多目的車両
【課題】荷物105を高く持上げなくても荷台45に積込むことができるものでありながら、走行機体2又は荷台45を軽量に構成できるようにした作業車両を提供するものである。
【解決手段】走行機体2に搭載されたエンジン5と、走行用車輪3,4にエンジン5の回転を伝達するミッションケース7と、操縦ハンドル24及び運転座席26と、荷台45とを備えてなる多目的車両において、走行機体2に平ベルト体110を介して荷台45を移動可能に搭載し、走行機体2上で平ベルト体110を摺動させる移転機構69を備え、移転機構68によって平ベルト体110を作動させることによって、走行機体2の水平支持位置又は傾斜支持位置に荷台45が移動するように構成したものである。
【解決手段】走行機体2に搭載されたエンジン5と、走行用車輪3,4にエンジン5の回転を伝達するミッションケース7と、操縦ハンドル24及び運転座席26と、荷台45とを備えてなる多目的車両において、走行機体2に平ベルト体110を介して荷台45を移動可能に搭載し、走行機体2上で平ベルト体110を摺動させる移転機構69を備え、移転機構68によって平ベルト体110を作動させることによって、走行機体2の水平支持位置又は傾斜支持位置に荷台45が移動するように構成したものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフロードに使用されるピックアップ等の多目的車両に係り、より詳しくは、走行機体の左右に前車輪及び後車輪を配置し、エンジン及びミッションケース及び荷台等が走行機体に搭載された多目的車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、一般に、前記したピックアップ等の多目的車両において、左右の走行車輪に動力伝達するに際しては、前記多目的車両における走行機体に搭載したエンジンからミッションケースに動力伝達されて、ミッションケースの変速機構を介して左右の走行車輪に対して出力するように構成している。また、操縦ハンドルの操作によって左右の操舵用車輪を方向転換させるように構成している。
【0003】
この場合、従来の多目的車両においては、操縦ハンドル及び運転座席が配置された運転部の後方の車体フレームに荷台が搭載され、荷台の下面側にエンジンとミッションケースが一体的に配置され、ダンプ用油圧シリンダによって荷台の前部を持ち上げて荷台を後方に傾斜させるという構成にしている(例えば、特許文献1参照)。また、走行機体の前部にエンジンを搭載し、エンジンにミッションケースを一体的に配置し、運転室の後方にフレーム式荷台を搭載することも公知である(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2008−94179号公報
【特許文献2】特開平6−278492号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来技術は、ダンプ用油圧シリンダによって荷台の前部を持ち上げて、荷台を後方に傾斜させる構造であり、荷台の対地高さを低くすることができないから、荷物を高く持上げて荷台に積込む必要があり、荷物の積込み作業性を向上できない等の問題がある。また、高剛性の荷台フレームによって荷台の底板を支持する必要があるから、車体フレーム又は荷台フレーム等を軽量な構造に構成できない等の問題がある。
【0005】
本発明の目的は、荷物を高く持上げなくても荷台に積込むことができるものでありながら、走行機体又は荷台を軽量に構成できるようにした作業車両を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明の多目的車両は、走行機体に搭載されたエンジンと、走行用車輪に前記エンジンの回転を伝達するミッションケースと、操縦ハンドル及び運転座席と、荷台とを備えてなる多目的車両において、前記走行機体に平ベルト体を介して前記荷台を移動可能に搭載し、前記走行機体上で前記平ベルト体を摺動させる移転機構を備え、前記移転機構によって平ベルト体を作動させることによって、前記走行機体の水平支持位置又は傾斜支持位置に前記荷台が移動するように構成したものである。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の多目的車両において、前後方向に延長させる車体フレームによって前記走行機体を形成し、前記車体フレームは、前記荷台を水平姿勢に支持する水平支持部と、前記荷台を傾斜姿勢に支持する傾斜支持部とを有し、前記水平支持部の前記荷台の地上高よりも前記傾斜支持部の前記荷台の地上高が低くなるように構成し、前記水平支持部と前記傾斜支持部とに前記荷台が移動するように前記平ベルト体を張設したものである。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の多目的車両において、前記車体フレームを略水平に延長させて前記水平支持部を形成し、前記車体フレームの後端側を下向きに延長させて前記傾斜支持部を形成し、前記水平支持部の後端側に前記傾斜支持部の前端側を連結させ、前記水平支持部及び前記傾斜支持部のうち少なくとも前記水平支持部に前記平ベルト体を張設したものである。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の多目的車両において、前記荷台に前記平ベルト体の一端側を固着し、前記走行機体に回転ローラを介して前記平ベルト体の中間を張設させ、前記平ベルト体の他端側にロードチェンの一端側を固着し、前記走行機体に駆動スプロケットを介して前記ロードチェンの中間を張設させ、前記荷台にテンションバネを介して前記ロードチェンの他端側を連結したものである。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の多目的車両において、前記走行機体の車体フレーム上で前後方向に荷台フレームを延長させ、前記荷台フレーム上に前記平ベルト体を摺動可能に配置したものである。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の多目的車両において、前記走行機体の車体フレームにロプスフレームを立設した構造であって、前記ロプスフレームに前記荷台フレームの前端側を連結し、前記車体フレームの後端側に後部バンパを介して前記荷台フレームの後端側を連結したものである。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項4に記載の多目的車両において、前記移転機構として移転用電動モータを備え、前記移転用電動モータにて前記ロードチェンを作動させることによって、前記走行機体の水平支持位置又は前記傾斜支持位置に前記荷台を移動可能に構成したものである。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項4に記載の多目的車両において、前記走行機体上に、前後方向に延長させる複数の荷台フレームを配置し、前記荷台フレームの上面に横滑り防止ガイド体を介して前記平ベルト体を延長させ、前記荷台フレームの間に前記ロードチェンを張設させたものである。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項4に記載の多目的車両において、前記移転機構としてPTO軸を備え、前記PTO軸を介して前記ロードチェンを作動させることによって、前記走行機体に水平支持位置又は前記傾斜支持位置に前記荷台を移動可能に構成したものである。
【0015】
請求項10に記載の発明は、請求項4に記載の多目的車両において、前記走行機体の傾斜支持位置の傾斜下端側に前記回転ローラを配置し、前記走行機体の水平支持位置と傾斜支持位置に沿わせるように前記平ベルト体を延長させたものである。
【0016】
請求項11に記載の発明は、請求項1に記載の多目的車両において、前記走行機体の車体フレーム上に複数の荷台フレームを平行に配置し、前記車体フレームの上方に複数の荷台フレームを介して複数の前記平ベルト体を延長させ、複数の荷台フレームの上面に複数の前記平ベルト体を介して前記荷台を搭載したものである。
【0017】
請求項12に記載の発明は、請求項1に記載の多目的車両において、前記走行機体に荷台フレームを備え、前記荷台フレームは前端側フレームと後端側フレームとを有し、前記走行機体に前記前端側フレームを固着し、前記前端側フレームの後端部に折曲げ支軸を介して前記後端側フレームの前端部を下方に折曲げ可能に連結し、前記後端側フレームの後端部を上方に持上げるバネ機構を備え、前記前端側フレーム及び後端側フレームに、前記平ベルト体を水平方向に延長可能に張設させたものである。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に係る発明によれば、走行機体に搭載されたエンジンと、走行用車輪に前記エンジンの回転を伝達するミッションケースと、操縦ハンドル及び運転座席と、荷台とを備えてなる多目的車両において、前記走行機体に平ベルト体を介して前記荷台を移動可能に搭載し、前記走行機体上で前記平ベルト体を摺動させる移転機構を備え、前記移転機構によって平ベルト体を作動させることによって、前記走行機体の水平支持位置又は傾斜支持位置に前記荷台が移動するように構成したものであるから、前記走行機体の水平支持位置に前記平ベルト体を介して前記荷台を安定した姿勢で支持できる。また、前記走行機体の水平支持位置に前記平ベルト体を介して前記荷台が支持された場合、前記走行機体を移動させる運搬作業中に、前記平ベルト体の摩擦力によって、前記荷台が横方向に移動するのを簡単に防止できる。例えば前記走行機体に前記荷台を着脱可能に配置する仕様等を簡単に構成できるものである。
【0019】
請求項2に係る発明によれば、前後方向に延長させる車体フレームによって前記走行機体を形成し、前記車体フレームは、前記荷台を水平姿勢に支持する水平支持部と、前記荷台を傾斜姿勢に支持する傾斜支持部とを有し、前記水平支持部の前記荷台の地上高よりも前記傾斜支持部の前記荷台の地上高が低くなるように構成し、前記水平支持部と前記傾斜支持部とに前記荷台が移動するように前記平ベルト体を張設したものであるから、前記走行機体の傾斜支持部に前記荷台が支持された場合、前記走行機体を移動させる運搬作業のときよりも前記荷台の対地高さが低くなり、且つ前記荷台の上面開口が横向きに開放されるから、前記荷台に荷物を簡単に積込むことができるものである。
【0020】
請求項3に係る発明によれば、前記車体フレームを略水平に延長させて前記水平支持部を形成し、前記車体フレームの後端側を下向きに延長させて前記傾斜支持部を形成し、前記水平支持部の後端側に前記傾斜支持部の前端側を連結させ、前記水平支持部及び前記傾斜支持部のうち少なくとも前記水平支持部に前記平ベルト体を張設したものであるから、前記水平支持部の前記荷台よりも前記傾斜支持部の前記荷台の対地高さを簡単に低くすることができる。ダンプ用油圧シリンダによって後方に傾斜させる従来の荷台構造に比べて、前記荷台に荷物を積込むときに、前記荷台の対地高さを低くすることができ、荷物を高く持上げなくても前記荷台に荷物を簡単に積込むことができる。また、前記ダンプ支持部に前記荷台を支持することによって、前記荷台の上面開口を横向きに開放させ、前記荷台から荷物を簡単に降ろすことができる。荷物の積込み作業性を向上できる。また、高剛性の車体フレームと大きな摩擦力の前記平ベルト体とを利用して荷台を支持できるから、前記走行機体又は前記荷台を軽量に構成でき、且つ前記走行機体に前記荷台を安定よく支持できるものである。
【0021】
請求項4に係る発明によれば、前記荷台に前記平ベルト体の一端側を固着し、前記走行機体に回転ローラを介して前記平ベルト体の中間を張設させ、前記平ベルト体の他端側にロードチェンの一端側を固着し、前記走行機体に駆動スプロケットを介して前記ロードチェンの中間を張設させ、前記荷台にテンションバネを介して前記ロードチェンの他端側を連結したものであるから、前記テンションバネにて常に所定以上のテンションに維持された前記ロードチェンを駆動することによって、前記平ベルト体の伸長作用を利用して、前記荷台の慣性力に抗して前記平ベルト体を低いトルクで牽引できる。前記平ベルト体が停止しているときには、前記平ベルト体の摩擦力によって前記荷台を一定位置に簡単に維持できるものでありながら、小型の駆動源によって前記平ベルト体を牽引して前記荷台をスムーズに移動できるものである。
【0022】
請求項5に係る発明によれば、前記走行機体の車体フレーム上で前後方向に荷台フレームを延長させ、前記荷台フレーム上に前記平ベルト体を摺動可能に配置したものであるから、前記荷台フレームによって前記車体フレームを簡単に補強でき、前記車体フレームを軽量に構成できるものでありながら、前記車体フレームと前記荷台フレームとによって、前記荷台及び前記平ベルト体の支持に必要な機体の剛性を簡単に確保できるものである。
【0023】
請求項6に係る発明によれば、前記走行機体の車体フレームにロプスフレームを立設した構造であって、前記ロプスフレームに前記荷台フレームの前端側を連結し、前記車体フレームの後端側に後部バンパを介して前記荷台フレームの後端側を連結したものであるから、前記走行機体の強度維持部材として前記ロプスフレームと前記後部バンパを利用でき、高剛性の連結構造にて前記車体フレームに前記荷台フレームを配置できるものである。
【0024】
請求項7に係る発明によれば、前記移転機構として移転用電動モータを備え、前記移転用電動モータにて前記ロードチェンを作動させることによって、前記走行機体の水平支持位置又は前記傾斜支持位置に前記荷台を移動可能に構成したものであるから、油圧アクチュエータ等に比べてメンテナンス作業が簡単な前記移転用電動モータの制御によって、前記走行機体の水平支持位置又は傾斜支持位置に前記荷台を簡単に移動できるものである。
【0025】
請求項8に係る発明によれば、前記走行機体上に、前後方向に延長させる複数の荷台フレームを配置し、前記荷台フレームの上面に横滑り防止ガイド体を介して前記平ベルト体を延長させ、前記荷台フレームの間に前記ロードチェンを張設させたものであるから、前記平ベルト体と前記荷台フレームの間に摩擦力が不均一に発生しても、前記平ベルト体を延長方向にスムーズに移動でき、前記平ベルト体の斜行による損傷を低減でき、且つ前記平ベルト体の牽引動力を低減できるものである。
