基盤内の物体を検出するための検出装置および方法
【課題】基盤内の物体を検出するための装置および方法を広範囲に改良し、検出装置の空間解像度を高め、測定結果の精度を改善する。
【解決手段】送信ユニット(54;141;161)が、少なくとも1つの別の送信信号(TX2,TX3)を基盤に送信するように構成された少なくとも1つの別のセンサ素子(53.2,53.3)を備え、送信ユニット(54;141;161)の送信素子(53.1〜53.3)が、制御・評価ユニット(45)によって互いに無関係に制御可能である。
【解決手段】送信ユニット(54;141;161)が、少なくとも1つの別の送信信号(TX2,TX3)を基盤に送信するように構成された少なくとも1つの別のセンサ素子(53.2,53.3)を備え、送信ユニット(54;141;161)の送信素子(53.1〜53.3)が、制御・評価ユニット(45)によって互いに無関係に制御可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念部に記載の基盤内の物体を検出するための検出装置ならびに請求項19の上位概念部に記載の特徴を有する基盤内の物体を検出するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基盤内で検出される典型的な物体は、水道管、鉄筋、電気および給電線、吸湿装置および中空空間である。「物体」という概念は、この特許出願では、基盤に埋設されており、まとまっている任意の堅固な物体、液状およびガス状の物体である。給電線は、事故の危険性に基づき、破断した場合には高い信頼性をもって検出装置によって検出される必要がある。給電線は、送電を行う電気線であり、作動時には基盤の給電線を検出するために利用できる磁場が生成される。電話ケーブルまたはアンテナケーブルは、電気線であるが、極わずかな電流のみを伝達するものであり、本願の「給電線」の概念の定義にはあてはまらない。
【0003】
PS200の製品名で既知の基盤内の物体を検出するための装置は、基盤内に送信信号を送信するための送信素子と、送信信号ならびに物体および基盤の特性に関係した受信信号を受信するように構成された2つ以上の受信素子と、送受信ユニットを制御し、受信信号を評価するための制御・評価ユニットと、制御・評価ユニットによって評価された受信信号を表示するための表示ユニットとを備える。基盤内の物体を検出するために、唯一の送信素子が送信信号を送信し、受信素子はそれぞれ1つの受信信号を受信する。
【0004】
基盤内の物体を検出するためのこの既知の装置および方法では、前進方向に沿って案内される検出装置が送信素子を1つしか備えておらず、前進方向に対して横方向の検出素子の空間解像度が著しく制限されていることが欠点である。さらに、平面領域、すなわち、前進方向に対して横方向に所定の幅を検出するためには平行する複数の測定路を検出しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これに対して、本発明の課題は、基盤内の物体を検出するための装置および方法を広範囲に改良し、検出装置の空間解像度を高め、測定結果の精度を改善することである。さらに、測定結果は検出装置の表示ユニットに即座に表示されることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、冒頭で述べた基盤内の物体を検出するための装置において、独立請求項1に記載の特徴によって、また冒頭で述べた基盤内の物体を検出するための方法において、独立請求項19に記載の特徴によって解決される。有利な構成が従属請求項に記載されている。
【0007】
基盤内の物体を検出するための装置では、本発明によれば、送信ユニットは、基盤内に少なくとも1つの別の送信信号を送信するための少なくとも1つの別の送信素子を備え、送信ユニットの送信素子は、互いに無関係に制御・評価ユニットによって制御可能である。互いに無関係に制御可能な複数の送信素子を有する送信ユニットにより、制御・評価ユニットによって評価される受信信号の数を増やすことが可能となる。より多くの受信信号が受信されれば、それだけ空間解像度が良好になる。
【0008】
好ましい構成では、送信ユニットの送信素子および受信ユニットの受信素子は、1つの送信素子と1つの受信素子とが1つのセンサ素子を構成して第1センサユニットに組み込まれており、センサ素子は、制御・評価ユニットによって、センサ素子が送信信号を送信する送信モードと、センサ素子が受信信号を受信する受信モードとの間で切換可能である。送信素子としても受信素子としても機能するセンサ素子により、送受信素子の数が低減され、検出装置をより小型に構成するか、または検出装置の解像度を付加的なセンサ素子によって高めることができる。
【0009】
送受信素子は、超音波センサ、誘導センサ、容量センサ、レーダセンサ、磁場センサまたは基盤内の物体を検出するために適したその他の種類のセンサとして構成されている。レーダセンサは、例えばパルスレーダセンサ、ステップ周波数レーダセンサ(ステップ周波数連続波、周波数変調連続波、ステップチャープ)、疑似ランダム雑音レーダセンサ、または多重正弦波レーダセンサとして構成されている。磁場センサとしては、例えば、コイル、ホールセンサ、磁気インピーダンスセンサ、磁気誘導センサ、フラックスゲートセンサ、巨大磁気抵抗センサおよび異方性磁気抵抗センサが適している。
【0010】
好ましくは、第1センサユニットは少なくとも3つのセンサ素子を備え、これらのセンサ素子は、少なくとも第1および第2列にずらして配置されており、第2列のセンサ素子は、第1列のセンサ素子の間に配置されている。センサ素子をずらして配置した場合、列および行にセンサ素子を規則的に配置した場合に比べて、検出装置の解像度が高められるという利点が得られる。したがって、ずらした配置は、特に使用周波数帯により大きさが決まるレーダセンサなどの大きいセンサ素子を有する検出装置のためにも適している。列内のセンサ素子間の間隔および隣接する列間の間隔は、例えば、使用されるセンサ素子および測定目的に応じて適宜設定される。
【0011】
好ましくは、センサユニットのセンサ素子は、第1偏波方向を有する送信信号および第2偏波方向を有する送信信号を送信するように構成されており、第2偏波方向は第1偏波方向とは異なっている。特に好ましくは、受信ユニットの受信素子は、同時に第1偏波方向の第1受信信号および第2偏波方向の第1受信信号を受信するように構成されている。例えば、線形の前進方向に対して平行および垂直な2つの異なる偏波方向に測定を行うことにより、異なる材料を区別し、物体の配向を特定することができる。鉄およびプラスチック材料は、異なる偏波方向について異なった、相補的な反射振幅(レーダ横断面)を有し、したがって、異なる偏波方向を用いることにより、プラスチックと鉄、すなわち、例えばプラスチック管と鉄筋とを区別することができる。理論的には、2つの異なる偏波方向の反射振幅に基づいて鉄筋の直径を推定することができる。
【0012】
好ましくは、制御・評価ユニットは、メインメモリとデジタルスタックメモリ(中間メモリ)とを有する。デジタルスタックメモリではメインメモリに伝送される前に受信信号がデジタル処理で平均化される。平均化が局所的(例えばFPGAで)行われることにより、制御・評価ユニットのメインメモリとの通信帯域幅を最小化することができる。デジタルスタックメモリの利点は、使用時の平均数を規定できることである。例えば、等しい局所的な走査周波数において前進速度が極めて高い場合、平均数を著しく低減することができる。これにより、より高い雑音を甘受しなければならないが、しかしながら、それにもかかわらず目的を果たすことができる。また、これにより、遅い前進移動による困難な測定状況(外部雑音、わずかな信号)で受信信号から最大限の信号・雑音比が得られる。
【0013】
好ましい実施形態では、第2センサユニットにセンサ素子が設けられており、そのセンサ素子は、第1センサユニットのセンサ素子のセンサ特性とは異なっている。異なるセンサ特性を有する複数のセンサユニットを使用することにより、検出装置の空間解像度および測定精度を高めることができる。「センサ特性」という概念には、大きさ、位置、配向、センサ種類などセンサユニットの全ての特性が要約されている。レーダセンサの場合には、偏波(線形、円形、平行、垂直方向)、帯域幅、周波数帯域、変調形式などのセンサ特性が挙げられ、誘導センサの場合には、振幅、周波数範囲、励起パターン、感度、帯域幅などの他のセンサ特性が挙げられる。異なるセンサ種類を用いることにより、または異なるセンサ特性を有する1つのセンサ種類を用いることにより、異なる物体を信頼性良く検出することができる。例えば、コイルの形式の誘導センサは、小さいコイル直径では信頼性良く表面近傍および相互に近接している物体(間隔が狭い)を検出し、これに対して大きいコイル直径のコイルは、表面から離間した物体を信頼性良く検出する。誘導センサにおいて小さいコイルと大きいコイルとを組み合わせることにより、表面近傍の物体および表面から離間した物体が信頼性良く検出される。検出装置の使用分野に応じて、既知の全てのセンサ素子を相互に組み合わせることができる。
【0014】
好ましくは、第1表示モードでは第1センサユニットの測定結果が、第2表示モードでは第2センサユニットの測定結果が、第3表示モードでは第1および第2センサユニットの測定結果が表示ユニットに表示可能である。2つの異なるセンサ素子を備える検出装置では、制御・評価ユニットは共通の深部断面図および/または個々の深部断面図を計算する。共通の深部断面図から、共通の平面図を計算し、表示ユニットに表示することができる。共通の深部断面図および共通の平面図は、全ての物体を1つの図に表示できるという利点を有する。個々の深部断面図、これにより計算される個々の表面図は、同時に、または順次に表示ユニットに表示することができる。
【0015】
第2センサユニットは、好ましくは給電線を検出するための電流センサユニットとして構成されている。給電線は、給電線の破断時の事故危険性に基づき高い信頼性をもって検出装置によって検出する必要がある。給電線を検出するためにのみ設けられた第2センサユニットにより、給電線の検出信頼性が高められる。
【0016】
好ましい実施形態では、電流センサユニットは、第1および第2磁界センサ素子を備え、第1磁界センサ素子は、第1方向に磁界または磁界勾配を検出し、第2磁界センサ素子は、第1方向とは異なる第2方向に磁界または磁界勾配を検出する。この場合、第2方向は、特に好ましくは第1方向に対して垂直方向に配置されている。
【0017】
特に好ましくは、電流センサユニットは、第1および第2方向とは異なる第3方向に磁界または磁界勾配を検出する第3磁界センサ素子を備える。この場合、第3方向は特に好ましくは、第1および第2方向に対して垂直方向に配置されている。給電線の磁界または磁界勾配が第3方向に検出されることにより、特に傾斜、湾曲および/またはツイストされた給電線並びに多相給電線の場合に、測定の信頼性、および基盤内の給電線の空間的な位置検出の精度を高めることができる。
【0018】
好ましい他の実施形態では、電流センサユニットは、第1方向および第1方向とは異なる第2方向に磁界または磁界勾配を検出するための磁界センサ素子を備える。この場合、第2方向は、特に好ましくは第1方向に対して垂直方向に配置されている。
【0019】
特に好ましくは、磁界センサ素子は、第1方向および第2方向とは異なる第3方向に磁界または磁界勾配を検出し、第3方向は、特に好ましくは第1および第2方向に対して垂直に配置されている。給電線の磁界または磁界勾配が第3方向にも検出されることにより、特に傾斜、湾曲および/またはツイストされた給電線の場合、および多相給電線の場合にも基盤における給電線の空間的な位置検出の精度が高められる。
【0020】
電流センサユニットは、特に好ましくは変調ユニットを備え、この変調ユニットは、通信接続を介して制御・評価ユニットに接続可能であり、制御・評価ユニットの制御命令に応答して給電線の電流信号を変調する。既知のパターンによる電流信号の変調によって、給電線の受信信号が磁界センサ素子によってより良好に特定される。変調ユニットは、例えば、基盤に設けられている電源ソケットに差し込まれ、給電線の位相に結合されるように構成されている。特に好ましくは、制御・評価ユニットは受信信号を復調するための制御・評価ユニットを備える。
【0021】
好ましい実施形態では、制御・評価ユニットは、受信素子の受信信号から複数の深部断面図を計算するように構成されている。特に好ましくは、制御・評価ユニットが深部断面図から、第1深さおよび第2深さの間の深さ範囲にわたる平均値、メジアン、最大値または重み付け合計として平面図を計算し、表示ユニットに表示するように構成されており、第1深さおよび第2深さは特に好ましくは調節可能に構成されている。上記数学関数は、中間値、メジアン、最大値、重み付け合計の他に、平面図を計算するためにあらゆる適宜な数学関数を用いることができる。平面図から、操作員は基盤に対する物体の直接的な空間的位置を把握し得る。第1および第2深さが調節可能であることにより、基盤の異なる深さに埋設されている物体を互いに別個に平面図で示すことができる。操作員は、平面図で示される物体を種々異なる深さ範囲に制限することができる。
【0022】
線形の前進移動を行う手動案内式の検出装置は、任意の前進移動を行う手動式の検出装置に対して、前進方向の局所的解像度が前進移動により高められ、必要な送受信素子の数が少ないという利点を有する。センサユニットは連続的に、すなわち、極めて高い局所的解像度をもって前進方向に基盤上を移動されるので、前進方向のセンサユニットの幅は重要ではない。任意の前進移動時に特定の方向が好ましいわけではないので、比較可能な局所解像度を得るために送受信素子の数は2つの方向にほぼ等しいことが望ましい。任意の前進移動は、線形前進移動に対して、操作員がどの範囲を測定するかを自身で決定できるという利点を有する。これにより、基板の表面がどのような外形であっても検出を行うことが可能になり、これは、アクセス困難な状況では重要な利点である。線形の前進移動時には、区分毎にまたはあらかじめ規定されたグリッドに沿って走査される。このグリッドに沿って走査することができるように、地盤に接着されたテンプレートが使用される。
【0023】
基盤内の物体を検出するための方法は、本発明によれば、さらなるステップ:送信ユニットの別の送信素子により別の送信信号を基盤に送信するステップと、受信ユニットのそれぞれの受信素子によって別の送信信号ならびに物体および基盤の特性に関係した受信信号を受信するステップとを特徴とする。
【0024】
好ましくは、送信ユニットのそれぞれの送信素子によって順次に送信信号が送信され、受信ユニットの全ての受信素子によってそれぞれの送信信号と同時に受信信号が受信される。全てのモノスタティックおよびバイスタティック受信信号が検出されることにより、その結果、測定の空間解像度が高められる。
【0025】
好ましくは、送信ユニットの送信素子によってそれぞれ第1ステップで第1偏波方向を有する第1送信信号が送信され、第2ステップで、第1偏波方向とは異なる第2偏波方向を有する第2送信信号が送信され、この場合、特に好ましくは、受信ユニットの受信素子により同時に、第1受信信号が第1偏波方向に受信され、第2受信信号が第2偏波方向に受信される。2つの異なる偏波方向に、例えば線形前進方向に対して平行および垂直に測定を行うことにより、異なる材料を区別し、物体の配向を特定することができる。
【0026】
方法の好ましい他の態様では、受信信号はメインメモリに伝達される前にスタックメモリにおいてデジタル処理で平均化される。これにより、平均化が局所的に(例えば、取り出されたFPGAで)行われることにより、制御・評価ユニットのメインメモリとの通信帯域を最小限とすることができる。デジタルバッファメモリの利点は、例えば、外部トリガまたはユーザの設定によって使用時の平均値を規定できることである。例えば、等しい局所的な走査周波数で前進速度が極めて高い場合に、前進速度に関係して平均値を著しく低減することができる。これにより、より高い雑音を甘受しなければならないが、それにもかかわらず、目的を果たすことができる。また、これにより、遅い走査による困難な状況(外部干渉、わずかな信号)で測定データから最大限の信号・雑音比が得られる。デジタルスタックメモリの使用は、同様に平均化作用を及ぼすアナログフィルタがあらかじめ使用されることを除外しない。
【0027】
方法の好ましい他の態様では、受信信号から、制御・評価ユニットにより複数の深部断面図が計算される。深部断面図から、特に好ましくは平面図が計算されて表示ユニットに表示される。平面図は、第1深さと第2深さとの間の深さ範囲にわたる平均値、メジアン、最大値または重み付け合計として計算される。平面図により、操作員は、基盤のどこに物体が位置するのかについて直接的な空間的印象を得る。特に好ましくは、深さ範囲は調節可能に構成されており、操作員は平面図の表示を所定の深さ範囲に制限することができる。
【0028】
特に好ましくは、平面図では、閾値を超過した物体のみが表示され、閾値は、特に好ましくは調節可能である。閾値が調節できることにより、操作員は、平面図の表示を自身の要求に合わせることができる。操作員が示したいと望む物体だけを平面図が示すように、閾値を超えた不自然な結果および障害は取り除くことができる。
【0029】
特に好ましくは、深部断面図は補間される。深部断面図の補間により、平面図における物体の解像度を高めることができる。補間は、例えば線形前進移動で基盤上を移動される案内式の検出装置のために適している。
【0030】
好ましくは、第1磁界勾配が第1方向に検出され、第2磁界勾配が第2方向に検出され、第1および第2方向は、特に好ましくは互いに垂直に配置されている。特に好ましい他の態様では、センサユニットは前進方向に基盤で移動され、第1磁界勾配は前進方向に対して垂直な水平方向に検出され、第2磁界勾配は前進方向および水平方向に対して垂直な深さ方向に検出される。水平方向および深さ方向の磁界勾配から、基盤内の給電線の延びを特定することができる。
【0031】
特に好ましくは、第1および第2磁界センサ素子は水平方向に交互に配置されており、隣接する第1磁界センサ素子および第2磁界センサ素子の第1磁界勾配および第2磁界勾配からそれぞれ絶対値平均が計算される。水平方向に沿って磁界センサ素子を交互に配置することにより、基盤内における給電線の空間的延びを特定するために不可欠な磁界センサ素子の数が減じられる。
【0032】
隣接する第1および第2磁界センサ素子の絶対値平均から、特に好ましくは制御・評価ユニットによって水平方向図が計算され、水平方向図は制御・評価ユニットから表示ユニットに伝達され、表示ユニットに示される。操作員は、水平方向図から、基盤のどこに給電線がのびているかについて空間的印象を得る。
【実施例1】
【0033】
以下に本発明の実施例を図面に基づき説明する。図面は実施例を必ずしも実寸大で示すものではなく、むしろ、説明のために役立つものとして概略的に、わずかに変形して示されている。図面から直接に認識できる教示を補足する観点から、従来技術を参照されたい。この場合、本発明の一般的な思想から逸脱することなしに多様な改変および変更を実施形態の形式および詳細に関して行うことができることが考慮されるべきである。詳細な説明、図面および請求項に開示された本発明の特徴は、本発明のさらに改良するために個々に、または任意の組み合わせとして重要な意味を持つ。特に、詳細な説明、図面および/または請求項に開示された少なくとも2つの特徴の全ての組み合わせが本発明に該当する。本発明の一般的な思想は、以下に示し、説明する好ましい実施形態の正確な形式または詳細に制限されない。または請求項に記載の対象に比較して制限されている対象に制限されない。所与の測定範囲では、上記限界内の値も限界値として開示されるべきであり、任意に使用可能および請求可能であるべきである。簡略化のために、以下では同一または類似機能を有する同一または類似部分には等しい符号を付す。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】鉄格子が埋め込まれたコンクリート底部と、レンガからなる後壁とを備え、水平方向および垂直方向に延びる給電線を有する内部空間で使用される本発明による検出装置を示す図である。
