説明

塩化セシウムおよび臭化エチジウム含有溶液から核酸を単離する方法

【課題】塩化セシウム−臭化エチジウム平衡密度勾配遠心法による核酸精製において、遠心後に分離した核酸溶液中の高濃度の塩化セシウムおよび臭化エチジウムを迅速かつ同時に除去して、核酸を単離取得する方法を提供する。
【解決手段】(1)塩化セシウム、臭化エチジウムおよび核酸を含有する溶液を、1種または2種以上のAg型ゼオライトと接触させる工程、および
(2)Ag型ゼオライトの非吸着画分を採取する工程
を有する、塩化セシウム、臭化エチジウムおよび核酸を含有する溶液から核酸を単離取得する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塩化セシウムおよび臭化エチジウムを含む溶液から核酸を選択的且つ高収率に単離取得する方法に関する。より詳細には、本発明は塩化セシウム−臭化エチジウム平衡密度勾配遠心法を用いて回収された核酸含有溶液から、塩化セシウムおよび臭化エチジウムを同時に除去して、選択的かつ収率良く核酸を単離取得する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
塩化セシウム-臭化エチジウム平衡密度勾配遠心法は核酸を精製する方法の一つであり、ミトコンドリアDNAの分離精製、培養細胞への遺伝子導入用ベクターの精製など、特に高純度のDNAを必要とする際に使用される方法である。この方法は、DNAインターカレーターである臭化エチジウムが結合したDNAは、塩基間の広がりによるDNA鎖の巻き戻し効果によって密度が低下することを利用したものである。すなわち、DNA鎖にニック(切れ目)が入っている環状DNAや直鎖状DNA(リラックス型DNA)では巻き戻しの構造的制約がないのに対し、完全閉環状のスーパーコイル型DNAでは構造的な制約から巻き戻しに制限があり、結果としてスーパーコイル型DNAとリラックス型DNAとで、密度の差ができることを利用して、DNAを分離するものである。
【0003】
塩化セシウム-臭化エチジウム平衡密度勾配遠心法では、遠心終了後の分離DNA溶液に高濃度の塩化セシウムと臭化エチジウムが含まれているため、DNAを単離取得するためには、これらの塩化セシウムと臭化エチジウムを除去する必要がある。従来この目的で、塩化セシウムの除去には透析法または希釈とエタノール沈殿法が、また臭化エチジウムの除去には溶媒抽出法が汎用されている(非特許文献1)。
【0004】
しかしながら、かかる方法は、除去対象物(塩化セシウムまたは臭化エチジウム)に応じて異なる方法を採用する必要があり、煩雑であるとともに、複数の処理によってDNAの収率が低下するという問題がある。また、上記方法では溶媒抽出に伴って臭化エチジウムを含む有機廃液が生じるため、発ガン性物質を含む有機廃液の処理が必要となるという問題が発生する。
【0005】
一方で、ゲルろ過担体を充填した脱塩カラムを用いたゲルろ過法を利用して塩化セシウムと臭化エチジウムをプラスミド溶液から分離する方法も報告されている(非特許文献2)。しかし、この方法では塩化セシウムと臭化エチジウムはゲルろ過担体に安定的に吸着されている訳ではないため、溶離液の調製法によってはプラスミドと塩化セシウム、臭化エチジウムが完全に分離できない場合や、使用済みカラムに対する意図しない溶液の添加等で容易に臭化エチジウムが溶出してくる危険があるという問題がある。
【非特許文献1】T, Maniatis, E. F. Fritsch, J. Sambrook, Large scale isolation of plasmid DNA, Molecular Cloning: a laboratory manual, p86-95, Cold Spring Harbor Laboratry, Cold Spring Harbor. NY(1982)
【非特許文献2】Rapid Separation of DNA from Ethidium Bromide and Cesium Chloride in Ultracentrifuge Gradients by a Desalting Column, Chang, N. S., BioTechniques vol.14, No.3, p342-346, 1993
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かかる従来の問題を解決することを目的とするものである。より詳しくは、本発明は、例えば塩化セシウム-臭化エチジウム平衡密度勾配遠心法で得られる、塩化セシウムおよび臭化エチジウムを含有する核酸溶液から、核酸の吸着によるロスを抑制しながら、塩化セシウムおよび臭化エチジウムを同時に除去して、選択的かつ高収率に核酸を単離取得できる方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねていたところ、ゼオライト、特にAg型ゼオライトを用いることにより、塩化セシウムと臭化エチジウムを含む核酸溶液から、塩化セシウムと臭化エチジウムを同時に効率よく除去でき、しかも核酸を殆どロスなく収率よく分離回収することができることを見出した。