【0026】
請求項9に係る発明によれば、前記移転機構としてPTO軸を備え、前記PTO軸を介して前記ロードチェンを作動させることによって、前記走行機体に水平支持位置又は前記傾斜支持位置に前記荷台を移動可能に構成したものであるから、前記ロードチェンを駆動する制御(例えばPTOクラッチの入り操作)によって、前記エンジンの動力を利用して、前記水平支持位置又は前記傾斜支持位置に前記荷台を簡単に移動できるものである。
【0027】
請求項10に係る発明によれば、前記走行機体の傾斜支持位置の傾斜下端側に前記回転ローラを配置し、前記走行機体の水平支持位置と傾斜支持位置に沿わせるように前記平ベルト体を延長させたものであるから、前記走行機体の水平支持位置又は傾斜支持位置に前記平ベルト体を介して前記荷台をスムーズに移動できるものである。
【0028】
請求項11に係る発明によれば、前記走行機体の車体フレーム上に複数の荷台フレームを平行に配置し、前記車体フレームの上方に複数の荷台フレームを介して複数の前記平ベルト体を延長させ、複数の荷台フレームの上面に複数の前記平ベルト体を介して前記荷台を搭載したものであるから、前記荷台の最大積載荷重の設定又は前記荷台の利用目的に応じて、前記平ベルト体の仕様(左右幅寸法)を簡単に変更できる。前記平ベルト体及び前記荷台フレームの組付け数を増減させることによって、前記走行機体を軽量に構成できるものでありながら、前記荷台の支持に必要な前記走行機体の剛性を簡単に確保できるものである。
【0029】
請求項12に係る発明によれば、前記走行機体に荷台フレームを備え、前記荷台フレームは前端側フレームと後端側フレームとを有し、前記走行機体に前記前端側フレームを固着し、前記前端側フレームの後端部に折曲げ支軸を介して前記後端側フレームの前端部を下方に折曲げ可能に連結し、前記後端側フレームの後端部を上方に持上げるバネ機構を備え、前記前端側フレーム及び後端側フレームに、前記平ベルト体を水平方向に延長可能に張設させたものであるから、前記走行機体の水平支持位置又は傾斜支持位置に前記平ベルト体を介して前記荷台をスムーズに移動できる。前記走行機体の水平支持位置から傾斜支持位置に前記荷台が移動したときに、前記バネ機構のバネ力に抗して、折曲げ支軸回りに前記後端側フレームの後端部が下方に回動し、前記荷台を後向きに傾斜させるから、前記荷台から荷物を降ろすときの荷崩れ等を簡単に低減できる。また、前記走行機体の傾斜支持位置から水平支持位置に前記荷台が移動したときに、前記バネ機構のバネ力によって、折曲げ支軸回りに前記後端側フレームの後端部が上方に回動し、前記荷台を後向き傾斜姿勢から水平姿勢に移行させるから、前記走行機体の傾斜支持位置から水平支持位置に前記荷台をスムーズに移動でき、バラ積み荷物が前記荷台から零れ落ちるのを簡単に防止できるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態を、多目的車両としてのユーティリティビークルに適用した場合の図面について説明する。図1はユーティリティビークルの全体の右側面図、図2はユーティリティビークルの全体の平面図、図3は同走行機体の前部の拡大側面図、図4は同走行機体の後部の拡大側面図、図5は同走行機体の前部の拡大平面図、図6は同走行機体の後部の拡大平面図、図7は同走行機体及び荷台の拡大横断面説明図、図8は走行機体の後部に荷台を移動させた側面図、図9は図6の変形例を示す移転用PTO軸を設けた平面図、図10は図8の変形例を示す平ベルト体を設けた側面図、図11は図7の変形例を示す走行機体及び荷台の横断面説明図、図12は図8の変形例を示す平ベルト体を設けた側面図である。
【0031】
図1乃至図4に示されるように、ユーティリティビークル1の走行機体2は、操舵用車輪としての左右一対の前車輪3と、走行用車輪としての左右一対の後車輪4とで、支持されている。前記走行機体2の前部に搭載したエンジン5にて前記両後車輪4及び両前車輪3を駆動することにより、前後進走行するように構成されている。走行機体2は、前後方向に延長する丸パイプ製の左右一対の車体フレーム6によって形成している。エンジン5と、エンジン5の回転を適宜変速して前記両後車輪4及び両前車輪3に伝達するためのミッションケース7とが、車体フレーム6の前端側に配置されている。エンジン5の上方がボンネット8によって覆われている。ボンネット8内には、エンジン5とともにラジエータ9及び燃料タンク10が配置されている。ボンネット8の前部に照明部11が設けられている。照明部11には、走行機体2の前方下方を照射する下向きランプ12と、走行機体2の前方上方を照射する上向きランプ13と、走行機体2の左右側方を照射する横向きランプ14とが設けられている。
【0032】
図3乃至図5に示す如く、左右の車体フレーム6の前端部に防振ゴム体15を介してエンジン5を搭載している。エンジン5の前方の車体フレーム6にラジエータ9を配置する。エンジン5の後方で左右の車体フレーム6の間にミッションケース7を配置する。ミッションケース7は、上向き(上下方向)に延長させる上向き延長部7aと、横向き(前後方向)に延長させる横向き延長部7bとを有する。上向きに延長させるミッションケース7の上端側(一端側)の前面に油圧無段変速機16を固着する。ミッションケース7の上端側(一端側)の前面には、油圧無段変速機16から前方に突出させた変速入力軸17を配置する。エンジン5の出力軸18に自在軸継手19を介して変速入力軸17を連結している。また、横向きに延長させるミッションケース7の横向き延長部7b(他端側)には、前輪駆動用変速出力軸20及び後輪駆動用変速出力軸21を配置する。ミッションケース7の横向き延長部7bの前部から左右両側方に向けて左右の前輪駆動用変速出力軸20を突出させている。ミッションケース7の横向き延長部7bの背面から後方に向けて後輪駆動用変速出力軸21を突出させている。
【0033】
図1及び図2に示す如く、ボンネット8の後方の走行機体2には、左右のロプスフレーム22が立設されている。左右の車体フレーム6に左右のロプスフレーム22の下端側が固着されている。ボンネット8の後方で、ロプスフレーム22にて囲われた空間内には、操縦コラム23が立設されている。前車輪3の舵取り用操縦ハンドル24が操縦コラム23の左側の上面に配置されている。ロプスフレーム22にて囲われた空間内で、左右の車体フレーム6の上面には、平坦な搭乗ステップ板25が設けられている。搭乗ステップ板25の上面側には、複数人が座乗可能な横長ベンチシート状の運転座席26が配置されている。なお、ロプスフレーム22の前面側にタンク台41が固着され、タンク台41に燃料タンク10が搭載されている。
【0034】
図5に示す如く、運転座席26の前方の搭乗ステップ板25から上方に突出する操縦コラム23より左方には、メインクラッチ(図示省略)を切断作動するためのクラッチペダル27が配置されている。一方、操縦コラム15より右方には、左右の後車輪制動用ブレーキ機構(図示省略)を作動させるブレーキペダル28が配置されている。また、操縦コラム15より右方には、エンジン5の回転数を変更させたり無段変速機16の変速操作用トラニオンアーム(図示省略)を作動させる変速アクセルペダル29が配置されている。なお、操縦コラム23の左側には、ミッションケース7内の変速ギヤ機構(図示省略)を切換える変速操作レバー30を配置する。操縦コラム23の右側には、方向指示操作レバー31を配置する。
【0035】
図3及び図5に示す如く、左右の両前車輪3は、ダブルウィッシュボーン懸架機構33を介して車体フレーム6の前端側に取付けられている。ミッションケース7の前輪駆動用変速出力軸20を介してエンジン5の回転力が前車輪3に伝達され、前車輪3が駆動されるように構成している。ミッションケース7の横向き延長部7bの上面に、支点ブラケット34及び支点軸35を介して操舵用油圧シリンダ36を配置する。操舵用油圧シリンダ36から左右方向に延長したピストンロッド37の先端にナックルアーム38を連結する。前車輪3は、操舵用油圧シリンダ36によって方向転換されるように構成している。即ち、操縦ハンドル24の回転操作によって、ハンドル軸39下端のパワーシリンダバルブ40を切換えて、操舵用油圧シリンダ36を作動させたときに、ピストンロッド37の進退によってナックルアーム38を介して前車輪3が方向転換し、操縦ハンドル24の切り角に比例させて走行機体2の進路が変更されるように構成している。なお、支点軸35回りに操舵用油圧シリンダ36が回動して左右のピストンロッド37が上下動可能に構成している。
【0036】
また、図2乃至図4に示す如く、左右の両後車輪4の間の車体フレーム6に差動ギヤケース42が配置されている。左右の両後車輪4は、ダブルウィッシュボーン懸架機構43を介して車体フレーム6の後端側に取付けられている。ミッションケース7の後輪駆動用変速出力軸21を介してエンジン5の回転力が差動ギヤケース42に伝達され、差動ギヤケース42から左右に突出させた左右の差動用後車軸44を介して左右の後車輪4が駆動されるように構成している。
【0037】
図1乃至図3、図5に示す如く、走行機体2に搭載されたエンジン5と、走行用前車輪3及び後車輪4にエンジン5の回転を伝達するミッションケース7と、操縦ハンドル24及び運転座席26と、後述する荷台45と、操舵用前車輪3を方向転換させる操舵用油圧シリンダ36とを備える。ミッションケース7の一端側を上向き(上下方向)に延長させて、上向き延長部7aを形成する。上向き延長部7aの前面側に変速入力軸35を配置する。ミッションケース7の他端側を横向き(前後方向)に延長させて、横向き延長部7bを形成する。横向き延長部7bの前部の左右側面に前輪駆動用変速出力軸20を配置する。横向き延長部7bの後部の背面に後輪駆動用変速出力軸21を配置する。ミッションケース7にシリンダ支持体としての支点軸35を配置する。前記ミッションケースに支点軸35を介して操舵用油圧シリンダ36を支持させるように構成している。
【0038】
次に、図1、図2、図4及び図6を参照して、ロプスフレーム22から後方の走行機体2の後部の構造を説明する。ロプスフレーム22の後方の車体フレーム6に荷台45を前後方向に移動可能に搭載している。前後方向に延長させる車体フレーム6によって走行機体2を形成する。ロプスフレーム22の後方の車体フレーム6は、左右の後車輪4の間に配置される水平支持部6aと、後車輪4の後方に配置される傾斜支持部6bとを有する。車体フレーム6を略水平に延長させて水平支持部6aが形成されている。車体フレーム6の後端側を下向きに延長させて傾斜支持部6bが形成されている。水平支持部6aの後端側に傾斜支持部6bの前端側を連続的に連結させている。
【0039】
図1、図2、図4を参照して、本発明の実施形態の平ベルト体110を設置した荷台構造を説明する。図1、図2、図4に示す如く、水平支持部6a又は傾斜支持部6bに荷台45を移動させる移転機構としての移転用電動モータ69を備える。水平支持部6aに後述する平ベルト体110を介して荷台45を水平姿勢に支持するように構成している。移転用電動モータ69にて平ベルト体110を駆動することよって、水平支持部6a又は傾斜支持部6bに荷台45が移動する。即ち、水平支持部6aに荷台45を支持させた場合、荷台45の上面側開口を上向きに開放した水平姿勢に荷台45を支持できる。傾斜支持部6bによって荷台45を傾斜姿勢に支持するように構成している。一方、傾斜支持部6bに荷台45を支持させた場合、荷台45の上面側開口を後向きに開放した傾斜姿勢に荷台45を支持できる。また、水平支持部6aの荷台45よりも傾斜支持部6bの荷台45の対地高さを簡単に低くすることができる。
【0040】
図1、図2、図4、図6乃至図8に示す如く、車体フレーム6の水平支持部6aと傾斜支持部6bに並行に荷台フレームとしてのサブフレーム47の水平支持部47aと傾斜支持部47bを延長させている。左右の車体フレーム6の上方側で、左右の水平支持部6aと傾斜支持部6bに並行に、前後方向に延長した複数のサブフレーム47の水平支持部47aと傾斜支持部47bをそれぞれ配置している。車体フレーム6を丸形状の鉄製パイプによって形成し、サブフレーム47を四角形状の鉄製パイプによって形成している。左右の車体フレーム6の間に根太フレーム111を懸架する。左右方向に延長した根太フレーム111の左右両端側と左右幅中央とに支柱フレーム112を略垂直に立設する。各支柱フレーム112の上端側に床フレーム113を横設する。左右方向に延長した床フレーム113の上面にサブフレーム47を配置する。
【0041】
また、前記車体フレーム6に根太フレーム111がボルト締結(又は熔接)にて固着されている。根太フレーム111に支柱フレーム112がボルト締結(又は熔接)にて固着されている。支柱フレーム112に床フレーム113がボルト締結(又は熔接)にて固着されている。床フレーム113にサブフレーム47がボルト締結(又は熔接)にて固着されている。なお、サブフレーム47は、アルミニューム合金製、又は合成樹脂製でもよい。車体フレーム6の後端とサブフレーム47の後端とに後部バンパ52をボルト締結(又は熔接)にて固着する。車体フレーム6の後端側に後部バンパ52を介してサブフレーム47の後端側が連結されている。
【0042】
図4、図6乃至図8に示す如く、平ベルト体110の一端側が枠フレーム53に固着されている。サブフレーム47の水平支持部47aの後端側に回転ローラ114を介して平ベルト体110の中間を張設している。平ベルト体110の他端側に、チェン結合子115aを介して、ロードチェン115の一端側を固着している。サブフレーム47の水平支持部47aの前端側に駆動スプロケット116を介してロードチェン115の中間を張設させている。枠フレーム53にテンションバネ117及びテンション調節ボルト118を介してロードチェン115の他端側が連結されている。枠フレーム53に荷台45が着脱可能に連結されている。即ち、荷台45に平ベルト体110の一端側を固着し、走行機体2に回転ローラ114を介して平ベルト体110の中間を張設させ、平ベルト体110の他端側にロードチェン115の一端側を固着し、走行機体2に駆動スプロケット116を介してロードチェン115の中間を張設させ、荷台45にテンションバネ117を介してロードチェン115の他端側を連結している。
