説明

多機能電源コンセント

本発明は、建物自動化および建物情報システム用の多機能電源コンセント(2)、および建物自動化および建物情報システムに関する。多機能電源コンセントは、電力供給への第1のインターフェイス(19)および電気負荷(4)への第2のインターフェイス(12)を有する。さらに、多機能電源コンセントは、少なくとも1つの電気量の測定のための装置(14、16)と、少なくとも1つの測定された電気量のためのメモリ(22)と、データを送信および受信するための第3のインターフェイス(32)との通信モジュールと、第2のインターフェイスに接続されている負荷を決定するために、測定された経時的な電気量の少なくとも1つのプロファイルを生成し、経時的なプロファイルを、接続されうる経時的な負荷の所定の格納済みのプロファイルと比較するための制御モジュール(24)とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物自動化および建物情報システム用の多機能電源コンセント、および多機能電源コンセントを有する建物自動化および建物情報システムに関する。
【背景技術】
【0002】
建物設置用のさまざまな電源コンセント、特にプラグ・ソケットは、従来技術から知られている。DE 10 2007 063 591 A1では、建物システム技術のための設置デバイス、特に電気プラグ・ソケットを開示する。電気プラグ・ソケットは、器具キャップに取り外し可能モジュールを有し、そのモジュールを用いて電気パラメータは電気プラグ・ソケットで記録および/または調整されうる。電気プラグ・ソケットは、取り外し可能モジュールを介して、無線により、さらなる器具と通信する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、建物自動化および建物情報システムに含まれる電源コンセントを建物技術に提供することであり、これを用いて、接続された負荷に関する追加情報が記録されうる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
目的は、請求項1に記載の特徴を有する建物自動化および建物情報システム用の多機能電源コンセントにより、および請求項13に記載の特徴を有する建物自動化および建物情報システムにより達成される。さらなる好ましい成果は、それぞれの従属クレームに指定される。
【0005】
建物自動化および建物情報システムのための本発明による多機能電源コンセントは、たとえば建物電源システムのコンポーネントである送電線に第1のインターフェイスを介して接続される。この場合、地域に応じて、たとえば西欧の230V電源システム、米国の110V電源システム、あるいはDC電圧電源システムのように、さまざまな電源システムが建物電源システムと見なされる。多機能電源コンセントは、第2のインターフェイスをさらに有し、そのインターフェイスを介して電気負荷への電気接続が行なわれてもよい。電気負荷の通常のプラグ/プラグ・ソケットの組み合わせは、たとえば、この目的のために使用されてもよい。しかし、電気負荷を、プラグ、端子、またはハンダ付け接続を介して接続することも可能である。一例として、屋内器具、電気器具、照明デバイス、および建物電源システムに接続されうる任意の電気負荷は、電気負荷と見なされてもよい。
【0006】
さらに、多機能電源コンセントは、少なくとも1つの電気量の測定のための装置を有する。電流レベルは、好ましくは、装置を介して測定される。電力は、印加される電圧と併せて、測定された電流レベルから決定されうる。さらに、電圧は、好ましくは、電気量の測定のための装置を介して同様に測定される。しかし、たとえば、電圧の実効値が一定であると仮定することも可能である。
【0007】
本発明による多機能電源コンセントはさらに、少なくとも1つの測定された電気量の値が格納されうるデータメモリ・モジュールを有する。この場合、特に、RAMのような揮発性メモリ、EPROMのような半永続的メモリ、またはROMのような永続的メモリは、メモリと見なされてもよい。一例として、所定の時間または時間ステップにおいて、その時点で測定された電気量の絶対値、または以前の値からの量の変化は、データメモリに格納されてもよい。加えて、この値から決定される価格および合計費用もまた、電気料金表と併せて形成され、格納されてもよく、同様にメモリ・モジュールに格納されてもよい。2つの格納された値の時間差は、この場合、定義され、必要に応じてさらに変更されてもよい。したがって、電気量の値が所定の係数または絶対値だけ変化する場合に限り、新しい値を格納することが可能である。メモリに格納された電気量に基づいて、多機能コンセントの制御モジュールは、好ましくは、たとえば時間の経過に伴う、電気量のうちの少なくとも1つのプロファイルを生成することができる。制御モジュールは、好ましくは、マイクロチップである。しかし、特に電気負荷をそのプロファイルを介して識別するのに適したその他のタイプのプロファイルを生成することも可能である。経時的なプロファイルが使用される場合、プロファイルが生成される期間は、完全に可変である。一例として、電流−時間プロファイル、または電力−時間プロファイルは、オン切り替えプロセスまたは完全な動作サイクルに対して生成されてもよい。
