説明

多孔構造金属と他の材料を含むゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッド

【課題】クラブヘッド構造の少なくとも一部を形成する多孔構造金属またはその他の材料を含むゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブの製造、および/または使用方法を提供する。
【解決手段】クラブヘッドは、部分的に多孔構造材料100から構成されるクラブヘッド本体部材;本体部材と係合するかクラブヘッド本体部材と一体的に形成されるボール打撃フェース;および/または本体部材と係合するシャフト部材を含む。軽量多孔構造材料の使用によって実現された軽量化により、さらなる重量をクラブヘッド構造内の他の望ましい位置に配置することが可能になる。クラブヘッド構造内の重量を調節および選択的に配置することにより、まっすぐな飛球を提供するように、クラブヘッドの慣性モーメント、重心、および/もしくは安定特性は有利な作用を受け得、かつ/または、得られる飛球は影響を受けるおよび/もしくは特定のゴルファー個人向けにカスタマイズできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連技術
本出願において説明する本発明の局面は、以下の特許文献に記載される本発明の少なくともいくつかの局面に関連し、および/またはこれらとともに使用してもよい。(a)米国特許出願第10/707,599号、2003年12月23日出願(現在の米国特許第2005-0137024A1号、2005年6月23日公開)の「A Golf Club Head Having a Bridge Member and a Weight Positioning System」、(b)米国特許出願第10/666,346号、2003年9月19日出願(現在の米国特許第6,923,732号、2005年8月2日発行)の「Golf Club Head Having a Bridge Member」、(c)米国特許出願第10/934,742号、2004年9月7日出願の「Structure of a Golf Club Head or Other Ball Striking Device」、および/または(d)米国特許出願第11/125,327号、2005年5月10日出願の「Golf Clubs and Golf Club Heads」。これらの上述の特許、公報、出願の各々は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
【0002】
発明の分野
本発明は、ゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッドに関し、そのような構造の製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
ゴルファーがゴルフボールをインパクトする際にクラブヘッドフェースをスクエアにするのを支援することでゴルファーの精度を向上させるために、様々なゴルフクラブヘッドが設計されてきた。多くのゴルフクラブヘッドでは、クラブヘッドの重心の場所を変更し、および/またはクラブヘッドの慣性モーメント(例えば、捩れ抵抗)を増大させるために、ゴルフクラブヘッドの重量を配置する。ゴルフクラブヘッドの重心の場所およびその慣性モーメントは、少なくとも部分的に、ゴルフボールが意図する方向へ飛ばされるか否かを決定する要素となる。接触面上の係合点よりも後ろに重心が位置し、意図するターゲットラインに対してクラブヘッドがスクエアである場合、ゴルフボールはほぼ直線経路を進む。しかし、重心が係合点の片側に寄っていて、および/またはクラブヘッドがインパクトの際にスクエアでない場合、ゴルフボールは左か右に曲がる経路を進むか、あるいは単に左方向か右方向に飛ぶ場合があり、これらは、しばしば「ドロー」、「フェード」、「フック」、「スライス」、「プル」、または「ブロック」と呼ばれる。同様に、クラブヘッドの重心がボールとの係合点より上にまたは下に寄っている場合、ゴルフボールの経路はえぐるような、または上に登るような軌道を描く場合がある。
【0004】
キャビティバックのクラブヘッドなどのゴルフクラブヘッドは、ゴルフクラブヘッド周囲にゴルフクラブヘッドの重量のほとんどを配置することにより、ゴルファーを支援する。一般に、これらのゴルフクラブヘッドはノンキャビティのゴルフクラブヘッドより寛容度が大きい。このことで、ゴルフボールの打撃が若干センターから外れ、またはミスヒットとなっても、相対的に十分な飛距離と精度が得られる。キャビティバックのクラブヘッドは、平均的なゴルファーがミスヒットを減らし、スコアを向上させることを補助する。
【0005】
近年、ゴルフクラブ技術は向上してきたが、当技術分野において、ゴルフクラブ技術がさらに進歩し向上する余地がある。
【発明の概要】
【0006】
発明の概要
本発明は、ゴルフクラブヘッドおよび当該ゴルフクラブヘッドを有するパター、アイアン(すべてのタイプのウェッジを含む)、ハイブリッドタイプのクラブ、フェアウェイウッド、ドライバーなどのゴルフクラブに関する。本発明の少なくともいくつかの例示的局面によるゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッドは、(a)少なくとも部分的に多孔構造金属またはその他の材料から構成されるクラブヘッド本体部材、(b)クラブヘッド本体部材と係合するかクラブヘッド本体部材と一体的に形成されるボール打撃フェース、および/または(c)クラブヘッド本体部材と係合するシャフト部材を含んでもよい。任意で、望ましい場合には、クラブヘッド本体部材を複数部品(multi-piece)の構成にしてもよいし、本発明から逸脱することなく、これら複数の部品のうち任意の一つまたは複数を多孔構造金属またはその他の材料で形成してもよい。本発明の少なくともいくつかの実施例に従って、軽量の多孔構造金属またはその他の材料をクラブヘッド構造の一部として使用することによる軽量化により、例えば、クラブヘッド周囲、クラブヘッド構造の後方および/または底部側、クラブヘッド構造のヒール端側および/トゥ端側など、クラブヘッド構造の他の望ましい場所に追加の重量を配置することが可能となる。いくつかの実施例の構造においては、例えば、特定のゴルファーまたは特定のスイングの特性を有するゴルファーがより効果的に使用できるようにクラブヘッドの加重をカスタマイズするために、重量部材を選択的にクラブヘッド構造の異なる場所に配置し、かつ/または移動することができる。クラブヘッド構造における重量の調節および選択的な配置によって、より制御され、より一定で、かつ/またはよりまっすぐな飛球の提供を支援するために、クラブヘッドの重心、慣性モーメント、および/または安定特性が有利に影響され、かつ/またはその結果として得られる、クラブヘッドに打撃されたときの飛球が影響を受ける。
【0007】
本発明のさらなる局面は、クラブヘッド構造の少なくとも一部を形成する多孔構造金属またはその他の材料を含むゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブの製造、および/または使用方法に関する。このような方法は、一つまたは複数の重量部材をクラブヘッド構造と係合させる工程、クラブヘッド構造に対して重量部材を移動させる工程、および/またはクラブヘッド構造から重量部材を取り外して、異なる重量部材(例えば、異なる質量の重量部材)と交換する工程を含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明は一実施例として説明され、添付の図面に限定されない。添付の図面においては、類似する符番は全体を通して同じ要素を示す。
【図1】本発明の少なくともいくつかの実施例に従う、ゴルフクラブヘッド製造に使用できる多孔構造金属材料の一実施例を示す。
【図2】本発明の少なくともいくつかの実施例に従う、ゴルフクラブヘッド製造に使用できる表面要素を含む多孔構造金属材料の一実施例を示す。
【図3A】本発明のいくつかの実施例に従う、多孔構造金属材料を組み込んだパター構造の一実施例を示す。
【図3B】本発明のいくつかの実施例に従う、多孔構造金属材料を組み込んだパター構造の一実施例を示す。
【図3C】本発明のいくつかの実施例に従う、多孔構造金属材料を組み込んだパター構造の一実施例を示す。
【図3D】本発明のいくつかの実施例に従う、多孔構造金属材料を組み込んだパター構造の一実施例を示す。
【図3E】本発明のいくつかの実施例に従う、多孔構造金属材料を組み込んだパター構造の一実施例を示す。
【図4】図4A〜4Bは、本発明のいくつかの実施例に従う、多孔構造金属材料を組み込んだパター構造の追加の実施例を示す。
【図5】本発明のいくつかの実施例に従う、多孔構造金属材料を組み込んだパター構造の他の実施例を示す。
【図6A】本発明のいくつかの実施例に従う、多孔構造金属材料を組み込んだアイアンタイプゴルフクラブヘッド構造の実施例を示す。
【図6B】本発明のいくつかの実施例に従う、多孔構造金属材料を組み込んだアイアンタイプゴルフクラブヘッド構造の実施例を示す。
【図6C】本発明のいくつかの実施例に従う、多孔構造金属材料を組み込んだアイアンタイプゴルフクラブヘッド構造の実施例を示す。
【図7】本発明のいくつかの実施例に従う、多孔構造金属材料を組み込んだアイアンタイプゴルフクラブヘッド構造の実施例を示す。
【図8】本発明のいくつかの実施例に従う、多孔構造金属材料を組み込んだアイアンタイプゴルフクラブヘッド構造の実施例を示す。
【図9】本発明のいくつかの実施例に従う、多孔構造金属材料を組み込んだアイアンタイプゴルフクラブヘッド構造の実施例を示す。
【図10】本発明のいくつかの実施例に従う、多孔構造金属材料を組み込んだアイアンタイプゴルフクラブヘッド構造の実施例を示す。
【図11】本発明のいくつかの実施例に従う、多孔構造金属材料を組み込んだアイアンタイプゴルフクラブヘッド構造の実施例を示す。
【図12】本発明のいくつかの実施例に従う、多孔構造金属材料を組み込んだウッドタイプゴルフクラブヘッド構造の実施例を示す。
【図13】本発明のいくつかの実施例に従う、多孔構造金属材料を組み込んだウッドタイプゴルフクラブヘッド構造の実施例を示す。
【図14】本発明の少なくともいくつかの実施例に従う、多孔構造金属材料を含むゴルフクラブ構造のフェースプレート部材を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
詳細な説明
以下の説明および添付図面は、本発明のゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッド(例えば、ウッド、アイアン、ハイブリッド、パターなど)の特徴を開示する。
【0010】
I. 本発明の局面の概要
本発明の局面は、ゴルフクラブヘッドおよび当該ゴルフクラブヘッドを含むゴルフクラブに関する。本発明の少なくともいくつかの実施例のゴルフクラブヘッドは、(a)少なくとも部分的に多孔構造材料(例えば、多孔構造金属材料(多孔構造合金、アモルファス金属、または合金材料などを含む「金属発泡体」とも呼ばれる)、半金属材料、セラミック材料、ガラス材料、ポリマー材料(例えば、ポリウレタンなど)、ゴム材料など)から構成されるクラブヘッド本体部材、および、(b)クラブヘッド本体部材と係合するかクラブヘッド本体部材と一体的に形成されたボール打撃フェースを含んでもよい。任意で、望ましい場合には、クラブヘッド本体部材を複数部品の構成にしてもよく、本発明から逸脱することなく、これら複数の部品のうち任意の一つまたは複数を多孔構造金属で形成してもよい。
【0011】
例えば、パター、アイアン(すべてのタイプのウェッジを含む)、ハイブリッドタイプのクラブ、フェアウェイウッド、ドライバーなどを含む、任意の所望のタイプのゴルフクラブヘッドを、多孔構造材料を含んで構成することができる。さらに、クラブヘッド本体全体(例えば、中実本体、本体外殻などを含む)、ボール打撃フェース部材、クラウン部、本体リボン部、ソール部などのクラブヘッド構造の任意の望ましい部分または望ましい量を、本発明から逸脱することなく、多孔構造材料で作製することができる。一部のより詳細な実施例として、望ましい場合にはクラブヘッド本体全体の主要部分(例えば、体積および/または表面積のほとんど)を多孔構造材料として提供することができる。
【0012】
ゴルフクラブヘッド構造の一部として多孔構造材料を使用することは、これらの材料が比較的軽量な性質であるために、少なくともある程度は有利になり得る。クラブヘッド本体部材の少なくとも一部に多孔構造材料(例えば、アモルファス金属および合金などを含む多孔構造材料)を使用することで得られる軽量化により、クラブの設計者、クラブの組立者、ユーザなどがクラブヘッド構造全体の望ましい場所に、重量(例えば、重量部材(任意で、可動の、取り外し可能な、またはカスタマイズ可能な重量部材)および、加重システムなど)を配置することが可能になる。例としては、望ましい場合に、クラブヘッドは、クラブヘッド本体部材の外殻またはエンクロージャ内に少なくとも部分的に収容されるか、クラブヘッド本体部材に取り付けられ、クラブヘッド本体部材に可動的に、および/もしくは取り外し可能に装着されるか、かつ/または、クラブヘッド本体部材内部に少なくとも部分的に装着される、一つまたは複数の重量部材を含んでもよい。望ましい場合には、持続的に、可動的に、および/または取り外し可能に、一つまたは複数の重量部材をクラブヘッド本体部材と係合させるおよび/または取り付けるために、クラブヘッド本体部材内に適切なレセプタクルを形成してもよい。
【0013】
本発明から逸脱することなく、クラブヘッド本体部材上にボール打撃フェースを設ける様々な方法を使用することができる。例えば、望ましい場合には、例えば、溶接、はんだ付け、ろう付け、接着剤、鋳造、鍛造などによってクラブヘッド本体部材の多孔構造材料と係合した金属(または他の材料)フェースプレート部材として、ボール打撃フェースを提供することができる。他の例として、望ましい場合には、例えば、多孔構造材料本体上に均質な金属(または他の材料)フェースを一体的に形成することにより、または、多孔構造材料本体を金属、および/もしくは、エポキシ、多孔構造材料を構成する材料、別の材料、別の多孔構造材料などのポリマー材料で少なくとも部分的に充填し、含浸させ、もしくはコーティングすることなどにより、クラブヘッド本体部材を構成する多孔構造材料の一体部分として、ボール打撃フェースを提供することができる。
【0014】
本発明のさらなる局面は、ゴルフクラブに関する。本発明の少なくともいくつかの実施例によるゴルフクラブは、(a)少なくとも部分的に多孔構造材料(例えば、多孔構造金属材料(多孔構造合金、アモルファス金属、または合金材料などを含む「金属発泡体」材料とも呼ばれる)、多孔構造半金属材料、多孔構造セラミック材料、多孔構造ガラス材料、多孔構造ポリマー材料(例えば、ポリウレタン発泡体)、多孔構造ゴム材料など)から構成されるクラブヘッド本体部材;および、(b)クラブヘッド本体部材と係合するシャフト部材を含んでもよい。シャフト部材は、多孔構造材料と直接係合してもよいし、係合しなくてもよい。クラブヘッド本体部材は、多孔構造材料またはクラブヘッド本体部材構造の他の部分と係合するか一体的に形成されたボール打撃フェースをさらに含んでもよい。さらに、本発明の少なくともいくつかの実施例のゴルフクラブは、シャフト部材と係合したグリップ部材を含んでもよい。本発明の少なくともいくつかの実施例によるゴルフクラブは、任意で、追加の加重システムと共に、例えば、一つまたは複数の持続的な、固定的な、可動の、取り外し可能な、もしくはカスタマイズ可能な、かつ/または選択可能な重量部材と共に、パター、アイアン(すべてのタイプのウェッジを含む)、ハイブリッドタイプのクラブ、フェアウェイウッド、ドライバーなどとして形成することができる。
