外科用フィラメントのスネアアセンブリ
【課題】骨に固定されることができ、かつフィラメント係合機構を有する、アンカーを含む、外科用フィラメントのスネアアセンブリを提供する。
【解決手段】第1フィラメントは、少なくとも第1リムの第1部分上に引き結びを有し、かつアンカーのフィラメント係合機構に接続される第2部分を有する。好ましくは、少なくとも1つの自由フィラメントリム(いくつかの実施形態では、第1フィラメントのある長さであり、他の実施形態では第2フィラメントである)は、アンカーが骨に固定された後に、修復される組織を通過することができ、かつ引き結びを通過可能な少なくとも1つの端部を有して、組織の漸増式引っ張りを可能にする。引き結びは、張力が自由フィラメントリム、及び引き結びのうちの少なくとも1つに適用されたときに、自由フィラメントリムを絞扼する。
【解決手段】第1フィラメントは、少なくとも第1リムの第1部分上に引き結びを有し、かつアンカーのフィラメント係合機構に接続される第2部分を有する。好ましくは、少なくとも1つの自由フィラメントリム(いくつかの実施形態では、第1フィラメントのある長さであり、他の実施形態では第2フィラメントである)は、アンカーが骨に固定された後に、修復される組織を通過することができ、かつ引き結びを通過可能な少なくとも1つの端部を有して、組織の漸増式引っ張りを可能にする。引き結びは、張力が自由フィラメントリム、及び引き結びのうちの少なくとも1つに適用されたときに、自由フィラメントリムを絞扼する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組織を骨に固定するための、より具体的には、アンカーの固定から独立した、組織の調節可能な引っ張りのためのフィラメントアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な損傷は、特にスポーツ選手間では骨からの腱、靱帯、又は他の軟組織の完全若しくは部分的な脱離である。組織の脱離は、過剰運動又は様々な他の理由によって、秋に発生する場合がある。組織がその関連する骨から完全に脱離した場合、外科的介入が必要とされることが多い。組織付着に現在有効なデバイスには、ねじ、ステープル、縫合糸、アンカー、及びタックが挙げられる。
【0003】
関節鏡を使用した結紮(Arthroscopic knot tying)は肩の回旋筋腱板において、不安的な手順で一般的に実施される。典型的に、縫合糸を搭載しているアンカーが、まず骨に取り付けられる。縫合糸は、通常は、小穴を通じて、又はポストの周辺で摺動可能にアンカーに取り付けられ、これによって、縫合糸の単一な長さは2つの自由リムを有する。縫合糸の1つのリムは、腱又は関節唇など修復される軟組織を通過する。縫合糸の2つの端部は次いで互いに結ばれ、これによって軟組織をアンカーとループに捕捉する。ループを締め付けると、軟組織はアンカーを介して骨に近付けられる。
【0004】
外科医は典型的に、まずテネシースライダー(Tennessee Slider)又はダンカンノット(Duncan Knot)など、外科用摺動結び目を配置することによって、縫合糸の端部を結ぶ。ループを締め付けた後、多くの追加の一結び又は他の結び目が作られる。従来の摺動結び目は、特に張力がループのリム上に主にかけられたとき、緩み又は滑りに対する必要な保護を提供しないため、追加の結び目が必要とされる。一般的に認められている治療は、縫合糸の交互のポスト上に、少なくとも3つの反転した一結びで、摺動結び目を追従することである。
【0005】
1つ以上の一結び又は他の結び目が摺動結び目に追加され得る前に、しかしながら摺動結び目が滑る可能性があり、すなわち組織がループ上に張力をかけるときに、ループが拡大する可能性がある。これは「ループ安全性(loop security)」と呼ばれ、非常に経験のある外科医の手によってさえも発生する場合があると報告されている。時には、完全に結ばれた結び目さえも滑る場合がある。更に、従来の結び目の外形寸法は、特に堅い接合部において閉塞性又は貫入性である場合があり、これは結び目での磨耗により、軟骨若しくは他の組織を損傷する場合がある。
【0006】
引き裂かれた、又は損傷した組織の修復のための摺動及び固定結び目を備える縫合糸アンカーシステムには、Wenstrom,Jr.による米国特許第6,767,037号が挙げられる。特に半月板の修復に好適な他の縫合糸アンカーシステムは、米国特許第7,390,332号(Selvitelliら)に開示されており、DePuy Mitek Inc.(325 Paramount Drive,Raynham,Massachusetts 02767)から市販されているOmniSpan(商標)半月板修復システムに採用されている。
【0007】
「結び目のない」(すなわち、手術中に外科医が結び目を作る必要がない)と公表している、多くの縫合糸移植システムが存在する。多くのかかるシステムは、アンカーが骨に追い込まれる深さによって組織上の張力を制御する。Lizardiによる米国特許第5,782,864及び同第7,381,213号は、縫合糸の固定された長さのループを捕捉する、特定のタイプの縫合糸アンカーを開示している。スリーブ内に挿入されたアンカー要素を利用する、調節可能なループの、結び目のないアンカーアセンブリは、Thalによって米国特許第5,569,306号及び同第6,045,574号、並びに米国特許出願公開第2009/0138042号に記載されている。クランプ又は他の固定機構を有する他のシステムには、米国特許第5,702,397号(Gobleら)及び米国特許出願公開第2008/0091237号(Schwartzら)が挙げられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、堅牢であるが、調節可能な組織の固定を有し、その一方で、外科医によって、特に関節鏡による修復治療中に作られる結び目の数及び寸法の両方を最小限にすることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は、組織修復治療のために現在利用可能な縫合糸アンカーアセンブリの、組織張力制御及び保持力を満たす、又はこれを超え、その一方で、外科医によって結ばれる一結び又は他の結び目の数を低減することである。
【0010】
本発明の他の目的は、アセンブリのための完成した結び目の寸法を低減することである。
【0011】
なお、更なる目的は、外科医のために全体の結び目を作る工程を簡略化させ、その一方で、向上したループ安全性及び結びの安全性を提供することである。
【0012】
本発明の更に他の目的は、アンカー固定の後に漸増式引っ張りを提供することである。
【0013】
本発明は、骨に固定されることができ、かつフィラメント係合機構を有する、アンカーを含む、外科用フィラメントのスネアアセンブリを特徴とする。第1フィラメントは、少なくとも第1リムの第1部分上に引き結びを有し、かつアンカーのフィラメント係合機構に摺動可能に又は固定して接続されるなど、接続された第2部分を有する。引き結び、例えば1つ以上の一結び又はハングマン型引き結びは、自由フィラメントリムの少なくとも1つの端部を受容し、かつこの端部を、自由フィラメントリム及び引き結びのうちの少なくとも1つに張力が適用されたときに絞扼することができる。
【0014】
好ましい実施形態では、少なくとも第1自由フィラメントリム(いくつかの実施形態では、第1フィラメントのある長さであり、他の実施形態では第2フィラメントである)は、修復される組織を通過することができ、かつアンカーが骨に固定された後に、組織の漸増式引っ張りを可能にするために引き結びを通過可能な少なくとも1つの端部を有する。いくつかの実施形態では、引き結びは、アンカーの方へ引き込み可能である。少なくとも1つのチューブが含まれ、自由フィラメントリムが引き結びを通過するのを支援してもよい。
【0015】
引き結びが少なくとも1つの一結びから形成されている特定の実施形態では、アセンブリは、一結びの異なるループ内に取り外し可能に挿入されて、自由フィラメントリムの2つの端部のための通路を提供することができる、少なくとも2つのチューブを含む。いくつかの実施形態では、チューブは一緒に接合され、チューブを操作するための少なくとも1つのハンドルを有する。好ましくは、チューブはそれぞれ溝が付いて、チューブからの自由フィラメントリムの取り外しを促進する。
【0016】
本発明はまた、骨に固定されることができ、少なくとも1つの通路及び縫合糸係合機構を有する、アンカーを有する、外科用縫合糸スネアアセンブリを特徴とする。第1縫合糸は、少なくとも第1リムの第1部分上に引き結びを有し、かつ通路を通過し、アンカーの縫合糸係合機構に接続される第2部分を有する。第2縫合糸ハ少なくとも第1自由縫合糸リムを有し、これは修復される組織を通過することができ、かつアンカーが骨に固定された後に組織の漸増式引っ張りを可能にするために引き結びを通過可能な少なくとも1つの端部を有し、引き結びは、張力が前記自由縫合糸リム及び引き結びのうちの少なくとも1つに適用されたときに、自由縫合糸リムを絞扼する。
【0017】
本発明の更に別の特徴は、骨に固定されることができ、少なくとも1つの通路及び縫合糸係合機構を有する、アンカーを有する、外科用縫合糸スネアアセンブリである。第1縫合糸は、少なくとも第1リムの第1部分上に引き結びを有し、かつ通路を通過し、アンカーのフィラメントの縫合糸係合機構に接続される第2部分を有する。第1縫合糸は、修復される組織を通過することができる、少なくとも第1自由縫合糸リムを更に有し、かつアンカーが骨に固定された後に、組織の漸増式張力を可能するために引き結びを通過可能な少なくとも1つの端部を有し、引き結びは、張力が自由縫合糸リム及び引き結びのうちの少なくとも1つに適用されたときに、自由縫合糸リムを絞扼する。
【0018】
本発明の更なる特徴は、骨に固定され、かつフィラメント係合機構を有するアンカーを選択することを含む、組織を外科的に修復する方法である。第1フィラメントは、少なくとも第1リムの第1部分上に引き結びを有し、かつアンカーのフィラメント係合機構に摺動可能に又は固定して接続されるなど、接続された第2部分を有して、選択される。本方法は、アンカーを骨に固定することと、少なくとも第1自由フィラメントリムを選択することと、それを修復される組織に通過させることと、を更に含む。自由フィラメントの少なくとも1つの端部は、引き結びを通過し、組織は、アンカーが骨に固定された後に、所望により引っ張られ、引き結びは、張力が自由フィラメントリム及び引き結びのうちの少なくとも1つに適用されたときに、自由フィラメントリムを絞扼する。
【0019】
いくつかの実施形態では、自由フィラメントリムは、第2フィラメントのある長さから選択される。一実施形態では、第2フィラメントは、第2自由フィラメントリムを含み、第2自由フィラメントリムも、組織が第1自由フィラメントリムと第2自由フィラメントリムとの間に捕捉されるように引き結びを通過する。特定の実施形態では、張力はまた、アンカーの方へ引き結びを引き込むことによって、引き結びに適用される。
【0020】
他の実施形態では、本方法は、ストッパー要素を自由フィラメントリムの上に、この自由フィラメントリムが引き結びを通過した後に配置して、引き結びからの自由フィラメントリムの抜けを抑制することを更に含む。いくつかの実施形態では、結び目が作られ、引き結びの方に摺動され、ストッパー要素として機能する。少なくとも1つのチューブは、引き結び内に取り外し可能に挿入され、自由フィラメント端部が引き結びを通過するのを支援してもよい。いくつかの実施形態では、引き結びは少なくとも3つの開口部を有する少なくとも1つの一結びから形成される。少なくとも2つのチューブは、一結びの異なる開口部に取り外し可能に挿入され、自由フィラメントリムの少なくとも2つの端部のための通路を提供する。少なくとも2つの自由フィラメント端部は、一結びの異なる開口部を通過する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
以下に、図面を参照して本発明の好ましい実施形態をより詳細に説明する。
【図1】アンカー及び引き結びを有する、本発明による外科用フィラメントのスネアアセンブリの概略的側面図。
【図1A】ハングマン型引き結びの概略的側面図。
【図1B】本発明により利用される一結びの引き結びの概略的側面図。
【図2】引き結びを通過した糸通し器ループを備えるアンカーで最初に固定するために、カニューレ挿入したドライバと、取り外し可能に接続された、図1のアセンブリの概略的側面図。
【図3】本発明による外科用フィラメントのスネアアセンブリに組織を捕捉し、かつ引っ張るためのプロセスを図示する概略的側面図。
【図4】本発明による外科用フィラメントのスネアアセンブリに組織を捕捉し、かつ引っ張るためのプロセスを図示する概略的側面図。
【図5】本発明による外科用フィラメントのスネアアセンブリに組織を捕捉し、かつ引っ張るためのプロセスを図示する概略的側面図。
【図6】本発明による外科用フィラメントのスネアアセンブリに組織を捕捉し、かつ引っ張るためのプロセスを図示する概略的側面図。
【図7】本発明による外科用フィラメントのスネアアセンブリに組織を捕捉し、かつ引っ張るためのプロセスを図示する概略的側面図。
【図8】本発明による外科用フィラメントのスネアアセンブリに組織を捕捉し、かつ引っ張るためのプロセスを図示する概略的側面図。
【図8A】図8、9、及び10に示されているストッパー結び目の例を提供している。
【図9】本発明による外科用フィラメントのスネアアセンブリに組織を捕捉し、かつ引っ張るためのプロセスを図示する概略的側面図。
【図10】本発明による外科用フィラメントのスネアアセンブリに組織を捕捉し、かつ引っ張るためのプロセスを図示する概略的側面図。
【図11】複数の開口部が、2つ以上の自由フィラメントリムを絞扼するために利用されている、代替の一結びの引き結びの斜視図。
【図12】複数の開口部が、2つ以上の自由フィラメントリムを絞扼するために利用されている、代替の一結びの引き結びの斜視図。
【図13】図11の引き結び開口部を、自由フィラメントリムが貫くのを支援するためのチューブの斜視図。
【図14A】二連式の、溝付きの糸通し器デバイスの斜視図。
【図14B】引き結びを貫くために採用されている、図14Aのデバイス。
【図15】本発明による引き込み可能な引き結びの形態を備える、異なるスネアアセンブリを図示する。
【図16】本発明による引き込み可能な引き結びの形態を備える、異なるスネアアセンブリを図示する。
【図16A】本発明による引き込み可能な引き結びの形態を備える、異なるスネアアセンブリを図示する。
【図17】本発明による引き込み可能な引き結びの形態を備える、異なるスネアアセンブリを図示する。
【図18】本発明による引き込み可能な引き結びの形態を備える、異なるスネアアセンブリを図示する。
【図19】本発明による引き込み可能な引き結びの形態を備える、異なるスネアアセンブリを図示する。
【図20】本発明によるスネアアセンブリの単一の引き結びを通過する、複数のフィラメントの概略的な平面図。
【図21】図18に示されている形態の1つの構造体の拡大図。
【図22】修復される組織を通って配置された他のアンカー共に利用されている、図18のスネアアセンブリの概略的側面図。
