多孔複合材料、その生成方法およびその再生医療デバイス類への使用
本発明は、多孔複合材料に関し、その多孔複合材料は、少なくとも1つの相互分散させたバイオポリマーを有し、ミネラル成分の総重量に対して、50重量%から95重量%のα−リン酸三カルシウム(α‐TCP,α‐Ca3(PO4)2)と、5重量%から50重量%のリン酸オクタカルシウム(OCP,Ca8H2(PO4)6・5H2O)とからなるカルシウム‐リン酸ミネラル成分を有して形成される。α‐TCPとOCPのそのような組み合わせは、生体内での吸収率を上げるので、ナノ結晶構造の低結晶度のミネラル成分を持つ新しい骨組織の短時間での形成を可能にする。この特徴は、生体のリン灰石の特徴と非常に似ている。この多孔複合材料は、骨および/または軟骨の代用品(骨格(scaffold))としての利用、再生医療デバイス類の生成に関する利用を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多孔複合材料に関し、その生成方法、骨および/または軟骨の再生への使用、そして再生医療デバイス類(tissue engineering devices)の実現に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、骨組織は、極めて複雑なバイオミネラル複合材料(biomineralized composite material)であり、主に、ヒドロキシアパタイト(HA)および水のような無機材料(70〜80%)と、I型コラーゲン、プロテオグリカン類およびその他の非コラーゲンタンパク質類(non‐collagen proteins)のような有機材料類(20〜30%)とで構成される。骨を生成する間は、低結晶度のヒドロキシアパタイトのナノ結晶が増殖し、有機材料の繊維状と強固に結びつき、そのようにして、機械特性および弾性特性に極めて優れたナノ構造複合材料を形成する。
【0003】
骨の欠陥や、欠損部の整復に係る需要または既存部の増量に係る需要は、整形外科、美容整形および神経外科の分野で大きな課題となっている。骨の代替材料として、様々な生体医療材料が研究され提案されているが、それらは、高い生体適合性を有さなければならないと共に、生物学的構造をホストの骨組織および細胞と活性化させるようなバイオ特性を有さなければならず、新しい組成および骨の固化プロセスが提案され続けている。この固化プロセス機能が完了すると、通常は、これらの材料は完全に再吸収され、新しく形成される骨の専用スペースを残す。この再生方法は、通常、“骨再生誘導法(guided bone regeneration)”といわれる。
【0004】
例えば、国際特許出願03/071991において、多孔マトリクス(porous matrix)が開示されており、骨を再生する材料として使用可能である。この多孔マトリクスは、水に溶けない繊維ポリマーから成り、特に、不溶性のコラーゲン、コラーゲン誘導体もしくは変性のゼラチン誘導体であり、リン酸カルシウムとミネラル化される。
【0005】
このバイオポリマーは、水溶性リガンドと混ぜて使用されてもよく、例えば水溶性リガンドは、水溶性のコラーゲンやゼラチン、ポリ乳酸、ポリグリセリン酸およびその他の水溶性リガンドである。ミネラル化すなわち石灰化は、ポリマー繊維を、カルシウムイオンとリン酸塩イオンの塩基性のpHの水溶液で処理することで得られる。その後、水溶性のリガンドは、ミネラル化されたバイオポリマー水溶液に加えられて混ぜられて、その混合物は冷却されて凍結乾燥される。多孔マトリクスは、例えばグルタルアルデヒトを加えて架橋される。
【0006】
国際特許出願WO06/031196には、バイオ材料とミネラルチャージ(mineral charge)とを含む多孔複合物が開示されている。そのバイオ材料は、広範囲の製品から選択されおり、プロテイン類(例えば、コラーゲン、エラスチン、ゼラチンおよびその他)、ペプチド類、多糖類である。ミネラルチャージは、リン酸カルシウムであってもよく、例えば、リン灰石、代用リン灰石、またはブルッシャイト、リン酸三カルシウム、リン酸オクタカルシウムであってもよい。その生体鉱物は、様々な架橋剤と架橋されてもよく、例えば、架橋剤は、アクリルアミド類、ジオン類(dions)、グルタルアルデヒド、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド、またはリボースのような架橋剤である。合成物は、水中で、様々な手法によって、バイオ材料とミネラルチャージとを混ぜることにより準備され、懸濁液が得られ、その後、凍結乾燥される。
【0007】
Chun‐Hsu Yao et al.“Calvarial bone response to tricalcium phosphate‐genipin crosslinked gelatin composite”,Biomaterials 26 (2005),P.3065−3074は、ゼラチンをゲニピンおよびリン酸三カルシウムのセラミックの粒子と架橋させて得られる生体分解性の多孔合成物の生体内における生体反応に関する研究を報告している。ゼラチンの架橋を引き起こすために、0.5重量%のゲニピン水溶液が18%のゼラチン水溶液に加えられる。その後に、200〜300μmの粒子のリン酸三カルシウム(Merck)が加えられる。凝固後、合成物は−80℃で凍結されて凍結乾燥される。
【0008】
Yoshitake Takahashi et al.“Osteogenic differentiation of mesenchymal stem cells in biodegradable sponges composed of gelatin and β‐tricalcium phosphate", Biomaterials 26(2005),P3587−3596は、ゼラチンとβ−リン酸三カルシウムとから構成される生体分解性の多孔材料の生成および生体外における間葉系幹細胞の骨形成分化への使用について開示している。これらの材料は、β‐リン酸三カルシウムが存在する下で、ゼラチンをグルタルアルデヒドと架橋させることにより準備されて、その後凍結乾燥される。
【0009】
Hae‐Won Kim et al.“Stimulation of osteoblast responses to biomimetic nanocomposites of gelatin‐hydroxyapatite for tissue engineering scaffolds” ,Biomaterials 26(2005),P5221−5230は、ナノ複合材料ベースのコラーゲン/水酸化リン灰石が存在する条件下での、骨芽細胞の生体外での反応に関する研究に最終的に注目している。そのナノ複合材料は、ゼラチン溶液でヒドロキシアパタイトを共沈させることにより生成され、その後凍結乾燥される。そのヒドロキシアパタイトは、ゼラチン溶液に、カルシウムイオンとリン酸イオンを加えて得るか、または、ゼラチン溶液に、粉末のヒドロキシアパタイトを直接混合することで得ても良い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
出願人は、骨および/または軟骨の再生を加速するために使用可能な多孔複合材料を得ることを目的とする。その多孔複合材料は、生体内での吸収率に優れ、急速に新組織を形成するプロセスに適している。このようにして、この複合材料は、骨および/または軟骨の再生技術を提供し、再生医学デバイスを実現することに特に適する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
