増設額縁の額縁材
【課題】複数の異なる奥行きに施工することができるために生産コストや施工準備の煩雑さを低減でき、外観にも優れる額縁材を提供する。
【解決手段】既設額縁に取り付けられるベース材20と、ベース材20に嵌合されるカバー材20とを備え、ベース材内板22およびベース材外板23の外面には、複数の内板凹溝24、25、外板凹溝26、27が形成され、カバー材内板32の内面には内板凹溝24、25に嵌合する内板凸条34が形成され、カバー材外板33の内面には、外板凹溝26、27に嵌合する外板凸条35、36が形成され、外板凹溝26はベース材外板23の短手方向の基端部23aに形成され、外板凸条35はカバー材外板33の短手方向の先端部33bに形成され、外板凸条35以外の外板凸条36が先端部33bに位置するように、各外板凸条35、36間は切り離し可能に形成されている。
【解決手段】既設額縁に取り付けられるベース材20と、ベース材20に嵌合されるカバー材20とを備え、ベース材内板22およびベース材外板23の外面には、複数の内板凹溝24、25、外板凹溝26、27が形成され、カバー材内板32の内面には内板凹溝24、25に嵌合する内板凸条34が形成され、カバー材外板33の内面には、外板凹溝26、27に嵌合する外板凸条35、36が形成され、外板凹溝26はベース材外板23の短手方向の基端部23aに形成され、外板凸条35はカバー材外板33の短手方向の先端部33bに形成され、外板凸条35以外の外板凸条36が先端部33bに位置するように、各外板凸条35、36間は切り離し可能に形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば住宅のリフォーム時に窓を二重窓にする場合などにおいて、内窓用として取り付けられる増設額縁を構成するための額縁材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、防音効果、断熱効果などの点から、窓を二重窓にすることがある。特に住宅のリフォーム時に、既存の窓(外窓)の室内側に内窓を設けて二重窓とする場合には、例えば、特許文献1および2に記載されているように、外窓用の既設額縁の室内側に新たに内窓用の増設額縁を設け、この増設額縁内にガラス板とサッシ枠などからなる内窓材を嵌め込む方法が採用される。
【0003】
増設額縁は、例えば、図10(a)に示すように、長尺な横額縁材fsと縦額縁材fvとを枠状にして、図示略の既設額縁に取り付けることで施工される。このような横額縁材fsおよび縦額縁材fvは、通常、既設額縁に取り付けされるベース材と、このベース材に嵌合される化粧用のカバー材とから構成され、ベース材は例えば金属の押出成形体からなり、カバー材は例えば樹脂の押出成形体からなっている。
また、これら横額縁材fsと縦額縁材fvとを枠状にする場合には、図示のように、横額縁材fsの長手方向の両端部が2本の縦額縁材fvにそれぞれ当接する、いわゆる「縦勝ち」の接合構造で枠状とされることが多い。そして、この際、図10(b)に示すように、縦額縁材fvの前端面v1と横額縁材fsの前端面s1とは面一に仕上げられることが、外観の点で好ましい。
【特許文献1】実公昭63−24220号公報
【特許文献2】特開2007−297831号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、実際にこれらの前端面v1、s1を面一に仕上げるためには、施工現場における微調整を厳密に行う必要があり、手間がかかった。
また、このように手間のかかる作業を行ったとしても、施工者の技術などによっては、これらの前端面v1、s1が面一になるとは限らず、その結果、増設額縁の外観が不良となる場合もあった。
【0005】
そこで、図11に示すように、縦額縁材fvの奥行きd1と横額縁材fsの奥行きd2とを敢えて異なる長さに設定して、施工後には縦額縁材fvの前端面v1と横額縁材fsの前端面s1とで敢えて段差が形成され、これらが面一にはならないように仕上げる方法も考えられる。この図示例の場合には、縦額縁材fvの奥行きd1を横額縁材fsの奥行きd2よりも数mm程度大きくし、施工後には、縦額縁材fvの前端面v1が横額縁材fsの前端面s1よりもその分だけ前方(室内側)に突出するようにされている。
このように縦額縁材fvの前端面v1と横額縁材fsの前端面s1とで段差が形成される仕様であれば、これらの前端面v1、s1を図10(b)のように面一にする場合ほどの施工現場での微調整は不要である。そのため、手間のかかる作業をすることなく、外観に優れる増設額縁を構成でき、施工性の点で非常に好ましい。
【0006】
ところが、このように奥行きが異なる縦額縁材fvと横額縁材fsとを製造しようとすると、縦額縁材fvのベース材と横額縁材fsのベース材とを異なる押出用金型で成形し、縦額縁材fvのカバー材と横額縁材fsのカバー材とを異なる押出用金型で成形する必要が生じ、生産コストの点で不利であった。
また、ベース材およびカバー材を縦額縁材fvと横額縁材fsとで兼用できないために、縦額縁材fv用のベース材およびカバー材、横額縁材fs用のベース材およびカバー材をそれぞれ必要な本数だけ予め手配する必要があり、施工準備が面倒であった。
【0007】
本発明の目的は、例えば、縦額縁材の奥行きと横額縁材の奥行きとを異ならせて、縦額縁材の前端面と横額縁材の前端面とで段差が形成される仕様の増設額縁を構成する際などに、複数の異なる奥行きに施工することができるために縦額縁材と横額縁材とで兼用でき、生産コストや施工準備の煩雑さを低減でき、しかも、外観にも優れる額縁材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の額縁材は、既設額縁に取り付けられるベース材と、該ベース材に嵌合されるカバー材とを備え、増設額縁を構成する長尺な額縁材であって、
前記ベース材は、前記既設額縁に当接する支持板と、該支持板の短手方向の一端から延びたベース材内板と、前記短手方向の他端から前記ベース材内板と同方向に延びたベース材外板とからなり、
前記ベース材内板の外面には、長手方向に沿う複数の内板凹溝が形成され、
前記ベース材外板の外面には、前記内板凹溝と同数の長手方向に沿う外板凹溝が形成され、
前記カバー材は、前記支持板に対向配置される前面板と、該前面板の短手方向の一端から延びたカバー材内板と、前記短手方向の他端から前記カバー材内板と同方向に延びたカバー材外板とからなり、
前記カバー材内板の内面には、前記複数の内板凹溝に嵌合する内板凸条が形成され、
前記カバー材外板の内面には、前記複数の外板凹溝に嵌合する複数の外板凸条が形成され、
前記外板凹溝のうちの1本は、前記ベース材外板の短手方向の基端部に形成され、前記外板凸条の1本は、前記カバー材外板の短手方向の先端部に形成され、
前記先端部に形成された前記外板凸条以外の外板凸条が前記先端部に位置するように、各外板凸条間は切り離し可能に形成されていることを特徴とする。
前記各外板凸条間には、切欠溝が形成され、切り離し可能とされていることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の額縁材によれば、例えば、縦額縁材の奥行きと横額縁材の奥行きとを異ならせて、縦額縁材の前端面と横額縁材の前端面とで段差が形成される仕様の増設額縁を構成する際などに、複数の異なる奥行きに施工することができるために縦額縁材と横額縁材とで兼用でき、生産コストや施工準備の煩雑さを低減でき、しかも、外観にも優れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の額縁材について、図面を用いて詳細に説明する。