【図23】修復される組織を通って配置された他のアンカー共に利用されている、図18のスネアアセンブリの概略的側面図。
【図24】修復される組織を通って配置された他のアンカー共に利用されている、図18のスネアアセンブリの概略的側面図。
【図25】修復される組織を通って配置された他のアンカー共に利用されている、図18のスネアアセンブリの概略的側面図。
【図26】修復される組織を通って配置された他のアンカー共に利用されている、図18のスネアアセンブリの概略的側面図。
【図27】修復される組織を通って配置された他のアンカー共に利用されている、図18のスネアアセンブリの概略的側面図。
【図28】カニューレ挿入した縫合糸アンカーを有する、本発明によるスネアアセンブリの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、骨に固定されることができ、フィラメント係合い機構を有する、アンカーを含む、外科用フィラメントのスネアアセンブリによって達成することができる。第1フィラメントは、少なくとも第1リムの第1の近位部分上に引き結びを有し、かつアンカーのフィラメント係合機構に摺動可能に又は固定して接続されるなど、接続された第2部分を有する。引き結び、例えば1つ以上の一結び又はハングマン型引き結びは、自由フィラメントリムの少なくとも1つの端部を受容することができる。引き結びは、張力が引き結びに、自由フィラメントリムに、又はこの両方に適用されたときに、自由フィラメントリムを絞扼する。
【0023】
好ましい構造体では、少なくとも第1自由フィラメントリム(いくつかの構造体では、第1フィラメントのある長さであり、他の構造体では第2フィラメントである)は、修復される組織を通過し、かつ前記アンカーが骨に固定された後に前記組織の漸増式引っ張りを可能にするために前記引き結びを通過可能な少なくとも1つの端部を有する。
【0024】
外科用フィラメントのスネアアセンブリ10(図1)はアンカー12及び第1フィラメント14を有する。この構造体では、アンカー12は、その遠位端20において限局的開口部18を備える内部通路16を画定し、これはフィラメント係合機構として働く。少なくとも1つの骨係合機構22、例えば外側リブ若しくは螺旋状のねじ切りは、遠位端20と近位端24との間のアンカー12の外側表面上に配置される。
【0025】
第1フィラメント14は、その近位端において引き結び30と、フィラメントポスト又はフィラメントステム15の遠位端において、固定された結び目32を有し、これは限局的開口部18と相互作用し、フィラメント14を固定された、恒久的に取り付けられた位置に保持する。この配置は、第1フィラメント14がフィラメント係合機構18と接続していると称される場合があり、これはフィラメント係合機構18を通過するフレーズを含む。引き結び30上で臨床的に望ましい張力で抜け落ち(pull-through)を防ぐために、結び目32が十分な嵩高を有する限り、多くの従来の結び目、例えば桑実状結び目などが、固定された結び目32のために利用されてもよい。多くの他のタイプのフィラメント係合が以下に記載されている。ステム15は、引き結び30をそれが以下に記載のように折り畳まれた後でさえも、アンカー12の近くに維持するために、できるだけ短く維持される。
【0026】
第1フィラメント14aがハングマン型引き結び30aをその近位端で、及び固定された結び目32aをステム15aの遠位端で有する図1Aに、周知の引き結び結び目33が図示されている。引き結び30aは、摺動する引き結び結び目33を有し、開口部34を画定する。引き結び結び目33は、フィラメント14aの近位端で平坦化された「S」若しくは「Z」形状を形成することによって結ばれて、大きな近位ループを形成し、引き結び開口部、及び大きなループから離間された小さなループとしての働きをする。この二重のフィラメントリムは、作用端部としても知られており、終端部と共に巻かれる。典型的に4〜8の巻き付け回転の後、終端部は小さなループを通じてしまい込まれ、大きなループのリムのいずれかが小ループを閉じて引くことによって捕捉される。
【0027】
一結び35を有する、代替の、より単純な引き結びが、第1フィラメント14b(図1B)に関して図示されており、フィラメントリム36及び38の中間で引き結び30bを形成するように結ばれた、単純な又は止め結び(overhand knot)とも呼ばれる。以下により詳細に記載されるように、複数の開口部が、一結び35におけるループによって形成されるが、中央開口部37は、図1Bでは大きな単一の開口部として示されている。第1フィラメントリム36及び38は、一結び35の周囲で折り畳まれ、二重のステム構成を形成し、第1フィラメントリム36及び38の遠位端は、アンカー上の好適なフィラメント係合機構を通過した後、結び目32bで結合される。
【0028】
引き結び効率は、本明細書では、引き結びがその上で結ばれている、又は他の方法で引き結びを有するフィラメントを引くことによって、あるいは引き結びを通過するフィラメントの1つ以上のストランド若しくはリムを引くことによってのいずれかで、引き結び上に適用された単位張力当たりの絞扼強度として定義される。引き結び結び目において、より低い内部摩擦を備える引き結びは、より高い引き結び効率を有する傾向にある。
【0029】
骨にドリルで開けられた穴に、アンカー12を挿入するための器具が図2に図示されている。ドライバ40は、通路16内に取り外し可能に挿入可能な遠位端42を有する。ドライバ40は、この構造体でカニューレ挿入され、引き結び30を通過する、任意の糸通し器フィラメント46を備えるルーメン44を有する。糸通し器フィラメントの使用は任意ではあるが、しかし、引き結び30がフィラメント係合機構18から短い距離でのみ離間されている場合に、換言すれば、引き結び30が最初にアンカー12の近くに、又はこれの内部に配置された場合に、望ましい場合がある。
【0030】
本発明による一つの処置において、アンカー12は、ドライバ40が取り除かれた後、修復される組織Tから所望される距離で離間された穴50において、骨B内に固定されて示されている(図3)。引き結び30は、初期の開口形態にある。糸通し器フィラメント46は、十分な長さを有し、第1リム上の糸通し器ループ52と、皮膚Sの上に近位に延びる第2リム54上の把持可能部分の両方を有し、その一方で糸通し器フィラメント46の中間部分は、引き結び30に関連して摺動可能である。
【0031】
この例示の手順で続けながら、第2フィラメント60(図4)は、外科医によって選択された縫合糸通過機器、針、又は他の組織貫通技法を使用して、組織Tに通される。自由フィラメントリム62及び64の両方が、典型的には皮膚Sの上で、又は結合空間の少なくとも外側で一緒にされ、糸通し器ループ52を通過する(図5)。糸通し器リム54は次いで、図6に図示するように、引き結び30を通って、第2フィラメントリム62及び64の両方を貫くように引っ張られ、その一方で、引き結び30は最初の開口形態にある。あるいは、自由フィラメントリム62及び64は、糸通し器フィラメントを使用せずに、引き結び30を直接通過する。
【0032】
高い引き結び効率が存在する場合、軽量のタグは、フィラメントリム62及び64上で引き結び30を折り畳んで(図7に示すように)、外科用フィラメントのスネアアセンブリ10上で初期の張力を提供するのに十分である。一般的に、1つ以上の自由フィラメントリムが、糸通しフィラメント使用せずに、直接引き結び30を貫く場合、又は、以下の図13〜14Bで示されるもののようにチューブ若しくは糸通し器を使用して貫く場合、より高い引き結び効率を利用することができる。
【0033】
自由フィラメントリム62及び64の初期若しくは事前引っ張りの後に(図7)、張力はリム62、64上で解放され、摺動自在なストッパー結び目70(図8)は、皮膚Sの上で、リム62、64上で外科医によって結ばれる。ストッパー結び目70aに関する1つの構造体の拡大図(図8A)は、余分の投げ又は戻しを備える一結び(二重止め結びとしても既知の)を示す。単純な結び目、例えば単一の一結び又は止め結びは、一部の場合では十分であり得る。より大きな負荷能力を備える、他の好適で、より堅牢な外科医の摺動自在な結び目は、DePuy Mitekから入手可能な「Arthroscopic Knot Tying Manual」(2005)に記載されているテネシースライダー、並びに米国特許第6,767,037号(Wenstrom,Jr.)の摺動自在で、固定可能な結び目が挙げられる。あるいは、全体的なプロファイルが重要でない場合、特に、結合又は他の締める面から離れる場合には、機械的固定機構が利用されてもよい。
【0034】
ストッパー結び目70は典型的に、それが引き結び30に接触するまで、結び目押し器を使用して前進する(図9)。組織Tとアンカー12との間に生じた張力は、フィラメントリム62若しくは64のうちの1つの上で、単体又は一緒に引っ張って、引き結び30を更に折り畳み(図10)、フィラメントを絞扼する。ストッパー結び目70は、ストッパー結び目上の全ての、組織が生成した張力を引き結び30に移動させることによって、かつフィラメントリム62、64の、引き結び結び目内への滑りを防止することによって、絞扼を増加させる。したがって、自己締め付け機構が作られ、これはフィラメントの緩みを抑制する。ストッパー結び目を更に前進させることによって、又はフィラメントリム62、64のうちの1つ上で引っ張ることによって、ラチェット様の効果で、張力は漸次的に増加することができる。
【0035】
いったん十分な組織張力が達成されると、1つ以上の一結びがストッパー結び目70に追加されて、ストッパー結び目上の負荷能力を強化し、悪条件下の緩みのリスクを低減する。比較して、従来の摺動結び目は典型的に、交互のポスト上に配置された少なくとも2つ又は3つの反転した一結びによって強化される。本発明の自己固定効果によって、ストッパー結び目70が、従来の結び目システムに関する負荷能力を満たす、又はこれを超えるには、より少ない全体的な結び目若しくは他の結び目が必要とされる。本発明はしたがって、所与の負荷に対処するために、より少ない全体的な結び目のプロファイルを達成する。リム62、64は所望によりトリミングされる。ストッパー結び目も、フィラメント端部のほつれを時間と共に最小限にする。
【0036】
フィラメント14及び60に関して好ましい材料には、DePuy Mitekから市販されているOrthocord(商標)縫合糸、及びEthiconから入手可能なEthibond(商標)縫合糸など、典型的にはサイズ0〜サイズ5の様々な外科用縫合糸が挙げられる。Orthocord(商標)縫合糸は、約55〜65パーセントのPDS(商標)ポリジオキサノンであり、これは生体吸収性であり、残りのパーセントは超高分子量のポリエチレンであり、その一方で、Ethibond(商標)縫合糸は、主に高強度なポリエステルである。生体吸収性材料の量及びタイプは(存在する場合)、主に、実施される特定の外科手術に対する外科医の好みの問題である。
【0037】
同じタイプの縫合糸、同一の縫合糸でさえも、第1引き結びフィラメント14及び第2の組織フィラメント60の両方に関して使用することができ、その表面において、下方の研磨材特性を有する縫合糸は、第2のフィラメント60に関して、一部の外科医によって好まれる場合がある。下方の磨耗特性は、より大きな直径、より柔軟な組成物、より柔軟な組成物、より柔軟な編組、塗装若しくはストランドのパターン、又はそのような特性の組み合わせによって達成することができる。
【0038】
上記の図1〜6で図示された引き結びは、それを1つ以上の自由フィラメントリムが、それを通じて糸を通す単一の開口物を有するように記載されている。単純な一結び又はかがり縫いタイプの「プレッツェル」様の結び目が、複数の有用な開口部80、82及び84を有する引き結び30に関して、図11に図示されている。側部開口部80及び84は、第1フィラメントリム36c、38cにおける一結び結び目の小さなループ81及び83によって形成され、その一方で中央開口部82は主要ループによって形成される。自由フィラメントリム62c及び64cが、側部開口部80及び中央開口部82をそれぞれ通って伸びているのが示されており(図12)、例えば側部開口部80及び84、又は中央開口部82及び側部開口部84を使用するなど、他の組み合わせ及び順列もまた効果的である。引き結び結び目の異なる領域又区域を利用することは、自由フィラメントリム上の効果的な絞扼及び把持を著しく増加させる。引き結び結び目における複数の開口部を利用することは、フィラメントの適合特性への載荷能力のいずれかの依存を最小限にするということが期待される。単純な、単一の一結びのストッパー結び目70cもまた図12に図示されている。
【0039】
外科医によって、2つ以上の糸通し器フィラメント、又は慎重な、潜在的に手間のかかる操作が採用され、図12に示す形態を達成することができる一方で、不注意による引き結びの折り畳みを回避する代替技法が図13に示されている。チューブ90及び92は、ループ81及び83によって形成された側部開口部内への摺動に適している。フィラメントリム36、38cは、アンカー12cと係合しているのが示されている。チューブ90及び92は通路94及び96をそれぞれ画定し、これを通じて自由フィラメントリム62c及び64cが糸通しされる。チューブ90及び92は次いで、引き結び30cから外され、フィラメントリム62c及び64cに沿って、それらが適切に取り外され、捨てることができるまで、近位に引かれる。
【0040】
二連式(Double-barrelled)の糸通し器100(図14A)は2つの糸通し器チューブ102、104を有し、これらはハンドル106で一緒に結合され、更に簡易な方法を提供する。1つの構造体では、デバイス100は、ポリマー材料を使用してモノリシックなユニットとして成型される。チューブ102、104は、それぞれ両端における開口部、並びにスロット112、114それぞれを備えて、内側ルーメン108、110をそれぞれ有し、これはまたチューブ102、104の全体の長さを走る。使用中に、チューブ102、104は、第1フィラメントリム36d、38dから形成されたループ81d、83d(図14B)を通って配置され、自由フィラメントリム62d、64dは、ルーメン108、110を通って挿入される。したがって、リム62d、64dは、スロット112、114を通って単に持ち上げられ、デバイス100から完全に糸通しされたフィラメントを取り除く。所望のように、1つ以上の追加のそのようなチューブが形成されて、利用されてもよい。また、チューブ102、104は、図示されているものよりも、より広いスロットを有して、横断面において「C」又は「U」型として形成されてもよい。
【0041】
本発明による、スネアアセンブリの多くの他の形態が存在し、これは所望のとおり、アンカーの方へ引き込まれるのを可能にする、1つ以上の調節可能な長さの引き結び支持ステム又はリムを有する。これらの形態は、最終のフィラメント位置及び張力に対する制御の更なるレベルをもたらす。スネアアセンブリ120(図15)は、アンカー130内へ延びるステム区域126を備えて、第1フィラメント122の1つの端部において形成された引き結び124を有し、ラチェット様の一方向のゲート又はクランプ機構132を通過する。フィラメント122の残りは、リム128として機能し、ステムの尾部と呼ばれる。一方向の機構のいくつかの例は、例えばGobleらによる米国特許第5,702,397号に記載されており、一方向のみでのフィラメントの動作を可能にする。
