説明

壁体および壁体構造物

【課題】押込み力に対して大きな抵抗力を発揮できる壁体を提供する。
【解決手段】多数の壁体構成用本体部材100の継手を嵌合させて形成された壁体10の少なくとも背面の地盤面27上において、前記壁体10に密接または近接して荷重伝達部材500が壁体の延長方向に配置され、前記荷重伝達部材500は係止部材510により係止され,前記係止部材510が所定の壁体構成用本体部材100に溶接などの手段で一体的に連結されてなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、護岸、岸壁、防波堤などの水域構造物や擁壁、砂防ダムなどの構造物を構成する壁体及び壁体構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
溝形鋼矢板などの開放断面からなる壁体構成部材は、鋼管杭のような先端閉塞効果が期待できず、押込み力に対する抵抗力(支持力)が小さい。このため、大きな押込み力が作用する構造物の構成要素として適用するには問題があった。
【非特許文献1】JIS A5528 熱間圧延鋼矢板JIS A5525 鋼管杭
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
溝形鋼矢板などの開放断面からなる壁体構成部材は、鋼管杭のような先端閉塞効果が期待できず、押込み力に対する抵抗力(支持力)が小さい。このため、大きな押込み力が作用する構造物の構成要素として適用するには問題があった。
【0004】
本発明は、前記の問題を解決する壁体および壁体構造物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記の課題を解決するため、本発明は次のように構成する。
【0006】
第1の発明に係る壁体は、多数の壁体構成用本体部材1の継手を嵌合させて形成された壁体10の少なくとも背面の地盤面上において、前記壁体10に密接または近接して荷重伝達部材500が壁体10の延長方向に配置され、前記荷重伝達部材500は係止部材510により係止され,前記係止部材510が所定の壁体構成用本体部材1に溶接などの手段で一体的に連結されてなることを特徴とする。
【0007】
第2の発明に係る壁体は、第1の発明において、互いに隣接して配置された前記壁体構成用本体部材1の各々の継手130、140が嵌合してなる継手嵌合部において、前記係止部材510が前記継手130、140またはその近傍に配置され、前記継手130、140またはその近傍に溶接などの手段で一体的に連結されてなることを特徴とする。
【0008】
第3の発明に係る壁体は、第1又は第2の発明において、前記荷重伝達部材500が、角形鋼管や鋼管等のような筒状断面を有する部材であることを特徴とする。
【0009】
第4の発明に係る壁体は、第1又は第2の発明において、前記荷重伝達部材500が、その断面における互いに向かい合う辺が直線状の部材であることを特徴とする。
【0010】
第5の発明に係る壁体は、第1〜第4のいずれか1項に記載の発明において、前記荷重伝達部材500にタイ材が挿通され、前記タイ材の端部が前記壁体構成用本体部材1に固定されていることを特徴とする。
【0011】
第6の発明に係る壁体構造物は、請求項1〜5のいずれか1項記載の壁体10を地盤に構成し、前記壁体10から所定距離Bだけ離れた位置に請求項1〜5のいずれか1項記載の壁体20を構成し、両壁体10、20間に適宜高さまで中詰材30を配設していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る壁体は、溝形鋼矢板などの壁体構成用本体部材に連結された係止部材が、地盤面上に配置された荷重伝達部材に対して係止されているため、押込み力に対して大きな抵抗力を発揮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0014】
図1は実施形態1に係る壁体構成部材100を示し、溝形鋼矢板からなる壁体構成用本体部材1と、これに溶接接合される支持力増強用形鋼2から構成される。支持力増強用形鋼2は、所定長のH形鋼で構成されている。また、壁体構成用本体部材1の長手方向と直交する方向の断面形状と、支持力増強用形鋼2の長手方向と直交する方向の断面形状は、壁体構成部材100を鉛直方向に見たとき互いに重なり合わないようにして溶接等の手段で接合される。
