堆肥化促進方法および堆肥化促進装置
【課題】本発明は、有機廃棄物のバクテリアによる分解反応のための物理的な反応表面積をミクロレベルで増加させ、廃棄物の内部組織の分解を促進することにより廃棄物の堆肥化を加速するための手段の提供。
【解決手段】有機廃棄物のバクテリアによる分解反応を高める手段において、廃棄物を0℃以下に冷却ないし冷凍することにより、廃棄物の内部組織の体積膨張を促進し、内部組織の破壊を高めるようにしたことを特徴とする堆肥化促進方法。
【解決手段】有機廃棄物のバクテリアによる分解反応を高める手段において、廃棄物を0℃以下に冷却ないし冷凍することにより、廃棄物の内部組織の体積膨張を促進し、内部組織の破壊を高めるようにしたことを特徴とする堆肥化促進方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機廃棄物における廃棄物の内部組織の体積膨張を促進する手段を備えた堆肥化促進方法およびその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
埋立地に持ち込まれる廃棄物の量を減らすことは、昨今、特に求められてきている。その要求は人口密度の高い地域では高くなる傾向であり、都市部などではリサイクルを促進するために分別収集が実行されている。さらに世界的にみると、カナダ、アメリカ、オランダなど欧米の先進国では自治体レベルで有機廃棄物(生ごみ)の分別収集・堆肥化を行い、廃棄物全体の減量化に貢献しているところも少なくない。
【0003】
堆肥化は有機廃棄物の減量およびリサイクル方法として注目されている。堆肥化は家庭の台所から出る様々な廃棄物の理想的な処理方法である。芝生、葉、枝、果物、野菜、卵の殻、穀物などはすべて堆肥化の対象となる。家庭の廃棄物の3分の1から2分の1が堆肥処理できると推定されている。これにより必要な埋立地や自治体が負担する処理費を減らすことができる。
【0004】
堆肥化装置は、典型的には廃棄物を入れるための容器からなっている。湿度、酸素量、温度およびバクテリアなど様々な環境要因も必要とされる。最適な結果を得るために有機廃棄物は湿気の中になくてはならず、そして好気性の堆肥過程には酸素が必要なため空気が常に循環していなければならない。空気が不十分になると嫌気性バクテリアが活発化し不快臭を発生させる結果となる。
このため、前記堆肥化装置においては、廃棄物を収納する容器に、通常、廃棄物を細かく裁断する破砕手段が設けられている。
【0005】
前記容器内には酸素が十分に存在し、好気性バクテリアが活性化することにより、堆肥化の過程で悪臭の発生しないことが望ましい。廃棄物を最大限に空気にさらすために、また、破砕を兼ねるために攪拌することも必要である。
【0006】
現在、有機廃棄物の堆肥化装置としては各種のものが多数存在するが、これらの装置に用いられる手段として特徴的なものは、破砕ユニット内の廃棄物に対する昇温化と攪拌により廃棄物内のバクテリアによる分解反応を高める手段を備えていることであり、本発明のような、破砕ユニット内の有機廃棄物における廃棄物の内部組織の体積膨張を促し、内部組織の破壊を高めるようにしたものはなかった。また、前記廃棄物の内部組織の体積膨張手段として、冷却ないし冷凍するという着想のものもなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
多くの現存する堆肥化促進装置は、労働集約的で機械的にも複雑でしかも堆肥化速度は不十分である。既存する廃棄物処理機の堆肥化強化手段の多くが、高温処理、C/N比、pH、湿度、水分量、酸素量、破砕、触媒の利用等、特に化学的要因の最適化に強く依存しており、これらすべての既知要因が最適化された上での分解・堆肥化効率のさらなる向上は困難と考えられていた。
特に都心部では深刻な土地不足から、堆肥化率(減量率、および分解率に関連する)を向上させるための巨大な堆肥化施設を建設することは難しく、埋め立て等による環境負荷が慢性化している。それゆえ、堆肥化率を上げるための新しい方法と装置の開発は課題であった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明においては、有機廃棄物のバクテリアによる分解反応を高めるため、廃棄物の内部組織の物理上の表面積を増加する処理手段が廃棄物に施される。一般に実施されている攪拌・破砕手段のように、マクロ的に廃棄物の表面積を増やす手段も知られているが、本発明は廃棄物を冷却ないし冷凍することにより、廃棄物における内部組織内の水分膨張による内部組織の破壊を促進し、バクテリアによる分解反応可能な物理的表面積をミクロレベルで拡大することにより、高い堆肥化率(生物分解率)をもたらして上記課題を解決する。
前記有機廃棄物における内部組織の体積膨張は、廃棄物中の内部組織に多量に含まれる水分が0oC以下に冷却され固体化する際に膨張するという、水分子特有の物理現象を利用するものであるが、この他、急激な気圧の変化(減圧)を利用することもできる。
【0009】
すなわち、本発明の第1は、有機廃棄物のバクテリアによる分解反応を高める手段において、廃棄物の内部組織の体積膨張を促進することにより、内部組織の破壊を高めるようにしたことを特徴とする堆肥化促進方法である。
【0010】
また、本発明の第2は前記第1の発明において、廃棄物の内部組織の体積膨張を、廃棄物の冷却ないし冷凍により行なうことを特徴とする堆肥化促進方法である。
【0011】
また、本発明の第3は、前記第2の発明において、冷却温度が0℃〜−20℃であることを特徴とする堆肥化促進方法である。
【0012】
また、本発明の第4は、前記第2の発明において、冷却手段が液体窒素を利用したものであることを特徴とする堆肥化促進方法である。
【0013】
また、本発明の第5は、破砕ユニット内における有機廃棄物の内部組織の体積膨張により、内部組織の破壊を促進し、有機廃棄物のバクテリアによる分解反応を高める堆肥化装置において、前記有機廃棄物を冷却ないし冷凍する手段を有することを特徴とする堆肥化促進装置である。
【0014】
また、本発明の第6は、前記第5の発明において、冷却手段が堆肥化促進装置本体に設けられた冷却装置により発生させた冷気を有機廃棄物の破砕ユニット内に送気するものである堆肥化促進装置である。
【0015】
また、本発明の第7は、前記第5の発明において、冷却手段が液体窒素の噴射によるものである堆肥化促進装置である。
【0016】
また、本発明の第8は、前記第5の発明において、冷却手段が有機廃棄物の破砕ユニットに設けられた攪拌スクリューを介して間接的に冷却するものである堆肥化促進装置である。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、有機廃棄物に対する冷却処理に伴う廃棄物の内部組織中の水分等の体積膨張が、内部組織の細胞壁等の内部破壊をミクロ的に誘発させ、その結果、バクテリア活動における反応表面積を増加させることにより、有機廃棄物の堆肥化の高速化を可能にした。
現在市場に出回っている堆肥化装置の破砕手段と比べて、本発明は、冷却処理され体積が膨張して脆弱となった有機廃棄物の内部組織を破砕することによりさらに細粒化処理され、廃棄物の反応表面積を最大化することができる。これにより、廃棄物中の好気性バクテリアが活発化する一方、嫌気性バクテリアの活動が抑制され、悪臭の発生を最小化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明装置の側面図