出願人は、この問題が、下記の請求項で請求されている多孔複合材料により、解決されるという驚くべき発見をした。すなわち、少なくとも1つの相互分散させたバイオポリマーは、ミネラル成分の総重量に対して、50重量%から95重量%のα−リン酸三カルシウム(α‐TCP,α‐Ca3(PO4)2)と、5重量%から50重量%のリン酸オクタカルシウム(OCP,Ca8H2(PO4)6・5H2O)とからなるカルシウム‐リン酸ミネラル成分を有して形成される。α‐TCPとOCPのこの組み合わせは、生体内での吸収率を上げるので、ナノ結晶構造の低結晶度のミネラル成分を持つ新しい骨組織の短時間での形成を可能にする。この特徴は、生体のリン灰石の特徴と非常に似ている。
【0012】
したがって、第1の特徴に関する本発明は、ミネラル成分に相互分散された少なくとも1つのバイオポリマーからなる多孔複合材料に関する発明であり、そのミネラル成分は、ミネラル成分の総重量に対して、50重量%から95重量%のα‐リン酸三カルシウム(α‐TCP)と5重量%から50重量%のリン酸オクタカルシウム(OCP)とからなる。
【0013】
好ましくは、ミネラル成分は、60重量%から85重量%のα‐TCPと、15重量%から40重量%のOCPとから成る。さらに好ましくは、ミネラル成分は、70重量% から80重量%のα‐TCPと、20重量%から30重量%のOCPから成る。
【0014】
好ましくは、バイオポリマーはタンパク質もしくは多糖類である。さらに好ましくは、バイオポリマーは水溶性のタンパク質であって、特に、動物性ゼラチンから得られる。動物性ゼラチンは、例えば、筋肉や結合組織のような生体組織であって、例えば、骨、腱、じん帯、軟骨、皮膚(skin、derma)から採取される。多孔複合材料は、好ましくは、30重量%から99重量%、さらに好ましくは、55重量%から95重量%の少なくとも1つのバイオポリマーと、1重量%から70重量%、さらに好ましくは、5重量%から45重量%の上記ミネラル成分とからなる。この割合は、多孔複合材料の総重量に対する割合である。
【0015】
別の特徴として、本発明は、前記の多孔複合材料を生成する方法に関する。多孔複合材料は、発泡体を得るために、水性溶媒中で、少なくとも1つのバイオポリマーを、α−リン酸三カルシウム (α‐TCP)で実質的に構成されるミネラル成分と混ぜる工程と、そのようにして得られた発泡体を、バイオポリマーのゲル化を得るために必要な時間放置する工程と、−20℃よりも低い温度、好ましくは−90℃よりも低い温度で発泡体を冷却する工程と、冷却された発泡体を凍結乾燥する工程とを有する。
【0016】
別の特徴として、本発明は、上記の多孔複合材料の使用に関する発明であって、骨および/または軟骨の再生のための材料への使用を含む。
【0017】
別の特徴として、本発明は、上記の多孔複合材料の使用に関する発明であって、組織工学デバイスの製造物のための材料への使用を含む。
【0018】
別の特徴として、本発明は、上記の多孔複合材料の使用に関する発明であって、骨および/または軟骨の代用品(骨格(scaffold))への使用を含む。
【0019】
本発明の製造方法によれば、上記のα‐TCPとOCPとの組み合わせは、水溶液中のα−TCPが部分的に加水分解されてOCPになる際のα‐TCPから得られる。この点においては、Bigi et al.“Tricalcium phosphate hydrolysis to octacalcium phosphate: effect of sodium polyacrylate”,Biomaterials 23(2002),P.1849−1854を参照。
【0020】
本発明のこのような結果は、他のリン酸カルシウムからは得られない。たとえば、α‐TCPとは全く異なるTCPの結晶状態であるβ‐TCPからであっても、TCPとして一般的に販売されている市販品の主成分であるヒドロキシアパタイトからであっても、本発明のような結果は得られない。このことは、出願人により実験されて証明されており、以後に報告されている。
【0021】
好適な実施例によれば、前記少なくとも1つのバイオポリマーは、本発明多孔複合材料に含まれて、架橋されている。こうすることによって、以下の用途が必要とする高い機械的な耐圧性と良好な耐劣化性とを調節可能である。
【0022】
バイオポリマーの架橋は、生成中に、少なくとも1つの架橋剤を加えることで得ても良い。架橋剤は、たとえば、アクリルアミドのようなアミド類、グルタルアルデヒドのようなアルデヒド類、ジオン類から選択されても良い。
【0023】
特に好適な架橋剤はゲニピンで、極めて低い細胞毒性の生分解性の天然産物である。ゲニピンはゲニポシドの加水分解生成物であって、通常は、アカネ科クチナシ属の実(the fruit of Gardenia jasminoides Ellis)から得られる。
【0024】
架橋剤は、バイオポリマーの架橋結合を得るために必要な時間かき混ぜる間に、バイオポリマーとα‐TCPとが拡散された水性の溶媒に加えられる。架橋剤の量は、通常、バイオポリマーの重量に対して、0.5重量%から5重量%、好ましくは、1.5重量%から3.0重量%である。
【0025】
冷却されて凍結乾燥される前に、その取得された発泡体は、バイオポリマーをゲル化するために必要な時間放置される。
【0026】
使用目的に合わせて最終的な材料の形状とサイズを調整するために、ゲル化の段階は、適切なサイコロ形状であっても良い。そうすることで、無駄が最小限になる。そうでなければ、適した形と大きさを得るために、凍結乾燥後に材料をカットしても良い。
【0027】
凍結乾燥の工程は、一般的な方法で行われる。通常は−20℃以下、好ましくは−40から−60℃の間で、通常は、18時間以上の時間で、好ましくは、24時間から3日の間で、通常は、10ミリバールを越えない減圧環境で、好ましくは、0.1から1.0ミリバールで凍結乾燥の工程が実行される。
【0028】
本発明に係る複合材料は、多孔構造を有し、その平均パーティクルサイズは1μmから500μmである。SEM分析によると、多孔構造はマクロ多孔性とミクロ多孔性とを有すると共に、相互接合したマクロ気孔を有し、そのマクロ気孔の平均パーティクルサイズは100μmから200μmである。マクロ気孔の気孔壁はミクロ気孔であり、そのミクロ気孔の平均パーティクルサイズは数マイクロメートルである。
【0029】
本発明に係る多孔複合材料は、生体内および/または生体外の再生医療用のセルであっても良い。これらのセルは、分化型(骨芽細胞、骨細胞、軟骨芽細胞、軟骨細胞など)、および/または未分化型(間葉幹細胞など)、自己移植型または同種移植型であり、手術での移植の際に、多孔複合材料と結合されても良い。また、それらは、生体内で移植されるように、生体外で工学的な構造を得るために培養しても良い。成長因子またはその他のタンパク質類および/または生体刺激(合成とバイオの両方、自己移植型または同種移植型)は、それらの製造工程で、多孔複合材料と結合されても良い。同時に、その移植手術の際にセルはあってもなくても良く、移植の前の生体外での工学的に生成する段階であっても良い。
【0030】
