説明

増加したトランスアミナーゼC活性を有するコリネバクテリウム・グルタミカム株を使用するL−バリンの発酵的製造方法。

本発明は、L-バリンの製造方法およびこれに適した微生物に関する。本発明の方法は、好ましくはコリネ型細菌、特に、コリネバクテリウム・グルタミカムのトランスアミナーゼC活性を増大させることを特徴とする。この改変された生物は、改変されていない生物よりも35.8%高いL-バリン産生量を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、L-バリンの製造方法およびそれに適した微生物に関する。
【背景技術】
【0002】
アミノ酸L-バリンは、ヒト用の薬剤、医薬工業、食品工業、および動物用食品に使用されている。
【0003】
アミノ酸がコリネ型(coryneformer)の細菌株、特にコリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)の発酵により製造されることが知られている。非常に重要な方法であるため、製造方法の改善が継続的に研究されている。方法の改善は、例えば、撹拌および酸素の供給のような発酵技術的な方法、または例えば発酵の間の糖濃度のような培養基の組成、または例えばイオン交換クロマトグラフィーによる生成物形態の処理、または微生物自体の内因的特性の改善に関するものである。
【0004】
これらの微生物の特性の改善には、突然変異誘発、選択および突然変異体選択の方法が用いられる。このような方法により、代謝拮抗物質に対して抵抗性であるか、または調節性の重要な代謝産物に関して栄養要求性であって、そして、L-アミノ酸を産生する株が得られる。これに関する例として、特許文献1には、L-バリンに対して抵抗性であり、フルオロピルビン酸に対して感受性であるコリネバクテリウム株が記載されている。さらに、特許文献2には、L-バリンの製造に、好ましくは、ミコフェノール酸に対して抵抗性を有するコリネバクテリア(Corynebacterien)を使用できることが記載されている。また、偽バリル-tRNA合成酵素を有する突然変異体を、さらなる突然変異と組み合わせることにより、L-バリンの産生に使用できることが、特許文献3および特許文献4から公知である。さらに、特許文献5には、L-バリンの製造方法が記載されており、これは、増殖にビタミンリポ酸を必要とし、ATPaseに欠失を有する微生物を使用する。
【0005】
コリネバクテリウムのL-アミノ酸産生株の内因的性質の改善には、さらに、組換えDNA技術が用いられる。生合成関連遺伝子ilvBN、ilvC、ilvDの発現を増大させることがL-バリンの産生に有利であることが、特許文献6および特許文献7に記載されている。さらに、特許文献8からは、スレオニンデヒドラターゼilvAおよび/またはパントテン酸塩合成の遺伝子を低下もしくは欠失させることにより、Lバリン産生を引き起こすことができることも知られている。
【特許文献1】米国特許第5,521,074号明細書
【特許文献2】欧州特許第0287123号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第0519113号明細書
【特許文献4】米国特許第5,658,766号明細書
【特許文献5】国際公開第001996006926号パンフレット
【特許文献6】欧州特許第1155139号明細書
【特許文献7】欧州特許第0356739号明細書
【特許文献8】欧州特許第1155139号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、L-バリンの発酵的製造を改善する方法およびそれに適した微生物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1の前提部分を基礎として、請求項1の特徴部分に記載される特性を有する本発明により達成される。
【0008】
トランスアミナーゼCをコードする遺伝子を増大させることにより、コリネ型細菌が改善された方法でL-バリンを産生することが見出された。本発明の方法を用いることにより、本発明によって改変されていない株を使用した場合に比べて35.8%高い産生量でL-バリンを製造することが可能となる。
【0009】
以下、本発明を説明する。
【0010】
本発明の目的は、コリネ型細菌の使用によるL-バリンの発酵的製造方法であって、該細菌中におけるトランスアミナーゼCが改変され、そして/または、トランスアミナーゼCの発現が増大している、前記の製造方法である。
【0011】
好ましい実施態様は従属請求項において見出される。
【0012】
本発明においては、アミノ酸L-バリン産生微生物におけるトランスアミナーゼの活性を増大させる。
【0013】
使用される株は、好ましくは、トランスアミナーゼC遺伝子を増大させる前から既にL-バリンを産生している。
【0014】
微生物としては、好ましくはコリネ型細菌が使用される。
【0015】
そして、特に好ましいのは、コリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)、コリネバクテリウム・アセトグルタミカム(Corynebacterium acetoglutamicum)、コリネバクテリウム・サーモアニモゲン(Corynebacterium thermoanimogenes)、ブレビバクテリウム・フラバム(Brevibacterium flavum)、ブレビバクテリウム・ラクトフェルメンタム(Brevibacterium lactofermentum)、ブレビバクテリウム・ディバリカタム(Brevibacterium divaricatum)である。
