説明

場所に基づいた専用の地域別オンラインテレビゲームフォーラム

【課題】テレビゲームプレーヤのためにチャットフォーラム等を開催するための技術を提供する。
【解決手段】専用のチャットフォーラムまたは共通のテレビゲーム環境のフォーラムを自動作成し、ゲームプレーヤの共通の属性に基づいてオンラインのテレビゲームプレーヤを招待するための方法、システム、及び装置が提供される。共通属性の決定はクラスタリングアルゴリズムにより行われる。同じ都市にいるプレーヤ、プレイ技術が同じプレーヤ、及び/または他の共通の属性を有するプレーヤ達はチームとしてプレイすることもできるし、対戦することもできる。プレーヤがフォーラムから抜けると、他のオンラインプレーヤを含むようにフォーラムへの参加のための基準が拡大される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は2011年5月3日に出願された米国特許出願第13/100,180号(顧客参照番号SCEA10076US00)の継続出願であって、その利益を主張するものであり、参照のために全体が本願に組み込まれている。本願は2011年5月3日に出願された米国特許出願第13/099,923号(顧客参照番号SCEA10065US00)に関し、参照のために全体が本願に組み込まれている。
概して、本願はテレビゲーム用のチャットフォーラム、オンラインゲームプレイフォーラム及びその他のフォーラムに関する。具体的には、都市にいるプレーヤの人数をリアルタイムに検出し、自動的にチャットルームまたは共通のゲームフォーラムを開設し、プレーヤをチャットルーム及び/あるいはフォーラムへ招待する方法、システム及びデバイスが提供される。
【背景技術】
【0002】
長年にわたり、テレビゲームにおいてはリアリズムや視覚的訴求が高められており、さらに複雑度が増してきている。コンピュータを対戦相手とするゲームプレイが一層没入型になっているばかりか、多人数参加型ゲームプレイも一層面白くなっている。ゲームには、遠隔地にいる他のプレーヤとの対戦を可能にするほかに、他のプレーヤとの会話または他のプレーヤへのメール送信手段を備えて成長を遂げてきたゲームもある。多人数参加型ゲームシステムには、マイクロフォンやVoIPのようなサービスを利用して各プレーヤが互いに話をできるようにしているゲームシステムもある。各プレーヤは互いにチャットボイスやメール交換により戦闘に関する情報及び指令を書き取り、敵対する場合には互いに嘲り、または戦略をシェアすることができる。
【0003】
従来技術の多人数参加型ゲームでは、友人は各々、ゲームをするためにそれぞれのオンラインテレビゲームフォーラムを開設して互いを招待することができる。例えば、ある友人グループでは、あるレベルのテレビゲームを一緒にすることができ、または、友人の各々が互いに対戦するように反対側に配置することができる。友人は各々、誰かの家に集まって顔を合わせることなく、各々のリビングルームでくつろぎながらゲームをプレイすることができる。このようにして、プレーヤのコンソールの処理能力の活用に留まらず、コンピュータ相手にたった1人でプレイするよりも楽しいものとすることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
賢明なゲーム主催者であれば、トーナメントゲームなどのオンラインゲームをするために他人を招待する。特定のテレビゲームの所有者を見つけ出し、その所有者が実際にテレビゲームをしているのかどうか、また、その所有者たちがトーナメントでのプレイに興味があるのかどうかを判断するのは難しいことから、トーナメントの開催にあってはある程度のマーケティングの専門知識が求められることが多い。ゲームをするために見知らぬ者同士を招待するためのeメールや大々的な広告などの従来の手段はリアルタイムなものではない。
【0005】
例えば、ショッピングモールにあるゲーム販売店が次の週末に行われるトーナメントを宣伝することがある。ゲームの開催までに猶予があることから、参加可能性のある競争者の各々は広告を見て登録するか、別の方法で興味があることを表明し、ゲーム開催日にログインするための時間的余裕がある。
そのような宣伝努力は、現在ゲームをしており、現在興味のある人々には届かないことがある。つまり、プレーヤは、ショッピングモールを見て歩くなどの他のことをしているときよりも、実際にゲームをしているときにオンライントーナメントでゲームをすることに興味を持つ場合がある。さらに、主催者によるそのような宣伝努力は時間と努力を要するものである。このことがトーナメントを開催する際の障害となることがある。トーナメントが成功するか否かは参加者とプレーヤの人数に左右されてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
