説明

多目的拡張端子、及び建具

【課題】電動建具に対して多くの種類の機器を接続することが可能な多目的拡張端子を提供する。
【解決手段】電動建具(1)に備えられ、機器を電気的に接続する端子である多目的拡張端子(22、23)であって、少なくとも電動建具の操作手段(10)、電動建具を制御するプログラムを書き換える書き換え装置(110)、及びネットワーク通信モジュール(210)を接続可能である多目的拡張端子である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部機器を電動建具本体に接続する接続用端子、及びこれを備える建具に関し、電動建具を様々な機器やネットワークに接続可能とする接続用端子、及びこれを備える建具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、建物の開口部には電動窓や電動シャッター等の電動建具が用いられ、建具の開閉操作の利便性が図られている。近年では、このような建具を個別に取り扱うのではなく、建物に配置された複数の電動建具を一括して管理してその開閉も一か所で行えるようにする等、ネットワークを用いたさらなる利便性向上が図られている。
【0003】
電動建具は、開閉の対象を含む本体と該本体を操作するための操作手段を備えているのが通常である。そして本体は建物開口部の所定の位置に配置され、操作手段は人が操作しやすい場所に設けられ、これらが電気的に連結されている。従って、電動建具において本体を例えばネットワークに接続するに際しては当該操作手段を取り去り、ネットワークに接続することが考えられる。例えば特許文献1には、操作手段を取り外し、本体に内蔵された情報処理手段のプログラムを書き換える装置を接続する態様が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−163049号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、操作手段を取り外して接続する際に用いる接続用端子は電動建具ごとに異なっており、新しくネットワークを構築するに際しても簡単に接続することができるとは限らなかった。特許文献1に記載の発明では、操作手段の接続用端子に合わせて書き換え装置を構成したものであり、多くの種類の機器に対して適用することができるわけではなかった。
【0006】
そこで本発明は上記の点に鑑み、電動建具に対して多くの種類の機器を接続することが可能な多目的拡張端子を提供することを課題とする。また、これを用いた建具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、本発明について説明する。ここでは分かり易さのため、図面に付した参照符号を括弧書きで併せて記載するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0008】
請求項1に記載の発明は、電動建具(1)に備えられ、機器を該電動建具に電気的に接続する端子である多目的拡張端子(22、23)であって、少なくとも電動建具の操作手段(10)、電動建具を制御するプログラムを書き換える書き換え装置(110)、及びネットワーク通信モジュール(210)を接続可能である多目的拡張端子である。
【0009】
請求項2に記載の発明は、建具本体(2)、及び該建具本体に取り付けられた機器(10、110、210、310、410)を有し、建具本体と、機器とは、請求項1に記載の多目的拡張端子(22、23)で接続されていることを特徴とする建具(1)である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、電動建具に対して多くの種類の機器を接続することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】1つの実施形態を説明するための電動建具を模式的に示した図である。
【図2】接続可能な機器の例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の上記した作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。以下、本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。ただし本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。
【0013】
図1は、1つの実施形態を説明する図であり、多目的拡張端子22、23を含む電動窓1の概要を示す図である。電動窓1は、電動窓本体2、操作手段10、及び導線20を備えている。多目的拡張端子22、23は、当該電動窓1に含まれている。以下に電動窓1の各構成について説明する。
【0014】
電動窓本体2は、建物躯体に取り付けられる枠体3を有し、その内側に開閉対象である開閉障子4を備えている。開閉障子4の開閉は駆動手段5からの駆動力により行われる。従って、駆動手段5には、例えばモータや力伝達手段等が配置されている。
また、電動窓本体2には、操作手段10側からの指令信号に基づいて駆動手段5に対して開閉の指令信号を送信する制御基板6が設けられている。そして操作手段10からの信号を受け入れて制御基板6に伝達する受信手段、及び駆動手段5からの信号を操作手段10へ送信する送信手段としての本体側端子7が備えられている。
【0015】