【0016】
コリネバクテリウム属、特にコリネバクテリウム・グルタミカム種の特に適した株は、例えば、公知の野生型株、コリネバクテリウム・グルタミカム ATCC13032、コリネバクテリウム・アセトグルタミカム ATCC15806、コリネバクテリウム・アセトアシッドフィラム(Corynebacterium acetoacidophilum) ATCC13870、コリネバクテリウム・サーモアニモゲン FERM BP-1539、ブレビバクテリウム・フラバム ATCC14067、ブレビバクテリウム・ラクトフェルメンタム ATCC13869、およびブレビバクテリウム・ディバリカタム ATCC14020、ならびに、これらから製造され、L-アミノ酸を過剰産生する突然変異体または株である。
【0017】
本発明の目的である微生物は、例えば、グルコース、サッカロース、ラクトース、フルクトース、マルト―ス、糖蜜、デンプン、セルロースから、またはグリセリンおよびエタノールからL-バリンを製造することができる。代表的なものとしては、コリネ型細菌、特にコリネバクテリウム属が挙げられる。コリネバクテリウム属では、特にコリネバクテリウム・グルタミカム種が挙げられ、そのL-アミノ酸産生能力は当業者に公知となっている。
【0018】
本発明の目的において「増大」という語句は、例えば以下の方法によってトランスアミナーゼCの細胞内活性が増加することを意味する:
以下:
- 例えば、リプレッサー遺伝子、アクチベーター遺伝子、オペレーター、プロモーター;アテニュエーター、リボソーム結合部位、開始コドン、ターミネーターの改変によるような遺伝子発現のシグナル構造の改変、
- 例えば、tacプロモーターまたはIPTG誘導性プロモーターのような、より強力なプロモーターの導入、
- 例えば、プラスミドのようなベクターの導入による遺伝子コピー数の増加、内因性遺伝子のコピー数の増加、すなわち、トランスアミナーゼCをコードするさらなる遺伝子またはその対立遺伝子の染色体ゲノムへの導入、
からなる群のうちの少なくとも1つの方法による遺伝子発現の増加。
【0019】
さらに、トランスアミナーゼC活性の増大は以下の方法により得られる:
- 例えば、転写の終了を制御する末端部位の突然変異によるmRNA安定性の増加。
【0020】
例えば、トランスアミナーゼC遺伝子のmRNAの安定性により生成物の産生が改善され、遺伝子の5’端または3’端中において追加および/または改変された配列が、安定性に有利な影響を及ぼす。これに関する一般的な例としては、枯草菌(Microbiology 2001, 147:1331-41)または酵母(Trends Biotechnol. 1994, 12:444-9)由来の遺伝子が挙げられる。
- 活性が増加した対応する酵素をコードする遺伝子または対立遺伝子の使用。
【0021】
微生物内における1種またはそれ以上の酵素(蛋白質)であって、対応するDNAによってコードされる前記酵素(蛋白質)の分子内活性の増加は、例えば、強力なプロモーター、または、増加した活性を有する対応する酵素をコードする遺伝子もしくは対立遺伝子、または、過剰発現させた対応する遺伝子(蛋白質)、および、場合によりこれらの組み合わせを使用することによって増大する。例えば、tac-プロモーター(「Amann et al. Gene 1988 69:301-15」)、または「Patek et al (Microbiology 1996 142:1297)」に記載されるプロモーターの群のうちのプロモーターのような強力なプロモーターの導入が好ましい。これらの例は、国際公開第96/15246号パンフレット、または「Boyd and Murphy (Journal of Bacteriology 170: 5949 (1998))」、「Voskuil and Chambliss (Nucleic Acids Research 26: 3548 (1998))」、「Jensen and Hammer (Biotechnology and Bioengineering 58: 191 (1998))」、「Patek et al (Microbiology 142: 1297 (1996))」、「Knippers ("Molekulare Genetic [Molecular Genetics]", 6th edition, Georg Thieme publishing house, Stuttgart, Germany 1995)」、または、「Winnacker ("Gene und Klone [Genes and Clones]", VCH publishing company, Weinheim, Germany, 1990)」において記載されている。
【0022】
トランスアミナーゼC遺伝子の天然のヌクレオチド配列は、C.グルタミカムの完全ゲノム配列の解読(Kalinowski et al. , 2003, J Biotechnol . , 104:5-25; Ikeda M, and Nakagawa S. 2003 Appl . Microbiol . Biotechnol. 62:99-109)により当然に公知であるが、しかし、トランスアミナーゼCのオープンリーディングフレームの当てはめについては知られていない。C.グルタミカムが例えばE.coliと同様にトランスアミナーゼC活性を有していることも知られている(Wang et al. 1987. J. Bacteriol . 169:4228-4234)。トランスアミナーゼCをコードし、以下のように実施例に記載され、同定されているオープンリーディングフレームは、NCgl2510という番号を有しており、「国立衛生研究所」の公共的に利用可能なデータバンクに寄託されている。同一の遺伝子は、公共的に利用可能な「日本のDNAデータバンク(http://gib.genes.nig.ac.jp)」においてもCgl2599として確認することができる。
