説明

売上管理装置及び売上管理方法

【課題】チェーンストア運営会社等では、通信回線を介してPOSデータとEBデータを受信し、各店舗の売上金額と各店舗口座への売上金の入金金額を突合させているが、POS締め日と入金日の関係が各店舗で異なる等の事由から手作業で行っている。
【解決手段】売上管理装置(データ処理サーバ)にPOSデータとEBデータを対応付けるためのマスターテーブルを持たせる。同テーブルは、各店舗に係る店舗特定情報と口座特定情報と銀行入金ルール情報を対応付けている。受信EBデータの口座特定情報に基づいて前記テーブルで対応する店舗特定情報と銀行入金ルール情報とを確認し、既にセーブしているPOSデータの内、確認した店舗特定情報を有し、且つ確認した銀行入金ルール情報で定まるPOS締め日になっているPOSデータを検出し、受信EBデータの入金金額と検出POSデータの入金金額を突合させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チェーンストアである各小売店舗のPOS(Point of sale)端末の売上金額データと、各小売店舗の口座へ振り込まれた入金金額データとの突合処理を自動化し、小売店本部から突合結果を精査できるようにする売上管理装置及び売上管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、一部のチェーンストア運営会社では、その小売店本部で各店舗の売上を管理するために、各店舗で毎日POS端末の締め処理を行った後にPOS会社を介して送信されてくるPOSデータ中の売上金額データと、金融機関が提供するEB(Electronic banking)サービスにより金融ネットワークを介して受信することができるEBデータ中の入金金額データ(各店舗が開設した店舗口座への売上金の入金額)とを突合・精査する方法を採用している。
尚、売上金が各店舗の店舗口座へ入金されると各店舗口座から本部が開設している口座(本部口座)へ自動的に資金移動され、本部ではEBサービスを利用して本部口座への入金金額データを受信するようにして、本部口座の履歴だけで各店舗からの入金管理を行うようにしている場合もある。
【0003】
その場合、POSデータで送られてくる各店舗の売上金額データと、各店舗毎のEBデータで送られてくる入金金額データ(本部口座に係るEBデータの場合には、店舗側情報である仕向け情報に対応する入金金額データ)とを、店舗毎に突合・確認してゆく作業が不可欠であるが、その作業はそれぞれのデータをプリントアウトさせた一覧表を用いて一店舗ずつ照合してゆく作業となるため、店舗数が多い場合には非常に煩雑となると共に、多大な時間と労力を要しており、オペレーショナルリスクが高くなって会計上の正確性を担保する上で問題となっている。
【0004】
一方、金融ネットワークを介さずにPOS端末側の売上金額データと実際の売上現金額とを突合・精査する方法やシステムが下記特許文献1,2に開示されている。
特許文献1においては「各店舗に設けられた売上金計数手段によって各店舗毎の売上金を計数するとともに計数データを任意の1ケ所に配設した処理センターに伝送し、該処理センターにおいて当該店舗から回収した売上金と前記伝送された計数データとを比較チェックする貨幣精算処理方法」とそのための装置の提案がなされており、また、特許文献2においては「企業の店舗に設置され、発生する売上の種別とその売上金額とを含む売上情報が入力される売上情報入力端末と、前記店舗に設置され、前記売上のうち現金の授受により得られた現金が投入され所定期間保管される売上現金管理手段と、前記売上情報入力端末から前記売上情報を受信し、前記売上現金管理手段から前記現金の投入情報を受信する情報提供人の受信手段と、前記売上情報と前記投入情報に基づくデータ処理を行う前記情報提供人のデータ処理手段と、前記データ処理手段の処理結果を前記企業のサーバマシンに配信する配信手段とを備えることを特徴とする売上データ管理システム」が提案されている。
【0005】
これらは、金融機関が未だEBサービスの提供を行っていなかった時期の出願であることにもよるが、特許文献1では処理センター側に、特許文献2では各店舗にそれぞれ現金をカウントする入金機に相当する装置を設けており、自己の管理下で売上現金額を計数してPOS端末の売上金額データと突合させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭57−147772号公報
【特許文献2】特開2003−308375号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1,2のように売上現金を自己の管理下に置いて計数する場合には、その計数データと各小売店舗のPOS端末から得られる売上金額データとを突合させることは容易である。
しかし、特許文献1の発明においては、処理センターにおいて各店舗から回収した売上現金をカウントする装置(回収売上金計数手段)が必要になると共に、コンビニエンスストア等のように多数の店舗が全国的に散在しているような場合には、各店舗の売上現金を毎日1ケ所の処理センターへ回収することは不可能に近い。
また、特許文献2の発明では、各店舗に売上現金をカウントする入金機(売上現金管理手段)が必要になると共に、実施例によると各店舗の売上現金の回収と本部口座への入金を警備会社に委託することになっているが、そのためのコストはかなり大きいものと推測される。
【0008】
したがって、各店舗で売上金を店舗口座へ入金するようにし、EBサービスを利用して得られる前記売上金の口座への入金金額データと、各店舗のPOS端末から送られてくる売上金額データとを突合させることが合理的であるが、上記のとおり、その作業が各データをプリントアウトさせた一覧表による一店舗毎の照合によらざるを得ないことが問題になっている。
【0009】
このように、データ同士の突合処理であるにも拘わらず、自動化できずに人手による照合作業を余儀なくされているのは、(1)EBサービスにより本部口座の入金履歴データとしてまとめて得られるにしても、POSデータとEBデータという別系統で送られてくる多数の各小売店舗の売上金額データと多数の各店舗口座の入金金額データとを対応付けながら個別に照合しなければならないこと、(2)店舗毎にPOS締め時刻が相違していることや、金融機関への入金方法が同一ではなくATM(Automated teller machine)や窓口振込や夜間金庫等の異なる方法が採られることにより、POS端末側の売上金額データに係る締め日とEBサービスで得られる前記売上金の口座への入金日の対応付けを一律に行うことができないためである。
