外科手術用リーマー及び該リーマー用の刃
本発明の寛骨臼窩用リーマーは、好ましくは硬くない薄板金、例えば、ステンレス鋼から打ち抜かれた4枚の刃(1、2、3、4)を有する。これらの刃は、リーマーの切削頭部を得るために刃を相互に挿入するのを可能にする切込部(6、7、8、9、10)を有している。これらの切込部は異なる幅を有し、3枚以上の刃を回転軸上で組み合わせるのを可能にしている。各刃は延長部分として下方部分(19)を有している。該下方部分(19)は平らな環(15)で囲まれており、この環によって複数枚の刃がしっかりと保持される。刃は打ち抜かれるが、各刃の切削へり(18)も、適切な形態の打ち抜きを採用することによって、同じ打ち抜き操作で形成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は外科用リーマーに関し、より詳しくは、人工装具を挿入する目的で寛骨の穴を大きくするために使用される、寛骨臼用リーマーに関する。
【背景技術】
【0002】
医療分野で使用される公知のリーマー、特に寛骨臼用リーマーは、チーズ削り器の開口部と切刃とに類似する、複数の開口部と切刃とを有する半球状カップ状に成形されている。このようなリーマーは、打ち抜き加工、板抜き加工、及びスピニングによって形成される。半球状のリーマーの例は、スイス特許第692600号、スイス特許第690021号、フランス特許第2281095号、米国特許第4811632号、及び米国特許第5100267号などに見出すことができる。
【0003】
上記した型のリーマーは、主として、この種の製造には様々な操作が関連するので、製造するのが比較的高価である。
【0004】
医療分野、特に寛骨臼用リーマーの分野においては、腐敗の危険性があるので一度だけ使用して捨てるのがはるかに望ましいのであるが、リーマーの製造コスト故に一度の使用で使い捨てることができない。
【0005】
米国特許第5100267号は、使い捨ての寛骨臼窩用リーマーについて記載している。その価格を下げるために、この文献に記載されている寛骨臼用リーマーには、容易に製造することができて廉価な重合体製のプラグが取り付けられている。しかしながら、ステンレス鋼製の切断ボールは従来の方法で製造しなければならず、切断ボールは依然として高価である。さらに、この種の非常に柔らかい材料は粒子を体内に残し易く、また、患者はそれに耐えることができないのことが多いので、プラスチック材料の存在自体が危険性を呈することも多い。
【0006】
その結果、医療業務従事者は、プラスチック材料を含有していない寛骨臼用リーマーを使用し続けなければならないが、それらは高価で使用毎に滅菌しなけければならず、これにも比較的経費がかかる。
【0007】
さらに、リーマーは中断のない構造物であるので、使用者が、リーマーによって開けられた穴の底部をみるだけの隙間がない。したがって、使用者は、操作中に穴開けの進行状況、及び開けられた穴の壁面の状態を確認することが殆どできない。これは、特に医療分野において、深刻な不都合である。
【0008】
また、回転軸の周りに等角度間隔をあけて、外側に向かって延在するように放射状に配された切刃を有するリーマーもある。このようなリーマーの例は、フランス特許第1041311号、フランス特許第1031888号、米国特許第3,702,611号、及び米国特許第4,621,637号に見出すことができる。これらの例においては、切刃が組み立て式になっており、即ち、切刃が独立に製造されて、然る後に、固定のための収容機構を有しているカッターの頭部に固定される。この場合、取り付け手段(ネジやプラグ等)が必要となり、これが装置を複雑化する。
【0009】
このタイプのリーマーは、先に記載したリーマーと同じ不都合を有しており、特に、外科医は、このリーマーによって開けられた穴の底部を見ることの困難さを経験している。さらに、このようなリーマーもやはり製造コストが高い。
【0010】
PCT出願公開第WO 98/31291号は比較的単純な寛骨臼用リーマーを示しており、このリーマーにおいては、複数の平板状の刃が半円形状に薄板金から打ち抜かれ、該刃そのものに設けた切込部によって組み立てられている。刃は相互に直交し、半円形状である。これらの刃を器具に取り付けて固定するためには、各刃の両端に設けた突出部によって、刃を基板に設けた開口部内に挿入する。この基板は中央開口部を有しており、それによって回転器具に取り付けることができる。
【0011】
このような型のリーマーにも、基板があるが故に、視認性が悪いという不都合がある。さらに、リーマーが十分に堅いかどうかについても疑問を差し挟む余地がある。
【0012】
PCT出願公開第WO 02/49516号は、薄板金から打ち抜かれ、切込部によって相互に取り付けられた複数の刃からなる、他の外科用リーマーを示している。この発明では、刃は2枚しかなく、それらが回転軸で組み合わされ、また、取り付け用の切込部もこの軸上にある。
【0013】
このリーマーにあっては、視認性はかなりよく、外科医は、刃の間からリーマーで削った穴の底部を見ることができる。
【0014】
しかしながら、問題のリーマーは、寄託者の主張にも関わらず、あまり堅さがない。さらに、2枚の刃しかないという事実は、恐らく、効率に影響を与えるであろう。
【0015】
【特許文献1】スイス特許第692600号
【特許文献2】スイス特許第690021号
【特許文献3】フランス特許第2281095号
【特許文献4】米国特許第4811632号
【特許文献5】米国特許第5100267号
【特許文献6】フランス特許第1041311号
【特許文献7】フランス特許第1031888号
【特許文献8】米国特許第3,702,611号
【特許文献9】米国特許第4,621,637号
【特許文献10】PCT出願公開第WO 98/31291号
【特許文献11】PCT出願公開第WO 02/49516号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、切込部によって組み立てられる複数の刃からなり、長手方向の対称軸が回転軸に一致し、少なくとも4枚のそのような刃があるリーマーを提供することを意図する。製造が容易であるこのようなリーマーは、公知のリーマーよりも堅く、より効率的に切削することができる一方で、操作中の最適な視認性を保証する。さらに、複数の刃は全て金属シートから打ち抜かれているので、製造の困難性が小さい。
【0017】