【0042】
図15に示されるように、アンカー130は骨Bに固定される。第2フィラメント134は、組織Tを通過し、組織Tを包囲する結合空間の外に最初に配置された引き結び124を通過する自由リム136及び138を有する。また、結合空間の外に配置されたリム128は、機構132の方へ引き結び124を引き込むように引っ張る。典型的に、引き結び124は折り畳まれ、リム128はトリミングされ、次いで、上記の図7〜10に図示されたものと同様な手順が利用される。
【0043】
スネアアセンブリ140(図16)は、アンカー150内に延びる2つのステムリム146及び148と共に結ばれる引き結び144を有する、第1フィラメント140を有する。この構造体では、アンカーポスト152は、フィラメント140をアンカー150に摺動可能に取り付けるたえものフィラメント係合機構として機能する。フィラメントステムの尾部のリム154、156は、初期の形態において引き結び144と共に結合空間の外に延びる。第2フィラメント160は、組織Tを通過し、次いで自由リム162、164は、結合空間の外へと、引き結び144を通過する。
【0044】
図16Aに図示されている手順では、第1フィラメント142のリム154及び156も引き結び144を通過し、次いで、4つのリム154、156、162、及び164の全てを中心に引き結び144を折り畳むように引かれ、引き結び144をフィラメント係合ポスト152の方へ引き込む。1つ以上の摺動結び目は、ステムの尾部のリムの対154、156上で作られ、引き結び144をアンカー150に近接して調節し、次いで単純な結び目は自由リム162、164上で作られ、組織T上の最終張力を調節するが、他の組み合わせ及び順列が、本発明の範囲内で利用されてもよい。典型的に、摺動結び目は、1つ以上の一結びで仕上げられ、固定を「密封する」、すなわち完成させる。
【0045】
スネアアセンブリ170(図17)は、アンカー180への引き結び174の固定及び組織Tの伸長の両方を行うために、単一のフィラメント172を利用する。ステムリム176、178は、アンカー12内へ、かつフィラメント係合ポスト182の周囲に摺動可能に通過し、尾部のリム184、186として、アンカー180から出てきて、これは、アンカー180が骨Bに固定されているときに、引き結び174を伴って、最初は結合空間から外に維持される。いくつかの構造体では、アンカーポスト182は、小穴又はプーリーピンである。自由尾部のリム184、186は、同一又は異なる場所若しくは区域において、組織Tを、次いで引き結び174を通過する。引き結び174は、軽い張力を尾部のリム184、186のうちの1つ、又は好ましく両方に適用することによって折り畳まれ、結合空間内に引かれる。単純なストッパー結び目が、尾部のリム184と186との間で結ばれ、引き結び174に対して押圧され、その一方でリム184、186を引っ張って、所望の量の張力を組織T上にかける。固定は、1つ以上の一結びを、引き結び174においてストッパー結び目に対して配置することによって完了する。
【0046】
スネアアセンブリ190(図18)は、スネアアセンブリ120(図15)と機能的な類似点を有するが、一方向のゲート又はクランプ機構を有さずにラチェット様の引き結び引き込みを達成する。フィラメント192(図18)は、抜け落ちを防ぎ、ほころびに耐えるための、ストッパー結び目196を、その終端部において備える、引き結び194を有する。摺動結び目198は、ループリム202及び204を有して、ループ200に、ポストリム206が引かれたときに、アンカー205の方に短くされるのを可能にする。ループ200は、アンカーサドル又はポスト207の周辺を通過する。これ及び他の調整可能なループ、摺動結び目の形態は、図21〜27に関して以下により詳細に記載されている。
【0047】
スネアアセンブリ310(図19)は、引き結び304、及び長さが固定されているループ306を備える第1フィラメント302を含み、フィラメント302の全長は引き結び304の完全な折り畳みに供される。第2フィラメント316は終端部318、アンカー312の遠位端において保持される摺動結び目322、ポストリム320、及びリム326、328によって形成される調節可能なループ324を有する。この形態は、図28に関して以下により詳細に記載される。
【0048】
本明細書の実施形態の大半は、組織Tにおける単一の場所若しくは区域を通過する1つ又は2つフィラメントリムを固定する関連で記載されてきたが、これは本発明の制限ではない。スネアアセンブリ210(図20)は、第2フィラメント222及び第3フィラメント224の自由リム214、216、及び218、220が通過する引き結び212を備える、第1フィラメント211を有する。引き結び212は、アンカー215を備えるステム213によって係合する。フィラメント222及び224は、組織区域R1及びR2をそれぞれ通過する。組織の複数の区域は、縫合糸及び他のフィラメントの潜在的に複数のタイプは、したがって本発明による単一のスネアアセンブリを使用して固定されてもよい。
【0049】
スネアアセンブリ190に関するフィラメント192の1つの配置(図18)は、スネアアセンブリ190aに関する図21に図示される。引き結び194aは、開口部232を、フィラメント192aの領域230に単に作製することによって、かつフィラメント192aをそれ自体に通過させることによって形成される。ループ200a及び摺動結び目198aは、したがってポストリム206a上に形成される。この配置では、ステム234上に適用されたいずれかの張力は、例えば、ポストリム206aを引くことによって、引き結び194aを折り畳み、引き結び194a通過して対象物を絞扼するだけでなく、フィラメント192aの部分を開口部232を通過してその上に縛りもする。他の配置では、一結び又は他の単純な結び目は、フィラメント区域230で作られ、フィラメント192aは次いで、その単純な結び目を通ってループ状になる。ストッパー結び目196a、例えば単純は一結びは、特に、編組されたフィラメント、例えばOrthcord(商標)縫合糸が、フィラメント192aに対して利用される場合、終端部がほころびや開口するのを防止する。
【0050】
フィラメント192として縫合糸を採用するスネアアセンブリ190(図18)を製造するための工程の例は以下のとおり。ストッパー結び目196を作り、終端部の尾部をトリミングする。縫合糸をループ状にして、それをそれ自体にストッパー結び目196に密接に近接した状態で通して、図21に図示されている引き結びの配置を達成するか、又は第2一結びをストッパー結び目に密接に近接した状態で結び、縫合糸を一結びに通過させて引き結び194(図18)を作る。薄形のマンドレル又はピンなどの他の物体を、引き結び194を通して配置して開存性を維持してもよい。摺動結び目198、例えばバントライン一結び結び目は、引き結び194に密接に近接して作られ、縫合糸は、アンカー205の形状207と摺動係合した状態で配置される。摺動結び目198は次いで、所望のとおり包帯を巻かれるか、又は仕上げられる。
【0051】
従来は、回旋筋腱板外側列の固定は、内側アンカーから縫合糸ブリッジを貫通することを含む。縫合糸は結び目のある、又は結び目のないアンカーと共に、外側列において固定される。糸がほどかれたアンカーは、糸を通されたアンカーよりも、アンカー引き抜きに対してより弱く、アンカーのタイプに関係なく、多くの従来の手順において、縫合糸の滑りは、比較的低い負荷において発生する場合がある。
【0052】
図18のスネアアセンブリを利用している、回旋筋腱板の複列の修復に関して、現在好ましい技法が、図22〜27に図示されている。内側列アンカー240(図22)は、内側列において、縫合糸242で固定されている腱板組織Tを有して、骨に既に組み込まれているのが示されている。糸が通されたアンカーが、アンカー240に利用されるのが好ましく、アンカー205と同じタイプのアンカーであってもよい。自由縫合糸リム244及び246は、結合空間から外に引き込まれて、皮膚Sを超えて延びるように示されている(図22に示される)。糸が通されたアンカー205(図23)は、次いで、内側列固定とは独立して、穴Hに外側列アンカーとして配置される。この段階において、折り畳み式ループ200は、摺動結び目198及び引き結び結び目194が結合空間の外に伸びるのを可能にするために十分に長い。
【0053】
内側列からの縫合糸リム244、246は次いで、好ましくは上記の糸通し器デバイスのうちの1つを利用して、引き結び194を通過する(図24)。縫合糸リム244、246上の任意の張力は、引き結び194をそれらの周辺で折り畳む。糸通し器チューブの寸法は、摺動結び目198から引き結び194の移動を制限するように選択されてもよい。ポストリム206は次いで、矢印250によって示された基端方向において引っ張られ(図25)、アンカー205内に、又はこれに密接に近接して摺動結び目198を引き込み、かつ縫合糸ブリッジ258上に初期の張力をかける。
【0054】
一結びなどの単純な結び目は次いで、縫合糸リム244、246との間で作られ、摺動結び目260として引き結び194に対して押し下げられ(図26)、その一方でリム244及び246は引かれて、所望のとおり縫合糸ブリッジ258を更に引っ張る。縫合糸ブリッジ258が正しく引っ張られ、恒久的に修復部を固定し、縫合糸リム244及び246の端部がトリミングされた後、第2又はより多くの一結び262が追加される(図27)。図20に関して上記のとおり、単一の引き結びは複数の対の縫合糸に対処できるため、更なる縫合糸ブリッジが、所望により複数の内側アンカーから固定され得る。
【0055】
調節可能な縫合糸スネアアセンブリ310(図28)は、縫合糸アンカー312と、1つの端部において作られた引き結び304を有する、第1材料302の、閉じた、固定長さのループ306と、を有する。一結びの「プレッツェル」様の結び目305がこの構造体で示されている。ループ306は、終端部318、ポストリム320、摺動バントライン一結び結び目322、並びにループリム326及び328を備える調節可能なループ324を有する第2フィラメント316に捕捉され、換言すれば、これに接続される。フィラメント316は引き結び304をアンカー12に接続するため、第2フィラメント316は、アンカー12の調節可能なフィラメント係合形状の部分として見なされる場合もある。一構造体では、縫合糸アンカー312は、本明細書に援用する米国特許出願公開第2008/0147063号(Cauldwellら)に開示されているカニューレ挿入された縫合糸アンカーと類似である。本発明のこの摺動結び目の形態によって利用されるアンカーシステムでは、しかしながら、ポスト様縫合糸係合部材又は他の咬合要素(1つ以上の縫合糸若しくは縫合糸リムがその上を通過して、近位移動に対する制限として働く)を有することは必要ではなく、多くの構造体では、結び目322の抜けを防止するために制限された開口部346を有することで十分である。
【0056】
縫合糸アンカー312は、遠位アーム334と336との間の切り抜き338を画定する、対向する遠位アーム334及び336を備える、近位端330及び遠位端332を有する。通路340は、近位端330から遠位の切り抜き338まで走る内部ルーメンである。結び目322は、説明の目的で図28で切り抜き338を超えて延びているのが示されているが、患者の中にスネアアセンブリ310を挿入するときに、骨係合機構342、又はアンカー312の他の外側表面、及びその中で縫合糸アンカー312が固定される骨との、結び目322による干渉を最小限にするために、結び目322は、アーム334と336との間の制限された開口部346に対して位置しているのが好ましく、あるいは、キャビティ若しくは他の形状によって遠位端332において維持されているのが好ましい。
【0057】
1つ以上の骨係合形状342、例えば螺旋状のねじ切り(図28に図示)、又は他の形状、例えば歯、隆起部、又は他の突隆起部がアンカー312の外側上に形成され、骨内の固定を強化する。例えば、DePuy Mitek Inc.から入手可能なHealix(商標)アンカー上に見出されるような糸が望ましい。他の構造体では、縫合糸アンカーはその近位端において骨内にトグルで留められ、抜けを最小限にする。多くの構造体では、穴はアンカー挿入の前に骨に形成され、他の構造体では、縫合糸アンカーは直接、骨内に挿入される。更に、1つ以上の通路又はチャネルが、縫合糸アンカーの外部上、例えば仮想線で図示されるチャネル344(図28)上に、骨係合要素342を横送りさせながら形成されてもよい。
【0058】
終端部318が、少なくとも1つの骨係合機構342の外側に対して位置するのに十分な長さで維持されて、挿入の間は、骨に捕捉されているか、又はより短い長さにトリミングされるかどうかは、外科医の好みの問題である。更に、制限された開口部などの制限は、張力がポストリム320に適用されたときに、アンカー312が骨に固定され、結び目322がポストリム320と共に移動するのを防止するときに、少なくとも部分的に骨との係合によって定義されてもよい。
【0059】
上記で引用されCauldwellら、又はやはり本明細書で援用するものであるLizardiによる米国特許第7,381,213号の一部の構造において同様の、1つ以上のそのような遠位延長部又は他の突出部が提供されてもよい。更に他の構造体では、円筒形、ないしは別の方法で円周のキャビティ、ボウル、又はカウンターシンク機構がアンカーの遠位端において提供され、挿入及び固定の間に結び目322を配置する。
【0060】
摺動自在な結び目322は、一部の構造体ではバントライン一結び結び目として記載されてきているが、本発明を検討した後には、縫合糸結束技術における当業者には、他の好適な結び目も容易に明かであろう。本明細書で使用されるとき、用語「摺動自在な」は、摺動自在で固定可能な結び目、並びに、DePuy Mitekから入手可能な「Arthroscopic Knot Tying Manual」(2005)に記載されているもの、及び米国特許第6,767,037号(Wenstrom,Jr.)による摺動自在で固定可能な結び目など、摺動自在な結び目を含むことが意図されている。
【0061】
したがって、本発明の基礎となる新規な特徴を、本発明の好ましい実施形態に適用されるように図示し、説明し、指摘したが、当業者は、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、例示された装置の形と詳細並びにその操作の様々な省略、代用及び変更を行うことができることを理解するであろう。例えば、本発明の範囲内と同様の結果を得るために、実質的に同じ方法で、実質的に同じ機能を行う要素及び/又は工程の全ての組み合わせが明確に意図される。ある記載された実施形態の要素を別の実施形態の要素に置換することも十分意図され、想到される。また、図面は必ずしも縮尺通りではないが、実際には単に概念的なものである。よって、添付の「請求項の範囲」によって示されているとおりに限り限定されることが意図される。