概して、現在テレビゲームをしているプレーヤのためにチャットフォーラムまたはその他のフォーラムを開催するためのコンピュータ化され自動化された方法が記載される。共通属性(CD:common demographic)を共有するプレーヤが、閾値の人数でテレビゲームをしているときに、チャットルームまたは共通のゲーム環境などのフォーラムが自動作成され、プレーヤの各々に招待状が送信される。この共通属性は地域別(つまり、各プレーヤが実際にいる場所)に、プレイスタイル(例えば、特定の武器を好むプレーヤ)により、または、プレーヤ全員が共有しているわけではない興味深い属性を識別するためにプレーヤのデータが選別収集される統計的クラスタにより、決定される。プレーヤの各々は招待を受け、フォーラムに参加することができる。この方法を可能にするためのシステム及びデバイスも同様に開示されている。
【0007】
フォーラムのプレーヤ数が閾値を下回る場合、プレーヤの各々にフォーラムが中止予定であることを知らせるための通知が送信されうる。例えば、フォーラムのプレーヤ数が過半数を割る場合、別のフォーラムに帯域幅を開放するためにフォーラムは中止処理を開始する。別の態様では、フォーラムのプレーヤ数が閾値を下回る場合、招待される人を決定する基準が拡大される。例えば、ある特定都市に対するフォーラムのプレーヤ数が過半数を割る場合、この都市よりも大きく、中心部から離れたエリアでプレイ中のプレーヤが参加のために招待される。
【0008】
ある実施形態は、テレビゲームのための専用フォーラムを識別する方法に関する。該方法は、メモリに動作可能に結合された少なくとも1つのプロセッサを使用して、オンラインでテレビゲームをしている各プレーヤの共通属性を決定するステップ、閾値を越える共通属性を有するプレーヤ数を決定するステップ、この決定に基づいて、ゲームをするための専用フォーラムを自動作成するステップ、及び、この少なくとも一部のプレーヤにフォーラムへ参加するための招待状を自動送信するステップ、を含む。
【0009】
ある実施形態はテレビゲームのための地域フォーラムを識別する方法に関する。該方法は、所定の地理的領域にいるテレビゲームのプレーヤ数が閾値を上回っているかどうかを判断するステップ、この判断に基づいて、メモリに動作可能に結合された少なくとも1つのプロセッサを使用して、テレビゲームのプレーヤ間でチャットをするためのフォーラムを自動作成するステップ、及び、この少なくとも一部のプレーヤにフォーラムへ参加するための招待状を自動送信するステップ、を含む。
【0010】
ある実施形態はテレビゲームのための専用フォーラムを識別する方法に関する。該方法は、オンラインでテレビゲームをしているプレーヤの人口動態、いわゆるデモグラフィックスの著しい変化を統計的に決定するステップ、この決定に基づいてゲームプレイのための専用フォーラムを自動作成するステップ、及び、この少なくとも一部のプレーヤにフォーラムへ参加するための招待状を自動送信するステップ、を含む。
【0011】
その他の実施形態は、上述の方法のための命令を使用または記憶するコンピュータ可読有形的表現媒体及びコンピュータシステムに関する。
【0012】
本文に開示され示唆されている各実施形態の特徴や利点は、明細書のその他の部分及び添付の図面を参照すればさらに理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】一実施形態によるダイアログウインドウを示す説明図。
【図2】一実施形態による処理のフローチャートを示す説明図。
【図3】一実施形態による処理のフローチャートを示す説明図。
【図4】一実施形態によるカウントシステムを示す説明図。
【図5】一実施形態による、追加プレーヤのために、一層広く拡大された地理的領域を示す説明図。
【図6】一実施形態によるクラスタリングを示す説明図。
【図7】一実施形態による処理のフローチャートを示す説明図。
【図8】一実施形態による処理のフローチャートを示す説明図。
【図9】一実施形態による処理のフローチャートを示す説明図。
【図10】一実施形態を実装するために適切なコンピュータシステムを示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ある都市でゲームをプレイ中のプレーヤ数が、チャットルームやその他のフォーラムを開設するに足りるかどうかを判断するための、コンピュータ化され自動化された方法がその他のバリエーションや実施形態とともに記載される。閾値数のプレーヤがオンラインにいてテレビゲームをしているときに、プレーヤの各々に専用フォーラムへ参加するための招待状が送信されうる。フォーラムは、各プレーヤがそれぞれのゲームについて簡単に会話することができる(例えば、インスタントメッセージや音声による)チャットフォーラムであってもよいし、各プレーヤに共通する現実のゲーム環境に関係するものであってよい。さらに、該方法を実装するためのデバイス及び装置が記載されている。フォーラムのプレーヤ数が閾値数を下回る場合、フォーラムは閉鎖される場合もあるし、追加プレーヤに対して開設される場合もある。
【0015】
