説明

外科手術用ハンマー

本発明はハンマー頭部(2d)を提示する手術用のハンマー(1d)に関し、その際ハンマー頭部は、本質的に円筒形をなし、移植組織、特に髄内のくぎやキルシュナー鋼線を挿入ないし抽出する装置(17d)により受け取られる凹所(6d)を少なくとも有する。本発明に従い凹所(6d)は少なくとも2つに区別された領域、つまり挿入チャンネル(7d)および施錠部(9d)から形成され、その際挿入ないし抽出の装置(17d)は施錠部でロックすることができる。さらに発明に従いハンマー頭部の基部(5d)はそれ自体閉じている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は移植組織、特に髄内のくぎやキルシュナー鋼線を挿入ないし抽出する際に、しかしまたその他のハンマーの手術における活用のために考慮された外科手術用ハンマーに関する。
【背景技術】
【0002】
US−A−5,476,467およびWO−A1−80/00534から移植組織、特に髄内の釘を挿入ないし抽出する装置において扱われる外科手術用のハンマーが知られている。このハンマーは、円筒形をなし、挿入ないし抽出装置の上をハンマーがすべっていく中心に配置された縦軸に従う穿孔を提供されている。このハンマーに関するマイナス面は、外科医が手でシリンダーの側面をつかむことによりハンマーに力が加わることがあるため、ハンマーの扱いが難しいことである。さらにマイナス面は、このハンマーがそれぞれの導入装置とのみ使用できるということである。
【0003】
改良された手術用ハンマーは、予め引用された資料と同じように手術用ハンマーの操縦が軽減できるハンマーの柄を付加的に提示する円筒形の頭部のハンマーを開示したUS−A−5,913,860およびDE−C1−198 60 569から知られている。さらにUS−A−5,913,860の手術用ハンマーは円筒の穿孔だけではなく凹所も示すため、手術用ハンマーは、導入装置の組み立て後に導入できる。さらにそれによりこの手術用ハンマーは、自在に設定することができる。それゆえそれは、例えば、釘を直接打ち込むハンマーとしても使用できる。しかし、マイナス面といえるのは、スリットの入った形態によりハンマー頭部がもはや移植装置、例えば、操縦バーに安全に固定されず、外科医は、ハンマーを動かす際にハンマーが操縦バーにより滑り落ちないように注意しなければならないため、ハンマーの操縦が導入装置において難しくなる点である。それにより一方で精度が低下し、他方で執刀医ないし執刀医を取り巻くスタッフが、けがをする危険も増加する。
【0004】
その他のマイナス面は、ハンマーで通常叩く際に使用される円筒の頭部の底面にスリットが入ることである。それにより叩く際の扱いが難しくなる。釘頭部ないし釘の尾部または挿入のために使用されるその他の道具がスリットとではなく、傷のない面と合うようにする必要があるからである。それゆえこのように作られたハンマーは、側面自体が使用されることにより、通常打ち込む道具として使用される。しかしハンマー頭部のスリットの入った形態において、これはハンマーが打ち込む際にはずむ傾向にあるという欠点をもたらす。
【0005】
ハンマー頭部が、操縦バーにより横方向で除去されないようにするために形成された操縦バー対応のガイド経路を提示する手術用のハンマーがUS−B2−6,592,590から知られている。しかしこの装置に関するマイナス面は、ハンマー頭部の打撃面が同様に打ち抜かれるため、ハンマーが操縦バーと結合した場合のみ信頼できることである。さらに操作は、スリットの入ったハンマーと比較することにより改良されるが、そこで開示されたハンマー頭部は少し傾いて操縦バーから下へ滑るようになる。正確に垂直に打ち込むことが人間の自然な動きに逆らうために、比較的これは素早く生じる。打つ際に軽く弧を描くことはプラスといえるが、これによりまさに操縦バーがハンマー頭部の操作から滑るように動くことになる。
【0006】
【特許文献1】US−A−5,476,467号
【特許文献2】WO−A1−80/00534号
【特許文献3】US−A−5,913,860号
【特許文献4】DE−C1−198 60 569号
【特許文献5】US−B2−6,592,590号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って発明者は、周知のシステムが特に以下の点に関してマイナスとなることを認識した。
【0008】