【0015】
本発明のさらに追加の局面は、例えば上述した様々なタイプのゴルフクラブヘッドを形成する方法に関する。そのような方法は、例えば、(a)少なくとも部分的に多孔構造材料でクラブヘッド本体部材を形成する工程;および(b)クラブヘッド本体部材上にまたはその一部としてボール打撃フェースを設ける工程を含んでもよい。任意で、望ましい場合には、クラブヘッド本体部材を複数部品構成として形成してもよく、かつ、本発明から逸脱することなく、任意の一つまたは複数のこれらの複数部品を多孔構造材料で形成してもよい。より詳細な実施例として、望ましい場合には、個々のフェースプレート部材、ソールプレート部材、クラウン部材、本体リボン部材などを多孔構造材料で構成させてもよく、かつ/または本発明から逸脱することなく、クラブヘッド本体部材の多孔構造材料部分に取り付けてもよい。
【0016】
本発明のまたさらに追加の局面は、ゴルフクラブの形成方法に関する。そのような方法は、例えば、(a)少なくとも部分的に多孔構造材料でクラブヘッド本体部材を形成する工程;および(b)シャフト部材を該クラブヘッド本体部材と係合させる工程(例えば、多孔構造材料と直接的に、多孔構造材料と部分的に、多孔構造材料製でないクラブヘッド材料の一部と、係合させる工程など)を含みうる。ゴルフクラブ構造の作製において、本発明から逸脱することなく、上述のクラブヘッド本体部材、その製造法、ならびに、その加重のための構造および方法に関して、任意の様々なタイプおよび変形を使用してもよい。さらに、本発明のこれらの局面のうち少なくとも一部の実施例による方法は、さらに(c)クラブヘッド本体部材上(例えば、多孔構造材料の少なくとも一部の上、クラブヘッド本体部材の別の部分の上など)にボール打撃フェースを形成する工程、および/または(d)グリップ部材をシャフト部材と係合させる工程をさらに含んでもよい。
【0017】
本発明の局面の概要を上述したが、本発明のゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッド構造の様々な具体的な実施例を、以下でより詳細に説明する。
【実施例】
【0018】
II. 本発明のゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブ構造の実施例の詳細な説明
A. 多孔構造材料
図1は、本発明の少なくともいくつかの実施例によってゴルフクラブヘッドを構成するのに使用されうる一塊の多孔構造材料100(例えば、多孔構造金属(特記しない場合、個々の金属、合金、アモルファス金属、アモルファス合金、および/またはそれらの組み合わせをその範囲に含む)など)の概略図である。当技術分野においては公知のとおり、多孔構造金属材料は、多数の気泡または空隙104(本明細書では「細孔」とも呼ぶ)が形成された金属ベース部材102を含み得る。公知のように、多孔構造材料(「多孔発泡体」とも呼ぶ)は、多孔構造を持たない同じベース金属材料の密度に基づいて、10%、5%、3%またはそれより低い密度を有し、かつ、開口多孔構造(open cellular structure)または閉鎖多孔構造(closed cellular structure)を有しうる。スペクトラムの他方の端部に関して、本発明のいくつかの実施例に従い使用される多孔金属またはその他の材料は、多孔構造または発泡体構造を持たない同じベース金属材料の密度に基づいて、50%、75%、85%、さらには90%またはそれより高い密度を有しうる。言うまでもなく、構造材料、重量、密度が低減され、多孔材料構造内に隙間があるにも関わらず、得られた材料は非常に望ましい物理的特性(例えば、強度、剛性、変形抵抗または変形戻りなど)を維持する。本発明から逸脱することなく、多孔構造材料に任意の望ましい細孔の孔径範囲を使用することができる。また、例えば、クラブヘッドがボールを打撃し、および/またはその他のクラブ構造に意図された方法で使用されるときに、得られるクラブヘッド構造および/またはその一部が十分な強度と他の適切な物理的特性を有するならば、本発明から逸脱することなく、ゴルフクラブヘッド構造を任意の程度または比率の重量密度にすることができる。ゴルフクラブ構造における使用に関する特定の多孔構造金属またはその他の材料の適合性は、ルーチン実験により容易に判断できる。
【0019】
望ましい場合には、本発明から逸脱することなく、多孔構造金属材料を含む多孔構造材料を、追加的にまたは代替的に、ホーゼルエリア、シャフト、グリップなどのゴルフクラブ構造の他の部分に使用してもよい。
【0020】
本発明から逸脱することなく、任意の望ましい種類の金属またはその他の材料をベース部材102として使用してもよいが、適切な金属材料のより詳細な例として、アルミニウム、チタン、ニッケル、銅、亜鉛、炭素、ジルコニウム、タングステン、鉛、モリブデン、および/またはこれらの組み合わせやそれらの合金(ニッケル・アルミニウム合金、白目、真鍮など)が挙げられる。また、本発明から逸脱することなく、以下などの多孔構造材料の販売元により使用されている公知の従来の方法を含む、任意の所望の多孔構造材料を製造する方法を使用することができる:ALM(Applied Lightweight Materials) GmbH(ザールブリュッケン、ドイツ)、Alulight International GmbH(Ranshofen、オーストリア)、Cymat Corporation(ミシサーガ、オンタリオ州、カナダ)、ERG Materials and Aerospace Corporation(オークランド、カリフォルニア州)、Foamtech Co.,Ltd.(ソウル、韓国)、FiberNide Ltd.(オンタリオ州、カナダ)、Gleich GmbH(カルテンキルヘン、ドイツ)、Hutte Klein-Reichenbach Ges.m.b.H(シュヴァルツェナウ、オーストリア)、Inco Ltd.(トロント、オンタリオ州、カナダ)、Korea Metalfoam(チョナン、韓国)、三菱マテリアル株式会社(桶川市、日本)、M-Pore GmbH(ドレスデン、ドイツ)、Porvair Advanced Mateials(ヘンダーソンビル、ノースカロライナ州)、Recemat International B.V.(オランダ)、Reade Advanced Materials(プロビデンス、ロードアイランド州)、Spectra-Mat, Inc.(ワトソンビル、カリフォルニア州)、SAS Solea(ブッソン、フランス)、およびUltramet Corporation(パコイマ、カリフォルニア州)。また、例えば、参照により全体が本明細書に組み入れられる、米国特許第6,932,146号、6,866,084号、6,840,301号、6,706,239号、6,592,787号、5,951,791号、5,700,363号、4,957,543号に、様々な材料およびこれらの材料の製造方法が記載されていることに留意されたい。さらに、従来の機械加工、研削、鍛造、鋳造、成型、およびゴルフクラブ技術分野において公知であり使用されている他の処理技術を含む任意の望ましい様式で、多孔構造材料をゴルフクラブヘッドまたはその他のゴルフクラブ部品(シャフト、ホーゼルなど)で使用される構造に製造してもよい。これは、任意で、多孔形成工程が完了する前、その間、および/または完了した後に行う。
【0021】
本発明の少なくともいくつかの実施例に従い使用できる多孔構造金属材料は、個々の金属、また合金、金属の組み合わせ、金属と他の材料の組み合わせなどを含む。本発明の少なくともいくつかの実施例において、多孔構造材料は、LiquidMetal Teachnologies, Inc.(レークフォレスト、カナダ)製の、および/または同社から入手できるような、アモルファス金属または合金材料を含むことができる。このようなアモルファスの金属材料(金属合金を含む)およびこれらの材料を使用した様々な構成物への形成は、例えば、米国特許第6,446,558号、6,771,490号、6,818,078号、6,843,496号、6,875,293号、6,887,586号およびこれらの中で言及した文献で記載されているように公知である。これらの特許文献の各々は、参照により全体が本明細書に組み入れられる。これらアモルファスの金属材料を、例えば、前述の段落で記載した様々な工程のうち少なくともいくつかの工程による様々な方法で、多孔金属(または発泡体)構造に形成してもよい。
【0022】
図1に概略的に示すように、望ましい場合には、細孔104を3次元構造のベース部材102(例えば、金属合金ベース)全体に形成してもよい。多孔構造材料100がゴルフクラブ構造の少なくとも一部を形成する場合、一つまたは複数の多孔質面(面106など)は露出した状態でもよい。あるいは、望ましい場合には、例えば、多孔構造材料100をゴルフクラブ構造の一部として形成する前、その間、またはその後に、一つまたは複数の多孔質面を覆うか封入することができる。図2は、多孔構造材料200の実施例を示し、ここで、ベース部材102の気泡または細孔104は、例えばベース材料102と同じまたは異なる一つまたは複数の材料の層でコーティングされ、含浸され、充填され、かつ/または積層された材料層202中に封入されるかまたはこれで覆われる。この様式で、材料または得られたクラブ構造の露出面は、開口空隙または細孔を含まなくなり、それによって、クラブ構造に滑らかで一様な表面および/または外観が提供される。また、このタイプの充填された構造は、本明細書において「多孔構造材料複合物」と呼ぶ場合がある。充填層202は、例えば、10オングストロームから4cmもしくはそれより厚い任意の望ましい厚さにしてもよく、またさらに厚さが変化してもよい。充填層202は、(もしあれば)基礎となるベース部材102の形状または輪郭にそのまま合わせてもよいし、または、基礎となるベース部材102のそれから独立した外部であっても、そこから露出した形状であってもよい。また、本発明から逸脱することなく、充填層202自体が多孔質または非多孔質であってもよい。
【0023】
本発明から逸脱することなく、任意の望ましい様式で、かつ多孔構造材料および/またはクラブ製造工程における任意の望ましい時点で、層202を多孔構造ベース部材102上に形成してもよい。さらに、層202は、本発明から逸脱することなく、任意の望ましい材料で作製してもよい。より詳細な実施例として、望ましい場合には、層202を、例えば、多孔構造ベース部材102を構成する金属材料と同じ材料の薄い固体シートとして、多孔構造ベース部材102と共に一体的に形成してもよいし(例えば、層202は多孔構造アルミニウムベース部材102と共に一部品(one piece)構造として一体的に形成された薄いアルミニウム層などであってもよい)、別の金属材料などで形成してもよい。望ましい場合には、溶融金属材料(ベース部材102と同じ材料、または異なる材料)を使用して、外側の細孔104のすべてまたは一部を充填し、および/または滑らかな外表面にしてもよい。さらなる実施例として、望ましい場合には、層202は、接着剤、セメント、溶接、はんだ付け、ろう付け、その他の接着または融合技術などの任意の望ましい様式で、または機械的接合手段によって、ベース部材102と係合する別の部品の材料でありうる。さらに追加の実施例として、望ましい場合には、層202は、例えば、エポキシ、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリスチレンなどのポリマー材料コーティング、ガラスコーティング、セラミックコーティング、ゴムコーティングなどを構成してもよい。これは、金属ベース部材102上をコーティングし(任意で、少なくともいくつかの空隙104をコーティングし、および/または少なくとも部分的に空隙104の少なくとも一部を充填する)、および/または金属ベース部材102上に均質な層を形成する。さらに追加の実施例として、望ましい場合には、金属ベース部材102全体の空隙または細孔104の一部またはすべてを、上述の様々なポリマー材料などのポリマー材料で充填、または少なくとも部分的に充填してもよい(例えば、様々な面において滑らかな仕上がりとなるように、多孔構造材料100の少なくとも一つまたは複数の外表面106におけるまたはその近傍の細孔104を充填または含浸するために、ポリマー材料を使用してもよい)。当然ながら、望ましい場合には、滑らかな外表面(例えば、滑らかなボール打撃外表面)を提供するさらに他の方法を本発明から逸脱することなく使用してもよい。ポリマーまたは金属(または他の)材料による、多孔構造ベース材料102のコーティング、含浸、および/または充填は、本発明から逸脱することなく、多孔構造材料および/またはクラブ製造工程内の任意の望ましい時点(例えば、発泡体にする前、その間、もしくはその後、クラブヘッド製造の前、その間、もしくはその後、またはシャフト形成もしくは取り付けの前、その間、もしくはその後など)で行うことができる。
【0024】
多孔構造材料は、本発明から逸脱することなく、任意の所望の細孔孔径、細孔孔径分布、複数の細孔孔径分布、または容易に認識できない細孔孔径分布を有してもよい。さらに、望ましい場合には、所与のゴルフクラブヘッド構造および/または個々のコンポーネントは、複数の異なる多孔構造材料を含んでもよく、例えば、異なる材料(例えば、異なる金属)製のクラブの異なる部分、異なる密度または細孔孔径分布を有するクラブの異なる部分や、異なる場所の細孔内に異なる充填材料などを含んでもよい(一般に、本明細書において「複数の多孔構造材料」と呼ぶ)。
【0025】
多孔構造材料の上述の説明に照らして、そのような材料を含むゴルフクラブ構造のより詳細な実施例を後述する。
【0026】
B. パター構造の実施例
本発明の局面の一実施例は、多孔構造金属や、例えば、アルミニウム、ニッケル、チタン、またはその他の多孔材料といった他の材料で少なくとも部分的に製造された一つまたは複数の部品を含む、パター構造に関する。クラブ構造用の多孔構造の原材料および/または多孔構造の部品は、例えば、上述のように特定した様々な供給メーカーの一つまたは複数から入手することができる。
【0027】
図3A〜3Eは、本発明の少なくともいくつかの実施例に従って、多孔構造材料(例えば、多孔構造金属材料)から製造できるパター構造300の部品の実施例を示す。図3Aに示すように、第1の構造部材302(本明細書において、「本体部材」とも呼ぶ)は、クラブヘッドを使用するときに、ゴルフボール(または他のボール)に面する第1の面304を含む。図示した実施例の本体部材302は、基本的に第2の面306が第1の面304に対向して位置するような矩形立方体形状である。当然ながら、本発明から逸脱することなく、本体部材302を様々なサイズ、形状、および配向にしてもよいし、かつ/または、他のパターヘッド構造を使用してもよい。
【0028】
