説明

多機能電磁波遮断防止シートの製造方法

【課題】酸化鉄を含む電磁波遮断造成物で塗布された電磁波遮断防止シートの製造方法を提供する。
【解決手段】40乃至50MoL%の酸化第二鉄、30乃至40MoL%の酸化亜鉛、10乃至15MoL%の酸化ニッケル及び全体重量が100MoL%に成るように酸化第二鋼で形成された酸化鉄及び電磁波遮断造成物全体重量の40乃至80重量比の伝導性炭素系カーボンを混合して固形物を製造する工程、固形物を水100重量比%に、30乃至50重量比%の水と混合して塗布材料を製造する工程、塗布材料に接着剤を塗布材料重量比に対し20乃至30重量比%の量で混合及び微粉末に加工して、微粉末塗布剤を作る加工する工程、微粉末塗布材料を不織布に塗布し加工する工程、塗布された不織布に抗菌、消臭剤をスプレイ方式で塗布する加工工程、及び塗布された不織布を、加熱、乾燥する加工工程を含む多機能電磁波遮断防止シートの製造方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は酸化鉄を含む電磁波遮断製造物で塗布された多機能電磁波遮断防止シートの製造方法に関するもので、具体的に酸化鉄造成物質、伝導性炭素系カーボン及び機能性添加物で製造された塗布材料を不鞍布に塗布して製造された電磁波遮断のための多機能電磁波遮断防止シートの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電磁波又は電磁場は、周期的に強さが変わる電磁場が空間を通じて波動となって伝わる現象を意味する。
電磁波は(E1ectro - magnetic Wave)電気又は電子の振動により発生し、空間を通じて全方向に進行する特性を持っている。
電磁波は電気場及び磁気場が結合しており、それから電気場は伝導性物体により容易に遮断されるが磁気場は総ての物体を通過するので、流れにより発生し何処でも発生する属性を持っているので、主に磁気場が環境及び人体に及ぼす影響があり問題になっている。
【0003】
電磁波の有害性に関連し強い電磁波の人体有害性は、科学的に検証されているが低周波の場合、長期間の露出が環境又は人体にどのような影響を与えているかは未だに明らかにされていない。電磁波の有害性が問題になり始めて、電磁波の発生源のひとつである携帯用電話機から発生する電磁波の有害性の可否が現在多くの議論になっているが、この問題に関連し携帯用電話機から発生する電磁波の人体に対する吸収率(specific Absorption Rate)を規制するための処置がとられている。
特に携帯電話機から発生する電磁波が人体の頭に与える影響を考慮して、携帯電話機の電磁波吸収率が1.6w/g乃至2.0w/gになるように規制されている。
可視光線のように自然界に既に存在する電磁波ではない、例えば携帯電話機、又はコンピュータのように電子機器から発生する特定周波数帯の電磁波はどんな形態であろうが環境又は人体に否定的な悪影響を及ぼす可能性があるので、遮断することが必要であると考えられる。
電磁波遮断に関連する従来の技術で韓国特許公開2004−56576号がある。
上記技術は電磁波吸収性能が優れている磁性酸化鉄と電磁波反射能力が優れている導電性金属を結合した複写皮膜を、溶液化し噴射製造する方法を提供することを目的としている。
【0004】
上記、従来の技術は電磁波反射機能を持つ銅、アルミニュウム、亜鉛、又はこれらの合金、電磁波反射層にニッケル−亜鉛、酸化鉄、マンガン−亜鉛、酸化鉄、重石酸化鉄又はこれらの混合物を溶液とし噴射、塗布し電磁波吸収層を形成する電磁波吸収体の製造法方を提案している。
【0005】
電磁波吸収体に関連した従来の技術で韓国特許公開2005−18422号がある。
上記従来の技術は酸化鉄焼結体原料の混合比を理想的に調節して電磁波吸収性能を向上させることを目的に、電磁波吸収体の粉末と合成樹脂を混合して酸化鉄と合成樹脂の間の親和性を高めることを提案している。
提案された従来の技術は全て酸化鉄の電磁波遮断機能と関連して、酸化鉄を含む電磁波遮断製造物は多様な形態で製造され、多種の製品形態で利用され種々の分野に貢献をしている。
1、例えば電磁波遮断製造物が塗布された不織布は、自動車のような特別な空間から流入又は、流出する電磁波遮断の為に使用することができる。
