説明

多人数同時参加型オンラインロールプレイングゲーム

【課題】サーバが各プレイヤに関する情報に基づいてパーティを結成することができるようにし、パーティを結成するためのコミュニケーションを好まない又は苦手とするプレイヤもMMORPGを十分に楽しむことができるようにすること。
【解決手段】システムが自動的にプレイヤを選択してパーティを結成する。このパーティ結成は、パーティが目的を達成する可能性を高めるような形で行われる。また、かかるパーティ結成に伴うゲーム進行上の弊害がないようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多人数同時参加型のオンラインロールプレイングゲームに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、多人数同時参加型オンラインロールプレイングゲーム(以下「MMORPG」(Massively Multiplayer Online Role−Playing Game)と言う)を提供するサービスが増加している。MMORPGでは、ゲームを楽しむ者(プレイヤ)がゲーム端末装置をサーバに接続し、同じサーバに接続した他のプレイヤと共にゲームを行うことができる。従来のプレイヤが1人のゲームでは、プレイヤ自身の行動以外はコンピュータによって制御されているため、コンピュータに依存した単純で予測可能性の高いゲームになってしまう。これに対し、MMORPGでは、他のプレイヤとチーム(パーティ)を組んで行動するなど、他のプレイヤとのコミュニケーションを含む複雑なゲームになり、また予測可能性も低くなる。これによって、MMORPGでは従来のゲームにはない楽しさを味わうことができる。
【0003】
パーティに係る上記のコミュニケーションには、大別して、(1)パーティを結成するために他のプレイヤをパーティに勧誘する又は他のプレイヤの勧誘を受ける、(2)結成されたパーティに所属するプレイヤ同士でパーティの行動方針を決定する、ものがある。このうち(2)については、ゲームの楽しみの中心である戦闘の方針等に係るものであり、共通目的を持ったパーティのプレイヤ同士のコミュニケーションであるので、このコミュニケーションを好むプレイヤが多い。一方、(1)については、好まない又は苦手とするプレイヤが多い。その理由としては、今までにコミュニケーションをとったことのない他のプレイヤとのコミュニケーションであること、パーティを結成する他のプレイヤに常に出会えるとは限らないのでコミュニケーションをとっても成果がでない又は成果がでるまでに時間がかかってしまうために焦燥感を持つこと、が挙げられる。このため、(1)を省略して(2)を楽しむことを期待するプレイヤが多かった。
しかし、従来のMMORPGにおいては、(2)の前に(1)を行わなければならなかった。
【0004】
上記の問題を解決する技術として、特許文献1には、必ずしもパーティとして共同する場合に限らず、他のプレイヤを「召喚」して自らのシーン(ゲームにおいて自らが現にプレイしている画面)に当該他のプレイヤを登場させる方法が開示されている。「召喚」の手順としては、召喚するプレイヤが召喚の要請をサーバに送信すると、サーバは召喚されるプレイヤのゲーム端末装置の画面にその要請を表示して召喚に応じるか否かを選択させ、応じた場合に召喚されるというものである。「召喚」を「パーティへの勧誘」と読み替えてこの方法を用いることで、言語によるコミュニケーションをとらずにゲーム端末装置のボタン操作のみによってパーティを結成することができ、上記(1)を好まない又は苦手とするプレイヤの負担感を減ずることができる。
【0005】
しかし、特許文献1に開示された方法には、以下の問題がある。
他のプレイヤをパーティに勧誘する際に、どのプレイヤを勧誘するかについての判断が困難である。戦闘に勝利する等の目的を達成できる可能性を高めるようなプレイヤを勧誘したいが、このためには各プレイヤに関する情報(戦闘パワー、アイテム等)を調査しなければならない。MMORPGに参加しているプレイヤの数が多いと、これらの情報を閲覧するだけでも大変な作業になる。特許文献1にはかかる調査を軽減する方法は開示されていない。
上記の作業を好まないプレイヤは、自ら勧誘することなく他のプレイヤによって勧誘されるのを待つことになる。しかし、他のプレイヤがいつ勧誘するかを予測できるものではなく、長時間にわたって勧誘されなければ焦燥感を持つ。
プレイヤは、常にMMORPGをプレイしているとは限らない。プレイを中断して他の用件(テレビ視聴、仕事遂行等)を行っていることもある。このようなプレイヤは他のプレイヤを勧誘することも他のプレイヤの勧誘に応じることもできない。このため、パーティの結成に時間がかかってしまう。
【0006】