本実施例の本体部材構造302の第2の面306は、その面上に画成された開口部308を有する。本実施例の構造の開口部308は、第2の面306から第1の面304まで本体部材302を貫通して延びる。他の実施例において、望ましい場合には、開口部308は本体部材302のクラブヘッド部を貫通して延びる必要はない。例えば、望ましい場合には、開口部308は、面306で始まり、本体部材302のクラブヘッド部を一部貫通して延びるが、第1の面304に達する前で終わってもよい。他の実施例として、望ましい場合には、本発明から逸脱することなく、開口部308を上面310または本体部材302のクラブヘッド部の他の面上に設けてもよいし、任意で、前面304に開口部を設けてもよいし、設けなくてもよい。さらに他の実施例として、望ましい場合には、開口部を有する必要のない構造もある(例えば、図3Bに関連してより詳細に説明するように、なんらかの方法で挿入部材350を本体部材302と一体的に形成してもよく、または取り付けてもよい)。
【0029】
本実施例の構造の本体部材302はさらに、クラブヘッドフェースの背面方向に、かつ第1の面304および第2の面306から離れる方向に延びるベース部材312を含む。ベース部材312は、本発明から逸脱することなく、様々な異なる構造および形状を呈してもよい。図示した実施例において、ベース部材312は、(以下の説明でより明らかになる理由のため)容易に開口部308にアクセスできるように、開口部308に直接隣接する下側の平坦領域314を含む。ベース部材312は、下側の平坦領域314から、本体部材302のクラブヘッド部から後方へかつ上方へ延びる傾斜部316を形成し、したがって、本実施例の構造のベース部312はさらに、ハンドルまたはシャフト装着システム318を提供する。シャフトもしくはハンドルをクラブヘッド本体部材302に装着する任意の適切なまたは望ましい方法を、本発明から逸脱することなく使用することができ、当該方法には当技術分野において公知であり使用されている従来の方式が含まれる。例えば、シャフトをベース部材312上の適切なレセプタクル領域318にねじ込むか貫いてもよく、接着剤、機械的接合手段および/またはその他で固定してもよい。
【0030】
本実施例の構造のベース部材312は、さらに後方に延び、固定領域320を提供する。以下でさらに詳述するように、固定領域320を本実施例の構造に使用して、本体部材302をクラブヘッド構造300全体の他の部分に固定する。
【0031】
本発明から逸脱することなく、適切なまたは望ましい様式で、ベース部材312を本体部材302のクラブヘッド部の一部として含めることができる。例えば、全体の構造302を、例えば、鋳造、鍛造、成型、機械加工などにより形成した一体の一部品構造として提供することができる。他の実施例として、ベース部材312を溶接、はんだ付け、圧入嵌合、挿入、接着、および/または別の方法で、本体部材302のクラブヘッド部に取り付けてもよい。ベース部材312および本体部材302のクラブヘッド部は、本発明から逸脱することなく、当技術分野において公知であり使用されている従来の材料を含む任意の適切な、または望ましい材料で作製してもよい。適切な材料の実施例として、アルミニウム、チタン、ニッケル、スチール、真鍮、白目、炭素繊維、ポリマー、ガラス、セラミック、ゴムなどが挙げられる。また、望ましい場合には、ベース部材312および/またはクラブヘッド部302を、上述の多孔構造金属材料を含む多孔構造材料で構成してもよい。任意で、滑らかな外表面または少なくともボール打撃面にするために、コーティングまたはその他の層を有してもよい。
【0032】
ベース部材312はさらに、本発明から逸脱することなく、本体部材302のクラブヘッド部の任意の望ましい位置または場所に取り付けられてもよく、またはその一部として含まれてもよい。図示した実施例において、ベース部材312は、開口部308より下のクラブヘッドの底の中心から延びる。あるいは望ましい場合には、さらなる実施例として、ベース部材312は、本発明から逸脱することなく、クラブヘッドの上(例えば、開口部308の上)から、上面310から、開口部308の片側もしくは両側に沿った場所から、クラブヘッドの側面および/もしくは底面から、および/または任意の他の所望の場所から延びてもよい。他の実施例として、望ましい場合には、ベース部材312は挿入部350から延びてもよいし、および/またはその一部として含まれてもよい。挿入部350については、図3Bに関連して以下で詳述する。さらに他の実施例においては、望ましい場合には、本体部材構造302全体および/またはパター構造全体はベース部材312を必要としない。
【0033】
特に、本実施例のベース部材312は、様々な場所に画成された開口エリア322を有する、大きく開口したか「トラス状(truss-like)」の構造を有する。これらの開口エリア322は、多孔構造材料由来の本体部材302のすべてまたは一部分の可能な構造と共に、本体部材302の総重量の低減に寄与する。このことにより、強く安定した全体構造を維持しかつ過重構造を避ける一方で、クラブヘッド構造全体の他の任意の場所に追加の重量を配分することができる。さらに、過重なクラブヘッド構造の製造が避けられるように、ベース部材312を含む本体部材302を構成する材料を選択してもよい。クラブヘッド構造全体における重量について、可能な再配分およびそれによるクラブヘッドの慣性モーメント、重心、および/または他の特性における有利な効果について、以下でより詳しく説明する。
【0034】
図3Bは、本発明の少なくともいくつかの実施例に従ったパターヘッドの第2の部品の実施例を示す。この第2の部材350(本明細書において、「挿入部材」とも呼ぶ)は、本体部材302に画成された開口部308において、(例えば、開口部308に圧入嵌合または摩擦嵌合して、開口部308内に接着係合して)受承されるようなサイズでありかつ成形された、挿入部352を含む。本実施例の挿入部材350はさらに、挿入部352から離れる方向に延びる本体部354を含む。挿入部352および本体部354は、一体の一部品構造として提供することができ、または、望ましい場合には、挿入部352は、本体部354とは別に形成され、本発明から逸脱することなく、例えば、溶接、はんだ付け、ろう付け、接着、機械的接合手段、挿入、圧入嵌合などの任意の望ましい様式で、本体部354と係合してもよい。さらに、任意で挿入部352および本体部354を含む挿入部材350は、本発明から逸脱することなく、当技術分野において公知であり使用されている材料を含む任意の適切なまたは望ましい材料で作製してもよい。より詳細な実施例として、挿入部材350の様々な部分は、アルミニウム、チタン、スチール、真鍮、白目、ニッケル、炭素繊維、ポリマー、ガラス、セラミック、ゴムなどの一つまたは複数から構成してもよい。望ましい場合には、本発明の少なくともいくつかの実施例において、挿入部材350の少なくともいくつかの部分(例えば、挿入部352および/または本体部354)または全体を、多孔構造材料(任意で、例えば、上述した充填、コーティング、含浸または積層により滑らかな外表面を提供する多孔構造金属材料などの多孔構造材料)から構成してもよい。
【0035】
挿入部352および/または本体部354を含む挿入部材350は、本発明から逸脱することなく、任意の望ましい形状または外形を有してもよい。本発明の少なくともいくつかの実施例において、本体部354は、開口エリア356(またはより小さな大きさの他の中央エリア)を形成するように構成され成形される。図示した実施例において、本体部354は、ベースサイド358と2つのサイドアーム360および362を含むほぼ三角形であり、開口エリア356は、ベースサイド358と2つのサイドアーム360および362との間に画成される。ここで、本実施例におけるベースサイド358は、挿入部352の前面364に平行な(または略平行な)方向に延びる(また、挿入部材350がベース部材302と接合されるとき、ベース部材302の前面304に平行に(または略平行に)延びる)。当然ながら、本発明から逸脱することなく、任意の望ましいアーム長さ、アーム幅、アーム厚さ、ベースサイド長さ、ベースサイド厚さ、相対アーム角などを挿入部材350に使用してもよい。さらに、本発明から逸脱することなく、図3Bに示すほぼ三角形以外の形状を挿入部材350に使用してもよい。この形状として、例えば、矩形、楕円形、円形、台形などがある。
【0036】
開口エリア356は、挿入部材350の総重量の低減に寄与する。さらに、挿入部材350の重量を低減するために、必要ならば、または望ましい場合には、構造の内部(例えば、アーム360および362またはベースサイド358)に空洞を設けて、開口した構造もしくは「トラス状」構造(例えば、図3Aに示すベース部材312の構造と同様の構造)とし、および/または多孔構造材料で構成してもよい。さらに他の実施例として、挿入部352は、2つの切り抜かれたか空洞にされた領域352aおよび352bを含むものとして図3Bに示される。これら2つの領域は挿入部352を完全に貫通して延びてもよい(望ましい場合には、これらの空洞にされた領域352aおよび352bは挿入部352の一部を貫通して延びてもよい)。当然ながら、これらの切り抜かれたか空洞にされた領域は、本発明から逸脱することなく、サイドアーム360および362に沿って、ならびに/またはベースサイド358に沿って設けられてもよい。さらに、望ましい場合には、挿入部材352を構成する材料は、デバイスの総重量を制御するように(例えば、軽量アルミニウムまたはチタン材料などが)選択されてもよい。
【0037】
これらの切り抜いたか空洞にされた領域352aおよび352b(もしあれば)、ならびに開口エリア356(もしあれば)およびベース部材312の開口構造322、ならびにこれらの要素の少なくともいくつかを構成するのに使用される材料(例えば、アルミニウム、チタン、ニッケル、ポリマー、ガラス、セラミック、ゴムなどから構成される軽量材料)の構造は、クラブヘッドの総重量の低減に寄与する。重量を低減したことで、クラブメーカーや設計者が、クラブヘッドの総重量を過度に増加させることなく、クラブヘッド構造全体における他の選択した場所に追加の重量を加えることが可能になる。重量配分とこのような制御により、クラブヘッド全体のスイング特性を変更および/または制御する(例えば、クラブヘッドの慣性モーメントを増大させるなど)ことが可能になる。本発明から逸脱することなく、クラブヘッド300の重量を再配分および/または加重する任意の望ましい方法を使用してもよい。例えば、挿入部材350は、鉛、タングステン、またはその他の重金属や重い材料を含む加重された挿入物などの加重部材370および372をそれぞれ受承するためのレセプタクル366および368を含んでもよい。望ましい場合には、加重部材370および372は、例えば、除去できる接着剤、ねじ山、ターンバックル、クランプ、クラスプ、位置決めねじ、またはその他の機械的接合手段により、挿入部材350に取り外し可能に装着されることができ、それにより、加重部材370および372は容易にそれぞれのレセプタクル366および368から取り外され、他の加重部材などと交換されることができる。この特徴により、個々のユーザのスイング特性、嗜好などにより適合するように、クラブヘッド全体のスイング特性をカスタマイズすることができる。
【0038】
レセプタクル366および368(ならびに加重された挿入物370および372)を、本発明から逸脱することなく、クラブヘッド構造300全体の任意の所望の場所に設けてもよい。本発明の少なくともいくつかの実施例において、図3Bおよび図3Eに図示するように、レセプタクル366および368を、挿入部材350上に、より具体的には、挿入部材350の本体部354上に、例えば挿入部352から遠い場所におよび/またはボール打撃面の中心から離れた場所に、配置する。図3Bに示す三角形の本体部354を使用して、加重部材のレセプタクル366および368(ならびに加重された挿入物370および372自体)を、三角形の本体部354のコーナー領域に、大体ベースサイド358がサイドアーム360および362それぞれと接する場所に配置してもよい。この構造によれば、加重部材370および372がボール打撃フェースよりも後ろでクラブヘッドのヒールおよびトゥに近い位置に配置されることになり、クラブヘッドの慣性モーメント(例えば、スイング時、および/またはボールとの接触時の捩れ抵抗)を増大させる。
【0039】
図3Cおよび3Dは、図3Aおよび3Bで示した本体部材302および挿入部材350を含むパター構造300の実施例の異なる斜視図である。図3Cで示すように、挿入部材350の挿入部352が本体部材302の裏面306に設けた開口部308に嵌合する。ベース部材312の平坦領域314および傾斜領域316は、挿入部352を開口部308に挿入できる十分な空間を提供する。挿入部材350および本体部材302を、望ましい場合には、本発明から逸脱することなく、以下を含む当技術分野において公知の任意の所望の様式で、挿入部352/開口部308の場所で互いに固定してもよい:溶接、接着剤、機械的接合手段、バネ仕掛けのデテントまたはその他の機械的係合システム、他の接合技術、他の溶融技術など。望ましい場合には、挿入部材350および本体部材302を、本発明から逸脱することなく、(例えば、ボルト、ナット、ねじ、位置決めねじ、クランプ、クラスプ、またはその他の機械的接合手段によって)取り外し可能な方法で互いに固定してもよく、それにより、例えば、ユーザ、クラブの修理者、クラブの組立者などが、クラブのスイング特性を変化させたり、ユーザの嗜好に合わせてクラブヘッド300をカスタマイズしたり、プレイ条件(例えば、速いグリーン対遅いグリーン、ウェット条件対ドライ条件など)に基づいてクラブヘッド300を変更したりするために、パター構造300全体の異なる部品を交換することができる。他の実施例として、挿入部材350および本体部材302を、挿入部352/開口部308で互いに圧入嵌合してもよいし(例えば、互いにしっかりと嵌合するようにサイズを合わせ、成形される)、および/または挿入部352を開口部308に持続的に固定することなく、機械的取り付け手段を使用して部品を互いに留めてもよい。図3Cおよび3Dはさらに、シャフト装着領域318でベース部材312に装着したシャフトまたはハンドル380を示す。望ましい場合には、シャフトまたはハンドル380は、少なくとも部分的に多孔構造材料で作製してもよい。
【0040】
本発明の少なくともいくつかの実施例の構造のさらなる特徴を、図3Cおよび3Dに示す。これらの図に示すように、本体部材302および挿入部材350を、ベース部材312が挿入部材350の本体部354と接する場所で互いに固定してもよい。本発明から逸脱することなく、これらの部材302および350を互いに固定する任意の様式を使用してもよいが、図示した実施例においては、一つまたは複数のボルト、ねじ、リベット、またはその他の接合手段382が、本体部材302の固定領域320、および挿入部材350の固定領域374を貫通する(図3Aおよび3Bも参照)。代替として(または追加的に)、望ましい場合には、本体部材302のベース部材312を固定領域320で、接着剤、溶接、はんだ付け、位置決めねじ、クランプ、クラスプ、バネ仕掛けのデテント機構、他の機械的接合、および/または、本発明から逸脱することなく、当技術分野において公知であり使用されている従来の様式を含む任意の望ましい様式で、挿入部材350の本体部354に固定してもよい。