2、また衣服に使用される場合、電磁波に対する身体の長時間の露出を防止することが出来る。
3、また住宅内で発生する電磁波の防止等に使用され種々の貢献をしてきた。
然しながら高価格の為、普及に難点があった。
【特許文献1】韓国特許公開2004−56576号
【特許文献2】韓国特許公開2005−18422号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は電磁波を遮断することが出来、抗菌及び消臭機能を持つ、多機能電磁波遮断防止シートの製造方法で有り、高度な性能で安定し、安全、無害で、高品質の製品を量産し安価で供給することを目的としている。
本発明の目的は電磁波を遮断すると同時に抗菌及び消臭機能を持つ多機能電磁波遮断防止シートの製造方法を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は多機能電磁波防止シートの製造方法において、40乃至50MoL%の酸化第二鉄(Fe203)、30乃至40MoL%の酸化亜鉛(ZnO)、10乃至15MoL%の酸化ニッケル(NiO)及び全体重量が100MoL%に成るように酸化第二鋼(CuO)で形成された酸化鉄及び電磁波遮断製造物全体重量の40乃至80重量比の伝導性炭素系カーボンを混合して固形物を製造する工程、前記固形物を水100重量比%に、30乃至50重量比%の水と混合して塗布材料を製造する工程、前記塗布材料に接着剤を塗布材料重量比に対し20乃至30重量比%の量で混合及び微粉末に加工して、微粉末塗布剤とする工程、前記微粉末塗布材料を不織布に塗布加工する工程、塗布された不織布に抗菌、消臭剤をスプレイ方式で塗布する加工工程及び塗布された不織布を、加熱、乾燥する加工工程を含む多機能電磁波遮断防止シートの製造方法である。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1記載の多機能電磁波防止シートの製造方法において、抗菌、消臭剤は4 g/mの量で塗布することを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1記載の多機能電磁波遮断防止止シートの製造方法において、抗菌、消臭剤は、ゼオライトであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明による多機能電磁波遮断性能をもつ多機能電磁波遮断防止シートは特の室内空間だけでなく、壁紙、床、下地材、又は、天井材で使用することが出来、有害な電磁波を遮断するだけでなく、(1)空気の浄化、(2)消臭効果、(3)抗菌効果(4)、違赤外線の放出(5)、マイナスイオンの発生(6)、調湿性能(7)等を持ち、快適な居住室内空間を維持出来る。しかも、塗布含浸して生産された前記シートは不織布にむらがなく、均一に前記微粉末を接着することが出来、微粉末が樹脂シート、又は、不織布から剥がれたり落ちたりすることなく、多機能電磁波遮断防止シートを効率よく量産することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(実施の形態1)
図1は本発明により製造された多機能電磁波防止シートに対する電磁波遮断性能のテスト結果を概略的に図で示したものである。
本発明の適切な実施形熊は抗菌、及び消臭剤は4g/mの量を塗布する。
本発明については、実施例を利用して詳しく説明するが、提示された実施例はあくまで例を示したものであり、本発明の特許請求の範囲を制限するためのものではない。
本発明による電磁波を遮断することができる電磁波遮断のための造成物が不織布に塗布される電磁波遮断のための造成物二酸化鉄及び伝導性炭素系カーボンを含むものである。
【0012】
酸化鉄造成物は次のような原料成分を包含することが出来る。
酸化第二鉄(Fe203) 40乃至50MoL%
酸化亜鉛(ZnO) 30乃至40MoL%
酸化ニッケル(NiO) 10乃至15MoL%
酸化第二銅(CuO) 全体量の100MoLになる量
【0013】
適切な酸化鉄造成物は次のような原料成分を含むことが出来る。
酸化第二鉄(Fe203) 45MoL%
酸化亜鉛(ZnO) 35MoL%
酸化ニッケル(NiO) 12MoL%