また、前記(2)の理由については更に、金融機関の休日が絡むと金融機関によって休日での入金処理の仕方が異なり、そのような事情にも個別的に対応しなければならないことも自動化を妨げている要因である。
【0010】
そこで、本発明は、それらの問題点に鑑みて、EBサービスを利用して得られる各店舗の店舗口座への入金金額データと各店舗のPOS端末から送られてくる売上金額データとの突合処理を合理的に自動化できる売上管理装置及び売上管理方法を提供し、以って前記突合処理とその精査に要する時間と労力の軽減を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の発明は、通信回線を介して外部とデータ通信を行う通信手段と、多数の店舗にそれぞれ設置されているPOS端末で一日毎の締め処理がなされた際に通信回線を介して転送されるデータであって、POS締め日情報と売上金額データと店舗特定情報を含むPOSデータが前記通信手段で受信された場合に、それらの情報を記憶する第1記憶手段と、前記各店舗での前記締め処理後に、前記各店舗が一日の売上金を前記各店舗が金融機関に開設している口座(以下、「店舗口座」という)へ振り込み、前記金融機関が前記各店舗口座への入金処理を行った後、前記金融機関が提供するEB(Electric Banking)サービスにより通信回線を介して得られるデータであって、口座特定情報と入金日情報と入金金額データを含むEBデータが前記通信手段で受信された場合に、それらの情報を記憶する第2記憶手段と、前記各店舗について、店舗特定情報、店舗口座の口座特定情報、及びPOS締め日が金融機関の休日に該当する場合とそれ以外の平日の場合に分けて、POS締め日と店舗口座への売上金の入金日との期日関係を定めた金融機関入金ルール情報を対応させて記憶した第3記憶手段と、金融機関の休日が記録されているカレンダー情報を記憶した第4記憶手段と、前記第2記憶手段が受信EBデータを記憶した場合に、前記第3記憶手段においてその受信EBデータの口座特定情報と同一の口座特定情報に対応させてある店舗特定情報と金融機関入金ルール情報を確認し、前記第1記憶手段が記憶しているPOSデータの内、前記確認した店舗特定情報を有し、且つ受信EBデータの入金日情報と前記第4記憶手段のカレンダー情報と前記確認した金融機関入金ルール情報に基づいて求められるPOS締め日情報を有しているPOSデータを検出するデータ検索手段と、前記受信EBデータの入金金額データと前記データ検索手段が検出したPOSデータの売上金額データ(但し、POSデータが複数の場合は各POSデータの売上金額の合計金額情報)とを突合して合致するか否かを求める突合手段と、前記突合手段が求めた突合結果を、少なくとも口座特定情報と店舗特定情報の何れか一方又は双方及び受信EBデータの入金日情報に対応させた管理データとして記憶する第5記憶手段とを備えたことを特徴とする売上管理装置に係る。
【0012】
この第1の発明では、受信POSデータと受信EBデータをそれぞれ第1記憶手段と第2記憶手段が記憶するが、それらのデータは別系統で送られてくるものであり、通常は相互を関連付ける情報を含んでいない。
そこで、この発明では第3記憶手段に各店舗についての店舗特定情報と口座特定情報の対応関係を持たせると共に、金融機関入金ルール情報も対応させるようにしており、それを参照すれば受信EBデータの口座特定情報からPOSデータでの店舗特定情報が、またその店舗特定情報で特定される店舗の店舗口座に係る金融機関入金ルール情報が確認できる。
そして、受信EBデータにおける入金日情報について、第4記憶手段のカレンダー情報と前記確認した金融機関入金ルール情報を適用すると、受信EBデータの入金日に対応するPOS締め日情報が求まる。
したがって、第1記憶手段が記憶しているPOSデータから前記確認した店舗特定情報とPOS締め日情報を有するものを検出し、その検出したPOSデータの売上金額データ(POSデータが複数の場合は合算した売上金額データ)と受信EBデータの入金金額データを突合させれば、売上金額と店舗口座への入金金額が合致しているか否かを確認できる。
この発明では、受信EBデータに係る前記突合結果を所要関係情報と共に管理データとして第5記憶手段が記憶してゆく。
尚、第1の発明における店舗特定情報としては店舗コードと店舗名のいずれか一方又は双方を利用でき、また口座特定情報としては金融機関コード、その支店コード及び口座番号と振込人名義のいずれか一方又は双方を利用できる。
【0013】
更に、第1の発明の売上管理装置に表示手段を具備させて、第5記憶手段の管理データを表示手段で表示させるようにすれば、店舗口座への入金日を共通にする各店舗口座毎の前記突合結果を確認できるが、次のような手段を付加した構成にすれば、外部の売上管理用端末からも前記管理データを表示させて閲覧することができる。
即ち、前記通信手段が外部の売上管理用端末から通信回線を介して入金日を指定した閲覧請求を受信した場合に、前記第5記憶手段が記憶している管理データの内、前記指定入金日と同一の入金日情報を有する管理データを抽出するデータ抽出手段と、前記データ抽出手段が抽出した管理データを前記通信手段で通信回線を介して前記売上管理用端末へ伝送するデータ伝送手段を設けておけば、外部の売上管理用端末から指定入金日における各店舗の売上金額と店舗口座への入金金額の突合結果を閲覧することができる。
【0014】
