は、MMSE(Minimum Mean Square Error)重みやZF(Zero Forcing)重み等を乗算するなどことである。等化処理は、伝搬路推定部214から入力された伝搬路特性を用いて行なわれる。
【0059】
IFFT部502は、等化部501から入力された信号を周波数領域の信号から時間領域の信号に変換する。復調部503は、移動局へ制御情報として通知された変調多値数を記憶しており、変調多値数の情報を基にシンボルを復調する。復調されたビットは、合成部206−1に出力される。
【0060】
合成部206−1〜206−nは、協調通信が行なわれるユーザに関して、基地局eNB1の受信信号から得られたLLRと、他の基地局eNB2の受信信号から得られたLLRとを合成する。本実施形態では、他の基地局eNB2から入力されるLLRは、光ファイバなどで共有される。また、協調通信が行なわれない移動局に関しては、このLLRは0である。これらの処理の詳細は、後述する。
【0061】
合成部206−1〜206−nの出力は、復号部210−1〜210−nにそれぞれ入力される。復号部210−1〜210−nは、各移動局へ制御情報として通知された符号化率の情報を基に、誤り訂正復号を施す。そして、復号部210−1〜210−nは、誤り訂正復号後にデータビットを出力する。復号結果は、ターボ等化処理を行なう場合、レプリカ生成部211−1〜211−nに出力される。
【0062】
レプリカ生成部211−1〜211−nは、復号ビットを用いてシンボルレプリカを生成し、周波数信号に変換することで、周波数領域のレプリカを生成する。レプリカ生成部211−1〜211−nの出力は、それぞれソフトキャンセラ部204−1〜204−nへ入力される。また、これらの周波数領域のレプリカは、IUI抽出部218に出力される。
【0063】
以上の処理を繰り返すことで、移動局から送信されたデータの受信処理を行なう。この繰り返し処理は、たとえば巡回冗長検査(CRC: Cyclic Redundancy Check)で誤りが検出されなくなるか、予め決められている繰り返し回数の上限まで行なう。
【0064】
図8は、本発明の第1の実施形態に係る他の基地局eNB2の構成例を示すブロック図である。他の基地局eNB2の構成は、図8に示す通り、基地局eNB1の構成と同様のため、説明を省略する。なお、基地局eNB2の各部301〜320は、基地局eNB1の各部201〜220に相当する。
【0065】
図9は、本発明の第1の実施形態において、協調通信を行なう場合の周波数領域における帯域割当の一例を示す図である。図9に示す例では、移動局UE1〜UE3に対しては、協調通信が行なわれず、移動局UE1〜UE3は、基地局eNB1またはeNB2に接続している。一方、移動局UE4に対しては、基地局eNB1とeNB2で協調通信が行なわれる。
【0066】
この場合、協調通信が行なわれる移動局UE4の帯域割当が他の移動局の帯域割当と完全に直交するようにするためには、同一基地局に接続するすべて移動局が同一の帯域を使用しないように割当の帯域幅を制限する必要があり、伝送できるデータビット数が少なくなる。そのため、協調通信が行なわれる移動局UE4は、周波数領域での直交性を崩す割当を許容する。その結果、協調通信が行なわれる移動局UE4は、図9に示すように移動局UE2とUE3との割当が重複し、ユーザ間干渉が生じる。
【0067】
図9の帯域割当を行なった場合の基地局eNB1とeNB2の受信処理について、説明する。図5に示す基地局eNB1では、ユーザ間干渉の生じる割当がないため、IUI抽出部218の出力はすべて0となる。一方、レプリカ生成部211−1〜211−nは、復号結果からシンボル間干渉成分をキャンセルするためにレプリカを生成する。そして、レプリカ生成部211−1〜211−nは、生成されたレプリカをソフトキャンセラ部204−1〜204−nに入力する。
【0068】
受信信号復調部205−1〜205−nは、ソフトキャンセル後の信号から、ユーザ数分のLLRを生成し、協調通信が行なわれる移動局UE4のLLRのみを基地局間通信部220に入力する。協調通信が行なわれない移動局UE1〜UE3のLLRはすべて0とする。ただし、セル間干渉などの除去の目的で協調通信が行なわれない移動局のLLRを基地局間通信部220に入力しても良い。以降の基地局eNB1の受信処理は、前述の通りである。
【0069】