【図2】本発明装置の平面図
【図3】本発明装置の正面図
【図4】本発明装置の背面図
【図5】破砕ユニットの別の形態の斜視図
【図6】図5の縦断側面図
【図7】攪拌スクリューの斜視図
【図8】図7の縦断側面図
【図9】1次投入による廃棄物への冷却効果を示す温度差の変化と時間の関係図
【図10】1次投入による廃棄物への冷却効果を示す湿度差の変化と時間の関係図
【図11】連続投入された廃棄物への冷却効果を示す温度差の変化と時間との関係図
【図12】1次投入時と2次投入時における廃棄物への冷却効果を示す温度差の変化と時間との関係図
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明では、堆肥化促進装置の容器すなわち、破砕ユニットに入った有機廃棄物が直接又は間接的に0℃以下に冷却される。産業レベルでの連続操業への適用のための迅速な冷却が必要な場合には液体窒素の注入や冷却手段を備えた攪拌機を利用してもよい。
【0020】
本発明は冷却を利用した全ての種類の手段と装置を含む。すなわち、冷却手段としては、液体窒素の他、気圧圧縮型その他各種の冷却手段も使用することができる。
【0021】
また、本発明の冷却手段は、破砕ユニットに投入された有機廃棄物を直接冷却する他、廃棄物の入った破砕ユニットの容器を冷却することにより廃棄物を間接的に冷却することもできる。この場合、温度変化は、廃棄物中のガスや水分の原子レベルでの振動を通じて廃棄物へ伝播させることができる。さらに、廃棄物全体としてマクロ的には熱交換が行われることで冷却が進行する。
前記破砕ユニットの容器はステンレススチールのように錆びにくく、さらに熱伝導率の高い材料でできていることが望まれる。また、冷却手段を備えた容器全体をセラミックのような保温性に優れた壁で覆うことでエネルギー効果の高い熱交換を行うこともできる。
【0022】
また、本発明の最大のポイントである有機廃棄物の体積膨張手段として、冷却のほか気圧の変化を利用することもできる。この場合、廃棄物を密閉状態に保ち、加圧後一気に常圧に戻すことによって廃棄物の内部組織の体積が膨張するため堆肥化の促進効果が得られる。
【実施例】
【0023】
以下本発明の代表的な実施例として、冷却手段を用いる場合を例に挙げて説明する。
図1〜4は本発明の堆肥化装置全体の概念図を表しており、図1は本発明装置の側面図、図2は本発明装置の平面図、図3は本発明装置の正面図、図4は本発明装置の背面図、図5は本発明における破砕ユニットの別の実施例の斜視図、図6は図5の縦断側面図、図7は攪拌スクリューの斜視図、図8は図7の縦断側面図、図9は1次投入による廃棄物への冷却効果を示す温度差の変化と時間の関係図、図10は1次投入による廃棄物への冷却効果を示す湿度差の変化と時間の関係図、図11は連続投入された2次投入による廃棄物への冷却効果を示す温度差の変化と時間との関係図、図12は1次投入時と2次投入時における廃棄物への冷却効果を示す温度差の変化と時間との関係図である。
本発明に係る堆肥化促進装置は、立方形状の廃棄物処理機の本体1、本体1の背面の操作パネル12、本体1の内部後方に配置した冷却装置3、上面に廃棄物投入口8を備えた内部前方上部の破砕ユニット4、破砕ユニット下部の脱水・攪拌ユニット5、その下部の加熱・攪拌ユニット6、堆肥取り出し口7、前記冷却装置3から破砕ユニット4の内部に通じる送気口2から成っている。
脱水・攪拌ユニット5と加熱・攪拌ユニット6は別々であっても構わないが、ひとつに合体した形の脱水と加熱の切替機能を有する攪拌ユニット(図示せず)とした方が効率的・経済的に有効であり、さらに設計上コンパクトとなる。
また、前記脱水・攪拌ユニット5または/および加熱・攪拌ユニット6は図示のように破砕ユニット4の下部に配置してもよいが、これらを破砕ユニット4内に装備させてもよい。
【0024】
前記冷却装置3としては、従来利用されている気化圧縮型、気圧吸収型、スターリング型、またはペルチェ型等の冷却手段が適用できる。気圧吸収型やペルチェ型の場合、コンプレッサを必要としないので静穏での作動が可能である。特に気圧吸収型はヒーターを利用するため堆肥化装置の高温処理に必要なヒーターと共用することができ、装置全体のサイズを縮小することができる。また、ペルチェ冷却を利用するとさらに安価で小型の装置を実現することが可能である。
【0025】
冷却手段として前記した各型式の冷却装置3の例以外に、液体窒素を用いることもできる。液体窒素は、熱を遮断することで窒素の沸点(−196℃)以下の低温を安易に保つことができる。
液体窒素を使用する場合、液体窒素を充填したタンクを冷却装置3に設置することで、廃棄物の入った破砕ユニット4の容器もしくは廃棄物9自体に送気口2を通じて液体窒素を噴射し、廃棄物を高速に冷却することができる。この場合、冷却は瞬時に行われ、冷却に掛かる時間が短縮されるため、企業や自治体レベルでの大量処理が可能である。
【0026】
図5、図6は前記冷却手段の別の形態を表している。この形態では、有機廃棄物9は容器の中に投入され、冷却手段としては冷却装置3を固定盤11と接触させることにより固定盤11を冷却するしくみになっている。また、無数の破砕ロッド10が固定盤11とつながっており、冷却された固定盤11からの伝播により冷却された破砕ロッド10を廃棄物9に貫通させた時、熱交換が起こり廃棄物9が冷却される。
破砕ロッド10は錆びにくく、熱伝導率の高いステンレススチールのような材料が使用されることが望ましい。破砕ロッド10の表面には溝や刻みをつけ廃棄物へのスクラブ効果を高めることで、破砕率を高めることができる。
この装置においては、破砕ロッド10と固定盤11を冷却後引き上げ、その後冷却された廃棄物9を破砕ユニット4内に投入し必要により公知の手段により破砕する。
また、この装置においては、廃棄物の冷却後、冷却手段を停止し、ヒーターを固定盤11に取り付けて固定盤11を加熱することにより、冷却に続いて廃棄物の乾燥および高温での堆肥化処理を継続して実行することも可能である。
【0027】
冷却装置3により生み出される低温の冷気は、有機廃棄物の入った容器すなわち破砕ユニット4に送り込まれる。本発明の手段および装置では、理論上は0oC以下の凍結可能な温度域で適用することが可能であるが、好結果は、0℃〜−20℃と幅広い温度域で得られ、さらに、最善の結果のためには高速な冷却が望ましい。
【0028】
次に、本発明に係る堆肥化促進装置の作用について説明する。
有機廃棄物は廃棄物投入口8から破砕ユニット4に投入され、送気口2を通じて冷却装置3から破砕ユニット4内に直接送られる0℃以下の冷気によって廃棄物が凍結され、廃棄物の内部組織の体積膨張を促進して内部組織の破壊を高め、その後必要により公知の手段にて破砕される。
冷却された廃棄物は破砕ユニット4の底部をスライド式に開くことで脱水・攪拌ユニット5に移動し、そこで攪拌されながら脱水される。さらに、脱水・攪拌ユニット5で脱水された廃棄物は、脱水・攪拌ユニット5の底部をスライド式に開くことで加熱・攪拌ユニット6に移動し、そこで一定の速度で攪拌されながら60℃前後に加熱処理されることにより堆肥化が進められる。
