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外装材用皮膜形成性塗布組成物
説明

外装材用皮膜形成性塗布組成物

【課題】 建築用外装材、例えば、押出し成型外装板に塗布して耐透水性、耐ブロッキング性、原板への密着性の優れた塗布板を得る為の塗布用組成物を提供すること。
【解決手段】 (A)スチレン系モノマー、(メタ)アクリルエステルモノマー、酸基含有モノマー、ヒドロキシル基含有モノマーからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーとカルボニル基導入用モノマーとを内部架橋剤とともに共重合させてなるカルボニル基を含有する内部架橋型共重合物と、(B)当該カルボニル基を含有する内部架橋型共重合物中のカルボニル基1個当たり少なくとも2個以上のヒドラジド基を有する外部架橋剤と、(C)グリコールエーテル系皮膜形成促進剤とを含んでなる外装材用皮膜形成性塗布組成物。当該塗布用組成物を外装材の片面または両面に塗布し、その後乾燥してなる塗布済み外装材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築用外装板材に塗布する為の組成物及び当該塗布用組成物を外装板材に塗布する事により得られた、耐透水性、耐ブロッキング性、密着性に優れた塗布済み外装材に関する。更に詳細には、外装材製造時に板を積み重ねた際のブロッキングを防ぐ事から外装材の生産性の向上が期待できる。また、本塗布組成物を塗布した外装板は防滑性にも優れる為、施工時の荷崩れを防止し安全性にも寄与する。さらに、住宅、マンション等の外装材として優れた耐透水性を示すと共に、表裏差をカバーしやすく板の反り防止が容易である。
【背景技術】
【0002】
従来の押出し成型板は、塗装工程の際に生産性を向上する為板の多くを積み重ねる作業を必要とし、積み重ね時に起こる表裏面の密着(ブロッキング)を防止する為にブロッキング防止剤を塗布していた。従来のブロッキング防止剤の多くはタルク、クレー、ベントナイト、炭酸カルシウム等の無機物を主成分としたフィラー分散体を使用しており、その耐ブロッキング性に関してはかなりの効果が見られた。
【0003】
しかしながら、フィラー分散体を使用すると被塗布面に無機物が転写し、次工程で塗布される塗料の密着性が低下する問題があった。
この問題を解決する為、フィラーを使用しないで2液硬化型の樹脂系塗料を使用する方法があった。この場合、耐ブロッキング性はフィラー分散体には劣るものの作業上支障のない程度であり、次工程での塗料密着性も良好であった。しかしながら、2液硬化が特殊条件である為、硬化する時間(ポットライフ)が短い上、2液である為管理し難い問題があった。
【0004】
また、従来技術による塗布板は耐透水性が弱いため、塗布量を増やさないと充分な性能をもたせることが出来ず、又耐ブロッキング性にも劣る事から、板の多くを積み重ねる事が出来ず生産性の低下を招いていた。従来技術では、耐透水性、耐ブロッキング性を維持させる為には、塗布量は35g/m(固形分)以上が必要で、それ以下の塗布量では極端に透水性が劣り、又耐ブロッキング性が劣った。
【0005】
一方、押出し板用塗布組成物の製造方法として、スチレンーアクリル系乳化重合物70〜95重量部に皮膜形成助剤としてグリコールエーテル系の皮膜形成助剤を5〜30重量部混合してなる方法があった。しかし、得られた塗布済み押出板は充分な耐透水性が得られなかった。
【0006】
さらに、(A)ガラス転移温度が10〜100℃の範囲にあるカルボキシル基含有アクリル樹脂を含むアクリル樹脂エマルション及び/又はアクリル樹脂ディスパージョンの固形分100質量部に対し、(B)アルカリケイ酸塩を固形分で1〜20質量部、(C)2官能以上のポリエポキシ化合物を0.5〜20質量部含有する混合物をバインダーとして含有することを特徴とする水性シーラー組成物が開示されている(特許文献1を参照)。当該水性シーラー組成物は、基材への浸透性、補強性に優れ、基材及びすぐ上に塗られた塗膜との密着性が良好で、耐水性、耐温水性、耐透水性、耐凍結融解性で優れた性能を有する塗膜を形成でき、貯蔵安定性に優れた、微細多孔質表面を有する基材、窯業建材用ボードなどの基材に適した旨が記載されている。
【0007】