第2の発明は、通信回線を介して外部とデータ通信を行う通信手段を備えた売上管理装置に適用される売上管理方法であって、多数の店舗にそれぞれ設置されているPOS端末で一日毎の締め処理がなされた際に通信回線を介して転送されるデータであって、POS締め日情報と売上金額データと店舗特定情報を含むPOSデータが前記通信手段で受信された場合に、それらの情報を第1記憶手段に記憶させる第1ステップと、前記各店舗での前記締め処理後に、前記各店舗が一日の売上金を店舗口座へ振り込み、前記金融機関が前記各店舗口座への入金処理を行った後、前記金融機関が提供するEBサービスにより通信回線を介して得られるデータであって、口座特定情報と入金日情報と入金金額データを含むEBデータが前記通信手段で受信された場合に、それらの情報を第2記憶手段に記憶させる第2ステップと、前記各店舗について、店舗特定情報、店舗口座の口座特定情報、及びPOS締め日が金融機関の休日に該当する場合とそれ以外の平日の場合に分けて、POS締め日と店舗口座への売上金の入金日との期日関係を定めた金融機関入金ルール情報を対応させて記憶した第3記憶手段と、金融機関の休日が記録されているカレンダー情報を記憶した第4記憶手段とを用い、前記第2記憶手段が受信EBデータを記憶した場合に、前記第3記憶手段においてその受信EBデータの口座特定情報と同一の口座特定情報に対応させてある店舗特定情報と金融機関入金ルール情報を確認し、前記第1記憶手段が記憶しているPOSデータの内、前記確認した店舗特定情報を有し、且つ受信EBデータの入金日情報と前記第4記憶手段のカレンダー情報と前記確認した金融機関入金ルール情報に基づいて求められるPOS締め日情報を有しているPOSデータを検出する第3ステップと、前記受信EBデータの入金金額データと前記第3ステップで検出されたPOSデータの売上金額データ(但し、POSデータが複数の場合は各POSデータの売上金額の合計金額情報)とを突合して合致するか否かを求める第4ステップと、前記第4ステップで求めた突合結果を、少なくとも口座特定情報と店舗特定情報の何れか一方又は双方、及び受信EBデータの入金日情報に対応させた管理データとして第5記憶手段に記憶させる第5ステップとを含むことを特徴とする売上管理方法に係る。
【0015】
この第2の発明は前記第1の発明の売上管理装置によって実行される売上管理方法であることから、店舗特定情報として店舗コードと店舗名のいずれか一方又は双方を利用でき、また口座特定情報として金融機関コード、その支店コード及び口座番号と振込人名義のいずれか一方又は双方を利用できる。
また、第2の発明において、外部の売上管理用端末から前記管理データを表示させて閲覧可能にするには、前記通信手段が外部の売上管理用端末から通信回線を介して入金日を指定した閲覧請求を受信した場合に、前記第5記憶手段が記憶している管理データの内、前記指定入金日と同一の入金日情報を有する管理データを抽出する第6ステップと、前記第6ステップで抽出した管理データを前記通信手段で通信回線を介して前記売上管理用端末へ伝送する第7ステップとを設けておけばよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の売上管理装置及び売上管理方法は、以上の構成を有していることにより、次のような効果を奏する。
チェーンストア運営会社等の系列各店舗等におけるPOS端末から受信するPOSデータに含まれている売上金額データと、金融機関が提供するEBサービスによるEBデータに含まれている各店舗の店舗口座への入金金額データとを、人手を介することなく自動的に突合処理し、その結果を所要関連情報と共に記憶させて閲覧・精査することを可能にする。
特に、POSデータとEBデータは共通の情報を含んでいるとは限らず、また、各店舗でのPOS締め時刻や店舗口座への入金方法、更には金融機関での休日における入金処理の有無によって、各店舗毎にEBデータとPOSデータの対応付け条件が異なり、単純にEBデータの入金日情報とPOSデータのPOS締め日情報の一致を対応付け条件とすることができないが、本発明では、第3記憶手段に情報の対応付けテーブルに相当するデータを第4記憶手段にカレンダー情報を設けておき、店舗毎に個別的で複雑になる突合処理を自動化している。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態が適用される売上管理システムの構成図である。
【図2】情報処理サービス会社のデータ処理サーバのシステム回路図である。
【図3】マスターテーブルの構成を示す図である。
【図4】データ処理サーバにおけるPOSデータ受信時の動作手順を示すフローチャートである。
【図5】データ処理サーバにおけるEBデータ受信時の動作手順を示すフローチャートである。
【図6】データ処理サーバのHDDにセーブされている各店舗のPOSデータを示す図である。
【図7】図1の売上管理システムの構成においてデータ処理サーバのHDDにセーブされているEBデータを示す図である。
【図8】図9の売上管理システムの構成においてデータ処理サーバのHDDにセーブされているEBデータを示す図である。
【図9】図1において本部口座(Z銀行)が無い場合における売上管理システムの構成図である。
【図10】図5のフローチャートにおけるステップS13の詳細手順を示すフローチャートである。
【図11】図5のフローチャートにおけるステップS13の詳細手順を示すフローチャートである。
【図12】2010年9月のカレンダー情報を示す図である。
【図13】マスターテーブルで銀行入金ルールにおいて平日入金ルールが“当日”で銀行休日ルールが“翌営業日”である場合における9月9日から9月14日までのEBデータの入金金額とPOSデータの売上金額との突合条件を説明するための参考図である。
【図14】銀行入金ルールが図13の場合と同様であり、銀行休日の多い9月17日から9月27日までの期間におけるEBデータの入金金額とPOSデータの売上金額との突合条件を説明するための参考図である。
【図15】マスターテーブルで銀行入金ルールにおいて、平日入金ルールが“翌日”で銀行休日ルールが“翌営業日”である場合における9月9日から9月14日までのEBデータの入金金額とPOSデータの売上金額との突合条件を説明するための参考図である。
【図16】銀行入金ルールが図15の場合と同様であり、銀行休日の多い9月17日から9月27日までの期間におけるEBデータの入金金額とPOSデータの売上金額との突合条件を説明するための参考図である。
【図17】データ処理サーバが作成した管理データ(EBデータの入金金額データとそのEBデータに対応するPOSデータの売上金額データとの突合結果及びその結果に関連する所定情報をまとめた一覧表形式のデータ)を示す図である。
【図18】データ処理サーバが作成した管理データ(EBデータの入金金額データとそのEBデータに対応するPOSデータの売上金額データとの突合結果及びその結果に関連する所定情報をまとめた一覧表形式のデータ)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の売上管理装置及び売上管理方法の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
