説明

多色システム、低蒸気圧溶媒、およびエレクトロクロミック装置のためのアレイ調光制御装置

この発明は、多色エレクトロクロミック装置のための機器および方法、γ−ブチロラクトン(ガンマ−ブチロラクトン)を含むエレクトロクロミック装置のための電解質、ならびにエレクトロクロミック装置の制御システムおよび方法を提供する。1つの実施例では、第1の色のエレクトロクロミック材料の画素、つまり色素は、第2の色のエレクトロクロミック材料の画素が第2の区域(733)にある状態で基板(710)上の第1の区域(731)に配置されて、第1および第2の色の二次元パターンを規定する。供給される、加えられた電界または電流が変化するとき、この装置は、画素の配置のために、エレクトロクロミック材料のそれぞれの色を作り出す場合もあり、混合色を作り出す場合もある。電解質(740)は、ポリメタクリル酸メチルを含んでもよい。別の実施例では、電解質は、さらに、塩を含んでもよく、プロピレンカーボネートを含んでもよい。さらなる実施例では、窓システムは、複数の透明な窓、複数のエレクトロクロミック装置、複数の制御モジュールおよびメインコントローラを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この特許出願は、2004年10月27日に代理人整理番号BING−1−1085の下で出願された、「多色エレクトロクロミック機器および方法(Multi-color Electrochromic Apparatus and Methods)」と題される米国特許出願番号(第10/974,251号)、2004年10月27日に代理人整理番号BING−1−1086の下で出願された、「エレクトロクロミック装置のための低蒸気圧溶媒(Low Vapor Pressure Solvent for Electrochromic Devices)」と題される米国特許出願番号(第10/974,088号)、2004年10月27日に代理人整理番号BING−1−1087の下で出願された、「エレクトロクロミック装置のアレイのための調光制御システム(Dimming Control System for an Array of Electrochromic Devices)」と題される米国特許出願番号(第10/974,240号)、および2004年6月8日に発行された、シュ(Xu)らの「エレクトロクロミック有機ポリマー合成物、およびエレクトロクロミック有機ポリマーを利用する装置(Electrochromic Organic Polymer Syntheses and Devices Utilizing Electrochromic Organic Polymers)」と題される米国特許第6,747,780号に関連し、これらの出願および特許は引用によって本明細書に援用される。
【0002】
優先権の主張
この非仮特許出願は、2004年3月12日に出願された米国仮出願番号第60/552,453号、2004年3月12日に出願された米国仮出願番号第60/552,589号、および2004年3月12日に出願された米国仮出願番号第60/552,606号からの優先権を主張し、これらの仮出願は引用によって本明細書に援用される。
【0003】
発明の分野
この発明は概してエレクトロクロミック装置のための機器および方法に関し、より具体的には、2つ以上の色素を示すことができるエレクトロクロミック装置、エレクトロクロミック装置のための電解質、ならびにエレクトロクロミック装置のアレイを薄暗くするまたはその他の場合にはエレクトロクロミック装置のアレイを制御するための機器および方法に関する。
【背景技術】
【0004】
発明の背景
エレクトロクロミック装置は、加えられた電界もしくは電流に対して色濃度または不透明度を変化させる窓、日除け、仕切り、鏡、または電子ディスプレイとしてしばしば使用される。このようなエレクトロクロミック装置は典型的には多層アセンブリである。エレクトロクロミック装置の外層は典型的には、光学的に透明である[つまり、視覚スペクトルの波長または他の所望の波長の光を基本的には透過する]電極である。少なくとも1つのエレクトロクロミック層は電極に挟まれる。この層は、視覚効果を作り出すために、加えられた電界または電流の変化に反応して色の度合または不透明度を変化させることができる。エレクトロクロミック層はしばしば、エレクトロクロミック材料からなる有機ポリマーフィルムまたは無機質の薄いフィルムである。電圧が外部導体の両端に加えられるとき、電解質の中のイオンは典型的にはエレクトロクロミック層に移動し、エレクトロクロミック材料が色の状態を変化させるようにする。電圧を反転させることにより、イオンはエレクトロクロミック層から離れた方に移動し、この装置は以前の状態に戻る。
【0005】
電解質はしばしば、エレクトロクロミック層を活性化するイオンのための貯蔵場所の役
割を果たすように、および/または別個のイオン貯蔵場所材料もしくは対極とエレクトロクロミック層との間でイオンを運ぶための媒体をもたらすようにエレクトロクロミック装置において利用される。過塩素酸リチウム(LiClO4)またはトリフルオロスルホンイミド(LiN(CF3SO22)などの塩が、エレクトロクロミック層を活性化および不活性化するためにイオンをもたらすように利用されてもよい。塩は典型的には、電解質の中の溶媒に解離され、エレクトロクロミック層を活性化するのに使用されるイオンを自由にする。
【0006】
エレクトロクロミック装置におけるゲル電解質は、液体よりも漏れる可能性が少なく、寸法安定性がより高いので、好ましいことが多い。好ましいエレクトロクロミック装置において使用可能な1つのゲル電解質は、固体ポリマーマトリックス、特にポリメタクリル酸メチル(PMMA)のマトリックスを含む。
【0007】
電解質のイオン伝導率は高いことが望ましく、これはエレクトロクロミック装置が短絡しないように比較的低い導電率を有しながらイオンが電解質内を移動できるようにする。エレクトロクロミック装置用の電解質のための先行技術の溶媒は、アセトニトリルおよび/またはエチレンカーボネートを含む。しかしながら、エレクトロクロミック装置のために使用される溶媒の多くは比較的高い蒸気圧を有し、比較的揮発性であり、このため蒸発する可能性があり、および/または不安定であり、引火性がより高く、および/または毒性がより高い。電解質の中の溶媒の蒸発は、電解質の組成を変化させる可能性があり、エレクトロクロミック装置の機能性を劣化させる可能性がある。
【0008】
典型的には、エレクトロクロミック装置は、エレクトロクロミック層が活性化されるときに視覚スペクトルにおいて単一色を示し、その他の場合には透明である。このような単一色のエレクトロクロミック装置は、エレクトロクロミック層が活性化されるときに多色ディスプレイロゴ、構造パターンまたは絵を生み出すことができない。
【0009】
客室における航空機の窓のプルダウン式日除けは単純であるように見えるが、その日除けを航空機に一体化するための仕組みは複雑であり、日除けを設置または修理する労力は、登場しつつある代替例に対して高い。制御電力信号を切換えると暗くなるエレクトロクロミック(EC)装置は、より低いイニシャルコストおよびライフサイクルコストを約束する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明の概要
この発明は、多色エレクトロクロミック装置のための機器および方法を提供する。多色エレクトロクロミック装置の1つの実施例では、第1の色のエレクトロクロミック材料の画素(つまり、色素)は、第1の区域に配置され、第2の区域における第2の色のエレクトロクロミック材料の画素と置き換えられて、基板上で第1および第2の色の二次元パターンを規定する。各々の画素に供給される、加えられた電界または電流が変化するとき、各々の画素の中の色素が、画素の配置のために、そのそれぞれの色または混合色を作り出す。たとえば、窓の日除けの用途の場合、エレクトロクロミック材料は概して、可視光の透過を基本的には遮る色付きの状態と、可視光を透過する光学的に透明な状態との間で切換わる。透明な状態では、基板の中の情報または基板の後ろにある物体がエレクトロクロミック装置を通して目に見えるだろう。この発明のさらなる局面に従って、エレクトロクロミック材料は、エレクトロクロミック材料が活性化されるときにデザイン、パターン、ロゴまたは絵を形成してもよい。この発明のさらに他の局面では、多色エレクトロクロミックディスプレイを作るために複数の色が基板に施されるとき、基板はマスキングされ、マスキングを取られる。
【0011】
この発明は、さらに、エレクトロクロミック装置のための電解質を提供し、電解質はγ−ブチロラクトン(ガンマ−ブチロラクトンまたはGBL)を含む。電解質は、さらに、ポリメタクリル酸メチルを含んでもよい。電解質は、さらに、過塩素酸リチウムおよび/またはトリフルオロスルホンイミドを含む塩などの塩を含んでもよい。この発明のさらなる局面に従って、電解質はプロピレンカーボネートを含んでもよい。
【0012】
この発明は、さらに、商業旅客機のための窓を暗くするまたはその他の場合には窓を制御するための制御システムを含む、ECアレイ制御システムのためのシステムおよび方法を提供する。1つの実施例では、窓システムは、複数の透明な窓、複数のエレクトロクロミック装置、複数の制御モジュール、およびメインコントローラを含む。各々の透明な窓は、そこに作動的に関連付けられるエレクトロクロミック装置を有する。制御モジュールは、各々のエレクトロクロミック装置に作動的に結合され、エレクトロクロミック装置を活性化および不活性化するために電界を制御可能に調整するように適合される。最後に、メインコントローラは、複数の制御モジュールに作動的に結合され、複数のエレクトロクロミック装置を一斉に活性化および不活性化するために複数のエレクトロクロミック装置の電界を同時に調整するように適合される。1つの特定の実施例では、この発明に従う窓調光制御システムは、有利に、旅客機の既存の客室サービスシステムに組入れられてもよい。
【0013】
この発明の好ましい、および代替的な実施例は、図面を参照して以下に詳細に記載される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
詳細な説明
