説明

外管を備えた電気ランプ

【課題】 真空密に封止され長手方向に延在する内管を有する外管が設けられており、この内管1は発光手段を含み、互いに対向する端部のところで封止部材6;32により封止されており、外管は少なくとも1つの末端の管部材13とともに前記内管1全体を覆っており、管部材13は封止部材のところに設けられている環状の隆起部12により取り付けられている電気ランプにおいて、外管と内管封止部材との間においていっそう確実かつ負荷に強い接続を保証する。
【解決手段】ランプ長手軸Aを規定する長手方向に延在するランプ内管1が、互いに対向する端部のところで封止部材6;32により封止されており、そこに隆起部によって外管が取り付けられている。外管に接する管部材の端部は、内側で隆起部に接線方向に取り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空密に封止され長手方向に延在する内管を有する外管が設けられており、前記内管により長手軸が規定され、該内管は発光手段を含み、互いに対向する端部のところで封止部材により封止されており、前記外管は少なくとも1つの末端の管部材とともに前記内管全体を覆っており、前記管部材は封止部材のところに設けられている環状の隆起部により取り付けられている電気ランプに関する。この場合、たとえばメタルハライドランプ、水銀高圧放電ランプを対象とするが、外管を備えたハロゲン白熱ランプも対象とする。ランプの内管は、封止個所により2つの側で封止されている。外管は、1つまたは両方の封止部材のところで固定されている。
【背景技術】
【0002】
EP-A 465 083およびEP-A 588 602から外管を備えた電気ランプがすでに知られており、このランプは外管により取り囲まれた発光体を有しており、これは封止部材に取り付けられている。その際に良好な接続を形成するため、封止部材にはたとえば放射状の支承部材すなわち隆起部ないしはビードが設けられており、この隆起部の上に外管端部が当接されていて、そこにおいてこの隆起部といっしょに溶融されている。
【0003】
他方、たとえばWO 95/32516から、いかなる隆起部も用いることなく外管を封止部材上にじかに巻くことが知られている。
【0004】
US-B 6 790 115から冒頭で述べた形式のランプが知られており、これによれば一方の側において放電容器封止部材の延長部に「切り欠きが付けられ(scratched)」、そこに外管が取り付けられる。
【0005】
このような接続技術の欠点は、外管と封止部材との間の接続に関する所期の強度に関して、いずれのケースでも改善の余地があることである。しかも隆起部を用いないと、そのために時間のかかる熱処理プロセスが必要となる。
【特許文献1】EP-A 465 083
【特許文献2】EP-A 588 602
【特許文献3】WO 95/32516
【特許文献4】US-B 6 790 115
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって本発明の課題は、請求項1の上位概念に記載のランプにおいて、外管と内管封止部材との間においていっそう確実かつ負荷に強い接続を保証することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によればこの課題は、隆起部の横断面は、頂部をもつ実質的に凸状の形状であり、管部材は、前記隆起部において発光手段に向かって配向されている側で頂部近傍に取り付けられていることにより解決される。従属請求項には殊に有利な実施形態が示されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明による電気ランプは真空密で封止された内管たとえば放電容器を有しており、これによってランプの長手軸が規定され、この内管は互いに対向するその端部のところで封止部材により封止されている。封止部材はピンチ封止部であるかまたは溶融封止部である。ランプ内部の発光手段は、2つの電極間の放電アークまたは発光体である。発光手段は、そこへ案内される内部電流導入線によって導電接続されている。封止部材にはたとえば外側へ向かって突出する延長部が設けられており、これは中空の管として形成されている。
【0009】
この場合、少なくとも1つの封止部材にたとえば環状の隆起部が設けられており、これはランプ軸と交差する方向で半径方向に突出している。隆起部の横断面は実質的に凸状に形成されている。つまり隆起部は封止部材もしくはその延長部において、隆起部中でかなり大部分を占める明確な曲率半径をもつ頂点を伴う最大高さHを成している。この場合、隆起部は変曲点を有しておらず、したがって純粋な凸状の湾曲部であって、これにはたとえば放物線が続き、この放物線にははっきりとした頂点が存在している。あるいは隆起部は変曲点を有しているが、これは隆起部頂点の最大高さHに関して最大で0.25Hの高さHwのところにある。このような隆起部形状は、局所的な加熱後に圧縮によりあるいは膨らみをつけることにより形成することができる。さらに簡単であるのは、適切に形成されたガラスビードを取り付けることである。
【0010】
このような形状を与えることにより、外管を隆起部の内側で頂点近傍において実質的に軸線方向に位置するよう構成するのが著しく簡単になる。このことを保証する目的で、外管端部の内径を隆起部の外径よりも小さく選定する。その際、外管端部の外径を隆起部頂点における外径とほぼ同じ大きさにするのが有利である。外管端部の外径をいくらか大きくすることもでき、たとえば30%まで大きくすることができる。
【0011】
外管を直径が等しく維持された連続した1つの管部材としてもよいし、中央に膨らみをもちそれに続いて末端に管部材が設けられた管ないしはバルブとしてもよい。