本発明のいくらかの例を図示するが、本発明の範囲の範囲を何ら制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】図1は、ゼラチンの多孔材料のSEM画像の様々な拡大図である。このゼラチン多孔材料はミネラル成分を含まない。
【図2】図2は本発明に係る多孔複合材料のSEM画像の様々な拡大図である。図2の多孔複合材料は、多孔複合材料の総量重量に対して、9重量%のミネラル成分を含む。
【図3】図3は本発明に係る多孔複合材料のSEM画像の様々な拡大図である。図3の多孔複合材料は、多孔複合材料の総量重量に対して、23重量%のミネラル成分を含む。
【図4】図4は本発明に係る多孔複合材料のSEM画像の様々な拡大図である。図4の多孔複合材料は、多孔複合材料の総量重量に対して、33重量%のミネラル成分を含む。
【図5】図5は本発明に係る多孔複合材料のSEM画像の様々な拡大図である。図5の多孔複合材料は、多孔複合材料の総量重量に対して、42重量%のミネラル成分を含む。
【図6】図6は、本発明の多孔複合材料の生成に用いられるα‐TCPの粉末のX線回折図である。
【図7】図7は、本発明の多孔複合材料から分離されたミネラル成分の粉末のX線回折図である。図7の多孔複合材料は、多孔複合材料の総重量に対して、23重量%のミネラル成分を含む。
【図8】図8は、本発明の多孔複合材料から分離されたミネラル成分の粉末のX線回折図である。図8の多孔複合材料は、多孔複合材料の総重量に対して、33重量%のミネラル成分を含む。
【図9】図9は、本発明の多孔複合材料から分離されたミネラル成分の粉末のX線回折図である。図9の多孔複合材料は、多孔複合材料の総重量に対して、42重量%のミネラル成分を含む。
【図10】図10は、従来技術の多孔複合材料の生成に用いられるβ‐TCPの粉末のX線回折図である。
【図11】図11は、従来技術のβ‐TCPから得られる多孔複合材料から分離されるミネラル成分の粉末のX線回折図である。そのミネラル成分は、多孔複合材料の総重量に対して、33重量%含まれている。
【図12】図12は、従来技術の多孔複合材料の生成に使用される市販品のTCP(Merck)の粉末のX線回折図である。
【図13】図13は、従来技術に係る市販品のTCP(Merck)から得られる多孔複合材料から分離されたミネラル成分の粉末のX線回折図である。そのミネラル成分は、多孔複合材料の全重量に対して、42重量%含まれている。
【発明を実施するための形態】
【0032】
実施例1−5
使用される材料
酸抽出で得られる豚の皮のゼラチンが使われる。
【0033】
α‐TCPは、CaCO3とCaHPO4・2H2Oの混合物の固相反応により生成される。固相反応の条件は、CaCO3とCaHPO4・2H2Oのモル比が1:2、1300℃、5時間である。固形生成物は、使用前に微細に粉砕される。
【0034】
多孔複合材料の生成
以下の工程では、様々なサンプルの生成が行われる。
【0035】
a)ゼラチンは、α‐TCPを含む水中で溶解され、α‐TCPは、最終状態の複合材料中に、所定のミネラル成分量を得るような濃度で含まれる。ミネラル成分量は、最終状態の複合材料中に、実施例2では9重量%、実施例3では23重量%、実施例4では33重量%、実施例5では42重量%である。溶解液は、物理的に攪拌する事で得られる。攪拌の条件は、40℃、50分間、1,000rpmである。攪拌が終了すると、発泡体が得られる。
【0036】
b)発泡体は、発泡体をペトリ皿の中で(in a Petri dish)、10分間から40分間大気温度で放置する間にゲル化される。
【0037】
c)得られたゲルは、液体ニトロ(−195℃)の中に10分間浸すことにより、凍結される。
【0038】
d)凍結されたゲルは、−50℃で24時間、1ミリバールの圧力下で凍結乾燥される。
【0039】
比較例の多孔材料も生成する。比較例の多孔材料は、本願発明のα‐TCPを加えないで、ゼラチンを使って、前記と同じ方法で生成する(比較例1)。
【0040】
もし、架橋された複合材料のサンプルが必要ならば、a)の工程の後に、ゼラチンの重量に対して、1.5重量%のゲニピンを得るようにゲニピン水溶液を加える。そのように取得された組成物は、その後、10分間に渡って攪拌される。
【0041】
複合材料の特性
図2−5は、本発明に係る多孔複合材料のSEM顕微鏡写真である。実施例2は、9重量%のミネラル成分を含む(図2)。実施例3は、23重量%のミネラル成分を含む(図3)。実施例4は、33重量%のミネラル成分を含む(図4)。実施例5は、42重量%のミネラル成分を含む(図5)。
【0042】
比較例として、図1は、ミネラル成分を含まない比較例1に係るゼラチンの多孔材料のSEM画像を様々な拡大で示す。
【0043】
上記のように、多孔構造は、マクロ多孔性とミクロ多孔性とを示す。マクロ気孔は、相互結合していると考えられ、100〜200μmの平均パーティクルサイズを有する。画像は、無機層についての詳細は示さず、複合材料の良好な均質化を示す。
【0044】
ミネラル成分の結晶構造の特性評価は、粉末のX線回折により行われる。特性評価は、X線回折装置X’Pert PRO(PANalytical)を使用する。
【0045】
図6は、多孔複合材料のサンプルの生成に用いられるα‐TCPから得られる粉末のX線回折図を示す。全ての回折ピークは、α‐TCPのピーク特性(ICDDのα‐TCPの参照ファイルのピーク特性に関する部分で図中に報告されている。)と一致する。
【0046】
図7は、ゼラチンの可溶化により複合材料から分離されたミネラル成分から得られる粉末のX線回折図である。この複合材料は、23重量%のミネラル成分を含み、凍結乾燥された直後のものである(実施例3)。図7は、典型的なα‐TCPのピークと同様に、OCPに特有の他の回折ピーク(ICDDのOCPの参照ファイルのピーク特性に関する部分で図中に報告されている。)の存在を示す。
【0047】
図8および図9に示すように、ミネラル成分の含有量が異なるサンプルについても、同様の結果が得られている。図8は、実施例4の結果を示し、33重量%のミネラル成分を含む。図9は、実施例5の結果を示し、42重量%のミネラル成分を含む。
【0048】
α‐TCPとOCP2つの段階の相対量は、全ての回折図の構造の詳細化によって計算されており、QUANTO programを使用することにより実現されている。得られたデータは、全ての実施例のサンプルにわたり、非常に似通っており、複合材料の異なるミネラル成分の含有量の値に関係している。このデータは、生成後に1ヶ月を上限として様々なタイミングで測定されており、26±5%のOCPと74±5%のα‐TCPである。
【0049】
複合材料のサンプルは、1kNのロードセルを備えたINSTRON 4465 dynamometerにより、圧力環境にさらされる。この時、バーの速度は、1mm/minである。その結果は、ミネラル成分の含有が、圧力環境下で機械特性に対してどのように影響するかを示す。実際に、機械特性は、ミネラル成分の含有に応じて良好になる。圧力下での応力は、ミネラル成分を含まないサンプルにおいて平均値で0.08±2Mpaから、70重量%のミネラル成分を含むサンプルにおいて平均値で0.21±3Mpaに増加する。同時に、ヤング率の値は、0.9±1MPaから4±1MPaに増加する。
【0050】