本発明は、このような構造体の製造を可能にする刃も提供する。
【課題を解決するための手段】
【0018】
概略として、本発明の主題である外科用リーマーは、切込部によって組み立てられる複数の平面状の刃を有し、長手方向の対称軸はリーマーの回転軸と一致し、該リーマーは少なくとも4枚の刃を有し、該刃の1もしくは複数の切込部、又は該切込部の1もしくは複数の部位が他の切込部及び/又は切込部の他の部位と異なっている。
【0019】
発明の好ましい態様においては、リーマーは4枚の刃を有している。それらの内の第一の刃は、該刃の下端から延在する少なくとも1つの切込部を有している。第二の刃は、刃の上端から延在する少なくとも1つの切込部を有している。これら2つの切込部の各々は、その長さ方向に沿って少なくとも一部分に、もう一方の切込部を有する刃の厚みに対応する幅を有している。第三の刃は、該刃の上端から延在する少なくとも1つの上方切込部と、刃の下端から延びる少なくとも1つの下方切込部とを有し、上方切込部の幅は下方切込部の幅よりも広い。第四の刃は、該刃の上端から延びる少なくとも1つの切込部を有し、該切込部は、外縁側部と中心側部とを有し、外縁側部は中心側部よりも広くなっている。さらに、第三の刃の下方切込部の幅が、第四の刃の厚みに対応する。第四の刃の切込部の中心側部の幅は、第三の刃の厚みに対応する。第三の刃の上方切込部の幅と第四の刃の切込部の外縁側部の幅とは同じであり、組み合わされると、二枚の第一の刃が第三の刃の上方切込部と第四の刃の外縁側部とに挿入され、第三の刃と第四の刃とはそれら自身が組み合わせられるようになっている。
【0020】
(リーマーの回転軸に沿って)複数の刃の高さをより容易に等しくすることのできる第二の態様であって、一般的な態様と上記第一の好適な態様との両方に適用することのできる形態の態様においては、第一の切刃の切込部は幅の異なる2つの部分、即ち、刃の上端により近い中心側部と、それより大きく、該刃の下端に近接する外縁側部とを有する。
【0021】
第二の態様と同じ目的を有する第三の態様においては、第二の切刃が、その下端から延びる少なくとも1つの下方切込部を有し、この下方切込部は、この刃の上端から延びる切込部よりも幅が広い。
【0022】
これまでに記載してきた態様に適用することのできる第四の態様においては、リーマーを構成する複数の切刃を部分的に取り囲んでまとめて保持する、少なくとも1つの強化要素をリーマーが有する。
【0023】
これまでに記載してきた態様に適用することのできる第五の態様においては、前記強化要素は円筒状のブシュである。
【0024】
これまでに記載してきた態様に適用することができ、好ましい態様である第六の態様においては、前記強化要素が、複数の切刃を挿入することのできる複数のノッチを有する平坦な環であり、該環を含む面がリーマーの回転軸に垂直である。
【0025】
リーマーの各刃は、長手方向の対称軸がリーマーの回転軸と一致する少なくとも1つの切込部、1つの丸い、好ましくは半円形の切削部、及び該切削部よりも狭い下方部分を備えていると好ましい。
【0026】
複数の刃がより容易に同じ高さに配される(第二の態様)上記リーマーに使用するための、好適な一態様においては、少なくとも1枚の刃が1つ以上の切込部を有し、その切込部の内の少なくとも1つが幅の異なる複数の部分を有する。
【0027】
このような刃の好適な一態様においては、刃は、切削部の上端から延在する切込部と、下端から延在する下方切込部とを有し、上方切込部の幅と下方切込部の幅とが相違する。
【0028】
このような刃のより好適な一態様においては、前記上方切込部又は下方切込部は、少なくとも1つの外縁側部と中心側部とを有しており、外縁側部の幅は中心側部の幅よりも大きい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明の重要な特長は、刃を薄板金から切り出すことができるという事実である。「薄板金」という用語は、固いカーバイド型の薄板金を含まず、ステンレス鋼などの、打ち抜くことのできる薄板金を単に意味する。本発明によるリーマーの刃1、2、3、及び4は薄板金から切り出され、本発明の好ましい形態では、刃は打ち抜かれる。この方法は、非常に低コストであるという利点を有している。レーザー切削又はスパーク浸食切削加工もまた可能であるが、価格は高くなる。
【0030】
刃を打ち抜くのと同じ操作で鋭い切断へり18も作るのが好ましい。しかしながら、従来の研削操作によって切断へりを得ることも、明らかに可能である。
【0031】
同様に、刃のへりの周りの歯16も、また、ある1つの刃の面に対して複数の刃に傾斜を持たせる場合もあり得るがこの場合の傾斜も、打ち抜きによって、単一の操作で得るのが好ましい。しかしながら、経験によると、このような傾斜は重要ではない。
【0032】
本発明の好ましい態様においては、リーマーは4枚の刃1、2、3、及び4によって作れる。各刃は、リーマーの回転軸20と一致する長手方向の対称軸を有している。刃のへり、即ち切削へり18は、ここでは半円形状を有している。この形状は、寛骨臼用リーマーには特によく適している。しかしながら、リーマーの使用目的に応じて、他の数多くの形状も採用することができるのは明らかである。各刃は、少なくとも1つの切込部6、7、8、9、又は10を有しており、これらは回転軸20に沿って設けられている。この長手方向の切込部によって、複数の刃を相互に嵌め込むことが可能になる。各刃は下方部分19も有しており、下方部分は、ここでは長方形か2つの長方形をつなぎ合わせた形状をしており、リーマーを取り付ける図示されていない器具の回転駆動軸の方向に刃を延ばす。この下方部分19によって組み立てが可能になる。第一の刃1の切込部6が下方部分19の縁5から刃の半ばに達していることが図1から理解される。これに対して、第二の刃2の切込部7は、刃の中ほどから刃の上端13に延在している。このようにして、最初の2枚の刃は、相互に直角に嵌め込まれる。続く2枚の刃については、より複雑な形状及び配置の切込部8、9、及び10を有している。図1において、まず、これら第二群の刃の下方部分19は、2枚の第一群の刃よりも長い。実際、第三の刃と第四の刃とは、それぞれ切込部8と10とを有しており、それらは上端13から下方部分19へ延びている。さらに、第三及び第四の刃の切込部8及び10は、最初の2枚の刃の切込部よりも幅が広くなっている。第三の刃3は、その下方の縁5から下方部分の1/4ほどの位置にまで延びる下方切込部9も有している。この下方切込部9は、上方にある切込部8よりも幅が狭い。第四の刃に設けられた切込部10は2つの部位11及び12を有している。第四の刃の上端13から下方部分19の上半分まで延在する外縁側部11は、中心側部12よりも幅が広い。第三の刃の下方切込部9の幅は第四の刃の切込部10の中心側部12の幅と同じであり、そこに挿入される刃の厚さに対応する。第三の刃の切込部8の長さと、第四の刃の外縁側部11の長さとは同じであり、2枚の第一群の刃の各々の全高さに対応する。第三の刃3と第四の刃4とは、下方切込部9と中心側部12とによって、相互に直角に結合される。
