説明

多方向入力装置

【課題】傾倒操作時に操作者に対して良好な操作感触を付与することができ、同時に傾倒方向を規制可能な平面方向に小型化可能な多方向入力装置を提供すること。
【解決手段】傾倒操作を含む操作入力を受け付ける操作レバー26の下端において、上下移動可能に保持される移動部材25を下方側に付勢する。移動部材25の傾倒操作に応じた移動方向を規制する規制溝213と、規制溝213内における移動部材25の移動経路上に形成された突起部214とを有する移動部材収納台211により移動部材25を収容し、規制溝213で操作レバー26による傾倒操作における傾倒方向を規制すると共に、突起部214で移動部材25の移動経路上でクリック感を付与する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多方向入力装置に関し、特に、操作者からの回転操作、傾倒操作、より好ましくは押圧操作を受け付ける多方向入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロータリスイッチなどの回転型電気部品としての機能と多方向スイッチとしての機能との両方を有し、操作者から指示される回転操作、傾倒操作及び押圧操作に応じてそれぞれ電気信号を出力する複合型電気部品が提案されている(例えば、特許文献1参照)。かかる複合型電気部品においては、搭載される電気製品などの小型化に伴い、部品自体の小型化が常に要求されている。このため、特許文献1の複合型電気部品においては、回転型電気部品を多方向スイッチの外側に同軸的に配置し、部品自体を薄型化することで小型化を図っている。
【0003】
また、上述のような回転型電気部品及び多方向スイッチとしての機能を有する複合型電気部品においては、所望の条件で良好な操作感触を操作者に付与することも極めて重要な課題として要求されている。
【0004】
【特許文献1】特開平11−67016号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の複合型電気部品においては、操作者から指示される傾倒操作においては任意の傾倒角度で所望の操作感触を簡単に付与することができないという問題がある。すなわち、上記複合型電気部品において、傾倒操作の任意の傾倒角度で操作者に対して容易にクリック感触を付与することができない。また、傾倒操作における傾倒方向は、操作者による操作具合に依存するため、予め定められた所望の方向に傾倒操作を行うことが困難である。更にスイッチ機構を含む方向スイッチのブロックの周りにスイッチ機構を含む回転型電気部品のブロックを配置する構成なので、平面方向の小型化が難しいという問題もある。
【0006】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、傾倒操作時に操作者に対して良好な操作感触を付与することができ、同時に傾倒方向を規制可能な平面方向に小型化可能な多方向入力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の多方向入力装置は、傾倒操作及び回転操作を含む操作入力を受け付ける操作レバーと、前記操作レバーの傾倒操作を検出する電気素子と、前記操作レバーの下端に上下移動可能に保持され下方側に付勢される移動部材と、前記移動部材の下端を収容し前記操作レバーの傾倒動作に伴う前記移動部材の傾倒移動の方向を規制する溝部と当該溝部内における前記移動部材の移動経路上に形成された突起部とを有する移動規制部材と、その底面部の上面に前記移動規制部材が形成されたケースと、前記ケースの底面部の前記移動規制部材の周囲の近傍に設置され前記操作レバーの軸周りの回転操作に応じて当該操作レバーの回転を検出する検出素子と、を具備することを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、移動部材の傾倒操作に応じた移動方向を規制する溝部と当該溝部内における移動部材の移動経路上に形成された突起部とを有する移動規制部材を設け、移動規制部材の周囲の近傍に検出素子を配置しているので、溝部により操作レバーによる傾倒操作における傾倒方向を規制することができると共に、突起部により移動部材の移動経路上でクリック感を付与することが、容易に、また、平面方向に小型化した状態で可能となる。
【0009】
本発明の多方向入力装置においては、移動規制部材は、溝部及び突起部を複数備えることが好ましい。このように移動規制部材に複数の溝部及び突起部を設けることにより、傾倒操作における傾倒方向をより細かく規制することができると共に、それぞれの傾倒方向における傾倒操作においてクリック感を付与することができる。
【0010】
本発明の多方向入力装置においては、移動規制部材の溝部は、移動部材の初期位置に設定される中心位置から移動方向に向かって緩やかに上昇する傾斜面で構成され、突起部が、その傾斜面における移動部材の移動経路上に形成されることが好ましい。この構成によれば、傾倒操作の解除に応じて移動部材の中心位置への復帰を促すことができる。これにより、傾倒操作における傾倒方向を規制すると共に、移動部材の移動経路上でクリック感を付与することができるという効果を得ると共に、傾倒操作の解除により操作レバーが初期状態に復帰する使用性に優れた多方向入力装置を提供することができる。
【0011】
本発明の多方向入力装置においては、前記傾斜面は、前記中心位置から外側に向かって第1の傾斜面及び第2の傾斜面を有し、前記突起部は、前記第1の傾斜面の上端部から鋭角に立ち上がり第2の傾斜面の下端部に連結される連結面の上端部で構成されることが好ましい。この構成によれば、成型加工などにより移動規制部材を簡単に製造することができるので、製造コストの上昇を抑制しつつ、傾倒操作における傾倒方向を規制することができると共に、移動部材の移動経路上でクリック感を付与することができる。