【0008】
さらに、多機能電源コンセントの制御モジュールは、好ましくは、経時的なプロファイルを、接続されうる経時的な負荷の所定の格納済みのプロファイルと比較する手段を有する。これらの手段は、好ましくは、マイクロチップに組み入れられる。所定のプロファイルは、好ましくは、電気負荷を識別するのに適したプロファイルである。この所定のプロファイルは、たとえば、洗濯機のような負荷のタイプ、または製造業者の固有のモデルまたはモデル範囲にもリンクされる。一例として、そのようなプロファイルは、電気負荷の製造業者によって、または建物自動化および建物情報システムの製造業者によって提供される。所定のプロファイルとして以前格納されていない測定済みプロファイルを、手動で負荷に関連付けることも可能である。この場合、プロファイルは、好ましくは、共通ベースを有するように構成される。これは、たとえば、プロファイルがすべてオン切り替えプロセスを表すか、または負荷がオンに切り替えられてからオフに切り替えられるまでの完全サイクルを表すことを意味する。時間の経過に伴うこれらの所定のプロファイルは、少なくとも調整プロセス中に、多機能電源コンセントのメモリに格納される。この目的のために、一例として、所定のプロファイルは、第3のインターフェイスである通信インターフェイスを介して、外部データベースから呼び出されてもよい。負荷のオン切り替えプロファイルは、好ましくは、比較のために使用される。したがって、比較は、負荷がオンに切り替えられてからわずかな時間が経過した後に実行されうる。しかし、負荷がオフに切り替えられた後に限りプロファイルを比較することも可能である。接続された負荷は、測定されたプロファイルと所定のプロファイルとの比較を介して決定される。
【0009】
多機能電源コンセントは、通信インターフェイスを介してさらなるコンポーネントに接続されてもよい。これらのコンポーネントは、好ましくは、それにより多機能電源コンセントが、建物自動化のシステム、特に建物自動化および建物情報システムを形成するコンポーネントである。そのような建物自動化および建物情報システムは、たとえば同じ優先権の出願人からの同時特許出願において説明される。通信インターフェイスは、この場合、好ましくは、無線インターフェイスの形態をとる。ZigBeeまたはEnOcean Dolphinのような、低消費電力の低電力規格は、好ましくは、無線規格として使用される。たとえば、多機能電源コンセントは、それらの無線信号を介して相互に通信することができるか、または、たとえば多機能電源コンセントを切り替えるためのスイッチは、対応する多機能電源コンセントと通信することができる。この場合、1つまたは複数の機能電源コンセント、および建物自動化および建物情報システムのさらなるコンポーネントはまた、建物自動化および建物情報システムのシステム・アーキテクチャ内の上位レベルを表す制御ユニットに機能的に関連付けられてもよい。
【0010】
多機能電源コンセントと制御ユニットの間の通信はまた、回線を使用して行なうこともできる。電源システムの回線は、好ましくは、通信媒体として使用される。したがって、第1および第3のインターフェイスは、1つのインターフェイスの形態をとる。一例として、230Vの配電線は、適切な通信モジュールを介して、データ通信に使用されてもよい。この場合、データ伝送に必要な頑強性を有する、Powerline Command and Control規格に基づいて、データ伝送を使用することが特に好ましい。230V電源システムを使用することにより、このようなシステムは、大規模な設置作業を行なうことなく設置されるようになる。このような実施形態は、このような建物自動化および建物情報システムが既存の建物に設置される場合に特に有利である。したがって、追加の回線を施設する必要はない。また、制御ユニットおよび多機能電源コンセントが接続された負荷と共にデータ回線を介して同時に電気を供給されうる、230V電源システムが使用される場合にも有利である。さらに、多機能電源コンセントが、たとえば建物自動化および建物情報システムのさまざまなコンポーネントと通信するための、回線ベースおよび無線ベースのインターフェイスを有することも可能である。
【0011】
