説明

塊状物の押し抜き装置および同装置を用いた塊状物の押し抜き方法

【課題】反応容器に生成した塊状物を抜き出す装置および方法において、安価で工期の短い市販の油圧機器を転用できる塊状物の押し抜き装置およびその方法を提供する。
【解決手段】有底筒状反応容器内に生成した塊状物を上記反応容器から押し抜くための装置であって、塊状物を保持する反応容器と、塊状物を押圧する押し抜き棒と、押し抜き棒を駆動する油圧シリンダーと、反応容器および油圧シリンダーを保持する支持台と、油圧シリンダーに接続され押し抜き棒に嵌合して油圧シリンダーの駆動力を伝達する把持爪とから構成され、押し抜き棒は、断面の径が相対的に大きい拡径部と、断面の径が相対的に小さい溝部が交互に構成され、把持爪が押し抜き棒の溝部に嵌合した後、油圧シリンダーの駆動力が把持爪を介して押し抜き棒に伝達され、反応容器内に保持された塊状物の底部に駆動力が印加されるように構成された塊状物の押し抜き装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、ハロゲン化金属の還元反応により反応容器内に生成した塊状物を前記反応容器から効率よく抜き出すことのできる装置およびこれを用いた塊状物の押し抜き方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属チタンは、近年航空機を始め、自動車あるいは二輪車用等、あらゆる分野にて用途開発が進んでいる。このような金属チタンは、反応容器内で四塩化チタンをマグネシウムによって還元する、所謂クロール法によって工業的に製造されている。
【0003】
四塩化チタンの還元反応に用いられる反応容器は、ステンレス鋼で構成されていることが多い。この反応容器は、一方に開口部を有する円筒状有底状容器であり、開口部に蓋を設けて大気と遮断しつつ、四塩化チタンのマグネシウムとの反応を行わせる。
【0004】
前記還元反応で金属チタンと共に副生した塩化マグネシウムや過剰の金属マグネシウムは、容器から液体として大部分が分離された後、金属チタンを高温の真空雰囲気に曝すことにより金属チタンに残存している塩化マグネシウムや金属マグネシウムはほぼ完全に分離除去される。
【0005】
前記還元反応工程で生成した金属チタンは反応容器全体に生成し、反応容器壁と強固に固着しているため、例えば図3に示したような押し抜き装置を用いて反応容器外に取り出されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
即ち、図3において、スポンジチタン塊31の生成した反応容器3の底部に設けた開口部より押し抜き棒4を前記開口部に挿入してスポンジチタン塊の底部と接している押し抜きパンチ43の底部に当接後、前記押し抜き棒4を油圧プレス等により上方(図3において左方)に駆動させることにより、前記スポンジチタン塊31を反応容器から抜き出すことができる。
【0007】
しかしながら、前記油圧シリンダーは、反応容器内に生成したスポンジチタン塊を全量押しぬくだけのストロークが必要である。即ち、これは反応容器とほぼ等長の油圧シリンダーの配置が求められる。しかしながら、生産性向上を目的とした反応容器の大型化を目論む場合には、必ずしも市販品の油圧シリンダーでは対応できず、特注品で対応することが求められる。前記の油圧シリンダーを特注品で構成しようとすると、反応容器ごとに設計を要するために納期に時間を要し、また、コストの増大を招くという問題がある。
【0008】
更には、油圧シリンダーのストロークが長くなると、シリンダーに対して高い駆動精度や駆動能力が要求され、これらの要求を満たすために更なる付帯設備の追加も必要となり改善が求められている。
【0009】
このように、反応容器内に生成した大型の塊状物を安価な設備で効率よく抜き出すことのできる押し抜き装置および押し抜き方法が求められている。
【0010】
【特許文献1】特開平6−145825号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本願発明は、前記課題を解決すべく、反応容器内で生成した塊状物を抜き出すことのできる装置および方法において、安価でしかも工期の短い市販されている油圧機器を用いることのできる塊状物の押し抜き装置およびその方法の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
