説明

多層カソードを有する燃料電池の膜電極組立体

多層カソードを有するポリマー電解質膜燃料電池の膜電極組立体を提供し、ポリマー電解質膜により近接するカソードの第1層は、より遠位の第2層より親水性が大である。いくつかの実施形態では、第1層は、第2層に含まれるポリマー電解質より当量が小さいポリマー電解質を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は2008年12月22日出願の米国特許仮出願第61/139925号の利益を主張するものであり、その開示の全内容を参照により本明細書に援用する。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、多層カソードを有するポリマー電解質膜燃料電池の膜電極組立体に関し、ポリマー電解質膜により近接するカソードの第1層はカソードの第2層より親水性が大であり、第2層はポリマー電解質膜に対してより遠位である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
簡潔に言うと、本開示は、i)第1及び第2面を有するポリマー電解質膜と、ii)ポリマー電解質膜の第1面上に支持されたアノード触媒層と、iii)ポリマー電解質膜の第2面上に支持された第1カソード触媒層であって、第1カソード触媒材料と第1ポリマー電解質とを含む、第1カソード触媒層と、iv)第1カソード触媒層上に支持された第2カソード触媒層であって、第2カソード触媒材料と第2ポリマー電解質とを含む、第2カソード触媒層と、を含み、第1カソード触媒層が第2カソード触媒層より親水性が大である、燃料電池の膜電極組立体を提供する。いくつかの実施形態では、第1ポリマー電解質は第1の当量を有し、第2ポリマー電解質は第2の当量を有し、第1の当量は第2の当量より小さく、典型的には第2の当量の85%未満であり、いくつかの実施形態では第2の当量の70%未満である。いくつかの実施形態では、第1の当量は、1050以下、より典型的には1000以下、より典型的には950以下、より典型的には900以下、より典型的には850以下、最も典型的には800以下である。典型的には、第1カソード触媒層は、ポリマー電解質膜の第2面に直接隣接する。典型的には、第2カソード触媒層は、第1カソード触媒層に直接隣接する。典型的には、第2カソード触媒材料の重量に対する第1カソード触媒材料の重量の比は、1:4〜4:1であり、より典型的には1:2〜2:1である。典型的には、第1及び第2ポリマー電解質は、高度にフッ素化されており、より典型的にはペルフルオロ化されている。第1及び第2ポリマー電解質は、−O−CF−CF−CF−CF−SOHの式に従ったペンダント基を含んでよい。
【0004】
別の態様では、本開示は、i)第1及び第2面を有するポリマー電解質膜を提供する工程と、ii)第1カソード触媒層をポリマー電解質膜の第2面に適用する工程であって、第1カソード触媒層が、第1カソード触媒材料と、第1の当量を有する第1ポリマー電解質とを含む、工程と、iii)第2カソード触媒層を第1カソード触媒層に適用する工程であって、第2カソード触媒層が、第2カソード触媒材料と、第2の当量を有する第2ポリマー電解質とを含む、工程と、を含み、第1カソード触媒層が第2カソード触媒層より親水性が大である、燃料電池の膜電極組立体の製造方法を提供する。いくつかの実施形態では、方法は、iv)工程iii)の前に第2カソード触媒層を気体拡散層に適用して触媒コーティングされた支持体を作製する工程を更に含んでよく、工程iii)は、触媒コーティングされた支持体を第1カソード触媒層に適用する工程を含む。いくつかの実施形態では、方法は、v)アノード触媒層をポリマー電解質膜の第1面に適用する工程を更に含んでよい。方法のいくつかの実施形態では、第1の当量は、第2の当量より小さく、典型的には第2の当量の85%未満であり、いくつかの実施形態では第2の当量の70%未満である。いくつかの実施形態では、第1の当量は、1050以下、より典型的には1000以下、より典型的には950以下、より典型的には900以下、より典型的には850以下、最も典型的には800以下である。典型的には、第1カソード触媒層は、ポリマー電解質膜の第2面に直接隣接する。典型的には、第2カソード触媒層は、第1カソード触媒層に直接隣接する。典型的には、第2カソード触媒材料の重量に対する第1カソード触媒材料の重量の比は、1:4〜4:1であり、より典型的には1:2〜2:1である。典型的には、第1及び第2ポリマー電解質は、高度にフッ素化されており、より典型的にはペルフルオロ化されている。第1及び第2ポリマー電解質は、−O−CF−CF−CF−CF−SOHの式に従ったペンダント基を含んでよい。
【0005】
