説明

多層構造物及びその作製方法

本発明は、多層構造物、及び、多層構造物を作製するためのプロセスである。本発明の多層構造物は、(a)厚さが1cm未満の範囲にある、1つ又はそれ以上の一次層を含む第1の層と、(b)1つ又はそれ以上のポリオレフィン分散物に由来する1つ又はそれ以上の二次層を含む第2の層(但し、1つ又はそれ以上の二次層は厚さが15μm未満の範囲にある)と、(c)厚さが150μm未満の範囲にある1つ又はそれ以上の三次層を含む第3の層とを含む。第2の層が、第1の層と、第3の層との間に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、「MUTILAYER STRUCTURE AND METHOD OF MAKING THE SAME」と題される米国仮特許出願第61/161,995号(2009年3月20日出願;その教示は、全体が本明細書中下記に再現されるかのように、参照によって本明細書中に組み込まれる)の優先権を主張する非仮出願である。
【0002】
本発明は、多層構造物及びその作製方法に関する。
【背景技術】
【0003】
異なる基体のある種の特性を高めるために被覆材を使用することが一般に公知である。被覆組成物は、所望の構造的一体性を維持するために、ある種のレベルの接着特性を有しなければならない。同時に、許容され得るレベルの接着特性を有するそのような被覆組成物は、許容され得る加工レベル及び下流側での二次加工レベルを容易にしなければならない。
【0004】
押出し被覆において、基体(例えば、紙又は板紙など)の表面に適用される被覆の量又は重量が加工限界に達する場合がある。そのような限界は、増大した被覆ライン速度における低下した酸化度(これに限定されない)を含めて、いくつかの異なる理由のために、十分な基体接着を伴ったより少ない塗膜重量の適用を妨げることがある。
【0005】
多層構造物を製造することにおける研究努力にもかかわらず、押出し被覆プロセス、押出し積層化プロセス、熱積層化プロセス又はヒートシールプロセスのようなプロセスにおける改善された接着特性を、大きな程度の適合性を有する2つ以上の層に提供する多層構造物が依然として求められている。さらには、そのような多層構造物を作製することが求められている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、多層構造物、及び、多層構造物を作製するためのプロセスである。本発明の多層構造物は、(a)厚さが1cm未満の範囲にある、1つ又はそれ以上の一次層を含む第1の層と、(b)1つ又はそれ以上のポリオレフィン分散物に由来する1つ又はそれ以上の二次層を含む第2の層(但し、1つ又はそれ以上の一次層は厚さが15μm未満の範囲にある)と、(c)厚さが150μm未満の範囲にある1つ又はそれ以上の三次層を含む第3の層とを含む。第2の層が、第1の層と、第3の層との間に配置される。多層構造物を作製するための本発明のプロセスは下記の工程を含む:(1)厚さが1cm未満の範囲にある、1つ又はそれ以上の一次層を含む第1の層を提供する工程;(2)少なくとも1つ又はそれ以上のベースポリマー、少なくとも1つ又はそれ以上の安定化剤、液体媒体、及び、必要な場合には1つ又はそれ以上の中和剤を含む1つ又はそれ以上のポリオレフィン分散物を提供する工程:(3)前記1つ又はそれ以上のポリオレフィン分散物を前記1つ又はそれ以上の一次層の1つ又はそれ以上の表面に適用する工程;(4)液体媒体の少なくとも一部を前記1つ又はそれ以上のポリオレフィン分散物から除く工程;(5)それにより、厚さが15μm未満の範囲にある1つ又はそれ以上の一次層を含む第2の層を形成する工程(但し、第2の層は第1の層の少なくとも1つの表面に付随する);(6)それにより、中間構造物を形成する工程;(7)厚さが150μm未満の範囲にある1つ又はそれ以上の三次層を含む第3の層を提供する工程;(8)第3の層を中間構造物の1つ又はそれ以上の表面に接合する工程;及び(9)それにより、第2の層が、第1の層と、第3の層との間に配置される多層構造物を形成する工程。
【0007】
本発明を例示するという目的のために、典型的である形態が図面に示される。しかしながら、本発明は、示される正確な配置及び手段に限定されないことが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】多層構造物の例示的な実施形態である。
【図2】典型的な多層構造物1〜多層構造物11の平均ヒートシール強度及び平均熱積層強度のグラフ表示である。
【図3】典型的な多層構造物12〜多層構造物22の平均ヒートシール強度及び平均熱積層強度のグラフ表示である。
【図4】典型的な多層構造物23〜多層構造物33の平均ヒートシール強度及び平均熱積層強度のグラフ表示である。
【図5】典型的な多層構造物34〜多層構造物44の平均ヒートシール強度及び平均熱積層強度のグラフ表示である。
【図6】比較用の多層構造物1〜多層構造物11の平均ヒートシール強度及び平均熱積層強度のグラフ表示である。
【図7】それらの特性について試験される本発明の実施例1〜実施例44を作製するために使用される典型的なヒートシールプロセスの第1の例示である。
【図8】シール/積層接合強度曲線、及び、シールバー温度と、接合強度との間での関係を例示するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
類似した数字により、類似した要素が示される図面を参照すると、図1において、本発明による多層構造物10の第1の実施形態が示される。図1を参照すると、多層構造物10は、第1の層12と、第2の層14と、第3の層16とを含む。第1の層12は、本明細書中下記においてさらに詳しく記載されるように、1つ又はそれ以上の一次層を含む。第2の層14は、本明細書中下記においてさらに詳しく記載されるように、1つ又はそれ以上の二次層を含む。第3の層16は、本明細書中下記においてさらに詳しく記載されるように、1つ又はそれ以上の三次層を含む。
【0010】
多層構造物を作製するための本発明のプロセスは下記の工程を含む:(1)厚さが1cm未満の範囲にある、1つ又はそれ以上の一次層を含む第1の層を提供する工程;(2)少なくとも1つ又はそれ以上のベースポリマー、少なくとも1つ又はそれ以上の安定化剤、液体媒体、及び、必要な場合には1つ又はそれ以上の中和剤を含む1つ又はそれ以上のポリオレフィン分散物を提供する工程;(3)1つ又はそれ以上のポリオレフィン分散物を1つ又はそれ以上の一次層の1つ又はそれ以上の表面に適用する工程;(4)液体媒体の少なくとも一部を1つ又はそれ以上のポリオレフィン分散物から除く工程;(5)それにより、厚さが15μm未満の範囲にある1つ又はそれ以上の一次層を含む第2の層を形成する工程(但し、第2の層は第1の層の少なくとも1つの表面に付随する);(6)それにより、中間構造物を形成する工程;(7)厚さが150μm未満の範囲にある1つ又はそれ以上の三次層を含む第3の層を提供する工程;(8)第3の層を中間構造物の1つ又はそれ以上の表面に対して少なくとも部分的に接合する工程;及び(9)それにより、第2の層が、第1の層と、第3の層との間に配置される多層構造物を形成する工程。
【0011】
第1の層12は1つ又はそれ以上の一次層を含む。1つ又はそれ以上の一次層は任意の材料に由来することができる:例えば、それぞれの一次層を、1つ又はそれ以上の天然物、1つ又はそれ以上の合成物、或いは、それらの組合せから作製することができる。1つ又はそれ以上の一次層は、例えば、1つ又はそれ以上のセルロース系材料、1つ又はそれ以上の金属系材料、及び、1つ又はそれ以上のポリマー系材料、或いは、それらの組合せを含むことができる。典型的なセルロース系材料には、紙、板紙及び段ボールが含まれるが、これらに限定されない。そのような紙製造物はさらに、1つ又はそれ以上の被覆(例えば、ポリマー被覆又は着色された被覆など)を含むことができる。典型的な金属系材料には、アルミニウムホイルが含まれるが、これに限定されない。ポリマー系材料には、ポリオレフィン系材料、例えば、ポリエチレン系材料、ポリプロピレン系材料、ポリエステル系材料及びそれらのコポリマーなどが含まれるが、これらに限定されない。1つ又はそれ以上の一次層は、フィルム、例えば、単層フィルム、多層フィルム(例えば、共押出しフィルム又は積層化フィルムなど)、ウエブ、不織物、織物、ホイル、シート、箔又はそれらの組合せを構成することができる。そのような一次層(例えば、フィルム)はさらに表面処理することができ、例えば、金属(例えば、アルミニウム合金、酸化ケイ素)により表面処理することができる。1つ又はそれ以上の一次層は均一な表面を有することができ、或いは、代替では、1つ又はそれ以上の一次層は不均一な表面を有することができる。1つ又はそれ以上の一次層は、単調な表面、例えば、平滑な表面又は変化のない表面を有することができ、或いは、代替では、粗い表面を有することができる。
【0012】
第1の層は厚さを1cm未満の範囲に有することができる。例えば、第1の層は、0.1μm、0.5μm、1μm、5μm、10μm、50μm、100μm、500μm、750μm、800μm、900μm、1mm、10mm、20mm、50mm、70mm又は90mmの下限から、0.5μm、1μm、5μm、100μm、500μm、750μm、800μm、900μm、1mm、10mm、20mm、50mm、70mm、90mm又は1cm未満の上限までの厚さを有することができる。例えば、1つ又はそれ以上の基体層は、0.1μm〜1mmの範囲における厚さ、又は、5μm〜500μmの範囲における厚さ、又は、100μm〜1000μmの範囲における厚さ、又は、200μm〜900μmの範囲における厚さ、又は、300μm〜750μmの範囲における厚さ、又は、01μm〜90mmの範囲における厚さ、又は、0.1μm〜50mmの範囲における厚さ、又は、1mm〜90mmの範囲における厚さを有することができる。
【0013】
1つ又はそれ以上の一次層は、第1の層を形成するために、種々の方法により結合させることができる。そのような技術には、共押出しプロセス及び積層化プロセスが含まれるが、これらに限定されない。
【0014】
