壁面緑化構造、壁面緑化工法及び壁面緑化シート
【課題】植物の葉で壁面を十分に覆うこと。
【解決手段】壁面緑化構造は、上下に隣接するとともに、それぞれ横方向に延伸するようにして、壁に固定される複数の帯状布18を備え、前記各帯状布は複数の植物の根元部分を保持する。帯状布18は、フェルトなどの不織布であってよく、各帯状布18は、上方に開くよう短手方向に折り曲げられた状態で壁に固定されてよい。各帯状布18の内側には複数の植物の根元部分が収容される。
【解決手段】壁面緑化構造は、上下に隣接するとともに、それぞれ横方向に延伸するようにして、壁に固定される複数の帯状布18を備え、前記各帯状布は複数の植物の根元部分を保持する。帯状布18は、フェルトなどの不織布であってよく、各帯状布18は、上方に開くよう短手方向に折り曲げられた状態で壁に固定されてよい。各帯状布18の内側には複数の植物の根元部分が収容される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は壁面緑化構造、壁面緑化工法及び壁面緑化シートに関する。
【背景技術】
【0002】
建物の内壁、外壁、塀、その他の壁面を緑化する工法が種々検討されている。建物外壁を緑化する場合には、建物の断熱・遮熱という実用的効果のみならず、建物の美観を向上させるという大きな効果が得られる。また、建物内壁や塀を緑化する場合にも、見る人に癒しを与えるという効果がある。壁面緑化を施す場合、植物の根元部分を壁面で保持する構造が必要であり、例えば下記特許文献1には、植物の根元部分を受ける根受部が相互に離間して設けられた板状のパネルを用いて壁面を緑化する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−29322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来方法によると、板状のパネルに根受部が互いに離間して設けられているので、植物が十分に生育するまでは根受部と根受部の間においてパネルが露呈したままとなり、壁面を植物の葉で十分に覆うことが難しい虞がある。この場合、壁面緑化の実用的効果が十分に得られないばかりか、壁面の美観向上も十分に図れない。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、植物の葉で壁面を十分に覆うことができる壁面緑化構造、壁面緑化工法及びそれに用いる壁面緑化シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る壁面緑化構造は、上下に隣接するとともに、それぞれ横方向に延伸するようにして、壁に固定される複数の帯状布を備え、前記各帯状布は複数の植物の根元部分を保持する、ことを特徴とする。こうすれば、植物の間隔が狭まり、壁面を植物の葉で十分に覆うことができるようになる。また、布を用いて植物の根元部分を保持することで、多数の植物の根に水分・養分を行き渡らせることが容易となる。
【0007】
ここで、前記各帯状布は、上方に開くよう短手方向に折り曲げられた状態で壁に固定されてよい。こうすれば、各帯状布がポケット状をなし、植物の根元部分を確実に保持できる。また、帯状布によるポケットの底部、すなわち帯状布の折り曲げ部分から水分・養分が浸みだし、下側に隣接する帯状布に収容される植物にも好適に供給されるようになる。
【0008】
ここで、少なくとも1枚の前記帯状布の折り曲げ箇所は、下側に隣接する前記帯状布の側縁よりも下側に位置してよい。こうすれば、上下の植物が、部分的に壁面に垂直な向きに互いに重なることになり、植物をさらに密集させることができる。
【0009】
或いは、前記各帯状布は、その下縁に沿う位置、及びその上縁の少なくとも2つの位置にて壁に固定され、前記各帯状布の壁側に複数の植物の根元部分が収容されてよい。こうしても、帯状布により植物の根元部を保持できる。また、少なくとも1枚の前記帯状布は、上側に隣接する前記帯状布に部分的に重なってよい。
【0010】
なお、各帯状布は、釘、鋲又はねじにより壁に固定されてよい。釘には、U字又はコ字状の釘(いわゆるタッカーにより打ち込まれるステープル)も含まれる。こうすれば、各帯状布を容易に壁側に固定でき、また固定のために必要な壁面スペースを最小化できる。
【0011】
また、複数の前記帯状布は、それらを横切るようにして上下方向に延伸する複数の取付線上において壁に固定されてよい。こうすれば、帯状布を横方向に区切ることができ、例えばそれぞれの区画に異なる種類の植物を配置することができる。また、こうして壁面に寄せ植えを行っても、生長して植物が他の区画に進入することがない。
【0012】
また、前記帯状布はフェルトその他の不繊布であってよい。不織布は空隙を均等に有しているので、植物が好適に根を張ることができる。
【0013】
また、本発明に係る壁面緑化工法は、上下に隣接するとともに、それぞれ横方向に延伸して複数の植物の根元部分を保持する複数の帯状布を壁面に設置する布設置工程と、前記各帯状布に対して上方から植物を植え付ける植栽工程と、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る壁面緑化シートは、壁面において上下に隣接するとともに、それぞれ横方向に延伸して複数の植物の根元部分を保持する複数の帯状布を含み、前記各帯状布は、上方に開くよう短手方向に折り曲げられ、上側に配置される前記帯状布の折り曲げ箇所に沿う位置と、下側に配置される前記帯状布の壁側の側縁と、が互いに固定されることにより一体化される、ことを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る壁面緑化シートは、壁面に固定される下地布と、互いに並行するようにして前記下地布に重ねて設けられ、それぞれ一方の側縁に沿って前記下地布に固定される、複数の帯状布と、を含むことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係る工法により緑化される壁面を示す斜視図である。