細孔径分布測定分析(intrusion porosimetric analysis)を、ThermoFinnigan Pascal140、Pascal240により、上記の複合材料のサンプルに実施した。測定分析の条件は、最大圧力の240MPaとし、水銀−サンプルの接触角度を140度とした。気孔サイズはSEM画像により測定されている。結果は、ミクロ気孔とマクロ気孔による相互接合した多孔性を示し、1〜500μmのサイズである。
【0051】
実施例6−7(従来技術)
実施例6では、α‐TCPの代わりに、無機材料としてβ‐TCPを使用し、実施例7では、TCPと表示されたMerckの市販品を使用した以外は、上記の実施例1〜5と同じ方法により、いくつかの多孔複合材料の生成試験が行われた。
【0052】
β‐TCPは、CaCO3とCaHPO4・2H2Oの混合物の固相反応により生成される。固相反応の条件は、CaCO3とCaHPO4・2H2Oのモル比が1:2で、1000℃、15時間である。目的物のX線回折図を図10に示す。全ての回折ピークは、β‐TCPの特性(ICDDのβ‐TCPの参照ファイルのピーク特性に関する部分で図中に報告されている。)と一致する。図11は、複合材料から分離されたミネラル成分(ゼラチンの可溶化による)から得られるパウダーのX線回折図を示す。この複合材料は、33重量%のミネラル成分を含み、凍結乾燥の直後のものである。
【0053】
全ての回折ピークはβ‐TCPの特性(ICDDのβ‐TCPの参照ファイルのピーク特性に関する部分で報告されている。)と一致する。かなりの量のOCPとα‐TCPとが観察されない。
【0054】
市販品のTCP(Merck)のX線回折図が図12に報告されている。全ての回折ピークは、実際にHAのピーク特性と一致しており、TCPのピーク特性とは異なる(ICCDのHAの参照ファイルのピーク特性に関する部分で図中に報告されている)。図13は、複合材料から分離されたミネラル成分(ゼラチンの可溶化による)から得られた粉末のX線回折図である。この複合材料は、42重量%のミネラル成分を含んでおり、冷結乾燥直後のものである。全ての回折ピークはHAのピーク特性(この場合も、ICCDのHAの参照ファイルのピーク特性に関する部分で図中に報告されている)と一致している。かなりの量のOCPとα‐TCPが観察されない。
【技術分野】
【0001】
本発明は、多孔複合材料に関し、その生成方法、骨および/または軟骨の再生への使用、そして再生医療デバイス類(tissue engineering devices)の実現に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、骨組織は、極めて複雑なバイオミネラル複合材料(biomineralized composite material)であり、主に、ヒドロキシアパタイト(HA)および水のような無機材料(70〜80%)と、I型コラーゲン、プロテオグリカン類およびその他の非コラーゲンタンパク質類(non‐collagen proteins)のような有機材料類(20〜30%)とで構成される。骨を生成する間は、低結晶度のヒドロキシアパタイトのナノ結晶が増殖し、有機材料の繊維状と強固に結びつき、そのようにして、機械特性および弾性特性に極めて優れたナノ構造複合材料を形成する。
【0003】
骨の欠陥や、欠損部の整復に係る需要または既存部の増量に係る需要は、整形外科、美容整形および神経外科の分野で大きな課題となっている。骨の代替材料として、様々な生体医療材料が研究され提案されているが、それらは、高い生体適合性を有さなければならないと共に、生物学的構造をホストの骨組織および細胞と活性化させるようなバイオ特性を有さなければならず、新しい組成および骨の固化プロセスが提案され続けている。この固化プロセス機能が完了すると、通常は、これらの材料は完全に再吸収され、新しく形成される骨の専用スペースを残す。この再生方法は、通常、“骨再生誘導法(guided bone regeneration)”といわれる。
【0004】
例えば、国際特許出願03/071991において、多孔マトリクス(porous matrix)が開示されており、骨を再生する材料として使用可能である。この多孔マトリクスは、水に溶けない繊維ポリマーから成り、特に、不溶性のコラーゲン、コラーゲン誘導体もしくは変性のゼラチン誘導体であり、リン酸カルシウムとミネラル化される。
【0005】
このバイオポリマーは、水溶性リガンドと混ぜて使用されてもよく、例えば水溶性リガンドは、水溶性のコラーゲンやゼラチン、ポリ乳酸、ポリグリセリン酸およびその他の水溶性リガンドである。ミネラル化すなわち石灰化は、ポリマー繊維を、カルシウムイオンとリン酸塩イオンの塩基性のpHの水溶液で処理することで得られる。その後、水溶性のリガンドは、ミネラル化されたバイオポリマー水溶液に加えられて混ぜられて、その混合物は冷却されて凍結乾燥される。多孔マトリクスは、例えばグルタルアルデヒトを加えて架橋される。
【0006】
国際特許出願WO06/031196には、バイオ材料とミネラルチャージ(mineral charge)とを含む多孔複合物が開示されている。そのバイオ材料は、広範囲の製品から選択されおり、プロテイン類(例えば、コラーゲン、エラスチン、ゼラチンおよびその他)、ペプチド類、多糖類である。ミネラルチャージは、リン酸カルシウムであってもよく、例えば、リン灰石、代用リン灰石、またはブルッシャイト、リン酸三カルシウム、リン酸オクタカルシウムであってもよい。その生体鉱物は、様々な架橋剤と架橋されてもよく、例えば、架橋剤は、アクリルアミド類、ジオン類(dions)、グルタルアルデヒド、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド、またはリボースのような架橋剤である。合成物は、水中で、様々な手法によって、バイオ材料とミネラルチャージとを混ぜることにより準備され、懸濁液が得られ、その後、凍結乾燥される。
【0007】
Chun‐Hsu Yao et al.“Calvarial bone response to tricalcium phosphate‐genipin crosslinked gelatin composite”,Biomaterials 26 (2005),P.3065−3074は、ゼラチンをゲニピンおよびリン酸三カルシウムのセラミックの粒子と架橋させて得られる生体分解性の多孔合成物の生体内における生体反応に関する研究を報告している。ゼラチンの架橋を引き起こすために、0.5重量%のゲニピン水溶液が18%のゼラチン水溶液に加えられる。その後に、200〜300μmの粒子のリン酸三カルシウム(Merck)が加えられる。凝固後、合成物は−80℃で凍結されて凍結乾燥される。
【0008】
Yoshitake Takahashi et al.“Osteogenic differentiation of mesenchymal stem cells in biodegradable sponges composed of gelatin and β‐tricalcium phosphate", Biomaterials 26(2005),P3587−3596は、ゼラチンとβ−リン酸三カルシウムとから構成される生体分解性の多孔材料の生成および生体外における間葉系幹細胞の骨形成分化への使用について開示している。これらの材料は、β‐リン酸三カルシウムが存在する下で、ゼラチンをグルタルアルデヒドと架橋させることにより準備されて、その後凍結乾燥される。
【0009】