先ず、図1は本発明の実施形態が適用される売上管理システムの構成図であり、1a,1b-1,1b-2,1c,…,1xはコンビニエンスストアである各店舗(a,b-1,b-2,c,…,x)に設けられたPOS端末、10はPOS会社が運用するPOS管理サーバ、2a,2b,2c,…,2xは各店舗(a,b-1,b-2,c,…,x)が口座(店舗口座)を開設している銀行(A,B,C,…,X)の口座管理サーバ、20はコンビニエンスストア運営会社が本部口座を開設している銀行(Z)の口座管理サーバ、30は情報処理サービス会社が運用するデータ処理サーバ、50はコンビニエンスストア運営会社の本部(小売店本部)に設置している売上管理用端末を示す。
【0019】
そして、各POS端末1a,1b-1,1b-2,1c,…,1xとPOS管理サーバ10は専用通信回線で結ばれており、各店舗(a,b-1,b-2,c,…,x)でPOS締めが行われるとPOS端末1a,1b-1,1b-2,1c,…,1xからPOS管理サーバ10へPOSデータ[店舗コード・POS締め時刻データ・売上金額データ]が送信され、POS管理サーバ10では、そのPOSデータに所定の暗号処理等を施した上で、インターネットを通じて情報処理サービス会社のデータ処理サーバ30へ送信する。
【0020】
一方、後述するように各店舗(a,b-1,b-2,c,…,x)から各銀行(A,B,C,…,X)の店舗口座への売上現金の入金には幾つかの方法があるが、いずれにしても各店舗口座への入金があると、各銀行(A,B,C,…,X)の口座管理サーバ2a,2b,2c,…,2xはその入金に係る資金を銀行(Z)の本部口座へ移動させるべく、全銀ネットワークを通じて本部口座への振込を行う。
その振込に際して、口座管理サーバ2a,2b,2c,…,2xは入金日時データ・入金金額データと共に仕向け情報をも送信し、銀行(Z)の口座管理サーバ20ではそれらのデータと情報を本部口座に記録すると共に、それらのデータと情報に被仕向け銀行(Z)の情報を付加して所定の暗号処理を施した上で、インターネットを通じて情報処理サービス会社のデータ処理サーバ30へ送信する。
即ち、情報処理サービス会社は、銀行(Z)が提供するEBサービスを利用してEBデータ[被仕向け銀行である銀行(Z)の銀行コードと支店コードと口座番号・入金日時データ・入金金額データ・仕向け情報]を得るようにしており、「仕向け情報」には[仕向け銀行である各銀行(A,B,C,…,X)の銀行コード・支店コード・口座番号・仕向け銀行への振込人名義情報]が含まれている。
尚、EBサービスによっては仕向け銀行での口座番号が得られない場合もあるが、仕向け銀行の銀行コード・支店コード及び振込人名義情報は必ず含まれている。
【0021】
したがって、情報処理サービス会社のデータ処理サーバ30はPOSデータ[店舗コード・POS締め時刻データ・売上金額データ]とEBデータ[入金日時データ・入金金額データ・仕向け情報]を受信することになる。
ここで、データ処理サーバ30は図2に示すようなシステム回路を備えている。
即ち、システム制御プログラム、売上管理プログラム、POSデータとEBデータとの対応付けを行うためのマスターテーブル及びカレンダー情報(銀行休日フラグを含む)が格納されているROM31、ワークメモリとして利用されるRAM32、受信したPOSデータとEBデータと後述の突合結果等が書き込まれるハードディスク装置(HDD)33とそのコントローラ33a、キーボード34とそのコントローラ34a、LCDディスプレイ35とそのコントローラ35a、プリンタ36とそのコントローラ36a、及びインターネットを介して外部と通信を実行する通信I/F37が、それぞれCPU38のバスに対して図示するように接続されている。
そして、CPU38がROM31のシステム制御プログラムを実行することにより、システム全体の制御及び外部とのデータ送受信制御が行われる。
また、本発明の実施形態に係る売上金額データと入金金額データとの突合処理については、CPU38が売上管理プログラムを実行することにより行われるが、前記各データ間の突合に際してはマスターテーブルやカレンダー情報が参照される。
【0022】
前記ROM31のマスターテーブルは図3に示すような構成を有している。
このマスターテーブルは、予め情報処理サービス会社がコンビニエンスストアの運営会社から取得した「口座特定情報」と「店舗特定情報」及び各店舗(a,b-1,b-2,c,…,x)で売上金が銀行(A,B,C,…,X)の店舗口座へ入金される際の「銀行入金ルール」とを対応付けたものである。
ここに、「口座特定情報」は、店舗口座が設けられている銀行の銀行コード、支店コード、店舗口座の口座番号及び店舗口座へ売上現金を入金する際の振込人名義からなり、「店舗特定情報」は、店舗コード、店舗名及び店舗でのPOS締め時刻からなる。尚、店舗のPOS締め時刻は参考情報であり、実際のPOS締め時刻はこれより少し遅れた時刻となる。
【0023】
「銀行入金ルール」については、各店舗(a,b-1,b-2,c,…,x)におけるPOS締め時刻、店舗口座への売上現金の入金方法及び銀行休日での入金処理の有無に関連している。
先ず、[平日入金ルール]は、POS締め日の当日に入金される場合と、翌日に入金される場合とに分かれている。
図3のマスターテーブルにおける各店舗(a,b-1,b-2,c,…,x)のPOS締め時刻は夜中(午後11時頃〜午前2時頃)であることが殆どであるが、POS管理サーバ10からデータ処理サーバ30へ送られてくるPOSデータでの実際のPOS締め時刻は、締め処理の作業時間等を見込まねばならないためにマスターテーブルのPOS締め時刻より少し遅れる。
しかし、設定されているPOS締め時刻が午後11時であってもPOSデータでのPOS締め日が日を跨いで翌日になることはない。
【0024】
一方、各店舗でPOS締めがなされた後、売上現金が銀行(A,B,C,…,X)の店舗口座へ振り込まれて入金が完了するまでの時間は入金方法によって異なる。
具体的には、ATMでの振込の場合は、その振込手続が完了すると直ちに店舗口座に記録されるためにPOS締め日と同日に入金できることが多いが、窓口振込や夜間金庫での振込の場合には、POS締め時刻が午後11時〜午後12時の時間帯であると入金は翌日にならざるを得ず、POS締め時刻が午前0時〜午前2時頃であれば同日の入金が可能となる。