【図2】一部の帯状布を取り付けた状態の壁面緑化構造を示す斜視図である。
【図3】全部の帯状布を取り付けた状態の壁面緑化構造を示す斜視図である。
【図4】横固定位置にて帯状布及び下地布を壁面に固定した状態を示す斜視図である。
【図5】植物を植えた状態の壁面緑化構造を拡大して示す正面図である。
【図6】壁面緑化構造の拡大縦断面図である。
【図7】本発明の実施形態に係る壁面緑化シートを示す斜視図である。
【図8】下地布及び散水管を取り付けた状態の変形例に係る壁面緑化構造を示す斜視図である。
【図9】一部の帯状布を取り付けた状態の変形例に係る壁面緑化構造を示す斜視図である。
【図10】全部の帯状布を取り付けた状態の変形例に係る壁面緑化構造を示す斜視図である。
【図11】横固定位置にて帯状布及び下地布を壁面に固定した状態の変形例に係る壁面緑化構造を示す斜視図である。
【図12】変形例に係る壁面緑化構造の拡大縦断面図である。
【図13】変形例に係る壁面緑化シートを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面に基づき詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施形態に係る工法により緑化される壁面を示す斜視図である。同図に示すように、建物の外壁・内壁・塀それ自体、或いはそれらの壁に固定される木製等の枠である下地10に対し、まず防水性を有する防水パネル12が固定される。
【0019】
次に、図2に示すように防水パネル12上に複数の帯状布18が重ねて配置される。帯状布18は、例えば不繊布である。不織布は空隙を均等に有しているので、植物が好適に根を張ることができる。不繊布としては、好適には8mm〜10mm程度の厚さの工業用又は家庭用フェルトが用いられてよく、関西フェルトファブリック株式会社製のセブロンや押谷フェルト化成株式会社製のOSニードルを用いることができる。
【0020】
帯状布18は、30〜50cmほどの幅を有するとともに、防水パネル12の横幅に等しい長さを有している。但し、最上位置の帯状布18aのみ、15cm前後ほど、さらに幅広に形成されている。各帯状布18は、幅方向(短手方向)の略中央にて谷折りされ、下側部分が手前上方に折り返されている。これにより、各帯状布18は、上方に開いた状態となる。また、最上位置の帯状布18aのだけは、壁側の布部分の上縁が手前側に丸められ、その内部に散水管16が配置される。散水管16は、柔軟な樹脂製のチューブ状であってもよいし、樹脂製又は金属製のパイプ状であってもよい。散水管16の側面には等間隔に穴が開けられており、そこから放出される液肥入りの水が帯状布18aに染み渡る。また、帯状布18aの底部、すなわち折返し部分から液肥入りの水が滴り落ち、下側の帯状布18の開口に落下する。こうして、全ての帯状布18の開口の内部に液肥入りの水が行き渡ることになる。なお、散水管16の一部は、図示しない散水システムに接続されており、例えば定期的にそこから散水管16に液肥入りの水が供給される。
【0021】
帯状布18の防水パネル12への固定は、例えばタッカーを用いてステープル20(コ字状の釘)により行ってよい。或いは、帯状布18の固定は、例えば釘、ねじ、鋲などの他の固定具により行ってもよい。
【0022】
具体的には、各帯状布18は上から下に向かって順に設置され、固定される。まず、最上位置の帯状布18aの上縁が内側に丸められ、その内部に散水管16が収容される。その状態で、帯状布18aの縁を防水パネル12にステープル20で固定する。次に、帯状布18aの下縁を散水管16の近傍にまで持ち上げる。そして、下側の帯状布18を用意し、その上縁が、防水パネル12と、上側に配置された帯状布18aと、の間に挟まれるようにして防水パネル12上に配置し、この状態で、ステープル20で2枚の帯状布18を防水パネル12に固定する。このとき、ステープル20は、帯状布18aの壁側部分(折返し部分から3cm前後だけ上)と、下側の帯状布18の上縁と、を貫通して防水パネル12に突き刺さる。同様にして、帯状布18を順次防水パネル12に固定してゆく。そして、最下位置の帯状布18のみ、折返し部分から3〜4cmだけ上の部分が防水パネル12にステープル20により直接打ち付けられる。
【0023】
こうして、図3に示すように、所要数の帯状布18が防水パネル12の全面に重ねられる。その後、図4に示すように、ステープル22が、壁面に固定された帯状布18の上にさらに打ち込まれる。ステープル22は、各帯状布18における横方向(延伸方向)の複数の位置を通り、複数の帯状布18をまたがって上下方向(幅方向)に延伸する取付線上に、複数打ち込まれる。具体的には、壁面の右縁及び左縁を上下方向に延伸する取付線上に、多数のステープル22が打たれる。こうして、各帯状布18の左右の縁が壁側に強固に固定される。さらに、帯状布18の中途部における互いに離間する複数の位置においても、複数の帯状布18を渡って上下方向に延伸する取付線上に、多数のステープル22が打たれる。これらの取付線は互いに離間しており、それぞれ上下に延伸する直線であってもよいし、曲線であってもよい。また、取付線は鉛直方向に延伸するものであってもよいし、斜め方向に延伸するものであってもよい。こうして、各帯状布18は、中途部においても強固に固定される。
【0024】