Hae‐Won Kim et al.“Stimulation of osteoblast responses to biomimetic nanocomposites of gelatin‐hydroxyapatite for tissue engineering scaffolds” ,Biomaterials 26(2005),P5221−5230は、ナノ複合材料ベースのコラーゲン/水酸化リン灰石が存在する条件下での、骨芽細胞の生体外での反応に関する研究に最終的に注目している。そのナノ複合材料は、ゼラチン溶液でヒドロキシアパタイトを共沈させることにより生成され、その後凍結乾燥される。そのヒドロキシアパタイトは、ゼラチン溶液に、カルシウムイオンとリン酸イオンを加えて得るか、または、ゼラチン溶液に、粉末のヒドロキシアパタイトを直接混合することで得ても良い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
出願人は、骨および/または軟骨の再生を加速するために使用可能な多孔複合材料を得ることを目的とする。その多孔複合材料は、生体内での吸収率に優れ、急速に新組織を形成するプロセスに適している。このようにして、この複合材料は、骨および/または軟骨の再生技術を提供し、再生医学デバイスを実現することに特に適する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
出願人は、この問題が、下記の請求項で請求されている多孔複合材料により、解決されるという驚くべき発見をした。すなわち、少なくとも1つの相互分散させたバイオポリマーは、ミネラル成分の総重量に対して、50重量%から95重量%のα−リン酸三カルシウム(α‐TCP,α‐Ca3(PO4)2)と、5重量%から50重量%のリン酸オクタカルシウム(OCP,Ca8H2(PO4)6・5H2O)とからなるカルシウム‐リン酸ミネラル成分を有して形成される。α‐TCPとOCPのこの組み合わせは、生体内での吸収率を上げるので、ナノ結晶構造の低結晶度のミネラル成分を持つ新しい骨組織の短時間での形成を可能にする。この特徴は、生体のリン灰石の特徴と非常に似ている。
【0012】
したがって、第1の特徴に関する本発明は、ミネラル成分に相互分散された少なくとも1つのバイオポリマーからなる多孔複合材料に関する発明であり、そのミネラル成分は、ミネラル成分の総重量に対して、50重量%から95重量%のα‐リン酸三カルシウム(α‐TCP)と5重量%から50重量%のリン酸オクタカルシウム(OCP)とからなる。
【0013】
好ましくは、ミネラル成分は、60重量%から85重量%のα‐TCPと、15重量%から40重量%のOCPとから成る。さらに好ましくは、ミネラル成分は、70重量% から80重量%のα‐TCPと、20重量%から30重量%のOCPから成る。
【0014】
好ましくは、バイオポリマーはタンパク質もしくは多糖類である。さらに好ましくは、バイオポリマーは水溶性のタンパク質であって、特に、動物性ゼラチンから得られる。動物性ゼラチンは、例えば、筋肉や結合組織のような生体組織であって、例えば、骨、腱、じん帯、軟骨、皮膚(skin、derma)から採取される。多孔複合材料は、好ましくは、30重量%から99重量%、さらに好ましくは、55重量%から95重量%の少なくとも1つのバイオポリマーと、1重量%から70重量%、さらに好ましくは、5重量%から45重量%の上記ミネラル成分とからなる。この割合は、多孔複合材料の総重量に対する割合である。
【0015】
別の特徴として、本発明は、前記の多孔複合材料を生成する方法に関する。多孔複合材料は、発泡体を得るために、水性溶媒中で、少なくとも1つのバイオポリマーを、α−リン酸三カルシウム (α‐TCP)で実質的に構成されるミネラル成分と混ぜる工程と、そのようにして得られた発泡体を、バイオポリマーのゲル化を得るために必要な時間放置する工程と、−20℃よりも低い温度、好ましくは−90℃よりも低い温度で発泡体を冷却する工程と、冷却された発泡体を凍結乾燥する工程とを有する。
【0016】
別の特徴として、本発明は、上記の多孔複合材料の使用に関する発明であって、骨および/または軟骨の再生のための材料への使用を含む。
【0017】
別の特徴として、本発明は、上記の多孔複合材料の使用に関する発明であって、組織工学デバイスの製造物のための材料への使用を含む。
【0018】
別の特徴として、本発明は、上記の多孔複合材料の使用に関する発明であって、骨および/または軟骨の代用品(骨格(scaffold))への使用を含む。
【0019】
本発明の製造方法によれば、上記のα‐TCPとOCPとの組み合わせは、水溶液中のα−TCPが部分的に加水分解されてOCPになる際のα‐TCPから得られる。この点においては、Bigi et al.“Tricalcium phosphate hydrolysis to octacalcium phosphate: effect of sodium polyacrylate”,Biomaterials 23(2002),P.1849−1854を参照。
【0020】
本発明のこのような結果は、他のリン酸カルシウムからは得られない。たとえば、α‐TCPとは全く異なるTCPの結晶状態であるβ‐TCPからであっても、TCPとして一般的に販売されている市販品の主成分であるヒドロキシアパタイトからであっても、本発明のような結果は得られない。このことは、出願人により実験されて証明されており、以後に報告されている。
【0021】
好適な実施例によれば、前記少なくとも1つのバイオポリマーは、本発明多孔複合材料に含まれて、架橋されている。こうすることによって、以下の用途が必要とする高い機械的な耐圧性と良好な耐劣化性とを調節可能である。
【0022】
バイオポリマーの架橋は、生成中に、少なくとも1つの架橋剤を加えることで得ても良い。架橋剤は、たとえば、アクリルアミドのようなアミド類、グルタルアルデヒドのようなアルデヒド類、ジオン類から選択されても良い。
【0023】
特に好適な架橋剤はゲニピンで、極めて低い細胞毒性の生分解性の天然産物である。ゲニピンはゲニポシドの加水分解生成物であって、通常は、アカネ科クチナシ属の実(the fruit of Gardenia jasminoides Ellis)から得られる。
【0024】
架橋剤は、バイオポリマーの架橋結合を得るために必要な時間かき混ぜる間に、バイオポリマーとα‐TCPとが拡散された水性の溶媒に加えられる。架橋剤の量は、通常、バイオポリマーの重量に対して、0.5重量%から5重量%、好ましくは、1.5重量%から3.0重量%である。
【0025】
冷却されて凍結乾燥される前に、その取得された発泡体は、バイオポリマーをゲル化するために必要な時間放置される。
【0026】
使用目的に合わせて最終的な材料の形状とサイズを調整するために、ゲル化の段階は、適切なサイコロ形状であっても良い。そうすることで、無駄が最小限になる。そうでなければ、適した形と大きさを得るために、凍結乾燥後に材料をカットしても良い。
【0027】
凍結乾燥の工程は、一般的な方法で行われる。通常は−20℃以下、好ましくは−40から−60℃の間で、通常は、18時間以上の時間で、好ましくは、24時間から3日の間で、通常は、10ミリバールを越えない減圧環境で、好ましくは、0.1から1.0ミリバールで凍結乾燥の工程が実行される。
【0028】