【0012】
1つの有利な実施形態によれば、封止部材に管状の延長部分が設けられており、そこに隆起部が当接している。これはたとえば付着または一体成形される。これによって、半径方向に対称ではないピンチ封止部においても半径方向に対称な隆起部を形成することができる。溶融封止部の場合、上述のような延長部は必ずしも必要とはされない。なお、内管も外管も石英ガラスまたは硬質ガラスとするのが有利である。
【0013】
殊に隆起部を比較的小さくすることができ、この場合、隆起部の外径はその下に位置する封止部材の直径よりも典型的には25〜80%大きくなる。封止部材もしくはその延長部の直径に関する典型的な値は7mmであり、これに対応する隆起部の外径の典型的な値は2〜4mmである。
【0014】
1つの特別な実施形態によれば、隆起部が中空であると有利であり、その最大内径は周囲を取り囲む封止部材の外径よりも大きい。これにより、外管端部における軸線方向の密着に殊に良好に適した隆起部の凸状形状が実現される。
【0015】
以前から知られている隆起部の慣用の形状の場合、外管を軸線方向に取り付けるのはそもそも著しく困難であり、その理由は接触領域がきわめて短いことによる。この点は無視するとして、従来技術によれば外管は隆起部頂点において常に完全に外側に取り付けられる。
【0016】
隆起部に外管を軸線方向に取り付けることによって移行部の耐性が著しく高まり、しかもこれは50%までに及ぶ。この場合、応力リング(stress ring)はもはや形成されない。
【0017】
隆起部を封止部材から形成することができ、たとえば圧縮により形成することができ、あるいは別個のビードとしてその上に取り付けることができる。この場合、外管と隆起部との接触が密接になればなるほど、破損に対する耐性が増大する。
【0018】
なお、本発明の1つの実施形態によれば、オーバラップは管部材の壁厚の少なくとも50%である。
【0019】
次に、複数の実施例に基づき本発明について詳しく説明する。
【実施例】
【0020】
図1には、2つの側でピンチ封止されたハロゲン白熱ランプの側面図が示されている。このランプは内管1から成り、その中央部分4において軸線方向に発光体2が配置されている。
【0021】
発光体2の端部5は内部電流導入線として機能し、これはピンチ封止部6にじかに埋め込まれており、そこにおいてピンチ薄片7と接続されている。
【0022】
ピンチ封止部6はその外側に、ソケット構成部材としての役割も果たすことのできる延長部材として管状のガラススリーブ11を有しており、このガラススリーブ11はピンチ封止部のところで一体成形されていて、7mmの外径と5mmの内径を有している。このガラススリーブ11の長さは約7mmである。
【0023】
さらにガラススリーブ11のところでランプ軸線と交差して外側に支承部材すなわち隆起部ないしはビード12が付加されており、これは実質的に凸状に成形されている。さらに隆起部12には、管部材13として構成された外管14の端部が当接しており、したがって外管は両方の隆起部12の間において中央部分4の両方の側で延在することになる。
【0024】
さらに封止部材の一方の端部にはそれ自体公知のように口金を取り付けることができ、その際、口金は電気的な接触部材(図示せず)を有しており、この接触部材は発光手段へ導かれる電流導入線と導電接続されていて、この場合、接触部材は封止部材の管状延長部に取り付けられている。
【0025】
図2にはメタルハライドランプ25が示されており、これは溶融部15によって封止されている。この場合、隆起部12のところで管部材13が終端しており、その際、隆起部は延長部16のところで成形されている。なぜならばこの場合には最小の材料を形成すればよいからである。
【0026】
図3には、隆起部12の形状の一例が断面図で描かれている。その形状は凸状であり、たとえば放物線状である。頂部Sによって、支持部材すなわち封止部材11のレベルより上における隆起部の高さHが規定される。湾曲部は連続的に凸状である。これに対する代案として図4に示されている隆起部20の横断面は実質的に凸状であるが、封止部材にいっそう良好に付着するよう、幅の広げられた脚部を有している。その際、脚部位置は短い区間にわたり凹状に湾曲しており、この場合、変曲点WPは封止部材11のレベルより上の頂部Sの高さHの最大で25%の高さHwにある。ここで有利には、頂部Sにおける曲率半径は、凸状領域の他のいかなる個所と比べても最小である。
【0027】
図5に描かれているランプの部分拡大図には、ガラスビードとして配置させることのできるソリッドな隆起部12が示されている。(一方の頂部から他方の頂部までの測定による)隆起部の外径DWは、外管14の管状端部13の内径DUよりも著しく大きい。典型的には差は1〜3mmである。厚さDKをもつ端部13の壁厚は通常、約2〜4mmとなる。これに対し管状端部13の外径ADは、隆起部12の最大外径DWとほぼ等しく、あるいは典型的には0.5mmまで大きいか小さい。このような配置構成によって、端部13と隆起部12との間においてできるかぎり長い接触領域KZが保証される。
【0028】
実際の使用において判明したのは、隆起部12と外管14との間におけるできるかぎり大きい接触領域殊に軸線方向にできるかぎり長い接触領域によって、50%に至るまで接続耐性が格段に向上することである。この理由から、図3および図4に示されているような凸状に形成された隆起部はきわめて有利であり、それというのもこのような隆起部20であると、接触領域の軸線方向長さKZは慣用のように大部分が凹状の隆起部の形状よりも接触領域の軸線方向長さKZが著しく長いからである。この種の凸状の隆起部の特徴は中空の隆起部20の場合に殊に、隆起部の内径IDWがそれを取り囲む封止部材の内径IDよりも著しく大きいことである。とはいえ機能的に重要であるのは上述のような外部形状である。隆起部がソリッドであるのか中空であるのかは二義的なものである。