もっとも、ATMでの入金方法を採用する場合においても、POS締め時刻が午後11時過ぎであり、POS締め後の約1時間以内に売上現金をまとめてATMからの振込作業を行うことが無理なときには、ATMでの振込を常に午前0時以降にするようにされることもある。
このような事情から、[平日入金ルール]は前記のようにPOS締め日に対して当日か翌日かに分けて設定される。
【0025】
[銀行休日入金ルール]については、個々の銀行での休日における取り扱い事情により異なり、またその取り扱いは前記入金方法によって区別される場合もある。
しかし、いずれにしても、[銀行休日入金ルール]としては、休日に入金処理を行わずに休日の翌営業日に行う場合と、平日か休日かを問わずに前記[平日入金ルール]がそのまま適用される場合とに分かれる。
【0026】
次に、データ処理サーバ30の動作について、図4と図5の基本動作フローチャート、及び図10と図11の詳細フローチャートを用いて説明する。
先ず、図4に示すように、各店舗(a,b-1,b-2,c,…,x)のPOS端末1a,1b-1,1b-2,1c,…,1xでPOS締めを行い、その暗号化されたPOSデータがPOS会社10のPOS管理サーバ10を経由して送られてくると、通信I/F37で受信したPOSデータを一旦RAM32へセーブして復号した後、その復号後のPOSデータをHDD33の所定アドレス領域Apにセーブする(S1,S2)。
このPOSデータは前記のとおり[店舗コード・POS締め日時データ・売上金額データ]からなり、HDD33の所定アドレス領域Apには図6に示すような構成で記録されてゆくことになる。
【0027】
また、図5に示すように、銀行(Z)が提供するEBサービスに基づいて銀行(Z)の口座管理サーバ20からEBデータを受信すると、POSデータの場合と同様に一旦RAM32へセーブして復号した後、その復号後のEBデータをHDD33の所定アドレス領域Aeにセーブさせる(S11,S12)。
ここに、EBデータは前記のように[被仕向け銀行(Z)の銀行コードと支店コードと口座番号・入金日時データ・入金金額データ・仕向け情報]からなり、HDD33の所定アドレス領域Aeには図7に示すような構成で記録されてゆく。
【0028】
尚、この実施形態では店舗口座から本部口座への資金の移動を行っているために「被仕向け銀行(Z)の銀行コードと支店コードと口座番号」がEBデータに含まれているが、もし本部口座を設けずに各店舗口座のみで売上管理を行う場合には図9に示すようなシステム構成となる。
この場合、各店舗(a,b-1,b-2,c,…,x)が店舗口座を開設している銀行(A,B,C,…,X)の口座管理サーバ2a,2b,2c,…,2xから各店舗口座に係る暗号化されたEBデータが個別に送られてくることになるが、その場合にはHDD33の所定アドレス領域Aeには図8に示すような構成で記録されてゆくことになる。
したがって、その場合には、被仕向け銀行(Z)に係るデータがなく、図7における仕向け情報に相当するものが「銀行コードと支店コードと口座番号」として送られてくる。
【0029】
図5のフローチャートに戻って、EBデータの受信があった場合には、前記ステップS12で所定アドレス領域Aeにセーブした後、その受信EBデータの入金金額データと、既にHDD33の所定アドレス領域ApにセーブされているPOSデータの内、受信EBデータに対応するPOSデータの売上金額データとの突合処理を実行し、その結果をHDD33の所定アドレス領域Acにセーブする(S13)。
したがって、この突合処理においては、受信EBデータが図6に示すような構成でセーブされているPOSデータのいずれに対応しているかを検索し、検索でヒットしたPOSデータの売上金額データと受信EBデータの入金金額データとを突合させることになるが、コンビニエンスストアの店舗(a,b-1,b-2,c,…,x)の場合には年中無休であるため、POSデータが毎日受信されるのに対して、各銀行(A,B,C,…,X)の口座管理サーバ2a,2b,2c,…,2xによる各店舗(a,b-1,b-2,c,…,x)の店舗口座への入金処理は、前記銀行入金ルールで説明したように、各店舗(a,b-1,b-2,c,…,x)での入金方法(ATM,窓口振込,夜間金庫等)や各銀行(A,B,C,…,X)の休日における入金処理の有無によって異なっており、前記検索に際してはその事情を考慮しなければならない。
【0030】
そこで、この実施形態におけるデータ処理サーバ30では、図3に示したマスターテーブル及び図12に示すカレンダー情報を参照してEBデータとPOSデータの対応付けを自動的に行うようにしている。
以下、図5のフローチャートにおけるステップS13の詳細な処理手順を図10及び図11を用いて説明する。
先ず、マスターテーブルにおいて、受信したEBデータの仕向け情報(マスターテーブルでは口座特定情報に相当)に対応している店舗特定情報と銀行入金ルールを確認する(S21)。
【0031】
ここで、確認した銀行入金ルールが『平日入金ルールと銀行休日ルールの双方とも当日』(以下、「銀行入金ルール(1)」という)であった場合には、HDD33の所定アドレス領域Apにセーブされている受信POSデータから、前記ステップS21で確認した店舗特定情報である店舗コードを有し、且つPOS締め日付が受信EBデータにおける入金日と同一のものを検出する(S22,S23)。
即ち、銀行入金ルール(1)では、店舗特定情報で特定される店舗が店舗口座を開設している銀行への入金処理が、平日か休日かを問わず、常に店舗のPOS締め日に行われるため、当該店舗に係るPOSデータの内、受信EBデータにおける入金日と同一のものが対応していることになる。
【0032】
そして、受信EBデータの入金金額データと検出したPOSデータの売上金額データを突合し、その突合結果を、ステップS21で確認している口座特定情報と店舗特定情報、EBデータの入金日及びPOSデータのPOS締め日と共にHDD33の所定アドレス領域Acにセーブする(S24)。
この突合結果については、同一(合致)しているか否かを示せば足りるが、相違している場合にはその差額を併せて記録しておいてもよい。
【0033】
一方、ステップS21で確認した銀行入金ルールが『平日入金ルールと銀行休日ルールの双方とも翌日』(以下、「銀行入金ルール(2)」という)であった場合には、店舗コードに関する検出条件は前記銀行入金ルール(1)の場合と同様であるが、POS締め日付については受信EBデータにおける入金日の前日になっている受信POSデータを検出する(S25,S26)。