【0015】
さらに説明すると、U形鋼矢板からなる壁体構成用本体部材1と、そのウエブ7の両面に溶接接合されるH形鋼で構成される支持力増強用形鋼2の両部材において、支持力増強用形鋼2を壁体構成用本体部材1の全長にわたって溶接接合してもよいが、両部材のうち、U形鋼矢板からなる壁体構成用本体部材1が地盤への打ち込み時に上側になり、H形鋼からなる支持力増強用形鋼2が下側になるようにし、かつ一部が重なり合い、その重なり部を溶接するように構成してもよい。
【0016】
溶接接合は任意でよいが、図に示すように、支持力増強用形鋼2のウエブ9に、その上端縁11から所定の深さ(L2)のスリット3を設け、そのスリット3を壁体構成用本体部材1のウエブ7の下端部12に嵌挿させて嵌挿部4を構成し、この嵌挿部4におい溶接13にて両部材を接合することで、前記壁体構成用本体部材1の下部に支持力増強用形鋼2を接合してなる壁体構成部材100を構成する。
【0017】
壁体構成用本体部材1と支持力増強用形鋼2を接合する手段は、溶接13に代えてボルト接合としてもよい。この場合は、図2に実施形態1の変形例として示すように、壁体構成用本体部材1と支持力増強用形鋼2の嵌挿部4の部位において、支持力増強用形鋼2のウエブ9にスリット3とほぼ同じ長さで、所定の幅の接合フランジ14を溶接しておき、この接合フランジ14と、これに対向する壁体構成用本体部材1ウエブ7のと接合面に開設のボルト孔にボルト15を挿入してナットを締結することで、壁体構成用本体部材1と支持力増強用形鋼2を強固に接合できる。
【0018】
壁体構成部材100の各部の長さの具体的1例を説明すると、壁体構成用本体部材1の長さ(L)が例えば10m、支持力増強用形鋼2の長さ(L1)が3.1m、重なり部つまり、溶接長の長さ(L2)が10cmであり、よって、壁体構成部材100の全長(L3)が13.0mに構成するものである。勿論、各部の長さは、適宜変更して構わない。
【0019】
実施形態1に係る壁体構成部材100を複数本用いて打設などの手段で基礎地盤に貫入させて土留め壁など各種の壁体を構築できる。この場合、互いに結合する全ての壁体構成部材を実施形態1に係る支持力増強用形鋼2で補強された壁体構成部材100で構築してもよいし、または、この壁体構成部材間100と通常の溝形鋼矢板とを組み合わせて構築してもよい。
【0020】
図3は後者の例を示し、壁体構成用本体部材1の下部に支持力増強用形鋼2を溶接接合してなる実施形態1に係る壁体構成部材100を、普通溝形鋼矢板200に対し3本おきに組み合わせ、継手部16を介して結合して壁体17を構成した例を示す。
【0021】
このように壁体17の構成部材の全部、または、その一部に実施形態1に係る壁体構成部材100を組み込むことで、その支持力増強用形鋼2により上方からの押込み力や、引き抜き力といった部材軸方向の作用に対する抵抗力つまり支持力が増強され、大きな押込み力が作用する構造物の構成要素として適用するに好適している。
【0022】
図4は、実施形態2に係る壁体構成部材100aを示し、溝形鋼矢板からなる壁体構成用本体部材1と、これに溶接接合される支持力増強用形鋼2から構成される。実施形態2に係る壁体構成部材100aにおいても、支持力増強用形鋼2は、H形鋼から構成されるが、この実施形態2においては、支持力増強用形鋼2の一方のフランジ18の一端部が壁体構成用本体部材1の下端部におけるウエブ7の内面に溶接13にて接合されている。他の構成は、実施形態1と同じである。
【0023】
実施形態2においても、壁体構成用本体部材1と支持力増強用形鋼2は、それぞれの全長部が重なり合うように、ウエブ7とフランジ18を溶接接合してもよいが、図では鋼材使用量の効率性を考慮して実施形態1と同様に、一部に重なり部(L4)を設け、この重なり部(L4)においてそのウエブ7とフランジ18を溶接接合している。
【0024】
また実施形態2において、溶接13により前記壁体構成用本体部材1と支持力増強用形鋼2を接合する手段に代えてボルト接合としてもよい。この場合は、前記壁体構成用本体部材1と支持力増強用形鋼2の重なり部(L4)において、ウエブ7とフランジ18を挿通するようにボルトを配設し、ナットを締結するとよい。
【0025】