以上の手順で壁面に下地布14及び帯状布18を設置すると、帯状布18における、上下に延伸する2本の取付線の間の部分は、いずれも上方に開口するポケット状をなす。本実施形態では、こうして出来る各ポケットに植物の根元部分を収容し、これにより植物を壁面に取り付ける。具体的には、植物の根元部分を苔(水苔)により包み、この苔ごと植物の根元部分を各ポケットに押し入れる。上述のように各帯状布18の内部には定期的に液肥入りの水が供給されるようになっているので、苔や植物の根にも、水分・養分が定期的に供給される。
【0025】
各ポケットは、縦方向に延伸する取付線上に打たれたステープル22を介して左右方向に隣接していることから、図5に示すように、各ポケットに植物24の根元部分を収容すると、植物の葉は、左右方向に隙間無く配置される。また、各帯状布18の折返し部分は、下側に隣接する帯状布18の手前側の縁よりも下側に位置しており、各ポケットの底部分の前方には、下側のポケットの開口内に位置する。すなわち、上側の帯状布18の折返し部分は、下側の帯状布の内側に部分的に入り込む。このため、図6に示すように、各ポケットに植物24の根元部分を収容すると、その葉部分により、上側に植えられた植物24の根元部分を覆い隠すことができる。こうして、本実施形態によると、左右方向のみならず、上下方向にも隙間無く植物の葉を配置することができる。
【0026】
以上のようにして、本実施形態に係る工法により緑化された壁面は、植物の葉により全面が覆われる。特に、上下方向に並ぶポケット群に同じ植物を植え、隣合う列のポケット群に葉色の異なる植物を植えれば、壁面全体として、あたかも絵画のような外観を呈する。こうして、本実施形態に係る工法を建物外壁に適用したときには、建物の遮熱・断熱といった実用的機能を奏することはもちろん、建物の美観を大いに向上させることができる。また、建物内壁や塀に適用したときにも、見る人に大いに癒しを与えることができる。
【0027】
なお、図7に示すように、複数の帯状布18を短手方向に折り曲げるとともに、折返し部分の近傍(壁側に設けられる部分)に下側の帯状布18の上縁を縫い糸19により縫い付けて、それらを連結することで、壁面緑化用の建築資材たる壁面緑化シート26を形成してよい。帯状布18同士を縫い付ける代わりにそれらを熱融着させてもよい。こうして形成される壁面緑化シート26を緑化したい壁面に広げ、上述の上下方向に延伸する取付線に沿ってステープル22を打ち付け、防水パネル12などの壁側構造物に固定することで、容易且つ迅速に、図4に示される壁面緑化構造を実現することができる。
【0028】
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。以下では、図8乃至図11に基づき、変形例に係る壁面緑化工法を説明する。本変形例では、図8に示すように、防水パネル12の全面を覆うようにして下地布14が固定される。下地布14は、例えば不繊布である。不繊布としては、好適には8mm〜10mm程度の厚さの工業用又は家庭用フェルトが用いられてよく、関西フェルトファブリック株式会社製のセブロンや押谷フェルト化成株式会社製のOSニードルを用いることができる。下地布14の素材サイズによっては、複数の下地布14により防水パネル12が覆われてよいのはもちろんである。下地布14の防水パネル12への固定は、例えばタッカーを用いてステープル15により行ってよい。例えば、下地布14の上縁に沿ってステープル15を打つことにより、下地布14を防水パネル12に固定してよい。その他、必要に応じて下地布14の他の位置にもステープル15が打たれる。なお、下地布14の固定は、例えば釘、ねじ、鋲などの他の固定具により行ってもよい。
【0029】
また、下地布14の上縁近傍には、上縁に沿って横方向に延伸する散水管16が取り付けられる。散水管16は、下地布14と防水パネル12との間に挟まれるようにして配置されてもよいし、下地布14の上縁により散水管16が巻かれるようにして配置されても
よい。すなわち、下地布14の上縁が内向き又は外向きに巻かれ、その中に散水管16が配置されてよい。
【0030】
次に、図9に示すように下地布14には多数の帯状布118が重ねられる。帯状布118も、例えば不繊布である。この不繊布にも、8mm〜10mm程度の厚さの工業用又は家庭用フェルトが用いられてよく、関西フェルトファブリック株式会社製のセブロンや押谷フェルト化成株式会社製のOSニードルを用いることができる。帯状布118は、例えば幅15cm〜25cm程度の帯状にカットされており、横方向に延伸するようにして下地布14上に重ね合わされる。各帯状布118は、上側の帯状布118と部分的に重なるようにして配置される。すなわち、各帯状布118は、直上の帯状布118の位置に対して5cm〜10cmほど下側にずらして配置される。こうして、例えば各帯状布118の下側半分以上が下側の帯状布118により覆われる。
【0031】
帯状布118は、上から順に、例えばタッカーを用いてステープル20により下地布14及び防水パネル12に固定される。このとき、ステープル20は、各帯状布118の下縁を左右方向に延伸する取付線上に多数打たれ、それらの先端は下地布14を貫通して防水パネル12に食い込む。ステープル20の代わりに、例えば釘、ねじ、鋲などの固定具が用いられてもよい。或いは、後述するように、全ての帯状布118の下縁が、それぞれ予め下地布14に縫い付けられてもよい(図13参照)。或いは、各帯状布118の下縁を下地布14に対して熱融着させてもよい。このように、各帯状布118の下縁を下地布14に固定させておけば、帯状布118が固定された下地布14を、防水パネル12に対してステープル15などで固定するだけで、帯状布118を防水パネル12などの壁側の構造物に固定させることができる。