【0008】
本発明はかかる知見に基づいて完成したものであり、下記の構成を有するものである。
【0009】
(I)臭化エチジウムおよび核酸を含有する溶液から核酸を単離取得する方法
(I-1)塩化セシウム、臭化エチジウムおよび核酸を含有する溶液から核酸を単離取得する方法であって、
(1)塩化セシウム、臭化エチジウムおよび核酸を含有する溶液を1種または2種以上のAg型ゼオライトと接触させる工程、および
(2)Ag型ゼオライトの非吸着画分を採取回収する工程
を有する、上記方法。
(I-2)上記で使用するAg型ゼオライトが、陽イオン交換容量が総計で少なくとも0.89meq/g、交換性陽イオンのうちAg交換率が総計で少なくとも55%、および臭化エチジウム吸着量が総計で少なくとも8.5mg/gであることを特徴とするものである、(I-1)に記載する方法。
(I-3)上記Ag型ゼオライトが、モルデナイト、クリノプチロライト、フェリエライト、A型ゼオライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライト、およびMFI型合成ゼオライトからなる群から選択される少なくとも1種である、(I-1)または(I-2)のいずれかに記載する方法。
(I-4)上記Ag型ゼオライトが、モルデナイト、クリノプチロライト、天然フェリエライト、Y型ゼオライト、および合成MFI型ゼオライトからなる群から選択される少なくとも1種である、(I-1)または(I-2)のいずれかに記載する方法。
(I-5)上記Ag型ゼオライトが、モルデナイト、クリノプチロライト、天然フェリエライト、Y型ゼオライト、および合成MFI型ゼオライトからなる群から選択される少なくとも1種と、A型ゼオライト、X型ゼオライト、および合成フェリエライトからなる群から選択される少なくとも1種との混合物である、(I-1)または(I-2)のいずれかに記載する方法。
(I-6)塩化セシウム、臭化エチジウムおよび核酸を含有する溶液が、塩化セシウム−臭化エチジウム平衡密度勾配遠心法で分離回収された核酸溶液である、(I-1)乃至(I-5)のいずれかに記載する方法。
【0010】
(II)Ag型ゼオライトの、塩化セシウム、臭化エチジウムおよび核酸を含有する溶液から核酸を単離するための使用
(II-1)Ag型ゼオライトの、塩化セシウム、臭化エチジウムおよび核酸を含有する溶液から核酸を単離取得するための使用。
(II-2)上記Ag型ゼオライトが、陽イオン交換容量が総計で少なくとも0.89meq/g、交換性陽イオンのうちAg交換率が総計で少なくとも55%、および臭化エチジウム吸着量が総計で少なくとも8.5mg/gであることを特徴とするものである、(II-1)に記載する使用。
(II-3)上記Ag型ゼオライトが、モルデナイト、クリノプチロライト、フェリエライト、A型ゼオライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライト、および合成MFI型ゼオライトからなる群から選択される少なくとも1種である、(II-1)または(II-2)のいずれかに記載する使用。
(II-4)上記Ag型ゼオライトが、モルデナイト、クリノプチロライト、天然フェリエライト、Y型ゼオライト、および合成MFI型ゼオライトからなる群から選択される少なくとも1種である、(II-1)または(II-2)のいずれかに記載する使用。
(II-5)上記Ag型ゼオライトが、モルデナイト、クリノプチロライト、天然フェリエライト、Y型ゼオライト、および合成MFI型ゼオライトからなる群から選択される少なくとも1種と、A型ゼオライト、X型ゼオライト、および合成フェリエライトからなる群から選択される少なくとも1種との混合物である、(II-1)または(II-2)のいずれかに記載する使用。
(II-6)塩化セシウム、臭化エチジウムおよび核酸を含有する溶液が、塩化セシウム−臭化エチジウム平衡密度勾配遠心法で分離回収された核酸溶液である、(II-1)乃至(II-5)のいずれかに記載する使用。
【発明の効果】
【0011】