一方、図8に示す基地局eNB2では、協調通信が行なわれている移動局UE4のLLRが基地局間通信部220から入力される。そして、合成部306−1〜306−nのうち移動局UE4の受信プロセスに該当する合成部へ入力される。基地局eNB2は、移動局UE4のLLRの合成後、復号部310−1〜310−n、レプリカ生成部311−1〜311−nを介し、移動局UE2、UE3、UE4の周波数領域のソフトレプリカを生成する。
【0070】
これらのソフトレプリカは、各々のソフトキャンセラ部304−1〜304−n(ソフトキャンセラ部304−1〜304−nを合わせてソフトキャンセラ部304とも表す)とIUI抽出部318とに入力される。IUI抽出部318では、重複したスペクトルによるユーザ間干渉を除去するために、重複したスペクトルのソフトレプリカのみを抽出する。例えば、図9に示す移動局UE3の受信プロセスのソフトキャンセラ部304に入力されるユーザ間干渉のソフトレプリカであれば、一部重複している移動局UE4のソフトレプリカからIUI成分を抽出することで生成される。
【0071】
上記の実施形態では、基地局間通信により共有されたLLRを合成に用いているが、ソフトキャンセルに用いても良い。例えば、図9に示す移動局UE2とUE3のユーザ間干渉のように移動局UE4によるユーザ間干渉をソフトキャンセラで除去することに用いることができる。
【0072】
図10は、本発明の第1の実施形態において、協調通信を行なう場合の周波数領域における帯域割当の一例を示す図である。図9の一例では、基地局eNB2で直交性を崩した帯域割当を行なっているが、図10に示すように基地局eNB1でも直交性を崩した帯域割当を行なっても良い。また、簡単のため、各移動局の割り当てを連続的な帯域割当としているが、離散的な帯域割当としても良い。また、上記の例では、協調通信を基地局間で行なっているが、Intra−siteの協調通信によりセクタ間で協調通信を行なっても良い。
【0073】
次に、本実施形態の基地局eNB1における移動局UE1〜UEmへの帯域割当を決定する一例について説明する。まず、基地局eNB1と通信するすべての移動局UE1〜UEmの帯域割当が周波数領域で直交する図9のような場合について図11を用いて説明する。図11は、本発明の第1の実施形態に係る基地局eNB1において移動局UE1〜UEmへの帯域割当を決定する動作を示すフローチャートである。
【0074】
まず、基地局eNB1で、移動局UE1〜UEmの参照信号が伝搬路推定部214に入力される(ステップS0)。伝搬路推定部214は、入力された参照信号から移動局毎の伝搬路特性を推定する(ステップS1)。制御情報決定部216は、推定された移動局毎の伝搬路特性に基づいて、移動局毎に協調通信が行なわれるか否かを判別する(ステップS2)。協調通信されるか否かの判定は、たとえば推定した伝搬路特性のすべてもしくは一部を用いて、平均のSNRを算出し、予め決められている閾値と比較することで行なうことができる。その場合には、平均のSNRが閾値を下回る移動局のみ協調通信が行なわれると判断できる。
【0075】
次に、基地局eNB1は、他の基地局eNB2へ協調通信が行なわれる移動局の情報を通知するとともに、協調通信が行なわれる移動局について他の基地局eNB2で推定された伝搬路特性の要求通知を行なう(ステップS3)。そして、他の基地局eNB2で推定した協調通信が行なわれる移動局の伝搬路特性を受信し(ステップS4)、すべての移動局UE1〜UEmの帯域割当が周波数領域で直交するように決定する(ステップS5)。
【0076】
なお、協調通信が行なわれない移動局に対しては、ステップS1で推定した伝搬路特性を基に帯域割当を決定し、協調通信が行なわれる移動局に対しては、ステップS1での推定した伝搬路特性とステップS4で受信した伝搬路特性の両方よりキャパシティが最大となるように決定する。また、ステップS5において、協調通信が行なわれる移動局を協調通信が行なわれない移動局と周波数領域で非直交に割り当てることで図10の帯域割当も可能となる。
【0077】
帯域割当の決定後、協調通信が行なわれる移動局の帯域割当を、他の基地局eNB2でも受信処理できるように、通知する(ステップS6)。また、他の基地局eNB2でも協調通信が行なわれる移動局の帯域割当は、協調通信が行なわれない移動局の帯域割当を考慮せずに決定する。その結果、協調通信が行なわれる移動局と協調通信が行なわれない移動局の帯域割当は非直交の帯域割当となる。ただし、協調通信が行なわれない移動局間では周波数領域で直交するように決定する。そして、すべての移動局UE1〜UEmへステップS5で決定した帯域割当を通知して(ステップS7)、一連の動作を終了する。