【0023】
好ましくは、これらの番号で記載されるトランスアミナーゼC遺伝子が本発明において使用される。さらに、例えば、遺伝コードの退縮により、または機能的には何の変化ももたらさないセンス変異により、またはヌクレオチドの欠失もしくは挿入により生じるトランスアミナーゼC遺伝子の対立遺伝子を使用することができる。
【0024】
増大を達成するためには、トランスアミナーゼC遺伝子の発現かまたは酵素蛋白質の触媒的特性のいずれかを増加させるか、または増大させることができる。同様に、酵素蛋白質の基質特異性に関する触媒的特性を改変することができる。場合によっては、両方の方法を組み合わせることができる。
【0025】
適切な培養の実施により、または、遺伝子発現のシグナル構造の遺伝的改変(突然変異)により遺伝子発現を増大させることができる。遺伝子発現のシグナル構造とは、例えば、リプレッサー遺伝子、アクチベーター遺伝子、オペレーター、プロモーター、アテニュエーター、リボソーム結合部位、開始コドン、およびターミネーターである。これらの事項は、当業者には、例えば、国際公開第96/15246号パンフレット、「Boyd und Murphy(J. Bacteriol. 1988. 170: 5949)」、「Voskuil und Chambliss (Nucleic Acids Res . 1998. 26: 3548」、「Jensen und Hammer (Biotechnol . Bioeng. 1998 58: 191)」、「Patek et al . (Microbiology 1996. 142: 1297」、および、例えば「Knippers "Molekulare Genetik", 8. Auflage, Georg Thieme Verlag, Stuttgart, Deutschland, 2001」または「Winnacker "Gene und Klone", VCH Verlagsgesellschaft, Weinheim, Deutschland, 1990」のような遺伝学および分子生物学の公知の教科書において公知となっている。
【0026】
酵素蛋白質の触媒的な特性を改変させるため、特に基質特異性を改変させるための突然変異は、本技術分野において公知である。その例としては、「Yano et al. 1998 Proc Natl Acad Sei U S A. 95:5511-5」、「Oue S. et al. J Biol Chem. 1999, 274:2344-9」および「Onuffer et al . Protein Sei. 1995 4:1750-7」が挙げられ、これらにおいては、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼの特異性の改変が明らかにされている。塩基転位、塩基転換、挿入および欠失、ならびに進化による方法が考えられる。これらの突然変異および蛋白質の製造に関するマニュアルは技術水準の範囲内であり、公知の教科書(R. Knippers "Molekulare Genetik", 8. Auflage, 2001, Georg Thieme Verlag, Stuttgart, Deutschland)または概要を記した論文(「N. Pokala 2001, J. Struct . Biol ..134 :269-81」;「A. Tramontano 2004, Angew. Chem. Int. Ed Engl. 43:3222-3」;「N. V. Dokholyan 2004, Proteins. 54:622-8」;「J. Pei 2003, Proc. Natl. Acad. Sei. U S A. 100:11361-6」;「H. Lilie 2003, EMBO Rep. 4:346-51」;「R. Jaenicke Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 42:140-2」)から得ることができる。
【0027】
遺伝子または突然変異を有する遺伝子の発現は、好ましくは、適当なプラスミドの導入によりコピー数を増加させる通常の方法に従って行われる。プラスミドとしては、コリネ型細菌において複製されるものが適している。例えば、pZl(Menkel et al . , Applied and Environmental Microbiology (1989) 64: 549-554)、pEKExl(Eikmanns et al . , Gene 102:93- 98 (1991))、またはpHS2-l(Sonnen et al . , Gene 107:69-74 (1991))のような多くの公知プラスミドベクターは、機能未知(kryptischen)プラスミドpHM1519、pBLlまたはpGAlに基づくものである。