【0033】
2枚の刃1と2とによって形成された刃群は、第三の刃と第四の刃とによって形成された刃群の上方にある切込部8と外縁側部11とに挿入される。最初の2枚の刃群を挿入するために、上方切込部8と外縁側部11とがより大きな幅を有する必要性は、図4と7とに示されている。図7は、切込部6と7との幅は、この図においてXの形状に交差している2枚の刃1及び2の厚さaに対応しなければならないことを示している。+の形状に交差している2枚の刃(これらは、刃3と4とに対応する)は、幅bの上方切込部8と外縁側部11とを有しており、残り2枚の刃によって形成されたグループをこれらに挿入することができる。ここで、幅bは幅aよりもかなり大きいことが理解される(ピタゴラスの定理によると、b=a(1+V2)。)。切込部の幅a及びbと刃とを正確に調節することにより、刃が相互に動くのを防ぐことができ、強固な組立体を得ることができる。
【0034】
4枚の刃が組み込まれたら、それらの下方部分19は、例えば、リーマーの回転軸20と同心のブシュ14に押し込まれる。このようにして下方部分の周縁部が固定され、4枚の刃は非常に強固な組立体を形成する。しかしながら、このようなブシュ14の存在は、必ずしも必須ではない。リーマーが使用される分野によっては、切込部の幅aとbとが正しく調節されていれば、それだけで既に十分な堅さが得られる。
【0035】
刃の組立体をブシュに溶接又は接着することもできるし、また、他の手段によって固定することもできる。最も簡単な方法は、やはり、刃をブシュに打ち込むことである。同様に、ブシュは円筒状以外の他の形状であってもよいが、円筒形が最も合理的であることに変わりはない。
【0036】
必要であれば、回転軸20からより離れた位置で刃を取り囲む、より直径の大きな第二のブシュ14を追加することによって、組立体を一層堅いものにすることもできる。この形式の好適な態様は図6に示されている。複数の刃の下方部分19の周囲に組立体を把持する他のブシュを使用することなく、リーマーの周縁部にブシュ14を配するのみという態様も可能である。
【0037】
図1〜3に示されている態様においては、ブシュ14は複数の刃1を強固にまとめて固定するのみでなく、リーマーを長手方向に、即ち、回転軸を駆動する回転駆動軸に取り付けられる回転軸20の方向に固定する役目も果たしている。このように、ブシュ10は、刃の下方部分19を収容する部分の反対側に、複数の長手方向の切込部22を有している。これらの切込部22によって、ブシュの底部の可撓性がより高くなり、また、図3に示される切り欠き23によって、ブシュが回転駆動軸に容易に取り付けられてそこに固定される。しかしながら、この方法以外にも数多くの固定方法が考えられる。
【0038】
刃の組立体を強固にする他の方法は、ブシュに代えて板を使用することであり、好ましくは、複数の刃を挿入するための対応する切り欠き17を有する平たい環15の形状の板を使用することである。図12はこのような環を示しており、図13は刃組立体の下方部分19の周りに環が取り付けられた状態を示している。
【0039】
複数の刃1の対称軸はリーマーの回転軸20である。刃を鋭くするために、必要であれば、この回転軸上に孔21を設けるのがよい。
【0040】
図において、複数の刃は歯16を有する半円状の切断へり18を有しており、使用目的に応じて、これは穴を広げるのを容易にするために使用することができる。先に記載したように、可能な限り、歯の切り出しとその角度とは、一度の同じ打ち抜き操作で得るのが好ましい。
【0041】
先にも記載したが、図1〜3に示されている態様においては、最初の2枚の刃1及び2の高さは、第三の刃3及び第四の刃4の高さよりも低かった。しかしながら、特に、リーマーを器具に取り付けるという観点からは、各刃が同じ高さである方が都合がよいこともある。
【0042】
本発明の好ましい態様においては、図8に示されているように、第一の刃1には2つの部分を有する切込部6が設けられている。2つの部分とは、刃の下方の縁5から延在する外縁側部11と、該外縁側部11を上端13の方向に引き延ばすと共に外側部分よりも狭い中心側部12である。同様に、図9に示されているように、第二の刃2は、上端13から底部まで延在する上方切込部7に加えて、下方の縁5から上端に向かって延在する下方切込部9を有する。
【0043】
第一の刃1の外縁側部11と、第二の刃2の下方切込部9とは、それぞれ、中心側部12と上方切込部7よりも広くなっている。この幅の広さによって、下方部分19を長くし、図10と11とに示されている第三の刃3と第四の刃4と同じ高さを得られることになる。外縁側部12の太くなっている幅と中心側切込部9とによって、第三の刃と第四の刃とによって形成された組立体を収容するのに十分な空間が得られることになる。
【0044】
薄板金から打ち抜かれた刃の薄さと、回転軸を含む面内におけるそれらの位置とによって、使用者は、操作中であっても、刃の間から穴が広げられている場所を見ることができる。
【0045】
わずか2枚の刃に代えて4枚の刃を使用することにより、従来のリーマーが有するリスクよりも大きいリスクを有することなく、作業を遂行するのに十分な堅さを得ることができる。
【0046】
複数の刃の製造及び組み立ては容易で安価であり、器具の洗浄という面倒な操作の代わりに、切削頭部を使い捨てることができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明のリーマーと複数の刃とは、実質的に、寛骨用人工装具を取り付ける手術に使用するためのものである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図1は、本発明による、4枚の刃を有するリーマーの展開図をキャバリエ図法で示している。