【0062】
本明細書に引用される全ての発行済み特許、係属中の特許出願、刊行物、論文、書籍、又は任意の他の参照文献は、その全文が参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0063】
〔実施の態様〕
(1) 骨に固定されることができ、かつフィラメント係合機構を有する、アンカーと、
少なくとも第1リムの第1部分上に引き結びを有し、かつ前記アンカーの前記フィラメント係合機構に接続された第2部分を有する、第1フィラメントであって、前記引き結びは、自由フィラメントリムの少なくとも1つの端部を受容し、かつ該端部を、前記自由フィラメントリム及び前記引き結びのうちの少なくとも1つに張力が適用されたときに絞扼することができる、第1フィラメントと、を備える、外科用フィラメントのスネアアセンブリ。
(2) 前記引き結びが、前記アンカーの方へ引き込み可能である、実施態様1に記載のアセンブリ。
(3) 前記引き結びが、少なくとも1つの一結びから形成される、実施態様1に記載のアセンブリ。
(4) 前記引き結びが、ハングマン型結び目を含む、実施態様1に記載のアセンブリ。
(5) 前記引き結び内に取り外し可能に挿入されて、前記少なくとも1つの自由フィラメントリムの前記端部のための通路を提供することができる、少なくとも1つのチューブを更に含む、実施態様1に記載のアセンブリ。
(6) 各チューブにはそれぞれ溝があり、前記チューブからの前記自由フィラメントリムの取り外しを促進する、実施態様5に記載のアセンブリ。
(7) 前記一結びの異なるループ内に取り外し可能に挿入されて、自由フィラメントリムの2つの端部のための通路を提供することができる、少なくとも2つのチューブを更に含む、実施態様3に記載のアセンブリ。
(8) 前記チューブは一緒に接合され、かつ前記チューブを操作するための少なくとも1つのハンドルを有する、実施態様7に記載のアセンブリ。
(9) 各チューブにはそれぞれ溝が付いて、前記チューブからの前記自由フィラメントリムの取り外しを促進する、実施態様8に記載のアセンブリ。
(10) 骨に固定されることができ、かつフィラメント係合機構を有する、アンカーと、
少なくとも第1リムの第1部分上に引き結びを有し、かつ前記アンカーの前記フィラメント係合機構に接続された第2部分を有する、第1フィラメントと、
修復される組織を通過することができ、かつ前記アンカーが骨に固定された後に前記組織の漸増式引っ張りを可能にするために前記引き結びを通過可能な少なくとも1つの端部を有する、少なくとも第1自由フィラメントリムであって、張力が前記自由フィラメントリム及び前記引き結びのうちの少なくとも1つに適用されたときに、前記引き結びは前記自由フィラメントリムを絞扼する、第1自由フィラメントリムと、を備える、外科用フィラメントのスネアアセンブリ。
【0064】
(11) 前記第1自由フィラメントリムが、第2フィラメントの、ある長さである、実施態様10に記載のアセンブリ。
(12) 前記第2フィラメントが、第2自由フィラメントリムを含み、該第2自由フィラメントリムも、前記組織が前記第1自由フィラメントリムと前記第2自由フィラメントリムとの間に捕捉されるように前記引き結びを通過可能である、実施態様11に記載のアセンブリ。
(13) 前記第1自由フィラメントリムが、前記第1フィラメントの、ある長さである、実施態様10に記載のアセンブリ。
(14) 前記第1フィラメントが、第2自由フィラメントリムを含み、該第2自由フィラメントリムも、前記組織が前記第1自由フィラメントリムと前記第2自由フィラメントリムとの間に捕捉されるように前記引き結びを通過可能である、実施態様13に記載のアセンブリ。
(15) 前記引き結びが、少なくとも1つの一結びから形成される、実施態様10に記載のアセンブリ。
(16) 前記引き結びが、前記アンカーの方へ引き込み可能である、実施態様10に記載のアセンブリ。
(17) 骨に固定されることができ、かつ少なくとも1つの通路及び縫合糸係合機構を有する、アンカーと、
少なくとも第1リムの第1部分上に引き結びを有し、かつ前記通路を通過し、前記アンカーの前記縫合糸係合機構に接続される第2部分を有する、第1縫合糸と、
少なくとも第1自由縫合糸リムを有する第2縫合糸であって、前記第1自由縫合糸リムは、修復される組織を通過することができ、かつ前記アンカーが骨に固定された後に前記組織の漸増式引っ張りを可能にするために前記引き結びを通過可能な少なくとも1つの端部を有し、前記引き結びは、張力が前記自由縫合糸リム及び前記引き結びのうちの少なくとも1つに適用されたときに、前記自由縫合糸リムを絞扼する、第2縫合糸と、を備える、外科用縫合糸のスネアアセンブリ。
(18) 骨に固定されることができ、かつ少なくとも1つの通路及び縫合糸係合機構を有する、アンカーと、
少なくとも第1リムの第1部分上に引き結びを有し、かつ前記通路を通過し、前記アンカーの前記縫合糸係合機構に接続される第2部分を有する、第1縫合糸と、
少なくとも第1自由縫合糸リムを有する前記第1縫合糸であって、前記第1自由縫合糸リムは、修復される組織を通過することができ、かつ前記アンカーが骨に固定された後に前記組織の漸増式張力を可能するために前記引き結びを通過可能な少なくとも1つの端部を有し、前記引き結びは、張力が前記自由縫合糸リム及び前記引き結びのうちの少なくとも1つに適用されたときに、前記自由縫合糸リムを絞扼する、前記第1縫合糸と、を備える、外科用縫合糸のスネアアセンブリ。
(19) 組織を外科的に修復する方法であって、
骨に固定されることができ、かつフィラメント係合機構を有するアンカーを選択することと、
少なくとも第1リムの第1部分上に引き結びを有し、かつ前記アンカーの前記フィラメント係合機構に接続された第2部分を有する、第1フィラメントを選択することと、
前記アンカーを骨に固定することと、
少なくとも第1自由フィラメントリムを選択し、前記第1自由フィラメントリムを、修復される前記組織に通過させることと、
前記自由フィラメントの少なくとも1つの端部を、前記引き結びに通過させることと、
前記アンカーが骨に固定された後に、所望により前記組織を引っ張ることであって、前記引き結びは、張力が前記自由フィラメントリム及び前記引き結びのうちの少なくとも1つに適用されたときに、前記自由フィラメントリムを絞扼する、ことと、を含む、方法。
(20) 前記自由フィラメントリムが、第2フィラメントの、ある長さから選択される、実施態様19に記載の方法。
【0065】
(21) 前記第2フィラメントが、第2自由フィラメントリムを含み、該第2自由フィラメントリムも、前記組織が前記第1自由フィラメントリムと前記第2自由フィラメントリムとの間に捕捉されるように前記引き結びを通過する、実施態様20に記載の方法。
(22) 前記自由フィラメントリムが、前記第1フィラメントの、ある長さから選択される、実施態様19に記載の方法。
(23) 前記第1フィラメントが、第2自由フィラメントリムを含み、該第2自由フィラメントリムも、前記組織が前記第1自由フィラメントリムと前記第2自由フィラメントリムとの間に捕捉されるように前記引き結びを通過する、実施態様22に記載の方法。
(24) 前記組織を引っ張ることが、前記アンカーの方へ前記引き結びを引き込むことを含む、実施態様19に記載の方法。
(25) ストッパー要素を前記自由フィラメントリムの上に、該自由フィラメントリムが前記引き結びを通過した後に配置して、前記引き結びからの前記自由フィラメントリムの抜けを抑制することを更に含む、実施態様19に記載の方法。
(26) 結び目が作られて、前記引き結びの方に摺動され、前記ストッパー要素として機能する、実施態様25に記載の方法。
(27) 前記自由フィラメントの少なくとも1つの端部を、通過させることは、少なくとも1つのチューブを前記引き結び内に取り外し可能に挿入することと、前記自由フィラメントリムの少なくとも前記1つの端部を前記チューブに通過させることと、次いで前記引き結びから前記チューブを取り外すことと、を含む、実施態様19に記載の方法。
(28) 前記引き結びが、少なくとも3つの開口部を有する少なくとも1つの一結びから形成される、実施態様19に記載の方法。
(29) 少なくとも2つの自由フィラメント端部は、前記一結びの異なる開口部を通過する、実施態様28に記載の方法。
(30) 少なくとも2つのチューブを前記一結びの異なる開口部に取り外し可能に挿入して、自由フィラメントリムの少なくとも2つの端部のための通路を提供することと、前記自由フィラメントリムのうちの1つの、少なくとも1つの端部を、前記チューブうちの1つに通過させ、前記自由フィラメントリムのうちのもう一方の、少なくとも1つの端部を、もう一方のチューブに通過させることと、次いで前記引き結びから前記チューブを取り外すことと、更に含む、実施態様29に記載の方法。
【0066】
(31) 前記チューブが一緒に接合され、各チューブにはそれぞれ溝が付いて、前記チューブからの前記自由フィラメントリムの取り外しを促進する、実施態様30に記載の方法。
【技術分野】
【0001】
本発明は、組織を骨に固定するための、より具体的には、アンカーの固定から独立した、組織の調節可能な引っ張りのためのフィラメントアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な損傷は、特にスポーツ選手間では骨からの腱、靱帯、又は他の軟組織の完全若しくは部分的な脱離である。組織の脱離は、過剰運動又は様々な他の理由によって、秋に発生する場合がある。組織がその関連する骨から完全に脱離した場合、外科的介入が必要とされることが多い。組織付着に現在有効なデバイスには、ねじ、ステープル、縫合糸、アンカー、及びタックが挙げられる。
【0003】
関節鏡を使用した結紮(Arthroscopic knot tying)は肩の回旋筋腱板において、不安的な手順で一般的に実施される。典型的に、縫合糸を搭載しているアンカーが、まず骨に取り付けられる。縫合糸は、通常は、小穴を通じて、又はポストの周辺で摺動可能にアンカーに取り付けられ、これによって、縫合糸の単一な長さは2つの自由リムを有する。縫合糸の1つのリムは、腱又は関節唇など修復される軟組織を通過する。縫合糸の2つの端部は次いで互いに結ばれ、これによって軟組織をアンカーとループに捕捉する。ループを締め付けると、軟組織はアンカーを介して骨に近付けられる。
【0004】
外科医は典型的に、まずテネシースライダー(Tennessee Slider)又はダンカンノット(Duncan Knot)など、外科用摺動結び目を配置することによって、縫合糸の端部を結ぶ。ループを締め付けた後、多くの追加の一結び又は他の結び目が作られる。従来の摺動結び目は、特に張力がループのリム上に主にかけられたとき、緩み又は滑りに対する必要な保護を提供しないため、追加の結び目が必要とされる。一般的に認められている治療は、縫合糸の交互のポスト上に、少なくとも3つの反転した一結びで、摺動結び目を追従することである。
【0005】
1つ以上の一結び又は他の結び目が摺動結び目に追加され得る前に、しかしながら摺動結び目が滑る可能性があり、すなわち組織がループ上に張力をかけるときに、ループが拡大する可能性がある。これは「ループ安全性(loop security)」と呼ばれ、非常に経験のある外科医の手によってさえも発生する場合があると報告されている。時には、完全に結ばれた結び目さえも滑る場合がある。更に、従来の結び目の外形寸法は、特に堅い接合部において閉塞性又は貫入性である場合があり、これは結び目での磨耗により、軟骨若しくは他の組織を損傷する場合がある。
【0006】
引き裂かれた、又は損傷した組織の修復のための摺動及び固定結び目を備える縫合糸アンカーシステムには、Wenstrom,Jr.による米国特許第6,767,037号が挙げられる。特に半月板の修復に好適な他の縫合糸アンカーシステムは、米国特許第7,390,332号(Selvitelliら)に開示されており、DePuy Mitek Inc.(325 Paramount Drive,Raynham,Massachusetts 02767)から市販されているOmniSpan(商標)半月板修復システムに採用されている。
【0007】
「結び目のない」(すなわち、手術中に外科医が結び目を作る必要がない)と公表している、多くの縫合糸移植システムが存在する。多くのかかるシステムは、アンカーが骨に追い込まれる深さによって組織上の張力を制御する。Lizardiによる米国特許第5,782,864及び同第7,381,213号は、縫合糸の固定された長さのループを捕捉する、特定のタイプの縫合糸アンカーを開示している。スリーブ内に挿入されたアンカー要素を利用する、調節可能なループの、結び目のないアンカーアセンブリは、Thalによって米国特許第5,569,306号及び同第6,045,574号、並びに米国特許出願公開第2009/0138042号に記載されている。クランプ又は他の固定機構を有する他のシステムには、米国特許第5,702,397号(Gobleら)及び米国特許出願公開第2008/0091237号(Schwartzら)が挙げられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、堅牢であるが、調節可能な組織の固定を有し、その一方で、外科医によって、特に関節鏡による修復治療中に作られる結び目の数及び寸法の両方を最小限にすることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は、組織修復治療のために現在利用可能な縫合糸アンカーアセンブリの、組織張力制御及び保持力を満たす、又はこれを超え、その一方で、外科医によって結ばれる一結び又は他の結び目の数を低減することである。
【0010】
本発明の他の目的は、アセンブリのための完成した結び目の寸法を低減することである。
【0011】
なお、更なる目的は、外科医のために全体の結び目を作る工程を簡略化させ、その一方で、向上したループ安全性及び結びの安全性を提供することである。
【0012】
本発明の更に他の目的は、アンカー固定の後に漸増式引っ張りを提供することである。
【0013】
本発明は、骨に固定されることができ、かつフィラメント係合機構を有する、アンカーを含む、外科用フィラメントのスネアアセンブリを特徴とする。第1フィラメントは、少なくとも第1リムの第1部分上に引き結びを有し、かつアンカーのフィラメント係合機構に摺動可能に又は固定して接続されるなど、接続された第2部分を有する。引き結び、例えば1つ以上の一結び又はハングマン型引き結びは、自由フィラメントリムの少なくとも1つの端部を受容し、かつこの端部を、自由フィラメントリム及び引き結びのうちの少なくとも1つに張力が適用されたときに絞扼することができる。
【0014】
好ましい実施形態では、少なくとも第1自由フィラメントリム(いくつかの実施形態では、第1フィラメントのある長さであり、他の実施形態では第2フィラメントである)は、修復される組織を通過することができ、かつアンカーが骨に固定された後に、組織の漸増式引っ張りを可能にするために引き結びを通過可能な少なくとも1つの端部を有する。いくつかの実施形態では、引き結びは、アンカーの方へ引き込み可能である。少なくとも1つのチューブが含まれ、自由フィラメントリムが引き結びを通過するのを支援してもよい。