プレーヤがある都市にいるかどうかという基準以外に、他の基準が検討される。例えば、プレーヤのなかには独特の方法でゲームをするプレーヤもいる。そのようなプレーヤは、そのようなプレーヤのフォーラムに招待されることがある。そのようなプレーヤは、特定の武器を常時ゲームで使用することもあるし、新規プレーヤであって、さまよう初心者としてアルゴリズムにより特徴付けられることもある。このような決定をするために、各プレーヤについての様々な統計情報が選別、分析されうる。
【0016】
オンラインの多人数参加型ゲームは、プレーヤについての情報(例えば、インターネットプロトコル(IP)アドレスから得たプレーヤの地理的位置)を収集したり、ゲームプレイの方法(例えば、そのプレーヤがゲーム中の隠れキャラクターを発見するために尽力するようなプレーヤであるかどうか)を収集することができる。共通属性を見つけ出すために、そのような統計がクラスタリングアルゴリズムの対象とされてもよい。例えば、コンピュータは、プレーヤのプロフィールから、ホッケーのように毎週金曜日の午後2時30分に第二次世界大戦のシミュレーションゲームにログインする特定ユーザを決定することができる。この共通属性の特徴はその他いずれのデータによっても明らかにならない場合がある。ゲームをするのに必要な数のプレーヤが一度にログインしたとすれば、共通の環境で戦争ゲームをするために、このようなプレーヤに対して専用フォーラムが設けられてもよい。これらのプレーヤは、プレーヤ同士が対抗するように配置されてもよいし、実質的に同時にログインした別のグループに対抗して並べられてもよい。例えば、戦争シミュレーションゲームでは、ホッケー好きのプレーヤがチームを作り、たまたま同じ時間にログインしたフロリダ州タラハシーに住むプレーヤにより結成されたチームと戦うことができる。
【0017】
フォーラムが時間の経過とともに進行するにつれて、更なるユーザが参加してもよいし、別のユーザが途中で抜けることもできる。フォーラムのプレーヤ数が閾値を下回る場合、全プレーヤに対してフォーラムが閉鎖予定である旨の通知が送信されうる。ある実施形態では、最初のフォーラムには招待されなかったが、そのフォーラムと密接に関連するプレーヤを含むようにフォーラムを拡大することができる。例えば、シューティングゲームで常時、特定の弓矢を使用するプレーヤのためのフォーラムは、弓矢プレーヤ数が減りはじめると、石弓を使ったプレイを好むプレーヤにまで拡大することができる。
【0018】
図1は一実施形態によるダイアログウインドウを示す説明図である。ウインドウ101では、ユーザはユーザ名とパスワードを使ってシステムへログインするように指示される。認証後、ユーザは招待状102を使ってチャットフォーラムへの参加を指示される。招待状102には、ユーザがチャットすることもできる地域の、その他のプレーヤ数が示される。ユーザが「いいえ」に対する「N」を選択すると、プレイステーション(登録商標)ネットワークの標準画面が表示される。ユーザが「はい」に対する「Y」を選択すると、ユーザに対してチャットウインドウ103が表示される。
【0019】
チャットウインドウ103において、ユーザリスト104には、他のプレーヤとチャットするために招待に応じたその他すべてのプレーヤが表示される。チャット画面105は、ユーザがその他のユーザに対してメッセージをタイプするか、そうでなければ別の方法でメッセージを入力することができ、さらに他のプレーヤが入力したものを見ることもできる。これにはゲームに関する有益なヒント、ゲームの進行に伴う互いの罵り、または、敵への対処法についての協力的なメッセージ、が含まれうる。
【0020】
図2は一実施形態による処理のフローチャートを示す説明図である。処理200では、オペレーション201において、ユーザがログインする。オペレーション202において、ユーザがログインしたコンピュータのIPアドレスからユーザがいる場所が特定される。オペレーション203では、ユーザがいる場所の近くにチャットルームがあるかどうかが確認される。チャットルームがある場合、オペレーション204において、ユーザはローカルチャットルームがあることを知らされ、参加のために招待される。ローカルチャットルームがない場合は将来、その場所にチャットルームを設けるためにカウンタの数値をインクリメントし、その値を大きくする。オペレーション206でカウンタの数が所定の閾値を越えると、オペレーション207においてその場所のチャットルームが作成される。オペレーション208において、その地域の全ユーザがこのチャットルームについての知らせを受ける。
【0021】
図3は一実施形態による処理のフローチャートを示す説明図である。サーバコンピュータは、一連の既存のチャットルームによって各場所からプレーヤの人数をトラッキングすることができる。オペレーション301では、ユーザはチャットルームの1つからログアウトする。オペレーション302では、サーバコンピュータはログアウトしたユーザの場所を確認する。オペレーション303では、その場所に関連づけられるカウンタの数が減らされる。オペレーション304では、チャットルームに誰もいないかどうか(つまり、ログアウトしたばかりのユーザがそのチャットルームの最後のユーザであった)、または、チャットルームのプレーヤの人数が最低限必要な人数を下回っているかどうかが判断される。チャットルームの主催者またはサーバがこの最低限必要な人数/閾値を予め決めることもできる。各主催者はプレーヤ数が25名に満たないチャットルームのサポートを望まないこともある。オペレーション305では、その(必要人数に満たない)場所のチャットルームが削除される。サーバにより提供されるその他のチャットルームは継続される。