【0012】
本発明の多方向入力装置においては前記操作レバーに対する回転操作に応じて当該操作レバーと一体的に回転する回転体に前記操作レバーを傾倒可能に保持し、前記回転体に形成された被検出部材を前記検出素子で回転を検出することが好ましい。この構成によれば、回転体が傾倒に伴って傾倒しないので、回転操作時の検出を容易に行う事ができる。また、別に操作レバーを保持する部材を設けていないので小型化できる。
【0013】
本発明の多方向入力装置においては、前記操作レバーが挿通されて該操作レバーの傾倒に伴い回転する第1の連動部材を設け、前記操作レバーを前記回転体と前記第1の連動部材の間に保持することが好ましい。この構成によれば、別に操作レバーを保持する部材を設けなくとも上方向の移動を規制できるので確実に保持できる。
【0014】
本発明の多方向入力装置においては、前記操作レバーを傾倒、回転及び押圧可能に支持すると共に、底面部の上面に前記移動規制部材が形成されたケースと、前記ケースの底面部の下面に対向して設置されたスイッチ素子と、を具備し、前記ケースは、前記操作レバーに対する押圧操作に応じて当該操作レバーと一体的に下方に沈み込み、前記スイッチ素子を駆動することが好ましい。この構成によれば、移動規制部材が形成されたケースの底面部の下面でスイッチ素子を駆動することができるので、装置本体の小型化を実現しつつ、操作レバーによる押圧操作に対応することができる。
【0015】
本発明の多方向入力装置においては、前記操作レバーは、前記回転体を介して前記ケースに傾倒、回転及び押圧可能に保持され、前記操作レバーに対する押圧操作に応じて前記回転体が前記ケースを下方に沈み込ませることが好ましい。この構成によれば、回転操作に対応するために必要となる回転体を用いて押圧操作に対応することできるので、装置本体の小型化を実現しつつ、操作レバーによる傾倒操作、回転操作及び押圧操作に対応することができる。
【0016】
本発明の多方向入力装置においては、前記操作レバーが挿通されて該操作レバーの傾倒に伴い回転する第1の連動部材を設け、前記操作レバーを前記回転体と前記第1の連動部材の間に保持することが好ましい。この構成によれば、操作軸がガタつくことなく容易に保持することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る多方向入力装置によれば、傾倒操作時に操作者に対して良好な操作感触を付与し、同時に傾倒方向を規制可能な平面方向に小型化可能な多方向入力装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る多方向入力装置1の外観図であり、図2は多方向入力装置1の外面を構成する主な部材の分解構成図である。
【0019】
図1に示すように、本実施の形態に係る多方向入力装置1においては、スイッチユニット2を収容するケーシング3が、さらにケーシング4内に収容されている。なお、以下においては、説明の便宜上、ケーシング4に収容されるケーシング3を内部ケーシング3と呼び、内部ケーシング3を収容するケーシング4を外部ケーシング4と呼ぶものとする。そして、内部ケーシング3を収容した状態の外部ケーシング4の上方から蓋体5が被せられている。スイッチユニット2は、内部ケーシング3の上方に形成された穴部から、後述する操作レバーを突出した状態で内部ケーシング3に収容されている。蓋体5は、内部ケーシング3から突出した操作レバーに対応する位置に形成された穴部から操作レバーを突出させた状態で外部ケーシング4に被せられている。なお、内部ケーシング3、外部ケーシング4及び蓋体5は、合成樹脂などの素材を成型加工して製造される。
【0020】
図2に示すように、外部ケーシング4は、上方側が開口した形状に設けられている。この開口部分から内部ケーシング3を受け入れる。また、外部ケーシング4のそれぞれの壁面の中央部分は端部よりも長く構成され、その上端部で蓋受け部41が形成されている。外部ケーシング4の内壁は、内部ケーシング3の外壁とほぼ同一の寸法に形成されている。外部ケーシング4の内壁のうち対向する一対には溝部42が形成されている。溝部42は、内部ケーシング3の外壁に溝部42に対応して形成された突部31と嵌合する。これらの突部31と溝部41とで内部ケーシング3を外部ケーシング4に収容する際のガイド部材が構成される。
【0021】
内部ケーシング3は、スイッチユニット2が固定される前の状態において、下方側が開口した形状に設けられている。この開口部分からスイッチユニット2を受け入れる。一方、内部ケーシング3は、蓋体5と対向する上面32を有している。この上面32の中央部分にスイッチユニット2の操作レバーが貫通する穴部33が形成されている。また、上述のように、内部ケーシング3の外壁のうち対向する一対には突部31が形成されている。突部31にはねじ穴部34が形成されている。このねじ穴34から一定間隔を空けて下側に、後述するハウジング23におけるギアの軸部を支持するための支持穴部35が形成されている。さらに、突部31が形成されていない一対の壁面にはねじ穴部36が形成されている。ねじ穴部34及びねじ穴部36は、内部ケーシング3にスイッチユニット2を固定する際に使用される。
【0022】