【0015】
引き結びが少なくとも1つの一結びから形成されている特定の実施形態では、アセンブリは、一結びの異なるループ内に取り外し可能に挿入されて、自由フィラメントリムの2つの端部のための通路を提供することができる、少なくとも2つのチューブを含む。いくつかの実施形態では、チューブは一緒に接合され、チューブを操作するための少なくとも1つのハンドルを有する。好ましくは、チューブはそれぞれ溝が付いて、チューブからの自由フィラメントリムの取り外しを促進する。
【0016】
本発明はまた、骨に固定されることができ、少なくとも1つの通路及び縫合糸係合機構を有する、アンカーを有する、外科用縫合糸スネアアセンブリを特徴とする。第1縫合糸は、少なくとも第1リムの第1部分上に引き結びを有し、かつ通路を通過し、アンカーの縫合糸係合機構に接続される第2部分を有する。第2縫合糸ハ少なくとも第1自由縫合糸リムを有し、これは修復される組織を通過することができ、かつアンカーが骨に固定された後に組織の漸増式引っ張りを可能にするために引き結びを通過可能な少なくとも1つの端部を有し、引き結びは、張力が前記自由縫合糸リム及び引き結びのうちの少なくとも1つに適用されたときに、自由縫合糸リムを絞扼する。
【0017】
本発明の更に別の特徴は、骨に固定されることができ、少なくとも1つの通路及び縫合糸係合機構を有する、アンカーを有する、外科用縫合糸スネアアセンブリである。第1縫合糸は、少なくとも第1リムの第1部分上に引き結びを有し、かつ通路を通過し、アンカーのフィラメントの縫合糸係合機構に接続される第2部分を有する。第1縫合糸は、修復される組織を通過することができる、少なくとも第1自由縫合糸リムを更に有し、かつアンカーが骨に固定された後に、組織の漸増式張力を可能するために引き結びを通過可能な少なくとも1つの端部を有し、引き結びは、張力が自由縫合糸リム及び引き結びのうちの少なくとも1つに適用されたときに、自由縫合糸リムを絞扼する。
【0018】
本発明の更なる特徴は、骨に固定され、かつフィラメント係合機構を有するアンカーを選択することを含む、組織を外科的に修復する方法である。第1フィラメントは、少なくとも第1リムの第1部分上に引き結びを有し、かつアンカーのフィラメント係合機構に摺動可能に又は固定して接続されるなど、接続された第2部分を有して、選択される。本方法は、アンカーを骨に固定することと、少なくとも第1自由フィラメントリムを選択することと、それを修復される組織に通過させることと、を更に含む。自由フィラメントの少なくとも1つの端部は、引き結びを通過し、組織は、アンカーが骨に固定された後に、所望により引っ張られ、引き結びは、張力が自由フィラメントリム及び引き結びのうちの少なくとも1つに適用されたときに、自由フィラメントリムを絞扼する。
【0019】
いくつかの実施形態では、自由フィラメントリムは、第2フィラメントのある長さから選択される。一実施形態では、第2フィラメントは、第2自由フィラメントリムを含み、第2自由フィラメントリムも、組織が第1自由フィラメントリムと第2自由フィラメントリムとの間に捕捉されるように引き結びを通過する。特定の実施形態では、張力はまた、アンカーの方へ引き結びを引き込むことによって、引き結びに適用される。
【0020】
他の実施形態では、本方法は、ストッパー要素を自由フィラメントリムの上に、この自由フィラメントリムが引き結びを通過した後に配置して、引き結びからの自由フィラメントリムの抜けを抑制することを更に含む。いくつかの実施形態では、結び目が作られ、引き結びの方に摺動され、ストッパー要素として機能する。少なくとも1つのチューブは、引き結び内に取り外し可能に挿入され、自由フィラメント端部が引き結びを通過するのを支援してもよい。いくつかの実施形態では、引き結びは少なくとも3つの開口部を有する少なくとも1つの一結びから形成される。少なくとも2つのチューブは、一結びの異なる開口部に取り外し可能に挿入され、自由フィラメントリムの少なくとも2つの端部のための通路を提供する。少なくとも2つの自由フィラメント端部は、一結びの異なる開口部を通過する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
以下に、図面を参照して本発明の好ましい実施形態をより詳細に説明する。
【図1】アンカー及び引き結びを有する、本発明による外科用フィラメントのスネアアセンブリの概略的側面図。
【図1A】ハングマン型引き結びの概略的側面図。
【図1B】本発明により利用される一結びの引き結びの概略的側面図。
【図2】引き結びを通過した糸通し器ループを備えるアンカーで最初に固定するために、カニューレ挿入したドライバと、取り外し可能に接続された、図1のアセンブリの概略的側面図。
【図3】本発明による外科用フィラメントのスネアアセンブリに組織を捕捉し、かつ引っ張るためのプロセスを図示する概略的側面図。
【図4】本発明による外科用フィラメントのスネアアセンブリに組織を捕捉し、かつ引っ張るためのプロセスを図示する概略的側面図。
【図5】本発明による外科用フィラメントのスネアアセンブリに組織を捕捉し、かつ引っ張るためのプロセスを図示する概略的側面図。
【図6】本発明による外科用フィラメントのスネアアセンブリに組織を捕捉し、かつ引っ張るためのプロセスを図示する概略的側面図。
【図7】本発明による外科用フィラメントのスネアアセンブリに組織を捕捉し、かつ引っ張るためのプロセスを図示する概略的側面図。
【図8】本発明による外科用フィラメントのスネアアセンブリに組織を捕捉し、かつ引っ張るためのプロセスを図示する概略的側面図。
【図8A】図8、9、及び10に示されているストッパー結び目の例を提供している。
【図9】本発明による外科用フィラメントのスネアアセンブリに組織を捕捉し、かつ引っ張るためのプロセスを図示する概略的側面図。
【図10】本発明による外科用フィラメントのスネアアセンブリに組織を捕捉し、かつ引っ張るためのプロセスを図示する概略的側面図。
【図11】複数の開口部が、2つ以上の自由フィラメントリムを絞扼するために利用されている、代替の一結びの引き結びの斜視図。
【図12】複数の開口部が、2つ以上の自由フィラメントリムを絞扼するために利用されている、代替の一結びの引き結びの斜視図。
【図13】図11の引き結び開口部を、自由フィラメントリムが貫くのを支援するためのチューブの斜視図。
【図14A】二連式の、溝付きの糸通し器デバイスの斜視図。
【図14B】引き結びを貫くために採用されている、図14Aのデバイス。
【図15】本発明による引き込み可能な引き結びの形態を備える、異なるスネアアセンブリを図示する。
【図16】本発明による引き込み可能な引き結びの形態を備える、異なるスネアアセンブリを図示する。
【図16A】本発明による引き込み可能な引き結びの形態を備える、異なるスネアアセンブリを図示する。
【図17】本発明による引き込み可能な引き結びの形態を備える、異なるスネアアセンブリを図示する。
【図18】本発明による引き込み可能な引き結びの形態を備える、異なるスネアアセンブリを図示する。
【図19】本発明による引き込み可能な引き結びの形態を備える、異なるスネアアセンブリを図示する。
【図20】本発明によるスネアアセンブリの単一の引き結びを通過する、複数のフィラメントの概略的な平面図。
【図21】図18に示されている形態の1つの構造体の拡大図。
【図22】修復される組織を通って配置された他のアンカー共に利用されている、図18のスネアアセンブリの概略的側面図。
【図23】修復される組織を通って配置された他のアンカー共に利用されている、図18のスネアアセンブリの概略的側面図。
【図24】修復される組織を通って配置された他のアンカー共に利用されている、図18のスネアアセンブリの概略的側面図。
【図25】修復される組織を通って配置された他のアンカー共に利用されている、図18のスネアアセンブリの概略的側面図。
【図26】修復される組織を通って配置された他のアンカー共に利用されている、図18のスネアアセンブリの概略的側面図。
【図27】修復される組織を通って配置された他のアンカー共に利用されている、図18のスネアアセンブリの概略的側面図。
【図28】カニューレ挿入した縫合糸アンカーを有する、本発明によるスネアアセンブリの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、骨に固定されることができ、フィラメント係合い機構を有する、アンカーを含む、外科用フィラメントのスネアアセンブリによって達成することができる。第1フィラメントは、少なくとも第1リムの第1の近位部分上に引き結びを有し、かつアンカーのフィラメント係合機構に摺動可能に又は固定して接続されるなど、接続された第2部分を有する。引き結び、例えば1つ以上の一結び又はハングマン型引き結びは、自由フィラメントリムの少なくとも1つの端部を受容することができる。引き結びは、張力が引き結びに、自由フィラメントリムに、又はこの両方に適用されたときに、自由フィラメントリムを絞扼する。
【0023】
好ましい構造体では、少なくとも第1自由フィラメントリム(いくつかの構造体では、第1フィラメントのある長さであり、他の構造体では第2フィラメントである)は、修復される組織を通過し、かつ前記アンカーが骨に固定された後に前記組織の漸増式引っ張りを可能にするために前記引き結びを通過可能な少なくとも1つの端部を有する。
【0024】
外科用フィラメントのスネアアセンブリ10(図1)はアンカー12及び第1フィラメント14を有する。この構造体では、アンカー12は、その遠位端20において限局的開口部18を備える内部通路16を画定し、これはフィラメント係合機構として働く。少なくとも1つの骨係合機構22、例えば外側リブ若しくは螺旋状のねじ切りは、遠位端20と近位端24との間のアンカー12の外側表面上に配置される。
【0025】
第1フィラメント14は、その近位端において引き結び30と、フィラメントポスト又はフィラメントステム15の遠位端において、固定された結び目32を有し、これは限局的開口部18と相互作用し、フィラメント14を固定された、恒久的に取り付けられた位置に保持する。この配置は、第1フィラメント14がフィラメント係合機構18と接続していると称される場合があり、これはフィラメント係合機構18を通過するフレーズを含む。引き結び30上で臨床的に望ましい張力で抜け落ち(pull-through)を防ぐために、結び目32が十分な嵩高を有する限り、多くの従来の結び目、例えば桑実状結び目などが、固定された結び目32のために利用されてもよい。多くの他のタイプのフィラメント係合が以下に記載されている。ステム15は、引き結び30をそれが以下に記載のように折り畳まれた後でさえも、アンカー12の近くに維持するために、できるだけ短く維持される。
【0026】
第1フィラメント14aがハングマン型引き結び30aをその近位端で、及び固定された結び目32aをステム15aの遠位端で有する図1Aに、周知の引き結び結び目33が図示されている。引き結び30aは、摺動する引き結び結び目33を有し、開口部34を画定する。引き結び結び目33は、フィラメント14aの近位端で平坦化された「S」若しくは「Z」形状を形成することによって結ばれて、大きな近位ループを形成し、引き結び開口部、及び大きなループから離間された小さなループとしての働きをする。この二重のフィラメントリムは、作用端部としても知られており、終端部と共に巻かれる。典型的に4〜8の巻き付け回転の後、終端部は小さなループを通じてしまい込まれ、大きなループのリムのいずれかが小ループを閉じて引くことによって捕捉される。
【0027】
一結び35を有する、代替の、より単純な引き結びが、第1フィラメント14b(図1B)に関して図示されており、フィラメントリム36及び38の中間で引き結び30bを形成するように結ばれた、単純な又は止め結び(overhand knot)とも呼ばれる。以下により詳細に記載されるように、複数の開口部が、一結び35におけるループによって形成されるが、中央開口部37は、図1Bでは大きな単一の開口部として示されている。第1フィラメントリム36及び38は、一結び35の周囲で折り畳まれ、二重のステム構成を形成し、第1フィラメントリム36及び38の遠位端は、アンカー上の好適なフィラメント係合機構を通過した後、結び目32bで結合される。
【0028】
引き結び効率は、本明細書では、引き結びがその上で結ばれている、又は他の方法で引き結びを有するフィラメントを引くことによって、あるいは引き結びを通過するフィラメントの1つ以上のストランド若しくはリムを引くことによってのいずれかで、引き結び上に適用された単位張力当たりの絞扼強度として定義される。引き結び結び目において、より低い内部摩擦を備える引き結びは、より高い引き結び効率を有する傾向にある。
【0029】
骨にドリルで開けられた穴に、アンカー12を挿入するための器具が図2に図示されている。ドライバ40は、通路16内に取り外し可能に挿入可能な遠位端42を有する。ドライバ40は、この構造体でカニューレ挿入され、引き結び30を通過する、任意の糸通し器フィラメント46を備えるルーメン44を有する。糸通し器フィラメントの使用は任意ではあるが、しかし、引き結び30がフィラメント係合機構18から短い距離でのみ離間されている場合に、換言すれば、引き結び30が最初にアンカー12の近くに、又はこれの内部に配置された場合に、望ましい場合がある。
【0030】
本発明による一つの処置において、アンカー12は、ドライバ40が取り除かれた後、修復される組織Tから所望される距離で離間された穴50において、骨B内に固定されて示されている(図3)。引き結び30は、初期の開口形態にある。糸通し器フィラメント46は、十分な長さを有し、第1リム上の糸通し器ループ52と、皮膚Sの上に近位に延びる第2リム54上の把持可能部分の両方を有し、その一方で糸通し器フィラメント46の中間部分は、引き結び30に関連して摺動可能である。
【0031】
この例示の手順で続けながら、第2フィラメント60(図4)は、外科医によって選択された縫合糸通過機器、針、又は他の組織貫通技法を使用して、組織Tに通される。自由フィラメントリム62及び64の両方が、典型的には皮膚Sの上で、又は結合空間の少なくとも外側で一緒にされ、糸通し器ループ52を通過する(図5)。糸通し器リム54は次いで、図6に図示するように、引き結び30を通って、第2フィラメントリム62及び64の両方を貫くように引っ張られ、その一方で、引き結び30は最初の開口形態にある。あるいは、自由フィラメントリム62及び64は、糸通し器フィラメントを使用せずに、引き結び30を直接通過する。
【0032】
高い引き結び効率が存在する場合、軽量のタグは、フィラメントリム62及び64上で引き結び30を折り畳んで(図7に示すように)、外科用フィラメントのスネアアセンブリ10上で初期の張力を提供するのに十分である。一般的に、1つ以上の自由フィラメントリムが、糸通しフィラメント使用せずに、直接引き結び30を貫く場合、又は、以下の図13〜14Bで示されるもののようにチューブ若しくは糸通し器を使用して貫く場合、より高い引き結び効率を利用することができる。
【0033】
