説明

多層記録メディア及びその多層記録方法

【課題】高密度記録化が可能とされた多層記録メディア及びその多層記録方法を提供する。
【解決手段】溝底部21とされるグルーブ部分21と、溝底部21の反対側の上面部22とされるランド部分22とを有するランド・グルーブ構造をした略円板状のマイクロホログラム系高密度多層記録方式等に対応する多層記録メディア10及びその多層記録方法に関する。ランド・グルーブ構造部20を構成するグルーブ部分21と、ランド・グルーブ構造部20を構成するランド部分22とをガイドとして、信号層30に側面視略長円形の記録マーク31,32を形成させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば高密度記録化が可能とされた多層記録メディア及びその多層記録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図2は、従来の記録メディア及びその記録方法の一形態を示すものである。
【0003】
高密度記録の実現方法として、例えばマイクロホログラム(Micro−Hologram)記録が可能なメディア110が提案されている。そのような高密度記録のメディア110として、例えば図2に示すディスク(Disc)構造を有するものが考えられている。このようなディスク構造を備えるディスク110の制御が行われるときに、例えばガイド(Guide)層120を利用して、そのガイド層120からの深さの差を基準にフォーカス(Focus)制御が行われる。また、ガイド層120に刻まれたトラック(Track)制御用のグルーブ(Groove)部分121を基準にトラッキング(Tracking)が行われる。また、信号層130のグルーブ(Groove)部分121の深さ方向にのみ信号用の記録マーク(Mark)133が形成される。
【0004】
マイクロホログラムに関することが記載されたものとして、例えば、情報を表すホログラムを光ディスクに対して高密度に記録させるために、光ディスクに記録マークを記録する際に、空間的に隣接する他の記録マークとの間でアジマス角が相違するようにして記録させ、再生時には再生対象の記録マークのアジマス角に応じた角度で参照光を照射させることにより、再生対象以外の記録マークからのクロストークを削減させ、その分、光ディスクの記録密度を向上させた光ディスク装置、光ディスク、記録制御方法並びに再生制御方法というものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−71434号公報(第1頁、第14,15図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
昨今、記録メディア110に対し、より高密度記録が可能な記録メディア110が要望されている。これは、例えばマイクロホログラム系メディア110についても同様なこととされる。
【0007】
本発明は、上記した点に鑑み、より高密度記録化が可能とされた多層記録メディア及びその多層記録方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る多層記録メディアは、溝底部とされるグルーブ部分と、前記溝底部の反対側の上面部とされるランド部分とを有する多層記録メディアであって、前記グルーブ部分と、前記ランド部分とをガイドとして、記録マークを形成可能とさせたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る多層記録メディアは、請求項1に記載の多層記録メディアにおいて、マイクロホログラム系多層記録方式に対応したことを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る多層記録メディアの多層記録方法は、溝底部とされるグルーブ部分と、前記溝底部の反対側の上面部とされるランド部分とを有する多層記録メディアの多層記録方法であって、前記グルーブ部分と、前記ランド部分とをガイドとして、記録マークを形成させることを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る多層記録メディアは、請求項3に記載の多層記録メディアの多層記録方法において、マイクロホログラム系多層記録方式に対応することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
以上の如く、請求項1又は3に記載の発明によれば、多層記録メディアの高密度化に寄与することができる。
【0013】
また、請求項2又は4に記載の発明によれば、マイクロホログラム系多層記録方式に対応した多層記録メディアを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る多層記録メディア及びその多層記録方法の一実施の形態を示す断面図である。
【図2】従来の記録メディア及びその記録方法の一形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に本発明に係る多層記録メディア及びその多層記録方法の一実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明に係る多層記録メディア及びその多層記録方法の一実施の形態を示すものである。
【0017】
この多層記録メディア10は、溝底部21とされるグルーブ(Groove)部分21と、溝底部21の反対側の上面部22とされるランド(Land)部分22とを有する例えばランド・グルーブ構造をした略円板状の高密度多層記録方式のメディア10として構成されている。
【0018】