蓋体5は、外部ケーシング4に形成された4つの蓋受け部41の上端部に載置される。操作レバーの軸線方向への非押圧時においては後述するスイッチ素子201〜204の付勢力によって蓋受け部41の上に載置された状態で蓋体5は、内部ケーシング3の上面32と対向して当接した状態となる。このとき、蓋体5に形成された穴部51は、内部ケーシング3の上面32に形成された穴部33と対応する位置に配置される。蓋体5は、蓋受け部41の上に載置された状態で蓋受け部41の端部と一致するよう平板形状に設けられ、両者の間で隙間がないように配置されている(図1参照)。
【0023】
図3は、内部ケーシング3に収容されるスイッチユニット2の分解構成図である。図3に示すように、スイッチユニット2は、スイッチ設置板20、移動部材規制板21、検出素子設置板22、ハウジング23、回転体24、移動部材25、操作レバー26、第1の連動部材27及び第2の連動部材28を組み合わせて構成される。以下、各部材の構成について説明する。
【0024】
スイッチ設置板20には、4つのスイッチ素子201〜204が設置されている。各スイッチ素子は、例えば、タクトスイッチで構成される。4つのスイッチ素子201〜204は、一定間隔を空けて対向するスイッチ素子201,203の組と、スイッチ素子202,204の組とが直交するようにスイッチ設置板20に固定されている。スイッチ素子201〜204は、負荷がかかっていない状態で後述する移動部材規制板21を上方に持ち上げる駆動部201a〜204aを備えている。駆動部201a〜204aが操作者の押圧操作に応じて上下移動することによってクリック感が生起されるようになっている。なお、1つのスイッチ素子としてもよく、その場合には中央に配置しても良い。
【0025】
移動部材規制板21は、操作レバー26に挿入された移動部材25の下端部を収容し、移動部材25の移動方向を規制すると共に、操作レバー26を操作する操作者にクリック感触を付与する移動部材収容台211が形成されている。移動部材収容台211は、移動部材規制板21から上方に突出して設けられている。なお、移動部材収容台211は移動部材規制板21と別体に形成し、その後、両者を一体に固定しても良い。また、移動部材収容台211による移動部材25の移動方向の規制及び操作者に対するクリック感触の付与については後述する。
【0026】
検出素子設置板22はプリント配線基板で構成されており、該検出素子設置板22には、移動部材収容台211に対応する位置に穴部221が形成されている。穴部221の近傍に2つの検出素子222が設置されている。検出素子222は、例えば、フォトインタラプタで構成され、検出素子設置板22に実装されている。これらの検出素子222は、後述する回転体24の遮光板の通過を検出することで回転体24の回転量を検出し、その回転量に応じた電気信号を外部に出力する。なお、具体的には検出素子配置板22と後述するスイッチ配置板とはフレキシブル基板(図示せず)を介して接続されており、フォトインタラプタの出力は検出素子配置板22の配線パターン、フレキシブル基板、スイッチ配置板を介して外部に出力させる。なお、フレキシブル基板を使うのは操作レバー26を押圧する際に、検出素子配置板22とスイッチ配置板との間の距離が変わるためである。
【0027】
ハウジング23は、回転体24を挿通して、その軸周りに回転可能にガイドして支持すると共に、ハウジング23自体を内部ケーシング3に固定する。ハウジング23は、四隅に下方から上方に向けて内部ケーシング3の内壁面にねじ止めされる4本のねじ231a〜231dを有している。4本のねじ231a〜231dのうち、対向する一対のねじ231b,231dは、ばねケース232a,232bを下方から支持した状態で内部ケーシング3にねじ止めされる。ばねケース232a,232bは、それぞれ一端に球体が固定されたコイルばね233a,233bを収納する。ばねケース232a,232bには、それぞれハウジング23の内側方向に向けて穴部234a,234b(234aは図示せず)が形成されている。コイルばね233a,233bは、それぞれ穴部234a,234bにコイル部分の先端から挿入されている。球体部分は、コイルばね233a,233bによりハウジング23の内側方向に付勢され、後述する回転体24のカム山が形成された周面部に当接する。
【0028】
ハウジング23の上面であって、中央部分には収容穴部235が設けられている。収容穴部235は、回転体24の下方部分を収容すると共に、回転体24の水平方向の動きを規制し、その軸周りに回転可能に保持する。ハウジング23における隣接する側面部には、後述する第1の連動部材27及び第2の連動部材28が有するギアと噛合するギア236,237が取り付けられている(ギア237は図示せず)。ギア236,237は、電気素子238,239を内側に配置した状態でハウジング23の側面に取り付けられている。電気素子238,239は、例えば、回転型可変抵抗器で構成される。電気素子238,239は、プリント配線板(図示せず)に固定され、該プリント配線板をハウジング23に保持すると共に、該プリント配線板を前記検出素子配置板22に接続し、更に検出素子配置板22と後述するスイッチ配置板とをフレキシブル基板(図示せず)で接続し、それぞれギア236,237の回転量に応じた電気信号を外部に出力する。
【0029】