自由フィラメントリム62及び64の初期若しくは事前引っ張りの後に(図7)、張力はリム62、64上で解放され、摺動自在なストッパー結び目70(図8)は、皮膚Sの上で、リム62、64上で外科医によって結ばれる。ストッパー結び目70aに関する1つの構造体の拡大図(図8A)は、余分の投げ又は戻しを備える一結び(二重止め結びとしても既知の)を示す。単純な結び目、例えば単一の一結び又は止め結びは、一部の場合では十分であり得る。より大きな負荷能力を備える、他の好適で、より堅牢な外科医の摺動自在な結び目は、DePuy Mitekから入手可能な「Arthroscopic Knot Tying Manual」(2005)に記載されているテネシースライダー、並びに米国特許第6,767,037号(Wenstrom,Jr.)の摺動自在で、固定可能な結び目が挙げられる。あるいは、全体的なプロファイルが重要でない場合、特に、結合又は他の締める面から離れる場合には、機械的固定機構が利用されてもよい。
【0034】
ストッパー結び目70は典型的に、それが引き結び30に接触するまで、結び目押し器を使用して前進する(図9)。組織Tとアンカー12との間に生じた張力は、フィラメントリム62若しくは64のうちの1つの上で、単体又は一緒に引っ張って、引き結び30を更に折り畳み(図10)、フィラメントを絞扼する。ストッパー結び目70は、ストッパー結び目上の全ての、組織が生成した張力を引き結び30に移動させることによって、かつフィラメントリム62、64の、引き結び結び目内への滑りを防止することによって、絞扼を増加させる。したがって、自己締め付け機構が作られ、これはフィラメントの緩みを抑制する。ストッパー結び目を更に前進させることによって、又はフィラメントリム62、64のうちの1つ上で引っ張ることによって、ラチェット様の効果で、張力は漸次的に増加することができる。
【0035】
いったん十分な組織張力が達成されると、1つ以上の一結びがストッパー結び目70に追加されて、ストッパー結び目上の負荷能力を強化し、悪条件下の緩みのリスクを低減する。比較して、従来の摺動結び目は典型的に、交互のポスト上に配置された少なくとも2つ又は3つの反転した一結びによって強化される。本発明の自己固定効果によって、ストッパー結び目70が、従来の結び目システムに関する負荷能力を満たす、又はこれを超えるには、より少ない全体的な結び目若しくは他の結び目が必要とされる。本発明はしたがって、所与の負荷に対処するために、より少ない全体的な結び目のプロファイルを達成する。リム62、64は所望によりトリミングされる。ストッパー結び目も、フィラメント端部のほつれを時間と共に最小限にする。
【0036】
フィラメント14及び60に関して好ましい材料には、DePuy Mitekから市販されているOrthocord(商標)縫合糸、及びEthiconから入手可能なEthibond(商標)縫合糸など、典型的にはサイズ0〜サイズ5の様々な外科用縫合糸が挙げられる。Orthocord(商標)縫合糸は、約55〜65パーセントのPDS(商標)ポリジオキサノンであり、これは生体吸収性であり、残りのパーセントは超高分子量のポリエチレンであり、その一方で、Ethibond(商標)縫合糸は、主に高強度なポリエステルである。生体吸収性材料の量及びタイプは(存在する場合)、主に、実施される特定の外科手術に対する外科医の好みの問題である。
【0037】
同じタイプの縫合糸、同一の縫合糸でさえも、第1引き結びフィラメント14及び第2の組織フィラメント60の両方に関して使用することができ、その表面において、下方の研磨材特性を有する縫合糸は、第2のフィラメント60に関して、一部の外科医によって好まれる場合がある。下方の磨耗特性は、より大きな直径、より柔軟な組成物、より柔軟な組成物、より柔軟な編組、塗装若しくはストランドのパターン、又はそのような特性の組み合わせによって達成することができる。
【0038】
上記の図1〜6で図示された引き結びは、それを1つ以上の自由フィラメントリムが、それを通じて糸を通す単一の開口物を有するように記載されている。単純な一結び又はかがり縫いタイプの「プレッツェル」様の結び目が、複数の有用な開口部80、82及び84を有する引き結び30に関して、図11に図示されている。側部開口部80及び84は、第1フィラメントリム36c、38cにおける一結び結び目の小さなループ81及び83によって形成され、その一方で中央開口部82は主要ループによって形成される。自由フィラメントリム62c及び64cが、側部開口部80及び中央開口部82をそれぞれ通って伸びているのが示されており(図12)、例えば側部開口部80及び84、又は中央開口部82及び側部開口部84を使用するなど、他の組み合わせ及び順列もまた効果的である。引き結び結び目の異なる領域又区域を利用することは、自由フィラメントリム上の効果的な絞扼及び把持を著しく増加させる。引き結び結び目における複数の開口部を利用することは、フィラメントの適合特性への載荷能力のいずれかの依存を最小限にするということが期待される。単純な、単一の一結びのストッパー結び目70cもまた図12に図示されている。
【0039】
外科医によって、2つ以上の糸通し器フィラメント、又は慎重な、潜在的に手間のかかる操作が採用され、図12に示す形態を達成することができる一方で、不注意による引き結びの折り畳みを回避する代替技法が図13に示されている。チューブ90及び92は、ループ81及び83によって形成された側部開口部内への摺動に適している。フィラメントリム36、38cは、アンカー12cと係合しているのが示されている。チューブ90及び92は通路94及び96をそれぞれ画定し、これを通じて自由フィラメントリム62c及び64cが糸通しされる。チューブ90及び92は次いで、引き結び30cから外され、フィラメントリム62c及び64cに沿って、それらが適切に取り外され、捨てることができるまで、近位に引かれる。
【0040】
二連式(Double-barrelled)の糸通し器100(図14A)は2つの糸通し器チューブ102、104を有し、これらはハンドル106で一緒に結合され、更に簡易な方法を提供する。1つの構造体では、デバイス100は、ポリマー材料を使用してモノリシックなユニットとして成型される。チューブ102、104は、それぞれ両端における開口部、並びにスロット112、114それぞれを備えて、内側ルーメン108、110をそれぞれ有し、これはまたチューブ102、104の全体の長さを走る。使用中に、チューブ102、104は、第1フィラメントリム36d、38dから形成されたループ81d、83d(図14B)を通って配置され、自由フィラメントリム62d、64dは、ルーメン108、110を通って挿入される。したがって、リム62d、64dは、スロット112、114を通って単に持ち上げられ、デバイス100から完全に糸通しされたフィラメントを取り除く。所望のように、1つ以上の追加のそのようなチューブが形成されて、利用されてもよい。また、チューブ102、104は、図示されているものよりも、より広いスロットを有して、横断面において「C」又は「U」型として形成されてもよい。
【0041】
本発明による、スネアアセンブリの多くの他の形態が存在し、これは所望のとおり、アンカーの方へ引き込まれるのを可能にする、1つ以上の調節可能な長さの引き結び支持ステム又はリムを有する。これらの形態は、最終のフィラメント位置及び張力に対する制御の更なるレベルをもたらす。スネアアセンブリ120(図15)は、アンカー130内へ延びるステム区域126を備えて、第1フィラメント122の1つの端部において形成された引き結び124を有し、ラチェット様の一方向のゲート又はクランプ機構132を通過する。フィラメント122の残りは、リム128として機能し、ステムの尾部と呼ばれる。一方向の機構のいくつかの例は、例えばGobleらによる米国特許第5,702,397号に記載されており、一方向のみでのフィラメントの動作を可能にする。
【0042】
図15に示されるように、アンカー130は骨Bに固定される。第2フィラメント134は、組織Tを通過し、組織Tを包囲する結合空間の外に最初に配置された引き結び124を通過する自由リム136及び138を有する。また、結合空間の外に配置されたリム128は、機構132の方へ引き結び124を引き込むように引っ張る。典型的に、引き結び124は折り畳まれ、リム128はトリミングされ、次いで、上記の図7〜10に図示されたものと同様な手順が利用される。
【0043】
スネアアセンブリ140(図16)は、アンカー150内に延びる2つのステムリム146及び148と共に結ばれる引き結び144を有する、第1フィラメント140を有する。この構造体では、アンカーポスト152は、フィラメント140をアンカー150に摺動可能に取り付けるたえものフィラメント係合機構として機能する。フィラメントステムの尾部のリム154、156は、初期の形態において引き結び144と共に結合空間の外に延びる。第2フィラメント160は、組織Tを通過し、次いで自由リム162、164は、結合空間の外へと、引き結び144を通過する。
【0044】
図16Aに図示されている手順では、第1フィラメント142のリム154及び156も引き結び144を通過し、次いで、4つのリム154、156、162、及び164の全てを中心に引き結び144を折り畳むように引かれ、引き結び144をフィラメント係合ポスト152の方へ引き込む。1つ以上の摺動結び目は、ステムの尾部のリムの対154、156上で作られ、引き結び144をアンカー150に近接して調節し、次いで単純な結び目は自由リム162、164上で作られ、組織T上の最終張力を調節するが、他の組み合わせ及び順列が、本発明の範囲内で利用されてもよい。典型的に、摺動結び目は、1つ以上の一結びで仕上げられ、固定を「密封する」、すなわち完成させる。
【0045】
スネアアセンブリ170(図17)は、アンカー180への引き結び174の固定及び組織Tの伸長の両方を行うために、単一のフィラメント172を利用する。ステムリム176、178は、アンカー12内へ、かつフィラメント係合ポスト182の周囲に摺動可能に通過し、尾部のリム184、186として、アンカー180から出てきて、これは、アンカー180が骨Bに固定されているときに、引き結び174を伴って、最初は結合空間から外に維持される。いくつかの構造体では、アンカーポスト182は、小穴又はプーリーピンである。自由尾部のリム184、186は、同一又は異なる場所若しくは区域において、組織Tを、次いで引き結び174を通過する。引き結び174は、軽い張力を尾部のリム184、186のうちの1つ、又は好ましく両方に適用することによって折り畳まれ、結合空間内に引かれる。単純なストッパー結び目が、尾部のリム184と186との間で結ばれ、引き結び174に対して押圧され、その一方でリム184、186を引っ張って、所望の量の張力を組織T上にかける。固定は、1つ以上の一結びを、引き結び174においてストッパー結び目に対して配置することによって完了する。
【0046】
スネアアセンブリ190(図18)は、スネアアセンブリ120(図15)と機能的な類似点を有するが、一方向のゲート又はクランプ機構を有さずにラチェット様の引き結び引き込みを達成する。フィラメント192(図18)は、抜け落ちを防ぎ、ほころびに耐えるための、ストッパー結び目196を、その終端部において備える、引き結び194を有する。摺動結び目198は、ループリム202及び204を有して、ループ200に、ポストリム206が引かれたときに、アンカー205の方に短くされるのを可能にする。ループ200は、アンカーサドル又はポスト207の周辺を通過する。これ及び他の調整可能なループ、摺動結び目の形態は、図21〜27に関して以下により詳細に記載されている。
【0047】
スネアアセンブリ310(図19)は、引き結び304、及び長さが固定されているループ306を備える第1フィラメント302を含み、フィラメント302の全長は引き結び304の完全な折り畳みに供される。第2フィラメント316は終端部318、アンカー312の遠位端において保持される摺動結び目322、ポストリム320、及びリム326、328によって形成される調節可能なループ324を有する。この形態は、図28に関して以下により詳細に記載される。
【0048】
本明細書の実施形態の大半は、組織Tにおける単一の場所若しくは区域を通過する1つ又は2つフィラメントリムを固定する関連で記載されてきたが、これは本発明の制限ではない。スネアアセンブリ210(図20)は、第2フィラメント222及び第3フィラメント224の自由リム214、216、及び218、220が通過する引き結び212を備える、第1フィラメント211を有する。引き結び212は、アンカー215を備えるステム213によって係合する。フィラメント222及び224は、組織区域R1及びR2をそれぞれ通過する。組織の複数の区域は、縫合糸及び他のフィラメントの潜在的に複数のタイプは、したがって本発明による単一のスネアアセンブリを使用して固定されてもよい。
【0049】
スネアアセンブリ190に関するフィラメント192の1つの配置(図18)は、スネアアセンブリ190aに関する図21に図示される。引き結び194aは、開口部232を、フィラメント192aの領域230に単に作製することによって、かつフィラメント192aをそれ自体に通過させることによって形成される。ループ200a及び摺動結び目198aは、したがってポストリム206a上に形成される。この配置では、ステム234上に適用されたいずれかの張力は、例えば、ポストリム206aを引くことによって、引き結び194aを折り畳み、引き結び194a通過して対象物を絞扼するだけでなく、フィラメント192aの部分を開口部232を通過してその上に縛りもする。他の配置では、一結び又は他の単純な結び目は、フィラメント区域230で作られ、フィラメント192aは次いで、その単純な結び目を通ってループ状になる。ストッパー結び目196a、例えば単純は一結びは、特に、編組されたフィラメント、例えばOrthcord(商標)縫合糸が、フィラメント192aに対して利用される場合、終端部がほころびや開口するのを防止する。
【0050】
フィラメント192として縫合糸を採用するスネアアセンブリ190(図18)を製造するための工程の例は以下のとおり。ストッパー結び目196を作り、終端部の尾部をトリミングする。縫合糸をループ状にして、それをそれ自体にストッパー結び目196に密接に近接した状態で通して、図21に図示されている引き結びの配置を達成するか、又は第2一結びをストッパー結び目に密接に近接した状態で結び、縫合糸を一結びに通過させて引き結び194(図18)を作る。薄形のマンドレル又はピンなどの他の物体を、引き結び194を通して配置して開存性を維持してもよい。摺動結び目198、例えばバントライン一結び結び目は、引き結び194に密接に近接して作られ、縫合糸は、アンカー205の形状207と摺動係合した状態で配置される。摺動結び目198は次いで、所望のとおり包帯を巻かれるか、又は仕上げられる。
【0051】
従来は、回旋筋腱板外側列の固定は、内側アンカーから縫合糸ブリッジを貫通することを含む。縫合糸は結び目のある、又は結び目のないアンカーと共に、外側列において固定される。糸がほどかれたアンカーは、糸を通されたアンカーよりも、アンカー引き抜きに対してより弱く、アンカーのタイプに関係なく、多くの従来の手順において、縫合糸の滑りは、比較的低い負荷において発生する場合がある。
【0052】