この銀行入金ルール(2)では、店舗特定情報で特定される店舗が店舗口座を開設している銀行への入金処理が、平日か休日かを問わず、常に店舗のPOS締め日の翌日に行われるため、当該店舗に係るPOSデータの内、受信EBデータにおける入金日に対して一日前のものが対応していることになる。
尚、受信EBデータの入金金額データと検出したPOSデータの売上金額データとの突合処理、及びその結果のセーブに関しては前記銀行入金ルール(1)の場合と同様である(S25,S26,S24)。
【0034】
ところで、ステップS21で確認した銀行入金ルールが『平日入金ルールが当日で銀行休日ルールが翌営業日』(以下、「銀行入金ルール(3)」という)であり、EBデータの入金日付がROM31のカレンダー情報を参照して銀行休日の翌日である場合には、HDD33の所定アドレス領域Apにセーブされている受信POSデータから、前記ステップS21で確認した店舗特定情報である店舗コードを有し、且つPOS締め日がEBデータの入金日と同一のもの、及びその前日以前の単一の又は連続した銀行休日に係るものを検出する(S31,S32,S33)。
即ち、この場合には、単一の又は連続した銀行休日の前日までは前記銀行入金ルール(1)の場合と同様に処理されており、銀行休日になるとPOSデータは平日と同様に受信するがEBデータは受信せず、銀行休日の翌日になった段階で、その日と銀行休日分を合計した入金金額に係るEBデータを受信することになるため、その期間に受信したPOSデータを検出する。
そして、受信EBデータの入金金額データと検出した各POSデータの売上金額データの合計金額とを突合し、その突合結果を、口座情報と店舗情報、EBデータの入金日及びPOSデータのPOS締め日(銀行休日ルール適用に係る合算期間)と共にHDD33の所定アドレス領域Acにセーブする(S33→S37)。
【0035】
例えば、ROM31が格納している2010年9月のカレンダー情報は図12のようになっているが(但し、“0”は平日フラグ、“1”は休日フラグである)、11日(土)と12日(日)は銀行休日で店舗口座への入金処理が行われず、それらの日にATMで振り込まれた売上現金は翌営業日である13日(月)に入金処理がなされるため、データ処理サーバ30では、図13に示すように、11日(土)〜13日(月)の3日間のPOSデータの売上金額データを合計し、13日(月)のEBデータの入金金額データと突合させる。
尚、平日入金ルールは当日であるため、連休前後の10日(金)及び14日(火)のPOSデータの売上金額データは、それぞれ同日のEBデータの入金金額データと突合される。
【0036】
また、銀行休日を多く含んだ17日(金)〜27日(月)の期間について前記ステップ27の適用を行うと、図14に示すように、18日(土)〜21日(火)の4日間のPOSデータの売上金額データを合計して21日(火)のEBデータの入金金額データと突合させ、23日(木)と24日(金)のPOSデータの売上金額データを合計して24日(金)のEBデータの入金金額データと突合させ、25日(土)〜27日(月)の3日間のPOSデータの売上金額データを合計して27日(月)のEBデータの入金金額データと突合させるという処理になり、他の17日(金)と22日(水)は前記平日ルールに従って当日のPOSデータの売上金額とEBデータの入金金額の突合になる。
【0037】
一方、ステップS21で確認した銀行入金ルールが『平日入金ルールが翌日で銀行休日ルールが翌営業日』(以下、「銀行入金ルール(4)」という)であり、EBデータの入金日付がROM31のカレンダー情報を参照して銀行休日の翌日である場合には、HDD33の所定アドレス領域Apにセーブされている受信POSデータから、前記ステップS21で確認した店舗特定情報である店舗コードを有し、且つPOS締め日が単一の又は連続した銀行休日に係るもの、及びその銀行休日の前日に係るものを検出する(S34,S35,S36)。
即ち、この場合には、単一の又は連続した銀行休日の前日まで及び前記銀行休日が明けた翌々日以降は前記銀行入金ルール(2)の場合と同様に処理されており、当日受信したEBデータに対して前日受信したPOSデータを対応付けて検出するが、銀行休日になるとPOSデータは平日と同様に受信するがEBデータは受信せず、銀行休日の明けた翌日のEBデータの入金金額データに対して前記銀行休日及びその前日に係るPOSデータの売上金額データが対応することになるため、その期間に受信したPOSデータを検出する。
尚、受信EBデータの入金金額データと検出した各POSデータの売上金額データの合計金額とを突合し、銀行休日ルール適用に係る合算期間・口座情報・店舗情報と共に前記突合結果をHDD33の所定アドレス領域Acにセーブことは、銀行入金ルール(3)の場合と同様である(S36→S37)。
【0038】
例えば、この銀行入金ルール(4)について、前記銀行入金ルール(3)の事例の場合と同様に、2010年9月における9日(木)〜14日(火)と17日(金)〜27日(月)の期間についてみると、図15及び図16のようになる。
9日(木)〜14日(火)の期間において、10日(金)及び11日(土)のPOSデータの売上金額データに対応する売上金の店舗口座への入金処理は本来翌日に行われるのであるが、翌日である11日(土)及び12日(日)はそれぞれ銀行休日であるために、いずれも翌日に入金処理がなされず、12日(日)のPOSデータの売上金と共に、銀行休日の翌営業日である13日(月)に入金処理がなされる。
したがって、図15に示すように、10日(金)〜12日(日)の3日間のPOSデータの売上金額データを合計し、13日(月)のEBデータの入金金額データと突合させる。
【0039】
また、銀行休日を多く含んだ17日(金)〜27日(月)の期間について前記ステップ36,S37の適用を行うと、図16に示すように、18日(土)〜21日(火)の4日間のPOSデータの売上金額データを合計して21日(火)のEBデータの入金金額データと突合させ、23日(木)と24日(金)のPOSデータの売上金額データを合計して24日(金)のEBデータの入金金額データと突合させ、25日(土)〜27日(月)の3日間のPOSデータの売上金額データを合計して27日(月)のEBデータの入金金額データと突合させるという処理になり、他の17日(金)と22日(水)は前記平日ルールに従って当日のPOSデータの売上金額データとEBデータの入金金額データの突合になる。