【図2】図2は、図1に示したものと同じ態様において、要素を組み立てて形成されたリーマーの斜視図をキャバリエ図法でしめしている。
【図3】図3は、図2に示される態様のリーマーの縦方向断面図である。
【図4】図4は、図2及び3に示される態様のリーマーの上面図である。
【図5】図5は、図1〜4に示されているものとはわずかに異なる態様であって、刃より短いブシュが複数の刃の組立体に強度を与える態様のリーマーのキャバリエ図である。
【図6】図6は、第二のブシュが複数の刃の組立体に外部強度を与える、本発明の好適な態様のリーマーの縦方向断面図である。
【図7】図7は、複数の刃の交差状況と、刃を相互に差し込むために刃に設けられた切込部の相対的な大きさとを示す、図4の中心部の拡大図である。
【図8】図8は、本発明の第2の態様によるリーマーにおける第一の刃の正面図である。
【図9】図9は、本発明の第3の態様によるリーマーにおける第二の刃の正面図である。
【図10】図10は、本発明の他の態様、特に第九の態様によるリーマー用の第三の刃の正面図である。
【図11】図11は、本発明の他の態様、特に第二の態様によるリーマー用の第四の刃の正面図である。
【図12】図12は、本発明の第6の態様における、一度組み立てられたリーマーの剛性を保証するための環の正面図である。
【図13】図13は、図8〜図11に示された刃組立体から得られるリーマーと、図12示される平坦な環とのキャバリエ図である。
【技術分野】
【0001】
この発明は外科用リーマーに関し、より詳しくは、人工装具を挿入する目的で寛骨の穴を大きくするために使用される、寛骨臼用リーマーに関する。
【背景技術】
【0002】
医療分野で使用される公知のリーマー、特に寛骨臼用リーマーは、チーズ削り器の開口部と切刃とに類似する、複数の開口部と切刃とを有する半球状カップ状に成形されている。このようなリーマーは、打ち抜き加工、板抜き加工、及びスピニングによって形成される。半球状のリーマーの例は、スイス特許第692600号、スイス特許第690021号、フランス特許第2281095号、米国特許第4811632号、及び米国特許第5100267号などに見出すことができる。
【0003】
上記した型のリーマーは、主として、この種の製造には様々な操作が関連するので、製造するのが比較的高価である。
【0004】
医療分野、特に寛骨臼用リーマーの分野においては、腐敗の危険性があるので一度だけ使用して捨てるのがはるかに望ましいのであるが、リーマーの製造コスト故に一度の使用で使い捨てることができない。
【0005】
米国特許第5100267号は、使い捨ての寛骨臼窩用リーマーについて記載している。その価格を下げるために、この文献に記載されている寛骨臼用リーマーには、容易に製造することができて廉価な重合体製のプラグが取り付けられている。しかしながら、ステンレス鋼製の切断ボールは従来の方法で製造しなければならず、切断ボールは依然として高価である。さらに、この種の非常に柔らかい材料は粒子を体内に残し易く、また、患者はそれに耐えることができないのことが多いので、プラスチック材料の存在自体が危険性を呈することも多い。
【0006】
その結果、医療業務従事者は、プラスチック材料を含有していない寛骨臼用リーマーを使用し続けなければならないが、それらは高価で使用毎に滅菌しなけければならず、これにも比較的経費がかかる。
【0007】
さらに、リーマーは中断のない構造物であるので、使用者が、リーマーによって開けられた穴の底部をみるだけの隙間がない。したがって、使用者は、操作中に穴開けの進行状況、及び開けられた穴の壁面の状態を確認することが殆どできない。これは、特に医療分野において、深刻な不都合である。
【0008】
また、回転軸の周りに等角度間隔をあけて、外側に向かって延在するように放射状に配された切刃を有するリーマーもある。このようなリーマーの例は、フランス特許第1041311号、フランス特許第1031888号、米国特許第3,702,611号、及び米国特許第4,621,637号に見出すことができる。これらの例においては、切刃が組み立て式になっており、即ち、切刃が独立に製造されて、然る後に、固定のための収容機構を有しているカッターの頭部に固定される。この場合、取り付け手段(ネジやプラグ等)が必要となり、これが装置を複雑化する。
【0009】
このタイプのリーマーは、先に記載したリーマーと同じ不都合を有しており、特に、外科医は、このリーマーによって開けられた穴の底部を見ることの困難さを経験している。さらに、このようなリーマーもやはり製造コストが高い。
【0010】
PCT出願公開第WO 98/31291号は比較的単純な寛骨臼用リーマーを示しており、このリーマーにおいては、複数の平板状の刃が半円形状に薄板金から打ち抜かれ、該刃そのものに設けた切込部によって組み立てられている。刃は相互に直交し、半円形状である。これらの刃を器具に取り付けて固定するためには、各刃の両端に設けた突出部によって、刃を基板に設けた開口部内に挿入する。この基板は中央開口部を有しており、それによって回転器具に取り付けることができる。
【0011】
このような型のリーマーにも、基板があるが故に、視認性が悪いという不都合がある。さらに、リーマーが十分に堅いかどうかについても疑問を差し挟む余地がある。
【0012】
PCT出願公開第WO 02/49516号は、薄板金から打ち抜かれ、切込部によって相互に取り付けられた複数の刃からなる、他の外科用リーマーを示している。この発明では、刃は2枚しかなく、それらが回転軸で組み合わされ、また、取り付け用の切込部もこの軸上にある。
【0013】
このリーマーにあっては、視認性はかなりよく、外科医は、刃の間からリーマーで削った穴の底部を見ることができる。
【0014】
しかしながら、問題のリーマーは、寄託者の主張にも関わらず、あまり堅さがない。さらに、2枚の刃しかないという事実は、恐らく、効率に影響を与えるであろう。
【0015】
【特許文献1】スイス特許第692600号
【特許文献2】スイス特許第690021号
【特許文献3】フランス特許第2281095号
【特許文献4】米国特許第4811632号
【特許文献5】米国特許第5100267号
【特許文献6】フランス特許第1041311号
【特許文献7】フランス特許第1031888号
【特許文献8】米国特許第3,702,611号
【特許文献9】米国特許第4,621,637号