図18のスネアアセンブリを利用している、回旋筋腱板の複列の修復に関して、現在好ましい技法が、図22〜27に図示されている。内側列アンカー240(図22)は、内側列において、縫合糸242で固定されている腱板組織Tを有して、骨に既に組み込まれているのが示されている。糸が通されたアンカーが、アンカー240に利用されるのが好ましく、アンカー205と同じタイプのアンカーであってもよい。自由縫合糸リム244及び246は、結合空間から外に引き込まれて、皮膚Sを超えて延びるように示されている(図22に示される)。糸が通されたアンカー205(図23)は、次いで、内側列固定とは独立して、穴Hに外側列アンカーとして配置される。この段階において、折り畳み式ループ200は、摺動結び目198及び引き結び結び目194が結合空間の外に伸びるのを可能にするために十分に長い。
【0053】
内側列からの縫合糸リム244、246は次いで、好ましくは上記の糸通し器デバイスのうちの1つを利用して、引き結び194を通過する(図24)。縫合糸リム244、246上の任意の張力は、引き結び194をそれらの周辺で折り畳む。糸通し器チューブの寸法は、摺動結び目198から引き結び194の移動を制限するように選択されてもよい。ポストリム206は次いで、矢印250によって示された基端方向において引っ張られ(図25)、アンカー205内に、又はこれに密接に近接して摺動結び目198を引き込み、かつ縫合糸ブリッジ258上に初期の張力をかける。
【0054】
一結びなどの単純な結び目は次いで、縫合糸リム244、246との間で作られ、摺動結び目260として引き結び194に対して押し下げられ(図26)、その一方でリム244及び246は引かれて、所望のとおり縫合糸ブリッジ258を更に引っ張る。縫合糸ブリッジ258が正しく引っ張られ、恒久的に修復部を固定し、縫合糸リム244及び246の端部がトリミングされた後、第2又はより多くの一結び262が追加される(図27)。図20に関して上記のとおり、単一の引き結びは複数の対の縫合糸に対処できるため、更なる縫合糸ブリッジが、所望により複数の内側アンカーから固定され得る。
【0055】
調節可能な縫合糸スネアアセンブリ310(図28)は、縫合糸アンカー312と、1つの端部において作られた引き結び304を有する、第1材料302の、閉じた、固定長さのループ306と、を有する。一結びの「プレッツェル」様の結び目305がこの構造体で示されている。ループ306は、終端部318、ポストリム320、摺動バントライン一結び結び目322、並びにループリム326及び328を備える調節可能なループ324を有する第2フィラメント316に捕捉され、換言すれば、これに接続される。フィラメント316は引き結び304をアンカー12に接続するため、第2フィラメント316は、アンカー12の調節可能なフィラメント係合形状の部分として見なされる場合もある。一構造体では、縫合糸アンカー312は、本明細書に援用する米国特許出願公開第2008/0147063号(Cauldwellら)に開示されているカニューレ挿入された縫合糸アンカーと類似である。本発明のこの摺動結び目の形態によって利用されるアンカーシステムでは、しかしながら、ポスト様縫合糸係合部材又は他の咬合要素(1つ以上の縫合糸若しくは縫合糸リムがその上を通過して、近位移動に対する制限として働く)を有することは必要ではなく、多くの構造体では、結び目322の抜けを防止するために制限された開口部346を有することで十分である。
【0056】
縫合糸アンカー312は、遠位アーム334と336との間の切り抜き338を画定する、対向する遠位アーム334及び336を備える、近位端330及び遠位端332を有する。通路340は、近位端330から遠位の切り抜き338まで走る内部ルーメンである。結び目322は、説明の目的で図28で切り抜き338を超えて延びているのが示されているが、患者の中にスネアアセンブリ310を挿入するときに、骨係合機構342、又はアンカー312の他の外側表面、及びその中で縫合糸アンカー312が固定される骨との、結び目322による干渉を最小限にするために、結び目322は、アーム334と336との間の制限された開口部346に対して位置しているのが好ましく、あるいは、キャビティ若しくは他の形状によって遠位端332において維持されているのが好ましい。
【0057】
1つ以上の骨係合形状342、例えば螺旋状のねじ切り(図28に図示)、又は他の形状、例えば歯、隆起部、又は他の突隆起部がアンカー312の外側上に形成され、骨内の固定を強化する。例えば、DePuy Mitek Inc.から入手可能なHealix(商標)アンカー上に見出されるような糸が望ましい。他の構造体では、縫合糸アンカーはその近位端において骨内にトグルで留められ、抜けを最小限にする。多くの構造体では、穴はアンカー挿入の前に骨に形成され、他の構造体では、縫合糸アンカーは直接、骨内に挿入される。更に、1つ以上の通路又はチャネルが、縫合糸アンカーの外部上、例えば仮想線で図示されるチャネル344(図28)上に、骨係合要素342を横送りさせながら形成されてもよい。
【0058】
終端部318が、少なくとも1つの骨係合機構342の外側に対して位置するのに十分な長さで維持されて、挿入の間は、骨に捕捉されているか、又はより短い長さにトリミングされるかどうかは、外科医の好みの問題である。更に、制限された開口部などの制限は、張力がポストリム320に適用されたときに、アンカー312が骨に固定され、結び目322がポストリム320と共に移動するのを防止するときに、少なくとも部分的に骨との係合によって定義されてもよい。
【0059】
上記で引用されCauldwellら、又はやはり本明細書で援用するものであるLizardiによる米国特許第7,381,213号の一部の構造において同様の、1つ以上のそのような遠位延長部又は他の突出部が提供されてもよい。更に他の構造体では、円筒形、ないしは別の方法で円周のキャビティ、ボウル、又はカウンターシンク機構がアンカーの遠位端において提供され、挿入及び固定の間に結び目322を配置する。
【0060】
摺動自在な結び目322は、一部の構造体ではバントライン一結び結び目として記載されてきているが、本発明を検討した後には、縫合糸結束技術における当業者には、他の好適な結び目も容易に明かであろう。本明細書で使用されるとき、用語「摺動自在な」は、摺動自在で固定可能な結び目、並びに、DePuy Mitekから入手可能な「Arthroscopic Knot Tying Manual」(2005)に記載されているもの、及び米国特許第6,767,037号(Wenstrom,Jr.)による摺動自在で固定可能な結び目など、摺動自在な結び目を含むことが意図されている。
【0061】
したがって、本発明の基礎となる新規な特徴を、本発明の好ましい実施形態に適用されるように図示し、説明し、指摘したが、当業者は、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、例示された装置の形と詳細並びにその操作の様々な省略、代用及び変更を行うことができることを理解するであろう。例えば、本発明の範囲内と同様の結果を得るために、実質的に同じ方法で、実質的に同じ機能を行う要素及び/又は工程の全ての組み合わせが明確に意図される。ある記載された実施形態の要素を別の実施形態の要素に置換することも十分意図され、想到される。また、図面は必ずしも縮尺通りではないが、実際には単に概念的なものである。よって、添付の「請求項の範囲」によって示されているとおりに限り限定されることが意図される。
【0062】
本明細書に引用される全ての発行済み特許、係属中の特許出願、刊行物、論文、書籍、又は任意の他の参照文献は、その全文が参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0063】
〔実施の態様〕
(1) 骨に固定されることができ、かつフィラメント係合機構を有する、アンカーと、
少なくとも第1リムの第1部分上に引き結びを有し、かつ前記アンカーの前記フィラメント係合機構に接続された第2部分を有する、第1フィラメントであって、前記引き結びは、自由フィラメントリムの少なくとも1つの端部を受容し、かつ該端部を、前記自由フィラメントリム及び前記引き結びのうちの少なくとも1つに張力が適用されたときに絞扼することができる、第1フィラメントと、を備える、外科用フィラメントのスネアアセンブリ。
(2) 前記引き結びが、前記アンカーの方へ引き込み可能である、実施態様1に記載のアセンブリ。
(3) 前記引き結びが、少なくとも1つの一結びから形成される、実施態様1に記載のアセンブリ。
(4) 前記引き結びが、ハングマン型結び目を含む、実施態様1に記載のアセンブリ。
(5) 前記引き結び内に取り外し可能に挿入されて、前記少なくとも1つの自由フィラメントリムの前記端部のための通路を提供することができる、少なくとも1つのチューブを更に含む、実施態様1に記載のアセンブリ。
(6) 各チューブにはそれぞれ溝があり、前記チューブからの前記自由フィラメントリムの取り外しを促進する、実施態様5に記載のアセンブリ。
(7) 前記一結びの異なるループ内に取り外し可能に挿入されて、自由フィラメントリムの2つの端部のための通路を提供することができる、少なくとも2つのチューブを更に含む、実施態様3に記載のアセンブリ。
(8) 前記チューブは一緒に接合され、かつ前記チューブを操作するための少なくとも1つのハンドルを有する、実施態様7に記載のアセンブリ。
(9) 各チューブにはそれぞれ溝が付いて、前記チューブからの前記自由フィラメントリムの取り外しを促進する、実施態様8に記載のアセンブリ。
(10) 骨に固定されることができ、かつフィラメント係合機構を有する、アンカーと、
少なくとも第1リムの第1部分上に引き結びを有し、かつ前記アンカーの前記フィラメント係合機構に接続された第2部分を有する、第1フィラメントと、
修復される組織を通過することができ、かつ前記アンカーが骨に固定された後に前記組織の漸増式引っ張りを可能にするために前記引き結びを通過可能な少なくとも1つの端部を有する、少なくとも第1自由フィラメントリムであって、張力が前記自由フィラメントリム及び前記引き結びのうちの少なくとも1つに適用されたときに、前記引き結びは前記自由フィラメントリムを絞扼する、第1自由フィラメントリムと、を備える、外科用フィラメントのスネアアセンブリ。
【0064】
(11) 前記第1自由フィラメントリムが、第2フィラメントの、ある長さである、実施態様10に記載のアセンブリ。
(12) 前記第2フィラメントが、第2自由フィラメントリムを含み、該第2自由フィラメントリムも、前記組織が前記第1自由フィラメントリムと前記第2自由フィラメントリムとの間に捕捉されるように前記引き結びを通過可能である、実施態様11に記載のアセンブリ。
(13) 前記第1自由フィラメントリムが、前記第1フィラメントの、ある長さである、実施態様10に記載のアセンブリ。
(14) 前記第1フィラメントが、第2自由フィラメントリムを含み、該第2自由フィラメントリムも、前記組織が前記第1自由フィラメントリムと前記第2自由フィラメントリムとの間に捕捉されるように前記引き結びを通過可能である、実施態様13に記載のアセンブリ。
(15) 前記引き結びが、少なくとも1つの一結びから形成される、実施態様10に記載のアセンブリ。
(16) 前記引き結びが、前記アンカーの方へ引き込み可能である、実施態様10に記載のアセンブリ。
(17) 骨に固定されることができ、かつ少なくとも1つの通路及び縫合糸係合機構を有する、アンカーと、
少なくとも第1リムの第1部分上に引き結びを有し、かつ前記通路を通過し、前記アンカーの前記縫合糸係合機構に接続される第2部分を有する、第1縫合糸と、
少なくとも第1自由縫合糸リムを有する第2縫合糸であって、前記第1自由縫合糸リムは、修復される組織を通過することができ、かつ前記アンカーが骨に固定された後に前記組織の漸増式引っ張りを可能にするために前記引き結びを通過可能な少なくとも1つの端部を有し、前記引き結びは、張力が前記自由縫合糸リム及び前記引き結びのうちの少なくとも1つに適用されたときに、前記自由縫合糸リムを絞扼する、第2縫合糸と、を備える、外科用縫合糸のスネアアセンブリ。
(18) 骨に固定されることができ、かつ少なくとも1つの通路及び縫合糸係合機構を有する、アンカーと、
少なくとも第1リムの第1部分上に引き結びを有し、かつ前記通路を通過し、前記アンカーの前記縫合糸係合機構に接続される第2部分を有する、第1縫合糸と、
少なくとも第1自由縫合糸リムを有する前記第1縫合糸であって、前記第1自由縫合糸リムは、修復される組織を通過することができ、かつ前記アンカーが骨に固定された後に前記組織の漸増式張力を可能するために前記引き結びを通過可能な少なくとも1つの端部を有し、前記引き結びは、張力が前記自由縫合糸リム及び前記引き結びのうちの少なくとも1つに適用されたときに、前記自由縫合糸リムを絞扼する、前記第1縫合糸と、を備える、外科用縫合糸のスネアアセンブリ。
(19) 組織を外科的に修復する方法であって、
骨に固定されることができ、かつフィラメント係合機構を有するアンカーを選択することと、
少なくとも第1リムの第1部分上に引き結びを有し、かつ前記アンカーの前記フィラメント係合機構に接続された第2部分を有する、第1フィラメントを選択することと、
前記アンカーを骨に固定することと、
少なくとも第1自由フィラメントリムを選択し、前記第1自由フィラメントリムを、修復される前記組織に通過させることと、
前記自由フィラメントの少なくとも1つの端部を、前記引き結びに通過させることと、
前記アンカーが骨に固定された後に、所望により前記組織を引っ張ることであって、前記引き結びは、張力が前記自由フィラメントリム及び前記引き結びのうちの少なくとも1つに適用されたときに、前記自由フィラメントリムを絞扼する、ことと、を含む、方法。
(20) 前記自由フィラメントリムが、第2フィラメントの、ある長さから選択される、実施態様19に記載の方法。
【0065】
(21) 前記第2フィラメントが、第2自由フィラメントリムを含み、該第2自由フィラメントリムも、前記組織が前記第1自由フィラメントリムと前記第2自由フィラメントリムとの間に捕捉されるように前記引き結びを通過する、実施態様20に記載の方法。
(22) 前記自由フィラメントリムが、前記第1フィラメントの、ある長さから選択される、実施態様19に記載の方法。
(23) 前記第1フィラメントが、第2自由フィラメントリムを含み、該第2自由フィラメントリムも、前記組織が前記第1自由フィラメントリムと前記第2自由フィラメントリムとの間に捕捉されるように前記引き結びを通過する、実施態様22に記載の方法。
(24) 前記組織を引っ張ることが、前記アンカーの方へ前記引き結びを引き込むことを含む、実施態様19に記載の方法。
(25) ストッパー要素を前記自由フィラメントリムの上に、該自由フィラメントリムが前記引き結びを通過した後に配置して、前記引き結びからの前記自由フィラメントリムの抜けを抑制することを更に含む、実施態様19に記載の方法。
(26) 結び目が作られて、前記引き結びの方に摺動され、前記ストッパー要素として機能する、実施態様25に記載の方法。