【0041】
さらに図3Dに示すように、本実施例の構造の開口部308は、本体部材302を完全に貫通して延び、本体部材302の前面304で終わる。したがって、挿入部材350は本実施例の構造の開口部308に挿入され、挿入部材350の前面364は本体部材302の前面304を通して露出する。図示した実施例において、本体部材302の前面304、挿入部材350の前面364はそれぞれ、最終的なクラブヘッド構造300において互いに面一または略面一であり、これらの前面304および364が共に、本実施例のパター構造300のボール打撃面を形成する。
【0042】
図3Eは、図3A〜3Dのクラブヘッド構造300の俯瞰図である。この図の挿入部材350の様々な「隠れた」形は破線で示し、これにより本発明の本実施例のクラブヘッド構造300のより完全な全体像を提供する。
【0043】
上で概説したように、(挿入部材350、ベース部材302、および/またはシャフト部材380の少なくとも一部の多孔構造材料などの)軽量材料を組み合わせて使用すること、および/またはクラブヘッド構造に開口エリア(例えば、エリア322、352a、352b、356など)を設けることにより、クラブヘッド構造300の質量が低減され、クラブの設計者または製造業者が設計において、(持続的ウェイト、取り外し可能な加重部材370および372などを使用して)他の場所にその質量を配置することが可能になり、これによって、クラブのスイング特性を変更および/または制御することが可能になる。図3A〜3Eに示した実施例において、その質量の多くをクラブヘッド300の外側領域で、ボール打撃フェースよりも後ろでクラブヘッドのヒールやトゥに近い位置(例えば、アーム360および362とベース部材358とがなす三角形の挿入部材の本体部354の外側コーナーまたは外側周囲)に再配分する。例えば図3A〜3Eに示すタイプの、クラブヘッドの追加の重量を用いて、クラブヘッド全体の設計(すなわち、本体部材302、挿入部材350および任意の加重された挿入物の組み合わせ)を、ボール打撃フェース304および364の中心の回りの慣性モーメントが例えば10,000g/cm2と高くなるように、構成および加重してもよい。慣性モーメントは、例えば、スイング時および/または打つ対象物(例えば、ゴルフボール)との接触時のクラブヘッドの捩れ抵抗の指標となる。スイング時または接触時の捩れたまたは捩れているクラブヘッドは、好ましくないスピンでボールのラインを外したり、かつ/またはクラブのボールとの好ましい接触場所を外れ、その結果、例えば距離の損失または見当違いのヒットを招いたりする傾向がある。したがって、本発明の少なくともいくつかの実施例のクラブヘッド構造に伴う高い慣性モーメントは、クラブヘッドの捩れ、および/またはミスヒットを防ぐのに寄与できる。
【0044】
当然ながら、パター構造の様々な部品の設計には、本発明から逸脱することなく、多くの変形が可能である。例えば、望ましい場合には、挿入部材350のベースサイド358とベース部材312との間は接合しなくてもよく、したがって、ベース部材312はベースサイド358まで延びる必要はない。また、望ましい場合には、本発明から逸脱することなく、開口エリア322、352a、352b、および/または356を省略しても、覆っても、および/またはより大きくしても、より小さくしてもよい。
【0045】
図4Aおよび4Bは、本発明のパター構造400の他の実施例の斜視図である。本実施例において、本体部材402には、ボール打撃部404と、ボール打撃部404から離れる方向に(およびクラブ構造400の背面方向へ)延びるベース部材406とが設けられる。開口部408はボール打撃部404の後面410に画成されるが、この開口部408は背面410から、使用時にボールに面する前面412まで貫通して延びる。当然ながら、望ましい場合には、開口部408は背面410で始まり、本体部材402のボール打撃部404を一部貫通して延び、前面412に達する前で終了することもできる。他の実施例として、望ましい場合には、本発明から逸脱することなく、開口部408をボール打撃部404の他の面に設けてもよいし、全く設けなくてもよい。また、望ましい場合には、ボール打撃部404は任意の所望の形状を呈してもよい(本発明のすべての実施例におけるほぼ矩形立方体形状に限定しない)。
【0046】
本実施例の構造400のベース部材406は平坦部414および傾斜部416を含み、これにより、以下でより詳述するように、挿入部材450を開口部408に挿入するための空間を可能にする。シャフトまたはハンドルのレセプタクル418を、ずらされた状態でベース部材406の傾斜部416に沿って設ける。当然ながら、このシャフトもしくはハンドルレセプタクル418、またはその他のシャフト装着手段を、本発明から逸脱することなく、任意の所望の場所に、または任意の望ましい配向で設けてもよい。追加的にまたは代替的に、本発明から逸脱することなく、シャフトまたはハンドルを構造400に装着する際、構造400の任意の望ましい場所(挿入部材450上または本体部材402上と挿入部材450上との両方を含む)に装着してもよい。
【0047】
挿入部材450は、挿入部452および本体部454を含む。挿入部452は本体部材402の開口部408に挿入され、本体部454はボール打撃部404から後方に離れる方向に延びる。本実施例において、本体部材402は、(例えば、接着剤、溶接、位置決めねじ、ボルト、クランプ、クラスプ、他の機械的接合、強力な摩擦嵌合、圧入嵌合などを使用して)、挿入部452/開口部408の接合部分で挿入部材450に取り付けられるが、本体部材402のベース部材406は、挿入部材450の本体部454に取り付けられない。任意で、本体部材402および挿入部材450を互いに取り外し可能に取り付けてもよく、それにより、例えば、本体部材402および挿入部材450を交換することにより、修理や、クラブヘッド400全体のスイング特性を変更することなどができる。この特徴により、ユーザまたはクラブの組立者が、本体部材402および/または挿入部材450を交換することにより自由にクラブをカスタマイズして、例えば、ユーザのスイング特性または嗜好に合わせたり、プレイ条件(例えば、速いグリーン対遅いグリーン、ウェット条件対ドライ条件など)に合わせたりすることなどが可能になる。
【0048】
図示した実施例において、挿入部材450の本体部454は、2つのサイドアーム456および458とベースサイド460とを有するほぼ三角形である。本体部454は、本実施例においては本体部に画成した開口エリア462として具現化されている重量を低減したエリアを有する。また、望ましい場合には、さらにクラブヘッド構造400全体の主要本体部の重量を低減するために、挿入部材450(および/または本体部材402)のすべてまたは少なくともその一部を多孔構造材料(例えば、多孔構造金属、半金属、アモルファス金属、ポリマー、ゴム、セラミックなど)で構成してもよい。追加の、加重されたエリア464および466を、三角形のベース構造のコーナー領域(すなわち、ベースサイド460が2つのサイドアーム456および458と接する場所)に設けてもよく、これにより(例えば、多孔構造材料および/または開口エリア462の構造の使用により節約された)重量を、クラブヘッド構造400よりも後ろの領域、ヒール領域、およびトゥ領域へ再配分することができる。本実施例の構造400においては、選択的に、(図3Bおよび3Eに示すような)取り外し可能な加重部材を設けるのではなく、開口エリア462を三角形構造のコーナーの最後まで延ばさないことにより加重されたエリア464および466を提供する(例えば、本体部454の少なくとも一部の金属、多孔構造材料、ポリマー、または他の構成材料をボール打撃部404から遠い本体部のエリアに残し、任意で、これらのエリア464および466を、鉛またはタングステン材料などのより高密度か加重された材料製とし、かつ/またはこれらの材料を含むように構成する)。望ましい場合には、本発明から逸脱することなく、任意で選択的に取り外し可能な方法で、追加の重量を加重されたエリア464および466に嵌合させ、受承させてもよい。もしあれば、追加の重量は、本発明から逸脱することなく、金属または加重された挿入物(例えば、鉛、タングステンなど)、加重された接着物(例えば鉛テープ)の形態、または任意の他の形態でありうる。
【0049】
図4Aに示すように、挿入部材450の前面468は開口部408を通して露出し、パター構造400のボール打撃面の少なくとも一部を形成する。図示した実施例において、挿入部材450の前面468および本体部材402の前面412は面一(または略面一)に示されている(かつ共にパター構造400のボール打撃フェース全体を形成する)が、望ましい場合には、これらの面は面一にする必要がない。例えば、望ましい場合には、挿入部材450の前面468は、(例えば、前面468のみでパター構造400のボール打撃フェースを形成するように)開口部408から外へ、かつ本体部材402の前面412の前に延びてもよい。開口部408(もしあれば)を通して露出した前面468には、本発明から逸脱することなく、様々なサイズおよび/または形状を使用することができる。
【0050】
本実施例のパター構造400は、さらなる特徴を含む。例えば、図示するように、ベースサイド460は湾曲し、刻印エリア470を提供する。これらの特徴により、クラブヘッド400に興味深い美観設計が提供される。望ましい場合には、クラブメーカー、製造業者、または他の者が刻印エリア470に、ロゴ、モデル名、モデル番号、所有者の名前、および/または他の印もしくはデータを付与してもよい。
【0051】
また、図4Aおよび4Bのパター構造400は、本体部材402のベース部材406がボール打撃ヘッド404の底部エリアではなく上部エリアから延びるという点で、図3A〜3Eに示す実施例とは異なる。こうして、ベース部材406の平坦エリア414は、ボール打撃面412から離れる方向に延び、挿入部材450はベース部材406の下に嵌合する。この構造400にはさらに、図3A〜3Eに関連して上述した構造とは異なる方向に延びる傾斜部416およびハンドル装着具418が設けられる。当然ながら、ベース部材406を、本発明から逸脱することなく、開口部408の下の、開口部408の側面に沿った、および/またはその他の場所を含む、他の場所に設けてもよい。本発明から逸脱することなく、多数の他の構造上の変形などが可能である。また、望ましい場合には、本発明から逸脱することなく、パターヘッド構造400全体を一部品構造として形成してもよい。
【0052】
図5は、本発明のいくつかの例示的局面のパター構造500の他の実施例を示す。本実施例の構造において、パターヘッド500は、ボール打撃前面502およびボール打撃面502から離れる方向に延びる本体部材504を含む。この概略設計によるパターヘッドの、ボール打撃面502の中心の回りの慣性モーメントは、少なくとも20,000g/cm2であり、少なくともいくつかの実施例においては、慣性モーメントは少なくとも25,000 g/cm2であり、さらにいくつかの実施例においては、28,000 g/cm2である。
【0053】
上述した様々な実施例にあるように、ゴルフヘッド500全体またはその一部を構成する材料は、上述の望ましい慣性モーメントを得ることを補助する。例えば、本体部504全体または少なくともその一部を、軽量ポリマー材料(例えば、ポリアミドまたはナイロン材料、ポリマー多孔構造材料など)、軽量金属材料(例えば、多孔構造のアルミニウム、チタン、および/またはニッケル材料)などの軽量材料で作製してもよい。少なくともいくつかの実施例において、クラブヘッド(例えば、ボール打撃面502を含むクラブヘッドの部分)の本体部504およびボール打撃部506を、例えば、上述したように多孔構造材料で、一体の一部品構造として一体的に形成してもよい。しかし、望ましい場合には、図3A〜4Bに関連してより詳細に上述したように、ボール打撃部506にある一つまたは複数の開口部に嵌合する挿入物として本体部504を設計してもよい。さらに別の選択肢として、本発明から逸脱することなく、(例えば、接着剤、機械的接合、溶接などを使用して)任意の望ましい様式で、本体部504を別個のボール打撃部506に取り付けてもよい。望ましい場合には、ボール打撃部506を、本発明から逸脱することなく、本体部504とは異なる材料で(例えば、それぞれ異なる多孔構造材料などで)作製してもよい。
【0054】
ボール打撃前面502は、本発明から逸脱することなく、様々な形状を呈してもよい。例えばボール打撃面502を、単純にボール打撃部506の最前面として一体的に形成してもよい。他の代替実施例として、望ましい場合には、ボール打撃面502を、例えば接着剤、ねじ、機械的接合、コーティング技術などを使用して、ボール打撃部506の前面に取り付けられたか形成された金属プレート、ポリマーコーティング、またはその他の材料として提供することができる。さらに別の選択肢として、本発明から逸脱することなく、ボール打撃面502および/またはボール打撃部506を、本体部504のその他の部分と一体の一部品構造として一体的に形成してもよい。また別の選択肢として、ボール打撃面502の少なくとも一部を、本体部504(または他の構造部材)に取り付けられたかその一部として形成された挿入部として設けてもよい。この挿入部は、図3A〜4Bに関連して概説したように、ボール打撃部506に画成された開口部に挿入される。本発明から逸脱することなく、ボール打撃面502を設ける他の方法を利用してもよい。
【0055】
クラブヘッド500の構造のさらなる特徴は、上述の好ましい慣性モーメント特性の発生を補助し得る。例えば本体部504を、ボール打撃面502の後ろ側およびその外側に延びるように設計してもよい。例えば、本体部材504のサイドアーム508および510はボール打撃部506の後方およびその外側に延びてもよい。本体部材504はさらに、ボール打撃面502に平行に(または略平行に)、ボール打撃部506の後ろ側に延びるベース部材512を含んでもよい。したがって、クラブヘッド構造500全体は、(例えば、アーム508および510がボール打撃部506と接する場所次第で)ほぼ台形または三角形の形状にされてもよく、任意でその中心に開口エリア514を画成してもよい。(図5の頁内およびそれ以外も)アーム508および510をボール打撃部506より短く示しており、ベース部材512はより薄い部分516を有する。このように低減されたサイズならびに開口エリア514により、本体部材504の総重量を低減することができる(かつ以下で詳述するように、任意で、その低減された重量をクラブヘッド構造500の他の場所における再配分に利用できる)。望ましい場合には、さらにそれらの重量を低減するために(かつさらに該重量を他の場所での再配分のために利用可能にするために)アーム508および510ならびに/もしくはベース部材512に空洞を設け、かつ/または「トラス状」に製造し、かつ/または少なくとも部分的に多孔構造材料で形成する。
【0056】