また、この略円板状の高密度多層記録方式の多層記録メディア10は、溝底部21とされるグルーブ部分21と溝底部21の反対側の上面部22とされるランド部分22とを有するランド・グルーブ構造部20いわゆるガイド層20と、ガイド層20に対して略直交する深さ方向たとえばメディア10の厚み方向に略沿って延ばされて側面視略長円形/楕円形の略格子縞模様をした複数の記録マーク31,32が構成される信号部30いわゆる信号層30と、を備えた回動可能な略円板状の高密度多層記録方式のメディア10として構成されている。
【0019】
また、この高密度多層記録方式のメディア10の構造は、例えば高密度多層記録方式のメディア10の多層記録方法が行われるときに、ランド・グルーブ構造部20を構成するグルーブ部分21と、ランド・グルーブ構造部20を構成するランド部分22との両方を利用してトラック追従のガイドとさせ、その深さ方向下部の信号層30に例えば側面視略長円形記録マーク31,32を形成可能とさせる構造とされている。ランド・グルーブ構造部20は、例えば断面視略凹凸状をしたガイド層20として構成される。
【0020】
多層記録メディア10が例えば断面視されたときに、深さ方向に略沿って延ばされた断面視略長円形/楕円形の略格子縞模様の各記録マーク31,32は、信号層30とされる信号部30内において、例えば互い違いに配列されて、例えば略千鳥状に配列される。
【0021】
高密度多層記録方式のメディア10の多層記録方法が行われるときに、このように例えばガイド層20として構成されるランド・グルーブ構造部20を備えた高密度多層記録方式のメディア10が構成されていれば、ランド・グルーブ構造部20の溝底部21とされるグルーブ部分21をトラック追従のガイドとして、グルーブ部分21の深さ方向下部の信号層30に例えば側面視略長円形記録マーク31を形成させることが可能となるとともに、溝底部21の反対側の上面部22とされるランド・グルーブ構造部20のランド部分22をトラック追従のガイドとして、ランド部分22の深さ方向下部の信号層30に例えば側面視略長円形記録マーク32を形成させることが可能となる。従って、略円板状の高密度多層記録方式のメディア10の高密度記録化に寄与することができる。
【0022】
また、略円板状の高密度多層記録方式のメディア10は、例えば高密度多層記録方式のメディア10の多層記録方法が行われるときに、回動可能な略円板状のマイクロホログラム(Micro−Hologram)系高密度多層記録方式に対応する略円板状のものとして構成されている。
【0023】
回動可能な略円板状のマイクロホログラム系高密度多層記録方式のメディア10とされたものが製造されることにより、高密度多層記録方式のメディア10の多層記録方法が比較的容易に実行可能となり、これとともに、例えば市場に回動可能な略円板状のマイクロホログラム系高密度多層記録方式に対応した多層記録メディア10を安定して提供することができることとなる。
【0024】
図2に示す従来のマイクロホログラム系メディア110においては、例えばグルーブ部分121に形成された記録マーク133等によるグルーブ信号のみを使用して制御を行い、信号層130の溝の深さ方向に多層記録が行われていた。
【0025】
しかしながら、グルーブ信号のみで制御を行うのではなく、図1に示す如く、マイクロホログラム系メディア10に対する光ピックアップ装置のトラッキング制御が行われるときに、例えば逆位相になるランド部分22も使って記録層別に記録位置をずらす事で、層間のクロストークを減らす事ができる。例えば、複数の記録層を備えた信号部30を有するマイクロホログラム系メディア10において、例えばガイド層20から偶数または奇数の層においては、ランド部分22で信号等をガイドさせ、例えばガイド層20から奇数または偶数の層においては、グルーブ部分21で信号等をガイドさせる。また、略格子縞模様をし深さ方向に略沿って延ばされた側面視略長円形/楕円形記録マーク31,32の形状によっては、深さ方向の層間ピッチを詰めることが可能とされる。このようにすることで、マイクロホログラム系メディア10の高密度記録化に寄与することが可能とされる。
【0026】
以上、本発明の実施形態について説明したが、前述した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく変更/改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれるものである。
【符号の説明】
【0027】
10 マイクロホログラム系メディア(メディア)
20 ガイド層(ランド・グルーブ構造部)
21 グルーブ部分(溝底部)
22 ランド部分(上面部)
30 信号層(信号部)
31,32 記録マーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溝底部とされるグルーブ部分と、前記溝底部の反対側の上面部とされるランド部分とを有する多層記録メディアであって、前記グルーブ部分と、前記ランド部分とをガイドとして、記録マークを形成可能とさせたことを特徴とする多層記録メディア。
【請求項2】
マイクロホログラム系多層記録方式に対応したことを特徴とする請求項1に記載の多層記録メディア。
【請求項3】
溝底部とされるグルーブ部分と、前記溝底部の反対側の上面部とされるランド部分とを有する多層記録メディアの多層記録方法であって、前記グルーブ部分と、前記ランド部分とをガイドとして、記録マークを形成させることを特徴とする多層記録メディアの多層記録方法。
【請求項4】
マイクロホログラム系多層記録方式に対応することを特徴とする請求項3に記載の多層記録メディアの多層記録方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−226798(P2012−226798A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−92210(P2011−92210)
【出願日】平成23年4月18日(2011.4.18)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】