本発明の方法によれば、Ag型ゼオライトを用いることで、塩化セシウムと臭化エチジウムを1ステップで同時に除去することができる。また本発明の方法によれば、分離取得対象である核酸を、特異的または非特異的な吸着などによって著しくロスするということなく、収率よく回収することができる。このため、本発明の方法は、塩化セシウム−臭化エチジウム平衡密度勾配遠心法で得られるような、塩化セシウムおよび臭化エチジウムを含む核酸含有溶液の中から、核酸を、選択的且つ高収率に、単離回収する方法として有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明が対象とする核酸には、2−デオキシリボースをもつデオキシリボ核酸(DNA)と、リボースをもつリボ核酸(RNA)の両方が含まれる。好ましくはDNAである。ここでDNAには、2本鎖DNAのみならず、それを構成するセンス鎖およびアンチセンス鎖という1本鎖のDNAも含まれる。またその長さも特に制限されない。従って、本発明において核酸とは、特に言及しない限り、ゲノムDNAを含む2本鎖DNAおよびcDNAを含む1本鎖DNA(正鎖)並びに当該正鎖と相補的な配列を有する1本鎖DNA(相補鎖)、およびこれらの断片のいずれもが含まれる。また核酸の由来も特に制限されず、大腸菌や枯草菌などの原核生物に由来する核酸、酵母などの菌類、昆虫、植物およびヒトを含む動物などの真核生物に由来する核酸のいずれをも対象とすることができる。
【0013】
本発明で用いるAg型ゼオライトとは、ゼオライト中の交換可能な陽イオン(交換性陽イオン)の一部、または全部を銀イオン(Ag)で置き換えたものを意味する。Ag型ゼオライトの陽イオン交換容量のうちAgが占める割合(Ag交換率)として、制限されないが、好ましくは55%以上(55〜100%)を挙げることができる。当該Ag交換率として、より好ましくは59%以上(59〜100%)、さらに好ましくは70%以上(70〜100%)、特に好ましくは80%以上(80〜100%)である。
【0014】
また本発明で用いるAg型ゼオライトとしては、制限されないが、好ましくは陽イオン交換容量が少なくとも0.89meq/gであるもの、特に0.89〜7meq/gであるものを挙げることができる。より好ましくは陽イオン交換容量が1〜7meq/g、さらに好ましくは2〜7meq/gのAg型ゼオライトである。
【0015】
かかる陽イオン交換容量の測定方法は公知であり、例えば非特許文献「天然ゼオライトの簡易塩基交換容量測定法、粘土科学、20巻、p.78-82、1980年」に記載される方法に従って測定することができる。具体的には、一定重量のゼオライト試料をはかり取り、100倍量の1M酢酸アンモニウム溶液に浸漬して80℃で約16時間保持した後、ゼオライト試料と溶液を遠心操作等によって固液分離し、その後、ゼオライト試料を1M KCl溶液に浸漬して溶出してきたアンモニアを水蒸気蒸留したのち滴定法等によって測定することによって、陽イオン交換容量を求めることができる。
【0016】
なお、前述するAg型ゼオライトのAg保持量は、上記陽イオン交換容量の測定法と同様に非特許文献「天然ゼオライトの簡易塩基交換容量測定法、粘土科学、20巻、p.78-82、1980年」に記載される方法に従って測定することができる。具体的には、一定重量のAg型ゼオライト試料をはかり取り、100倍量の1M硝酸アンモニウム溶液に浸漬して80℃で約16時間保持した後、ゼオライト試料と溶液を遠心操作等によって固液分離し、その後溶液中に溶出してきた銀イオン(Ag)をフレーム式原子吸光光度法によって求めることができる。当該Ag型ゼオライトのAg交換率は、Ag型ゼオライトの陽イオン交換容量のうちAgが占める割合(Ag交換率)を計算することによって求めることができる。
【0017】
さらに本発明で用いるAg型ゼオライトは、制限はされないが、好ましくは臭化エチジウム吸着量が少なくとも8.5mg/gであるものである。好ましくは臭化エチジウム吸着量が8.5〜30mg/g、より好ましく8.9〜30mg/g、特に好ましくは10〜30mg/gのAg型ゼオライトである。Ag型ゼオライトの臭化エチジウム吸着量は、各ゼオライトの臭化エチジウムに対する吸着等温線をラングミュアの吸着式に当てはめて求めることができる。具体的な測定方法は、実施例2に記載する通りである。なお、吸着等温線が「上に凸にならなかった場合」、当該Ag型ゼオライトは、臭化エチジウム吸着用途には使用不適と判断される。
【0018】
本発明の方法は、塩化セシウム、臭化エチジウムおよび核酸を含有する溶液から、核酸を単離取得することを特徴とするものであって、
(1)塩化セシウム、臭化エチジウムおよび核酸を含有する溶液をAg型ゼオライトと接触させる工程、および
(2)当該Ag型ゼオライトの非吸着画分を採取する工程
を実施することによって行うことができる。
【0019】
ここでAg型ゼオライトは、1種を単独で使用してもよいし、また2種以上を任意に組み合わせて使用することができる。1種を単独で使用する場合、前述する陽イオン交換容量、Ag交換率、および臭化エチジウム吸着量が、上記の範囲にあるAg型ゼオライトを好適に使用することができる。また2種以上のAg型ゼオライトを任意に組み合わせて使用する場合、個々のAg型ゼオライトの陽イオン交換容量、Ag交換率、および臭化エチジウム吸着量に関わらず、使用する2種以上のAg型ゼオライトの陽イオン交換容量、Ag交換率、および臭化エチジウム吸着量の総計が上記範囲に含まれていればよい。