a)手術用の移植組織を挿入ないし抽出する装置、例えば、操縦バーの操作、及びb)スリットの入った手術用ハンマーの弾むような形態ないし打ち抜かれた打撃面ゆえに、打ち込む道具としての使用。
【0009】
本発明の根底にはいわば移植組織を挿入ないし抽出する装置に都合の良い操作を準備し、組み立ててからこれに組み込むことができ、そして挿入ないし抽出する装置の外側でも信頼して打ち込むことができる手術用のハンマーを用意するという課題がある。それはいわば記述されたようなマイナス面をさけ、さらにこれまでのハンマーよりも自在にそして安全に組み込むことができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題は請求項1に記載の外科手術用ハンマーにより解決される。諸々の有利な形態は下位請求項の対象となる。
【0011】
本発明に従う外科手術用ハンマーは、ハンマー頭部を備え、その際ハンマー頭部は、本質的に円筒形をなす。ハンマーは、移植組織、特に髄内の釘やキルシュナー鋼線を挿入ないし抽出する装置、たとえば抽出バーまたは滑り棒としても記される操縦バーが受け取ることができる凹所を少なくとも有する。発明に従い凹所は、少なくとも区別された2つの領域、つまり導入経路と施錠部により形成され、その際挿入ないし抽出する装置が施錠部でロックされる。さらに発明に従いハンマー頭部の底面は、それ自体閉じている。優先される実施例に従い施錠部は、本質的に放射状の方向で拡張する。
【0012】
挿入ないし抽出する装置が導入される領域は、以下のように導入経路として記され、装置が導入後打ち込まれる領域は、以下のように施錠部として記される。
【0013】
「移植組織を挿入ないし抽出する装置」という概念には、移植組織、たとえば髄内の釘またはキルシュナー鋼線を挿入ないし抽出するために使用する装置すべてが入る。特に提出されている発明のために、抽出バーまたは滑り棒としても記される操縦バーが理解される。
【0014】
凹所とそれに伴う導入経路そして施錠部は、挿入ないし抽出する装置、例えば、操縦バーを導入する操縦面を整える。挿入ないし抽出する装置は、凹所に導かれるだけでなく、施錠部においてバーがロックされるため、これは挿入ないし抽出の過程でハンマー頭部により解除されない。凹所の要素の配置は、ハンマーで打ち込む間に挿入ないし抽出する装置が外れないようにする。ハンマーが少し傾いて駆動する場合でも、ハンマー頭部は、操縦バーにより滑り落ちることはない。さらにプラスなことは、外科医にとってさらに適した打ち込み方向が生じることである。施錠部において一種のあそびが残るため、打つ際に軽く弧を描くにもかかわらず操縦バーはより安全に操作される。
【0015】
ハンマー頭部の底面は、それ自体閉じているため、ハンマーは打つための「標準」ハンマーとして使用される。従ってハンマーにより一般的に親しんでいるように、2つの打撃面が存在する。
【0016】
最初に優先される実施例に従い凹所は、3つの区分された領域、つまり互いに結合する導入経路、軸経路そして施錠部により形成される。その領域は、それぞれの領域がそれ自体、他の空間または経路により覆われないハンマー内部にある1つの空間を要求する限り区別される。それぞれの経路または施錠部も、次に接続する経路または空間に到達する前に装置全体を通ることになる移植組織の挿入ないし抽出装置のために操縦範囲を形成する。それにより、挿入ないし抽出装置、特に、操縦バーが最先端の装置と比較しながら操作を改良することはプラスである。
【0017】
別の表現をすれば凹所は、挿入ないし抽出装置が差し込み継ぎ手のように導入できるよう形成される。従って装置は、ハンマーにうまく入るが、その際、最先端の周知のスリットの入ったハンマーの場合のように、これはそれぞれの水平ないし垂直の動きによりできず、またUS−B2−6592590から知られるハンマーの場合のように、水平の動きと傾く動きによりできず、凹所は、少なくとも主に水平と垂直の導入が必要となるように形成され、その際、付加的になお回転しながら動く必要がある。
【0018】
いわば凹所は、直角に形成され、装置がまず導入される領域は以下のように導入経路として記され、装置が導入されてから叩かれる領域は、以下のように施錠部として記される。この空間の軸は、平行に走らず、互いに直角をなして配置される。
【0019】
さらに、導入経路と施錠部が、直接区別されないことが優先される。反対にそれらの面は、優先される実施例においてほぼ平行に走る。導入経路と施錠部は、その代わりに軸経路により結合される。