【0022】
図4は一実施形態によるプレーヤカウントシステムを示す説明図である。チャットフォーラムシステムが初期化されると、カウンタ401に示すように、各場所のプレーヤ数はゼロになる。ゲームをするためにユーザがログインするとき、カウンタ402が示すように、そのプレーヤがいる場所のカウンタの数値が増やされる。この操作は、チャットルームが作成される前であって招待状が送信される前になされる。より多くのユーザが各々のコンピュータにログインすると、カウンタ403に示すように各地のカウンタの数が増やされる。それでも、各々の場所のプレーヤ数は、閾値をトリップするには不十分である。1つの例示的実施形態では、各都市のチャットルームを開始するための閾値は100である。
【0023】
更なるプレーヤがログインすると、カウンタ404に示すように、それぞれの場所のプレーヤ数は閾値100を越える。2つの都市(つまり、図面中のダラス及びサンディエゴ)に対するプレーヤ数は100を越える。従って、この2都市のチャットルームが開設される。ダラスにいる100名のプレーヤ全員がダラスチャットルームへの参加のために招待され、サンディエゴにいる全141名のプレーヤがサンディエゴチャットルームへの参加のために招待される。しかし、ロンドンにはチャットルームの開設を正当とするに十分なプレーヤがいない。
【0024】
チャットルームのプレーヤ数が100名を下回ると、チャットルームが削除されてしまう。カウンタ405はダラスのプレーヤ数が98名に減少したことを示す。従って、チャットルームの参加者への通知後にチャットルームは削除される。150名のプレーヤがいるサンディエゴのチャットルームは順調に継続されている。プレーヤが89名しかいないロンドンは、依然としてプレーヤ数が足りず、チャットルーム開設を正当とすることができない。プレーヤ数が上下することにより、チャットルームが作成されることもあれば削除されることもある。
【0025】
ある実施形態では、チャットルームまたはその他のフォーラムを閉鎖するのではなく開催するために、地理的基準が拡張されることがある。
【0026】
図5は、一実施形態による、さらなるプレーヤのために一層広く拡大された地理的領域を示す説明図である。エリア501に対して、シアトル(図中のSEATTLE)市内のテレビゲームプレーヤ専用フォーラムが作成される。シアトルのプレーヤ達は共通世界でオンラインゲーム対戦をする。シアトルからのプレーヤ達は、別の地域からのプレーヤに対抗してチームを作ることができる。例えば、シアトルのプレーヤ達はシアトル・シーホークスとして、ミネアポリス・セントポールでミネソタ・ヴァイキングスとしてプレイ中の同様のテレビゲームグループと、フットボールのピックアップゲームのテレビゲーム対戦をすることができる。
【0027】
プレーヤ数は、常時プレイしているプレーヤの単純数として求められてもよいし、移動平均として求められてもよい。またはその他の数値平滑化により求められてもよい。プレーヤ数には、ログインはしたもののしばらくの間移動していないプレーヤや、画面がスクリーンセーバモードになっているプレーヤも含まれる場合も。
【0028】
閾値は管理者によって設定され、及び/または平均からの標準偏差により決定されてもよい。例えば、ある都市の現在のプレーヤ数がその都市の過去の平均数の標準偏差の2倍以上であれば、その平均を超過した増加分が閾値とみなされうる。他の態様では、主催者が単に必要なプレーヤ数を打ち込むようにしてもよく、このように人間が介在することで、ゲームを楽しくするために、また、場合によっては遊戯可能とするために必要なプレーヤの最良の臨界人数を評価するために最適となる。
【0029】
シアトルのフォーラムは、プレーヤがログアウトすると、ある時点では、チームのプレーヤ数が、競技を可能とするために必要なプレーヤ数に足りなくなるまでにプレーヤを失うこともある。この場合、ゲームプレイフォーラムをすぐに閉鎖するのではなく、シアトル周辺地域でフットボールのテレビゲームをしているプレーヤを招待し、プレイさせることができる。例えば、ベルビュー(図中のBELLEVUE)、レントン(図中のRENTON)、及びショアライン(SHORELINE)のプレーヤ達を招待し、プレイさせることができる。この、拡大されたシアトルエリアから十分な数のプレーヤがプレイすることを選択すると、仮想フットボールゲームはミネソタの強豪チームとの対戦を続けることができる。
【0030】
図6は、一実施形態によるクラスタリングを示す説明図である。テレビゲームのユーザの各々は、それぞれのオンラインユーザプロファイル、ゲームのやりかた、及び/または質問に対する明白な回答からユーザ自身について収集された様々な情報に基づいてクラスタリングされる。ユーザの集団あるいはクラスタは、人が介入することなく、コンピュータにより自動的に識別されうる。