【0078】
図12は、本発明の第1の実施形態に係る図11の変形例として基地局eNB1において帯域割当を決定する一例を示すフローチャートである。図12に示す例は、図9に示す帯域割当を行なう場合に対応しており、図12は、基地局eNB1が、協調通信が行なわれる移動局の帯域割当を決定する動作を示している。ステップS10〜S12は、図11に示すステップS0〜S2と同様である。その後、基地局eNB1は、すべての移動局の帯域割当が周波数領域で直交するように決定する(ステップS13)。ここで、図12の変形例では、図11のフローチャートで行った他の基地局eNB2で推定された伝搬路特性の要求を行なわない。そのため、基地局eNB1で推定された伝搬路特性のみから帯域割当を決定する。協調通信が行なわれる移動局の帯域割当を他の基地局eNB2へ通知する(ステップS14)。
【0079】
ただし、他の基地局eNB2で協調通信が行なわれる移動局の帯域割当と協調通信が行なわれない移動局の帯域割当とは重複を許容される。そのため、他の基地局eNB2での帯域割当は協調通信が行なわれる移動局の帯域割当を考慮することなく決定できる。よって、他の基地局eNB2では協調通信が行なわれる移動局の帯域割当が通知される前であっても協調通信が行なわれない移動局の帯域割当を決定できる。
【0080】
ステップS15は、図11に示すステップS7と同様である。上記の例では、協調通信が行なわれる移動局の帯域割当の決定を他の基地局で推定した伝搬路特性を用いずに行なうが、他の基地局で推定した伝搬路特性を使用して行なっても良い。
【0081】
図13は、本発明の第1の実施形態に係る図11の変形例として基地局eNB1において帯域割当を決定する一例を示すフローチャートである。図13に示す例では、図10に示すような帯域割当を決定する。ステップS20〜S22は、図11に示すステップS0〜S2と同様であり、協調通信が行なわれない移動局について推定した伝搬路特性に基づいて周波数領域で直交するように帯域割当を決定する(ステップS23)。次に、協調通信が行なわれる移動局と協調通信が行なわれない移動局の周波数領域での重複を許容し、協調通信が行なわれない移動局の帯域割当を決定する(ステップS24)。ステップS25〜S26は図11に示すステップS6〜S7と同様である。
【0082】
図14は、本発明の第1の実施形態に係る図11のフローチャートに基づいて動作する移動局UE1、基地局eNB1および他の基地局eNB2の動作を示すシーケンスチャートである。移動局UE1は、参照信号を基地局eNB1へ送信する(ステップS101)。基地局eNB1と協調通信する他の基地局eNB2への参照信号を送信するタイミングは同一でも良いし、異なっても良い。基地局eNB1では、参照信号から移動局の伝搬路特性を推定し、他の基地局eNB2へ推定結果の通知を行なう。また、基地局eNB1は、他の基地局eNB2へ協調通信が行なわれる移動局の情報を通知するとともに、協調通信が行なわれる移動局について他の基地局eNB2で推定された伝搬路特性の要求通知を行なう(ステップS103)。続いて、基地局eNB1は、他の基地局eNB2で推定した協調通信が行なわれる移動局の伝搬路特性を受信する(ステップS105)。基地局eNB1では、推定した伝搬路特性と他の基地局eNB2で推定された伝搬路特性により、協調通信する移動局UE1の帯域割当を決定する。決定した帯域割当は、協調通信する他の基地局eNB2と移動局UE1へ通知される(ステップS107)。移動局UE1は、通知された帯域割当に基づき、データ伝送を行なう(ステップS109)。伝送されたデータは、基地局eNB1と他の基地局eNB2で受信され、LLRを共有することで合成処理を行ない、受信される(ステップS111)。
【0083】