かかる実情に鑑みて鋭意検討を重ねてきたところ、反応容器内で生成した塊状物を反応容器から取り出すための押し抜き装置であって、押し抜き装置を構成する油圧シリンダーと、表面に拡径部と溝部を有する押し抜き棒と、油圧シリンダーの駆動力を押し抜き棒に伝達する把持爪とを組み合わせることにより、反応容器内で生成した塊状物を反応容器から効率よく押し抜くことができることを見出し、本願発明を完成するに至った。
【0013】
即ち、本願発明に係る塊状物の押し抜き装置は、有底筒状反応容器内に生成した塊状物を上記反応容器から押し抜くための装置であって、塊状物を保持する反応容器と、塊状物を押圧する押し抜き棒と、押し抜き棒を駆動する油圧シリンダーと、反応容器および油圧シリンダーを保持する支持台と、油圧シリンダーに接続され押し抜き棒に嵌合して油圧シリンダーの駆動力を伝達する把持爪とから構成され、押し抜き棒は、断面の径が相対的に大きい拡径部と、断面の径が相対的に小さい溝部から構成され、拡径部と溝部が交互に配置されており、把持爪が押し抜き棒の溝部に嵌合した後、油圧シリンダーの駆動力が把持爪を介して押し抜き棒に伝達され、反応容器内に保持された塊状物の底部に駆動力が印加されるように構成されたことを特徴とするものである。
【0014】
また、本願発明に係る塊状物の抜き出し装置は、前記押し抜き棒を移動させる油圧シリンダーの移動ストロークが、塊状物を押し抜く反応容器の全長に比べて短いことを好ましい態様としている。
【0015】
さらに、前記押し抜き棒から把持爪が離れている間に、前記押し抜き棒の溝部に嵌合するようにストッパーが配置されていることを好ましい態様としている。
【0016】
本願発明に係る塊状物の押し抜き方法は、
1)塊状物を保持した有底筒状反応容器底部に押し抜き棒挿入用の開口部を設け、
2)反応容器を支持台に装着し、
3)塊状物の底部に介装させてある押し抜きパンチに押し抜き棒の先端部を当接させ、
4)押し抜き棒の溝部に把持爪を嵌合させ、
5)把持爪に接続された油圧シリンダーを作動させて一組の拡径部と溝部の長さの合計分だけ押し抜き棒を移動させ、
6)ストッパーを他の溝部に嵌合させて押し抜き棒を固定した後に把持爪を溝部から引き抜き、
7)把持爪を溝部から隣の溝部に移動させて嵌合させ、
8)ストッパーを他の溝部から引き抜き、
9)5)〜8)を繰り返すことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
本願発明に従って構成された塊状物の押し抜き装置および方法を用いることにより、市場の標準品として入手可能な油圧シリンダーを利用することができ、その結果、工期を大幅に短縮できるのみならず、コストも大幅に削減できるという効果を奏するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本願発明の最良の実施形態について図面を用いて以下に説明する。
図1は、本願発明に係る押し抜き装置に関する好ましい装置構成を表している。本実施態様において、押し抜き装置1は、支持台2を有しており、この支持台2には、反応容器3およびシリンダー部5が固定されている。符号4は押し抜き棒であり、反応容器3内に保持された塊状物31を反応容器上方(図1において左方)へ押し抜くことができる。シリンダー部5は、後述するように、押し抜き棒4へ駆動力を伝達し、押し抜き棒4を反応容器3内へ押し込むことを可能にする。
【0019】
また、押し抜き棒4は、断面が相対的に大きな径を有する拡径部41と相対的に小さな径を有する溝部42とが交互に構成されている。図2は、図1におけるシリンダー部5と押し抜き棒4の係合部分の拡大図である。図2に示すように、押し抜き棒4の溝部42には、シリンダー部5と押し抜き棒4を固定するための把持爪55およびストッパー57が係合するように配置されている。
【0020】
図2において、符号52はベースであり、支持台2に対して固定されている。ベース52には、油圧シリンダー51が接続されており、油圧シリンダー51を介して駆動テーブル53が接続されている。駆動テーブル53は、ベース52との間に配置された油圧シリンダー51の駆動力を受けて、押し抜き棒4の押し抜き方向に平行(図において左右方向)に移動可能なように構成されている。