多機能電源コンセントは、好ましくは、接続されうる負荷への電力供給の切り替え、オープンループ制御および/またはクローズドループ制御のためのリレーまたは半導体回路を有する。この目的のための信号は、たとえば、多機能電源コンセントの外部ユニット、または制御ユニット、または入力デバイスにより生成される。これは、好ましくは、キー、特に静電容量性キーである。一例として、多機能電源コンセントに接続されうる負荷は、キーを介してオンおよびオフに切り替えられてもよいか、または接続されている照明デバイスが減光されてもよい。一例として、時間遅延の切り替えプロセスもまた、入力デバイスを介してアクティブ化されてもよい。さらに、好ましくは、多機能電源コンセントは、1つまたは複数の指示要素を有する。一例として、指示要素は、LEDの形態をとる。一例として、接続された負荷の瞬間電気消費、または時間依存の電気料金表の場合の瞬間電気料金は、さまざまな色のLEDを介して指示される。
【0012】
さらに、好ましくは、多機能電源コンセントは、消費値を計算するためのデバイスを有する。一例として、確定できる期間にわたる累積電気消費、ひいてはこの期間にわたる合計電気消費は、測定された電気量に基づいて計算される。一例として、多機能電源コンセントに接続されている負荷の消費の振る舞いおよび電気費用に関する結論は、プラグ・ソケットの絶対電気消費から導き出されてもよい。この消費データは、たとえば通信インターフェイスを介して呼び出されてもよい。したがって、多機能電源コンセントは、たとえば消費費用請求のために、電気メーターとして使用されてもよい。
【0013】
多機能電源コンセントは、好ましくは、電気プラグ・ソケットの形態をとる。この場合、電気プラグ・ソケットは、好ましくは、特に、建物の壁の通常の埋め込み型のソケットに設置されてもよい。しかし、多機能電源コンセントが、電気プラグ・ソケット接続機構として、または電気負荷と一体化して設計されることも可能である。
【0014】
本発明のさらなる態様は、1つの実施形態において、本発明による多機能電源コンセントおよび制御ユニットを有する建物自動化および建物情報システムに関する。関連する多機能電源コンセントは、たとえば、リモート側で切り替えられてもよく、リモートにオープンループまたはクローズドループ制御されてもよく、リモート側で減光されてもよく、および/または制御ユニットを介してリモート側で監視されてもよい。このような機能は、好ましくは、時間、公称値、またはユーザに応じて実施され、その機能は、制御ユニット内にさまざまなプロファイルを介して格納されてもよい。この機能の1つの特殊なバージョンは、外部ユニットによる負荷の自動負荷制限である。一例として、エネルギー供給会社は、たとえば、電源システムが過負荷となり、電源システムの崩壊に至る恐れがある場合、基本供給に必要とされない高エネルギー負荷を個々にオフに切り替える機能を有する。基本供給に必要とされない負荷のそのような切断はまた、たとえば、電気費用が支払われていない場合に実施されてもよい。
【0015】
制御ユニットは、好ましくは、ユーザ・インターフェイスとして入力および出力器具を有する。一例として、このようなユーザ・インターフェイスは、複数のキーを備える接触感応式タッチパッド、いわゆるマルチタッチパッドである。個々のキーまたはタッチパッドの領域は、この場合、固有の機能に関連付けられている。さらに、ユーザ・インターフェイスは、好ましくは、接触感応式ディスプレイの形態をとる。グラフィック・ユーザ・インターフェイスは、加えて、ディスプレイ上に表示されてもよい。一例として、多機能電源コンセントの機能は、接触感応式ディスプレイを介して様式化された形態または一般的な形態で表示されてもよい。グラフィック表示は、たとえば、接触感応式ディスプレイのメニューを用いて変更されてもよい。さらに、個々のプロファイルのパラメータのような設定は、変更されてもよい。したがって、多機能電源コンセントのさまざまな機能は、接触感応式ディスプレイを介してアクティブ化、非アクティブ化、またはプログラムされてもよい。設定は、制御ユニットに格納され、制御ユニットにより実施される。
【0016】
さらに、状態データまたはデータの履歴は、制御ユニットの入力および出力デバイスにより表示される。接続されている負荷の消費は、好ましくは、建物自動化および建物情報システムの制御ユニットを介して呼び出される。したがって、たとえば、瞬間消費、合計消費、または特定の期間の消費が指示される。さらに、多機能電源コンセントにおいて、またはグループを形成するように組み合わされる複数の多機能電源コンセントにおいて引き出される消費が指示される。このような消費の振る舞いは、好ましくは、時間経過に伴う消費プロファイルとして表示されてもよい。一例として、消費はまた、数時間、数日、数週間、数カ月、および/または数年にわたる棒グラフとして比較的に表示されてもよい。
【0017】