以上の問題は、上記(1)のコミュニケーションを好むプレイヤに関してはプレイヤのコミュニケーションを介してパーティを結成させ、同時に、(1)を好まない又は苦手とするプレイヤに関してはサーバが各プレイヤに関する情報に基づいてパーティを結成してこれをプレイヤに通知することによって解決する。しかし、サーバが各プレイヤに関する情報に基づいてパーティを結成するようなMMORPGは実現されていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−239250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
解決しようとする問題点は、サーバが各プレイヤに関する情報に基づいてパーティを結成することができなかったために、パーティを結成するためのコミュニケーションを好まない又は苦手とするプレイヤはMMORPGを十分に楽しむことができなかったことである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明の多人数同時参加型オンラインロールプレイングゲームは、システムが自動的にプレイヤを選択してパーティを結成し、合わせてパーティの自動結成に伴う弊害を予防する。
【0010】
本発明のMMORPGは、
サーバによって制御されたロールプレイングゲームを行うための2つ以上のゲーム端末装置を同時接続可能であり、
前記ロールプレイングゲームにおいて1つのチームとして活動する2人以上のプレイヤの集合であるパーティについて、該2人以上のプレイヤのうちの1人又は2人以上がゲーム端末装置を操作しない場合にもシステムが自動的にプレイヤを選択してパーティを結成するパーティ自動結成機能をサーバに備えることを特徴とする。
パーティの結成は、システムが自動的に行い、プレイヤによる操作を必要としない。これにより、各プレイヤは長時間待つことなくパーティに参加できる。
なお、パーティ内のプレイヤ同士のコミュニケーション(上記(2)のコミュニケーション)を可能にするため、システムはパーティが結成されたこと及びパーティのメンバであるプレイヤに関する情報を結成されたパーティの全メンバのゲーム端末装置に表示する。パーティの結成はかかる表示に先立って行われる。該表示を見たメンバがそのパーティを好まない場合にはパーティから離脱することもできるようにしてもよい。この場合にも、パーティがいったん結成されるので、本発明のMMORPGの特長が生かされる。
【0011】
本発明のMMORPGは、
前記パーティ自動結成機能は、同一の地点にいる既結成パーティに参加していないプレイヤを選択することを特徴とする。
MMORPGには、ゲームの全プレイヤに共通の地図があり、各プレイヤはその地図上の1地点に滞在しているか、又は、地点間を移動している。パーティのメンバは全員が一緒に行動する(同一地点に滞在する又は同一の目的地点に向けて移動する)ことが原則である。そこで、同一の地点にいるプレイヤを選択してパーティを結成することで、この原則に合わせる。
プレイヤの中には、上記(1)のコミュニケーションを好む者がいる。このようなプレイヤにとっては、システムが結成するパーティに参加するのでなく、自らパーティの結成を行うほうがゲームの楽しみが大きい。そこで、このようなプレイヤをシステムが結成するパーティのメンバにしてしまう可能性を小さくするため、既結成パーティに参加していないプレイヤを選択する。すなわち、既結成パーティに参加しているプレイヤを選択しない。上記(1)のコミュニケーションを好むプレイヤは既結成パーティに参加していることが多いためである。なお、このようなプレイヤをシステムが結成するパーティのメンバにしてしまう可能性をさらに小さくするため、各プレイヤのMMORPGへの最初の参加から所定の時間の間はそのプレイヤを選択しない(まだパーティに参加していないがこれからパーティ結成を行うかもしれないため。)、他のプレイヤをパーティの勧誘した履歴のあるプレイヤを選択しない、といったことをしてもよい。
【0012】
本発明のMMORPGは、
前記パーティ自動結成機能は、同一の目的を持つプレイヤについて、結成されるパーティがその目的を達成できる可能性が大きくなるような所定の条件を満たすようにプレイヤを選択することを特徴とする。
パーティは、参加したプレイヤが共同して1つの目的(例えば戦闘で敵に勝利する。)を達成するために結成される。しかし、ゲームによっては、目的が1つでなく、2つ以上の目的が設定されている場合もある。例えば、敵の捕虜となっている姫君を救出するという第一の目的を達成し、その後に敵の首魁との戦闘に勝利するという第二の目的を達成するという設定のゲームが考えられる。この場合、第一の目的を目指すプレイヤと第二の目的を目指すプレイヤとを同じパーティのメンバとしても、共同して目的を達成することによる満足感を得ることがなくゲームを楽しむことができない。そこで、同一の目的を持つプレイヤを選択してパーティを結成する。なお、ゲームによっては目的が第一、第二というように順序付けられておらず、各プレイヤの目的がシステムにとって明らかでない場合も考えられる。かかる場合には、各プレイヤの過去の行動からシステムがそのプレイヤの目的を推測する、システムがパーティによって達成される可能性の高い目的を定めてその目的を達成するように各プレイヤのゲーム端末装置に表示する、等のことを行えばよい。