第2の層は、本明細書中下記においてさらに詳しく記載されるように、1つ又はそれ以上のポリオレフィン分散物に由来する1つ又はそれ以上の二次層を含む。1つ又はそれ以上の二次層は厚さを15μm未満の範囲に有することができる。例えば、1つ又はそれ以上の二次層は、0.01μm、0.05μm、0.1μm、0.5μm、1μm、5μm、10μm、12μm又は13μmの下限から、1μm、5μm、10μm、14μm又は15μmの上限までの厚さを有することができる。例えば、1つ又はそれ以上の二次層は、0.01μm〜15μmの範囲における厚さ、又は、0.05μm〜15μmの範囲における厚さ、又は、0.1μm〜15μmの範囲における厚さ、又は、0.5μm〜15μmの範囲における厚さ、又は、0.5μm〜10μmの範囲における厚さ、又は、0.5μm〜8μmの範囲における厚さ、又は、0.5μm〜5μmの範囲における厚さを有することができる。1つ又はそれ以上の二次層は、重量比で0.01g/m〜15g/mの1つ又はそれ以上のポリオレフィン分散物を含むことができる。例えば、1つ又はそれ以上の二次層は、重量比で0.01g/m、0.05g/m、0.1g/m、0.5g/m、1g/m、3g/m、5g/m、7g/m、10g/m、12g/m又は14g/mの下限から、0.5g/m、1g/m、3g/m、5g/m、7g/m、10g/m、12g/m、14g/m又は15g/mの上限までの1つ又はそれ以上の分散物を含むことができる。例えば、1つ又はそれ以上の二次層は、重量比で0.01g/m〜15g/mの1つ又はそれ以上の分散物、或いは、重量比で0.1g/m〜15g/mの1つ又はそれ以上の分散物、或いは、重量比で0.5g/m〜15g/mの1つ又はそれ以上の分散物、或いは、重量比で1g/m〜15g/mの1つ又はそれ以上の分散物、或いは、重量比で5g/m〜15g/mの1つ又はそれ以上の分散物を含むことができる。1つ又はそれ以上の二次層は種々の方法により形成される;例えば、1つ又はそれ以上の分散物を、噴霧被覆プロセス、カーテン被覆プロセス、ブレード印刷プロセス、メータード・サイズ・プレス(metered size press)プロセス、ロッド被覆プロセス、フレキソ印刷プロセス、輪転グラビア印刷プロセス、エアーナイフ被覆プロセス、浸漬(immersion (dip))被覆プロセス、ギャップ被覆プロセス又はロータリースクリーン被覆プロセスからなる群から選択されるプロセスにより第1の層の少なくとも1つの層に適用することができる。その後で、水の少なくとも一部が分散物から除かれる;それにより、二次層が形成される。プロセスは繰り返すことができ、すなわち、分散物を第1の層の少なくとも1つの表面に適用し、その後、水の少なくとも一部を分散物から除いて、さらなる二次層を形成することができる。
【0015】
ポリオレフィン分散物は、少なくとも1つ又はそれ以上のベースポリマーと、必要な場合には1つ又はそれ以上の界面活性剤と、流体媒体とを含むことができる。ベースポリマーは、例えば、エチレン系ポリマー及びプロピレン系ポリマーからなる群から選択されるポリマーであり得る。
【0016】
選択された実施形態において、ベースポリマーが、エチレン−α−オレフィンコポリマー又はプロピレン−α−オレフィンコポリマーから形成される。具体的には、好ましい実施形態において、ベースポリマーは1つ又はそれ以上の非極性ポリオレフィンを含む。
【0017】
1つの具体的な実施形態において、ベースポリマーはプロピレン/α−オレフィンコポリマーであり、この場合、このプロピレン/α−オレフィンコポリマーは、実質的にアイソタクチックなプロピレン配列を有するとして特徴づけられる。「実質的にアイソタクチックなプロピレン配列」は、配列が、約0.85よりも大きい、代替では約0.90よりも大きい、別の代替では約0.92よりも大きい、また、別の代替では約0.93よりも大きい、13CNMRによって測定されるアイソタクチックトライアド(triad)(mm)を有することを意味する。アイソタクチックトリアドは当分野では周知であり、例えば、米国特許第5,504,172号及び国際公開第00/01745号に記載される(これらは、アイソタクチック配列を、13CNMRスペクトルによって求められるコポリマー分子鎖におけるトライアドユニットに関して示す)。
【0018】
プロピレン/α−オレフィンコポリマーは、ASTM D−1238に従って(230℃/2.16kgで)測定される場合、メルトフローレイトを0.1g/10分〜25g/10分の範囲に有することができる。0.1g/10分から25g/10分までの個々の値及び部分範囲が本明細書中に含まれ、かつ、本明細書中に開示される;例えば、メルトフローレイトは、0.1g/10分、0.2g/10分又は0.5g/10分の下限から、25g/10分、15g/10分、10g/10分、8g/10分又は5g/10分の上限までが可能である。例えば、プロピレン/α−オレフィンコポリマーはメルトフローレイトを0.1g/10分〜10g/10分の範囲に有することができる;又は、代替では、プロピレン/α−オレフィンコポリマーはメルトフローレイトを0.2g/10分〜10g/10分の範囲に有することができる。
【0019】
プロピレン/α−オレフィンコポリマーは結晶化度を少なくとも1重量パーセント(少なくとも2ジュール/グラムの融解熱)〜30重量パーセント(50ジュール/グラム未満の融解熱)の範囲に有する。1重量パーセント(少なくとも2ジュール/グラムの融解熱)から30重量パーセント(50ジュール/グラム未満の融解熱)までの個々の値及び部分範囲が本明細書中に含まれ、かつ、本明細書中に開示される;例えば、結晶化度は、1重量パーセント(少なくとも2ジュール/グラムの融解熱)、2.5パーセント(少なくとも4ジュール/グラムの融解熱)又は3パーセント(少なくとも5ジュール/グラムの融解熱)の下限から、30重量パーセント(50ジュール/グラム未満の融解熱)、24重量パーセント(40ジュール/グラム未満の融解熱)、15重量パーセント(24.8ジュール/グラム未満の融解熱)又は7重量パーセント(11ジュール/グラム未満の融解熱)の上限までが可能である。例えば、プロピレン/α−オレフィンコポリマーは結晶化度を少なくとも1重量パーセント(少なくとも2ジュール/グラムの融解熱)〜24重量パーセント(40ジュール/グラム未満の融解熱)の範囲に有することができる;又は、代替では、プロピレン/α−オレフィンコポリマーは結晶化度を少なくとも1重量パーセント(少なくとも2ジュール/グラムの融解熱)〜15重量パーセント(24.8ジュール/グラム未満の融解熱)の範囲に有することができる;又は、代替では、プロピレン/α−オレフィンコポリマーは結晶化度を少なくとも1重量パーセント(少なくとも2ジュール/グラムの融解熱)〜7重量パーセント(11ジュール/グラム未満の融解熱)の範囲に有することができる;又は、代替では、プロピレン/α−オレフィンコポリマーは結晶化度を少なくとも1重量パーセント(少なくとも2ジュール/グラムの融解熱)〜5重量パーセント(8.3ジュール/グラム未満の融解熱)の範囲に有することができる。結晶化は、上記で記載されるように、DSC法により測定される。プロピレン/α−オレフィンコポリマーは、プロピレンに由来するユニット、及び、1つ又はそれ以上のα−オレフィンコモノマーに由来するポリマーユニットを含む。プロピレン/α−オレフィンコポリマーを製造するために利用される典型的なコモノマーが、C及びC〜C10のα−オレフィンであり、例えば、C、C、C及びCのα−オレフィンである。
【0020】
プロピレン/α−オレフィンコポリマーは1重量パーセント〜40重量パーセントの1つ又はそれ以上のα−オレフィンコモノマーを含む。1重量パーセントから40重量パーセントまでの個々の値及び部分範囲が本明細書中に含まれ、かつ、本明細書中に開示される;例えば、コモノマー含有量は、1重量パーセント、3重量パーセント、4重量パーセント、5重量パーセント、7重量パーセント又は9重量パーセントの下限から、40重量パーセント、35重量パーセント、30重量パーセント、27重量パーセント、20重量パーセント、15重量パーセント、12重量パーセント又は9重量パーセントの上限までが可能である。例えば、プロピレン/α−オレフィンコポリマーは1重量パーセント〜35重量パーセントの1つ又はそれ以上のα−オレフィンコモノマーを含む;又は、代替では、プロピレン/α−オレフィンコポリマーは1重量パーセント〜30重量パーセントの1つ又はそれ以上のα−オレフィンコモノマーを含む;又は、代替では、プロピレン/α−オレフィンコポリマーは3重量パーセント〜27重量パーセントの1つ又はそれ以上のα−オレフィンコモノマーを含む;又は、代替では、プロピレン/α−オレフィンコポリマーは3重量パーセント〜20重量パーセントの1つ又はそれ以上のα−オレフィンコモノマーを含む;又は、代替では、プロピレン/α−オレフィンコポリマーは3重量パーセント〜15重量パーセントの1つ又はそれ以上のα−オレフィンコモノマーを含む。
【0021】
プロピレン/α−オレフィンコポリマーは、分子量分布(MWD)(これは、数平均分子量によって除される重量平均分子量(M/M)として定義される)が3.5以下であり、代替では3.0以下であり、別の代替では1.8〜3.0である。
【0022】
