説明

壁面や急傾斜面に対する取付けが可能なブロック玩具単位体とその固定手段ならびに該固定手段の抜き取り用具

【目的】ブロック玩具の単位体に関して所定の固定手段を用いることで垂直状の壁面や急傾斜面などに対しても自在に取付けることができるようにした従来にない新規な技術を提案する。
【構成】垂直状態の壁面や急傾斜状態面に対しても任意な着脱が可能となるように所定の固定手段2を有していることを特徴とする壁面や急傾斜面に対する取付けが可能なブロック玩具単位体1およびブロック玩具単位体1裏面の嵌め込み部5に強固に固定されている固定手段2の頭部を挟み込み、梃子の原理を利用して抜き取ることを特徴とする壁面や急斜面に対する取付けが可能なブロック玩具単位体1の固定手段抜き取り用具7。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロック玩具の単位体に関して所定の固定手段を用いることで垂直状の壁面や急傾斜面などに対しても自在に取付けることができるようにした従来にない新規な技術を提案するものである。
【背景技術】
【0002】
ブロック玩具は、一定形状の単位体の複数個を自由に組立てて様々な形状とすることが可能なことから創造力を伸ばす玩具として広く普及している。そしてブロック玩具の単位体はそれぞれに連結可能な凸部とその嵌め込み部を有する色々な形状やサイズで多様な色彩を施したものが提案されている。
【特許文献1】特開2004−267406号公報
【特許文献2】特開2004−051221号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記したような従来一般のブロック玩具は、複数個の単位体を組合わせて色々な形状の作品として完成させたとしても、それは机や床の上といった平坦面上に置いて飾ることしかできなかった。
【0004】
ブロック玩具と同様の凸部を多数個形成した板状面上にブロック玩具単位体を嵌め込んで固定することはなされているが、このような嵌め込み式の固定ができない場所にブロック玩具による作品等を固定して飾るといった発想はなされていない。
【0005】
つまり、垂直上の壁面やそのままではブロック玩具滑り落ちてしまうような急傾斜面に自在にブロック玩具による作品を固定するという提案は従来の技術においてはまったくなされていないのである。
上記特許文献に記載のものはそれなりに他用途へもブロック玩具を利用することについて開示しているが、本発明のように完成したブロック玩具作品を壁面等に取付けるというような発想は何ら示されていない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記したような既存の技術における課題を解決するために研究を重ねて創案されたものであって、裏面側に所定の固定手段を備えたブロック玩具単位体を利用することで垂直上の壁面に対してであっても自在に取付け可能なブロック玩具を実現したものであって、具体的には以下のごとくである。
【0007】
(1) ブロック玩具の単位体において、垂直状態の壁面や急傾斜状態面に対しても任意な着脱が可能となるように所定の固定手段を有していることを特徴とする壁面や急傾斜面に対する取付けが可能なブロック玩具単位体。
【0008】
(2) ブロック玩具単位体の所定の固定手段としてピンや磁石、粘着テープを用いることを特徴とする前記(1)項に記載の壁面や急傾斜面に対する取付けが可能なブロック玩具単位体。
【0009】
(3) 各種所定の固定手段がブロック玩具単位体の裏面側に対して着脱自在なものであることを特徴とする前記(1)項又は(2)項に記載の壁面や急傾斜面に対する取付けが可能なブロック玩具単位体。
【0010】
(4) 各種固定手段の形状がブロック玩具単位体の凸部形状と一致したものとされ、したがってブロック玩具単位体裏面の嵌め込み部に強固に固定できることを特徴とする壁面や急斜面に対する取付けが可能なブロック玩具単位体の固定手段。
【0011】
(5) ブロック玩具単位体裏面の嵌め込み部に強固に固定されている固定手段の頭部を挟み込み、梃子の原理を利用して抜き取ることを特徴とする前記(4)項に記載の壁面や急斜面に対する取付けが可能なブロック玩具単位体の固定手段抜き取り用具。
【0012】
(6) 抜き取られる固定手段の飛び出し防止用ストッパーをも備えたことを特徴とする前記(5)項に記載の壁面や急斜面に対する取付けが可能なブロック玩具単位体の固定手段抜き取り用具。
【発明の効果】
【0013】
ブロック玩具の単位体において、垂直状態の壁面や急傾斜状態面に対しても任意な着脱が可能となるように所定の固定手段を有していることで、複数のブロック玩具単位体を組合わせて完成した作品を従来は固定することができなかった壁面や急傾斜面においても問題なく固定して飾ることができるようになる。つまり、所定の固定手段による固定が可能な場所であればどこでも自由にブロック玩具による作品を取付けて展示することが可能となるのである。