【0020】
本発明において好適に使用されるAg型ゼオライトとして、制限はされないものの、好ましくはモルデナイト、クリノプチロライト、フェリエライト、A型ゼオライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライト、およびMFI型ゼオライトを挙げることができる。これらは1種単独で使用してもよいし、また2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。1種単独または2種以上を組み合わせて使用する場合、好ましいAg型ゼオライトとしては、モルデナイト、クリノプチロライト、天然フェリエライト、Y型ゼオライト、およびMFI型ゼオライトを挙げることができる。また上記A型ゼオライト、X型ゼオライトおよび合成フェリエライトは、臭化エチジウム吸着量が比較的少ないため、モルデナイト、クリノプチロライト、天然フェリエライト、Y型ゼオライト、およびMFI型ゼオライトからなる群から選択される少なくとも1種のAg型ゼオライトと組み合わせて使用することが好ましい。
【0021】
なお、これらのAg型ゼオライトは、いずれも交換性陽イオンのうち59%以上が銀イオン(Ag)に交換されているゼオライトである。
【0022】
また本発明の方法が対象とする塩化セシウム、臭化エチジウムおよび核酸を含有する溶液としては、制限はされないが、塩化セシウム−臭化エチジウム平衡密度勾配遠心法によって回収される塩化セシウム、臭化エチジウムおよび核酸を含有する溶液である。塩化セシウム−臭化エチジウム平衡密度勾配遠心法とは、臭化エチジウムが二本鎖DNAの塩基間にインターカレートする性質を利用し、直鎖状DNA(ニックの入ったプラスミドDNAを含む)と閉環状DNA(スーパーコイルプラスミドDNA)とで臭化エチジウムの結合量が違うことから生じる塩化セシウム密度勾配中での浮遊密度の差を利用して、両者を分離する平衡密度勾配法である。塩化セシウム密度勾配中での超遠心により、閉環状DNA(スーパーコイルプラスミドDNA)を、直鎖状DNAから分離することができる。所望の核酸含有溶液は、UV光源下で採取することができるが、当該溶液中には塩化セシウムおよび臭化エチジウムが含まれているため、これらを除去して所望の核酸を単離取得する必要がある。本発明の方法は、この目的のために好適に使用することができる。
【0023】
具体的には、本発明の方法は、塩化セシウム−臭化エチジウム平衡密度勾配遠心法によって回収される塩化セシウム、臭化エチジウムおよび核酸を含有する溶液を、前述するAg型ゼオライトと接触状態におく方法であれば特に制限されない。制限はされないが、その例として下記に説明する(1)カラム充填法、および(2)直接添加法を挙げることができる。
【0024】
(1)カラム充填法
Ag型ゼオライトを充填したカラムを用いる方法である。当該方法は、具体的には、Ag型ゼオライトを充填したカラムに、塩化セシウムおよび臭化エチジウムを含む核酸含有溶液を通液することによって行うことができる。かかる方法により、当該核酸含有溶液から塩化セシウム(塩化物イオン、セシウム)および臭化エチジウムを同時に効率よく除去して、核酸をほとんどロスすることなく単離回収することができる。
【0025】
この場合、Ag型ゼオライトを充填したカラムは、核酸含有溶液を通液する前にあらかじめ超純水で洗浄して平衡化しておくことが好ましい。かかるカラムに、上記核酸含有溶液を通液すると、塩化セシウム(塩化物イオン、セシウム)および臭化エチジウムがカラム(Ag型ゼオライト)に吸着または捕捉され、核酸が非吸着画分として溶出される。溶出された核酸含有溶液は、そのまま使用してもよいし、またさらにフェノール・クロロホルム抽出、エタノール沈殿などの精製処理に供してもよい。
【0026】
(2)直接添加法
かかる方法は、Ag型ゼオライトを、塩化セシウムおよび臭化エチジウムを含む核酸含有溶液に直接添加し、穏やかに攪拌することによって行うことができる。この場合、Ag型ゼオライトの非吸着画分は、その後、遠心分離して上清を採取するか、濾紙、または樹脂フィルターによって不溶画分をろ過清澄することによって取得することができる。かかる方法により、当該核酸含有溶液から、塩化セシウム(塩化物イオン、セシウム)および臭化エチジウムを同時に効率よく除去して、核酸をほとんどロスすることなく、単離回収することができる。斯くして回収した核酸含有溶液は、そのまま使用してもよいし、またさらにフェノール・クロロホルム抽出、エタノール沈殿などの精製処理に供してもよい。
【実施例】
【0027】