【0031】
例えば、テレビゲームをしている何名かのユーザは、そのファーストネームが「デイビッド」という場合がありうる。その他、一連のプレーヤとしては、一般には、それぞれの仮想の庭で特定の果物を栽培しているプレーヤや、同日(例えば12月25日)にそれぞれのゲームの登録証を送付したプレーヤを挙げることができる。各プレーヤはこれらの属性によりクラスタリングされうる。「デイビッド」という名前の全プレーヤは各々のスコアを集計して、仮想世界のいちご栽培者に対抗することができる。
【0032】
ユーザベース600では、ユーザ601のクラスタが見つけられている。クラスタのユーザ601は全員が同一の、または関連する特徴を持つ。従って、ユーザ601はクラスタの一部、クラスタ602として特定される。このクラスタには、所定の閾値である10名以上のユーザが存在する。従って、ゲームプレイのための専用フォーラムが該クラスタのユーザに対して開催される。
【0033】
ユーザ602の一部がフォーラムをログアウトすると、フォーラムはクラスタ603のユーザを招待するために拡大されうる。これらのユーザは、ユーザ601と同様の特徴を有しうるものの、直ちに同一クラスタとして特徴づけられることはない。クラスタ603は、スーパークラスタと称されることもある。
【0034】
ユーザの別のクラスタであるクラスタ604はユーザベース600において特定されている。これらのユーザは共通属性を有する。しかし、このクラスタのユーザ数は必要条件(10名)を満たしておらず、従って該クラスタのユーザに対するフォーラムは作成されない。
【0035】
図7は、一実施形態による処理700を例示したフローチャートを示す説明図である。オペレーション701では、メモリと動作可能に結合された少なくとも1つのプロセッサにより、オンラインテレビゲームをしているプレーヤの共通属性が決定される。共通属性を有するプレーヤ数は閾値数を越える。この場合、共通属性は、地理的領域におけるプレーヤがいる場所である。オペレーション702では、上記決定に基づいてゲームをするための専用フォーラムが自動作成される。オペレーション703では、積極的にゲームをしている少なくとも一部のプレーヤにフォーラムへの参加のための招待状が自動送信される。
【0036】
オペレーション704では、該フォーラムのプレーヤ数がトラッキングされる。オペレーション705では、該フォーラムのプレーヤ数が閾値数を下回ったことが判断される。オペレーション706では、該フォーラムのプレーヤ数が閾値数を下回ったという判断に基づき、より広い、拡大された地理的領域を含むように、地理的領域が拡大される。オペレーション707では、拡大された地理的領域の少なくとも一部のプレーヤにフォーラムへの参加のための招待状が自動送信される。
【0037】
図8は、一実施形態による処理800を例示したフローチャートを示す説明図である。オペレーション801では、所定の地理的領域におけるテレビゲームのプレーヤ数が閾値を越えているかどうかが判断される。オペレーション802では、上記判断に基づいて、テレビゲームプレーヤ間でチャットするためのフォーラムがメモリに動作可能に接続された少なくとも1つのプロセッサにより自動作成される。オペレーション803では、少なくとも一部のプレーヤに、フォーラムへの参加のための招待状が自動送信される。
【0038】
オペレーション804では、該フォーラムのプレーヤ数がトラッキングされる。オペレーション805では、該フォーラムのプレーヤ数が閾値数を下回ったことが判断される。オペレーション806では、該フォーラムのプレーヤに、フォーラムが閉鎖予定であることが通知される。オペレーション807では、該フォーラムが閉鎖される。
【0039】
図9は、一実施形態による処理900を例示したフローチャートを示す説明図である。オペレーション901では、オンラインでテレビゲームをしているプレーヤの人口動態に著しい変化が生じたことが決定される。この決定は、プレーヤのデモグラフィックデータを統計的にクラスタリングすることにより算出される。オペレーション902では、上記決定に基づいてゲームをするための専用フォーラムが自動作成される。オペレーション903では、少なくとも一部のプレーヤにフォーラムへの参加のための招待状が自動送信される。
【0040】