【0040】
尚、図11のステップS32及びS35においてEBデータの入金日付が銀行休日の翌日ではなかった場合、データ処理サーバ30は銀行休日にEBデータを受信することはないため、それぞれ図10のステップS22及びS25の条件によるステップS23及びS26の検出処理がなされることになる。
【0041】
ところで、上記実施形態では述べていないが、各店舗(a,b-1,b-2,c,…,x)からの入金方法がATMによる場合において、一部のATMでは、紙幣の入金だけが可能で、硬貨は入金できないことがあり、そのような店舗では、硬貨だけを一週間分まとめて特定の曜日に入金するようなことが行われている。
このような入金方法をとる店舗については、紙幣の入金に関しては上記の銀行入金ルール(1)〜(4)で対応すると共に、マスターテーブルに別途硬貨入金ルールを設けて、入金の曜日やその曜日が休日であった場合の措置等を規定しておくことで対応することが可能である。
【0042】
以上に説明した手順によって、データ処理サーバ30におけるHDD33の所定アドレス領域Acには、受信EBデータの入金金額データとその受信EBデータに対応付けられたPOSデータの売上金額データとの突合結果が、口座特定情報と店舗特定情報の全部又は所要データ、入金金額と入金日及び売上金額と売上日に対応させてセーブされてゆく。
【0043】
例えば、店舗口座への入金日が2010年9月15日であるEBデータ(図7)に対応したPOSデータ(図6)に基づいて各店舗(a,b-1,b-2,c,…,x)に係る店舗口座への入金金額データと売上金額データとを突合させた結果は、図10のフローチャートに示す手順が実行されることにより、図17(A)のような一覧表形式の管理データとしてHDD33の所定アドレス領域Acにセーブされる。
この一覧表において、平日入金ルールが「当日」になっている各店舗a,b2,xの店舗口座に関してはEBデータの入金日付である2010年9月15日がそのまま売上日(POS締め日)になっているが、「翌日」になっている各店舗b1,cの店舗口座に関しては売上日(POS締め日)がEBデータの入金日付の前日(9月14日)になっている。
そして、入金金額データと売上金額データの突合結果で異なっていたのは店舗b2であり、その事実は一覧表をディスプレイに表示させて突合結果欄を見るだけで極めて容易に確認できる。
【0044】
また、店舗口座への入金日が2010年9月13日(銀行休日の翌日)であるEBデータに対応したPOSデータについて、各店舗口座への入金金額データと各店舗(a,b-1,b-2,c,…,x)の売上金額データとを突合させた場合を仮定して得られる一覧表形式のデータを図17(B)に示す。
この場合は、銀行休日ルールが適用される場合に相当し、図10のフローチャートに示す手順が実行された場合の突合結果となる。
したがって、EBデータでの入金金額は3日間分の売上に係る金額であり、売上金額は売上日の欄に示されている9月11日〜9月13日(平日入金ルールが当日の場合)又は9月10日〜9月12日(平日入金ルールが翌日の場合)のPOSデータの売上金額の合計額である。
【0045】
尚、前記のように銀行休日が絡んだ場合における突合結果のまとめ方として、図18に示すような一覧表形式のデータ構成として表示させてもよい。
これは、前記のように、銀行休日が絡むと、POSデータが日々の売上金額データを計上するのに対し、EBデータは休日明け営業日にその間の合計入金金額データになっていることについて、単に合計金額同士を突合させるのではなく、銀行休日が絡んだ最初の売上日から順に日々の売上金の消し込みを行い、違算があった場合には最終日に計上させる方法に基づいており、入金金額データは仮想的なものであるが、会計処理上の実務に対応したものと言える。
【0046】
図1に戻って、情報処理サービス会社のデータ処理サーバ30にセーブされた前記一覧表形式のデータは、コンビニエンスストア運営会社の本部(小売店本部)の売上管理用端末50からインターネットを介してデータ処理サーバ30をアクセスすることで閲覧可能とされる。
即ち、データ処理サーバ30では、売上管理用端末50から入金日付を指定した閲覧請求を通信I/F37で受信すると、HDD33のアドレス領域Acにセーブされている突合処理データから入金日が指定された日付になっているものを検索して検出し、図17に示すような一覧表形式のデータに調整し、その調整後のデータを通信I/F37からインターネットを介して売上管理用端末50へ転送する。
この場合、アクセスをするには情報処理サービス会社が顧客に付与したIDやパスワード等の入力を必要とすることは当然である。
【0047】
また、以上の実施形態では、データ処理サーバ30が単一の顧客(コンビニエンスストア運営会社)の売上管理を行う場合について説明したが、複数の顧客を対象とすることも可能である。
その場合には、顧客コードを付加したPOSデータが受信できるようにし、図3のマスターテーブルを顧客毎に作成して前記顧客コードで識別できるようにしておくことで、顧客別の突合結果に係る一覧表形式のデータを作成すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、多数の店舗におけるPOS端末の売上金額データと各店舗の銀行口座へ振り込まれた売上金額データとの突合処理を実行して売上を管理する装置に適用できる。
【符号の説明】
【0049】
1a,1b-1,1b-2,1c,…,1x…コンビニエンスストアである各店舗に設けられたPOS端末、2a,2b,2c,…,2x…各店舗が口座(店舗口座)を開設している銀行の口座管理サーバ、10…POS会社が運用するPOS管理サーバ、20…コンビニエンスストア運営会社が口座(本部口座)を開設している銀行(Z)の口座管理サーバ、30…情報処理サービス会社が運用するデータ処理サーバ、40…コンビニエンスストア運営会社の本部(小売店本部)に設置している売上管理用端末、31…ROM、32…RAM、33…HDD、33a…HDDコントローラ、34…キーボード、34a…キーボードI/F、35…LCDディスプレイ、35a…ディスプレイコントローラ、36…プリンタ、36a…プリンタコントローラ、37…通信I/F、38…CPU。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信回線を介して外部とデータ通信を行う通信手段と、
