説明

塵芥収集車の排出板後退制御装置

【課題】塵芥積込み中期ないし終期でも塵芥収容箱内での塵芥圧縮状態を最適に維持することができて塵芥積込み効率を向上させることができる排出板後退制御装置を提供する。
【解決手段】本発明の塵芥収集車の排出板後退制御装置は、パッカーシリンダ10の負荷が所定値以上になったことを検出する第1検出スイッチAと、排出シリンダ15の負荷が所定値以上になったことを検出する第2検出スイッチBとを設け、両スイッチがともに所定値以上の負荷を検出したときに、排出シリンダ15の電磁リリース弁20をタイマ22により所定時間だけ通電して開放し、その間だけ排出板14の後退を許容する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は塵芥収集車の排出板後退制御装置に係り、塵芥収容箱内に塵芥を効率よく収容可能にする排出板後退制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の塵芥収集車としては種々の形式のものがある。その一例としてプレス式のものの構造をその基本動作を示す図5(A)〜(E)基づいて説明する。図5(A)〜(E)の塵芥収容箱1は塵芥収集車の車台に搭載され、内部に塵芥を収容する。塵芥収容箱1内部には排出シリンダ15によって前後駆動される排出板14が配設される。一方、塵芥収容箱1の後部(図の右部)開口部1aに、上部ヒンジ4を中心として所定角度回動可能な塵芥積込箱2が開閉自在に接続される。塵芥積込箱2内には、傾斜状態で塵芥積込箱2内に固定された遮蔽板7の後側に、塵芥積込装置12が設けられる。この塵芥積込装置12はパッカープレート9とプレスプレート8を有する。パッカープレート9は遮蔽板7の後側に沿って図示しないパッカーシリンダによって上下動する。プレスプレート8はパッカープレート9の下端部にピン8bを中心として回動自在に取付けられ、図示しないプレスシリンダによって前後方向に回動する。
【0003】
図5(B)、(C)に示すように、塵芥積込箱2の後面に開口する図示しない塵芥投入口から投入された塵芥Tは、パッカープレート9の下動により、後方に回動したプレスプレート8によって圧縮される(一次圧縮)。この一次圧縮の後、図5(D)に示すようにプレスプレート8が前方に回動して塵芥Tを更に圧縮する(二次圧縮)。二次圧縮された塵芥Tは、図5(E)に示すように、プレスプレート8とパッカープレート9が一体的に上昇することにより、塵芥収容箱1に押込まれる。排出板14は塵芥Tの積込量に応じて徐々に後退し、この際、排出シリンダ15は塵芥Tが適度に圧縮されるようにその背圧側圧油を徐々に排出する。
【0004】
ところで、塵芥収集車は塵芥収容箱1内の限られた容積中に隙間なく最大限量の塵芥Tを収容することが求められる。このため、塵芥積込装置12と排出板14の各作動を最適に制御するための各種提案がなされている(例えば特許文献1参照)。塵芥積込装置は回転板式とプレス式があるが、圧潰と圧縮が必要な塵芥にはプレス式が適する。圧縮が必要な塵芥の典型例は段ボール紙である。段ボール紙は通常折り曲げられた状態で塵芥収集車に積込まれるが、それ自体の厚みも大きいうえ、一般家庭雑芥と異なり腰が非常に強く反発力が大きい。したがって、段ボール紙は塵芥積込箱内でいったん圧縮して塵芥収容箱内に押し込んでも、塵芥収容箱内で弾性力により再び膨張するから積込効率を低下させる。
【0005】
特許文献1記載の技術は、プレス式積込装置の1回の積込工程終了後、押込み状態を一定時間継続させるとともに、その際のプレスシリンダの油圧を圧力スイッチで検出し、当該油圧が所定圧まで上昇したときに、排出シリンダの背圧側回路のリリース弁を所定時間だけ開放側に切替え制御して排出板の後退を許容する。これにより、段ボール紙などの高反発性塵芥でも効率よく積込み可能にするというものである。