【特許文献10】PCT出願公開第WO 98/31291号
【特許文献11】PCT出願公開第WO 02/49516号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、切込部によって組み立てられる複数の刃からなり、長手方向の対称軸が回転軸に一致し、少なくとも4枚のそのような刃があるリーマーを提供することを意図する。製造が容易であるこのようなリーマーは、公知のリーマーよりも堅く、より効率的に切削することができる一方で、操作中の最適な視認性を保証する。さらに、複数の刃は全て金属シートから打ち抜かれているので、製造の困難性が小さい。
【0017】
本発明は、このような構造体の製造を可能にする刃も提供する。
【課題を解決するための手段】
【0018】
概略として、本発明の主題である外科用リーマーは、切込部によって組み立てられる複数の平面状の刃を有し、長手方向の対称軸はリーマーの回転軸と一致し、該リーマーは少なくとも4枚の刃を有し、該刃の1もしくは複数の切込部、又は該切込部の1もしくは複数の部位が他の切込部及び/又は切込部の他の部位と異なっている。
【0019】
発明の好ましい態様においては、リーマーは4枚の刃を有している。それらの内の第一の刃は、該刃の下端から延在する少なくとも1つの切込部を有している。第二の刃は、刃の上端から延在する少なくとも1つの切込部を有している。これら2つの切込部の各々は、その長さ方向に沿って少なくとも一部分に、もう一方の切込部を有する刃の厚みに対応する幅を有している。第三の刃は、該刃の上端から延在する少なくとも1つの上方切込部と、刃の下端から延びる少なくとも1つの下方切込部とを有し、上方切込部の幅は下方切込部の幅よりも広い。第四の刃は、該刃の上端から延びる少なくとも1つの切込部を有し、該切込部は、外縁側部と中心側部とを有し、外縁側部は中心側部よりも広くなっている。さらに、第三の刃の下方切込部の幅が、第四の刃の厚みに対応する。第四の刃の切込部の中心側部の幅は、第三の刃の厚みに対応する。第三の刃の上方切込部の幅と第四の刃の切込部の外縁側部の幅とは同じであり、組み合わされると、二枚の第一の刃が第三の刃の上方切込部と第四の刃の外縁側部とに挿入され、第三の刃と第四の刃とはそれら自身が組み合わせられるようになっている。
【0020】
(リーマーの回転軸に沿って)複数の刃の高さをより容易に等しくすることのできる第二の態様であって、一般的な態様と上記第一の好適な態様との両方に適用することのできる形態の態様においては、第一の切刃の切込部は幅の異なる2つの部分、即ち、刃の上端により近い中心側部と、それより大きく、該刃の下端に近接する外縁側部とを有する。
【0021】
第二の態様と同じ目的を有する第三の態様においては、第二の切刃が、その下端から延びる少なくとも1つの下方切込部を有し、この下方切込部は、この刃の上端から延びる切込部よりも幅が広い。
【0022】
これまでに記載してきた態様に適用することのできる第四の態様においては、リーマーを構成する複数の切刃を部分的に取り囲んでまとめて保持する、少なくとも1つの強化要素をリーマーが有する。
【0023】
これまでに記載してきた態様に適用することのできる第五の態様においては、前記強化要素は円筒状のブシュである。
【0024】
これまでに記載してきた態様に適用することができ、好ましい態様である第六の態様においては、前記強化要素が、複数の切刃を挿入することのできる複数のノッチを有する平坦な環であり、該環を含む面がリーマーの回転軸に垂直である。
【0025】
リーマーの各刃は、長手方向の対称軸がリーマーの回転軸と一致する少なくとも1つの切込部、1つの丸い、好ましくは半円形の切削部、及び該切削部よりも狭い下方部分を備えていると好ましい。
【0026】
複数の刃がより容易に同じ高さに配される(第二の態様)上記リーマーに使用するための、好適な一態様においては、少なくとも1枚の刃が1つ以上の切込部を有し、その切込部の内の少なくとも1つが幅の異なる複数の部分を有する。
【0027】
このような刃の好適な一態様においては、刃は、切削部の上端から延在する切込部と、下端から延在する下方切込部とを有し、上方切込部の幅と下方切込部の幅とが相違する。
【0028】
このような刃のより好適な一態様においては、前記上方切込部又は下方切込部は、少なくとも1つの外縁側部と中心側部とを有しており、外縁側部の幅は中心側部の幅よりも大きい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明の重要な特長は、刃を薄板金から切り出すことができるという事実である。「薄板金」という用語は、固いカーバイド型の薄板金を含まず、ステンレス鋼などの、打ち抜くことのできる薄板金を単に意味する。本発明によるリーマーの刃1、2、3、及び4は薄板金から切り出され、本発明の好ましい形態では、刃は打ち抜かれる。この方法は、非常に低コストであるという利点を有している。レーザー切削又はスパーク浸食切削加工もまた可能であるが、価格は高くなる。
【0030】
刃を打ち抜くのと同じ操作で鋭い切断へり18も作るのが好ましい。しかしながら、従来の研削操作によって切断へりを得ることも、明らかに可能である。
【0031】
同様に、刃のへりの周りの歯16も、また、ある1つの刃の面に対して複数の刃に傾斜を持たせる場合もあり得るがこの場合の傾斜も、打ち抜きによって、単一の操作で得るのが好ましい。しかしながら、経験によると、このような傾斜は重要ではない。
【0032】