例えば、pCG4 (米国特許出願公開第4,489,160号明細書)、またはpNG2(Serwold-Davis et al . , FEMS Microbiology Letters 66, 119-124 (1990))またはpAGl(米国特許出願公開第5,158,891号明細書)に基づくような別のプラスミドベクターも、同様に使用することができる(0. Kirchner 2003, J. Biotechnol. 104:287-99)。同様に、例えばpEKEx2(B. Eikmanns, 1991 Gene 102:93-8; 0. Kirchner 2003, J. Biotechnol. 104:287-99)のような発現制御が可能なベクターを使用することができる。また、シングルコピー(P. Vasicova 1999, J. Bacteriol . 181:6188- 91)またはマルチプルコピー(D. Reinscheid 1994 Appl . Environ Microbiol 60:126-132)を染色体に組み込むことにより、遺伝子を発現させることもできる。
【0028】
コピー数増加のためのベクターによる所望の株の形質転換は、所望の、例えばC.グルタミカムの株の接合またはエレクトロポレーションにより行われる。接合の方法は、例えば、Schaefer等(Applied and Environmental Microbiology (1994) 60:756-759)によって記載されている。形質転換の方法は、例えば、Tauch等(FEMS Microbiological Letters (1994)123:343-347)により記載されている。
【0029】
これらの方法により、トランスアミナーゼC遺伝子またはその対立遺伝子をC.グルタミカムにおいて発現または過剰発現させることができる。
【0030】
L-バリンの産出をさらに増加させるために、トランスアミナーゼC活性を増加させることに加えて、以下の群:
- アセトヒドロキシ酸シンターゼをコードするilvBN遺伝子、
- 異性体レダクターゼ(Isomeroreduktase)をコードするilvC遺伝子
- デヒドラターゼをコードするilvD遺伝子
から選択される1種またはそれ以上の遺伝子を増大、特に、過剰発現させるか、または、これらの遺伝子の対立遺伝子、特に、
- フィードバック抵抗性のアセトヒドロキシ酸シンターゼをコードする遺伝子ilvBN遺伝子
を増大させるかまたは過剰発現させるのが、L-バリンの産出に有利である。
【0031】
さらに、L-バリンの産出を増加させるために、トランスアミナーゼC活性を増加させることに加えて、以下の群:
- パントテン酸塩の合成をコードするpanBCD遺伝子
- リポ酸の合成をコードするlipAB遺伝子
- ピルビン酸デヒドロゲナーゼをコードするaceE、aceF、1pD遺伝子
- ATPシンターゼAサブユニット、ATPシンターゼBサブユニット、ATPシンターゼCサブユニット、ATPシンターゼアルファサブユニット、ATPシンターゼガンマサブユニット、ATPシンターゼサブユニット、ATPシンターゼイプシロンサブユニット、ATPシンターゼデルタサブユニットの遺伝子、
から選択される1種またはそれ以上の遺伝子を不活化またはその発現の減少のために突然変異させ、機能的に弱まった遺伝子産物を産生させるのが、L-バリンの産出に有利である。
【0032】
本発明において製造された微生物は、バリン産生を目的として、継続的に、またはバッチ法(1回の培養)もしくはフィードバッチ法(Zulaufverfahren)もしくは反復フィードバッチ法(repetitives Zulaufverfahren)で非継続的に培養することができる。公知の培養方法の概要は、Chmielの教科書(Bioprozesstechnik 1. Einfuhrung in die Bioverfahrenstechnik (Gustav Fischer Verlag, Stuttgart, 1991))またはStorhasの教科書(Bioreaktoren und periphere Einrichtungen (Vieweg Verlag, Braunschweig/Wiesbaden, 1994))に記載されている。
【0033】
使用する培養培地は、適当な方法において、それぞれの微生物の要求を満たさなければならない。種々の微生物の培養培地については、「Handbuch "Manual of Methods for General Bacteriology" der American Society for Bacteriology (Washington D.C, USA, 1981)」に記載されている。
炭素源としては、例えば、グルコース、サッカロース、ラクトース、フルクトース、マルト―ス、糖蜜、デンプンおよびセルロースのような糖および炭水化物、例えば、大豆油、ヒマワリ油、落花生油およびヤシ油のような油および油脂、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸およびリノール酸のような脂肪酸、例えば、グリセリンおよびエタノールのようなアルコール、および、例えば、酢酸のような有機酸を使用することができる。これらの物質は、単独でまたは混合物として使用することができる。
【0034】
窒素源としては、ペプトン、酵母抽出物、食肉エキス、麦芽エキス、コーンスティープリカー、大豆粉および尿素のような窒素含有有機化合物、または、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、炭酸アンモニウムおよび硝酸アンモニウムのような無機化合物を使用することができる。該窒素源は単独で、または混合物として使用することができる。
【0035】