【0020】
本発明のその他の実施例に従い、導入経路は、ハンマー頭部の縦軸とおよそ20°から70°、特に40°から50°の角度で配置される。従って、導入経路は、ハンマー頭部の側面と斜めになる。導入経路と施錠部は、互いにおよそ20°から70°、特に、30°から40°の角度で配置される。従って施錠部は上述のように優先的に放射状に調整される。従って挿入ないし抽出装置を導入する際、ハンマー頭部はこれに斜めにのせられ、導入経路に入る。引き続き頭部は、水平の位置に回されて、さらに施錠部に押し込まれる。それにより挿入ないし抽出装置は、施錠部でロックされ、ハンマーは、挿入ないし抽出に応じた打撃のために使用される。この実施例においても凹所の要素の配置は、ハンマーで打つ間に挿入ないし抽出装置が外れないようにする。ハンマーが少し斜めに動かされた場合ですら、ハンマー頭部は、操縦バーにより滑ることはなくなる。さらにプラスといえるのは、外科医にとって適した打撃方向が生じることである。施錠部に一種のあそびが残るため、打つ際に軽い弧が描かれるにもかかわらず操縦バーはさらに安全に操作される。
【0021】
優先される実施例に従い、施錠部は、移された張り出しにより制限される。この張り出しは、付加的に凹所の個々の範囲の発明に従う配置のために挿入ないし抽出装置のハンマー頭部のすべりを防ぐ。後者は、張り出しにより付加的に抑えられる。
【0022】
本発明とその変種の継続的な形成は、従属の請求項ならびに図面の説明の中に記載されている。
【0023】
本発明の意味で、円筒形でない形態のハンマーもある。それゆえ側面はたる型にも形成されまたは円筒形または平らな打撃面も囲むことができる一方、残りは底面に基づきたる型となる。
【0024】
ハンマー頭部にある凹所の発明に従う形態により、特に、以下のよう改良がなされる。
【0025】
ハンマー頭部が、挿入ないし抽出装置の組み立て後に導入できるにもかかわらず、ハンマー頭部には、装置を伝わって一種のロックがかかる。区別された範囲、つまり導入経路、軸経路そして施錠部を考慮することにより、操縦バーの導入は複雑となるため、ハンマー頭部を再び装置から取り外すことは反対方向で同じ差込み継ぎ手のような導入を通してのみ可能となる。しかし、このような動きは、ハンマーで叩く際に実行されず、従ってハンマーは装置上で叩く間にもロックされたままとなる。
【0026】
安全な操縦により正確な打撃が可能となり、これは、移植組織の打ち込みにも取り出しにもプラスに感じ取れる。不正確な打撃により移植組織や道具の傷および損傷がしばしば実現するためである。
【0027】
ハンマー頭部にある凹所の発明に従う形態により、完全な打撃力が維持される。優先される実施形態において凹所は、専ら側面で考慮される。底面は、いわば根本的に傷がつかない。
【0028】
それにより手術用ハンマーの底面全体は、打撃面として維持される。しかし凹所が底面も当たるように取り付けられた場合でも、打撃力は、側面上で十分に維持される。凹所の導入経路、軸経路そして施錠部の差し込み継ぎ手の配置により打つ際の弾力性は圧倒的に阻止される。
【0029】
それに加えてハンマー頭部の重心が延長されたハンマーの柄の軸ないし−巻きつけられた状態で−操縦バーの軸に置かれると、操縦バーを操作する間に傾いてしまうような危険は減少する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明は図面を使用してさらに模範的に制限なしに説明される。図形は、公差させながら記される。同じ要素は、同じ関連記号を担う。類似した課題を持つが異なる形成といえる要素は異なる特徴をもつ関連記号を担う。図形の記述、関連記号のリストおよび特許請求の範囲は本発明の開示の意味で相補的となる。
【0031】
図1において操縦バー17にある手術用ハンマーは、本発明に従い図示される。手術用ハンマー1aは、ハンマー頭部2aとハンマーの柄3aを提示する。ハンマーの柄3aは、最初だけが示される。ハンマー1aにおいて操縦バー17が導入され、その際、操縦バー17の位置は、凹所6aに導入されてから直ちにダッシュつきの操縦バー17′により示される。操縦バー17の端部、つまりハンマー1aは、操縦バーを伝わって導かれ、衝撃力がハンマーにより伝わる位置は、操縦バー17の引き出し線により示される。操縦バー17も−従来のもののため−全体の形態と長さは示されない。
【0032】