【0021】
駆動テーブル53には、押し抜き棒4に駆動力を伝達するための把持爪55を鉛直方向に移動可能ならしめる把持爪駆動用シリンダー54が配置されている。また、ベース52には、押し抜き棒4の固定を行うためのストッパー57を鉛直方向に移動可能ならしめるストッパー駆動用シリンダー56が配置されている。反応容器3内に保持されている塊状物31を押し抜くための押し抜き棒4は、駆動テーブル53およびベース52の中心部を貫通して配置されており、水平方向に移動可能なように構成されている。また、把持爪駆動用シリンダー54およびストッパー駆動用シリンダー56の伸縮動作によって、把持爪55およびストッパー57はそれぞれ独立に押し抜き棒4の溝部42に嵌合させることができる。その結果、塊状物31に応力を印加している時に起こりうる押し抜き棒4の動きを束縛することができる。
【0022】
本願発明に係る金属の押し抜き装置の動作を以下に説明する。図2において、把持爪駆動用シリンダー54を拡動させて把持爪55を押し抜き棒の表面に形成した溝部42に嵌合させた後、油圧シリンダー51を図において図2の矢印に対して下流方向(左方向)へ拡動させると、油圧シリンダー51の駆動力が把持爪55を介して押し抜き棒4に伝達され、反応容器3内に保持された塊状物31の底部に駆動力が印加される。これにより、把持爪55は、押し抜き棒4を下流方向に一組の拡径部41と溝部42の合計距離(以降「ワンストローク」と呼ぶ場合がある)だけ移動させることができる。その結果、反応容器内に保持されている塊状物31を前記の距離だけ反応容器から押し出すことができる。
【0023】
次に、ストッパー駆動用シリンダー56を拡動させてストッパー57を溝部42に嵌合させて押し抜き棒4の動きを固定した後、把持爪駆動用シリンダー54を縮動させて把持爪55を溝部42から引き抜く。把持爪55の引き抜きに伴って駆動テーブル53は再び可動状態となるので、油圧シリンダー51を縮動させて駆動テーブル53を図2の矢印に対して上流方向(塊状物の押し抜き方向に対して逆方向)にワンストローク分移動させる。続いて、把持爪駆動用シリンダー54を拡動させて把持爪55を溝部42に嵌合させる。この時嵌合させる溝部は、上述の溝部42よりも上流方向となる。
【0024】
把持爪55を溝部42に嵌合させて押し抜き棒4の動きを固定したら、ストッパー駆動用シリンダー56を縮動させてストッパーを溝部42から引き抜き、再び油圧シリンダー51を拡動させる。油圧シリンダー51の駆動力が把持爪55を介して押し抜き棒4に伝達され、油圧シリンダー51が動作したワンストローク分だけ、塊状物31を押し出すことができる。以上の操作を繰り返すことにより、反応容器3内に保持された塊状物31を半連続的に全量押し抜くことができる。
【0025】
反応容器3の外に抜出された塊状物31は、適宜、破砕あるいは粉砕工程を経て、顆粒状金属とすることができる。特に、塊状物31がスポンジチタン塊である場合に、本願発明を好適に適用することができる。
【0026】
本願発明に係る塊状物の押し抜き装置によれば、短いストロークを有する市販の油圧シリンダーであっても、上述のようにワンストロークずつ伸縮を繰り返すことによって塊状物を段階的に押し抜くことができる。これにより、反応容器の全長以上のストロークを有する油圧シリンダーを別途設計する必要がなくなるという効果を奏する。ストロークが長い油圧シリンダーでは、高い駆動精度や駆動能力や付帯設備を要求するが、それらについても考慮する必要がなくなる。
【0027】
本願発明の油圧シリンダー51の移動ストロークは、反応容器3の全長よりも短くなるように構成することが好ましく、反応容器の全長の1/2〜1/20の範囲となるように構成することがより好ましいとされる。このような範囲のストロークを選択することにより、市販されている油圧シリンダーを本願発明の装置に好適に適用することができる。
【0028】
前記ストロークは短いほど装置構成も簡素になり好ましいが、短過ぎる場合は、塊状物全体を押し抜くための前記シリンダーの往復動の回数が増えて、塊状物を押し抜くための時間が延びて好ましくない。一方、ストロークが長過ぎる場合、押し抜き装置に特化した高精度の油圧シリンダーの設計が必要となり、市販品で対応することが困難となり好ましくない。よって、本願発明においては、油圧シリンダーを前記の範囲に規定しておくことが好ましい。