また、水及び乳化剤の存在下、アルコキシシリル基含有重合性不飽和モノマ−0.01〜20重量%及びその他の重合性不飽和モノマー80〜99.99重量%からなるモノマ−混合物を乳化重合して得られるアクリル共重合体(i)の存在下に、さらにアルコキシシリル基含有重合性不飽和モノマー0.01〜20重量%、水酸基含有重合性不飽和モノマー0〜10重量%、シクロアルキル基含有重合性不飽和モノマ−0〜70重量%及びその他の重合性不飽和モノマー0〜99.99重量%からなるモノマ−混合物を加えて乳化重合して得られるアクリル共重合体(ii)を含むコア/シェルエマルションであって、共重合体(i)のガラス転移温度(TgA)が−40〜30℃であり、共重合体(ii)のガラス転移温度(TgB)が35〜100℃であって、該TgBがTgAより少なくとも20℃以上高いコア/シェルエマルションを主成分とする窯業系無機基材用オートクレーブ養生前シーラーが開示されている(特許文献2を参照)。当該養生シーラーは耐ブロッキング性、密着性に優れ、且つエフロ発生を十分に防止できる旨が記載されている。
【0008】
さらに、無機質板上に、アクリルエマルジョン系シーラー層及びアクリルエマルジョン系塗料層をこの順に積層してなることを特徴とするアクリルエマルジョン塗装無機質板が開示されている(特許文献3を参照)。当該アクリルエマルジョン塗装無機質板は屋外曝露による塗装面の光沢低下を抑制し得る耐候性に優れている旨が記載されている。
【特許文献1】特開2004−323558号公報
【特許文献2】特開2004−244466号公報
【特許文献3】特開2001−47547号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、建築用外装材、例えば、押出し成型外装板に塗布して耐透水性、耐ブロッキング性、原板への密着性の優れた塗布板を得る為の塗布用組成物を提供することである。
【0010】
さらに、本発明の目的は、上記塗布用組成物を塗布した外装材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上記課題を解決する為に鋭意研究を行った結果、スチレン系モノマー等の少なくとも1種のモノマーとカルボニル基導入用モノマーとを内部架橋剤とともに乳化重合して得たカルボニル基を含有する内部架橋型共重合物に、さらにヒドラジド基を有する外部架橋剤を加え、特定の皮膜形成助剤を加えた組成物を建築用外装材に塗布した場合、低塗布量でも得られた塗布済み外装材が、耐透水性はもちろんの事、耐ブロッキング性、板への密着性の優れ、更に数十年外気に晒されても外装板本来の性能を損なうことなく且つ作業性に優れる事を見出し、本発明を完成した。
【0012】
すなわち、本発明は、A)スチレン系モノマー、アクリルエステルモノマー、酸基含有モノマー、ヒドロキシル基含有モノマーからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーとカルボニル基導入用モノマーとを内部架橋剤とともに共重合させてなるカルボニル基を含有する内部架橋型共重合物と、
(B)当該カルボニル基を含有する内部架橋型共重合物中のカルボニル基1個当たり少なくとも2個以上のヒドラジド基を有する外部架橋剤と、
(C)グリコールエーテル系皮膜形成促進剤とを含んでなる
外装材用皮膜形成性塗布組成物にある。
【0013】
さらに本発明は、上記外装材用皮膜形成性塗布組成物を外装材の片面または両面に塗布し、その後乾燥してなる塗布済み外装材にある。
【発明の効果】
【0014】
本発明の塗布用組成物で塗布した塗布済み外装材は、従来の塗布板の欠点がない、低塗布量で充分な耐透水性を示し、さらに優れた耐ブロッキング性を有し、原外装材への密着性が強固で、紫外線、太陽光に晒されても外装材が反る事もなく顕著な効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
上述したように、本発明は、A)スチレン系モノマー、アクリルエステルモノマー、酸基含有モノマー、ヒドロキシル基含有モノマーからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーとカルボニル基導入用モノマーとを内部架橋剤とともに共重合させてなるカルボニル基を含有する内部架橋型共重合物と、
(B)当該カルボニル基を含有する内部架橋型共重合物中のカルボニル基1個当たり少なくとも2個以上のヒドラジド基を有する外部架橋剤と、
(C)グリコールエーテル系皮膜形成促進剤とを含んでなる
外装材用皮膜形成性塗布組成物にある。
【0016】