図1および図2は本発明の額縁材10の一例を示すものであって、この額縁材10は、住宅のリフォーム時などに、既存の窓、すなわち外窓の室内側に内窓を設けて二重窓とする際において、内窓用の増設額縁を構成するための縦額縁材および横額縁材として使用されるものである。
図3は、この額縁材10を用いて施工された増設額縁Fの一例を示す概略斜視図であり、図4は、この増設額縁Fの横額縁材Fsにレール部材Lが敷設された後、増設額縁Fに内窓材Wが嵌め込まれた様子を示す縦断面図である。
この例の増設額縁Fは、2本の横額縁材Fsの長手方向の両端部が2本の縦額縁材Fvにそれぞれ当接する、いわゆる「縦勝ち」の接合構造で枠状に形成されているとともに、縦額縁材Fvの奥行きD1が横額縁材Fsの奥行きD2よりも大きくされ、縦額縁材Fvの前端面が横額縁材Fsの前端面よりもΔD(=D1−D2)だけ、前方(室内側)に突出するように仕上げられている。この例でΔDは3.2mm程度とされている。
【0011】
この額縁材10は、アルミニウムの長尺な押出成形体からなり、既存の既設額縁Bの室内側端部に取り付けられるベース材20と、塩化ビニル樹脂の長尺な押出成形体からなり、取り付けられたベース材20に嵌合される化粧用のカバー材30とを備えている。
ベース材20は、既設額縁Bの室内側端面にその取付面21bが当接する支持板21と、この支持板21の短手方向の一端から延びたベース材内板22と、短手方向の他端から延びたベース材外板23とからなっている。
支持板21には長手方向に沿ってビス穴21aが形成され、このビス穴21aを利用してビス止めすることにより、ベース材20が既設額縁Bに取り付けられるようになっている。
ベース材内板22は、図示例のような矩形枠状の増設額縁Fを施工した際に、内窓材Wが嵌めこまれる側、すなわち内周側に位置して内窓材Wと当接したり、あるいは、内窓材W用のレール部材Lが敷設されたりする部分である。一方、ベース材外板23は、外周側に位置する部分である。
【0012】
ベース材内板22とベース材外板23とは、共に支持板21の短手方向の端部を基端部22a、23aとし、この基端部22a、23aから支持板21に対して略直角に、同方向に延出している。また、この例では、ベース材内板22の基端部22aからの延出長さL1は、ベース材外板23の基端部23aからの延出長さL2よりも大きく形成され、ベース材内板22はベース材外板23よりも長く延びている。また、ベース材内板22の短手方向の先端部22bは、 後述するカバー材30の内板凸条34がベース材の内板凹溝24、25にスライドさせて嵌合し易いように、ベース材外板23側に折曲して折曲部とされている。
【0013】
ベース材内板22の外面には、このベース材内板22の短手方向の先端部22b側の部位A1において、長手方向に沿う複数の内板凹溝(この例では、第1内板凹溝24および第2内板凹溝25の2本)が互いに略平行に形成されている。これらの内板凹溝24、25は、ベース材20にカバー材30を嵌合する際において、後述のカバー材30の内板凸条34が嵌合するものであって、その溝深さ方向がベース材内板22に対して略垂直をなすように(支持板21の取付面21bと略平行となるように)形成されている。さらに、ベース材内板22の外面は、短手方向の先端部22b側の部位A1の方が基端部22a側の部位A2よりも図中t1で示す分だけ低く形成され、段差が設けられている。このt1は、カバー材30の厚みに相当し、この例では1.5mm程度とされている。
また、ベース材内板22の外面における部位A2には、この部分に他の部材を固定する場合に他の部材が滑りにくいように、ノッチング加工が施され、長手方向に沿う多数の微細溝が形成されている。
【0014】
ベース材外板23の外面には、上述の内板凹溝24、25と同数の外板凹溝(この例では、第1外板凹溝26および第2外板凹溝27の2本)が長手方向に沿って互いに略平行に形成されている。これらの外板凹溝26、27は、ベース材20にカバー材30を嵌合する際において、後述のカバー材30の外板凸条35、36が嵌合するものである。
2本の外板凹溝26、27のうち1本、すなわち第1外板凹溝26は、ベース材外板23の短手方向の基端部23aに形成されている。また、ベース材外板23に対してその溝深さ方向が略垂直ではなく斜めとなるように、溝上部から溝底部に向けて支持板21の取付面21bから漸次離れるテーパー形状に形成されている。他の1本の外板凹溝、すなわち第2外板凹溝27は、第1外板凹溝26よりもベース材外板23の短手方向の先端部23b側に、第1外板凹溝26と同様の角度でテーパー形状に形成されている。
【0015】
なお、ベース材内板22の内面とベース材外板23の内面には、それぞれ長手方向に沿ってビス穴22c、23cが形成され、これらビス穴22c、23cを利用して、額縁材10の長手方向の両端部に、例えば図5のようなキャップ部材Cをビス止めできるようになっている。額縁材10を「縦勝ち」で施工する際には、特に縦額縁材Fvの長手方向の下端部にキャップ部材Cを嵌合後、ビス止めして固定することにより、縦額縁材Fvのカバー材30がベース材20から滑落ちないように支持することができる。
【0016】
カバー材30は、ベース材20の支持板21に対向配置される前面板31と、前面板31の短手方向の一端から延びたカバー材内板32と、短手方向の他端から延びたカバー材外板33とからなっている。
カバー材内板32は、図示例のような矩形枠状の増設額縁Fを施工した際に、ベース材内板22と共に内周側に位置して内窓材Wと当接したり、あるいは、レール部材Lが敷設されたりする部分である。一方、カバー材外板33は、ベース材外板23と共に外周側に位置する部分である。
【0017】
カバー材内板32とカバー材外板33は、共に前面板31の短手方向の端部を基端部32a、33aとし、この基端部32a、33aから前面板31に対して略垂直に、同方向に延出している。また、カバー材外板33の基端部33aからの延出長さL4は、図3に示す施工後の縦額縁材Fvの奥行きD1に相当し、カバー材内板32の基端部32aからの延出長さL3よりも大きく形成されている。
また、カバー材外板33の延出長さL4は、ベース材内板22の延出長さL1よりも大きく形成されている。
【0018】
カバー材内板32の内面には、この例では、カバー材内板32の短手方向の先端部32bにおいて、長手方向に沿う内板凸条34が1本形成され、ベース材20にカバー材30を嵌合する際には、この内板凸条34はベース材内板22の内板凹溝24、25の1つと嵌合するようになっている。具体的には、内板凹溝24、25に嵌合するようにカバー材内板32の短手方向の先端部32bが略垂直にカバー材外板33側に曲折され、内板凸条34が形成されている。
【0019】
カバー材外板33の内面には、ベース材外板23に形成された外板凹溝26、27と同数の外板凸条(この例では第1外板凸条35と第2外板凸条36の2本)が長手方向に沿って互いに略平行に形成され、ベース材20にカバー材30を嵌合する際には、これらの外板凸条35、36はベース材20の外板凹溝26、27と嵌合するようになっている。