【0029】
本願発明の押し抜き棒4の表面に形成した拡径部41および溝部42は、一定のピッチとなるように構成配置することが好ましい。前記拡径部41と溝部42の合計の長さは、前記油圧シリンダー51の全ストロークと同等かやや短くなるように構成しておくことが好ましい。前記したような装置構成をとることにより市販されている油圧シリンダーを用いて反応容器3内に保持した塊状物31を押し抜くための駆動力を効率良く伝達することができるという効果を奏する。
【0030】
本願発明の把持爪55は、油圧シリンダー51によって押し抜き棒4の表面に形成した溝部42に円滑に嵌合できるように構成することが好ましい。把持爪55の厚みと溝部42の幅が等しい場合、把持爪55の嵌合を高精度にて行わなければならなくなるため、溝部42の幅は、把持爪55厚みよりもやや大きめに形成しておくことが好ましい。
【0031】
本願発明において、押し抜き棒4からの把持爪55の引き抜きの際に、把持爪55と溝部42との接触圧が大きく、把持爪55を溝部42から円滑に引き抜けない場合がある。このような場合には、ストッパー57が押し抜き棒4に嵌合を完了後、ストッパー57が配設されているベース52を僅かに右方向に駆動させて押し抜き棒4に絶えず駆動力が印加されるように構成することが好ましい。
【0032】
その結果、押し抜き棒4の溝部42に嵌合されている把持爪55と溝部42との接触面が開放されて僅かな空間部を形成することができる。その結果、把持爪55を円滑に溝部42から引き抜くことができるという効果を奏する。
【0033】
また、従来のようにスポンジチタンを一工程で抜き出す場合に比べて、断続的に抜き出すことを特徴とする本願発明に係る押し抜き方法では、反応容器とスポンジチタンの接触面で発生する摩擦熱を把持爪55が隣の溝部42に移動する間に開放することができ、スポンジチタン表面の過熱を効果的に抑制することができる。その結果、スポンジチタン塊表面の酸化量を抑制することができスポンジチタンの歩留まりを従来の方法に比べて高めることができるという効果をも奏するものである。
【0034】
以上述べた本願発明に係る塊状物の押し抜き方法は、次のように整理することができる。
即ち、本願発明に係る塊状物の押し抜き方法は、上述の押し抜き装置を用い、
1)反応容器底部に押し抜き棒挿入用開口部を設ける工程、
2)塊状物入りの反応容器を押し抜き装置に装着する工程、
3)押し抜き棒の先端部を塊状物の底部に介装させてある押し抜きパンチに当接させる工程、
4)押し抜き棒の溝部に把持爪を嵌合させる工程、
5)把持爪に係合した油圧シリンダーを作動させて押し抜き棒を一組の拡径部と溝部の長さだけ移動させる工程、
6)ストッパーを他の溝部に嵌合させた後、把持爪を上記溝部から引き抜く工程、
7)把持爪を隣の溝部に移動させて嵌合させる工程、
8)ストッパーを上記他の溝部から引き抜く工程、
9)上記5)〜8)を繰り返す工程
から構成されている。
【0035】
図3は、反応容器3の底部に予め押し抜きパンチ43を配置した本願発明の好ましい態様を表している。前記押し抜きパンチ43は、金属の生成反応に先立って反応容器3の底部に配置しておくことが好ましい。前記押し抜きパンチ43を塊状物31の底部に配置しておくことにより、押し抜き棒4から受ける応力を塊状物底面全体に分散させることができ、その結果、反応容器3から塊状物31を円滑に抜き出すことができるという効果を奏するものである。
【0036】
特に、塊状物31がスポンジチタン塊のような崩壊性のある金属である場合に、前記押し抜きパンチ43を併用することにより、前記塊状物を効率よく抜き出すことができる。
【0037】
本願発明に係る塊状物の押し抜き装置は、図面では水平方向に配置させたが、設置スペースの都合により鉛直方向に配置して用いることもできる。
【0038】