【0032】
こうして、図10に示すように、所要数の帯状布118が下地布14の上縁を除く全面に重ね合わされ、各下縁が防水パネル12に対してステープル20で固定される。その後、図11に示すように、タッカーを用いてステープル22が、壁面に固定された帯状布118の上にさらに打ち込まれる。このとき、ステープル22の先端は帯状布118及び下地布14を貫通して防水パネル12に食い込む。ステープル22は、各帯状布118における横方向(延伸方向)の複数の位置を上下方向(幅方向)に延伸する取付線上に、複数打ち込まれる。具体的には、壁面の右縁及び左縁を上下方向に延伸する取付線上に、多数のステープル22が打たれる。こうして、各帯状布118の左右の縁が壁側に強固に固定される。さらに、帯状布118の中途部における互いに離間する複数の位置においても、複数の帯状布118を渡って上下方向に延伸する取付線上にも、多数のステープル22が打たれる。これらの取付線は互いに離間しており、それぞれ上下に延伸する直線であってもよいし、曲線であってもよい。また、直線は鉛直方向に延伸するものであってもよいし、斜め方向に延伸するものであってもよい。こうして、各帯状布118は、中途部においても強固に固定される。横固定位置は、上下方向に延びていることから、各帯状布118の上縁における複数の位置にもステープル22が打たれることになる。
【0033】
以上の手順で壁面に下地布14及び帯状布118を設置すると、帯状布118におけるステープル20及び22により囲まれる部分、すなわち左右方向に延伸する取付線及び上下方向に延伸する取付線により囲まれる部分は、いずれも上方に開口するポケット状をなす。本変形例では、図12に示すように、こうして出来る各ポケットに植物の根元部分を収容し、これにより植物を壁面に取り付ける。こうして、本変形例によると、壁面に隙間無く植物の葉を配置することができる。
【0034】
なお、図13に示すように、一定の広さの下地布14の一辺に沿って帯状布118を配置し、その一側縁(対向辺側の縁)を下地布14に縫い糸19により縫い付け、さらに他の複数の帯状布18を対向辺側に所定幅ずつずらしながら配置し、同様にそれぞれ一側辺を下地布14に縫い付けることで壁面緑化シート126を形成してよい。帯状布118は、下地布14に対して熱融着されてもよい。こうして形成される壁面緑化シート126を緑化したい壁面に広げ、横固定位置をステープル22などの固定具で壁側構造物に固定することで、容易且つ迅速に、図11に示される壁面緑化構造を実現することができる。
【符号の説明】
【0035】
10 下地、12 防水パネル、14 下地布、16 散水管、18,118 帯状布、15,20,22 ステープル、24 植物、26,126 壁面緑化シート。
【技術分野】
【0001】
本発明は壁面緑化構造、壁面緑化工法及び壁面緑化シートに関する。
【背景技術】
【0002】
建物の内壁、外壁、塀、その他の壁面を緑化する工法が種々検討されている。建物外壁を緑化する場合には、建物の断熱・遮熱という実用的効果のみならず、建物の美観を向上させるという大きな効果が得られる。また、建物内壁や塀を緑化する場合にも、見る人に癒しを与えるという効果がある。壁面緑化を施す場合、植物の根元部分を壁面で保持する構造が必要であり、例えば下記特許文献1には、植物の根元部分を受ける根受部が相互に離間して設けられた板状のパネルを用いて壁面を緑化する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−29322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来方法によると、板状のパネルに根受部が互いに離間して設けられているので、植物が十分に生育するまでは根受部と根受部の間においてパネルが露呈したままとなり、壁面を植物の葉で十分に覆うことが難しい虞がある。この場合、壁面緑化の実用的効果が十分に得られないばかりか、壁面の美観向上も十分に図れない。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、植物の葉で壁面を十分に覆うことができる壁面緑化構造、壁面緑化工法及びそれに用いる壁面緑化シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る壁面緑化構造は、上下に隣接するとともに、それぞれ横方向に延伸するようにして、壁に固定される複数の帯状布を備え、前記各帯状布は複数の植物の根元部分を保持する、ことを特徴とする。こうすれば、植物の間隔が狭まり、壁面を植物の葉で十分に覆うことができるようになる。また、布を用いて植物の根元部分を保持することで、多数の植物の根に水分・養分を行き渡らせることが容易となる。
【0007】
ここで、前記各帯状布は、上方に開くよう短手方向に折り曲げられた状態で壁に固定されてよい。こうすれば、各帯状布がポケット状をなし、植物の根元部分を確実に保持できる。また、帯状布によるポケットの底部、すなわち帯状布の折り曲げ部分から水分・養分が浸みだし、下側に隣接する帯状布に収容される植物にも好適に供給されるようになる。
【0008】
ここで、少なくとも1枚の前記帯状布の折り曲げ箇所は、下側に隣接する前記帯状布の側縁よりも下側に位置してよい。こうすれば、上下の植物が、部分的に壁面に垂直な向きに互いに重なることになり、植物をさらに密集させることができる。
【0009】
或いは、前記各帯状布は、その下縁に沿う位置、及びその上縁の少なくとも2つの位置にて壁に固定され、前記各帯状布の壁側に複数の植物の根元部分が収容されてよい。こうしても、帯状布により植物の根元部を保持できる。また、少なくとも1枚の前記帯状布は、上側に隣接する前記帯状布に部分的に重なってよい。