2本の外板凸条35、36のうちの1本、すなわち、第1外板凸条35は、カバー材外板33の短手方向の先端部33bに形成されている。具体的には、外板凹溝26、27に嵌合するように、カバー材外板33の短手方向の先端部33bが外板凹溝26、27のテーパー形状に沿う鋭角にカバー材内板32側に曲折され、形成されている。他の1本の外板凸条、すなわち第2外板凸条36は、第1外板凸条35よりもカバー材外板33の短手方向の基端部33a側に、第1外板凸条35と同様の角度でテーパー形状に形成されている。
【0020】
そして、これらの外板凸条間35、36は、切り離し可能に形成されている。この例では、第1外板凸条35と第2外板凸条36の間に長手方向に沿う切欠溝37が形成され、この切欠溝37に沿って折り曲げたりカッターなどで切り裂いたりすることで、第1外板凸条35を容易に切り離せるようになっている。このように第1外板凸条35を切り離すと、第2外板凸条36が新たにカバー材外板33の短手方向の先端部33bに位置するようになる。
ここで、カバー材外板33の基端部33aから切り離し位置(切欠溝37)までの長さL5は、図3に示す施工後の横額縁材Fsの奥行きD2に相当する。また、カバー材外板33の先端部33bから切り離し位置(切欠溝37)までの長さL6は、施工後の縦額縁材Fvの奥行きD1と横額縁材Fsの奥行きD2との差(ΔD)に相当する。
【0021】
このような額縁材10を用いて、図3に示すように増設額縁Fを施工する場合には、まず、ベース材20を所定の長さに切断して、縦額縁材用ベース材と横額縁材用ベース材をそれぞれ2本ずつ用意し、同様にカバー材30も所定の長さに切断して、縦額縁材用カバー材と横額縁材用カバー材をそれぞれ2本ずつ用意する。
ついで、図6に示すように、図6中図示略の既設額縁の室内側端面に、2本の縦額縁用ベース材20vと2本の横額縁用ベース材20sをビス止めにより取り付ける。この際、これらベース材20の取付面21bが既設額縁の室内側端面に当接し、ベース材内板22が内周側に位置し、ベース材外板23が外周側に位置するように枠状に配置する。また、この例では「縦勝ち」の接合構造で枠状に形成するため、横額縁材用ベース材20sの長手方向の両端部が平行に配置された2本の縦額縁材ベース材20vにそれぞれ当接するように配置する。
【0022】
ついで、図7に示すように、こうして取付けられた縦額縁材用ベース材20vに、2本の縦額縁材用カバー材30vを嵌め込み、縦額縁材Fvを施工する。
この際、具体的には、図1(c)に示したように、内板凸条34が第2内板凹溝25に嵌合し、第1外板凸条35が第1外板凹溝26に嵌合し、さらに、第2外板凸条36が第2外板凹溝27に嵌合するように、縦額縁材用カバー材30vを縦額縁材用ベース材20vに嵌め込む。
【0023】
その後、横額縁材Fsを施工するが、それに先立って、まず、図8(a)に示すように、横額縁材用カバー材30sにおいて、切欠溝37に沿って第1外板凸条35を切り離す。
そして、こうして第1外板凸条35が切り離され、第2外板凸条36がカバー材外板33の短手方向の先端部33bに位置するようにしてから、図8(b)に示すように、内板凸条34が第1内板凹溝24に嵌合し、第2外板凸条36が第1外板凹溝26に嵌合するように、横額縁材用カバー材30sを横額縁材用ベース材20sに嵌め込む。
【0024】
このように施工すると、縦額縁材Fvの奥行きD1は、カバー材外板33の延出長さL4に等しく形成される。一方、横額縁材Fsの奥行きD2は、カバー材外板33の延出長さL4ではなく、カバー材外板33の基端部33aから切欠溝37までの長さL5に等しく形成される。
その結果、図示例のように縦額縁材Fvの前端面が横額縁材Fsの前端面よりも延出長さL4と長さL5との差(=L6=ΔD)の分だけ室内側に突出した増設額縁Fが形成される。
【0025】
この額縁材10においては、ベース材外板23に形成された第1外板凹溝26は、ベース材外板23の短手方向の基端部23aに形成され、かつ、これに嵌合するカバー材外板33の第1外板凸条35は、カバー材外板33の短手方向の先端部33bに形成されている。
そのため、縦額縁材Fvの施工時に、縦額縁材用カバー材30vを縦額縁材用ベース材20vに嵌め込んだ場合には、ベース材外板23の外面はその基端部23aまで、カバー材外板33で覆われ、外側からは見えなくなる。特にこの例では、第1外板凹溝26と第1外板凸条35とは共にテーパー形状に形成されている。そのため、縦額縁材用カバー材30vを縦額縁材用ベース材20vに嵌め込んだ場合には、カバー材外板33の短手方向の先端部33bとベース材外板23の短手方向の基端部23aとが線状に突き合わされることになる。
よって、ベース材外板23の外面はカバー材外板33でほぼ隙間無く覆われ、非常に優れた外観を呈することとなる。
また、ベース材内板22の外面には、短手方向の先端部22b側の部位A1と基端部22a側の部位A2との間に、カバー材30の厚みt1に相当する段差が予め設けられている。そのため、縦額縁材用カバー材30vを縦額縁材用ベース材20vに嵌め込んだ場合には、ベース材内板22の外面(基端部22a側の部位A2)と、カバー材内板32の外面とは面一に仕上げられる。
【0026】
また、横額縁材Fsの施工に際して、第1外板凸条35を切り離した場合には、第2外板凸条36がカバー材外板33の短手方向の先端部33bに位置するようになっているため、横額縁材Fsを施工した場合にも、縦額縁材Fvの施工時と同様に、ベース材外板23の外面はその基端部23aまでカバー材外板33で覆われ、外側からは見えなくなる。さらに、第2外板凸条36もテーパー形状に形成されているため、横額縁材Fsの施工時に縦額縁材用カバー材30vを縦額縁材用ベース材20vに嵌め込んだ場合にも、カバー材外板33の短手方向の先端部33bとベース材外板23の短手方向の基端部23aとは線状に突き合わされ、ベース材外板23の外面はカバー材外板33でほぼ隙間無く覆われ、同じく優れた外観を呈することとなる。
【0027】
施工後の増設額縁Fには、図4に示すように、横額縁材Fsには内窓材W用のレール部材Lが敷設された後、ガラス板とこれを囲むサッシ枠などからなる内窓材Wが嵌め込まれ、内窓とされる。また、縦額縁材Fvの長手方向の両端部には、キャップ部材Cが取り付けられる。具体的には、キャップ部材Cを縦額縁材Fvの両端部に嵌めた後、図9に示すように、2本のビスとビス穴22c、23cによりこれをビス止めする。こうしてキャップ部材Cを取り付けることにより、額縁材10の中空部分を隠蔽するとともに、ベース材20に嵌合されたカバー材30が重力により自然落下したり、振動で逸れたりすることを防止できる。
なお、以上の説明においては、先に縦額縁材Fvを施工し、その後に横額縁材Fsを施工しているが、施工順序は逆でもよい。
【0028】
以上説明したように、このような額縁材10によれば、施工現場において、第1外板凸条35を切り離すという簡単な作業だけで、1種類の額縁材10から容易に2種類の奥行きに施工でき、図3に示すように、縦額縁材Fvの前端面と横額縁材Fsの前端面とで段差が形成される仕様の増設額縁Fを構成する際に、縦額縁材用と横額縁材用とに兼用することができる。
そのため、2種類の奥行きに施工するために、異なる2種類の押出用金型を使用して2種類のベース材およびカバー材を成形する必要がなくなり、額縁材の生産コストを低減することができる。さらに、この場合、予め手配する額縁材は1種類で済むため、施工準備の際の面倒も低減される。さらに、どちらの奥行きに施工した場合でも、ベース材外板はカバー材外板に覆われ、外観の点でも優れる。
【0029】