【図2A】本発明による手動式検出装置の第1実施形態であり、検出されるべき基盤に対向しない検出装置の上面を示す図である。
【図2B】第1センサユニットおよび第2センサユニットを備える測定装置が内部に配置され、検出すべき基盤に対向する検出装置の下面を示す図である。
【図3A】レーダセンサユニットの個々のレーダセンサ素子の構成を示す図である。
【図3B】図2Bのレーダセンサユニットを3つのレーダセンサ素子と共に示すブロック回路図である。
【図4A】3つのレーダセンサ素子を有する図2Bのレーダセンサユニットを示す概略図である。
【図4B】前進方向に検出すべき基盤上を移動される第1作動モードの検出装置の測定記録を示す平面図および深さ方向図である。
【図5】平行した軌道で2つの垂直な前進方向に検出すべき基盤上を移動される第2作動モードの検出装置の測定記録を示す平面図および2つの深部断面図である。
【図6A】レーダセンサユニットおよび電流センサユニットを備える本発明による検出装置の別の実施形態を示す図である。
【図6B】第1および第2磁界センサ素子を備える図6Aのセンサユニットを示す図である。
【図6C】第1磁界センサ素子を示す拡大図である。
【図6D】第2磁界センサ素子を示す拡大図である。
【図7A】列および行に規則的に配置された4つのセンサ素子を有する保持式検出装置のためのセンサユニットの第1実施形態を示す図である。
【図7B】ずらして配置された5つのセンサ素子を備えるセンサユニットの第2実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1は、内部空間2の物体を検出するための本発明による装置1の使用法を示す。検出装置1は、保持または案内式の検出装置として構成されている。保持式の検出装置は、押込み運動なしに検出すべき基盤で保持され、案内式の検出装置は、線形軌道または任意の軌道に沿って検出されるべき基盤上を案内される。操作員が検出すべき基盤で手により保持または案内する検出装置は手動保持式または手動案内式と呼ぶ。
【0036】
内部空間2は、底部3、右および左側壁4,5、後壁6ならびに天井7からなる。底部3は、鉄格子8が埋め込まれたコンクリートカバーからなる。後壁6は、壁石材もしくはレンガ9から組み立てられている。後壁6には、水平方向に配置された給電線11および水平方向に配置された給電線11から分岐して垂直方向に配置された給電線12.1,12.2,12.3が延びている。
【0037】
図2Aは、ケーシング22と、グリップ23と、4つのホイール25を有する移動ユニット24と、表示ユニット26と操作ユニット27とを備える手動案内式の検出装置21の1構成を示す。
【0038】
使用者は、グリップ23および移動ユニット24により前進方向28に、例えば底部3または後壁6として構成された検出すべき基盤で検出装置21を案内する。グリップ23は、測定時に基盤3,6に対向しない検出装置21の上面29に配置されており、ケーシング22と結合されている。表示ユニット26はディスプレイ30を備え、ディスプレイ30には検出装置21の測定結果が測定記録として表示される。
【0039】
操作装置27は、測定を開始し、検出装置21を調節するための役割を果たす。測定ユニット27は、第1および第2操作ユニット31A,31Bからなり、これらの操作ユニットはディスプレイ30と並んで上面29に配置されている。第1操作ユニット31Aは、検出装置21をスイッチオン・オフするためのオン・オフキー32と、ディスプレイ30に線形マークまたは十字マークを位置決めし、変位させることのできるロッカースイッチ33と、2つのほかの操作キー34,35を備える。第2操作ユニット31Bは、ディスプレイ30に表示されているファンクションメニューの種々異なるファンクションを起動するための5つのファンクションキー36A〜36Bを備える。さらに操作ユニット27は、測定を開始および終了するために、グリップ23に配置された2つの開始/終了キー37A,37Bを備える。
【0040】
検出装置21の検出フィールドは制限されており、ケーシング22の全長に対応していない。検出フィールドの制限は、ケーシング22の右側のケーシング縁部では右上側および右下側のマーク39A,39Bによって示され、左側のケーシング縁部では左上側および左下側のマーク38A,38Bによって示される。マークによって、操作員は、検出すべき基盤に検出装置21を配置することができる。検出フィールドの中央は、上側ケーシング縁部および下側ケーシング縁部に、上側および下側マーク40A,40Bによって示される。
【0041】
図2Bは、検出装置21における検出時に基盤3,6に対向する下面42を示す。下面42には、ケーシング22の中央に測定装置43が位置する。測定装置43は、センサユニット44、制御・評価ユニット45および電源ユニット46を備える。
【0042】
センサユニット44は、第1センサ素子47.1、第2センサ素子47.2および第3センサ素子47.3を備える。センサ素子47.1〜47.3は、誘導センサ、容量センサ、レーダセンサ、磁界センサなど、基盤内の物体を検出するために適したセンサとして形成されている。制御・評価センサ45は、センサ素子47.1〜47.3を制御し、通信接続部を介して表示ユニット26に接続されている。制御・評価センサ45は、センサ素子47.1〜47.3によって供給された受信信号を評価し、測定結果を測定記録の形態で表示ユニット26へ出力するための役割を果たす。電源ユニット46は、センサユニット44、制御・評価ユニット45および表示ユニット26に接続されており、測定動作に必要な電力をユニット44,45,26に供給する。
【0043】
センサ素子47.1〜47.3は、ケーシング22の下面に対して平行な平面で、第1および第2列にずらして配置されている。センサ素子47.1〜47.3がずらして配置されているところが示されており、この配置では、センサ素子はマトリクス状に列と行で配置されているのではなく、列もしくは行のセンサ素子は、前後列もしくは前後行の中間スペースに配置されている。第1および第2センサ素子47.1,47.2は、第1列に配置されており、第3センサ素子47.3は、第2列の第1センサ素子47.1と第2センサ素子47.2との間に配置されている。基本的には、一平面に配置される既知の全ての規則的な配置(正方形、長方形、多角形、ひし形および菱面体状)がセンサ素子を配置するために適している。
【0044】
検出装置21は、測定時には前進方向28に所定の進行速度で検出すべき基盤上に移動される。測定装置43は、さらに前進方向28の座標を検出する座標検出ユニット48を備える。任意の前進運動を行うことができる手動案内式の検出装置では、座標検出ユニットによって、ケーシング22の下面に平行な一平面の座標を検出することができる。
【0045】
図2Bに示した実施形態では、センサ素子47.1〜47.3はレーダセンサとして構成されており、パルスレーダ原理にしたがって作動する。図3Aは、第1レーダセンサ素子47.1の概略的な構成を示し、第2および第3レーダセンサ素子47.2,47.3の構成もこれに類似している。
【0046】
レーダセンサ素子47.1は、例えば、超帯域パルス発生器として形成された送信機49.1、レーダアンテナ50.1、受信機51.1および方向性結合器52.1からなる。送信機49.1は、高周波の送信パルスを送信する。レーダアンテナ50.1は、送信パルスの高周波電磁エネルギーを電磁波に変換し、これを、導体のインピーダンスを周囲のインピーダンスに適合させて所定の空間方向に分散させる。発信源で送信信号の送信開始から受信信号の到着までの時間測定が行われた場合、既知の伝搬速度によって発信源と物体との間の間隔を計算し、Z方向に物体の深度情報を得ることができる。方向性結合器52.1は、受信信号と送信信号を分離する。これにより、方向性結合器52.1によって、レーダアンテナ50.1は送信モードで送信機49.1に結合され、受信モードで受信機51.1に結合される。送信モードにおいては、送信機49.1、方向性結合器52.1およびレーダアンテナ50.1が送信素子53.1として機能する;3つのレーダセンサ素子47.1〜47.3の送信素子53.1,53.2,53.3は、それぞれ送信ユニット54(図3B)とみなすことができる。受信モードにおいては、受信機51.1、方向性結合器52.1およびレーダアンテナ50.1が受信素子55.1として機能する;3つのレーダセンサ素子47.1〜47.3の受信素子55.1,55.2,55.3は、それぞれ受信ユニット56(図3B)とみなすことができる。
【0047】
受信機51.1は、レーダアンテナ50.1から受信した受信信号を増幅し、処理する役割を有し、異なる信号処理素子を備える。信号処理素子には、低雑音増幅器(略してLNA)として形成された第1増幅器57.1、走査増幅回路58.1、負帰還増幅器(略してNFA)として形成された第2増幅器59.1およびアナログ・デジタル変換器60.1を備える。信号増幅素子57.1〜60.1のほかに、それぞれの使用分野に関係して、信号処理素子57.1〜60.1に対して付加的または代替的に使用される既知の全ての信号処理素子が適している。
【0048】
図3Bは、制御・評価ユニット45およびレーダセンサユニット44の3つのレーダセンサ素子47.1,47.2,47.3を示すブロック回路図である。制御・評価ユニット45は、センサ素子47.1〜47.3を制御し、センサ素子47.1〜47.3によって供給される受信信号を評価し、測定結果を表示ユニット26で出力するための種々異なった電子素子を備える。電子素子には、コントロールユニット62、発振器63、切換ユニット64および遅延ユニット65が含まれ、特に制御・評価ユニット45はメモリユニット66を備える。
【0049】
コントロールユニット62は、マイクロコントローラまたは集積回路によるフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(略してFPGA)の形態で組込み式回路として形成されており、切換ユニット64および遅延ユニット65を制御する。発振器63は、パルス発生器および制御装置のための基準時間としての役割を果たし、この基準時間によってパルス列周波数が形成される。パルス列周波数もしくはパルス繰返し周波数(略してPRF)は、毎秒の送信パルス数を規定する。切換ユニット64は、複合プログラマブル・論理デバイス(略してCPLD)として構成されている;コントロールユニット62は、切換ユニット64によって、どの送信素子を送信モードに切り換え、どの受信素子を受信モードに切り換えるかを設定する。遅延ユニット65は、例えばデジタル式の遅延ユニット(例えば、オン・セミコンダクターMC100EP196などの制御可能なロジック・ゲートの並列)として構成されているか、またはアナログ式の遅延ユニット(ロジック・ゲートを介した閾値遅延装置、比較器)として構成されている;コントロールユニット62は、遅延ユニット65によって受信モードのための遅延時間を設定する。メモリユニット66は、それぞれのレーダ素子47.1〜47.3のためのスタックメモリ67.1,67.2,67.3およびメインメモリ68からなる。
【0050】
測定は、50〜5.000Hzの繰返し周波数により繰り返される測定ステップからなる。測定ステップは3つの部分測定ステップからなる:第1部分ステップでは、第1レーダセンサ素子47.1が第1送信信号TX1を送信し、3つのレーダセンサ素子47.1〜47.3はそれぞれ受信信号TX1/RX1, TX1/RX2, TX1/RX3を受信する。第2部分ステップでは、第2レーダセンサ素子47.2が第2送信信号TX2を送信し、3つのレーダセンサ素子47.1〜47.3はそれぞれ受信信号TX2/RX1, TX2/RX2, TX2/RX3を受信する。第3部分ステップでは、第3レーダセンサ素子47.3が第3送信信号TX3を送信し、3つのレーダセンサ素子47.1〜47.3はそれぞれ受信信号TX3/RX1, TX3/RX2, TX3/RX3を受信する。レーダセンサ素子47.1〜47.3は、送信モードでは常に1つのレーダセンサ素子のみが送信信号を送信し、受信モードでは全てのレーダセンサ素子47.1〜47.3が受信信号を受信するように、制御・評価ユニット45によって制御される。センサ信号TX1,TX2,TX3は送信パルスシーケンスからなっていてもよい。
【0051】
図3Bには第1部分ステップが示されている。コントロールユニット62は第1制御信号69.1および同時に第2制御信号70.1を生成する。第1制御信号69.1は、第1センサ素子53.1〜53.3を制御するための役割を果たす;コントロールユニット62は、切換ユニット64により、第1送信素子53.1が送信モードに切り換えられ、送信信号TX1が基盤内に送信されるように制御する。第1制御信号69.1は、切換ユニット64により直接に第1送信素子53.1に伝達される。第2制御信号70.1は受信素子55.1〜55.3を制御するための役割を果たす;コントロールユニット62は、切換・遅延ユニット64,65を介して、全ての受信素子55.1〜55.3が受信モードに切り換えられるように遅延時間を設定し、切換ユニット64を制御する。受信モードのための遅延時間は、切換ユニット64と遅延ユニット65との間の付加的な距離を超えて設定され、第2制御信号70.1によって保証されなければならない。既知の方法、例えば、インターリーブド・サンプリング(略してIS)またはランダム・インターリーブド・サンプリング(略してRIS)によって設定される。
【0052】
第1送信信号の送信後に、レーダアンテナ50.1〜50.3は受信信号TX1/RX1, TX1/RX2, TX1/RX3をそれぞれ受信する。方向性結合器52.1〜52.3によって受信信号TX1/RX1, TX1/RX2, TX1/RX3は、受信機51.1〜51.3にそれぞれ伝送され、信号処理素子によって処理される。処理された受信信号は、コントロールユニット62によってメモリユニット66のスタックメモリ67.1〜67.3に伝達され、記憶される。
【0053】
第1部分測定ステップに類似して、第2部分測定ステップでは制御信号69.2を介して第2送信素子53.2が送信モードに切り換えられ、第3部分測定ステップでは、制御信号69.4を介して第3送信素子53.3が送信モードに切り換えられる。
【0054】
それぞれの第3部分測定ステップ後に、スタックメモリ67.1〜67.3に記憶された受信信号TXi/RXj, (i, j =1, 2, 3)が平均化される。受信信号TXi/RXj, (i, j =1, 2, 3)のスタック(平均化)および記憶はスタッキングと呼ばれる。スタッキングは、制御・評価ユニット45が送信するトリガ信号が現在のスタックを完了し、新しいスタックを生成するまで実施される。次の測定ステップの受信信号は新しいスタックに入力され、記憶される。
【0055】
測定精度を高め、異なる材料を区別することができるように、さらに改良された方法では、送信信号は2つの異なる偏波方向P1,P2を有するレーダセンサ素子47.1〜47.3から送信される。2つの異なる偏波方向P1,P2を有する送信信号TXi, p1, TXi, p2を送信する3つのレーダセンサ素子47.1〜47.3では、表1に示す36の受信信号が得られる。
【0056】
【表1】
送信素子および受信素子として作動し、2つの異なる偏波方向により送受信する3つのレーダセンサ素子における受信信号。
【0057】
図4Aは、3つのセンサ素子47.1,47.2,47.3を有するレーダセンサユニット44を概略的に示し、9個の受信信号TXi/RXj, (i,j = 1, 2, 3)の空間的配置を説明するものである。
【0058】
レーダセンサ素子47.1〜47.3は、検出装置21のケーシング下面に対して平行な平面に配置されている。ケーシング下面に対して平行な平面は、X方向およびY方向に広がっており、Y方向の前進方向28は、前進方向28に対して垂直なX方向に対応している。XY平面に対して垂直な基盤の深部に向かう方向は、Z方向として規定されている。
【0059】
受信信号は、3つのモノスタティック受信信号TXi/RXi, (i = 1, 2, 3)および6つのバイスタティック受信信号TXi/RXj, (i,j = 1, 2, 3およびi≠ j)を含む。モノスタティックとは、1つのセンサ素子が送信し、同時に受信するモードであり、バイスタティックとは、1つのセンサ素子が送信し、別のセンサ素子が受信するモードである。
【0060】
9個の受信信号は、XY平面の6つの規定された面領域に割り当てられる。それぞれのセンサ素子47.1,47.2,47.3には、モノスタティック面領域として面領域72.1,72.2,72.3が割り当てられる。モノスタティック面領域72.1,72.2,72.3には、モノスタティック受信信号TXi/RXi, (i = 1, 2, 3)が割り当てられる。第1モノスタティック受信信号TX1/RX1は第1モノスタティック面領域72.1に、第2モノスタティック受信信号TX2/RX2は第2モノスタティック面領域72.2に、第3モノスタティック受信信号TX3/RX3は第3モノスタティック面領域72.3にそれぞれ割り当てられる。XY平面において、第1モノスタティック受信領域72.1は座標X1およびY1を含み、第2モノスタティック面領域72.2は座標X5およびY1を含み、第3モノスタティック面領域72.3は座標X3およびY3を含む。
【0061】
図4Aは、バイスタティック面領域として限定された他の3つの面領域73.1,73.2,73.3を示す。バイスタティック受信信号TX1/RX2およびTX2/RX1は平均化され、平均化された信号は、第1面領域72.1および第2面領域72.2の間に配置されたバイスタティック面領域73.1に割り当てられる。バイスタティック受信信号TX1/RX3およびTX3/RX1は、平均化され、平均化された信号は、第1面領域72.1および第3面領域72.3の間に配置されたバイスタティック面領域73.2に割り当てられる。バイスタティック受信信号TX2/RX3およびTX3/RX2は平均化され、平均化された信号は、第2面領域72.2および第3面領域72.3の間に配置されたバイスタティック面領域73.3に割り当てられる。第1バイスタティック面領域73.1は、XY平面に座標X3およびY1を含み、第2バイスタティック面領域73.2は、座標X3およびY2を含み、第3バイスタティック面領域73.3は、XY平面に座標X3およびY2を含む。
【0062】
平均値形成の他に、バイスタティック受信信号から、例えばメジアン、最大値または重み付け合計を計算することができる。「平均化された信号」という概念は、平均値、メジアン、最大値、重み付け合計など、適宜な数学的関数によってバイスタティック受信信号から計算された信号として理解される。
【0063】
パルスシーケンスPRFは1kHz〜25MHzの周波数範囲であり、局所的な走査周波数を数オーダも上回り、したがって、測定ステップにおける前進に基づく検出装置21のY方向の変位は無視することができる。
【0064】
6つの面領域72.1〜72.3、73.1〜73.3は、前進方向28に中心および幅によって規定される5つの受信路74.1,74.2,74.3,74.4,74.5を形成する。受信路74.1〜74.5の中心は、X座標X1, X2, X3, X4 X5に相当し、受信路74.1〜74.5の幅は面領域の幅に相当する。検出装置21の前進方向の前進によりY座標が変更される。座標検出ユニット48は、面領域72.1〜72.3,73.1〜73.3のY座標を検出するか、もしくは面領域72.1〜72.3,73.1〜73.3に対して既知の間隔をおいて配置された基準座標を検出する。
【0065】
前進時には受信信号が検出され、検出された受信信号から既に深部断面図の一部が計算される。この一部の深部断面図は、リアルタイム通信接続を介して制御・評価ユニット34から表示ユニット26に伝達される。深部断面図は前進時に規則的に更新される。受信路74.1〜74.5は、受信信号が示され、規則的に更新された痕跡を形成する。
【0066】