以下、調製例および実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、特に記載のない限り「部」とは「重量部」を、「%」とは「重量%」を意味するものとする。
【0028】
調製例1 Ag型ゼオライトの調製
下記実施例で使用するAg型ゼオライトは、次の方法で調製した。
【0029】
天然ゼオライト(表1)は、粒径が45μm以下となるよう原石を遊星ボールミルにて粉砕し、超純水で十分に洗浄した。合成ゼオライト(表1)は、Na型のものについてはそのまま、それ以外の交換性陽イオンを保持させたものについては重量比で100倍量の1M NaCl溶液に浸漬し、80℃で約16時間保持してNa型とした後、十分に超純水で洗浄した。これらのゼオライト試料を、重量比で10倍量の1M硝酸銀溶液に浸漬して80℃で約16時間保持した後、超純水で十分に洗浄し、110℃で乾燥させた。
【0030】
(1)陽イオン交換容量の測定
使用したAg型ゼオライト(調製前のAg型ゼオライト)の陽イオン交換容量を、以下の方法に従って測定した。まず各ゼオライト試料を約0.5gはかり取り、これを50mlの1M酢酸アンモニウムに浸漬して80℃で約16時間保持したのち、遠心操作によってゼオライトと酢酸アンモニウム溶液を分離した。続いて前記ゼオライトを80%メタノール含有水溶液で洗浄後、100mlの1M KCl溶液に浸漬して1時間保持した。その後、溶液中に溶出してきたアンモニウムイオンの量を水蒸気蒸留した後に滴定によって求め、陽イオン交換容量を算出した。
【0031】
(2)Ag含有量の測定
調製後のAg型ゼオライトのAg含有量は、以下の方法に従って測定した。まずAg型ゼオライトを約0.2gはかり取り、これを20mlの1M硝酸アンモニウムに浸漬して80℃で約16時間保持したのち、遠心操作によってゼオライトと硝酸アンモニウム溶液を分離した。その後、硝酸アンモニウム溶液中に含まれる銀イオン(Ag)をフレーム式原子吸光光度法で測定し、Ag型ゼオライト中のAg含有量を算出した。
【0032】
各Ag型ゼオライト試料の陽イオン交換容量およびAg含有量、ならびにこれらから算出されるAg交換率を表1に示す。
【0033】
【表1】

【0034】
実施例1 Ag型ゼオライトによる塩化セシウム(CsCl)の除去
ゼオライトの陽イオン交換容量を1meq/gとし、これが全てAgイオンで交換されていると仮定すると、平衡密度勾配遠心で使用する4.45Mの塩化セシウムを0.2ml処理しようとする場合、0.89gのAg型ゼオライトが必要となる。そこで、実際にAg型ゼオライトで高濃度塩化セシウムが除去可能かどうかを検証するため、高濃度塩化セシウムを含有する模擬溶液を用いて、Ag型ゼオライトによる塩化セシウム除去実験を行った。
【0035】
具体的には、平衡密度勾配遠心に用いる4.45M塩化セシウム溶液を作製し、これを0.2mlとって超純水で10倍に希釈したものに対してAg型ゼオライト(天然モルデナイト1(島根県産)(陽イオン交換容量:1.37meq/g、Ag含有量:0.81meq/g、Ag交換率59.1%)を0〜1.2gの割合で加えた時の溶液中のセシウム濃度および塩化物イオン濃度を測定した。なお、セシウム濃度は誘導結合プラズマ質量分析法(ICP−MS)にて、また塩化物イオン濃度はイオンクロマトグラフで測定した。結果を表2に示す。
【0036】
【表2】

【0037】
表2に示すように、上記試験の結果、Ag型ゼオライトを0.8gの割合で添加した時点でセシウムおよび塩化物イオンの濃度はほぼゼロとなり、セシウムと塩化物イオンが除去されることがわかった。
【0038】
またAg型ゼオライトとして、上記で使用した天然モルデナイト1(島根県産)に代えて、天然モルデナイト2(島根県産)、天然モルデナイト3(宮城県産)、天然フェリエライト(島根県産)、天然クリノプチロライト1(島根県産)、天然クリノプチロライト2(北海道産)、天然クリノプチロライト3(秋田県産)、合成A型ゼオライト、合成X型ゼオライト、合成Y型ゼオライト、合成モルデナイト、合成フェリエライト、および合成MFI型ゼオライトの各Ag型ゼオライト(1g)についても、上記と同様にして、セシウムと塩化物イオンの除去効果を調べた。これらのAg型ゼオライトのセシウムと塩化物イオンの除去効果を、1gのAg型ゼオライトを加えた時の残存セシウム濃度および塩化物イオン濃度としてそれぞれ表3に示す。
【0039】
【表3】

【0040】
これらの結果からわかるように、いずれのAg型ゼオライトもセシウムと塩化物イオンをほぼ100%の割合で除去することが可能であった。
【0041】
上記塩化セシウムの除去原理は、制限されないが、溶液中のCsがAg型ゼオライト中のAgと交換することによってゼオライト中に除去され、溶出してきたAgが溶液中の塩化物イオン(Cl)と反応することによって不溶性の塩化銀(AgCl)を生成し、溶液から除去されるものと考えられる。