なお、以上の例では、ベース材内板22の基端部22aからの延出長さL1は、ベース材外板23の基端部23aからの延出長さL2よりも大きく形成されている。これは、ベース材内板22が配置される増設額縁Fの内周側は、内窓材Wが嵌めこまれて、内窓材Wと当接したり、あるいは、内窓材W用のレール部材Lが敷設されたりする部分であって、ベース材外板23が配置される増設額縁Fの外周側よりも強度が要求されるためである。このように延出長さL1を長くすることによって、特に強度が要求される下側の横額縁材Fsにおいても、内窓材Wをより確実に支持できるようになる。一方、増設額縁Fの外周側は、内周側のようには強度は要求されないため、延出長さL2は、少なくとも複数の外板凹溝26、27を形成できる長さに設定されていればよい。
また、このように、ベース材内板22の基端部22aからの延出長さL1が十分な強度を発揮できる長さに設定されていれば、ベース材内板22に形成される内板凹溝24、25の位置は、基端部22a側に形成されていてもよい。
【0030】
また、以上の例では、カバー材内板32に形成される内板凸条34の本数は1本のみとし、この内板凸条34を第1内板凹溝24に嵌合させると奥行きを小さく施工でき、第2内板凹溝25に嵌合させると奥行きを大きく施工できる構成とした。このような構成であると、内板凸条34を第2内板凹溝25に嵌合させた場合には、第1内板凹溝24はカバー材30に覆われず露出した状態となる。しかしながら、このように露出した部分は、レール部材Lが敷設されたり、内窓材Wが嵌め込まれたりすると、隠れてしまう部分である。よって、このようにカバー材内板32に形成される内板凸条34の本数が1本であって、内板凸条34が嵌合していない第1内板凹溝24が露出したとしても、増設額縁Fの外観には影響はない。
これに対して、以上の例では、カバー材外板33に形成される外板凸条35、36の本数は複数(2本)としている。ここで仮に外板凸条の本数を1本のみとし、その1本の外板凸条を第1外板凹溝26に嵌合させることで奥行きを小さく施工し、第2外板凹溝27に嵌合させることで奥行きを大きくする施工する仕様とすることも可能ではある。しかしながら、その際には、外板凸条を第2外板凹溝27に嵌合させ、奥行きを大きく施工した場合には、第1外板凹溝26はカバー材30に覆われず露出した状態となる。このように露出した部分は、増設額縁Fの外周側に位置し、人目に触れる部分であり、増設額縁Fの外観に悪影響を与える。よって、カバー材外板33に形成される外板凸条の本数は、奥行きの種類に沿う本数(この例では2本)にすることが外観上必要である。
【0031】
なお、内板凸条34の本数は上述したように1本で十分ではあるが、場合によっては、外板凸条35、36、内板凹溝24、25、外板凹溝26、27と同数の2本にしてもよい。その際には、2本の内板凸条間も切り離し可能に形成され、奥行きを小さく施工する場合には、外板凸条35、36の場合と同様に、先端部側の内板凸条を切り離してから使用することとなる。
【0032】
また、以上の例では、外板凸条35、36、内板凹溝24、25、外板凹溝26、27の本数をいずれも2本とし、2本の外板凸条35、36間を容易に切り離せる形態とすることにより、2種類の奥行きに施工できる形態とした。しかしながら、外板凸条、内板凹溝、外板凹溝の本数は2本に限定されず、複数であればよい。例えば、これらがそれぞれ3本形成され、3本の外板凸条間が容易に切り離せる形態であると、3種類の奥行きに施工することができる。このような額縁材であれば、例えば住宅のベランダ用内窓とキッチン用内窓など、内窓の面積が異なるなどの理由で要求される増設額縁の奥行きが異なる複数箇所に対して、1種類の額縁材で対応できる。
【0033】
また、以上の例では、切り離し位置には切欠溝37が形成され、正確な位置で切り離せるとともに、施工現場での切り離し作業も容易に行えるようにされている。しかしながら、切欠溝37は必ずしも形成されていなくてもよく、例えば切り離し位置の目印となる切り離し線のみが付されていてもよいし、特に目印などが付されていなくてもよい。
【0034】
また、以上の例では、ベース材20の材質としてアルミニウムを例示したが、他の金属でもよく、額縁材10のベース材20に適した強度などの特性や成形性を満足する材質であれば制限はない。また、カバー材30の材質として塩化ビニル樹脂を例示したが、額縁材10のカバー材30に適した加工性などの特性や成形性を満足する樹脂であれば制限はない。また、キャップ部材Cの材質にも特に制限はなく、例えば、キャップ部材Cに好適な弾性を備え、耐候性も良好なアクリロニトリルスチレンアクリレートなどを用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の額縁材の一例であって、(a)ベース材の斜視図、(b)カバー材の斜視図、(c)カバー材をベース材に嵌合させた様子を示す斜視図である。
【図2】図1の額縁材であって、(a)ベース材の長手方向の端面図、(b)カバー材の長手方向の端面図である。
【図3】図1の額縁材により施工された増設額縁を示す概略斜視図である。
【図4】(a)図3の増設額縁を備えた内窓を示す縦断面図、(b)(a)の要部を拡大した拡大縦断面図である。
【図5】図1の額縁材に使用されるキャップ部材の一例を示す(a)正面図、(a)平面図、(c)側面図である。
【図6】図1の額縁材のベース材を施工した様子を説明する概略斜視図である。
【図7】図6のベース材に、カバー材を嵌合させる様子を示す概略斜視図である。
【図8】図1の額縁材のカバー材を横額縁材に使用する際において、(a)第1外板凸条を切り離す様子を説明する斜視図、(b)第1外板凸条を切り離した後のカバー材をベース材に嵌合させた様子を示す斜視図である。
【図9】図5のキャップ部材を縦額縁材の下端に嵌合した状態を示す(a)下からみた平面図と、(b)(a)のI−I’線に沿う縦断面図である。
【図10】従来の増設額縁の(a)斜視図、(b)平面図である。
【図11】他の増設額縁の平面図である。
【符号の説明】
【0036】
10 額縁材
20 ベース材
21 支持板
22 ベース材内板
23 ベース材外板
24、25 内板凹溝
26、27 外板凹溝
30 カバー材
31 前面板
32 カバー材内板
33 カバー材外板
34 内板凸条
35 36 外板凸条
37 切欠溝
F 増設額縁
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば住宅のリフォーム時に窓を二重窓にする場合などにおいて、内窓用として取り付けられる増設額縁を構成するための額縁材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、防音効果、断熱効果などの点から、窓を二重窓にすることがある。特に住宅のリフォーム時に、既存の窓(外窓)の室内側に内窓を設けて二重窓とする場合には、例えば、特許文献1および2に記載されているように、外窓用の既設額縁の室内側に新たに内窓用の増設額縁を設け、この増設額縁内にガラス板とサッシ枠などからなる内窓材を嵌め込む方法が採用される。
【0003】
増設額縁は、例えば、図10(a)に示すように、長尺な横額縁材fsと縦額縁材fvとを枠状にして、図示略の既設額縁に取り付けることで施工される。このような横額縁材fsおよび縦額縁材fvは、通常、既設額縁に取り付けされるベース材と、このベース材に嵌合される化粧用のカバー材とから構成され、ベース材は例えば金属の押出成形体からなり、カバー材は例えば樹脂の押出成形体からなっている。