リン源としては、リン酸二水素カリウムまたはリン酸水素二カリウムまたは対応するナトリウム含有塩を使用することができる。
【0036】
培養培地はさらに、例えば硫酸マグネシウムまたは硫酸鉄のような金属塩をさらに含んでおり、これらは増殖に必須である。最後に、上述の物質に加えて、アミノ酸およびビタミンのような成長促進物質を使用することができる。上述の使用物質は、培養の間に、培養液に1回の添加物の形態で添加するか、または適当な方法で添加することができる。
【0037】
培地のpH調節のために、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアのような塩基性化合物、または、リン酸または硫酸のような酸性化合物を適当な方法で使用することができる。泡の発生を制御するために、例えば脂肪酸ポリグリコールエステルのような抑泡剤を使用することができる。プラスミドの安定性を維持するために、適当な選択効果を有する物質、例えば抗生物質を培地に添加することができる。好気性条件を維持するためには、酸素または例えば空気のような酸素含有気体混合物を培地に導入する。通常、培養の温度は20℃〜45℃であり、好ましくは25℃〜40℃である。最大量のL-バリンが産生されるまで培養が続けられる。この目標は、通常、10時間〜160時間で達成される。
【実施例】
【0038】
実施例1:トランスアミナーゼCのクローニング
PCR反応を用いて、トランスアミナーゼC遺伝子を含むDNA断片を増幅させた。以下のプライマーを使用した:
orf2841-for:
5'-ATGGTA(GGTCT) CAAATGTCTCTTATGAAGCCAAGCACTAG-3'
orf2841-rev:
5'-ATGGTA(GGTCT) CAGCGCTTTTTTTGATGAATTCTCCGATTTTG-3'。
【0039】
前記のプライマーはMWG Biotechにより合成され、PCR反応は適切な標準的プロトコールに従って実施された(Innis et al . PCR Protocols. A guide to Methods and Applications. 1990. Academic Press)。該プライマーにより、トランスアミナーゼCをコードする約1.1 kbのDNA断片が増幅された。さらに、該プライマーは制限酵素BsaIの切断部位を含み、それは前記のヌクレオチド配列においてカッコで記載されている。
【0040】
増幅させた約1.1 kbのDNA断片を0.8%アガロースゲルで同定し、公知の方法を用いてゲルから単離した(QIAquikゲル抽出キット、Quiagen製、ヒルデン)。発現ベクターpASK-IBA-3C(IBA製、ゲッティンゲン)中への断片のライゲーションをSureCloningキット(Amersham製、英国)を用いて行った。ライゲーション液を用いてE.coli DH5の形質転換を行った(Grant et al . , 1990. Proceedings of the National of Sciences of the United States of AmericaUSA, 87:4645-4649)。プラスミド含有株の選択を、25 mg/Lのクロラムフェニコールを含むLBプレート上に形質転換体を播種することにより行った。
【0041】
プラスミドの単離後、制限酵素消化およびゲル電気泳動解析により回収したプラスミドの特性を解析した。回収したプラスミドはpASK-IBA3Corf2841と命名した。これは図1に示す。
【0042】
実施例2:トランスアミナーゼCの単離
pASK-IBA-3Corf2841を有するE. coli DH5を、25 mg/Lのクロラムフェニコールを含む100 mLのLB中で、光学密度が0.5になるまで30℃で培養した。その後、ジメチルホルムアミド1 mLあたり2 mgの無水テトラサイクリンを含む0.01 mLの無水テトラサイクリン溶液を添加した。培養液を30℃で3時間インキュベートした。引き続いて、5000rpm、4℃で12分間遠心分離を行うことにより細胞を回収した。その後、細胞ペレットを洗浄バッファー(100 mM トリヒドロキシメチルアミノメタン、1 mM エチレンジアミンテトラ酢酸、pH 8)に再懸濁し、エッペンドルフ反応チューブに移した。超音波破砕機(Branson Sonifier W-250、 Branson Sonic Power Company製、ダンベリー、米国;超音波処理時間 10分、パルス長 20 %、超音波処理強度 2)により、細胞破砕を0℃で行った。超音波処理の後に、細胞の破片を遠心分離(30分、13000rpm、4℃)により取り除き、上清を粗製抽出物として回収した。
【0043】
蛋白質の単離のために、IBA社(IBA、ゲッティンゲン、独国)製のStrepTactinアフィニティーカラムに、1 mLのベッドボリュームのStrepTactinセファロースを充填した。IBA製の洗浄バッファーを用いてカラムの平衡化を行った後、1 mLの粗製抽出物をセファロース上に添加した。抽出物の通過の後に、アフィニティーカラムを1 mLの洗浄バッファーで5回洗浄した。トランスアミナーゼC蛋白質の溶出を、100 mM Tris、1 mM EDTA、2.5 mM デスチオビオチンからなる溶出バッファー(pH 8)を用いて行った。溶出フラクションを等分して-20℃で凍結し、酵素試験に直接使用した。
【0044】
実施例3:トランスアミナーゼCの活性測定