【特許文献1】特公平7−106761号公報(特許請求の範囲、第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1記載の技術は、排出板14が塵芥収容箱1の後部付近にある間は問題ないが(塵芥積込み初期)、排出板14が塵芥収容箱1の中央ないし前部付近まで移動した段階では(塵芥積込み中期ないし終期)、次のような課題を生じる。すなわち、排出板14が塵芥収容箱1の中央ないし前部付近まで移動すると、塵芥収容箱入口付近では十分に圧縮されていた高反発性塵芥でも、塵芥収容箱の奥側(キャビン側)に移動するにしたがい、塵芥積込装置12からの圧力を受けにくくなるため次第に膨張し、排出板が受ける力が減少しているにも拘わらず、プレスプレート8の駆動シリンダの油圧が所定値を越えるたびに、排出シリンダ15の背圧側回路から圧油が排出されてしまうという課題がある。このような現象が起こると、塵芥収容箱1内で高反発性塵芥の膨張をさらに許容する結果となり、塵芥積込み効率をさらに低下させる。特許文献1記載の装置で積込工程終了後に押込み状態を一定時間継続させるのは、このような塵芥積込効率の低下を少しでも少なくするためと考えられるが、この場合、塵芥積込装置12を一時的に停止させることになるから、積込時間延長と作業効率低下は免れない。
【0007】
本発明は、かかる課題に鑑みなされたもので、積込工程終了後に塵芥積込装置を一定時間停止する必要がなく、塵芥積込み中期ないし終期でも塵芥収容箱内での塵芥圧縮状態を最適に維持することができて塵芥積込み効率を向上させることができる排出板後退制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述の目的を達成するため、本発明装置は、塵芥収容箱の内部に、排出シリンダによって前後動可能な排出板が配設されるとともに、前記塵芥収容箱の後端開口部に塵芥積込箱が開閉自在に配設され、前記塵芥積込箱の内部に、積込アクチュエータにて駆動されて塵芥を前記塵芥収容箱に向けて積込み移動させるプレートが配設された塵芥収集車において、前記積込アクチュエータの負荷が所定値以上になったことを検出する第1検出スイッチと、前記排出シリンダの負荷が所定値以上になったことを検出する第2検出スイッチと、前記排出シリンダの背圧側油圧回路に接続されて背圧側圧油を排出可能なリリース弁と、前記第1および第2検出スイッチがともに所定値以上の負荷を検出したときに前記リリース弁を所定時間だけ開放する弁開放制御手段と、を配設したことを特徴とする。
【0009】
ここで、塵芥積込箱には、プレス式塵芥積込装置又は回転板式積込装置が内蔵可能であって、プレス式塵芥積込装置の場合は前記積込アクチュエータがパッカーシリンダ又はプレスシリンダであり、回転板式積込装置の場合は前記積込アクチュエータが回転板又は押込板を駆動する油圧モータ又は押込みシリンダである。前記排出シリンダとしては、種々の形式のものを用いることができるが、例えば高圧で長いストロークが得られる多段シリンダが好ましい。
前記第1検出スイッチとしては、典型的には、前記積込アクチュエータの油圧を検出する第1圧力スイッチである。前記第2検出スイッチとしては、典型的には、前記排出シリンダの油圧を検出する第2圧力スイッチである。しかし、積込アクチュエータと排出シリンダの一定以上の負荷を検出する手段はこれら圧力スイッチに限られない。アクチュエータないしシリンダの駆動部材に作用する一定以上の負荷を、駆動部材に貼付けたひずみ計などを用いてより直接的に検出する検出スイッチであってもよい。
排出シリンダは、その油圧回路にリリース弁と並列にリリーフ弁を配設することができ、この場合、前記リリーフ弁の設定圧を前記第2圧力スイッチの設定圧よりも高くする。どの程度高く設定するかは、塵芥積込箱への塵芥積込量が最大限量となるよう適宜設定する。
【0010】
また前記排出板の後退ストロークを検出するストロークセンサを配設することができ、前記ストロークセンサの検出結果に基づいて、前記第1検出スイッチ及び/又は第2検出スイッチの検出負荷レベルを変更制御してもよい。ストロークセンサとしては、例えばリミットスイッチなどの接触式の他、近接スイッチや光電管方式などの非接触式のものを用いることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、塵芥積込装置の積込アクチュエータの負荷を検出する第1検出スイッチと、排出シリンダの負荷を検出する第2検出スイッチとを設け、両スイッチが作動した時のみ弁開放制御手段で排出シリンダのリリース弁を所定時間だけ開放制御するので、塵芥積込の中期ないし終期において排出板が塵芥収容箱の中間部ないし前端部付近まで後退しても、排出板に一定以上の負荷が作用していない限り、積込アクチュエータの負荷がどんなに高くなっても排出板が後退しないから、積込アクチュエータの押込み力を塵芥収容箱の奥側まで十分に維持浸透させることができ、塵芥収容箱全体の積込効率を増大させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の塵芥収集車の排出板後退制御装置の最良の形態を図1〜図4に基づいて説明する。
