外科用流体移送装置
【課題】外科用流体移送装置を提供すること
【解決手段】外科用流体移送装置は、長手方向軸および内部チャンバを画定するハブを含む。細長部材は、ハブから延在し、長手方向の導管を画定する。閉鎖弁は、内部チャンバ内に配置される。閉鎖弁は、流体の通過を阻止するように内部チャンバを実質的に封止する第1の位置と、それを通る流体の通過を可能にするようにハブ内の流体通路を確立する第2の位置との間の動きに適合される。閉鎖弁は、略テーパ状の内部穴と、弁ハウジングのテーパ状の内部穴内に少なくとも部分的に配置される略テーパ状の封止部材とを画定する、内壁部を有する弁ハウジングを含む。封止部材は、アクセス器具が閉鎖弁を通って、細長部材の長手方向の導管の中へ通過することを可能にする開放状態と、アクセス器具が存在しない閉鎖状態とを有する。
【解決手段】外科用流体移送装置は、長手方向軸および内部チャンバを画定するハブを含む。細長部材は、ハブから延在し、長手方向の導管を画定する。閉鎖弁は、内部チャンバ内に配置される。閉鎖弁は、流体の通過を阻止するように内部チャンバを実質的に封止する第1の位置と、それを通る流体の通過を可能にするようにハブ内の流体通路を確立する第2の位置との間の動きに適合される。閉鎖弁は、略テーパ状の内部穴と、弁ハウジングのテーパ状の内部穴内に少なくとも部分的に配置される略テーパ状の封止部材とを画定する、内壁部を有する弁ハウジングを含む。封止部材は、アクセス器具が閉鎖弁を通って、細長部材の長手方向の導管の中へ通過することを可能にする開放状態と、アクセス器具が存在しない閉鎖状態とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
この出願は、2006年9月29日に米国特許商標庁に出願された、米国仮特許出願第60/848,519号への優先権およびその利益を主張する。
【0002】
本開示は、外科的処置に関連した、流体の移送に関する。具体的には、本開示は、流体(例えば、静脈内の流体、血液等)を患者に送達するために適合された流体通路を有し、流体通路の効果的かつ自動的な閉鎖を可能にする改善された弁機構を有する、流体移送装置に関する。
【背景技術】
【0003】
医療カテーテルを含む外科用流体移送器具は、患者から血液を採取または除去するために、または薬剤、血漿等を患者に送達するための静脈内システムと組み合わせて広く使用されている。1つの例示的な静脈内処置によると、針を有する静脈内カテーテルは、前進し、血管が多い器官(例えば、静脈および動脈)を貫通する。一度器官へのアクセスを行うと、器官部位内にカテーテルを残して針は除去される。流体分配システム(例えば、注射器または静脈内(IV)キット)は、静脈内カテーテルのハブに接続され、流体は、分配システムから、静脈内カテーテルを通って、器官部位へと通過する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、流体を送達または除去するための既知の方法論およびカテーテルは、いくつかの理由により不十分である。静脈内カテーテルに関して、針の挿入、カテーテルの分配システム(例えば、注射器またはIVキット)への接続、および/またはカテーテルの分配システムからの切断のプロセスは、血液汚染、およびカテーテルハブを通る望ましくない血液移送に関して、臨床医にとって困難である。かかる血液移送は典型的に、アクセス中の針周囲、または分配システムとの接続または切断中のカテーテルハブの内部通路内の非効果的な封止に起因する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1)
流体の通過のための外科用流体移送装置であって、
長手方向軸を画定し、内部チャンバを有するハブと、
該ハブから延在し、長手方向の導管を画定する細長部材と、
該ハブの該内部チャンバ内に配置される閉鎖弁と、
を備え、該閉鎖弁は、流体の通過を阻止するように該内部チャンバを実質的に封止する第1の位置と、流体通路を通る流体の通過を可能にするように該ハブ内に流体通路を確立する第2の位置との間の動きに適合され、該閉鎖弁は、略テーパ状の内部穴と、弁ハウジングの該テーパ状の内部穴内に少なくとも部分的に配置される封止部材とを画定する、内壁部を有する弁ハウジングを含み、該封止部材は、略テーパ状の構成を画定し、かつ、アクセス器具が、該閉鎖弁を通って、該細長部材の該長手方向の導管の中へ通過することを可能にする開放状態と、該アクセス器具が存在しない閉鎖状態とを有し、該弁ハウジングの該内壁部は、該封止部材と協働して、該封止部材が、その該閉鎖状態になることを可能にする、外科用流体移送装置。
(項目2)
上記閉鎖弁は、その上記第1の位置と第2の位置との間の上記長手方向軸に沿った長手方向の動きに適合される、項目1に記載の外科用装置。
(項目3)
上記閉鎖弁は、通常、その上記第1の位置に向かって付勢される、項目2に記載の外科用装置。
(項目4)
上記閉鎖弁の上記第1の位置は、その近位位置であり、該閉鎖弁の上記第2の位置は、その遠位位置である、項目2に記載の外科用装置。
(項目5)
上記封止部材は、該封止部材の上記開放状態にある際、上記アクセス器具の通過を可能にするように、およびそれを通って導入された該アクセス器具との実質的な封止関係を確立するように、変位に適合された内側封止部を画定する、項目2に記載の外科用装置。
(項目6)
上記封止部材は、上記閉鎖弁の上記開放状態および閉鎖状態に対応する、作動位置と初期位置との間の、上記弁ハウジングに対する長手方向の動きに適合される、項目5に記載の外科用装置。
(項目7)
上記テーパ状の内部穴を画定する上記弁ハウジングの上記内壁部は、その上記内側封止部を実質的に閉鎖するように、上記封止部材が上記初期位置へと動くと、該封止部材と協働するように適合される、項目6に記載の外科用装置。
(項目8)
上記封止部材の上記作動位置は、遠位長手方向位置であり、上記初期位置は、近位長手方向位置である、項目7に記載の外科用装置。
(項目9)
上記封止部材は、通常、上記近位長手方向位置に向かって付勢される、項目8に記載の外科用装置。
(項目10)
上記弁ハウジングは、上記ハブの上記内部チャンバを実質的に封止するように、上記閉鎖弁の上記第1の位置にある際、該ハブの内部封止壁を動作可能に係合するように適合され、かつ、上記流体通路を確立するように、該閉鎖弁の上記第2の位置にある際、該内部封止壁から動作可能に分離するように適合される、項目1に記載の外科用装置。
(項目11)
上記閉鎖弁は、上記弁ハウジングに載置される弁ガスケットを含み、該弁ガスケットは、上記ハブの上記内部チャンバを実質的に封止するように、該ハブの上記内部封止壁を係合する、項目10に記載の外科用装置。
(項目12)
上記弁ガスケットの近位にあり、上記ハブ内に位置するコネクタと係合可能な弁プランジャを含み、それにより、該コネクタの進入は、該弁プランジャおよび上記閉鎖弁を、上記第1の位置から上記第2の位置へ前進させる、項目11に記載の外科用装置。
(項目13)
弁プランジャは、スロットを画定し、該スロットは、上記流体通路の一部である、項目12に記載の外科用装置。
(項目14)
上記弁ハウジングは、該弁ハウジングと、上記内部チャンバを画定する内部壁との間の流体空間を画定するように、上記ハブの該内部チャンバ内に載置され、上記流体通路は、該流体空間を組み込む、項目11に記載の外科用装置。
(項目15)
流体の通過のための外科用装置であって、
長手方向軸を画定するハブと、
該ハブから遠位に延在し、長手方向の導管を画定する、細長部材と、
該閉鎖弁と該ハブとの間の流体通路を画定するように、該ハブ内に載置される閉鎖弁と、
を備え、該閉鎖弁は、流体の通過を阻止するように該流体通路を実質的に閉鎖する近位位置から、該ハブを通る流体の通過を可能にするように該流体通路を開放する遠位位置への長手方向の動きに適合され、該閉鎖弁は、弁ハウジングと、該弁ハウジングに載置された内部封止部材とを含み、該内部封止部材は、内部通路を画定し、該内部封止部材は、それにより該封止部材の該内部通路が実質的に閉鎖状態になる第1の位置と、それにより該内部封止部材の該内部通路がアクセス器具を受容する第2の位置との間の、該弁ハウジングに対する長手方向の動きに適合される、外科用装置。
(項目16)
上記封止部材は、通常、その上記第1の位置に向かって付勢される、項目15に記載の外科用装置。
(項目17)
上記封止部材は、略テーパ状の構成を画定し、上記弁ハウジングの対応するテーパ状の内部穴内で受容され、該封止部材は、該封止部材の上記内部通路を実質的に閉鎖するように、該封止部材が上記第1の位置へと動くと、該テーパ状の内部穴を画定する該弁ハウジングの壁部と協働する、項目16に記載の外科用装置。
(項目18)
上記弁ハウジングは、上記流体通路を閉鎖するように、上記閉鎖弁の上記近位位置にある際、上記ハブ内の内部封止壁を係合するように適合される、項目17に記載の外科用装置。
(項目19)
上記閉鎖弁は、通常、上記近位位置に向かって付勢される、項目18に記載の外科用装置。
(項目20)
通常、上記内部封止部材を、上記弁ハウジングに対して該内部封止部材の近位位置に対応する上記第1の位置に付勢することによって、通常、制御弁を、その近位位置に付勢するように、該内部封止部材に係合可能なバネを含む、項目19に記載の外科用装置。
(項目21)
上記バネは、通常、上記封止部材を半径内側方向に付勢して、上記内部封止部材の実質的閉鎖位置の形成を促進するように、該封止部材周囲に少なくとも部分的に位置付けられる、項目20に記載の外科用装置。
(項目22)
上記バネは、上記実際の封止部材と一体的に形成される、項目20に記載の外科用装置。(項目23)
上記バネは略C形状である、項目22に記載の外科用装置。
(項目24)
上記弁ハウジングは、弁ガスケットを含み、上記弁ガスケットは、上記流体通路を閉鎖するように、上記閉鎖弁の上記近位位置にある際、上記内部封止壁を係合する、項目19に記載の外科用装置。
要旨
したがって、本開示は、患者と、流体分配または回収システムとの間の流体の安全かつ効果的な移送のための新規装置および関連する方法論を提供することにより、従来技術の不利点を克服する。好適な一実施形態において、流体の通過のための外科用流体移送装置は、長手方向軸を画定し、内部チャンバを有する、ハブと、ハブから延在し、長手方向の導管を画定する、細長部材と、ハブの内部チャンバ内に配置される閉鎖弁と、を含む。閉鎖弁は、流体の通過を阻止するように内部チャンバを実質的に封止する第1の位置と、それを通る流体の通過を可能にするようにハブ内に流体通路を確立する第2の位置との間の動きに適合される。閉鎖弁は、略テーパ状の内部穴を画定する内壁部を有する弁ハウジングと、弁ハウジングのテーパ状の内部穴内に少なくとも部分的に配置される封止部材とを含む。封止部材は、略テーパ状の構成を画定し、アクセス器具が閉鎖弁を通って、細長部材の長手方向の導管の中へ通過すること可能にする開放状態と、アクセス器具が存在しない閉鎖状態とを有する。弁ハウジングの内壁部は、封止部材と協働し、封止部材がその閉鎖状態になることを可能にする。
【0006】
好適には、閉鎖弁は、その第1の位置と第2の位置との間の長手方向軸に沿った長手方向の動きに適合される。閉鎖弁は、通常、その第1の位置に向かって付勢され得る。閉鎖弁の第1の位置は、その近位位置であり得、閉鎖弁の第2の位置は、その遠位位置であり得る。
【0007】
封止部材は、封止部材の開放状態にある際、アクセス器具の通過を可能にするように、およびそれを通って導入されたアクセス器具との実質的な封止関係を確立するように、変位に適合された内側封止部を画定する。封止部材は、封止部材の開放状態および閉鎖状態に対応する作動位置と、初期位置との間の弁ハウジングに対する長手方向の動きに適合され得る。好適には、テーパ状の内部穴を画定する弁ハウジングの内壁部は、その内側封止部を実質的に閉鎖するように、封止部材が初期位置へと動くと、封止部材と協働するように構成される。好適には、封止部材の作動位置は、遠位長手方向位置であり、初期位置は近位長手方向位置である。封止部材は、通常、近位長手方向位置に向かって付勢され得る。
【0008】
弁ハウジングは、ハブの内部チャンバを実質的に封止するように、閉鎖弁の第1の位置にある際、ハブの内部封止壁に動作可能に係合するように構成され得、かつ、流体通路を確立するように、閉鎖弁の第2の位置にある際、内部封止壁から動作可能に分離するように構成される。閉鎖弁は、弁ハウジングに載置される弁ガスケットを含み得る。弁ガスケットは、ハブの内部チャンバを実質的に封止するように、ハブの内部封止壁を係合するように構成される。弁プランジャは、弁ガスケットの近位に提供され得、ハブ内に位置するコネクタと係合可能であり得、それにより、コネクタの前進が、弁プランジャおよび閉鎖弁を第1の位置から第2の位置へ前進させる。弁プランジャは、流体通路の一部を形成するスロットを画定し得る。好適には、弁ハウジングは、弁ハウジングと、内部チャンバを画定する内壁との間の流体空間を画定するように、ハブの内部チャンバ内に載置される。流体通路は流体空間を組み込む。
【0009】
別の実施形態において、流体の通過のための外科用装置は、長手方向軸を画定するハブと、ハブから遠位に延在し、長手方向の導管を画定する細長部材と、閉鎖弁とハブとの間の流体通路を画定するようにハブ内に載置される閉鎖弁と、を含む。閉鎖弁は、流体の通過を阻止するように流体通路を実質的に閉鎖する近位位置から、ハブを通る流体の通過を可能にするように流体通路を開放する遠位位置への長手方向の動きに適合される。閉鎖弁は、弁ハウジングと、弁ハウジングに載置され、内部通路を画定する内部封止部材と、を含む。内部封止部材は、それにより封止部材の内部通路が実質的に閉鎖状態になる第1の位置と、それにより内部封止部材の内部通路がアクセス器具を受容する第2の位置との間の、弁ハウジングに対する長手方向の動きに適合される。封止部材は、通常、その第1の位置に向かって付勢され得る。封止部材は、略テーパ状の構成を画定し、弁ハウジングの対応するテーパ状の内部穴内で受容される。封止部材は、封止部材の内部通路を実質的に閉鎖するように、封止部材が第1の位置へと動くと、テーパ状の内部穴を画定する弁ハウジングの壁部と協働する。
【0010】
弁ハウジングは、流体通路を閉鎖するように、閉鎖弁の近位位置にある際、ハブ内の内部封止壁を係合するように構成される。閉鎖弁は、通常、近位位置に向かって付勢される。好適には、バネは、内部封止部材に係合可能であり、内部封止部材を、弁ハウジングに対して内部封止部材の近位位置に対応する第1の位置に付勢することによって、通常、閉鎖弁をその近位位置に付勢する。バネは、通常、封止部材を半径内側方向に付勢して、内部封止部材の実質的閉鎖位置の形成を促進するように、封止部材周囲に少なくとも部分的に位置づけられ得る。代替的に、バネは、封止部材と一体的に形成される。バネは、略C形状であり得る。弁ハウジングは、流体通路を閉鎖するように、閉鎖弁の近位位置にある際、内部封止壁を係合する、弁ガスケットを含み得る。