【0042】
実施例2 Ag型ゼオライトによる臭化エチジウムの除去
Ag型ゼオライトによる臭化エチジウム除去性能を評価するため、ラングミュアの吸着理論式を用いてAg型ゼオライト(天然モルデナイト1(島根県産))の臭化エチジウム飽和吸着量を求めた。具体的には、ゼオライトを0.11g、0.12g、0.13g、・・・というように0.01g間隔で0.11gから0.30gまではかり取り、そこに1.2mg/ml濃度の臭化エチジウム溶液を3ml加えて撹拌した。その後、遠心操作によってゼオライトを溶液から分離し、溶液部分の臭化エチジウム濃度を分光光度計で285nmの吸光度を測定することにより算出した。このようにして得たデータを、横軸を吸着処理後の残存臭化エチジウム濃度(平衡濃度)、縦軸をゼオライトに吸着された臭化エチジウム量としてプロットし、得られた「等温吸着線」をラングミュアの吸着理論式で近似することによって飽和吸着量を算出した。天然モルデナイト1(島根県産)の等温吸着線を図1に示す。この結果、臭化エチジウム飽和吸着量は26.7mg/gと算出された(参考文献:「化学セミナー16 吸着の化学」、近藤精一、石川達雄、安部郁夫 丸善 東京 1991年)。
【0043】
また、平衡密度勾配遠心に用いる臭化エチジウム溶液中に含まれる臭化エチジウム濃度は0.8mg/ml、処理量は0.2mlであるので、除去すべき臭化エチジウムの絶対量は0.16mgとなる。そこで、この臭化エチジウムを1gのゼオライトで除去した場合の臭化エチジウム平衡濃度(溶液中に残存する臭化エチジウムの濃度)を図1より求めた。その結果、臭化エチジウム平衡濃度は0.0076mg/Lとなり、原液の約1/100000の濃度にまで除去できることがわかった。
【0044】
上記天然モルデナイト1(島根県産)に代えて、天然モルデナイト2(島根県産)、天然モルデナイト3(宮城産)、天然フェリエライト(島根県産)、天然クリノプチロライト1(島根県産)、天然クリノプチロライト2(北海道産)、天然クリノプチロライト3(秋田県産)、合成A型ゼオライト、合成X型ゼオライト、合成Y型ゼオライト、合成モルデナイト、合成フェリエライト、および合成MFI型ゼオライトといった表1記載のAg型ゼオライトについても、上記と同様にして、等温吸着線、臭化エチジウム飽和吸着量、および吸着処理後の臭化エチジウム平衡濃度を求めた。結果を図2〜13および表4に示す。なお、この表4で臭化エチジウム飽和吸着量が0mg/gとなっているものは、等温吸着線が「上に凸」とならなかったためにラングミュア式が適用できなかったものである(合成A型ゼオライト、合成X型ゼオライト、合成フェリエライト)。
【0045】
【表4】

【0046】
実施例3
本発明の目的は精製した核酸(ここではプラスミドDNA)の回収であるため、用いるゼオライトは核酸を吸着しないものである必要がある。そこで各種の天然ゼオライトおよび合成ゼオライトの核酸吸着能を比較した。具体的には、塩化セシウムと臭化エチジウムの双方が溶液から除去されたと仮定して、プラスミドpBluescript SK+(ストラタジーン社)1μgと2mgのAg+型ゼオライト(表1参照)を100μlの超純水に縣濁し、5分間保持した後、遠心操作によって溶液とゼオライトを分離し、溶液部分のプラスミドpBluescript SK+の存在をアガロース電気泳動にて確認した。
【0047】
結果を図14に示す。図14に示すように、実施例で用いたAg型ゼオライト全てにおいて、核酸(DNA)の非特異的な吸着がないことが確認された。
【0048】
以上の実施例1〜3の結果から、モルデナイト、クリノプチロライト、フェリエライトから選択される天然ゼオライト、ならびにモルデナイト、Y型ゼオライト、MFI型ゼオライトから選択される合成ゼオライトによれば、これらは単独で用いても塩化セシウムおよび臭化エチジウムを効率よく除去しながら、DNAを、特異的または非特異的吸着によるロスなく単離回収することができることが判明した。また、A型ゼオライト、X型ゼオライト、およびフェリエライトから選択される合成ゼオライトの場合でも、これらを臭化エチジウム吸着能を持つ上記ゼオライトと組み合わせることによって同様の効果を得ることが可能である。
【0049】
実施例4
実施例2に示される臭化エチジウム吸着性のない合成A型ゼオライト、合成X型ゼオライト、合成フェリエライトは、陽イオン交換容量が大きくAg供給源としては優れている。そこで、これらのゼオライトを、臭化エチジウム吸着性には優れるが陽イオン交換容量またはAg交換率が低いためにAg供給量が少ない他のゼオライトと組み合わせることによって、塩化セシウム、臭化エチジウムの双方をより少ないゼオライト量で効率よく除去することが可能となる。以下は、Ag型天然モルデナイトによる塩化セシウム、臭化エチジウム除去実験において、Ag型合成A型ゼオライト、Ag型合成X型ゼオライト、Ag型合成フェリエライトを同時に添加した時の塩化セシウムおよび臭化エチジウム除去効果について検証したものである。