本発明の少なくともいくつかの実施例において、例えば、クラブヘッド500を、現在のUSGA(全米ゴルフ協会)の規定およびガイドラインにより許可されている上限の、または上限近くの、相対的に大きなサイズにしてもよい。現在は、USGAガイドラインはパターヘッドの設計を以下のように制限している。(a)最大全幅(例えば、図5における寸法「A」)は7インチ(A≦7インチ);(b)最大全奥行き(例えば、図5における寸法「C」)は寸法「A」より小さい(A>C);(c)最小フェース幅(例えば、図5における寸法「B」)は寸法「C」の少なくとも2/3、かつ寸法「A」の少なくとも1/2(B≧2/3・CかつB≧1/2・A);および(d)最大全高(例えば、図5の頁内およびそれ以外も)は2.5インチ。
【0057】
図示した実施例において、本体部材504は、ボール打撃面502の後ろでかつ少なくとも部分的にこの面502の外側に(例えば、クラブヘッドのヒールおよびトゥに近い位置に)配置された、一対の加重部材のレセプタクル518および520を含む。より詳細には、加重部材のレセプタクル518および520の少なくとも一部を、ボール打撃面502と垂直に向きボール打撃面502の各端部502aおよび502bに配置される平面(図5の平面P1およびP2を参照)の外側に配置する。望ましい場合には、少なくともいくつかの実施例において、本発明から逸脱することなく、加重部材のレセプタクル518および520全体をこれらの面の外側に配置してもよい。加重部材522および524(例えば、鉛、タングステン、またはその他の重い材料の挿入物)をそれぞれレセプタクル518および520内に設け、クラブヘッド構造500よりも後ろおよびほぼその外周に、またはそのヒール部およびトゥ部にさらなる加重をしてもよい。こうして、加重部材522および524の少なくとも一部(またはすべて)も、上述の平面P1およびP2の外側に配置される。
【0058】
図5に示す本実施例の構造500はさらに、ボール打撃面502から離れる方向で、クラブヘッド構造500の後ろの方向へ延びるベース部526を含む。このベース部526はボール打撃面502のまさに中心に設けられてもよく、それにより、パターヘッド構造500の(例えば、クラブヘッドの望ましいボールとの接触場所を特定する)位置合わせ補助の機能を果たすことができる。ベース部526は、本発明から逸脱することなく、任意の所望の様式で、ボール打撃部506および/または本体部504から延び、および/またはこれらの部分に取り付けることができる。例えば、ベース部526を、例えば、接着剤、溶接、はんだ付け、機械的接合手段などによって、本体部504、ボール打撃面502、および/またはボール打撃部506のうちの一つまたは複数に取り付けてもよい。他の実施例として、本発明から逸脱することなく、ベース部526を、本体部504、ボール打撃面502、および/またはボール打撃部506との一体の一部品構造として、任意で、これらの要素のうちの一つまたは複数と同じ材料で作製してもよい。望ましい場合には、ベース部526を少なくとも部分的に多孔構造材料で形成してもよい。
【0059】
クラブヘッド構造500はさらに、例えば、当技術分野において公知であり使用されている従来の方法を含む任意の所望の様式で、シャフト530を装着するシャフト装着部材528(例えば、ホーゼル部材)を含んでもよい。当技術分野において公知であり使用されているように、従来の設計で、従来の材料から構成されるシャフト530を含む任意の所望のタイプのシャフト530を、本発明から逸脱することなく使用してもよい。あるいは、望ましい場合には、シャフト装着部材528およびシャフト530のいずれかまたは両方を多孔構造材料で作製してもよい。
【0060】
C. アイアンタイプゴルフクラブ構造の実施例
多孔構造材料の軽量化の特性を利用することができるゴルフクラブのタイプはパターのみではない。例えば、アイアンタイプのゴルフクラブ構造においてもこれらの軽量材料を使用することができる。図6A〜6Cを参照して、本発明の少なくともいくつかの実施例のゴルフクラブ600を説明する。本実施例のゴルフクラブ600は、シャフト602およびゴルフクラブヘッド604を含む。図6A〜6Cのゴルフクラブヘッド604は、任意のアイアンまたはハイブリッドタイプのゴルフクラブヘッドの代表実施例となり得る。ゴルフクラブ600のシャフト602は、公知スチール、チタン、グラファイトの1つもしくは複数、または複合材料、およびこれらの組み合わせなど、当技術分野において公知であり使用されている材料を含む様々な材料で作製してもよい。他の実施例として、望ましい場合には、シャフト602を少なくとも部分的に多孔構造材料で作製してもよい。さらに、当技術分野において公知であり使用されている従来の方法を含む任意の所望の様式で(例えば、ホーゼル要素612(ホーゼル要素自体を多孔構造材料で作製してもよい)において接着剤もしくはセメントによって、または、ねじ山、その他の機械的接合手段などによって)、シャフト602をクラブヘッド604に取り付けてもよい。グリップ要素(図示せず)をシャフト602上に位置決めして、ゴルファーがゴルフクラブシャフト602を握るための滑り抵抗面を提供してもよい。当技術分野において公知であり使用されている従来の方法を含む任意の所望の様式で(例えば、接着剤またはセメント、機械的接合手段などによって)、グリップ要素をシャフト602に取り付けてもよい。
【0061】
図6Aに示すように、ゴルフクラブヘッド604は、ヒール部608とトゥ部610とを含む本体部材606を含む。図6Aのシャフト602をゴルフクラブヘッド604に接合するために、ヒール部608は(例えば、単一のまたは一体的な一部品構造として)ホーゼル612に取り付けられ、および/またはホーゼル612から延びる。本体部材606は上面部614およびソール部616をさらに含む。打撃フェース618を上面部614とソール部616との間、およびトゥ610とヒール608との間に設けてもよい。打撃フェース618はゴルフボールと係合し、意図した方向に飛ばす接触エリアを提供する。打撃フェース618は、ボール打撃時に打撃フェース618から水や芝生を取り除くための溝620(例えば、図示した実施例では、フェース618全体に延びるほぼ水平な溝620)を含んでもよい。当然ながら、本発明から逸脱することなく、任意の数の溝および望ましい溝パターン(または望ましい場合には溝のないパターンであってもよい)を設けてもよい。
【0062】
ゴルフクラブヘッド604の本体部材606は、スチール、チタン、アルミニウム、ニッケル、タングステン、グラファイト、ポリマー、もしくは複合材料、またはそれらの組み合わせなどの当技術分野において公知であり使用されている材料を含む、多種多様な材料で構成することができる。有利には、クラブヘッド構造の少なくとも一部(例えば、主本体部)を多孔構造材料で形成する。また、クラブヘッド604は、任意の数の独立した部品から、および/または、例えば、鋳造、鍛造、および/または当技術分野において公知であり使用されている他の方法を含む構成技術により作製されうる。
【0063】
図6Bは、本発明の少なくともいくつかの実施例のゴルフクラブヘッド604の背面図である。本実施例のゴルフクラブヘッド604は、打撃フェース618の反対側に位置するリアフェース624を含む。リアフェース624には、比較的大きな開口部を有する第1のリアキャビティ626が形成または画成される。ブリッジ部材628は第1のリアキャビティ626全体に延び、このブリッジ部材628はクラブヘッド604のヒール部608をトゥ部610に接合してもよい。米国特許第6,450,897号(2002年9月17日、John T. Stites,et al.)に示されるように、本発明から逸脱することなく、ブリッジ部材628はさらに第1のリアキャビティ626をわたって他の方向に延び、ゴルフクラブヘッド構造の様々な他の場所で接合してもよい。この特許は参照により全体が本明細書に組み入れられる。ブリッジ部材628を、矩形、長円形、三角形、台形、四角形、またはその他の対照もしくは非対称の形などの任意の望ましい形状として提供することができる。ブリッジ部材628を、全長にわたり、均一もしくは非均一な幅または厚さにしてもよい。
【0064】
ブリッジ部材628を、機械的接合手段(例えば、リベットまたはねじ630)、溶融技術(溶接、はんだ付け、ろう付けなど)、接着技術(例えば、接着剤またはセメントなど)などの使用を含む任意の所望の様式で、クラブヘッド604のトゥ部610および/またはヒール部608(または他の部分)に接合してもよい。当業者は、本発明から逸脱することなく、図6Bに示すものより少ないもしくはさらなる接合ポイントもしくは要素を使用して、ならびに/または、多数の他の接合手段および/もしくは技術によって、ブリッジ部材628をトゥ部610および/またはヒール部608に接合してもよいことを理解するであろう。さらに追加の実施例として、望ましい場合には、ブリッジ部材628をゴルフクラブヘッド604との単一鋳造物および/または単一の一体要素として形成することができ、それにより、ブリッジ部材628をゴルフクラブヘッド604との一部品構造とすることができる。
【0065】
本発明のこの図示した実施例のゴルフクラブヘッド構造604において、図6Bに示すように、第2のリアキャビティ632をブリッジ部材628より下に設ける。図6Cを参照すると、ゴルフクラブヘッド604の横断面図が示されている。図示するように、この構造では、クラブヘッド604の主本体部640は、例えば発泡アルミニウム、発泡チタン、発泡ニッケルなどから構成される多孔構造材料で形成される。フェースプレート642を多孔構造材料640上に形成しかつ/または多孔構造材料640に被せて、ボールを打撃する硬く均一な面にする。フェースプレート642を、以下の任意の所望の様式で、主本体部640と一体にしてもよい:例えば、一部品構造として製造;主本体部640に溶接、ろう付け、またははんだ付け;主本体部640にセメントもしくは接着剤などで接着;コーティングもしくは充填(例えば、溶融金属もしくはポリマーコーティングもしくは充填として)など。また、フェースプレート642を、主本体部640の材料と同一の材料で作製しても異なる材料で作製してもよい。
【0066】
図6Cに示した実施例の構成は、クラブヘッド604のソール部616からブリッジ部材628へ延びるオプションの壁634を示す。壁634は、第2のリアキャビティ632を少なくとも部分的に形成し、または画成するが、これはクラブヘッド構造604においてブリッジ部材628の下に位置する開口部を含む。壁634は、(第2のキャビティ632方向に向けて外側に面する)前面、(第1のキャビティ626方向に向けて内側に面する)裏面、上面および底面を含むように形成されてもよい。望ましい場合には、壁634の裏面とゴルフクラブヘッド604のリアフェース624との間に空間を設けてもよい。さらに、望ましい場合には、例えば音、振動応答、スイングの感覚、および/またはクラブヘッド606の他の感覚特性を変えるために、加重部材、プラスティック部材、液体を充填したブラダー、加圧ブラダーなどの追加の要素を、ブリッジ部材628および/または壁部材634とクラブヘッドのリア壁624との間のキャビティ626に設けてもよい。
【0067】
例えば、ブリッジ部材628に追加の支持および剛性を持たせるために、存在する場合には壁634をクラブヘッド604および/またはブリッジ部材628と一体的に形成してもよい。壁634は、例えば、ブリッジ部材628の形状、クラブヘッド604の形状、所望の美観などに基づいて、直線状、曲線状、または、その他の形状にしてもよい。クラブヘッド604と同様に、壁634および/またはブリッジ部材628を、ステンレス鋼、チタン、グラファイト、プラスティック、ポリマー材料、複合材料、これらの組み合わせ、および/またはゴルフクラブヘッド製造において従来から使用される他の材料などの、多種多様な材料で作製してもよい。さらに、クラブヘッド604、壁634、およびブリッジ部材628を、本発明から逸脱することなく、同一または異なる材料で作製してもよい。もしあれば、壁634により得られるブリッジ部材628に対する追加の支持や剛性は、ゴルフボールとの接触時のブリッジ部材628の変形を防ぐか低減するのに寄与することができる。さらに、望ましい場合には、壁634は、打撃フェース618のゴルフボールとのインパクト時に、少なくともある程度の振動減衰効果を与えることができる。さらに、壁634をクラブヘッド604の加重部材として使用してもよい。
【0068】
もしあれば、壁634は、本発明から逸脱することなく、任意の望ましい様式で、クラブヘッド構造604に(例えば、ブリッジ部材628に、および/またはクラブヘッド604の他の部分に)固定されうる。いくつかのより詳細な実施例として、壁634の前面および/または底面を、接着剤またはセメントを使用して、ブリッジ部材628および/またはソール部616にそれぞれ固定してもよい。任意で、望ましい場合には、壁634をブリッジ部材628および/またはソール部616の表面に設けられた溝または凹部に嵌合させてもよい。当業者は、本発明から逸脱することなく、壁634をブリッジ部材628およびソール部616に(または、クラブヘッド構造604の他の部分に)取り付けるための多数の他の方法があることを理解するだろう。多数の他の取り付け方法は、本発明の範囲内に含まれることが意図されている。
【0069】
ゴルフのゲーム中、各個人は、クラブヘッド604がほぼ弓形の経路を通ってゴルフボールにインパクトするように、ゴルフクラブ600を持ってスイングする。次に、ゴルフクラブ600の慣性の一部、特にゴルフクラブヘッド604の慣性の一部がゴルフボールに移って、ゴルフボールを飛ばす。ボール打撃時のクラブヘッド604の重心の位置は、例えば、ボールが右に曲がるか、左に曲がるか、またはほぼ直線経路をたどるかといった、ボールの飛びおよび曲がる程度に影響を及ぼす。クラブヘッドの重心をボールの打撃フェース618との係合点のすぐ後ろに配置すると、ゴルフボールはほぼ直線の経路をたどることになる。しかし、クラブヘッド604の重心がボールとの係合点の片側に寄った場合、ゴルフボールは左またが右に曲がる経路をたどり得る。また、ボールとの接触時のゴルフクラブヘッド604の重心の位置は、重心が打撃フェース618上のボールとの係合点より上または下のいずれに寄っているかに基づいて、低く、えぐるような軌道を示すか、または高く、登るような軌道を示すかに影響する。
【0070】
ゴルフクラブ600を使用してゴルフボールを意図する標的の方向に飛ばすことの裏にある概念は比較的単純に見えるが、実際にゴルフボールを意図したように飛ばすのはかなり難しい場合がある。例えば、実際に個人がゴルフボールをほぼ直線経路に沿って飛ばそうとする場合に、ゴルフボールが常に右に曲がってしまう場合がある。多くの従来のゴルフクラブヘッドは、重心を打撃フェース上に配置している。しかし、様々なゴルフクラブに対してゴルフクラブヘッド604の重心を変えることにより、多くのゴルファーが、ゴルフボールとのインパクト時にクラブヘッドフェース618をスクエアにするかボールを意図した経路により沿うように飛ばすのを支援することができる。ゴルフクラブヘッド604またはゴルフクラブ構造の他の部分(ホーゼル612またはシャフト602など)の少なくとも一部に多孔構造材料を使用することで、クラブの設計者や製造業者が選択的にウェイトを配置して、様々な位置に重心を移動させることが可能になり、それにより、飛球により良い影響を与えるクラブ設計を支援することができる。例えば、クラブヘッド604の重心を打撃フェース618から離して、かつゴルフクラブヘッド604より後ろに配置することで、多くのゴルファーのプレイ特性、スタイル、および嗜好により適合させ得る。このように、ゴルファーはゴルフクラブヘッド604の重心を打撃フェース618に関して再配置するように本発明のゴルフクラブヘッド604を使用することで、他のゴルフクラブヘッドと比べてゴルフボールの経路を修正または変更することができる。