本発明では、スチレン系モノマー、アクリルエステルモノマー、酸基含有モノマー、ヒドロキシル基含有モノマーからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーとカルボニル基導入用モノマーとが共重合する際に、内部架橋剤が共重合分子内で内部架橋して重合反応系でエマルション粒子を形成し、塗布用組成物を建築用外装材に塗布して、乾燥中にエマルション粒子が濃縮融着して皮膜を形成するときに、共重合体分子内および共重合体分子間で共重合物のカルボニル基を介してヒドラジド基を有する外部架橋剤が架橋して、より強固な皮膜を形成する。本発明では、皮膜形成促進剤を使用することにより、塗布用組成物の乾燥温度をより低くすることができ、さらに、皮膜形成時間をより短縮することができる。
【0017】
本発明で使用できるスチレン系モノマーには、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン(メチルスチレン)等があるが、スチレンが特に好ましい。
本発明で使用できるアクリルエステルモノマーには、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート)、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等があるが、ブチルアクリレート、2エチルヘキシルアクリレートが特に好ましい。尚、本明細書では、アクリル系重合性不飽和モノマーとメタクリル系重合性不飽和モノマーとを「(メタ)アクリル系モノマー」のように称する。
【0018】
本発明で使用できる酸基含有モノマーには、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イタコン酸ハーフエステル、マレイン酸、マレイン酸ハーフエステルなどのα,β-エチレン性不飽和カルボン酸、α,β-エチレン性不飽和スルホン酸塩を有するモノマー、例えばスチレンスルホン酸ナトリウム、ビニルスルホン酸ナトリウム酸等があるが、メタクリル酸が特に好ましい。
【0019】
本発明で使用できるヒドロキシル基含有モノマーには、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等があるが、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
【0020】
本発明で使用できるカルボニル基導入用モノマー(C=O基の両端にアルキル基および/またはアルキレン基が結合したもの)には、アクロレイン、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、ホルミスチロール、4〜7個の炭素原子を有するビニルアルキルケトン、例えばビニルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン等があるが、ダイアセトンアクリルアミドが特に好ましい。
【0021】
本発明で使用できる内部架橋剤には、α,βエチレン性不飽和二重結合を二個以上有するモノマー(内部架橋用モノマー)等であり、例えば、アリル(メタ)アクリレート、ジビニルオキシメタン、グリシジル(メタ)アクリレート(GMA)、ジビニルベンゼン(DVB)、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリルエステル(TMP)、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート等があるが、グリシジルアクリレート(GMA)、ジビニルベンゼン(DVB)及びトリメチロールプロパンアクリルエステル(TMP)が特に好ましい。
【0022】
本発明で使用できるヒドラジド基を有する外部架橋剤には、例えば、蓚酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタン酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン酸ジヒドラジド等があり、さらに高分子型官能ヒドラジド系架橋剤、例えば、アミノポリアクリルアミド(APA)等もあるが、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジドが特に好ましい。
【0023】