ハンマー頭部2aは、側面4aと2つの底面5aを示す。ハンマー頭部2aでは導入経路7a、軸経路8aそして施錠部9aを示す凹所6aが、形成される。凹所6aは、スリットのように形成される。スリットの大きさは、導入されるべき装置に向けられ、これは凹所6aの直径が操縦バー17の直径に適応されることを意味している。いずれにせよ凹所6aは、放射状に−ハンマー頭部の縦軸11に関して−従来のスリットの入ったハンマーにある従来のスリットよりも本質的に短い。しかし、US−B2−6592590に従うハンマーのように長さはほぼ同じであり、その際、それに反して発明に従う導入経路が偏心的に配置されるため、US−B2に従う周知のものは該当する場合よりも凹所6aに対してより大きな距離で示される。これにより−特に従来のスリットの入ったハンマーと比較すると−上記底面5aで打つ場合に、振動の危険が少なくなる。
【0033】
図1から導入経路7aと施錠部9aは、互いに平行に配置されず、直角となることが分かる。この角度は、およそ20°から160°、特に30°から150°となる。
【0034】
その際発明に従い優先して角度がいずれにせよ大きく選択されるため、操縦バー17は、標準のスライド式の打撃操作において軸管8aを経て再びずらされる。
【0035】
図1の実施例において、導入管7aと軸管8aは、施錠部9aと他の角度で配置されるが、同様に導入管7aは軸管8aおよび施錠部9aと他の角度で配置できる。専ら優先して導入管7aと施錠部9aが、直角に互いに置かれ、軸管8aと記される3番目の領域を通して互いに結合する。
【0036】
図2における動きの説明の概要からこれは明らかである。手術用ハンマーないし凹所6aが、図1に応じて形成される場合、図2Aは、操縦バー17を導く際の動きである。動きの方向の全体図は、図2の記述において図1からハンマーの頭部2aのたて軸11と関連する。
【0037】
従って、操縦バー17を凹所6aに導入する際、まず放射状の動き14が実行される。引き続き操縦バー17は、ハンマーの頭部2aの縦軸11と平行に導かれる。軸の動き15が、実行される。それと関連して施錠部9aの面に到達すると、回転しながら動いていく16。
【0038】
図2Bに示されている他の形態では、まず回転しながら動く16。つまり、操縦バー17は、導入経路において導入され、それからすぐに回される。引き続き、再び、放射状の動き14が連結する軸が動く15。3番目の選択として、操縦して軸経路で回転するように軸経路を形成することができるため、動きの方向が導入経路と施錠部で常に放射状となる一方、軸経路の動きは、軸状にも回転式にもなる。その際、図1の実行時の回転は、常に、ハンマーの頭部の縦軸の周りで行われる。
【0039】
操縦バー17の導入後、良い操縦をするためにロックできる多くの区別された領域が考慮される限り、ハンマー頭部ないしハンマー頭部にある凹所の他の形態も実現可能となることは明らかである。
【0040】
さらに、図1から−操縦バーのないハンマーの操作のために、−打撃面として底面5aが維持されることは明らかである。凹所6aは、円筒のハンマー頭部2aの側面において考慮される。底面5aは、損傷しない。従って、底面5aは、それ自体閉じている。
【0041】
しかし、他の実践は、底面5aと側面4aにある凹所が形成されることを考慮する。この場合、軸経路8が、ハンマー頭部2aの縦軸11とほぼ垂直にある。別の表現をすると、軸経路8は、放射状に配置される。それに対して、図1の実施例において、軸経路8aは、ハンマー頭部2aの縦軸11とほぼ同軸状に配置される。
【0042】
ハンマー頭部3は、優先的に考慮される実施形式となる。先端技術から周知のように、操縦バーと結合してハンマーの柄3のないハンマー頭部2だけを形成することも基本的には可能である。しかし、手術用のハンマー1をすべてのプラス面を伴って使用できるように、ハンマーの柄3の形成が優先される。これは優先してたとえば通常レベルではそれぞれ底面5aに存在する2つの平行面のついた解剖に適した取っ手を持っている。
【0043】
図3では、手術用のハンマー1bの優先された実施例の異なる図が示されている。図3Aは、手術用ハンマー1bの側面を示している。図3Bは、正面を、図3Cは、俯瞰を示している。ハンマー1bは、ハンマー頭部2bと柄3bを示している。ハンマー頭部2と柄3は、優先的に互いに溶接される。柄3bにおいて取っ手10が、考慮される。取っ手10は、主に留めピンにより柄3と結合する。取っ手10は、優先して平坦な面を示し、それにより取っ手は改良され、発明に従うハンマー1が常に正しい位置で手もとにあるようになる。