この発明はエレクトロクロミック装置に関する。この発明の或る実施例の多くの特定の詳細が、そのような実施例の完全な理解を提供するために以下の説明および図1〜19において述べられている。しかしながら、当業者であれば、この発明が追加の実施例を有し得ること、およびこの発明が以下の説明において説明される詳細のうちのいくつかがなくても実践され得ることを理解するであろう。
【0015】
この発明の実施例は、エレクトロクロミックパネルのためのγ−ブチロラクトン(ガンマ−ブチロラクトンまたはGBL)含有電解質を含んでいてもよい。一実施例では、GBL電解質は、高いイオン伝導率と、高い光透過率と、時間および温度の経過に対する安定性とを呈する。これらの特徴は、たとえば、手で引張る窓の日除けに取って代わる航空機の窓用のエレクトロクロミック日除けといった航空機用途において有用である。
【0016】
本出願は、この引用により、シュら、「エレクトロクロミック有機ポリマー合成物、およびエレクトロクロミック有機ポリマーを使用する装置」、2004年6月8日発行の米国特許第6,747,780 B2号;シュ(Xu),C.、リュ−(Liu),L.、レグニスキ(Legniski),S.、ル・ギュリー(Le Guilly),M.、タヤ(Taya),M.、ウェイドナー(Weidner),A.、「エレクトロクロミックポリマーに基づいた向上した高性能の窓」(Enhanced Smart Window Based on Electrochromic Polymers)、スマート・ストラクチャーズ・アンド・マテリアルズ(Smart Structures and Materials)2003、電気活性ポリマーアクチュエータおよび装置(Electroactive Polymer Actuators and Devices:EAPAD)、バー・コーヘン(Bar-Cohen),Y.編集、SPIE議事録、第5051巻、404〜411頁(2003年7月)(以下「引例A」とする);シュ,C.、リュ−,L.、レグニスキ,S.、ル・ギュリー,M.、タヤ,M.、「エレクトロクロミック装置(ECD)のためのゲル電解質候補」(Gel Electrolyte Candidates for
Electrochromic Devices (ECD))、スマート・ストラクチャーズ・アンド・マテリアル
ズ2004、電気活性ポリマーアクチュエータおよび装置(EAPAD)、バー・コーヘン,Y.編集、SPIE議事録、第5385巻、319〜325頁(2004年7月)(以下「引例B」とする);および、リュ−,L.、シュ,C.、レグニスキ,S.、ニング(Ning),D.、M.、タヤ,M.、「エレクトロクロミックポリマーに基づいた高性能の窓の設計:3,4−アルキレンジオキシチオフェンの新しい誘導体」(Design of Smart Window based on Electrochromic Polymers: New Derivatives of 3,4-alkylenedioxythiophene)、電気活性ポリマーアクチュエータおよび装置(EAPAD)、バー・コーヘン,Y.編集、SPIE議事録、第5385巻、454〜460頁(2004年7月)(以下「引例C」とする)を援用している。
【0017】
図1は、この発明の一実施例に従った航空機の窓の日除け5として使用される例示的なエレクトロクロミック装置の分解図である。構造窓40は、航空機胴体の壁60にシール30を用いて設置されている。構造窓40の機内側には、安全バックアップ窓ガラス20がある。エレクトロクロミック日除け10は、安全窓ガラス20と、航空機の内部の窓を包囲する航空機内部窓成形物50との間の位置に保持されている。エレクトロクロミック日除け10が活性化されると、それは色および/または不透明度の状態を変化させ、通常、航空機の外からの光の入射を調節することによって、航空機内部を薄暗くするかまたは明るくする。
【0018】
図2Aに移ると、この発明の一実施例に従った多色エレクトロクロミックパネル210が、旅客機の内部200における客室仕切り220の一部として位置付けられて図示されている。図2Aでは、パネル210は不活性化状態で図示されており、その場合、それは実質的に透明であり、パネル210越しに見通すことを可能にする。多色エレクトロクロミックパネル210は、客室の異なる区画を互いから分割する客室仕切り220によって保持されており、その一部を形成している。図2Aに示すようにエレクトロクロミックディスプレイ210が実質的に透明である場合、仕切り220越しに見通すことが可能である。乗物用途では、たとえば、仕切り220越しに見通すことは、乗降目的、規制上または安全上の理由で望ましい場合がある。
【0019】
いくつかの実施例では、1日のうちの時刻、フライト状況(離陸、着陸など)、または他の基準に基づいて環境を変化させるために、制御パネルは、エレクトロクロミックディスプレイ210の不透明度を変更するようプログラムされてもよい。また、これに代えて、エレクトロクロミックディスプレイ210は、客室内で十分な量の明るさのレベルが感知されると状態を変化させるようプログラムされてもよい。乗物または他の環境における例示的なディスプレイ210はこうして、時間とともに、或る時間に、または或る事象の最中に変化してもよい。ディスプレイ210はこうして、航空機、または他の乗物もしくは建築環境の内部200における自然採光を調整してもよい。ディスプレイ210はまた、仕切り220を形成することに加え、窓と組合されて使用されてもよい。
【0020】
図2Bは、図8Aのものと同様の旅客機客室内部300を示している。多色エレクトロクロミックパネル310の一実施例が、客室内部300に、客室仕切り320の一部として設置されている。図2Bでは、パネル310は、多色のロゴ330を提示している活性化状態で図示されている。活性化状態では、パネル310はロゴ330を表示し、乗客はパネル310越しに見通すことはできず、客室は視覚的に分割される。不活性化状態では、多色のロゴ330は消えて、パネル310は図2Aに示すように透明である。
【0021】
図3Aは、この発明の一実施例に従った例示的なエレクトロクロミック装置405の不活性化状態461での断面図を示している。装置405は、第1の透明電極410と第2の透明電極440とを含む。第1の電極410と第2の電極440との間に、かつ第1の電極410に隣接して配置されているのは、エレクトロクロミック層420である。エレ
クトロクロミック層420はこの例では、それが還元状態にあると色を変化させ、または暗くなる。限定のためではなく一例として、エレクトロクロミック層は、ポリ[3,3−ジメチル−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキセピン](PProDOT−(CH32)といったポリマーフィルムを含んでいてもよい。
【0022】
図3Aにさらに示すように、エレクトロクロミック層420と第2の電極440との間に位置付けられているのは、γ−ブチロラクトン(ガンマ−ブチロラクトンまたはGBL)ゲル電解質(GBL電解質)431の一実施例を含む電解質層430である。GBL電解質431は、GBLと、解離されると電界の印加によりエレクトロクロミック層420を活性化させる塩とを含んでいてもよい。GBL(C462)は、塩用の溶媒として機能可能な、蒸気圧が比較的低い本質的に無色の環状エステルである。所望の用途に依存して、他の公知の電解質が好適に電解質層430に含まれてもよい。
【0023】
エレクトロクロミック層420を活性化および不活性化させるために、電界(図示せず)がエレクトロクロミック層420およびGBL電解質431に印加される。この実施例では、電界は、第1の電極410および第2の電極440に接続された電源460によって供給される。第1の電極410および第2の電極440は、透明シート電極を形成するために、インジウム酸化錫(ITO)でコーティングされたガラス、アクリルまたはポリカーボネートを好適に含んでいてもよい。他の透明材料、他の電極材料、および、小規模プリント回路格子を含む他の構成が、ITOでコーティングされた透明電極の代わりに好適に置き換えられてもよい。図3Aでは、第1の電極410は電圧源460の正極に接続され、第2の電極440は電源460の負極に接続されている。図4Aおよび図4Bを参照してさらに説明されるように、この構成では、正の電荷が第1の電極410に印加された状態では、エレクトロクロミック層420は不活性化し、実質的に透明になる。第1の電極410、第2の電極440、およびGBL電解質431も実質的に透明であるため、この状態でのエレクトロクロミック装置405は全体として実質的に透明である。
【0024】
透明または無色という用語は、完全に透明(すなわち透過率100%)または完全に無色という意味に限定されるべきではなく、むしろ、透過率が部分的または不完全な状態、もしくは実質的に半透明の状態を含むよう読まれるべきである。透明または無色という用語は、通常のガラスのように、光の可視色周波数において実質的に光学的に澄んでおり、透過性を有すること、または、向こうにある物体が見えるように可視光を(または要望に応じて他の所望の周波数を)伝える特性を有することを含む。
【0025】
図3Bでは、図3Aのエレクトロクロミック装置405が、反転された電源462に接続されている。反転された電源462の負極は第1の電極410に接続され、反転電極462の正極は第2の電極40に接続されている。この構成では、エレクトロクロミック層420は活性化状態463に変化し、実質的に暗くなり、このためもはや実質的に透明ではない。図4Aおよび図4Bを参照して説明するように、反転された電極462によって供給される反転された磁界(図示せず)は、GBL電解質431から正のイオン(図示せず)を引付けてエレクトロクロミック層420と相互作用するようにし、それによりエレクトロクロミック層420を活性化させる。多くのエレクトロクロミック装置では、色の状態または透明度を変化させるだけのために、電界または反転された電界を保持して装置の色または透明度を維持する必要はない。
【0026】
図4Aおよび図4Bは、エレクトロクロミック層420とGBL含有ゲル電解質431(GBL電解質)との間の、図3Aおよび図3Bにあるもののような例示的な界面400の拡大象徴図であり、エレクトロクロミック層420は、図4Aではその作動状態のうちの一方461にあり、図4Bでは第2の作動状態463にある。この実施例では、GBL電解質431は、GBL含有電解質430を過塩素酸イオン433とリチウムイオン43