回転体24は、ハウジング23の収容穴部235に下端部を収容した状態で支持される。回転体24は、内側に操作レバー26を挿通させる貫通穴を有している。そして、側面側であって中央近傍につば部241を有している。つば部241は、ハウジング23の収容穴部235の径よりも僅かに大きい径を有している。つば部241の下方に、側面方向に僅かに突出する複数のカム山242が形成された周面部243が設けられている。周面部243は、収容穴部235の径よりも僅かに小さい径を有している。周面部243の下端部には、2枚の遮光板244,245が設けられている。一方、つば部241の上方に、操作レバー26を収容すると共に回転体24に固定するレバー固定部246が設けられている。レバー固定部246には、操作レバー26の側面に形成される一対の突起部が入り込む溝部247が形成されている。また操作レバー26を挿通する前記貫通穴の上方部分を画成するレバー固定部246には、後述する係合部262の外面と同じ極率半径の受け面を設け、前記操作レバー26を挿通する貫通穴の下方部分は、操作レバー26の下側部分の傾倒を許容するよう下端にいくに従って半径が大きくなる円錐形状の空間が形成されている。
【0030】
移動部材25は、後述する操作レバー26の下端部の内側部分に形成された溝部に挿入される。移動部材25は、下端部に移動部材収容台211上を摺動する摺動端251を備えている。移動部材25には、その上方部分にコイルばね252が取り付けられている。コイルばね252の下方に、コイルばね252の脱落を規制するストッパ253が設けられている。
【0031】
操作レバー26は、円筒形状を有する。そして、その下端部の内側部分に移動部材25が挿入される溝部261が形成されている(図3では図示せず)。溝部261には、移動部材25に取り付けられたコイルばね252に対応する径を有する第1の空間と、コイルばね252の上端から突出する移動部材25の先端に対応する径を有する第2の空間が上方に向けて形成されている。また、円筒部分の中央部分より僅かに下側の位置に係合部262が設けられている。係合部262は略球体の形状を有し、その球体の直径は円筒部分の太さよりもやや大きく設定されている。係合部262の側面には、回転体24のレバー固定部246に形成された溝部247に入り込む一対の突起部263が設けられている。係合部262から上側方向に所定距離離れた位置に溝部264が形成されている。溝部264には、第1の連動部材27と接することによって該第1の連動部材27の下方向への移動を規制するEリング等からなる固着部材が取り付けられる。操作レバー26の上端部には、平面部265が設けられている。なお操作者が実際操作に際して触れる操作つまみ(図示せず)が前記操作レバー26の上端部に圧入して取り付けられるが、単純な円筒形状の場合、回転方向の位置が決まらずまた、使用しているうちに回転してしまう可能性がある。これを対策する為に、平面部265が設けられ、これに合う形状の操作つまみが取り付けられて、これらの問題が発生しないようにしている。
【0032】
第1の連動部材27は、内部ケーシング3に一定方向に揺動可能に取り付けられる土台部271を備えている。土台部271は、内部ケーシング3の内壁とほぼ同一の寸法を有する一対の側面部271aを備える。土台部271は、側面部271aで内部ケーシング3のねじ穴部34に挿入された固定ねじ34aを受け入れることで内部ケーシング3に揺動可能に保持されている。一方の側面部271aにハウジング23のギア236と噛合するギア272が固定されている。ギア272は、土台部271の揺動に応じた回転量をギア236に伝達する。また、土台部271は、側面部271aよりも幅狭の寸法を有する一対の側面図271bを備える。土台部271の上面に、下方に回転体24のレバー固定部246を収容する空間が形成されたレバー保持部273が設けられている。レバー保持部273は、土台部271に対して、回転可能にスナップ結合されており、土台部271の揺動軸と直交する揺動軸を持ち、両者の揺動軸の交点と操作レバー26の傾倒の中心、すなわち略球状の係合部262の中心と一致するようになっている。そして、レバー保持部273は操作レバー26が挿通され水平方向への移動を規制して回転可能に保持する支持穴部274が設けられ、下面の支持穴部274の周りは操作レバー26の係合部262の上方に位置する段部に接してコイルばね252による上方向への移動を規制する。なお、レバー保持部273の揺動軸及び土台部271の揺動軸の両方に、操作レバー26の傾倒中心が位置するので傾倒動作を行った場合であっても、レバー保持部273の下面と操作レバー26の前記段部、レバー保持部273の上面と固着部材275との相対位置は変わらないので、何等問題なく傾倒が可能である。そして操作レバー26の傾倒方向と傾倒量に応じて土台部271を揺動させる。
【0033】
第2の連動部材28は、第1の連動部材27の上方から被せるように取り付けられる。第2の連動部材28は、内部ケーシング3の内壁とほぼ同一の寸法を有する一対の側面部281を備えている。この側面部281で内部ケーシング3のねじ穴部36に挿入された固定ねじ36aを受け入れることで内部ケーシング3に揺動可能に保持されている。
【0034】
一方の側面部281にハウジング23のギア237と噛合するギア282が固定されている。ギア282は、第2の連動部材28の揺動に応じた回転量をギア237に伝達する。一対の側面部281の内側に、第1の連動部材27の揺動を許容して収容する収容部283が設けられている。収容部283は、第1の連動部材27における長手方向の側面部271bが、第2の連動部材28における長手方向の側面部284と直交するように第1の連動部材27を収容する。収容部283の上側には、第1の連動部材27のレバー保持部273を上方に突出させ前記第1の連動部材27の揺動軸方向に係合し、第2の連動部材28の揺動軸方向に移動可能な溝部285が形成されている。なお第2の連動部材28の該揺動中心はレバー保持部273と同一の軸心となるようにしている。従って操作レバー26の傾倒に伴ってレバー保持部273と第2の連動部材28の高さ方向の位置関係が変わらず、係合位置も変わらないので、レバー保持部273の高さを低くしても係合が外れる事はない。