オペレーションの各々は、上記の順に実行されてもよいし、適宜異なる順番で実行されてもよい。オペレーションの各々はコンピュータまたはその他の機械において自動化され、ソフトウェアまたはファームウェアにコード化されるか、機械が読み取ることのできる命令としてハードコードされ、各命令を実装することができる1以上のプロセッサを介して実行される。図10は、各種の実施形態による、装置を実装するのに適したハードウェアシステムの一例を示す説明図である。ブロック図において、コンピュータシステム100が例示されており、これは、パソコン、テレビゲーム用コンソール及び対応のディスプレイ、携帯機器、携帯端末(PDA:Personal Digital Assistant)、またはその他のデジタル装置などの、本発明の実施形態を実行するのに適したものである。コンピュータシステム1000は、ソフトウェアアプリケーション及び任意にオペレーションシステムを実行するための中央処理装置(CPU)1005を含む。CPU1005は、1以上の同種または異種の処理コアで構成されうる。メモリ1010は、CPU1005により使用されるアプリケーション及びデータを記憶する。ストレージ1015は、アプリケーション及びデータに対して不揮発性記憶装置及びその他のコンピュータ可読媒体を提供する。また、ストレージ1015は固定ディスクドライブ、取り外し可能ディスクドライブ、フラッシュメモリデバイス、及びCD−ROM、DVD−ROM、Blu−ray、HD−DVDまたはその他の光学式記憶装置を含み、これらに加えて信号伝送及び記憶媒体を含みうる。ユーザ入力装置1020は、1名以上のユーザからの入力をコンピュータシステムに知らせる。入力装置の例としては、キーボード、マウス、ジョイスティック、タッチバッド、タッチスクリーン、静止カメラまたはビデオカメラ、及び/またはマイクロフォンなどが挙げられる。ネットワークインターフェース1025により、コンピュータシステム1000は電子通信ネットワーク経由でその他のコンピュータシステムと通信することができ、ローカルエリアネットワーク及びインターネットなどの広域ネットワークを介した有線または無線通信を含みうる。音声プロセッサ1055は、CPU1005、メモリ1010、及び/またはストレージ1015により提供される命令及び/またはデータからアナログ音声出力またはデジタル音声出力を生成するように構成される。CPU1005、メモリ1010、データストレージ1015、ユーザ入力装置1020、ネットワークインターフェース1025、及び音声プロセッサ1030@を含むコンピュータシステム1000の構成要素は、1以上のデータバス1060経由で接続される。
【0041】
グラフィックサブシステム1030は、データバス1060及びコンピュータシステム1000の構成要素に接続される。グラフィックサブシステム1030は、グラフィック処理ユニット(GPU)1035及びグラフィックメモリ1040を含む。グラフィックメモリ1040は、出力画像の各ピクセルに対するピクセルデータを記憶するために使用されるディスプレイメモリ(例えば、フレームバッファ)を含む。グラフィックメモリ1040は、GPU1035と同一の装置に内蔵されてもよいし、別の装置としてGPU1035と接続されてもよいし、及び/またはメモリ1010内に実装されてもよい。ピクセルデータはCPU1005から直接グラフィックメモリ1040に提供されてもよい。
【0042】
他の態様では、CPU1005はGPU1035に所望の出力画像を定義するデータ及び/または命令を提供し、GPU1035はこのデータ及び/または命令から1以上の出力画像のピクセルデータを生成する。所望の出力画像を定義するデータ及び/または命令は、メモリ1010及び/またはグラフィックメモリ1040に記憶されうる。一実施形態では、GPU1035は、形状、ライティング、シェーディング、テクスチャリング、運動、及び/またはカメラパラメータを場面に対して定義する命令及びデータから出力画像に対するピクセルデータを生成するための3Dレンダリング機能を含む。GPU1035は、シェーダプログラムを実行可能な1以上のプログラム可能実行ユニットをさらに含みうる。
【0043】
グラフィックサブシステム1030は、グラフィックメモリ1040からのピクセルデータを周期的に出力し、表示装置1050に表示されるようにする。表示装置1055は、コンピュータシステム1000からの信号を受けて視覚情報を表示することができる装置であり、これにはブラウン管(CRT)、液晶表示装置(LCD)、プラズマ、及び誘起発光ダイオードディスプレイを含む。コンピュータシステム1000は、表示装置1055にアナログ信号またはデジタル信号を送信することができる。
【0044】
各種の実施形態によれば、CPU1005は、1以上の処理コアを有する1以上の汎用マイクロプロセッサである。さらに各実施形態は、メディアアプリケーションやインタラクティブ環境アプリケーションなど、並列性が高くコンピュータ処理の多いアプリケーションに適したマイクロプロセッサのアーキテクチャを備えた1以上のCPU1005を使用して実装されうる。
【0045】
システムの構成要素の各々は、ネットワーク経由で接続されてもよい。ネットワークは、インターネット、IPネットワーク、イントラネット、広域ネットワーク(WAN:Wide-Area Network)、ローカルエリアネットワーク(LAN:Local-Area Network)、仮想プライベートネットワーク(VPN:Virtual Private Network)、公衆交換電話網(PSTN:Public Switched Telephone Network)、または、様々な実施形態において、本文に記載した装置間でデータ通信に対応するネットワークであればいずれのネットワーク、のいずれの組合せであってもよい。ネットワークは有線接続及び無線接続を含み、これには光リンクが含まれる。本開示を鑑みると、当業者にとってはその他多くの実施例が可能であり明らかである。本明細書においては、ネットワークは特記されても、されなくてもよい。