【0013】
図1に、本発明の排出板後退制御装置が用いられているプレス式塵芥収集車の塵芥収容箱1と塵芥積込箱2の縦断面図を、排出シリンダ15の油圧回路とともに示す。塵芥収容箱1は塵芥収集車の図示省略の車台上に搭載される。塵芥収容箱1の後端開口部1aに、塵芥積込箱2がその上部ヒンジ4を中心として回動自在に配設される。塵芥Tは、塵芥積込箱2の後面に形成した後部扉を開いて内部に投入される。
【0014】
塵芥積込箱2内に、プレスプレート8とパッカープレート9、及びこれらのアクチュエータであるパッカーシリンダ10とプレスシリンダ11とからなる塵芥積込装置12が配設される。パッカープレート9は略前倒し傾斜で配設され、後述する遮蔽板7に沿ってその面方向にパッカーシリンダ10によって上下にスライド移動する。このパッカープレート9の直近前側の塵芥積込箱2内に、上半分を前後に仕切る遮蔽板7が固定配置される。プレスプレート8は、塵芥積込箱2内に投入した塵芥Tの容積を塵芥積込箱底部6で圧縮するためのもので、パッカープレート9の下端部に回動自在に取付けられる。プレスプレート8は、プレスプレート8と一体のアーム8aを介して、プレスシリンダ11のシリンダボトム側に連結される。プレスシリンダ11のロッド側はパッカープレート9の上端部に連結される。パッカーシリンダ10とプレスシリンダ11は、塵芥積込箱の左右両側に各一対で配設され、従来公知の図示しない油圧回路にて駆動される。
【0015】
一方、塵芥収容箱1の内部に、箱1内を左右方向に横断する排出板14が配設される。この排出板14は上半分が垂直で下端が後方へ傾斜した断面略くの字状をなし、前方傾斜面の内面中央に排出シリンダ15の本体端部16が枢着される。この排出シリンダ15は塵芥収容箱1の底部中央に沿って前後方向に延びた三段シリンダであって、最も細い第一段シリンダ15cの先端が塵芥収容箱前部のピン15dに枢着される。排出シリンダ15は吐出配管17で油圧ポンプPと接続される。吐出配管17の途中には実際は電磁切替弁等が配設されるが簡便のため省略する。また、排出シリンダ15は管路18および並列管路D1,D2を通じて、リザーバ21に接続される。並列管路D1,D2のそれぞれには、電磁リリース弁20とリリーフ弁19が配設される。電磁リリース弁20はソレノイドに通電すると開弁するが、常時はばねの力で閉弁側に切替えられる。一方、リリーフ弁19は、次に述べる第2圧力スイッチBの設定圧よりもやや高めの設定圧とされる。
【0016】
パッカーシリンダ10の油圧と排出シリンダ15の油圧は、それぞれ、第1圧力スイッチAと第2圧力スイッチBで検出される。第2圧力スイッチBの設定圧は、必ずリリーフ弁19の設定圧以下とする。各圧力スイッチA,Bは、それぞれの設定圧以上となった時、ON作動する。それぞれの圧力スイッチA,Bは、タイマ22に電気的に接続される。このタイマ22は、第1圧力スイッチAと第2圧力スイッチBの両方が所定の設定圧以上を検出してともにON作動した時にのみ作動を開始し、所定秒数を経過するまで、電磁リリース弁20に通電し続けてその間のみ当該バルブ20を開放する。したがって、タイマ22は弁開放制御手段を構成する。
【0017】
本発明の排出板後退制御装置は前述の如く構成され、この制御装置による排出板14の動作を以下に説明する。まず、塵芥積込箱底部6に塵芥Tを投入し、所定の図示しない操作部材を操作することにより塵芥積込装置12を作動させると、図示しない油圧回路により塵芥積込装置12の積込動作が開始する。この積込み動作を図1の状態から説明すると、プレスシリンダ11の短縮作動(プレスプレート8の左回り回動)→パッカーシリンダ10の短縮作動(パッカープレート9の下動→塵芥積込箱底部6上でのプレスプレート8による塵芥圧縮)→プレスシリンダ11の伸長作動(塵芥Tの掻上)→パッカーシリンダ10の伸長作動(塵芥Tの押込み)、以上の動作となる。
【0018】
図2〜図4は、いずれも図1の塵芥収集車における塵芥Tの積込量と排出板14の後退状況との関係を示した要部縦断面図である。図2は塵芥の積込初期(排出シリンダ15の第三段シリンダ15cのみ短縮作動)、図3は積込中期(第二段シリンダ15bのみ短縮作動)、図4は積込終期(第三段シリンダ15aのみ短縮作動)を示す。