別の態様では、本開示は、i)第1及び第2面を有するポリマー電解質膜を提供する工程と、ii)面を有する気体拡散層を提供する工程と、iii)第2カソード触媒層を気体拡散層の面に適用する工程であって、第2カソード触媒層が、第2カソード触媒材料と、第2の当量を有する第2ポリマー電解質とを含む、工程と、iv)第1カソード触媒層を第2カソード触媒層に適用する工程であって、第1カソード触媒層が、第1カソード触媒材料と、第1の当量を有する第1ポリマー電解質とを含む、工程と、を含み、第1カソード触媒層が第2カソード触媒層より親水性が大である、燃料電池の膜電極組立体の製造方法を提供する。いくつかの実施形態では、方法は、v)アノード触媒層をポリマー電解質膜の第1面に適用する工程を更に含んでよい。方法のいくつかの実施形態では、第1の当量は、第2の当量より小さく、典型的には第2の当量の85%未満であり、いくつかの実施形態では第2の当量の70%未満である。いくつかの実施形態では、第1の当量は、1050以下、より典型的には1000以下、より典型的には950以下、より典型的には900以下、より典型的には850以下、最も典型的には800以下である。典型的には、第1カソード触媒層は、ポリマー電解質膜の第2面に直接隣接する。典型的には、第2カソード触媒層は、第1カソード触媒層に直接隣接する。典型的には、第2カソード触媒材料の重量に対する第1カソード触媒材料の重量の比は、1:4〜4:1であり、より典型的には1:2〜2:1である。典型的には、第1及び第2ポリマー電解質は、高度にフッ素化されており、より典型的にはペルフルオロ化されている。第1及び第2ポリマー電解質は、−O−CF−CF−CF−CF−SOHの式に従ったペンダント基を含んでよい。
【0006】
この出願では:
ポリマーの「当量」(EW)は、塩基の1当量を中和するポリマーの重量を意味し、
「高度にフッ素化されている」は、40重量%以上、典型的には50重量%以上、より典型的には60重量%以上の量でフッ素を含有することを意味する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施例に記載されるように、始動/停止サイクルを繰り返した後の本開示によるMEAの偏光曲線のグラフである。それぞれの曲線は、曲線の測定前に行われた始動/停止サイクルの回数で表示されている。
【図2】実施例に記載されるように、始動/停止サイクルを繰り返した後の比較MEAの偏光曲線のグラフである。それぞれの曲線は、曲線の測定前に行われた始動/停止サイクルの回数で表示されている。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示は、広範囲の動作条件にわたって良好な性能を示し得る多層カソードを有する燃料電池の膜電極組立体を提供する。
【0009】
本開示に従う膜電極組立体(MEA)は、燃料電池において使用されてよい。MEAは、プロトン交換膜燃料電池(例えば水素燃料電池)の中心要素である。燃料電池は、水素などの燃料と酸素などの酸化剤との触媒的化合によって、使用可能な電気を発生する電気化学電池である。典型的なMEAは、固体電解質として機能するポリマー電解質膜(PEM)(イオン導電膜(ICM)としても既知である)を含む。PEMの1つの面はアノード電極層と接触し、反対側の面はカソード電極層と接触する。典型的な用途では、プロトンが、水素酸化によってアノードで形成され、PEMを通ってカソードに輸送されて酸素と反応し、電流が電極を接続する外部回路内に流れる。それぞれの電極層は、白金金属を典型的に含む電気化学触媒を含む。PEMは、反応ガス間に、耐久性のある無孔の非導電性機械的障壁を形成するが、それでもやはりHイオンを容易に通過させる。気体拡散層(GDL)が、アノード電極材料及びカソード電極材料への、並びにアノード電極材料及びカソード電極材料からのガス輸送を容易にし、電流を発生させる。GDLは多孔質であり、導電性でもあり、典型的には炭素繊維で構成される。GDLは、流体輸送層(FTL)又はディフューザ/集電体(DCC)と呼んでもよい。いくつかの実施形態では、アノード及びカソードの電極層はGDLに適用され、得られた触媒コーティングされたGDLがPEMで挟まれて、5層構造のMEAが形成される。5層MEAの5層は、アノードGDL、アノード電極層、PEM、カソード電極層、及びカソードGDLの順である。他の実施形態では、アノード及びカソード電極層はPEMの両側に適用され、得られた触媒コーティングされた膜(CCM)が2つのGDL間に挟まれて、5層構造のMEAが形成される。
【0010】
本開示のMEAに有用なPEMは、任意の好適なポリマー電解質を含んでよい。典型的に、本開示において有用なポリマー電解質は、共通の骨格鎖に結合するアニオン性官能基を持ち、これは、典型的にスルホン酸基であるが、カルボン酸基、イミド基、アミド基、又は他の酸性官能基を含んでもよい。本開示において有用なポリマー電解質は、典型的には高度にフッ素化されており、最も典型的にはペルフルオロ化されているが、部分的にフッ素化されていても又はフッ素化されていなくてもよい。本開示において有用なポリマー電解質は、典型的にはテトラフルオロエチレン及び1つ以上のフッ素化された酸官能性コモノマーのコポリマーである。