5とに解離する過塩素酸リチウム塩を含む。GBLは、過塩素酸リチウム塩をその成分イオンに解離する溶媒として作用する。図4Aに示すように、理論に縛られる意図はないものの、電界の存在下で、正極465が界面400のエレクトロクロミック層420側に隣接し、かつその外側にあり、負極467が界面400のGBL電解質431側に隣接し、かつその外側にある状態では、GBL電解質431内の過塩素酸イオン433はエレクトロクロミック層420へ向かって引付けられる。これにより、エレクトロクロミック層420は、酸化された状態を取得または保持し、このため、実質的に透明な、または不活性化した状態を取得または保持するようになる。また、これに代えて、GBL電解質431内のリチウムイオン435は、エレクトロクロミック層420から離れるように(負極467に向かって)引付けられ、このため、エレクトロクロミック層420を活性化させない。
【0027】
図4Bでは、電界は図2Aでのものから反転されている。負極467はエレクトロクロミック層420に隣接し、かつその外側にあり、正極465はGBL電解質431に隣接し、かつその外側にある。この構成では、ここでも理論に縛られる意図はないものの、界面400は、エレクトロクロミック層420に向かって、または電界の負極467に向かって引付けられるリチウムイオン435を有し、エレクトロクロミック層420を活性化させ、その色の状態を変化させ、この場合それを実質的に暗くする。電界の陰極または負極を形成するかまたはそれに隣接する場合に(この例では還元状態において)活性化されるエレクトロクロミック層420は、陰極エレクトロクロミック層である。エレクトロクロミック層はまた、陽極のものであってもよく、このため、印加された電極の陽極または正極を形成するかまたはそれに隣接する場合に活性化される。この発明のGBL電解質431は、陰極および陽極のエレクトロクロミック層の双方で使用されてもよい。
【0028】
GBL電解質431は、他の電解質と比較すると比較的低い蒸気圧と比較的低い毒性および低い可燃性とを有するものの、リチウムイオン435および過塩素酸イオン433を有利に解離して運ぶ。GBL電解質431内のGBLは溶媒として作用し、過塩素酸リチウム、トリフルオロスルホンイミド、別の好適な塩、またはそれらの混合物を解離して、イオンがエレクトロクロミック層を活性化させるようにする。ゲル化されたGBL電解質431は、有効量のポリメチルメタクリレートまたは他の好適な無色ゲル化剤を含む。GBLはまた、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、分子量がより高い他の環状エステル、または、本質的に無色で比較的非毒性であり、かつ比較的低い揮発度を有する他の好適な化合物といった、1つ以上の追加溶媒と混合されてもよい。
【0029】
限定のためではなく一例として、第2の溶媒としてのプロピレンカーボネートは、GBL含有電解質130内のGBLと好適に混合されてもよい。別の実施例では、好適なGBL含有電解質130は、約70重量%のGBLと、20重量%のプロピレンカーボネートと、3重量%の過塩素酸リチウムと、7重量%のポリメチルメタクリレートとを含む。この実施例の成分の重量パーセンテージは変化し、依然として機能性を保つことができる。いくつかの実施例では、プロピレンカーボネートのパーセンテージは0%近くまで減少されてもよく、揮発性の減少を結果としてもたらす。しかし、GBLは通常、プロピレンカーボネートよりも高価であるため、通常、コストの上昇をもたらす。また、これに代えて、プロピレンカーボネートの重量パーセンテージはまた、20%を上回って増加されてもよく、機能性は保たれるものの揮発性が増加する。追加量の過塩素酸リチウムは、エレクトロクロミック反応に使用されるものを超える追加イオンを供給するかもしれないが、通常、他の点では機能性に影響を与えない。過塩素酸リチウムの重量パーセンテージがかなり小さい場合、エレクトロクロミック層における色の変化が減少するかもしれない。代替的な一実施例では、たとえば、過塩素酸リチウムは約3重量%の塩であるトリフルオロスルホンイミドで置き換えられるか補われてもよい。
【0030】
ポリメチルメタクリレートの重量パーセンテージも変化してもよく、GBL含有電解質130の粘度に影響を与えるが、他の点では電解質の機能性に影響を与えない。いくつかのエレクトロクロミック装置は、ゲル化材料またはポリメチルメタクリレートが少ししかない本質的に液体の電解質を使用している。ポリメチルメタクリレートの量がかなり多いと、エレクトロクロミック装置に曇りをもたらす場合がある。
【0031】
GBLは、20℃で約1.5mmHgの蒸気圧を有する。20℃で72.8mmHgの蒸気圧を有するアセトニトリル(ACN)といった、蒸気圧がより高い溶媒と比較して、GBLは、エレクトロクロミック装置からの拡散および蒸発速度が好適により低い。GBLは、高いイオン伝導率と、高い光透過率と、時間および温度の経過に対する安定性とを好適に呈する。低粘度のGBLは、エレクトロクロミック層を活性化および不活性化する塩の高いイオン移動度を促進するイオン環境を提供する。GBL含有電解質130の例示的な一実施例では、電子的グレードのGBLが使用され、このGBLは残留水を除去するために分子ふるい上で乾燥される。
【0032】
GBLは高いイオン伝導率を好適に有していてもよく、イオン運動を促進する活性化エネルギの低下をもたらす。GBL、プロピレンカーボネート、過塩素酸リチウム、およびポリメチルメタクリレートを含む例示的なゲル電解質についての活性化エネルギは、約9.7kJ/モルである。比較として、電解質としてのACNは、83kJ/モルの活性化エネルギを有する。
【0033】
図5に示すように、例示的なGBL含有電解質は長期にわたって、安定した比較的高いイオン伝導率を呈する。図3に示すように、ACN含有電解質は高い初期伝導率(mS/cm)を呈するものの、それらのイオン伝導率は90日の間に低下する。過塩素酸リチウムを含む例示的なGBLゲル電解質は、若干より低いイオン伝導率を呈しているものの、安定したイオン伝導率を100日以上にわたって呈している。このため、この発明のGBL含有電解質130は、長期にわたって安定したイオン伝導率を好適に提供し、このため、エレクトロクロミック装置の寿命を延ばす場合がある。
【0034】
図6は、航空機の胴体580に設置された窓または日除け500として使用されるエレクトロクロミック装置の断面図を示している。窓500は、航空機または自動車用途のために比較的低い可燃性および毒性を好適に提供するGBL電解質530を含む。窓500は、第1の電極510と、エレクトロクロミック層520と、GBL電解質530と、第2の電極540とを含む多層アセンブリ505である。アセンブリ505は、この例では、航空機の胴体580の壁にエレクトロクロミック窓500を保持するようになっている枠570内に好適に保持される。GBL電解質530を含有するエレクトロクロミック窓500は、航空機用途についての安全上の適切な制限を遵守しつつ、イオン伝導率および安定性を好適に提供する。GBL電解質530は好適に、GBL電解質530内の塩イオン535が航空機環境において多数のサイクルを通してエレクトロクロミック層520を活性化および不活性化するようにする。構造窓層が窓500に追加されてもよく、窓500に日除けとしての役割を果たすことを委ねる。
【0035】
この発明のエレクトロクロミック装置はまた、多色エレクトロクロミック材料の少なくとも2つの色素を有する多色の、すなわちポリクロマティックのエレクトロクロミックパネルを含んでいてもよい。たとえば、図7は、この発明の一実施例に従った例示的な多色エレクトロクロミックパネル605を示している。パネル605は、あるデザインまたはパターン607でパネル605内に配置された3つのカラーゾーン、つまり第1のカラーゾーン610、第2のカラーゾーン620、および第3のカラーゾーン630を含む。代替的なカラーパネル605は、カラーゾーンを1つだけ、またはより多い数のカラーゾーンを好適に有していてもよい。この実施例におけるパターン607は、図10を参照して
さらに説明されるような、パネル605が設置される区域(図示せず)における他のデザイン、建築構成物、パターンまたは色に整合するかまたはそれを補うようにされた色付きの波のパターンである。エレクトロクロミック装置605は、エレクトロクロミック層が、実質的に透明な状態とは対照的な、不透明なまたは色付きの状態となるよう活性化された状態で示されている。不活性化状態では、この例示的なパネル605は実質的に透明であり、すなわち、ゾーン610、620および630はすべて実質的に透明であり、パターン607は見えない。いくつかの実施例では、パネル605が十分に活性化された状態にあっても、パターン607が依然として、観察者がパネル605越しに部分的に、または漠然と見ることができるようにするものであってもよい。
【0036】
図7Aは、図7のパネル605の第2のカラーゾーン620と第3のカラーゾーン630との界面625におけるエレクトロクロミック層650の典型的な断面の画素レベルでの拡大図である。エレクトロクロミック層650は複数の画素640に分割されている。この例では、画素640は均一のサイズおよび形状であり、正方形で、約2フィート以上という通常の人間の視距離から見た場合に画素640が混ざり合って色を形成するようなサイズである。形成された色は、画素640におけるさまざまな色のエレクトロクロミック材料のそれぞれの色の面密度またはパーセンテージに基づいている。この例では、画素640はさまざまな密度の3色のエレクトロクロミック材料、すなわち第1の色のエレクトロクロミック材料641、第2の色のエレクトロクロミック材料643、および第3の色のエレクトロクロミック材料645を含む。この実施例では、図7のパネル605の第2のカラーゾーン620は、第3の色のエレクトロクロミック材料645の画素から構成されており、一方、第3のカラーゾーン630は、第1の色のエレクトロクロミック材料641および第2の色のエレクトロクロミック材料643の画素の混合から構成されている。カラーエレクトロクロミック材料641、643、および645の画素640の面密度またはパーセンテージを変化させることによって、さまざまな色およびそのグラデーションが、画素640の視覚的混合から生成されてもよい。人間の目で通常の視距離から見た場合、第1の色のエレクトロクロミック材料641、第2の色のエレクトロクロミック材料643、および第3の色のエレクトロクロミック材料645の画素640が混ざり合って、変化した、かつグラデーションがついた色の所望の構成となっている。部分的な壁のサイズの多色エレクトロクロミックパネル605にとって好適な画素サイズは、約1平方ミリメートルの画素を含む。混ざり気のない色のエレクトロクロミック材料を表示するよう意図された単色区域では、そのような区域ははるかに大きな画素を有していてもよく、または、単一区域幅の「画素」に統合されてもよい。