実施形態2に係る壁体構成部材100を複数本用いて打設などの手段で基礎地盤に貫入させて壁体を構築できる。この場合、互いに結合する全ての壁体構成部材を実施形態2に係る壁体構成部材100aで構築し、または、壁体構成部材間100aと通常の溝形鋼矢板とを組み合わせて構築してもよいのは実施形態1と同じである。
【0026】
図5は、実施形態3に係る壁体構成部材100bを示し、溝形鋼矢板からなる壁体構成用本体部材1の溝部に対して、同じく溝形鋼矢板からなる支持力増強用形鋼2の溝部を向かい合わせ、両継手部16同士を当接し溶接13にて接合した例を示す。
【0027】
この実施形態3に係る壁体構成部材100bにおいて、支持力増強用形鋼2の長さは、壁体構成用本体部材1の全長の約2分の1の長さであり、両部材の下端を揃えて溶接されている。したがって、壁体構成部材100bでは、壁体構成用本体部材1の下半分が支持力増強用形鋼2によって支持力を増強され、壁体構成部材100bに作用する押込み力や引き抜き力といった部材軸方向の作用力に対して大きな抵抗支持力を発揮することができる。
【0028】
実施形態3においても、壁体構成用本体部材1と支持力増強用形鋼2は、それぞれの全長部が重なり合うように両継手部16同士を当接し溶接13にて接合してもよいが、図では鋼材使用量の効率性を考慮して壁体構成用本体部材1の長さの支持力増強用形鋼2によって、壁体構成部材100の下半分の両継手部16同士を溶接13している。
【0029】
実施形態3に係る壁体構成部材100bを複数本用いて、打設などの手段で基礎地盤に貫入させて壁体を構築できる。この場合、互いに結合する全ての壁体構成部材を実施形態3に係る壁体構成部材100bで構築し、または、壁体構成部材間100bと通常の溝形鋼矢板とを組み合わせて構築してもよいのは実施形態1、2と同じである。
【0030】
図6は、実施形態4に係る壁体構成部材100cを示し、溝形鋼矢板からなる壁体構成用本体部材1に対して、同じく鋼管からなる支持力増強用形鋼2を溶接接合した例を示す。
【0031】
実施形態4においても溶接接合は任意でよいが、図に示すように、鋼管からなる支持力増強用形鋼2の上端縁11から所定の深さ(L2)のスリット3を設け、そのスリット3を壁体構成用本体部材1のウエブ7の下端部12に嵌挿させて嵌挿部4を構成し、前記嵌挿部4におい溶接13にて接合することで、前記壁体構成用本体部材1の下部に支持力増強用形鋼2を接合してなる壁体構成部材100cを構成する。
【0032】
溶接13により壁体構成用本体部材1と支持力増強用形鋼2を接合する手段に代えてボルト接合としてもよい。この場合は、壁体構成用本体部材1と支持力増強用形鋼2の嵌挿部4の部位において、支持力増強用形鋼2である鋼管の内外何れかに向けて、スリット3とほぼ同じ長さで、所定の幅の接合フランジを溶接しておき、この接合フランジと、これに対向する壁体構成用本体部材1ウエブ7のと接合面に開設のボルト孔にボルト15を挿入してナットを締結することで、壁体構成用本体部材1と支持力増強用形鋼2を強固に接合できる図示を省略する。
【0033】
この実施形態4に係る壁体構成部材100cにおいて、鋼管からなる支持力増強用形鋼2を基礎地盤に貫入することによって、溝形鋼矢板からなる壁体構成用本体部材1に作用する押込み力や引き抜き力といった部材軸方向の作用力に対して、支持力増強用形鋼2が大きな抵抗支持力を発揮することができる。
【0034】
実施形態4に係る壁体構成部材100cを複数本用いて打設などの手段で基礎地盤に貫入させて壁体を構築できる。この場合、全ての壁体構成部材を実施形態4に係る壁体構成部材100cで構築してもよいし、または、実施形態4に係る壁体構成部材間100cと通常の溝形鋼矢板とを適宜に組み合わせて構築してもよい。
【0035】
図7(a)、(b)は、実施形態5に係る壁体10を示し、多数の壁体構成用本体部材1の継手を嵌合させて形成された壁体構成部材100dと100とからなる壁体10の少なくとも背面の地盤面27上において、前記壁体10に密接または近接してH形鋼を横置きしてなる荷重伝達部材500が壁体10の延長方向に配置され、前記荷重伝達部材500は係止部材510により係止され,前記係止部材510が所定の壁体構成用本体部材1に溶接13などの手段で一体的に連結されてなる壁体の例を示す。
【0036】
図8は、図7(b)の変形例の断面図であり、H形鋼を横置きしてなる荷重伝達部材500が、荷重分散用鋼板31を介して地盤面27に配置された例を示す。