【0044】
取っ手10は、主に、上手に消毒できる比較的暖かい扱いやすい材料、例えば合成物質の材料から形成される。
【0045】
ハンマー頭部2bと柄3bは、主に、医療の目的に適した金属材料、例えば、5CrNiCuNb16−4から構成されている。
【0046】
さらに、図3や図4の概要から、模範となるハンマー頭部2bの形態が生じる。図4において、ハンマー頭部2bの異なる図が示されている。図4Aは、ハンマー頭部の側面を示し、図4Bは、正面を、図4Cは、遠近法の全体を、図4Dは、俯瞰を示している。
【0047】
表示は、常に、ハンマー頭部2bの内部にある線と要素が表示されるように選択される。
【0048】
ハンマー頭部2bは、本質的に円筒形を備える。主に、側面4bと底面5b間で丸められた辺が考慮され、それにより、図1に従って構造との違いが生じる。
【0049】
凹所6bの配置は、はっきりとしている。凹所6bは、再び導入経路7b、軸経路8bそして施錠部9bにより形成される。特に、図3Cと4Dの図から、導入経路7bと施錠部9bが、互いに直角をなして配置されることが分かる。図4Dにおいて、一方では、操縦バーの縦軸が導入経路7に登録され、関連記号19と記される。
【0050】
一方、図4Dにおいて、操縦バーの縦軸は、施錠部9bに登録され、関連記号20と記される。
【0051】
図3と図4の実施例では、角度αがおよそ80°となる。しかし、これが専ら優先された実践を示している。
【0052】
さらに、図3と図4から、ハンマー頭部2bにおいてハンマーの柄3bの配置が生じる。ハンマーの柄3bが、偏心的に配置されていることが分かる。ハンマーの柄3bは、特に、ハンマーの柄の頭部の重心が、ハンマーの柄の軸12の延長により通り抜けるよう配置される。凹所6bにより条件づけられ、つまりハンマー頭部2bの範囲は、他の範囲よりも軽くなる。
【0053】
図4の表示においてハンマー頭部2bの上部は、凹所6bを提供され、いわば主として塊で形成される下部よりも軽くなる。従って、ハンマーの柄3bのつぎ足し部分13は、図に示されているようにハンマーの頭部2bの下部に向かう方向にずらされる。
【0054】
さらに、施錠部9bとハンマーの柄3のつぎ足し部分13は、ほぼ同じ面にあることが分かる。操縦バー17に関する操作が軽減されるため、これもまたプラス面と見なされる。
【0055】
図5(正面)と図6(背面)において、発明に従うハンマー1Cは、遠近法で示されている。またハンマー1Cは、ハンマー頭部2と再び一部のみが示されているハンマーの柄3cを示している。図5と図6において、操縦バー17は、移植組織の抽出または挿入を操縦バー17経由で成功させるためにロックされ、ハンマーの頭部2cが、バーの上を動いていく位置に示されている。
【0056】
導入管7c、軸管8cそして施錠部9cの配置は、はっきりする。ハンマー頭部2cにおいて、いわば3つの範囲が形成される。導入管7c、軸管8cそして施錠部9cが、存在する中間領域は、自由に通過でき、そして塊で形成された領域により囲まれる。
【0057】
底面5cと5dは、いわば、うまくかたまった通り抜け可能な打撃面を示し、その際、特に、底面5dが適している。凹所6cが、側面4cで形成されるため、底面5cと5dは、傷がつかないこともよくわかる。
【0058】
以下では、発明に従うハンマーの機能が、短く説明される。
【0059】
軸方向でハンマー1を使用する場合、再び、ハンマー頭部2の縦軸が尺度として考慮され、底面5が打撃面として使われることにより、ハンマー1は通常の方法で使用できる。柄の方向に90°回転させると、ハンマー頭部2は操縦バー17の上に通される。ハンマー1を傾けることにより、凹所6は導入経路7を伝わって操縦バー17につながる。ここで、ハンマー頭部は、施錠部9まで到達する限り、軸経路8に移動する。この範囲では、ハンマー頭部2の回転の動きが、操縦バー17の周りで可能となる。従って+60°から−60°の間、優先して+40°から−40°間の角度で回転する。
【0060】
また施錠部9が形成されるハンマー頭部の切削は、例えば、+40°から−50°までの角度で非対称に形成できる。多少の非対称により、操縦バー17のロックは、場合によって施錠部9で改良される。
【0061】
施錠部と導入管は、本質的に平行に走る場合、およそ10mm互いに離れる。選択されたハンマーの材料では、十分に両方の空間に塊が設けられ、ハンマーが十分に安定するためである。