図4Bは、検出装置21が線形の前進移動時に前進方向27に沿って基盤上を移動される第1作動モードにおける検出装置21の測定記録を含む表示ユニット26のディスプレイ30を示す。第1作動モードでは、X方向の測定幅は検出フィールドの幅に制限されている。検出フィールドの幅は、検出装置21のケーシング22の上側および下側マーク38A,38B,39A,39Bにわたって操作員に示される。X方向の解像度は、受信路74.1〜74.5の数によって規定されている。
【0067】
ディスプレイ30は、第1作動モードにおける受信結果を表示する場合に3つのメインフィールドに分割される:ディスプレイ30の左側縁部の第1メインフィールド80には5つまでのファンクション81A〜81Eを含むファンクションメニューが示される。それぞれのファンクション81A〜81Bは、左側に位置する第2操作ユニット31Bのファンクションキー36A〜36Eによって起動される。第2メインフィールド82は、ディスプレイ30の中央領域に配置されており、測定記録を表示するための役割を果たす。第2メインフィールド82は、第1作動モードで互いに上下に配置された3つの部分領域に分割されている:上部領域83には平面図が示され、中央部領域84には深部断面図が示され、下部領域85には割り当てられた目盛が示されている。ディスプレイ30の右側縁部には、第3メインフィールド86に操作員に関する様々な情報が示されている。第3メインフィールド86は上側のステータス領域87と下側の情報領域88に分割されている。ステータス領域87は、特に電源ユニット46の充電状態またはメモリーカードに関する情報を含み、情報は絵文字の形でステータス領域87に示される。情報領域88には、測定記録の現在の座標が示される。
【0068】
深部断面図は、XY平面に対して垂直に延びる平面における測定結果の二次元図である:XY平面において、深部断面図の垂直方向軸線は深さ方向であり、水平方向の軸線は水平方向である。線形の前進移動時には、水平方向は特に前進方向に相当する;手動保持式の検出装置または手動案内式の検出装置の任意の軌道に沿った移動時には、水平方向は、特に検出装置によって規定された優先方向、例えばケーシング縁部に相当する。深部断面図には、生データ、すなわち双曲線として形成された受信信号またはさらに処理された受信信号が示される。受信信号は、基盤内の物体に関する情報を獲得するための画像処理方法およびパターン検出方法によって処理される。さらに処理された受信信号を用いた深部断面図には、物体が幾何学的に物体として示される;物体の形状および大きさが様々な色で示される。
【0069】
平面図は、XY平面における測定結果の二次元図であり、第1深さと第2深さの間の深さ範囲にわたる平均値、メジアン、最大値、重み付け合計またはその他の適宜な数学的な関数として深部断面図から計算されたものである。この場合、深さ範囲は、第1および第2深さにまたは層深さおよび層厚さで規定される。平面図を平均化する深さ範囲は、第1操作ユニット31Aのロッカースイッチ33によって調整可能に形成されている。平面図では、設定された深さ範囲内に位置する物体のみが示されている。設定された深さ範囲外に位置する他の全ての物体は平面図には表示されない。
【0070】
中央の部分領域84は、パターン検出により基盤内の物体が同定された受信路74.1の第1深部断面図89.1を表示する;深部断面図は、鉛直方向の軸線による深さ方向Zと水平方向の軸線による前進方向28にとによって規定される。第1受信路74.1の第1深部断面図89.1の他に、他の受信路74.2〜74.5のための他の深部断面図89.2〜89.5が格納されている。深部断面図89.1〜89.5の断面図間の遷移は未処理のままであるか、または既知の補間方法によって補間される。操作員は、ロッカースイッチ33によって深部断面図89.1〜89.5の間で切り換えを行うことができる。
【0071】
上部領域83は、第1深さzと第2深さz+Δzとの間の深さ範囲にわたる深部断面図89.1〜89.5から計算した平面図90を表示する。鉄格子8の格子バーは、パターン検出方法によって、平均化された受信信号から検出され、平面図90に格子バーとして表示される。操作員は、深部断面図89.1〜89.5および平面図90の色表示において複数の色パターンを選択することができる。色パターンは、異なった表示を行い、周辺の明るさに適合させるための役割を果たすものであり、さらなる機能は有していない。
【0072】
ディスプレイ30の第2メインフィールド82には、複数の垂直方向および水平方向の区画線が配置されている。これらの区画線は部分的にロッカースイッチ33によって変位可能である。ロッカーアーム33は、ファンクションメニューにより異なった設定の間で調整可能である;ステータス領域87にはロッカーアーム33の現在の設定が表示されている。第1設定では深部領域の層深さおよび層厚さがロッカーアーム33によって調節可能である。
【0073】
図4Bは、実線により垂直方向の区画線91を示し、点線により2つの垂直方向の区画線92A,92Bを示し、実線および破線により水平方向の区画線93,94を示している。実線による垂直方向の区画線91は検出フィールドの中央を示し、ケーシング22の上側縁部および下側縁部におけるマーク40A,40Bの位置に相当する。点線で示した垂直方向の区画線92Aは、検出装置22の右側のケーシング縁部を示し、点線で示した垂直方向の区画線92Aはケーシング22の左側のケーシング縁部を示す。実線で示した水平方向の区画線93は層深さを規定し、破線で示した水平方向の区画線94は層範囲の層厚さを規定する。現在の位置の検出フィールド(x)の中心、層深さ(z)および層厚さ(Δz)についての情報は情報領域88に表示されている。図4Bに示した平面図は、20mm〜80mmの深さ範囲にわたって平均化されており、層深さは20mm、層厚さは60mmである。検出フィールドの中心は、X座標0.96mに位置する。
【0074】
図5は、第2作動モードにおける検出装置21のディスプレイ30を示す。第2作動モードでは、複数の平行した測定軌道で第1前進方向101、および第1前進方向に対して垂直な第2前進方向102に検出装置21が移動される。このために、測定グリッドが基盤に貼り付けられるか、または測定グリッドが基盤に直接に描かれる。検出装置21によってカバーされる測定軌道が相互に直接に隣接することが望ましいので測定グリッドが必要となる。
【0075】
ディスプレイ30の第2メインフィールド82は、検出装置21の第2作動モードでは長方形の形で配置された4つの部分領域に分割されている。左上の部分領域103には平面図が表示され、右上の部分領域104には第1深部断面図が表示され、左下の部分領域105には第2深部断面図が表示され、右下の部分領域106には、第1および第2シ深部断面図のために割り当てられた目盛が表示されている。
【0076】
右上の部分領域104の第1深部断面図は、深さ方向Zおよび第2前進方向77によって規定された深部断面図107.1を示す。他の深部断面図107.2〜107.30は、第2前進方向77に対して垂直方向に、すなわち第1前進方向75に格納されている;6つの平行した測定軌道および測定軌道ごとに5つの受信路から30の深部断面図が生じる。左下の部分領域105の第2深部断面図は、深さ方向Zおよび第1前進方向75によって規定された深部断面図108.1を示す。他の深部断面図108.2〜108.30は、第1前進方向75に対して垂直方向に、すなわち第2前進方向77に格納されている;6つの平行した測定軌道および測定軌道ごとに5つの受信路から30の深部断面図が生じる。左上の部分領域103は、第1深さzと第深さz+Δzとの間の深さ範囲にわたって第1および/または第2深部断面図から計算された平面図109を表示する。図5に示した平面図109は、40mm〜75mmの深さ範囲にわたって平均化されており、層深さzは40mm、層厚さΔzは35mmである。
【0077】
深部断面図107.1,108.1には、実線による区画線110および破線による区画線111が配置されており、これらはロッカースイッチ33によって切換可能である。実線で示した区画線110は層深さzを規定し、破線で示した区画線111は層範囲の層厚さΔzを示す。情報領域88には、XおよびY方向(x,y)、層深さ(z)および層厚さ(Δz)における交差線および深部断面図についての現在の位置情報が表示されている。
【0078】
図6Aは、本発明による検出装置121におけるレーダセンサユニット112および電流センサユニット123を下方から見た別の実施形態を示す。レーダセンサユニット122は、図2Bのセンサユニット44と同様に、2列にずらして配置された3つのレーダセンサ素子47.1〜47.3から構成されている。レーダセンサ素子の第1列と検出装置121のケーシング22との間には電流センサユニット123が配置されている。
【0079】
給電線の検出における信頼性を高め、基盤内に提供されている給電線によって実際に受信信号が生成されることを確保するために、電流センサユニット44は電流信号を変調するための変調ユニット124を備える。変調ユニット124は、通信接続125を介して制御・評価ユニット45に接続可能であり、例えば、基盤内に提供されている電源ソケットに差し込まれ、給電線の位相に結合されるように構成されている。制御・評価ユニット45は、通信接続部125を介して制御命令を変調ユニット124に送信し、変調ユニット124は、あらかじめ規定されたパターンにより電流信号を変調する。受信信号を評価するために、制御・評価ユニット45は受信信号を変調するための適宜な評価モジュールを備える。
【0080】
図6Bは、検出装置121の電流センサユニット123を拡大図で示す。電流センサユニット123は、交互に配線板128に固定された4つの第1磁界センサ素子126.1,126.2,126.3,126.4および3つの第2磁界センサ素子127.1,127.2,127.3を備える。配線板128は、第1および第2磁界センサ素子126.1〜126.4,127.1〜127.3を機械的に固定し、電気的に接続するための保持素子としての役割を果たす。配線板128に配置された接続素子129は、配線板128を制御・評価ユニット45に接続する。
【0081】
磁界センサ素子126.1〜126.4,127.1〜127.3は、互いに垂直方向および水平方向130,131に整列されている。深さ方向132としては、水平方向130,131に対して基盤内に向かう垂直な方向が規定される。
【0082】
図6Cは、電流センサユニット123の第1磁界センサ素子126の詳細を示す。第1磁界センサ素子126は、配線板部材133、第1対の磁界センサ134A,134B、および増幅器135を備える。第1対の磁界センサ134A,134Bは、図6Cの実施形態ではコイルとして形成されており、第2水平方向131に沿って整列されている。第1対の磁界センサ134A,134Bは互いに平行であり、深さ方向132に離間して配置されており、第1水平方向130に交流磁場Bx,A,Bx,B(例えば50/60Hz)を測定する。
【0083】
図6Dは、電流ユニット123の第2磁界センサ素子127を詳細に示す。第2磁界センサ素子127は、配線板部材136、第2対の磁界センサ137A,137B、および増幅器138を備える。第2対の磁界センサ137A,137Bは、図6Dの実施形態ではコイルとして構成されており、深さ方向132に沿って整列されている。第2対の磁界センサ137A,137Bは互いに平行であり、第2の水平方向131に離間して配置されており、深さ方向132に交流磁場BZ,A,BZ,B(例えば50/60Hz)を測定する。
【0084】
検出時に均質な直流磁場(均質な交番磁界)を除去するためには、第1対の磁界センサ134A,134Bの間で差分値ΔBxが計算され、第2対の磁界センサ137A,137Bの間で差分値ΔBzが計算される。差分形成により、均質な直流磁場が除去される。隣接する第1および第2対の磁界センサの差分値ΔBx,ΔBzから、絶対値平均ΔBxz= sqrt[(ΔBx)2 + (ΔBz2)]が計算される。図6Bに示した4つの第1磁界センサ素子126.1〜126.4および3つの第2磁界センサ素子127.1〜127.3を有する電流センサユニット123は、第1の水平方向130に沿って6つの異なるX座標に割り当てられた6つの測定値ΔBxz,1〜ΔBxz,6を供給する。制御・評価ユニット46は、測定値ΔBxz,1〜ΔBxz,6から基盤内の給電線の延びを検出し、給電線を有する基盤の水平方向図(XY図)を表示ユニット26に伝達する。
【0085】
第1および第2センサユニット122,123を有する図6Aの検出装置121は、第1および第2磁界センサ素子126.1〜126.4,127.1〜127.3は第1水平方向130に沿って交互に配置されており、第1水平方向130で、第1センサユニット122の検出フィールドに対応した測定範囲を検出する。第1および第2センサユニット122,123の測定結果は個々の測定記録として、または共通の測定記録として表示ユニット26に表示することができる。
【0086】
図7Aは、長方形の配置で2列および2行に規則的に配置された4つのセンサ素子142.1〜142.4を備えるセンサユニット141の第1実施形態を示す。それぞれのセンサ素子142.1〜142.4は、送信モードでは送信素子として、受信モードでは受信素子として作動する。4つのセンサ素子142.1〜142.4が上述のように制御・評価ユニット45によって制御され、それぞれ1つのセンサ素子が送信し、全てのセンサ素子が受信し、このプロセスが全てのセンサ素子について行われる場合には、9個の受信領域を有する受信フィールドが生じる。
【0087】
9個の受信領域は、3種類の受信領域に分類することができる。それぞれのセンサ素子には、それぞれモノスタティック受信信号を示すモノスタティック受信領域143.1〜143.4が直接に割り当てられる;したがって4つのモノスタティック受信領域が生じる。一列または一行に隣接した2つのセンサ素子の間には、2つのバイスタティック受信信号の平均化した信号を示すそれぞれ1つの受信領域144.1〜144.4が位置する;4つのセンサ素子142.1〜142.4ではこのようにして4つの受信領域が生じる。長方形に互いに配置された4つのセンサ素子の間では、中心領域に4つのバイスタティック受信信号の平均化された信号が示される別の受信領域145が生じる;4つのセンサ素子142.1〜142.4では、このようにして別の受信領域が生じる。「平均化された信号」という概念は、受信信号間に平均値が形成され、2つの受信信号が等しいか、または異なる強さに重み付けできることを意味する。
【0088】
センサユニット141は、保持式の検出装置で使用するために適している。センサ素子142.1〜142.4は、第1水平方向146および第2水平方向147に沿った垂直方向の列または行に配置されている;深さ方向148としては、水平方向146,147に対して基盤内に向かう垂直な方向が規定される。図7Aに概略的に示した深部断面図は、第1および第2水平方向146,147におけるモノスタティックおよびバイスタティック受信信号から計算される。深部断面図の他に、第1または第2水平方向146,147の深部断面図から、または第1および第2深さの間の深さ範囲にわたる9個の受信領域から平面図が計算される。
【0089】
第1水平方向145の深部断面図は、垂直軸線による深さ方向148と水平軸線による第1水平方向145とによって規定される。第1水平方向145に、3つの受信領域143.1,144.1,143.2から第1深部断面図149.1が計算され、3つの受信領域144.2,145,144.3から第2深部断面図149.2が計算され、3つの受信領域143.3,144.4,143.4から第3深部断面図149.3が計算される。第2水平方向146の深部断面図は、垂直軸線による深さ方向148と水平軸線による第2水平方向146とによって規定される。第2水平方向146には、3つの受信領域143.1,144.2,143.3から第1深部断面図150.1が計算され、3つの受信領域144.1,145,144.4から第2深部断面図150.2が計算され、3つの受信領域143.2,144.3,143.4から第3深部断面図150.3が計算される。
【0090】
3つの受信領域143.1,144.1,143.2は第1水平方向受信路151.1を形成し、3つの受信領域144.2,145,144.3は第2水平方向受信路151.2を形成し、3つの受信領域143.3,144.4,143.4は第3水平方向受信路151.3を形成する。3つの受信領域143.1,144.2,143.3は第1垂直方向受信路152.1を形成し、3つの受信領域144.1,145,144.4は第2垂直方向受信路152.2を形成し、3つの受信領域143.2,144.3,143.4は、第3垂直方向受信路152.3を形成する。
【0091】
図7Bは、5つのセンサ素子162.1〜162.5をずらして配置したセンサユニット161の第2実施形態を示す。それぞれのセンサ素子162.1〜162.5は送信モードでは送信素子として作動し、受信モードでは受信素子として作動する。5つのセンサ素子162.1〜162.5により13の受信領域を有する受信フィールドが生じる。
【0092】
受信領域は、受信領域の4つのカテゴリに分割することができる。それぞれのセンサ素子162.1〜162.5には、それぞれのモノスタティック受信信号を示すモノスタティック受信領域163.1〜163.5が割り当てられる;したがって5つのモノスタティック受信領域163.1〜163.5が生じる。一列に隣接した2つのセンサ素子の間には、2つのバイスタティック受信信号の平均化した信号が示されるそれぞれ1つの受信領域164.1,164.2が位置する;5つのセンサ素子162.1〜162.5では、このようにして2つの受信領域164.1,164.2が生じる。直交方向に配置された2つのセンサ素子の間には、2つのバイスタティック受信信号の平均化された信号を示すそれぞれ1つの受信領域165.1〜165.4が生じる;5つのセンサ素子162.1〜162.5では、このようにして4の受信領域が生じる。列に同じ配置で配置された2つのセンサ素子の間には、それぞれ2つのバイスタティック受信信号の平均化された信号を示すそれぞれ1つの受信領域166.1,166.2が位置する;5つのセンサ素子162.1〜162.5では、このようにして2つの受信領域166.1,166.2が生じる。
【0093】
センサユニット161は、特に保持式の検出装置で使用するために適している。センサ素子162.1〜162.5は、第1水平方向167および第2水平方向168に沿って配置されている;深さ方向169としては、水平方向167,168に対して基盤内に向かう垂直な方向が規定される。受信信号から、第1および第2水平方向167,168に、図7Bに概略的に示した深部断面図を計算することができる。深部断面図の他に、第1または第2水平方向167,168の深部断面図からまたは第1および第2深さの間の深さ範囲にわたる13の受信領域から平面図が計算される。
【0094】
第1水平方向167の深部断面図は、垂直軸線による深さ方向169と水平軸線による第1水平方向167とによって規定される。第1水平方向167に、3つの受信領域163.1,164.1,163.2から第1深部断面図170.1が計算され、2つの受信領域165.1,165.2から第2深部断面図170.2が計算され、3つの受信領域166.1,163.2,166.2から第3深部断面図170.3が計算され、2つの受信領域165.3,165.4から第4深部断面図170.4が計算され、3つの受信領域163.3,164.2,163.5から第5深部断面図170.5が計算される。
【0095】
第2水平方向168の深部断面図は、垂直軸線による深さ方向169と水平軸線による第2水平方向168とによって規定される。第2水平方向168には、3つの受信領域163.1,166.1,163.4から第1深部断面図171.1が計算され、2つの受信領域165.1,165.3から第2深部断面図171.2が計算され、3つの受信領域164.1,163.3,164.2から第3深部断面図171.3が計算され、2つの受信領域165.2,165.4から第4深部断面図171.4が計算され、3つの受信領域163.2,166.2,163.5から第5深部断面図171.5が計算される。