【0046】
上述の明細書では、本発明は特定の実施形態に関して記載される。しかし、当業者であれば本発明はこれに限定されないことが分かるであろう。上記発明の各種の特徴及び態様を別々に用いてもよいし、一緒に用いてもよい。さらに、本発明は明細書の広範な精神及び範囲から逸脱することなく、本文の記載を超えてあらゆる環境及び用途に利用されうる。従って、明細書及び図面は限定的ではなく例示的であると解釈される。
【0047】
上述の方法、システム、及び装置は例示を目的としたものに過ぎない点に留意されたい。各種実施形態においては適宜、各種の手順または構成要素が省略、代替、または追加されてもよい。例えば、他の態様では、記載された方法とは異なる順序で方法が実行されてもよく、さらに、各種のステップが追加、省略、または組み合わせられてもよい。さらに、特定の実施形態に関して記載された特徴の各々をその他の各種実施形態に組み合わせることもできる。同様に、各実施形態の異なる態様または要素を組み合わせることもできる。さらに、技術が発達し、従って要素の多くが例示的なものであって、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0048】
各種実施形態の完全な理解を与えるべく、特定の詳細が明細書に記載されている。しかし、当業者であれば各実施形態をこれらの特定の詳細なくして実行することができることは理解できるであろう。例えば、各実施形態を曖昧にしないように余計な詳細は記載せずに、周知の回路、処理、アルゴリズム、構造、及び技術が示されている。
【0049】
さらに、各実施形態は処理として記載されてもよく、これはフロー図またはブロック図として描かれている。オペレーションの各々を逐次プロセスとしてそれぞれ記載してもよいが、多くのオペレーションは並列または同時に実行されうる。さらに、オペレーションの順番は並べ替えられてもよい。処理には図面には含まれない付加的ステップが含まれてもよい。
【0050】
さらに、本文に記載されているように、「メモリ」または「メモリユニット」との用語は、データを記憶するための1以上の装置を表すものであり、これには、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気RAM、コアメモリ、磁気ディスク記憶媒体、光学記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、または情報を記憶するためのその他のコンピュータ可読媒体を含む。
【0051】
「コンピュータ可読媒体」との用語は、ポータブル記憶装置または固定記憶装置、光学記憶装置、無線チャンネル、SIMカード、その他のスマートカード、及び命令またはデータを記録し、含み、あるいは持ち運ぶことができるその他各種の媒体を含むが、これらに限定されるものではない。
【0052】
さらに、各実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、またはいずれのこれらの組合せにより実装されてよい。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、またはマイクロコードに実装されるときに、必要なタスクを実行するためのプログラムコードまたはプログラムコードセグメントは記録媒体などのコンピュータ可読媒体に記憶されうる。各プロセッサは必要なタスクを実行しうる。
【0053】
いくつかの実施形態を記載してきたが、当業者であれば、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変更、代替構成、及び等価物を用いてもよいことが分かるであろう。例えば、上記要素はより大きなシステムの構成要素に過ぎず、そのような場合は本発明の利用に対して他のルールが優先されてもよいし、そうでなければ別の方法で本発明の利用が変更されてもよい。さらに、上記要素が検討される前、間、または後にいくつかのステップを開始することができる。従って、上記記載は本発明の範囲を限定するものと考えられるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビゲームのための専用フォーラムを識別する方法であって、
メモリと動作可能に結合された少なくとも1つのプロセッサを使用してオンラインでテレビゲームをしているプレーヤの共通属性を決定するステップであり、前記共通属性を有する前記プレーヤの人数は閾値数を超えるものであって、
前記決定に基づいてゲームをするための専用フォーラムを自動作成するステップと、
少なくとも一部のプレーヤにフォーラム参加のための招待状を送信するステップと、を含む方法。
【請求項2】
