説明

多数回投入式の洗剤供給装置のための装置の状態表示器

本発明は、多数回投入式の洗剤供給装置に関連しており、この装置は、この装置の内部状態の外部表示を提供するための、状態表示器を含む。表示器は、装置の主筐体部分(100)の内部に配され、その位置が、装置の状態に直接に関連している第1の要素(140)と、主筐体(100)の外部に配されている第2の要素(120)とを備えている。第2の要素(120)と第1の要素(140)とは、磁力によって互いに連結している。本発明における好ましい実施形態では、第1の要素(140)が磁石を有し、前記第2の要素(120)が、透明ドーム(110)内に保持された強磁性体の球体を有している。これら球体(120)およびドーム(110)は、装置における主筐体の外部に取り付けられており、隔離された副筐体を形成している。一方、磁石(140)は内部に設けられている。磁石(140)の動きは、球体(120)の動きに変換され、この球体の移動経路に隣接している固定目盛りが、装置の状態を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数回投入式の洗剤供給装置のための、装置の状態表示器に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの装置に関して、装置の内部の状態を示す外部表示を明示することが好ましい。多数回投入式の洗剤供給装置に関しては、何回分の洗剤用量が既に供給されたか、あるいは、何回分の用量が装置内に残存しているかの、いずれかを示す外部表示を提供することが必要である。
【0003】
従来、どのような電気的部品あるいは電子的部品をも備えないことが望まれる単純な機械的な装置では、状態表示(あるいはその等価物)を提供するために、番号付けされた(あるいは色付けされた)ダイヤルを使用することがあった。しかし、食器洗浄機などの特定の過酷な環境ではさらに、装置における内部の機能部分と外部の筐体の部品とをできるだけ分離しておくことが望まれる。ここで、特定の環境においては、内部部品の完全な分離を提供することが望ましいということも想像できる。さらに、外部のケーシングおよび筐体は、流体が筐体から浸透すること、混入またはその他の事象を回避するために頑丈にしておく必要がある。
【0004】
さらに、装置の内部部品と外部部品との間に直接的な機械的連結が存在する場合には常に、連結自体が機械的な磨耗を受けやすく、単純に装置の脆弱性の原因となり得る。
【0005】
英国特許第1,096,550号公報(特許文献1、インベンティオ・アクチェンゲゼルシャフト(INVENTIO AKTIENGESSELSCHAFT))は、密封された筐体(筐体を貫通する開口部をもたないもの)内に格納されている回転体の動きを表示するための、回転表示器を開示している。この表示器では、回転体上の磁石の磁極が回転体の回転軸に関して非対称に配され、円形の経路が筐体の外部に設けられ、磁化可能な材料からなる表示器部材が表示器マーキングおよび円形の回転軌道面を有するローラー部材の形状で設けられ、この円形の回転軌道面の最大直径は円形の回転経路の外周の最大直径とは異なり、この表示器部材は、回転体の回転時に磁石の引力によって円形の回転経路上で回転する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】英国特許第1,096,550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の実施形態の目的は、多数回投入式の洗剤供給装置の内部の状態を外部に表示する、寿命あるいは状態の外部表示器であって、表示機構によって、装置の筐体の構造的な完全性が劣化されない外部表示器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明における第1の態様によれば、多数回投入式の洗剤供給装置において、装置の内部状態の外部表示を提供するための状態表示器を含み、前記表示器は、前記装置の主筐体部分の内部に配され、その位置が前記装置の状態に直接に関連している第1の要素と、前記主筐体の外部に配されている第2の要素とを備え、前記第2の要素と前記第1の要素とが、磁力によって互いに連結している、装置が提供される。
【0009】
好ましくは、ユーザが前記第2の要素の位置を容易に視認できるよう、前記第2の要素は、透明な副筐体内に設けられている。
【0010】
好ましくは、前記第2の要素の移動経路に沿って、固定表示器目盛りが設けられている。
【0011】
前記表示器は、前記装置の状態に対応するように、番号付け、および/または、色付けされるか、あるいは別の方法でマーキングされることができる。
【0012】
前記第1の要素は、好ましくは、装置のシャフトに取り付けられ、シャフトの回転位置は、前記装置の状態に直接に対応している。
【0013】
好ましくは、前記装置の状態表示器が、前記多数回投入式の洗剤供給装置における洗浄回数を示し、これにより、実施された、あるいはこれから実施される洗浄の回数を示し、それによって、装置によって投入された、あるいは投入される予定の残存している洗剤用量の回数を示す。好ましくは、前記シャフトは、洗剤投入機構の一部を形成している。
【0014】
好ましくは、前記シャフトが、詰め替えホルダーのシャフトに対応しており、前記シャフトの位置が、多数回投入システムにいくつの投入部材が残存しているか、あるいはいくつの投入部材が使用されたかを示す。
【0015】
好ましくは、前記第1の要素は、磁石を有しており、前記第2の要素は、強磁性材料の球体を有している。
【0016】
ここで、本発明をよりよく理解するために、単に例示のみを目的として、以下の図面を用いて、好ましい実施形態について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態による状態表示器を含む装置の一部を示す、断面図である。
【図2】第1の実施形態の表示器および装置を示す、外観図である。
【図3】表示器が組み込まれている装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1を参照すると、装置の蓋部分100が示されている。この装置の蓋部分100は、透明ドーム110を有しており、その周辺領域内には、金属の球体120が封じ込められている。透明ドーム110および球体120は、装置100の外側に形成されている。一方、この装置の内側には磁石140が固定され、機械的に回転する回転要素130が設けられている。
【0019】