【0062】
ハンマーの柄3のつぎ足し部13と導入経路7は、恐らく、ハンマー頭部2の縁から同じ距離で取り付けられる。軸管8は、導入管7と施錠部9間で結合し、たとえば10.5mmの同じように選択された直径を持つ。
【0063】
軸管8と施錠部9の辺は、丸くなる。必要な丸みが、およそ5mmとなる場合もある。
【0064】
図7−図9では、発明に従う手術用ハンマー1dの他の実施例が示される。その際、図7は、ハンマー1dを俯瞰(A)と側面(B)で示す。図8において、ハンマー頭部2dは、様々な視点から示される。図8Aと図8Cは、正面図であり、図8Bは、側面図である。図9は、手術用ハンマーの機能を詳細に示している。このため、操縦バー17を導入する様々な状態が、様々な視点に立って示される。図9A−図9Cでは、ハンマー頭部2dがそれぞれ遠近的に正面から示されている。図9D、図9Fそして図9Gは、それぞれ俯瞰を示し、図9Gは、遠近的な側面図を示している。
【0065】
手術用のハンマー1dは、ハンマーの頭部2dと、取っ手10dを伴う柄3dを示す。取っ手10dは、図7Aと図7Bの表示を比較すると分かるように優先して平たく作られている。ハンマー1dの縦軸12dは、図7Bにある破線により登録されている。
【0066】
図7Aと図7Bの表示の比較から、さらに底面5dが、それ自体閉じていることが分かる。凹所6dは、底面5dにまで広がらず、側面4dの範囲に制限される。それにより、ハンマー1dの両方の打撃面が、十分に維持されるというプラス面もでる。従って、発明に従うハンマーは、「標準の」ハンマーとしても、例えば、打つために使用される他の先端技術で知られるハンマーとは異なる。従って、外科医は、つながっている操縦バーにより挿入/抽出が実行でき、通常のハンマーのように打つこともできるハンマーのみを必要とする。
【0067】
図7−図9の実施例は、凹所6dの他の実行を示している。これは、導入経路7dと施錠部9dを示す。施錠部9dは放射状に調節される。その空間は、ほぼ水平または別の言い方をすればハンマーの頭部の縦軸11dとほぼ垂直に走る。
【0068】
導入管7dと施錠部9dは、図8Aから分かるように互いに特定の角度αに配置される。施錠部9dの縦軸24と導入経路7dの縦軸23は、およそ20°から70°まで、優先的に40°から50°となる角度αを含む。さらに、導入経路7dの縦軸23とハンマー頭部2dの縦軸11dは、角度βを含む。これはおよそ20°から70°まで、優先的に40°から50°となる範囲にある。図7から図9までの実施例において、それは、およそ40°となる。従って、導入経路7dは、図7から図9にかけて分かるように、その縦軸11dと相対的にハンマー頭部2dに配置される。導入経路7dは、操縦バー17dの導入を認めるように整えられる。
【0069】
施錠部9dは、縦穴形式に作られる。操縦バー17dは、このスリットの中を走る。施錠部9dは、その上斜めに整えられるため、図9Fと図9Gから分かるように、操縦バー17dをハンマー頭部の中央で回転することができる。外面に対して施錠部9dは、少なくとも優先的に2つの張り出し21により制限される。この張り出し21は、互いに置換して配置される。図8Aから分かるように、張り出し21であればより正確に導入経路7dの側面に配置される。
【0070】
図9の一連の図から、ハンマー頭部2dの機能が詳細に理解される。その際、操縦バー17dは、図9Eを除けば常に縦に調節される。導入するためにハンマー頭部2dは、まず斜めに操縦バー17dに設定されるため、これは導入経路7dに導くことができる(図9A)。次にハンマー頭部2dは、水平の位置で回される(図9B、図9C)。これでハンマー頭部2dは操縦バー17dが中心位置に来るまでの間、さらにずらされる(図9D、図9E)。この状態でハンマー頭部2Dは、操縦バー17dにつなげられる。これで外科医は、上下の動きに対して操縦バーを動かすことができる。つまり、必要に応じて、移植細胞を挿入したりまたは抽出したりできる。
【0071】
図9Bと図9Cから分かるように、操縦バー17dは、施錠部9dにおいて張り出し21によりロックされる。張り出し21は、施錠部9dを外に向けて制限する。しかし、凹所6dの発明に従う形態により、張り出し21が、操縦バー17dを導入する際に障害とはならない。
【0072】