【0037】
限定のためではなく一例として、エレクトロクロミック材料は、活性化されると、図7および図7Aを参照して説明されるように、多色エレクトロクロミックパネル605において視覚的に混合され得るさまざまな色を形成できる。たとえば、3、3−ジメチル−3,4−ジヒドロ−2H−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキセピン(1)は、還元状態で活性化されると青色を形成し、その他の場合は実質的に透明である。同様に、6,6−ジメチル−6,7−ジヒドロ−2H,5H−4,8−ジオキサ−2−アザ−アズレン(2)は、活性化または還元状態では赤色を形成し、その他の場合は実質的に透明である。他の色のエレクトロクロミック材料が利用可能であり、および/または開発中である。赤色および青色のエレクトロクロミック材料をさまざまな比率で組合せて、赤、青、および紫を生成してもよい。赤、青および緑の画素は、シアン、マゼンタおよびイエローのエレクトロクロミック材料と同様に、非常に幅広いパレットの色を形成するために組合せることができる。
【0038】
基板上、または多数の活性化層のサンドイッチにおける色の重ね合わせはまた、各々のまたは多数の色の層が活性化されるにつれ、さらに別の色または可変の色を生成してもよい(たとえば引例Cを参照)。一例として、赤、紫、青、実質的に透明、および黒といっ
た色は、赤または青のエレクトロクロミック材料の組合せを用いて、赤および青のエレクトロクロミック材料の一方または双方をさまざまな強度に一緒に、または別個に活性化させるか、もしくは全く活性化させないことによって好適に表示されてもよい。また、これに代えて、分割された活性化電荷をディスプレイ605に印加し、こうしてディスプレイ605の画素640またはセクションの異なる部分集合および組合せに異なる電荷体制を供給することも、異なる時点においてディスプレイ405からさまざまな組合せの色、透明度、および不透明度を同様に生成する。
【0039】
図8は、単一のエレクトロクロミック層の例示的な多色エレクトロクロミックパネル705の断面を示す。パネル705は第1の透明基板710を有し、それに透明導電体720が堆積されている。透明導電体720には、第1の色のエレクトロクロミック材料731の区域と、第2の色のエレクトロクロミック材料733の区域と、第3の色のエレクトロクロミック材料735の区域とを含むエレクトロクロミック層730が堆積されている。透明導電体720は、電荷または電界がカラーエレクトロクロミック材料731、733、および735に印加されるようにする。上述のように、第1の材料731、第2の材料733、および第3の材料735の区域は好適に十分小さいため、活性化されて通常の視距離から見た場合、色が視覚的に混ざり合って、異なる色が表示され得るパネル705上に異なる区域を形成する。エレクトロクロミック層730に隣接するのはゲル電解質層740であり、それは、エレクトロクロミック層730を活性化および不活性化するイオンを伝導し、ある程度貯蔵する。この発明のいくつかの実施例では、ゲル電解質はGBLを含む。
【0040】
例示的なパネル705はまた、いくつかの実施例では金(Au)を含む格子を含んだ導電体格子760を有するイオン貯蔵層750を取入れていてもよい。イオン貯蔵層750は、エレクトロクロミック層730を活性化および不活性化するイオンに対して逆帯電した対等物を好適に引付けて貯蔵する。
【0041】
動作時、第2の透明基板770に搭載された第2の透明導電体780によって、イオン貯蔵層750および格子760に電荷が供給されてもよい。
【0042】
図9では、例示的な多色エレクトロクロミック層の作製中、色付きのエレクトロクロミック材料811が、透明基板830上の透明導電体820上に堆積される。マスク810および815は、導電体820の別個の選択された部分812および816をそれぞれ覆う。導電体の第3の部分813はマスキングされておらず、エレクトロクロミック材料808(たとえば重合されていないエレクトロクロミック材料)の噴出(ジェット)809が、スプレー装置805のノズル807から噴出されるようにする。第1のマスク810および第2のマスク815はその後除去されてもよく、スプレー装置805は、透明導電体820上の、前にマスキングされていた導電体820の部分812および816に、別の色のエレクトロクロミック材料の噴出(図示せず)を向けるために使用されてもよい。好適なマスキング材料は、たとえば、ポリイミドなどの除去可能なマスキング材料を含む。
【0043】
この実施例では、エレクトロクロミック材料808の噴出809が透明導電体820のマスキングされていない部分813に向けてスプレーされると、エレクトロクロミック材料808は、導電体820に印加された電荷によって電解重合される。スプレー時、材料808は、帯電した導電体820に接触すると重合する。また、これに代えて、たとえば、除去または取り外し可能なマスキング材料810および815の代わりに、別個のスクリーンマスクが使用されてもよい。さらに、代替的な実施例では、規定された送達量と形作られた噴出808とを用いて、透明導電体820の異なる区域が、別個のマスクを利用することなく、色付きのエレクトロクロミック材料でコーティングされてもよい。
【0044】
図10は、多色エレクトロクロミックパネル910が客室仕切り920に設置された、図2Aおよび図2Bに示すものと同様の例示的な航空機内部900を示している。この実施例では、パネル910は(ここで示されるように)活性化されると、同様ではあるもののエレクトロクロミックではない内部デザインまたはパターン931を有し得る客室仕切り920の他の部分とコーディネートされ、視覚的に整合し得る、カラーコーディネートされた内部デザインまたはパターン930を表示する。エレクトロクロミックパネル910が不活性状態にある場合、パネル910は実質的に透明である。図10に示すもののような多色パネル910は、さまざまな建築詳細、デザイン、パターン、および色に整合するカラーパターンを有していてもよく、また、乗物、建物、標識などに使用されてもよい。
【0045】
この発明の追加の実施例は、エレクトロクロミック装置のアレイを制御するためのシステムおよび方法を含む。これらは、大型商用輸送機の客室の窓用といった窓調光制御システムを含んでいてもよい。一実施例では、制御システムは、客室全体の窓に電子制御信号を配給するために既存の配線を使用する。そうすることにより、エレクトロクロミック装置用の配線の重量およびコストの多くが回避される。
【0046】
図11は、この発明の別の実施例に従った窓調光システム1000の概略図である。この実施例では、窓調光システム1000は、第1のゾーン1010および第2のゾーン1020に作動的に結合された少なくとも1つの客室乗務員制御パネル1002を含む。各ゾーン1010および1020は、客室乗務員制御パネル1002に、および電源1030に作動的に結合されたゾーン制御ボックス1012および1022をそれぞれ含む。また、第1のゾーン1010および第2のゾーン1020の各々は、複数の照明制御モジュール1014および1024をそれぞれ含み、それらは次に、複数の乗客制御パネル1049に作動的に結合されている。乗客制御パネル1049は、関連するエレクトロクロミック装置1050に別個に接続されている。
【0047】
図11は、客室乗務員制御パネル1002および乗客制御パネル1049が導電部材(たとえば配線)を介してエレクトロクロミック装置1050に結合されていることを示しているが、代替的な実施例では、制御パネル1049、1002は、たとえば無線信号または他の電磁信号を用いて、エレクトロクロミック装置1050に無線で作動的に結合されていてもよい。たとえば、客室乗務員制御パネル1002は、乗務員が携帯するポータブル遠隔制御ユニットに好適に組込まれていてもよい。また、これに代えて、多重スイッチング回路も使用されてもよく、制御するエレクトロクロミック装置1050の選択を可能にする。
【0048】
動作時、乗客制御モジュール1049の各々は、以下により十分に説明されるように、その関連するエレクトロクロミック装置1050の色または不透明度を変化させるよう(たとえば乗客によって)調節可能に制御されてもよい。各ゾーン制御ボックス1012および1022は、客室乗務員制御パネル1002から制御データ1003を受取るようになっており、それらの制御コマンドを適切なエレクトロクロミック装置1050に中継する責任がある。乗客制御モジュール1049は、客室乗務員制御パネル1002から出力された制御データ1003によって制御されるかまたは手動制御されてもよく、乗務員にたとえば安全上の理由で照明を管理することを委ねる。
【0049】
図11に示す実施例では、1つの乗客制御モジュール1049が各エレクトロクロミック装置1050に結合される。この構成は、たとえば、航空機の窓側の各座席に乗客制御モジュール1049を設けるのに好適であり得る。しかしながら、代替的な実施例では、たとえば、同じ列の他の座席など、複数の乗客制御モジュール1049が、各エレクトロ
クロミック装置1050に結合されてもよい。そのような代替的な実施例では、複数の乗客制御モジュール1049間で制御権限の序列が確立されてもよく、たとえば、それぞれの窓からの距離が長くなるにつれて制御権限が下がるといったような例が挙げられる。
【0050】
窓調光制御システム1000は、複数のエレクトロクロミック装置1050の不透明度に対する改良された制御権限を有利に提供する。たとえば、ある動作モードでは、商用航空機の客室内の各乗客が、自分のエレクトロクロミック装置1050の不透明度を、ひいては自分の窓の色調、色または透明度を、関連する乗客制御モジュール1049を用いて制御できるようになっていてもよい。しかしながら、代替的な動作モードでは、客室乗務員または他の認可された人が、客室内の照明の均一性を制御するよう必要に応じて(たとえば機内映画の上映中、離陸および着陸中など)客室乗務員制御パネル1002を用いて個々の乗客の設定を手動制御できるようになっていてもよい。