本発明の好ましい態様においては、リーマーは4枚の刃1、2、3、及び4によって作れる。各刃は、リーマーの回転軸20と一致する長手方向の対称軸を有している。刃のへり、即ち切削へり18は、ここでは半円形状を有している。この形状は、寛骨臼用リーマーには特によく適している。しかしながら、リーマーの使用目的に応じて、他の数多くの形状も採用することができるのは明らかである。各刃は、少なくとも1つの切込部6、7、8、9、又は10を有しており、これらは回転軸20に沿って設けられている。この長手方向の切込部によって、複数の刃を相互に嵌め込むことが可能になる。各刃は下方部分19も有しており、下方部分は、ここでは長方形か2つの長方形をつなぎ合わせた形状をしており、リーマーを取り付ける図示されていない器具の回転駆動軸の方向に刃を延ばす。この下方部分19によって組み立てが可能になる。第一の刃1の切込部6が下方部分19の縁5から刃の半ばに達していることが図1から理解される。これに対して、第二の刃2の切込部7は、刃の中ほどから刃の上端13に延在している。このようにして、最初の2枚の刃は、相互に直角に嵌め込まれる。続く2枚の刃については、より複雑な形状及び配置の切込部8、9、及び10を有している。図1において、まず、これら第二群の刃の下方部分19は、2枚の第一群の刃よりも長い。実際、第三の刃と第四の刃とは、それぞれ切込部8と10とを有しており、それらは上端13から下方部分19へ延びている。さらに、第三及び第四の刃の切込部8及び10は、最初の2枚の刃の切込部よりも幅が広くなっている。第三の刃3は、その下方の縁5から下方部分の1/4ほどの位置にまで延びる下方切込部9も有している。この下方切込部9は、上方にある切込部8よりも幅が狭い。第四の刃に設けられた切込部10は2つの部位11及び12を有している。第四の刃の上端13から下方部分19の上半分まで延在する外縁側部11は、中心側部12よりも幅が広い。第三の刃の下方切込部9の幅は第四の刃の切込部10の中心側部12の幅と同じであり、そこに挿入される刃の厚さに対応する。第三の刃の切込部8の長さと、第四の刃の外縁側部11の長さとは同じであり、2枚の第一群の刃の各々の全高さに対応する。第三の刃3と第四の刃4とは、下方切込部9と中心側部12とによって、相互に直角に結合される。
【0033】
2枚の刃1と2とによって形成された刃群は、第三の刃と第四の刃とによって形成された刃群の上方にある切込部8と外縁側部11とに挿入される。最初の2枚の刃群を挿入するために、上方切込部8と外縁側部11とがより大きな幅を有する必要性は、図4と7とに示されている。図7は、切込部6と7との幅は、この図においてXの形状に交差している2枚の刃1及び2の厚さaに対応しなければならないことを示している。+の形状に交差している2枚の刃(これらは、刃3と4とに対応する)は、幅bの上方切込部8と外縁側部11とを有しており、残り2枚の刃によって形成されたグループをこれらに挿入することができる。ここで、幅bは幅aよりもかなり大きいことが理解される(ピタゴラスの定理によると、b=a(1+V2)。)。切込部の幅a及びbと刃とを正確に調節することにより、刃が相互に動くのを防ぐことができ、強固な組立体を得ることができる。
【0034】
4枚の刃が組み込まれたら、それらの下方部分19は、例えば、リーマーの回転軸20と同心のブシュ14に押し込まれる。このようにして下方部分の周縁部が固定され、4枚の刃は非常に強固な組立体を形成する。しかしながら、このようなブシュ14の存在は、必ずしも必須ではない。リーマーが使用される分野によっては、切込部の幅aとbとが正しく調節されていれば、それだけで既に十分な堅さが得られる。
【0035】
刃の組立体をブシュに溶接又は接着することもできるし、また、他の手段によって固定することもできる。最も簡単な方法は、やはり、刃をブシュに打ち込むことである。同様に、ブシュは円筒状以外の他の形状であってもよいが、円筒形が最も合理的であることに変わりはない。
【0036】
必要であれば、回転軸20からより離れた位置で刃を取り囲む、より直径の大きな第二のブシュ14を追加することによって、組立体を一層堅いものにすることもできる。この形式の好適な態様は図6に示されている。複数の刃の下方部分19の周囲に組立体を把持する他のブシュを使用することなく、リーマーの周縁部にブシュ14を配するのみという態様も可能である。
【0037】
図1〜3に示されている態様においては、ブシュ14は複数の刃1を強固にまとめて固定するのみでなく、リーマーを長手方向に、即ち、回転軸を駆動する回転駆動軸に取り付けられる回転軸20の方向に固定する役目も果たしている。このように、ブシュ10は、刃の下方部分19を収容する部分の反対側に、複数の長手方向の切込部22を有している。これらの切込部22によって、ブシュの底部の可撓性がより高くなり、また、図3に示される切り欠き23によって、ブシュが回転駆動軸に容易に取り付けられてそこに固定される。しかしながら、この方法以外にも数多くの固定方法が考えられる。
【0038】
刃の組立体を強固にする他の方法は、ブシュに代えて板を使用することであり、好ましくは、複数の刃を挿入するための対応する切り欠き17を有する平たい環15の形状の板を使用することである。図12はこのような環を示しており、図13は刃組立体の下方部分19の周りに環が取り付けられた状態を示している。
【0039】
複数の刃1の対称軸はリーマーの回転軸20である。刃を鋭くするために、必要であれば、この回転軸上に孔21を設けるのがよい。
【0040】
図において、複数の刃は歯16を有する半円状の切断へり18を有しており、使用目的に応じて、これは穴を広げるのを容易にするために使用することができる。先に記載したように、可能な限り、歯の切り出しとその角度とは、一度の同じ打ち抜き操作で得るのが好ましい。
【0041】
先にも記載したが、図1〜3に示されている態様においては、最初の2枚の刃1及び2の高さは、第三の刃3及び第四の刃4の高さよりも低かった。しかしながら、特に、リーマーを器具に取り付けるという観点からは、各刃が同じ高さである方が都合がよいこともある。
【0042】
本発明の好ましい態様においては、図8に示されているように、第一の刃1には2つの部分を有する切込部6が設けられている。2つの部分とは、刃の下方の縁5から延在する外縁側部11と、該外縁側部11を上端13の方向に引き延ばすと共に外側部分よりも狭い中心側部12である。同様に、図9に示されているように、第二の刃2は、上端13から底部まで延在する上方切込部7に加えて、下方の縁5から上端に向かって延在する下方切込部9を有する。
【0043】
第一の刃1の外縁側部11と、第二の刃2の下方切込部9とは、それぞれ、中心側部12と上方切込部7よりも広くなっている。この幅の広さによって、下方部分19を長くし、図10と11とに示されている第三の刃3と第四の刃4と同じ高さを得られることになる。外縁側部12の太くなっている幅と中心側切込部9とによって、第三の刃と第四の刃とによって形成された組立体を収容するのに十分な空間が得られることになる。
【0044】
薄板金から打ち抜かれた刃の薄さと、回転軸を含む面内におけるそれらの位置とによって、使用者は、操作中であっても、刃の間から穴が広げられている場所を見ることができる。
【0045】