結成されるパーティによって目的を達成することを通じて、プレイヤはゲームを楽しむ。システムがパーティを結成する際には、プレイヤをランダムに選択するといったような目的達成の可能性と無関係な方法よりも、目的を達成する可能性が高いように結成することが好ましい。例えば、パーティが3種類のアイテムを所持していることによって敵の首魁との戦闘に勝利する可能性が高くなる場合に、これら3種類のアイテムのうちの1つをそれぞれ所持するプレイヤ3名を1つのパーティとすることが考えられる。この場合には、「パーティ全体として3種類のアイテムを全て所持している」ことが「所定の条件」である。ここで、「目的を達成する可能性」は、ゲームの設定により数学的に求める、過去の記録に基づいて統計的に求める等の方法で計算することができる。
【0013】
本発明のMMORPGは、
前記パーティ自動結成機能によって結成されたパーティに所属するプレイヤについて、前記所定の条件を満たさないようになる行動を禁止することを特徴とする。
パーティ自動結成機能によって結成されたパーティに所属するプレイヤが、目的達成に反するような行動をとると、他のプレイヤにとってゲームの楽しみが減少してしまう。例えば、前記の3種類のアイテムを揃えたパーティを結成した後で、プレイヤの1人が自分の所持するアイテムを売却してしまう場合が該当する。このような行動を禁止することで、全プレイヤの楽しみを増加させることができる。なお、ここで「禁止」とは、その行動を行うための入力に対して、システムがその入力を受け付けない(例えば、エラーメッセージを出して入力を拒絶する。)こと又はその行動がパーティ結成の目的に合わない旨のメッセージを出す等によりプレイヤに再考を促すことを言う。
【発明の効果】
【0014】
本発明のMMORPGは、システムが自動的にプレイヤを選択してパーティを結成するので、パーティを結成するためのコミュニケーションを好まない又は苦手とするプレイヤもMMORPGを楽しむことができる。ひいては、MMORPGのプレイヤの数の増加につながる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、MMORPGを実行するシステムの構成例を表す図である。
【図2】図2は、プレイヤデータの例を示す図である。
【図3】図3は、ゲームにおける地図を示す図である。
【図4】図4は、結成条件データの例を示す図である。
【図5】図5は、パーティ自動結成機能の処理の例を示す図である。
【図6】図6は、プレイヤデータの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明のMMORPGの実施例を説明する。
【実施例1】
【0017】
図1は、本発明に係るMMORPGを実行するシステムの構成例を表す図である。MMORPG用サーバ1には、ネットワーク2を介して、ゲーム端末装置3a、3b...が接続されている。ゲーム端末装置は携帯電話端末、パーソナルコンピュータ端末、スマートフォン、携帯型ゲーム機など、MMORPGが実行できるものであれば、いかなる端末であってもよい。また、接続されるゲーム端末装置の数は何台であってもよい。
【0018】
MMORPG用サーバ1には、パーティ自動結成機能11及びゲーム進行機能12が設けられている。MMORPG用サーバ1には、プレイヤデータ13及び結成条件データ14が保持されている。
ゲーム進行機能12は、MMORPGにおける一般的な機能全般を含む。戦闘、アイテムの入手、地点間の移動等を、プレイヤの操作に基づいて実行する機能である。
【0019】
図2は、プレイヤデータの例を示す図である。
各プレイヤは、図3に示された地点(山頂、山小屋等)に滞在しているか若しくは地点の間を移動中であり、「地点」フィールドにこの情報が保持されている。図3は、ゲームにおける地図を示す図である。
各プレイヤは、戦闘において「アイテム」及び「戦闘パワー」を用いる。「アイテム」は、「大砲」、「盾」のように戦闘に用いる道具である。「戦闘パワー」は、「攻撃力」、「守備力」のようにプレイヤの性能を表す数値であり、戦闘の結果等によって増減される。これらの情報が、「アイテム」及び「戦闘パワー」のフィールドに保持されている。
「パーティ」フィールドには、各プレイヤが所属するパーティの名称が保持されている。
【0020】