【0051】
客室乗務員制御パネル1002は、エレクトロクロミック装置1050に対する制御権限をさまざまなやり方で提供するようになっていてもよい。たとえば、客室乗務員制御パネル1002は、エレクトロクロミック装置1050の1つ、いくつか、すべて、または任意の他の所望の組合せに対応してもよい。制御パネル1002はプログラム可能であってもよく、または、状況について選択される制御オプションを含んでいてもよい。客室乗務員制御パネルは、エレクトロクロミック装置1050のコンピュータ化された、または自動化された制御を提供するコンピュータプロセッサ1007を含むかそれにリンクされていてもよい。たとえば、特定の一実施例では、客室乗務員制御パネル1002は、プロセッサ1007を介して、1日のうちの時刻、フライト状況(離陸、着陸など)、または他の基準に基づいて環境を変化させるために、すべてのエレクトロクロミック装置1050の不透明度を変更するようプログラムされてもよい。また、これに代えて、制御パネル1002は、客室内で十分な量の光が感知されると、自動的に状態を変化させるようプログラムされてもよい。一方、乗務員は、客室乗務員制御パネル1002を利用して、所望の照明条件について必要に応じてある特定の乗客(たとえばある特定の窓側の座席)または乗客のある選択されたグループ(たとえば窓側の座席のある選択されたグループ)の乗客制御モジュール1049を手動制御してもよい。
【0052】
代表的な一実施例では、窓調光システム1000は、電源1030によって電力を供給される電界の極性および強度を制御可能に変化させるようになっている(第1および第2のゾーンボックス1012および1022を介した)照明制御モジュール1014および1024と客室乗務員制御パネル1002とによって操作される。エレクトロクロミック装置1050を航空機の窓に隣接して位置付けることにより、エレクトロクロミック装置1050の不透明度は、航空機の窓を明るくする、または暗くするよう制御可能に変更されてもよい。
【0053】
エレクトロクロミック装置1050はさまざまな実施例を仮定してもよく、上述のものおよび図1ならびに図2Aに図示されたもの以外の実施例を含んでいてもよい。図11を参照して上述されたこの発明は、特定のエレクトロクロミック装置1050に限定されるよう解釈されてはならず、実際、電気的に制御されるどの日除けででも利用されてもよい。さらに、代替的な実施例では、この発明に従ったエレクトロクロミック装置は、周囲の構造(たとえば図1の航空機の胴体280)に結合される必要はない。より特定的には、代替的な実施例では、エレクトロクロミック装置は自立ユニットであってもよい。
【0054】
図12では、窓調光システム1100は、第1のゾーン1110および第2のゾーン1120に作動的に結合された客室乗務員制御パネル1102を含む。各ゾーンは、客室乗務員制御パネル1102に、および電源1130に作動的に結合されたゾーンスイッチモジュール1112、1122を含む。この実施例では、ゾーンスイッチモジュール111
2は、第1のゾーン1110の第1の下位部分1111および第2の下位部分1113を制御し、一方、ゾーンスイッチモジュール1124は、第2のゾーン1120全体を制御する。また、第1のゾーン1110および第2のゾーン1120の各々は、複数の頭上電子ユニット1114および1124をそれぞれ含み、次にそれらは各々、関連する乗客読書灯1115および1125にそれぞれ作動的に結合される。第1のゾーン1110はさらに、頭上電子ユニット1114に、および関連するエレクトロクロミック調光可能窓1119に作動的に結合された複数の調光制御装置1118を含む。乗客調光制御装置1118は、乗客にとって便利なように、各座席または座席の列に、肘掛け、トレイテーブル、背もたれまたは内部パネル上に配置される。
【0055】
動作時、第1のゾーン1110の調光可能窓1119の各々は、関連する調光制御装置1118を用いて、他の調光可能窓1119とは独立して調節可能に制御されてもよい。また、これに代えて、客室乗務員制御パネル1102を用いて、調光可能窓1119のすべてが制御されてもよい。客室乗務員制御パネル1102は、個々の調光制御装置1118の各々に対する手動制御権限を有していてもよく、第1のゾーン1110および第2のゾーン1120の複数の調光可能窓1119を独立して、または調和して(もしくはその双方で)選択的に活性化および不活性化するよう、第1のゾーン1110および第2のゾーン1120の複数の調光可能窓1119内の電界を同時に調節するようになっている。
【0056】
窓調光制御システム1100は、航空機の客室全体の調光可能窓1120に所望の電子制御信号を配給するために、既存の配線を有利に利用する。このように、他のやり方ではこの作業専用に必要となるような配線の重量およびコストが少なくなり、またはいらなくなる。特定の一実施例では、たとえば、調光制御装置1118および関連する調光可能窓1119は、たとえば、各乗客の座席に関連する読書灯を含む主客室内の他の機能を制御する既存の客室サービスシステム(CSS)に簡単に組込まれる。
【0057】
この発明の代替的な実施例に従ったエレクトロクロミック装置アレイ制御システムを含むさまざまな機器が考えられてもよい。たとえば、図13は、複数の窓アセンブリ1201と、この発明の代替的な実施例に従って形成された1つ以上の窓調光制御システム1202とを有する航空機1200の側面図である。
【0058】
一般に、この発明に従って形成された窓調光制御システム1202を除き、航空機1200のさまざまな構成要素およびサブシステムは、公知の構成のものであってもよく、簡潔さのために詳細には説明されない。上述された、および図11〜図12に示された実施例を含むもののそれらに限定されない、この発明に従った窓調光制御システム1202の実施例は、航空機1200全体のどの所望の場所ででも採用されてもよい。
【0059】
より特定的には、図13に示すように、航空機1200は、胴体1205内に配置された機体(見えず)に結合された1つ以上の推進ユニット1204と、翼アセンブリ1206(または他の揚力面)と、尾翼アセンブリ1208と、着陸アセンブリ1210と、制御システム(見えず)1212と、航空機1200の適正な動作を可能にする多数の他のシステムおよびサブシステムとを含む。複数の窓アセンブリ1201は胴体1205全体にわたって分布されており、この発明に従った複数の窓調光制御システム1202は、たとえば、コックピット(1202a)、ファーストクラスセクション(1202c)、およびエコノミーまたはビジネスクラスセクション(1202c)内を含む航空機1200のさまざまな部分全体にわたって分布されている。
【0060】
図11に示す航空機1200は一般に、たとえばイリノイ(Illinois)州シカゴ(Chicago)のザ・ボーイング・カンパニー(The Boeing Company)から商業的に入手可能な737、747、757、767、777、および7E7型機を含む商用旅客機を表わして
いるが、開示されたこの発明の機器および方法は事実上、他のどのタイプの航空機において採用されてもよい。より特定的には、この発明の教示は、たとえば、ここに引用により援用される、エンゾー エンゼルッチ(Enzo Angelucci)による「軍用機の図解百科事典」(The Illustrated Encyclopedia of Military Aircraft)、ブック・セールス・パブリッシャーズ(Book Sales Publishers)社出版、2001年9月、および「ジェーンの全世界の航空機」(Jane's All the World's Aircraft)英国、サリー(Surrey)、クールスドン(Coulsdon)のジェーンズ・インフォメーション・グループ(Jane's Information Group)社出版に記載されているものを含む、他のタイプおよび機種の旅客機、戦闘機、貨物輸送機、回転式航空機、および任意の他のタイプの航空機に適用されてもよい。この発明に従った機器および方法の代替的な実施例は、たとえば、船、バス、列車、RV車、地下鉄、モノレール、家、アパートメント、オフィスビル、または任意の他の所望の用途を含む他の用途において使用されてもよい。
【0061】
図14は、代表的な旅客機の床配置図1300の上面図を示す。旅客機床配置図1300は、ビジネスセクションの左舷部分をカバーする第1の左舷制御システム1310および右舷部分をカバーする第1の右舷制御システム1311と、前方エコノミーセクション制御システム1320と、後方エコノミーセクションをカバーする第2の左舷制御システム1330および右舷制御システム1331とを含む。図14に示す窓制御システムの各々は、図11〜12を参照して上述したような1つ以上のゾーンを含んでいてもよい。明らかに、この発明に従ったさまざまな構成の窓制御システムを有する旅客機床配置図1300のさまざまな代替的な実施例が考えられ得る。
【0062】
図15Aでは、旅客機セクション1400は、第1または左のゾーン1411と第2または右のゾーン1413とを有する窓制御システム1410を含む。主制御モジュール1412は、窓制御システム1410のエレクトロクロミック装置1420に無線で結合されている。乗客制御モジュール1430は、乗客の座席1440の上部に位置付けられている。図15Bにさらに示すように、別の実施例では、旅客機セクション1450は、自立エレクトロクロミックディスプレイまたはパーティション1475を制御するようにされた制御システム1460を含む。主制御モジュール1462は、航空機セクション1450において頭上に配置されている。1つ以上の乗客制御モジュール1480は、たとえば、隣接する座席1490間のアームレスト内、または航空機セクション1450の上方および側方部を含む、座席1490の近傍に配置されてもよい。同様に、主制御モジュール1462はどの所望の場所に配置されてもよい。
【0063】