酵素試験の反応液は、1 mLの全容量中に、0.25 M Tris/HCl(pH 8)を0.2 ml、トランスアミナーゼC蛋白質を0.005 ml、および2.5 mM ピリドキサルリン酸塩を0.1 ml、並びに、40 mM ケトイソカプロン酸塩を0.1 mlおよび0.5 M L-アラニンを0.1 ml、または40 mM ケトイソバレリアン酸塩を0.1 mlおよび0.5 M L-アラニンを0.1 ml、または40 mM ケトメチルバレリアン酸塩を0.1 mlおよび0.5 M L-アラニンを0.1 ml、または40 mM ケトイソカプロン酸塩を0.1 mlおよび0.5 M L-グルタミンを0.1 ml、または40 mM ケトイソカプロン酸塩を0.1 mlおよび0.5 M L-アラニンを0.1 ml(トランスアミナーゼC蛋白質を含まない)、を含んでいた。エッペンドルフ社(ハンブルク)製のサーマルサイクラー5436において、30℃で酵素試験を行った。蛋白質の添加により反応を開始させた。30μLの停止剤(水における6.7%(v/v)の過塩素酸(70 %)、40 % (v/v)のエタノール(95 %))を各50μLの試験反応液に添加することにより、酵素試験を停止させた。逆相HPLCによる産生したアミノ酸の確認用サンプルを調製するために、20μLの中和バッファー(20 mM Tris、2.3 M 炭酸二カリウム、pH 8)を添加した。過塩素酸の中和により沈殿した沈殿物について遠心分離(13000 rpm、10分)を行い、上清を様々に希釈したものをHPLCを用いる定量化に使用した。これは、記載されるように(Hara et al. 1985, Analytica Chimica Acta 172:167-173)、 O-フタルジアルデヒドを用いる自動誘導化の後に行われた。表1に示すように、単離された蛋白質は、ケトイソバレリアン酸塩からL-バリンへのL-アラニンに依存するアミノ化を触媒する。
【0045】
【表1】

特異的活性は、1分あたり、および1ミリグラムのトランスアミナーゼC蛋白質あたりの生成物のマイクロモルを示す。
【0046】
実施例4:トランスアミナーゼCの過剰発現
PCR反応を用いて、トランスアミナーゼC遺伝子を含むDNA断片を増幅させた。以下のプライマー:
Trans_c_for:
5'-CGGGATCCAAGGAGATATAGATATGTCTCTTATGAAGCCAAGCA-3'
Trans_c_rev:
5'- CGGGATCCCTATTTTTTGATGAATTCTCC - 3'
を使用した。
【0047】
前記のプライマーはMWG Biotechにより合成され、PCR反応は適切な標準的プロトコールに従って実施された(Innis et al . PCR Protocols. A guide to Methods and Applications. 1990. Academic Press)。該プライマーにより、トランスアミナーゼCをコードする約1.1 kbのDNA断片が増幅された。該プライマーはさらに制限酵素BamHIの切断部位を含む。
【0048】
増幅させた約1.1 kbのDNA断片を0.8%アガロースゲルで同定し、公知の方法を用いてゲルから単離した(QIAquikゲル抽出キット、Quiagen、ヒルデン)。発現ベクターpEKEx2(Eikmanns et al . 1991, Gene 102:93-8)中への断片のライゲーションを、SureCloningキット(Amersham製、英国)を用いて行った。ライゲーション液を用いて、E.coli DH5の形質転換を行った(Grant et al . , 1990. Proceedings of the National of Sciences of the United States of America USA, 87:4645-4649)。プラスミド含有株の選択を、25 mg/Lのカナマイシンを含むLBプレート上に形質転換体を播種することにより行った。
【0049】
プラスミドの単離後、制限酵素消化およびゲル電気泳動解析により回収したプラスミドの特性を解析した。回収したプラスミドはpEKEx2ATCと命名した。
【0050】
13032△panBC株のカナマイシン耐性への形質転換のために、プラスミドpEKEx2ATCおよび元のプラスミドpEKEx2を使用した。この株は欧州特許第1155139号明細書に記載されており、形質転換技術は「Kirchner et al. J Biotechnol. 2003, 104:287-99」に記載されている。
【0051】
実施例5:L-バリンの産生
13032△panBC pEKEx2ATC株およびコントロール株の13032△panBC pEKEx2を、30℃でDGIII培地(Menkel et al. 1989, Appl . Environ. Microbiol . 55:684-8)中において培養した。そして、光学密度1においてCGXII培地を播種した。CG12培地には、1Lあたり以下:20 gの(NH4)2SO4、5 gの尿素、1 gのKH2PO4、1 gのK2HPO4、0.25 gのMg2O4*7 H2O、42 gの3-モルホリノプロパンスルホン酸、10 mgのCaCl2、10 mgのFeSO4*7 H2O、10 mgのMnSO4* H2O、1 mgのZnSO4*7 H2O、0.2 mgのCuSO4、0.02 mgのNiCl2*6 H2O、0.2 mgのビオチン、40 gのグルコース、および0.03 mgのプロトカテキュ酸、が含まれる。培地を30℃、170 rpm/分においてインキュベートし、48時間後に、培地中におけるL-バリンの蓄積をHPCLを用いて測定した。これは、記載されるように(Hara et al . 1985, Analytica Chimica Acta 172:167-173)、o-フタルジアルデヒドを用いて行った。測定したL-バリン濃度を表2に示す。