【0071】
本明細書において「質量中心」とも呼ばれるゴルフクラブヘッド604の重心は、均衡点として定義される。より詳細には、ゴルフクラブヘッド604の重心は、ゴルフクラブヘッド604の総重量がその一点に集中していると見なすことができる点であり、その点で支持されれば、クラブヘッド604はいずれの位置においても静的均衡状態にあり続ける。ゴルフクラブヘッド604の重心の場所は、例えば、本体604の主要部分640を軽量多孔構造材料で製造し、追加の重量を打撃フェース618から離して配置することで、ゴルフクラブヘッド604の重量の配分を変更することにより変化させることができる。本発明の少なくともいくつかの実施例(例えば、図6A〜6Cに示した実施例)のゴルフクラブヘッド604の重量配分の変更は、(図7〜11に関連してより詳細に説明するように)、少なくとも部分的に、加重されたブリッジ部材628、加重された壁634、および任意で別個の重量要素を用いて行ってもよい。
【0072】
より詳細な実施例として、ブリッジ部材628を使用して、例えば打撃フェース618に比べて、ゴルフクラブヘッド604の裏面の重量を増加させてもよい。このようにゴルフクラブヘッド604の後方に向けて重量を増加させることによって、ゴルフクラブヘッド604の重心の位置が変化する。重心をより低くかつゴルフクラブヘッド604の後方に移すことにより、ゴルフボールとのインパクト時にゴルフクラブ600のロフトが大きくなる傾向がある。さらに、ブリッジ部材628の形状、場所、および重量配分が、ゴルフクラブヘッド604の重心の位置に影響を及ぼす場合がある。例えば、より長いアイアンクラブ(例えば、0〜5番アイアンおよび/またはハイブリッドクラブ)において、少なくとも一部のゴルファーにとっては、対応するより短いアイアンクラブ(例えば、6番アイアンから様々なウェッジ)よりも低い位置に重心があるのが望ましい場合がある。より長いアイアンまたはハイブリッドクラブにおいて、より低い位置の重心は、一般に、ゴルファーがさらにロフトをより大きくし、ゴルフショットをより高くするのを支援することになる。このように、本発明の少なくともいくつかの実施例により、より長いアイアンまたはハイブリッドクラブのブリッジ部材628は、ゴルフクラブヘッド本体604の背面の、より短いアイアンクラブにおけるブリッジ部材628の位置に比べて、より低い位置に配置してもよい。
【0073】
また、ゴルフクラブヘッド604の重心を低くするのは、少なくとも部分的に、壁634または他の重量要素によって行われ得る。打撃フェース618に対して、ゴルフクラブヘッド604の裏面の重量を増加させるために壁634などの要素も使用することができる。クラブヘッド604の低い位置におけるゴルフクラブヘッド604の裏面の重量の増加は、クラブヘッド604の重心を低くし、したがって多くの場合、ゴルフクラブヘッド604がより高い軌道でゴルフボールを飛ばすことを可能にする。さらに、上述したように、壁634(および/または他の重量部材)を使用してブリッジ部材628の支持を増大させることができ、かつゴルフボールとの接触時におけるブリッジ部材628の変形を防ぐかまたは低減させることができる。この付加的な支持は、クラブヘッド604とのインパクト後のゴルフボールの飛距離をある程度増大させる傾向がある。
【0074】
図7〜9は、アイアンタイプのゴルフクラブヘッドのさらなる実施例を示す。この実施例のクラブヘッドは、例えば、クラブ設計者、クラブの組立者、ユーザなどがゴルフクラブヘッドの加重および重心の特性を修正できるようにするために、(例えば、クラブヘッド本体の主要部分の一部またはすべてを構成する)多孔構造材料および追加の加重部材を含む。例えば、クラブにフェードバイアスまたはドローバイアスをかけ、なかなか直らないスライスやフックを矯正することに寄与するために、このような修正をして典型的な飛球特性を変更することができる。図7〜9の基本的なクラブヘッドのデザインは、図6A〜6Cに示されたもの(例えば、周囲を加重されたヘッド604、一つまたは複数のリアキャビティ626および/または632、ブリッジ部材628、ならびにオプションの壁部材632などを有するもの)と同様に、クラブヘッド本体の主要部分が多孔構造材料で形成され、その主要部分上に形成された、もしくは他の方法でその主要部分上に設けられたボール打撃フェースプレート642を有する。しかし、これらの実施例のアイアン構造においては、追加の加重部材をブリッジ部材628上に設けることにより、クラブヘッドのボール打撃フェースに対してクラブヘッド604の重心をさらに動かしかつ制御することができる。
【0075】
図7に示す実施例の構造においては、ブリッジ部材628に取り付けられる一つまたは複数の重量要素702によって、クラブヘッド構造700に追加の重量が提供される。図示するように、重量部材702を、ブリッジ部材628上に設けられた様々な所定の装着位置704a、704b、および/または704cに取り付けてもよい。重量部材702をブリッジ628上の位置704aに配置することにより、一般に、スイング時にクラブヘッド700のトゥ部がわずかにヒール部より遅行し、ボール打撃時に、クラブフェースがよりオープンになり、クラブにフェードバイアスがかかる(それにより、例えばボールをフックさせがちなゴルファーの飛球を矯正することに寄与する)。重量部材702をブリッジ628上の位置704bに配置することにより、一般に、クラブヘッド604にドローまたはフェードの飛球方向のバイアスをかけることなく、クラブヘッド604の重心をボール打撃フェースに対して後ろに移動させる。重量部材702をブリッジ628上の位置704cに配置することにより、一般に、スイング時にクラブヘッド700のトゥ部がわずかにヒール部より先行し、ボール打撃時にクラブフェースがよりクローズになり、かつクラブにドローバイアスがかかる(それにより、例えばボールをスライスさせがちなゴルファーの飛球を矯正することに寄与する)。クラブヘッド700の少なくとも一部(例えば、クラブヘッド700の主要部分)を多孔構造材料で作製することにより、クラブヘッドの総重量を増加させるという負の効果なしに、追加の重量をブリッジ628および/または加重部材702に含むことが可能になり、潜在的には飛球特性をさらに制御できる。
【0076】
当然ながら、重量部材702をブリッジ部材628(またはクラブヘッド構造700の他の部分)に取り付ける任意の方法を、本発明から逸脱することなく使用してもよい。この方法として、ねじ、リベット、位置決めねじ、バネ仕掛けのデテント機構、その他の機械的接合手段、接着剤、セメント、またはその他の接着技術、溶接、はんだ付け、ろう付け、またはその他の溶融技術などが挙げられる。有利には、重量部材702を取り外し可能にブリッジ部材628またはクラブヘッド構造700の他の部分に取り付けて、例えば、ユーザ、クラブの組立者、製造業者、販売員などにより、取り外しおよび/または重量部材位置704a、704b、および704cの変更を可能にすることができる。このタイプの重量部材の取り外しは、当技術分野において公知であり使用されている。
【0077】
図8は、図7に示すのと同様なクラブヘッド構造800の実施例を示すが、異なるタイプの重量部材802を有する。本実施例の構造において、一つまたは複数の重量部材802を、図7の実施例のように、様々な所定の装着位置704a、704b、および/または704cに配置することができる。したがって、上述の図7の実施例の構造700において変更および制御するのと同じ様式で、クラブヘッド800のヒール部からトゥ部の方向におけるクラブヘッド800の重心の位置を制御および変更することができる。しかし、本実施例の構造800においては、重量部材802は不規則に成形および加重され(例えば、図示した実施例においては楕円形で底部をより重くして)、それによりクラブヘッドの垂直方向における重心の場所(およびゴルフクラブヘッド800全体の重心の位置)を制御することもできる。例えば、図8に示すように(重量部材802の、より重い大半部が下方にくるようにして)重量部材802を配向することにより、重量部材802の重心(およびクラブヘッド800全体の重心)をある程度下方に、またはクラブヘッドのボール打撃フェースに対して比較的低い位置に配置する。この構造により、一般的に、ユーザはゴルフボールをより高い軌道で飛ばすことが可能になる(および、クラブにより高い軌道になるようなバイアスをかけ、ボールを高く飛ばすのに苦労しがちなゴルファーの手助けとなる)。装着位置(図示した実施例では位置702b)を中心に重量部材802を回転させることにより、ボール打撃フェースに対して加重部材802の大半部を高く(およびその重心を高く)することができ、こうして、クラブヘッド800全体の重心をクラブヘッドフェースに対して高くすることができる。重心の位置をより高くすることにより、一般に、ユーザは低い軌道でゴルフボールを飛ばすことが可能になる(および、クラブにより低い軌道になるようなバイアスをかけ、非常に高いショットをしがちなゴルファーの手助けとなる)。クラブヘッド800の少なくとも一部(例えば、クラブヘッド800の主要部分)を多孔構造材料で作製することにより、クラブヘッドの総重量に不利な影響を及ぼさずに追加の重量をブリッジ628および/または加重部材802に含むことが可能になり、潜在的には飛球特性をさらに制御できる。
【0078】
図9は、図7および図8の実施例の構造に比べて、さらにより多用途の加重特性を有する追加の加重部材902を含むクラブヘッド構造900の実施例を示す。より詳細には、本実施例の構造900において、ブリッジ部材628の構造の一部として設けられたレールまたはスライド機構904に加重部材902を装着する。ねじ906などのクランプ機構を緩めることにより、重量部材902をスライド機構904に沿って自由に移動させて配置することができ、これにより、図7および図8の構造に関して概説したように、ヒール部からトゥ部方向におけるクラブヘッドの重心の位置を制御することが可能になる。しかし、レールまたはスライド機構904を設けることにより、図7および図8に示した704a、704b、および/または704cの装着位置に限定されずに、重量部材902をブリッジ部材628に沿った任意の位置に配置することができる。
【0079】
追加的にまたは代替的に、望ましい場合には、例えば、図8に関して上述したタイプの楕円形および/または不規則な重量部材を使用して、クラブヘッド900の重心の位置を垂直方向に変更できるように重量部材902を設計してもよい。クラブヘッド900の少なくとも一部(例えばクラブヘッド900の主要部分)を多孔構造材料で作製することにより、クラブヘッドの総重量に不利な影響を及ぼさないで、ブリッジ628および加重部材902に追加の重量を含めることが可能になり、潜在的には飛球特性をさらに制御できる。
【0080】
本発明から逸脱することなく、例えば、取り外し可能にまたは可動的に、ねじ、位置決めねじ、クランプ、クラスプなどで固定するなどの任意の望ましい様式で、重量部材902をブリッジ部材628に固定してもよい。さらに、本実施例の構造900において(上述した他の実施例の構造と同様に)、本発明から逸脱することなく、任意の数の重量部材、装着位置、装着レールなどを設けてもよい。
【0081】
クラブヘッド構造全体の後ろのおよび/または低い位置にウェイトを配置するのをブリッジ部材628が有利に補助する一方で、本発明の局面を、本発明から逸脱することなく、任意の所望のアイアンタイプのクラブヘッドのデザインにおいて使用することができる。例えば、多孔構造材料を使用して、ブリッジ部材なしに周囲が加重されたアイアン、ブレードタイプアイアン、ハイブリッドタイプのアイアンなどとして形成したアイアンタイプゴルフクラブヘッドのすべてまたは少なくとも一部を形成することができる。図10Aおよび10Bは、ブレードタイプアイアンとして形成したクラブヘッド構造1000の実施例を示す。ここで示す実施例の構造1000において、クラブヘッド本体1002の主要部分を多孔構造材料で形成し、ボール打撃フェース1004をクラブヘッド本体1002の主要部分に一体的に形成するか、接着するか、またはその他の方法で提供する。望ましい場合には、(例えば、金属またはポリマーで)細孔がコーティングまたは充填されることによって滑らかな全体の外観および/または滑らかな一定のボール打撃面が得られるように、多孔構造のクラブヘッド本体の外表面のすべてまたは少なくとも一部を形成してもよい。
【0082】
この図示した実施例の構造1000において、クラブヘッド本体1002のリア1006は複数の重量部材1008を含む。当然ながら、本発明から逸脱することなく、任意の数の重量部材1008をクラブヘッド本体1002に含んでもよく、これらの重量部材1008をクラブヘッド構造1002の様々な異なる位置に設けてもよい。さらに、望ましい場合には、全ての重量部材1008を同じ質量および/サイズにする必要がなく、クラブヘッド構造1002全体の重心特性をさらに制御することが可能になる。
【0083】
図示した実施例において、重量部材1008は、クラブヘッド構造1002内に設けられた重量部材レセプタクル1010に取り外し可能に装着される。当然ながら、本発明から逸脱することなく、重量部材1008をレセプタクル1010に装着する任意の方法を使用してもよい。例えば、重量部材1008は、レセプタクルに設けた相手ねじ山と係合し、重量部材1008を容易に取り外すことおよび/またはクラブヘッド構造1002全体における再配置を可能にするねじ山を含んでもよい。当然ながら、本発明から逸脱することなく、他の機械的接合手段、クランプまたはクラスプ構造、バネ仕掛けのデテント機構などの他の接合技術を使用してもよい。さらに、望ましい場合には、本発明から逸脱することなく、任意の形状の重量部材をクラブヘッド構造1000内に設けてもよい。
【0084】
あるいは、望ましい場合には、本発明から逸脱することなく、追加の重量をクラブヘッド構造の一部として、持続的におよび/または一体的に設けてもよい。図11は、そのようなクラブヘッド構造1100の実施例を示す。本実施例で示すように、クラブヘッド構造1102の主要部分を多孔構造材料で形成し、かつ、ボール打撃面1104をこの材料上に形成するかまたは、例えば、上述の様々な方法のうちの1つまたは様々な方法などの他の方法で設ける。本実施例の構造1100におけるクラブヘッド1102の下部周囲および/または後部は、クラブヘッド構造1102の一部として持続的に設けられた加重領域1106を含む。本発明から逸脱することなく、加重領域1106を設ける任意の様式を使用してもよい。加重領域1106は、例えば、クラブヘッド1102内に画成された開口部(例えば、孔、スロット、溝、またはコンパートメントなど)にウェイトを嵌合させることにより設けられ得る。他の実施例として、望ましい場合には、加重材料(例えば、タングステンまたは鉛を含む材料)をクラブヘッド構造1102の材料に一体的に嵌合して、次に、クラブヘッド構造1102における最終的に望ましい場所(すなわち、加重領域1106)に加重材料が配置されるように、その材料をクラブヘッド構造1102に形成する(例えば、それを機械加工するなど)ことにより、加重領域1106を設けてもよい。さらに他の実施例として、望ましい場合には、所望の加重領域位置1106において、クラブヘッド構造1102の主要部分の材料を発泡させないことによりおよび/もしくは著しく低減した発泡度にすることにより、ならびに/または加重領域位置1106において、鉛またはタングステンなどの比較的重いまたは密度の高い材料で細孔を充填することにより、加重領域1106を設けてもよい。本発明から逸脱することなく、加重領域1106を形成する他の方法も可能である。加重領域1106を形成する材料は、クラブヘッド構造1102の外側から見えてもよいし、クラブヘッド構造1102の材料の中に隠されてもよいし、またはクラブヘッド構造1102と連続的に設けられてもよい。さらに、望ましい場合には、例えば、露出した細孔(もしあれば)を金属またはポリマー材料で充填、コーティングまたは被覆することにより本体部材の外表面を滑らかにしてもよい。