図16および図17に示すように、例示的な窓アセンブリ1500は、窓部材1510と、窓部材1510に隣接して配置されたエレクトロクロミックアセンブリ1550とを含む。乗客制御モジュール1560が、エレクトロクロミックアセンブリ1550に作動的に結合されている。窓部材1510の外周周りに縁取り1514が配置されている。電源1562は、電力を窓アセンブリ1500に供給する。エレクトロクロミックアセンブリ1550の周囲のバスバー1581および1583は、アセンブリ1550に電気的接続を提供する。
【0064】
図18は、図16のエレクトロクロミック装置1550の外周の詳細な断面図である。装置1550は2つの透明な外層、すなわち互いに近接する第1の外層1551と第2の外層1553とを含む。外層1551および1553は、一例として、ガラス、アクリル、またはポリカーボネートを含んでいてもよい。外層1551および1553は、それらの内面を、第1の透明電極コーティング1577および第2の透明電極コーティング1579でそれぞれコーティングされている。第1の外層1551の中央部1552では、第1の電極コーティング1577上にエレクトロクロミック層1561が堆積されている。第2の外層1553の中央部1552では、第2の電極コーティング1579上に対極格
子1565が堆積されている。対極格子1565とエレクトロクロミック層1561との間には、ゲル電解質1563の層がある。
【0065】
第1の電極コーティング1571の縁部1554に取付けられているのは、第1のバスバー1581である。図17に示すように、第1のバスバー1581は第1の外層1551の周囲に好適に及んでおり、第1の透明電極コーティング1577に電気的接続を提供する。第2の電極コーティング1579の縁部1554に取付けられているのは、第2のバスバー1583であり、図17に示すように、第2の外層1553の周囲に好適に及んでおり、第2の透明電極コーティング1579に電気的接続を提供する。第1のバスバー1581および第2のバスバー1583は、好適には、一例として銅片を含む、どの導電体であってもよい。第1のバスバー1581と第2のバスバー1583との間に空間1585が保持され、第1のバスバー1581および第2のバスバー1583が互いに接触することなく、電荷がそれらのそれぞれの電極層1577および1579に供給されるようになっている。空間1585はまた、誘電体を保持するかまたは誘電体で充填されていてもよく、バスバー1581とバスバー1582との間に絶縁を提供する。第1の外層1551と第2の外層1553との間、それらの中央部1552とそれらの縁部1554との間の第1の接着シール1571は、エレクトロクロミック層1561、電解質1563、および対極格子1565の縁を好適に密封して含んでおり、バスバー1581および1583に電気的に結合された電源(図示せず)を介して電荷が装置1550に印加された場合に装置が活性化および不活性化するようにする。第2の接着シール1573は、第1の外層1551および第2の外層1553の最も外側の縁1556を密封し、バスバー1581および1583を外部環境から好適に分離して絶縁する。さらに、第1の外層1551および第2の外層1553の縁部1554および最も外側の縁1556は、縁取り1587によって包囲されている。縁取り1587はこの実施例では、第1の外層1551および第2の外層1553を含む装置1550の構成要素を、それらの間に電極層1577および1579、エレクトロクロミック層1561、電解質1563、対極格子1565、2つのバスバー1581および1583を固定して共に保持することを助けるクリップの形をしている。
【0066】
図19は、透明部1612と縁取り部1614とを有する第1の窓部材1610を含む窓アセンブリ1600の分解等角図である。同様に、外側の第2の窓部材1620は、透明部1622と搭載部1624とを含む。エレクトロクロミックアセンブリ1650は、第1の窓部材1610と第2の窓部材1620との間に配置されている。乗客制御装置1660は、第1の窓部材1610の縁取り部1614内に、この例では航空機用の内側窓部材に配置され、エレクトロクロミックアセンブリ1650に作動的に結合されている。乗客制御装置1660は、たとえば、窓側の座席の乗客が、図11および図12を参照して説明されたような主コントローラ(図示せず)からの手動制御信号に支配されつつ、エレクトロクロミックアセンブリ1650を望むように制御できるようにする。
【0067】
この発明の好ましい、および代替的な実施例が例示され、説明されてきたが、上述のように、多くの変更が、この発明の精神および範囲から逸脱することなく行なわれてもよい。したがって、この発明の範囲は、好ましい、および代替的な実施例の開示によって限定されない。代わりに、この発明はすべて特許請求の範囲を参照することによって判断されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】エレクトロクロミック装置を組入れる航空機の窓の分解等角図である。
【図2A】客室の仕切りとして多色エレクトロクロミック装置(不活性化された透明な状態で示される)を組入れる航空機内部の斜視図である。
【図2B】ロゴを示す多色エレクトロクロミック装置(活性化された色付きの状態で示される)を組入れる航空機内部の斜視図である。
【図3A】不活性化された状態の、例示的なγ−ブチロラクトン(ガンマ−ブチロラクトンまたはGBL)電解質を組入れる例示的なエレクトロクロミック装置である。
【図3B】活性化された状態の、例示的なGBL電解質を含む例示的なエレクトロクロミック装置である。
【図4A】不活性化された状態のエレクトロクロミック層を有する、エレクトロクロミック層と例示的なGBL電解質との間の例示的な界面の拡大図である。
【図4B】活性化された状態のエレクトロクロミック層を有する、エレクトロクロミック層と例示的なGBL電解質との間の例示的な界面の拡大図である。
【図5】例示的なゲル電解質のイオン伝導率の時間経過の図である。
【図6】例示的なGBL電解質を組入れる例示的なエレクトロクロミックの航空機の窓の断面図である。
【図7】パターンを示す例示的な多色エレクトロクロミックパネルの平面図である。
【図7A】多色エレクトロクロミック層の例示的な点在する画素を示す、図7のエレクトロクロミックパネルのセクションの拡大図である。
【図8】例示的な多色エレクトロクロミック装置の断面図である。
【図9】基板上への多色エレクトロクロミック層の堆積の断面図である。
【図10】パターンを示す多色エレクトロクロミック装置(活性化された色付きの状態で示される)を組入れる航空機内部の斜視図である。
【図11】窓調光システムの概略図である。
【図12】代替的な窓調光システムの概略図である。
【図13】この発明の代替的な実施例に従う航空機の側面図である。
【図14】この発明の実施例を組入れる代表的な旅客機の床配置図の上面図を示す。
【図15A】この発明の実施例を組入れる旅客機セクションの端部断面図を示す。
【図15B】図15Bと同様の代替的な旅客機セクションの端部断面図を示す。
【図16】エレクトロクロミック装置を組入れる窓アセンブリの正面図である。
【図17】図16の窓アセンブリの分解等角図である。
【図18】図16の窓アセンブリの部分断面図である。
【図19】エレクトロクロミック装置を含む別の窓アセンブリの分解等角図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレクトロクロミック装置であって、
基板上に配置される、第1のエレクトロクロミック材料からなる少なくとも1つの第1の区域と、
前記基板上に配置される、第2のエレクトロクロミック材料からなる少なくとも1つの第2の区域とを備える、エレクトロクロミック装置。
【請求項2】
前記第1の区域を電気的に活性化するように配置され、前記第2の区域を電気的に活性化するように配置されるコントローラをさらに備える、請求項1に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項3】
前記第1の区域および前記第2の区域は、前記基板上に第1の色および第2の色の二次元パターンを形成するように前記基板上に配置される、請求項1に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項4】
前記基板上に配置される、第3の色のエレクトロクロミック材料からなる少なくとも1つの第3の区域をさらに備える、請求項1に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項5】
GBLを含む電解質をさらに備える、請求項1に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項6】
エレクトロクロミック装置のためのエレクトロクロミック層であって、
基板上に配置される、第1の色のエレクトロクロミック材料の複数の第1の画素と、
前記基板上に配置される、第2の色のエレクトロクロミック材料の複数の第2の画素とを備え、前記第2の画素は、前記第1の色のエレクトロクロミック材料および前記第2の色のエレクトロクロミック材料のうちの少なくとも1つが色の状態間で変化するときに複数の色の外観をもたらすように、前記第1の画素に少なくとも部分的に点在する、エレクトロクロミック層。
【請求項7】
前記第1の色のエレクトロクロミック材料は、赤色のエレクトロクロミック材料および青色のエレクトロクロミック材料のうちの1つを含む、請求項6に記載のエレクトロクロミック層。
【請求項8】
前記基板上に配置される、第3の色のエレクトロクロミック材料の複数の第3の画素をさらに備え、前記第3の画素は、前記第1の色のエレクトロクロミック材料、前記第2の色のエレクトロクロミック材料および前記第3の色のエレクトロクロミック材料のうちの少なくとも1つが色の状態間で変化するときに複数の色の外観をもたらすように、前記第1の画素および前記第2の画素に少なくとも部分的に点在する、請求項6に記載のエレクトロクロミック層。
【請求項9】
前記第1の色のエレクトロクロミック材料は赤色のエレクトロクロミック材料を含み、前記第2のエレクトロクロミック材料は青色のエレクトロクロミック材料を含み、前記第3の色のエレクトロクロミック材料は緑色のエレクトロクロミック材料を含む、請求項8に記載のエレクトロクロミック層。
【請求項10】
前記第1の色のエレクトロクロミック材料はシアン色のエレクトロクロミック材料を含み、前記第2のエレクトロクロミック材料はマゼンタ色のエレクトロクロミック材料を含み、前記第3の色のエレクトロクロミック材料は黄色のエレクトロクロミック材料を含む、請求項8に記載のエレクトロクロミック層。