【0052】
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】図1は、プラスミドpASK-IBA3Corf2841を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微生物におけるトランスアミナーゼCの活性を増加させることを特徴とする、L-バリンの発酵的製造方法。
【請求項2】
遺伝子発現の増加により、トランスアミナーゼC活性を増大させることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
強力なプロモーターの導入により遺伝子発現を増加させることを特徴とする、請求項2記載の方法。
【請求項4】
遺伝子発現を増加させるためにtacプロモーターまたはIPTG誘導性プロモーターを使用することを特徴とする、請求項3記載の方法。
【請求項5】
トランスアミナーゼCをコードする遺伝子および/またはその対立遺伝子の遺伝子コピー数を増加させることにより、トランスアミナーゼ活性を増大させることを特徴とする、請求項2〜4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
ベクターの導入により遺伝子コピー数を増加させ、前記ベクターが少なくとも1種のトランスアミナーゼCの遺伝子および/またはそれらの対立遺伝子を有することを特徴とする、請求項5記載の方法。
【請求項7】
ベクターとしてプラスミドを使用することを特徴とする、請求項6記載の方法。
【請求項8】
プラスミドとして、pZ1、pEKEx1、pHS2-1、pHM1519、pBL1、pGA1、pCG4、pNG2、pAG1およびpEKEx2からなる群のうちの少なくとも1種の構成要素を使用することを特徴とする、請求項7記載の方法。
【請求項9】
トランスアミナーゼCをコードする遺伝子および/またはその対立遺伝子を染色体ゲノムに導入することにより、遺伝子コピー数を増加させることを特徴とする、請求項5〜8のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
シグナル構造の改変により遺伝子発現を増大させることを特徴とする、請求項2〜9のいずれか1つに記載の方法。
【請求項11】
以下の方法:
- リプレッサー遺伝子の改変
- アクチベーター遺伝子の改変
- オペレーターの改変
- プロモーターの改変
- アテニュエーターの改変
- リボソーム結合部位の改変
- 開始コドンの改変
- ターミネーターの改変
からなる群のうちの少なくとも1種の構成要素によりシグナル構造の改変を行うことを特徴とする、請求項10記載の方法。
【請求項12】
mRNAの安定性を増加させることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1つに記載の方法。
【請求項13】
5’端または3’端の改変によりmRNAを安定化させることを特徴とする、請求項12記載の方法。
【請求項14】
その野生型がすでにバリン産生を示す微生物を使用することを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項15】
微生物としてコリネバクテリウムを使用することを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1つに記載の方法。
【請求項16】
コリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)、コリネバクテリウム・アセトグルタミカム(Corynebacterium acetoglutamicum)、コリネバクテリウム・サーモアニモゲン(Corynebacterium thermoanimogenes)、ブレビバクテリウム・フラバム(Brevibacterium flavum)、ブレビバクテリウム・ラクトフェルメンタム(Brevibacterium lactofermentum)、ブレビバクテリウム・ディバリカタム(Brevibacterium divaricatum)からなる群のうちの少なくとも1種の構成要素を使用することを特徴とする、請求項15記載の方法。
【請求項17】
以下:
コリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032、
コリネバクテリウム・アセトグルタミカムATCC15806、
コリネバクテリウム・アセトアシッドフィラム(Corynebacterium acetoacidophilum)ATCC13870、
コリネバクテリウム・サーモアニモゲンFERM BP-1539、
ブレビバクテリウム・フラバムATCC14067、
ブレビバクテリウム・ラクトフェルメンタムATCC13869、および
ブレビバクテリウム・ディバリカタムATCC14020、
の微生物の群のうちの少なくとも1種の構成要素を使用することを特徴とする、請求項16記載の方法。
【請求項18】
微生物が使用され、以下の遺伝子:
- アセトヒドロキシ酸シンターゼをコードするilvBN遺伝子、
- 異性体レダクターゼ(Isomeroreduktase)をコードするilvC遺伝子
- デヒドラターゼをコードするilvD遺伝子
- フィードバック抵抗性性のアセトヒドロキシ酸シンターゼをコードする遺伝子ilvBN遺伝子、