【0096】
3つの受信領域163.1,164.1,163.2は第1水平方向受信路172.1を形成し、2つの受信領域165.1,165.2は第2水平方向受信路172.2を形成し、3つの受信領域166.1,163.2,166.2は第3水平方向受信路172.3を形成し、2つの受信領域165.3,165.4は第4水平方向受信路172.4を形成し、3つの受信領域163.3,164.2,163.5は第5水平方向受信路172.5を形成している。3つの受信領域163.1,166.1,163.4は第1垂直方向受信路173.1を形成し、2つの受信領域165.1,165.3は第2垂直方向受信路173.2を形成し、3つの受信領域164.1,163.3,164.2は第3垂直方向受信路173.3を形成し、2つの受信領域165.2,165.4は第4垂直方向受信路173.4を形成し、3つの受信路163.2,166.2,163.5は第5垂直方向受信路173.5を形成している。
【0097】
保持式の検出装置の他に案内式の検出装置でセンサユニット141.161を使用してもよい。任意の軌道に沿って移動される案内式の検出装置では、XY平面における2つの垂直方向、例えば、センサ素子の配置によって優先される方向が装置製造者によって規定される。センサ素子によって検出される受信信号は、XY平面において座標検出ユニットによって検出されたXおよびY座標に割り当てられる。深部断面図は、2つの垂直方向に沿って計算される。深部断面図から、または受信信号から直接に平面図が特定される。
【0098】
センサユニット141,161は、図7A,7Bでは、保持式の検出装置のためのセンサユニットの実施形態で構成されている。センサ素子が対称的配置であることからセンサユニット141,161は、特に任意の前進方向を有する案内式の検出装置のために適している。任意の前進方向では優先される方向はないので、比較可能な解像度を得るために2つの方向の送信および受信素子の数は2つの方向に等しいことが望ましい。
【0099】
測定精度を高めるために、検出装置21は検出すべき基盤上で何度も往復移動させることができる。このために、センサユニット141,161のように送信および受信素子が対称的に配置されていることが必要である。
【符号の説明】
【0100】
1;21;121 検出装置
3,6 基盤
8,11,12.1〜12.3 物体
26 表示ユニット
44 第1センサユニット
45 制御・評価ユニット
47.1〜47.3;142.1〜142.4;162.1〜162.5 センサ素子
53.1,53.2,53.3;142.2〜142.4;162.2〜162.5 送信素子
54;141;161 送信ユニット
55.1〜55.3;142.1〜142.4;162.1〜162.5 受信素子
56;141;161 受信ユニット
55.1〜55.3;142.1〜142.4;162.1〜162.5 受信素子
56;141;161 受信ユニット
67.1,67.2,67.3 スタックメモリ
68 メインメモリ
74.1〜74.5 受信信号
89.1〜89.5;107.1〜107.30,108.1〜108.30;149.1〜149.3;150.1〜150.3;170.1〜170.5;171.1〜171.5 深部断面図
90;109 平面図
44;122;142;161 第1センサユニット
123 第2センサユニット
124 変調ユニット
125 通信接続
130 第1方向
131 第3方向
132 第2方向
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念部に記載の基盤内の物体を検出するための検出装置ならびに請求項19の上位概念部に記載の特徴を有する基盤内の物体を検出するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基盤内で検出される典型的な物体は、水道管、鉄筋、電気および給電線、吸湿装置および中空空間である。「物体」という概念は、この特許出願では、基盤に埋設されており、まとまっている任意の堅固な物体、液状およびガス状の物体である。給電線は、事故の危険性に基づき、破断した場合には高い信頼性をもって検出装置によって検出される必要がある。給電線は、送電を行う電気線であり、作動時には基盤の給電線を検出するために利用できる磁場が生成される。電話ケーブルまたはアンテナケーブルは、電気線であるが、極わずかな電流のみを伝達するものであり、本願の「給電線」の概念の定義にはあてはまらない。
【0003】
PS200の製品名で既知の基盤内の物体を検出するための装置は、基盤内に送信信号を送信するための送信素子と、送信信号ならびに物体および基盤の特性に関係した受信信号を受信するように構成された2つ以上の受信素子と、送受信ユニットを制御し、受信信号を評価するための制御・評価ユニットと、制御・評価ユニットによって評価された受信信号を表示するための表示ユニットとを備える。基盤内の物体を検出するために、唯一の送信素子が送信信号を送信し、受信素子はそれぞれ1つの受信信号を受信する。
【0004】
基盤内の物体を検出するためのこの既知の装置および方法では、前進方向に沿って案内される検出装置が送信素子を1つしか備えておらず、前進方向に対して横方向の検出素子の空間解像度が著しく制限されていることが欠点である。さらに、平面領域、すなわち、前進方向に対して横方向に所定の幅を検出するためには平行する複数の測定路を検出しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これに対して、本発明の課題は、基盤内の物体を検出するための装置および方法を広範囲に改良し、検出装置の空間解像度を高め、測定結果の精度を改善することである。さらに、測定結果は検出装置の表示ユニットに即座に表示されることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、冒頭で述べた基盤内の物体を検出するための装置において、独立請求項1に記載の特徴によって、また冒頭で述べた基盤内の物体を検出するための方法において、独立請求項19に記載の特徴によって解決される。有利な構成が従属請求項に記載されている。
【0007】
基盤内の物体を検出するための装置では、本発明によれば、送信ユニットは、基盤内に少なくとも1つの別の送信信号を送信するための少なくとも1つの別の送信素子を備え、送信ユニットの送信素子は、互いに無関係に制御・評価ユニットによって制御可能である。互いに無関係に制御可能な複数の送信素子を有する送信ユニットにより、制御・評価ユニットによって評価される受信信号の数を増やすことが可能となる。より多くの受信信号が受信されれば、それだけ空間解像度が良好になる。
【0008】
好ましい構成では、送信ユニットの送信素子および受信ユニットの受信素子は、1つの送信素子と1つの受信素子とが1つのセンサ素子を構成して第1センサユニットに組み込まれており、センサ素子は、制御・評価ユニットによって、センサ素子が送信信号を送信する送信モードと、センサ素子が受信信号を受信する受信モードとの間で切換可能である。送信素子としても受信素子としても機能するセンサ素子により、送受信素子の数が低減され、検出装置をより小型に構成するか、または検出装置の解像度を付加的なセンサ素子によって高めることができる。
【0009】
送受信素子は、超音波センサ、誘導センサ、容量センサ、レーダセンサ、磁場センサまたは基盤内の物体を検出するために適したその他の種類のセンサとして構成されている。レーダセンサは、例えばパルスレーダセンサ、ステップ周波数レーダセンサ(ステップ周波数連続波、周波数変調連続波、ステップチャープ)、疑似ランダム雑音レーダセンサ、または多重正弦波レーダセンサとして構成されている。磁場センサとしては、例えば、コイル、ホールセンサ、磁気インピーダンスセンサ、磁気誘導センサ、フラックスゲートセンサ、巨大磁気抵抗センサおよび異方性磁気抵抗センサが適している。
【0010】
好ましくは、第1センサユニットは少なくとも3つのセンサ素子を備え、これらのセンサ素子は、少なくとも第1および第2列にずらして配置されており、第2列のセンサ素子は、第1列のセンサ素子の間に配置されている。センサ素子をずらして配置した場合、列および行にセンサ素子を規則的に配置した場合に比べて、検出装置の解像度が高められるという利点が得られる。したがって、ずらした配置は、特に使用周波数帯により大きさが決まるレーダセンサなどの大きいセンサ素子を有する検出装置のためにも適している。列内のセンサ素子間の間隔および隣接する列間の間隔は、例えば、使用されるセンサ素子および測定目的に応じて適宜設定される。
【0011】
好ましくは、センサユニットのセンサ素子は、第1偏波方向を有する送信信号および第2偏波方向を有する送信信号を送信するように構成されており、第2偏波方向は第1偏波方向とは異なっている。特に好ましくは、受信ユニットの受信素子は、同時に第1偏波方向の第1受信信号および第2偏波方向の第1受信信号を受信するように構成されている。例えば、線形の前進方向に対して平行および垂直な2つの異なる偏波方向に測定を行うことにより、異なる材料を区別し、物体の配向を特定することができる。鉄およびプラスチック材料は、異なる偏波方向について異なった、相補的な反射振幅(レーダ横断面)を有し、したがって、異なる偏波方向を用いることにより、プラスチックと鉄、すなわち、例えばプラスチック管と鉄筋とを区別することができる。理論的には、2つの異なる偏波方向の反射振幅に基づいて鉄筋の直径を推定することができる。
【0012】
好ましくは、制御・評価ユニットは、メインメモリとデジタルスタックメモリ(中間メモリ)とを有する。デジタルスタックメモリではメインメモリに伝送される前に受信信号がデジタル処理で平均化される。平均化が局所的(例えばFPGAで)行われることにより、制御・評価ユニットのメインメモリとの通信帯域幅を最小化することができる。デジタルスタックメモリの利点は、使用時の平均数を規定できることである。例えば、等しい局所的な走査周波数において前進速度が極めて高い場合、平均数を著しく低減することができる。これにより、より高い雑音を甘受しなければならないが、しかしながら、それにもかかわらず目的を果たすことができる。また、これにより、遅い前進移動による困難な測定状況(外部雑音、わずかな信号)で受信信号から最大限の信号・雑音比が得られる。
【0013】
好ましい実施形態では、第2センサユニットにセンサ素子が設けられており、そのセンサ素子は、第1センサユニットのセンサ素子のセンサ特性とは異なっている。異なるセンサ特性を有する複数のセンサユニットを使用することにより、検出装置の空間解像度および測定精度を高めることができる。「センサ特性」という概念には、大きさ、位置、配向、センサ種類などセンサユニットの全ての特性が要約されている。レーダセンサの場合には、偏波(線形、円形、平行、垂直方向)、帯域幅、周波数帯域、変調形式などのセンサ特性が挙げられ、誘導センサの場合には、振幅、周波数範囲、励起パターン、感度、帯域幅などの他のセンサ特性が挙げられる。異なるセンサ種類を用いることにより、または異なるセンサ特性を有する1つのセンサ種類を用いることにより、異なる物体を信頼性良く検出することができる。例えば、コイルの形式の誘導センサは、小さいコイル直径では信頼性良く表面近傍および相互に近接している物体(間隔が狭い)を検出し、これに対して大きいコイル直径のコイルは、表面から離間した物体を信頼性良く検出する。誘導センサにおいて小さいコイルと大きいコイルとを組み合わせることにより、表面近傍の物体および表面から離間した物体が信頼性良く検出される。検出装置の使用分野に応じて、既知の全てのセンサ素子を相互に組み合わせることができる。
【0014】
好ましくは、第1表示モードでは第1センサユニットの測定結果が、第2表示モードでは第2センサユニットの測定結果が、第3表示モードでは第1および第2センサユニットの測定結果が表示ユニットに表示可能である。2つの異なるセンサ素子を備える検出装置では、制御・評価ユニットは共通の深部断面図および/または個々の深部断面図を計算する。共通の深部断面図から、共通の平面図を計算し、表示ユニットに表示することができる。共通の深部断面図および共通の平面図は、全ての物体を1つの図に表示できるという利点を有する。個々の深部断面図、これにより計算される個々の表面図は、同時に、または順次に表示ユニットに表示することができる。
【0015】
第2センサユニットは、好ましくは給電線を検出するための電流センサユニットとして構成されている。給電線は、給電線の破断時の事故危険性に基づき高い信頼性をもって検出装置によって検出する必要がある。給電線を検出するためにのみ設けられた第2センサユニットにより、給電線の検出信頼性が高められる。
【0016】
好ましい実施形態では、電流センサユニットは、第1および第2磁界センサ素子を備え、第1磁界センサ素子は、第1方向に磁界または磁界勾配を検出し、第2磁界センサ素子は、第1方向とは異なる第2方向に磁界または磁界勾配を検出する。この場合、第2方向は、特に好ましくは第1方向に対して垂直方向に配置されている。
【0017】
特に好ましくは、電流センサユニットは、第1および第2方向とは異なる第3方向に磁界または磁界勾配を検出する第3磁界センサ素子を備える。この場合、第3方向は特に好ましくは、第1および第2方向に対して垂直方向に配置されている。給電線の磁界または磁界勾配が第3方向に検出されることにより、特に傾斜、湾曲および/またはツイストされた給電線並びに多相給電線の場合に、測定の信頼性、および基盤内の給電線の空間的な位置検出の精度を高めることができる。
【0018】
好ましい他の実施形態では、電流センサユニットは、第1方向および第1方向とは異なる第2方向に磁界または磁界勾配を検出するための磁界センサ素子を備える。この場合、第2方向は、特に好ましくは第1方向に対して垂直方向に配置されている。
【0019】
特に好ましくは、磁界センサ素子は、第1方向および第2方向とは異なる第3方向に磁界または磁界勾配を検出し、第3方向は、特に好ましくは第1および第2方向に対して垂直に配置されている。給電線の磁界または磁界勾配が第3方向にも検出されることにより、特に傾斜、湾曲および/またはツイストされた給電線の場合、および多相給電線の場合にも基盤における給電線の空間的な位置検出の精度が高められる。
【0020】
電流センサユニットは、特に好ましくは変調ユニットを備え、この変調ユニットは、通信接続を介して制御・評価ユニットに接続可能であり、制御・評価ユニットの制御命令に応答して給電線の電流信号を変調する。既知のパターンによる電流信号の変調によって、給電線の受信信号が磁界センサ素子によってより良好に特定される。変調ユニットは、例えば、基盤に設けられている電源ソケットに差し込まれ、給電線の位相に結合されるように構成されている。特に好ましくは、制御・評価ユニットは受信信号を復調するための制御・評価ユニットを備える。
【0021】
好ましい実施形態では、制御・評価ユニットは、受信素子の受信信号から複数の深部断面図を計算するように構成されている。特に好ましくは、制御・評価ユニットが深部断面図から、第1深さおよび第2深さの間の深さ範囲にわたる平均値、メジアン、最大値または重み付け合計として平面図を計算し、表示ユニットに表示するように構成されており、第1深さおよび第2深さは特に好ましくは調節可能に構成されている。上記数学関数は、中間値、メジアン、最大値、重み付け合計の他に、平面図を計算するためにあらゆる適宜な数学関数を用いることができる。平面図から、操作員は基盤に対する物体の直接的な空間的位置を把握し得る。第1および第2深さが調節可能であることにより、基盤の異なる深さに埋設されている物体を互いに別個に平面図で示すことができる。操作員は、平面図で示される物体を種々異なる深さ範囲に制限することができる。
【0022】
線形の前進移動を行う手動案内式の検出装置は、任意の前進移動を行う手動式の検出装置に対して、前進方向の局所的解像度が前進移動により高められ、必要な送受信素子の数が少ないという利点を有する。センサユニットは連続的に、すなわち、極めて高い局所的解像度をもって前進方向に基盤上を移動されるので、前進方向のセンサユニットの幅は重要ではない。任意の前進移動時に特定の方向が好ましいわけではないので、比較可能な局所解像度を得るために送受信素子の数は2つの方向にほぼ等しいことが望ましい。任意の前進移動は、線形前進移動に対して、操作員がどの範囲を測定するかを自身で決定できるという利点を有する。これにより、基板の表面がどのような外形であっても検出を行うことが可能になり、これは、アクセス困難な状況では重要な利点である。線形の前進移動時には、区分毎にまたはあらかじめ規定されたグリッドに沿って走査される。このグリッドに沿って走査することができるように、地盤に接着されたテンプレートが使用される。
【0023】
基盤内の物体を検出するための方法は、本発明によれば、さらなるステップ:送信ユニットの別の送信素子により別の送信信号を基盤に送信するステップと、受信ユニットのそれぞれの受信素子によって別の送信信号ならびに物体および基盤の特性に関係した受信信号を受信するステップとを特徴とする。
【0024】
好ましくは、送信ユニットのそれぞれの送信素子によって順次に送信信号が送信され、受信ユニットの全ての受信素子によってそれぞれの送信信号と同時に受信信号が受信される。全てのモノスタティックおよびバイスタティック受信信号が検出されることにより、その結果、測定の空間解像度が高められる。
【0025】
好ましくは、送信ユニットの送信素子によってそれぞれ第1ステップで第1偏波方向を有する第1送信信号が送信され、第2ステップで、第1偏波方向とは異なる第2偏波方向を有する第2送信信号が送信され、この場合、特に好ましくは、受信ユニットの受信素子により同時に、第1受信信号が第1偏波方向に受信され、第2受信信号が第2偏波方向に受信される。2つの異なる偏波方向に、例えば線形前進方向に対して平行および垂直に測定を行うことにより、異なる材料を区別し、物体の配向を特定することができる。
【0026】
方法の好ましい他の態様では、受信信号はメインメモリに伝達される前にスタックメモリにおいてデジタル処理で平均化される。これにより、平均化が局所的に(例えば、取り出されたFPGAで)行われることにより、制御・評価ユニットのメインメモリとの通信帯域を最小限とすることができる。デジタルバッファメモリの利点は、例えば、外部トリガまたはユーザの設定によって使用時の平均値を規定できることである。例えば、等しい局所的な走査周波数で前進速度が極めて高い場合に、前進速度に関係して平均値を著しく低減することができる。これにより、より高い雑音を甘受しなければならないが、それにもかかわらず、目的を果たすことができる。また、これにより、遅い走査による困難な状況(外部干渉、わずかな信号)で測定データから最大限の信号・雑音比が得られる。デジタルスタックメモリの使用は、同様に平均化作用を及ぼすアナログフィルタがあらかじめ使用されることを除外しない。
【0027】
方法の好ましい他の態様では、受信信号から、制御・評価ユニットにより複数の深部断面図が計算される。深部断面図から、特に好ましくは平面図が計算されて表示ユニットに表示される。平面図は、第1深さと第2深さとの間の深さ範囲にわたる平均値、メジアン、最大値または重み付け合計として計算される。平面図により、操作員は、基盤のどこに物体が位置するのかについて直接的な空間的印象を得る。特に好ましくは、深さ範囲は調節可能に構成されており、操作員は平面図の表示を所定の深さ範囲に制限することができる。
【0028】
特に好ましくは、平面図では、閾値を超過した物体のみが表示され、閾値は、特に好ましくは調節可能である。閾値が調節できることにより、操作員は、平面図の表示を自身の要求に合わせることができる。操作員が示したいと望む物体だけを平面図が示すように、閾値を超えた不自然な結果および障害は取り除くことができる。
【0029】
特に好ましくは、深部断面図は補間される。深部断面図の補間により、平面図における物体の解像度を高めることができる。補間は、例えば線形前進移動で基盤上を移動される案内式の検出装置のために適している。
【0030】