(27) 前記自由フィラメントの少なくとも1つの端部を、通過させることは、少なくとも1つのチューブを前記引き結び内に取り外し可能に挿入することと、前記自由フィラメントリムの少なくとも前記1つの端部を前記チューブに通過させることと、次いで前記引き結びから前記チューブを取り外すことと、を含む、実施態様19に記載の方法。
(28) 前記引き結びが、少なくとも3つの開口部を有する少なくとも1つの一結びから形成される、実施態様19に記載の方法。
(29) 少なくとも2つの自由フィラメント端部は、前記一結びの異なる開口部を通過する、実施態様28に記載の方法。
(30) 少なくとも2つのチューブを前記一結びの異なる開口部に取り外し可能に挿入して、自由フィラメントリムの少なくとも2つの端部のための通路を提供することと、前記自由フィラメントリムのうちの1つの、少なくとも1つの端部を、前記チューブうちの1つに通過させ、前記自由フィラメントリムのうちのもう一方の、少なくとも1つの端部を、もう一方のチューブに通過させることと、次いで前記引き結びから前記チューブを取り外すことと、更に含む、実施態様29に記載の方法。
【0066】
(31) 前記チューブが一緒に接合され、各チューブにはそれぞれ溝が付いて、前記チューブからの前記自由フィラメントリムの取り外しを促進する、実施態様30に記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨に固定されることができ、かつフィラメント係合機構を有する、アンカーと、
少なくとも第1リムの第1部分上に引き結びを有し、かつ前記アンカーの前記フィラメント係合機構に接続された第2部分を有する、第1フィラメントであって、前記引き結びは、自由フィラメントリムの少なくとも1つの端部を受容し、かつ該端部を、前記自由フィラメントリム及び前記引き結びのうちの少なくとも1つに張力が適用されたときに絞扼することができる、第1フィラメントと、を備える、外科用フィラメントのスネアアセンブリ。
【請求項2】
前記引き結びが、前記アンカーの方へ引き込み可能である、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記引き結びが、少なくとも1つの一結びから形成される、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記引き結びが、ハングマン型結び目を含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記引き結び内に取り外し可能に挿入されて、前記少なくとも1つの自由フィラメントリムの前記端部のための通路を提供することができる、少なくとも1つのチューブを更に含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項6】
各チューブにはそれぞれ溝があり、前記チューブからの前記自由フィラメントリムの取り外しを促進する、請求項5に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記一結びの異なるループ内に取り外し可能に挿入されて、自由フィラメントリムの2つの端部のための通路を提供することができる、少なくとも2つのチューブを更に含む、請求項3に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記チューブは一緒に接合され、かつ前記チューブを操作するための少なくとも1つのハンドルを有する、請求項7に記載のアセンブリ。
【請求項9】
各チューブにはそれぞれ溝が付いて、前記チューブからの前記自由フィラメントリムの取り外しを促進する、請求項8に記載のアセンブリ。
【請求項10】
骨に固定されることができ、かつフィラメント係合機構を有する、アンカーと、
少なくとも第1リムの第1部分上に引き結びを有し、かつ前記アンカーの前記フィラメント係合機構に接続された第2部分を有する、第1フィラメントと、
修復される組織を通過することができ、かつ前記アンカーが骨に固定された後に前記組織の漸増式引っ張りを可能にするために前記引き結びを通過可能な少なくとも1つの端部を有する、少なくとも第1自由フィラメントリムであって、張力が前記自由フィラメントリム及び前記引き結びのうちの少なくとも1つに適用されたときに、前記引き結びは前記自由フィラメントリムを絞扼する、第1自由フィラメントリムと、を備える、外科用フィラメントのスネアアセンブリ。
【請求項11】
前記第1自由フィラメントリムが、第2フィラメントの、ある長さである、請求項10に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記第2フィラメントが、第2自由フィラメントリムを含み、該第2自由フィラメントリムも、前記組織が前記第1自由フィラメントリムと前記第2自由フィラメントリムとの間に捕捉されるように前記引き結びを通過可能である、請求項11に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記第1自由フィラメントリムが、前記第1フィラメントの、ある長さである、請求項10に記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記第1フィラメントが、第2自由フィラメントリムを含み、該第2自由フィラメントリムも、前記組織が前記第1自由フィラメントリムと前記第2自由フィラメントリムとの間に捕捉されるように前記引き結びを通過可能である、請求項13に記載のアセンブリ。
【請求項15】
前記引き結びが、少なくとも1つの一結びから形成される、請求項10に記載のアセンブリ。
【請求項16】
前記引き結びが、前記アンカーの方へ引き込み可能である、請求項10に記載のアセンブリ。
【請求項17】
骨に固定されることができ、かつ少なくとも1つの通路及び縫合糸係合機構を有する、アンカーと、
少なくとも第1リムの第1部分上に引き結びを有し、かつ前記通路を通過し、前記アンカーの前記縫合糸係合機構に接続される第2部分を有する、第1縫合糸と、
少なくとも第1自由縫合糸リムを有する第2縫合糸であって、前記第1自由縫合糸リムは、修復される組織を通過することができ、かつ前記アンカーが骨に固定された後に前記組織の漸増式引っ張りを可能にするために前記引き結びを通過可能な少なくとも1つの端部を有し、前記引き結びは、張力が前記自由縫合糸リム及び前記引き結びのうちの少なくとも1つに適用されたときに、前記自由縫合糸リムを絞扼する、第2縫合糸と、を備える、外科用縫合糸のスネアアセンブリ。
【請求項18】
骨に固定されることができ、かつ少なくとも1つの通路及び縫合糸係合機構を有する、アンカーと、
少なくとも第1リムの第1部分上に引き結びを有し、かつ前記通路を通過し、前記アンカーの前記縫合糸係合機構に接続される第2部分を有する、第1縫合糸と、
少なくとも第1自由縫合糸リムを有する前記第1縫合糸であって、前記第1自由縫合糸リムは、修復される組織を通過することができ、かつ前記アンカーが骨に固定された後に前記組織の漸増式張力を可能するために前記引き結びを通過可能な少なくとも1つの端部を有し、前記引き結びは、張力が前記自由縫合糸リム及び前記引き結びのうちの少なくとも1つに適用されたときに、前記自由縫合糸リムを絞扼する、前記第1縫合糸と、を備える、外科用縫合糸のスネアアセンブリ。
【請求項1】
骨に固定されることができ、かつフィラメント係合機構を有する、アンカーと、
少なくとも第1リムの第1部分上に引き結びを有し、かつ前記アンカーの前記フィラメント係合機構に接続された第2部分を有する、第1フィラメントであって、前記引き結びは、自由フィラメントリムの少なくとも1つの端部を受容し、かつ該端部を、前記自由フィラメントリム及び前記引き結びのうちの少なくとも1つに張力が適用されたときに絞扼することができる、第1フィラメントと、を備える、外科用フィラメントのスネアアセンブリ。
【請求項2】
前記引き結びが、前記アンカーの方へ引き込み可能である、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記引き結びが、少なくとも1つの一結びから形成される、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記引き結びが、ハングマン型結び目を含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記引き結び内に取り外し可能に挿入されて、前記少なくとも1つの自由フィラメントリムの前記端部のための通路を提供することができる、少なくとも1つのチューブを更に含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項6】
各チューブにはそれぞれ溝があり、前記チューブからの前記自由フィラメントリムの取り外しを促進する、請求項5に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記一結びの異なるループ内に取り外し可能に挿入されて、自由フィラメントリムの2つの端部のための通路を提供することができる、少なくとも2つのチューブを更に含む、請求項3に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記チューブは一緒に接合され、かつ前記チューブを操作するための少なくとも1つのハンドルを有する、請求項7に記載のアセンブリ。
【請求項9】
各チューブにはそれぞれ溝が付いて、前記チューブからの前記自由フィラメントリムの取り外しを促進する、請求項8に記載のアセンブリ。
【請求項10】
骨に固定されることができ、かつフィラメント係合機構を有する、アンカーと、
少なくとも第1リムの第1部分上に引き結びを有し、かつ前記アンカーの前記フィラメント係合機構に接続された第2部分を有する、第1フィラメントと、
修復される組織を通過することができ、かつ前記アンカーが骨に固定された後に前記組織の漸増式引っ張りを可能にするために前記引き結びを通過可能な少なくとも1つの端部を有する、少なくとも第1自由フィラメントリムであって、張力が前記自由フィラメントリム及び前記引き結びのうちの少なくとも1つに適用されたときに、前記引き結びは前記自由フィラメントリムを絞扼する、第1自由フィラメントリムと、を備える、外科用フィラメントのスネアアセンブリ。
【請求項11】
前記第1自由フィラメントリムが、第2フィラメントの、ある長さである、請求項10に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記第2フィラメントが、第2自由フィラメントリムを含み、該第2自由フィラメントリムも、前記組織が前記第1自由フィラメントリムと前記第2自由フィラメントリムとの間に捕捉されるように前記引き結びを通過可能である、請求項11に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記第1自由フィラメントリムが、前記第1フィラメントの、ある長さである、請求項10に記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記第1フィラメントが、第2自由フィラメントリムを含み、該第2自由フィラメントリムも、前記組織が前記第1自由フィラメントリムと前記第2自由フィラメントリムとの間に捕捉されるように前記引き結びを通過可能である、請求項13に記載のアセンブリ。
【請求項15】
前記引き結びが、少なくとも1つの一結びから形成される、請求項10に記載のアセンブリ。
【請求項16】
前記引き結びが、前記アンカーの方へ引き込み可能である、請求項10に記載のアセンブリ。
【請求項17】
骨に固定されることができ、かつ少なくとも1つの通路及び縫合糸係合機構を有する、アンカーと、
少なくとも第1リムの第1部分上に引き結びを有し、かつ前記通路を通過し、前記アンカーの前記縫合糸係合機構に接続される第2部分を有する、第1縫合糸と、
少なくとも第1自由縫合糸リムを有する第2縫合糸であって、前記第1自由縫合糸リムは、修復される組織を通過することができ、かつ前記アンカーが骨に固定された後に前記組織の漸増式引っ張りを可能にするために前記引き結びを通過可能な少なくとも1つの端部を有し、前記引き結びは、張力が前記自由縫合糸リム及び前記引き結びのうちの少なくとも1つに適用されたときに、前記自由縫合糸リムを絞扼する、第2縫合糸と、を備える、外科用縫合糸のスネアアセンブリ。
【請求項18】
骨に固定されることができ、かつ少なくとも1つの通路及び縫合糸係合機構を有する、アンカーと、
少なくとも第1リムの第1部分上に引き結びを有し、かつ前記通路を通過し、前記アンカーの前記縫合糸係合機構に接続される第2部分を有する、第1縫合糸と、
少なくとも第1自由縫合糸リムを有する前記第1縫合糸であって、前記第1自由縫合糸リムは、修復される組織を通過することができ、かつ前記アンカーが骨に固定された後に前記組織の漸増式張力を可能するために前記引き結びを通過可能な少なくとも1つの端部を有し、前記引き結びは、張力が前記自由縫合糸リム及び前記引き結びのうちの少なくとも1つに適用されたときに、前記自由縫合糸リムを絞扼する、前記第1縫合糸と、を備える、外科用縫合糸のスネアアセンブリ。
【図1】
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図8A】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図15】
【図16】
【図16A】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図8A】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図15】
【図16】
【図16A】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【公開番号】特開2012−110711(P2012−110711A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−254801(P2011−254801)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(507083478)デピュイ・ミテック・インコーポレイテッド (47)
【氏名又は名称原語表記】DePuy Mitek,Inc.
【住所又は居所原語表記】325 Paramount Drive,Raynham,Massachusetts 02767 United States of America
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254801(P2011−254801)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(507083478)デピュイ・ミテック・インコーポレイテッド (47)
【氏名又は名称原語表記】DePuy Mitek,Inc.
【住所又は居所原語表記】325 Paramount Drive,Raynham,Massachusetts 02767 United States of America
【Fターム(参考)】
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