また、これら横額縁材fsと縦額縁材fvとを枠状にする場合には、図示のように、横額縁材fsの長手方向の両端部が2本の縦額縁材fvにそれぞれ当接する、いわゆる「縦勝ち」の接合構造で枠状とされることが多い。そして、この際、図10(b)に示すように、縦額縁材fvの前端面v1と横額縁材fsの前端面s1とは面一に仕上げられることが、外観の点で好ましい。
【特許文献1】実公昭63−24220号公報
【特許文献2】特開2007−297831号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、実際にこれらの前端面v1、s1を面一に仕上げるためには、施工現場における微調整を厳密に行う必要があり、手間がかかった。
また、このように手間のかかる作業を行ったとしても、施工者の技術などによっては、これらの前端面v1、s1が面一になるとは限らず、その結果、増設額縁の外観が不良となる場合もあった。
【0005】
そこで、図11に示すように、縦額縁材fvの奥行きd1と横額縁材fsの奥行きd2とを敢えて異なる長さに設定して、施工後には縦額縁材fvの前端面v1と横額縁材fsの前端面s1とで敢えて段差が形成され、これらが面一にはならないように仕上げる方法も考えられる。この図示例の場合には、縦額縁材fvの奥行きd1を横額縁材fsの奥行きd2よりも数mm程度大きくし、施工後には、縦額縁材fvの前端面v1が横額縁材fsの前端面s1よりもその分だけ前方(室内側)に突出するようにされている。
このように縦額縁材fvの前端面v1と横額縁材fsの前端面s1とで段差が形成される仕様であれば、これらの前端面v1、s1を図10(b)のように面一にする場合ほどの施工現場での微調整は不要である。そのため、手間のかかる作業をすることなく、外観に優れる増設額縁を構成でき、施工性の点で非常に好ましい。
【0006】
ところが、このように奥行きが異なる縦額縁材fvと横額縁材fsとを製造しようとすると、縦額縁材fvのベース材と横額縁材fsのベース材とを異なる押出用金型で成形し、縦額縁材fvのカバー材と横額縁材fsのカバー材とを異なる押出用金型で成形する必要が生じ、生産コストの点で不利であった。
また、ベース材およびカバー材を縦額縁材fvと横額縁材fsとで兼用できないために、縦額縁材fv用のベース材およびカバー材、横額縁材fs用のベース材およびカバー材をそれぞれ必要な本数だけ予め手配する必要があり、施工準備が面倒であった。
【0007】
本発明の目的は、例えば、縦額縁材の奥行きと横額縁材の奥行きとを異ならせて、縦額縁材の前端面と横額縁材の前端面とで段差が形成される仕様の増設額縁を構成する際などに、複数の異なる奥行きに施工することができるために縦額縁材と横額縁材とで兼用でき、生産コストや施工準備の煩雑さを低減でき、しかも、外観にも優れる額縁材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の額縁材は、既設額縁に取り付けられるベース材と、該ベース材に嵌合されるカバー材とを備え、増設額縁を構成する長尺な額縁材であって、
前記ベース材は、前記既設額縁に当接する支持板と、該支持板の短手方向の一端から延びたベース材内板と、前記短手方向の他端から前記ベース材内板と同方向に延びたベース材外板とからなり、
前記ベース材内板の外面には、長手方向に沿う複数の内板凹溝が形成され、
前記ベース材外板の外面には、前記内板凹溝と同数の長手方向に沿う外板凹溝が形成され、
前記カバー材は、前記支持板に対向配置される前面板と、該前面板の短手方向の一端から延びたカバー材内板と、前記短手方向の他端から前記カバー材内板と同方向に延びたカバー材外板とからなり、
前記カバー材内板の内面には、前記複数の内板凹溝に嵌合する内板凸条が形成され、
前記カバー材外板の内面には、前記複数の外板凹溝に嵌合する複数の外板凸条が形成され、
前記外板凹溝のうちの1本は、前記ベース材外板の短手方向の基端部に形成され、前記外板凸条の1本は、前記カバー材外板の短手方向の先端部に形成され、
前記先端部に形成された前記外板凸条以外の外板凸条が前記先端部に位置するように、各外板凸条間は切り離し可能に形成されていることを特徴とする。
前記各外板凸条間には、切欠溝が形成され、切り離し可能とされていることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の額縁材によれば、例えば、縦額縁材の奥行きと横額縁材の奥行きとを異ならせて、縦額縁材の前端面と横額縁材の前端面とで段差が形成される仕様の増設額縁を構成する際などに、複数の異なる奥行きに施工することができるために縦額縁材と横額縁材とで兼用でき、生産コストや施工準備の煩雑さを低減でき、しかも、外観にも優れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の額縁材について、図面を用いて詳細に説明する。
図1および図2は本発明の額縁材10の一例を示すものであって、この額縁材10は、住宅のリフォーム時などに、既存の窓、すなわち外窓の室内側に内窓を設けて二重窓とする際において、内窓用の増設額縁を構成するための縦額縁材および横額縁材として使用されるものである。
図3は、この額縁材10を用いて施工された増設額縁Fの一例を示す概略斜視図であり、図4は、この増設額縁Fの横額縁材Fsにレール部材Lが敷設された後、増設額縁Fに内窓材Wが嵌め込まれた様子を示す縦断面図である。
この例の増設額縁Fは、2本の横額縁材Fsの長手方向の両端部が2本の縦額縁材Fvにそれぞれ当接する、いわゆる「縦勝ち」の接合構造で枠状に形成されているとともに、縦額縁材Fvの奥行きD1が横額縁材Fsの奥行きD2よりも大きくされ、縦額縁材Fvの前端面が横額縁材Fsの前端面よりもΔD(=D1−D2)だけ、前方(室内側)に突出するように仕上げられている。この例でΔDは3.2mm程度とされている。
【0011】
この額縁材10は、アルミニウムの長尺な押出成形体からなり、既存の既設額縁Bの室内側端部に取り付けられるベース材20と、塩化ビニル樹脂の長尺な押出成形体からなり、取り付けられたベース材20に嵌合される化粧用のカバー材30とを備えている。
ベース材20は、既設額縁Bの室内側端面にその取付面21bが当接する支持板21と、この支持板21の短手方向の一端から延びたベース材内板22と、短手方向の他端から延びたベース材外板23とからなっている。
支持板21には長手方向に沿ってビス穴21aが形成され、このビス穴21aを利用してビス止めすることにより、ベース材20が既設額縁Bに取り付けられるようになっている。
ベース材内板22は、図示例のような矩形枠状の増設額縁Fを施工した際に、内窓材Wが嵌めこまれる側、すなわち内周側に位置して内窓材Wと当接したり、あるいは、内窓材W用のレール部材Lが敷設されたりする部分である。一方、ベース材外板23は、外周側に位置する部分である。
【0012】
ベース材内板22とベース材外板23とは、共に支持板21の短手方向の端部を基端部22a、23aとし、この基端部22a、23aから支持板21に対して略直角に、同方向に延出している。また、この例では、ベース材内板22の基端部22aからの延出長さL1は、ベース材外板23の基端部23aからの延出長さL2よりも大きく形成され、ベース材内板22はベース材外板23よりも長く延びている。また、ベース材内板22の短手方向の先端部22bは、 後述するカバー材30の内板凸条34がベース材の内板凹溝24、25にスライドさせて嵌合し易いように、ベース材外板23側に折曲して折曲部とされている。