わずか2枚の刃に代えて4枚の刃を使用することにより、従来のリーマーが有するリスクよりも大きいリスクを有することなく、作業を遂行するのに十分な堅さを得ることができる。
【0046】
複数の刃の製造及び組み立ては容易で安価であり、器具の洗浄という面倒な操作の代わりに、切削頭部を使い捨てることができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明のリーマーと複数の刃とは、実質的に、寛骨用人工装具を取り付ける手術に使用するためのものである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図1は、本発明による、4枚の刃を有するリーマーの展開図をキャバリエ図法で示している。
【図2】図2は、図1に示したものと同じ態様において、要素を組み立てて形成されたリーマーの斜視図をキャバリエ図法でしめしている。
【図3】図3は、図2に示される態様のリーマーの縦方向断面図である。
【図4】図4は、図2及び3に示される態様のリーマーの上面図である。
【図5】図5は、図1〜4に示されているものとはわずかに異なる態様であって、刃より短いブシュが複数の刃の組立体に強度を与える態様のリーマーのキャバリエ図である。
【図6】図6は、第二のブシュが複数の刃の組立体に外部強度を与える、本発明の好適な態様のリーマーの縦方向断面図である。
【図7】図7は、複数の刃の交差状況と、刃を相互に差し込むために刃に設けられた切込部の相対的な大きさとを示す、図4の中心部の拡大図である。
【図8】図8は、本発明の第2の態様によるリーマーにおける第一の刃の正面図である。
【図9】図9は、本発明の第3の態様によるリーマーにおける第二の刃の正面図である。
【図10】図10は、本発明の他の態様、特に第九の態様によるリーマー用の第三の刃の正面図である。
【図11】図11は、本発明の他の態様、特に第二の態様によるリーマー用の第四の刃の正面図である。
【図12】図12は、本発明の第6の態様における、一度組み立てられたリーマーの剛性を保証するための環の正面図である。
【図13】図13は、図8〜図11に示された刃組立体から得られるリーマーと、図12示される平坦な環とのキャバリエ図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切込部(6、7、8、9、10)によって組み立てられる複数枚の平坦な刃から形成される外科用リーマーであって、長手方向の対称軸がリーマーの回転軸(20)と一致するリーマーにおいて、該リーマーが少なくとも4枚の刃(1、2、3、4)を有し、前記複数の切込部の内の少なくとも1つの切込部、及び/又は該1つもしくは複数の切込部の内の複数の部位が、少なくとも1つの他の切込部、及び/又は1つの切込部の他の部位とは異なる幅を有していることを特徴とする外科用リーマー。
【請求項2】
前記リーマーは4枚の刃(1、2、3、4)を有しており、それらの内の第一の刃(1)は、該刃の下端(5)から延在する少なくとも1つの切込部(6)を有しており;第二の刃(2)は、刃の上端(13)から延在する少なくとも1つの切込部(7)を有しており;これら2つの切込部(6、7)の各々は、少なくとも一部分において、もう一方の切込部に嵌め込まれる刃の厚みに対応する幅を有しており;第三の刃(3)は、該刃の上端(13)から延在する少なくとも1つの上方切込部(8)と、刃の下端(5)から延びる少なくとも1つの下方切込部(9)とを有し、該上方切込部(8)の幅は該下方切込部(9)の幅よりも広くなっており;第四の刃(4)は、該刃の上端(13)から延びる少なくとも1つの切込部(10)を有し、該切込部(10)は、少なくとも1つの外縁側部(11)と中心側部(12)とを有し、該外縁側部(11)の幅は該中心側部(12)の幅よりも広くなっており、さらに、第三の刃(3)の下方切込部(9)の幅が、第四の刃(4)の厚みに対応し、第四の刃(4)の切込部(10)の中心側部(12)の幅は、第三の刃(3)の厚みに対応し、また、第三の刃(3)の上方切込部(8)の幅と第四の刃(4)の切込部の外縁側部(11)の幅とは同じであり、組み合わされると、最初の2枚の刃が第三の刃(3)の上方切込部(8)と第四の刃(4)の外縁側部(11)とに挿入され、第三の刃と第四の刃とはそれら自身が組み合わせられることを特徴とする、請求項1に記載のリーマー。
【請求項3】
前記第一の刃(1)の切込部(6)は、中心側部(12)と、それより幅の広い外縁側部(11)との、幅の異なる少なくとも2つの部分(11, 12)を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のリーマー。
【請求項4】
前記第二の刃(2)が、その下端(5)から延びる少なくとも1つの下方切込部(9)を有し、この下方切込部は、この刃の上端(13)から延びる切込部(7)よりも幅が広いことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のリーマー。
【請求項5】
前記リーマーを構成する前記複数の刃を部分的に取り囲んでまとめて保持する、少なくとも1つの強化要素(14, 15)をリーマーが有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のリーマー。
【請求項6】
前記強化要素が円筒状のブシュ(15)であることを特徴とする、請求項5に記載のリーマー。
【請求項7】
前記強化要素が前記複数の刃を挿入することのできる複数のノッチ(17)を有する平坦な環(15)であることを特徴とする、請求項5に記載のリーマー。
【請求項8】
長手方向の対称軸がリーマーの回転軸(20)と一致する少なくとも1つの切込部(6、7、8、9、10)、丸い切削部(18)、及び該切削部よりも狭い下方部分(19)を有していることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載のリーマー用の刃。
【請求項9】
前記刃が、幅の異なる複数の部分を有する少なくとも1つの切込部を有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載のリーマー用の刃。
【請求項10】
前記刃が、切削部(16)の上端(13)から延在する上方切込部(10)と、下端(5)から延在する下方切込部(9)とを有し、該上方切込部(10)の幅と該下方切込部(9)の幅とが相違することを特徴とする、請求項9に記載の刃。
【請求項11】