【請求項11】
多色エレクトロクロミック装置であって、
第1の色のエレクトロクロミック材料と、
第2の色のエレクトロクロミック材料とを備え、前記第2の色のエレクトロクロミック材料は、前記第1の色のエレクトロクロミック材料および前記第2の色のエレクトロクロミック材料のうちの少なくとも1つが状態間で変化するときに複数の色の外観をもたらすように、前記第1の色のエレクトロクロミック材料に近接する、多色エレクトロクロミック装置。
【請求項12】
第3の色のエレクトロクロミック材料をさらに備え、前記色のエレクトロクロミック材料は、前記第1の色のエレクトロクロミック材料、前記第2の色のエレクトロクロミック材料および前記第3の色のエレクトロクロミック材料のうちの少なくとも1つが状態を変化させるときに複数の色の外観をもたらすように、前記第1の色のエレクトロクロミック材料および前記第2の色のエレクトロクロミック材料に近接する、請求項11に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項13】
前記第1の色のエレクトロクロミック材料および前記第2の色のエレクトロクロミック材料は、多色デザインを形成するようにパターン状に点在する、請求項11に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項14】
多色エレクトロクロミックパネルであって、
複数の色のエレクトロクロミック材料が色の状態を変化させると複数の可視色の外観を示すようにパターン状に点在する前記複数の色のエレクトロクロミック材料を含有するエレクトロクロミック層と、
少なくとも部分的に実質的に透明であることと少なくとも部分的に前記複数の色を示すこととが交互であるように所望される場所に前記エレクトロクロミック層を保持するように適合されるフレームとを備える、多色エレクトロクロミックパネル。
【請求項15】
前記複数の色のエレクトロクロミック材料は、赤色のエレクトロクロミック材料および青色のエレクトロクロミック材料を含む、請求項14に記載のエレクトロクロミックパネル。
【請求項16】
前記複数の色のエレクトロクロミック材料は、赤色のエレクトロクロミック材料、青色のエレクトロクロミック材料および緑色のエレクトロクロミック材料を含む、請求項14に記載のエレクトロクロミックパネル。
【請求項17】
前記複数の色のエレクトロクロミック材料は、シアン色のエレクトロクロミック材料、マゼンタ色のエレクトロクロミック材料および黄色のエレクトロクロミック材料を含む、請求項14に記載のエレクトロクロミックパネル。
【請求項18】
前記フレームは、前記エレクトロクロミック層を乗物に保持するように適合される、請求項14に記載のエレクトロクロミックパネル。
【請求項19】
前記乗物は航空機である、請求項18に記載のエレクトロクロミックパネル。
【請求項20】
前記フレームは、前記エレクトロクロミック層を客室の仕切り内に保持するように適合される、請求項18に記載のエレクトロクロミックパネル。
【請求項21】
多色エレクトロクロミックディスプレイを作動させる方法であって、
第1の色のエレクトロクロミック材料からなる少なくとも1つの第1の区域を基板上に設けることと、
第2の色のエレクトロクロミック材料からなる少なくとも1つの第2の区域を、前記第2の区域に近接した前記基板上に設けることと、
色の状態を変化させるために前記第1の区域および前記第2の区域のうちの少なくとも1つを活性化することとを備える、方法。
【請求項22】
前記第2の区域を設けることは、
前記第1の色のエレクトロクロミック材料および前記第2の色のエレクトロクロミック材料が活性化されるときに混合色の外観をもたらすように、前記第1の区域内に点在する複数の面密度の前記第2の色のエレクトロクロミック材料を前記基板上に設置することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第1の色のエレクトロクロミック材料は、赤色のエレクトロクロミック材料、青色のエレクトロクロミック材料、緑色のエレクトロクロミック材料、黄色のエレクトロクロミック材料、マゼンタ色のエレクトロクロミック材料およびシアン色のエレクトロクロミック材料のうちの1つを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
第3の色のエレクトロクロミック材料からなる少なくとも1つの第3の区域を、前記第1の区域および前記第2の区域に近接した前記基板上に設けることと、
色の状態を変化させるために第3の色のエレクトロクロミック材料からなる前記第3の区域を活性化させることとをさらに備える、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
多色エレクトロクロミック層を形成するための方法であって、
複数の第1のマスキングされていない区域をマスキングされないまま残して、基板の第1の部分をマスキングすることと、
前記複数の第1のマスキングされていない区域にある前記基板上に第1の色のエレクトロクロミック材料を堆積させることと、
前記基板の前記第1の部分のマスキングを取ることと、
前記第1の部分上にある前記基板上に第2の色のエレクトロクロミック材料を堆積させることとを備える、方法。
【請求項26】
第1の部分を前記マスキングすることは、除去可能なマスクを施すことを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記第1の部分は複数の第1の画素を含み、前記第1のマスキングされていない区域は複数の第2の画素を含み、前記複数の第1の画素は前記複数の第2の画素の中に点在する、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記第1の色のエレクトロクロミック材料を堆積させることおよび前記第2の色のエレクトロクロミック材料を堆積させることのうちの少なくとも1つは、スパッタコーティングを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記第1の色のエレクトロクロミック材料を堆積させることおよび前記第2の色のエレクトロクロミック材料を堆積させることのうちの少なくとも1つは、ジェット印刷を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項30】
前記第1の色のエレクトロクロミック材料を堆積させることおよび前記第2の色のエレクトロクロミック材料を堆積させることのうちの少なくとも1つは、電解重合を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項31】
複数の第2のマスキングされていない区域をマスキングされないまま残して、基板の第
2の部分をマスキングすることと、
前記第2のマスキングされていない区域上にある前記基板上に第3の色のエレクトロクロミック材料を堆積させることとをさらに備える、請求項25に記載の方法。
【請求項32】
複数の第1のマスキングされていない区域をマスキングされないまま残して基板の第1の部分をマスキングすることは、デザイン、パターン、ロゴおよび絵の一部を形成することのうちの少なくとも1つを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項33】
多色エレクトロクロミック装置のためのエレクトロクロミック層であって、
基板上に配置される、第1の色のエレクトロクロミック材料の第1の複数の画素と、
前記基板上に配置される、第2の色のエレクトロクロミック材料の第2の複数の画素とを備え、前記第2の複数の画素は前記第1の複数の画素に少なくとも部分的に点在する、エレクトロクロミック層。
【請求項34】
多色エレクトロクロミック装置であって、
第1の色のエレクトロクロミック材料と、
第2の色のエレクトロクロミック材料とを備え、前記第2の色のエレクトロクロミック材料は二次元パターンを形成するように前記第1の色のエレクトロクロミック材料に近接して配置される、多色エレクトロクロミック装置。
【請求項35】
環境において自然採光を調整する方法であって、
第1の色のエレクトロクロミック材料からなる複数の区域を基板上に設けることと、
第1の色のエレクトロクロミック材料からなる前記複数の区域に少なくとも近接する前記基板上に、第2の色のエレクトロクロミック材料からなる複数の区域を設けることと、
前記基板を透過される自然光を前記基板が変化させ得る場所に前記基板を位置決めすることと、
色の状態を変化させるために第1の色のエレクトロクロミック材料からなる前記複数の区域および第2の色のエレクトロクロミック材料からなる前記複数の区域のうちの少なくとも1つを活性化し、それによって前記環境において前記自然採光を調整することとを備える、方法。
【請求項36】
エレクトロクロミック装置用のイオンを透過するための電解質であって、
ガンマ−ブチロラクトンを含む第1の溶媒と、
塩とを備える、電解質。
【請求項37】
前記塩は過塩素酸リチウムおよびトリフルオロスルホンイミドのうちの少なくとも1つを含む、請求項36に記載の電解質。
【請求項38】
ポリマーマトリックスをさらに備える、請求項36に記載の電解質。
【請求項39】
前記ポリマーマトリックスはポリメタクリル酸メチルを含む、請求項38に記載の電解質。
【請求項40】
ゲル化剤をさらに備える、請求項36に記載の電解質。
【請求項41】
第2の溶媒をさらに備える、請求項36に記載の電解質。
【請求項42】
少なくとも1つの前記第1および第2の溶媒は、プロピレンカーボネートを含む、請求項41に記載の電解質。
【請求項43】
エレクトロクロミック装置用のイオンを透過するための電解質であって、
ガンマ−ブチロラクトンと、
プロピレンカーボネートと、
ポリメタクリル酸メチルと、
塩とを備える、電解質。
【請求項44】
前記塩は、過塩素酸リチウムおよびトリフルオロスルホンイミドのうちの1つを含む、請求項43に記載の電解質。
【請求項45】
エレクトロクロミック装置であって、
第1の電極シートを備え、前記第1の電極シートは実質的に透明であって、前記エレクトロクロミック装置は、さらに、
第2の電極シートを備え、前記第2の電極シートは実質的に透明であって、前記エレクトロクロミック装置は、さらに、