【0013】
ベース材内板22の外面には、このベース材内板22の短手方向の先端部22b側の部位A1において、長手方向に沿う複数の内板凹溝(この例では、第1内板凹溝24および第2内板凹溝25の2本)が互いに略平行に形成されている。これらの内板凹溝24、25は、ベース材20にカバー材30を嵌合する際において、後述のカバー材30の内板凸条34が嵌合するものであって、その溝深さ方向がベース材内板22に対して略垂直をなすように(支持板21の取付面21bと略平行となるように)形成されている。さらに、ベース材内板22の外面は、短手方向の先端部22b側の部位A1の方が基端部22a側の部位A2よりも図中t1で示す分だけ低く形成され、段差が設けられている。このt1は、カバー材30の厚みに相当し、この例では1.5mm程度とされている。
また、ベース材内板22の外面における部位A2には、この部分に他の部材を固定する場合に他の部材が滑りにくいように、ノッチング加工が施され、長手方向に沿う多数の微細溝が形成されている。
【0014】
ベース材外板23の外面には、上述の内板凹溝24、25と同数の外板凹溝(この例では、第1外板凹溝26および第2外板凹溝27の2本)が長手方向に沿って互いに略平行に形成されている。これらの外板凹溝26、27は、ベース材20にカバー材30を嵌合する際において、後述のカバー材30の外板凸条35、36が嵌合するものである。
2本の外板凹溝26、27のうち1本、すなわち第1外板凹溝26は、ベース材外板23の短手方向の基端部23aに形成されている。また、ベース材外板23に対してその溝深さ方向が略垂直ではなく斜めとなるように、溝上部から溝底部に向けて支持板21の取付面21bから漸次離れるテーパー形状に形成されている。他の1本の外板凹溝、すなわち第2外板凹溝27は、第1外板凹溝26よりもベース材外板23の短手方向の先端部23b側に、第1外板凹溝26と同様の角度でテーパー形状に形成されている。
【0015】
なお、ベース材内板22の内面とベース材外板23の内面には、それぞれ長手方向に沿ってビス穴22c、23cが形成され、これらビス穴22c、23cを利用して、額縁材10の長手方向の両端部に、例えば図5のようなキャップ部材Cをビス止めできるようになっている。額縁材10を「縦勝ち」で施工する際には、特に縦額縁材Fvの長手方向の下端部にキャップ部材Cを嵌合後、ビス止めして固定することにより、縦額縁材Fvのカバー材30がベース材20から滑落ちないように支持することができる。
【0016】
カバー材30は、ベース材20の支持板21に対向配置される前面板31と、前面板31の短手方向の一端から延びたカバー材内板32と、短手方向の他端から延びたカバー材外板33とからなっている。
カバー材内板32は、図示例のような矩形枠状の増設額縁Fを施工した際に、ベース材内板22と共に内周側に位置して内窓材Wと当接したり、あるいは、レール部材Lが敷設されたりする部分である。一方、カバー材外板33は、ベース材外板23と共に外周側に位置する部分である。
【0017】
カバー材内板32とカバー材外板33は、共に前面板31の短手方向の端部を基端部32a、33aとし、この基端部32a、33aから前面板31に対して略垂直に、同方向に延出している。また、カバー材外板33の基端部33aからの延出長さL4は、図3に示す施工後の縦額縁材Fvの奥行きD1に相当し、カバー材内板32の基端部32aからの延出長さL3よりも大きく形成されている。
また、カバー材外板33の延出長さL4は、ベース材内板22の延出長さL1よりも大きく形成されている。
【0018】
カバー材内板32の内面には、この例では、カバー材内板32の短手方向の先端部32bにおいて、長手方向に沿う内板凸条34が1本形成され、ベース材20にカバー材30を嵌合する際には、この内板凸条34はベース材内板22の内板凹溝24、25の1つと嵌合するようになっている。具体的には、内板凹溝24、25に嵌合するようにカバー材内板32の短手方向の先端部32bが略垂直にカバー材外板33側に曲折され、内板凸条34が形成されている。
【0019】
カバー材外板33の内面には、ベース材外板23に形成された外板凹溝26、27と同数の外板凸条(この例では第1外板凸条35と第2外板凸条36の2本)が長手方向に沿って互いに略平行に形成され、ベース材20にカバー材30を嵌合する際には、これらの外板凸条35、36はベース材20の外板凹溝26、27と嵌合するようになっている。
2本の外板凸条35、36のうちの1本、すなわち、第1外板凸条35は、カバー材外板33の短手方向の先端部33bに形成されている。具体的には、外板凹溝26、27に嵌合するように、カバー材外板33の短手方向の先端部33bが外板凹溝26、27のテーパー形状に沿う鋭角にカバー材内板32側に曲折され、形成されている。他の1本の外板凸条、すなわち第2外板凸条36は、第1外板凸条35よりもカバー材外板33の短手方向の基端部33a側に、第1外板凸条35と同様の角度でテーパー形状に形成されている。
【0020】
そして、これらの外板凸条間35、36は、切り離し可能に形成されている。この例では、第1外板凸条35と第2外板凸条36の間に長手方向に沿う切欠溝37が形成され、この切欠溝37に沿って折り曲げたりカッターなどで切り裂いたりすることで、第1外板凸条35を容易に切り離せるようになっている。このように第1外板凸条35を切り離すと、第2外板凸条36が新たにカバー材外板33の短手方向の先端部33bに位置するようになる。
ここで、カバー材外板33の基端部33aから切り離し位置(切欠溝37)までの長さL5は、図3に示す施工後の横額縁材Fsの奥行きD2に相当する。また、カバー材外板33の先端部33bから切り離し位置(切欠溝37)までの長さL6は、施工後の縦額縁材Fvの奥行きD1と横額縁材Fsの奥行きD2との差(ΔD)に相当する。
【0021】
このような額縁材10を用いて、図3に示すように増設額縁Fを施工する場合には、まず、ベース材20を所定の長さに切断して、縦額縁材用ベース材と横額縁材用ベース材をそれぞれ2本ずつ用意し、同様にカバー材30も所定の長さに切断して、縦額縁材用カバー材と横額縁材用カバー材をそれぞれ2本ずつ用意する。
ついで、図6に示すように、図6中図示略の既設額縁の室内側端面に、2本の縦額縁用ベース材20vと2本の横額縁用ベース材20sをビス止めにより取り付ける。この際、これらベース材20の取付面21bが既設額縁の室内側端面に当接し、ベース材内板22が内周側に位置し、ベース材外板23が外周側に位置するように枠状に配置する。また、この例では「縦勝ち」の接合構造で枠状に形成するため、横額縁材用ベース材20sの長手方向の両端部が平行に配置された2本の縦額縁材ベース材20vにそれぞれ当接するように配置する。
【0022】
ついで、図7に示すように、こうして取付けられた縦額縁材用ベース材20vに、2本の縦額縁材用カバー材30vを嵌め込み、縦額縁材Fvを施工する。
この際、具体的には、図1(c)に示したように、内板凸条34が第2内板凹溝25に嵌合し、第1外板凸条35が第1外板凹溝26に嵌合し、さらに、第2外板凸条36が第2外板凹溝27に嵌合するように、縦額縁材用カバー材30vを縦額縁材用ベース材20vに嵌め込む。
【0023】