そのようなプロピレン/α−オレフィンコポリマーがさらに、米国特許第6,960,635号及び同第6,525,157号に詳しく記載される(これらは参照によって本明細書中に組み込まれる)。そのようなプロピレン/α−オレフィンコポリマーが、The Dow Chemical CompanyからVERSIFY(商標)の商品名で、又は、ExxonMobil Chemical CompanyからVISTAMAXX(商標)の商品名で市販されている。1つの実施形態において、プロピレン/α−オレフィンコポリマーはさらに、(A)60重量パーセント〜100重量パーセント未満の間、好ましくは80重量パーセント〜99重量パーセントの間、より好ましくは85重量パーセント〜99重量パーセントの間のプロピレン由来ユニット、そして、(B)ゼロ超〜40重量パーセントの間、好ましくは1重量パーセント〜20重量パーセントの間、より好ましくは4重量パーセント〜16重量パーセントの間、一層より好ましくは4重量パーセント〜15重量パーセントの間の、エチレン及び/又はC4〜10α−オレフィンの少なくとも1つに由来するユニットを含み、かつ、1000個の総炭素あたり平均して少なくとも0.001個の長鎖分岐、好ましくは1000個の総炭素あたり平均して少なくとも0.005個の長鎖分岐、より好ましくは1000個の総炭素あたり平均して少なくとも0.01個の長鎖分岐を含有するとして特徴づけられる。プロピレンインターポリマーにおける長鎖分岐の最大数は本発明の定義にとって重要ではなく、しかし、典型的には、プロピレンインターポリマーにおける長鎖分岐の最大数は1000個の総炭素あたり3個の長鎖分岐を超えない。長鎖分岐の用語は、本明細書中で使用される場合、短鎖分岐よりも少なくとも1炭素多い鎖長を示し、短鎖分岐は、本明細書中で使用される場合、コモノマーにおける炭素の数よりも2炭素少ない鎖長を示す。例えば、プロピレン/1−オクテンインターポリマーは、長さが少なくとも7個の炭素である長鎖分岐を有する骨格を有し、しかし、これらの骨格はまた、長さがほんの6個の炭素にすぎない短鎖分岐も有する。そのようなプロピレン/α−オレフィンコポリマーがさらに、米国仮特許出願第60/988,999号及び国際特許出願第PCT/US08/082599号に詳しく記載される(これらのそれぞれが参照によって本明細書中に組み込まれる)。
【0023】
他の選択された実施形態において、オレフィンブロックコポリマー、例えば、エチレンマルチブロックコポリマー、例えば、国際公開第2005/090427号及び米国特許出願第11/376,835号に記載されるエチレンマルチブロックコポリマーなどをベースポリマーとして使用することができる。そのようなオレフィンブロックコポリマーは、下記のようなエチレン/α−オレフィンインターポリマーであり得る:
(a)1.7〜3.5のM/M、少なくとも1つの融点(T、摂氏度)及び所定の密度(d、グラム/立方センチメートル)を有し、但し、T及びdの数値は下記の関係に対応する:
>−2002.9+4538.5(d)−2422.2(d);又は
(b)1.7〜3.5のM/Mを有し、かつ、所定の融解熱(ΔH、J/g)、及び、最高DSCピークと、最高CRYSTAFピークとの温度差として定義されるデルタ量(ΔT、摂氏度)によって特徴づけられ、但し、ΔT及びΔHの数値は下記の関係を有する:
ΔT>−0.1299(ΔH)+62.81(ΔHがゼロよりも大きく、130J/gまでである場合)
ΔT≧48℃(ΔHが130J/gよりも大きい場合)
この場合、CRYSTAFピークは、累積ポリマーの少なくとも5パーセントを使用して求められ、また、ポリマーの5パーセント未満が特定可能なCRYSTAFピークを有する場合、CRYSTAF温度は30℃である;又は
(c)エチレン/α−オレフィンインターポリマーの圧縮成形フィルムを用いて測定される所定の弾性回復率(Re、300パーセントのひずみ及び1サイクルでのパーセント)によって特徴づけられ、かつ、所定の密度(d、グラム/立方センチメートル)を有し、但し、Re及びdの数値は、エチレン/α−オレフィンインターポリマーが架橋相を実質的に含まないとき、下記の関係を満たす:
Re>1481−1629(d);又は
(d)TREFを使用して分画化されるとき、40℃〜130℃の間で溶出する分子分画物であって、同じ温度の間で溶出する比較可能なランダムエチレンインターポリマー分画物のモルコモノマー含有量よりも少なくとも5パーセント大きいモルコモノマー含有量を有することにおいて特徴づけられる分子分画物を有し、但し、前記比較可能なランダムエチレンインターポリマーは同じコモノマーを有し、かつ、エチレン/α−オレフィンインターポリマーのメルトインデックス、密度及びモルコモノマー含有量(ポリマー全体に基づく)の10パーセント以内であるメルトインデックス、密度及びモルコモノマー含有量(ポリマー全体に基づく)を有する;又は
(e)25℃での貯蔵弾性率(G’(25℃))及び100℃での貯蔵弾性率(G’(100℃))を有し、但し、G’(25℃)対G’(100℃)の比率が1:1〜9:1の範囲にある。
【0024】
エチレン/α−オレフィンインターポリマーはまた、
(a)TREFを使用して分画化されるとき、40℃〜130℃の間で溶出する分子分画物であって、少なくとも0.5であり、かつ、約1に至るまでのブロックインデックスと、約1.3を超える分子量分布(M/M)とを有することにおいて特徴づけられる分子分画物を有することができるか、又は
(b)ゼロよりも大きく、かつ、約1.0に至るまでの平均ブロックインデックスと、約1.3を超える分子量分布(M/M)とを有することができる。
【0025】
代わりの実施形態において、ポリオレフィン、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン及びそれらのコポリマー、並びに、それらのブレンド混合物など、同様にまた、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマーをベースポリマーとして使用することができる。いくつかの実施形態において、典型的なオレフィン系ポリマーには、Elstonに発行された米国特許第3,645,992号に記載される均一ポリマー;Andersonに発行された米国特許第4,076,698号に記載されるような高密度ポリエチレン(HDPE);不均一に分岐した線状低密度ポリエチレン(LLDPE);不均一に分岐した超低線状密度(ultra low linear density)ポリエチレン(ULDPE);均一に分岐した線状エチレン/α−オレフィンコポリマー;均一に分岐した実質的線状エチレン/α−オレフィンポリマー、これは、例えば、米国特許第5,272,236号及び同第5,278,272号(それらの開示は参照によって本明細書中に組み込まれる)に開示されるプロセスによって調製することができる;並びに、高圧フリーラジカル重合されたエチレンポリマー及びエチレンコポリマー、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)などが含まれるが、これらに限定されない。
【0026】
米国特許第6,566,446号、同第6,538,070号、同第6,448,341号、同第6,315,549号、同第6,111,023号、同第5,869,575号、同第5,844,045号又は同第5,677,383号(これらのそれぞれがその全体において参照によって本明細書中に組み込まれる)に記載されるポリマー組成物もまた、ベースポリマーとして使用することができる。当然のことではあるが、ポリマーのブレンド混合物も同様に使用することができる。いくつかの実施形態において、ベースポリマーのブレンド混合物は2つの異なるチーグラー・ナッタ型ポリマーを含む。他の実施形態において、ベースポリマーのブレンド混合物はチーグラー・ナッタ型ポリマー及びメタロセン型ポリマーのブレンド混合物を含むことができる。なおさらに他の実施形態において、ベースポリマーのブレンド混合物は2つの異なるメタロセン型ポリマーのブレンド混合物であり得る。他の実施形態において、単一部位触媒から製造されるポリマーを使用することができる。さらに別の実施形態において、ブロックコポリマー又はマルチブロックコポリマーを使用することができる。そのようなポリマーには、国際公開第2005/090427号(これは米国特許出願第60/553,906号(2004年3月7日出願)の優先権を有する)において記載及び特許請求されるポリマーが含まれる。
【0027】
いくつかの具体的な実施形態において、ベースポリマーはプロピレン系のコポリマー又はインターポリマーである。いくつかの実施形態において、プロピレン/エチレンコポリマー又はプロピレン/エチレンインターポリマーは、実質的にアイソタクチックなプロピレン配列を有するとして特徴づけられる。用語「実質的にアイソタクチックなプロピレン配列」及び類似する用語は、配列が、約0.85よりも大きい、好ましくは約0.90よりも大きい、より好ましくは約0.92よりも大きい、最も好ましくは約0.93よりも大きい、13C−NMRによって測定されるアイソタクチックトライアド(mm)を有することを意味する。アイソタクチックトリアドは当分野では周知であり、例えば、米国特許第5,504,172号及び国際公開第00/01745号に記載される(これらは、アイソタクチック配列を、13CNMRスペクトルによって求められるコポリマー分子鎖におけるトライアドユニットに関して示す)。
【0028】
他の具体的な実施形態において、ベースポリマーはエチレンビニルアセタート(EVA)系ポリマーであり得る。他の実施形態において、ベースポリマーはエチレン−メチルアクリラート(EMA)系ポリマーであり得る。他の具体的な実施形態において、エチレン−α−オレフィンコポリマーは、エチレン−ブテンコポリマー又はエチレン−ブテンインターポリマー、エチレン−ヘキセンコポリマー又はエチレン−ヘキセンインターポリマー、或いは、エチレン−オクテンコポリマー又はエチレン−オクテンインターポリマーであり得る。他の具体的な実施形態において、プロピレン−α−オレフィンコポリマーは、プロピレン−エチレンコポリマー又はプロピレン−エチレンインターポリマー、或いは、プロピレン−エチレン−ブテンコポリマー又はプロピレン−エチレン−ブテンインターポリマーであり得る。
【0029】
特定の実施形態において、ベースポリマーは、0.863g/cc〜0.911g/ccの間の密度と、0.1g/10分〜1200g/10分のメルトインデックス(2.16kgの重りを用いて190℃)、代替では0.1g/10分〜1000g/10分のメルトインデックス、また、別の代替では0.1g/10分〜100g/10分のメルトインデックスとを有するエチレン−オクテンコポリマー又はエチレン−オクテンインターポリマーが可能である。他の実施形態において、エチレン−オクテンコポリマーは、0.863g/cm〜0.902g/cmの間の密度と、0.8g/10分〜35g/10分のメルトインデックス(これは2.16kgの負荷のもとで190℃で測定される)とを有することができる。
【0030】