最終的に加熱・攪拌ユニット6に溜められ堆肥化された有機廃棄物は、下部前面の堆肥取り出し口7から取り出される。
【0029】
本発明において、前記有機廃棄物を冷却した際、その温度変化に関連して体積膨張が廃棄物の内部組織の破壊をミクロ的に導くことになり、有機廃棄物のバクテリアによる分解反応を高めることになる。
体積膨張を起こす温度変化と気圧変化は熱力学的に関連しており、従って、体積膨張手段として冷却以外にも気圧変化を利用することもできる。すなわち、有機廃棄物を密閉状態に置き、加圧後、一気に減圧することによっても廃棄物の内部組織の体積は膨張し、堆肥化促進効果が得られる。
【0030】
図7、図8は攪拌機を利用した本発明に係る冷却手段の一つの形態を表している。この形態では、有機廃棄物を移動したり攪拌するためのスクリュー機構が使用され、廃棄物9は筒形攪拌槽14内に配置した攪拌スクリュー13を回転させることで攪拌され、移動するしくみになっている。冷却装置3を攪拌スクリュー13に接続することで廃棄物9は攪拌スクリュー13を通じて冷却される。また、攪拌スクリュー13の表面は細溝等の形成により粗くし廃棄物9の表面のスクラブ効果を高めることができる。
この形態では、廃棄物9は前記破砕ユニット4を省略して、スクリュー機構により移動させながら冷却することもできる。このため連続操業が可能であり大量の廃棄物9を連続投入することにより、一定の速度で効率よく堆肥化処理することができる。
【0031】
以上、簡潔な形態の堆肥化装置を示したが、本発明は冷却装置を含むいかなる種類の堆肥化装置をも含んでいる。本発明の堆肥化装置は冷却装置と共に新しく製作することも、あるいは既存する装置を改造して冷却装置を追加設置することによっても完成させることができる。
【0032】
本発明における冷却装置は、産業規模の大型のものから家庭用の小型のものまで様々な形態の堆肥化装置に使用することができる。例えば、小さな台所、アパートやマンションのような小型のユニット、学校等の公共施設やレストラン、さらには地方自治体による巨大な堆肥化施設などである。本発明における有機廃棄物のバクテリアによる分解反応の反応率を上げるための冷却手段は、バイオ修復反応、生物燃料の生産、汚泥処理等各種の生物反応装置にも適用できる。
【0033】
本発明の冷却手段は、湿度、温度、水分、C/N比、酸素量、pH、バクテリアといった適切な環境要因を持ち備えた廃棄物処理機、または、その一部を備えた既存の廃棄物処理機への活用および適用を含んでいる。また、本発明の冷却手段は、市場に出回っている多種の堆肥化装置にも容易に適応することができる。
【0034】
産業規模では大型もしくは複数個の冷却装置の使用が望まれるが、その場合、各冷却装置の熱伝導機能を考慮したうえで冷却効果を損ねることなく効率よく設置する必要がある。
【0035】
本発明における、冷却による堆肥化率への効果を雑種混合した有機廃棄物のサンプルで実験により評価した。堆肥化の促進率は、堆肥化過程が発熱性の酸化反応であるため、廃棄物から発生する温度変化を分析することにより知ることができる。廃棄物の堆肥化が進み熱が生まれると、廃棄物およびその近辺の温度は上昇する。さらに廃棄物の堆肥化過程で水分が発生するため、相対湿度を測定することによっても堆肥化の程度を知ることができる。
【実施例1】
【0036】
本実験では、冷却処理した廃棄物と、室温で無処理の廃棄物との堆肥過程における温度差を算出することで冷却処理の堆肥化への効果を評価した。この温度差がプラスであると冷却処理をした廃棄物の堆肥化反応におけるバクテリアがより活発であることを示し、マイナスであるとその逆であることを示す。
有機廃棄物としてはレタス、キャベツ、きゅうり、パセリ、パセリの葉、ピーマン、パプリカ、卵、卵の殻、フランスパン、たまねぎ、たまねぎの外皮、バナナ、にんじん、ビーフステーキ、調理ポークの混在する雑種タイプを使用した。
冷却処理による影響を可能な限り純粋に比較するため、本実験は高温、破砕処理、C/N比等の堆肥化におけるバクテリア活動の最適化はせず一定の同条件のもと室温で行った。
それゆえ、実験結果は堆肥処理の最速化を分析する目的ではなく、さらに冷却処理がもたらしうる堆肥化の速度を示すものでもない。
本実験中の室温は約24℃〜27℃で、有機廃棄物は、いずれも破砕されていない状態の5リットルの廃棄物と15リットルの堆肥を容器内で混入攪拌したものを、一方は−10℃に冷却処理を施した廃棄物「冷却処理サンプル」と、冷却せず室温(24℃)で無処理の廃棄物「無処理サンプル」とに分け、両者の温度差(堆肥化率に比例する)を測定した(1次投入)。
【0037】
上記冷却処理サンプルを室温にて放置し、約19.5℃になったものと、上記無処理サンプルを2008年5月26日午前3時50分、室温24℃の状態でそれぞれ別の容器に投入後、同条件により定期的に攪拌を行った。それぞれの廃棄物サンプルにサーモカップルを挿入し温度と相対湿度を1分毎に6月2日迄の7日間測定した。
両サンプルにおける温度差の変化は図9の通りであり、測定のポイントとなる1次投入直後と、1次発酵のピーク時および1次発酵の終了時における各サンプルの温度は「表1」の通りであった。
【0038】
【表1】
【0039】
廃棄物攪拌後も無処理サンプルの温度はその時の室温(24℃〜27℃)と同温でほとんど変化しなかった。これは堆肥化のための条件が最適化されたものではなかったからである。これをその後さらに19日間放置したが目立った変化は見られなかった。
しかしながら、冷却処理を施したサンプルの温度は同じ環境下で放置されていたにも拘らず、「表1」が示すように、投入後急な上昇を初め、18時間後の5月26日21時50分には19.5℃から28.5℃へとピークに達し、無処理サンプルとの温度差は「+2.0℃」となった。このピークは温度上昇を伴う「1次発酵」と関連しており、堆肥化過程における重要な反応である。これは無処理サンプルと比べて冷却処理サンプルの堆肥化が盛んに行われていることを示している。この時の温度上昇率は0.5oC/時〔(28.5−19.5)÷18=0.5〕であった。
【0040】
この時、冷却処理サンプルの入った容器内には堆肥化により発生した水滴が数多くみられ、ピーク後のサンプルは、目視では既存の堆肥と区別は不可能となった。これに対し、この時の無処理サンプルの状態は投入時と変わっておらず、廃棄物は容易に目視で区別することができた。
【0041】
図9は前記実験により得られた温度差の変化と時間との関係を示している。図9中、5月26日の1次投入の後温度差はプラス方向に急激に上がっていき、冷却処理サンプルの温度が無処理のサンプルと比べ、より短期間で上昇したことを示している。これは、冷却処理サンプルの堆肥化が無処理サンプルに比し顕著な速度で進んでいったためである。
図9に示される最初のピークは堆肥化過程における1次発酵に関連しており、この時の初期の効果は特に重要である。このピークが表1から明らかなように廃棄物投入の約18時間後に発生していることから、冷却処理サンプルの1次発酵が短時間で始まったことがわかる。また、図9から明らかなように、冷却処理サンプルの1次発酵は最初の2.5日で終了しており、冷却処理サンプルの堆肥化が高速に進んだことがわかる。