【0050】
平衡密度勾配遠心に用いる4.45M塩化セシウムと0.8mg/g臭化エチジウムの混合溶液を作製し、これを0.2mlとって超純水で10倍に希釈したものに対して、表1記載のAg型天然モルデナイト1(島根県産)を0から0.8gの割合で加え、よく撹拌した後に遠心操作によってゼオライトと溶液とを分離し、溶液中のセシウム濃度、塩化物イオン濃度および臭化エチジウム濃度を測定した。次に、上記Ag型天然モルデナイト1(島根県産)添加時に表1記載のAg型合成A型ゼオライト、Ag型合成X型ゼオライト、Ag型合成フェリエライトをそれぞれ0.1g同時に添加し、同様に測定した。なお、セシウム濃度は誘導結合プラズマ質量分析法(ICP−MS)にて、塩化物イオン濃度はイオンクロマトグラフにて、臭化エチジウム濃度は分光光度計で285nmの吸光度を測定することで算出した。結果について、セシウムの除去効果を図15に、塩化物イオンの除去効果を図16に、臭化エチジウムの除去効果を図17に示す。セシウム、塩化物イオンの除去効果は、Ag型合成A型ゼオライト、Ag型合成X型ゼオライトまたはAg型合成フェリエライトの添加によって大きくなっており、Ag型合成A型ゼオライト、Ag型合成X型ゼオライトの添加の場合、塩化セシウムの除去に必要なゼオライトの総量が0.8gから0.6gへ、Ag型合成フェリエライトの添加の場合、0.8gから0.7gへ減少していることがわかる(天然モルデナイト添加量+0.1g)。
【0051】
また、臭化エチジウム除去効果については、天然モルデナイト1(島根県産)のみの場合とAg型合成A型ゼオライト、Ag型合成X型ゼオライト、Ag型合成フェリエライトを添加した場合で差はなく、十分除去されていることがわかる。以上のことから、Ag供給量の少ない他のAg型ゼオライトに、Ag型合成A型ゼオライト、Ag型合成X型ゼオライト、またはAg型合成フェリエライトを少量添加することは、塩化セシウムおよび臭化エチジウムの除去に必要なゼオライトの総量を減少させることができ、この意味で効果的であることが示された。
【0052】
処理すべき塩化セシウム−臭化エチジウム平衡密度勾配遠心法によって回収される塩化セシウム、臭化エチジウムおよび核酸を含有する溶液は、4.45M塩化セシウム、0.8mg/g臭化エチジウムである。処理量は1回当たり0.2ml程度なので、これを1gのゼオライトで処理しようとする場合、陽イオン交換容量0.89meq/g、臭化エチジウム吸着量0.16mg/gの性能が必要となる。これを満たすゼオライトは、天然ゼオライトは上記7種全て(モルデナイト、クリノプチロライト、フェリエライト)、合成ゼオライトではY型ゼオライト、モルデナイト、およびMFI型ゼオライトの3種である。さらに、この中で核酸吸着性のないゼオライトは、天然ゼオライト(モルデナイト、クリノプチロライト、フェリエライト)は全て、合成ゼオライトではA型ゼオライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライト、モルデナイト、フェリエライト、MFI型ゼオライトの6種である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】実施例2において得られた、天然モルデナイト1(島根県産)に関する等温吸着線を示す。横軸は吸着処理後の残存臭化エチジウム濃度(平衡濃度)、縦軸はゼオライトに吸着された臭化エチジウム量を示す(下記、図2〜14において同じ)。
【図2】実施例2において得られた、天然モルデナイト2(島根県産)に関する等温吸着線を示す。
【図3】実施例2において得られた、天然モルデナイト3(宮城県産)に関する等温吸着線を示す。
【図4】実施例2において得られた、天然フェリエライト1(島根県産)に関する等温吸着線を示す。
【図5】実施例2において得られた、天然クリノプチロライト1(島根県産)に関する等温吸着線を示す。
【図6】実施例2において得られた、天然クリノプチロライト2(北海道産)に関する等温吸着線を示す。
【図7】実施例2において得られた、天然クリノプチロライト3(秋田県産)に関する等温吸着線を示す。
【図8】実施例2において得られた、合成A型ゼオライトに関する等温吸着線を示す。
【図9】実施例2において得られた、合成X型ゼオライトに関する等温吸着線を示す。
【図10】実施例2において得られた、合成Y型ゼオライトに関する等温吸着線を示す。
【図11】実施例2において得られた、合成モルデナイトに関する等温吸着線を示す。
【図12】実施例2において得られた、合成フェリエライトに関する等温吸着線を示す。