特定の実施形態において、ベースポリマーは、5重量パーセント〜20重量パーセントの間のエチレン含有量と、0.5g/10分〜300g/10分のメルトフローレイト(これは2.16kgの負荷のもとで230℃で測定される)とを有するプロピレン−エチレンコポリマー又はプロピレン−エチレンインターポリマーが可能である。他の実施形態において、プロピレン−エチレンコポリマー又はプロピレン−エチレンインターポリマーは、9重量パーセント〜12重量パーセントの間のエチレン含有量と、1g/10分〜100g/10分のメルトフローレイト(これは2.16kgの負荷のもとで230℃で測定される)とを有することができる。
【0031】
特定の他の実施形態において、ベースポリマーは、0.911g/cm〜0.925g/cmの間の密度と、0.1g/10分〜100g/10分のメルトインデックス(これは2.16kgの負荷のもとで190℃で測定される)とを有する低密度ポリエチレンが可能である。
【0032】
他の実施形態において、ベースポリマーは50パーセント未満の結晶化度を有することができる。例えば、ベースポリマーの結晶化度は5パーセント〜35パーセントであり得る;又は、代替では、結晶化度は7パーセントから20パーセントにまで及ぶことができる。
【0033】
特定の他の実施形態において、ベースポリマーは110℃未満の融点を有することができる。例えば、融点は25℃〜100℃であり得る;又は、代替では、融点は40℃〜85℃の間であり得る。
【0034】
特定の実施形態において、ベースポリマーは、20,000g/モルを超える重量平均分子量を有することができる。例えば、重量平均分子量は20,000g/モル〜150,000g/モルであり得るか、又は、代替では、50,000g/モル〜100,000g/モルであり得る。
【0035】
1つ又はそれ以上のベースポリマー、例えば、熱可塑性樹脂などを、1重量パーセント〜96重量パーセントの量で水性分散物に含有することができる。例えば、1つ又はそれ以上のベースポリマー、例えば、熱可塑性樹脂などを10重量パーセント〜70重量パーセントの量で水性分散物に存在させることができ、例えば、20重量パーセント〜50重量パーセントなどの量で水性分散物に存在させることができる。
【0036】
1つ又はそれ以上の界面活性剤を第2の内側相に含むことができ、或いは、シード分散物(seed dispersion)に加えることができる。界面活性剤は、アニオン性、イオン性、カチオン性又は双性イオン性、或いは、非イオン性と、カチオン性又はアニオン性又は双性イオン性との混合であり得る。好ましいものが、非イオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤である。カチオン性界面活性剤(例えば、アンモニウム塩など)もまた使用することができる。
【0037】
アニオン性界面活性剤の例が、スルホナート、ホスファート及びカルボキシラートの金属塩又はアンモニア塩である。好適な界面活性剤には、下記のものが含まれる:脂肪酸のアルカリ金属塩、例えば、ステアリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、オレイン酸カリウムなど、脂肪酸サルフェートのアルカリ金属塩、例えば、ラウリル硫酸ナトリウムなど、アルキルベンゼンスルホナート及びアルキルナフタレンスルホナートのアルカリ金属塩、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムなど;ジアルキルスルホスクシナートのアルカリ金属塩;硫酸化アルキルフェノールエトキシラートのアルカリ金属塩、例えば、ナトリウムオクチルフェノキシポリエトキシエチルサルフェートなど;ポリエトキシアルコールサルフェートのアルカリ金属塩、及び、ポリエトキシアルキルフェノールサルフェートのアルカリ金属塩;金属スルホスクシナート、例えば、ジオクチルナトリウムスルホスクシナートなど、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリエチレングリコールドデシルエーテルとのスルホコハク酸−4−エステルの二ナトリウム塩、アルキルジスルホナート化ジフェニルオキシドの二ナトリウム塩、例えば、モノアルキルジスルホナート化ジフェニルオキシド及びジアルキルジスルホナート化ジフェニルオキシドの二ナトリウム塩など、ジヘキシルナトリウムスルホスクシナート、ポリオキシ−1,2−エタンジイル−α−トリデシル−ω−ヒドロキシホスファート、並びに、アルキルエーテルスルホナートのナトリウム塩。
【0038】
非イオン性界面活性剤の例としては、ポリエチレングリコールの脂肪酸モノエステル及び脂肪酸ジエステル(例えば、PEG−8ラウラート、PEG−10オレアート、PEG−8ジオレアート及びPEG−12ジステアラートなど)、ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル(例えば、PEG−40グリセリルラウラート及びPEG−20グリセリルステアラートなど)、アルコール−オイルのエステル交換反応生成物(例えば、PEG−35ヒマシ油、PEG−25トリオレアート及びPEG−60トウモロコシグリセリドなど)、ポリグリセリル化(polyglycerized)脂肪酸(例えば、ポリグリセリル−2−オレアート及びポリグリセリル−10−トリオレアートなど)、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(例えば、ポリエチレングリコールモノラウラートなど)、モノグリセリド及びジグリセリド(例えば、グリセリルモノオレアート及びグリセリルラウラートなど)、ステロール及びステロール誘導体(例えば、コレステロールなど)、ソルビタン脂肪酸エステル及びポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ソルビタンモノラウラート及びPEG−20ソルビタンモノラウラートなど)、ポリエチレングリコールアルキルエーテル(例えば、PEG−3オレイルエーテル及びPEG−20ステアリルエーテルなど)、糖エステル(例えば、スクロースモノパルミタート及びスクロールモノラウラートなど)、ポリエチレングリコールアルキルフェノール(例えば、PEG−10−100ノニルフェノール及びPEG−15−100オクチルフェノールエーテルなど)、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー(例えば、ポロキサマー108及びポロキサマー182など)、低級アルコール脂肪酸エステル(例えば、エチルオレアート及びイソプロピルミリスタートなど)、フェノール(例えば、ノニルフェノールなど)のエチレンオキシド付加物、並びに、それらの任意の組合せが挙げられる。
【0039】
さらに、疎水性相が、乳化性の非イオン基、カチオン基又はアニオン基を含むことによって自己乳化性である場合、外部乳化剤が必要とされる場合があり、又は、必要とされない場合がある。
【0040】
非イオン性界面活性剤のさらなる例としては、ポリエチレングリコールの脂肪酸モノエステル及び脂肪酸ジエステル(例えば、PEG−8ラウラート、PEG−10オレアート、PEG−8ジオレアート及びPEG−12ジステアラートなど)、ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル(例えば、PEG−40グリセリルラウラート及びPEG−20グリセリルステアラートなど)、アルコール−オイルのエステル交換反応生成物(例えば、PEG−35ヒマシ油、PEG−25トリオレアート及びPEG−60トウモロコシグリセリドなど)、ポリグリセリル化脂肪酸(例えば、ポリグリセリル−2−オレアート及びポリグリセリル−10−トリオレアートなど)、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(例えば、ポリエチレングリコールモノラウラートなど)、モノグリセリド及びジグリセリド(例えば、グリセリルモノオレアート及びグリセリルラウラートなど)、ステロール及びステロール誘導体(例えば、コレステロールなど)、ソルビタン脂肪酸エステル及びポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ソルビタンモノラウラート及びPEG−20ソルビタンモノラウラートなど)、ポリエチレングリコールアルキルエーテル(例えば、PEG−3オレイルエーテル及びPEG−20ステアリルエーテルなど)、糖エステル(例えば、スクロースモノパルミタート及びスクロールモノラウラートなど)、ポリエチレングリコールアルキルフェノール(例えば、PEG−10−100ノニルフェノール及びPEG−15−100オクチルフェノールエーテルなど)、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー(例えば、ポロキサマー108及びポロキサマー182など)、低級アルコール脂肪酸エステル(例えば、エチルオレアート及びイソプロピルミリスタートなど)、並びに、それらの任意の組合せが挙げられる。
【0041】
好適なイオン性界面活性剤のさらなる例としては、脂肪酸塩(例えば、ラウリン酸ナトリウム及びナトリウムラウリルサルコシナートなど)、胆汁酸塩(例えば、コール酸ナトリウム及びタウロコール酸ナトリウムなど)、リン酸のエステル(例えば、ジエタノールアンモニウムポリオキシエチレン−10オレイルエーテルホスファートなど)、カルボン酸塩(例えば、エーテルカルボン酸塩、並びに、モノグリセリド及びジグリセリドのクエン酸エステルなど)、アシルラクチラート(acyl lactylate)(例えば、脂肪酸のラクチル酸エステル(lactylic ester)、及び、プロピレングリコールアルギナートなど)、硫酸塩及びスルホン酸塩(例えば、エトキシル化アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩及びアシルタウラート(acyl taurate)など)、アルキルスルホン酸塩、アリールスルホン酸塩及びアルキルアリールスルホン酸塩、並びに、アルキルリン酸塩、アリールリン酸塩及びアルキルアリールリン酸塩;並びに、それらの任意の組合せが挙げられる。