【0014】
ブロック玩具単位体の所定の固定手段としてピンや磁石、粘着テープを用いることで、それぞれの固定手段に相応しい箇所にブロック玩具による作品を取付け展示することができるようになる。すなわち、画鋲のようなピンで取付けるに相応しい木製壁面などに対してはピンを固定手段となし、ピンが刺さらない鉄板を張った壁面に対しては磁石を固定手段となし、ピンも磁石も使えないような壁面に対しては粘着テープを固定手段とするものである。
【0015】
各種所定の固定手段がブロック玩具単位体の裏面側に対して着脱自在なものであることで、ブロック玩具にのる作品を取付け展示したい壁面等の状態に合わせて適切な固定手段を選択し各種壁面等に対しての自由な取付け展示が可能となる。
【0016】
各種固定手段の形状がブロック玩具単位体の凸部形状と一致したものとされ、したがってブロック玩具単位体裏面の嵌め込み部に強固に固定できることで、各種固定手段をブロック玩具単位体相互の連結関係と同等にしっかりと取付けることができ、固定手段を取付けるブロック玩具裏面の嵌め込み部も任意に選ぶことができるようになる。
【0017】
ブロック玩具単位体裏面の嵌め込み部に強固に固定されている固定手段の頭部を挟み込み、梃子の原理を利用して抜き取る専用の抜き取り用具を用いることで、嵌め込み部に強固に固定され過ぎて取り外しが困難になった固定手段を容易に取り外すことができるようになる。
【0018】
専用の抜き取り用具に抜き取られる固定手段の飛び出し防止用ストッパーをも備えたことで、取り外した固定手段が飛散してしまうことを防止することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
このような本発明の具体的な実施形態を、添付図面等を利用しながら以下において説明する。
図1は、本発明におけるブロック玩具単位体1に対して所定の固定手段2(2a、2b、2c)を適用する場合の構成関係を説明する斜視図である。
【0020】
すなわち、本発明のブロック玩具単位体1を適用したい壁面や急傾斜面の種類や状態に合わせて利用すべき固定手段2を選択することになるが、具体的には、若干のキズ穴が生じても構わない木製壁面等に対しては(a)のピンタイプ2aを用い、磁石で付けられる金属性壁面等に対しては(b)のマグネットタイプ2bを用い、両者共に使用できない壁面等に対しては(c)のテープタイプ2cを用いるものである。
【0021】
また、固定手段2をブロック玩具単位体1の裏面側に取付ける手法に関しては、ブロック玩具単位体1の表側に形成されている連結用の凸部3と同形状且つ同サイズの固定手段本体部4となし、これをブロック玩具単位体1の裏面に形成されている所定の嵌め込み凹部5に押し込んで取付けるものである。つまり、ブロック玩具単位体1同士を連結する場合とまったく同じであり、相当にしっかりとした連結関係が形成できることが理解される。
【0022】
このような嵌め込み凹部5はブロック玩具単位体1の裏面側に複数個形成されているのが通常であり、したがって固定手段2はこれら複数の嵌め込み凹部5の中から適宜な選択を行って取付けることができる。
【実施例】
【0023】
以下においては、色々な形状デザインとされたブロック玩具単位体1に対して所定の固定手段2を利用して垂直状の壁面などに自由に取付ける場合の実施例を説明する。
【0024】
(実施例1)
図2に示すように、略立方体形状とされ容器部6などを形成しそれなりの大きさと重量を持ったブロック玩具単位体1に対しても本発明は採用可能である。
【0025】
すなわち、取付けられるべき壁面の種類や性状に応じてピンタイプ2a、マグネットタイプ2b、粘着テープタイプ2cなどの固定手段2が選択されることは上記と同様である。
【0026】
図示のようなブロック玩具単位体1は容器部6を有すると共にその上面部に多数の連結用凸部3を有しており、これを利用して更に別のブロック玩具単位体1との連結が可能であって、それぞれの創意工夫で様々は形状の作品として仕上げることができるものである。
【0027】
このような関係は通常のブロック玩具の場合とまったく同様であるが、本発明の場合にはあたかも絵画のように壁面等に取付けることが可能となるもので、このような特性を考慮したブロック玩具作品は従来とは別の新鮮なイメージを持ったものとなる可能性が高いと考えられる。
【0028】
また、所定の固定手段2の取付け個数についても図示のようにブロック玩具単位体1自体が相当に大きく重量もある場合には裏面部側にバランス良く複数個の固定手段2を取付けてしっかりとした壁面等への固定関係を形成するようにすべきである。