【0043】
上記の構成により、サブフレーム47の水平支持部47aの上面側と下面側とに、ロードチェン115及びテンションバネ117の支持によって、平ベルト体110が走行機体2の前後方向に向けて張設される。平ベルト体110は、テンションバネ117にて常に所定以上のテンションにて緊張した状態に維持されている。ロードチェン115を駆動したときに、平ベルト体110が伸長することによって、サブフレーム47に対して平ベルト体110の摩擦力が低下し、荷台45の下面とサブフレーム47の上面との間に挟まれた平ベルト体110が、サブフレーム47上を摺動し、荷台45が移動する。
【0044】
即ち、平ベルト体110の伸長作用を利用して、荷台45の慣性力に抗して平ベルト体110を低いトルクで牽引できる。平ベルト体110が停止しているときには、平ベルト体110の摩擦力によって荷台45を一定位置に簡単に維持できるものでありながら、小型の駆動源(移転用電動モータ69)によって平ベルト体110を牽引して荷台45をスムーズに移動できる。
【0045】
図1及び図4に示す如く、走行機体2に搭載されたエンジン5と、走行用車輪としての前車輪3及び後車輪4にエンジン5の回転を伝達するミッションケース7と、操縦ハンドル24及び運転座席26と、荷台45とを備えている。走行機体2のサブフレーム47に平ベルト体110を介して荷台45を移動可能に搭載している。走行機体2上で平ベルト体110を摺動させる移転機構としての移転用電動モータ69を備えている。移転用電動モータ69によって平ベルト体110を作動させることによって、走行機体2の水平支持位置としての水平支持部47a又は傾斜支持位置としての傾斜支持部47bに荷台45が移動するように構成している。
【0046】
したがって、走行機体2の水平支持位置(水平支持部47a)に平ベルト体110を介して荷台45を安定した姿勢で支持できる。また、走行機体2の水平支持位置(水平支持部47a)に平ベルト体110を介して荷台45が支持された場合、走行機体2を移動させる運搬作業中に、平ベルト体110の摩擦力によって、荷台45が横方向に移動するのを簡単に防止できる。走行機体2に荷台45を着脱可能に配置する仕様等を簡単に構成できる。
【0047】
図1及び図4に示す如く、前後方向に延長させる車体フレーム6によって走行機体2を形成し、車体フレーム6は、荷台45を水平姿勢に支持する水平支持部6aと、荷台45を傾斜姿勢に支持する傾斜支持部6bとを有し、水平支持部6aの荷台45の地上高よりも傾斜支持部6bの荷台45の地上高が低くなるように構成し、水平支持部6aと傾斜支持部6bとに荷台45が移動するように平ベルト体110を張設している。したがって、走行機体2の傾斜支持部6bに荷台45が支持された場合、走行機体2を移動させる運搬作業のときよりも荷台45の対地高さが低くなり、且つ荷台45の上面開口が横向きに開放されるから、荷台45に荷物105を簡単に積込むことができる。
【0048】
図1及び図4に示す如く、車体フレーム6を略水平に延長させて水平支持部6aを形成し、車体フレーム6の後端側を下向きに延長させて傾斜支持部6bを形成し、水平支持部6aの後端側に傾斜支持部6bの前端側を連結させ、水平支持部6a及び傾斜支持部6bのうち少なくとも水平支持部6aに平ベルト体110を張設している。したがって、水平支持部6aの荷台45よりも傾斜支持部6bの荷台45の対地高さを簡単に低くすることができる。また、高剛性の車体フレーム6と大きな摩擦力の平ベルト体110とを利用して荷台45を支持できるから、走行機体2又は荷台45を軽量に構成でき、且つ走行機体2に荷台45を安定よく支持できる。
【0049】
また、従来のように、荷台45を後方に傾斜させてベール等の荷物105を落下させるように構成した従来のダンプ荷台構造に比べて、ダンプ用油圧シリンダによって荷台45の前部を持上げて後方に傾斜させる必要がない。傾斜支持部6bに荷台45を支持させることによって、従来のダンプ荷台構造よりも低い位置で荷台45を後方に傾斜させ、荷物105を荷台45から落下させることできる。従来のダンプ荷台構造よりも地面に近い位置で荷物105を落下させることできる。その結果、落下時の衝撃によって荷物105が損傷するのを防止できる。例えばベール(荷物105)の結束用トワイン等が切断するのを防止できる。また、土砂等の粒状の荷物105を荷台45にバラ積み状態の場合、荷物105を荷台45から落下させるときに、粒状の荷物105の飛散範囲を従来よりも狭くできる。例えば土砂等の落下によって土埃が広範囲に発生するのを低減できる。
【0050】
図1、図4、図7に示す如く、走行機体2の車体フレーム6上に前後方向に荷台フレームとしてのサブフレーム47を延長させ、サブフレーム47上に平ベルト体110を摺動可能に配置しているから、サブフレーム47によって車体フレーム6を簡単に補強でき、車体フレーム6を軽量に構成でき、且つ車体フレーム6とサブフレーム47とによって、荷台45及び平ベルト体110の支持に必要な機体の剛性を簡単に確保できる。また、車体フレーム6にロプスフレーム22を立設した構造であって、ロプスフレーム22に前面側フレーム109を介してサブフレーム47の前端側を連結し、車体フレーム6の後端側に後部バンパ52を介してサブフレーム47の後端側を連結しているから、走行機体2の強度維持部材としてロプスフレーム22と後部バンパ52を利用でき、高剛性の連結構造にて車体フレーム6にサブフレーム47を配置できる。
【0051】
また、図8に示す如く、荷台45に荷物105を積込む場合、傾斜支持部6bに荷台45を支持させることによって、荷台45の対地高さを低くできる。且つ荷台45を後向きに開放して支持できる。荷台45の後部を地面に接近させて支持できる。荷物105を高く持上げなくても、荷台45に荷物105を簡単に積込むことができる。荷物105の積込み作業性を向上できる。また、高剛性の車体フレーム6を利用して荷台45を支持できるから、走行機体2又は荷台45を軽量に構成できる。なお、図1に示す如く、水平支持部6aに荷台45が支持された場合、荷台45の上面開口が上向きに開放する。したがって、走行機体2を移動させる運搬作業中に、荷台45から荷物が落下するのを簡単に防止できる。
【0052】
図4、図6、図8に示す如く、移転機構として移転用電動モータ69とロードチェン115を備える。運転座席26の下方側の車体フレーム6に移転用電動モータ69を設置する。ロプスフレーム22の下端側に軸受ブラケット119を介してチェン駆動軸120を回転可能に配置する。チェン駆動軸120上のチェン駆動スプロケット116にロードチェン115の中間を張設させる。移転用電動モータ69の正回転又は逆回転用の出力軸78に、スプロケット79,80及び駆動チェン81を介して、チェン駆動軸120を連結する。即ち、移転用電動モータ69が正回転又は逆回転することによって、水平支持部6aから傾斜支持部6bに荷台45を移動できる一方、傾斜支持部6bから水平支持部6aに荷台45を移動できる。
【0053】
図4、図6、図8に示す如く、移転用電動モータ69を正回転制御又は逆回転制御する操作ボックス82を備える。運転座席26の後側方のロプスフレーム22に操作ボックス82を配置する。移転用電動モータ69を正回転させる正転スイッチ83と、移転用電動モータ69を逆回転させる逆転スイッチ84とを、操作ボックス82に設ける。オペレータが荷台45を目視しながら、正転スイッチ83又は逆転スイッチ84を操作することによって、移転用電動モータ69を正回転作動又は逆回転作動させ、水平支持部47a(走行機体2の水平支持位置)又は傾斜支持部47b(走行機体2の傾斜支持位置)に荷台45を移動可能に構成している。油圧アクチュエータ等に比べてメンテナンス作業が簡単な移転用電動モータ69の制御によって、水平支持部47a又は傾斜支持部47bに荷台45を移動できる。
【0054】
図4、図8に示す如く、荷台45の前部に枠フレーム53を介して平ベルト体110が連結され、水平支持部47aの平ベルト体110上に荷台45が支持されている。傾斜支持部47bに荷台45が移動したときに、車体フレーム6の後端側から斜め下向きに荷台45の後半部分が突出するように構成している。水平支持部47aに支持された荷台45の後端よりも前方に車体フレーム6及び後部バンパ52を配置できる(図1参照)。走行機体2の前後長を短く形成できる。傾斜支持部47bに荷台45を移動させたときに、車体フレーム6の後方に荷台45の後部を大きくオーバーハングさせて突出させることができる(図8参照)。傾斜支持部47bの傾斜下端側の地面に荷台45の後端部を移動できる。荷台45への荷物105の積み降ろし作業を簡単に実行できる。
【0055】
次に、図1、図4及び図6を参照して、荷台45の構造を説明する。図1に示す如く、荷台45は、荷物105を載せるトレー54を有する。枠フレーム53にトレー54の前端側を着脱可能に連結している。また、図4、図6、図8に示す如く、荷台45のトレー54は、矩形状の底板55と、底板55の前端縁に立設させる前壁板56と、底板55の後端縁に立設させる後壁板57と、底板55の左右側端縁に立設させる左右の側壁板58とを有する。後壁板57の上端側を後方に向けて傾斜させるように形成している。水平支持部47aにおける後壁板57よりも、傾斜支持部47bにおける後壁板57を後方側に大きく傾斜させて支持できる。傾斜支持部47bに荷台45を支持したときに、後壁板57の上端縁の対地高さが低くなる。したがって、荷台45に荷物105を簡単に積込むことができる。また荷台45から荷物105を簡単に降ろすことができる。
【0056】
図8に示す如く、傾斜支持部47bに荷台45を支持したときに、後壁板57の下端縁よりも上端縁の対地高さが高くなるように、後壁板57の上端側を後方に向けて傾斜させることによって、荷台45から荷物105が転落するのを防止できる。また、傾斜支持部47bに荷台45を支持したときに、後壁板57の下端縁よりも上端縁の対地高さが低くなるように、又は後壁板57が地面と略並行になるように、後壁板57の上端側を後方に向けて傾斜させることによって、荷台45から荷物105を簡単に落下させることができる。即ち、後壁板57の傾斜角度を選択することによって、各種の用途に適応できる。なお、後壁板57の傾斜角度を変更可能に構成することもできる。
【0057】
また、図4及び図6に示す如く、底板55の左右両端側及び後端側に、蝶番87を介して、左右の側壁板58及び後壁板57を外側方に倒伏可能に起立させている。前壁板56の左右両端側に左右の前側レバー88を介して左右の側壁板58の前端側を係脱可能に係止させている。左右の側壁板58の後端側に左右の後側レバー89を介して後壁板57の左右両端側を係脱可能に係止させている。
【0058】
上記の構成により、左右いずれか一方の前側レバー88及び後側レバー89を離脱操作することによって、左右いずれか一方の側壁板58が外側方に倒伏する。荷台45の左右いずれか一方の側面が外側方に向けて開放される。また、左右の後側レバー89を離脱操作することによって、後壁板57が外側方に倒伏する。荷台45の後面が後側方に向けて開放される。一方、左右の前側レバー88及び左右の後側レバー89を離脱操作することによって、左右の側壁板58及び後壁板57がそれぞれ外側方に倒伏する。荷台45の左右の側面及び荷台45の後面の三方が開放される。なお、左右の側壁板58及び後壁板57を外側方に倒伏させたときに、左右の側壁板58及び後壁板57を略水平に支持させて、底板55と左右の側壁板58及び後壁板57を同一平面上に配置して、左右の側壁板58及び後壁板57上に荷物105を載せることもできる。
【0059】
図7に示す如く、4本を一組として二組8本のサブフレーム47が車体フレーム6上に配置されている。二組8本のサブフレーム47を介して左右の2本の平ベルト体110が張設されている。サブフレーム47の間に左右の2本のロードチェン115が張設されている。左の平ベルト体110にテンションバネ117を介して左のロードチェン115がエンドレス状に連結され、右の平ベルト体110にテンションバネ117を介して右のロードチェン115がエンドレス状に連結されている。左右両側方と中央のサブフレーム47(荷台フレーム)の上面側に、左右両側方と中央の横滑り防止ガイド体47cをそれぞれ固着させている。左右両側方と中央の横滑り防止ガイド体47cに沿わせて、各サブフレーム47の上面側に左右の平ベルト体110をそれぞれ延長させている。
【0060】
上記の構成により、中央の横滑り防止ガイド体47cを挟んで、左右の平ベルト体110が略面一に張設される。左右両側方と中央の横滑り防止ガイド体47cによって、平ベルト体110の斜行が阻止される。即ち、平ベルト体110とサブフレーム47の間に摩擦力が不均一に発生しても、平ベルト体110を延長方向にスムーズに移動できる。平ベルト体110の斜行による損傷を低減でき、且つ平ベルト体110の牽引動力を低減できる。
【0061】
また、図7に示す如く、平ベルト体110が摺接するサブフレーム47の上面からの横滑り防止ガイド体47cの高さ寸法が、平ベルト体110の上下幅寸法(厚み)よりも短い。即ち、サブフレーム47上の平ベルト体110の上面高さよりも、横滑り防止ガイド体47cの上面高さが低い。したがって、サブフレーム47上の平ベルト体110の上面に、荷台45の底板55の下面が当接する。横滑り防止ガイド体47cには底板55が当接しない。なお、支柱フレーム112にベルト支持体112aを設けて、サブフレーム47の下面側の平ベルト体110の非搬送側が下方に垂れ下がるのを、ベルト支持体112aによって防止するように構成している。
【0062】
また、枠フレーム53と荷台45の連結を解除して、平ベルト体110上の荷台45を取外したときには、2本の平ベルト体110によって平坦な荷物載せ面が形成される。即ち、2本の平ベルト体110の上面に各種の荷物105を直接搭載できる。また、平ベルト体110の駆動によって、平ベルト体110上の荷物105が、走行機体2の後端側に搬送されて、走行機体2の後端側から地上面に転落する。したがって、動く荷台として平ベルト体110を利用できる。前記荷台45よりも長尺な丸太等の荷物105を平ベルト体110上に搭載でき、且つ平ベルト体110上の荷物105を簡単に地面に降ろすことができる。