【0042】
なお、図10は前記実験における相対湿度差の時間変化を表している。図10における湿度差の無数の顕著な増加は、実験中定期的に実施された攪拌時と一致しており、攪拌により廃棄物内に捉えられていた水蒸気が一気に開放されたからである。増加方向がプラス方向であるため、無処理サンプルよりも冷却処理サンプルの放出した水分量が高かったことを表しており、冷却処理サンプルの堆肥化が顕著に進行していたことがわかる。
【0043】
これら結果が示すように、有機廃棄物に対する冷却処理は堆肥化率を大幅に向上させるため、より多くの廃棄物を少ない時間で処理することができる。堆肥化率が上がることにより、さらに多くの廃棄物を少ない時間で減量することが可能となり、家庭規模から産業規模に至るまで利益を生み出し、環境負荷が軽減される。
【実施例2】
【0044】
本発明者はさらに続けて2008年6月4日午前5時44分、前記に記載のサンプルが入ったそれぞれの容器に、新たに5リットルの有機廃棄物を連続して追加投入(2次投入)した。新たに追加投入された廃棄物はそれぞれ既存のサンプルと攪拌により均等に混合され、蓋が閉められた。新たに投入した有機廃棄物としては前記と同種のキャベツ、にんじん、パセリ、パセリの葉、ライム、ライムの皮、トースト、たまねぎ、たまねぎの外皮、じゃがいも、じゃがいもの皮、生の豚肉、調理された米、ポーターチーズ、クラッカーを含むものであった。
【0045】
上記廃棄物の2次投入後、各混合サンプル内の温度をサーモカップルで前記と同じように1分毎に6月11日迄の7日間測定した。両サンプルにおける温度差の変化は図11の通りであり、測定のポイントとなる2次投入直後とこのサンプルの1次発酵のピーク時および1次発酵終了時における各サンプルの温度差は「表2」の通りであった。
【0046】
【表2】
【0047】
「表2」が示すように、冷却処理サンプルの温度は、2次投入後15時間後の6月4日20時49分には25.0℃から35.5℃へと急激に上昇し、無処理サンプルとの温度差は「+8.0℃」とピークを迎えた。この時の温度上昇率は約0.7℃/時[(35.5−25.0)÷15=0.7]で、1次投入時の温度上昇率(0.5oC/時)より40%も高く、1次投入時の冷却処理サンプルより堆肥化がさらに顕著に進んでいたことがわかる。
2次投入の4日後の6月8日15時27分には、温度差は0℃になって前記冷却処理サンプルの1次発酵は安定し、室温と平衡しはじめた。
【0048】
図11は、前記有機廃棄物の2次投入による実験で得られた温度差の変化と時間との関係を示している。この実験では2次投入後、約15時間で最初のプラス方向のピークが観測された。1次投入後に発生したピークの時間(18時間後)よりも早く発生したのは、冷却処理サンプルの容器内で、1次投入分の堆肥化時より多くのバクテリアが顕著に繁殖したからである。このため、バクテリア活動がさらに活発になり冷却処理サンプルの堆肥化をより加速させた。このことからわかるように、本発明の冷却手段は堆肥化促進に大きな効果を与えることができる。
【0049】
前記実験1における1次投入と、この実験2における2次投入の連続投入後の結果を比較しやすくするため両データを図12に並記した。1次投入後、冷却処理サンプルが著しく発酵し、それに伴って繁殖したバクテリアによる活動が活発化したため、2次投入後の1次発酵に伴うプラス方向のピークは1次投入後のピークよりも前記表1と表2のデータから明らかなように3時間早く迎えた。また、1次投入後のピークの温度差2℃に対し、2次投入後のピークの温度差は8℃で温度差が6℃も高くなったのは、廃棄物の堆肥化が冷却および2次投入時に繁殖したバクテリアにより強化されたからである。これは無処理サンプルとの堆肥化反応に対して明らかな差を示している。これらの結果は冷却処理と連続投入の有効な相乗効果を示している。
【0050】
また、図12における温度差の上昇からわかるように、バクテリアの繁殖が、2次投入された廃棄物の堆肥化を向上させたと仮定すると、冷却処理により増加した廃棄物の物理的表面積は律速因子ではなく、バクテリアの数以外の堆肥化環境の向上がさらなる堆肥化率の上昇を生むという事実である。このことから、本発明が提示する冷却手段は1次投入および2次投入においても堆肥化に効果をもたらしたことがわかる。これら結果が立証するように、本発明手段は生ごみ等の廃棄物を含んだあらゆる有機物に適用でき、それによる堆肥化率の著しい向上は明らかである。
このような効果は無処理サンプルへの連続投入実験からは見られず、無処理サンプルでは逆に嫌気性バクテリアの活性を促す結果、メタンガス等による悪臭が発生した。
【0051】
さらに、堆肥15リットルに対して、1次投入5リットルに加え、2次投入5リットルと、合計10リットルの新規な有機廃棄物が投入されたにも拘らず、堆肥の色はもとの黒から茶へと変わり、冷却処理サンプルの堆肥化後の総体積は著しく減少して堆肥化が進んだことを示していた。これに対し無処理サンプルの体積は投入によって増加したままほとんど変化しなかった。
【0052】
なお、上記実験は冷却処理サンプルに対し、−10℃に冷却した場合について行なったが、この冷却温度は0℃以下の凍結可能な温度であれば同様の効果が得られるものであり、−20℃程度でも同様の効果が得られ実用可能である。
以上、本発明を、複数の形態について説明した。しかしながら、当分野に精通したものには本発明の視野から離れずに、多種の修正を施すことが可能なのは明らかである。
【符号の説明】
【0053】
1 廃棄物処理機の本体
2 送気口
3 冷却装置
4 破砕ユニット
5 脱水・攪拌ユニット
6 加熱・攪拌ユニット
7 堆肥取り出し口
8 廃棄物投入口
9 廃棄物
10 破砕ロッド
11 固定盤
12 操作パネル
13 攪拌スクリュー
14 筒形攪拌槽
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機廃棄物における廃棄物の内部組織の体積膨張を促進する手段を備えた堆肥化促進方法およびその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
埋立地に持ち込まれる廃棄物の量を減らすことは、昨今、特に求められてきている。その要求は人口密度の高い地域では高くなる傾向であり、都市部などではリサイクルを促進するために分別収集が実行されている。さらに世界的にみると、カナダ、アメリカ、オランダなど欧米の先進国では自治体レベルで有機廃棄物(生ごみ)の分別収集・堆肥化を行い、廃棄物全体の減量化に貢献しているところも少なくない。
【0003】
堆肥化は有機廃棄物の減量およびリサイクル方法として注目されている。堆肥化は家庭の台所から出る様々な廃棄物の理想的な処理方法である。芝生、葉、枝、果物、野菜、卵の殻、穀物などはすべて堆肥化の対象となる。家庭の廃棄物の3分の1から2分の1が堆肥処理できると推定されている。これにより必要な埋立地や自治体が負担する処理費を減らすことができる。
【0004】
堆肥化装置は、典型的には廃棄物を入れるための容器からなっている。湿度、酸素量、温度およびバクテリアなど様々な環境要因も必要とされる。最適な結果を得るために有機廃棄物は湿気の中になくてはならず、そして好気性の堆肥過程には酸素が必要なため空気が常に循環していなければならない。空気が不十分になると嫌気性バクテリアが活発化し不快臭を発生させる結果となる。