以上、前記した本願発明に係る塊状物の抜出し装置構成を用いることにより、市販の油圧シリンダーを用いることができるという効果を奏する。その結果、特注品の油圧シリンダーを用いる場合に比べて、油圧シリンダーの工期は、1/3程度に短縮され、また、コストも1/3程度に削減できるという効果を奏するものである。更には、スポンジチタン塊表面の酸化ロス分も一工程にて反応容器から抜出す場合に比べて10%程度削減できるという効果を奏するものである。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明によれば、スポンジチタンの製造において製造装置のコストを抑制し、得られるスポンジチタンの歩留まりを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本願発明の塊状物の押し抜き装置の模式断面図である。
【図2】図1におけるシリンダー部を拡大した模式断面図である。
【図3】塊状物の押し抜きを説明する模式断面図である。
【符号の説明】
【0041】
1 押し抜き装置
2 支持台
3 反応容器
31 スポンジチタン塊
4 押し抜き棒
41 拡径部
42 溝部
43 押し抜きパンチ
5 シリンダー部
51 油圧シリンダー
52 ベース
53 駆動テーブル
54 把持爪駆動用シリンダー
55 把持爪
56 ストッパー駆動用シリンダー
57 ストッパー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有底筒状反応容器内に生成した塊状物を上記反応容器から押し抜くための装置であって、
上記押し抜き装置は、上記塊状物を保持する反応容器と、上記塊状物を押圧する押し抜き棒と、上記押し抜き棒を駆動する油圧シリンダーと、上記反応容器および上記油圧シリンダーを保持する支持台と、上記油圧シリンダーに接続され上記押し抜き棒に嵌合して上記油圧シリンダーの駆動力を伝達する把持爪とから構成され、
上記押し抜き棒は、断面の径が相対的に大きい拡径部と、断面の径が相対的に小さい溝部から構成され、上記拡径部と上記溝部が交互に配置されており、
上記把持爪が上記押し抜き棒の溝部に嵌合した後、上記油圧シリンダーの駆動力が上記把持爪を介して上記押し抜き棒に伝達され、上記反応容器内に保持された上記塊状物の底部に駆動力が印加されるように構成されたことを特徴とする塊状物の押し抜き装置。
【請求項2】
前記油圧シリンダーの移動ストロークが前記反応容器の全長よりも短いことを特徴とする請求項1に記載の塊状物の押し抜き装置。
【請求項3】
前記押し抜き棒から把持爪が離れている間に、前記押し抜き棒の溝部に嵌合するようにストッパーが配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の塊状物の押し抜き装置。
【請求項4】
前記押し抜き棒の先端部に、前記塊状物への押圧力を分散させる押し抜きパンチを配置したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の塊状物の押し抜き装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の塊状物の押し抜き装置を用いる塊状物の押し抜き方法であって、
1)前記塊状物を保持した前記有底筒状反応容器底部に押し抜き棒挿入用の開口部を設け、
2)上記反応容器を前記支持台に装着し、
3)上記塊状物の底部に介装させてある押し抜きパンチに上記押し抜き棒の先端部を当接させ、
4)上記押し抜き棒の溝部に前記把持爪を嵌合させ、
5)前記把持爪に接続された前記油圧シリンダーを作動させて一組の前記拡径部と前記溝部の長さの合計分だけ上記押し抜き棒を移動させ、
6)前記ストッパーを他の溝部に嵌合させて上記押し抜き棒を固定した後に上記把持爪を上記溝部から引き抜き、
7)上記把持爪を上記溝部から隣の溝部に移動させて嵌合させ、
8)上記ストッパーを上記他の溝部から引き抜き、
9)上記5)〜8)を繰り返すことを特徴とする塊状物の押し抜き方法。
【請求項6】
前記塊状物がスポンジチタン塊であることを特徴とする請求項5に記載の塊状物の押し抜き方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−144212(P2008−144212A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−331381(P2006−331381)
【出願日】平成18年12月8日(2006.12.8)
【出願人】(390007227)東邦チタニウム株式会社 (191)
【Fターム(参考)】