【0010】
なお、各帯状布は、釘、鋲又はねじにより壁に固定されてよい。釘には、U字又はコ字状の釘(いわゆるタッカーにより打ち込まれるステープル)も含まれる。こうすれば、各帯状布を容易に壁側に固定でき、また固定のために必要な壁面スペースを最小化できる。
【0011】
また、複数の前記帯状布は、それらを横切るようにして上下方向に延伸する複数の取付線上において壁に固定されてよい。こうすれば、帯状布を横方向に区切ることができ、例えばそれぞれの区画に異なる種類の植物を配置することができる。また、こうして壁面に寄せ植えを行っても、生長して植物が他の区画に進入することがない。
【0012】
また、前記帯状布はフェルトその他の不繊布であってよい。不織布は空隙を均等に有しているので、植物が好適に根を張ることができる。
【0013】
また、本発明に係る壁面緑化工法は、上下に隣接するとともに、それぞれ横方向に延伸して複数の植物の根元部分を保持する複数の帯状布を壁面に設置する布設置工程と、前記各帯状布に対して上方から植物を植え付ける植栽工程と、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る壁面緑化シートは、壁面において上下に隣接するとともに、それぞれ横方向に延伸して複数の植物の根元部分を保持する複数の帯状布を含み、前記各帯状布は、上方に開くよう短手方向に折り曲げられ、上側に配置される前記帯状布の折り曲げ箇所に沿う位置と、下側に配置される前記帯状布の壁側の側縁と、が互いに固定されることにより一体化される、ことを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る壁面緑化シートは、壁面に固定される下地布と、互いに並行するようにして前記下地布に重ねて設けられ、それぞれ一方の側縁に沿って前記下地布に固定される、複数の帯状布と、を含むことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係る工法により緑化される壁面を示す斜視図である。
【図2】一部の帯状布を取り付けた状態の壁面緑化構造を示す斜視図である。
【図3】全部の帯状布を取り付けた状態の壁面緑化構造を示す斜視図である。
【図4】横固定位置にて帯状布及び下地布を壁面に固定した状態を示す斜視図である。
【図5】植物を植えた状態の壁面緑化構造を拡大して示す正面図である。
【図6】壁面緑化構造の拡大縦断面図である。
【図7】本発明の実施形態に係る壁面緑化シートを示す斜視図である。
【図8】下地布及び散水管を取り付けた状態の変形例に係る壁面緑化構造を示す斜視図である。
【図9】一部の帯状布を取り付けた状態の変形例に係る壁面緑化構造を示す斜視図である。
【図10】全部の帯状布を取り付けた状態の変形例に係る壁面緑化構造を示す斜視図である。
【図11】横固定位置にて帯状布及び下地布を壁面に固定した状態の変形例に係る壁面緑化構造を示す斜視図である。
【図12】変形例に係る壁面緑化構造の拡大縦断面図である。
【図13】変形例に係る壁面緑化シートを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面に基づき詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施形態に係る工法により緑化される壁面を示す斜視図である。同図に示すように、建物の外壁・内壁・塀それ自体、或いはそれらの壁に固定される木製等の枠である下地10に対し、まず防水性を有する防水パネル12が固定される。
【0019】
次に、図2に示すように防水パネル12上に複数の帯状布18が重ねて配置される。帯状布18は、例えば不繊布である。不織布は空隙を均等に有しているので、植物が好適に根を張ることができる。不繊布としては、好適には8mm〜10mm程度の厚さの工業用又は家庭用フェルトが用いられてよく、関西フェルトファブリック株式会社製のセブロンや押谷フェルト化成株式会社製のOSニードルを用いることができる。
【0020】
帯状布18は、30〜50cmほどの幅を有するとともに、防水パネル12の横幅に等しい長さを有している。但し、最上位置の帯状布18aのみ、15cm前後ほど、さらに幅広に形成されている。各帯状布18は、幅方向(短手方向)の略中央にて谷折りされ、下側部分が手前上方に折り返されている。これにより、各帯状布18は、上方に開いた状態となる。また、最上位置の帯状布18aのだけは、壁側の布部分の上縁が手前側に丸められ、その内部に散水管16が配置される。散水管16は、柔軟な樹脂製のチューブ状であってもよいし、樹脂製又は金属製のパイプ状であってもよい。散水管16の側面には等間隔に穴が開けられており、そこから放出される液肥入りの水が帯状布18aに染み渡る。また、帯状布18aの底部、すなわち折返し部分から液肥入りの水が滴り落ち、下側の帯状布18の開口に落下する。こうして、全ての帯状布18の開口の内部に液肥入りの水が行き渡ることになる。なお、散水管16の一部は、図示しない散水システムに接続されており、例えば定期的にそこから散水管16に液肥入りの水が供給される。
【0021】
帯状布18の防水パネル12への固定は、例えばタッカーを用いてステープル20(コ字状の釘)により行ってよい。或いは、帯状布18の固定は、例えば釘、ねじ、鋲などの他の固定具により行ってもよい。
【0022】