【0029】
軸線方向の長さKZは、有利には少なくとも2〜4mmの長さにすべきである。外管14は常に、隆起部において放電側に向いた内側半部に配置されており、しかもこれはできるかぎり上方の周縁部に配置されていて、そこでは湾曲は最も小さく、したがって接触領域が最も大きくなっている。理想的には管部材は、その端部が隆起部内側で頂部のところにほぼ接線方向に配置されるように取り付けられる。なぜならば、そのようにすれば軸線方向の長さKZが最も長くなるからである。
【0030】
US-B 6 790 115の図1に示されているものと同様、本発明による隆起部の形状を、外管取り付けのために一方の端部のところでのみ使用することもできる。なお、本発明によれば、オーバラップは管部材13の壁厚の少なくとも50%である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】ハロゲン白熱ランプの側面図
【図2】メタルハライドランプの実施例に関する側面図
【図3】隆起部の第1の実施例の基礎を成すパラメータを示す図
【図4】隆起部の第2の実施例の基礎を成すパラメータを示す図
【図5】ソリッドな隆起部と外管との接続の詳細を示す断面図
【図6】中空の隆起部と外管との接続の詳細を示す断面図
【符号の説明】
【0032】
1 内管
2 発光体
5 発光体端部
6 ピンチ封止部
7 ピンチ薄片
11 封止部材
12 隆起部
13 管部材
14 外管
15 溶融部
16 延長部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空密に封止され長手方向に延在する内管(1)を有する外管が設けられており、
前記内管(1)により長手軸(A)が規定され、該内管(1)は発光手段を含み、互いに対向する端部のところで封止部材(6;32)により封止されており、
前記外管は少なくとも1つの末端の管部材(13)とともに前記内管(1)全体を覆っており、
前記管部材(13)は封止部材のところに設けられている環状の隆起部(12)により取り付けられている電気ランプにおいて、
前記隆起部(12)の横断面は、頂部(S)をもつ実質的に凸状の形状であり
前記管部材(13)は、前記隆起部(12)において発光手段に向かって配向されている側で頂部近傍に取り付けられていることを特徴とする電気ランプ。
【請求項2】
請求項1記載のランプにおいて、
前記隆起部(12)の最大直径(DW)は前記管部材(13)の内径(ID)よりも大きいことを特徴とするランプ。
【請求項3】
請求項2記載のランプにおいて、
前記管部材(13)の外径(AD)は、前記隆起部の最大直径にほぼ一致することを特徴とするランプ。
【請求項4】
請求項3記載のランプにおいて、
オーバラップは前記管部材(13)の壁厚の少なくとも50%であることを特徴とするランプ。
【請求項5】
請求項3記載のランプにおいて、
前記の2つの値は最大で1.5mm互いに隔たっていることを特徴とするランプ。
【請求項6】
請求項1記載のランプにおいて、
前記隆起部(12)は前記封止部材における管状の延長部に配置されていることを特徴とするランプ。
【請求項7】
請求項1記載のランプにおいて、
前記封止部材は溶融封止部であり、たとえば該溶融部にじかに前記隆起部が取り付けられていること特徴とするランプ。
【請求項8】
請求項1記載のランプにおいて、
前記封止部材はピンチ封止部であり、該ピンチ封止部に環状の延長部が外側で取り付けられており、たとえば該延長部にじかに前記隆起部が取り付けられていること特徴とするランプ。
【請求項9】
請求項8記載のランプにおいて、
前記隆起部(12)は中空であり、前記延長部の内径(ID)よりも大きい内径(IDW)を有することを特徴とするランプ。
【請求項10】
請求項1記載のランプにおいて、
前記隆起部(12)は完全に凸状に形成されており、または場合によっては生じる変曲点が前記頂部(S)の高さの最大で20%の高さのところに位置する程度に凸状に形成されていることを特徴とするランプ。
【請求項11】
請求項1記載のランプにおいて、
前記管部材の端部は、前記隆起部の内側において頂点(S)のところでほぼ接線方向に取り付けられていることを特徴とするランプ。
【請求項12】
請求項1記載のランプにおいて、
前記隆起部は別個のガラスビードによって形成されていることを特徴とするランプ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2006−147586(P2006−147586A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−339222(P2005−339222)
【出願日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(390009472)パテント−トロイハント−ゲゼルシヤフト フユール エレクトリツシエ グリユーラムペン ミツト ベシユレンクテル ハフツング (152)
【氏名又は名称原語表記】Patent−Treuhand−Gesellschaft fuer elektrische Gluehlampen mbH
【住所又は居所原語表記】Hellabrunner Strasse 1, Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】