【0019】
まず、図2のように、排出板14の投入口側に塵芥Tがある程度溜まると、積込装置12のプレスプレート8乃至パッカープレート9により発生した押込み力Pが圧縮状態の塵芥Tを介して排出板14に作用する。この圧力で排出シリンダ15の背圧側油圧が上昇し、この油圧がリリーフ弁19の設定圧を越えると、余分な圧油がリザーバ21に環流するとともに、排出シリンダ15を短縮させて排出板14を後退させる。そして排出シリンダ15の背圧側油圧がリリーフ弁19の設定圧を下回った時点でリリーフ弁19が閉じて排出板14の後退が停止する。積込初期においてはリリーフ弁19のみの作動で排出板14が後退し、圧力スイッチA,Bが同時ON作動して電磁リリース弁20が作動することはない。
【0020】
次に、積込中期においては、図3のように積込装置12の作動により塵芥Tに対する押込み力Pが後方から排出板14を支える保持力Qを上回ることにより、排出板14が塵芥収容箱1の中間位置まで後退する。この時、排出シリンダ15の第二段シリンダ15bが短縮することになるが、第二段シリンンダ15bの受圧面積は第一段シリンダ15cよりも大きいため、排出板14に積込初期よりもさらに大きな力が作用しないと排出板14は後退しない。換言すると、塵芥積込時のパッカーシリンダ10の油圧がさらに大きくならないと、排出板14は後退しない。パッカーシリンダ10の油圧が第1圧力スイッチAの設定圧を越えると、第1圧力スイッチAがON作動する。一方、パッカーシリンダ10の油圧上昇により排出板14に作用する圧力が高まると、排出シリンダ15の背圧側油圧が上昇する。そしてこの油圧が第2圧力スイッチBの設定圧を越えると、第2圧力スイッチBがON作動する。このようにして、第1圧力スイッチAと第2圧力スイッチBがともにON作動すると、これによりタイマ22が作動を開始し、タイマが所定時間作動している間のみ、電磁リリース弁20が通電され、バルブ20が「開」状態すなわちリリース状態になって排出シリンダ15の背圧側圧油がリザーバ21に環流する。これにより排出シリンダ15が短縮作動し、排出板14がさらに後退する。タイマ22作動後も第1圧力スイッチAと第2圧力スイッチBがともにON作動していれば、再びタイマ22が作動を開始し、第1圧力スイッチA又は第2圧力スイッチBのいずれか一方がOFF作動しない限り、前述と同様の作動が繰返される。
【0021】
次に、積込終期においては、図4のように積込装置12の作動によって排出板14が塵芥収容箱1の前端位置まで後退する。この時、排出シリンダ15の第三段シリンダ15aが短縮することになるが、第三段シリンダの受圧面積は第二段シリンダ15bよりもさらに大きいため、排出板14に積込中期よりもさらに大きな力Pが作用しないと排出板14は後退しない。換言すると、塵芥積込時のパッカーシリンダ10の油圧がさらに大きくならないと、排出板14は後退しない。パッカーシリンダ10の油圧が第1圧力スイッチAの設定圧を越えると、第1圧力スイッチAがON作動する。一方、パッカーシリンダ10の油圧上昇により排出板14に作用する圧力が高まると、排出シリンダ15の背圧側油圧が上昇する。そしてこの油圧が第2圧力スイッチBの設定圧を越えると、第2圧力スイッチがON作動する。このようにして、第1圧力スイッチと第2圧力スイッチがともにON作動すると、これによりタイマ22が再び作動を開始し、タイマ22が所定時間作動している間のみ、電磁リリース弁20のソレノイドが通電され、電磁リリース弁20が「開」状態になって排出シリンダ15の背圧側圧油がリザーバ21に環流する。これにより排出シリンダ15が短縮作動し、排出板14がさらに後退する。タイマ22作動後も第1圧力スイッチAと第2圧力スイッチBがともにON作動していれば、再びタイマ22が作動を開始し、第1圧力スイッチA又は第2圧力スイッチBのいずれか一方がOFF作動しない限り、前述と同様の作動が繰返される。
電磁リリース弁20は、実際は、第二段シリンダ15b又は第三段シリンダ15cのいずれか一方が短縮作動する時にのみ作動する。いずれのシリンダが短縮作動する時に電磁リリース20が作動するかは、第1圧力スイッチA又は第2圧力スイッチBの設定圧や、第二段シリンダ15b又は第三段シリンダ15cのシリンダ径によって異なる。
【0022】