その後、横額縁材Fsを施工するが、それに先立って、まず、図8(a)に示すように、横額縁材用カバー材30sにおいて、切欠溝37に沿って第1外板凸条35を切り離す。
そして、こうして第1外板凸条35が切り離され、第2外板凸条36がカバー材外板33の短手方向の先端部33bに位置するようにしてから、図8(b)に示すように、内板凸条34が第1内板凹溝24に嵌合し、第2外板凸条36が第1外板凹溝26に嵌合するように、横額縁材用カバー材30sを横額縁材用ベース材20sに嵌め込む。
【0024】
このように施工すると、縦額縁材Fvの奥行きD1は、カバー材外板33の延出長さL4に等しく形成される。一方、横額縁材Fsの奥行きD2は、カバー材外板33の延出長さL4ではなく、カバー材外板33の基端部33aから切欠溝37までの長さL5に等しく形成される。
その結果、図示例のように縦額縁材Fvの前端面が横額縁材Fsの前端面よりも延出長さL4と長さL5との差(=L6=ΔD)の分だけ室内側に突出した増設額縁Fが形成される。
【0025】
この額縁材10においては、ベース材外板23に形成された第1外板凹溝26は、ベース材外板23の短手方向の基端部23aに形成され、かつ、これに嵌合するカバー材外板33の第1外板凸条35は、カバー材外板33の短手方向の先端部33bに形成されている。
そのため、縦額縁材Fvの施工時に、縦額縁材用カバー材30vを縦額縁材用ベース材20vに嵌め込んだ場合には、ベース材外板23の外面はその基端部23aまで、カバー材外板33で覆われ、外側からは見えなくなる。特にこの例では、第1外板凹溝26と第1外板凸条35とは共にテーパー形状に形成されている。そのため、縦額縁材用カバー材30vを縦額縁材用ベース材20vに嵌め込んだ場合には、カバー材外板33の短手方向の先端部33bとベース材外板23の短手方向の基端部23aとが線状に突き合わされることになる。
よって、ベース材外板23の外面はカバー材外板33でほぼ隙間無く覆われ、非常に優れた外観を呈することとなる。
また、ベース材内板22の外面には、短手方向の先端部22b側の部位A1と基端部22a側の部位A2との間に、カバー材30の厚みt1に相当する段差が予め設けられている。そのため、縦額縁材用カバー材30vを縦額縁材用ベース材20vに嵌め込んだ場合には、ベース材内板22の外面(基端部22a側の部位A2)と、カバー材内板32の外面とは面一に仕上げられる。
【0026】
また、横額縁材Fsの施工に際して、第1外板凸条35を切り離した場合には、第2外板凸条36がカバー材外板33の短手方向の先端部33bに位置するようになっているため、横額縁材Fsを施工した場合にも、縦額縁材Fvの施工時と同様に、ベース材外板23の外面はその基端部23aまでカバー材外板33で覆われ、外側からは見えなくなる。さらに、第2外板凸条36もテーパー形状に形成されているため、横額縁材Fsの施工時に縦額縁材用カバー材30vを縦額縁材用ベース材20vに嵌め込んだ場合にも、カバー材外板33の短手方向の先端部33bとベース材外板23の短手方向の基端部23aとは線状に突き合わされ、ベース材外板23の外面はカバー材外板33でほぼ隙間無く覆われ、同じく優れた外観を呈することとなる。
【0027】
施工後の増設額縁Fには、図4に示すように、横額縁材Fsには内窓材W用のレール部材Lが敷設された後、ガラス板とこれを囲むサッシ枠などからなる内窓材Wが嵌め込まれ、内窓とされる。また、縦額縁材Fvの長手方向の両端部には、キャップ部材Cが取り付けられる。具体的には、キャップ部材Cを縦額縁材Fvの両端部に嵌めた後、図9に示すように、2本のビスとビス穴22c、23cによりこれをビス止めする。こうしてキャップ部材Cを取り付けることにより、額縁材10の中空部分を隠蔽するとともに、ベース材20に嵌合されたカバー材30が重力により自然落下したり、振動で逸れたりすることを防止できる。
なお、以上の説明においては、先に縦額縁材Fvを施工し、その後に横額縁材Fsを施工しているが、施工順序は逆でもよい。
【0028】
以上説明したように、このような額縁材10によれば、施工現場において、第1外板凸条35を切り離すという簡単な作業だけで、1種類の額縁材10から容易に2種類の奥行きに施工でき、図3に示すように、縦額縁材Fvの前端面と横額縁材Fsの前端面とで段差が形成される仕様の増設額縁Fを構成する際に、縦額縁材用と横額縁材用とに兼用することができる。
そのため、2種類の奥行きに施工するために、異なる2種類の押出用金型を使用して2種類のベース材およびカバー材を成形する必要がなくなり、額縁材の生産コストを低減することができる。さらに、この場合、予め手配する額縁材は1種類で済むため、施工準備の際の面倒も低減される。さらに、どちらの奥行きに施工した場合でも、ベース材外板はカバー材外板に覆われ、外観の点でも優れる。
【0029】
なお、以上の例では、ベース材内板22の基端部22aからの延出長さL1は、ベース材外板23の基端部23aからの延出長さL2よりも大きく形成されている。これは、ベース材内板22が配置される増設額縁Fの内周側は、内窓材Wが嵌めこまれて、内窓材Wと当接したり、あるいは、内窓材W用のレール部材Lが敷設されたりする部分であって、ベース材外板23が配置される増設額縁Fの外周側よりも強度が要求されるためである。このように延出長さL1を長くすることによって、特に強度が要求される下側の横額縁材Fsにおいても、内窓材Wをより確実に支持できるようになる。一方、増設額縁Fの外周側は、内周側のようには強度は要求されないため、延出長さL2は、少なくとも複数の外板凹溝26、27を形成できる長さに設定されていればよい。
また、このように、ベース材内板22の基端部22aからの延出長さL1が十分な強度を発揮できる長さに設定されていれば、ベース材内板22に形成される内板凹溝24、25の位置は、基端部22a側に形成されていてもよい。
【0030】
また、以上の例では、カバー材内板32に形成される内板凸条34の本数は1本のみとし、この内板凸条34を第1内板凹溝24に嵌合させると奥行きを小さく施工でき、第2内板凹溝25に嵌合させると奥行きを大きく施工できる構成とした。このような構成であると、内板凸条34を第2内板凹溝25に嵌合させた場合には、第1内板凹溝24はカバー材30に覆われず露出した状態となる。しかしながら、このように露出した部分は、レール部材Lが敷設されたり、内窓材Wが嵌め込まれたりすると、隠れてしまう部分である。よって、このようにカバー材内板32に形成される内板凸条34の本数が1本であって、内板凸条34が嵌合していない第1内板凹溝24が露出したとしても、増設額縁Fの外観には影響はない。
これに対して、以上の例では、カバー材外板33に形成される外板凸条35、36の本数は複数(2本)としている。ここで仮に外板凸条の本数を1本のみとし、その1本の外板凸条を第1外板凹溝26に嵌合させることで奥行きを小さく施工し、第2外板凹溝27に嵌合させることで奥行きを大きくする施工する仕様とすることも可能ではある。しかしながら、その際には、外板凸条を第2外板凹溝27に嵌合させ、奥行きを大きく施工した場合には、第1外板凹溝26はカバー材30に覆われず露出した状態となる。このように露出した部分は、増設額縁Fの外周側に位置し、人目に触れる部分であり、増設額縁Fの外観に悪影響を与える。よって、カバー材外板33に形成される外板凸条の本数は、奥行きの種類に沿う本数(この例では2本)にすることが外観上必要である。
【0031】