図9Fと図9Gから、移植組織、例えば、髄内釘を挿入ないし抽出するために、ハンマー1dを使用する際、外科医が関わることになる動きの範囲は明らかとなる。ハンマーの頭部は、矢印22が示すように操縦バー17dを経ておよそ80°の大きな角度でハンマー頭部の中央により動かされる。それにより、外科医は、挿入ないし抽出時に弧を描くことができ、これは自然な打撃の動きに近づいていく。
【0073】
発明に従うハンマー頭部2は、一方で、外科医が挿入ないし抽出装置を動かす際に大きなあそびを認め、他方で、外科医は正確に操縦でき、挿入ないし抽出装置からハンマー頭部2が滑らないようにできる。最後に、ハンマー1も通常のハンマーのように使用できるため、広範に使用される。
【0074】
有利な形態によりハンマー2は、およそ半径3mmの縁に丸められた。ハンマー頭部にある柄に対応の穿孔は、およそ10mm程度でハンマーの頭部に到達する。ハンマー頭部のカバーの高さは、例えば、およそ73.5mmであり、その際、およそ32mmから33mmまでの柄に対応の穿孔は、ハンマー頭部の縁から離れてハンマー頭部で使用される。
【0075】
移植組織を挿入または抽出する装置が、丸くて、直径がおよそ10mmある場合、安全な操縦と同時に安全な停止を操作の際に提供するように、凹所6はおよそ10.5mmの範囲にあるべきである。すべての凹所6は、優先して丸められる。
【0076】
取っ手10が手もとに馴染むように、長さは、およそ120mmから130mm、例えば、およそ129mmとなる一方、取っ手のある全体の柄は、約2倍、つまり260mmの長さとなる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】発明に従い使用する場合の発明に従う手術用のハンマーを示す図である。
【図2】発明に従うハンマーの凹所において挿入ないし抽出装置の操作方法を示す図である。
【図3】異なる視点に立った手術用のハンマーの優先される実施例を示す図である。
【図4】様々な視点に立った手術用のハンマーの頭部を示す図である。
【図5】発明に従う手術用のハンマーの正面からの遠近図を示す図である。
【図6】背面からの図5に記されたハンマーを示す図である。
【図7】発明に従う手術用ハンマーの他の実施例を俯瞰(A)と側面(B)で示す図である。
【図8】様々な視点に立った図7のハンマーの頭部を示す図である。
【図9】図7および図8のハンマーの頭部の機能を示す図である。
【符号の説明】
【0078】
1 手術用ハンマー、2 ハンマー頭部、3 ハンマーの柄、4 側面、5 底面、6 凹所、7 導入経路、8 軸経路、9 施錠部、10 取っ手、11 縦軸のハンマー頭部、12 縦軸のハンマーの柄、13 ハンマーの柄のつぎ足し部、14 放射状の動き、15 軸の動き、16 回転する動き、17 操縦バー、18 丸められた縁、19 導入経路7にある操縦バー17の縦軸、20 施錠部9にある操縦バー17の縦軸、21 張り出し、22 矢印、23 導入経路7の縦軸、24 施錠部9の縦軸。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科手術用ハンマー(1)であって、
ハンマー頭部(2)を備え、ハンマー頭部は、本質的に円筒形をなし、移植組織、例えば、髄内の釘やキルシュナー鋼線を挿入ないし抽出する装置(17)が受入れることができる少なくとも凹所(6)を有し、凹所(6)は少なくとも2つの区別された領域、つまり導入経路(7)と施錠部(9)により形成され、その際挿入および抽出装置(17)は施錠部でロックがかかり、ハンマー頭部の底面(5)がそれ自体閉じていることを特徴とする外科手術用ハンマー。
【請求項2】
施錠部(9)が、本質的に放射状に延びることを特徴とする請求項1に記載の外科手術用ハンマー。
【請求項3】
導入経路(7)と施錠部(9)が、ほぼ10°から160°まで、特におよそ20°から150°の角度(α)で互いに配置されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の外科手術用ハンマー。
【請求項4】
凹所(6)は、付加的に軸経路(8)を示し、導入経路(7)と軸経路(8)が施錠部(9)に対しておよそ20°から160°まで、特におよそ30°から150°までの角度で配置されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の外科手術用ハンマー。
【請求項5】