【0011】
本開示の種々の実施形態を、図面を参照しながら本明細書に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】移送カテーテルと、移送カテーテル内に位置するアクセスカニューレを図示する、本開示の原理に係る、流体移送装置の断面における透視図である。
【図2】移送カテーテルから抜去されたアクセスカニューレを備える移送カテーテルを図示する、断面における透視図である。
【図3】移送カテーテルに載置された流体分配または回収システムのコネクタを図示する、断面における透視図である。
【図4】移送カテーテルのカテーテルハブの代替的な実施形態の透視図である。
【図5】図4のカテーテルハブの近位ハブ部の透視図である。
【図6】移送カテーテルの閉鎖弁の別の代替的な実施形態の側面断面図である。
【図7】図6の閉鎖弁のアクセス封止部材の透視図である。
【図8】移送カテーテルの閉鎖弁の別の代替的な実施形態の断面における透視図である。
【図9】図8の閉鎖弁の弁ガスケットの透視図である。
【図10】移送カテーテルとともに使用するための代替的なコイルバネとアクセス封止部材の透視図である。
【図11】閉鎖弁の別の代替的な実施形態の断面における透視図である。
【図12A】閉鎖弁とともに使用するための代替的なバネの透視図である。
【図12B】閉鎖弁とともに使用するための代替的なバネの透視図である。
【図13】それぞれ第1の位置および第2の位置の閉鎖弁の代替的な実施形態の断面図である。
【図14】それぞれ第1の位置および第2の位置の閉鎖弁の代替的な実施形態の断面図である。
【図15】図1の流体移送装置とともに使用するためのカテーテルハブの代替的な実施形態の透視図である。
【図16】図1の流体移送装置とともに使用するための挿入スタイレットの貫通端部の透視図である。
【図17】挿入スタイレットと移送カテーテルとの間で画定される流体チャネルを図示する、図16の線17−17に沿った断面図である。
【図18】図1の流体移送装置とともに使用するための代替的な挿入スタイレットの貫通端部の透視図である。
【図19】図1の流体移送装置とともに使用するための別の代替的な挿入スタイレットの透視図である。
【図20】図1の流体移送装置とともに使用するための弁ハウジングの代替的な実施形態の透視図である。
【図21】移送カテーテルと、移送カテーテル内に位置するアクセスカニューレを図示する、図1の流体移送装置の代替的な実施形態の断面図である。
【図22】抜去されたアクセスカニューレと、移送カテーテルに載置された流体分配システムのコネクタを備える図21の流体移送装置の側面断面図である。
【図23】図21−22の流体移送装置の部品が分離された状態の透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
詳細な説明
本開示の流体移送装置は、静脈内(IV)処置中に流体(例えば、薬剤、血液、血漿、生理食塩水等を含む液体)を分配する際、または代替的に、例えば、診断または循環補助処置に関連して、血液等の流体を患者から採取または回収する際の、医学的使用が想定される。該流体移送装置は、流体が、患者と、外部移送導管または媒体との間で移送される、いかなる外科的処置にも応用できることが想定される。
【0014】
以下の説明において、「近位」という用語は、臨床医に最も近い器具の部分を指し、「遠位」という用語は、臨床医から離れた器具の部分を指す。
【0015】
図1を参照すると、本開示の流体移送装置100が図示される。流体移送装置100は、移送カテーテル102と、任意選択的に、移送カテーテル102内に位置可能なアクセスカニューレ104と、を含む。移送カテーテル102は、カテーテルハブ106と、カテーテルハブ106に接続され、それから遠位に延在する細長カテーテル部材108と、を含む。カテーテルハブ106は、長手方向軸「k」を画定し、近位端部および遠位端部110、112をそれぞれ有する。カテーテルハブ106は、内部管腔116を画定する近位端部110に隣接するコネクタ部114を含む。内部管腔116は、流体分配または回収システムのコネクタ(例えば、ルアーコネクタ)を受容するように構成される。カテーテルハブ106は、近位端部および遠位端部110、112の中間に配置され、環状内壁120によって画定される内部チャンバ118をさらに含む。カテーテルハブ106は、単一の構成要素であり得、あるいは一緒に組み立てられる多数の構成要素(例えば、ハブ部106a、106b)から構成され、従来の手段によって互いに固定され得る。好適には、カテーテルハブ106は、適切なポリマー材料で形成され、従来の射出成形技術によって製造される。カテーテルハブ106は、不透明または薄く着色されたものであり得る。カテーテルハブ106は、外科医による保持を向上するように、その外部表面にレッグまたはスレッドを含み得る。カテーテルハブ106は、翼付構造をさらに組み込み、身体への取り付けを促進し得る。
【0016】
細長カテーテル部材108は、生体適合性金属またはポリマーから作製され得、透明、半透明、不透明、縞模様であり得る。細長カテーテル部材108は、線形態の深さ目盛で目盛が付され、臨床医が組織内の挿入の程度を判断することを支援し得る。
【0017】
再び図1を参照すると、流体移送装置100は、概して参照番号122で識別され、内部チャンバ118内に少なくとも部分的に配置される、閉鎖弁機構をさらに含む。閉鎖弁122は、1)アクセスカニューレ104が、移送カテーテル102に位置する際、アクセスカニューレ104周囲に封止を確立すること、および2)流体分配または回収システムとともに使用する際、カテーテルハブ106を通って延在する流体通路を開放または閉鎖することによって、二重機能を果たす。閉鎖弁122は、弁ハウジング124と、弁ハウジング124内に少なくとも部分的に位置するアクセス封止部材126と、弁ガスケット128とを含む。弁ハウジング124は、その全長の大部分に沿った外側構成が実質的に円筒形であり、弁ハウジング124の近位端部に隣接する円周フランジ130を組み込む。弁ハウジング124は、内部チャンバ118内の長手方向軸「k」周囲で同軸上に配置され、カテーテルハブ106の内部環状壁120と、弁ハウジング124の外部との間の環状空間132を画定する。環状空間132は、検討されるような流体の通過のためのカテーテルハブ106内の流体通路の部分を提供する。
【0018】
ここで図1〜2を参照すると、弁ハウジング124は、アクセス封止部材126を受容するテーパ状の内部穴134と、テーパ状の内部穴134と連通した円周フランジ130を通って延在するアパーチャ136とをさらに画定する。アパーチャ136は、アクセスカニューレ104を受容する。弁ガスケット128は、弁ハウジング124の近位端部に載置される。弁ガスケット128は、好適には、エラストマー等の適合性材料で作製され、内部封止壁138との実質的に封止された関係を確立するように、カテーテルハブ106の内部横封止壁138を係合するように構成される。弁ガスケット128は、そこを通るアクセスカニューレ104の通過を可能にするように、アパーチャ140を含み得る。弁ガスケット128は、アクセスカニューレ104周囲に封止を形成し得る、あるいは形成し得ない。弁ガスケット128が、アクセスカニューレ104の通過を可能にするように、アパーチャ140の代わりに1つ以上のスリットまたはスロットを有し得ることが想定される。代替的に、弁ガスケット128は、硬質で、カテーテルハブ104を通ってアクセスカニューレ104が通過する間、アクセスカニューレ104によって穴をあけることができる。
【0019】
アクセス封止部材126は、弁ハウジング124のテーパ状の内部穴134内に配置される。アクセス封止部材126は好適には、テーパ状の内部穴134のテーパ状の構成に概して対応する、くさび形またはテーパ状の構成を画定する。アクセス封止部材126は、弁ガスケット128のアパーチャ140、および長手方向軸「k」の一般的な並びで、スリット144を画定する内側封止部142を組み込み得る。内側封止部142は、アクセスカニューレ104を封止的に係合し、移送カテーテル102に対してアクセスカニューレ104の挿入および除去中、アクセスカニューレ104との封止された関係を維持するように構成される。アクセス封止部材126は、弁ハウジング124に対して、およびスリット144が開放され得る、図1に図示される作動遠位位置と、スリット144が実質的に閉鎖される、図2に図示される初期近位位置との間の長手方向軸「k」に対して動くようにさらに構成され得る。代替的に、アクセス封止部材126は、弁ハウジング124に対して略安定した状態であり得、それによって、弾力特性は、アクセス部材126が、開放位置と閉鎖位置との間で動くことを可能にする。アクセス封止部材126は好適には、ポリイソピレン、シリコーン、ゴム、ウレタン等のエラストマー材料から作製され、それによって、封止部材126が開放し、アクセスカニューレ104の外寸に一致するように構成される。代替的に、アクセス封止部材126は、流体、ゲル、泡等で充填された拡張可能なバルーンまたはブラダーを組み入れ得、布の束(strands of fabric)または他のより剛性の材料で強化され得る。
【0020】
閉鎖弁122は、通常、アクセス封止部材126を図2の閉鎖近位位置に付勢するように、バネ146をさらに含む。バネ146は好適には、その第1の端部または近位端部で、アクセス封止部材126と、その第2の端部または遠位端部で、カテーテルハブ106の内側担持壁148とを係合する、コイルバネである。この配置により、バネ146は、通常、アクセス封止部材126を近位の方向へ弁ハウジング124のテーパ状の内部穴134に付勢する。アクセス封止部材126は、テーパ状の内部穴134に押しやられるため、テーパ状の内部穴134およびアクセス封止部材126を画定する壁部のテーパ状の構成は、協働して、スリット144を閉鎖する。さらに、理解されるように、アクセス封止部材126の近位方向への付勢はまた、弁ハウジング124および弁ガスケット128を、図2に図示される第1の近位位置に向かって付勢させる。
【0021】
閉鎖弁122は、弁ガスケット128の近位側に取り付けられた弁プランジャ150をさらに含む。弁プランジャ150は、弁ガスケット128の開口を通って延在する弁ハウジング124と一体的に形成され得るか、あるいは、従来の手段によって弁ガスケット128の周辺領域に取り付けられた個別の構成要素であり得る。弁プランジャ150は、弁プランジャ150の中心アパーチャ154と連通するその外壁にスロット152を組み込む。スロット152および中心アパーチャ154は、例えば、血液または治療流体といった流体が、ルアーコネクタへ通過するための流体経路を提供する。
【0022】
さらに図1および2を参照すると、移送カテーテル102の細長部材108は、接着剤、セメント、締まりばめ、カップリング等を含む、いかなる従来の手段によって、カテーテルハブ106に接続され得る。1つの好適な配置において、ハブ部106bは、フェルール107を含む、または画定し、細長部材108をカテーテルハブ106に接続する。フェルール107は、従来の手段によってハブ部106b内に固定され得、そこへ接続される細長部材108を有し得る。フェルール107および/または細長部材108は、カテーテルハブ106の陥凹155内に備えられるフランジを有し得る。フランジは、陥凹155内にセメントで接着され得る。細長部材108は、細長部材108を通り、カテーテルハブ106の内部チャンバ118と連通する流体通路を提供する、長手方向の導管156を画定する。細長部材108は、剛性または柔軟性を有し得、かつ線状であり得るか、あるいは湾曲区域を組み込み得る。細長部材108は、好適にはとがっていない開放遠位端部158を有し得るか、あるいは傾斜した配置を有し得る。細長部材108は、スチールまたはポリマー材料を備え得る。
【0023】
ここで図1を参照すると、流体移送装置100のアクセスカニューレ104について述べられる。アクセスカニューレ104は、いかなる従来のアクセスカニューレ、または移送カテーテル102の導入を促進するように、血管にアクセスする意図した目的に適切な針であり得る。アクセスカニューレ104は、血管壁に穴をあける、および血管を貫通するための鋭い端部160を有し得、長手方向の導管162を画定し得る。アクセスカニューレ104は好適には、アクセスカニューレ104の近位端部に載置されたハウジングまたはハブ(図示せず)を有する。アクセスカニューレ104は、移送カテーテル102に対するアクセスカニューレ104の挿入の程度または量を制御するように、アクセスカニューレ104の中間部周囲に載置された止め具(図示せず)を含み得る。止め具は、弁プランジャ150に接触する、またはハブ106の近位端部110を係合するように、アクセスカニューレ104に位置し得る。代替例においては、アクセスカニューレ104は、硬質のスタイレットまたはガイドワイヤ、あるいは血管へのアクセスを促進するための他のいかなるアクセス器具に置き換え得る。一度アクセスカニューレ104によって血管へアクセスすると、アクセスカニューレ104は、移送カテーテル102から除去される。
【0024】
流体移送装置100の使用および機能を、IV流体の導入のための血管のアクセスに照らして記載する。図1を参照すると、アクセスカニューレ104は、移送カテーテル102内に位置する。アクセスカニューレ104の導入中、アクセスカニューレ104は、弁ガスケット128のアパーチャ140を通過し、アクセス封止部材126を係合する。アクセス封止部材126を係合すると、アクセスカニューレ104は、アクセス封止部材126を、図2に図示される初期近位位置から、図1に図示される作動遠位位置へと、弁ハウジング124のテーパ状の内部穴134内を長手方向に動く。アクセス封止部材126が、弁ハウジング124内を遠位に動くにつれて、アクセス封止部材126のスリット144は、アクセス封止部材126の協働するテーパ状の構成、およびテーパ状の内部穴134を介して、開放することができるようになり、アクセス封止部材126を通って、および移送カテーテル102の細長部材108を通ってアクセスカニューレ104が通過することを可能にする。提供される場合、アクセスカニューレ104に位置する止め具は、移送カテーテル102内のアクセスカニューレ104の挿入の程度を制限し得る。アクセスカニューレ104が、図1に図示されるように移送カテーテル102内で組み立てられた状態で、従来技術で既知のとおり、アクセスカニューレ104を使用し、血管を貫通する。血管へ入ると、血液は、アクセスカニューレ104の長手方向の導管162を通って、近位場所へ通過し、そこでは、アクセスハブまたはハウジング(図示せず)に血液が存在する場合、血管にアクセスしたことを臨床医に示す。アクセスカニューレ104は、移送カテーテル108の細長部材108の遠位端160が、血管内に位置するまで、進入させる。上に示したとおり、アクセス封止部材126は、アクセスカニューレ104周囲に流体の密封を確立し、例えば、血液といった、いかなる流体が、アクセスカニューレ104の外側表面に沿って、およびハブ106を通って、通過することを実質的に阻止する。