【0035】
図4及び図5は、本実施の形態に係る多方向入力装置1の断面図である。図4は、内部ケーシング3に取り付けられる一対のねじ231b,231dで形成される平面に沿って切断した場合の断面を示し、図5は、内部ケーシング3の対向する一対の壁面に形成された2つのねじ穴34で形成される平面に沿って切断した場合の断面を示している。
【0036】
図4及び図5に示すように、スイッチ設置板20は、外部ケーシング4の内側の底面部に形成された凹部に固定される。移動部材規制板21は、4つのスイッチ素子201〜204の上端部に載置される。移動部材規制板21は、内部ケーシング3がスイッチユニット2を収容した状態で内部ケーシング3における下方側の開口部に入り込むことにより、内部ケーシング3の底面部を構成する。検出素子設置板22は、移動部材規制板21の上方から被せられる。移動部材収容台211は、穴部221を介して上方に突出した状態となる。ねじ231a〜231dによりハウジング23が内部ケーシング3の内壁に固定される(図4参照)。ねじ231b,231dは、コイルばね233a,233bが挿入されたばねケース232a,232bを挟んでハウジング23を内部ケーシング3に固定する(図4参照)。回転体24は、つば部241がハウジング23に当接し、周面部243より下方部分がハウジング23内に収容される。コイルばね233a,233bに固定された球体は、この回転体24の周面部243に当接する。この球体が回転体24の回転に応じて周面部243に形成されたカム山242を係脱することによってクリック感が生起されるようになっている。
【0037】
操作レバー26は、移動部材25が下方から溝部261に挿入された状態で、回転体24の内側に上方から挿入される。操作レバー26の係合部262は、レバー固定部246に収容される。係合部262の一対の突起部263は、レバー固定部246に形成された溝部247に入り込む(図4参照)。一対の突起部263が溝部247に入り込むことで操作レバー26と回転体24が一体的に回転するようになる。第1の連動部材27は、操作レバー26が挿入された回転体24の上方に被せるように取り付けられ、操作レバー26は係合部262が回転体24のレバー固定部246の内部に形成された球状の受け部と第1の連動部材27の間に位置し、両者によって操作レバーは保持される。第1の連動部材27は、係合部262の上端部が支持穴部274の下端部の周囲に当接する位置まで入り込む。この位置で固着部材275は、操作レバー26の溝部264にはめ込まれる。固着部材275が溝部264と嵌合することで操作レバー26の下方向の移動が防止される。操作レバー26の上端部は、内部ケーシング3の上面32に形成された穴部33及び蓋体5の穴部51を介して上方に突出する。
【0038】
図5に示すように、スイッチユニット2を内部ケーシング3に固定するために、ねじ穴部34に固定ねじ34aが挿入される。同様に、ねじ穴部36に固定ねじ36aが挿入される(図示せず)。これらの固定ねじ34a,36aは、それぞれ第1の連動部材27及び第2の連動部材28の側面部271a、側面部281に形成されたねじ受け部に入り込む。固定ねじ34a,36aが入り込むことで、第1の連動部材27及び第2の連動部材28が内部ケーシング3に揺動可能に取り付けられる。スイッチユニット2は、ハウジング23のねじ231a〜231dにより下方から内部ケーシング3に固定され、固定ねじ34a,36aにより左右方向から内部ケーシング3に取り付けられることとなる。また、図5に示すように、内部ケーシング3に形成された支持穴部35に、ギア236の軸部236aの先端が入り込んでいる。ギア236の軸部236aは、内部ケーシング3の支持穴部35に回転可能に支持される。電気素子238は、内側に立設されたプリント配線板Pに保持された状態でねじにより固定されている。なお、電気素子237も同様である。
【0039】
図4及び図5に示すように、操作レバー26に形成された溝部261に、移動部材25が下方から挿入されている。操作レバー26は、負荷がかかっていない状態で図4及び図5に示す位置で停止している。摺動端251の下端部は、移動部材収容台211に収容されている。このとき、操作レバー26は、図4及び図5に示す中立位置で保持された状態(以下、適宜「中立状態」という)となる。
【0040】
この状態において、操作レバー26は、溝部261の第1の空間と第2の空間の間の段部、ならびにストッパ253との間に与圧を加えた状態で配置されるコイルばね252によって、係合部262の上部の段部が第1の連動部材27の支持穴部274の下端部の周囲に当接するように弾圧されている。回転体24は収容穴部235によって平面方向の位置決めされた状態で回転可能に保持され、上下方向については係合部262とハウジング23の上面の間に位置決めされる。そして操作レバー26を傾倒する際には、下方向にも加重が加わった状態で傾倒されることが多いが、その場合には、操作レバー26を挿通する貫通穴の上方部分を画成するレバー固定部246の受け面に、係合部262の球面部分が当接して、係合部26の中心を傾倒中心として傾倒可能となる。
【0041】
ここで、移動部材収容台211の詳細な構成について説明する。図6は、移動部材収容台211の詳細な構成を説明するための拡大図である。
【0042】