のうちの少なくとも1種の構成要素の活性が増大することを特徴とする、請求項1〜17のいずれか1つの記載の方法。
【請求項19】
以下の遺伝子:
- パントテン酸塩の合成をコードするpanBCD遺伝子
- リポ酸の合成をコードするlipAB遺伝子
- ピルビン酸デヒドロゲナーゼをコードするaceE、aceF、1pD遺伝子
- ATPシンターゼAサブユニット、ATPシンターゼBサブユニット、ATPシンターゼCサブユニット、ATPシンターゼアルファサブユニット、ATPシンターゼガンマサブユニット、ATPシンターゼサブユニット、ATPシンターゼイプシロンサブユニット、ATPシンターゼデルタサブユニットの遺伝子、
の活性が不活化するか、またはその発現が減少することを特徴とする、請求項1〜18のいずれか1つの記載の方法。
【請求項20】
「国立衛生研究所」のデータバンクの遺伝子識別番号NCgl2510を有するトランスアミナーゼC遺伝子を有する微生物を使用することを特徴とする、請求項1〜19のいずれか1つの記載の方法。
【請求項21】
野生型と比較した場合にトランスアミナーゼC活性が増大していることを特徴とする微生物。
【請求項22】
トランスアミナーゼC遺伝子および/またはその対立遺伝子の遺伝子コピー数が増加していることを特徴とする、請求項21記載の微生物。
【請求項23】
トランスアミナーゼC遺伝子またはその対立遺伝子の発現のためにtacプロモーターを有することを特徴とする、請求項21または22のいずれか1つに記載の微生物。
【請求項24】
増加した内因性遺伝子コピー数を有することを特徴とする、請求項21〜23のいずれか1つに記載の微生物。
【請求項25】
少なくとも1種のトランスアミナーゼC遺伝子および/またはその対立遺伝子を有するベクターにより形質転換されることを特徴とする、請求項21〜24のいずれか1つに記載の微生物。
【請求項26】
以下のシグナル構造の群:
- リプレッサー遺伝子
- アクチベーター遺伝子
- オペレーター
- プロモーター
- アテニュエーター
- リボソーム結合部位
- 開始コドン
- ターミネーター
のうちの少なくとも1種の構成要素が改変され、これらがトランスアミナーゼCの発現制御に重要な役割を果たすことを特徴とする、請求項21〜24のいずれか1つに記載の微生物。
【請求項27】
コリネ型細菌であることを特徴とする、請求項21〜26のいずれか1つに記載の微生物。
【請求項28】
コリネバクテリウム・グルタミカム、コリネバクテリウム・アセトグルタミカム、コリネバクテリウム・サーモアニモゲン、ブレビバクテリウム・フラバム、ブレビバクテリウム・ラクトフェルメンタム、ブレビバクテリウム・ディバリカタムからなる群のうちの少なくとも1種の構成要素であることを特徴とする、請求項26記載の微生物。
【請求項29】
以下:
コリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032、
コリネバクテリウム・アセトグルタミカムATCC15806、
コリネバクテリウム・アセトアシッドフィラムATCC13870、
コリネバクテリウム・サーモアニモゲンFERM BP-1539、
ブレビバクテリウム・フラバムATCC14067、
ブレビバクテリウム・ラクトフェルメンタムATCC13869、および
ブレビバクテリウム・ディバリカタムATCC14020、
からなる群のうちの少なくとも1種の構成要素であることを特徴とする、請求項27または28のいずれか1つに記載の微生物。
【請求項30】
以下の遺伝子:
- アセトヒドロキシ酸シンターゼをコードするilvBN遺伝子、
- 異性体レダクターゼをコードするilvC遺伝子
- デヒドラターゼをコードするilvD遺伝子
- フィードバック抵抗性のアセトヒドロキシ酸シンターゼをコードする遺伝子ilvBN遺伝子、
の群のうちの少なくとも1種の構成要素の活性が増大することを特徴とする、請求項21〜29のいずれか1つに記載の微生物。
【請求項31】
以下の遺伝子:
- パントテン酸塩の合成をコードするpanBCD遺伝子
- リポ酸の合成をコードするlipAB遺伝子
- ピルビン酸デヒドロゲナーゼをコードするaceE、aceF、1pD遺伝子
- ATPシンターゼAサブユニット、ATPシンターゼBサブユニット、ATPシンターゼCサブユニット、ATPシンターゼアルファサブユニット、ATPシンターゼガンマサブユニット、ATPシンターゼサブユニット、ATPシンターゼイプシロンサブユニット、ATPシンターゼデルタサブユニットの遺伝子、
の群のうちの少なくとも1種の構成要素の活性が不活化するか、またはその発現が減少することを特徴とする、請求項21〜30のいずれか1つに記載の微生物。

【図1】
image rotate


【公表番号】特表2008−514191(P2008−514191A)
【公表日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−532758(P2007−532758)
【出願日】平成17年8月19日(2005.8.19)
【国際出願番号】PCT/DE2005/001465
【国際公開番号】WO2006/034667
【国際公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【出願人】(390035448)フォルシュングスツェントルム・ユーリッヒ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (100)
【Fターム(参考)】