【0025】
ここで図2を参照すると、アクセスカニューレ104は、血管内に移送カテーテル102を残して、移送カテーテル102から抜去される。アクセスカニューレ104の除去中、アクセス封止部材126は、アクセスカニューレ104周囲の流体の密封を維持し、これにより、体液がアクセスカニューレ104の外側表面周囲を通過することを実質的に阻止する。アクセスカニューレ104が除去された状態で、アクセス封止部材126は、コイルバネ146の影響の下で、図2に図示される初期近位位置に戻る。アクセス封止部材126が近位方向に動くにつれて、アクセス封止部材126の対応するテーパ状の構成、および弁ハウジング124のテーパ状の内部穴134は、協働して、アクセス封止部材126のスリット144を閉鎖する。さらに、アクセス封止部材126の近位の動きも、弁ガスケット128がカテーテルハブ106の内部封止壁138に封止的に係合した状態で、近位方向に弁ハウジング124および弁ガスケット128を押しやる。したがって、図2に図示される閉鎖弁122の状態では、流体は、カテーテルハブ106を通過することができない。
【0026】
ここで図3を参照すると、IVシステムのルアーコネクタ200は、カテーテルハブ106の接続部114の内部穴116内を前進し、カテーテルハブ106との連結関係を確立する。ルアーコネクタ200が、カテーテル106内を遠位に動くにつれて、弁ガスケット128に隣接する弁プランジャ150は、コネクタ200によって係合され、これによって、図2に図示される第1の近位位置から、図3に図示される第2の遠位位置へ、バネ146の付勢に対し、閉鎖弁122を押しやる。閉鎖弁122の第2の遠位位置において、弁ガスケット128は、内部封止壁138から分離され、これによって、カテーテルハブ106を通る流体通路を確立する。したがって、流体は、環状空間132および内部チャンバ118の近位部を含む、確立された流体通路を介して、コネクタ200と、細長部材108の長手方向の導管150との間で移送され得る。流体は、コネクタ200間を、弁プランジャ150の中心アパーチャ154およびスロット152を通って通過し得る。流体通路は、図3において方向矢印「m」によって識別される。この位置で、アクセス封止部材126は閉鎖されたままであることに留意されたい。処置が完了する際、コネクタ200は除去され、閉鎖弁106はバネ146の影響の下で、図2の位置に押しやられ、これによって、流体通路「m」を閉鎖する。
【0027】
図4〜5は、カテーテルハブ106の代替的な実施形態を説明する。本実施形態によると、カテーテルハブ300は、例えば、接着剤等の従来の手段によって一緒に組み立てられたハブ部302、304を含む。ハブ部302は、臨床医による係合を促進する外部軸リブ306を含む。環状内壁308は、略長手方向に延在する陥凹したチャネル310を含む。陥凹したチャネル310は、カテーテルハブ302内の流体の通過を可能にする、即ち、陥凹したチャネル310は、閉鎖弁122周囲、およびカテーテルハブ300内の流体通路を一部、またはすべて画定する。カテーテルハブ300は、その外部表面にスレッドまたはラグ312をさらに含み、ルアーコネクタの積極的保持を提供、即ち、ルアーコネクタ200の対応する構造を協働可能に係合する。
【0028】
図6〜7は、本開示の代替的な実施形態を説明する。本実施形態によると、アクセス封止部材400は、略くさび形状の配置を画定するように配置された、例えば、2つのくさび型部品402といった複数の個別の構成要素を含む。アクセス封止部材400は、弓形または弾丸型ノーズ404をさらに画定する。ノーズ404は、弁ガスケット408の対応する陥凹406内に存在する。図示されるように、弁プランジャ410は、弁ガスケット408の対応するアパーチャ416を通って延在するコネクタリブ414によって、弁ハウジング412と一体的に形成、好適には、モノシリックに形成される。弁プランジャ410は、ルアーコネクタ200の開口への流体経路を提供するように、管腔420と連通する軸方向スロット418をさらに画定する。
【0029】
図8〜9は、図6〜7の実施形態に実質的に類似した、代替的な実施形態を説明する。しかしながら、弁ガスケット500は、図8に最も良く図示される弁スリットまたは開口504を包囲する対向した弓形の陥凹502を画定する。陥凹502は、内部封止部材508のノーズ区域506を受容する。この配置では、内部封止部材508のノーズ区域506は、内部封止部材508の対応するテーパ状の構成、および弁ハウジング512の内部壁510、ならびにコイルバネ514の近位付勢により、弁ガスケット500の開口504の閉鎖を促進するように作用する。したがって、この配置では、弁ガスケットまたは内部封止部材508のいずれか、もしくはこれらの両方は、アクセスカニューレ104周囲に流体の密封を形成し得る。さらに、弁ガスケット500は、カテーテルハブを通る経路を閉鎖するように作用し得る。図9は、弁ガスケット500のさらなる機能を説明する。具体的には、弁ガスケット500は、弁プランジャ520のリブ部518を収容する3つの弧状区域または開口516をさらに含む。弁プランジャ520は、弁ハウジング512に接続する。
【0030】
図10は、コイルバネ600が、アクセス封止部材602の遠位側に接触する代わりに、アクセス封止部材602の短縮された円筒形部604周囲に少なくとも部分的に位置する、代替的な実施形態を説明する。このように、コイルバネ600は、通常、アクセス封止部材602を近位の方向に付勢するように作用しつつ、さらに放射状の内向きの力「t」を短縮された円筒形の区域604に加え、これによって、通常、アクセスカニューレ606との実質的に封止された区域で、アクセス封止部材602を放射状に内側に付勢する。
【0031】
図11は、コイルバネの代わりに、C形状のバネ700が提供される、別の実施形態を説明する。C形状のバネ700は、好適には、アクセス封止部材702と一体的に形成される。C形状のバネ700のレッグ704は、遠位ハブ部708の内側のテーパ状の壁706を係合する。内側のテーパ状の壁706は、レッグ704と協働して、通常、アクセス封止部材を近位方向に、弁ハウジング(図示せず)のテーパ状の穴(図示せず)へ付勢し、図1〜3の実施形態に関連して、以上に述べられるものと同様に、装置を封止する。
【0032】
図12Aおよび図12Bは、それぞれが前の実施形態のコイルバネ146に代替し得る、波形バネ800a(図12A)および波形バネ800b(図12B)のような代替的なバネを説明する。波形バネ800a、800bは、圧縮率、静止位置でのその初期位置への回復、および長さの減少に関して利点を提供し、これらは、カテーテルハブ106の長さの減少を効果的に可能にし得る。波形バネ800aおよび波形バネ800bは、図示されるバネ支柱802a、802bの数が異なるため、異なるバネ力または定数を提供する。テーパ状のバネ配置、ハチの巣状、砂時計状等を含む、他のバネ配置も想定される。
【0033】
図13〜14は、本開示の移送カテーテルとともに使用するための閉鎖弁の別の実施形態を説明する。閉鎖弁900は、弁ハウジング902と、弁ハウジング902内に配置される内部アクセス封止部材904を含む。弁ハウジング902およびアクセス封止部材904は、前の実施形態で以上に述べられた方法論と同様に、アクセス封止部材904を閉鎖状態に位置するように、協働するテーパ状の構成を含む。弁ハウジング902は、弁ハウジング902の周辺から放射状に内側に依存する係止デタント906をさらに含む。係止デタント906は、アクセス封止部材904の遠位面908を係合するように作用し、図13に図示されるように、弁ハウジング902に対して閉鎖近位位置にアクセス封止部材904を保持する。アクセス針910は、アクセス針910周囲に同軸上に載置された係止リング912を含み得る。係止リング912は、アクセス針910の抜去中、アクセス封止部材904の遠位面908を係合し、アクセス封止部材904を図13の近位位置へ動かす。このように長手方向に動く間、係止デタント906は、アクセス封止部材904の通過を可能にするように、放射状に外向きに偏移し、これによって、通過後、係止デタント906は、アクセス封止部材904と係合している、図13の初期位置へ戻る。アクセス針910は、閉鎖弁900および移送カテーテルから除去され得る。好適な一実施形態において、アクセス封止部材904は、係止リング912が、アクセス針910の抜去中、アクセス封止部材904を通過することができるように、十分な弾力性を有する。他の点では、閉鎖弁900は、前の実施形態に記載されるものと同様に、流体通路を開放および閉鎖するように動作する。
【0034】
図15は、流体移送装置100の移送カテーテル102とともに使用するためのカテーテルハブ106の代替的な実施形態を説明する。カテーテルハブ1000は、カテーテルハブ1000の外壁の設計における一部の変更を除き、図1の実施形態のカテーテルハブ106に実質的に類似している。さらに、カテーテルハブ1000は、カテーテルハブ1000から放射状に外向きに延在する正反対の関係にある一対のウィング1002を含む。ウィング1002は、カテーテルハブ1000の、従来技術で既知の外科用テープ、縫合糸等による対象への固定を促進する。
【0035】
図16〜17は、図1の流体移送装置100のアクセスカニューレ104の代わりに使用され得る、挿入スタイレットまたは針1100を説明する。挿入スタイレット1100は、その全長に沿って硬質なものであり得、好適には、略鋭利なV形状構成を有する貫通端部1102を画定する。具体的には、V形状構成は、貫通点または縁部1108へ延在する、複数の交差する表面1104、1106によって画定される。表面1104、1106の交差、および表面1106の反対の下部表面(図示せず)は、切断縁部1110、1112を画定する。貫通端部1002の近位の挿入スタイレット1100の断面は、好適には、多面を有する外観を画定するように、図17に示される形状の、例えば、六角形といった多角形である。この配置では、複数のチャネル1114は、挿入スタイレット1100の外壁と、細長カテーテル部材1116の内壁との間で画定される。チャネル1114は、カテーテル部材1116を通じて可視化(例えば、フラッシュバック可視化)され得る、例えば、血流といった流体の流れ(カテーテル部材が少なくとも部分的に透明であることを条件とする)が、挿入スタイレット1100が血管内に入ったことを識別することができる。代替的に、チャネル1114は、カテーテルハブ106に関連するフラッシュバックチャンバと液体連通にあり、それによって、フラッシュバックチャンバ内に血液が存在する場合は、血管内に挿入スタイレット1100が入ったと識別する。代替例において、チャネル1114は、血液のサンプルを採取するように、サンプリングチャンバに関連し得る。さらに、細長カテーテル部材1116は、組織内の挿入を促進するように、傾斜した先端部表面1118を有するものとして示される。他の点に関して、挿入スタイレット1100を組み込む流体移送装置は、図1〜3の流体移送装置100の実施形態に関連して、以上に述べられるものと同様に機能する。
【0036】
図18は、図16〜17の挿入スタイレット1100の代替的な実施形態を説明する。挿入スタイレット1200は、図16〜17の挿入スタイレット1100の貫通端部1102に実質的に類似した貫通端部1202を含む。貫通端部1202の近位の挿入スタイレット1200の断面は、細長カテーテル1204の円形の内壁に略対応するように、実質的に円形である。挿入スタイレット1200は、好適にはその長さの少なくとも一部に沿って延在する、その壁表面の外部チャネル1206をさらに画定する。外部チャネル1206は、流体の流れ、例えば、血流を収容し、細長カテーテル1204を通した、または図16〜17の実施形態に関連して述べられるものと同様に、フラッシュバックチャンバを通したフラッシュバック可視化を提供する。他の点において、挿入スタイレット1200を組み込む流体移送装置は、図1〜3の流体移送装置100の実施形態と同様に機能する。
【0037】
図19は、流体移送装置100とともに使用するための挿入スタイレットの別の代替的な実施形態を説明する。挿入スタイレット1300は、図1〜3の実施形態の流体移送装置100のアクセスカニューレ104と同様のアクセスカニューレとして機能する。挿入スタイレット1300は、貫通端部1304を通って延在する軸管腔1302を画定する。しかしながら、挿入スタイレットの近位または後端部1306は閉鎖されている。挿入スタイレット1300は、軸管腔1302と流体連通にある挿入スタイレット1300の中間部に隣接する開口1308をさらに画定する。組み立てられた状態で、流体移送装置100内では、開口1308は、カテーテルハブ106に関連するフラッシュバックチャンバと流体連通にあり得る。したがって、例えば、血液といった流体は、軸管腔1302を通って、延出開口1308へ運ばれ、フラッシュバックチャンバに入り得る。
【0038】
図20は、図1〜3の流体移送装置100の弁ハウジング124の代替的な実施形態を説明する。弁ハウジング1400は、弁ハウジング124と同様であるが、その外壁表面に複数の放射状に離間したチャネル1402をさらに含む。チャネル1402は、弁ハウジング1400周囲の流体の流れを収容し、これによって、カテーテルハブ106内の流体通路「m」の少なくとも一部を画定する。弁ハウジング1400は、弁ハウジング1400から近位に延在する弁プランジャ1404をさらに含む。弁プランジャ1404は、弁ハウジング1400とモノシリックに形成され得るか、あるいはそこに一体的に接続され得る。弁プランジャ1404は、弁プランジャ1404の内部管腔1408と連通するその壁を通って延在する1つ以上のチャネル1406をさらに画定する。したがって、ルアーコネクタ200へ接続すると、流体は、患者へ送達するために、内部管腔1408および弁プランジャ1404のチャネル1406を通って、および弁ハウジング1400のチャネル1402を通って運ばれ得る。他の点において、弁ハウジング1400の内部構造および機能は、図1〜3の実施形態の流体移送装置100の弁ハウジング124の対応する構造、および機能と同様であり得る。
【0039】