【0037】
図9(a)、(b)は、実施形態6に係る壁体構成部材100eを用いた壁体10を示し、図8の実施形態5において、互いに隣接して配置された所定の壁体構成用本体部材1、1の各々の継手130、140が嵌合してなる継手嵌合部において、H形鋼からなる前記係止部材510が前記継手130、140またはその近傍に跨るように配置され、前記継手130、140、またはその近傍に溶接13などの手段で一体的に連結されてなる構成の例を示す。
【0038】
図10(a)、(b)は、図9(b)の2つの変形例の断面図であり、H形鋼に代えて角形鋼管や鋼管等のような筒状断面を有する部材を横置きしてなる荷重伝達部材500の例を示し、図10(a)では、断面における互いに向かい合う辺が直線状の部材、具体的には、2つのH形鋼の一方をウエブ中間で切離したうえ、両H形鋼を交差させて接合部を溶接13にて固着し地盤面27に配置した例を示す。その他の構成は、実施形態5と同じである。
【0039】
図11(a)、(b)は、実施形態7に係る壁体構成部材100fを用いた壁体10を示し、図10(a)と同じ壁体10における荷重伝達部材500にタイ材32が挿通され、前記タイ材32の端部がねじ締結部150により壁体構成用本体部材1に固定されている構成例を示す。
【0040】
実施形態1〜7に示す壁体構成部材100、100a、100b、100c、100d、100e、100fを複数連結して、例えば、図12に示す壁体10を構成し、この壁体10と所定間隔(B)あけて壁体20を基礎地盤21に構築し、両壁体10、20間に適宜高さまで中詰材30を配設して壁体構造物22を構築できる。
【0041】
さらに説明すると、図12において、多数の壁体構成部材100により壁体10が構成され、前記壁体10と所定間隔だけ隔てた位置に、多数の壁体構成部材100により壁体20が構成され、前記壁体10と壁体20の間は、上方において、多数の上方連結材25により互いに連結されると共に、地盤面27の近傍においては多数の下方連結材26により互いに連結され、壁体10と壁体20の間にはその間を埋め尽くすように土砂等の中詰材30が配置されている。
【0042】
図13においては、図5に示す壁体構成部材100bを用いた壁体10、20により壁体構造物22を構築した例を示す。図13の構成が、図12と相異する点は、図12では、図1に示す壁体構成部材100を用いたのに対し、図13では前記の壁体構成部材100bを用いた点であり、他の構成は図7の壁体構造物22と同じである。したがって、図13では、図12と同一要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0043】
図12、図13に示す壁体構造物22によると、中詰材30は,壁体構成部材100、100bに対して主働土圧の鉛直下向き成分として押し込み力を作用させる。このとき,壁体構成部材1の下端部に設けた支持力増強用形鋼2がこの押込み力を強固に支持する。
【0044】
なお、支持力増強形鋼2は,地盤との接触面積が大きいため,押し込み力だけでなく引き抜き力に対しても大きな抵抗力を発揮する。
【0045】
本発明は、各実施形態に示した構成を適宜設計変更して実施でき、これらは請求項に記載する発明の範囲に含まれるものである。
【0046】
また、本発明の壁体を構成要素とする壁体構造物を例示すれば、下記のとおりである。
(1)二重鋼矢板壁(請求項8:中詰材を有する壁体構造物)
(2)自立式鋼矢板壁
(3)控え工(タイロッド)式鋼矢板壁(控え工の種類:直杭、組杭、鋼矢板壁、版)
(4)棚式鋼矢板壁
(5)後方斜め支え杭式鋼矢板壁
(6)前方斜め支え杭式鋼矢板壁
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】(a)は本発明の実施形態1に係る壁体構成部材の側面図、(b)は平面図である。
【図2】(a)は実施形態1の変形例に係る壁体構成部材の側面図、(b)は平面図である。
【図3】実施形態1に係る壁体構成部材で構築した壁体の平面図である。
【図4】(a)は本発明の実施形態2に係る壁体構成部材の側面図、(b)は平面図である。
【図5】(a)は本発明の実施形態3に係る壁体構成部材の側面図、(b)は平面図である。
【図6】(a)は本発明の実施形態4に係る壁体構成部材の側面図、(b)は平面図である。