典型的なポリマー電解質としては、Nafion(登録商標)(DuPont Chemicals,Wilmington DE)及びFlemion(商標)(Asahi Glass Co.Ltd.,Tokyo,Japan)が挙げられる。ポリマー電解質は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第10/322,254号、同第10/322,226号及び同第10/325,278号に記載されるテトラフルオロエチレン(TFE)及びFSO−CFCFCFCF−O−CF=CFのコポリマーであってよい。このポリマーは、典型的には1200以下、より典型的には1100以下、より典型的には1050以下、より典型的には1000以下、いくつかの実施形態では950以下、900以下、850以下、又は800以下の当量(EW)を有する。フッ素化された膜に加えて、本開示に有用な膜には、芳香族ポリマーを含む炭化水素ポリマーを挙げることができる。有用な炭化水素ポリマーの例には、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン、スルホン化ポリスルホン及びスルホン化ポリスチレンを挙げることができる。
【0011】
このポリマーから任意の適切な方法で膜を形成することができる。ポリマーは、典型的には、懸濁液から成型される。バーコーティング、スプレーコーティング、スリットコーティング、はけ塗りなどを含む任意の適切な成型法を使用することができる。あるいは、溶融プロセス(例えば押出成形)においてニートポリマーから膜を作製してもよい。形成後、膜は典型的には120℃以上、より典型的には130℃以上、最も典型的には150℃以上の温度でアニールされてよい。PEMの厚さは、典型的には50マイクロメートル未満、より典型的には40マイクロメートル未満、より典型的には30マイクロメートル未満、及び最も典型的には約25マイクロメートル未満である。
【0012】
本開示の一実施形態では、マンガン又はセリウムの塩又は酸化物、より典型的には塩、より典型的にはマンガンが、膜の形成前に酸形態のポリマー電解質に添加される。典型的には、この塩をポリマー電解質に十分に混合するか、又はポリマー電解質に溶解して、実質的に均一な分布を達成する。この塩は、塩化物、臭化物、硝酸塩、炭酸塩などを含む任意の適切なアニオンを含んでよい。遷移金属塩と酸形態のポリマーとの間でカチオン交換が起こると、遊離したプロトンと、元の塩アニオンとを組み合わせることによって形成される酸が除去されるのが望ましい場合がある。したがって、揮発性又は可溶性の酸を生成するアニオン(例えば塩化物又は硝酸塩)を用いることが好ましい場合がある。マンガンカチオンは、Mn2+、Mn3+及びMn4+を含む任意の適切な酸化状態でよいが、最も典型的にはMn2+である。塩の添加量は、典型的には、ポリマー電解質中に存在する酸官能基のモル量の0.001〜0.5電荷当量、より典型的には0.005〜0.2電荷当量、より典型的には0.01〜0.1電荷当量、より典型的には0.02〜0.05電荷当量である。
【0013】
任意の好適な触媒を本開示の実施に使用してよい。典型的には、炭素担持触媒粒子が使用される。典型的な炭素担持触媒粒子は、50〜90重量%の炭素及び10〜50重量%の触媒金属であり、触媒金属は、典型的には、カソード用にPt、並びにアノード用にPt及びRuを2:1の重量比で含む。典型的には、触媒は、触媒インクの形態でPEM又はGDLに適用される。あるいは、触媒インクを転写基材に適用し、乾燥させ、その後にPEMに又はGDLに、デカールとして適用してもよい。触媒インクは、典型的には、PEMを構成するポリマー電解質材料と同じであっても同じでなくてもよいポリマー電解質材料を含む。触媒インクは、典型的には、ポリマー電解質の分散液中に触媒粒子の分散液を含む。本開示のいくつかの実施形態では、マンガン又はセリウムの塩又は酸化物(より典型的には酸化物、より典型的にはセリウムの)が、膜の形成前にポリマー電解質に添加される。このインクは、典型的には5〜30%の固体(すなわちポリマー及び触媒)、より典型的には10〜20%の固体を含有する。電解質分散液は、典型的には水性分散液であり、これは、アルコール、並びにグリセリン及びエチレングリコールのような多価アルコールを更に含有してもよい。水、アルコール、及び多価アルコールの含有量は、インクのレオロジー特性を変えるように調整してよい。インクは、典型的には、0〜50%のアルコール及び0〜20%の多価アルコールを含有する。加えて、インクは0〜2%の好適な分散剤を含有してよい。インクは、典型的には、加熱しながら撹拌し、その後、コーティング可能な稠度に希釈して製造される。
【0014】
MEA又はCCMを製造するために、任意の好適な手段によって触媒をPEMに適用してよく、これには手動方法及び機械方法の両方が含まれ、例えばハンドブラッシング、ノッチバーコーティング、流体ベアリングダイコーティング、巻線ロッドコーティング、流体ベアリングコーティング、スロット供給ナイフコーティング、3ロールコーティング、又はデカール転写が含まれる。コーティングは、1回の付着作業又は複数回の付着作業で行うことができる。