【0063】
次に、図9を参照して、車体フレーム6に沿わせて荷台45を移動させる移転機構等の変形構造を説明する。図9に示す如く、図6に示す移転用電動モータ69に代えて、移転機構としてPTO軸90を備える。前記ミッションケース7にPTOギヤケース91を配置する。PTOギヤケース91から後方に向けてPTO軸90を突出させている。また、運転座席26の下方側の車体フレーム6に移転用ギヤケース92を設置する。移転用ギヤケース92の入力軸93にPTO伝動軸94を介してPTO軸90を連結している。なお、図9に示す如く、図6と同様に、チェン駆動軸120上のチェン駆動スプロケット116にロードチェン115の中間を張設させる。また、移転用ギヤケース92に正回転又は逆回転用の出力軸78を設ける。出力軸78に、スプロケット79,80及び駆動チェン81を介して、チェン駆動軸120を連結する。
【0064】
また、図9に示す如く、オペレータによって操作される荷台移動用操作レバー32が操縦コラム23に配置されている。荷台移動用操作レバー32の操作によって、水平支持部47a又は傾斜支持部47bに荷台45を移動可能に構成している。即ち、荷台移動用操作レバー32の操作によって、移転用ギヤケース92内のPTOクラッチ(図示省略)を入り(切り)操作し、移転用ギヤケース92内の回転方向切換ギヤ(図示省略)を切換えて出力軸78を正(逆)回転させ、PTO軸90を介してロードチェン115を作動させることによって、水平支持部47a又は傾斜支持部47bに荷台45が移動するように構成している。
【0065】
上記の構成により、荷台移動用操作レバー32が操作され、出力軸78が正回転又は逆回転することによって、水平支持部47aから傾斜支持部47bに荷台45を移動できる一方、傾斜支持部47bから水平支持部47aに荷台45を移動できる。ロードチェン115を駆動する制御(荷台移動用操作レバー32の操作、例えばPTOクラッチを入り切りする操作、出力軸78を正回転又は逆回転させる操作)によって、エンジン5の動力を利用して、水平支持部47a又は傾斜支持部47bに荷台45を簡単に移動できる。
【0066】
次に、図10を参照して、車体フレーム6に沿わせて荷台45を移動させる平ベルト体110等の変形構造を説明する。水平支持部47aの後端側に平ベルト体110の送り終端部(回転ローラ114)を配置した構造(図4、図8参照)に代えて、図10に示す如く、傾斜支持部47bの後端側に平ベルト体110の送り終端部(回転ローラ114)を配置している。傾斜支持部47bの後端部にローラ軸114aを介して回転ローラ114を回転可能に軸支している。また、水平支持部47aの後端側の下方の車体フレーム6、即ち、車体フレーム6の水平支持部6aの後端部(傾斜支持部6bの前端部)に下支えローラ125を回転可能に配置している。
【0067】
図10に示す如く、走行機体2の傾斜支持位置(傾斜支持部6b)の傾斜下端側に回転ローラ114を配置し、走行機体2の水平支持位置(水平支持部6a)と傾斜支持位置(傾斜支持部6b)に沿わせるように平ベルト体110を延長させている。サブフレーム47の水平支持部47a及び傾斜支持部47bの上面に平ベルト体110の搬送側が摺動可能に支持されるように構成している。また、サブフレーム47の下面側の平ベルト体110の非搬送側が、下支えローラ125によって支持されるように構成している。走行機体2の水平支持位置(水平支持部6a)と傾斜支持位置(傾斜支持部6b)に平ベルト体110を介して荷台45をスムーズに移動できる。
【0068】
次に、図11を参照して、車体フレーム6に沿わせて荷台45を移動させる平ベルト体110等の変形構造を説明する。中央の横滑り防止ガイド体47cを挟んで、左右の平ベルト体110が略面一に張設された構造(図7参照)、換言すると、左右の平ベルト体110の互いに対向する側端縁を近接させた幅広の平ベルト体110の構造に代えて、図11に示す如く、左右幅を縮小した幅狭の平ベルト体110を配置している。左右の平ベルト体110の間に、平ベルト体110の左右幅よりも大きな空間を形成している。一組が2本のサブフレーム47からなる左右二組のサブフレーム47(複数の荷台フレーム)が、左右の車体フレーム6上に平行にそれぞれ配置されている。車体フレーム6の上方に左右二組のサブフレーム47(複数の荷台フレーム)を介して左右の平ベルト体110を延長させている。左右二組のサブフレーム47の上面に左右の平ベルト体110を介して荷台45を搭載している。
【0069】
上記の構成により、平ベルト体110の左右幅の中心位置の下方に車体フレーム6が並行に配置されるから、荷台45の最大積載荷重の設定又は荷台45の利用目的に応じて、車体フレーム6を中心に、平ベルト体110の左右幅寸法を左右方向に拡大又は縮小させることができ、平ベルト体110の仕様(左右幅寸法)を簡単に変更できる。また、左右2本の平ベルト体110、左右二組4本のサブフレーム47に代えて、例えば、3本の平ベルト体110と左右三組6本のサブフレーム47、又は4本の平ベルト体110と左右四組8本のサブフレーム47のように、平ベルト体110及びサブフレーム47の組付け数を増減させることによって、走行機体を軽量に構成でき、且つ荷台45の支持(積載荷重)に必要な走行機体2の剛性を簡単に確保できる。
【0070】
次に、図12を参照して、平ベルト体110及びサブフレーム47等の変形構造を説明する。水平支持部47aの後端側に傾斜支持部47bを連続的に一体形成して、傾斜支持部47bの後端側に平ベルト体110の送り終端部(回転ローラ114)を配置した構造(図10参照)に代えて、図12に示す如く、水平支持部47aの後端側に折曲げ支軸126を介して傾斜支持部47bの前端側を連結している。水平支持部47aの後端側に折曲げ支軸126を介して傾斜支持部47bを折曲げ可能に連結する。折曲げ支軸126回りに傾斜支持部47bが回動して、傾斜支持部47bの後端側が上下動するように構成している。
【0071】
即ち、走行機体2にサブフレーム47(荷台フレーム)を備えている。サブフレーム47(荷台フレーム)は、水平支持部47a(前端側フレーム)と、傾斜支持部47b(後端側フレーム)とを有する。走行機体2の車体フレーム6に水平支持部47aを並行に固着している。水平支持部47aの後端部に、折曲げ支軸126を介して、傾斜支持部47bの後端部を上下方向に折曲げ可能に連結している。また、傾斜支持部47bの後端部を上方に持上げるバネ機構127を備えている。バネ機構127は、車体フレーム6にシリンダ支軸128を介して設けるバネシリンダ129と、バネシリンダ129に内蔵したコイルスプリング等のバネ(図示省略)によって進出させるバネピストン130とを有する。傾斜支持部47bの前端と後端の間(中間)にピストン支軸131を介してバネピストン130の先端側を連結している。
【0072】
図12の仮想線に示す如く、水平支持部47aに荷台45が支持されているときに、バネピストン130が進出して、バネ機構127によって水平支持部47aの後端側に傾斜支持部47bが略一直線方向に延長される。傾斜支持部47bを介して、平ベルト体110が水平方向に延長可能に張設される。一方、図12の実線に示す如く、水平支持部47aから傾斜支持部47bに荷台45が移動したときに、荷台45の荷重によってバネピストン130が退入して、傾斜支持部47bの後端側を下動させるように構成している。即ち、荷台45の荷重によって傾斜支持部47bの後端側が下動したときに、傾斜支持部47bの後端側が後バンパ52に接離可能に当接し、車体フレーム6の傾斜支持部6bに、サブフレーム47の傾斜支持部47bが平行に支持されるように構成している。
【0073】
上記の構成により、水平支持部47a(走行機体2の水平支持位置)又は傾斜支持部47b(走行機体2の傾斜支持位置)に平ベルト体110を介して荷台45をスムーズに移動できる。水平支持部47aから傾斜支持部47bに荷台45が移動したときに、バネ機構127のバネ力に抗して、折曲げ支軸126回りに傾斜支持部47bの後端部が下方に回動し、荷台45を後向きに傾斜させるから、荷台45から荷物105を降ろすときの荷崩れ等を簡単に低減できる。また、傾斜支持部47bから水平支持部47aに荷台45が移動したときに、バネ機構127のバネ力によって、折曲げ支軸126回りに傾斜支持部47bの後端部が上方に回動し、荷台45を後向き傾斜姿勢から水平姿勢に移行させるから、斜支持部47bから水平支持部47aに荷台45をスムーズに移動でき、バラ積み荷物105が荷台45から零れ落ちるのを簡単に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】ユーティリティビークルの全体の側面図である。
【図2】ユーティリティビークルの全体の平面図である。
【図3】同走行機体の前部の拡大側面図である。
【図4】同走行機体の後部の拡大側面図である。
【図5】同走行機体の前部の拡大平面図である。
【図6】同走行機体の後部の拡大平面図である。
【図7】同走行機体及び荷台の拡大横断面説明図である。
【図8】走行機体の後部に荷台を移動させた側面図である。
【図9】図6の変形例を示す移転用PTO軸を設けた平面図である。
【図10】図8の変形例を示す平ベルト体を設けた側面図である。
【図11】図7の変形例を示す走行機体及び荷台の横断面説明図である。
【図12】図8の変形例を示す平ベルト体を設けた側面図である。
【符号の説明】
【0075】
2走行機体
3前車輪(操舵用車輪)
4後車輪(走行用車輪)
5エンジン
6車体フレーム
6a水平支持部
6b傾斜支持部
7ミッションケース
22ロプスフレーム
24操縦ハンドル
26運転座席
45荷台
47サブフレーム
47a水平支持部(走行機体の水平支持位置、前端側フレーム)
47b傾斜支持部(走行機体の傾斜支持位置、後端側フレーム)
47c横滑り防止ガイド体
52後部バンパ
69移転用電動モータ(移転機構)
90PTO軸
105荷物
110平ベルト体
114回転ローラ
115ロードチェン
116駆動スプロケット
117テンションバネ
126折曲げ支軸
127バネ機構
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフロードに使用されるピックアップ等の多目的車両に係り、より詳しくは、走行機体の左右に前車輪及び後車輪を配置し、エンジン及びミッションケース及び荷台等が走行機体に搭載された多目的車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、一般に、前記したピックアップ等の多目的車両において、左右の走行車輪に動力伝達するに際しては、前記多目的車両における走行機体に搭載したエンジンからミッションケースに動力伝達されて、ミッションケースの変速機構を介して左右の走行車輪に対して出力するように構成している。また、操縦ハンドルの操作によって左右の操舵用車輪を方向転換させるように構成している。
【0003】
この場合、従来の多目的車両においては、操縦ハンドル及び運転座席が配置された運転部の後方の車体フレームに荷台が搭載され、荷台の下面側にエンジンとミッションケースが一体的に配置され、ダンプ用油圧シリンダによって荷台の前部を持ち上げて荷台を後方に傾斜させるという構成にしている(例えば、特許文献1参照)。また、走行機体の前部にエンジンを搭載し、エンジンにミッションケースを一体的に配置し、運転室の後方にフレーム式荷台を搭載することも公知である(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2008−94179号公報
【特許文献2】特開平6−278492号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来技術は、ダンプ用油圧シリンダによって荷台の前部を持ち上げて、荷台を後方に傾斜させる構造であり、荷台の対地高さを低くすることができないから、荷物を高く持上げて荷台に積込む必要があり、荷物の積込み作業性を向上できない等の問題がある。また、高剛性の荷台フレームによって荷台の底板を支持する必要があるから、車体フレーム又は荷台フレーム等を軽量な構造に構成できない等の問題がある。
【0005】