図6に示すように、移動部材収容台211は、円盤状の形状を有している。移動部材収容台211は、その中心位置212が最も低い形状に設けられている。移動部材収容台211は、移動部材25の摺動端251の移動方向を規制する規制溝213と、規制溝213を移動する摺動端213を上方に押し上げる突起部214とを有している。規制溝213は、中心位置212から円盤部分の周面に向かって形成され、突起部214は、規制溝213における摺動端251の移動経路上に形成されている。本実施の形態においては、8方向にのみ傾倒する多方向入力装置とする為に8つの規制溝213及び突起部214が形成された場合について示しているが、これらの個数は任意に設定することが可能である。
【0043】
規制溝213は、第1傾斜面215、第2傾斜面216及び連結面217で構成されている。第1傾斜面215は、中心位置212から円盤部分の周面に向かって緩やかに傾斜する形状に設けられており、外側に位置するに部分はその内側に位置する部分に比べて、操作レバー26の傾倒中心からの距離が次第に短くなるように形成されている。第1傾斜面215の先端部分は、連結面217の下端部に連結されている。第2傾斜面216は、連結面217の上端部から円盤部分の周面に向かって、第1傾斜面215と略同様の角度で傾斜する形状に設けられている。連結面217は、第1傾斜面215と第2傾斜面216とを連結する役割を果たす。連結面217は、第1傾斜面215との連結部分から鋭角に立ち上がって第2傾斜面216との連結部分に繋がる形状に設けられている。連結面217は、第1傾斜面215及び第2傾斜面216の傾斜に比べて鋭角な角度で立ち上がるため、その上端部は、規制溝213上において上方に突出する。本実施の形態においては、この突出する上端部で突起部214を構成している。操作者の傾倒操作に応じて移動部材25の摺動端251が規制溝213を摺動し、突起部214を乗り越えることによってクリック感が生起されるようになっている。
【0044】
以下、このように構成された多方向入力装置1において、操作者により押圧操作、回転操作、及び傾倒操作が指示された場合の動作について説明する。以下においては、かかる動作を説明する際、適宜、図3〜図5及び図7を用いる。なお、図7は、移動部材収納台211周辺の構成を示す拡大図である。図7においては、操作レバー26が中立位置で保持された状態について示している。
【0045】
押圧操作は、操作者により操作レバー26を下方に押し込むことにより行われる。操作レバー26が押し込まれると、係合部262の移動に応じて回転体24も押し下げられる。回転体24はつば部241でハウジング23に係合し、ハウジング23は内部ケーシング3に固定されている。このため、回転体24が押し下げられると、これに応じて内部ケーシング3も下方に押し込まれる。また、固着部材275はレバー保持部273の上面を押し下げるので、これによっても内部ケーシング3に下方に押し下げられる。そして、内部ケーシング3の底面部を構成する移動部材規制板21が押し下げられるため、この移動部材規制板21を載置しているスイッチ素子201〜204の駆動部201a〜204aが押し下げられる。これにより、駆動部201a〜204aの下方向への移動に応じて、押圧操作に応じた電気信号(オン・オフ信号)が外部に出力されると共に、クリック感が生起される。なお、本実施例において内部ケーシング3を下方に押し下げる為に、回転体24のつば部241でハウジング23を押し、同時に固着部材275でレバー保持部273の上面を押したがいずれか一方で押圧するようにしてもよい。
【0046】
回転操作は、操作者により操作レバー26を回転させることにより行われる。操作レバー26における係合部262上の突起部263は、回転体24の溝部247に入り込んでいる。このため、操作レバー26が回転すると、この回転に応じて回転体24も一緒に回転する。回転体24の回転に応じて遮光板244,245が回転すると、遮光板244,245は、検出素子222の検出領域を通過する。検出素子222は、この遮光板244,245の検出領域の通過を検出することで、回転体24の回転量を検出し、その回転量に応じた電気信号を外部に出力する。このようにして操作レバー25の回転量に応じて、回転操作に応じた電気信号(オン・オフ信号)が外部に出力される。
【0047】
なお、周面部243は、回転体24の回転に応じて回転している。このとき、周面部243の側面に当接していたコイルばね233a,233bの球体は、周面部243に形成されたカム山242の表面を係脱する。このコイルばね233a,233bの球体とカム山242との係脱によりクリック感が生起される。
【0048】
傾倒操作は、操作者により操作レバー26を傾倒させることにより行われる。操作レバー26が傾倒すると、傾倒具合に応じて第1の連動部材27、第2の連動部材28の一方(あるいは双方)が揺動する。この揺動動作に応じてギア272、ギア282の一方(あるいは双方)が回動すると、その回転量がハウジング23に取り付けられたギア236、ギア237の一方(あるいは双方)に伝達される。これに応じてギア236、ギア237の一方(あるいは双方)が回転すると、電気素子238,239の一方(あるいは双方)がその回転量に応じた電気信号を外部に出力する。このようにして操作レバー26の傾倒量に応じて、傾倒操作に応じた電気信号(オン・オフ信号)が外部に出力される。
【0049】