本発明で使用できるグリコールエーテル系の皮膜形成促進剤には、例えばエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等があるが特にこれらに限定されるものでは無い。エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルが特に好ましい。
【0024】
スチレン系モノマー、(メタ)アクリルエステルモノマー、酸基含有モノマー、ヒドロキシル基含有モノマーからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーは、形成される重合体又は共重合体が建築用外装材によく密着ししかもその上で有効に皮膜を形成し得るものを選択する。例えば、スチレン、2−エチルヘキシルアクリレート、メタクリル酸及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートモノマーの共重合物、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メタクリル酸及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートモノマーの共重合物、スチレン、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート(GMA)、メタクリル酸及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートモノマーの共重合物等があるが、これらに限定されない。モノマー同士の配合割合は、共重合物のガラス転移点(Tg)が20〜70℃の範囲内、好ましくは、30〜60℃、特に好ましくは、35〜50℃になるように決定するのが望ましい。例えば、スチレン、2−エチルヘキシルアクリレート、メタクリル酸及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートモノマーの共重合物を選択した場合、これらのモノマーの総重量部100重量部を基準に、スチレン20〜50重量部、2−エチルヘキシルアクリレート10〜35重量部、メタクリル酸20〜35重量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート5〜20重量部の範囲内で選択するのが好ましい。メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メタクリル酸及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートモノマーの共重合物を選択した場合、これらのモノマーの総重量部100重量部を基準に、メチル(メタ)アクリレート20〜50重量部、2−エチルヘキシルアクリレート10〜35重量部、メタクリル酸20〜35重量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート5〜20重量部の範囲内で選択するのが好ましい。
【0025】
耐透水性には皮膜形成の状態が重要なため、共重合体のTgは重要な因子となり得る。一般に、皮膜形成のみを考慮するとTgは、例えば、−50〜20℃と低い方が好ましい。一方、一般に、耐ブロッキング性を維持するには、Tgが高くなければならない。このように、皮膜形成と耐ブロッキング性には二律背反の関係にある。本発明では、内部架橋剤と外部架橋剤を使用し、グリコールエーテル系皮膜形成促進剤を使用することにより、これらが有効に作用し、皮膜形成温度を低く設定し、架橋反応によって皮膜を硬くすることで耐ブロッキング性を維持する事ができる。
【0026】
本発明の共重合体のTgは、20〜70℃の範囲内、好ましくは、30〜60℃、特に好ましくは、35〜50℃になるように決定するのが望ましい。本明細書中で使用するTgは、下記の計算式により求められる理論値である。
【0027】
【数1】

【0028】
また、上述したように、皮膜形成促進剤を使用することで皮膜形成温度を低くする事(例えば、0℃〜40℃)が可能となる。本明細書中で使用する「皮膜形成温度」という用語は、ポリマーエマルションの皮膜形成が開始する温度を意味する。皮膜形成温度以下では連続皮膜が形成しない。
【0029】
カルボニル基導入用モノマーの使用量は、使用する他のモノマーの種類やその割合、所望する皮膜の強度等により変動し得るが、塗布組成物の総重量部を基準に、0.2重量部〜15重量部、好ましくは、0.5重量部〜5.0重量部、より好ましくは、0.5重量部〜2.5重量部の範囲で使用できる。