図21〜23は、本開示の別の代替的な実施形態を説明する。流体移送装置1500は、図1の流体移送装置と実質的に同様であり、同様の構成要素の構造および機能について検討するため、図1の実施形態を参照されたい。流体移送装置1500は、従来の手段によって、互いに接続される第1および第2のハブセグメント1504、1506を有するカテーテルハブ1502を含む。ハブセグメント1504は、内部チャンバ、または流体分配システムのコネクタ200を受容するための第1のチャンバ部1510と、第1のチャンバ部1510に対し細長直径を画定する第2のチャンバ部1512とを有する管腔1508を画定する。ハブセグメント1504は、第2のチャンバ部1512に隣接する一定した内寸または直径の線状穴1514をさらに画定し、テーパ状の穴1516に至る。テーパ状の穴1516は、ハブセグメント1504の内側のテーパ状の壁1518内で画定される。第2のハブセグメント1506は、流体回収チャンバ1520と、流体回収チャンバ1520の先端部に隣接する内部陥凹1522とを有する。
【0040】
流体移送装置1500は、ハブセグメント1504のテーパ状の穴1516内に少なくとも部分的に配置される閉鎖弁1524と、流体回収チャンバ1520内に少なくとも部分的に載置されるコイルバネ1526とをさらに含む。コイルバネ1526は、通常、閉鎖弁1524を、図21に図示される流体移送装置1500の初期位置に付勢する。コイルバネ1526は、内部陥凹1522内のその先端部で受容され、これによって、陥凹1522内に拘束される。閉鎖弁1524およびコイルバネ1526は、図1の実施形態に関連して述べられる、対応する構成要素と実質的に同様であり得る。
【0041】
流体移送装置1500は、弁プランジャ1528および弁ガスケット1530をさらに含む。弁プランジャ1528は、第2のチャンバ部1512内に受容されるフランジ1532と、線状穴1514に少なくとも部分的に配置されるプランジャセグメント1534とを画定する。フランジ1532の直径は、ハブセグメント1504の第2のチャンバ部1512の内部直径に略近似する。プランジャセグメント1534は、プランジャセグメント1534の遠位または先端部に隣接するその壁に、複数の陥凹または開口1536を含む。開口1536は、流体の移送を可能にするように、プランジャ1528を通って延在するプランジャチャネル1538と流体連通にある。弁ガスケット1530は、第2のチャンバ部1512を画定する内壁との実質的な封止を形成し、プランジャ1528周囲の流体の通過を最小限にする。
【0042】
第2のハブセグメント1506は、ハブセグメント1506の穴1542内に載置されるフェルールコネクタ1540を有する。フェルールコネクタ1540は、ハブセグメント1506の内部空洞1546内に存在するフランジ1544を含む。フェルールコネクタ1540のフランジ1544は、接着剤、セメント等の従来の手段によって、第2のハブセグメント1506に接続され得る。移送カテーテル1548は、従来の手段によってフェルールコネクタ1540に固定され、患者に対する位置決定のために第2のハブセグメント1506を超えて延在する。
【0043】
ここで、流体分配システム1500の使用を述べる。図21を参照すると、アクセスカニューレ1550は、閉鎖弁1524および移送カテーテル1548を通過するように、第1のハブセグメント1504内に位置する。導入中、閉鎖弁1524は、遠位方向に動き、閉鎖弁1524のスリット1524aが、アクセスカニューレ1550を受容するように開放することを可能にし得る。代替的に、閉鎖弁1524は、きわめて適合性のある材料または弾力性のある材料で形成され得、それによって、スリット1524aは、閉鎖弁1524のいかなる長手方向の動きを伴わずにアクセスカニューレ1550の寸法に対応して開放する。アクセスカニューレ1550を使用して、血管を貫通し、その後除去する。それを除去した後、閉鎖弁1524は、ある程度、コイルバネ1526の付勢力および/またはその製作材料の弾力性により、その通常閉鎖位置になる。
【0044】
ここで図22を参照すると、例えば、IVシステムのルアーコネクタ200はその後、第1のチャンバ部1510内を前進し、弁ガスケット1530に接触し、弁プランジャ1528を遠位方向に押しやる。弁プランジャ1528は同様に、閉鎖弁1524を遠位に押しやり、図22に図示される作動位置になる。閉鎖弁1524のこの位置において、環状通路1552は、閉鎖弁1524の周辺と、内部テーパ状の壁1518との間に形成される。環状通路1552は、弁プランジャ1528の開口1536と流体連通にあり、弁プランジャ1528のプランジャチャネル1538と連通する。IVシステムが作動され、それによって、治療流体がルアーコネクタ200からプランジャチャネル1538を通過し、プランジャ1528の開口1536と通って分配され得る。流体は、流体回収チャンバ1520内で受容されるために環状通路1552を通って連通し、続いて、移送カテーテル1548を通って患者に分配される。治療が完了すると、コネクタ200は除去され、これによって、閉鎖弁1524、弁プランジャ1528、および弁ガスケット1530は、コイルバネ1526の付勢力に対応して、図21に図示される通常状態に戻る。
【0045】
本開示のいくつかの実施形態を図面に示し、および/または本願で述べたが、本開示は当業者が可能であろう程度に範囲が広く、本明細書は同様に読まれることを意図するように、本開示は、それらに限定されることを意図しない。したがって、上の説明は、限定するものとして解釈されるべきではなく、単に特定の実施形態の例示として解釈されたい。当業者は、ここに添付される請求項の範囲および精神内で他の修正も想定するであろう。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明の好ましい実施形態によれば、以下が提供される。
(項1)流体の通過のための外科用流体移送装置であって、
長手方向軸を画定し、内部チャンバを有するハブと、
該ハブから延在し、長手方向の導管を画定する細長部材と、
該ハブの該内部チャンバ内に配置される閉鎖弁と、
を備え、該閉鎖弁は、流体の通過を阻止するように該内部チャンバを実質的に封止する第1の位置と、流体通路を通る流体の通過を可能にするように該ハブ内に流体通路を確立する第2の位置との間の動きに適合され、該閉鎖弁は、略テーパ状の内部穴を画定する内壁部を有する弁ハウジングと、該弁ハウジングの該テーパ状の内部穴内に少なくとも部分的に配置される封止部材とを含み、該封止部材は、略テーパ状の構成を画定し、かつ、アクセス器具が、該閉鎖弁を通って、該細長部材の該長手方向の導管の中へ通過することを可能にする開放状態と、該アクセス器具が存在しない閉鎖状態とを有し、該弁ハウジングの該内壁部は、該封止部材と協働して、該封止部材が、その該閉鎖状態になることを可能にする、外科用流体移送装置。
(項2)前記閉鎖弁は、その前記第1の位置と第2の位置との間の前記長手方向軸に沿った長手方向の動きに適合される、上記項1に記載の外科用装置。
(項3)前記閉鎖弁は、通常、その前記第1の位置に向かって付勢される、上記項2に記載の外科用装置。
(項4)前記閉鎖弁の前記第1の位置は、その近位位置であり、該閉鎖弁の前記第2の位置は、その遠位位置である、上記項2に記載の外科用装置。
(項5)前記封止部材は、該封止部材の前記開放状態にある際、前記アクセス器具の通過を可能にするように、およびそれを通って導入された該アクセス器具との実質的な封止関係を確立するように、変位に適合された内側封止部を画定する、上記項2に記載の外科用装置。
(項6)前記封止部材は、前記閉鎖弁の前記開放状態および閉鎖状態に対応する、作動位置と初期位置との間の、前記弁ハウジングに対する長手方向の動きに適合される、上記項5に記載の外科用装置。
(項7)前記テーパ状の内部穴を画定する前記弁ハウジングの前記内壁部は、その前記内側封止部を実質的に閉鎖するように、前記封止部材が前記初期位置へと動くと、該封止部材と協働するように適合される、上記項6に記載の外科用装置。
(項8)前記封止部材の前記作動位置は、遠位長手方向位置であり、前記初期位置は、近位長手方向位置である、上記項7に記載の外科用装置。
(項9)前記封止部材は、通常、前記近位長手方向位置に向かって付勢される、上記項8に記載の外科用装置。
(項10)前記弁ハウジングは、前記ハブの前記内部チャンバを実質的に封止するように、前記閉鎖弁の前記第1の位置にある際、該ハブの内部封止壁を動作可能に係合するように適合され、かつ、前記流体通路を確立するように、該閉鎖弁の前記第2の位置にある際、該内部封止壁から動作可能に分離するように適合される、上記項1に記載の外科用装置。
(項11)前記閉鎖弁は、前記弁ハウジングに載置される弁ガスケットを含み、該弁ガスケットは、前記ハブの前記内部チャンバを実質的に封止するように、該ハブの前記内部封止壁を係合する、上記項10に記載の外科用装置。
(項12)前記弁ガスケットの近位にあり、前記ハブ内に位置するコネクタと係合可能な弁プランジャを含み、それにより、該コネクタの進入は、該弁プランジャおよび前記閉鎖弁を、前記第1の位置から前記第2の位置へ前進させる、上記項11に記載の外科用装置。
(項13)弁プランジャは、スロットを画定し、該スロットは、前記流体通路の一部である、上記項12に記載の外科用装置。
(項14)前記弁ハウジングは、該弁ハウジングと、前記内部チャンバを画定する内部壁との間の流体空間を画定するように、前記ハブの該内部チャンバ内に載置され、前記流体通路は、該流体空間を組み込む、上記項11に記載の外科用装置。
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
この出願は、2006年9月29日に米国特許商標庁に出願された、米国仮特許出願第60/848,519号への優先権およびその利益を主張する。
【0002】
本開示は、外科的処置に関連した、流体の移送に関する。具体的には、本開示は、流体(例えば、静脈内の流体、血液等)を患者に送達するために適合された流体通路を有し、流体通路の効果的かつ自動的な閉鎖を可能にする改善された弁機構を有する、流体移送装置に関する。
【背景技術】
【0003】
医療カテーテルを含む外科用流体移送器具は、患者から血液を採取または除去するために、または薬剤、血漿等を患者に送達するための静脈内システムと組み合わせて広く使用されている。1つの例示的な静脈内処置によると、針を有する静脈内カテーテルは、前進し、血管が多い器官(例えば、静脈および動脈)を貫通する。一度器官へのアクセスを行うと、器官部位内にカテーテルを残して針は除去される。流体分配システム(例えば、注射器または静脈内(IV)キット)は、静脈内カテーテルのハブに接続され、流体は、分配システムから、静脈内カテーテルを通って、器官部位へと通過する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、流体を送達または除去するための既知の方法論およびカテーテルは、いくつかの理由により不十分である。静脈内カテーテルに関して、針の挿入、カテーテルの分配システム(例えば、注射器またはIVキット)への接続、および/またはカテーテルの分配システムからの切断のプロセスは、血液汚染、およびカテーテルハブを通る望ましくない血液移送に関して、臨床医にとって困難である。かかる血液移送は典型的に、アクセス中の針周囲、または分配システムとの接続または切断中のカテーテルハブの内部通路内の非効果的な封止に起因する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1)
流体の通過のための外科用流体移送装置であって、
長手方向軸を画定し、内部チャンバを有するハブと、
該ハブから延在し、長手方向の導管を画定する細長部材と、
該ハブの該内部チャンバ内に配置される閉鎖弁と、
を備え、該閉鎖弁は、流体の通過を阻止するように該内部チャンバを実質的に封止する第1の位置と、流体通路を通る流体の通過を可能にするように該ハブ内に流体通路を確立する第2の位置との間の動きに適合され、該閉鎖弁は、略テーパ状の内部穴と、弁ハウジングの該テーパ状の内部穴内に少なくとも部分的に配置される封止部材とを画定する、内壁部を有する弁ハウジングを含み、該封止部材は、略テーパ状の構成を画定し、かつ、アクセス器具が、該閉鎖弁を通って、該細長部材の該長手方向の導管の中へ通過することを可能にする開放状態と、該アクセス器具が存在しない閉鎖状態とを有し、該弁ハウジングの該内壁部は、該封止部材と協働して、該封止部材が、その該閉鎖状態になることを可能にする、外科用流体移送装置。
(項目2)
上記閉鎖弁は、その上記第1の位置と第2の位置との間の上記長手方向軸に沿った長手方向の動きに適合される、項目1に記載の外科用装置。
(項目3)
上記閉鎖弁は、通常、その上記第1の位置に向かって付勢される、項目2に記載の外科用装置。
(項目4)
上記閉鎖弁の上記第1の位置は、その近位位置であり、該閉鎖弁の上記第2の位置は、その遠位位置である、項目2に記載の外科用装置。
(項目5)
上記封止部材は、該封止部材の上記開放状態にある際、上記アクセス器具の通過を可能にするように、およびそれを通って導入された該アクセス器具との実質的な封止関係を確立するように、変位に適合された内側封止部を画定する、項目2に記載の外科用装置。
(項目6)
上記封止部材は、上記閉鎖弁の上記開放状態および閉鎖状態に対応する、作動位置と初期位置との間の、上記弁ハウジングに対する長手方向の動きに適合される、項目5に記載の外科用装置。
(項目7)
上記テーパ状の内部穴を画定する上記弁ハウジングの上記内壁部は、その上記内側封止部を実質的に閉鎖するように、上記封止部材が上記初期位置へと動くと、該封止部材と協働するように適合される、項目6に記載の外科用装置。
(項目8)
上記封止部材の上記作動位置は、遠位長手方向位置であり、上記初期位置は、近位長手方向位置である、項目7に記載の外科用装置。
(項目9)
上記封止部材は、通常、上記近位長手方向位置に向かって付勢される、項目8に記載の外科用装置。
(項目10)
上記弁ハウジングは、上記ハブの上記内部チャンバを実質的に封止するように、上記閉鎖弁の上記第1の位置にある際、該ハブの内部封止壁を動作可能に係合するように適合され、かつ、上記流体通路を確立するように、該閉鎖弁の上記第2の位置にある際、該内部封止壁から動作可能に分離するように適合される、項目1に記載の外科用装置。
(項目11)
上記閉鎖弁は、上記弁ハウジングに載置される弁ガスケットを含み、該弁ガスケットは、上記ハブの上記内部チャンバを実質的に封止するように、該ハブの上記内部封止壁を係合する、項目10に記載の外科用装置。
(項目12)
上記弁ガスケットの近位にあり、上記ハブ内に位置するコネクタと係合可能な弁プランジャを含み、それにより、該コネクタの進入は、該弁プランジャおよび上記閉鎖弁を、上記第1の位置から上記第2の位置へ前進させる、項目11に記載の外科用装置。
(項目13)
弁プランジャは、スロットを画定し、該スロットは、上記流体通路の一部である、項目12に記載の外科用装置。
(項目14)
上記弁ハウジングは、該弁ハウジングと、上記内部チャンバを画定する内部壁との間の流体空間を画定するように、上記ハブの該内部チャンバ内に載置され、上記流体通路は、該流体空間を組み込む、項目11に記載の外科用装置。