【0015】
MEAを製造するために、任意の好適な手段により、GDLをCCMのいずれの側に適用してもよい。任意の適切なGDLを本開示の実施に使用してよい。典型的には、GDLは、炭素繊維を含むシート材料から構成される。典型的には、GDLは、織布炭素繊維構造及び不織布炭素繊維構造から選択される炭素繊維構造である。本開示の実施に有用であり得る炭素繊維構造としては、以下のもの、Toray(商標)Carbon Paper、SpectraCarb(商標)Carbon Paper、AFN(商標)不織カーボンクロス、Zoltek(商標)Carbon Cloth等を挙げることができる。GDLを、種々の材料でコーティング又は含浸してよい(カーボン粒子コーティング、親水性化処理及び疎水化処理(例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を用いたコーティング)を含む)。
【0016】
いくつかの実施形態では、触媒はGDLに適用されて触媒コーティングされた支持体(CCB)を形成してよく、その後、CCBはPEMと組み合わされてMEAを形成してよい。このような実施形態では、触媒はGDLに任意の好適な手段によって適用されてよく、これには手動方法及び機械方法の両方が含まれ、例えばハンドブラッシング、ノッチバーコーティング、流体ベアリングダイコーティング、巻線ロッドコーティング、流体ベアリングコーティング、スロット供給ナイフコーティング、3ロールコーティング、又はデカール転写が含まれる。コーティングは、1回の付着作業又は複数回の付着作業で行うことができる。
【0017】
本開示によるMEAのカソード触媒は、2つ以上の層を含み、ポリマー電解質膜により近接するカソードの第1層はカソードの第2層より親水性が大であり、第2層はポリマー電解質膜に対してより遠位である。いくつかの実施形態では、第1カソード触媒層は、ポリマー電解質膜の面上に支持され、第2カソード触媒層は、第1カソード触媒層上に支持される。典型的には、第1カソード触媒層は、ポリマー電解質膜に直接隣接する。典型的には、第2カソード触媒層は、第1カソード触媒層に直接隣接する。いくつかの実施形態では、本開示のカソード触媒は、PEM、第1カソード触媒層及び/又は第2カソード触媒層間に配置された追加の層を含んでよい。いくつかの実施形態では、本開示のカソード触媒は、第1カソード触媒層と第2カソード触媒層との間に配置された、中間の親水性を有する1つ以上の層を含んでよい。いくつかの実施形態では、本開示のカソード触媒は、第1カソード触媒層と第2カソード触媒層との間に配置された、中間の親水性を有する1つの層を含んでよい。いくつかの実施形態では、本開示のカソード触媒は、第1カソード触媒層及び第2カソード触媒層の2層のみを含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、第1カソード触媒層は、第1カソード触媒材料及び第1ポリマー電解質を含み、第2カソード触媒層は、第2カソード触媒材料及び第2ポリマー電解質を含む。任意の好適な触媒材料及びポリマー電解質を2つの層に使用することができ、これらは、第1カソード触媒層が第2カソード触媒層より親水性が大であることを除けば、同じでも異なっていてもよい。典型的には、第2カソード触媒材料の重量に対する第1カソード触媒材料の重量の比は、1:4〜4:1であり、より典型的には1:2〜2:1である。いくつかの実施形態では、第1ポリマー電解質は第1の当量を有し、第2ポリマー電解質は第2の当量を有し、第1の当量は第2の当量より小さく、典型的には第2の当量の95%未満、より典型的には第2の当量の90%未満、より典型的には第2の当量の85%未満、より典型的には第2の当量の80%未満、より典型的には第2の当量の75%未満、いくつかの実施形態では第2の当量の70%未満である。いくつかの実施形態では、第1の当量は、1050以下、より典型的には1000以下、より典型的には950以下、より典型的には900以下、より典型的には850以下、最も典型的には800以下である。典型的には、第1及び第2ポリマー電解質は、高度にフッ素化されており、より典型的にはペルフルオロ化されている。第1及び第2ポリマー電解質は、−O−CF−CF−CF−CF−SOHの式に従ったペンダント基を含んでよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、第1及び第2触媒層は、異なる量の親水性化添加剤を含む。いくつかの実施形態では、第1及び第2触媒層は、異なる量の疎水化添加剤を含む。いくつかの実施形態では、第1触媒層は親水性化添加剤を含み、第2触媒層は疎水化添加剤を含む。
【0020】