このため、前記堆肥化装置においては、廃棄物を収納する容器に、通常、廃棄物を細かく裁断する破砕手段が設けられている。
【0005】
前記容器内には酸素が十分に存在し、好気性バクテリアが活性化することにより、堆肥化の過程で悪臭の発生しないことが望ましい。廃棄物を最大限に空気にさらすために、また、破砕を兼ねるために攪拌することも必要である。
【0006】
現在、有機廃棄物の堆肥化装置としては各種のものが多数存在するが、これらの装置に用いられる手段として特徴的なものは、破砕ユニット内の廃棄物に対する昇温化と攪拌により廃棄物内のバクテリアによる分解反応を高める手段を備えていることであり、本発明のような、破砕ユニット内の有機廃棄物における廃棄物の内部組織の体積膨張を促し、内部組織の破壊を高めるようにしたものはなかった。また、前記廃棄物の内部組織の体積膨張手段として、冷却ないし冷凍するという着想のものもなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
多くの現存する堆肥化促進装置は、労働集約的で機械的にも複雑でしかも堆肥化速度は不十分である。既存する廃棄物処理機の堆肥化強化手段の多くが、高温処理、C/N比、pH、湿度、水分量、酸素量、破砕、触媒の利用等、特に化学的要因の最適化に強く依存しており、これらすべての既知要因が最適化された上での分解・堆肥化効率のさらなる向上は困難と考えられていた。
特に都心部では深刻な土地不足から、堆肥化率(減量率、および分解率に関連する)を向上させるための巨大な堆肥化施設を建設することは難しく、埋め立て等による環境負荷が慢性化している。それゆえ、堆肥化率を上げるための新しい方法と装置の開発は課題であった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明においては、有機廃棄物のバクテリアによる分解反応を高めるため、廃棄物の内部組織の物理上の表面積を増加する処理手段が廃棄物に施される。一般に実施されている攪拌・破砕手段のように、マクロ的に廃棄物の表面積を増やす手段も知られているが、本発明は廃棄物を冷却ないし冷凍することにより、廃棄物における内部組織内の水分膨張による内部組織の破壊を促進し、バクテリアによる分解反応可能な物理的表面積をミクロレベルで拡大することにより、高い堆肥化率(生物分解率)をもたらして上記課題を解決する。
前記有機廃棄物における内部組織の体積膨張は、廃棄物中の内部組織に多量に含まれる水分が0oC以下に冷却され固体化する際に膨張するという、水分子特有の物理現象を利用するものであるが、この他、急激な気圧の変化(減圧)を利用することもできる。
【0009】
すなわち、本発明の第1は、有機廃棄物のバクテリアによる分解反応を高める手段において、廃棄物の内部組織の体積膨張を促進することにより、内部組織の破壊を高めるようにしたことを特徴とする堆肥化促進方法である。
【0010】
また、本発明の第2は前記第1の発明において、廃棄物の内部組織の体積膨張を、廃棄物の冷却ないし冷凍により行なうことを特徴とする堆肥化促進方法である。
【0011】
また、本発明の第3は、前記第2の発明において、冷却温度が0℃〜−20℃であることを特徴とする堆肥化促進方法である。
【0012】
また、本発明の第4は、前記第2の発明において、冷却手段が液体窒素を利用したものであることを特徴とする堆肥化促進方法である。
【0013】
また、本発明の第5は、破砕ユニット内における有機廃棄物の内部組織の体積膨張により、内部組織の破壊を促進し、有機廃棄物のバクテリアによる分解反応を高める堆肥化装置において、前記有機廃棄物を冷却ないし冷凍する手段を有することを特徴とする堆肥化促進装置である。
【0014】
また、本発明の第6は、前記第5の発明において、冷却手段が堆肥化促進装置本体に設けられた冷却装置により発生させた冷気を有機廃棄物の破砕ユニット内に送気するものである堆肥化促進装置である。
【0015】
また、本発明の第7は、前記第5の発明において、冷却手段が液体窒素の噴射によるものである堆肥化促進装置である。
【0016】
また、本発明の第8は、前記第5の発明において、冷却手段が有機廃棄物の破砕ユニットに設けられた攪拌スクリューを介して間接的に冷却するものである堆肥化促進装置である。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、有機廃棄物に対する冷却処理に伴う廃棄物の内部組織中の水分等の体積膨張が、内部組織の細胞壁等の内部破壊をミクロ的に誘発させ、その結果、バクテリア活動における反応表面積を増加させることにより、有機廃棄物の堆肥化の高速化を可能にした。
現在市場に出回っている堆肥化装置の破砕手段と比べて、本発明は、冷却処理され体積が膨張して脆弱となった有機廃棄物の内部組織を破砕することによりさらに細粒化処理され、廃棄物の反応表面積を最大化することができる。これにより、廃棄物中の好気性バクテリアが活発化する一方、嫌気性バクテリアの活動が抑制され、悪臭の発生を最小化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明装置の側面図
【図2】本発明装置の平面図
【図3】本発明装置の正面図
【図4】本発明装置の背面図
【図5】破砕ユニットの別の形態の斜視図
【図6】図5の縦断側面図
【図7】攪拌スクリューの斜視図
【図8】図7の縦断側面図
【図9】1次投入による廃棄物への冷却効果を示す温度差の変化と時間の関係図
【図10】1次投入による廃棄物への冷却効果を示す湿度差の変化と時間の関係図
【図11】連続投入された廃棄物への冷却効果を示す温度差の変化と時間との関係図
【図12】1次投入時と2次投入時における廃棄物への冷却効果を示す温度差の変化と時間との関係図
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明では、堆肥化促進装置の容器すなわち、破砕ユニットに入った有機廃棄物が直接又は間接的に0℃以下に冷却される。産業レベルでの連続操業への適用のための迅速な冷却が必要な場合には液体窒素の注入や冷却手段を備えた攪拌機を利用してもよい。
【0020】
本発明は冷却を利用した全ての種類の手段と装置を含む。すなわち、冷却手段としては、液体窒素の他、気圧圧縮型その他各種の冷却手段も使用することができる。
【0021】
また、本発明の冷却手段は、破砕ユニットに投入された有機廃棄物を直接冷却する他、廃棄物の入った破砕ユニットの容器を冷却することにより廃棄物を間接的に冷却することもできる。この場合、温度変化は、廃棄物中のガスや水分の原子レベルでの振動を通じて廃棄物へ伝播させることができる。さらに、廃棄物全体としてマクロ的には熱交換が行われることで冷却が進行する。
前記破砕ユニットの容器はステンレススチールのように錆びにくく、さらに熱伝導率の高い材料でできていることが望まれる。また、冷却手段を備えた容器全体をセラミックのような保温性に優れた壁で覆うことでエネルギー効果の高い熱交換を行うこともできる。
【0022】