好ましくは、第1磁界勾配が第1方向に検出され、第2磁界勾配が第2方向に検出され、第1および第2方向は、特に好ましくは互いに垂直に配置されている。特に好ましい他の態様では、センサユニットは前進方向に基盤で移動され、第1磁界勾配は前進方向に対して垂直な水平方向に検出され、第2磁界勾配は前進方向および水平方向に対して垂直な深さ方向に検出される。水平方向および深さ方向の磁界勾配から、基盤内の給電線の延びを特定することができる。
【0031】
特に好ましくは、第1および第2磁界センサ素子は水平方向に交互に配置されており、隣接する第1磁界センサ素子および第2磁界センサ素子の第1磁界勾配および第2磁界勾配からそれぞれ絶対値平均が計算される。水平方向に沿って磁界センサ素子を交互に配置することにより、基盤内における給電線の空間的延びを特定するために不可欠な磁界センサ素子の数が減じられる。
【0032】
隣接する第1および第2磁界センサ素子の絶対値平均から、特に好ましくは制御・評価ユニットによって水平方向図が計算され、水平方向図は制御・評価ユニットから表示ユニットに伝達され、表示ユニットに示される。操作員は、水平方向図から、基盤のどこに給電線がのびているかについて空間的印象を得る。
【実施例1】
【0033】
以下に本発明の実施例を図面に基づき説明する。図面は実施例を必ずしも実寸大で示すものではなく、むしろ、説明のために役立つものとして概略的に、わずかに変形して示されている。図面から直接に認識できる教示を補足する観点から、従来技術を参照されたい。この場合、本発明の一般的な思想から逸脱することなしに多様な改変および変更を実施形態の形式および詳細に関して行うことができることが考慮されるべきである。詳細な説明、図面および請求項に開示された本発明の特徴は、本発明のさらに改良するために個々に、または任意の組み合わせとして重要な意味を持つ。特に、詳細な説明、図面および/または請求項に開示された少なくとも2つの特徴の全ての組み合わせが本発明に該当する。本発明の一般的な思想は、以下に示し、説明する好ましい実施形態の正確な形式または詳細に制限されない。または請求項に記載の対象に比較して制限されている対象に制限されない。所与の測定範囲では、上記限界内の値も限界値として開示されるべきであり、任意に使用可能および請求可能であるべきである。簡略化のために、以下では同一または類似機能を有する同一または類似部分には等しい符号を付す。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】鉄格子が埋め込まれたコンクリート底部と、レンガからなる後壁とを備え、水平方向および垂直方向に延びる給電線を有する内部空間で使用される本発明による検出装置を示す図である。
【図2A】本発明による手動式検出装置の第1実施形態であり、検出されるべき基盤に対向しない検出装置の上面を示す図である。
【図2B】第1センサユニットおよび第2センサユニットを備える測定装置が内部に配置され、検出すべき基盤に対向する検出装置の下面を示す図である。
【図3A】レーダセンサユニットの個々のレーダセンサ素子の構成を示す図である。
【図3B】図2Bのレーダセンサユニットを3つのレーダセンサ素子と共に示すブロック回路図である。
【図4A】3つのレーダセンサ素子を有する図2Bのレーダセンサユニットを示す概略図である。
【図4B】前進方向に検出すべき基盤上を移動される第1作動モードの検出装置の測定記録を示す平面図および深さ方向図である。
【図5】平行した軌道で2つの垂直な前進方向に検出すべき基盤上を移動される第2作動モードの検出装置の測定記録を示す平面図および2つの深部断面図である。
【図6A】レーダセンサユニットおよび電流センサユニットを備える本発明による検出装置の別の実施形態を示す図である。
【図6B】第1および第2磁界センサ素子を備える図6Aのセンサユニットを示す図である。
【図6C】第1磁界センサ素子を示す拡大図である。
【図6D】第2磁界センサ素子を示す拡大図である。
【図7A】列および行に規則的に配置された4つのセンサ素子を有する保持式検出装置のためのセンサユニットの第1実施形態を示す図である。
【図7B】ずらして配置された5つのセンサ素子を備えるセンサユニットの第2実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1は、内部空間2の物体を検出するための本発明による装置1の使用法を示す。検出装置1は、保持または案内式の検出装置として構成されている。保持式の検出装置は、押込み運動なしに検出すべき基盤で保持され、案内式の検出装置は、線形軌道または任意の軌道に沿って検出されるべき基盤上を案内される。操作員が検出すべき基盤で手により保持または案内する検出装置は手動保持式または手動案内式と呼ぶ。
【0036】
内部空間2は、底部3、右および左側壁4,5、後壁6ならびに天井7からなる。底部3は、鉄格子8が埋め込まれたコンクリートカバーからなる。後壁6は、壁石材もしくはレンガ9から組み立てられている。後壁6には、水平方向に配置された給電線11および水平方向に配置された給電線11から分岐して垂直方向に配置された給電線12.1,12.2,12.3が延びている。
【0037】
図2Aは、ケーシング22と、グリップ23と、4つのホイール25を有する移動ユニット24と、表示ユニット26と操作ユニット27とを備える手動案内式の検出装置21の1構成を示す。
【0038】
使用者は、グリップ23および移動ユニット24により前進方向28に、例えば底部3または後壁6として構成された検出すべき基盤で検出装置21を案内する。グリップ23は、測定時に基盤3,6に対向しない検出装置21の上面29に配置されており、ケーシング22と結合されている。表示ユニット26はディスプレイ30を備え、ディスプレイ30には検出装置21の測定結果が測定記録として表示される。
【0039】
操作装置27は、測定を開始し、検出装置21を調節するための役割を果たす。測定ユニット27は、第1および第2操作ユニット31A,31Bからなり、これらの操作ユニットはディスプレイ30と並んで上面29に配置されている。第1操作ユニット31Aは、検出装置21をスイッチオン・オフするためのオン・オフキー32と、ディスプレイ30に線形マークまたは十字マークを位置決めし、変位させることのできるロッカースイッチ33と、2つのほかの操作キー34,35を備える。第2操作ユニット31Bは、ディスプレイ30に表示されているファンクションメニューの種々異なるファンクションを起動するための5つのファンクションキー36A〜36Bを備える。さらに操作ユニット27は、測定を開始および終了するために、グリップ23に配置された2つの開始/終了キー37A,37Bを備える。
【0040】
検出装置21の検出フィールドは制限されており、ケーシング22の全長に対応していない。検出フィールドの制限は、ケーシング22の右側のケーシング縁部では右上側および右下側のマーク39A,39Bによって示され、左側のケーシング縁部では左上側および左下側のマーク38A,38Bによって示される。マークによって、操作員は、検出すべき基盤に検出装置21を配置することができる。検出フィールドの中央は、上側ケーシング縁部および下側ケーシング縁部に、上側および下側マーク40A,40Bによって示される。
【0041】
図2Bは、検出装置21における検出時に基盤3,6に対向する下面42を示す。下面42には、ケーシング22の中央に測定装置43が位置する。測定装置43は、センサユニット44、制御・評価ユニット45および電源ユニット46を備える。
【0042】
センサユニット44は、第1センサ素子47.1、第2センサ素子47.2および第3センサ素子47.3を備える。センサ素子47.1〜47.3は、誘導センサ、容量センサ、レーダセンサ、磁界センサなど、基盤内の物体を検出するために適したセンサとして形成されている。制御・評価センサ45は、センサ素子47.1〜47.3を制御し、通信接続部を介して表示ユニット26に接続されている。制御・評価センサ45は、センサ素子47.1〜47.3によって供給された受信信号を評価し、測定結果を測定記録の形態で表示ユニット26へ出力するための役割を果たす。電源ユニット46は、センサユニット44、制御・評価ユニット45および表示ユニット26に接続されており、測定動作に必要な電力をユニット44,45,26に供給する。
【0043】
センサ素子47.1〜47.3は、ケーシング22の下面に対して平行な平面で、第1および第2列にずらして配置されている。センサ素子47.1〜47.3がずらして配置されているところが示されており、この配置では、センサ素子はマトリクス状に列と行で配置されているのではなく、列もしくは行のセンサ素子は、前後列もしくは前後行の中間スペースに配置されている。第1および第2センサ素子47.1,47.2は、第1列に配置されており、第3センサ素子47.3は、第2列の第1センサ素子47.1と第2センサ素子47.2との間に配置されている。基本的には、一平面に配置される既知の全ての規則的な配置(正方形、長方形、多角形、ひし形および菱面体状)がセンサ素子を配置するために適している。
【0044】
検出装置21は、測定時には前進方向28に所定の進行速度で検出すべき基盤上に移動される。測定装置43は、さらに前進方向28の座標を検出する座標検出ユニット48を備える。任意の前進運動を行うことができる手動案内式の検出装置では、座標検出ユニットによって、ケーシング22の下面に平行な一平面の座標を検出することができる。
【0045】
図2Bに示した実施形態では、センサ素子47.1〜47.3はレーダセンサとして構成されており、パルスレーダ原理にしたがって作動する。図3Aは、第1レーダセンサ素子47.1の概略的な構成を示し、第2および第3レーダセンサ素子47.2,47.3の構成もこれに類似している。
【0046】
レーダセンサ素子47.1は、例えば、超帯域パルス発生器として形成された送信機49.1、レーダアンテナ50.1、受信機51.1および方向性結合器52.1からなる。送信機49.1は、高周波の送信パルスを送信する。レーダアンテナ50.1は、送信パルスの高周波電磁エネルギーを電磁波に変換し、これを、導体のインピーダンスを周囲のインピーダンスに適合させて所定の空間方向に分散させる。発信源で送信信号の送信開始から受信信号の到着までの時間測定が行われた場合、既知の伝搬速度によって発信源と物体との間の間隔を計算し、Z方向に物体の深度情報を得ることができる。方向性結合器52.1は、受信信号と送信信号を分離する。これにより、方向性結合器52.1によって、レーダアンテナ50.1は送信モードで送信機49.1に結合され、受信モードで受信機51.1に結合される。送信モードにおいては、送信機49.1、方向性結合器52.1およびレーダアンテナ50.1が送信素子53.1として機能する;3つのレーダセンサ素子47.1〜47.3の送信素子53.1,53.2,53.3は、それぞれ送信ユニット54(図3B)とみなすことができる。受信モードにおいては、受信機51.1、方向性結合器52.1およびレーダアンテナ50.1が受信素子55.1として機能する;3つのレーダセンサ素子47.1〜47.3の受信素子55.1,55.2,55.3は、それぞれ受信ユニット56(図3B)とみなすことができる。
【0047】
受信機51.1は、レーダアンテナ50.1から受信した受信信号を増幅し、処理する役割を有し、異なる信号処理素子を備える。信号処理素子には、低雑音増幅器(略してLNA)として形成された第1増幅器57.1、走査増幅回路58.1、負帰還増幅器(略してNFA)として形成された第2増幅器59.1およびアナログ・デジタル変換器60.1を備える。信号増幅素子57.1〜60.1のほかに、それぞれの使用分野に関係して、信号処理素子57.1〜60.1に対して付加的または代替的に使用される既知の全ての信号処理素子が適している。
【0048】
図3Bは、制御・評価ユニット45およびレーダセンサユニット44の3つのレーダセンサ素子47.1,47.2,47.3を示すブロック回路図である。制御・評価ユニット45は、センサ素子47.1〜47.3を制御し、センサ素子47.1〜47.3によって供給される受信信号を評価し、測定結果を表示ユニット26で出力するための種々異なった電子素子を備える。電子素子には、コントロールユニット62、発振器63、切換ユニット64および遅延ユニット65が含まれ、特に制御・評価ユニット45はメモリユニット66を備える。
【0049】
コントロールユニット62は、マイクロコントローラまたは集積回路によるフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(略してFPGA)の形態で組込み式回路として形成されており、切換ユニット64および遅延ユニット65を制御する。発振器63は、パルス発生器および制御装置のための基準時間としての役割を果たし、この基準時間によってパルス列周波数が形成される。パルス列周波数もしくはパルス繰返し周波数(略してPRF)は、毎秒の送信パルス数を規定する。切換ユニット64は、複合プログラマブル・論理デバイス(略してCPLD)として構成されている;コントロールユニット62は、切換ユニット64によって、どの送信素子を送信モードに切り換え、どの受信素子を受信モードに切り換えるかを設定する。遅延ユニット65は、例えばデジタル式の遅延ユニット(例えば、オン・セミコンダクターMC100EP196などの制御可能なロジック・ゲートの並列)として構成されているか、またはアナログ式の遅延ユニット(ロジック・ゲートを介した閾値遅延装置、比較器)として構成されている;コントロールユニット62は、遅延ユニット65によって受信モードのための遅延時間を設定する。メモリユニット66は、それぞれのレーダ素子47.1〜47.3のためのスタックメモリ67.1,67.2,67.3およびメインメモリ68からなる。
【0050】
測定は、50〜5.000Hzの繰返し周波数により繰り返される測定ステップからなる。測定ステップは3つの部分測定ステップからなる:第1部分ステップでは、第1レーダセンサ素子47.1が第1送信信号TX1を送信し、3つのレーダセンサ素子47.1〜47.3はそれぞれ受信信号TX1/RX1, TX1/RX2, TX1/RX3を受信する。第2部分ステップでは、第2レーダセンサ素子47.2が第2送信信号TX2を送信し、3つのレーダセンサ素子47.1〜47.3はそれぞれ受信信号TX2/RX1, TX2/RX2, TX2/RX3を受信する。第3部分ステップでは、第3レーダセンサ素子47.3が第3送信信号TX3を送信し、3つのレーダセンサ素子47.1〜47.3はそれぞれ受信信号TX3/RX1, TX3/RX2, TX3/RX3を受信する。レーダセンサ素子47.1〜47.3は、送信モードでは常に1つのレーダセンサ素子のみが送信信号を送信し、受信モードでは全てのレーダセンサ素子47.1〜47.3が受信信号を受信するように、制御・評価ユニット45によって制御される。センサ信号TX1,TX2,TX3は送信パルスシーケンスからなっていてもよい。
【0051】
図3Bには第1部分ステップが示されている。コントロールユニット62は第1制御信号69.1および同時に第2制御信号70.1を生成する。第1制御信号69.1は、第1センサ素子53.1〜53.3を制御するための役割を果たす;コントロールユニット62は、切換ユニット64により、第1送信素子53.1が送信モードに切り換えられ、送信信号TX1が基盤内に送信されるように制御する。第1制御信号69.1は、切換ユニット64により直接に第1送信素子53.1に伝達される。第2制御信号70.1は受信素子55.1〜55.3を制御するための役割を果たす;コントロールユニット62は、切換・遅延ユニット64,65を介して、全ての受信素子55.1〜55.3が受信モードに切り換えられるように遅延時間を設定し、切換ユニット64を制御する。受信モードのための遅延時間は、切換ユニット64と遅延ユニット65との間の付加的な距離を超えて設定され、第2制御信号70.1によって保証されなければならない。既知の方法、例えば、インターリーブド・サンプリング(略してIS)またはランダム・インターリーブド・サンプリング(略してRIS)によって設定される。
【0052】
第1送信信号の送信後に、レーダアンテナ50.1〜50.3は受信信号TX1/RX1, TX1/RX2, TX1/RX3をそれぞれ受信する。方向性結合器52.1〜52.3によって受信信号TX1/RX1, TX1/RX2, TX1/RX3は、受信機51.1〜51.3にそれぞれ伝送され、信号処理素子によって処理される。処理された受信信号は、コントロールユニット62によってメモリユニット66のスタックメモリ67.1〜67.3に伝達され、記憶される。
【0053】
第1部分測定ステップに類似して、第2部分測定ステップでは制御信号69.2を介して第2送信素子53.2が送信モードに切り換えられ、第3部分測定ステップでは、制御信号69.4を介して第3送信素子53.3が送信モードに切り換えられる。
【0054】
それぞれの第3部分測定ステップ後に、スタックメモリ67.1〜67.3に記憶された受信信号TXi/RXj, (i, j =1, 2, 3)が平均化される。受信信号TXi/RXj, (i, j =1, 2, 3)のスタック(平均化)および記憶はスタッキングと呼ばれる。スタッキングは、制御・評価ユニット45が送信するトリガ信号が現在のスタックを完了し、新しいスタックを生成するまで実施される。次の測定ステップの受信信号は新しいスタックに入力され、記憶される。
【0055】
測定精度を高め、異なる材料を区別することができるように、さらに改良された方法では、送信信号は2つの異なる偏波方向P1,P2を有するレーダセンサ素子47.1〜47.3から送信される。2つの異なる偏波方向P1,P2を有する送信信号TXi, p1, TXi, p2を送信する3つのレーダセンサ素子47.1〜47.3では、表1に示す36の受信信号が得られる。
【0056】
【表1】
送信素子および受信素子として作動し、2つの異なる偏波方向により送受信する3つのレーダセンサ素子における受信信号。
【0057】
図4Aは、3つのセンサ素子47.1,47.2,47.3を有するレーダセンサユニット44を概略的に示し、9個の受信信号TXi/RXj, (i,j = 1, 2, 3)の空間的配置を説明するものである。
【0058】
レーダセンサ素子47.1〜47.3は、検出装置21のケーシング下面に対して平行な平面に配置されている。ケーシング下面に対して平行な平面は、X方向およびY方向に広がっており、Y方向の前進方向28は、前進方向28に対して垂直なX方向に対応している。XY平面に対して垂直な基盤の深部に向かう方向は、Z方向として規定されている。
【0059】
受信信号は、3つのモノスタティック受信信号TXi/RXi, (i = 1, 2, 3)および6つのバイスタティック受信信号TXi/RXj, (i,j = 1, 2, 3およびi≠ j)を含む。モノスタティックとは、1つのセンサ素子が送信し、同時に受信するモードであり、バイスタティックとは、1つのセンサ素子が送信し、別のセンサ素子が受信するモードである。
【0060】
9個の受信信号は、XY平面の6つの規定された面領域に割り当てられる。それぞれのセンサ素子47.1,47.2,47.3には、モノスタティック面領域として面領域72.1,72.2,72.3が割り当てられる。モノスタティック面領域72.1,72.2,72.3には、モノスタティック受信信号TXi/RXi, (i = 1, 2, 3)が割り当てられる。第1モノスタティック受信信号TX1/RX1は第1モノスタティック面領域72.1に、第2モノスタティック受信信号TX2/RX2は第2モノスタティック面領域72.2に、第3モノスタティック受信信号TX3/RX3は第3モノスタティック面領域72.3にそれぞれ割り当てられる。XY平面において、第1モノスタティック受信領域72.1は座標X1およびY1を含み、第2モノスタティック面領域72.2は座標X5およびY1を含み、第3モノスタティック面領域72.3は座標X3およびY3を含む。
【0061】