前記決定は、プレーヤの属性データを統計的にクラスタリングすることで算出される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記属性はそれぞれのプレーヤのゲームプレイについての統計値を含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記共通属性は、特定の武器の使用を含む、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記プレーヤの共通属性は、地理的領域の場所である、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記地理的領域は都市である、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記フォーラムのプレーヤの人数をトラッキングするステップと、
前記フォーラムの前記プレーヤの人数が前記閾値を下回ったことを判断するステップと、
前記フォーラムの前記プレーヤの人数が前記閾値を下回ったとの判断に基づき、より広く、拡大された地理的領域を含むように地理的領域を拡大するステップと、
前記拡大された地理的領域の少なくとも一部のプレーヤに前記フォーラム参加のための招待状を自動送信するステップと、をさらに含む請求項5記載の方法。
【請求項8】
前記フォーラムのプレーヤの人数をトラッキングするステップと、
前記フォーラムの前記プレーヤの人数が前記閾値を下回ったことを判断するステップと、
チャットフォーラムが閉鎖予定であることを通知するステップと、
前記チャットフォーラムを閉鎖するステップと、をさらに含む請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記フォーラムはチャットフォーラムである、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記フォーラムは多人数参加型のゲームプレイに対する共通のゲーム環境である、請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記共通のゲーム環境はトーナメントを含む、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記招待状はeメールを含む、請求項1記載の方法。
【請求項13】
上記オペレーションは示される順番で実行される、請求項1記載の方法。
【請求項14】
各オペレーションは前記メモリと動作可能に結合された少なくとも1つのプロセッサにより実行される、請求項1記載の方法。
【請求項15】
1以上のコンピュータに前記請求項1のオペレーションを実行させるための命令を示す情報を具体化したコンピュータ可読有形的表現媒体。
【請求項16】
コンピュータプログラムの命令を実行するコンピュータシステムであって、前記コンピュータプログラム命令は前記請求項1のオペレーションを実行するためのプログラムコードを含む、コンピュータシステム。
【請求項17】
テレビゲームのための地域フォーラムを特定する方法であって、該方法は、
所定の地理的地域のテレビゲームプレーヤの人数が閾値数を越えているかどうかを判断するステップと、
メモリと動作可能に結合された少なくとも1つのプロセッサを使用して、前記テレビゲームプレーヤ間でチャットするためのフォーラムを前記判断に基づいて自動作成するステップと、
前記少なくとも一部のプレーヤに、前記フォーラム参加のための招待状を送信するステップと、を含む方法。
【請求項18】
前記フォーラムにおけるプレーヤの人数をトラッキングするステップと、
前記フォーラムにおける前記プレーヤの人数が前記閾値を下回ったことを判断するステップと、
前記フォーラムが閉鎖予定であることを通知するステップと、
前記フォーラムを閉鎖するステップと、をさらに含む請求項17記載の方法。
【請求項19】
テレビゲームのための専用フォーラムを識別する方法であって、該方法は、
オンラインでテレビゲームをしているプレーヤの人口動態の著しい統計的変化を決定するステップと、
ゲームをするための専用フォーラムを前記決定に基づいて自動作成するステップと、
前記変更された属性の少なくとも一部のプレーヤに前記フォーラム参加のための招待状を自動送信するステップと、を含む方法。
【請求項20】
前記決定は、前記プレーヤの属性データを統計的にクラスタリングすることによりなされる算出される、請求項19記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−232109(P2012−232109A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−76043(P2012−76043)
【出願日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Blu−ray
【出願人】(500551079)ソニー コンピュータ エンタテインメント アメリカ リミテッド ライアビリテイ カンパニー (95)
【Fターム(参考)】