具体的には、各帯状布18は上から下に向かって順に設置され、固定される。まず、最上位置の帯状布18aの上縁が内側に丸められ、その内部に散水管16が収容される。その状態で、帯状布18aの縁を防水パネル12にステープル20で固定する。次に、帯状布18aの下縁を散水管16の近傍にまで持ち上げる。そして、下側の帯状布18を用意し、その上縁が、防水パネル12と、上側に配置された帯状布18aと、の間に挟まれるようにして防水パネル12上に配置し、この状態で、ステープル20で2枚の帯状布18を防水パネル12に固定する。このとき、ステープル20は、帯状布18aの壁側部分(折返し部分から3cm前後だけ上)と、下側の帯状布18の上縁と、を貫通して防水パネル12に突き刺さる。同様にして、帯状布18を順次防水パネル12に固定してゆく。そして、最下位置の帯状布18のみ、折返し部分から3〜4cmだけ上の部分が防水パネル12にステープル20により直接打ち付けられる。
【0023】
こうして、図3に示すように、所要数の帯状布18が防水パネル12の全面に重ねられる。その後、図4に示すように、ステープル22が、壁面に固定された帯状布18の上にさらに打ち込まれる。ステープル22は、各帯状布18における横方向(延伸方向)の複数の位置を通り、複数の帯状布18をまたがって上下方向(幅方向)に延伸する取付線上に、複数打ち込まれる。具体的には、壁面の右縁及び左縁を上下方向に延伸する取付線上に、多数のステープル22が打たれる。こうして、各帯状布18の左右の縁が壁側に強固に固定される。さらに、帯状布18の中途部における互いに離間する複数の位置においても、複数の帯状布18を渡って上下方向に延伸する取付線上に、多数のステープル22が打たれる。これらの取付線は互いに離間しており、それぞれ上下に延伸する直線であってもよいし、曲線であってもよい。また、取付線は鉛直方向に延伸するものであってもよいし、斜め方向に延伸するものであってもよい。こうして、各帯状布18は、中途部においても強固に固定される。
【0024】
以上の手順で壁面に下地布14及び帯状布18を設置すると、帯状布18における、上下に延伸する2本の取付線の間の部分は、いずれも上方に開口するポケット状をなす。本実施形態では、こうして出来る各ポケットに植物の根元部分を収容し、これにより植物を壁面に取り付ける。具体的には、植物の根元部分を苔(水苔)により包み、この苔ごと植物の根元部分を各ポケットに押し入れる。上述のように各帯状布18の内部には定期的に液肥入りの水が供給されるようになっているので、苔や植物の根にも、水分・養分が定期的に供給される。
【0025】
各ポケットは、縦方向に延伸する取付線上に打たれたステープル22を介して左右方向に隣接していることから、図5に示すように、各ポケットに植物24の根元部分を収容すると、植物の葉は、左右方向に隙間無く配置される。また、各帯状布18の折返し部分は、下側に隣接する帯状布18の手前側の縁よりも下側に位置しており、各ポケットの底部分の前方には、下側のポケットの開口内に位置する。すなわち、上側の帯状布18の折返し部分は、下側の帯状布の内側に部分的に入り込む。このため、図6に示すように、各ポケットに植物24の根元部分を収容すると、その葉部分により、上側に植えられた植物24の根元部分を覆い隠すことができる。こうして、本実施形態によると、左右方向のみならず、上下方向にも隙間無く植物の葉を配置することができる。
【0026】
以上のようにして、本実施形態に係る工法により緑化された壁面は、植物の葉により全面が覆われる。特に、上下方向に並ぶポケット群に同じ植物を植え、隣合う列のポケット群に葉色の異なる植物を植えれば、壁面全体として、あたかも絵画のような外観を呈する。こうして、本実施形態に係る工法を建物外壁に適用したときには、建物の遮熱・断熱といった実用的機能を奏することはもちろん、建物の美観を大いに向上させることができる。また、建物内壁や塀に適用したときにも、見る人に大いに癒しを与えることができる。
【0027】
なお、図7に示すように、複数の帯状布18を短手方向に折り曲げるとともに、折返し部分の近傍(壁側に設けられる部分)に下側の帯状布18の上縁を縫い糸19により縫い付けて、それらを連結することで、壁面緑化用の建築資材たる壁面緑化シート26を形成してよい。帯状布18同士を縫い付ける代わりにそれらを熱融着させてもよい。こうして形成される壁面緑化シート26を緑化したい壁面に広げ、上述の上下方向に延伸する取付線に沿ってステープル22を打ち付け、防水パネル12などの壁側構造物に固定することで、容易且つ迅速に、図4に示される壁面緑化構造を実現することができる。
【0028】
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。以下では、図8乃至図11に基づき、変形例に係る壁面緑化工法を説明する。本変形例では、図8に示すように、防水パネル12の全面を覆うようにして下地布14が固定される。下地布14は、例えば不繊布である。不繊布としては、好適には8mm〜10mm程度の厚さの工業用又は家庭用フェルトが用いられてよく、関西フェルトファブリック株式会社製のセブロンや押谷フェルト化成株式会社製のOSニードルを用いることができる。下地布14の素材サイズによっては、複数の下地布14により防水パネル12が覆われてよいのはもちろんである。下地布14の防水パネル12への固定は、例えばタッカーを用いてステープル15により行ってよい。例えば、下地布14の上縁に沿ってステープル15を打つことにより、下地布14を防水パネル12に固定してよい。その他、必要に応じて下地布14の他の位置にもステープル15が打たれる。なお、下地布14の固定は、例えば釘、ねじ、鋲などの他の固定具により行ってもよい。
【0029】
また、下地布14の上縁近傍には、上縁に沿って横方向に延伸する散水管16が取り付けられる。散水管16は、下地布14と防水パネル12との間に挟まれるようにして配置されてもよいし、下地布14の上縁により散水管16が巻かれるようにして配置されても