プレイヤデータの「ステージ」フィールドは、各プレイヤのゲームにおけるステージを表す。本実施例のゲームでは、各プレイヤの目標は、まず敵の捕虜となって洞窟に幽閉されている姫君を救出し、その後に山頂にいる敵の首魁を討伐することである。ゲーム開始時のプレイヤのステージは「姫君救出」である。姫君の救出に成功すると次の「首魁討伐」のステージに進む。
「姫君救出」及び「首魁討伐」は、ステージであることと合わせ、各プレイヤの現時点におけるゲームにおける目的を表すことになる。
【0021】
プレイヤデータの「行動制限」フィールドは、各プレイヤがゲームにおいてとる行動(ゲーム進行機能12への入力)の制限を表す。図2においては、プレイヤAには「大砲」という行動制限がある。これは、プレイヤAがアイテムである大砲を所持しなければならないこと、すなわち大砲を他のプレイヤに譲渡してはならないことを表す。
【0022】
図4は、結成条件データの例を示す図である。結成条件データは、「姫君救出」及び「首魁討伐」のそれぞれの目的について、その目的を高確率で達成するために必要な「アイテム」及び「戦闘パワー」(必要プロパティ)を表している。例えば、姫君救出には、アイテムとしての「盾」が必要であり、10を超える攻撃力が必要である。これらの必要プロパティを1人のプレイヤが全て備えていてもよいが、個別の必要プロパティを備えた複数のプレイヤがパーティを結成してもよい。例えば、図2におけるプレイヤC(盾を所持しているが攻撃力は10未満)とプレイヤD(盾を所持していないが攻撃力は10より大きい)とで結成されたパーティは、高確率で姫君救出に成功する。
ここで、ゲームにおいて姫君救出に成功するか否かは、敵との戦闘等におけるプレイヤの対応に依存する。すなわち、結成条件データは「過去の統計データに基づいて高確率(例えば90%以上)である」ような必要プロパティを表すものであり、必ず成功するものでなくてよい。
姫君救出と首魁討伐とでは必要プロパティが異なる。本実施例におけるゲームのストーリとしては、以下のものである。姫君救出は姫君を捕虜としている敵と戦うが、姫君を傷つけないために、大砲を使用せずに攻撃しなければならず戦闘パワーとしての攻撃力を多く必要とする。また、敵の攻撃に対して強い反撃ができず防御のために盾を必要とする。これに対し、首魁討伐は敵が強いのでアイテムとしての大砲を必要とする。また、一定レベルの攻撃力及び守備力を必要とする。
【0023】
図5は、パーティ自動結成機能11の処理の例を示す図である。
ステップ41において、同一の地点にいる同一ステージのプレイヤを抽出する。パーティに参加するプレイヤは一緒に移動するので同一の地点にいるプレイヤであればパーティが結成しやすいからである。また、共通の目的をもったプレイヤによるパーティを結成するためである。
ステップ42において、パーティフィールドにデータのあるプレイヤを除外する。既結成パーティに参加しているプレイヤは、システムによるパーティ自動結成を必要としない、あるいは好まないことが多いので、そのようなプレイヤを自動で結成されるパーティに含まないためである。
ステップ43において、結成条件データ14を参照してそのステージの要求プロパティの1つについて、その要求プロパティを満たすようなプレイヤを1人選択する。なお、要求プロパティを満たすようなプレイヤが2人以上存在する場合も考えられる。この場合は、任意に1人のプレイヤを選択すればよい。例えば、プレイヤデータにはゲーム開始時刻の早い順にプレイヤが並んでいる場合に、その並びで最初のプレイヤを選択すればよい。こうすることによって、パーティへの参加を長時間待たされたプレイヤを優先してパーティの参加させることができる。この処理は、そのステージの要求プロパティの全てについてループして実行される。
ステップ44において、パーティの結成が可能か否かを判定する。具体的には、全ての要求プロパティについてそれを満たすプレイヤが選択されればパーティを結成し、1つ以上の要求プロパティについてそれを満たすプレイヤがいない場合にはパーティを結成しない。
パーティが結成された場合には、以下のステップ45〜47の処理を実行する。
ステップ45において、選択されたプレイヤのゲーム端末装置に結成されたパーティについて表示して自動結成されたパーティのメンバとなったことを通知する。
ステップ46において、プレイヤデータ13のパーティフィールドを自動結成されたパーティに合わせて更新する。
ステップ47において、プレイヤデータ13の選択されたプレイヤに係る行動制限フィールドを更新する。この更新は、ステップ43において各プレイヤが選択された根拠となった要求プロパティを、そのプレイヤの行動制限フィールドに書き込むものである。結成されたパーティは、そのプレイヤがその要求プロパティを備えていることによって、目的を達成する可能性が高くなっている。したがって、その要求プロパティを失ってしまうような行動を禁止する。