【0042】
特定の実施形態において、界面活性剤、すなわち、安定化剤は、極性基をコモノマー又はグラフト化モノマーのどちらかとして有する極性ポリマーが可能である。典型的な実施形態において、安定化剤は、極性基をコモノマー又はグラフト化モノマーのどちらかとして有する1つ又はそれ以上の極性ポリオレフィンを含む。典型的なポリマー型安定化剤には、エチレン−アクリル酸(EAA)コポリマー及びエチレン−メタクリル酸コポリマー、例えば、The Dow Chemical Companyから市販されているPRIMACOR(商標)の商品名で入手可能なコポリマー、E.I.DuPont de Nemoursから市販されているNUCREL(商標)の商品名で入手可能なコポリマー、及び、ExxonMobil Chemical Companyから市販されているESCOR(商標)の商品名で入手可能なコポリマー、並びに、米国特許第4,599,392号、同第4,988,781号及び同第5,938,437号(これらのそれぞれがその全体において参照によって本明細書中に組み込まれる)に記載されるコポリマーなどが含まれるが、これらに限定されない。他の典型的なポリマー型安定化剤には、エチレンエチルアクリラート(EEA)コポリマー、エチレンメチルメタクリラート(EMMA)及びエチレンブチルアクリラート(EBA)が含まれるが、これらに限定されない。他のエチレン−カルボン酸コポリマーもまた使用することができる。当業者は、数多くの他の有用なポリマーもまた使用することができることを認識する。
【0043】
使用することができる他の安定化剤には、12個〜60個の炭素原子を有する長鎖脂肪酸又は長鎖脂肪酸塩が含まれるが、これらに限定されない。他の実施形態において、長鎖脂肪酸又は長鎖脂肪酸塩は12個〜40個の炭素原子を有することができる。
【0044】
ポリマーの極性基が性質において酸性又は塩基性である場合、ポリマー型安定化剤は、対応する塩を形成するために、中和剤により部分的又は完全に中和することができる。特定の実施形態において、安定化剤(例えば、長鎖鎖脂肪酸又はEAAなど)の中和はモル基準で25パーセント〜200パーセントであり得る;又は、代替では、安定化剤(例えば、長鎖鎖脂肪酸又はEAAなど)の中和はモル基準で50パーセント〜110パーセントであり得る。例えば、EAAについては、中和剤は、塩基、例えば、水酸化アンモニウム又は水酸化カリウムなどであり得る。他の中和剤には、例えば、水酸化リチウム又は水酸化ナトリウムが含まれ得る。別の代替では、中和剤はどのようなアミンであってもよく、例えば、モノエタノールアミン又は2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(AMP)などであり得る。当業者は、適切な中和剤の選択が、配合される特定の組成物に依存すること、及び、そのような選定は当業者の知識の範囲内であることを理解する。
【0045】
ポリオレフィンに基づく分散物はさらに、1重量パーセント〜85重量パーセントの1つ又はそれ以上のフィラーを含むことができ、フィラーには、粉砕ガラス、炭酸カルシウム、アルミニウム三水和物、タルク、三酸化アンチモン、硫酸カルシウム、フライアッシュ、粘土又は他の公知なフィラーが含まれるが、これらに限定されない。代替では、ポリオレフィン分散物は5重量パーセント〜85重量パーセントの1つ又はそれ以上のフィラーを含むことができ、或いは、代替では、5重量パーセント〜75重量パーセントの1つ又はそれ以上のフィラーを含むことができ、或いは、代替では、25重量パーセント〜75重量パーセントの1つ又はそれ以上のフィラーを含むことができ、或いは、代替では、35重量パーセント〜75重量パーセントの1つ又はそれ以上のフィラーを含むことができ、或いは、代替では、45重量パーセント〜75重量パーセントの1つ又はそれ以上のフィラーを含むことができ、或いは、代替では、25重量パーセント〜65重量パーセントの1つ又はそれ以上のフィラーを含むことができる。
【0046】
ポリオレフィンに基づく分散物はさらに、1つ又はそれ以上の着色剤、脱泡剤、消泡剤又は架橋剤を含むことができる。
【0047】
第3の層は1つ又はそれ以上の三次層を含む。1つ又はそれ以上の三次層は任意の材料に由来することができる:例えば、それぞれの三次層を、1つ又はそれ以上の天然物、1つ又はそれ以上の合成物、或いは、それらの組合せから作製することができる;しかしながら、これは、二次層に付随する三次層の表面がポリマー系材料であるという条件のもとである。1つ又はそれ以上の三次層は、例えば、1つ又はそれ以上のセルロース系材料、1つ又はそれ以上の金属系材料、及び、1つ又はそれ以上のポリマー系材料、或いは、それらの組合せを含むことができる。典型的なセルロース系材料には、紙、板紙及び段ボールが含まれるが、これらに限定されない。そのような紙製造物はさらに、1つ又はそれ以上の被覆(例えば、ポリマー被覆又は着色された被覆など)を含むことができる。典型的な金属系材料には、アルミニウムホイルが含まれるが、これに限定されない。ポリマー系材料には、ポリオレフィン系材料、例えば、ポリエチレン系材料、ポリプロピレン系材料、ポリエステル系材料及びそれらのコポリマーなどが含まれるが、これらに限定されない。1つ又はそれ以上の三次層は、フィルム、例えば、単層フィルム、多層フィルム(例えば、共押出しフィルム又は積層化フィルムなど)、ウエブ、不織物、織物、ホイル、シート、箔又はそれらの組合せを構成することができる。そのような三次層(例えば、フィルム)はさらに表面処理することができ、例えば、金属(例えば、アルミニウム合金、酸化ケイ素)により表面処理することができる。1つ又はそれ以上の三次層は均一な表面を有することができ、或いは、代替では、1つ又はそれ以上の三次層は不均一な表面を有することができる。1つ又はそれ以上の三次層は、単調な表面、例えば、平滑な表面又は変化のない表面を有することができ、或いは、代替では、粗い表面を有することができる。
【0048】
1つ又はそれ以上の三次層は厚さを150μm未満の範囲に有することができる。例えば、1つ又はそれ以上の三次層は、0.1μm、0.5μm、1μm、5μm、10μm、15μm、20μm、50μm、80μm又は100μmの下限から、0.5μm、1μm、5μm、10μm、50μm、75μm、80μm、100μm又は149μmの上限までの厚さを有することができる。例えば、1つ又はそれ以上の三次層は、0.1μm〜150μm未満の範囲における厚さ、又は、0.1μm〜125μmの範囲における厚さ、又は、0.1μm〜100μmの範囲における厚さ、又は、0.1μm〜85μmの範囲における厚さ、又は、0.1μm〜50μmの範囲における厚さ、又は、0.1μm〜25μmの範囲における厚さ、又は、0.1μm〜15μmの範囲における厚さを有することができる。
【0049】
1つ又はそれ以上の三次層は、第3の層を形成するために、種々の方法により結合させることができる。そのような技術には、共押出しプロセス及び積層化プロセスが含まれるが、これらに限定されない。
【0050】
製造において、本明細書中上記で記載されるような、1つ又はそれ以上の一次層を含む第1の層が提供される。本明細書中上記で記載されるような1つ又はそれ以上のポリオレフィン分散物が第1の層の少なくとも1つ又はそれ以上の表面に適用される。1つ又はそれ以上のポリオレフィン分散物を1段階プロセス又は多段階プロセスによりただ1つだけの層又は多数の層に適用することができる。続いて、水の少なくとも一部が、第1の層に対する適用されたポリオレフィン分散物から除かれ、それにより、第1の層の少なくとも1つの表面に付随する第2の層を形成し、それにより、第1の中間構造物を形成する。少なくとも一部の水の除去を種々の方法により達成することができ、例えば、空気乾燥、熱乾燥又は赤外線乾燥により達成することができる。1つ又はそれ以上の三次層を含む第3の層を、例えば、押出し被覆により形成し、同時に、第1の中間層に接合し、それにより、1つ又はそれ以上の第2の層が、第1の層と、第3の層との間に配置される多層構造物を形成することができる。代替において、1つ又はそれ以上の三次層を含む第3の層は、事前に形成された層、例えば、押出しプロセス又は共押出しプロセスにより作製されるシートであってもよく、その後、続いて、例えば、積層化により第1の中間層に接合し、それにより、1つ又はそれ以上の第2の層が、第1の層と、第3の層との間に配置される多層構造物を形成することができる。1つの実施形態において、1つ又はそれ以上のポリオレフィン分散物はまた、第3の層の少なくとも1つの表面に適用することができる。続いて、水の少なくとも一部が、第3の層に対する適用されたポリオレフィン分散物から除かれ、それにより、第3の層の少なくとも1つの表面に付随する1つ又はそれ以上の二次層を形成し、それにより、第2の中間構造物を形成する。1つの実施形態において、第2の中間構造物を、第1の中間構造物の少なくとも1つの表面に、例えば、熱誘導積層化により接合し、それにより、1つ又はそれ以上の第2の層が、第1の層と、第3の層との間に配置される多層構造物を形成することができる。別の実施形態において、第2の中間構造物を第1の層に接合し、それにより、1つ又はそれ以上の第2の層が、第1の層と、第3の層との間に配置される多層構造物を形成することができる。積層化プロセスは、例えば、熱誘導積層化を含むことができる。熱誘導積層化を従来の方法により達成することができ、例えば、照射加熱、赤外線ヒーター、対流加熱、誘導加熱、接触加熱(例えば、加熱されたローラー)などにより達成することができる。第2の層が存在することにより、押出し被覆プロセスのための低下したレベルの融解温度が容易になる。押出し被覆プロセスにおけるそのような低下したレベルの融解温度はさらに、加工速度レベルの改善を容易にしながら、多層構造物のある種の特性の改善を容易にする。そのような改善には、許容され得る加工レベル又は下流側での二次加工レベルを維持しながらでの異なる層の間における改善された接合レベルが含まれるが、これに限定されない。第2の層が存在することによりさらに、例えば、押出し被覆プロセスにおいて、異なる層を、それらの間での接合特性を改善するために前処理することの必要性が低下する。