この装置自体の詳細は本発明の理解にとって重要でない。しかし、図1〜図3の装置は多数回投入式の洗剤供給装置であって、一回の洗浄サイクル中に、食器洗浄機に対して個別の洗剤用量を供給することができ、その後、後続する食器洗浄サイクルを実行するために、自動的に次の投入位置にまで進むことができる装置であることに留意されたい。また、状態表示器が、実施された、あるいはこれから実施される洗浄の回数を示し、それによって、装置によって投入された、あるいは投入される予定の残存している洗剤用量の回数を示す表示器を形成している、ということに留意されたい。これに関連して、この装置の蓋100は図2に示されているように、この装置の内部領域に水/洗浄液を入れることを可能にする開口部150を有している。さらに、蓋100は概略的にはじょうご形状であって、これにより、この蓋部分100の頂部で水を収集し、開口部150方向に向けることが可能となる。さらに、図2から明らかなように、この蓋には、「新規」、「1」「2」、…、「11」といった目盛りが設けられ、それによって、装置の洗浄状態/洗浄回数を表示する固定ダイヤルが提供される。
【0020】
ここで、この図1〜3で示された装置の機能の概要を、以下に示す。しかしながら、本発明の範囲は、このような装置での使用だけに限られるわけではない、ということに留意されたい。
【0021】
図1〜図3に示す装置はほぼ円筒形であり、12個の投入部材のカートリッジ(図示せず)を受け入れるように構成されている。各投入部材は、1回の食器洗浄サイクルに十分な洗浄用組成物を含む。この投入部材は、上部孔および下部孔を有する個別的なプラスチックのスリーブあるいはブリスター内に入れられている。使用時には、食器洗浄サイクルごとに1個の投入部材が、装置の蓋エリア100からチャンバーの上部孔に整合されている開口部150を介して水を受ける。水は、チャンバー内に流れ込んで洗浄用組成物を溶解し、チャンバーの下部孔から洗浄機内に向けて流れだす。この装置は、熱反応要素を含んでいる。この要素は、食器洗浄機の冷却段階に詰め替えカートリッジが自動的に前進することを保証し、これにより、隣接するカートリッジの上部開口部が開口部150と整合するようになる。
【0022】
詰め替えカートリッジは、詰め替えホルダーによって運ばれる。このホルダーは、移動段階においてチャンバー間の間隔と等しい量だけ回転する。ここで、この回転は、30°(360°の12分の1(詰め替え品ごとに12個のチャンバーがある))である。詰め替えホルダーは、その頂部に機械的に固定された磁石140を備えている。この磁石140も、詰め替えホルダーが回転するときに回転する。透明ドーム110の下に保持されている球体120は、強磁性体材料から形成されているため、球体は磁石140の位置に引きつけられる。したがって、詰め替えホルダー130が回転するたびに磁石140が回転し、球体120が、磁石140上方の新たな位置に位置づけられる。蓋100上に外部的な固定目盛りを設けることによって、ユーザに対して非常に都合よく、状態表示が与えられる。これにより、装置に新しい詰め替え品を補充する必要が生じる前に、何回の洗浄サイクルが残存しているかが表示される。
【0023】
磁石が、筐体の厚さと磁石の強さとの限界内にあり、筐体壁に隣接する位置に磁石が取り付けられているならば、装置の状態そのものに関して、ユーザに楽な視覚位置が与えられることになる。
【0024】
上述した装置は、多数回投入式の洗剤供給装置に磁石式の洗浄回数表示器を提供し、これは、食器洗浄機に見られる過酷な環境において、極めて有利であり、信頼性のある動作を提供できることが理解されるだろう。
【0025】
磁力を利用して表示を与えることによって、装置の内部の部品が、水密的、気密的に外部の環境から完全に切り離されているときであっても、装置の状態を表示できることが理解されるだろう。言い換えると、本明細書において説明したような表示を提供することによって、極めて頑丈な装置を提供することができる。さらに、機械的な表示装置を排除することによって、可動部品がほとんど不要となり、故障に対する耐性が高まる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数回投入式の洗剤供給装置において、該装置の内部状態の外部表示を提供するための状態表示器を含み、前記表示器は、前記装置の主筐体部分(100)の内部に配され、その位置が、前記装置の状態に直接に関連している第1の要素(140)と、前記主筐体(100)の外部に配されている第2の要素(120)とを備え、前記第2の要素と前記第1の要素とが、磁力によって互いに連結している、装置。
【請求項2】
ユーザが前記第2の要素(120)の位置を容易に視認できるよう、前記第2の要素(120)が、透明な副筐体(110)内に設けられている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第2の要素(120)の移動経路に沿って、固定表示器目盛りが設けられている、請求項1あるいは2に記載の装置。
【請求項4】
前記表示器は、前記装置の状態に対応するように、番号付け、および/または、色付けされているか、あるいは別の方法でマーキングされている、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の要素(140)が、装置のシャフト(130)に取り付けられ、シャフト(130)の回転位置は、前記装置の状態に直接に対応している、請求項1〜4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記状態表示器が、前記多数回投入式の洗剤供給装置の洗浄回数を示し、前記シャフト(130)が、洗剤投入機構の一部を形成している、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記シャフト(130)が、詰め替えホルダーのシャフトに対応し、前記シャフトの位置が、多数回投入システムにいくつの投入部材が残存しているか、あるいはいくつの投入部材が使用されたかを示す、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の要素(140)が磁石を有し、前記第2の要素(120)が強磁性材料を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記第2の要素が球体である、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
この明細書において、添付図面を参照しながら十分に説明されている装置。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−508112(P2010−508112A)
【公表日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−535116(P2009−535116)
【出願日】平成19年10月29日(2007.10.29)
【国際出願番号】PCT/GB2007/004115
【国際公開番号】WO2008/053183
【国際公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【出願人】(506429673)レキット ベンキサー ナムローゼ フェンノートシャップ (36)
【Fターム(参考)】