図4Aは、バイスタティック面領域として限定された他の3つの面領域73.1,73.2,73.3を示す。バイスタティック受信信号TX1/RX2およびTX2/RX1は平均化され、平均化された信号は、第1面領域72.1および第2面領域72.2の間に配置されたバイスタティック面領域73.1に割り当てられる。バイスタティック受信信号TX1/RX3およびTX3/RX1は、平均化され、平均化された信号は、第1面領域72.1および第3面領域72.3の間に配置されたバイスタティック面領域73.2に割り当てられる。バイスタティック受信信号TX2/RX3およびTX3/RX2は平均化され、平均化された信号は、第2面領域72.2および第3面領域72.3の間に配置されたバイスタティック面領域73.3に割り当てられる。第1バイスタティック面領域73.1は、XY平面に座標X3およびY1を含み、第2バイスタティック面領域73.2は、座標X3およびY2を含み、第3バイスタティック面領域73.3は、XY平面に座標X3およびY2を含む。
【0062】
平均値形成の他に、バイスタティック受信信号から、例えばメジアン、最大値または重み付け合計を計算することができる。「平均化された信号」という概念は、平均値、メジアン、最大値、重み付け合計など、適宜な数学的関数によってバイスタティック受信信号から計算された信号として理解される。
【0063】
パルスシーケンスPRFは1kHz〜25MHzの周波数範囲であり、局所的な走査周波数を数オーダも上回り、したがって、測定ステップにおける前進に基づく検出装置21のY方向の変位は無視することができる。
【0064】
6つの面領域72.1〜72.3、73.1〜73.3は、前進方向28に中心および幅によって規定される5つの受信路74.1,74.2,74.3,74.4,74.5を形成する。受信路74.1〜74.5の中心は、X座標X1, X2, X3, X4 X5に相当し、受信路74.1〜74.5の幅は面領域の幅に相当する。検出装置21の前進方向の前進によりY座標が変更される。座標検出ユニット48は、面領域72.1〜72.3,73.1〜73.3のY座標を検出するか、もしくは面領域72.1〜72.3,73.1〜73.3に対して既知の間隔をおいて配置された基準座標を検出する。
【0065】
前進時には受信信号が検出され、検出された受信信号から既に深部断面図の一部が計算される。この一部の深部断面図は、リアルタイム通信接続を介して制御・評価ユニット34から表示ユニット26に伝達される。深部断面図は前進時に規則的に更新される。受信路74.1〜74.5は、受信信号が示され、規則的に更新された痕跡を形成する。
【0066】
図4Bは、検出装置21が線形の前進移動時に前進方向27に沿って基盤上を移動される第1作動モードにおける検出装置21の測定記録を含む表示ユニット26のディスプレイ30を示す。第1作動モードでは、X方向の測定幅は検出フィールドの幅に制限されている。検出フィールドの幅は、検出装置21のケーシング22の上側および下側マーク38A,38B,39A,39Bにわたって操作員に示される。X方向の解像度は、受信路74.1〜74.5の数によって規定されている。
【0067】
ディスプレイ30は、第1作動モードにおける受信結果を表示する場合に3つのメインフィールドに分割される:ディスプレイ30の左側縁部の第1メインフィールド80には5つまでのファンクション81A〜81Eを含むファンクションメニューが示される。それぞれのファンクション81A〜81Bは、左側に位置する第2操作ユニット31Bのファンクションキー36A〜36Eによって起動される。第2メインフィールド82は、ディスプレイ30の中央領域に配置されており、測定記録を表示するための役割を果たす。第2メインフィールド82は、第1作動モードで互いに上下に配置された3つの部分領域に分割されている:上部領域83には平面図が示され、中央部領域84には深部断面図が示され、下部領域85には割り当てられた目盛が示されている。ディスプレイ30の右側縁部には、第3メインフィールド86に操作員に関する様々な情報が示されている。第3メインフィールド86は上側のステータス領域87と下側の情報領域88に分割されている。ステータス領域87は、特に電源ユニット46の充電状態またはメモリーカードに関する情報を含み、情報は絵文字の形でステータス領域87に示される。情報領域88には、測定記録の現在の座標が示される。
【0068】
深部断面図は、XY平面に対して垂直に延びる平面における測定結果の二次元図である:XY平面において、深部断面図の垂直方向軸線は深さ方向であり、水平方向の軸線は水平方向である。線形の前進移動時には、水平方向は特に前進方向に相当する;手動保持式の検出装置または手動案内式の検出装置の任意の軌道に沿った移動時には、水平方向は、特に検出装置によって規定された優先方向、例えばケーシング縁部に相当する。深部断面図には、生データ、すなわち双曲線として形成された受信信号またはさらに処理された受信信号が示される。受信信号は、基盤内の物体に関する情報を獲得するための画像処理方法およびパターン検出方法によって処理される。さらに処理された受信信号を用いた深部断面図には、物体が幾何学的に物体として示される;物体の形状および大きさが様々な色で示される。
【0069】
平面図は、XY平面における測定結果の二次元図であり、第1深さと第2深さの間の深さ範囲にわたる平均値、メジアン、最大値、重み付け合計またはその他の適宜な数学的な関数として深部断面図から計算されたものである。この場合、深さ範囲は、第1および第2深さにまたは層深さおよび層厚さで規定される。平面図を平均化する深さ範囲は、第1操作ユニット31Aのロッカースイッチ33によって調整可能に形成されている。平面図では、設定された深さ範囲内に位置する物体のみが示されている。設定された深さ範囲外に位置する他の全ての物体は平面図には表示されない。
【0070】
中央の部分領域84は、パターン検出により基盤内の物体が同定された受信路74.1の第1深部断面図89.1を表示する;深部断面図は、鉛直方向の軸線による深さ方向Zと水平方向の軸線による前進方向28にとによって規定される。第1受信路74.1の第1深部断面図89.1の他に、他の受信路74.2〜74.5のための他の深部断面図89.2〜89.5が格納されている。深部断面図89.1〜89.5の断面図間の遷移は未処理のままであるか、または既知の補間方法によって補間される。操作員は、ロッカースイッチ33によって深部断面図89.1〜89.5の間で切り換えを行うことができる。
【0071】
上部領域83は、第1深さzと第2深さz+Δzとの間の深さ範囲にわたる深部断面図89.1〜89.5から計算した平面図90を表示する。鉄格子8の格子バーは、パターン検出方法によって、平均化された受信信号から検出され、平面図90に格子バーとして表示される。操作員は、深部断面図89.1〜89.5および平面図90の色表示において複数の色パターンを選択することができる。色パターンは、異なった表示を行い、周辺の明るさに適合させるための役割を果たすものであり、さらなる機能は有していない。
【0072】
ディスプレイ30の第2メインフィールド82には、複数の垂直方向および水平方向の区画線が配置されている。これらの区画線は部分的にロッカースイッチ33によって変位可能である。ロッカーアーム33は、ファンクションメニューにより異なった設定の間で調整可能である;ステータス領域87にはロッカーアーム33の現在の設定が表示されている。第1設定では深部領域の層深さおよび層厚さがロッカーアーム33によって調節可能である。
【0073】
図4Bは、実線により垂直方向の区画線91を示し、点線により2つの垂直方向の区画線92A,92Bを示し、実線および破線により水平方向の区画線93,94を示している。実線による垂直方向の区画線91は検出フィールドの中央を示し、ケーシング22の上側縁部および下側縁部におけるマーク40A,40Bの位置に相当する。点線で示した垂直方向の区画線92Aは、検出装置22の右側のケーシング縁部を示し、点線で示した垂直方向の区画線92Aはケーシング22の左側のケーシング縁部を示す。実線で示した水平方向の区画線93は層深さを規定し、破線で示した水平方向の区画線94は層範囲の層厚さを規定する。現在の位置の検出フィールド(x)の中心、層深さ(z)および層厚さ(Δz)についての情報は情報領域88に表示されている。図4Bに示した平面図は、20mm〜80mmの深さ範囲にわたって平均化されており、層深さは20mm、層厚さは60mmである。検出フィールドの中心は、X座標0.96mに位置する。
【0074】
図5は、第2作動モードにおける検出装置21のディスプレイ30を示す。第2作動モードでは、複数の平行した測定軌道で第1前進方向101、および第1前進方向に対して垂直な第2前進方向102に検出装置21が移動される。このために、測定グリッドが基盤に貼り付けられるか、または測定グリッドが基盤に直接に描かれる。検出装置21によってカバーされる測定軌道が相互に直接に隣接することが望ましいので測定グリッドが必要となる。
【0075】
ディスプレイ30の第2メインフィールド82は、検出装置21の第2作動モードでは長方形の形で配置された4つの部分領域に分割されている。左上の部分領域103には平面図が表示され、右上の部分領域104には第1深部断面図が表示され、左下の部分領域105には第2深部断面図が表示され、右下の部分領域106には、第1および第2シ深部断面図のために割り当てられた目盛が表示されている。
【0076】
右上の部分領域104の第1深部断面図は、深さ方向Zおよび第2前進方向77によって規定された深部断面図107.1を示す。他の深部断面図107.2〜107.30は、第2前進方向77に対して垂直方向に、すなわち第1前進方向75に格納されている;6つの平行した測定軌道および測定軌道ごとに5つの受信路から30の深部断面図が生じる。左下の部分領域105の第2深部断面図は、深さ方向Zおよび第1前進方向75によって規定された深部断面図108.1を示す。他の深部断面図108.2〜108.30は、第1前進方向75に対して垂直方向に、すなわち第2前進方向77に格納されている;6つの平行した測定軌道および測定軌道ごとに5つの受信路から30の深部断面図が生じる。左上の部分領域103は、第1深さzと第深さz+Δzとの間の深さ範囲にわたって第1および/または第2深部断面図から計算された平面図109を表示する。図5に示した平面図109は、40mm〜75mmの深さ範囲にわたって平均化されており、層深さzは40mm、層厚さΔzは35mmである。
【0077】
深部断面図107.1,108.1には、実線による区画線110および破線による区画線111が配置されており、これらはロッカースイッチ33によって切換可能である。実線で示した区画線110は層深さzを規定し、破線で示した区画線111は層範囲の層厚さΔzを示す。情報領域88には、XおよびY方向(x,y)、層深さ(z)および層厚さ(Δz)における交差線および深部断面図についての現在の位置情報が表示されている。
【0078】
図6Aは、本発明による検出装置121におけるレーダセンサユニット112および電流センサユニット123を下方から見た別の実施形態を示す。レーダセンサユニット122は、図2Bのセンサユニット44と同様に、2列にずらして配置された3つのレーダセンサ素子47.1〜47.3から構成されている。レーダセンサ素子の第1列と検出装置121のケーシング22との間には電流センサユニット123が配置されている。
【0079】
給電線の検出における信頼性を高め、基盤内に提供されている給電線によって実際に受信信号が生成されることを確保するために、電流センサユニット44は電流信号を変調するための変調ユニット124を備える。変調ユニット124は、通信接続125を介して制御・評価ユニット45に接続可能であり、例えば、基盤内に提供されている電源ソケットに差し込まれ、給電線の位相に結合されるように構成されている。制御・評価ユニット45は、通信接続部125を介して制御命令を変調ユニット124に送信し、変調ユニット124は、あらかじめ規定されたパターンにより電流信号を変調する。受信信号を評価するために、制御・評価ユニット45は受信信号を変調するための適宜な評価モジュールを備える。
【0080】
図6Bは、検出装置121の電流センサユニット123を拡大図で示す。電流センサユニット123は、交互に配線板128に固定された4つの第1磁界センサ素子126.1,126.2,126.3,126.4および3つの第2磁界センサ素子127.1,127.2,127.3を備える。配線板128は、第1および第2磁界センサ素子126.1〜126.4,127.1〜127.3を機械的に固定し、電気的に接続するための保持素子としての役割を果たす。配線板128に配置された接続素子129は、配線板128を制御・評価ユニット45に接続する。
【0081】
磁界センサ素子126.1〜126.4,127.1〜127.3は、互いに垂直方向および水平方向130,131に整列されている。深さ方向132としては、水平方向130,131に対して基盤内に向かう垂直な方向が規定される。
【0082】
図6Cは、電流センサユニット123の第1磁界センサ素子126の詳細を示す。第1磁界センサ素子126は、配線板部材133、第1対の磁界センサ134A,134B、および増幅器135を備える。第1対の磁界センサ134A,134Bは、図6Cの実施形態ではコイルとして形成されており、第2水平方向131に沿って整列されている。第1対の磁界センサ134A,134Bは互いに平行であり、深さ方向132に離間して配置されており、第1水平方向130に交流磁場Bx,A,Bx,B(例えば50/60Hz)を測定する。
【0083】
図6Dは、電流ユニット123の第2磁界センサ素子127を詳細に示す。第2磁界センサ素子127は、配線板部材136、第2対の磁界センサ137A,137B、および増幅器138を備える。第2対の磁界センサ137A,137Bは、図6Dの実施形態ではコイルとして構成されており、深さ方向132に沿って整列されている。第2対の磁界センサ137A,137Bは互いに平行であり、第2の水平方向131に離間して配置されており、深さ方向132に交流磁場BZ,A,BZ,B(例えば50/60Hz)を測定する。
【0084】
検出時に均質な直流磁場(均質な交番磁界)を除去するためには、第1対の磁界センサ134A,134Bの間で差分値ΔBxが計算され、第2対の磁界センサ137A,137Bの間で差分値ΔBzが計算される。差分形成により、均質な直流磁場が除去される。隣接する第1および第2対の磁界センサの差分値ΔBx,ΔBzから、絶対値平均ΔBxz= sqrt[(ΔBx)2 + (ΔBz2)]が計算される。図6Bに示した4つの第1磁界センサ素子126.1〜126.4および3つの第2磁界センサ素子127.1〜127.3を有する電流センサユニット123は、第1の水平方向130に沿って6つの異なるX座標に割り当てられた6つの測定値ΔBxz,1〜ΔBxz,6を供給する。制御・評価ユニット46は、測定値ΔBxz,1〜ΔBxz,6から基盤内の給電線の延びを検出し、給電線を有する基盤の水平方向図(XY図)を表示ユニット26に伝達する。
【0085】
第1および第2センサユニット122,123を有する図6Aの検出装置121は、第1および第2磁界センサ素子126.1〜126.4,127.1〜127.3は第1水平方向130に沿って交互に配置されており、第1水平方向130で、第1センサユニット122の検出フィールドに対応した測定範囲を検出する。第1および第2センサユニット122,123の測定結果は個々の測定記録として、または共通の測定記録として表示ユニット26に表示することができる。
【0086】
図7Aは、長方形の配置で2列および2行に規則的に配置された4つのセンサ素子142.1〜142.4を備えるセンサユニット141の第1実施形態を示す。それぞれのセンサ素子142.1〜142.4は、送信モードでは送信素子として、受信モードでは受信素子として作動する。4つのセンサ素子142.1〜142.4が上述のように制御・評価ユニット45によって制御され、それぞれ1つのセンサ素子が送信し、全てのセンサ素子が受信し、このプロセスが全てのセンサ素子について行われる場合には、9個の受信領域を有する受信フィールドが生じる。
【0087】
9個の受信領域は、3種類の受信領域に分類することができる。それぞれのセンサ素子には、それぞれモノスタティック受信信号を示すモノスタティック受信領域143.1〜143.4が直接に割り当てられる;したがって4つのモノスタティック受信領域が生じる。一列または一行に隣接した2つのセンサ素子の間には、2つのバイスタティック受信信号の平均化した信号を示すそれぞれ1つの受信領域144.1〜144.4が位置する;4つのセンサ素子142.1〜142.4ではこのようにして4つの受信領域が生じる。長方形に互いに配置された4つのセンサ素子の間では、中心領域に4つのバイスタティック受信信号の平均化された信号が示される別の受信領域145が生じる;4つのセンサ素子142.1〜142.4では、このようにして別の受信領域が生じる。「平均化された信号」という概念は、受信信号間に平均値が形成され、2つの受信信号が等しいか、または異なる強さに重み付けできることを意味する。
【0088】
センサユニット141は、保持式の検出装置で使用するために適している。センサ素子142.1〜142.4は、第1水平方向146および第2水平方向147に沿った垂直方向の列または行に配置されている;深さ方向148としては、水平方向146,147に対して基盤内に向かう垂直な方向が規定される。図7Aに概略的に示した深部断面図は、第1および第2水平方向146,147におけるモノスタティックおよびバイスタティック受信信号から計算される。深部断面図の他に、第1または第2水平方向146,147の深部断面図から、または第1および第2深さの間の深さ範囲にわたる9個の受信領域から平面図が計算される。
【0089】
第1水平方向145の深部断面図は、垂直軸線による深さ方向148と水平軸線による第1水平方向145とによって規定される。第1水平方向145に、3つの受信領域143.1,144.1,143.2から第1深部断面図149.1が計算され、3つの受信領域144.2,145,144.3から第2深部断面図149.2が計算され、3つの受信領域143.3,144.4,143.4から第3深部断面図149.3が計算される。第2水平方向146の深部断面図は、垂直軸線による深さ方向148と水平軸線による第2水平方向146とによって規定される。第2水平方向146には、3つの受信領域143.1,144.2,143.3から第1深部断面図150.1が計算され、3つの受信領域144.1,145,144.4から第2深部断面図150.2が計算され、3つの受信領域143.2,144.3,143.4から第3深部断面図150.3が計算される。
【0090】
3つの受信領域143.1,144.1,143.2は第1水平方向受信路151.1を形成し、3つの受信領域144.2,145,144.3は第2水平方向受信路151.2を形成し、3つの受信領域143.3,144.4,143.4は第3水平方向受信路151.3を形成する。3つの受信領域143.1,144.2,143.3は第1垂直方向受信路152.1を形成し、3つの受信領域144.1,145,144.4は第2垂直方向受信路152.2を形成し、3つの受信領域143.2,144.3,143.4は、第3垂直方向受信路152.3を形成する。
【0091】
図7Bは、5つのセンサ素子162.1〜162.5をずらして配置したセンサユニット161の第2実施形態を示す。それぞれのセンサ素子162.1〜162.5は送信モードでは送信素子として作動し、受信モードでは受信素子として作動する。5つのセンサ素子162.1〜162.5により13の受信領域を有する受信フィールドが生じる。
【0092】