導入経路(7)が、軸経路(8)と施錠部(9)に対しておよそ20°から160°まで、特におよそ30°から150°までの角度で配置されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の外科手術用ハンマー。
【請求項6】
角度(α)が、およそ80°となることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか1つに記載の外科手術用ハンマー。
【請求項7】
ハンマーが、ハンマー頭部(2)の縦軸(11)に関して放射状(14)および軸状(15)に動きそして回転(16)しながら動くことにより導入できるよう凹所(6)が形成されることを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の外科手術用ハンマー。
【請求項8】
軸経路(8)は、中間の軸レベルを伴い少なくともほぼハンマー頭部(2)の縦軸(11)に配置されることを特徴とする請求項1から7のいずれか1つに記載の外科手術用ハンマー。
【請求項9】
軸経路(8)が、少なくともほぼハンマー頭部(2)の縦軸(11)と垂直に配置されることを特徴とする請求項4から請求項7のいずれか1つに記載の外科手術用ハンマー。
【請求項10】
導入経路(7)が、ハンマー頭部(2)の縦軸(11)に対しておよそ20°から70°まで、特におよそ40°から50°までの角度(β)で配置されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の外科手術用ハンマー。
【請求項11】
導入経路(7)と施錠部(9)は、およそ20°から70°まで、特におよそ30°から40°までの角度(α)で互いに配置されることを特徴とする請求項3または請求項10に記載の外科手術用ハンマー。
【請求項12】
施錠部(9)が、少なくとも1つできれば複数の張り出し(21)により制限され、その際特にこの張り出しが互いに移動して配置されることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項10または請求項11のいずれか1つに記載の外科手術用ハンマー。
【請求項13】
施錠部(9)が、縦穴形式となることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項10、請求項11または請求項12のいずれか1つに記載の外科手術用ハンマー。
【請求項14】
ハンマー(1)の打撃方向は、導入された挿入ないし抽出装置(17)において本質的にハンマー頭部の縦軸(11)と垂直に走り、ハンマー頭部(2)は打撃の間に主にその縦軸(11)の周りを回ることができることを特徴とする請求項1から13のいずれか1つに記載の外科手術用ハンマー。
【請求項15】
ハンマー頭部(2)にハンマーの柄(3)が固定されることを特徴とする請求項1から14のいずれか1つに記載の外科手術用ハンマー。
【請求項16】
ハンマー(1)の重心が、ほぼハンマーの柄(3)の縦軸(12)の延長にあるように凹所(6)が置かれることを特徴とする請求項1から15のいずれか1つに記載の外科手術用ハンマー。
【請求項17】
ハンマーの柄(3)が、ハンマー頭部(2)に偏心的に配置されることを特徴とする請求項15または請求項16に記載の外科手術用ハンマー。
【請求項18】
ハンマー頭部(2)の施錠部(9)にある付加的な施錠の要素、例えば、球状圧力くぎなどが挿入ないし抽出装置(17)において付加的にブロックするよう考慮されていることを特徴とする請求項1から17のいずれか1つに記載の外科手術用ハンマー。
【請求項19】
ハンマーの柄(3)は、取っ手(10)、特に、少なくともある側面で平らになっている取っ手を示すことを特徴とする請求項15から請求項18のいずれか1つに記載の外科手術用ハンマー。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−512933(P2007−512933A)
【公表日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−543634(P2006−543634)
【出願日】平成16年8月11日(2004.8.11)
【国際出願番号】PCT/IB2004/002601
【国際公開番号】WO2005/055845
【国際公開日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(505438960)シンセス ゲーエムベーハー (14)
【Fターム(参考)】