また、本発明の最大のポイントである有機廃棄物の体積膨張手段として、冷却のほか気圧の変化を利用することもできる。この場合、廃棄物を密閉状態に保ち、加圧後一気に常圧に戻すことによって廃棄物の内部組織の体積が膨張するため堆肥化の促進効果が得られる。
【実施例】
【0023】
以下本発明の代表的な実施例として、冷却手段を用いる場合を例に挙げて説明する。
図1〜4は本発明の堆肥化装置全体の概念図を表しており、図1は本発明装置の側面図、図2は本発明装置の平面図、図3は本発明装置の正面図、図4は本発明装置の背面図、図5は本発明における破砕ユニットの別の実施例の斜視図、図6は図5の縦断側面図、図7は攪拌スクリューの斜視図、図8は図7の縦断側面図、図9は1次投入による廃棄物への冷却効果を示す温度差の変化と時間の関係図、図10は1次投入による廃棄物への冷却効果を示す湿度差の変化と時間の関係図、図11は連続投入された2次投入による廃棄物への冷却効果を示す温度差の変化と時間との関係図、図12は1次投入時と2次投入時における廃棄物への冷却効果を示す温度差の変化と時間との関係図である。
本発明に係る堆肥化促進装置は、立方形状の廃棄物処理機の本体1、本体1の背面の操作パネル12、本体1の内部後方に配置した冷却装置3、上面に廃棄物投入口8を備えた内部前方上部の破砕ユニット4、破砕ユニット下部の脱水・攪拌ユニット5、その下部の加熱・攪拌ユニット6、堆肥取り出し口7、前記冷却装置3から破砕ユニット4の内部に通じる送気口2から成っている。
脱水・攪拌ユニット5と加熱・攪拌ユニット6は別々であっても構わないが、ひとつに合体した形の脱水と加熱の切替機能を有する攪拌ユニット(図示せず)とした方が効率的・経済的に有効であり、さらに設計上コンパクトとなる。
また、前記脱水・攪拌ユニット5または/および加熱・攪拌ユニット6は図示のように破砕ユニット4の下部に配置してもよいが、これらを破砕ユニット4内に装備させてもよい。
【0024】
前記冷却装置3としては、従来利用されている気化圧縮型、気圧吸収型、スターリング型、またはペルチェ型等の冷却手段が適用できる。気圧吸収型やペルチェ型の場合、コンプレッサを必要としないので静穏での作動が可能である。特に気圧吸収型はヒーターを利用するため堆肥化装置の高温処理に必要なヒーターと共用することができ、装置全体のサイズを縮小することができる。また、ペルチェ冷却を利用するとさらに安価で小型の装置を実現することが可能である。
【0025】
冷却手段として前記した各型式の冷却装置3の例以外に、液体窒素を用いることもできる。液体窒素は、熱を遮断することで窒素の沸点(−196℃)以下の低温を安易に保つことができる。
液体窒素を使用する場合、液体窒素を充填したタンクを冷却装置3に設置することで、廃棄物の入った破砕ユニット4の容器もしくは廃棄物9自体に送気口2を通じて液体窒素を噴射し、廃棄物を高速に冷却することができる。この場合、冷却は瞬時に行われ、冷却に掛かる時間が短縮されるため、企業や自治体レベルでの大量処理が可能である。
【0026】
図5、図6は前記冷却手段の別の形態を表している。この形態では、有機廃棄物9は容器の中に投入され、冷却手段としては冷却装置3を固定盤11と接触させることにより固定盤11を冷却するしくみになっている。また、無数の破砕ロッド10が固定盤11とつながっており、冷却された固定盤11からの伝播により冷却された破砕ロッド10を廃棄物9に貫通させた時、熱交換が起こり廃棄物9が冷却される。
破砕ロッド10は錆びにくく、熱伝導率の高いステンレススチールのような材料が使用されることが望ましい。破砕ロッド10の表面には溝や刻みをつけ廃棄物へのスクラブ効果を高めることで、破砕率を高めることができる。
この装置においては、破砕ロッド10と固定盤11を冷却後引き上げ、その後冷却された廃棄物9を破砕ユニット4内に投入し必要により公知の手段により破砕する。
また、この装置においては、廃棄物の冷却後、冷却手段を停止し、ヒーターを固定盤11に取り付けて固定盤11を加熱することにより、冷却に続いて廃棄物の乾燥および高温での堆肥化処理を継続して実行することも可能である。
【0027】
冷却装置3により生み出される低温の冷気は、有機廃棄物の入った容器すなわち破砕ユニット4に送り込まれる。本発明の手段および装置では、理論上は0oC以下の凍結可能な温度域で適用することが可能であるが、好結果は、0℃〜−20℃と幅広い温度域で得られ、さらに、最善の結果のためには高速な冷却が望ましい。
【0028】
次に、本発明に係る堆肥化促進装置の作用について説明する。
有機廃棄物は廃棄物投入口8から破砕ユニット4に投入され、送気口2を通じて冷却装置3から破砕ユニット4内に直接送られる0℃以下の冷気によって廃棄物が凍結され、廃棄物の内部組織の体積膨張を促進して内部組織の破壊を高め、その後必要により公知の手段にて破砕される。
冷却された廃棄物は破砕ユニット4の底部をスライド式に開くことで脱水・攪拌ユニット5に移動し、そこで攪拌されながら脱水される。さらに、脱水・攪拌ユニット5で脱水された廃棄物は、脱水・攪拌ユニット5の底部をスライド式に開くことで加熱・攪拌ユニット6に移動し、そこで一定の速度で攪拌されながら60℃前後に加熱処理されることにより堆肥化が進められる。
最終的に加熱・攪拌ユニット6に溜められ堆肥化された有機廃棄物は、下部前面の堆肥取り出し口7から取り出される。
【0029】
本発明において、前記有機廃棄物を冷却した際、その温度変化に関連して体積膨張が廃棄物の内部組織の破壊をミクロ的に導くことになり、有機廃棄物のバクテリアによる分解反応を高めることになる。
体積膨張を起こす温度変化と気圧変化は熱力学的に関連しており、従って、体積膨張手段として冷却以外にも気圧変化を利用することもできる。すなわち、有機廃棄物を密閉状態に置き、加圧後、一気に減圧することによっても廃棄物の内部組織の体積は膨張し、堆肥化促進効果が得られる。
【0030】
図7、図8は攪拌機を利用した本発明に係る冷却手段の一つの形態を表している。この形態では、有機廃棄物を移動したり攪拌するためのスクリュー機構が使用され、廃棄物9は筒形攪拌槽14内に配置した攪拌スクリュー13を回転させることで攪拌され、移動するしくみになっている。冷却装置3を攪拌スクリュー13に接続することで廃棄物9は攪拌スクリュー13を通じて冷却される。また、攪拌スクリュー13の表面は細溝等の形成により粗くし廃棄物9の表面のスクラブ効果を高めることができる。
この形態では、廃棄物9は前記破砕ユニット4を省略して、スクリュー機構により移動させながら冷却することもできる。このため連続操業が可能であり大量の廃棄物9を連続投入することにより、一定の速度で効率よく堆肥化処理することができる。
【0031】
以上、簡潔な形態の堆肥化装置を示したが、本発明は冷却装置を含むいかなる種類の堆肥化装置をも含んでいる。本発明の堆肥化装置は冷却装置と共に新しく製作することも、あるいは既存する装置を改造して冷却装置を追加設置することによっても完成させることができる。
【0032】
本発明における冷却装置は、産業規模の大型のものから家庭用の小型のものまで様々な形態の堆肥化装置に使用することができる。例えば、小さな台所、アパートやマンションのような小型のユニット、学校等の公共施設やレストラン、さらには地方自治体による巨大な堆肥化施設などである。本発明における有機廃棄物のバクテリアによる分解反応の反応率を上げるための冷却手段は、バイオ修復反応、生物燃料の生産、汚泥処理等各種の生物反応装置にも適用できる。