操作手段10は使用者の操作に供し、電動窓本体2を操作するための手段である。従って、操作手段10には、操作者が直接操作する操作部11が設けられている。操作部11は例えば「開」、「閉」、「停止」をそれぞれ指示するための押しボタン等により構成されている。また、操作手段10には、操作部11からの信号、及び電動窓本体2からの信号を処理する処理基板12が備えられる。そして処理基板12からの信号を電動窓本体2に送信する送信手段、及び電動窓本体2からの信号を受信する受信手段としての操作手段側端子13が設けられている。
【0016】
導線20は、電動窓本体2と操作手段10とを電気的に連結する部材である。導線20は、導線により構成させる導線部21と、該導線部21の両端のそれぞれに配置される多目的拡張端子22、23とを備えている。
【0017】
多目的拡張端子22、23は多くの種類の外部機器を接続可能な形態を備えている。例えば電動窓本体2に後述するように無線LANモジュールを接続できるようにしようとした場合には端子には既存の通信規格であるUART(4PIN、電源、送信、受信、GND)が必要であり、これを実現可能な構成を備えている。そしてこの場合にはこのような既存のUARTを利用して、後で説明する他の外部機器を接続することが可能とされている。
当該UARTは例示であり、必ずしもこれに限定されず、ある1つの端子を用いて他の外部機器を接続することができるように構成されていればよい。
【0018】
以上のような電動窓1では、図1のように導線20の一方の多目的拡張端子22が本体側端子7に接続され、他方の多目的拡張端子23が操作手段側端子13に接続される。これにより、電動窓本体2と操作手段10とを電気的に接続することができ、操作手段10の操作に基づき電動窓本体2を作動させることが可能となる。
【0019】
ここで、電動窓1には多目的拡張端子22、23が設けられており、当該多目的拡張端子22、23は上記のように多くの種類の機器を接続することができるように構成されており、操作手段10もこのような多くの種類の1つとして適切に接続させることが可能である。
【0020】
図2には、当該多くの種類の機器の例を示した。図2に示した機器の例は、上記操作手段10の他、ソフトウェア書き換え装置110、ネットワーク通信モジュール210、センサ310、データ収集装置410である。
ソフトウェア書き換え装置110は、電動窓本体2に備えられた制御基板6内に含まれるプログラムを更新したり、新規プログラムを加えたりする装置である。
ネットワーク通信モジュール210は、電動窓本体2を操作手段10の操作による開閉でなく、ネットワークに組み込むことにより開閉管理をするための通信モジュールである。上記例示した無線LANモジュールもネットワーク通信モジュールの1つである。
センサ310は、例えば降雨センサ、温度センサ、湿度センサ等、窓の開閉に関連する環境情報を検知するセンサである。
データ収集装置410は、窓の開閉データや電動窓本体2に具備された既存のセンサの検知情報等を収集して記録する装置である。
【0021】
これら各機器を電動窓本体2に接続するに際しては、既に接続されていた機器を多目的拡張端子23から外し、新たに接続する機器に多目的拡張端子23を接続するのみでよい。当該機器を適切に作動させるためにはプログラムが必要となるが、当該プログラムは電動窓本体2側の制御基板6に予め含めておいてもよいし、または、上記ソフトウェア書き換え装置110によりプログラムを追加してもよい。
【0022】
このように、多目的拡張端子22、23によれば、端子の共通化により、建具を様々なネットワークや機器に簡易に接続することができるようになる。これによれば、既設の建具を安価にネットワークに接続したり、共通化によるハードウェアの無駄をなくすことが可能となる。
【0023】
以上で示した実施形態では、建具として電動窓を挙げたが、建具はこれに限定されることなく、開閉機能を有するあらゆる建具に対して適用することができる。これには例えばシャッター等が挙げられる。
【0024】
また、上記した実施形態では導線に多目的拡張端子を設ける例を説明したが、これに限定されることなく、例えば建具本体(本実施形態では電動窓本体2)に具備される本体側端子を多目的拡張端子としてもよく、また、建具本体側に多目的拡張端子を追加して取り付ける構成であってもよい。
【符号の説明】
【0025】
1 電動窓(建具)
2 電動窓本体
3 枠
4 開閉障子
5 駆動手段
6 制御基板
7 本体側端子
10 操作手段
11 操作部
12 処理基板
13 操作手段側端子
20 導線
21 導線部
22 多目的拡張端子
23 多目的拡張端子
110 書き換え装置
210 ネットワーク通信モジュール
310 センサ
410 データ収集装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動建具に備えられ、機器を該電動建具に電気的に接続する端子である多目的拡張端子であって、
少なくとも前記電動建具の操作手段、前記電動建具を制御するプログラムを書き換える書き換え装置、及びネットワーク通信モジュールを接続可能である多目的拡張端子。
【請求項2】
建具本体、及び該建具本体に取り付けられた機器を有し、
前記建具本体と、前記機器とは、請求項1に記載の多目的拡張端子で接続されていることを特徴とする建具。

【図1】
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【図2】
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