【図13】実施例2において得られた、合成MFI型ゼオライトに関する等温吸着線を示す。
【図14】各種Ag型ゼオライト(表1参照)を用いて核酸(プラスミドDNA)の吸着状況を調べた結果を示す(実施例3)。各レーンは次の通り:M:DNA 500bpサイズマーカー、1:天然モルデナイト1(島根県産)、2:天然モルデナイト2(島根県産)、3:天然モルデナイト3(宮城県産)、4:天然クリノプチロライト2(北海道産)、5:天然クリノプチロライト3(秋田県産)、6:天然クリノプチロライト1(島根県産)、7:天然フェリエライト(島根県産)、8:合成A型ゼオライト、9:合成ゼオライト、10:合成Y型ゼオライト、11:合成モルデナイト、12:合成フェリエライト、13:合成MFI型ゼオライト14:コントロール(担体未添加)。
【図15】実施例4において得られた、―○―:天然モルデナイト1(島根県産)、--□--:天然モルデナイト1(島根県産)+合成A型ゼオライト0.1g、--△--:天然モルデナイト1(島根県産)+合成X型ゼオライト0.1g、および--◇--:天然モルデナイト1(島根県産)+合成フェリエライト0.1gのセシウム除去効果を示す図である。縦軸はセシウム濃度(ppm)を、横軸は天然モルデナイト1の添加量(g)を意味する。
【図16】実施例4において得られた、―○―:天然モルデナイト1(島根県産)、--□--:天然モルデナイト1(島根県産)+合成A型ゼオライト0.1g、--△--:天然モルデナイト1(島根県産)+合成X型ゼオライト0.1g、および--◇--:天然モルデナイト1(島根県産)+合成フェリエライト0.1gの塩化物イオン除去効果を示す図である。縦軸は塩化物イオン濃度(ppm)を、横軸は天然モルデナイト1の添加量(g)を意味する。
【図17】実施例4において得られた、―○―:天然モルデナイト1(島根県産)、--□--:天然モルデナイト1(島根県産)+合成A型ゼオライト0.1g、--△--:天然モルデナイト1(島根県産)+合成X型ゼオライト0.1g、および--◇--:天然モルデナイト1(島根県産)+合成フェリエライト0.1gの臭化エチジウム除去効果を示す図である。縦軸は臭化エチジウム濃度(mg/l)を、横軸は天然モルデナイト1の添加量(g)を意味する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩化セシウム、臭化エチジウムおよび核酸を含有する溶液から核酸を単離取得する方法であって、
(1)塩化セシウム、臭化エチジウムおよび核酸を含有する溶液を、1種または2種以上のAg型ゼオライトと接触させる工程、および
(2) Ag型ゼオライトの非吸着画分を採取回収する工程
を有する、上記方法。
【請求項2】
上記で使用するAg型ゼオライトが、陽イオン交換容量が総計で少なくとも0.89meq/g、交換性陽イオンのうちAg交換率が総計で少なくとも55%、および臭化エチジウム吸着量が総計で少なくとも8.5mg/gであることを特徴とするものである、請求項1に記載する方法。
【請求項3】
上記Ag型ゼオライトが、モルデナイト、クリノプチロライト、フェリエライト、A型ゼオライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライト、およびMFI型ゼオライトからなる群から選択される少なくとも1種のゼオライトである、請求項1または2に記載する方法。
【請求項4】
上記Ag型ゼオライトが、モルデナイト、クリノプチロライト、天然フェリエライト、Y型ゼオライト、および合成MFI型ゼオライトからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1または2に記載する方法。
【請求項5】
上記Ag型ゼオライトが、モルデナイト、クリノプチロライト、天然フェリエライト、Y型ゼオライト、および合成MFI型ゼオライトからなる群から選択される少なくとも1種と、A型ゼオライト、X型ゼオライト、および合成フェリエライトからなる群から選択される少なくとも1種との混合物である、請求項1または2に記載する方法。
【請求項6】
塩化セシウム、臭化エチジウムおよび核酸を含有する溶液が、塩化セシウム−臭化エチジウム平衡密度勾配遠心法で分離回収された核酸溶液である、請求項1乃至5のいずれかに記載する方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2009−82105(P2009−82105A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−258865(P2007−258865)
【出願日】平成19年10月2日(2007.10.2)
【出願人】(591282205)島根県 (122)
【Fターム(参考)】