【0029】
壁面等に取付け固定されるブロック玩具単位体1の基本形状は図示のような略立方体に限られるわけでは勿論なく、固定手段2を適宜に用いることで適切な固定関係が形成できるものであれば多様な形状のものを提案することが可能である。
【0030】
(実施例2)
図3は、本発明の固定手段2をブロック玩具単位体1の裏面側の嵌め込み凹部5から適切に取り外すための専用の抜き取り用具7を示したものである。前記したように固定手段2を嵌め込み凹部5に対して深く嵌め込み過ぎるとこれを取り外すことが容易ではなくなる。このような場合に簡単に取り外すために用いる道具として抜き取り用具7を提案するものである。
【0031】
すなわち、くぎ抜きや画鋲外しのための各種用具と同様に梃子の原理を利用して少ない力できつく嵌ってしまった固定手段2を抜き取るもので、固定手段2の頭部に形成されている段部9に抜き取り用具7の先端部を嵌め込み保持してから引き抜くものである。
【0032】
このような引き抜き操作の際に勢いが付き過ぎてしまって、抜き取られた固定手段2が飛び散ってしまう恐れがあるが、これを有効に防止するために図示の如きストッパー8を抜き取り用具7の先端部に設けておくことが好ましい。特にピンタイプの固定手段2aの場合にはピン先により怪我をする危険性があるので飛び散ってしまうことを阻止する要請が高いが、それ以外のタイプの固定手段2であっても飛散による喪失等を防止する意味ではやはりストッパー8を利用することが必要である。
【産業上の利用可能性】
【0033】
以上説明してきたような本発明によるときは、ブロック玩具の使い方として従来一般に行われている手法とはまったく異なり、壁面等に対しても自在に展示することができる新たな使用方法を提案することが可能であり、ブロック玩具単位体を組合わせて創作する各種作品に関しても従来にない発想を生む原点となるものである。しかも、このような壁面等に対する取付けを簡易な固定手段を用いるだけで実現するものであるから既存のブロック玩具に対しても新しい遊び方を提案するものでもある。
したがって、本発明は、市場に新たな需要を喚起する新提案として産業上の利用可能性において優れた発明であると理解されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明のブロック玩具単位体による壁面等への取付け関係を実現するための構成関係を示した説明斜視図である。
【図2】本発明を採用したブロック玩具単位体の1形状について示した斜視図である。
【図3】ブロック玩具裏面に取付けられた固定手段を取り外すための専用の抜き取り用具を示した説明図である。
【符号の説明】
【0035】
1 ブロック玩具単位体
2 固定手段
2a ピンタイプの固定手段
2b マグネットタイプの固定手段
2c 粘着テープタイプの固定手段
3 連結用凸部
4 固定手段本体部
5 嵌め込み凹部
6 容器部
7 抜き取り用具
8 ストッパー
9 段部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロック玩具の単位体において、垂直状態の壁面や急傾斜状態面に対しても任意な着脱が可能となるように所定の固定手段を有していることを特徴とする壁面や急傾斜面に対する取付けが可能なブロック玩具単位体。
【請求項2】
ブロック玩具単位体の所定の固定手段としてピンや磁石、粘着テープを用いることを特徴とする請求項1に記載の壁面や急傾斜面に対する取付けが可能なブロック玩具単位体。
【請求項3】
各種所定の固定手段がブロック玩具単位体の裏面側に対して着脱自在なものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の壁面や急傾斜面に対する取付けが可能なブロック玩具単位体。
【請求項4】
各種固定手段の形状がブロック玩具単位体の凸部形状と一致したものとされ、したがってブロック玩具単位体裏面の嵌め込み部に強固に固定できることを特徴とする壁面や急斜面に対する取付けが可能なブロック玩具単位体の固定手段。
【請求項5】
ブロック玩具単位体裏面の嵌め込み部に強固に固定されている固定手段の頭部を挟み込み、梃子の原理を利用して抜き取ることを特徴とする請求項4に記載の壁面や急斜面に対する取付けが可能なブロック玩具単位体の固定手段抜き取り用具。
【請求項6】
抜き取られる固定手段の飛び出し防止用ストッパーをも備えたことを特徴とする請求項5に記載の壁面や急斜面に対する取付けが可能なブロック玩具単位体の固定手段抜き取り用具。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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