本開示によるMEAは、任意の好適な方法により作製されてよい。このような方法のいくつかの実施形態では、第1カソード触媒層がポリマー電解質膜の面に適用され、その後、第2カソード触媒層が第1カソード触媒層に適用される。次に、気体拡散層を触媒に適用してよい。このような方法のいくつかの実施形態では、第2カソード触媒層が第1カソード触媒層に適用され、その後、第1カソード触媒層をポリマー電解質膜の面に適用するように、2層のカソードがポリマー電解質膜の面に適用される。次に、気体拡散層を触媒上に適用してよい。このような方法のいくつかの実施形態では、第1カソード触媒層がポリマー電解質膜の面に適用されて触媒コーティングされた膜(CCM)を形成し、第2カソード触媒層が気体拡散層に適用されて触媒コーティングされた支持体(CCB)を形成し、その後、第2カソード触媒層を第1カソード触媒層に適用するように、CCBがCCMに適用される。このような方法のいくつかの実施形態では、第2カソード触媒層が気体拡散層に適用され、第1カソード触媒層が第2カソード触媒層に適用されて、触媒コーティングされた支持体(CCB)を形成し、その後、第1カソード触媒層をポリマー電解質膜の面に適用するように、CCBがポリマー電解質膜の面に適用される。このような方法のいくつかの実施形態では、第2カソード触媒層が第1カソード触媒層に適用され、その後、第2カソード触媒層を気体拡散層(GDL)に適用するように、2層のカソードがGDLの面に適用されて、触媒コーティングされた支持体(CCB)を形成し、次に、第1カソード触媒層をポリマー電解質膜の面に適用するように、CCBがポリマー電解質膜の面に適用される。
【0021】
前述の任意の実施形態では、方法は、アノード触媒層とアノード側のGDLとをポリマー電解質膜の反対側の面に適用して、5層のMEAを完成する工程を更に含んでもよい。
【0022】
使用する際、本発明に係るMEAは典型的には、分配プレートとして既知の、またバイポーラプレート(BPP)又はモノポーラプレートとしても既知の2枚の剛性プレートの間に挟む。GDLと同様に、分配プレートは導電性でなければならない。分配プレートは、典型的には、炭素複合材料、金属、又はめっきした金属材料から作製される。分配プレートは、反応物質又は製品流体を、典型的には、MEA表面に刻まれたか、ミル処理されたか、成型されたか、又は印刷加工された1つ以上の流体伝達チャネルを介してMEA電極表面に、又はMEA電極表面から分配する。これらのチャネルは、流れ場と呼ばれることもある。分配プレートは、スタック中の2つの連続的なMEAに及びそれから流体を分配することができ、1つの面は燃料を第1MEAのアノードに導き、もう1つの面は酸化剤を次のMEAのカソードに導き(及び生成水を取り除き)、そのため「バイポーラプレート」と称される。あるいは、分配プレートは1つの側面上にのみチャネルを有して、その側面上においてのみ流体をMEAに又はそれから分配することができ、これは「モノポーラプレート」と称されることがある。当該技術分野において使用されるとき、用語バイポーラプレートは、典型的にはモノポーラプレートも包含する。典型的な燃料電池スタックは、バイポーラプレートと交互に積み重ねられた多くのMEAを含んでいる。
【0023】
本発明の目的及び利点は、以下の実施例によって更に例示されるが、これらの実施例において列挙された特定の材料及びその量は、他の諸条件及び詳細と同様に本発明を過度に制限するものと解釈されるべきではない。
【実施例】
【0024】
他に言及のない限り、全ての試薬はウィスコンシン州、ミルウォーキー(Milwaukee)のAldrich Chemical Co.から得、若しくは入手可能であり、又は既知の方法によって合成してもよい。
【0025】
アイオノマーの調製
以下の実施例及び比較例のそれぞれにおいて触媒インク及び膜に用いるアイオノマーは、テトラフルオロエチレン(TFE)及びFSO−CFCFCFCF−O−CF=CF(コモノマーA)のコポリマーである。コモノマーAは、本明細書に参考として組み込まれた米国特許出願第10/322,254号及び第10/322,226号に開示された手順にしたがって製造された。重合は、米国特許出願第10/325,278号に開示されたような水性乳化重合により行われた。アイオノマーの当量(EW)は、示されたように、800、1000又は1200であった。
【0026】
膜の調製
ポリマー電解質膜(PEM)を800EWのアイオノマーから作製した。膜の調製に用いるアイオノマーは、70:30のn−プロパノール/水中に22.3%の固体を含むキャスティング溶液で提供された。硝酸マンガンMn(NOは、本明細書に参考として組み込まれた米国特許出願第10/945,178号に開示された手順に従って、ポリマー電解質中に存在するアニオン性官能基のモル量に基づく0.035電荷当量に等しい量でキャスティング溶液に添加した。
【0027】
膜は、PET(ポリエチレンテレフタレート)又はカプトン(ポリイミド)のいずれかの基材上に、湿潤厚さ約400〜500マイクロメートルでキャスティングされた。これらの鋳物は80〜100℃で乾燥した後、160〜200℃で約3〜5分間アニールした。冷却後、膜をライナーから剥がし、更に精製することなく使用した。最終的な膜の厚さは、0.8ミル(20マイクロメートル)であった。
【0028】