本発明の目的は、荷物を高く持上げなくても荷台に積込むことができるものでありながら、走行機体又は荷台を軽量に構成できるようにした作業車両を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明の多目的車両は、走行機体に搭載されたエンジンと、走行用車輪に前記エンジンの回転を伝達するミッションケースと、操縦ハンドル及び運転座席と、荷台とを備えてなる多目的車両において、前記走行機体に平ベルト体を介して前記荷台を移動可能に搭載し、前記走行機体上で前記平ベルト体を摺動させる移転機構を備え、前記移転機構によって平ベルト体を作動させることによって、前記走行機体の水平支持位置又は傾斜支持位置に前記荷台が移動するように構成したものである。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の多目的車両において、前後方向に延長させる車体フレームによって前記走行機体を形成し、前記車体フレームは、前記荷台を水平姿勢に支持する水平支持部と、前記荷台を傾斜姿勢に支持する傾斜支持部とを有し、前記水平支持部の前記荷台の地上高よりも前記傾斜支持部の前記荷台の地上高が低くなるように構成し、前記水平支持部と前記傾斜支持部とに前記荷台が移動するように前記平ベルト体を張設したものである。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の多目的車両において、前記車体フレームを略水平に延長させて前記水平支持部を形成し、前記車体フレームの後端側を下向きに延長させて前記傾斜支持部を形成し、前記水平支持部の後端側に前記傾斜支持部の前端側を連結させ、前記水平支持部及び前記傾斜支持部のうち少なくとも前記水平支持部に前記平ベルト体を張設したものである。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の多目的車両において、前記荷台に前記平ベルト体の一端側を固着し、前記走行機体に回転ローラを介して前記平ベルト体の中間を張設させ、前記平ベルト体の他端側にロードチェンの一端側を固着し、前記走行機体に駆動スプロケットを介して前記ロードチェンの中間を張設させ、前記荷台にテンションバネを介して前記ロードチェンの他端側を連結したものである。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の多目的車両において、前記走行機体の車体フレーム上で前後方向に荷台フレームを延長させ、前記荷台フレーム上に前記平ベルト体を摺動可能に配置したものである。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の多目的車両において、前記走行機体の車体フレームにロプスフレームを立設した構造であって、前記ロプスフレームに前記荷台フレームの前端側を連結し、前記車体フレームの後端側に後部バンパを介して前記荷台フレームの後端側を連結したものである。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項4に記載の多目的車両において、前記移転機構として移転用電動モータを備え、前記移転用電動モータにて前記ロードチェンを作動させることによって、前記走行機体の水平支持位置又は前記傾斜支持位置に前記荷台を移動可能に構成したものである。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項4に記載の多目的車両において、前記走行機体上に、前後方向に延長させる複数の荷台フレームを配置し、前記荷台フレームの上面に横滑り防止ガイド体を介して前記平ベルト体を延長させ、前記荷台フレームの間に前記ロードチェンを張設させたものである。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項4に記載の多目的車両において、前記移転機構としてPTO軸を備え、前記PTO軸を介して前記ロードチェンを作動させることによって、前記走行機体に水平支持位置又は前記傾斜支持位置に前記荷台を移動可能に構成したものである。
【0015】
請求項10に記載の発明は、請求項4に記載の多目的車両において、前記走行機体の傾斜支持位置の傾斜下端側に前記回転ローラを配置し、前記走行機体の水平支持位置と傾斜支持位置に沿わせるように前記平ベルト体を延長させたものである。
【0016】
請求項11に記載の発明は、請求項1に記載の多目的車両において、前記走行機体の車体フレーム上に複数の荷台フレームを平行に配置し、前記車体フレームの上方に複数の荷台フレームを介して複数の前記平ベルト体を延長させ、複数の荷台フレームの上面に複数の前記平ベルト体を介して前記荷台を搭載したものである。
【0017】
請求項12に記載の発明は、請求項1に記載の多目的車両において、前記走行機体に荷台フレームを備え、前記荷台フレームは前端側フレームと後端側フレームとを有し、前記走行機体に前記前端側フレームを固着し、前記前端側フレームの後端部に折曲げ支軸を介して前記後端側フレームの前端部を下方に折曲げ可能に連結し、前記後端側フレームの後端部を上方に持上げるバネ機構を備え、前記前端側フレーム及び後端側フレームに、前記平ベルト体を水平方向に延長可能に張設させたものである。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に係る発明によれば、走行機体に搭載されたエンジンと、走行用車輪に前記エンジンの回転を伝達するミッションケースと、操縦ハンドル及び運転座席と、荷台とを備えてなる多目的車両において、前記走行機体に平ベルト体を介して前記荷台を移動可能に搭載し、前記走行機体上で前記平ベルト体を摺動させる移転機構を備え、前記移転機構によって平ベルト体を作動させることによって、前記走行機体の水平支持位置又は傾斜支持位置に前記荷台が移動するように構成したものであるから、前記走行機体の水平支持位置に前記平ベルト体を介して前記荷台を安定した姿勢で支持できる。また、前記走行機体の水平支持位置に前記平ベルト体を介して前記荷台が支持された場合、前記走行機体を移動させる運搬作業中に、前記平ベルト体の摩擦力によって、前記荷台が横方向に移動するのを簡単に防止できる。例えば前記走行機体に前記荷台を着脱可能に配置する仕様等を簡単に構成できるものである。
【0019】
請求項2に係る発明によれば、前後方向に延長させる車体フレームによって前記走行機体を形成し、前記車体フレームは、前記荷台を水平姿勢に支持する水平支持部と、前記荷台を傾斜姿勢に支持する傾斜支持部とを有し、前記水平支持部の前記荷台の地上高よりも前記傾斜支持部の前記荷台の地上高が低くなるように構成し、前記水平支持部と前記傾斜支持部とに前記荷台が移動するように前記平ベルト体を張設したものであるから、前記走行機体の傾斜支持部に前記荷台が支持された場合、前記走行機体を移動させる運搬作業のときよりも前記荷台の対地高さが低くなり、且つ前記荷台の上面開口が横向きに開放されるから、前記荷台に荷物を簡単に積込むことができるものである。
【0020】
請求項3に係る発明によれば、前記車体フレームを略水平に延長させて前記水平支持部を形成し、前記車体フレームの後端側を下向きに延長させて前記傾斜支持部を形成し、前記水平支持部の後端側に前記傾斜支持部の前端側を連結させ、前記水平支持部及び前記傾斜支持部のうち少なくとも前記水平支持部に前記平ベルト体を張設したものであるから、前記水平支持部の前記荷台よりも前記傾斜支持部の前記荷台の対地高さを簡単に低くすることができる。ダンプ用油圧シリンダによって後方に傾斜させる従来の荷台構造に比べて、前記荷台に荷物を積込むときに、前記荷台の対地高さを低くすることができ、荷物を高く持上げなくても前記荷台に荷物を簡単に積込むことができる。また、前記ダンプ支持部に前記荷台を支持することによって、前記荷台の上面開口を横向きに開放させ、前記荷台から荷物を簡単に降ろすことができる。荷物の積込み作業性を向上できる。また、高剛性の車体フレームと大きな摩擦力の前記平ベルト体とを利用して荷台を支持できるから、前記走行機体又は前記荷台を軽量に構成でき、且つ前記走行機体に前記荷台を安定よく支持できるものである。
【0021】
請求項4に係る発明によれば、前記荷台に前記平ベルト体の一端側を固着し、前記走行機体に回転ローラを介して前記平ベルト体の中間を張設させ、前記平ベルト体の他端側にロードチェンの一端側を固着し、前記走行機体に駆動スプロケットを介して前記ロードチェンの中間を張設させ、前記荷台にテンションバネを介して前記ロードチェンの他端側を連結したものであるから、前記テンションバネにて常に所定以上のテンションに維持された前記ロードチェンを駆動することによって、前記平ベルト体の伸長作用を利用して、前記荷台の慣性力に抗して前記平ベルト体を低いトルクで牽引できる。前記平ベルト体が停止しているときには、前記平ベルト体の摩擦力によって前記荷台を一定位置に簡単に維持できるものでありながら、小型の駆動源によって前記平ベルト体を牽引して前記荷台をスムーズに移動できるものである。
【0022】
請求項5に係る発明によれば、前記走行機体の車体フレーム上で前後方向に荷台フレームを延長させ、前記荷台フレーム上に前記平ベルト体を摺動可能に配置したものであるから、前記荷台フレームによって前記車体フレームを簡単に補強でき、前記車体フレームを軽量に構成できるものでありながら、前記車体フレームと前記荷台フレームとによって、前記荷台及び前記平ベルト体の支持に必要な機体の剛性を簡単に確保できるものである。
【0023】
請求項6に係る発明によれば、前記走行機体の車体フレームにロプスフレームを立設した構造であって、前記ロプスフレームに前記荷台フレームの前端側を連結し、前記車体フレームの後端側に後部バンパを介して前記荷台フレームの後端側を連結したものであるから、前記走行機体の強度維持部材として前記ロプスフレームと前記後部バンパを利用でき、高剛性の連結構造にて前記車体フレームに前記荷台フレームを配置できるものである。
【0024】
請求項7に係る発明によれば、前記移転機構として移転用電動モータを備え、前記移転用電動モータにて前記ロードチェンを作動させることによって、前記走行機体の水平支持位置又は前記傾斜支持位置に前記荷台を移動可能に構成したものであるから、油圧アクチュエータ等に比べてメンテナンス作業が簡単な前記移転用電動モータの制御によって、前記走行機体の水平支持位置又は傾斜支持位置に前記荷台を簡単に移動できるものである。
【0025】
請求項8に係る発明によれば、前記走行機体上に、前後方向に延長させる複数の荷台フレームを配置し、前記荷台フレームの上面に横滑り防止ガイド体を介して前記平ベルト体を延長させ、前記荷台フレームの間に前記ロードチェンを張設させたものであるから、前記平ベルト体と前記荷台フレームの間に摩擦力が不均一に発生しても、前記平ベルト体を延長方向にスムーズに移動でき、前記平ベルト体の斜行による損傷を低減でき、且つ前記平ベルト体の牽引動力を低減できるものである。
【0026】
請求項9に係る発明によれば、前記移転機構としてPTO軸を備え、前記PTO軸を介して前記ロードチェンを作動させることによって、前記走行機体に水平支持位置又は前記傾斜支持位置に前記荷台を移動可能に構成したものであるから、前記ロードチェンを駆動する制御(例えばPTOクラッチの入り操作)によって、前記エンジンの動力を利用して、前記水平支持位置又は前記傾斜支持位置に前記荷台を簡単に移動できるものである。
【0027】
請求項10に係る発明によれば、前記走行機体の傾斜支持位置の傾斜下端側に前記回転ローラを配置し、前記走行機体の水平支持位置と傾斜支持位置に沿わせるように前記平ベルト体を延長させたものであるから、前記走行機体の水平支持位置又は傾斜支持位置に前記平ベルト体を介して前記荷台をスムーズに移動できるものである。
【0028】
請求項11に係る発明によれば、前記走行機体の車体フレーム上に複数の荷台フレームを平行に配置し、前記車体フレームの上方に複数の荷台フレームを介して複数の前記平ベルト体を延長させ、複数の荷台フレームの上面に複数の前記平ベルト体を介して前記荷台を搭載したものであるから、前記荷台の最大積載荷重の設定又は前記荷台の利用目的に応じて、前記平ベルト体の仕様(左右幅寸法)を簡単に変更できる。前記平ベルト体及び前記荷台フレームの組付け数を増減させることによって、前記走行機体を軽量に構成できるものでありながら、前記荷台の支持に必要な前記走行機体の剛性を簡単に確保できるものである。
【0029】
請求項12に係る発明によれば、前記走行機体に荷台フレームを備え、前記荷台フレームは前端側フレームと後端側フレームとを有し、前記走行機体に前記前端側フレームを固着し、前記前端側フレームの後端部に折曲げ支軸を介して前記後端側フレームの前端部を下方に折曲げ可能に連結し、前記後端側フレームの後端部を上方に持上げるバネ機構を備え、前記前端側フレーム及び後端側フレームに、前記平ベルト体を水平方向に延長可能に張設させたものであるから、前記走行機体の水平支持位置又は傾斜支持位置に前記平ベルト体を介して前記荷台をスムーズに移動できる。前記走行機体の水平支持位置から傾斜支持位置に前記荷台が移動したときに、前記バネ機構のバネ力に抗して、折曲げ支軸回りに前記後端側フレームの後端部が下方に回動し、前記荷台を後向きに傾斜させるから、前記荷台から荷物を降ろすときの荷崩れ等を簡単に低減できる。また、前記走行機体の傾斜支持位置から水平支持位置に前記荷台が移動したときに、前記バネ機構のバネ力によって、折曲げ支軸回りに前記後端側フレームの後端部が上方に回動し、前記荷台を後向き傾斜姿勢から水平姿勢に移行させるから、前記走行機体の傾斜支持位置から水平支持位置に前記荷台をスムーズに移動でき、バラ積み荷物が前記荷台から零れ落ちるのを簡単に防止できるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態を、多目的車両としてのユーティリティビークルに適用した場合の図面について説明する。図1はユーティリティビークルの全体の右側面図、図2はユーティリティビークルの全体の平面図、図3は同走行機体の前部の拡大側面図、図4は同走行機体の後部の拡大側面図、図5は同走行機体の前部の拡大平面図、図6は同走行機体の後部の拡大平面図、図7は同走行機体及び荷台の拡大横断面説明図、図8は走行機体の後部に荷台を移動させた側面図、図9は図6の変形例を示す移転用PTO軸を設けた平面図、図10は図8の変形例を示す平ベルト体を設けた側面図、図11は図7の変形例を示す走行機体及び荷台の横断面説明図、図12は図8の変形例を示す平ベルト体を設けた側面図である。
【0031】
図1乃至図4に示されるように、ユーティリティビークル1の走行機体2は、操舵用車輪としての左右一対の前車輪3と、走行用車輪としての左右一対の後車輪4とで、支持されている。前記走行機体2の前部に搭載したエンジン5にて前記両後車輪4及び両前車輪3を駆動することにより、前後進走行するように構成されている。走行機体2は、前後方向に延長する丸パイプ製の左右一対の車体フレーム6によって形成している。エンジン5と、エンジン5の回転を適宜変速して前記両後車輪4及び両前車輪3に伝達するためのミッションケース7とが、車体フレーム6の前端側に配置されている。エンジン5の上方がボンネット8によって覆われている。ボンネット8内には、エンジン5とともにラジエータ9及び燃料タンク10が配置されている。ボンネット8の前部に照明部11が設けられている。照明部11には、走行機体2の前方下方を照射する下向きランプ12と、走行機体2の前方上方を照射する上向きランプ13と、走行機体2の左右側方を照射する横向きランプ14とが設けられている。
【0032】