本実施形態では、基地局の受信アンテナ本数が1であり、同時に少なくとも一部の周波数を重複して使用する移動局の数が2である場合について説明したが、本発明の適用は、このような場合に限定されない。基地局の受信アンテナ本数がTRX(>1)であり、同時に少なくとも一部の周波数を重複して使用する移動局の数がTRX+1以上である場合でも良い。例えば、TRX=2で、協調通信が行なわれる移動局が3以上の場合には、協調通信が行なわれる移動局を他の移動局の割当と独立して決定する。その結果、複数の協調通信が行なわれる移動局と協調通信が行なわれない移動局が重複した周波数を使用することとなり、3以上の移動局が少なくとも一部の周波数を重複して使用することとなる。
【0084】
以上のように、本実施形態を適用することで協調通信を行なう場合に、すべての基地局で移動局の帯域割当の直交性を保持する必要がなくなる。その結果、協調通信を行なう無線通信システムの効率的な周波数の使用が可能になり、周波数利用効率を向上させることができる。また、帯域割当が重複することにより生じるユーザ間干渉も受信処理でキャンセルするため、伝送特性への影響が少なくなり、スループットを改善できる。
【0085】
[第2の実施形態]
次に、協調通信が行なわれる移動局と協調通信が行なわれない移動局の周波数領域における帯域割当が重複する場合に、協調通信を行なう基地局間で送信電力のパラメータを決定する一例について説明する。
【0086】
図15は、本発明の第2の実施形態に係る移動局UE1〜UEmの構成例を示すブロック図である。本実施形態では、上記の実施形態と同様に図9もしくは図10に示す割り当てが行なわれる。移動局UE1〜UEmの構成は基本的に上記の実施形態と同様となるが、図15に示すように制御情報受信部609と送信処理部607が異なる。各移動局での送信処理は同一であるため、図15を用いて、上記の実施形態と異なる点のみを説明する。
【0087】
制御情報受信部609では、データ伝送に用いる周波数割当情報や変調多値数、符号化率、符号化方法に加えて、送信電力に関するパラメータを含む制御情報を受信する。送信電力に関するパラメータは、送信処理部607に入力され、電力増幅器(Power Amplifier、PA)で送信電力を増幅する際に用いられる。
【0088】
ここで、ダイナミックスケジューリングを適用する場合において、移動局がデータ伝送に用いる送信電力PPUSCH(i)は、次式で決定される。
【数1】

【0089】
ただし、minは{}内で小さい値を選択する関数である。PCMAXは、移動局の許容される最大送信電力であり、MPUSCH(i)はi番目のサブフレームで割り当てられたRB数、PO_PUSCHは1RBあたりの名目上の目標受信電力、αはセル固有のパラメータ、PLはパスロス、ΔTF(i)は変調多値数や符号化率によるパラメータ、f(i)は閉ループ制御を行なうために基地局から移動局に通知されるパラメータ、iはサブフレームの番号である。
【0090】
図16は、本発明の第2の実施形態に係る、複数の移動局より送信されたデータを受信する基地局eNB1の構成例を示すブロック図である。基地局eNB1について上記の実施形態と異なる点のみ説明する。伝搬路推定部214は、分離された参照信号から移動局毎の伝搬路特性を算出する。制御情報決定部716は、各移動局が1RBあたりの名目上の目標受信電力を満たすように、式(1)のPO_PUSCHに相当するパラメータPO_eNB1を決定する。
【0091】
協調通信が行なわれない移動局の送信電力に関するパラメータは、他の制御情報の変調方式、符号化率、帯域割当などと一緒に制御情報として移動局にそのまま通知する。ただし、送信電力に関するパラメータは、他の制御情報と別のタイミングで通知しても良い。一方、協調通信が行なわれる移動局の送信電力に関するパラメータは、基地局間通信部720を介し、他の基地局eNB2へ通知する。そのため、制御情報決定部716には、他の基地局eNB2の制御情報決定部316で算出された送信電力のパラメータPO_eNB2が入力される。
【0092】
ここで、本実施形態におけるPO_PUSCHの決定方法を説明する。基地局eNB1は、PO_PUSCHにより移動局が所要品質を満たすように設定する必要があるため、協調通信を行なうすべての基地局eNB1、eNB2で1RBあたりの名目上の目標受信電力品質を満たすように次式で決定する。
【数2】

ただし、maxは{}内で大きい値を選択する関数である。
【0093】
しかし、式(2)による送信電力のパラメータの決定方法では、必要以上に送信電力が高くなり、協調通信を行なわない基地局へ干渉が大きくなる場合がある。そのため、変形例として、PO_eNB1とPO_eNB2の平均値を用いるようにしても良い。また、別の変形例として、複数の基地局間で重みづけを行ない、平均値としても良い。例えば、次式を用いるような例である。