【0051】
1つの実施形態において、第2の中間構造物を、第1の中間構造物の少なくとも1つの表面に、例えば、熱誘導シールにより接合し、それにより、1つ又はそれ以上の第2の層が、第1の層と、第3の層との間に配置される多層構造物を形成することができる。別の実施形態において、第2の中間構造物を第1の層に接合し、それにより、1つ又はそれ以上の第2の層が、第1の層と、第3の層との間に配置される多層構造物を形成することができる。ヒートシールを従来の方法により達成することができ、例えば、ヒーターバーシール、誘導シール、超音波シール、インパルスシール、加熱ローラーシール、熱風シール、火炎又はそれらの組合せなどにより達成することができる。第2の層が存在することにより、低下したシール温度及び改善されたフォーム・フィル・シール(form fill seal)加工が容易になる。低下したシール温度はフォーム・フィル・シール・プロセス速度の改善を容易にする。第2の層が存在することによりさらに、異なる層を、それらの間での接合特性を改善するために前処理することの必要性が低下する。
【0052】
本発明の多層構造物は種々の物品に成形することができる。そのような物品には、密封容器、密封パウチ、密封チューブ又は折りたたみ品(例えば、折りたたみカートンなど)、或いは、任意の柔軟性若しくは半剛性の包装用製造物又は剛性の包装用製造物が含まれるが、これらに限定されない。1つの実施形態において、本発明は、本明細書中上記で開示されるような多層構造物を含む物品を提供する。代わりの実施形態において、本発明は、本明細書中上記で開示されるような多層構造物を提供する工程、及び、その多層構造物を物品に成形する工程を含む物品作製方法を提供する。
【実施例】
【0053】
下記の実施例は本発明を例示するが、本発明の範囲を限定することは意図されない。本発明の実施例は、本発明による多層構造物が、許容され得る接合レベル、並びに、加工レベルを維持しながら、低下した塗膜重量を有することを明らかにする。
【0054】
本発明による実施例1〜実施例11
本発明による実施例1〜実施例11を下記のプロセスに従って調製した。255g/mの重量を有する板紙(板紙1)を含む第1の層、すなわち、基体が提供された。ポリオレフィン分散物(POD1)、フィラー(HC90ME)及びカルボキシメチルセルロース(CMC FF330)を含む被覆組成物(CC1)が提供された。POD1は、およそ42重量パーセントの固形物含有量を有する、酸修飾されたプロピレンポリマーに基づく水性分散物(およそ9.5のpH)である。CC1の配合成分が表Iに報告される。
【0055】
CC1を、4g/m〜6g/mの間の塗膜重量を塗布するブレード被覆により板紙1に塗布した。続いて、板紙1に対する塗布されたCC1を、空気乾燥と組み合わされた赤外線乾燥により乾燥して、板紙1の水分含有量をおよそ5重量パーセントに減らし、それにより、板紙1に付随する第2の層を形成し、それにより、第1の中間構造物1(FIS1)を形成した。
【0056】
様々なポリマー被覆されたアルミニウムホイル(TL1〜TL11)が、1つ又はそれ以上の三次層を含む第3の層として提供された。TL1〜TL11のポリマー被覆組成物(PCC1〜PCC11)が表IIに報告される。
【0057】
PCC1は、ISO1133によるおよそ7.7g/10分のメルトインデックス(I)、ASTM D−792によるおよそ0.918g/cmの密度を有し、The Dow Chemical Companyによって提供される低密度ポリエチレンであり、これは、DOW LDPE PG7008と呼ばれる。
【0058】
PCC2は、ISO1133(190℃及び2.16kg)によるおよそ7.7g/10分のメルトインデックス(I)、ASTM D−792によるおよそ0.918g/cmの密度を有し、The Dow Chemical Companyによって提供される低密度ポリエチレンであり、これは、DOW LDPE PG7008と呼ばれる。
【0059】
PCC3は、およそ8.5のパーセントコモノマー、製造時における、ASTM D−1238(190℃及び2.16kg)又はISO1133(190℃及び2.16kg)によるおよそ7.5のメルトインデックス(I)を有し、The Dow Chemical Companyによって提供されるエチレンアクリル酸コポリマーであり、これはPRIMACOR3540と呼ばれる。
【0060】
PCC4は、およそ3のパーセントコモノマー、製造時における、ASTM D−1238(190℃及び2.16kg)によるおよそ7.5g/10分のメルトインデックス(I)を有し、The Dow Chemical Companyによって提供されるエチレンアクリル酸コポリマーであり、これは、AMPLIFY AA698と呼ばれる。
【0061】
PCC5は、ISO1133(190℃及び2.16kg)によるおよそ12g/10分のメルトインデックス(I)、ASTM D−792によるおよそ0.911g/cmの密度を有し、The Dow Chemical Companyによって提供されるポリエチレンであり、これはELITE5800Gと呼ばれる。
【0062】
PCC6は、ASTM D−1238(190℃及び2.16kg)によるおよそ8g/10分のメルトインデックス(I)、ASTM D−792によるおよそ0.919g/cmの密度を有し、The Dow Chemical Companyによって提供されるポリエチレンであり、これはELITE5811Gと呼ばれる。
【0063】
PCC7は、ASTM D−1238(190℃及び2.16kg)によるおよそ8g/10分のメルトインデックス(I)、ASTM D−792によるおよそ0.919g/cmの密度を有し、The Dow Chemical Companyによって提供されるポリエチレンであり、これはELITE5811Gと呼ばれる。
【0064】
PCC8は、ISO1133(190℃及び2.16kg)によるおよそ7.5g/10分のメルトインデックス(I)、ASTM D−792によるおよそ0.9029g/cmの密度を有し、The Dow Chemical Companyによって提供されるエチレン系ポリマーであり、これは、AFFINITY PT1451Gと呼ばれる。
【0065】
PCC8は、ISO1133(190℃及び2.16kg)によるおよそ7.5g/10分のメルトインデックス(I)、ASTM D−792によるおよそ0.902g/cmの密度を有し、The Dow Chemical Companyによって提供されるエチレン系ポリマーであり、これは、AFFINITY PT1451Gと呼ばれる。
【0066】
PCC10は、ASTM D−792によるおよそ0.885g/cmの密度、及び、およそ106のDSC融点温度を有し、The Dow Chemical Companyによって提供されるプロピレン系ポリマーであり、これはDP5000.01と呼ばれる。
【0067】
PCC11は、ASTM D−1238(190℃及び2.16kg)によるおよそ12g/10分のメルトインデックス(I)、ASTM D−792によるおよそ0.927g/cmの密度を有し、The Dow Chemical Companyによって提供されるエチレン−エチルアクリラートコポリマーであり、これはDP5030.00と呼ばれる。
【0068】
本発明による多層構造物1〜多層構造物11(MS1〜MS11)を、TL1〜TL11とのFIS1のヒートシールによりそれぞれ作製した。ヒートシールプロセスは、第1のヒートシール工程、続いて、周囲温度での少なくとも24時間の硬化工程を含み、その後、接合強度を引張り試験機で測定することが続いた。ヒートシールを、下記の条件のもと、0.5mmのTeflon被覆により被覆される5mm幅のシール用バーを備えるKopp LabシーラーSGPE20で行った:0.5N/mm2のシール圧での0.5秒のシール時間、三次層に向き合うシール用バーを周囲温度で保持すること、及び、ポリオレフィン層を有する38ミクロンのアルミニウムホイルと接触するシール用バーをおよそ160℃の最高シールバー温度までの様々な温度で制御すること。15mm幅のサンプル試料片を周囲温度での24時間の貯蔵の後で調製した。接合強度を、35mmの設定されたグリップ距離を適用して、Lloyd Instruments Ltd.引張り試験機LR5Kで行った。接合強度を、三次層を100mm/分のクロスヘッド速度で中間層から引張って試料片幅(15mm)あたりの力(N)で測定し、5mmのシール幅にわたるN/15mmでの平均接合強度を報告した。ヒートシールが、熱誘導積層化に対するのと同様に、熱誘導シールにより達成される接合を表すモデルとして使用され、両方において、3つの主要なパラメーター、すなわち、温度、時間及び圧力が、接する境界に加えられる。図7を参照して、熱積層化プロセスが、被覆されたアルミニウムホイルを、非常に熱伝導性のアルミニウムホイル側を選択された熱源に向けて当てることによって好適に表される。熱が、中間層と接触しているポリオレフィン層に容易に伝えられる。平均ヒートシール強度又は平均熱積層強度を、シール強度又は熱積層強度として記載される測定可能な接合強度を達成する温度範囲にわたるシール強度測定値の平均として定義した。平均接合強度レベルは、積層体の一体性の実用的基準を表す3N/15mmに等しいか、又は、それ以上であり、一方で、下方レベルは典型的には、限定された実用的使用のレベルである。結果が図2にグラフ表示として示される。
【0069】
本発明による実施例12〜実施例22
本発明による実施例12〜実施例22を下記のプロセスに従って調製した。255g/mの重量を有する板紙(板紙2)を含む第1の層、すなわち、基体が提供された。ポリオレフィン分散物(POD2)、フィラー(HC90ME)及びカルボキシメチルセルロース(CMC FF330)を含む被覆組成物(CC2)が提供された。POD2は、およそ44重量パーセントの固形物含有量を有する、酸修飾されたエチレンポリマーに基づく水性分散物(およそ9.5のpH)である。CC2の配合成分が表Iに報告される。
【0070】