さらに、インターネット・リンクを使用して、建物自動化および建物情報システムを外部サービスに接続することも可能である。サービス提供業者は、たとえば、電気負荷、または建物自動化および建物情報システムの製造業者であり、所定のプロファイルを提供する。さらに、これは、たとえばエネルギー費用の計算および指示のため、および負荷の費用最適化制御または切り替えのための時間依存の電気料金表を提供するか、または予測電気消費を計算するために消費データが伝送されるエネルギー供給会社に関連することがある。しかし、たとえば制御ユニットの入力装置を介して、時間依存の電気料金でプログラムすることも可能である。
【0018】
多機能電源コンセントは、好ましくは、たとえば建物自動化および建物情報システムのデータベースから通信インターフェイスを用いて時間の経過に伴って、接続されうる負荷の所定のプロファイルを受信する。一例として、そのようなデータベースは、建物自動化および建物情報システムの中央(制御)ユニットに配列される。したがって、多機能電源コンセントを経由する所定のプロファイルは、好ましくは、比較プロセスの間だけメモリに一時的に格納される。測定されたプロファイルが、格納されている所定のプロファイルのうちの1つに対応しない場合、プロファイルは、たとえば、建物自動化および建物情報システムの入力および出力デバイスを介して、新しい負荷に関連付けられ、その結果このプロファイルは所定のプロファイルとなる。
【0019】
あるいは、所定のプロファイルとの比較はまた、オフ切り替えプロセスの後に実行されてもよい。したがって、負荷は、動作サイクルの後にしか識別されないが、負荷の識別を多機能電源コンセントのメモリに格納して、その結果負荷が将来のサイクルに既知となることが可能である。一例として、この負荷は、機械的に切断されるまで接続中として格納され、これは電気量の測定を用いて制御モジュールにより検出される。
【0020】
負荷のオン切り替えプロセスの使用可能化手段は、負荷への電力供給の切り替えおよび制御のための制御要素を介して表示されてもよい。多機能電源コンセントにおける電気消費が、たとえば負荷のスタンバイ消費よりも高い所定のしきい値を超過する場合、プロファイルが所定の期間の後に生成され、それを用いて所定のプロファイルとの比較が実行される。接続済みの負荷の決定後、それがこのように負荷について定義される場合、電力供給はオフに切り替えられる。負荷への電力供給は、ユーザが、現在使用可能化手段として動作する、多機能電源コンセントの制御要素、または制御ユニットを介してオン切り替えプロセスを有効にするまで、再度オンに切り替えられることはない。オン切り替えプロセスのそのような使用可能化手段は、さらに、好ましくは、制御ユニットにおいて配列される。一例として、使用可能化手段は、接触感応式制御ユニットディスプレイである。瞬間電気料金は、好ましくは多機能電源コンセントまたは制御ユニットの表示要素で、オン切り替えプロセスを使用可能にするための決定補助としてユーザに表示されてもよい。
【0021】
さらに、使用可能化手段は、好ましくは、負荷の時間遅延のオン切り替えプロセスをアクティブ化することができる。選択プロセスの時間遅延は、好ましくは、ユーザにより自由に変更可能である。時間遅延のオン切り替えプロセスの時間は、さらに、好ましくは、時間依存の電気料金表に基づいて計算される。一例として、1つの動作サイクルの接続された負荷の消費プロファイルは、この目的のために使用される。このように時間が遅延されたオン切り替えプロセスは、この場合、制御ユニットの使用可能化手段、および/または多機能電源コンセントの使用可能化手段によりアクティブ化されてもよい。時間遅延のオン切り替えプロセスの時間は、この場合、多機能電源コンセントの制御モジュール、および建物自動化および建物情報システムの制御ユニットの両方により計算される、時間依存の電気料金表に基づいて決定されてもよい。費用最適化オン切り替え時間が多機能電源コンセントにより計算される場合、時間依存の電気料金は、たとえば制御ユニットから多機能電源コンセントに、通信インターフェイスを介して送信される。時間依存の電気料金は、多機能電源コンセントのメモリ・モジュールに格納される。
【0022】
多機能電源コンセントおよび制御ユニットは共に、好ましくは、プラグアンドプレイ機能を有する。この場合、システムへの組み入れ中に、コンポーネントはその機能を伝送し、適切である場合、いわゆるプラグインを提供し、それを用いてコンポーネントは上位制御ユニットによりアクセスされてもよい。UPnP規格は、好ましくは、プラグアンドプレイ規格として使用される。
【0023】
本発明のさらなる特徴および利点は、図面と併せて以下の例示的な実施形態から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】多機能電源コンセントの系統的な設計を示す図である。