【数3】

ただし、α+β=1を満たすものとする。
【0094】
以上のように、本実施形態を適用することにより、協調通信が行なわれる移動局と協調通信が行なわれない移動局の周波数領域における帯域割当が重複する場合に、各基地局で所定の受信品質を満たすことができ、スループットを改善できる。
【0095】
[第3の実施形態]
次に、協調通信が行なわれる移動局の周波数領域における帯域割当と協調通信が行なわれない移動局の周波数領域における帯域割当とが重複する場合に、協調通信が行なわれる移動局がマルチアンテナ伝送で用いるプリコーディングの決定方法に特徴を有する一例について説明する。
【0096】
図17は、本発明の第3の実施形態に係る、複数のアンテナを有する移動局によるデータ伝送時に、協調通信が適用される場合の通信システムを示す概略図である。図17に示す例では、移動局UE3の送信アンテナ数は2本であり、移動局が複数のアンテナによるデータ伝送を行なっている。基地局eNB1とeNB2は、各々受信したデータを光ファイバ等で共有し、合成を行なうことで信号検出する。また、協調通信を行なう場合の周波数領域における帯域割当は、上記の実施形態と同様に非直交である。
【0097】
図18は、本発明の第3の実施形態に係る移動局UE1〜UEmの構成例を示すブロック図である。図18に示す構成例では、送信アンテナが2本であるが、3本以上であっても良い。移動局UE1〜UEmでは、符号部801が送信データビットを符号化し、得られた符号ビットをS/P部802に入力する。S/P部802は、符号ビットを送信アンテナ数分の送信ビット列に並び変え、それぞれ変調部803−1、803−2に入力する。
【0098】
各変調部803−1、803−2は、複数の符号ビット列に変調を施す。それぞれのFFT部804−1、804−2は、変調を施された符号ビット列を周波数領域の信号に変換し、プリコーディング部805に入力する。プリコーディング部805は、FFT部804−1、804−2からの入力に対して、基地局から通知されたプリコーディングマトリックス(PM)を乗算する。
【0099】
ここで、移動局で適用するPMの候補は予め送受信装置間で決められており、インデックス化されている。そのため、基地局では、PMI(Precoding Matrix Indicator)と呼ばれる制御情報により、インデックスを移動局に通知する。周波数マッピング部806−1、806−2から送信処理部809−1、809−2までの処理は、上記の実施形態と同様のため、説明を省略する。アンテナ810−1、810−2からは同一時間・周波数で信号が送信される。
【0100】
図19は、本発明の第3の実施形態に係る基地局eNB1の構成例を示すブロック図である。図19に示す構成例では、受信アンテナを2本としているが、3本以上であってもよい。基地局eNB1は、アンテナ901−1、901−2で信号を受信し、得られた受信信号を受信処理部902−1、902−2に入力する。受信処理部902−1、902−2の処理は上記の実施形態と同様である。分離された参照信号は、伝搬路推定部914に入力され、データ信号は周波数デマッピング部903に入力される。
【0101】
伝搬路推定部914は、各送受信アンテナ間の伝搬路特性(周波数応答)を推定し、制御情報決定部916に入力する。制御情報決定部916は、その伝搬路特性からそれぞれの移動局の帯域割当や符号化率、変調方式などのデータ送信に必要な制御情報を決定する。決定された制御情報と制御情報決定部916に入力された伝搬路特性は、プリコーディング決定部918にも入力される。プリコーディング決定部918は、入力された伝搬路特性を用いて、後述の方法によりプリコーディングを決定し、他の制御情報と同一タイミングもしくは異なるタイミングで移動局に通知する。なお、用いられる伝搬路特性は、伝搬路推定部914と他の基地局の伝搬路推定部で推定されたものである。
【0102】
周波数デマッピング部903は、各アンテナで受信した信号をユーザ毎の帯域割当情報に基づいて分離し、ソフトキャンセラ部904−1〜904−nに入力する。ソフトキャンセラ部904−1〜904−nは、複数のアンテナで受信した信号に対して上記の実施形態と同様の処理を行ない、出力をそれぞれ受信信号復調部905−1〜905−nに入力する。