なお、内板凸条34の本数は上述したように1本で十分ではあるが、場合によっては、外板凸条35、36、内板凹溝24、25、外板凹溝26、27と同数の2本にしてもよい。その際には、2本の内板凸条間も切り離し可能に形成され、奥行きを小さく施工する場合には、外板凸条35、36の場合と同様に、先端部側の内板凸条を切り離してから使用することとなる。
【0032】
また、以上の例では、外板凸条35、36、内板凹溝24、25、外板凹溝26、27の本数をいずれも2本とし、2本の外板凸条35、36間を容易に切り離せる形態とすることにより、2種類の奥行きに施工できる形態とした。しかしながら、外板凸条、内板凹溝、外板凹溝の本数は2本に限定されず、複数であればよい。例えば、これらがそれぞれ3本形成され、3本の外板凸条間が容易に切り離せる形態であると、3種類の奥行きに施工することができる。このような額縁材であれば、例えば住宅のベランダ用内窓とキッチン用内窓など、内窓の面積が異なるなどの理由で要求される増設額縁の奥行きが異なる複数箇所に対して、1種類の額縁材で対応できる。
【0033】
また、以上の例では、切り離し位置には切欠溝37が形成され、正確な位置で切り離せるとともに、施工現場での切り離し作業も容易に行えるようにされている。しかしながら、切欠溝37は必ずしも形成されていなくてもよく、例えば切り離し位置の目印となる切り離し線のみが付されていてもよいし、特に目印などが付されていなくてもよい。
【0034】
また、以上の例では、ベース材20の材質としてアルミニウムを例示したが、他の金属でもよく、額縁材10のベース材20に適した強度などの特性や成形性を満足する材質であれば制限はない。また、カバー材30の材質として塩化ビニル樹脂を例示したが、額縁材10のカバー材30に適した加工性などの特性や成形性を満足する樹脂であれば制限はない。また、キャップ部材Cの材質にも特に制限はなく、例えば、キャップ部材Cに好適な弾性を備え、耐候性も良好なアクリロニトリルスチレンアクリレートなどを用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の額縁材の一例であって、(a)ベース材の斜視図、(b)カバー材の斜視図、(c)カバー材をベース材に嵌合させた様子を示す斜視図である。
【図2】図1の額縁材であって、(a)ベース材の長手方向の端面図、(b)カバー材の長手方向の端面図である。
【図3】図1の額縁材により施工された増設額縁を示す概略斜視図である。
【図4】(a)図3の増設額縁を備えた内窓を示す縦断面図、(b)(a)の要部を拡大した拡大縦断面図である。
【図5】図1の額縁材に使用されるキャップ部材の一例を示す(a)正面図、(a)平面図、(c)側面図である。
【図6】図1の額縁材のベース材を施工した様子を説明する概略斜視図である。
【図7】図6のベース材に、カバー材を嵌合させる様子を示す概略斜視図である。
【図8】図1の額縁材のカバー材を横額縁材に使用する際において、(a)第1外板凸条を切り離す様子を説明する斜視図、(b)第1外板凸条を切り離した後のカバー材をベース材に嵌合させた様子を示す斜視図である。
【図9】図5のキャップ部材を縦額縁材の下端に嵌合した状態を示す(a)下からみた平面図と、(b)(a)のI−I’線に沿う縦断面図である。
【図10】従来の増設額縁の(a)斜視図、(b)平面図である。
【図11】他の増設額縁の平面図である。
【符号の説明】
【0036】
10 額縁材
20 ベース材
21 支持板
22 ベース材内板
23 ベース材外板
24、25 内板凹溝
26、27 外板凹溝
30 カバー材
31 前面板
32 カバー材内板
33 カバー材外板
34 内板凸条
35 36 外板凸条
37 切欠溝
F 増設額縁
【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設額縁に取り付けられるベース材と、該ベース材に嵌合されるカバー材とを備え、増設額縁を構成する長尺な額縁材であって、
前記ベース材は、前記既設額縁に当接する支持板と、該支持板の短手方向の一端から延びたベース材内板と、前記短手方向の他端から前記ベース材内板と同方向に延びたベース材外板とからなり、
前記ベース材内板の外面には、長手方向に沿う複数の内板凹溝が形成され、
前記ベース材外板の外面には、前記内板凹溝と同数の長手方向に沿う外板凹溝が形成され、
前記カバー材は、前記支持板に対向配置される前面板と、該前面板の短手方向の一端から延びたカバー材内板と、前記短手方向の他端から前記カバー材内板と同方向に延びたカバー材外板とからなり、
前記カバー材内板の内面には、前記複数の内板凹溝に嵌合する内板凸条が形成され、
前記カバー材外板の内面には、前記複数の外板凹溝に嵌合する複数の外板凸条が形成され、
前記外板凹溝のうちの1本は、前記ベース材外板の短手方向の基端部に形成され、前記外板凸条の1本は、前記カバー材外板の短手方向の先端部に形成され、
前記先端部に形成された前記外板凸条以外の外板凸条が前記先端部に位置するように、各外板凸条間は切り離し可能に形成されていることを特徴とする額縁材。
【請求項2】
前記各外板凸条間には、切欠溝が形成され、切り離し可能とされていることを特徴とする請求項1に記載の額縁材。
【請求項1】
既設額縁に取り付けられるベース材と、該ベース材に嵌合されるカバー材とを備え、増設額縁を構成する長尺な額縁材であって、
前記ベース材は、前記既設額縁に当接する支持板と、該支持板の短手方向の一端から延びたベース材内板と、前記短手方向の他端から前記ベース材内板と同方向に延びたベース材外板とからなり、
前記ベース材内板の外面には、長手方向に沿う複数の内板凹溝が形成され、
前記ベース材外板の外面には、前記内板凹溝と同数の長手方向に沿う外板凹溝が形成され、
前記カバー材は、前記支持板に対向配置される前面板と、該前面板の短手方向の一端から延びたカバー材内板と、前記短手方向の他端から前記カバー材内板と同方向に延びたカバー材外板とからなり、
前記カバー材内板の内面には、前記複数の内板凹溝に嵌合する内板凸条が形成され、
前記カバー材外板の内面には、前記複数の外板凹溝に嵌合する複数の外板凸条が形成され、
前記外板凹溝のうちの1本は、前記ベース材外板の短手方向の基端部に形成され、前記外板凸条の1本は、前記カバー材外板の短手方向の先端部に形成され、
前記先端部に形成された前記外板凸条以外の外板凸条が前記先端部に位置するように、各外板凸条間は切り離し可能に形成されていることを特徴とする額縁材。
【請求項2】
前記各外板凸条間には、切欠溝が形成され、切り離し可能とされていることを特徴とする請求項1に記載の額縁材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−121325(P2010−121325A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−294704(P2008−294704)
【出願日】平成20年11月18日(2008.11.18)
【出願人】(000010065)フクビ化学工業株式会社 (150)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月18日(2008.11.18)
【出願人】(000010065)フクビ化学工業株式会社 (150)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]