(項目15)
流体の通過のための外科用装置であって、
長手方向軸を画定するハブと、
該ハブから遠位に延在し、長手方向の導管を画定する、細長部材と、
該閉鎖弁と該ハブとの間の流体通路を画定するように、該ハブ内に載置される閉鎖弁と、
を備え、該閉鎖弁は、流体の通過を阻止するように該流体通路を実質的に閉鎖する近位位置から、該ハブを通る流体の通過を可能にするように該流体通路を開放する遠位位置への長手方向の動きに適合され、該閉鎖弁は、弁ハウジングと、該弁ハウジングに載置された内部封止部材とを含み、該内部封止部材は、内部通路を画定し、該内部封止部材は、それにより該封止部材の該内部通路が実質的に閉鎖状態になる第1の位置と、それにより該内部封止部材の該内部通路がアクセス器具を受容する第2の位置との間の、該弁ハウジングに対する長手方向の動きに適合される、外科用装置。
(項目16)
上記封止部材は、通常、その上記第1の位置に向かって付勢される、項目15に記載の外科用装置。
(項目17)
上記封止部材は、略テーパ状の構成を画定し、上記弁ハウジングの対応するテーパ状の内部穴内で受容され、該封止部材は、該封止部材の上記内部通路を実質的に閉鎖するように、該封止部材が上記第1の位置へと動くと、該テーパ状の内部穴を画定する該弁ハウジングの壁部と協働する、項目16に記載の外科用装置。
(項目18)
上記弁ハウジングは、上記流体通路を閉鎖するように、上記閉鎖弁の上記近位位置にある際、上記ハブ内の内部封止壁を係合するように適合される、項目17に記載の外科用装置。
(項目19)
上記閉鎖弁は、通常、上記近位位置に向かって付勢される、項目18に記載の外科用装置。
(項目20)
通常、上記内部封止部材を、上記弁ハウジングに対して該内部封止部材の近位位置に対応する上記第1の位置に付勢することによって、通常、制御弁を、その近位位置に付勢するように、該内部封止部材に係合可能なバネを含む、項目19に記載の外科用装置。
(項目21)
上記バネは、通常、上記封止部材を半径内側方向に付勢して、上記内部封止部材の実質的閉鎖位置の形成を促進するように、該封止部材周囲に少なくとも部分的に位置付けられる、項目20に記載の外科用装置。
(項目22)
上記バネは、上記実際の封止部材と一体的に形成される、項目20に記載の外科用装置。(項目23)
上記バネは略C形状である、項目22に記載の外科用装置。
(項目24)
上記弁ハウジングは、弁ガスケットを含み、上記弁ガスケットは、上記流体通路を閉鎖するように、上記閉鎖弁の上記近位位置にある際、上記内部封止壁を係合する、項目19に記載の外科用装置。
要旨
したがって、本開示は、患者と、流体分配または回収システムとの間の流体の安全かつ効果的な移送のための新規装置および関連する方法論を提供することにより、従来技術の不利点を克服する。好適な一実施形態において、流体の通過のための外科用流体移送装置は、長手方向軸を画定し、内部チャンバを有する、ハブと、ハブから延在し、長手方向の導管を画定する、細長部材と、ハブの内部チャンバ内に配置される閉鎖弁と、を含む。閉鎖弁は、流体の通過を阻止するように内部チャンバを実質的に封止する第1の位置と、それを通る流体の通過を可能にするようにハブ内に流体通路を確立する第2の位置との間の動きに適合される。閉鎖弁は、略テーパ状の内部穴を画定する内壁部を有する弁ハウジングと、弁ハウジングのテーパ状の内部穴内に少なくとも部分的に配置される封止部材とを含む。封止部材は、略テーパ状の構成を画定し、アクセス器具が閉鎖弁を通って、細長部材の長手方向の導管の中へ通過すること可能にする開放状態と、アクセス器具が存在しない閉鎖状態とを有する。弁ハウジングの内壁部は、封止部材と協働し、封止部材がその閉鎖状態になることを可能にする。
【0006】
好適には、閉鎖弁は、その第1の位置と第2の位置との間の長手方向軸に沿った長手方向の動きに適合される。閉鎖弁は、通常、その第1の位置に向かって付勢され得る。閉鎖弁の第1の位置は、その近位位置であり得、閉鎖弁の第2の位置は、その遠位位置であり得る。
【0007】
封止部材は、封止部材の開放状態にある際、アクセス器具の通過を可能にするように、およびそれを通って導入されたアクセス器具との実質的な封止関係を確立するように、変位に適合された内側封止部を画定する。封止部材は、封止部材の開放状態および閉鎖状態に対応する作動位置と、初期位置との間の弁ハウジングに対する長手方向の動きに適合され得る。好適には、テーパ状の内部穴を画定する弁ハウジングの内壁部は、その内側封止部を実質的に閉鎖するように、封止部材が初期位置へと動くと、封止部材と協働するように構成される。好適には、封止部材の作動位置は、遠位長手方向位置であり、初期位置は近位長手方向位置である。封止部材は、通常、近位長手方向位置に向かって付勢され得る。
【0008】
弁ハウジングは、ハブの内部チャンバを実質的に封止するように、閉鎖弁の第1の位置にある際、ハブの内部封止壁に動作可能に係合するように構成され得、かつ、流体通路を確立するように、閉鎖弁の第2の位置にある際、内部封止壁から動作可能に分離するように構成される。閉鎖弁は、弁ハウジングに載置される弁ガスケットを含み得る。弁ガスケットは、ハブの内部チャンバを実質的に封止するように、ハブの内部封止壁を係合するように構成される。弁プランジャは、弁ガスケットの近位に提供され得、ハブ内に位置するコネクタと係合可能であり得、それにより、コネクタの前進が、弁プランジャおよび閉鎖弁を第1の位置から第2の位置へ前進させる。弁プランジャは、流体通路の一部を形成するスロットを画定し得る。好適には、弁ハウジングは、弁ハウジングと、内部チャンバを画定する内壁との間の流体空間を画定するように、ハブの内部チャンバ内に載置される。流体通路は流体空間を組み込む。
【0009】
別の実施形態において、流体の通過のための外科用装置は、長手方向軸を画定するハブと、ハブから遠位に延在し、長手方向の導管を画定する細長部材と、閉鎖弁とハブとの間の流体通路を画定するようにハブ内に載置される閉鎖弁と、を含む。閉鎖弁は、流体の通過を阻止するように流体通路を実質的に閉鎖する近位位置から、ハブを通る流体の通過を可能にするように流体通路を開放する遠位位置への長手方向の動きに適合される。閉鎖弁は、弁ハウジングと、弁ハウジングに載置され、内部通路を画定する内部封止部材と、を含む。内部封止部材は、それにより封止部材の内部通路が実質的に閉鎖状態になる第1の位置と、それにより内部封止部材の内部通路がアクセス器具を受容する第2の位置との間の、弁ハウジングに対する長手方向の動きに適合される。封止部材は、通常、その第1の位置に向かって付勢され得る。封止部材は、略テーパ状の構成を画定し、弁ハウジングの対応するテーパ状の内部穴内で受容される。封止部材は、封止部材の内部通路を実質的に閉鎖するように、封止部材が第1の位置へと動くと、テーパ状の内部穴を画定する弁ハウジングの壁部と協働する。
【0010】
弁ハウジングは、流体通路を閉鎖するように、閉鎖弁の近位位置にある際、ハブ内の内部封止壁を係合するように構成される。閉鎖弁は、通常、近位位置に向かって付勢される。好適には、バネは、内部封止部材に係合可能であり、内部封止部材を、弁ハウジングに対して内部封止部材の近位位置に対応する第1の位置に付勢することによって、通常、閉鎖弁をその近位位置に付勢する。バネは、通常、封止部材を半径内側方向に付勢して、内部封止部材の実質的閉鎖位置の形成を促進するように、封止部材周囲に少なくとも部分的に位置づけられ得る。代替的に、バネは、封止部材と一体的に形成される。バネは、略C形状であり得る。弁ハウジングは、流体通路を閉鎖するように、閉鎖弁の近位位置にある際、内部封止壁を係合する、弁ガスケットを含み得る。
【0011】
本開示の種々の実施形態を、図面を参照しながら本明細書に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】移送カテーテルと、移送カテーテル内に位置するアクセスカニューレを図示する、本開示の原理に係る、流体移送装置の断面における透視図である。
【図2】移送カテーテルから抜去されたアクセスカニューレを備える移送カテーテルを図示する、断面における透視図である。
【図3】移送カテーテルに載置された流体分配または回収システムのコネクタを図示する、断面における透視図である。
【図4】移送カテーテルのカテーテルハブの代替的な実施形態の透視図である。
【図5】図4のカテーテルハブの近位ハブ部の透視図である。
【図6】移送カテーテルの閉鎖弁の別の代替的な実施形態の側面断面図である。
【図7】図6の閉鎖弁のアクセス封止部材の透視図である。
【図8】移送カテーテルの閉鎖弁の別の代替的な実施形態の断面における透視図である。
【図9】図8の閉鎖弁の弁ガスケットの透視図である。
【図10】移送カテーテルとともに使用するための代替的なコイルバネとアクセス封止部材の透視図である。
【図11】閉鎖弁の別の代替的な実施形態の断面における透視図である。
【図12A】閉鎖弁とともに使用するための代替的なバネの透視図である。
【図12B】閉鎖弁とともに使用するための代替的なバネの透視図である。
【図13】それぞれ第1の位置および第2の位置の閉鎖弁の代替的な実施形態の断面図である。
【図14】それぞれ第1の位置および第2の位置の閉鎖弁の代替的な実施形態の断面図である。
【図15】図1の流体移送装置とともに使用するためのカテーテルハブの代替的な実施形態の透視図である。
【図16】図1の流体移送装置とともに使用するための挿入スタイレットの貫通端部の透視図である。
【図17】挿入スタイレットと移送カテーテルとの間で画定される流体チャネルを図示する、図16の線17−17に沿った断面図である。
【図18】図1の流体移送装置とともに使用するための代替的な挿入スタイレットの貫通端部の透視図である。
【図19】図1の流体移送装置とともに使用するための別の代替的な挿入スタイレットの透視図である。
【図20】図1の流体移送装置とともに使用するための弁ハウジングの代替的な実施形態の透視図である。
【図21】移送カテーテルと、移送カテーテル内に位置するアクセスカニューレを図示する、図1の流体移送装置の代替的な実施形態の断面図である。
【図22】抜去されたアクセスカニューレと、移送カテーテルに載置された流体分配システムのコネクタを備える図21の流体移送装置の側面断面図である。
【図23】図21−22の流体移送装置の部品が分離された状態の透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
詳細な説明
本開示の流体移送装置は、静脈内(IV)処置中に流体(例えば、薬剤、血液、血漿、生理食塩水等を含む液体)を分配する際、または代替的に、例えば、診断または循環補助処置に関連して、血液等の流体を患者から採取または回収する際の、医学的使用が想定される。該流体移送装置は、流体が、患者と、外部移送導管または媒体との間で移送される、いかなる外科的処置にも応用できることが想定される。
【0014】
以下の説明において、「近位」という用語は、臨床医に最も近い器具の部分を指し、「遠位」という用語は、臨床医から離れた器具の部分を指す。
【0015】
図1を参照すると、本開示の流体移送装置100が図示される。流体移送装置100は、移送カテーテル102と、任意選択的に、移送カテーテル102内に位置可能なアクセスカニューレ104と、を含む。移送カテーテル102は、カテーテルハブ106と、カテーテルハブ106に接続され、それから遠位に延在する細長カテーテル部材108と、を含む。カテーテルハブ106は、長手方向軸「k」を画定し、近位端部および遠位端部110、112をそれぞれ有する。カテーテルハブ106は、内部管腔116を画定する近位端部110に隣接するコネクタ部114を含む。内部管腔116は、流体分配または回収システムのコネクタ(例えば、ルアーコネクタ)を受容するように構成される。カテーテルハブ106は、近位端部および遠位端部110、112の中間に配置され、環状内壁120によって画定される内部チャンバ118をさらに含む。カテーテルハブ106は、単一の構成要素であり得、あるいは一緒に組み立てられる多数の構成要素(例えば、ハブ部106a、106b)から構成され、従来の手段によって互いに固定され得る。好適には、カテーテルハブ106は、適切なポリマー材料で形成され、従来の射出成形技術によって製造される。カテーテルハブ106は、不透明または薄く着色されたものであり得る。カテーテルハブ106は、外科医による保持を向上するように、その外部表面にレッグまたはスレッドを含み得る。カテーテルハブ106は、翼付構造をさらに組み込み、身体への取り付けを促進し得る。
【0016】
細長カテーテル部材108は、生体適合性金属またはポリマーから作製され得、透明、半透明、不透明、縞模様であり得る。細長カテーテル部材108は、線形態の深さ目盛で目盛が付され、臨床医が組織内の挿入の程度を判断することを支援し得る。
【0017】
再び図1を参照すると、流体移送装置100は、概して参照番号122で識別され、内部チャンバ118内に少なくとも部分的に配置される、閉鎖弁機構をさらに含む。閉鎖弁122は、1)アクセスカニューレ104が、移送カテーテル102に位置する際、アクセスカニューレ104周囲に封止を確立すること、および2)流体分配または回収システムとともに使用する際、カテーテルハブ106を通って延在する流体通路を開放または閉鎖することによって、二重機能を果たす。閉鎖弁122は、弁ハウジング124と、弁ハウジング124内に少なくとも部分的に位置するアクセス封止部材126と、弁ガスケット128とを含む。弁ハウジング124は、その全長の大部分に沿った外側構成が実質的に円筒形であり、弁ハウジング124の近位端部に隣接する円周フランジ130を組み込む。弁ハウジング124は、内部チャンバ118内の長手方向軸「k」周囲で同軸上に配置され、カテーテルハブ106の内部環状壁120と、弁ハウジング124の外部との間の環状空間132を画定する。環状空間132は、検討されるような流体の通過のためのカテーテルハブ106内の流体通路の部分を提供する。
【0018】
ここで図1〜2を参照すると、弁ハウジング124は、アクセス封止部材126を受容するテーパ状の内部穴134と、テーパ状の内部穴134と連通した円周フランジ130を通って延在するアパーチャ136とをさらに画定する。アパーチャ136は、アクセスカニューレ104を受容する。弁ガスケット128は、弁ハウジング124の近位端部に載置される。弁ガスケット128は、好適には、エラストマー等の適合性材料で作製され、内部封止壁138との実質的に封止された関係を確立するように、カテーテルハブ106の内部横封止壁138を係合するように構成される。弁ガスケット128は、そこを通るアクセスカニューレ104の通過を可能にするように、アパーチャ140を含み得る。弁ガスケット128は、アクセスカニューレ104周囲に封止を形成し得る、あるいは形成し得ない。弁ガスケット128が、アクセスカニューレ104の通過を可能にするように、アパーチャ140の代わりに1つ以上のスリットまたはスロットを有し得ることが想定される。代替的に、弁ガスケット128は、硬質で、カテーテルハブ104を通ってアクセスカニューレ104が通過する間、アクセスカニューレ104によって穴をあけることができる。