CC2を、4g/m〜6g/mの間の塗膜重量を塗布するブレード被覆により板紙2に塗布した。続いて、板紙2に対する塗布されたCC2を、空気乾燥と組み合わされた赤外線乾燥により乾燥して、板紙1の水分含有量をおよそ5重量パーセントに減らし、それにより、板紙2に付随する第2の層を形成し、それにより、第1の中間構造物2(FIS2)を形成した。
【0071】
様々なポリマー被覆されたアルミニウムホイル(TL1〜TL11)が、1つ又はそれ以上の三次層を含む第3の層として提供された。本明細書中上記において本発明による実施例1〜実施例11でさらに詳しく記載されるように、TL1〜TL11のポリマー被覆組成物(PCC1〜PCC11)が表IIに報告される。
【0072】
本発明による多層構造物12〜多層構造物22(IMS12〜IMS22)を、TL1〜TL11とのFIS2のヒートシールによりそれぞれ作製した。ヒートシールプロセスは、第1のヒートシール工程、続いて、周囲温度での少なくとも24時間の硬化工程を含み、その後、接合強度を引張り試験機で測定することが続いた。ヒートシールを、下記の条件のもと、0.5mmのTeflon被覆により被覆される5mm幅のシール用バーを備えるKopp LabシーラーSGPE20で行った:0.5N/mm2のシール圧での0.5秒のシール時間、三次層に向き合うシール用バーを周囲温度で保持すること、及び、ポリオレフィン層を有する38ミクロンのアルミニウムホイルと接触するシール用バーをおよそ160℃の最高シールバー温度までの様々な温度で制御すること。15mm幅のサンプル試料片を周囲温度での24時間の貯蔵の後で調製した。接合強度を、35mmの設定されたグリップ距離を適用して、Lloyd Instruments Ltd.引張り試験機LR5Kで行った。接合強度を、三次層を100mm/分のクロスヘッド速度で中間層から引張って試料片幅(15mm)あたりの力(N)で測定し、5mmのシール幅にわたるN/15mmでの平均接合強度を報告した。ヒートシールが、熱誘導積層化に対するのと同様に、熱誘導シールにより達成される接合を表すモデルとして使用され、両方において、3つの主要なパラメーター、すなわち、温度、時間及び圧力が、接する境界に加えられる。図7を参照して、熱積層化プロセスが、被覆されたアルミニウムホイルを、非常に熱伝導性のアルミニウムホイル側を選択された熱源に向けて当てることによって好適に表される。熱が、中間層と接触しているポリオレフィン層に容易に伝えられる。平均ヒートシール強度又は平均熱積層強度を、シール強度又は熱積層強度として記載される測定可能な接合強度を達成する温度範囲にわたるシール強度測定値の平均として定義した。平均接合強度レベルは、積層体の一体性の実用的基準を表す3N/15mmに等しいか、又は、それ以上であり、一方で、下方レベルは典型的には、限定された実用的使用のレベルである。結果が図3にグラフ表示として示される。
【0073】
本発明による実施例23〜実施例33
本発明による実施例23〜実施例33を下記のプロセスに従って調製した。255g/mの重量を有する板紙(板紙3)を含む第1の層、すなわち、基体が提供された。ポリオレフィン分散物(POD2)及びカルボキシメチルセルロース(CMC FF330)を含む被覆組成物(CC3)が提供された。POD2は、およそ44重量パーセントの固形物含有量を有する、酸修飾されたエチレンポリマーに基づく水性分散物(およそ9.5のpH)である。CC3の配合成分が表Iに報告される。
【0074】
CC3を、4g/m〜6g/mの間の塗膜重量を塗布するブレード被覆により板紙3に塗布した。続いて、板紙3に対する塗布されたCC3を、空気乾燥と組み合わされた赤外線乾燥により乾燥して、板紙1の水分含有量をおよそ5重量パーセントに減らし、それにより、板紙3に付随する第2の層を形成し、それにより、第1の中間構造物3(FIS3)を形成した。
【0075】
様々なポリマー被覆されたアルミニウムホイル(TL1〜TL11)が、1つ又はそれ以上の三次層を含む第3の層として提供された。本明細書中上記において本発明による実施例1〜実施例11でさらに詳しく記載されるように、TL1〜TL11のポリマー被覆組成物(PCC1〜PCC11)が表IIに報告される。
【0076】
本発明による多層構造物23〜多層構造物33(IMS23〜IMS33)を、TL1〜TL11とのFIS3のヒートシールによりそれぞれ作製した。ヒートシールプロセスは、第1のヒートシール工程、続いて、周囲温度での少なくとも24時間の硬化工程を含み、その後、接合強度を引張り試験機で測定することが続いた。ヒートシールを、下記の条件のもと、0.5mmのTeflon被覆により被覆される5mm幅のシール用バーを備えるKopp LabシーラーSGPE20で行った:0.5N/mm2のシール圧での0.5秒のシール時間、三次層に向き合うシール用バーを周囲温度で保持すること、及び、ポリオレフィン層を有する38ミクロンのアルミニウムホイルと接触するシール用バーをおよそ160℃の最高シールバー温度までの様々な温度で制御すること。15mm幅のサンプル試料片を周囲温度での24時間の貯蔵の後で調製した。接合強度を、35mmの設定されたグリップ距離を適用して、Lloyd Instruments Ltd.引張り試験機LR5Kで行った。接合強度を、三次層を100mm/分のクロスヘッド速度で中間層から引張って試料片幅(15mm)あたりの力(N)で測定し、5mmのシール幅にわたるN/15mmでの平均接合強度を報告した。ヒートシールが、熱誘導積層化に対するのと同様に、熱誘導シールにより達成される接合を表すモデルとして使用され、両方において、3つの主要なパラメーター、すなわち、温度、時間及び圧力が、接する境界に加えられる。図7を参照して、熱積層化プロセスが、被覆されたアルミニウムホイルを、非常に熱伝導性のアルミニウムホイル側を選択された熱源に向けて当てることによって好適に表される。熱が、中間層と接触しているポリオレフィン層に容易に伝えられる。平均ヒートシール強度又は平均熱積層強度を、シール強度又は熱積層強度として記載される測定可能な接合強度を達成する温度範囲にわたるシール強度測定値の平均として定義した。平均接合強度レベルは、積層体の一体性の実用的基準を表す3N/15mmに等しいか、又は、それ以上であり、一方で、下方レベルは典型的には、限定された実用的使用のレベルである。結果が図4にグラフ表示として示される。
【0077】
本発明による実施例34〜実施例44
本発明による実施例34〜実施例44を下記のプロセスに従って調製した。255g/mの重量を有する板紙(板紙4)を含む第1の層、すなわち、基体が提供された。ポリオレフィン分散物(POD1)、フィラー(HC90ME)及びカルボキシメチルセルロース(CMC FF330)を含む被覆組成物(CC4)が提供された。POD1は、およそ42重量パーセントの固形物含有量を有する、酸修飾されたプロピレンポリマーに基づく水性分散物(およそ9.5のpH)である。CC4の配合成分が表Iに報告される。
【0078】
CC4を、4g/m〜6g/mの間の塗膜重量を塗布するブレード被覆により板紙1に塗布した。続いて、板紙1に対する塗布されたCC1を、空気乾燥と組み合わされた赤外線乾燥により乾燥して、板紙1の水分含有量をおよそ5重量パーセントに減らし、それにより、板紙1に付随する第2の層を形成し、それにより、第1の中間構造物1(FIS1)を形成した。
【0079】
様々なポリマー被覆されたアルミニウムホイル(TL1〜TL11)が、1つ又はそれ以上の三次層を含む第3の層として提供された。本明細書中上記において本発明による実施例1〜実施例11でさらに詳しく記載されるように、TL1〜TL11のポリマー被覆組成物(PCC1〜PCC11)が表IIに報告される。
【0080】
本発明による多層構造物34〜多層構造物44(IMS34〜IMS44)を、TL1〜TL11とのFIS1のヒートシールによりそれぞれ作製した。ヒートシールプロセスは、第1のヒートシール工程、続いて、周囲温度での少なくとも24時間の硬化工程を含み、その後、接合強度を引張り試験機で測定することが続いた。ヒートシールを、下記の条件のもと、0.5mmのTeflon被覆により被覆される5mm幅のシール用バーを備えるKopp LabシーラーSGPE20で行った:0.5N/mm2のシール圧での0.5秒のシール時間、三次層に向き合うシール用バーを周囲温度で保持すること、及び、ポリオレフィン層を有する38ミクロンのアルミニウムホイルと接触するシール用バーをおよそ160℃の最高シールバー温度までの様々な温度で制御すること。15mm幅のサンプル試料片を周囲温度での24時間の貯蔵の後で調製した。接合強度を、35mmの設定されたグリップ距離を適用して、Lloyd Instruments Ltd.引張り試験機LR5Kで行った。接合強度を、三次層を100mm/分のクロスヘッド速度で中間層から引張って試料片幅(15mm)あたりの力(N)で測定し、5mmのシール幅にわたるN/15mmでの平均接合強度を報告した。ヒートシールが、熱誘導積層化に対するのと同様に、熱誘導シールにより達成される接合を表すモデルとして使用され、両方において、3つの主要なパラメーター、すなわち、温度、時間及び圧力が、接する境界に加えられる。図7を参照して、熱積層化プロセスが、被覆されたアルミニウムホイルを、非常に熱伝導性のアルミニウムホイル側を選択された熱源に向けて当てることによって好適に表される。熱が、中間層と接触しているポリオレフィン層に容易に伝えられる。平均ヒートシール強度又は平均熱積層強度を、シール強度又は熱積層強度として記載される測定可能な接合強度を達成する温度範囲にわたるシール強度測定値の平均として定義した。平均接合強度レベルは、積層体の一体性の実用的基準を表す3N/15mmに等しいか、又は、それ以上であり、一方で、下方レベルは典型的には、限定された実用的使用のレベルである。結果が図5にグラフ表示として示される。
【0081】
比較例1〜比較例11
比較例1〜比較例11を下記のプロセスに従って調製した。255g/mの重量を有する板紙(板紙5)を含む第1の層、すなわち、基体が提供された。
【0082】