図3乃至図5に示す如く、左右の車体フレーム6の前端部に防振ゴム体15を介してエンジン5を搭載している。エンジン5の前方の車体フレーム6にラジエータ9を配置する。エンジン5の後方で左右の車体フレーム6の間にミッションケース7を配置する。ミッションケース7は、上向き(上下方向)に延長させる上向き延長部7aと、横向き(前後方向)に延長させる横向き延長部7bとを有する。上向きに延長させるミッションケース7の上端側(一端側)の前面に油圧無段変速機16を固着する。ミッションケース7の上端側(一端側)の前面には、油圧無段変速機16から前方に突出させた変速入力軸17を配置する。エンジン5の出力軸18に自在軸継手19を介して変速入力軸17を連結している。また、横向きに延長させるミッションケース7の横向き延長部7b(他端側)には、前輪駆動用変速出力軸20及び後輪駆動用変速出力軸21を配置する。ミッションケース7の横向き延長部7bの前部から左右両側方に向けて左右の前輪駆動用変速出力軸20を突出させている。ミッションケース7の横向き延長部7bの背面から後方に向けて後輪駆動用変速出力軸21を突出させている。
【0033】
図1及び図2に示す如く、ボンネット8の後方の走行機体2には、左右のロプスフレーム22が立設されている。左右の車体フレーム6に左右のロプスフレーム22の下端側が固着されている。ボンネット8の後方で、ロプスフレーム22にて囲われた空間内には、操縦コラム23が立設されている。前車輪3の舵取り用操縦ハンドル24が操縦コラム23の左側の上面に配置されている。ロプスフレーム22にて囲われた空間内で、左右の車体フレーム6の上面には、平坦な搭乗ステップ板25が設けられている。搭乗ステップ板25の上面側には、複数人が座乗可能な横長ベンチシート状の運転座席26が配置されている。なお、ロプスフレーム22の前面側にタンク台41が固着され、タンク台41に燃料タンク10が搭載されている。
【0034】
図5に示す如く、運転座席26の前方の搭乗ステップ板25から上方に突出する操縦コラム23より左方には、メインクラッチ(図示省略)を切断作動するためのクラッチペダル27が配置されている。一方、操縦コラム15より右方には、左右の後車輪制動用ブレーキ機構(図示省略)を作動させるブレーキペダル28が配置されている。また、操縦コラム15より右方には、エンジン5の回転数を変更させたり無段変速機16の変速操作用トラニオンアーム(図示省略)を作動させる変速アクセルペダル29が配置されている。なお、操縦コラム23の左側には、ミッションケース7内の変速ギヤ機構(図示省略)を切換える変速操作レバー30を配置する。操縦コラム23の右側には、方向指示操作レバー31を配置する。
【0035】
図3及び図5に示す如く、左右の両前車輪3は、ダブルウィッシュボーン懸架機構33を介して車体フレーム6の前端側に取付けられている。ミッションケース7の前輪駆動用変速出力軸20を介してエンジン5の回転力が前車輪3に伝達され、前車輪3が駆動されるように構成している。ミッションケース7の横向き延長部7bの上面に、支点ブラケット34及び支点軸35を介して操舵用油圧シリンダ36を配置する。操舵用油圧シリンダ36から左右方向に延長したピストンロッド37の先端にナックルアーム38を連結する。前車輪3は、操舵用油圧シリンダ36によって方向転換されるように構成している。即ち、操縦ハンドル24の回転操作によって、ハンドル軸39下端のパワーシリンダバルブ40を切換えて、操舵用油圧シリンダ36を作動させたときに、ピストンロッド37の進退によってナックルアーム38を介して前車輪3が方向転換し、操縦ハンドル24の切り角に比例させて走行機体2の進路が変更されるように構成している。なお、支点軸35回りに操舵用油圧シリンダ36が回動して左右のピストンロッド37が上下動可能に構成している。
【0036】
また、図2乃至図4に示す如く、左右の両後車輪4の間の車体フレーム6に差動ギヤケース42が配置されている。左右の両後車輪4は、ダブルウィッシュボーン懸架機構43を介して車体フレーム6の後端側に取付けられている。ミッションケース7の後輪駆動用変速出力軸21を介してエンジン5の回転力が差動ギヤケース42に伝達され、差動ギヤケース42から左右に突出させた左右の差動用後車軸44を介して左右の後車輪4が駆動されるように構成している。
【0037】
図1乃至図3、図5に示す如く、走行機体2に搭載されたエンジン5と、走行用前車輪3及び後車輪4にエンジン5の回転を伝達するミッションケース7と、操縦ハンドル24及び運転座席26と、後述する荷台45と、操舵用前車輪3を方向転換させる操舵用油圧シリンダ36とを備える。ミッションケース7の一端側を上向き(上下方向)に延長させて、上向き延長部7aを形成する。上向き延長部7aの前面側に変速入力軸35を配置する。ミッションケース7の他端側を横向き(前後方向)に延長させて、横向き延長部7bを形成する。横向き延長部7bの前部の左右側面に前輪駆動用変速出力軸20を配置する。横向き延長部7bの後部の背面に後輪駆動用変速出力軸21を配置する。ミッションケース7にシリンダ支持体としての支点軸35を配置する。前記ミッションケースに支点軸35を介して操舵用油圧シリンダ36を支持させるように構成している。
【0038】
次に、図1、図2、図4及び図6を参照して、ロプスフレーム22から後方の走行機体2の後部の構造を説明する。ロプスフレーム22の後方の車体フレーム6に荷台45を前後方向に移動可能に搭載している。前後方向に延長させる車体フレーム6によって走行機体2を形成する。ロプスフレーム22の後方の車体フレーム6は、左右の後車輪4の間に配置される水平支持部6aと、後車輪4の後方に配置される傾斜支持部6bとを有する。車体フレーム6を略水平に延長させて水平支持部6aが形成されている。車体フレーム6の後端側を下向きに延長させて傾斜支持部6bが形成されている。水平支持部6aの後端側に傾斜支持部6bの前端側を連続的に連結させている。
【0039】
図1、図2、図4を参照して、本発明の実施形態の平ベルト体110を設置した荷台構造を説明する。図1、図2、図4に示す如く、水平支持部6a又は傾斜支持部6bに荷台45を移動させる移転機構としての移転用電動モータ69を備える。水平支持部6aに後述する平ベルト体110を介して荷台45を水平姿勢に支持するように構成している。移転用電動モータ69にて平ベルト体110を駆動することよって、水平支持部6a又は傾斜支持部6bに荷台45が移動する。即ち、水平支持部6aに荷台45を支持させた場合、荷台45の上面側開口を上向きに開放した水平姿勢に荷台45を支持できる。傾斜支持部6bによって荷台45を傾斜姿勢に支持するように構成している。一方、傾斜支持部6bに荷台45を支持させた場合、荷台45の上面側開口を後向きに開放した傾斜姿勢に荷台45を支持できる。また、水平支持部6aの荷台45よりも傾斜支持部6bの荷台45の対地高さを簡単に低くすることができる。
【0040】
図1、図2、図4、図6乃至図8に示す如く、車体フレーム6の水平支持部6aと傾斜支持部6bに並行に荷台フレームとしてのサブフレーム47の水平支持部47aと傾斜支持部47bを延長させている。左右の車体フレーム6の上方側で、左右の水平支持部6aと傾斜支持部6bに並行に、前後方向に延長した複数のサブフレーム47の水平支持部47aと傾斜支持部47bをそれぞれ配置している。車体フレーム6を丸形状の鉄製パイプによって形成し、サブフレーム47を四角形状の鉄製パイプによって形成している。左右の車体フレーム6の間に根太フレーム111を懸架する。左右方向に延長した根太フレーム111の左右両端側と左右幅中央とに支柱フレーム112を略垂直に立設する。各支柱フレーム112の上端側に床フレーム113を横設する。左右方向に延長した床フレーム113の上面にサブフレーム47を配置する。
【0041】
また、前記車体フレーム6に根太フレーム111がボルト締結(又は熔接)にて固着されている。根太フレーム111に支柱フレーム112がボルト締結(又は熔接)にて固着されている。支柱フレーム112に床フレーム113がボルト締結(又は熔接)にて固着されている。床フレーム113にサブフレーム47がボルト締結(又は熔接)にて固着されている。なお、サブフレーム47は、アルミニューム合金製、又は合成樹脂製でもよい。車体フレーム6の後端とサブフレーム47の後端とに後部バンパ52をボルト締結(又は熔接)にて固着する。車体フレーム6の後端側に後部バンパ52を介してサブフレーム47の後端側が連結されている。
【0042】
図4、図6乃至図8に示す如く、平ベルト体110の一端側が枠フレーム53に固着されている。サブフレーム47の水平支持部47aの後端側に回転ローラ114を介して平ベルト体110の中間を張設している。平ベルト体110の他端側に、チェン結合子115aを介して、ロードチェン115の一端側を固着している。サブフレーム47の水平支持部47aの前端側に駆動スプロケット116を介してロードチェン115の中間を張設させている。枠フレーム53にテンションバネ117及びテンション調節ボルト118を介してロードチェン115の他端側が連結されている。枠フレーム53に荷台45が着脱可能に連結されている。即ち、荷台45に平ベルト体110の一端側を固着し、走行機体2に回転ローラ114を介して平ベルト体110の中間を張設させ、平ベルト体110の他端側にロードチェン115の一端側を固着し、走行機体2に駆動スプロケット116を介してロードチェン115の中間を張設させ、荷台45にテンションバネ117を介してロードチェン115の他端側を連結している。
【0043】
上記の構成により、サブフレーム47の水平支持部47aの上面側と下面側とに、ロードチェン115及びテンションバネ117の支持によって、平ベルト体110が走行機体2の前後方向に向けて張設される。平ベルト体110は、テンションバネ117にて常に所定以上のテンションにて緊張した状態に維持されている。ロードチェン115を駆動したときに、平ベルト体110が伸長することによって、サブフレーム47に対して平ベルト体110の摩擦力が低下し、荷台45の下面とサブフレーム47の上面との間に挟まれた平ベルト体110が、サブフレーム47上を摺動し、荷台45が移動する。
【0044】
即ち、平ベルト体110の伸長作用を利用して、荷台45の慣性力に抗して平ベルト体110を低いトルクで牽引できる。平ベルト体110が停止しているときには、平ベルト体110の摩擦力によって荷台45を一定位置に簡単に維持できるものでありながら、小型の駆動源(移転用電動モータ69)によって平ベルト体110を牽引して荷台45をスムーズに移動できる。
【0045】
図1及び図4に示す如く、走行機体2に搭載されたエンジン5と、走行用車輪としての前車輪3及び後車輪4にエンジン5の回転を伝達するミッションケース7と、操縦ハンドル24及び運転座席26と、荷台45とを備えている。走行機体2のサブフレーム47に平ベルト体110を介して荷台45を移動可能に搭載している。走行機体2上で平ベルト体110を摺動させる移転機構としての移転用電動モータ69を備えている。移転用電動モータ69によって平ベルト体110を作動させることによって、走行機体2の水平支持位置としての水平支持部47a又は傾斜支持位置としての傾斜支持部47bに荷台45が移動するように構成している。
【0046】
したがって、走行機体2の水平支持位置(水平支持部47a)に平ベルト体110を介して荷台45を安定した姿勢で支持できる。また、走行機体2の水平支持位置(水平支持部47a)に平ベルト体110を介して荷台45が支持された場合、走行機体2を移動させる運搬作業中に、平ベルト体110の摩擦力によって、荷台45が横方向に移動するのを簡単に防止できる。走行機体2に荷台45を着脱可能に配置する仕様等を簡単に構成できる。
【0047】
図1及び図4に示す如く、前後方向に延長させる車体フレーム6によって走行機体2を形成し、車体フレーム6は、荷台45を水平姿勢に支持する水平支持部6aと、荷台45を傾斜姿勢に支持する傾斜支持部6bとを有し、水平支持部6aの荷台45の地上高よりも傾斜支持部6bの荷台45の地上高が低くなるように構成し、水平支持部6aと傾斜支持部6bとに荷台45が移動するように平ベルト体110を張設している。したがって、走行機体2の傾斜支持部6bに荷台45が支持された場合、走行機体2を移動させる運搬作業のときよりも荷台45の対地高さが低くなり、且つ荷台45の上面開口が横向きに開放されるから、荷台45に荷物105を簡単に積込むことができる。
【0048】
図1及び図4に示す如く、車体フレーム6を略水平に延長させて水平支持部6aを形成し、車体フレーム6の後端側を下向きに延長させて傾斜支持部6bを形成し、水平支持部6aの後端側に傾斜支持部6bの前端側を連結させ、水平支持部6a及び傾斜支持部6bのうち少なくとも水平支持部6aに平ベルト体110を張設している。したがって、水平支持部6aの荷台45よりも傾斜支持部6bの荷台45の対地高さを簡単に低くすることができる。また、高剛性の車体フレーム6と大きな摩擦力の平ベルト体110とを利用して荷台45を支持できるから、走行機体2又は荷台45を軽量に構成でき、且つ走行機体2に荷台45を安定よく支持できる。
【0049】
また、従来のように、荷台45を後方に傾斜させてベール等の荷物105を落下させるように構成した従来のダンプ荷台構造に比べて、ダンプ用油圧シリンダによって荷台45の前部を持上げて後方に傾斜させる必要がない。傾斜支持部6bに荷台45を支持させることによって、従来のダンプ荷台構造よりも低い位置で荷台45を後方に傾斜させ、荷物105を荷台45から落下させることできる。従来のダンプ荷台構造よりも地面に近い位置で荷物105を落下させることできる。その結果、落下時の衝撃によって荷物105が損傷するのを防止できる。例えばベール(荷物105)の結束用トワイン等が切断するのを防止できる。また、土砂等の粒状の荷物105を荷台45にバラ積み状態の場合、荷物105を荷台45から落下させるときに、粒状の荷物105の飛散範囲を従来よりも狭くできる。例えば土砂等の落下によって土埃が広範囲に発生するのを低減できる。
【0050】
図1、図4、図7に示す如く、走行機体2の車体フレーム6上に前後方向に荷台フレームとしてのサブフレーム47を延長させ、サブフレーム47上に平ベルト体110を摺動可能に配置しているから、サブフレーム47によって車体フレーム6を簡単に補強でき、車体フレーム6を軽量に構成でき、且つ車体フレーム6とサブフレーム47とによって、荷台45及び平ベルト体110の支持に必要な機体の剛性を簡単に確保できる。また、車体フレーム6にロプスフレーム22を立設した構造であって、ロプスフレーム22に前面側フレーム109を介してサブフレーム47の前端側を連結し、車体フレーム6の後端側に後部バンパ52を介してサブフレーム47の後端側を連結しているから、走行機体2の強度維持部材としてロプスフレーム22と後部バンパ52を利用でき、高剛性の連結構造にて車体フレーム6にサブフレーム47を配置できる。