【0019】
アクセス封止部材126は、弁ハウジング124のテーパ状の内部穴134内に配置される。アクセス封止部材126は好適には、テーパ状の内部穴134のテーパ状の構成に概して対応する、くさび形またはテーパ状の構成を画定する。アクセス封止部材126は、弁ガスケット128のアパーチャ140、および長手方向軸「k」の一般的な並びで、スリット144を画定する内側封止部142を組み込み得る。内側封止部142は、アクセスカニューレ104を封止的に係合し、移送カテーテル102に対してアクセスカニューレ104の挿入および除去中、アクセスカニューレ104との封止された関係を維持するように構成される。アクセス封止部材126は、弁ハウジング124に対して、およびスリット144が開放され得る、図1に図示される作動遠位位置と、スリット144が実質的に閉鎖される、図2に図示される初期近位位置との間の長手方向軸「k」に対して動くようにさらに構成され得る。代替的に、アクセス封止部材126は、弁ハウジング124に対して略安定した状態であり得、それによって、弾力特性は、アクセス部材126が、開放位置と閉鎖位置との間で動くことを可能にする。アクセス封止部材126は好適には、ポリイソピレン、シリコーン、ゴム、ウレタン等のエラストマー材料から作製され、それによって、封止部材126が開放し、アクセスカニューレ104の外寸に一致するように構成される。代替的に、アクセス封止部材126は、流体、ゲル、泡等で充填された拡張可能なバルーンまたはブラダーを組み入れ得、布の束(strands of fabric)または他のより剛性の材料で強化され得る。
【0020】
閉鎖弁122は、通常、アクセス封止部材126を図2の閉鎖近位位置に付勢するように、バネ146をさらに含む。バネ146は好適には、その第1の端部または近位端部で、アクセス封止部材126と、その第2の端部または遠位端部で、カテーテルハブ106の内側担持壁148とを係合する、コイルバネである。この配置により、バネ146は、通常、アクセス封止部材126を近位の方向へ弁ハウジング124のテーパ状の内部穴134に付勢する。アクセス封止部材126は、テーパ状の内部穴134に押しやられるため、テーパ状の内部穴134およびアクセス封止部材126を画定する壁部のテーパ状の構成は、協働して、スリット144を閉鎖する。さらに、理解されるように、アクセス封止部材126の近位方向への付勢はまた、弁ハウジング124および弁ガスケット128を、図2に図示される第1の近位位置に向かって付勢させる。
【0021】
閉鎖弁122は、弁ガスケット128の近位側に取り付けられた弁プランジャ150をさらに含む。弁プランジャ150は、弁ガスケット128の開口を通って延在する弁ハウジング124と一体的に形成され得るか、あるいは、従来の手段によって弁ガスケット128の周辺領域に取り付けられた個別の構成要素であり得る。弁プランジャ150は、弁プランジャ150の中心アパーチャ154と連通するその外壁にスロット152を組み込む。スロット152および中心アパーチャ154は、例えば、血液または治療流体といった流体が、ルアーコネクタへ通過するための流体経路を提供する。
【0022】
さらに図1および2を参照すると、移送カテーテル102の細長部材108は、接着剤、セメント、締まりばめ、カップリング等を含む、いかなる従来の手段によって、カテーテルハブ106に接続され得る。1つの好適な配置において、ハブ部106bは、フェルール107を含む、または画定し、細長部材108をカテーテルハブ106に接続する。フェルール107は、従来の手段によってハブ部106b内に固定され得、そこへ接続される細長部材108を有し得る。フェルール107および/または細長部材108は、カテーテルハブ106の陥凹155内に備えられるフランジを有し得る。フランジは、陥凹155内にセメントで接着され得る。細長部材108は、細長部材108を通り、カテーテルハブ106の内部チャンバ118と連通する流体通路を提供する、長手方向の導管156を画定する。細長部材108は、剛性または柔軟性を有し得、かつ線状であり得るか、あるいは湾曲区域を組み込み得る。細長部材108は、好適にはとがっていない開放遠位端部158を有し得るか、あるいは傾斜した配置を有し得る。細長部材108は、スチールまたはポリマー材料を備え得る。
【0023】
ここで図1を参照すると、流体移送装置100のアクセスカニューレ104について述べられる。アクセスカニューレ104は、いかなる従来のアクセスカニューレ、または移送カテーテル102の導入を促進するように、血管にアクセスする意図した目的に適切な針であり得る。アクセスカニューレ104は、血管壁に穴をあける、および血管を貫通するための鋭い端部160を有し得、長手方向の導管162を画定し得る。アクセスカニューレ104は好適には、アクセスカニューレ104の近位端部に載置されたハウジングまたはハブ(図示せず)を有する。アクセスカニューレ104は、移送カテーテル102に対するアクセスカニューレ104の挿入の程度または量を制御するように、アクセスカニューレ104の中間部周囲に載置された止め具(図示せず)を含み得る。止め具は、弁プランジャ150に接触する、またはハブ106の近位端部110を係合するように、アクセスカニューレ104に位置し得る。代替例においては、アクセスカニューレ104は、硬質のスタイレットまたはガイドワイヤ、あるいは血管へのアクセスを促進するための他のいかなるアクセス器具に置き換え得る。一度アクセスカニューレ104によって血管へアクセスすると、アクセスカニューレ104は、移送カテーテル102から除去される。
【0024】
流体移送装置100の使用および機能を、IV流体の導入のための血管のアクセスに照らして記載する。図1を参照すると、アクセスカニューレ104は、移送カテーテル102内に位置する。アクセスカニューレ104の導入中、アクセスカニューレ104は、弁ガスケット128のアパーチャ140を通過し、アクセス封止部材126を係合する。アクセス封止部材126を係合すると、アクセスカニューレ104は、アクセス封止部材126を、図2に図示される初期近位位置から、図1に図示される作動遠位位置へと、弁ハウジング124のテーパ状の内部穴134内を長手方向に動く。アクセス封止部材126が、弁ハウジング124内を遠位に動くにつれて、アクセス封止部材126のスリット144は、アクセス封止部材126の協働するテーパ状の構成、およびテーパ状の内部穴134を介して、開放することができるようになり、アクセス封止部材126を通って、および移送カテーテル102の細長部材108を通ってアクセスカニューレ104が通過することを可能にする。提供される場合、アクセスカニューレ104に位置する止め具は、移送カテーテル102内のアクセスカニューレ104の挿入の程度を制限し得る。アクセスカニューレ104が、図1に図示されるように移送カテーテル102内で組み立てられた状態で、従来技術で既知のとおり、アクセスカニューレ104を使用し、血管を貫通する。血管へ入ると、血液は、アクセスカニューレ104の長手方向の導管162を通って、近位場所へ通過し、そこでは、アクセスハブまたはハウジング(図示せず)に血液が存在する場合、血管にアクセスしたことを臨床医に示す。アクセスカニューレ104は、移送カテーテル108の細長部材108の遠位端160が、血管内に位置するまで、進入させる。上に示したとおり、アクセス封止部材126は、アクセスカニューレ104周囲に流体の密封を確立し、例えば、血液といった、いかなる流体が、アクセスカニューレ104の外側表面に沿って、およびハブ106を通って、通過することを実質的に阻止する。
【0025】
ここで図2を参照すると、アクセスカニューレ104は、血管内に移送カテーテル102を残して、移送カテーテル102から抜去される。アクセスカニューレ104の除去中、アクセス封止部材126は、アクセスカニューレ104周囲の流体の密封を維持し、これにより、体液がアクセスカニューレ104の外側表面周囲を通過することを実質的に阻止する。アクセスカニューレ104が除去された状態で、アクセス封止部材126は、コイルバネ146の影響の下で、図2に図示される初期近位位置に戻る。アクセス封止部材126が近位方向に動くにつれて、アクセス封止部材126の対応するテーパ状の構成、および弁ハウジング124のテーパ状の内部穴134は、協働して、アクセス封止部材126のスリット144を閉鎖する。さらに、アクセス封止部材126の近位の動きも、弁ガスケット128がカテーテルハブ106の内部封止壁138に封止的に係合した状態で、近位方向に弁ハウジング124および弁ガスケット128を押しやる。したがって、図2に図示される閉鎖弁122の状態では、流体は、カテーテルハブ106を通過することができない。
【0026】
ここで図3を参照すると、IVシステムのルアーコネクタ200は、カテーテルハブ106の接続部114の内部穴116内を前進し、カテーテルハブ106との連結関係を確立する。ルアーコネクタ200が、カテーテル106内を遠位に動くにつれて、弁ガスケット128に隣接する弁プランジャ150は、コネクタ200によって係合され、これによって、図2に図示される第1の近位位置から、図3に図示される第2の遠位位置へ、バネ146の付勢に対し、閉鎖弁122を押しやる。閉鎖弁122の第2の遠位位置において、弁ガスケット128は、内部封止壁138から分離され、これによって、カテーテルハブ106を通る流体通路を確立する。したがって、流体は、環状空間132および内部チャンバ118の近位部を含む、確立された流体通路を介して、コネクタ200と、細長部材108の長手方向の導管150との間で移送され得る。流体は、コネクタ200間を、弁プランジャ150の中心アパーチャ154およびスロット152を通って通過し得る。流体通路は、図3において方向矢印「m」によって識別される。この位置で、アクセス封止部材126は閉鎖されたままであることに留意されたい。処置が完了する際、コネクタ200は除去され、閉鎖弁106はバネ146の影響の下で、図2の位置に押しやられ、これによって、流体通路「m」を閉鎖する。
【0027】
図4〜5は、カテーテルハブ106の代替的な実施形態を説明する。本実施形態によると、カテーテルハブ300は、例えば、接着剤等の従来の手段によって一緒に組み立てられたハブ部302、304を含む。ハブ部302は、臨床医による係合を促進する外部軸リブ306を含む。環状内壁308は、略長手方向に延在する陥凹したチャネル310を含む。陥凹したチャネル310は、カテーテルハブ302内の流体の通過を可能にする、即ち、陥凹したチャネル310は、閉鎖弁122周囲、およびカテーテルハブ300内の流体通路を一部、またはすべて画定する。カテーテルハブ300は、その外部表面にスレッドまたはラグ312をさらに含み、ルアーコネクタの積極的保持を提供、即ち、ルアーコネクタ200の対応する構造を協働可能に係合する。
【0028】
図6〜7は、本開示の代替的な実施形態を説明する。本実施形態によると、アクセス封止部材400は、略くさび形状の配置を画定するように配置された、例えば、2つのくさび型部品402といった複数の個別の構成要素を含む。アクセス封止部材400は、弓形または弾丸型ノーズ404をさらに画定する。ノーズ404は、弁ガスケット408の対応する陥凹406内に存在する。図示されるように、弁プランジャ410は、弁ガスケット408の対応するアパーチャ416を通って延在するコネクタリブ414によって、弁ハウジング412と一体的に形成、好適には、モノシリックに形成される。弁プランジャ410は、ルアーコネクタ200の開口への流体経路を提供するように、管腔420と連通する軸方向スロット418をさらに画定する。
【0029】
図8〜9は、図6〜7の実施形態に実質的に類似した、代替的な実施形態を説明する。しかしながら、弁ガスケット500は、図8に最も良く図示される弁スリットまたは開口504を包囲する対向した弓形の陥凹502を画定する。陥凹502は、内部封止部材508のノーズ区域506を受容する。この配置では、内部封止部材508のノーズ区域506は、内部封止部材508の対応するテーパ状の構成、および弁ハウジング512の内部壁510、ならびにコイルバネ514の近位付勢により、弁ガスケット500の開口504の閉鎖を促進するように作用する。したがって、この配置では、弁ガスケットまたは内部封止部材508のいずれか、もしくはこれらの両方は、アクセスカニューレ104周囲に流体の密封を形成し得る。さらに、弁ガスケット500は、カテーテルハブを通る経路を閉鎖するように作用し得る。図9は、弁ガスケット500のさらなる機能を説明する。具体的には、弁ガスケット500は、弁プランジャ520のリブ部518を収容する3つの弧状区域または開口516をさらに含む。弁プランジャ520は、弁ハウジング512に接続する。
【0030】
図10は、コイルバネ600が、アクセス封止部材602の遠位側に接触する代わりに、アクセス封止部材602の短縮された円筒形部604周囲に少なくとも部分的に位置する、代替的な実施形態を説明する。このように、コイルバネ600は、通常、アクセス封止部材602を近位の方向に付勢するように作用しつつ、さらに放射状の内向きの力「t」を短縮された円筒形の区域604に加え、これによって、通常、アクセスカニューレ606との実質的に封止された区域で、アクセス封止部材602を放射状に内側に付勢する。
【0031】
図11は、コイルバネの代わりに、C形状のバネ700が提供される、別の実施形態を説明する。C形状のバネ700は、好適には、アクセス封止部材702と一体的に形成される。C形状のバネ700のレッグ704は、遠位ハブ部708の内側のテーパ状の壁706を係合する。内側のテーパ状の壁706は、レッグ704と協働して、通常、アクセス封止部材を近位方向に、弁ハウジング(図示せず)のテーパ状の穴(図示せず)へ付勢し、図1〜3の実施形態に関連して、以上に述べられるものと同様に、装置を封止する。
【0032】
図12Aおよび図12Bは、それぞれが前の実施形態のコイルバネ146に代替し得る、波形バネ800a(図12A)および波形バネ800b(図12B)のような代替的なバネを説明する。波形バネ800a、800bは、圧縮率、静止位置でのその初期位置への回復、および長さの減少に関して利点を提供し、これらは、カテーテルハブ106の長さの減少を効果的に可能にし得る。波形バネ800aおよび波形バネ800bは、図示されるバネ支柱802a、802bの数が異なるため、異なるバネ力または定数を提供する。テーパ状のバネ配置、ハチの巣状、砂時計状等を含む、他のバネ配置も想定される。
【0033】