【図7】(a)は本発明の実施形態5に係る壁体構成部材で構成した壁体の平面図、(b)は同図(a)のA−A断面図である。
【図8】図7(b)の変形例の断面図である。
【図9】(a)は、本発明の実施形態6に係る壁体構成部材で構成した壁体の平面図、(b)は同図(a)のB−B断面図である。
【図10】(a)は、図9(b)の第1変形例の断面図、(b)は、図9(b)の第2変形例の断面図である。
【図11】(a)は、本発明の実施形態7に係る壁体構成部材で構成した壁体の平面図、(b)は同図(a)のC−C断面図である。
【図12】(a)は、図1に示す壁体構成部材からなる壁体を用いた壁体構造物の断面図、(b)は、同図(a)のD−D断面図、(c)は、図(b)におけるE部の詳細図である。
【図13】(a)は、図5に示す壁体構成部材からなる壁体を用いた壁体構造物の断面図、(b)は、同図(a)のF−F断面図、(c)は、図(b)におけるG部の詳細図である。
【符号の説明】
【0048】
1 壁体構成用本体部材
2 支持力増強用形鋼
3 スリット
4 嵌挿部
5 突出部
7 ウエブ
9 ウエブ
10 壁体
11 上端縁
12 下端部
13 溶接
14 接合フランジ
15 ボルト
16 継手部
17 壁体
18 フランジ
20 壁体
21 基礎地盤
22 壁体構造物
23 構造物長手方向連結材
24 構造物長手方向連結材
25 下方連結材
26 上方連結材
27 地盤面
30 中詰材
100 壁体構成部材
100a 壁体構成部材
100b 壁体構成部材
100c 壁体構成部材
100d 壁体構成部材
100e 壁体構成部材
100f 壁体構成部材
130 継手
140 継手
150 ねじ締結部
200 通常の溝形鋼矢板
500 荷重伝達部材
510 係止部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の壁体構成用本体部材(1)の継手を嵌合させて形成された壁体(10)の少なくとも背面の地盤面上において、前記壁体(10)に密接または近接して荷重伝達部材(500)が壁体(10)の延長方向に配置され、前記荷重伝達部材(500)は係止部材(510)により係止され,前記係止部材(510)が所定の壁体構成用本体部材(1)に溶接などの手段で一体的に連結されてなること
を特徴とする壁体。
【請求項2】
互いに隣接して配置された前記壁体構成用本体部材(1)の各々の継手(130)、(140)が嵌合してなる継手嵌合部において、前記係止部材(510)が前記継手(130)、(140)またはその近傍に配置され、前記継手(130)、(140)またはその近傍に溶接などの手段で一体的に連結されてなること
を特徴とする請求項1に記載の壁体。
【請求項3】
前記荷重伝達部材(500)が、角形鋼管や鋼管等のような筒状断面を有する部材であること
を特徴とする請求項1又は2に記載の壁体。
【請求項4】
前記荷重伝達部材(500)が、その断面における互いに向かい合う辺が直線状の部材であること
を特徴とする請求項1又は2記載の壁体。
【請求項5】
前記荷重伝達部材(500)にタイ材が挿通され、前記タイ材の端部が前記壁体構成用本体部材に固定されていること
を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の壁体。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項記載の壁体(10)を地盤に構成し、前記壁体(10)から所定距離(B)だけ離れた位置に請求項1〜5のいずれか1項記載の壁体(20)を構成し、両壁体(10)、(20)間に適宜高さまで中詰材(30)を配設していること
を特徴とする中詰め材を有する壁体構造物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−180081(P2008−180081A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−60246(P2008−60246)
【出願日】平成20年3月10日(2008.3.10)
【分割の表示】特願2003−377948(P2003−377948)の分割
【原出願日】平成15年11月7日(2003.11.7)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【Fターム(参考)】