受信領域は、受信領域の4つのカテゴリに分割することができる。それぞれのセンサ素子162.1〜162.5には、それぞれのモノスタティック受信信号を示すモノスタティック受信領域163.1〜163.5が割り当てられる;したがって5つのモノスタティック受信領域163.1〜163.5が生じる。一列に隣接した2つのセンサ素子の間には、2つのバイスタティック受信信号の平均化した信号が示されるそれぞれ1つの受信領域164.1,164.2が位置する;5つのセンサ素子162.1〜162.5では、このようにして2つの受信領域164.1,164.2が生じる。直交方向に配置された2つのセンサ素子の間には、2つのバイスタティック受信信号の平均化された信号を示すそれぞれ1つの受信領域165.1〜165.4が生じる;5つのセンサ素子162.1〜162.5では、このようにして4の受信領域が生じる。列に同じ配置で配置された2つのセンサ素子の間には、それぞれ2つのバイスタティック受信信号の平均化された信号を示すそれぞれ1つの受信領域166.1,166.2が位置する;5つのセンサ素子162.1〜162.5では、このようにして2つの受信領域166.1,166.2が生じる。
【0093】
センサユニット161は、特に保持式の検出装置で使用するために適している。センサ素子162.1〜162.5は、第1水平方向167および第2水平方向168に沿って配置されている;深さ方向169としては、水平方向167,168に対して基盤内に向かう垂直な方向が規定される。受信信号から、第1および第2水平方向167,168に、図7Bに概略的に示した深部断面図を計算することができる。深部断面図の他に、第1または第2水平方向167,168の深部断面図からまたは第1および第2深さの間の深さ範囲にわたる13の受信領域から平面図が計算される。
【0094】
第1水平方向167の深部断面図は、垂直軸線による深さ方向169と水平軸線による第1水平方向167とによって規定される。第1水平方向167に、3つの受信領域163.1,164.1,163.2から第1深部断面図170.1が計算され、2つの受信領域165.1,165.2から第2深部断面図170.2が計算され、3つの受信領域166.1,163.2,166.2から第3深部断面図170.3が計算され、2つの受信領域165.3,165.4から第4深部断面図170.4が計算され、3つの受信領域163.3,164.2,163.5から第5深部断面図170.5が計算される。
【0095】
第2水平方向168の深部断面図は、垂直軸線による深さ方向169と水平軸線による第2水平方向168とによって規定される。第2水平方向168には、3つの受信領域163.1,166.1,163.4から第1深部断面図171.1が計算され、2つの受信領域165.1,165.3から第2深部断面図171.2が計算され、3つの受信領域164.1,163.3,164.2から第3深部断面図171.3が計算され、2つの受信領域165.2,165.4から第4深部断面図171.4が計算され、3つの受信領域163.2,166.2,163.5から第5深部断面図171.5が計算される。
【0096】
3つの受信領域163.1,164.1,163.2は第1水平方向受信路172.1を形成し、2つの受信領域165.1,165.2は第2水平方向受信路172.2を形成し、3つの受信領域166.1,163.2,166.2は第3水平方向受信路172.3を形成し、2つの受信領域165.3,165.4は第4水平方向受信路172.4を形成し、3つの受信領域163.3,164.2,163.5は第5水平方向受信路172.5を形成している。3つの受信領域163.1,166.1,163.4は第1垂直方向受信路173.1を形成し、2つの受信領域165.1,165.3は第2垂直方向受信路173.2を形成し、3つの受信領域164.1,163.3,164.2は第3垂直方向受信路173.3を形成し、2つの受信領域165.2,165.4は第4垂直方向受信路173.4を形成し、3つの受信路163.2,166.2,163.5は第5垂直方向受信路173.5を形成している。
【0097】
保持式の検出装置の他に案内式の検出装置でセンサユニット141.161を使用してもよい。任意の軌道に沿って移動される案内式の検出装置では、XY平面における2つの垂直方向、例えば、センサ素子の配置によって優先される方向が装置製造者によって規定される。センサ素子によって検出される受信信号は、XY平面において座標検出ユニットによって検出されたXおよびY座標に割り当てられる。深部断面図は、2つの垂直方向に沿って計算される。深部断面図から、または受信信号から直接に平面図が特定される。
【0098】
センサユニット141,161は、図7A,7Bでは、保持式の検出装置のためのセンサユニットの実施形態で構成されている。センサ素子が対称的配置であることからセンサユニット141,161は、特に任意の前進方向を有する案内式の検出装置のために適している。任意の前進方向では優先される方向はないので、比較可能な解像度を得るために2つの方向の送信および受信素子の数は2つの方向に等しいことが望ましい。
【0099】
測定精度を高めるために、検出装置21は検出すべき基盤上で何度も往復移動させることができる。このために、センサユニット141,161のように送信および受信素子が対称的に配置されていることが必要である。
【符号の説明】
【0100】
1;21;121 検出装置
3,6 基盤
8,11,12.1〜12.3 物体
26 表示ユニット
44 第1センサユニット
45 制御・評価ユニット
47.1〜47.3;142.1〜142.4;162.1〜162.5 センサ素子
53.1,53.2,53.3;142.2〜142.4;162.2〜162.5 送信素子
54;141;161 送信ユニット
55.1〜55.3;142.1〜142.4;162.1〜162.5 受信素子
56;141;161 受信ユニット
55.1〜55.3;142.1〜142.4;162.1〜162.5 受信素子
56;141;161 受信ユニット
67.1,67.2,67.3 スタックメモリ
68 メインメモリ
74.1〜74.5 受信信号
89.1〜89.5;107.1〜107.30,108.1〜108.30;149.1〜149.3;150.1〜150.3;170.1〜170.5;171.1〜171.5 深部断面図
90;109 平面図
44;122;142;161 第1センサユニット
123 第2センサユニット
124 変調ユニット
125 通信接続
130 第1方向
131 第3方向
132 第2方向
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基盤(3,6)に第1送信信号(TX1)を送信するように構成された第1送信素子(53.1)を有する送信ユニット(54;141;161)と、
前記第1送信信号(TX1)、物体(8,11,12.1〜12.3)および基盤(3,6)の特性に関係した受信信号(TX1/RX1, TX1/RX2, TX1/RX3)を受信するように構成された複数の受信素子(55.1〜55.3;142.1〜142.4;162.1〜162.5)を有する受信ユニット(56;141;161)と、
前記送信および前記受信ユニット(54,56)を制御し、前記受信信号(TX1/RX1, TX1/RX2, TX1/RX3)を評価するように構成された制御・評価ユニット(45)と、
前記制御・評価ユニット(45)によって評価された前記受信信号(TX1/RX1, TX1/RX2, TX1/RX3)を表示するように構成された表示ユニット(26)と、
を備える、基盤(3,6)内の物体(8,11,12.1〜12.3)を検出するための検出装置(1;21;121)において、
前記送信ユニット(54;141;161)が、第2送信信号(TX2,TX3)を基盤(3,6)に送信するように構成された第2送信素子(53.2,53.3)を備え、
前記送信ユニット(54;141;161)の前記第1および第2送信素子(53.1〜53.3)が、前記制御・評価ユニット(45)によって互いに無関係に制御可能であることを特徴とする、基盤(3,6)内の物体(8,11,12.1〜12.3)を検出するための検出装置(1;21;121)。
【請求項2】
前記送信ユニット(54)の前記第1および第2送信素子(53.1〜53.3)並びに前記受信ユニット(56)の前記複数の受信素子(55.1〜55.3)が、1つの送信素子と1つの受信素子とが統合されたセンサ素子(47.1〜47.3;142.1〜142.4;162.1〜162.5)を複数構成して第1センサユニット(44;122;142;161)に組み込まれており、
前記センサ素子(47.1〜47.3;142.1〜142.4;162.1〜162.5)が、前記制御・評価ユニット(45)によって、前記センサ素子(47.1〜47.3;142.1〜142.4;162.1〜162.5)が前記送信信号(TX1, TX2, TX3)を送信する送信モードと、前記センサ素子(47.1〜47.3;142.1〜142.4;162.1〜162.5)が前記受信信号(TX1/RX1, TX1/RX2, TX1/RX3, TX2/RX1, TX2/RX2, TX2/RX3, TX3/RX1, TX3/RX2, TX3/RX3)を受信する受信モードとの間で切換可能である、請求項1に記載の検出装置。
【請求項3】
前記第1センサユニット(44;122;142;161)は、少なくとも3つの前記センサ素子(47.1〜47.3;162.1〜162.5)が、少なくとも第1列および第2列にずらして配置されており、第2列の前記センサ素子(47.3;162.3)が、第1列の前記センサ素子(47.1,47.2;162.1,162,2)の間に配置されている、請求項2に記載の検出装置。
【請求項4】
前記送信ユニット(54)の送信素子(53.1〜53.3)が、第1偏波方向(P1)を有する送信信号(TX1,P1, TX2,P1, TX3,P1)および第2偏波方向(P2)を有する送信信号(TX1,P2, TX2,P2, TX3,P2)を送信するように構成されており、前記第2偏波方向(P2)が前記第1偏波方向(P1)とは異なっている、請求項2または3に記載の検出装置。
【請求項5】
前記受信ユニット(56)の受信素子(55.1〜55.3)が、同時に、第1受信信号(TX1,P1/RX1,P1, TX1,P2/RX1,P1, TX1,P1/RX2,P1, TX1,P2/RX2,P1, TX1,P1/RX3,P1, TX1,P2/RX3,P1, TX2,P1/RX1,P1, TX2,P2/RX1,P1, TX2,P2/RX2,P1, TX2,P2/RX2,P1, TX2,P1/RX3,P1, TX2,P2/RX3,P1, TX3,P1/RX1,P1, TX3,P2/RX1,P1, TX3,P1/RX2,P1, TX3,P2/RX2,P1, TX3,P1/RX3,P1, TX3,P2/RX3,P1)を前記第1偏波方向(P1)に受信し、第2受信信号(TX1,P1/RX1,P2, TX1,P2/RX1,P2, TX1,P1/RX2,P2, TX1,P2/RX2,P2, TX1,P1/RX3,P2 TX1,P2/RX3,P2, TX2,P1/RX1,P2, TX2,P2/RX1,P2 TX2,P2/RX2,P2, TX2,P2/RX2,P2, TX2,P1/RX3,P2, TX2,P2/RX3,P2, TX3,P1/RX1,P2, TX3,P2/RX1,P2, TX3,P1/RX2,P2, TX3,P2/RX2,P2, TX3,P1/RX3,P2, TX3,P2/RX3,P2)を前記第2偏波方向(P2)に受信するように構成されている、請求項4に記載の検出装置。
【請求項6】
前記制御・評価ユニット(45)が、スタックメモリ(67.1,67.2,67.3)およびメインメモリ(68)を有するメモリ(66)を備える、請求項1から5までのいずれか一項に記載の検出装置。
【請求項7】
第2センサユニット(123)に前記センサ素子(126.1〜126.4,127.1〜127.3)が設けられており、前記センサ素子(126.1〜126.4,127.1〜127.3)が、少なくとも1つのセンサ特性において前記第1センサユニットの前記センサ素子(47.1,47.2,47.3)とは異なっている、請求項2から6までのいずれか一項に記載の検出装置。
【請求項8】
第1表示モードでは前記第1センサユニット(122)の測定結果が、第2表示モードでは前記第2センサユニット(123)の測定結果が、第3表示モードでは前記第1および第2センサユニット(122,123)の測定結果が表示ユニットに表示可能である、請求項7に記載の検出装置。
【請求項9】
前記第2センサユニット(123)が、給電線(11,12.1〜12.3)を検出するための電流センサユニットとして構成されている、請求項7または8に記載の検出装置。
【請求項10】
前記電流センサユニット(123)が、前記センサ素子としての第1および第2磁界センサ素子(126.1〜126.4;127.1〜127.3)を備え、前記第1磁界センサ素子(126.1〜126.4)が、第1方向(130)に磁界または磁界勾配を検出し、前記第2磁界センサ素子(127.1〜127.3)が、前記第1方向(130)とは異なる第2方向(132)に磁界または磁界勾配を検出する、請求項9に記載の検出装置。
【請求項11】
前記電流センサユニット(123)が、前記第1および第2方向(130,132)とは異なる第3方向(131)に磁界または磁界勾配を検出する前記センサ素子としての第3磁界センサ素子を備える、請求項10に記載の検出装置。
【請求項12】
前記電流センサユニット(123)が、第1方向(130)および第1方向(130)とは異なる第2方向(132)に磁界または磁界勾配を検出するための前記センサ素子としての磁界センサ素子を備える、請求項9に記載の検出装置。
【請求項13】
前記磁界センサ素子が、前記第1方向および第2方向(130,132)とは異なる第3方向(131)に磁界または磁界勾配を検出する、請求項12に記載の検出装置。
【請求項14】
前記電流センサユニット(123)が変調ユニット(124)を備え、該変調ユニットが、通信接続(125)を介して前記制御・評価ユニット(45)に接続可能であり、前記制御・評価ユニット(45)の制御命令に応答して給電線(11,12.1〜12.3)の電流信号を変調する、請求項9から13までのいずれか一項に記載の検出装置。
【請求項15】
前記制御・評価ユニット(45)が、前記受信信号を復調するための評価モジュールを備える、請求項14に記載の検出装置。
【請求項16】
前記制御・評価ユニット(45)が、前記複数の受信素子(55.1〜55.3)の受信信号(74.1〜74・5)から複数の深部断面図(89.1〜89.5;107.1〜107.30,108.1〜108.30)を計算するように構成されている、請求項1から15までのいずれか一項に記載の検出装置。
【請求項17】
前記制御・評価ユニット(45)が、前記深部断面図(89.1〜89.5;107.1〜107.30;108.1〜108.30)から、第1深さ(z)と第2深さ(z+Δz)との間の深さ範囲にわたる平均値、メジアン、最大値または重み付け合計として平面図を計算し、前記表示ユニット(26)に表示するように構成されている、請求項16に記載の検出装置。
【請求項18】
前記第1深さ(z)および前記第2深さ(z+Δz)が調節可能に構成されている、請求項17に記載の検出装置。
【請求項19】
次のステップ:
送信ユニット(54;141;161)の第1送信素子(53.1;142.1;162.1)によって基盤(3,6)に第1送信信号(TX1)を送信するステップと、
受信ユニット(56;141;161)の複数の受信素子(55.1〜55.3;142.1〜142.4;162.1〜162.5)により、前記送信信号(TX1)、物体(8,11,12.1〜12.3)および基盤(3,6)の特性に関係した第1受信信号(TX1/RX1, TX1/RX2, TX1/RX3)を受信するステップと、を備える、基盤(3,6)内の物体(8,11,12.1〜12.3)を検出するための方法において、
さらなるステップ:
前記送信ユニット(54;141;161)の第2送信素子(55.2〜53.3;142.2〜142.4;162.2〜162.5)により第2送信信号(TX2, TX3)を基盤(3,6)に送信するステップと、
前記受信ユニット(56;141;161)の前記複数の受信素子(55.1〜55.3;142.1〜142.4;162.1〜162.5)によって、前記第2送信信号(TX2, TX3)、物体(8,11,12.1〜12.3)および基盤(3,6)の特性に関係した第2受信信号(TX2/RX1, TX2/RX2, TX2/RX3, TX3/RX1, TX3/RX2, TX3/RX3)を受信するステップと、
を備えることを特徴とする、基盤(3,6)内の物体(8,11,12.1〜12.3)を検出するための方法。
【請求項20】
前記送信ユニット(56;141;161)の前記第1および第2送信素子(53.1〜53.3;142.2〜142.4;162.2〜162.5)によって順次に前記第1および第2送信信号(TX1, TX2, TX3)を送信し、前記受信ユニット(56;141;161)の全ての前記受信素子(55.1〜55.3;142.1〜142.4;162.1〜162.5)によって、前記第1および第2受信信号(TX1/RX1, TX1/RX2, TX1/RX3, TX2/RX1, TX2/RX2, TX2/RX3, TX3/RX1, TX3/RX2, TX3/RX3)を同時に受信する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記送信ユニット(54)の前記第1送信素子(53.1〜53.3)のそれぞれによって、第1偏波方向(P1)を有する第1送信信号(TX1,P1, TX2,P1, TX3,P1)を送信する第1ステップ、前記第1偏波方向(P1)とは異なる第2偏波方向(P2)を有する第2送信信号(TX1,P2, TX2,P2, TX3,P2)を送信する第2ステップを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記受信ユニット(56)の受信素子(55.1〜55.3)により同時に、第1受信信号(TX1,P1/RX1,P1, TX1,P2/RX1,P1, TX1,P1/RX2,P1, TX1,P2/RX2,P1, TX1,P1/RX3,P1, TX1,P2/RX3,P1, TX2,P1/RX1,P1, TX2,P2/RX1,P1, TX2,P1/RX2,P1, TX2,P2/RX2,P1, TX2,P1/RX3,P1, TX2,P2/RX3,P1, TX3,P1/RX1,P1, TX3,P2/RX1,P1, TX3,P1/RX2,P1, TX3,P2/RX2,P1, TX3,P1/RX3,P1, TX3,P2/RX3,P1)を前記第1偏波方向(P1)に受信し、第2受信信号(TX1,P1/RX1,P2, TX1,P2/RX1,P2, TX1,P1/RX2,P2, TX1,P2/RX2,P2, TX1,P1/RX3,P2 TX1,P2/RX3,P2, TX2,P1/RX1,P2, TX2,P2/RX1,P2 TX2,P2/RX2,P2, TX2,P2/RX2,P2, TX2,P1/RX3,P2, TX2,P2/RX3,P2, TX3,P1/RX1,P2, TX3,P2/RX1,P2, TX3,P1/RX2,P2, TX3,P2/RX2,P2, TX3,P1/RX3,P2, TX3,P2/RX3,P2)を前記第2偏波方向(P2)に受信する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記制御・評価ユニット(45)のメインメモリ(68)に伝達される前に、前記第1および第2受信信号をスタックメモリ(67.1,67.2,67.3)においてデジタル処理で平均化する、請求項19から22までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記第1および第2受信信号(74.1〜74.5)から、前記制御・評価ユニット(45)により複数の深部断面図(89.1〜89.5;107.1〜107.30,108.1〜108.30;149.1〜149.3;150.1〜150.3;170.1〜170.5;171.1〜171.5)を計算する、請求項19〜23までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記深部断面図(89.1〜89.5;107.1〜107.30;108.1〜108.30)から、平面図(90;109)を計算し、前記表示ユニット(26)に表示し、第1深さ(z)と第2深さ(z+Δz)との間の深さ範囲にわたる平均値、メジアン、最大値または重み付け合計として前記平面図(90;109)を計算する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記送信ユニット(54)の前記第1および第2送信素子(53.1〜53.3)並びに前記受信ユニット(56)の前記複数の受信素子(55.1〜55.3)が、1つの送信素子と1つの受信素子とが統合されたセンサ素子(47.1〜47.3;142.1〜142.4;162.1〜162.5)を複数構成し、前記センサ素子としての第1および第2磁界センサ素子(126.1〜126.4;127.1〜127.3)を備えるセンサユニット(123)により、第1方向(130)に第1磁界勾配(ΔBx)を検出し、第2方向(132)に第2磁界勾配(ΔBz)を検出する、請求項19〜25までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記センサユニット(123)を基盤(6)で前進方向(28)に移動し、第1磁界勾配(ΔBx)を前進方向(28)に対して垂直な水平方向(130)に検出し、第2磁界勾配(ΔBz)を前進方向(28)および前記水平方向(130)に対して垂直な深さ方向(132)に検出する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記センサユニット(123)の前記第1および第2磁界センサ素子(126.1〜126.4,127.1〜127.3)を水平方向(130)に交互に配置し、隣接する前記第1および第2磁界センサ素子(126.1〜126.4,127.1〜127.3)の前記第1磁界勾配(ΔBx)および前記第2磁界勾配(ΔBz)からそれぞれ絶対値平均ΔBxz= sqrt[(ΔBx)2 + (ΔBz2)]を計算する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