図13〜14は、本開示の移送カテーテルとともに使用するための閉鎖弁の別の実施形態を説明する。閉鎖弁900は、弁ハウジング902と、弁ハウジング902内に配置される内部アクセス封止部材904を含む。弁ハウジング902およびアクセス封止部材904は、前の実施形態で以上に述べられた方法論と同様に、アクセス封止部材904を閉鎖状態に位置するように、協働するテーパ状の構成を含む。弁ハウジング902は、弁ハウジング902の周辺から放射状に内側に依存する係止デタント906をさらに含む。係止デタント906は、アクセス封止部材904の遠位面908を係合するように作用し、図13に図示されるように、弁ハウジング902に対して閉鎖近位位置にアクセス封止部材904を保持する。アクセス針910は、アクセス針910周囲に同軸上に載置された係止リング912を含み得る。係止リング912は、アクセス針910の抜去中、アクセス封止部材904の遠位面908を係合し、アクセス封止部材904を図13の近位位置へ動かす。このように長手方向に動く間、係止デタント906は、アクセス封止部材904の通過を可能にするように、放射状に外向きに偏移し、これによって、通過後、係止デタント906は、アクセス封止部材904と係合している、図13の初期位置へ戻る。アクセス針910は、閉鎖弁900および移送カテーテルから除去され得る。好適な一実施形態において、アクセス封止部材904は、係止リング912が、アクセス針910の抜去中、アクセス封止部材904を通過することができるように、十分な弾力性を有する。他の点では、閉鎖弁900は、前の実施形態に記載されるものと同様に、流体通路を開放および閉鎖するように動作する。
【0034】
図15は、流体移送装置100の移送カテーテル102とともに使用するためのカテーテルハブ106の代替的な実施形態を説明する。カテーテルハブ1000は、カテーテルハブ1000の外壁の設計における一部の変更を除き、図1の実施形態のカテーテルハブ106に実質的に類似している。さらに、カテーテルハブ1000は、カテーテルハブ1000から放射状に外向きに延在する正反対の関係にある一対のウィング1002を含む。ウィング1002は、カテーテルハブ1000の、従来技術で既知の外科用テープ、縫合糸等による対象への固定を促進する。
【0035】
図16〜17は、図1の流体移送装置100のアクセスカニューレ104の代わりに使用され得る、挿入スタイレットまたは針1100を説明する。挿入スタイレット1100は、その全長に沿って硬質なものであり得、好適には、略鋭利なV形状構成を有する貫通端部1102を画定する。具体的には、V形状構成は、貫通点または縁部1108へ延在する、複数の交差する表面1104、1106によって画定される。表面1104、1106の交差、および表面1106の反対の下部表面(図示せず)は、切断縁部1110、1112を画定する。貫通端部1002の近位の挿入スタイレット1100の断面は、好適には、多面を有する外観を画定するように、図17に示される形状の、例えば、六角形といった多角形である。この配置では、複数のチャネル1114は、挿入スタイレット1100の外壁と、細長カテーテル部材1116の内壁との間で画定される。チャネル1114は、カテーテル部材1116を通じて可視化(例えば、フラッシュバック可視化)され得る、例えば、血流といった流体の流れ(カテーテル部材が少なくとも部分的に透明であることを条件とする)が、挿入スタイレット1100が血管内に入ったことを識別することができる。代替的に、チャネル1114は、カテーテルハブ106に関連するフラッシュバックチャンバと液体連通にあり、それによって、フラッシュバックチャンバ内に血液が存在する場合は、血管内に挿入スタイレット1100が入ったと識別する。代替例において、チャネル1114は、血液のサンプルを採取するように、サンプリングチャンバに関連し得る。さらに、細長カテーテル部材1116は、組織内の挿入を促進するように、傾斜した先端部表面1118を有するものとして示される。他の点に関して、挿入スタイレット1100を組み込む流体移送装置は、図1〜3の流体移送装置100の実施形態に関連して、以上に述べられるものと同様に機能する。
【0036】
図18は、図16〜17の挿入スタイレット1100の代替的な実施形態を説明する。挿入スタイレット1200は、図16〜17の挿入スタイレット1100の貫通端部1102に実質的に類似した貫通端部1202を含む。貫通端部1202の近位の挿入スタイレット1200の断面は、細長カテーテル1204の円形の内壁に略対応するように、実質的に円形である。挿入スタイレット1200は、好適にはその長さの少なくとも一部に沿って延在する、その壁表面の外部チャネル1206をさらに画定する。外部チャネル1206は、流体の流れ、例えば、血流を収容し、細長カテーテル1204を通した、または図16〜17の実施形態に関連して述べられるものと同様に、フラッシュバックチャンバを通したフラッシュバック可視化を提供する。他の点において、挿入スタイレット1200を組み込む流体移送装置は、図1〜3の流体移送装置100の実施形態と同様に機能する。
【0037】
図19は、流体移送装置100とともに使用するための挿入スタイレットの別の代替的な実施形態を説明する。挿入スタイレット1300は、図1〜3の実施形態の流体移送装置100のアクセスカニューレ104と同様のアクセスカニューレとして機能する。挿入スタイレット1300は、貫通端部1304を通って延在する軸管腔1302を画定する。しかしながら、挿入スタイレットの近位または後端部1306は閉鎖されている。挿入スタイレット1300は、軸管腔1302と流体連通にある挿入スタイレット1300の中間部に隣接する開口1308をさらに画定する。組み立てられた状態で、流体移送装置100内では、開口1308は、カテーテルハブ106に関連するフラッシュバックチャンバと流体連通にあり得る。したがって、例えば、血液といった流体は、軸管腔1302を通って、延出開口1308へ運ばれ、フラッシュバックチャンバに入り得る。
【0038】
図20は、図1〜3の流体移送装置100の弁ハウジング124の代替的な実施形態を説明する。弁ハウジング1400は、弁ハウジング124と同様であるが、その外壁表面に複数の放射状に離間したチャネル1402をさらに含む。チャネル1402は、弁ハウジング1400周囲の流体の流れを収容し、これによって、カテーテルハブ106内の流体通路「m」の少なくとも一部を画定する。弁ハウジング1400は、弁ハウジング1400から近位に延在する弁プランジャ1404をさらに含む。弁プランジャ1404は、弁ハウジング1400とモノシリックに形成され得るか、あるいはそこに一体的に接続され得る。弁プランジャ1404は、弁プランジャ1404の内部管腔1408と連通するその壁を通って延在する1つ以上のチャネル1406をさらに画定する。したがって、ルアーコネクタ200へ接続すると、流体は、患者へ送達するために、内部管腔1408および弁プランジャ1404のチャネル1406を通って、および弁ハウジング1400のチャネル1402を通って運ばれ得る。他の点において、弁ハウジング1400の内部構造および機能は、図1〜3の実施形態の流体移送装置100の弁ハウジング124の対応する構造、および機能と同様であり得る。
【0039】
図21〜23は、本開示の別の代替的な実施形態を説明する。流体移送装置1500は、図1の流体移送装置と実質的に同様であり、同様の構成要素の構造および機能について検討するため、図1の実施形態を参照されたい。流体移送装置1500は、従来の手段によって、互いに接続される第1および第2のハブセグメント1504、1506を有するカテーテルハブ1502を含む。ハブセグメント1504は、内部チャンバ、または流体分配システムのコネクタ200を受容するための第1のチャンバ部1510と、第1のチャンバ部1510に対し細長直径を画定する第2のチャンバ部1512とを有する管腔1508を画定する。ハブセグメント1504は、第2のチャンバ部1512に隣接する一定した内寸または直径の線状穴1514をさらに画定し、テーパ状の穴1516に至る。テーパ状の穴1516は、ハブセグメント1504の内側のテーパ状の壁1518内で画定される。第2のハブセグメント1506は、流体回収チャンバ1520と、流体回収チャンバ1520の先端部に隣接する内部陥凹1522とを有する。
【0040】
流体移送装置1500は、ハブセグメント1504のテーパ状の穴1516内に少なくとも部分的に配置される閉鎖弁1524と、流体回収チャンバ1520内に少なくとも部分的に載置されるコイルバネ1526とをさらに含む。コイルバネ1526は、通常、閉鎖弁1524を、図21に図示される流体移送装置1500の初期位置に付勢する。コイルバネ1526は、内部陥凹1522内のその先端部で受容され、これによって、陥凹1522内に拘束される。閉鎖弁1524およびコイルバネ1526は、図1の実施形態に関連して述べられる、対応する構成要素と実質的に同様であり得る。
【0041】
流体移送装置1500は、弁プランジャ1528および弁ガスケット1530をさらに含む。弁プランジャ1528は、第2のチャンバ部1512内に受容されるフランジ1532と、線状穴1514に少なくとも部分的に配置されるプランジャセグメント1534とを画定する。フランジ1532の直径は、ハブセグメント1504の第2のチャンバ部1512の内部直径に略近似する。プランジャセグメント1534は、プランジャセグメント1534の遠位または先端部に隣接するその壁に、複数の陥凹または開口1536を含む。開口1536は、流体の移送を可能にするように、プランジャ1528を通って延在するプランジャチャネル1538と流体連通にある。弁ガスケット1530は、第2のチャンバ部1512を画定する内壁との実質的な封止を形成し、プランジャ1528周囲の流体の通過を最小限にする。
【0042】
第2のハブセグメント1506は、ハブセグメント1506の穴1542内に載置されるフェルールコネクタ1540を有する。フェルールコネクタ1540は、ハブセグメント1506の内部空洞1546内に存在するフランジ1544を含む。フェルールコネクタ1540のフランジ1544は、接着剤、セメント等の従来の手段によって、第2のハブセグメント1506に接続され得る。移送カテーテル1548は、従来の手段によってフェルールコネクタ1540に固定され、患者に対する位置決定のために第2のハブセグメント1506を超えて延在する。
【0043】
ここで、流体分配システム1500の使用を述べる。図21を参照すると、アクセスカニューレ1550は、閉鎖弁1524および移送カテーテル1548を通過するように、第1のハブセグメント1504内に位置する。導入中、閉鎖弁1524は、遠位方向に動き、閉鎖弁1524のスリット1524aが、アクセスカニューレ1550を受容するように開放することを可能にし得る。代替的に、閉鎖弁1524は、きわめて適合性のある材料または弾力性のある材料で形成され得、それによって、スリット1524aは、閉鎖弁1524のいかなる長手方向の動きを伴わずにアクセスカニューレ1550の寸法に対応して開放する。アクセスカニューレ1550を使用して、血管を貫通し、その後除去する。それを除去した後、閉鎖弁1524は、ある程度、コイルバネ1526の付勢力および/またはその製作材料の弾力性により、その通常閉鎖位置になる。
【0044】
ここで図22を参照すると、例えば、IVシステムのルアーコネクタ200はその後、第1のチャンバ部1510内を前進し、弁ガスケット1530に接触し、弁プランジャ1528を遠位方向に押しやる。弁プランジャ1528は同様に、閉鎖弁1524を遠位に押しやり、図22に図示される作動位置になる。閉鎖弁1524のこの位置において、環状通路1552は、閉鎖弁1524の周辺と、内部テーパ状の壁1518との間に形成される。環状通路1552は、弁プランジャ1528の開口1536と流体連通にあり、弁プランジャ1528のプランジャチャネル1538と連通する。IVシステムが作動され、それによって、治療流体がルアーコネクタ200からプランジャチャネル1538を通過し、プランジャ1528の開口1536と通って分配され得る。流体は、流体回収チャンバ1520内で受容されるために環状通路1552を通って連通し、続いて、移送カテーテル1548を通って患者に分配される。治療が完了すると、コネクタ200は除去され、これによって、閉鎖弁1524、弁プランジャ1528、および弁ガスケット1530は、コイルバネ1526の付勢力に対応して、図21に図示される通常状態に戻る。
【0045】
本開示のいくつかの実施形態を図面に示し、および/または本願で述べたが、本開示は当業者が可能であろう程度に範囲が広く、本明細書は同様に読まれることを意図するように、本開示は、それらに限定されることを意図しない。したがって、上の説明は、限定するものとして解釈されるべきではなく、単に特定の実施形態の例示として解釈されたい。当業者は、ここに添付される請求項の範囲および精神内で他の修正も想定するであろう。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明の好ましい実施形態によれば、以下が提供される。
(項1)流体の通過のための外科用流体移送装置であって、
長手方向軸を画定し、内部チャンバを有するハブと、
該ハブから延在し、長手方向の導管を画定する細長部材と、
該ハブの該内部チャンバ内に配置される閉鎖弁と、
を備え、該閉鎖弁は、流体の通過を阻止するように該内部チャンバを実質的に封止する第1の位置と、流体通路を通る流体の通過を可能にするように該ハブ内に流体通路を確立する第2の位置との間の動きに適合され、該閉鎖弁は、略テーパ状の内部穴を画定する内壁部を有する弁ハウジングと、該弁ハウジングの該テーパ状の内部穴内に少なくとも部分的に配置される封止部材とを含み、該封止部材は、略テーパ状の構成を画定し、かつ、アクセス器具が、該閉鎖弁を通って、該細長部材の該長手方向の導管の中へ通過することを可能にする開放状態と、該アクセス器具が存在しない閉鎖状態とを有し、該弁ハウジングの該内壁部は、該封止部材と協働して、該封止部材が、その該閉鎖状態になることを可能にする、外科用流体移送装置。
(項2)前記閉鎖弁は、その前記第1の位置と第2の位置との間の前記長手方向軸に沿った長手方向の動きに適合される、上記項1に記載の外科用装置。
(項3)前記閉鎖弁は、通常、その前記第1の位置に向かって付勢される、上記項2に記載の外科用装置。
(項4)前記閉鎖弁の前記第1の位置は、その近位位置であり、該閉鎖弁の前記第2の位置は、その遠位位置である、上記項2に記載の外科用装置。
(項5)前記封止部材は、該封止部材の前記開放状態にある際、前記アクセス器具の通過を可能にするように、およびそれを通って導入された該アクセス器具との実質的な封止関係を確立するように、変位に適合された内側封止部を画定する、上記項2に記載の外科用装置。