【0033】
本発明の冷却手段は、湿度、温度、水分、C/N比、酸素量、pH、バクテリアといった適切な環境要因を持ち備えた廃棄物処理機、または、その一部を備えた既存の廃棄物処理機への活用および適用を含んでいる。また、本発明の冷却手段は、市場に出回っている多種の堆肥化装置にも容易に適応することができる。
【0034】
産業規模では大型もしくは複数個の冷却装置の使用が望まれるが、その場合、各冷却装置の熱伝導機能を考慮したうえで冷却効果を損ねることなく効率よく設置する必要がある。
【0035】
本発明における、冷却による堆肥化率への効果を雑種混合した有機廃棄物のサンプルで実験により評価した。堆肥化の促進率は、堆肥化過程が発熱性の酸化反応であるため、廃棄物から発生する温度変化を分析することにより知ることができる。廃棄物の堆肥化が進み熱が生まれると、廃棄物およびその近辺の温度は上昇する。さらに廃棄物の堆肥化過程で水分が発生するため、相対湿度を測定することによっても堆肥化の程度を知ることができる。
【実施例1】
【0036】
本実験では、冷却処理した廃棄物と、室温で無処理の廃棄物との堆肥過程における温度差を算出することで冷却処理の堆肥化への効果を評価した。この温度差がプラスであると冷却処理をした廃棄物の堆肥化反応におけるバクテリアがより活発であることを示し、マイナスであるとその逆であることを示す。
有機廃棄物としてはレタス、キャベツ、きゅうり、パセリ、パセリの葉、ピーマン、パプリカ、卵、卵の殻、フランスパン、たまねぎ、たまねぎの外皮、バナナ、にんじん、ビーフステーキ、調理ポークの混在する雑種タイプを使用した。
冷却処理による影響を可能な限り純粋に比較するため、本実験は高温、破砕処理、C/N比等の堆肥化におけるバクテリア活動の最適化はせず一定の同条件のもと室温で行った。
それゆえ、実験結果は堆肥処理の最速化を分析する目的ではなく、さらに冷却処理がもたらしうる堆肥化の速度を示すものでもない。
本実験中の室温は約24℃〜27℃で、有機廃棄物は、いずれも破砕されていない状態の5リットルの廃棄物と15リットルの堆肥を容器内で混入攪拌したものを、一方は−10℃に冷却処理を施した廃棄物「冷却処理サンプル」と、冷却せず室温(24℃)で無処理の廃棄物「無処理サンプル」とに分け、両者の温度差(堆肥化率に比例する)を測定した(1次投入)。
【0037】
上記冷却処理サンプルを室温にて放置し、約19.5℃になったものと、上記無処理サンプルを2008年5月26日午前3時50分、室温24℃の状態でそれぞれ別の容器に投入後、同条件により定期的に攪拌を行った。それぞれの廃棄物サンプルにサーモカップルを挿入し温度と相対湿度を1分毎に6月2日迄の7日間測定した。
両サンプルにおける温度差の変化は図9の通りであり、測定のポイントとなる1次投入直後と、1次発酵のピーク時および1次発酵の終了時における各サンプルの温度は「表1」の通りであった。
【0038】
【表1】
【0039】
廃棄物攪拌後も無処理サンプルの温度はその時の室温(24℃〜27℃)と同温でほとんど変化しなかった。これは堆肥化のための条件が最適化されたものではなかったからである。これをその後さらに19日間放置したが目立った変化は見られなかった。
しかしながら、冷却処理を施したサンプルの温度は同じ環境下で放置されていたにも拘らず、「表1」が示すように、投入後急な上昇を初め、18時間後の5月26日21時50分には19.5℃から28.5℃へとピークに達し、無処理サンプルとの温度差は「+2.0℃」となった。このピークは温度上昇を伴う「1次発酵」と関連しており、堆肥化過程における重要な反応である。これは無処理サンプルと比べて冷却処理サンプルの堆肥化が盛んに行われていることを示している。この時の温度上昇率は0.5oC/時〔(28.5−19.5)÷18=0.5〕であった。
【0040】
この時、冷却処理サンプルの入った容器内には堆肥化により発生した水滴が数多くみられ、ピーク後のサンプルは、目視では既存の堆肥と区別は不可能となった。これに対し、この時の無処理サンプルの状態は投入時と変わっておらず、廃棄物は容易に目視で区別することができた。
【0041】
図9は前記実験により得られた温度差の変化と時間との関係を示している。図9中、5月26日の1次投入の後温度差はプラス方向に急激に上がっていき、冷却処理サンプルの温度が無処理のサンプルと比べ、より短期間で上昇したことを示している。これは、冷却処理サンプルの堆肥化が無処理サンプルに比し顕著な速度で進んでいったためである。
図9に示される最初のピークは堆肥化過程における1次発酵に関連しており、この時の初期の効果は特に重要である。このピークが表1から明らかなように廃棄物投入の約18時間後に発生していることから、冷却処理サンプルの1次発酵が短時間で始まったことがわかる。また、図9から明らかなように、冷却処理サンプルの1次発酵は最初の2.5日で終了しており、冷却処理サンプルの堆肥化が高速に進んだことがわかる。
【0042】
なお、図10は前記実験における相対湿度差の時間変化を表している。図10における湿度差の無数の顕著な増加は、実験中定期的に実施された攪拌時と一致しており、攪拌により廃棄物内に捉えられていた水蒸気が一気に開放されたからである。増加方向がプラス方向であるため、無処理サンプルよりも冷却処理サンプルの放出した水分量が高かったことを表しており、冷却処理サンプルの堆肥化が顕著に進行していたことがわかる。
【0043】
これら結果が示すように、有機廃棄物に対する冷却処理は堆肥化率を大幅に向上させるため、より多くの廃棄物を少ない時間で処理することができる。堆肥化率が上がることにより、さらに多くの廃棄物を少ない時間で減量することが可能となり、家庭規模から産業規模に至るまで利益を生み出し、環境負荷が軽減される。
【実施例2】
【0044】
本発明者はさらに続けて2008年6月4日午前5時44分、前記に記載のサンプルが入ったそれぞれの容器に、新たに5リットルの有機廃棄物を連続して追加投入(2次投入)した。新たに追加投入された廃棄物はそれぞれ既存のサンプルと攪拌により均等に混合され、蓋が閉められた。新たに投入した有機廃棄物としては前記と同種のキャベツ、にんじん、パセリ、パセリの葉、ライム、ライムの皮、トースト、たまねぎ、たまねぎの外皮、じゃがいも、じゃがいもの皮、生の豚肉、調理された米、ポーターチーズ、クラッカーを含むものであった。
【0045】
上記廃棄物の2次投入後、各混合サンプル内の温度をサーモカップルで前記と同じように1分毎に6月11日迄の7日間測定した。両サンプルにおける温度差の変化は図11の通りであり、測定のポイントとなる2次投入直後とこのサンプルの1次発酵のピーク時および1次発酵終了時における各サンプルの温度差は「表2」の通りであった。
【0046】
【表2】
【0047】
「表2」が示すように、冷却処理サンプルの温度は、2次投入後15時間後の6月4日20時49分には25.0℃から35.5℃へと急激に上昇し、無処理サンプルとの温度差は「+8.0℃」とピークを迎えた。この時の温度上昇率は約0.7℃/時[(35.5−25.0)÷15=0.7]で、1次投入時の温度上昇率(0.5oC/時)より40%も高く、1次投入時の冷却処理サンプルより堆肥化がさらに顕著に進んでいたことがわかる。