隣接する前記第1および第2磁界センサ素子(126.1〜126.4,127.1〜127.3)の前記絶対値平均(ΔBxz, ,1 − ΔBxz,6)から、前記制御・評価ユニット(45)によって水平方向図を計算し、前記水平方向図を前記制御・評価ユニット(45)から前記表示ユニット(26)に伝達し、前記表示ユニット(26)に表示する、請求項28に記載の方法。
【請求項1】
基盤(3,6)に第1送信信号(TX1)を送信するように構成された第1送信素子(53.1)を有する送信ユニット(54;141;161)と、
前記第1送信信号(TX1)、物体(8,11,12.1〜12.3)および基盤(3,6)の特性に関係した受信信号(TX1/RX1, TX1/RX2, TX1/RX3)を受信するように構成された複数の受信素子(55.1〜55.3;142.1〜142.4;162.1〜162.5)を有する受信ユニット(56;141;161)と、
前記送信および前記受信ユニット(54,56)を制御し、前記受信信号(TX1/RX1, TX1/RX2, TX1/RX3)を評価するように構成された制御・評価ユニット(45)と、
前記制御・評価ユニット(45)によって評価された前記受信信号(TX1/RX1, TX1/RX2, TX1/RX3)を表示するように構成された表示ユニット(26)と、
を備える、基盤(3,6)内の物体(8,11,12.1〜12.3)を検出するための検出装置(1;21;121)において、
前記送信ユニット(54;141;161)が、第2送信信号(TX2,TX3)を基盤(3,6)に送信するように構成された第2送信素子(53.2,53.3)を備え、
前記送信ユニット(54;141;161)の前記第1および第2送信素子(53.1〜53.3)が、前記制御・評価ユニット(45)によって互いに無関係に制御可能であることを特徴とする、基盤(3,6)内の物体(8,11,12.1〜12.3)を検出するための検出装置(1;21;121)。
【請求項2】
前記送信ユニット(54)の前記第1および第2送信素子(53.1〜53.3)並びに前記受信ユニット(56)の前記複数の受信素子(55.1〜55.3)が、1つの送信素子と1つの受信素子とが統合されたセンサ素子(47.1〜47.3;142.1〜142.4;162.1〜162.5)を複数構成して第1センサユニット(44;122;142;161)に組み込まれており、
前記センサ素子(47.1〜47.3;142.1〜142.4;162.1〜162.5)が、前記制御・評価ユニット(45)によって、前記センサ素子(47.1〜47.3;142.1〜142.4;162.1〜162.5)が前記送信信号(TX1, TX2, TX3)を送信する送信モードと、前記センサ素子(47.1〜47.3;142.1〜142.4;162.1〜162.5)が前記受信信号(TX1/RX1, TX1/RX2, TX1/RX3, TX2/RX1, TX2/RX2, TX2/RX3, TX3/RX1, TX3/RX2, TX3/RX3)を受信する受信モードとの間で切換可能である、請求項1に記載の検出装置。
【請求項3】
前記第1センサユニット(44;122;142;161)は、少なくとも3つの前記センサ素子(47.1〜47.3;162.1〜162.5)が、少なくとも第1列および第2列にずらして配置されており、第2列の前記センサ素子(47.3;162.3)が、第1列の前記センサ素子(47.1,47.2;162.1,162,2)の間に配置されている、請求項2に記載の検出装置。
【請求項4】
前記送信ユニット(54)の送信素子(53.1〜53.3)が、第1偏波方向(P1)を有する送信信号(TX1,P1, TX2,P1, TX3,P1)および第2偏波方向(P2)を有する送信信号(TX1,P2, TX2,P2, TX3,P2)を送信するように構成されており、前記第2偏波方向(P2)が前記第1偏波方向(P1)とは異なっている、請求項2または3に記載の検出装置。
【請求項5】
前記受信ユニット(56)の受信素子(55.1〜55.3)が、同時に、第1受信信号(TX1,P1/RX1,P1, TX1,P2/RX1,P1, TX1,P1/RX2,P1, TX1,P2/RX2,P1, TX1,P1/RX3,P1, TX1,P2/RX3,P1, TX2,P1/RX1,P1, TX2,P2/RX1,P1, TX2,P2/RX2,P1, TX2,P2/RX2,P1, TX2,P1/RX3,P1, TX2,P2/RX3,P1, TX3,P1/RX1,P1, TX3,P2/RX1,P1, TX3,P1/RX2,P1, TX3,P2/RX2,P1, TX3,P1/RX3,P1, TX3,P2/RX3,P1)を前記第1偏波方向(P1)に受信し、第2受信信号(TX1,P1/RX1,P2, TX1,P2/RX1,P2, TX1,P1/RX2,P2, TX1,P2/RX2,P2, TX1,P1/RX3,P2 TX1,P2/RX3,P2, TX2,P1/RX1,P2, TX2,P2/RX1,P2 TX2,P2/RX2,P2, TX2,P2/RX2,P2, TX2,P1/RX3,P2, TX2,P2/RX3,P2, TX3,P1/RX1,P2, TX3,P2/RX1,P2, TX3,P1/RX2,P2, TX3,P2/RX2,P2, TX3,P1/RX3,P2, TX3,P2/RX3,P2)を前記第2偏波方向(P2)に受信するように構成されている、請求項4に記載の検出装置。
【請求項6】
前記制御・評価ユニット(45)が、スタックメモリ(67.1,67.2,67.3)およびメインメモリ(68)を有するメモリ(66)を備える、請求項1から5までのいずれか一項に記載の検出装置。
【請求項7】
第2センサユニット(123)に前記センサ素子(126.1〜126.4,127.1〜127.3)が設けられており、前記センサ素子(126.1〜126.4,127.1〜127.3)が、少なくとも1つのセンサ特性において前記第1センサユニットの前記センサ素子(47.1,47.2,47.3)とは異なっている、請求項2から6までのいずれか一項に記載の検出装置。
【請求項8】
第1表示モードでは前記第1センサユニット(122)の測定結果が、第2表示モードでは前記第2センサユニット(123)の測定結果が、第3表示モードでは前記第1および第2センサユニット(122,123)の測定結果が表示ユニットに表示可能である、請求項7に記載の検出装置。
【請求項9】
前記第2センサユニット(123)が、給電線(11,12.1〜12.3)を検出するための電流センサユニットとして構成されている、請求項7または8に記載の検出装置。
【請求項10】
前記電流センサユニット(123)が、前記センサ素子としての第1および第2磁界センサ素子(126.1〜126.4;127.1〜127.3)を備え、前記第1磁界センサ素子(126.1〜126.4)が、第1方向(130)に磁界または磁界勾配を検出し、前記第2磁界センサ素子(127.1〜127.3)が、前記第1方向(130)とは異なる第2方向(132)に磁界または磁界勾配を検出する、請求項9に記載の検出装置。
【請求項11】
前記電流センサユニット(123)が、前記第1および第2方向(130,132)とは異なる第3方向(131)に磁界または磁界勾配を検出する前記センサ素子としての第3磁界センサ素子を備える、請求項10に記載の検出装置。
【請求項12】
前記電流センサユニット(123)が、第1方向(130)および第1方向(130)とは異なる第2方向(132)に磁界または磁界勾配を検出するための前記センサ素子としての磁界センサ素子を備える、請求項9に記載の検出装置。
【請求項13】
前記磁界センサ素子が、前記第1方向および第2方向(130,132)とは異なる第3方向(131)に磁界または磁界勾配を検出する、請求項12に記載の検出装置。
【請求項14】
前記電流センサユニット(123)が変調ユニット(124)を備え、該変調ユニットが、通信接続(125)を介して前記制御・評価ユニット(45)に接続可能であり、前記制御・評価ユニット(45)の制御命令に応答して給電線(11,12.1〜12.3)の電流信号を変調する、請求項9から13までのいずれか一項に記載の検出装置。
【請求項15】
前記制御・評価ユニット(45)が、前記受信信号を復調するための評価モジュールを備える、請求項14に記載の検出装置。
【請求項16】
前記制御・評価ユニット(45)が、前記複数の受信素子(55.1〜55.3)の受信信号(74.1〜74・5)から複数の深部断面図(89.1〜89.5;107.1〜107.30,108.1〜108.30)を計算するように構成されている、請求項1から15までのいずれか一項に記載の検出装置。
【請求項17】
前記制御・評価ユニット(45)が、前記深部断面図(89.1〜89.5;107.1〜107.30;108.1〜108.30)から、第1深さ(z)と第2深さ(z+Δz)との間の深さ範囲にわたる平均値、メジアン、最大値または重み付け合計として平面図を計算し、前記表示ユニット(26)に表示するように構成されている、請求項16に記載の検出装置。
【請求項18】
前記第1深さ(z)および前記第2深さ(z+Δz)が調節可能に構成されている、請求項17に記載の検出装置。
【請求項19】
次のステップ:
送信ユニット(54;141;161)の第1送信素子(53.1;142.1;162.1)によって基盤(3,6)に第1送信信号(TX1)を送信するステップと、
受信ユニット(56;141;161)の複数の受信素子(55.1〜55.3;142.1〜142.4;162.1〜162.5)により、前記送信信号(TX1)、物体(8,11,12.1〜12.3)および基盤(3,6)の特性に関係した第1受信信号(TX1/RX1, TX1/RX2, TX1/RX3)を受信するステップと、を備える、基盤(3,6)内の物体(8,11,12.1〜12.3)を検出するための方法において、
さらなるステップ:
前記送信ユニット(54;141;161)の第2送信素子(55.2〜53.3;142.2〜142.4;162.2〜162.5)により第2送信信号(TX2, TX3)を基盤(3,6)に送信するステップと、
前記受信ユニット(56;141;161)の前記複数の受信素子(55.1〜55.3;142.1〜142.4;162.1〜162.5)によって、前記第2送信信号(TX2, TX3)、物体(8,11,12.1〜12.3)および基盤(3,6)の特性に関係した第2受信信号(TX2/RX1, TX2/RX2, TX2/RX3, TX3/RX1, TX3/RX2, TX3/RX3)を受信するステップと、
を備えることを特徴とする、基盤(3,6)内の物体(8,11,12.1〜12.3)を検出するための方法。
【請求項20】
前記送信ユニット(56;141;161)の前記第1および第2送信素子(53.1〜53.3;142.2〜142.4;162.2〜162.5)によって順次に前記第1および第2送信信号(TX1, TX2, TX3)を送信し、前記受信ユニット(56;141;161)の全ての前記受信素子(55.1〜55.3;142.1〜142.4;162.1〜162.5)によって、前記第1および第2受信信号(TX1/RX1, TX1/RX2, TX1/RX3, TX2/RX1, TX2/RX2, TX2/RX3, TX3/RX1, TX3/RX2, TX3/RX3)を同時に受信する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記送信ユニット(54)の前記第1送信素子(53.1〜53.3)のそれぞれによって、第1偏波方向(P1)を有する第1送信信号(TX1,P1, TX2,P1, TX3,P1)を送信する第1ステップ、前記第1偏波方向(P1)とは異なる第2偏波方向(P2)を有する第2送信信号(TX1,P2, TX2,P2, TX3,P2)を送信する第2ステップを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記受信ユニット(56)の受信素子(55.1〜55.3)により同時に、第1受信信号(TX1,P1/RX1,P1, TX1,P2/RX1,P1, TX1,P1/RX2,P1, TX1,P2/RX2,P1, TX1,P1/RX3,P1, TX1,P2/RX3,P1, TX2,P1/RX1,P1, TX2,P2/RX1,P1, TX2,P1/RX2,P1, TX2,P2/RX2,P1, TX2,P1/RX3,P1, TX2,P2/RX3,P1, TX3,P1/RX1,P1, TX3,P2/RX1,P1, TX3,P1/RX2,P1, TX3,P2/RX2,P1, TX3,P1/RX3,P1, TX3,P2/RX3,P1)を前記第1偏波方向(P1)に受信し、第2受信信号(TX1,P1/RX1,P2, TX1,P2/RX1,P2, TX1,P1/RX2,P2, TX1,P2/RX2,P2, TX1,P1/RX3,P2 TX1,P2/RX3,P2, TX2,P1/RX1,P2, TX2,P2/RX1,P2 TX2,P2/RX2,P2, TX2,P2/RX2,P2, TX2,P1/RX3,P2, TX2,P2/RX3,P2, TX3,P1/RX1,P2, TX3,P2/RX1,P2, TX3,P1/RX2,P2, TX3,P2/RX2,P2, TX3,P1/RX3,P2, TX3,P2/RX3,P2)を前記第2偏波方向(P2)に受信する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記制御・評価ユニット(45)のメインメモリ(68)に伝達される前に、前記第1および第2受信信号をスタックメモリ(67.1,67.2,67.3)においてデジタル処理で平均化する、請求項19から22までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記第1および第2受信信号(74.1〜74.5)から、前記制御・評価ユニット(45)により複数の深部断面図(89.1〜89.5;107.1〜107.30,108.1〜108.30;149.1〜149.3;150.1〜150.3;170.1〜170.5;171.1〜171.5)を計算する、請求項19〜23までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記深部断面図(89.1〜89.5;107.1〜107.30;108.1〜108.30)から、平面図(90;109)を計算し、前記表示ユニット(26)に表示し、第1深さ(z)と第2深さ(z+Δz)との間の深さ範囲にわたる平均値、メジアン、最大値または重み付け合計として前記平面図(90;109)を計算する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記送信ユニット(54)の前記第1および第2送信素子(53.1〜53.3)並びに前記受信ユニット(56)の前記複数の受信素子(55.1〜55.3)が、1つの送信素子と1つの受信素子とが統合されたセンサ素子(47.1〜47.3;142.1〜142.4;162.1〜162.5)を複数構成し、前記センサ素子としての第1および第2磁界センサ素子(126.1〜126.4;127.1〜127.3)を備えるセンサユニット(123)により、第1方向(130)に第1磁界勾配(ΔBx)を検出し、第2方向(132)に第2磁界勾配(ΔBz)を検出する、請求項19〜25までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記センサユニット(123)を基盤(6)で前進方向(28)に移動し、第1磁界勾配(ΔBx)を前進方向(28)に対して垂直な水平方向(130)に検出し、第2磁界勾配(ΔBz)を前進方向(28)および前記水平方向(130)に対して垂直な深さ方向(132)に検出する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記センサユニット(123)の前記第1および第2磁界センサ素子(126.1〜126.4,127.1〜127.3)を水平方向(130)に交互に配置し、隣接する前記第1および第2磁界センサ素子(126.1〜126.4,127.1〜127.3)の前記第1磁界勾配(ΔBx)および前記第2磁界勾配(ΔBz)からそれぞれ絶対値平均ΔBxz= sqrt[(ΔBx)2 + (ΔBz2)]を計算する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
隣接する前記第1および第2磁界センサ素子(126.1〜126.4,127.1〜127.3)の前記絶対値平均(ΔBxz, ,1 − ΔBxz,6)から、前記制御・評価ユニット(45)によって水平方向図を計算し、前記水平方向図を前記制御・評価ユニット(45)から前記表示ユニット(26)に伝達し、前記表示ユニット(26)に表示する、請求項28に記載の方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図7A】
【図7B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図7A】
【図7B】
【公開番号】特開2013−24873(P2013−24873A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−158883(P2012−158883)
【出願日】平成24年7月17日(2012.7.17)
【出願人】(591010170)ヒルティ アクチエンゲゼルシャフト (339)
【住所又は居所原語表記】Feldkircherstrasse 100, 9494 Schaan, LIECHTENSTEIN
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年7月17日(2012.7.17)
【出願人】(591010170)ヒルティ アクチエンゲゼルシャフト (339)
【住所又は居所原語表記】Feldkircherstrasse 100, 9494 Schaan, LIECHTENSTEIN
【Fターム(参考)】
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