【0103】
図20は、本発明の第3の実施形態に係る受信信号復調部905−1〜905−nの構成を示すブロック図である。受信信号復調部905−1〜905−nのそれぞれの構成は同一であるため、図20を用いて受信信号復調部905−1の説明をする。複数のアンテナで受信した信号がソフトキャンセラ部904−1から信号分離部1001に入力される。信号分離部1001は、受信アンテナ毎に空間多重されている信号に対してMMSE重みを乗算することで空間フィルタリングを行ない、送信アンテナ毎の信号に分離する。
【0104】
IFFT部1002−1、1002−2は、分離された信号をそれぞれ時間領域の信号に変換する。復調部1003−1、1003−2は、入力された時間領域の信号を用いて符号ビットのLLRを算出する。P/S部1004は、復調部1003−1、1003−2から出力されたLLRを符号部801で得られた1つの符号ビットの順に並び換える。
【0105】
P/S部1004より出力されたLLRは、合成部906−1へ入力される。合成部906−1〜906−nと復号部907−1〜907−nは、上記の実施形態と同様の処理を行ない、レプリカ生成部908−1〜908−nに復号ビットを入力する。レプリカ生成部908−1〜908−nは、入力された符号ビットに対し、移動局で施したS/P部802と同様の処理を行なう。以降は、上記の実施形態と同様である。
【0106】
基地局のプリコーディング決定部918の処理について説明する。基地局のプリコーディング決定部918では、各基地局で得られた伝搬路特性が入力される。i番目の基地局のk番目の周波数の伝搬路特性は次式で表わされる。
【0107】
【数4】

ただし、Ntは送信アンテナ数、Nrは受信アンテナ数とする。
【0108】
また、すべての基地局で得られた周波数応答は、以下の通りである。
【0109】
【数5】

ただし、Lは協調通信を行なう基地局数である。
【0110】
移動局で乗算するPMをPとすると、等価伝搬路H’は次式になる。
【0111】
【数6】

【0112】
よって、等化後の信号Reqは、次式となる。
【0113】
【数7】

ただし、wMMSEはMMSE重みであり、Sは送信信号、nはノイズである。よって、等価振幅利得μは、次式で得られる。
【0114】
【数8】

【0115】
ただし、Pはプリコーディングマトリックスで、N行NRANK列の行列であり、NRANKは送信信号の数(ランク数、レイヤ数、ストリーム数とも呼ばれる)である。そのため、送信アンテナ2本で同一の信号を送信する際には、Pは2行1列の行列となり、送信アンテナ2本で異なる信号を送信する際には、Pは2行2列の正方行列となる。
【0116】
得られた等価振幅利得μはNRANK行NRANK列の行列であり、対角成分を抽出したベクトルμ’は以下の通りである。
【0117】
【数9】

ただし、μ(i)はi番目のストリームの等価振幅利得を示す。
【0118】
移動局の各アンテナで同一の信号を送信する場合には、ランク数が1であり、等価振幅利得μ(0)が最大となるようにプリコーディングマトリックスPを決定すれば良い。
【0119】
一方、各アンテナで異なる信号を送信する場合には、アンテナ毎のSINRを算出する必要があり、i番目のストリームのSINRγ(i)は次式で与えられる。
【0120】
【数10】

【0121】
そして、例えば、次式が最大となるようにプリコーディングマトリックスPを決定する。
【0122】
【数11】

【0123】
あるいは、キャパシティを示す式(12)が最大となるようにプリコーディングマトリックスPを決定しても良い。
【0124】
【数12】

【0125】
以上のように、本実施形態を適用することにより、協調通信が行なわれる移動局と協調通信が行なわれない移動局の周波数領域における帯域割当が重複する場合に、各基地局で所定の受信品質を満たすことができ、スループットを改善できる。
【0126】
本発明に関わる移動局装置および基地局装置で動作するプログラムは、上記実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的にRAMに蓄積され、その後、各種ROMやHDDに格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROM、不揮発性メモリカード等)、光記録媒体(例えば、DVD、MO、MD、CD、BD等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等のいずれであってもよい。