本発明に係る複合材料は、多孔構造を有し、その平均パーティクルサイズは1μmから500μmである。SEM分析によると、多孔構造はマクロ多孔性とミクロ多孔性とを有すると共に、相互接合したマクロ気孔を有し、そのマクロ気孔の平均パーティクルサイズは100μmから200μmである。マクロ気孔の気孔壁はミクロ気孔であり、そのミクロ気孔の平均パーティクルサイズは数マイクロメートルである。
【0029】
本発明に係る多孔複合材料は、生体内および/または生体外の再生医療用のセルであっても良い。これらのセルは、分化型(骨芽細胞、骨細胞、軟骨芽細胞、軟骨細胞など)、および/または未分化型(間葉幹細胞など)、自己移植型または同種移植型であり、手術での移植の際に、多孔複合材料と結合されても良い。また、それらは、生体内で移植されるように、生体外で工学的な構造を得るために培養しても良い。成長因子またはその他のタンパク質類および/または生体刺激(合成とバイオの両方、自己移植型または同種移植型)は、それらの製造工程で、多孔複合材料と結合されても良い。同時に、その移植手術の際にセルはあってもなくても良く、移植の前の生体外での工学的に生成する段階であっても良い。
【0030】
本発明のいくらかの例を図示するが、本発明の範囲の範囲を何ら制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】図1は、ゼラチンの多孔材料のSEM画像の様々な拡大図である。このゼラチン多孔材料はミネラル成分を含まない。
【図2】図2は本発明に係る多孔複合材料のSEM画像の様々な拡大図である。図2の多孔複合材料は、多孔複合材料の総量重量に対して、9重量%のミネラル成分を含む。
【図3】図3は本発明に係る多孔複合材料のSEM画像の様々な拡大図である。図3の多孔複合材料は、多孔複合材料の総量重量に対して、23重量%のミネラル成分を含む。
【図4】図4は本発明に係る多孔複合材料のSEM画像の様々な拡大図である。図4の多孔複合材料は、多孔複合材料の総量重量に対して、33重量%のミネラル成分を含む。
【図5】図5は本発明に係る多孔複合材料のSEM画像の様々な拡大図である。図5の多孔複合材料は、多孔複合材料の総量重量に対して、42重量%のミネラル成分を含む。
【図6】図6は、本発明の多孔複合材料の生成に用いられるα‐TCPの粉末のX線回折図である。
【図7】図7は、本発明の多孔複合材料から分離されたミネラル成分の粉末のX線回折図である。図7の多孔複合材料は、多孔複合材料の総重量に対して、23重量%のミネラル成分を含む。
【図8】図8は、本発明の多孔複合材料から分離されたミネラル成分の粉末のX線回折図である。図8の多孔複合材料は、多孔複合材料の総重量に対して、33重量%のミネラル成分を含む。
【図9】図9は、本発明の多孔複合材料から分離されたミネラル成分の粉末のX線回折図である。図9の多孔複合材料は、多孔複合材料の総重量に対して、42重量%のミネラル成分を含む。
【図10】図10は、従来技術の多孔複合材料の生成に用いられるβ‐TCPの粉末のX線回折図である。
【図11】図11は、従来技術のβ‐TCPから得られる多孔複合材料から分離されるミネラル成分の粉末のX線回折図である。そのミネラル成分は、多孔複合材料の総重量に対して、33重量%含まれている。
【図12】図12は、従来技術の多孔複合材料の生成に使用される市販品のTCP(Merck)の粉末のX線回折図である。
【図13】図13は、従来技術に係る市販品のTCP(Merck)から得られる多孔複合材料から分離されたミネラル成分の粉末のX線回折図である。そのミネラル成分は、多孔複合材料の全重量に対して、42重量%含まれている。
【発明を実施するための形態】
【0032】
実施例1−5
使用される材料
酸抽出で得られる豚の皮のゼラチンが使われる。
【0033】
α‐TCPは、CaCO3とCaHPO4・2H2Oの混合物の固相反応により生成される。固相反応の条件は、CaCO3とCaHPO4・2H2Oのモル比が1:2、1300℃、5時間である。固形生成物は、使用前に微細に粉砕される。
【0034】
多孔複合材料の生成
以下の工程では、様々なサンプルの生成が行われる。
【0035】
a)ゼラチンは、α‐TCPを含む水中で溶解され、α‐TCPは、最終状態の複合材料中に、所定のミネラル成分量を得るような濃度で含まれる。ミネラル成分量は、最終状態の複合材料中に、実施例2では9重量%、実施例3では23重量%、実施例4では33重量%、実施例5では42重量%である。溶解液は、物理的に攪拌する事で得られる。攪拌の条件は、40℃、50分間、1,000rpmである。攪拌が終了すると、発泡体が得られる。
【0036】
b)発泡体は、発泡体をペトリ皿の中で(in a Petri dish)、10分間から40分間大気温度で放置する間にゲル化される。
【0037】
c)得られたゲルは、液体ニトロ(−195℃)の中に10分間浸すことにより、凍結される。
【0038】
d)凍結されたゲルは、−50℃で24時間、1ミリバールの圧力下で凍結乾燥される。
【0039】
比較例の多孔材料も生成する。比較例の多孔材料は、本願発明のα‐TCPを加えないで、ゼラチンを使って、前記と同じ方法で生成する(比較例1)。
【0040】
もし、架橋された複合材料のサンプルが必要ならば、a)の工程の後に、ゼラチンの重量に対して、1.5重量%のゲニピンを得るようにゲニピン水溶液を加える。そのように取得された組成物は、その後、10分間に渡って攪拌される。
【0041】
複合材料の特性
図2−5は、本発明に係る多孔複合材料のSEM顕微鏡写真である。実施例2は、9重量%のミネラル成分を含む(図2)。実施例3は、23重量%のミネラル成分を含む(図3)。実施例4は、33重量%のミネラル成分を含む(図4)。実施例5は、42重量%のミネラル成分を含む(図5)。
【0042】
比較例として、図1は、ミネラル成分を含まない比較例1に係るゼラチンの多孔材料のSEM画像を様々な拡大で示す。
【0043】
上記のように、多孔構造は、マクロ多孔性とミクロ多孔性とを示す。マクロ気孔は、相互結合していると考えられ、100〜200μmの平均パーティクルサイズを有する。画像は、無機層についての詳細は示さず、複合材料の良好な均質化を示す。
【0044】
ミネラル成分の結晶構造の特性評価は、粉末のX線回折により行われる。特性評価は、X線回折装置X’Pert PRO(PANalytical)を使用する。
【0045】
図6は、多孔複合材料のサンプルの生成に用いられるα‐TCPから得られる粉末のX線回折図を示す。全ての回折ピークは、α‐TCPのピーク特性(ICDDのα‐TCPの参照ファイルのピーク特性に関する部分で図中に報告されている。)と一致する。
【0046】
図7は、ゼラチンの可溶化により複合材料から分離されたミネラル成分から得られる粉末のX線回折図である。この複合材料は、23重量%のミネラル成分を含み、凍結乾燥された直後のものである(実施例3)。図7は、典型的なα‐TCPのピークと同様に、OCPに特有の他の回折ピーク(ICDDのOCPの参照ファイルのピーク特性に関する部分で図中に報告されている。)の存在を示す。
【0047】
図8および図9に示すように、ミネラル成分の含有量が異なるサンプルについても、同様の結果が得られている。図8は、実施例4の結果を示し、33重量%のミネラル成分を含む。図9は、実施例5の結果を示し、42重量%のミネラル成分を含む。
【0048】