【0085】
D. ウッドタイプゴルフクラブ構造の実施例
本発明の局面は、パター、アイアン、および/またはハイブリッドアイアンタイプゴルフクラブならびにゴルフクラブヘッドに限定されない。図12Aおよび12Bは、本発明の少なくともいくつかの実施例のゴルフクラブ1200の実施例を示す。特に、本実施例のゴルフクラブ構造1200全体は、ゴルフクラブヘッド1202、ホーゼル領域1204、ホーゼル領域1204に受承されかつ/またはその内部に挿入されかつ/または貫通して挿入されるシャフト部材1206、および、シャフト部材1206に取り付けられたグリップまたはハンドル部材(図示せず)を含む。任意で、望ましい場合には、ホーゼル領域1204を除いて、シャフト部材1206をヘッド部材1202に直接挿入しかつ/または他の方法で(例えば、クラブヘッド1202の上面に設けられ、任意で底部に設けられた開口部によって)取り付けてもよい。
【0086】
本発明から逸脱することなく、当技術分野において公知であり使用されている従来の方法を含む任意の適切な所望の様式で、シャフト部材1206はクラブヘッド1202に受承され、クラブヘッド1202と係合し、かつ/またはクラブヘッド1202に取り付けられ得る。より詳細な実施例として、シャフト部材1206をホーゼル部材1204によりクラブヘッド1202と係合させてもよいし、または、例えば、接着剤、セメント、溶接、はんだ付け、機械的接合手段(ねじ山、保持要素など)などにより、クラブヘッド本体1202内に延びるシャフト受けスリーブまたはシャフト受け要素などによって、クラブヘッド構造1202と直接係合させてもよい。また、シャフト部材1206を、当技術分野において公知であり使用されている従来の材料を含む任意の適切なまたは望ましい材料で作製してもよい。その材料として、グラファイト系材料、複合材料、スチール材料(ステンレス鋼を含む)、アルミニウム材料、他の金属合金材料、ポリマー材料、様々な材料の組み合わせなどが挙げられる。望ましい場合には、シャフト部材1206またはホーゼル部材1204(もしあれば)の一方または両方を多孔構造材料で作製してもよい。
【0087】
例えば、接着剤またはセメントを使用して、溶接、はんだ付け、接着剤などにより、機械的接合手段(例えば、ねじ山、保持要素など)により、および/または、任意の他の望ましい方法を含む当技術分野において公知であり使用されている従来の方法を含む任意の適切なまたは望ましい様式で、グリップまたはハンドル部材(図示せず)をシャフト部材1206に取り付け、シャフト部材1206と係合させ、かつ/またはシャフト部材1206から延ばしてもよい。他の実施例として、望ましい場合には、グリップまたはハンドル部材をシャフト部材1206と一体の一部品構造として、一体的に形成してもよい。さらに、本発明から逸脱することなく、任意の望ましいグリップまたはハンドル部材材料を使用してもよい。その材料として、ゴム材料、皮革材料、コード、その他の繊維材料が埋め込まれたゴム、その他の材料、ポリマー材料、金属材料などが挙げられる。また、グリップまたはハンドル部材を、少なくとも部分的に多孔構造材料で作製してもよい。
【0088】
本発明から逸脱することなく、当技術分野において公知であり使用されている従来の方法および/または当技術分野において公知であり使用されている従来の材料を含む、任意の適切なまたは望ましい方法および/または任意の適切なまたは望ましい材料で、クラブヘッド1202自体を構成してもよい。例えば、図12Aおよび12Bに示す実施例の構造において、クラブヘッド1202は、ソール部材1202a、フェース部材1202b、少なくとも1つの本体部材1202c、およびクラウン部材1202dを含む。例えば、本体部材1202cを、フェース部材1202bの片側から反対側に周囲に延びるバンドまたはリボン材料(例えば任意で、ほぼU字型のバンドまたはリボン)として形成して、ゴルフクラブヘッド1202の中心部の周囲の少なくとも一部を形成してもよい(それにより、例えばクラブヘッド構造1202全体が少なくとも部分的に空洞の内側室が画成される(例えばその内側室内にシャフト部材1206が挿入されおよび/または固定され得る))。上述したクラブヘッド構造1202の任意の個々の部分は、本発明から逸脱することなく、複数の独立した部品から構成してもよく、かつ/またはこれらの2つ以上の部分を、例えば一体の一部品構造として、一緒に一体的に形成してもよい(例えば、ソール部材および/またはクラウン部材はさらに、クラブヘッド本体および/またはフェース部材などの少なくともいくつかの部分を形成してもよい)。他の選択肢として、望ましい場合には、クラブヘッド構造1202全体を単一の一部品構造として構成し、フェース部材1202bを一部品のクラブヘッド本体に取り付けるなどしてもよい。
【0089】
クラブヘッド構造1202を構成する様々な個々の部品は、複数の部品から構成される場合は、当技術分野において公知であり使用されている従来の方法を含む任意の適切なまたは望ましい様式で、係合され、および/または保持され得る。例えば、クラブヘッド構造1202の様々な部品を、接着剤、セメント、溶接、はんだ付け、またはその他の接着もしくは溶融技術、機械的接合手段(ねじ山、ねじ、ナット、ボルト、またはその他の接合手段など)などにより、(直接にまたは中間部材を介して間接的に)互いに結合し、および/または嵌合してもよい。望ましい場合には、クラブヘッド構造1202の様々な部品の側端部(この側端部において、例えば、ソール部材1202a、フェース部材1202b、本体部材1202c、および/またはクラウン部材1202dが互いに接して結合する)は、一つまたは複数の隆起リブ、タブ、レッジ、またはその他の係合要素を含んでもよい。これらの係合要素は、上記部材が結合する、対面する側端部内または対面側端部上に設けられた対応する溝、スロット、面、レッジ、または開口部の内側または表面で嵌合する。セメント、接着剤、機械的接合手段などを、隆起リブ/溝などの上述の接合構造と組み合わせて使用して、クラブヘッド構造1202の様々な部品を互いに固定することをさらに補助することができる。
【0090】
本発明の少なくともいくつかの実施例において、クラブヘッド構造1200の様々な部分(例えば、ソール1202a、フェースプレート1202b、本体部材1202c、クラウン1202d、ホーゼル1204、シャフト1206など)のうちの少なくともいくつかを構成する材料は、例えば、上述した様々な材料のような多孔構造材料で作製してもよい。望ましい場合には、これらの部品の2つ以上を一部品構造として一体的に形成してもよい(例えば、望ましい場合には、ソール1202a、本体部材1202c、および/またはクラウン1202dを、それらと係合する別個のフェースプレート部材と、一部品として一体的に形成してもよい)。さらに、本発明から逸脱することなく、クラブヘッド本体1202に任意の望ましい材料を使用してもよい。その材料として、例えば、アルミニウム、ニッケル、チタン、スチール、ポリマー、ガラス、セラミック、ゴム、および/またはこれらの組み合わせが挙げられる。クラブヘッド構造1202の少なくとも一部を多孔構造材料で形成する場合、望ましい場合には、外殻壁の厚さを多くの従来のクラブヘッドの外殻部材よりも若干肉厚にしてもよい。
【0091】
例えば、クラブヘッド本体1202の少なくとも一部に対して、多孔構造材料を使用することにより得られた軽量化により、クラブ製造業者、クラブの組立者、ユーザなどが一つまたは複数の追加の重量部材1208をクラブヘッド構造1202の他の場所に配置し、例えば、クラブ1200の重心、慣性モーメント、および/または飛球特性に影響を及ぼすことが可能となる。例えば、加重部材1208を低くまた、クラブヘッド構造1202の後ろに配置することはクラブヘッド1202の重心を下げ、ユーザがそのクラブを使用する場合、高く上がるゴルフショットにすることを補助する。図6A〜11に関連して概説したように、加重部材1208の質量と場所を、例えば、ヒールからトゥ部方向におけるおよび/または垂直方向におけるクラブヘッド1202の重心の位置を制御するように選択してもよい(例えば、その結果、クラブヘッドにドロー、フェード、高い、または低いショットにするようなバイアスをかけ、および/またはユーザがスライスした、フックした、低い、または高いショットをする傾向をそれぞれ矯正するのに寄与する)。
【0092】
本発明から逸脱することなく、図1〜11に関連して上述した様々な方法、および/または当技術分野において公知であり使用されている様々な方法を含む、任意の所望の様式で、加重部材1208をクラブヘッド1202と係合させてもよい。図12Aおよび12Bの図示した実施例において、ねじ式にしてクラブヘッド1202に設けられかつクラブヘッド1202内に延びるレセプタクル1210に、加重部材1208を取り外し可能に取り付ける。当然ながら、本発明から逸脱することなく、クランプ、クラスプ、バネ仕掛けのデテント、ターンバックル、他の機械的接合手段などの、他の取り付けおよび/または締め付け構造を使用してもよい。あるいは、望ましい場合には、一つまたは複数の加重部材1208を、本発明から逸脱することなく、クラブヘッド1202におよび/またはクラブヘッド内部に、例えば接着技術または溶融技術により持続的に嵌合させてもよい。加重部材1208はクラブヘッドの外側から見える必要はない(任意で、望ましい場合には、(例えば加重部材1208を変えるおよび/または再配置するすために)クラブヘッド内部へのアクセスが設けられてもよい)。
【0093】
図13Aおよび13Bは、本発明のウッドタイプゴルフクラブ構造1300の他の実施例を示す。この実施例の構造1300において、図12Aおよび12Bの実施例の構造1200に関連して概説したように、ゴルフクラブは、ゴルフクラブヘッド1302、ホーゼル領域1304、シャフト部材1306、およびハンドル部材(図示せず)を含む。この実施例の構造1300において、クラブヘッド本体1302のすべてまたは少なくとも一部(例えば主要部分)を一部品要素として構成し、この要素を、様々な多孔構造金属、ポリマー、および/または上述した他の材料などの多孔構造材料で構成する。望ましい場合には、クラブヘッド本体1302を、接着剤、セメント、溶接、その他の接着技術または溶融技術により互いに係合する多孔構造材料の(任意で、異なる材料の)複数の部品から形成してもよい。さらに追加の実施例として、望ましい場合には、クラブヘッド本体1302の一部のみ(例えば、底部、後部、および/または前部)を多孔構造材料で形成し、クラブヘッド本体の他の部分(例えば、上部のクラウン部)を外殻部材および/または他の別個の非多孔材料の部品から形成してもよい。
【0094】
さらに、図示した実施例の構造において、加重部材1308をクラブヘッド本体1302の内側、例えば、クラブヘッド本体に画成される内側凹部または内側室に設ける。当然ながら、本発明から逸脱することなく、図12Aおよび12Bに関連して上述した様々な方法を含む、一つまたは複数の加重部材1308をクラブヘッド構造1302に設ける他の方法を使用してもよい。さらに他の代替実施例として、望ましい場合には、加重部材1308をクラブヘッド本体構造1302と一体的に形成してもよい。これは例えば、多孔構造材料を加重領域(例えば、より高密度の多孔領域)を含むように形成すること、加重領域における金属または他の材料を発泡させないこと、非発泡のおよび/または増加させた重量領域を所望の位置に含むように発泡部分を含む材料をゴルフクラブヘッド構造に機械加工すること、加重領域の発泡細孔に加重コーティングまたは充填剤を含ませることなどの方法により行なわれる。
【0095】
本発明の本実施例によるウッドタイプゴルフクラブヘッド構造の寸法および/または他の特性は、本発明から逸脱することなく、大きく変化させることができる。さらに、ドライバー、フェアウェイウッド、ウッドタイプハイブリッドクラブ、チッピングクラブなどの任意の望ましいウッドタイプゴルフクラブヘッド構造を提供することができる。また、例えば、クラブを2番ウッド、3番ウッド、4番ウッド、5番ウッド、7番ウッド、9番ウッド、11番ウッドなどとして設計する場合、ユーザの嗜好および/またはスイング特性に合わせるため、望ましいクラブの打ち出し角、飛距離、および/または他の特性を提供するなどのために、本発明から逸脱することなく、任意の所望のロフト角、ヘッドウェイト、ライ角なども使用することができる。さらに、様々な異なるシャフト特性(例えば、剛性、フレックスポイント、キックポイントなど)を使用して、さらにクラブならびにクラブヘッドの感覚および特性を変更および制御できるようにしてもよい。
【0096】
E. ボール打撃プレート構造の実施例
図14は、本発明の少なくともいくつかの実施例に従う、多孔構造材料を含むゴルフクラブ構造1400の他の実施例を示す。本実施例において、多孔構造材料を、クラブヘッド1402のフェースプレート部材1404の一部として使用する。より詳細には、図14に示すように、フェースプレート部材1404はクラブヘッド本体1406に取り付けられる。フェースプレート部材1404は、当技術分野において公知であり使用されている従来のデザインおよび従来の材料を含む、任意のデザインでありかつ/または任意の種類の材料で作製され得る(本実施例では、ウッドタイプクラブヘッド本体)。フェースプレート部材1404は、多孔構造材料で形成したベース部材1404aおよび使用時にボールが直接接触するボール打撃プレート部材1404bを含む。フェースプレート部材1404に多孔構造材料を使用することで、クラブヘッド全体の重量や強度に不利な影響を及ぼさずにより肉厚のフェースプレートを設けることが可能になり、またより肉厚のフェースプレートを使用することで、製造業者がクラブヘッドフェース部材1404の反発係数(および潜在的に他の特性)をより制御することができる。当然ながら、図14に示したタイプのフェースプレート部材を、ウッド、アイアン、ハイブリッドタイプのクラブ、パターなどの任意のタイプのクラブヘッドに使用され得る。
【0097】