【0127】
また、ロードしたプログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本発明の機能が実現される場合もある。また市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本発明に含まれる。
【0128】
また、上述した実施形態における移動局装置および基地局装置の一部、または全部を典型的には集積回路であるLSIとして実現してもよい。移動局装置および基地局装置の各機能ブロックは個別にチップ化してもよいし、一部、または全部を集積してチップ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
【0129】
以上では、本発明の実施形態を、図面を参照して詳述しているが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0130】
UE1〜UEm 移動局
101 符号部
102 変調部
103 FFT部
104 周波数マッピング部
105 IFFT部
106 参照信号多重部
107 送信処理部
108 送信アンテナ
109 制御情報受信部
eNB1〜eNB4 基地局
201 アンテナ
202 受信部
203 周波数デマッピング部
204−1〜204−n ソフトキャンセラ部
205−1〜205−n 受信信号復調部
206−1〜206−n 合成部
210−1〜210−n 復号部
211−1〜211−n レプリカ生成部
214 伝搬路推定部
216 制御情報決定部
218 IUI抽出部
220 基地局間通信部
301 アンテナ
302 受信部
303 周波数デマッピング部
304−1〜304−n ソフトキャンセラ部
305−1〜305−n 受信信号復調部
306−1〜306−n 合成部
310−1〜310−n 復号部
311−1〜311−n レプリカ生成部
314 伝搬路推定部
316 制御情報決定部
318 IUI抽出部
320 基地局間通信部
401 受信処理部
402 参照信号分離部
403 FFT部
501 等化部
502 IFFT部
503 復調部
607 送信処理部
609 制御情報受信部
716 制御情報決定部
720 基地局間通信部
801 符号部
802 S/P部
803−1、803−2 変調部
804−1、804−2 FFT部
805 プリコーディング部
806−1、806−2 周波数マッピング部
807−1、807−2 IFFT部
808−1、808−2 参照信号多重部
809−1、809−2 送信処理部
810−1、810−2 アンテナ
901−1、901−2 アンテナ
902−1、902−2 受信処理部
903 周波数デマッピング部
904−1〜904−n ソフトキャンセラ部
905−1〜905−n 受信信号復調部
906−1〜906−n 合成部
907−1〜907−n 復号部
908−1〜908−n レプリカ生成部
910 IUI抽出部
914 伝搬路推定部
916 制御情報決定部
918 プリコーディング決定部
1001 信号分離部
1002−1、1002−2 IFFT部
1003−1、1003−2 復調部
1004 P/S部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基地局装置が、協調通信で少なくとも一つの移動局装置と通信を行なう通信システムに適用される基地局装置であって、
協調通信を行なう際に他の基地局装置と通信を行なう基地局間通信部と、
他の基地局装置で協調して受信される信号と、他の基地局装置で協調せずに受信される信号とが一部の周波数で重複するように、前記移動局装置が通信に用いる帯域の割り当てを行なう制御情報決定部と、を備えることを特徴とする基地局装置。
【請求項2】
前記一部の周波数に重複して割り当てられた信号の数よりも、少ない数のアンテナで信号を受信することを特徴とする請求項1記載の基地局装置。
【請求項3】
前記他の基地局装置で協調して受信される前記移動局装置の信号を、前記他の基地局装置との間で共有してキャンセル処理を行なうことを特徴とする請求項1記載の基地局装置。