【0051】
また、図8に示す如く、荷台45に荷物105を積込む場合、傾斜支持部6bに荷台45を支持させることによって、荷台45の対地高さを低くできる。且つ荷台45を後向きに開放して支持できる。荷台45の後部を地面に接近させて支持できる。荷物105を高く持上げなくても、荷台45に荷物105を簡単に積込むことができる。荷物105の積込み作業性を向上できる。また、高剛性の車体フレーム6を利用して荷台45を支持できるから、走行機体2又は荷台45を軽量に構成できる。なお、図1に示す如く、水平支持部6aに荷台45が支持された場合、荷台45の上面開口が上向きに開放する。したがって、走行機体2を移動させる運搬作業中に、荷台45から荷物が落下するのを簡単に防止できる。
【0052】
図4、図6、図8に示す如く、移転機構として移転用電動モータ69とロードチェン115を備える。運転座席26の下方側の車体フレーム6に移転用電動モータ69を設置する。ロプスフレーム22の下端側に軸受ブラケット119を介してチェン駆動軸120を回転可能に配置する。チェン駆動軸120上のチェン駆動スプロケット116にロードチェン115の中間を張設させる。移転用電動モータ69の正回転又は逆回転用の出力軸78に、スプロケット79,80及び駆動チェン81を介して、チェン駆動軸120を連結する。即ち、移転用電動モータ69が正回転又は逆回転することによって、水平支持部6aから傾斜支持部6bに荷台45を移動できる一方、傾斜支持部6bから水平支持部6aに荷台45を移動できる。
【0053】
図4、図6、図8に示す如く、移転用電動モータ69を正回転制御又は逆回転制御する操作ボックス82を備える。運転座席26の後側方のロプスフレーム22に操作ボックス82を配置する。移転用電動モータ69を正回転させる正転スイッチ83と、移転用電動モータ69を逆回転させる逆転スイッチ84とを、操作ボックス82に設ける。オペレータが荷台45を目視しながら、正転スイッチ83又は逆転スイッチ84を操作することによって、移転用電動モータ69を正回転作動又は逆回転作動させ、水平支持部47a(走行機体2の水平支持位置)又は傾斜支持部47b(走行機体2の傾斜支持位置)に荷台45を移動可能に構成している。油圧アクチュエータ等に比べてメンテナンス作業が簡単な移転用電動モータ69の制御によって、水平支持部47a又は傾斜支持部47bに荷台45を移動できる。
【0054】
図4、図8に示す如く、荷台45の前部に枠フレーム53を介して平ベルト体110が連結され、水平支持部47aの平ベルト体110上に荷台45が支持されている。傾斜支持部47bに荷台45が移動したときに、車体フレーム6の後端側から斜め下向きに荷台45の後半部分が突出するように構成している。水平支持部47aに支持された荷台45の後端よりも前方に車体フレーム6及び後部バンパ52を配置できる(図1参照)。走行機体2の前後長を短く形成できる。傾斜支持部47bに荷台45を移動させたときに、車体フレーム6の後方に荷台45の後部を大きくオーバーハングさせて突出させることができる(図8参照)。傾斜支持部47bの傾斜下端側の地面に荷台45の後端部を移動できる。荷台45への荷物105の積み降ろし作業を簡単に実行できる。
【0055】
次に、図1、図4及び図6を参照して、荷台45の構造を説明する。図1に示す如く、荷台45は、荷物105を載せるトレー54を有する。枠フレーム53にトレー54の前端側を着脱可能に連結している。また、図4、図6、図8に示す如く、荷台45のトレー54は、矩形状の底板55と、底板55の前端縁に立設させる前壁板56と、底板55の後端縁に立設させる後壁板57と、底板55の左右側端縁に立設させる左右の側壁板58とを有する。後壁板57の上端側を後方に向けて傾斜させるように形成している。水平支持部47aにおける後壁板57よりも、傾斜支持部47bにおける後壁板57を後方側に大きく傾斜させて支持できる。傾斜支持部47bに荷台45を支持したときに、後壁板57の上端縁の対地高さが低くなる。したがって、荷台45に荷物105を簡単に積込むことができる。また荷台45から荷物105を簡単に降ろすことができる。
【0056】
図8に示す如く、傾斜支持部47bに荷台45を支持したときに、後壁板57の下端縁よりも上端縁の対地高さが高くなるように、後壁板57の上端側を後方に向けて傾斜させることによって、荷台45から荷物105が転落するのを防止できる。また、傾斜支持部47bに荷台45を支持したときに、後壁板57の下端縁よりも上端縁の対地高さが低くなるように、又は後壁板57が地面と略並行になるように、後壁板57の上端側を後方に向けて傾斜させることによって、荷台45から荷物105を簡単に落下させることができる。即ち、後壁板57の傾斜角度を選択することによって、各種の用途に適応できる。なお、後壁板57の傾斜角度を変更可能に構成することもできる。
【0057】
また、図4及び図6に示す如く、底板55の左右両端側及び後端側に、蝶番87を介して、左右の側壁板58及び後壁板57を外側方に倒伏可能に起立させている。前壁板56の左右両端側に左右の前側レバー88を介して左右の側壁板58の前端側を係脱可能に係止させている。左右の側壁板58の後端側に左右の後側レバー89を介して後壁板57の左右両端側を係脱可能に係止させている。
【0058】
上記の構成により、左右いずれか一方の前側レバー88及び後側レバー89を離脱操作することによって、左右いずれか一方の側壁板58が外側方に倒伏する。荷台45の左右いずれか一方の側面が外側方に向けて開放される。また、左右の後側レバー89を離脱操作することによって、後壁板57が外側方に倒伏する。荷台45の後面が後側方に向けて開放される。一方、左右の前側レバー88及び左右の後側レバー89を離脱操作することによって、左右の側壁板58及び後壁板57がそれぞれ外側方に倒伏する。荷台45の左右の側面及び荷台45の後面の三方が開放される。なお、左右の側壁板58及び後壁板57を外側方に倒伏させたときに、左右の側壁板58及び後壁板57を略水平に支持させて、底板55と左右の側壁板58及び後壁板57を同一平面上に配置して、左右の側壁板58及び後壁板57上に荷物105を載せることもできる。
【0059】
図7に示す如く、4本を一組として二組8本のサブフレーム47が車体フレーム6上に配置されている。二組8本のサブフレーム47を介して左右の2本の平ベルト体110が張設されている。サブフレーム47の間に左右の2本のロードチェン115が張設されている。左の平ベルト体110にテンションバネ117を介して左のロードチェン115がエンドレス状に連結され、右の平ベルト体110にテンションバネ117を介して右のロードチェン115がエンドレス状に連結されている。左右両側方と中央のサブフレーム47(荷台フレーム)の上面側に、左右両側方と中央の横滑り防止ガイド体47cをそれぞれ固着させている。左右両側方と中央の横滑り防止ガイド体47cに沿わせて、各サブフレーム47の上面側に左右の平ベルト体110をそれぞれ延長させている。
【0060】
上記の構成により、中央の横滑り防止ガイド体47cを挟んで、左右の平ベルト体110が略面一に張設される。左右両側方と中央の横滑り防止ガイド体47cによって、平ベルト体110の斜行が阻止される。即ち、平ベルト体110とサブフレーム47の間に摩擦力が不均一に発生しても、平ベルト体110を延長方向にスムーズに移動できる。平ベルト体110の斜行による損傷を低減でき、且つ平ベルト体110の牽引動力を低減できる。
【0061】
また、図7に示す如く、平ベルト体110が摺接するサブフレーム47の上面からの横滑り防止ガイド体47cの高さ寸法が、平ベルト体110の上下幅寸法(厚み)よりも短い。即ち、サブフレーム47上の平ベルト体110の上面高さよりも、横滑り防止ガイド体47cの上面高さが低い。したがって、サブフレーム47上の平ベルト体110の上面に、荷台45の底板55の下面が当接する。横滑り防止ガイド体47cには底板55が当接しない。なお、支柱フレーム112にベルト支持体112aを設けて、サブフレーム47の下面側の平ベルト体110の非搬送側が下方に垂れ下がるのを、ベルト支持体112aによって防止するように構成している。
【0062】
また、枠フレーム53と荷台45の連結を解除して、平ベルト体110上の荷台45を取外したときには、2本の平ベルト体110によって平坦な荷物載せ面が形成される。即ち、2本の平ベルト体110の上面に各種の荷物105を直接搭載できる。また、平ベルト体110の駆動によって、平ベルト体110上の荷物105が、走行機体2の後端側に搬送されて、走行機体2の後端側から地上面に転落する。したがって、動く荷台として平ベルト体110を利用できる。前記荷台45よりも長尺な丸太等の荷物105を平ベルト体110上に搭載でき、且つ平ベルト体110上の荷物105を簡単に地面に降ろすことができる。
【0063】
次に、図9を参照して、車体フレーム6に沿わせて荷台45を移動させる移転機構等の変形構造を説明する。図9に示す如く、図6に示す移転用電動モータ69に代えて、移転機構としてPTO軸90を備える。前記ミッションケース7にPTOギヤケース91を配置する。PTOギヤケース91から後方に向けてPTO軸90を突出させている。また、運転座席26の下方側の車体フレーム6に移転用ギヤケース92を設置する。移転用ギヤケース92の入力軸93にPTO伝動軸94を介してPTO軸90を連結している。なお、図9に示す如く、図6と同様に、チェン駆動軸120上のチェン駆動スプロケット116にロードチェン115の中間を張設させる。また、移転用ギヤケース92に正回転又は逆回転用の出力軸78を設ける。出力軸78に、スプロケット79,80及び駆動チェン81を介して、チェン駆動軸120を連結する。
【0064】
また、図9に示す如く、オペレータによって操作される荷台移動用操作レバー32が操縦コラム23に配置されている。荷台移動用操作レバー32の操作によって、水平支持部47a又は傾斜支持部47bに荷台45を移動可能に構成している。即ち、荷台移動用操作レバー32の操作によって、移転用ギヤケース92内のPTOクラッチ(図示省略)を入り(切り)操作し、移転用ギヤケース92内の回転方向切換ギヤ(図示省略)を切換えて出力軸78を正(逆)回転させ、PTO軸90を介してロードチェン115を作動させることによって、水平支持部47a又は傾斜支持部47bに荷台45が移動するように構成している。
【0065】
上記の構成により、荷台移動用操作レバー32が操作され、出力軸78が正回転又は逆回転することによって、水平支持部47aから傾斜支持部47bに荷台45を移動できる一方、傾斜支持部47bから水平支持部47aに荷台45を移動できる。ロードチェン115を駆動する制御(荷台移動用操作レバー32の操作、例えばPTOクラッチを入り切りする操作、出力軸78を正回転又は逆回転させる操作)によって、エンジン5の動力を利用して、水平支持部47a又は傾斜支持部47bに荷台45を簡単に移動できる。
【0066】
次に、図10を参照して、車体フレーム6に沿わせて荷台45を移動させる平ベルト体110等の変形構造を説明する。水平支持部47aの後端側に平ベルト体110の送り終端部(回転ローラ114)を配置した構造(図4、図8参照)に代えて、図10に示す如く、傾斜支持部47bの後端側に平ベルト体110の送り終端部(回転ローラ114)を配置している。傾斜支持部47bの後端部にローラ軸114aを介して回転ローラ114を回転可能に軸支している。また、水平支持部47aの後端側の下方の車体フレーム6、即ち、車体フレーム6の水平支持部6aの後端部(傾斜支持部6bの前端部)に下支えローラ125を回転可能に配置している。
【0067】
図10に示す如く、走行機体2の傾斜支持位置(傾斜支持部6b)の傾斜下端側に回転ローラ114を配置し、走行機体2の水平支持位置(水平支持部6a)と傾斜支持位置(傾斜支持部6b)に沿わせるように平ベルト体110を延長させている。サブフレーム47の水平支持部47a及び傾斜支持部47bの上面に平ベルト体110の搬送側が摺動可能に支持されるように構成している。また、サブフレーム47の下面側の平ベルト体110の非搬送側が、下支えローラ125によって支持されるように構成している。走行機体2の水平支持位置(水平支持部6a)と傾斜支持位置(傾斜支持部6b)に平ベルト体110を介して荷台45をスムーズに移動できる。
【0068】
次に、図11を参照して、車体フレーム6に沿わせて荷台45を移動させる平ベルト体110等の変形構造を説明する。中央の横滑り防止ガイド体47cを挟んで、左右の平ベルト体110が略面一に張設された構造(図7参照)、換言すると、左右の平ベルト体110の互いに対向する側端縁を近接させた幅広の平ベルト体110の構造に代えて、図11に示す如く、左右幅を縮小した幅狭の平ベルト体110を配置している。左右の平ベルト体110の間に、平ベルト体110の左右幅よりも大きな空間を形成している。一組が2本のサブフレーム47からなる左右二組のサブフレーム47(複数の荷台フレーム)が、左右の車体フレーム6上に平行にそれぞれ配置されている。車体フレーム6の上方に左右二組のサブフレーム47(複数の荷台フレーム)を介して左右の平ベルト体110を延長させている。左右二組のサブフレーム47の上面に左右の平ベルト体110を介して荷台45を搭載している。
【0069】
上記の構成により、平ベルト体110の左右幅の中心位置の下方に車体フレーム6が並行に配置されるから、荷台45の最大積載荷重の設定又は荷台45の利用目的に応じて、車体フレーム6を中心に、平ベルト体110の左右幅寸法を左右方向に拡大又は縮小させることができ、平ベルト体110の仕様(左右幅寸法)を簡単に変更できる。また、左右2本の平ベルト体110、左右二組4本のサブフレーム47に代えて、例えば、3本の平ベルト体110と左右三組6本のサブフレーム47、又は4本の平ベルト体110と左右四組8本のサブフレーム47のように、平ベルト体110及びサブフレーム47の組付け数を増減させることによって、走行機体を軽量に構成でき、且つ荷台45の支持(積載荷重)に必要な走行機体2の剛性を簡単に確保できる。