2次投入の4日後の6月8日15時27分には、温度差は0℃になって前記冷却処理サンプルの1次発酵は安定し、室温と平衡しはじめた。
【0048】
図11は、前記有機廃棄物の2次投入による実験で得られた温度差の変化と時間との関係を示している。この実験では2次投入後、約15時間で最初のプラス方向のピークが観測された。1次投入後に発生したピークの時間(18時間後)よりも早く発生したのは、冷却処理サンプルの容器内で、1次投入分の堆肥化時より多くのバクテリアが顕著に繁殖したからである。このため、バクテリア活動がさらに活発になり冷却処理サンプルの堆肥化をより加速させた。このことからわかるように、本発明の冷却手段は堆肥化促進に大きな効果を与えることができる。
【0049】
前記実験1における1次投入と、この実験2における2次投入の連続投入後の結果を比較しやすくするため両データを図12に並記した。1次投入後、冷却処理サンプルが著しく発酵し、それに伴って繁殖したバクテリアによる活動が活発化したため、2次投入後の1次発酵に伴うプラス方向のピークは1次投入後のピークよりも前記表1と表2のデータから明らかなように3時間早く迎えた。また、1次投入後のピークの温度差2℃に対し、2次投入後のピークの温度差は8℃で温度差が6℃も高くなったのは、廃棄物の堆肥化が冷却および2次投入時に繁殖したバクテリアにより強化されたからである。これは無処理サンプルとの堆肥化反応に対して明らかな差を示している。これらの結果は冷却処理と連続投入の有効な相乗効果を示している。
【0050】
また、図12における温度差の上昇からわかるように、バクテリアの繁殖が、2次投入された廃棄物の堆肥化を向上させたと仮定すると、冷却処理により増加した廃棄物の物理的表面積は律速因子ではなく、バクテリアの数以外の堆肥化環境の向上がさらなる堆肥化率の上昇を生むという事実である。このことから、本発明が提示する冷却手段は1次投入および2次投入においても堆肥化に効果をもたらしたことがわかる。これら結果が立証するように、本発明手段は生ごみ等の廃棄物を含んだあらゆる有機物に適用でき、それによる堆肥化率の著しい向上は明らかである。
このような効果は無処理サンプルへの連続投入実験からは見られず、無処理サンプルでは逆に嫌気性バクテリアの活性を促す結果、メタンガス等による悪臭が発生した。
【0051】
さらに、堆肥15リットルに対して、1次投入5リットルに加え、2次投入5リットルと、合計10リットルの新規な有機廃棄物が投入されたにも拘らず、堆肥の色はもとの黒から茶へと変わり、冷却処理サンプルの堆肥化後の総体積は著しく減少して堆肥化が進んだことを示していた。これに対し無処理サンプルの体積は投入によって増加したままほとんど変化しなかった。
【0052】
なお、上記実験は冷却処理サンプルに対し、−10℃に冷却した場合について行なったが、この冷却温度は0℃以下の凍結可能な温度であれば同様の効果が得られるものであり、−20℃程度でも同様の効果が得られ実用可能である。
以上、本発明を、複数の形態について説明した。しかしながら、当分野に精通したものには本発明の視野から離れずに、多種の修正を施すことが可能なのは明らかである。
【符号の説明】
【0053】
1 廃棄物処理機の本体
2 送気口
3 冷却装置
4 破砕ユニット
5 脱水・攪拌ユニット
6 加熱・攪拌ユニット
7 堆肥取り出し口
8 廃棄物投入口
9 廃棄物
10 破砕ロッド
11 固定盤
12 操作パネル
13 攪拌スクリュー
14 筒形攪拌槽
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機廃棄物のバクテリアによる分解反応を高める手段において、廃棄物の内部組織の体積膨張を促進することにより、内部組織の破壊を高めるようにしたことを特徴とする堆肥化促進方法。
【請求項2】
前記有機廃棄物の体積膨張を、廃棄物の冷却ないし冷凍により行なうことを特徴とする請求項1に記載の堆肥化促進方法。
【請求項3】
前記冷却の温度が0℃〜−20oCであることを特徴とする請求項2に記載の堆肥化促進方法。
【請求項4】
前記冷却手段が液体窒素を利用したものであることを特徴とする請求項2に記載の堆肥化促進方法。
【請求項5】
破砕ユニット内における有機廃棄物の内部組織の体積膨張により、内部組織の破壊を促進し、有機廃棄物のバクテリアによる分解反応を高める堆肥化装置において、前記有機廃棄物を冷却ないし冷凍する手段を有することを特徴とする堆肥化促進装置。
【請求項6】
前記冷却手段が、堆肥化促進装置本体に設けられた冷却装置により発生させた冷気を有機廃棄物の破砕ユニット内に送気するものである請求項5に記載の堆肥化促進装置。
【請求項7】
前記冷却手段が、液体窒素の噴射によるものである請求項5に記載の堆肥化促進装置。
【請求項8】
前記冷却手段が、有機廃棄物の破砕ユニットに設けられた攪拌スクリューを介して間接的に冷却するものである請求項5に記載の堆肥化促進装置。
【請求項1】
有機廃棄物のバクテリアによる分解反応を高める手段において、廃棄物の内部組織の体積膨張を促進することにより、内部組織の破壊を高めるようにしたことを特徴とする堆肥化促進方法。
【請求項2】
前記有機廃棄物の体積膨張を、廃棄物の冷却ないし冷凍により行なうことを特徴とする請求項1に記載の堆肥化促進方法。
【請求項3】
前記冷却の温度が0℃〜−20oCであることを特徴とする請求項2に記載の堆肥化促進方法。
【請求項4】
前記冷却手段が液体窒素を利用したものであることを特徴とする請求項2に記載の堆肥化促進方法。
【請求項5】
破砕ユニット内における有機廃棄物の内部組織の体積膨張により、内部組織の破壊を促進し、有機廃棄物のバクテリアによる分解反応を高める堆肥化装置において、前記有機廃棄物を冷却ないし冷凍する手段を有することを特徴とする堆肥化促進装置。
【請求項6】
前記冷却手段が、堆肥化促進装置本体に設けられた冷却装置により発生させた冷気を有機廃棄物の破砕ユニット内に送気するものである請求項5に記載の堆肥化促進装置。
【請求項7】
前記冷却手段が、液体窒素の噴射によるものである請求項5に記載の堆肥化促進装置。
【請求項8】
前記冷却手段が、有機廃棄物の破砕ユニットに設けられた攪拌スクリューを介して間接的に冷却するものである請求項5に記載の堆肥化促進装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−208882(P2010−208882A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−55864(P2009−55864)
【出願日】平成21年3月10日(2009.3.10)
【出願人】(597001936)有限会社ジェーフィット (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月10日(2009.3.10)
【出願人】(597001936)有限会社ジェーフィット (1)
【Fターム(参考)】
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