よい。すなわち、下地布14の上縁が内向き又は外向きに巻かれ、その中に散水管16が配置されてよい。
【0030】
次に、図9に示すように下地布14には多数の帯状布118が重ねられる。帯状布118も、例えば不繊布である。この不繊布にも、8mm〜10mm程度の厚さの工業用又は家庭用フェルトが用いられてよく、関西フェルトファブリック株式会社製のセブロンや押谷フェルト化成株式会社製のOSニードルを用いることができる。帯状布118は、例えば幅15cm〜25cm程度の帯状にカットされており、横方向に延伸するようにして下地布14上に重ね合わされる。各帯状布118は、上側の帯状布118と部分的に重なるようにして配置される。すなわち、各帯状布118は、直上の帯状布118の位置に対して5cm〜10cmほど下側にずらして配置される。こうして、例えば各帯状布118の下側半分以上が下側の帯状布118により覆われる。
【0031】
帯状布118は、上から順に、例えばタッカーを用いてステープル20により下地布14及び防水パネル12に固定される。このとき、ステープル20は、各帯状布118の下縁を左右方向に延伸する取付線上に多数打たれ、それらの先端は下地布14を貫通して防水パネル12に食い込む。ステープル20の代わりに、例えば釘、ねじ、鋲などの固定具が用いられてもよい。或いは、後述するように、全ての帯状布118の下縁が、それぞれ予め下地布14に縫い付けられてもよい(図13参照)。或いは、各帯状布118の下縁を下地布14に対して熱融着させてもよい。このように、各帯状布118の下縁を下地布14に固定させておけば、帯状布118が固定された下地布14を、防水パネル12に対してステープル15などで固定するだけで、帯状布118を防水パネル12などの壁側の構造物に固定させることができる。
【0032】
こうして、図10に示すように、所要数の帯状布118が下地布14の上縁を除く全面に重ね合わされ、各下縁が防水パネル12に対してステープル20で固定される。その後、図11に示すように、タッカーを用いてステープル22が、壁面に固定された帯状布118の上にさらに打ち込まれる。このとき、ステープル22の先端は帯状布118及び下地布14を貫通して防水パネル12に食い込む。ステープル22は、各帯状布118における横方向(延伸方向)の複数の位置を上下方向(幅方向)に延伸する取付線上に、複数打ち込まれる。具体的には、壁面の右縁及び左縁を上下方向に延伸する取付線上に、多数のステープル22が打たれる。こうして、各帯状布118の左右の縁が壁側に強固に固定される。さらに、帯状布118の中途部における互いに離間する複数の位置においても、複数の帯状布118を渡って上下方向に延伸する取付線上にも、多数のステープル22が打たれる。これらの取付線は互いに離間しており、それぞれ上下に延伸する直線であってもよいし、曲線であってもよい。また、直線は鉛直方向に延伸するものであってもよいし、斜め方向に延伸するものであってもよい。こうして、各帯状布118は、中途部においても強固に固定される。横固定位置は、上下方向に延びていることから、各帯状布118の上縁における複数の位置にもステープル22が打たれることになる。
【0033】
以上の手順で壁面に下地布14及び帯状布118を設置すると、帯状布118におけるステープル20及び22により囲まれる部分、すなわち左右方向に延伸する取付線及び上下方向に延伸する取付線により囲まれる部分は、いずれも上方に開口するポケット状をなす。本変形例では、図12に示すように、こうして出来る各ポケットに植物の根元部分を収容し、これにより植物を壁面に取り付ける。こうして、本変形例によると、壁面に隙間無く植物の葉を配置することができる。
【0034】
なお、図13に示すように、一定の広さの下地布14の一辺に沿って帯状布118を配置し、その一側縁(対向辺側の縁)を下地布14に縫い糸19により縫い付け、さらに他の複数の帯状布18を対向辺側に所定幅ずつずらしながら配置し、同様にそれぞれ一側辺を下地布14に縫い付けることで壁面緑化シート126を形成してよい。帯状布118は、下地布14に対して熱融着されてもよい。こうして形成される壁面緑化シート126を緑化したい壁面に広げ、横固定位置をステープル22などの固定具で壁側構造物に固定することで、容易且つ迅速に、図11に示される壁面緑化構造を実現することができる。
【符号の説明】
【0035】
10 下地、12 防水パネル、14 下地布、16 散水管、18,118 帯状布、15,20,22 ステープル、24 植物、26,126 壁面緑化シート。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下に隣接するとともに、それぞれ横方向に延伸するようにして、壁に固定される複数の帯状布を備え、前記各帯状布は複数の植物の根元部分を保持する、
ことを特徴とする壁面緑化構造。
【請求項2】
請求項1に記載の壁面緑化構造において、
前記各帯状布は、上方に開くよう短手方向に折り曲げられた状態で壁に固定され、
前記各帯状布の内側に複数の植物の根元部分が収容される、
ことを特徴とする壁面緑化構造。
【請求項3】
請求項1に記載の壁面緑化構造において、
前記各帯状布は、その下縁に沿う位置、及びその上縁の少なくとも2つの位置にて壁に固定され、前記各帯状布の壁側に複数の植物の根元部分が収容される、
ことを特徴とする壁面緑化構造。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の壁面緑化構造において、
前記各帯状布は、釘、鋲又はねじにより壁に固定される、
ことを特徴とする壁面緑化構造。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の壁面緑化構造において、