【図2】建物自動化および建物情報システムにおいて、電気料金表に応じた、多機能電源コンセントに接続されている負荷の切り替えを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、本発明による、電気負荷4が接続されている多機能電源コンセント2の概略図を示す。多機能電源コンセント2は、送電線へのインターフェイス10を有する。インターフェイス10により提供されるエネルギーは、電気負荷4へのインターフェイス12により、一方において使用可能にされる。他方では、多機能電源コンセント2は、電源ユニット20により電力を供給される。電気負荷4への電力供給は、半導体回路18を介して、減光および切り替えが行なわれる。電源ユニット20は、交流を調整し、この場合、インターフェイス10に印加される230Vを、多機能電源コンセント2に必要とされるより低い値に変換する。
【0026】
多機能電源コンセント2は、さらに、EnOcean Dolphin通信インターフェイス32を提供するEnOcean Dolphin通信モジュール30を有する。多機能電源コンセント2は、EnOcean Dolphin通信インターフェイス32を介して制御ユニット34(図示せず)に接続される。負荷4への電力供給は、半導体回路18を介して、EnOcean Dolphin通信インターフェイス32を介して、リモートで切り替えおよび減光が行なわれてもよい。
【0027】
電気負荷4により消費される電力は、電流を測定するためのセンサー14および電圧を測定するためのセンサー16により決定される。さらに、多機能電源コンセント2は、メモリ・モジュール22、およびマイクロプロセッサ24を有する。電流センサー14および電圧センサー16により測定された電気量は、メモリ・モジュール22に格納される。マイクロプロセッサ24は、電流および電圧の電気量を使用して、負荷によって消費された電力を計算し、その消費電力を同様にメモリ・モジュール22に格納する。メモリ・モジュール22に格納されているそれらの量は、EnOcean Dolphin通信モジュール30を介して呼び出されてもよい。
【0028】
負荷のスタンバイ電力消費が超過される場合、マイクロプロセッサ24は、事前定義済みの期間の時間経過に伴う計算された電力のプロファイルを生成する。接続されうる負荷の時間経過に伴う所定のプロファイルは、データベースがEnOcean Dolphin通信インターフェイス32に接続されている場合、EnOcean Dolphin通信モジュール30を介してマイクロプロセッサ24によって呼び出される。生成される電力/時間プロファイルと既知のプロファイルを比較するため、既知のプロファイルはメモリ・モジュール22に格納される。マイクロプロセッサ24は、この比較を、接続済みの負荷4を決定する基準として使用する。
【0029】
さらに、多機能電源コンセント2は、静電容量性キー40の形態をとる入力デバイスを有する。接続済みの負荷4は、多機能電源コンセント2で長方形表面を表す静電容量性キー40を介して、静電容量性キー40を操作することによってオンおよびオフに切り替えられる。さらに、接続済みの負荷4は、キー40の表面に沿って指を移動することにより、連続的に変化して減光されてもよい。
【0030】
さらに、多機能電源コンセント2は、さまざまな色のLED42から成るアウトレット・デバイスを有する。インターフェイス12に接続されている負荷の瞬間電力消費は、緑、黄、橙、および赤のLEDを介して指示される。この場合、緑色は低電力消費を表し、赤色は高電力消費を表す。電流が消費されていない場合、LED42のいずれも点灯しない。この場合、LED42は、マイクロプロセッサ24を介して制御される。
【0031】
図2に示されるように、建物自動化および建物情報システムの中央ユニット52は、インターネット・リンク100を介してエネルギー供給会社94から、時間依存の電気プロファイルを受信する。時間依存の電気料金表は、中央ユニット52のデータベースに格納され、データ回線38を介して制御ユニット34に伝送される。制御ユニット34は、電気料金表を、通信インターフェイス32を介して多機能電源コンセント2に伝送する。引き込まれた電流および印加された電圧の測定のためのセンサー14、16に加えて、多機能電源コンセント2は、接続済みの負荷4を切り替えまたは減光するための半導体回路18、マイクロプロセッサ24、およびメモリ・モジュール22を含む(図1を参照)。多機能電源コンセント2は、電気料金表をメモリ・モジュール22に格納する。負荷4がユーザによってセットアップされると、消費された電力はセンサー14、16によって測定され、負荷4の電力および電力プロファイルはメモリ・モジュール22に格納される。スタンバイ操作の事前定義済みの電力しきい値Pmaxが超過される場合、オン切り替えプロファイルが所定の時間後に生成され、このプロファイルは、負荷4を決定するために、既知の負荷の所定のオン切り替えプロファイルと比較される。加えて、負荷4の動作中の電気料金IP(n)が事前定義済みのしきい値IPmaxよりも大きい場合、半導体回路18は負荷4を電源から切断する。しきい値IPmaxは、たとえば、最良の電気料金に、1よりも大きい事前定義可能な係数を乗算することにより決定される。