パーティ自動結成機能11は、以上の処理を、全ての地点及びステージについてループして実行する。
【0024】
図2に示すデータに基づいて上記の処理を行うと、以下のパーティが自動結成される。プレイヤC及びDをメンバとするパーティ「ドラゴンズ」。プレイヤF、G及びHをメンバのパーティ「スワローズ」。
図6はパーティが自動結成された後のプレイヤデータの例を示す図である。結成されたパーティのメンバであるプレイヤに係る行動制限データには、各プレイヤを選択した根拠の要求プロパティが書き込まれている。
なお、パーティの名称(「ドラゴンズ」及び「スワローズ」)は任意に設定してよい。
【0025】
以上、パーティの自動結成について説明した。プレイヤがゲームをプレイする状況は、以下のようになる。
プレイヤの操作はゲーム進行機能12によって処理され、戦闘、アイテムの入手、地点間の移動等が、プレイヤの操作に基づいて進行している。これにより、プレイヤはゲームを楽しんでいる。
サーバには図示しないタイマが備えられ、所定の時間(例えば1時間おき)にパーティ自動結成機能11が起動される。パーティ自動結成機能11によって結成されたパーティに参加するプレイヤの端末には、パーティ自動結成機能11のステップ45による表示が行われ、プレイヤは自分がパーティに参加することを知る。
プレイヤは、ゲーム進行機能12を用いたチャットによって同一のパーティの他のプレイヤとコミュニケーションをとり、目的の達成に向けてゲームを進行させる。
【0026】
パーティの自動結成の後に、プレイヤCが、盾を販売するための入力をゲーム更新機能12に行ったとする。ゲーム更新機能12は、プレイヤCに係るプレイヤデータ13に「盾」があるのでこの入力を禁止する。具体的には、かかる入力に対して「パーティの他のプレイヤのために盾は所持しておいてください」というメッセージをプレイヤCのゲーム端末装置に表示し、入力に対する処理を行わない。
【0027】
(実施例の拡張)
上記実施例は本発明の1実施形態であり、本発明の技術範囲で、上記実施例と異なる実装が可能である。以下にかかる例を示す。
既結成のパーティについてパーティ自動結成の対象外とせず、そのパーティに追加するプレイヤによって目的達成の可能性が高まる場合にはパーティへの新たなプレイヤの追加を自動で行うようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0028】
パーティを結成するためのコミュニケーションを好まない又は苦手とするプレイヤもMMORPGを楽しむことができ、MMORPGのプレイヤの数の増加につながるので、多くのオンラインゲーム提供会社による活用が期待できる。
【符号の説明】
【0029】
1 MMORPG用サーバ
11 パーティ自動結成機能
12 ゲーム進行機能
13 プレイヤデータ
14 結成条件データ
2 ネットワーク
3 ゲーム端末装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバによって制御されたロールプレイングゲームを行うための2つ以上のゲーム端末装置を同時接続可能であり、
前記ロールプレイングゲームにおいて1つのチームとして活動する2人以上のプレイヤの集合であるパーティについて、該2人以上のプレイヤのうちの1人又は2人以上がゲーム端末装置を操作しない場合にもシステムが自動的にプレイヤを選択してパーティを結成するパーティ自動結成機能をサーバに備えることを特徴とする、多人数同時参加型オンラインロールプレイングゲーム。
【請求項2】
前記パーティ自動結成機能は、同一の地点にいる既結成パーティに参加していないプレイヤを選択することを特徴とする、請求項1に記載の多人数同時参加型オンラインロールプレイングゲーム。
【請求項3】
前記パーティ自動結成機能は、同一の目的を持つプレイヤについて、結成されるパーティがその目的を達成できる可能性が大きくなるような所定の条件を満たすようにプレイヤを選択することを特徴とする、請求項1又は2に記載の多人数同時参加型オンラインロールプレイングゲーム。
【請求項4】
前記パーティ自動結成機能によって結成されたパーティに所属するプレイヤについて、前記所定の条件を満たさないようになる行動を禁止することを特徴とする、請求項3に記載の多人数同時参加型オンラインロールプレイングゲーム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−361(P2012−361A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−140205(P2010−140205)
【出願日】平成22年6月21日(2010.6.21)
【出願人】(510145428)株式会社ミラクルポジティブ (2)
【Fターム(参考)】