MEAの調製
50cmの有効面積を有する膜電極組立体(MEA)は、以下に詳述されるように、触媒インクでコーティングされた気体拡散層(GDL)である触媒コーティングされた支持体(CCB)を、PEMの対向する面に付加した後、それぞれの面にガスケットを付加することにより作製した。
【0029】
触媒インクは、炭素担持白金触媒(Tanaka Kikinzoku,Tokyo,Japanにより製造された、10V30Eと呼ばれる、Vulcan(登録商標)XC72上に担持された30重量% Pt)を、アイオノマー/触媒の重量比が0.8、固体含量が20重量%でアイオノマー及び水とともにボールミル粉砕することにより作製した。すべてのアノード触媒インクに1000EWのアイオノマーを使用した。
【0030】
GDLは、米国特許出願第11/092017号に開示されるように、ミクロ孔質PTFE懸濁液を不織炭素繊維紙に適用した後、炭素粒子−ポリテトロフルオロエチレンのミクロ孔質層(MPL)を適用することにより作製し、この開示内容は参照として本明細書に組み込まれる。
【0031】
アノード触媒インクをGDLの一面に0.1mg Pt/cmの塗布量で手塗りし、アノードCCBを作製した。カソード触媒インクをGDLの一面に手塗りし、カソードCCBを作製した。比較例1では、800EWのアイオノマーを使用して0.3mg Pt/cmの塗布量で作製した単一インクの単層にカソード触媒インクを適用した。比較例2では、1200EWのアイオノマーを使用して0.3mg Pt/cmの塗布量で作製した単一インクの単層にカソード触媒インクを適用した。比較例3では、1000EWのアイオノマーを使用して0.3mg Pt/cmの塗布量で作製した単一インクの単層にカソード触媒インクを適用した。本開示の実施例1では、2つの層でカソード触媒インクを適用し、第1層は、1200EWのアイオノマーを使用して0.15mg Pt/cmの塗布量であり、第2層(MEA内でPEMに直接隣接する)は、800EWのアイオノマーを使用して0.15mg Pt/cmの塗布量であり、合計塗布量は0.3mg Pt/cmであった。触媒インクの適用後、得られたCCBを真空オーブン内で150℃、7psi(48.3kPa)の圧力(絶対圧力)で30分間アニールした。
【0032】
Carver Press(Fred Carver Co.,Wabash,IN)の中で、13.4kNの圧力及び132℃で10分間プレスすることによりCCB及びポリテトラフルオロエチレン/ガラス複合体ガスケットをPEMに適用した。
【0033】
性能の評価
実施例1並びに比較例1及び2のMEAを試験電池台(Fuel Cell Technologies,Inc.,Albuquerque,NM)に取り付けた。試験台は、ガス流量、圧力、及び湿度を制御するための別個のアノード及びカソードガス処理システムとともに可変電子負荷を含む。電子負荷及びガス流量はコンピュータ制御される。燃料電池の偏光曲線を、電極面積50cm、アノードのガス圧0psig(0Pa)、アノードの化学量論的流量1.7(すなわち、所望の電流を生成するのに要するガスのモルの1.7倍)、カソードのガス圧0psig(0Pa)、カソードの化学量論的流量2.5という試験パラメーターのもとで得た。カソード及びアノードの給湿は、水蒸気注入により供給した(インジェクタ温度120℃)。動作温度及び相対湿度(RH)は、以下に示すように制御した。
【0034】
比較例1及び2並びに実施例1のMEAの性能は、注入ガスの動作温度及び相対湿度(RH)の3つの異なる条件群で評価した。
【0035】
1.30℃、100% RH、0.6A/cm−低温及び湿潤条件(相当量の液状の水が存在し、カソードの浸水が起こることがある)。
【0036】
2.55℃、100% RH、0.8A/cm−最適な動作条件。
【0037】
3.80℃、0% RH、0.6A/cm−高温及び乾燥条件(カソードは水を保持して良好に動作させる必要がある)。
【0038】
電池電圧は、3つのそれぞれの条件群のもとで3種類のそれぞれのMEAについて実施したそれぞれの試験の3回の繰り返しで指定電流(0.6A/cm又は0.8A/cm)において測定した。表Iは、それぞれの試験の3回の繰り返しで得られた平均値を示す。
【0039】
【表1】

【0040】
比較例1のMEAは低温及び湿潤条件下で性能が悪く、比較例2のMEAは高温及び乾燥条件下で性能が悪かったことは、容易に理解されるであろう。対照的に、本開示によるMEAは、3つの条件群のすべてで良好に動作した。
【0041】
耐久性の評価
耐久性を評価するために始動−停止サイクルを繰り返す条件のもとで、実施例1及び比較例3のMEAを耐久性について試験した。
【0042】