【0032】
多機能電源コンセント2は、負荷4の既知の電流/時間プロファイルおよび電気料金表を、負荷4をオンに切り替えるプロセスの費用最適化時間を計算するための基準として使用し、このオンに切り替える時間を、LED42の明滅回数を介して表示する。加えて、多機能電源コンセント2は、負荷タイプおよび最良のオン切り替え時間を、制御ユニット34に伝送する。それは制御ユニット34の接触感応式ディスプレイにグラフィックスの形でユーザに表示される。さらに、即時動作の場合と比較して、最適時間での動作の場合に節約されうる金額がユーロ単位でユーザに表示される。ユーザはそれ以降、オン切り替えのプロセスが続行されるべきかどうか、または負荷4が最適な時間に動作されるべきかどうかを選択することができる。費用最適化された時間の負荷4の動作が選択される場合、それは接触感応式ディスプレイに指示される。
【0033】
あるいは、時間遅延のオン切り替えのプロセスは、静電容量性キー40を介して、多機能電源コンセント2自身でアクティブ化または非アクティブ化されてもよい。次いで、オン切り替え時間を持つ信号は、中央ユニット52に伝送される。オン切り替え時間に到達すると、負荷4をオンに切り替える信号が、データ回線38を介して中央ユニット52から制御ユニット34に送信され、さらにEnOcean Dolphin通信インターフェイス32を介して多機能電源コンセント2に送信される。半導体回路18はこれ以降、負荷4を電源システムに接続する。
【0034】
ユーザが、多機能電源コンセント2において接触感応式ディスプレイまたは静電容量性キー40で「オン切り替えプロセスを続行する(continue switching−on process)」オプションを選択するか、もしくは事前定義済みの時間内に接触感応式ディスプレイに入力がない場合、制御ユニット34は、EnOcean Dolphin通信インターフェイス32を介して、オンに切り替えるための信号を多機能電源コンセント2に送信する。
【0035】
消費電力を決定するために、多機能電源コンセント2のセンサー14、16の測定値は、EnOcean Dolphin通信インターフェイス32を介して制御ユニット34に伝送され、さらにデータ回線38によって中央ユニット52に伝送され、そこで消費データはデータベースに格納される。
【符号の説明】
【0036】
2 多機能電源コンセント
4 電気負荷
10 送電線へのインターフェイス
12 電気負荷へのインターフェイス
14 電流センサー
16 電圧センサー
18 半導体回路
20 電源ユニット
22 メモリ・モジュール
24 マイクロプロセッサ
30 EnOcean Dolphin通信モジュール
32 EnOcean Dolphin通信インターフェイス
34 制御ユニット
38 データ回線
40 静電容量性スイッチ
42 LED
52 中央ユニット
94 エネルギー供給会社

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力供給への第1のインターフェイス(19)および電気負荷(4)への第2のインターフェイス(12)を有する建物自動化および建物情報システムのための多機能電源コンセント(2)であって、
少なくとも1つの電気量の測定のための装置(14、16)と、
前記少なくとも1つの測定された電気量のためのメモリ(22)と、
前記第2のインターフェイス(12)に接続されている前記負荷(4)を決定するために、前記測定された電気量の少なくとも1つの経時的なプロファイルを生成し、経時的な前記プロファイルを、接続されうる経時的な負荷の所定の格納済みのプロファイルと比較するための制御モジュール(24)と、
データの伝送および受信のための第3のインターフェイス(32)とを有する多機能電源コンセント(2)。
【請求項2】
前記第3のインターフェイス(32)を介してプラグアンドプレイ規格により建物自動化および建物情報システムに接続されてもよいことを特徴とする請求項1に記載の多機能電源コンセント(2)。
【請求項3】
前記第3のインターフェイス(32)は無線ベースのインターフェイスの形態をとることを特徴とする請求項1または2に記載の多機能電源コンセント(2)。
【請求項4】
前記第3のインターフェイス(32)は送電線に基づくインターフェイスの形態をとることを特徴とする請求項1または2に記載の多機能電源コンセント(2)。