【請求項4】
前記一部の周波数に重複して割り当てられた信号を、他の基地局装置との間で共有してキャンセル処理を行なうことを特徴とする請求項1記載の基地局装置。
【請求項5】
前記制御情報決定部は、他の基地局装置において、協調して受信される信号と、協調せずに受信される信号とが一部の周波数で重複するように、前記移動局装置が通信に用いる帯域の割り当てが行なわれる場合、協調して受信される信号と、協調せずに受信される信号とが周波数領域で直交するように、前記移動局装置が通信に用いる帯域の割り当てを行なうことを特徴とする請求項1記載の基地局装置。
【請求項6】
前記制御情報決定部は、他の基地局装置において、協調して受信される信号と、協調せずに受信される信号とが一部の周波数で重複するように、前記移動局装置が通信に用いる帯域の割り当てが行なわれる場合、協調して受信される信号と、協調せずに受信される信号とが一部の周波数で重複するように、前記移動局装置が通信に用いる帯域の割り当てを行なうことを特徴とする請求項1記載の基地局装置。
【請求項7】
前記移動局装置で所定の受信品質を満たすことができる送信電力のパラメータを算出すると共に、前記算出したパラメータを他の基地局装置との間で共有し、
すべての基地局装置で算出された前記パラメータの最大値を前記移動局装置に通知することを特徴とする請求項1記載の基地局装置。
【請求項8】
前記移動局装置で所定の受信品質を満たすことができる送信電力のパラメータを算出すると共に、前記算出したパラメータを他の基地局装置との間で共有し、
すべての基地局装置で算出された前記パラメータの平均値を前記移動局装置に通知することを特徴とする請求項1記載の基地局装置。
【請求項9】
複数のアンテナを有する移動局装置から受信した伝搬路推定用信号に基づいて、前記各アンテナの周波数応答を算出すると共に、前記算出した周波数応答を他の基地局装置との間で共有し、
前記算出した周波数応答に基づいてSINR(Signal to Interference plus Noise Ratio)が最大となるようにプリコーディングを決定することを特徴とする請求項1記載の基地局装置。
【請求項10】
複数のアンテナを有する移動局装置から受信した伝搬路推定用信号に基づいて、前記各アンテナの周波数応答を算出すると共に、前記算出した周波数応答を他の基地局装置との間で共有し、
前記算出した周波数応答に基づいて、キャパシティが最大となるようにプリコーディングを決定することを特徴とする請求項1記載の基地局装置。
【請求項11】
複数の基地局装置が、協調通信で少なくとも一つの移動局装置と通信を行なう通信システムに適用される基地局装置のプログラムであって、
協調通信を行なう際に他の基地局装置と通信を行なう処理と、
他の基地局装置で協調して受信される信号と、他の基地局装置で協調せずに受信される信号とが一部の周波数で重複するように、前記移動局装置が通信に用いる帯域の割り当てを行なう処理と、の一連の処理を、コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項12】
基地局装置に実装されることにより、前記基地局装置に複数の機能を発揮させる集積回路であって、
協調通信を行なう際に他の基地局装置と通信を行なう機能と、
他の基地局装置で協調して受信される信号と、他の基地局装置で協調せずに受信される信号とが一部の周波数で重複するように、前記移動局装置が通信に用いる帯域の割り当てを行なう機能と、の一連の機能を、前記基地局装置に発揮させることを特徴とする集積回路。
【請求項13】
請求項1から請求項10のいずれかに記載の基地局装置で割り当てられた周波数帯域を用いて、複数の基地局装置と協調通信を行なうことを特徴とする移動局装置。
【請求項14】
請求項1から請求項10のいずれかに記載の基地局装置と、
請求項13記載の移動局装置と、から構成されることを特徴とする通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2013−58902(P2013−58902A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−195949(P2011−195949)
【出願日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】