始動−停止サイクルは、典型的には始動及び停止手順中に燃料電池で起こる現象であり、カソード触媒の炭素を著しく腐食させることがあり、結果として燃料電池の性能に著しい損失をもたらすことがある。典型的なサイクルは、燃料(典型的には水素)が燃料電池のアノードに流れ、続いて空気がカソードに流れることで開始される。サイクルの停止部分は、アノード側で燃料の流れが空気の流れに置き換わるときに起こる。このガスの移行時に、空気が残った燃料を押し出す際に、燃料及び空気がともにアノードに存在することがある。この移行時に、カソード電位は、著しい炭素の酸化が起こり得る電圧の1.4Vを超えて上昇することがある。最終的に、空気は、燃料電池の燃料側及び空気側の両方に存在し、電池電圧をゼロに低下させる一方で、電極電位は1〜1.2Vに維持される。
【0043】
電池の始動は、同様に行われる。空気は、膜のアノード側及びカソード側の両方に存在する。次に、燃料がアノードの流路に導入され、アノード側に燃料及び空気が存在する移行期間がもたらされる。この始動の移行時に、カソード電位は1.4Vを超えて上昇することがあり、著しい炭素の酸化が起こる状況が作り出される。最終的に、すべての空気はアノード側から除去され、電池電圧が0.9〜1.0Vの通常の開回路値に戻る一方で、アノード電位は0Vに戻り、カソード電位は0.9〜1.0Vに戻る。
【0044】
実施例1及び比較例3のMEAを試験電池台(Fuel Cell Technologies,Inc.,Albuquerque,NM)に取り付けた。試験台は、ガス流量、圧力、及び湿度を制御するための別個のアノード及びカソードガス処理システムとともに可変電子負荷を含む。電子負荷及びガス流量はコンピュータ制御される。燃料電池の偏光曲線を、電極面積50cm、アノードのガス圧0psig(0Pa)、アノードの化学量論的流量1.7(すなわち、所望の電流を生成するのに要するガスのモルの1.7倍)、カソードのガス圧0psig(0Pa)、カソードの化学量論的流量2.5という試験パラメーターのもとで得た。注入ガスの動作温度及び相対湿度(RH)は、40℃及び100% RHであった。カソード及びアノードの給湿は、水蒸気注入により供給した(インジェクタ温度120℃)。MEAを始動/停止サイクルの繰り返しに供し、5サイクル毎に偏光曲線を測定した。
【0045】
図1及び2は、それぞれ実施例1及び比較例3のMEAについて得られた偏光曲線のグラフである。偏光曲線上の点は、60秒間隔で測定された。それぞれの曲線は、曲線の測定前に行われた始動/停止サイクルの回数で表示されている。実施例1のMEAは、始動−停止の劣化に対して非常に優れた耐久性を示したことは、容易に理解されるであろう。0.6A/cmの印加電流では、50サイクル後に実施例1のMEAが20mV未満の損失であったのに比べて、比較例3のMEAは350mVを損失した。
【0046】
本発明の様々な修正及び変更は、本発明の範囲及び原理から逸脱することなく当業者には明白であり、また、本発明は、上記で説明した例示的な実施形態に過度に限定して理解すべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)第1及び第2面を有するポリマー電解質膜と、
ii)前記ポリマー電解質膜の前記第1面上に支持されたアノード触媒層と、
iii)前記ポリマー電解質膜の前記第2面上に支持された第1カソード触媒層であって、前記第1カソード触媒層が、第1カソード触媒材料と第1ポリマー電解質とを含む、第1カソード触媒層と、
iv)前記第1カソード触媒層上に支持された第2カソード触媒層であって、前記第2カソード触媒層が、第2カソード触媒材料と第2ポリマー電解質とを含む、第2カソード触媒層と、を含み、
前記第1カソード触媒層が前記第2カソード触媒層より親水性が大である、燃料電池の膜電極組立体。
【請求項2】
前記第1カソード触媒層が、前記ポリマー電解質膜の前記第2面に直接隣接する、請求項1に記載の燃料電池の膜電極組立体。
【請求項3】
前記第2カソード触媒層が、前記第1カソード触媒層に直接隣接する、請求項1に記載の燃料電池の膜電極組立体。
【請求項4】
前記第2カソード触媒層が、前記第1カソード触媒層に直接隣接する、請求項2に記載の燃料電池の膜電極組立体。
【請求項5】
前記第2カソード触媒材料の重量に対する前記第1カソード触媒材料の重量の比が1:4〜4:1である、請求項1に記載の燃料電池の膜電極組立体。
【請求項6】
前記第2カソード触媒材料の重量に対する前記第1カソード触媒材料の重量の比が1:2〜2:1である、請求項1に記載の燃料電池の膜電極組立体。
【請求項7】
前記第1及び第2ポリマー電解質が、高度にフッ素化されている、請求項1に記載の燃料電池の膜電極組立体。
【請求項8】
前記第1及び第2ポリマー電解質が、式
−O−CF−CF−CF−CF−SOHに従ったペンダント基を含む、請求項1に記載の燃料電池の膜電極組立体。
【請求項9】
i)第1及び第2面を有するポリマー電解質膜と、
ii)前記ポリマー電解質膜の前記第1面上に支持されたアノード触媒層と、
iii)前記ポリマー電解質膜の前記第2面上に支持された第1カソード触媒層であって、前記第1カソード触媒層が、第1カソード触媒材料と、第1の当量を有する第1ポリマー電解質とを含む、第1カソード触媒層と、