α‐TCPとOCP2つの段階の相対量は、全ての回折図の構造の詳細化によって計算されており、QUANTO programを使用することにより実現されている。得られたデータは、全ての実施例のサンプルにわたり、非常に似通っており、複合材料の異なるミネラル成分の含有量の値に関係している。このデータは、生成後に1ヶ月を上限として様々なタイミングで測定されており、26±5%のOCPと74±5%のα‐TCPである。
【0049】
複合材料のサンプルは、1kNのロードセルを備えたINSTRON 4465 dynamometerにより、圧力環境にさらされる。この時、バーの速度は、1mm/minである。その結果は、ミネラル成分の含有が、圧力環境下で機械特性に対してどのように影響するかを示す。実際に、機械特性は、ミネラル成分の含有に応じて良好になる。圧力下での応力は、ミネラル成分を含まないサンプルにおいて平均値で0.08±2Mpaから、70重量%のミネラル成分を含むサンプルにおいて平均値で0.21±3Mpaに増加する。同時に、ヤング率の値は、0.9±1MPaから4±1MPaに増加する。
【0050】
細孔径分布測定分析(intrusion porosimetric analysis)を、ThermoFinnigan Pascal140、Pascal240により、上記の複合材料のサンプルに実施した。測定分析の条件は、最大圧力の240MPaとし、水銀−サンプルの接触角度を140度とした。気孔サイズはSEM画像により測定されている。結果は、ミクロ気孔とマクロ気孔による相互接合した多孔性を示し、1〜500μmのサイズである。
【0051】
実施例6−7(従来技術)
実施例6では、α‐TCPの代わりに、無機材料としてβ‐TCPを使用し、実施例7では、TCPと表示されたMerckの市販品を使用した以外は、上記の実施例1〜5と同じ方法により、いくつかの多孔複合材料の生成試験が行われた。
【0052】
β‐TCPは、CaCO3とCaHPO4・2H2Oの混合物の固相反応により生成される。固相反応の条件は、CaCO3とCaHPO4・2H2Oのモル比が1:2で、1000℃、15時間である。目的物のX線回折図を図10に示す。全ての回折ピークは、β‐TCPの特性(ICDDのβ‐TCPの参照ファイルのピーク特性に関する部分で図中に報告されている。)と一致する。図11は、複合材料から分離されたミネラル成分(ゼラチンの可溶化による)から得られるパウダーのX線回折図を示す。この複合材料は、33重量%のミネラル成分を含み、凍結乾燥の直後のものである。
【0053】
全ての回折ピークはβ‐TCPの特性(ICDDのβ‐TCPの参照ファイルのピーク特性に関する部分で報告されている。)と一致する。かなりの量のOCPとα‐TCPとが観察されない。
【0054】
市販品のTCP(Merck)のX線回折図が図12に報告されている。全ての回折ピークは、実際にHAのピーク特性と一致しており、TCPのピーク特性とは異なる(ICCDのHAの参照ファイルのピーク特性に関する部分で図中に報告されている)。図13は、複合材料から分離されたミネラル成分(ゼラチンの可溶化による)から得られた粉末のX線回折図である。この複合材料は、42重量%のミネラル成分を含んでおり、冷結乾燥直後のものである。全ての回折ピークはHAのピーク特性(この場合も、ICCDのHAの参照ファイルのピーク特性に関する部分で図中に報告されている)と一致している。かなりの量のOCPとα‐TCPが観察されない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの相互分散したバイオポリマーを含み、前記バイオポリマーは、ミネラル成分の総重量に対して、50重量%から95重量%のα‐リン酸三カルシウム(α‐TCP)と、5重量%から50重量%のリン酸オクタカルシウム(OCP)とからなるミネラル成分に相互分散されている多孔性の複合材料。
【請求項2】
請求項1に記載の多孔性の複合材料であって、
前記ミネラル成分は、60重量%から85重量%のα‐TCPと、15重量%から40重量%のOCPとからなる多孔性の複合材料。
【請求項3】
請求項2に記載の多孔性の複合材料であって、
前記ミネラル成分は、70重量%から80重量%のα‐TCPと、20重量%から30重量%のOCPとからなる多孔性の複合材料。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかに記載の多孔性の複合材料あって、
前記ミネラル成分は、α‐TCP自体の中で部分加水分解によって得られる多孔性の複合材料。
【請求項5】
請求項1〜4の何れかに記載の多孔性の複合材料あって、
前記少なくとも1つのバイオポリマーはタンパク質または多糖類である多孔性の複合材料。
【請求項6】
請求項5に記載の多孔性の複合材料あって、
前記少なくとも1つのバイオポリマーは、水溶性のタンパク質であり、好ましくは動物性ゼラチンである多孔性の複合材料。
【請求項7】
請求項1〜6の何れかに記載の多孔性の複合材料あって、
30重量%から99重量%であり、好ましくは55重量%から95重量%である前記少なくとも1つのバイオポリマーと、1重量%から70重量%であり、好ましくは5重量%から45重量%である前記ミネラル成分とからなる多孔性の複合材料。
【請求項8】
請求項1〜7の何れかに記載の多孔性の複合材料あって、
前記少なくとも1つのバイオポリマーは架橋されている多孔性の複合材料。
【請求項9】
請求項8に記載の多孔性の複合材料あって、
前記少なくとも1つのバイオポリマーは、アミド類、アルデヒド類、ジオン類から選択される架橋剤で架橋される多孔性の複合材料。
【請求項10】
請求項8に記載の多孔性の複合材料あって、
前記少なくとも1つのバイオポリマーはゲニピンで架橋される多孔性の複合材料。
【請求項11】
請求項1〜10の何れかに記載の多孔性の複合材料あって、
1μmから500μmの平均パーティクルサイズを持つ多孔性の構造を有する多孔性の複合材料。
【請求項12】
請求項1〜11の何れかに記載の多孔性の複合材料あって、
さらに、分化型および/または未分化型のセル、自己移植型のまたは同種移植型、成長分子または他のタンパク質類および/または生体刺激物質を含む多孔性の複合材料。
【請求項13】
請求項1〜12の何れかに記載の多孔性の複合材料を生成する製造方法あって、
発泡体を得るために、水性溶媒中で、少なくとも1つのバイオポリマーを、α−リン酸三カルシウム(α‐TCP)で 実質的に構成されるミネラル成分と混ぜる工程と、
そのようにして得た前記発泡体を、ゲル化したバイオポリマーを得るために必要とする時間放置する工程と、
前記発泡体を、−20℃より低い温度、好ましくは−90℃より低い温度で冷却する工程と、
前記冷却された発泡体を凍結乾燥する工程を含む製造方法。
【請求項14】
請求項13に記載の製造方法あって、
前記少なくとも1つの架橋剤が水性溶媒に加えられる製造方法。
【請求項15】
請求項14に記載の製造方法であって、
前記少なくとも1つの架橋剤は、アミド類、アルデヒド類、ジオン類から選択される製造方法。
【請求項16】
請求項15に記載の製造方法であって、
前記架橋剤がゲニピンである製造方法。
【請求項17】
請求項14〜16の何れかに記載の製造方法であって、
前記架橋剤は、ポリマーの重量に対して、0.5重量%から5重量%、好ましくは1.5重量%から3重量%の量で加えられる製造方法。
【請求項18】
請求項13〜17の何れかに記載の製造方法であって、