【0030】
内部架橋剤の使用量は、塗布組成物の総重量部を基準に、0.5重量部〜10重量部、好ましくは、0.3重量部〜5.0重量部、より好ましくは、0.5重量部〜3.5重量部の範囲で使用でき、3重量部が最も好ましい。
【0031】
外部架橋剤の使用量は、使用するカルボニル基導入用モノマーの量に依存するが、共重合物中のカルボニル基1個当たり少なくとも2個以上のヒドラジド基を有するような量であり、例えば、塗布組成物の総重量部を基準に0.1重量部〜10重量部、好ましくは、0.3重量部〜6.0重量部、より好ましくは、0.5重量部〜2.5重量部の範囲で使用できる。
【0032】
本発明の外装材用皮膜形成性組成物は例えば次のようにして製造する。重合用反応器に乳化剤及び水を仕込み、75℃〜85℃に加熱する。加熱した内容物に重合開始剤、選択したモノマーの所定量、内部架橋剤を入れ、攪拌しながら、カルボニル基導入用モノマーを1時間〜4時間にわたって連続的に滴下し、1時間〜3時間にわたって乳化重合反応を行う。得られた重合物に分散力を高めるためにアンモニア水を加え、所定量の外部架橋剤、及び必要に応じてグリコールエーテル系皮膜形成促進剤を加え、さらに水を加えて、固形分15%〜35%の共重合体樹脂エマルション組成物を得る。この組成物をそのまま、外装材用皮膜形成性塗布組成物として使用できる。また、必要に応じて、着色顔料、防腐剤、レベリング剤、増粘剤、消泡剤等の添加剤を加えることができる。
【0033】
本発明の重合反応に使用できる乳化剤は通常の乳化重合に使用できるもの、例えば、長鎖アルキルアルコールのようなアニオン性界面活性剤でステアリルアルコール系、ラウリルアルコール系、オレイルアルコール系がある。ラウリルアルコール系のアニオン界面活性剤が好ましい。具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸エステル塩、例えば、ハイテノールLA−12(第一工業製)等がある。
【0034】
本発明の重合反応に使用できる重合開始剤は通常の乳化重合に使用できるもの、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)の2種酸塩等のアゾ系開始剤等がある。特に、過硫酸アンモニウムが好ましい。
【0035】
本発明の外装材用皮膜形成性組成物を建築用外装材の片面または両面に、通常の方法、例えば、ロールコーター、スプレー、フローコーターにより塗布できる。塗布量は、例えば、固形分を基準に、0.5g/m〜30g/m、好ましくは、1.0g/m〜20g/m、より好ましくは、1.5g/m〜15g/mである。
【0036】
本願発明の外装材用皮膜形成性塗布組成物が外装材に塗布されると、乾燥するにつれ、外部架橋剤により、樹脂成分が架橋され、耐ブロッキング性、耐透水性の優れた皮膜を形成する。
【0037】
本発明の建築用外装材には、押出成型外装板、セメント系外装板等がある。
【実施例】
【0038】
以下に、本発明を実施例により具体的に例証するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例において、部、%は特に断らない限り、重量基準で示す。
(実施例1)
撹拌装置、温度計、滴下ロート、還流冷却管を装備したガラス製四つ口フラスコに乳化剤としてハイテノールLA-12(第一工業製)を4.5部、水120.0部を仕込み80℃に昇温する。過流酸アンモニウム0.95部を水10.0部に溶解後、仕込む。モノマー混合物であるメタクリル酸25.0部、スチレン34.0部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート10.0部、2-エチルヘキシルアクリレート22.0部と、内部架橋剤であるジビニルベンゼン3.0部及びカルボニル基導入用モノマーであるダイアセトンアクリルアミド1.5部を3時間にわたって連続的に滴下し、1時間熟成する事で重合物を得た。得られた重合物に25%アンモニア水19.74部、皮膜形成促進剤であるエチレングリコールモノブチルエーテル8.65部、外部架橋剤であるアジピン酸ジヒドラジド0.92部、水29部仕込み、固形分35%の架橋剤含有アクリル系樹脂が得られた。得られた重合物の粘度は385mPa・sであり、pHは8.5だった。
【0039】
(実施例2〜16)
実施例1と同様にして固形分35%の架橋剤含有アクリル系樹脂を得た。但し、使用した各成分の組成は表1に従った。