酸化第二銅(CuO) 8MoL%
酸化鉄を構成する原料成分等は各々粉砕され混合されるか、又は全体成分が混合され粉砕される。
原料成分各々又は原料成分の混合物は、高度な粉砕性能を持つ機械を使用して、均一な直径を持つ微畑な粉末に粉砕される。
粉末の平均直径は、0.5乃至25um になり、適切に0.8乃至20um、そして最も適切な1.0乃至1.5umに粉砕加工される。
均一に混合又は粉砕された原料成分等は、スプレイ乾燥機又は熱風乾燥機で乾燥された後、800℃乃至1500℃で焼成され酸化鉄焼結体に作られる。
製造された酸化鉄焼結体は伝導性炭素系カーボンと混合される。
酸化鉄焼結体、伝導性炭素系カーボンの混合重量比率は40:60乃至、60:40、又は50:50の比率が適当である。
【0014】
伝導性炭素系カーボンは必要に応じ伝導性または、性能、強度等の物性を変化させた、炭素系、ナノチューブ(Nano Tube)状形態に加工される。
塗布材料の製造のために酸化鉄焼結体と、伝導性炭素系カーボンの混合物は水100重量比%に対し30乃至60重量比%になるよう水と混合する。
そうしてポリビニールアルコール、エチレンビニール酢酸塩、ゴム、ウレタン、アクリル、酢酸ビニールエマルジョン、EMA系高分子化合物等の接着剤を、用途により必要に応じたタイプの中から選択し、全体重量に対し20乃至30重量比%の量で追加混合する。
この様な方式で作られた塗布剤は粉砕分散され微粉末形態に作られる。
【0015】
製造された微粉末状態の塗布剤はコーテング機械を使用して、不織布に含浸塗布させながら一定量が塗布される。不織布に対する塗布の厚みは30乃至40g/mであるが、必要に応じて塗布の厚薄はその都度調整できることは勿論である。
こうして塗布された微粉末塗布剤に、8乃至12重量比%の濃度を持つ、消臭剤をスプレイ方式で再び塗布することで消臭、性能を追加する。消臭剤はアロマ系又は、ゼオライト系の消臭剤でHY型、[ベンゼン、キシレンスチレン等の吸着する事]又は、NaY型、[アンモニア、ホルムアルデヒド等の吸着する事]、ゼオライトになり、適切に銀(Ag)及び亜塩(Zn)がイオン交換されたHY型ゼオライトになり人体に無害である。
【0016】
消臭剤は水のような溶剤に溶解又は分散できるし、又銀のような抗菌性物質を含むことが出来る。
抗菌、消臭剤が塗布された不織布は乾燥機に入れられ、100乃至200℃の温度で僅かの時間、移動乾燥され本発明の電磁波遮断のための多機能電磁波遮断防止シートに作られる。
この多機能電磁波遮断防止シートは、ポリエステル系、ポリプロピレン系ポリエチレンテレフタラ一ト、ナイロン系、ポリエーテル系、等の不織布を使用することが出来る。
【0017】
本発明により製造された多機能電磁波遮断防止シートは、電磁波遮断と同時に抗菌、消臭、及び揮発性有機化合物(VOC)の除去機能を併せ持った多機能電磁波遮断防止シートである。
【0018】
例えば4g/mのHY型ゼオライト消臭剤で塗布された電磁波防止シートで、2種類以上の菌株に対し99%以上の抗菌力があり、又、消臭力は試験片10cm×10cmでのテスト結果は、初期濃度100ppmのアンモニアに対して80%以上の消臭能力があることが証明された。
【0019】
図1は本発明により製造された電磁波遮断防止シートの電磁波遮断試験の結果を示したものである。
図1を参考にして説明すると、本発明の製造方法により製造された多機能電磁波遮断防止シートは、例えば3,000MHz,4,500MHz,及び8,000MHzのような特定周波数帯近くで,著しく電磁波遮断防止吸収効果を表している。
グラフCOで表示された曲線は塗布をされていない無加工の不織布のケースを表したものである。
【0020】
グラフ中のC1は酸化鉄と抗菌消臭剤が塗布された多機能電磁波防止シート1重、グラフ中のC2は酸化鉄と抗菌、消臭剤を塗布し5枚重ね、グラフ中のC3は酸化鉄と抗菌消臭剤を塗布し10枚重ねしたものの測定結果を表したものである。
各々の多機能電磁波遮断防止シートはゼオライト抗菌、消臭剤により約4g/mの厚みで塗布されたものである。この様に本発明の製造方法により製造された多機能電磁波遮断防止シートは電磁波遮断の要求程度を考慮して、多くの枚数を増減して使用することが出来るし、塗布材料を厚く塗布し性能を上げられることは勿論である。