フェースプレート部材1404を、本発明から逸脱することなく、任意の望ましい様式で構成することができる。例えば、望ましい場合には、フェースプレート部材1404aを、例えば接着技術(セメント、接着剤など)または溶融技術(溶接、ろう付け、はんだ付けなど)により、別個のボール打撃部材1404bと係合させてもよい。さらなる実施例として、望ましい場合には、例えば従来の金属発泡製造技術により、ボール打撃部材1404bを多孔構造のベース部材1404aの一部として一体的に形成してもよい。さらに他の実施例として、望ましい場合には、(例えばベース部材1404aのための)多孔構造材料の外表面の開口気泡または細孔を溶融金属材料、ポリマー材料(例えば、エポキシなど)などでコーティングまたは充填することによりボール打撃部材1404bを形成して、それによりフェースプレート1404に滑らかなボール打撃面1404bを提供してもよい。フェースプレート部材1404を少なくとも部分的に多孔構造材料として形成する他の方法を、本発明から逸脱することなく使用することができる。
【0098】
III. 結論
本発明の実施例のゴルフクラブヘッドを、例えば、一つまたは複数のウッド、アイアン、ハイブリッドタイプのゴルフクラブ、および/またはパターを含むセットに組み込むことができる。より詳細な実施例として、本発明の局面を使用して、ドライバーおよび/または2本以上のフェアウェイウッド、ハイブリッドタイプのクラブ、0番アイアン、1番アイアン、2番アイアン、3番アイアン、4番アイアン、5番アイアン、6番アイアン、7番アイアン、8番アイアン、9番アイアン、10番アイアン、ピッチングウェッジ、ロブウェッジ、ギャップウェッジ、サンドウェッジ、パターなどのように、昇順の番号が振られたドライバーおよび/または2本以上のアイアンゴルフクラブによるクラブセットを提供することができる。本発明の少なくともいくつかの実施例を使用して、ゴルファー、クラブ設計者、および/またはクラブの組立者が、プレイヤー固有の要求、スキル、またはプレイスタイルに合わせるように、それぞれのゴルフクラブの重心の位置を選択および/または修正することができる。セット内のそれぞれのクラブに対して、ブリッジ部材、重量部材、および/または、クラブヘッドの他の特徴を連続的に変化させて、セット内のあるクラブの重心を他のクラブに対して変更し、任意で、特定のゴルファーによる使用のためにカスタマイズされた特定のクラブの使用により適した重心とすることができる。
【0099】
上述の説明から容易に明らかなように、本発明は、様々な潜在的特性を有する多孔構造材料を、ゴルフクラブ構造の様々な場所に(例えば、ヘッドの一部、打撃フェース、ホーゼル、シャフト、グリップなどとして)含めて使用することができる。多孔構造材料はクラブヘッドの外側に、内側に、その両方に使用されてもよく、多孔構造材料は、見えてもよく、一部見えてもよく、充填されてもよく、一部充填されてもよく、隠されてもよく、一部隠されてもよい。本発明の少なくともいくつかの実施例のゴルフクラブ製品が、複数の多孔構造金属またはその他の材料を含む場合、任意で多孔構造材料のいずれか一方または両方を充填してもよく、皮膜してもよく、一部充填してもよく、または一部皮膜してもよい。その際、異なる多孔構造金属または他の材料を使用して充填するまたは皮膜するなど、任意で、同一のまたは異なる充填材料または皮膜材料を使用してもよい。皮膜または充填材料は、様々な厚さおよび/または様々な潜在的特性を有してもよい。さらに、所与の多孔構造材料の細孔の特性を変えることにより(例えば、細孔密度、細孔分布、細孔サイズ分布などを変えることにより)、異なる多孔構造および特性を得ることができる。
【0100】
具体的なクラブヘッド構造のさらなる実施例として、望ましい場合には、クラブヘッドは、(a)クラブヘッド構造の裏に塗布された高密度材料(例えば、タングステン材料)からなる比較的肉厚の皮膜であって、例えば、金属または、タングステン、スチールなどの複合物などの多孔構造材料を覆うタングステン皮膜、ならびに(b)クラブヘッド構造の中心部および/または前部に塗布される比較的軽量の多孔構造材料(例えば、アルミニウムまたはスチールの多孔構造)を覆うより低密度のより薄い皮膜(例えば、アルミニウムまたはチタン)とを含んでもよい。これらの材料を単一のクラブヘッド構造(例えば、パター構造)に取り入れてもよい。そのような構造を使用して、多孔構造材料を使用しない同じ設計の一体的なパター本体に比べて比較的高い慣性モーメントを有するパターを製造することができる。さらに、異なる多孔構造材料および/または充填材料を使用して、例えば、材料の降伏強さ、ヤング率、孔径などの最終製品における様々な特性を幅広く変えることができる。
【0101】
上記および添付の図面において、本発明を、様々な実施例の構造、特徴、要素、および、構造、特徴ならびに要素の組み合わせに関して説明した。しかし、その開示が果たす目的は、本発明に関する様々な特徴および概念の実施例を提供することであり、本発明の範囲を限定するものではない。当業者は、本発明から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲により定義するように、上述の実施局面に多くの変形や変更を加えてもよいことを認識するであろう。例えば、本発明から逸脱することなく、図1〜14に関連して上述した様々な特徴および概念を、個々におよび/または任意に組み合わせ、または部分的に組み合わせて使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも部分的に多孔構造金属材料から構成されるクラブヘッド本体部材;および
該クラブヘッド本体部材と係合するか該クラブヘッド本体部材と一体的に形成される、ボール打撃フェース
を含む、ゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
クラブヘッド本体部材が内側室を画成する外殻を含み、該外殻の少なくとも一部は多孔構造金属材料から構成される、請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
少なくとも一部が外殻内に設けられる重量部材をさらに含む、請求項2記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
クラブヘッド本体部材と係合する重量部材をさらに含む、請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
多孔構造金属材料が、クラブヘッド本体部材の主要部分を形成する、請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項6】
クラブヘッド本体部材がパターヘッド構造を形成する、請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項7】
クラブヘッド本体部材がアイアンゴルフクラブヘッド構造を形成する、請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項8】
クラブヘッド本体部材がウッドゴルフクラブヘッド構造を形成する、請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項9】
クラブヘッド本体部材がドライバーヘッド構造を形成する、請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項10】
ボール打撃フェースが、クラブヘッド本体部材の多孔構造金属材料と係合する金属フェース部材を含む、請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項11】
ボール打撃フェースが、クラブヘッド本体部材の多孔構造金属材料と一体的に形成される、請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項12】
多孔構造金属材料の少なくとも一部がポリマー充填剤を含む、請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項13】
クラブヘッド本体部材が、多孔構造金属材料を含む第1の本体部材と、該第1の本体部材と係合する第2の本体部材とを少なくとも含む、請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項14】
第2の本体部材が第2の多孔構造金属材料を含む、請求項13記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項15】
クラブヘッド本体部材と係合するクラブヘッド加重システムをさらに含む、請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項16】
クラブヘッド加重システムの少なくとも一部が、ゴルフクラブヘッドから選択的に取り外し可能である、請求項15記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項17】
クラブヘッド加重システムの少なくとも一部が、クラブヘッド本体部材に対して可動的に装着される、請求項15記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項18】
少なくとも部分的に多孔構造金属材料から構成されるクラブヘッド本体部材;および
該クラブヘッド本体部材と係合するシャフト部材
を含む、ゴルフクラブ。
【請求項19】
クラブヘッド本体部材が、多孔構造金属材料と一体的に形成されるボール打撃フェースを含む、請求項18記載のゴルフクラブ。
【請求項20】
シャフト部材と係合するグリップ部材をさらに含む、請求項18記載のゴルフクラブ。
【請求項21】
クラブヘッド本体部材が内側室を画成する外殻を含み、該外殻の少なくとも一部は多孔構造金属材料から構成される、請求項18記載のゴルフクラブ。
【請求項22】
クラブヘッド本体部材と係合する重量部材をさらに含む、請求項18記載のゴルフクラブ。
【請求項23】
多孔構造金属材料が、クラブヘッド本体部材の主要部分を形成する、請求項18記載のゴルフクラブ。
【請求項24】
クラブヘッド本体部材がパターヘッド構造を形成する、請求項18記載のゴルフクラブ。
【請求項25】
クラブヘッド本体部材がアイアンゴルフクラブ構造を形成する、請求項18記載のゴルフクラブ。
【請求項26】
クラブヘッド本体部材がウッドゴルフクラブヘッド構造を形成する、請求項18記載のゴルフクラブ。
【請求項27】
クラブヘッド本体部材がドライバーヘッド構造を形成する、請求項18記載のゴルフクラブ。
【請求項28】
多孔構造金属材料と係合する金属フェース部材を含むボール打撃フェースをさらに含む、請求項18記載のゴルフクラブ。
【請求項29】
多孔構造金属材料の少なくとも一部がポリマー充填剤を含む、請求項18記載のゴルフクラブ。
【請求項30】
クラブヘッド本体部材が、多孔構造金属材料を含む第1の本体部材と、該第1の本体部材と係合する第2の本体部材とを少なくとも含む、請求項18記載のゴルフクラブ。
【請求項31】
第2の本体部材が、第2の多孔構造金属材料を含む、請求項30記載のゴルフクラブ。
【請求項32】
クラブヘッド本体部材と係合するクラブヘッド加重システムをさらに含む、請求項18記載のゴルフクラブ。
【請求項33】
クラブヘッド本体部材を少なくとも部分的に多孔構造金属材料で形成する工程;および
該クラブヘッド本体部材上にボール打撃フェースを設ける工程
を含む、ゴルフクラブヘッドを形成する方法。
【請求項34】
クラブヘッド本体部材が内側室を画成する外殻として形成され、該外殻の少なくとも一部は多孔構造金属材料から構成される、請求項33記載の方法。
【請求項35】
重量部材をクラブヘッド本体部材と係合させる工程をさらに含む、請求項33記載の方法。
【請求項36】
クラブヘッド本体部材がパターヘッド構造として形成される、請求項33記載の方法。
【請求項37】
クラブヘッド本体部材がアイアンゴルフクラブヘッド構造として形成される、請求項33記載の方法。
【請求項38】
クラブヘッド本体部材の主要部分が多孔構造金属材料から構成されるように該クラブヘッド本体部材が形成される、請求項37記載の方法。
【請求項39】
クラブヘッド本体部材がウッドゴルフクラブヘッド構造として形成される、請求項33記載の方法。
【請求項40】
クラブヘッド本体部材がドライバーヘッド構造として形成される、請求項33記載の方法。
【請求項41】
ボール打撃フェースが、多孔構造金属材料と係合する金属フェース部材として設けられる、請求項33記載の方法。
【請求項42】
ボール打撃フェースが、多孔構造金属材料と一体的に形成される、請求項33記載の方法。
【請求項43】
多孔構造金属材料の少なくとも一部をポリマー充填材料で充填する工程をさらに含む、請求項33記載の方法。
【請求項44】
クラブヘッド本体部材が、多孔構造金属材料を含む第1の本体部材と、該第1の本体部材と係合する第2の本体部材とを少なくとも含むように形成される、請求項33記載の方法。
【請求項45】
第2の本体部材が第2の多孔構造金属材料を含む、請求項44記載の方法。
【請求項46】
クラブヘッド本体部材にクラブヘッド加重システムを提供する工程をさらに含む、請求項33記載の方法。
【請求項47】
クラブヘッド本体部材を少なくとも部分的に多孔構造金属材料で形成する工程;および
シャフト部材を該クラブヘッド本体部材と係合させる工程
を含む、ゴルフクラブを形成する方法。
【請求項48】
クラブヘッド本体部材が、多孔構造金属材料と一体的に形成されるボール打撃フェースを含むように形成される、請求項47記載の方法。
【請求項49】
クラブヘッド本体部材が、内側室を画成する外殻を含むように形成され、該外殻の少なくとも一部は多孔構造金属材料から構成される、請求項47記載の方法。
【請求項50】
重量部材をクラブヘッド本体部材と係合させる工程をさらに含む、請求項47記載の方法。
【請求項51】
クラブヘッド本体部材がパターヘッド構造として形成される、請求項47記載の方法。
【請求項52】
クラブヘッド本体部材がアイアンゴルフクラブ構造として形成される、請求項47記載の方法。
【請求項53】
クラブヘッド本体部材がウッドゴルフクラブヘッド構造として形成される、請求項47記載の方法。
【請求項54】
クラブヘッド本体部材がドライバーヘッド構造として形成される、請求項47記載の方法。
【請求項55】
ボール打撃フェースを多孔構造金属材料と係合させる工程をさらに含む、請求項47記載の方法。
【請求項56】
多孔構造金属材料の少なくとも一部をポリマー充填材料で充填する工程をさらに含む、請求項47記載の方法。
【請求項57】
クラブヘッド本体部材が、多孔構造金属材料を含む第1の本体部材と、該第1の本体部材と係合する第2の本体部材とを少なくとも含むように形成される、請求項47記載の方法。
【請求項58】
第2の本体部材が第2の多孔構造金属材料を含む、請求項57記載の方法。
【請求項59】
クラブヘッド加重システムをクラブヘッド本体部材と係合させる工程をさらに含む、請求項47記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−143268(P2011−143268A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−65640(P2011−65640)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【分割の表示】特願2008−553290(P2008−553290)の分割
【原出願日】平成19年1月30日(2007.1.30)
【出願人】(505087849)ナイキ インコーポレーティッド (123)
【Fターム(参考)】