様々なポリマー被覆されたアルミニウムホイル(TL1〜TL11)が、1つ又はそれ以上の三次層を含む第3の層として提供された。本明細書中上記において本発明による実施例1〜実施例11でさらに詳しく記載されるように、TL1〜TL11のポリマー被覆組成物(PCC1〜PCC11)が表IIに報告される。
【0083】
比較用の多層構造物1〜多層構造物11(CMS1〜CMS11)を、TL1〜TL11との板紙1のヒートシールによりそれぞれ作製した。ヒートシールプロセスは、第1のヒートシール工程、続いて、周囲温度での少なくとも24時間の硬化工程を含み、その後、接合強度を引張り試験機で測定することが続いた。ヒートシールを、下記の条件のもと、0.5mmのTeflon被覆により被覆される5mm幅のシール用バーを備えるKopp LabシーラーSGPE20で行った:0.5N/mm2のシール圧での0.5秒のシール時間、三次層に向き合うシール用バーを周囲温度で保持すること、及び、ポリオレフィン層を有する38ミクロンのアルミニウムホイルと接触するシール用バーをおよそ160℃の最高シールバー温度までの様々な温度で制御すること。15mm幅のサンプル試料片を周囲温度での24時間の貯蔵の後で調製した。接合強度を、35mmの設定されたグリップ距離を適用して、Lloyd Instruments Ltd.引張り試験機LR5Kで行った。接合強度を、三次層を100mm/分のクロスヘッド速度で中間層から引張って試料片幅(15mm)あたりの力(N)で測定し、5mmのシール幅にわたるN/15mmでの平均接合強度を報告した。ヒートシールが、熱誘導積層化に対するのと同様に、熱誘導シールにより達成される接合を表すモデルとして使用され、両方において、3つの主要なパラメーター、すなわち、温度、時間及び圧力が、接する境界に加えられる。図7を参照して、熱積層化プロセスが、被覆されたアルミニウムホイルを、非常に熱伝導性のアルミニウムホイル側を選択された熱源に向けて当てることによって好適に表される。熱が、中間層と接触しているポリオレフィン層に容易に伝えられる。平均ヒートシール強度又は平均熱積層強度を、シール強度又は熱積層強度として記載される測定可能な接合強度を達成する温度範囲にわたるシール強度測定値の平均として定義した。平均接合強度レベルは、積層体の一体性の実用的基準を表す3N/15mmに等しいか、又は、それ以上であり、一方で、下方レベルは典型的には、限定された実用的使用のレベルである。結果が図6にグラフ表示として示される。
【0084】
本発明による実施例1A〜実施例36A
本発明による実施例1A〜実施例36Aを下記のプロセスに従って調製した。60g/mの重量を有する紙(B1)を含む第1の層、すなわち、基体が提供された。およそ42重量パーセントの固形物含有量を有する、酸修飾されたエチレンポリマーに基づく水性分散物(およそ9.5のpH)を含む第2層被覆組成物が提供された。POD2は、およそ9.5のpHを有する、酸修飾されたエチレンポリマーに基づく水性分散物である。第2層被覆組成物の配合成分が表IIIに報告される。
【0085】
それぞれの第2層被覆組成物(これは表3に報告される通りである)をそれぞれ、500m/分の被覆速度で、0.2g/m〜2.5g/mの間の塗膜重量を塗布するメータード・サイズ・プレス被覆装置(Metso Paper,Inc.から入手可能なOptiSizer)によりB1に塗布した。続いて、B1に対する塗布された被覆組成物を、空気乾燥と組み合わされた赤外線乾燥により乾燥して、B1の水分含有量をおよそ5重量パーセントに減らし、それにより、B1に付随する第2の層を形成し、それにより、第3の中間構造物を形成した。
【0086】
下記に記載されるように、PCC12〜PCC14が、第3の層を形成するための被覆組成物として提供された。PCC12〜PCC14を、およそ20g/mの塗膜重量を生じさせる200m/分での押出し被覆により第3の中間構造物に塗布した。最終製造物を、下記の手順によるそれらの接着評価のために試験した。結果が表IVに報告される。幅が15mm〜30mmのサンプルを選択した。少なくとも5名の個々のメンバーからなる評価員団がサンプルを引き離した。接着評価及び不良分類が、表IVに示されるように報告された。それぞれの報告された評価は、サンプルあたり少なくとも5回の手作業評価の平均である。接着評価スケールは1(接着なし)から10(分離不能)までであり、不良分類は下記の通りであった:DL=三次層の離層/剥離、FT:繊維引裂け−一次層、及び、FB:フィルム破断−三次層。
【0087】
PCC12は、ISO1133(190℃及び2.16kg)によるおよそ4.1g/10分のメルトインデックス(I)、ASTM D−792によるおよそ0.922g/cmの密度を有し、The Dow Chemical Companyによって提供されるポリエチレンであり、これは、LDPE PG7004と呼ばれる。
【0088】
PCC13は、ASTM D−1238(190℃及び2.16kg)によるおよそ8g/10分のメルトインデックス(I)、ASTM D−792によるおよそ0.919g/cmの密度を有し、The Dow Chemical Companyによって提供されるポリエチレンであり、これはELITE5811Gと呼ばれる。
【0089】
PCC14は、ASTM D−1238(190℃及び2.16kg)によるおよそ12g/10分のメルトインデックス(I)、ASTM D−792によるおよそ0.911g/cmの密度を有し、The Dow Chemical Companyによって提供されるポリエチレンであり、これはELITE5800Gと呼ばれる。
【0090】
比較例1B〜比較例12B
本発明による実施例1B〜実施例12Bを下記のプロセスに従って調製した。60g/mの重量を有する紙(B1)を含む第1の層、すなわち、基体が提供された。
【0091】
PCC12〜PCC14が、被覆層を形成するための被覆組成物として提供された。PCC12〜PCC14を、およそ20g/mの塗膜重量を生じさせる200m/分での押出し被覆によりB1に塗布した。最終製造物を、下記の手順によるそれらの接着評価のために試験した。結果が表IVに報告される。幅が15mm〜30mmのサンプルを選択した。少なくとも5名の個々のメンバーからなる評価員団がサンプルを引き離した。接着評価及び不良分類が、表IVに示されるように報告された。それぞれの報告された評価は、サンプルあたり少なくとも5回の手作業評価の平均である。接着評価スケールは1(接着なし)から10(分離不能)までであり、不良分類は下記の通りであった:DL=三次層の離層/剥離、FT:繊維引裂け−一次層、及び、FB:フィルム破断−三次層。
【0092】
【表1】

【0093】
【表2】

【0094】
【表3A】

【0095】
【表3B】

【0096】
【表3C】

【0097】
【表3D】

【0098】
【表3E】

【0099】
【表4】

【0100】
本発明は、本発明の精神及び必須属性から逸脱することなく、他の形態で具体化することができ、従って、参照は、本発明の範囲を示すものとして、上記の明細書に対してではなく、むしろ、添付された請求項に対して行われなければならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚さが1cm未満の範囲にある、1つ又はそれ以上の一次層を含む第1の層、
1つ又はそれ以上のポリオレフィン分散物に由来する1つ又はそれ以上の二次層を含む第2の層(但し、前記1つ又はそれ以上の二次層は厚さが15μm未満の範囲にある)、及び
厚さが150μm未満の範囲にある1つ又はそれ以上の三次層を含む第3の層
を含み、
前記第2の層が、前記第1の層と、前記第3の層との間に配置される、
多層構造物。
【請求項2】
厚さが1mm未満の範囲にある1つ又はそれ以上の一次層を含む第1の層を提供する工程;
下記の成分:
少なくとも1つ又はそれ以上のベースポリマー、
少なくとも1つ又はそれ以上の安定化剤、
液体媒体、及び
必要な場合には1つ又はそれ以上の中和剤、
必要な場合には1つ又はそれ以上のフィラー
を含む1つ又はそれ以上のポリオレフィン分散物を提供する工程;
前記1つ又はそれ以上のポリオレフィン分散物を前記1つ又はそれ以上の一次層の1つ又はそれ以上の表面に塗布する工程;
前記液体媒体の少なくとも一部を前記1つ又はそれ以上のポリオレフィン分散物から除く工程;
それにより、厚さが15μm未満の範囲にある1つ又はそれ以上の二次層を含む第2の層を形成する工程(但し、前記第2の層は前記第1の層の少なくとも1つの表面に付随する);
それにより、中間構造物を形成する工程;
厚さが150μm未満の範囲にある1つ又はそれ以上の三次層を含む第3の層を提供する工程;
前記第3の層を前記中間構造物の1つ又はそれ以上の表面に接合する工程;
それにより、前記第2の層が、前記第1の層と、前記第3の層との間に配置される多層構造物を形成する工程
を含む、多層構造物を作製するためのプロセス。
【請求項3】
前記第3の層が押出し被覆プロセスにより形成される、請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記第3の層を形成し、前記中間層に接合することが、押出し被覆積層化プロセスにより行われる、請求項2に記載のプロセス。
【請求項5】
前記第3の層が積層化プロセスにより前記中間層に接合される、請求項2に記載のプロセス。
【請求項6】
前記中間層に対する前記第3の層の少なくとも一部の表面の接合がヒートシールプロセスにより行われる、請求項2に記載のプロセス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−520781(P2012−520781A)
【公表日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−500806(P2012−500806)
【出願日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際出願番号】PCT/US2010/023985
【国際公開番号】WO2010/107534
【国際公開日】平成22年9月23日(2010.9.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー (1,383)
【Fターム(参考)】