多数の店舗にそれぞれ設置されているPOS端末で一日毎の締め処理がなされた際に通信回線を介して転送されるデータであって、POS締め日情報と売上金額データと店舗特定情報を含むPOSデータが前記通信手段で受信された場合に、それらの情報を記憶する第1記憶手段と、
前記各店舗での前記締め処理後に、前記各店舗が一日の売上金を前記各店舗が金融機関に開設している口座(以下、「店舗口座」という)へ振り込み、前記金融機関が前記各店舗口座への入金処理を行った後、前記金融機関が提供するEB(Electric Banking)サービスにより通信回線を介して得られるデータであって、口座特定情報と入金日情報と入金金額データを含むEBデータが前記通信手段で受信された場合に、それらの情報を記憶する第2記憶手段と、
前記各店舗について、店舗特定情報、店舗口座の口座特定情報、及びPOS締め日が金融機関の休日に該当する場合とそれ以外の平日の場合に分けて、POS締め日と店舗口座への売上金の入金日との期日関係を定めた金融機関入金ルール情報を対応させて記憶した第3記憶手段と、
金融機関の休日が記録されているカレンダー情報を記憶した第4記憶手段と、
前記第2記憶手段が受信EBデータを記憶した場合に、前記第3記憶手段においてその受信EBデータの口座特定情報と同一の口座特定情報に対応させてある店舗特定情報と金融機関入金ルール情報を確認し、前記第1記憶手段が記憶しているPOSデータの内、前記確認した店舗特定情報を有し、且つ受信EBデータの入金日情報と前記第4記憶手段のカレンダー情報と前記確認した金融機関入金ルール情報に基づいて求められるPOS締め日情報を有しているPOSデータを検出するデータ検索手段と、
前記受信EBデータの入金金額データと前記データ検索手段が検出したPOSデータの売上金額データ(但し、POSデータが複数の場合は各POSデータの売上金額データの合計金額データ)とを突合して合致するか否かを求める突合手段と、
前記突合手段が求めた突合結果を、少なくとも口座特定情報と店舗特定情報のいずれか一方又は双方、及び受信EBデータの入金日情報に対応させた管理データとして記憶する第5記憶手段と
を備えたことを特徴とする売上管理装置。
【請求項2】
前記店舗特定情報が、店舗コードと店舗名のいずれか一方又は双方である請求項1に記載の売上管理装置。
【請求項3】
前記口座特定情報が、金融機関コード、その支店コード及び口座番号と振込人名義のいずれか一方又は双方である請求項1又は請求項2に記載の売上管理装置。
【請求項4】
前記通信手段が外部の売上管理用端末から通信回線を介して入金日を指定した閲覧請求を受信した場合に、前記第5記憶手段が記憶している管理データの内、前記指定入金日と同一の入金日情報を有する管理データを抽出するデータ抽出手段と、
前記データ抽出手段が抽出した管理データを前記通信手段で通信回線を介して前記売上管理用端末へ伝送するデータ伝送手段と
を備えた請求項1、請求項2又は請求項3に記載の売上管理装置。
【請求項5】
通信回線を介して外部とデータ通信を行う通信手段を備えた売上管理装置に適用される売上管理方法であって、
多数の店舗にそれぞれ設置されているPOS端末で一日毎の締め処理がなされた際に通信回線を介して転送されるデータであって、POS締め日情報と売上金額データと店舗特定情報を含むPOSデータが前記通信手段で受信された場合に、それらの情報を第1記憶手段に記憶させる第1ステップと、
前記各店舗での前記締め処理後に、前記各店舗が一日の売上金を店舗口座へ振り込み、前記金融機関が前記各店舗口座への入金処理を行った後、前記金融機関が提供するEBサービスにより通信回線を介して得られるデータであって、口座特定情報と入金日情報と入金金額データを含むEBデータが前記通信手段で受信された場合に、それらの情報を第2記憶手段に記憶させる第2ステップと、
前記各店舗について、店舗特定情報、店舗口座の口座特定情報、及びPOS締め日が金融機関の休日に該当する場合とそれ以外の平日の場合に分けて、POS締め日と店舗口座への売上金の入金日との期日関係を定めた金融機関入金ルール情報を対応させて記憶した第3記憶手段と、金融機関の休日が記録されているカレンダー情報を記憶した第4記憶手段とを用い、前記第2記憶手段が受信EBデータを記憶した場合に、前記第3記憶手段においてその受信EBデータの口座特定情報と同一の口座特定情報に対応させてある店舗特定情報と金融機関入金ルール情報を確認し、前記第1記憶手段が記憶しているPOSデータの内、前記確認した店舗特定情報を有し、且つ受信EBデータの入金日情報と前記第4記憶手段のカレンダー情報と前記確認した金融機関入金ルール情報に基づいて求められるPOS締め日情報を有しているPOSデータを検出する第3ステップと、
前記受信EBデータの入金金額データと前記第3ステップで検出されたPOSデータの売上金額データ(但し、POSデータが複数の場合は各POSデータの売上金額データの合計金額データ)とを突合して合致するか否かを求める第4ステップと、
前記第4ステップで求めた突合結果を、少なくとも口座特定情報と店舗特定情報の何れか一方又は双方、及び受信EBデータの入金日情報に対応させた管理データとして第5記憶手段に記憶させる第5ステップと
を含むことを特徴とする売上管理方法。
【請求項6】
前記店舗特定情報が、店舗コードと店舗名の何れか一方又は双方である請求項5に記載の売上管理方法。
【請求項7】
前記口座特定情報が、金融機関コード、その支店コード及び口座番号と振込人名義のいずれか一方又は双方である請求項5又は請求項6に記載の売上管理方法。
【請求項8】
前記通信手段が外部の売上管理用端末から通信回線を介して入金日を指定した閲覧請求を受信した場合に、前記第5記憶手段が記憶している管理データの内、前記指定入金日と同一の入金日情報を有する管理データを抽出する第6ステップと、
前記第6ステップで抽出した管理データを前記通信手段で通信回線を介して前記売上管理用端末へ伝送する第7ステップと
を含んだ請求項5、請求項6又は請求項7に記載の売上管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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