【0070】
次に、図12を参照して、平ベルト体110及びサブフレーム47等の変形構造を説明する。水平支持部47aの後端側に傾斜支持部47bを連続的に一体形成して、傾斜支持部47bの後端側に平ベルト体110の送り終端部(回転ローラ114)を配置した構造(図10参照)に代えて、図12に示す如く、水平支持部47aの後端側に折曲げ支軸126を介して傾斜支持部47bの前端側を連結している。水平支持部47aの後端側に折曲げ支軸126を介して傾斜支持部47bを折曲げ可能に連結する。折曲げ支軸126回りに傾斜支持部47bが回動して、傾斜支持部47bの後端側が上下動するように構成している。
【0071】
即ち、走行機体2にサブフレーム47(荷台フレーム)を備えている。サブフレーム47(荷台フレーム)は、水平支持部47a(前端側フレーム)と、傾斜支持部47b(後端側フレーム)とを有する。走行機体2の車体フレーム6に水平支持部47aを並行に固着している。水平支持部47aの後端部に、折曲げ支軸126を介して、傾斜支持部47bの後端部を上下方向に折曲げ可能に連結している。また、傾斜支持部47bの後端部を上方に持上げるバネ機構127を備えている。バネ機構127は、車体フレーム6にシリンダ支軸128を介して設けるバネシリンダ129と、バネシリンダ129に内蔵したコイルスプリング等のバネ(図示省略)によって進出させるバネピストン130とを有する。傾斜支持部47bの前端と後端の間(中間)にピストン支軸131を介してバネピストン130の先端側を連結している。
【0072】
図12の仮想線に示す如く、水平支持部47aに荷台45が支持されているときに、バネピストン130が進出して、バネ機構127によって水平支持部47aの後端側に傾斜支持部47bが略一直線方向に延長される。傾斜支持部47bを介して、平ベルト体110が水平方向に延長可能に張設される。一方、図12の実線に示す如く、水平支持部47aから傾斜支持部47bに荷台45が移動したときに、荷台45の荷重によってバネピストン130が退入して、傾斜支持部47bの後端側を下動させるように構成している。即ち、荷台45の荷重によって傾斜支持部47bの後端側が下動したときに、傾斜支持部47bの後端側が後バンパ52に接離可能に当接し、車体フレーム6の傾斜支持部6bに、サブフレーム47の傾斜支持部47bが平行に支持されるように構成している。
【0073】
上記の構成により、水平支持部47a(走行機体2の水平支持位置)又は傾斜支持部47b(走行機体2の傾斜支持位置)に平ベルト体110を介して荷台45をスムーズに移動できる。水平支持部47aから傾斜支持部47bに荷台45が移動したときに、バネ機構127のバネ力に抗して、折曲げ支軸126回りに傾斜支持部47bの後端部が下方に回動し、荷台45を後向きに傾斜させるから、荷台45から荷物105を降ろすときの荷崩れ等を簡単に低減できる。また、傾斜支持部47bから水平支持部47aに荷台45が移動したときに、バネ機構127のバネ力によって、折曲げ支軸126回りに傾斜支持部47bの後端部が上方に回動し、荷台45を後向き傾斜姿勢から水平姿勢に移行させるから、斜支持部47bから水平支持部47aに荷台45をスムーズに移動でき、バラ積み荷物105が荷台45から零れ落ちるのを簡単に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】ユーティリティビークルの全体の側面図である。
【図2】ユーティリティビークルの全体の平面図である。
【図3】同走行機体の前部の拡大側面図である。
【図4】同走行機体の後部の拡大側面図である。
【図5】同走行機体の前部の拡大平面図である。
【図6】同走行機体の後部の拡大平面図である。
【図7】同走行機体及び荷台の拡大横断面説明図である。
【図8】走行機体の後部に荷台を移動させた側面図である。
【図9】図6の変形例を示す移転用PTO軸を設けた平面図である。
【図10】図8の変形例を示す平ベルト体を設けた側面図である。
【図11】図7の変形例を示す走行機体及び荷台の横断面説明図である。
【図12】図8の変形例を示す平ベルト体を設けた側面図である。
【符号の説明】
【0075】
2走行機体
3前車輪(操舵用車輪)
4後車輪(走行用車輪)
5エンジン
6車体フレーム
6a水平支持部
6b傾斜支持部
7ミッションケース
22ロプスフレーム
24操縦ハンドル
26運転座席
45荷台
47サブフレーム
47a水平支持部(走行機体の水平支持位置、前端側フレーム)
47b傾斜支持部(走行機体の傾斜支持位置、後端側フレーム)
47c横滑り防止ガイド体
52後部バンパ
69移転用電動モータ(移転機構)
90PTO軸
105荷物
110平ベルト体
114回転ローラ
115ロードチェン
116駆動スプロケット
117テンションバネ
126折曲げ支軸
127バネ機構
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機体に搭載されたエンジンと、走行用車輪に前記エンジンの回転を伝達するミッションケースと、操縦ハンドル及び運転座席と、荷台とを備えてなる多目的車両において、
前記走行機体に平ベルト体を介して前記荷台を移動可能に搭載し、前記走行機体上で前記平ベルト体を摺動させる移転機構を備え、前記移転機構によって平ベルト体を作動させることによって、前記走行機体の水平支持位置又は傾斜支持位置に前記荷台が移動するように構成したことを特徴とする多目的車両。
【請求項2】
前後方向に延長させる車体フレームによって前記走行機体を形成し、前記車体フレームは、前記荷台を水平姿勢に支持する水平支持部と、前記荷台を傾斜姿勢に支持する傾斜支持部とを有し、前記水平支持部の前記荷台の地上高よりも前記傾斜支持部の前記荷台の地上高が低くなるように構成し、前記水平支持部と前記傾斜支持部とに前記荷台が移動するように前記平ベルト体を張設したことを特徴とする請求項1に記載の多目的車両。
【請求項3】
前記車体フレームを略水平に延長させて前記水平支持部を形成し、前記車体フレームの後端側を下向きに延長させて前記傾斜支持部を形成し、前記水平支持部の後端側に前記傾斜支持部の前端側を連結させ、前記水平支持部及び前記傾斜支持部のうち少なくとも前記水平支持部に前記平ベルト体を張設したことを特徴とする請求項1に記載の多目的車両。
【請求項4】
前記荷台に前記平ベルト体の一端側を固着し、前記走行機体に回転ローラを介して前記平ベルト体の中間を張設させ、前記平ベルト体の他端側にロードチェンの一端側を固着し、前記走行機体に駆動スプロケットを介して前記ロードチェンの中間を張設させ、前記荷台にテンションバネを介して前記ロードチェンの他端側を連結したことを特徴とする請求項1に記載の多目的車両。
【請求項5】
前記走行機体の車体フレーム上で前後方向に荷台フレームを延長させ、前記荷台フレーム上に前記平ベルト体を摺動可能に配置したことを特徴とする請求項1に記載の多目的車両。
【請求項6】
前記走行機体の車体フレームにロプスフレームを立設した構造であって、前記ロプスフレームに前記荷台フレームの前端側を連結し、前記車体フレームの後端側に後部バンパを介して前記荷台フレームの後端側を連結したことを特徴とする請求項5に記載の多目的車両。
【請求項7】
前記移転機構として移転用電動モータを備え、前記移転用電動モータにて前記ロードチェンを作動させることによって、前記走行機体の水平支持位置又は前記傾斜支持位置に前記荷台を移動可能に構成したことを特徴とする請求項4に記載の多目的車両。
【請求項8】
前記走行機体上に、前後方向に延長させる複数の荷台フレームを配置し、前記荷台フレームの上面に横滑り防止ガイド体を介して前記平ベルト体を延長させ、前記荷台フレームの間に前記ロードチェンを張設させたことを特徴とする請求項4に記載の多目的車両。
【請求項9】
前記移転機構としてPTO軸を備え、前記PTO軸を介して前記ロードチェンを作動させることによって、前記走行機体に水平支持位置又は前記傾斜支持位置に前記荷台を移動可能に構成したことを特徴とする請求項4に記載の多目的車両。
【請求項10】
前記走行機体の傾斜支持位置の傾斜下端側に前記回転ローラを配置し、前記走行機体の水平支持位置と傾斜支持位置に沿わせるように前記平ベルト体を延長させたことを特徴とする請求項4に記載の多目的車両。
【請求項11】
前記走行機体の車体フレーム上に複数の荷台フレームを平行に配置し、前記車体フレームの上方に複数の荷台フレームを介して複数の前記平ベルト体を延長させ、複数の荷台フレームの上面に複数の前記平ベルト体を介して前記荷台を搭載したことを特徴とする請求項1に記載の多目的車両。
【請求項12】
前記走行機体に荷台フレームを備え、前記荷台フレームは前端側フレームと後端側フレームとを有し、前記走行機体に前記前端側フレームを固着し、前記前端側フレームの後端部に折曲げ支軸を介して前記後端側フレームの前端部を下方に折曲げ可能に連結し、前記後端側フレームの後端部を上方に持上げるバネ機構を備え、前記前端側フレーム及び後端側フレームに、前記平ベルト体を水平方向に延長可能に張設させたことを特徴とする請求項1に記載の多目的車両。
【請求項1】
走行機体に搭載されたエンジンと、走行用車輪に前記エンジンの回転を伝達するミッションケースと、操縦ハンドル及び運転座席と、荷台とを備えてなる多目的車両において、
前記走行機体に平ベルト体を介して前記荷台を移動可能に搭載し、前記走行機体上で前記平ベルト体を摺動させる移転機構を備え、前記移転機構によって平ベルト体を作動させることによって、前記走行機体の水平支持位置又は傾斜支持位置に前記荷台が移動するように構成したことを特徴とする多目的車両。
【請求項2】
前後方向に延長させる車体フレームによって前記走行機体を形成し、前記車体フレームは、前記荷台を水平姿勢に支持する水平支持部と、前記荷台を傾斜姿勢に支持する傾斜支持部とを有し、前記水平支持部の前記荷台の地上高よりも前記傾斜支持部の前記荷台の地上高が低くなるように構成し、前記水平支持部と前記傾斜支持部とに前記荷台が移動するように前記平ベルト体を張設したことを特徴とする請求項1に記載の多目的車両。
【請求項3】
前記車体フレームを略水平に延長させて前記水平支持部を形成し、前記車体フレームの後端側を下向きに延長させて前記傾斜支持部を形成し、前記水平支持部の後端側に前記傾斜支持部の前端側を連結させ、前記水平支持部及び前記傾斜支持部のうち少なくとも前記水平支持部に前記平ベルト体を張設したことを特徴とする請求項1に記載の多目的車両。
【請求項4】
前記荷台に前記平ベルト体の一端側を固着し、前記走行機体に回転ローラを介して前記平ベルト体の中間を張設させ、前記平ベルト体の他端側にロードチェンの一端側を固着し、前記走行機体に駆動スプロケットを介して前記ロードチェンの中間を張設させ、前記荷台にテンションバネを介して前記ロードチェンの他端側を連結したことを特徴とする請求項1に記載の多目的車両。
【請求項5】
前記走行機体の車体フレーム上で前後方向に荷台フレームを延長させ、前記荷台フレーム上に前記平ベルト体を摺動可能に配置したことを特徴とする請求項1に記載の多目的車両。
【請求項6】
前記走行機体の車体フレームにロプスフレームを立設した構造であって、前記ロプスフレームに前記荷台フレームの前端側を連結し、前記車体フレームの後端側に後部バンパを介して前記荷台フレームの後端側を連結したことを特徴とする請求項5に記載の多目的車両。
【請求項7】
前記移転機構として移転用電動モータを備え、前記移転用電動モータにて前記ロードチェンを作動させることによって、前記走行機体の水平支持位置又は前記傾斜支持位置に前記荷台を移動可能に構成したことを特徴とする請求項4に記載の多目的車両。
【請求項8】
前記走行機体上に、前後方向に延長させる複数の荷台フレームを配置し、前記荷台フレームの上面に横滑り防止ガイド体を介して前記平ベルト体を延長させ、前記荷台フレームの間に前記ロードチェンを張設させたことを特徴とする請求項4に記載の多目的車両。
【請求項9】
前記移転機構としてPTO軸を備え、前記PTO軸を介して前記ロードチェンを作動させることによって、前記走行機体に水平支持位置又は前記傾斜支持位置に前記荷台を移動可能に構成したことを特徴とする請求項4に記載の多目的車両。
【請求項10】
前記走行機体の傾斜支持位置の傾斜下端側に前記回転ローラを配置し、前記走行機体の水平支持位置と傾斜支持位置に沿わせるように前記平ベルト体を延長させたことを特徴とする請求項4に記載の多目的車両。
【請求項11】
前記走行機体の車体フレーム上に複数の荷台フレームを平行に配置し、前記車体フレームの上方に複数の荷台フレームを介して複数の前記平ベルト体を延長させ、複数の荷台フレームの上面に複数の前記平ベルト体を介して前記荷台を搭載したことを特徴とする請求項1に記載の多目的車両。
【請求項12】
前記走行機体に荷台フレームを備え、前記荷台フレームは前端側フレームと後端側フレームとを有し、前記走行機体に前記前端側フレームを固着し、前記前端側フレームの後端部に折曲げ支軸を介して前記後端側フレームの前端部を下方に折曲げ可能に連結し、前記後端側フレームの後端部を上方に持上げるバネ機構を備え、前記前端側フレーム及び後端側フレームに、前記平ベルト体を水平方向に延長可能に張設させたことを特徴とする請求項1に記載の多目的車両。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−292205(P2009−292205A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−145610(P2008−145610)
【出願日】平成20年6月3日(2008.6.3)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月3日(2008.6.3)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
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