【0040】
(比較例1)
撹拌装置、温度計、滴下ロート、還流冷却管を装備したガラス製四つ口フラスコに乳化剤としてハイテノールLA-12(第一工業製)を4.5部、水120.0部を仕込み80℃に昇温する。過流酸アンモニウム0.95部を水10.0部に溶解後、仕込む。モノマー混合物をメタクリル酸25.0部、スチレン35.5部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート10.0部、2-エチルヘキシルアクリレート22.0部、ジビニルベンゼン3.0部を3時間にわたって連続的に滴下し、1時間熟成する事で重合物を得た。得られた重合物に25%アンモニア水19.74部、プロピレングリコールモノブチルエーテル8.65部、水29部仕込み、固形分35%のアクリル系樹脂が得られた。得られた重合物の粘度は412mPa・sであり、pHは8.6だった。
【0041】
(比較例2〜4)
比較例1と同様にして固形分35%のアクリル系樹脂を得た。但し、使用した各成分の組成は表1に従った。
【0042】
実施例及び比較例の組成・物性値を表1にまとめる。
【0043】
【表1】

【0044】
[性能試験]
本発明の外装材用皮膜形成製組成物の性能について、比較試験を行った。
(塗布条件)
原板 :押出し成型外装板
塗布量 :2.0、5.0、10.0g/m(固形分を基準)
塗布方法 :ロール塗工
乾燥条件 :180℃−90秒
(透水試験)
試験片の上にガラス管(内径=35mm、高さ=300mm)をのせ、ニトリルゴム系接着剤で接点を接着し(1時間放置)、シリコーン系シーリング剤で完全にシールした(一晩放置)後、20℃の水を注入し20℃〜60%雰囲気で24時間放置し、減少した量だけ継ぎ足し、その継ぎ足した量より透水量を測定する。評価は、透水量4ml以下を○、透水量4〜8mlを△、透水量8ml以上を×と判定した。
【0045】
(ブロッキング試験)
試験片の表裏面を重ね合わせ、0.4kg/cmの荷重をかけ、170℃−4時間オートクレーブ養生を行い、冷却後にブロッキングの度合を手感触による剥離で判定(5段階評価)
5:極僅かな力で剥がれ、表裏に跡が残らない
4:僅かな力で剥がれ、表裏に若干の材破が見られる
3:少しの力で剥がれ、表裏に材破が見られる
2:剥離に力を要し、表裏面に大きな材破が多数見られる
1:完全に密着し、剥離しない状況
(密着試験)セロテープ(登録商標)剥離試験
試験板に幅4mm,5×5の25マスの切り傷をカッターナイフで付け、セロハンテープにて剥離試験を行った。評価は、良好なもの○、やや不良のもの△、不良のもの×と評価した。
【0046】
上記性能試験の結果を表2に示す。
【0047】
【表2】

【0048】
上記の結果から明らかなように、本発明の範囲内の外装材用皮膜形成性塗布組成物を塗布した押出し成型外装板は、耐透水性、耐ブロッキング性、密着性において、比較例と比較して顕著に優れていた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)スチレン系モノマー、(メタ)アクリルエステルモノマー、酸基含有モノマー、ヒドロキシル基含有モノマーからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーとカルボニル基導入用モノマーとを内部架橋剤とともに共重合させてなるカルボニル基を含有する内部架橋型共重合物と、
(B)当該カルボニル基を含有する内部架橋型共重合物中のカルボニル基1個当たり少なくとも2個以上のヒドラジド基を有する外部架橋剤と、
(C)グリコールエーテル系皮膜形成促進剤とを含んでなる
外装材用皮膜形成性塗布組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の外装材用皮膜形成性塗布組成物を外装材の片面または両面に塗布し、その後乾燥してなる塗布済み外装材。

【公開番号】特開2007−314687(P2007−314687A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−146704(P2006−146704)
【出願日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(503367376)クボタ松下電工外装株式会社 (467)
【出願人】(391014480)近代化學工業株式会社 (4)
【Fターム(参考)】