なお、操作者により操作レバー26が傾倒される前において、操作レバー26は、図7に示すように、移動部材25の摺動端251が移動部材収容台211の中心位置212に配置された中立状態で保持されている。この中立状態から操作者が操作レバー26を任意の方向に傾倒させると、摺動端251は、いずれかの規制溝213に沿って移動する。すなわち、摺動端251は、操作レバー26の傾倒方向と反対側に方向に設けられた規制溝213における第1傾斜面215を摺動し、連結面217を乗り越えた後、第2傾斜面216に到達する。そして規制溝213の操作レバー26の傾倒中心からの距離は、外側にいくに従って次第に短くなるように形成されており中心位置212から移動する摺動端251は、コイルばね252の付勢力に抗して押し上げられる量が第1傾斜面215に位置する際には、常に僅かに増加するようにして移動している。規制溝213においては、突起部214(連結面217の上端部)が最も移動経路上で突出し、その増加量が急峻的に最も大きくなる。このため、摺動端251は、この突起部214を乗り越える際に最もコイルばね252の付勢力の増加分が大きくなるよう押し上げられた状態となる。そして、この突起部214を乗り越えた時点で第2傾斜面216に達してコイルばね252の付勢力の増加分は、第1傾斜面215と同様僅かになる。この突起部を乗り越える際に発生するコイルばね252の付勢力の増加分が急激に低下する事によりクリック感が生起される。また、操作者が操作レバー26に加える加重を解除すると、コイルばね252は、撓み量を減少させるように変位し、これに伴って251が移動し、操作レバー26は中立位置に復帰する。
【0050】
このように本実施の形態に係る多方向入力装置1によれば、操作レバー26に挿入された移動部材251の傾倒操作に応じた移動方向を規制する規制溝213とこの規制溝213内における移動部材251の移動経路上に形成された突起部214とを有する移動部材収納台211を設けたので、規制溝213によって操作レバー26による傾倒操作における傾倒方向を規制することができると共に、突起部214によって移動部材251の移動経路上でクリック感を付与することができる。この結果、傾倒操作時に操作者に対して良好な操作感触を付与することができる。
【0051】
特に、本実施の形態に係る多方向入力装置1においては、移動部材収納台211に複数(8個)の規制溝213及び突起部214を設けている。これにより、傾倒操作における傾倒方向をより細かく規制することができると共に、それぞれの傾倒方向における傾倒操作においてクリック感を付与することができる。
【0052】
また、本実施の形態に係る多方向入力装置1において、移動部材収納台211の規制溝213を、移動部材251の初期位置に設定される中心位置212から移動方向に向かって緩やかに上昇する傾斜面で構成し、突起部214を、その傾斜面における移動部材251の移動経路上に形成している。これにより、傾倒操作の解除に応じて移動部材251の中心位置212への復帰を促すことができる。この結果、傾倒操作における傾倒方向を規制すると共に、移動部材251の移動経路上でクリック感を付与することができるという効果を得ると共に、傾倒操作の解除により操作レバー26が初期状態に復帰する使用性に優れた多方向入力装置1を提供することができる。
【0053】
なお、本実施の形態に係る多方向入力装置1においては、規制溝213を構成する傾斜面を、例えば、第1傾斜面215及び第2傾斜面216で構成し、突起部214を、第1傾斜面215と第2傾斜面216とを連結する連結面217の上端部で構成している。このように移動部材251の規制溝213及び突起部214を形成した場合には、成型加工などにより移動部材収納台211を簡単に製造することができるので、製造コストの上昇を抑制しつつ、傾倒操作における傾倒方向を規制することができると共に、その移動部材の移動経路上でクリック感を付与することができる。
【0054】
さらに、本実施の形態に係る多方向入力装置1においては、操作レバー26を傾倒、回転及び押圧可能に支持すると共に、底面部の上面に移動部材収納台211が形成された内部ケーシング3と、この内部ケーシング3の底面部の下面に対向して設置されたスイッチ素子201〜204とを設け、この内部ケーシング3を、操作レバー26に対する押圧操作に応じて当該操作レバー26と一体的に下方に沈み込ませ、スイッチ素子201〜204を駆動する。これにより、移動部材収納台211が形成された内部ケーシング3の底面部の下面でスイッチ素子201〜204を駆動することができるので、装置本体の小型化を実現しつつ、操作レバー26による押圧操作に対応することができる。
【0055】
さらに、本実施の形態に係る多方向入力装置1においては、操作レバー26の傾倒に伴い電気素子238と239の出力を行わせる為の機構、すなわち第1の連動部材27、第2の連動部材28等、の下側に、回転により出力を発生する機構、すなわち回転体24、検出素子222及び傾倒に伴いクリック及び中立位置への復帰及び傾倒方向を規制する為の移動部材規制板211を配置し、さらにその下側に押圧に伴い出力信号を発生するスイッチ素子201〜204を配置したので、平面方向の占有面積を小さくできる。
【0056】
さらに、本実施の形態に係る多方向入力装置1においては、操作レバー26に対する回転操作に応じて操作レバー26と一体的に回転する回転体24と、この回転体24に形成された遮光板244,245を検出する検出素子222とを設け、検出素子222を、内部ケーシング3の底面部を構成する移動部材規制板21の移動部材収納台211の近傍に設置している。これにより、移動部材収納台211の近傍に設置された検出素子222により回転体24の回転量を検出することができるので、装置本体の小型化を実現しつつ、操作レバーによる回転操作に対応することができる。
【0057】
特に、本実施の形態に係る多方向入力装置1においては、操作レバー26を、回転体24を介して内部ケーシング3に傾倒、回転及び押圧可能に保持させ、この操作レバー26に対する押圧操作に応じて回転体24が内部ケーシング3を下方に沈み込ませるようにする。これにより、回転操作に対応するために必要となる回転体24で押圧操作に対応することできるので、装置本体の小型化を実現しつつ、操作レバー26による傾倒操作、回転操作及び押圧操作に対応することができる。