【請求項5】
前記負荷(4)への前記電力供給は切り替えられてもよく、オープンループおよび/またはクローズドループ制御が行なわれてもよいことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の多機能電源コンセント(2)。
【請求項6】
前記負荷(4)への前記電力供給はリモートで切り替えられてもよく、前記第3のインターフェイス(32)を介してリモートでオープンループおよび/またはクローズドループ制御が行なわれてもよいことを特徴とする請求項5に記載の多機能電源コンセント(2)。
【請求項7】
前記負荷への前記電力供給の切り替え、オープンループ制御またはクローズドループ制御を行なうための制御要素(40)を有することを特徴とする請求項5または6に記載の多機能電源コンセント(2)。
【請求項8】
電流レベルは、電気量を測定するための装置(14、16)を介して測定されてもよいことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の多機能電源コンセント(2)。
【請求項9】
電圧は、電力を決定するために、電気量を測定するための前記装置(14、16)を介して測定されてもよいことを特徴とする請求項8に記載の多機能電源コンセント(2)。
【請求項10】
前記制御モジュールは、前記格納された電気量に基づいて、前記第2のインターフェイス(12)に接続されている前記負荷(4)の消費値を計算することができることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の多機能電源コンセント(2)。
【請求項11】
接続されうる経時的な負荷の前記所定の格納済みのプロファイルは、前記第3のインターフェイス(32)を介して前記制御モジュール(24)により呼び出されてもよいことを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の多機能電源コンセント(2)。
【請求項12】
電気プラグ・ソケットであることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の多機能電源コンセント(2)。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の少なくとも1つの多機能電源コンセント(2)と、
第3のインターフェイス(32)を介して前記多機能電源コンセント(2)に接続される、切り替え、オープンループ制御および/またはクローズドループ制御のための制御ユニット(34)と
を有する建物自動化および建物情報システム。
【請求項14】
前記制御ユニット(34)は、前記多機能電源コンセント(2)に接続されている負荷(4)のオン切り替えプロセスのための使用可能化手段を有することを特徴とする請求項13に記載の建物自動化および建物情報システム。
【請求項15】
前記制御ユニット(34)は、前記多機能電源コンセントに接続されている負荷(4)の時間遅延オン切り替えプロセスのための使用可能化手段を有することを特徴とする請求項13または14に記載の建物自動化および建物情報システム。
【請求項16】
前記負荷(4)の前記時間遅延のオン切り替えプロセスの時間は、時間依存の電気料金表に基づいて計算されてもよいことを特徴とする請求項15に記載の建物自動化および建物情報システム。
【請求項17】
前記使用可能化手段は入力および出力デバイス(36)を有することを特徴とする請求項14から16のいずれか一項に記載の建物自動化および建物情報システム。
【請求項18】
前記負荷(4)の前記瞬間または合計消費は、前記入力および出力デバイス(36)を介して呼び出されてもよいことを特徴とする請求項17に記載の建物自動化および建物情報システム。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−511794(P2013−511794A)
【公表日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−534701(P2012−534701)
【出願日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際出願番号】PCT/EP2010/065871
【国際公開番号】WO2011/048182
【国際公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(598094791)ディール、アーカーオー、シュティフトゥング、ウント、コンパニー、コマンディトゲゼルシャフト (2)
【氏名又は名称原語表記】Diehl AKO Stiftung & CO.KG
【Fターム(参考)】