複数の前記帯状布は、それらを横切るようにして上下方向に延伸する複数の取付線上において壁に固定される、
ことを特徴とする壁面緑化構造。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の壁面緑化構造において、
前記各帯状布は、不織布である、
ことを特徴とする壁面緑化構造。
【請求項7】
請求項6に記載の壁面緑化構造において、
前記各帯状布は、フェルトである、
ことを特徴とする壁面緑化構造。
【請求項8】
請求項2に記載の壁面緑化構造において、
少なくとも1枚の前記帯状布の折り曲げ箇所は、下側に隣接する前記帯状布の側縁よりも下側に位置する、
ことを特徴とする壁面緑化構造。
【請求項9】
請求項3に記載の壁面緑化構造において、
少なくとも1枚の前記帯状布は、上側に隣接する前記帯状布に部分的に重なる、
ことを特徴とする壁面緑化構造。
【請求項10】
上下に隣接するとともに、それぞれ横方向に延伸して複数の植物の根元部分を保持する複数の帯状布を壁面に設置する布設置工程と、
前記各帯状布に対して上方から植物を植え付ける植栽工程と、
を含むことを特徴とする壁面緑化工法。
【請求項11】
壁面において上下に隣接するとともに、それぞれ横方向に延伸して複数の植物の根元部分を保持する複数の帯状布を含み、
前記各帯状布は、上方に開くよう短手方向に折り曲げられ、上側に配置される前記帯状布の折り曲げ箇所に沿う位置と、下側に配置される前記帯状布の壁側の側縁と、が互いに固定されることにより一体化される、
ことを特徴とする壁面緑化シート。
【請求項12】
壁面に固定される下地布と、
互いに並行するようにして前記下地布に重ねて設けられ、それぞれ一方の側縁に沿って前記下地布に固定される、複数の帯状布と、
を含むことを特徴とする壁面緑化シート。
【請求項1】
上下に隣接するとともに、それぞれ横方向に延伸するようにして、壁に固定される複数の帯状布を備え、前記各帯状布は複数の植物の根元部分を保持する、
ことを特徴とする壁面緑化構造。
【請求項2】
請求項1に記載の壁面緑化構造において、
前記各帯状布は、上方に開くよう短手方向に折り曲げられた状態で壁に固定され、
前記各帯状布の内側に複数の植物の根元部分が収容される、
ことを特徴とする壁面緑化構造。
【請求項3】
請求項1に記載の壁面緑化構造において、
前記各帯状布は、その下縁に沿う位置、及びその上縁の少なくとも2つの位置にて壁に固定され、前記各帯状布の壁側に複数の植物の根元部分が収容される、
ことを特徴とする壁面緑化構造。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の壁面緑化構造において、
前記各帯状布は、釘、鋲又はねじにより壁に固定される、
ことを特徴とする壁面緑化構造。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の壁面緑化構造において、
複数の前記帯状布は、それらを横切るようにして上下方向に延伸する複数の取付線上において壁に固定される、
ことを特徴とする壁面緑化構造。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の壁面緑化構造において、
前記各帯状布は、不織布である、
ことを特徴とする壁面緑化構造。
【請求項7】
請求項6に記載の壁面緑化構造において、
前記各帯状布は、フェルトである、
ことを特徴とする壁面緑化構造。
【請求項8】
請求項2に記載の壁面緑化構造において、
少なくとも1枚の前記帯状布の折り曲げ箇所は、下側に隣接する前記帯状布の側縁よりも下側に位置する、
ことを特徴とする壁面緑化構造。
【請求項9】
請求項3に記載の壁面緑化構造において、
少なくとも1枚の前記帯状布は、上側に隣接する前記帯状布に部分的に重なる、
ことを特徴とする壁面緑化構造。
【請求項10】
上下に隣接するとともに、それぞれ横方向に延伸して複数の植物の根元部分を保持する複数の帯状布を壁面に設置する布設置工程と、
前記各帯状布に対して上方から植物を植え付ける植栽工程と、
を含むことを特徴とする壁面緑化工法。
【請求項11】
壁面において上下に隣接するとともに、それぞれ横方向に延伸して複数の植物の根元部分を保持する複数の帯状布を含み、
前記各帯状布は、上方に開くよう短手方向に折り曲げられ、上側に配置される前記帯状布の折り曲げ箇所に沿う位置と、下側に配置される前記帯状布の壁側の側縁と、が互いに固定されることにより一体化される、
ことを特徴とする壁面緑化シート。
【請求項12】
壁面に固定される下地布と、
互いに並行するようにして前記下地布に重ねて設けられ、それぞれ一方の側縁に沿って前記下地布に固定される、複数の帯状布と、
を含むことを特徴とする壁面緑化シート。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−92164(P2011−92164A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−252412(P2009−252412)
【出願日】平成21年11月2日(2009.11.2)
【出願人】(509304520)竹村総合設備株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月2日(2009.11.2)
【出願人】(509304520)竹村総合設備株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
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