(項6)前記封止部材は、前記閉鎖弁の前記開放状態および閉鎖状態に対応する、作動位置と初期位置との間の、前記弁ハウジングに対する長手方向の動きに適合される、上記項5に記載の外科用装置。
(項7)前記テーパ状の内部穴を画定する前記弁ハウジングの前記内壁部は、その前記内側封止部を実質的に閉鎖するように、前記封止部材が前記初期位置へと動くと、該封止部材と協働するように適合される、上記項6に記載の外科用装置。
(項8)前記封止部材の前記作動位置は、遠位長手方向位置であり、前記初期位置は、近位長手方向位置である、上記項7に記載の外科用装置。
(項9)前記封止部材は、通常、前記近位長手方向位置に向かって付勢される、上記項8に記載の外科用装置。
(項10)前記弁ハウジングは、前記ハブの前記内部チャンバを実質的に封止するように、前記閉鎖弁の前記第1の位置にある際、該ハブの内部封止壁を動作可能に係合するように適合され、かつ、前記流体通路を確立するように、該閉鎖弁の前記第2の位置にある際、該内部封止壁から動作可能に分離するように適合される、上記項1に記載の外科用装置。
(項11)前記閉鎖弁は、前記弁ハウジングに載置される弁ガスケットを含み、該弁ガスケットは、前記ハブの前記内部チャンバを実質的に封止するように、該ハブの前記内部封止壁を係合する、上記項10に記載の外科用装置。
(項12)前記弁ガスケットの近位にあり、前記ハブ内に位置するコネクタと係合可能な弁プランジャを含み、それにより、該コネクタの進入は、該弁プランジャおよび前記閉鎖弁を、前記第1の位置から前記第2の位置へ前進させる、上記項11に記載の外科用装置。
(項13)弁プランジャは、スロットを画定し、該スロットは、前記流体通路の一部である、上記項12に記載の外科用装置。
(項14)前記弁ハウジングは、該弁ハウジングと、前記内部チャンバを画定する内部壁との間の流体空間を画定するように、前記ハブの該内部チャンバ内に載置され、前記流体通路は、該流体空間を組み込む、上記項11に記載の外科用装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の通過のための外科用装置であって:
内部チャンバを画定するハブ;
該内部チャンバ内に配置され、そしてその中に延在する内部穴を画定する閉鎖弁であって、該閉鎖弁は、該ハブに対して、該内部チャンバを実質的に封止する第1の位置と、該ハブ内を完全に通って延在する流体通路を確立する第2の位置との間を動くことが可能である、閉鎖弁;
該閉鎖弁の該内部穴に配置される内部封止部材であって、該内部封止部材は、該閉鎖弁に対して、該内部穴を実質的に封止する閉鎖位置と、該閉鎖弁内を完全に通って延在する該流体通路と異なる内部通路を確立する開放位置との間を動くことが可能である、内部封止部材;および
該内部チャンバ内に配置されるバネであって、該バネは、該内部封止部材を該閉鎖位置に向かって付勢し、それにより該閉鎖弁を該第1の位置に向かって付勢するように構成されている、バネ
を含む、外科用装置。
【請求項2】
請求項1に記載の外科用装置であって、ここで、前記内部通路が前記内部封止部材との実質的な封止関係でそこを通るアクセス器具を受けるように構成されている、外科用装置。
【請求項3】
請求項1に記載の外科用装置であって、ここで、前記閉鎖弁の前記第1の位置が前記ハブに対する該閉鎖弁の近位位置に対応し、そしてここで、該閉鎖弁の前記第2の位置が該ハブに対する該閉鎖弁の遠位位置に対応する、外科用装置。
【請求項4】
請求項3に記載の外科用装置であって、ここで、前記内部封止部材の前記閉鎖位置が前記閉鎖弁に対する該内部封止部材の近位位置に対応し、そしてここで、該内部封止部材の前記開放位置が該閉鎖弁に対する該内部封止部材の遠位位置に対応する、外科用装置。
【請求項5】
請求項4に記載の外科用装置であって、ここで、前記バネは、前記内部封止部材と前記ハブの遠位端部との間に内配置されて該内部封止部材および前記閉鎖弁を近位に付勢する、外科用装置。
【請求項6】
請求項1に記載の外科用装置であって、さらに、前記ハブから遠位に延在しそして前記内部チャンバと連絡する長手方向の導管を画定する細長部材を含む、外科用装置。
【請求項7】
請求項1に記載の外科用装置であって、ここで、前記内部封止部材がテーパ状の構成を画定し、そしてここで前記閉鎖弁の前記内部穴が対応するテーパ状の構成を画定する、外科用装置。
【請求項8】
請求項1に記載の外科用装置であって、ここで、前記ハブが内部封止壁を含み、前記閉鎖弁が前記第1の位置において該ハブの該内部封止壁に係合して実質的に前記内部チャンバを封止するように適合されている、外科用装置。
【請求項9】
請求項8に記載の外科用装置であって、ここで、前記閉鎖弁が、前記第1の位置における場合に前記ハブの前記内部封止壁に係合して前記内部チャンバを実質的に封止するように構成された弁ガスケットを含む、外科用装置。
【請求項10】
請求項1に記載の外科用装置であって、ここで、前記流体通路が、前記内部封止部材が前記閉鎖位置にありながら前記ハブを通る流体の通過を可能にするように大きさを有しかつ配置される、外科用装置。
【請求項11】
流体の通過のための外科用装置であって、
長手方向軸を画定し、内部チャンバを有するハブ;
該ハブから延在し、長手方向の導管を画定する細長部材;
該内部チャンバ内に配置される閉鎖弁であって、該閉鎖弁は、実質的に該内部チャンバを封止して流体の通過を防ぐ第1の近位位置と、該ハブを通って延在して流体のその中を通りそして該閉鎖弁を超える通過を可能にする流体通路を確立する第2の遠位位置との間の、該長手方向軸に沿った長手方向の動きに適合されており、該閉鎖弁は内部穴を画定する、閉鎖弁;
少なくとも部分的に該内部内に配置される封止部材であって、該封止部材は、実質的に該内部穴を封止する閉鎖した近位位置と、該閉鎖弁を通る内部封止通路を確立する開放遠位位置との間の、該長手方向軸に沿ったそして該閉鎖弁に対する長手方向の動きに適合されており、該内部封止通路は該流体通路と異なりそしてアクセス器具の該閉鎖弁を通ってそして該封止部材と実質的に封止関係の該細長部材の該長手方向の導管内への通過を可能にするように構成されている、封止部材;および
該内部チャンバ内に、該封止部材と該ハブの遠位端部との間に配置されるバネであって、該バネは、該閉鎖弁に対して該封止部材を近位に付勢してその結果、該封止部材が該アクセス器具の不存在下で該閉鎖した近位位置になるように構成されており、ここで、該封止部材の該閉鎖した近位位置に向かっての該付勢が該第1の近位位置に向かって該閉鎖弁を付勢する、バネ
を含む、外科用装置。
【請求項12】
請求項11に記載の外科用装置であって、ここで、前記封止部材が、テーパ状の構成を画定する複数の封止部を含む、外科用装置。
【請求項13】
請求項12に記載の外科用装置であって、ここで、前記閉鎖弁の前記内部穴がテーパ状の構成を画定し、前記封止部材の前記閉鎖した近位位置への動きの際に、該テーパ状の内部穴が該封止部材と協働して実質的に該内部穴を封止する、外科用装置。
【請求項14】
請求項11に記載の外科用装置であって、ここで、前記ハブが内部封止壁を含み、前記閉鎖弁が、前記第1の近位位置において該ハブの該内部封止壁に係合して実質的に前記内部チャンバを封止するように適合されている、外科用装置。
【請求項15】
請求項14に記載の外科用装置であって、ここで、前記閉鎖弁が、前記第1の近位位置における場合に前記ハブの前記内部封止壁に係合して実質的に前記内部チャンバを封止するように構成された弁ガスケットを含む、外科用装置。
【請求項16】
請求項11に記載の外科用装置であって、ここで、前記流体通路が、前記内部封止部材が前記閉鎖位置にありながら前記ハブを通る流体の通過を可能にするように大きさを有しかつ配置される、外科用装置。
【請求項1】
流体の通過のための外科用装置であって:
内部チャンバを画定するハブ;
該内部チャンバ内に配置され、そしてその中に延在する内部穴を画定する閉鎖弁であって、該閉鎖弁は、該ハブに対して、該内部チャンバを実質的に封止する第1の位置と、該ハブ内を完全に通って延在する流体通路を確立する第2の位置との間を動くことが可能である、閉鎖弁;
該閉鎖弁の該内部穴に配置される内部封止部材であって、該内部封止部材は、該閉鎖弁に対して、該内部穴を実質的に封止する閉鎖位置と、該閉鎖弁内を完全に通って延在する該流体通路と異なる内部通路を確立する開放位置との間を動くことが可能である、内部封止部材;および
該内部チャンバ内に配置されるバネであって、該バネは、該内部封止部材を該閉鎖位置に向かって付勢し、それにより該閉鎖弁を該第1の位置に向かって付勢するように構成されている、バネ
を含む、外科用装置。
【請求項2】
請求項1に記載の外科用装置であって、ここで、前記内部通路が前記内部封止部材との実質的な封止関係でそこを通るアクセス器具を受けるように構成されている、外科用装置。
【請求項3】
請求項1に記載の外科用装置であって、ここで、前記閉鎖弁の前記第1の位置が前記ハブに対する該閉鎖弁の近位位置に対応し、そしてここで、該閉鎖弁の前記第2の位置が該ハブに対する該閉鎖弁の遠位位置に対応する、外科用装置。
【請求項4】
請求項3に記載の外科用装置であって、ここで、前記内部封止部材の前記閉鎖位置が前記閉鎖弁に対する該内部封止部材の近位位置に対応し、そしてここで、該内部封止部材の前記開放位置が該閉鎖弁に対する該内部封止部材の遠位位置に対応する、外科用装置。
【請求項5】
請求項4に記載の外科用装置であって、ここで、前記バネは、前記内部封止部材と前記ハブの遠位端部との間に内配置されて該内部封止部材および前記閉鎖弁を近位に付勢する、外科用装置。
【請求項6】
請求項1に記載の外科用装置であって、さらに、前記ハブから遠位に延在しそして前記内部チャンバと連絡する長手方向の導管を画定する細長部材を含む、外科用装置。
【請求項7】
請求項1に記載の外科用装置であって、ここで、前記内部封止部材がテーパ状の構成を画定し、そしてここで前記閉鎖弁の前記内部穴が対応するテーパ状の構成を画定する、外科用装置。
【請求項8】
請求項1に記載の外科用装置であって、ここで、前記ハブが内部封止壁を含み、前記閉鎖弁が前記第1の位置において該ハブの該内部封止壁に係合して実質的に前記内部チャンバを封止するように適合されている、外科用装置。
【請求項9】
請求項8に記載の外科用装置であって、ここで、前記閉鎖弁が、前記第1の位置における場合に前記ハブの前記内部封止壁に係合して前記内部チャンバを実質的に封止するように構成された弁ガスケットを含む、外科用装置。
【請求項10】
請求項1に記載の外科用装置であって、ここで、前記流体通路が、前記内部封止部材が前記閉鎖位置にありながら前記ハブを通る流体の通過を可能にするように大きさを有しかつ配置される、外科用装置。
【請求項11】
流体の通過のための外科用装置であって、
長手方向軸を画定し、内部チャンバを有するハブ;
該ハブから延在し、長手方向の導管を画定する細長部材;
該内部チャンバ内に配置される閉鎖弁であって、該閉鎖弁は、実質的に該内部チャンバを封止して流体の通過を防ぐ第1の近位位置と、該ハブを通って延在して流体のその中を通りそして該閉鎖弁を超える通過を可能にする流体通路を確立する第2の遠位位置との間の、該長手方向軸に沿った長手方向の動きに適合されており、該閉鎖弁は内部穴を画定する、閉鎖弁;
少なくとも部分的に該内部内に配置される封止部材であって、該封止部材は、実質的に該内部穴を封止する閉鎖した近位位置と、該閉鎖弁を通る内部封止通路を確立する開放遠位位置との間の、該長手方向軸に沿ったそして該閉鎖弁に対する長手方向の動きに適合されており、該内部封止通路は該流体通路と異なりそしてアクセス器具の該閉鎖弁を通ってそして該封止部材と実質的に封止関係の該細長部材の該長手方向の導管内への通過を可能にするように構成されている、封止部材;および
該内部チャンバ内に、該封止部材と該ハブの遠位端部との間に配置されるバネであって、該バネは、該閉鎖弁に対して該封止部材を近位に付勢してその結果、該封止部材が該アクセス器具の不存在下で該閉鎖した近位位置になるように構成されており、ここで、該封止部材の該閉鎖した近位位置に向かっての該付勢が該第1の近位位置に向かって該閉鎖弁を付勢する、バネ
を含む、外科用装置。
【請求項12】
請求項11に記載の外科用装置であって、ここで、前記封止部材が、テーパ状の構成を画定する複数の封止部を含む、外科用装置。
【請求項13】
請求項12に記載の外科用装置であって、ここで、前記閉鎖弁の前記内部穴がテーパ状の構成を画定し、前記封止部材の前記閉鎖した近位位置への動きの際に、該テーパ状の内部穴が該封止部材と協働して実質的に該内部穴を封止する、外科用装置。
【請求項14】
請求項11に記載の外科用装置であって、ここで、前記ハブが内部封止壁を含み、前記閉鎖弁が、前記第1の近位位置において該ハブの該内部封止壁に係合して実質的に前記内部チャンバを封止するように適合されている、外科用装置。
【請求項15】
請求項14に記載の外科用装置であって、ここで、前記閉鎖弁が、前記第1の近位位置における場合に前記ハブの前記内部封止壁に係合して実質的に前記内部チャンバを封止するように構成された弁ガスケットを含む、外科用装置。
【請求項16】
請求項11に記載の外科用装置であって、ここで、前記流体通路が、前記内部封止部材が前記閉鎖位置にありながら前記ハブを通る流体の通過を可能にするように大きさを有しかつ配置される、外科用装置。
【図1】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図23】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図23】
【公開番号】特開2012−196532(P2012−196532A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−160852(P2012−160852)
【出願日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【分割の表示】特願2009−530439(P2009−530439)の分割
【原出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(501289751)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (320)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【分割の表示】特願2009−530439(P2009−530439)の分割
【原出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(501289751)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (320)
【Fターム(参考)】
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