前記上方切込部(10)及び下方切込部(9)の一方は、少なくとも1つの外縁側部(11)と少なくとも1つの中心側部(12)とを有しており、該外縁側部(11)の幅が該中心側部(12)の幅よりも大きいことを特徴とする、請求項10に記載の刃。
【請求項1】
切込部(6、7、8、9、10)によって組み立てられる複数枚の平坦な刃から形成される外科用リーマーであって、長手方向の対称軸がリーマーの回転軸(20)と一致するリーマーにおいて、該リーマーが少なくとも4枚の刃(1、2、3、4)を有し、前記複数の切込部の内の少なくとも1つの切込部、及び/又は該1つもしくは複数の切込部の内の複数の部位が、少なくとも1つの他の切込部、及び/又は1つの切込部の他の部位とは異なる幅を有していることを特徴とする外科用リーマー。
【請求項2】
前記リーマーは4枚の刃(1、2、3、4)を有しており、それらの内の第一の刃(1)は、該刃の下端(5)から延在する少なくとも1つの切込部(6)を有しており;第二の刃(2)は、刃の上端(13)から延在する少なくとも1つの切込部(7)を有しており;これら2つの切込部(6、7)の各々は、少なくとも一部分において、もう一方の切込部に嵌め込まれる刃の厚みに対応する幅を有しており;第三の刃(3)は、該刃の上端(13)から延在する少なくとも1つの上方切込部(8)と、刃の下端(5)から延びる少なくとも1つの下方切込部(9)とを有し、該上方切込部(8)の幅は該下方切込部(9)の幅よりも広くなっており;第四の刃(4)は、該刃の上端(13)から延びる少なくとも1つの切込部(10)を有し、該切込部(10)は、少なくとも1つの外縁側部(11)と中心側部(12)とを有し、該外縁側部(11)の幅は該中心側部(12)の幅よりも広くなっており、さらに、第三の刃(3)の下方切込部(9)の幅が、第四の刃(4)の厚みに対応し、第四の刃(4)の切込部(10)の中心側部(12)の幅は、第三の刃(3)の厚みに対応し、また、第三の刃(3)の上方切込部(8)の幅と第四の刃(4)の切込部の外縁側部(11)の幅とは同じであり、組み合わされると、最初の2枚の刃が第三の刃(3)の上方切込部(8)と第四の刃(4)の外縁側部(11)とに挿入され、第三の刃と第四の刃とはそれら自身が組み合わせられることを特徴とする、請求項1に記載のリーマー。
【請求項3】
前記第一の刃(1)の切込部(6)は、中心側部(12)と、それより幅の広い外縁側部(11)との、幅の異なる少なくとも2つの部分(11, 12)を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のリーマー。
【請求項4】
前記第二の刃(2)が、その下端(5)から延びる少なくとも1つの下方切込部(9)を有し、この下方切込部は、この刃の上端(13)から延びる切込部(7)よりも幅が広いことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のリーマー。
【請求項5】
前記リーマーを構成する前記複数の刃を部分的に取り囲んでまとめて保持する、少なくとも1つの強化要素(14, 15)をリーマーが有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のリーマー。
【請求項6】
前記強化要素が円筒状のブシュ(15)であることを特徴とする、請求項5に記載のリーマー。
【請求項7】
前記強化要素が前記複数の刃を挿入することのできる複数のノッチ(17)を有する平坦な環(15)であることを特徴とする、請求項5に記載のリーマー。
【請求項8】
長手方向の対称軸がリーマーの回転軸(20)と一致する少なくとも1つの切込部(6、7、8、9、10)、丸い切削部(18)、及び該切削部よりも狭い下方部分(19)を有していることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載のリーマー用の刃。
【請求項9】
前記刃が、幅の異なる複数の部分を有する少なくとも1つの切込部を有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載のリーマー用の刃。
【請求項10】
前記刃が、切削部(16)の上端(13)から延在する上方切込部(10)と、下端(5)から延在する下方切込部(9)とを有し、該上方切込部(10)の幅と該下方切込部(9)の幅とが相違することを特徴とする、請求項9に記載の刃。
【請求項11】
前記上方切込部(10)及び下方切込部(9)の一方は、少なくとも1つの外縁側部(11)と少なくとも1つの中心側部(12)とを有しており、該外縁側部(11)の幅が該中心側部(12)の幅よりも大きいことを特徴とする、請求項10に記載の刃。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2007−534356(P2007−534356A)
【公表日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−540134(P2006−540134)
【出願日】平成16年11月29日(2004.11.29)
【国際出願番号】PCT/CH2004/000716
【国際公開番号】WO2005/051207
【国際公開日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(506180051)
【氏名又は名称原語表記】FAVRE,Marc−Etienne
【住所又は居所原語表記】La Coulette,CH−1092 Belmont−sur−Lausanne,Switzerland
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月29日(2004.11.29)
【国際出願番号】PCT/CH2004/000716
【国際公開番号】WO2005/051207
【国際公開日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(506180051)
【氏名又は名称原語表記】FAVRE,Marc−Etienne
【住所又は居所原語表記】La Coulette,CH−1092 Belmont−sur−Lausanne,Switzerland
【Fターム(参考)】
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