iv)前記第1カソード触媒層上に支持された第2カソード触媒層であって、前記第2カソード触媒層が、第2カソード触媒材料と、第2の当量を有する第2ポリマー電解質とを含む、第2カソード触媒層と、を含み、
前記第1の当量が、前記第2の当量より小さい、燃料電池の膜電極組立体。
【請求項10】
前記第1カソード触媒層が、前記ポリマー電解質膜の前記第2面に直接隣接する、請求項9に記載の燃料電池の膜電極組立体。
【請求項11】
前記第2カソード触媒層が、前記第1カソード触媒層に直接隣接する、請求項9に記載の燃料電池の膜電極組立体。
【請求項12】
前記第2カソード触媒層が、前記第1カソード触媒層に直接隣接する、請求項11に記載の燃料電池の膜電極組立体。
【請求項13】
前記第1の当量が、前記第2の当量の85%未満である、請求項9に記載の燃料電池の膜電極組立体。
【請求項14】
前記第1の当量が、前記第2の当量の70%未満である、請求項9に記載の燃料電池の膜電極組立体。
【請求項15】
前記第1の当量が、1050以下である、請求項9に記載の燃料電池の膜電極組立体。
【請求項16】
前記第1の当量が、850以下である、請求項9に記載の燃料電池の膜電極組立体。
【請求項17】
前記第2カソード触媒材料の重量に対する前記第1カソード触媒材料の重量の比が、1:4〜4:1である、請求項9に記載の燃料電池の膜電極組立体。
【請求項18】
前記第2カソード触媒材料の重量に対する前記第1カソード触媒材料の重量の比が、1:2〜2:1である、請求項9に記載の燃料電池の膜電極組立体。
【請求項19】
前記第1及び第2ポリマー電解質が、高度にフッ素化されている、請求項9に記載の燃料電池の膜電極組立体。
【請求項20】
前記第1及び第2ポリマー電解質が、式
−O−CF−CF−CF−CF−SOHに従ったペンダント基を含む、請求項9に記載の燃料電池の膜電極組立体。
【請求項21】
i)第1及び第2面を有するポリマー電解質膜を提供する工程と、
ii)前記ポリマー電解質膜の前記第2面に第1カソード触媒層を適用する工程であって、前記第1カソード触媒層が、第1カソード触媒材料と、第1の当量を有する第1ポリマー電解質とを含む、工程と、
iii)前記第1カソード触媒層に第2カソード触媒層を適用する工程であって、前記第2カソード触媒層が、第2カソード触媒材料と、第2の当量を有する第2ポリマー電解質とを含む、工程と、を含み、
前記第1カソード触媒層が、前記第2カソード触媒層より親水性が大である、燃料電池の膜電極組立体の製造方法。
【請求項22】
iv)工程iii)の前に前記第2カソード触媒層を気体拡散層に適用して触媒コーティングされた支持体を作製する工程を更に含み、
工程iii)が、前記触媒コーティングされた支持体を前記第1カソード触媒層に適用する工程を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第1の当量が、前記第2の当量より小さい、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記第1の当量が、前記第2の当量より小さい、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
v)前記ポリマー電解質膜の第1面にアノード触媒層を適用する工程を更に含む、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
i)第1及び第2面を有するポリマー電解質膜を提供する工程と、
ii)面を有する気体拡散層を提供する工程と、
iii)前記気体拡散層の面に第2カソード触媒層を適用する工程であって、前記第2カソード触媒層が、第2カソード触媒材料と、第2の当量を有する第2ポリマー電解質とを含む、工程と、
iv)前記第2カソード触媒層に第1カソード触媒層を適用する工程であって、前記第1カソード触媒層が、第1カソード触媒材料と、第1の当量を有する第1ポリマー電解質とを含む、工程と、を含み、
前記第1カソード触媒層が、前記第2カソード触媒層より親水性が大である、燃料電池の膜電極組立体の製造方法。
【請求項27】
前記第1の当量が、前記第2の当量より小さい、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
v)前記ポリマー電解質膜の前記第1面にアノード触媒層を適用する工程を更に含む、請求項26に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−513659(P2012−513659A)
【公表日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542554(P2011−542554)
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【国際出願番号】PCT/US2009/069087
【国際公開番号】WO2010/075321
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】