前記凍結乾燥工程は、−20℃を越えない温度、好ましくは−40℃から−60℃の間、18時間以上、好ましくは24時間から3日の間で行われ、10ミリバールより低く、好ましくは0.1ミリバールから1.0ミリバールの間の減圧環境で行われる製造方法。
【請求項19】
請求項1〜12の何れかに記載の多孔性の複合材料の使用であって、
骨および/または軟骨を再生する材料として用いられる多孔性の複合材料の使用。
【請求項20】
請求項1〜12の何れかに記載の多孔性の複合材料の使用であって、
組織工学デバイスの製造用の材料として用いられる多孔性の複合材料の使用。
【請求項21】
請求項1〜12の何れかに記載の多孔性の複合材料の使用であって、
骨および/または軟骨の代用品として用いられる多孔性の複合材料の使用。
【請求項1】
少なくとも1つの相互分散したバイオポリマーを含み、前記バイオポリマーは、ミネラル成分の総重量に対して、50重量%から95重量%のα‐リン酸三カルシウム(α‐TCP)と、5重量%から50重量%のリン酸オクタカルシウム(OCP)とからなるミネラル成分に相互分散されている多孔性の複合材料。
【請求項2】
請求項1に記載の多孔性の複合材料であって、
前記ミネラル成分は、60重量%から85重量%のα‐TCPと、15重量%から40重量%のOCPとからなる多孔性の複合材料。
【請求項3】
請求項2に記載の多孔性の複合材料であって、
前記ミネラル成分は、70重量%から80重量%のα‐TCPと、20重量%から30重量%のOCPとからなる多孔性の複合材料。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかに記載の多孔性の複合材料あって、
前記ミネラル成分は、α‐TCP自体の中で部分加水分解によって得られる多孔性の複合材料。
【請求項5】
請求項1〜4の何れかに記載の多孔性の複合材料あって、
前記少なくとも1つのバイオポリマーはタンパク質または多糖類である多孔性の複合材料。
【請求項6】
請求項5に記載の多孔性の複合材料あって、
前記少なくとも1つのバイオポリマーは、水溶性のタンパク質であり、好ましくは動物性ゼラチンである多孔性の複合材料。
【請求項7】
請求項1〜6の何れかに記載の多孔性の複合材料あって、
30重量%から99重量%であり、好ましくは55重量%から95重量%である前記少なくとも1つのバイオポリマーと、1重量%から70重量%であり、好ましくは5重量%から45重量%である前記ミネラル成分とからなる多孔性の複合材料。
【請求項8】
請求項1〜7の何れかに記載の多孔性の複合材料あって、
前記少なくとも1つのバイオポリマーは架橋されている多孔性の複合材料。
【請求項9】
請求項8に記載の多孔性の複合材料あって、
前記少なくとも1つのバイオポリマーは、アミド類、アルデヒド類、ジオン類から選択される架橋剤で架橋される多孔性の複合材料。
【請求項10】
請求項8に記載の多孔性の複合材料あって、
前記少なくとも1つのバイオポリマーはゲニピンで架橋される多孔性の複合材料。
【請求項11】
請求項1〜10の何れかに記載の多孔性の複合材料あって、
1μmから500μmの平均パーティクルサイズを持つ多孔性の構造を有する多孔性の複合材料。
【請求項12】
請求項1〜11の何れかに記載の多孔性の複合材料あって、
さらに、分化型および/または未分化型のセル、自己移植型のまたは同種移植型、成長分子または他のタンパク質類および/または生体刺激物質を含む多孔性の複合材料。
【請求項13】
請求項1〜12の何れかに記載の多孔性の複合材料を生成する製造方法あって、
発泡体を得るために、水性溶媒中で、少なくとも1つのバイオポリマーを、α−リン酸三カルシウム(α‐TCP)で 実質的に構成されるミネラル成分と混ぜる工程と、
そのようにして得た前記発泡体を、ゲル化したバイオポリマーを得るために必要とする時間放置する工程と、
前記発泡体を、−20℃より低い温度、好ましくは−90℃より低い温度で冷却する工程と、
前記冷却された発泡体を凍結乾燥する工程を含む製造方法。
【請求項14】
請求項13に記載の製造方法あって、
前記少なくとも1つの架橋剤が水性溶媒に加えられる製造方法。
【請求項15】
請求項14に記載の製造方法であって、
前記少なくとも1つの架橋剤は、アミド類、アルデヒド類、ジオン類から選択される製造方法。
【請求項16】
請求項15に記載の製造方法であって、
前記架橋剤がゲニピンである製造方法。
【請求項17】
請求項14〜16の何れかに記載の製造方法であって、
前記架橋剤は、ポリマーの重量に対して、0.5重量%から5重量%、好ましくは1.5重量%から3重量%の量で加えられる製造方法。
【請求項18】
請求項13〜17の何れかに記載の製造方法であって、
前記凍結乾燥工程は、−20℃を越えない温度、好ましくは−40℃から−60℃の間、18時間以上、好ましくは24時間から3日の間で行われ、10ミリバールより低く、好ましくは0.1ミリバールから1.0ミリバールの間の減圧環境で行われる製造方法。
【請求項19】
請求項1〜12の何れかに記載の多孔性の複合材料の使用であって、
骨および/または軟骨を再生する材料として用いられる多孔性の複合材料の使用。
【請求項20】
請求項1〜12の何れかに記載の多孔性の複合材料の使用であって、
組織工学デバイスの製造用の材料として用いられる多孔性の複合材料の使用。
【請求項21】
請求項1〜12の何れかに記載の多孔性の複合材料の使用であって、
骨および/または軟骨の代用品として用いられる多孔性の複合材料の使用。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2010−531704(P2010−531704A)
【公表日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−514169(P2010−514169)
【出願日】平成20年6月27日(2008.6.27)
【国際出願番号】PCT/IB2008/001688
【国際公開番号】WO2009/004445
【国際公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(507253303)アルマ マテル ストゥディオルム−ウニヴェルシタ ディ ボローニャ (3)
【出願人】(509352336)
【氏名又は名称原語表記】ISTITUTO ORTOPEDICO RIZZOLI
【住所又は居所原語表記】Via di Barbiano, 1/10, I−40136 Bologna(IT)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月27日(2008.6.27)
【国際出願番号】PCT/IB2008/001688
【国際公開番号】WO2009/004445
【国際公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(507253303)アルマ マテル ストゥディオルム−ウニヴェルシタ ディ ボローニャ (3)
【出願人】(509352336)
【氏名又は名称原語表記】ISTITUTO ORTOPEDICO RIZZOLI
【住所又は居所原語表記】Via di Barbiano, 1/10, I−40136 Bologna(IT)
【Fターム(参考)】
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