なお、以上の本発明の実施形態においては、塵芥の押込み力Pは、パッカーシリンダ10の圧力にのみ基づいて行っているが、プレスシリンダ11の圧力、又は、パッカーシリンダ10とプレスシリンダ11の両シリンダの圧力に基づいて行ってもよい。また、排出板14のキャビン3方向への後退量を、塵芥収容室1の適当な場所に設けた図示しない非接触式の近接スイッチなどにより検出し、第2検出スイッチないし第2圧力スイッチBの作動負荷ないし作動圧力を、排出板14の位置に応じて自動的に増減調節するようにしてもよい。さらに、本発明の実施形態においては排出シリンダ15として三段式シリンダとしているが、四段式又は五段式など各種多段シリンダを使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の排出板後退制御装置が用いられている塵芥収集車における塵芥の積み込み量と排出板の前部方向への後退の様子を示した要部の縦断面図である。
【図2】図1の排出板後退制御装置の塵芥の積込初期における要部断面図である。
【図3】図2の状態から排出板がさらに後退した、塵芥積込中期における要部断面図である。
【図4】図3の状態からさらに排出板が後退し、前端位置まで後退した塵芥積込終期における要部断面図である。
【図5】(A)は従来のプレス式塵芥収集車の塵芥収容箱と塵芥積込箱の初期状態を示す要部断面図、(B)は同じくプレスプレートの反転動作、(C)は同じく1次圧縮動作、(D)は同じく2次圧縮動作、(E)は同じく押込み動作を示す要部断面図である。
【符号の説明】
【0024】
1 塵芥収容箱
2 塵芥積込箱
3 前部(キャビン側)
4 上部ヒンジ
6 底部
7 遮蔽版
8 プレスプレート
9 パッカープレート
10 パッカーシリンダ
11 プレスシリンダ
12 塵芥積込装置
13 油圧制御回路
14 排出板
15 排出シリンダ
16 本体端部
17 吐出配管
18 管路
19 リリーフ弁
20 電磁リリース弁
22 タイマ
A 第1圧力スイッチ
B 第2圧力スイッチ
T 塵芥
P 油圧ポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塵芥収容箱の内部に、排出シリンダによって前後動可能な排出板が配設されるとともに、前記塵芥収容箱の後端開口部に塵芥積込箱が開閉自在に配設され、前記塵芥積込箱の内部に、積込アクチュエータにて駆動されて塵芥を前記塵芥収容箱に向けて積込み移動させるプレートが配設された塵芥収集車において、
前記積込アクチュエータの負荷が所定値以上になったことを検出する第1検出スイッチと、
前記排出シリンダの負荷が所定値以上になったことを検出する第2検出スイッチと、
前記排出シリンダの背圧側油圧回路に接続されて背圧側圧油を排出可能なリリース弁と、
前記第1および第2検出スイッチがともに所定値以上の負荷を検出したときに前記リリース弁を所定時間だけ開放する弁開放制御手段と、
を配設したことを特徴とする塵芥収集車の排出板後退制御装置。
【請求項2】
前記塵芥積込箱がプレス式塵芥積込装置を内蔵するものであって、前記積込アクチュエータがパッカーシリンダ又はプレスシリンダであることを特徴とする請求項1記載の塵芥収集車の排出板後退制御装置。
【請求項3】
前記塵芥積込箱が回転板式塵芥積込装置を内蔵するものであって、前記積込アクチュエータが油圧モータ又は押込みシリンダであることを特徴とする請求項1記載の塵芥収集車の排出板後退制御装置。
【請求項4】
前記第1検出スイッチが前記積込アクチュエータの油圧を検出する第1圧力スイッチであって、前記第2検出スイッチが前記排出シリンダの油圧を検出する第2圧力スイッチであることを特徴とする請求項2又は3記載の塵芥収集車の排出板後退制御装置。
【請求項5】
前記排出シリンダのリリース弁と並列にリリーフ弁を配設するとともに、前記リリーフ弁の設定圧を前記第2圧力スイッチの設定圧よりも高く設定したことを特徴とする請求項4記載の塵芥収集車の排出板後退制御装置。
【請求項6】
前記排出板の後退ストロークを検出するストロークセンサを配設し、前記ストロークセンサの検出結果に基づいて、前記第1検出スイッチ及び/又は第2検出スイッチの検出負荷レベルを変更制御することを特徴とする請求項1記載の塵芥収集車の排出板後退制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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