又、幾重にも重ねられた多機能電磁波遮断防止シートが、使用される場合でも遮断される周波数帯の範囲は実質的に同一であることが理解できる。
【0021】
図2は本発明の製造方法により形成された多機能電磁波遮断防止シートの縦断面図であり、図中1は、ポリエステルシートで、該ポリエステルシート1の上面には酸化鉄造成物微粉末、炭素系微粉末、接着剤を混合した微粉末塗布材料2を塗布し、その上面には抗菌、消臭剤3をスプレイ方式で塗布し、これを加熱、乾燥することで得られた多機能電磁波遮断防止シート4を示している。
【0022】
図3は、前記第2図で得られた多機能電磁波遮断防止シート4を、外壁5、防湿シート6、断熱材7を積層した積層物の断熱材側と石膏ボード8との間に配設すると共に、前記石膏ボード8と化粧シート9との間に配設した状態を示す使用方法を示したものである。
上記のように多機能電磁波遮断性能をもつ多機能電磁波遮断防止シートを外壁に利用した場合には、有害な電磁波を遮断するだけでなく、空気の浄化、消臭効果、抗菌効果、違赤外線の放出効果、マイナスイオンの発生効果、調湿性能効果を発揮し、快適な居住室内空間を維持出来る。
上記本発明は提示された実施例を利用して詳しく説明された。
この分野で本発明を利用し種々の製品が開発され、又、多用な修正、変形発明を作ることが出来る。
したがって、本願発明の特許請求の範囲内における変形、修正発明をも含むものと理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は本発明により製造された多機能電磁波遮断防止シートに対する電磁波遮断のテスト結果を概略的に図示したものである。
【図2】この発明の一実施形態によって得た多機能電磁波遮断防止シートを縦段して示す断面図である。
【図3】図2に示した多機能電磁波遮断防止シートの使用状態を示す部分断面図である。
【符号の説明】
【0024】
1 ポリエステルシート
2 酸化鉄造成物微粉末と炭素系微粉末
3 抗菌剤と消臭剤
4 多機能電磁波遮断防止シート
5 外壁
6 防湿シート
7 断熱材
8 石膏ホード
9 化粧シート
CO 加工されていない不織布
C1 酸化鉄、抗菌、消臭剤が塗布された不織布1重
C2 酸化鉄、抗菌、消臭剤が塗布された不織布5枚重ね
C3 酸化鉄、抗菌、消臭剤が塗布された不織布10枚重ね

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多機能電磁波遮断防止シートの製造方法において、40乃至50MoL%の酸化第二鉄(Fe203)、30乃至40MoL%の酸化亜鉛(ZnO)、10乃至15MoL%の酸化ニッケル(NiO)及び全体重量が100MoL%になるように酸化第二鋼(CuO)で形成された酸化鉄及び電磁波遮断製造物全体重量の40乃至80重量比の伝導性炭素系カーボンを混合して固形物を製造する工程、
前記固形物を水100重量比%に、30乃至50重量比%の水と混合して塗布材料を製造する工程、
前記塗布材料に接着剤を塗布材料重量比に対し20乃至30重量比%の量で混合及び微粉末に加工して、微粉末塗布剤とする工程、
前記微粉末塗布材料を不織布に塗布加工する工程、
塗布された不織布に抗菌、消臭剤をスプレイ方式で塗布する加工工程、
前記塗布された不織布を、加熱、乾燥する加工工程、
を含む多機能電磁波遮断防止シートの製造方法。
【請求項2】
抗菌、消臭剤は4g/mの量で塗布することを特徴とする請求項1記載の多機能電磁波遮断防止シートの製造方法。
【請求項3】
抗菌、消臭剤は、ゼオライトであることを特徴とする請求項1記載の多機能電磁波遮断防止シートの製造方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−105115(P2009−105115A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−273558(P2007−273558)
【出願日】平成19年10月22日(2007.10.22)
【出願人】(507349972)
【出願人】(507349983)
【出願人】(507349994)
【出願人】(500163757)
【Fターム(参考)】