【0058】
なお、本実施の形態においては、傾倒操作時にクリック感を付与するための突起部214を、規制溝213を構成する連結面217の上端部で構成する場合について説明している。しかし、突起部214の構成はこれに限定されるものではなく、移動部材25の移動経路上で摺動端251を押し上げることができれば、どのような構成を採ってもよい。
【0059】
本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施の形態に係る多方向入力装置の外観図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る多方向入力装置の外面を構成する主な部材の分解構成図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る多方向入力装置のスイッチユニットの分解構成図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る多方向入力装置の断面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る多方向入力装置の断面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る多方向入力装置の移動部材収容台の詳細な構成を説明するための拡大図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る多方向入力装置の移動部材収納台周辺の構成を示す拡大図である。
【符号の説明】
【0061】
1 多方向入力装置
2 スイッチユニット
3 ケーシング(内部ケーシング)
4 ケーシング(外部ケーシング)
5 蓋体
20 スイッチ設置板
21 移動部材規制板
22 検出素子設置板
23 ハウジング
24 回転体
25 移動部材
26 操作レバー
27 第1の連動部材
28 第2の連動部材
201〜204 スイッチ素子
211 移動部材収容台
212 中心位置
213 規制溝
214 第1傾斜面
215 第2傾斜面
216 連結面
222 検出素子
233a,233b,252 コイルばね
235 収容穴部
236,237,272,282 ギア
238,239 電気素子
241 つば部
242 カム山
243 周面部
244,245 遮光板
246 レバー固定部
247 溝部
251 摺動端
253 ストッパ
262 係合部
263 突起部
271 土台部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
傾倒操作及び回転操作を含む操作入力を受け付ける操作レバーと、前記操作レバーの傾倒操作を検出する電気素子と、前記操作レバーの下端に上下移動可能に保持され下方側に付勢される移動部材と、前記移動部材の下端を収容し前記操作レバーの傾倒動作に伴う前記移動部材の傾倒移動の方向を規制する溝部と当該溝部内における前記移動部材の移動経路上に形成された突起部とを有する移動規制部材と、その底面部の上面に前記移動規制部材が形成されたケースと、前記ケースの底面部の前記移動規制部材の周囲の近傍に設置され前記操作レバーの軸周りの回転操作に応じて当該操作レバーの回転を検出する検出素子と、を具備することを特徴とする多方向入力装置。
【請求項2】
前記移動規制部材は、前記溝部及び突起部を複数備えることを特徴とする請求項1記載の多方向入力装置。
【請求項3】
前記溝部は、前記移動部材の初期位置に設定される中心位置から移動方向に向かって緩やかに上昇する傾斜面で構成され、前記突起部は、前記傾斜面における前記移動部材の移動経路上に形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の多方向入力装置。
【請求項4】
前記傾斜面は、前記中心位置から外側に向かって第1の傾斜面及び第2の傾斜面を有し、前記突起部は、前記第1の傾斜面の上端部から鋭角に立ち上がり第2の傾斜面の下端部に連結される連結面の上端部で構成されることを特徴とする請求項3記載の多方向入力装置。
【請求項5】
前記操作レバーに対する回転操作に応じて当該操作レバーと一体的に回転する回転体に前記操作レバーを傾倒可能に保持し、前記回転体に形成された被検出部材の回転を前記検出素子で検出することを特徴とする請求項1記載の多方向入力装置。
【請求項6】
前記操作レバーが挿通されて該操作レバーの傾倒に伴い回転する第1の連動部材を設け、前記操作レバーを前記回転体と前記第1の連動部材の間に保持することを特徴とする請求項5記載の多方向入力装置。
【請求項7】
前記ケースの底面部の下面に対向して設置されたスイッチ素子を具備し、前記ケースは、前記操作レバーに対する押圧操作に応じて当該操作レバーと一体的に下方に沈み込み、前記スイッチ素子を駆動することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の多方向入力装置。
【請求項8】
前記操作レバーは、前記回転体を介して前記ケースに傾倒、回転及び押圧可能に保持され、前記操作レバーに対する押圧操作に応じて前記回転体が前記ケースを下方に沈み込ませることを特徴とする請求項5記載の多方向入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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