前記第1の電極シートと前記第2の電極シートとの間に配置されるエレクトロクロミックポリマー層と、
前記エレクトロクロミックポリマー層と、前記第1の電極シートおよび前記第2の電極シートのうちの1つとの間に配置されるゲル電解質とを備え、前記ゲル電解質はガンマ−ブチロラクトンおよび塩を含む、エレクトロクロミック装置。
【請求項46】
前記第1および第2の電極シートのうちの少なくとも1つは、着色された電極シートを備える、請求項45に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項47】
前記塩は、過塩素酸リチウム、リチウムトリフルオロスルホンイミド、およびそれらの組合せのうちの少なくとも1つを含む、請求項45に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項48】
前記ゲル電解質は、ポリメタクリル酸メチルおよびプロピレンカーボネートのうちの少なくとも1つを含む、請求項45に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項49】
前記第1の電極シート、前記第2の電極シート、前記エレクトロクロミックポリマー層および前記ゲル電解質を窓アセンブリの一部として航空機胴体に保持するように適合されるフレームをさらに備える、請求項45に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項50】
前記第1の電極シート、前記第2の電極シート、前記エレクトロクロミックポリマー層および前記ゲル電解質を航空機の窓用の窓の日除けとして保持するように適合されるフレームをさらに備える、請求項45に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項51】
エレクトロクロミック装置においてイオンを伝導するための方法であって、
エレクトロクロミック装置における電解質の中の少なくとも1つの成分イオンに塩を解離することを備え、前記電解質はガンマ−ブチロラクトンを含み、前記方法は、さらに、
電界を加えることによって前記電解質の中の前記少なくとも1つの成分イオンを伝導することを備える、方法。
【請求項52】
塩を解離することは、過塩素酸リチウムおよびリチウムトリフルオロスルホンイミドのうちの少なくとも1つを解離することを含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
電解質の中の少なくとも1つの成分イオンに塩を解離することは、電解質の中の少なくとも1つの成分イオンに塩を解離することを含み、前記電解質はポリメタクリル酸メチルおよびプロピレンカーボネートのうちの少なくとも1つを含む、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
電界を加えることによって前記電解質の中の前記少なくとも1つの成分イオンを伝導することは、第1のシート電極と第2のシート電極との間に電界を加えることによって前記電解質の中の前記少なくとも1つの成分イオンを伝導することを含む、請求項51に記載の方法。
【請求項55】
前記第1および第2のシート電極のうちの少なくとも1つは、着色されたシート電極を備える、請求項54に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項56】
エレクトロクロミック装置に寿命の延長をもたらすための方法であって、
前記エレクトロクロミック装置における電解質にガンマ−ブチロラクトンを配置することを備える、方法。
【請求項57】
前記エレクトロクロミック装置を作動させることをさらに含む、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記エレクトロクロミック装置を作動させることは、ガンマ−ブチロラクトンを含有する前記電解質の中の少なくとも1つの成分イオンに塩を解離することを含む、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記エレクトロクロミック装置を作動させることは、第1のシート電極と第2のシート電極との間に電界を加えることによって前記電解質の中の少なくとも1つの成分イオンを伝導することを含む、請求項57に記載の方法。
【請求項60】
エレクトロクロミック装置であって、
有効量のガンマ−ブチロラクトンに溶解された少なくとも1つの塩を有する電解質を備える、エレクトロクロミック装置。
【請求項61】
前記有効量は、90重量%から60重量%までのガンマ−ブチロラクトンを含む、請求項60に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項62】
前記有効量は、65重量%から75重量%までのガンマ−ブチロラクトンを含む、請求項60に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項63】
エレクトロクロミック装置であって、
ガンマ−ブチロラクトンを含む電解質と、
エレクトロクロミック材料の複数の色素とを備える、エレクトロクロミック装置。
【請求項64】
前記電解質の対向する側に配置される第1および第2の電極シートをさらに備える、請求項63に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項65】
前記第1および第2の電極シートのうちの少なくとも1つは着色された電極シートを備える、請求項64に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項66】
前記電解質に配置される塩をさらに備える、請求項63に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項67】
前記塩は、過塩素酸リチウム、リチウムトリフルオロスルホンイミド、およびそれらの組合せのうちの少なくとも1つを含む、請求項66に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項68】
前記電解質は、ポリメタクリル酸メチルおよびプロピレンカーボネートのうちの少なくとも1つを含む、請求項63に記載のエレクトロクロミック装置。
【請求項69】
エレクトロクロミックシステムであって、
複数のエレクトロクロミック装置と、
複数の制御モジュールとを備え、各々の制御モジュールは、少なくとも1つのエレクトロクロミック装置に作動的に結合され、前記装置を活性化および不活性化するために電界を制御可能に調整するように適合され、前記エレクトロクロミックシステムは、さらに、
前記装置に作動的に結合され、前記装置の選択された組を活性化および不活性化するために前記組の前記電界を同時に調整するように適合される少なくとも1つのメインコントローラを備える、エレクトロクロミックシステム。
【請求項70】
少なくとも1つのエレクトロクロミック装置は、透明な窓に隣接して配置される、請求項69に記載のエレクトロクロミックシステム。
【請求項71】
少なくとも1つのエレクトロクロミック装置は、透明な窓と一体的に形成される、請求項69に記載のエレクトロクロミックシステム。
【請求項72】
少なくとも1つのエレクトロクロミック装置は、
第1の透明電極と、
前記第1の透明電極とともに作動的に位置決めされ、前記第1の透明電極から離れて間隔を空けられる第2の透明電極と、
前記第1および第2の透明電極の間に配置されるエレクトロクロミック層と、
前記第1および第2の透明電極の間に、前記エレクトロクロミック層に隣接して配置される電解質層とを含む、請求項69に記載のエレクトロクロミックシステム。
【請求項73】
前記メインコントローラ、前記複数の制御モジュールおよび前記複数のエレクトロクロミック装置のうちの少なくとも1つに作動的に結合される電源をさらに備える、請求項69に記載のエレクトロクロミックシステム。
【請求項74】
前記複数のエレクトロクロミック装置は、少なくとも1つのポリクロマティックエレクトロクロミック装置を含む、請求項69に記載のエレクトロクロミックシステム。
【請求項75】
窓システムであって、
第1および第2のゾーンにそれぞれに作動的に結合されるメインコントローラを備え、
前記第1のゾーンは、
第1の複数の窓アセンブリを含み、各々の窓アセンブリは作動的なエレクトロクロミック装置を有し、前記第1のゾーンは、さらに、
少なくとも1つのエレクトロクロミック装置に作動的に結合され、前記装置を制御するために電界を制御可能に調整するように適合される少なくとも1つの制御モジュールを含み、
前記第2のゾーンは、
第2の複数の窓アセンブリを含み、各々の窓アセンブリは作動的なエレクトロクロミック装置を有し、前記第2のゾーンは、さらに、
少なくとも1つのエレクトロクロミック装置に作動的に結合され、前記装置を制御するために電界を制御可能に調整するように適合される少なくとも1つの制御モジュールを含み、
前記メインコントローラは、前記エレクトロクロミック装置のゾーン制御をもたらすために前記第1および第2のゾーンの複数のエレクトロクロミック装置の前記電界を調整するように適合される、窓システム。
【請求項76】
少なくとも1つのエレクトロクロミック装置は、前記窓アセンブリと一体的に形成される、請求項75に記載の窓システム。
【請求項77】
少なくとも1つのエレクトロクロミック装置は、
第1の透明電極と、
前記第1の透明電極とともに作動的に位置決めされ、前記第1の透明電極から離れて間隔を空けられる第2の透明電極と、
前記第1および第2の透明電極の間に配置されるエレクトロクロミック層と、
前記第1および第2の透明電極の間に、前記エレクトロクロミック層に隣接して配置される電解質層とを含む、請求項75に記載の窓システム。
【請求項78】
前記メインコントローラ、前記第1のゾーンおよび前記第2のゾーンのうちの少なくとも1つに作動的に結合される電源をさらに備える、請求項75に記載の窓システム。
【請求項79】
少なくとも1つのゾーンは、ゾーンスイッチと少なくとも1つの制御モジュールとの間に結合される複数の頭上電子ユニットをさらに備える、請求項75に記載の窓システム。
【請求項80】
各々の頭上電子ユニットに作動的に結合される少なくとも1つの照明をさらに含む、請求項79に記載の窓システム。
【請求項81】
前記第1の複数の窓アセンブリは航空機の客室の第1の区域に配置され、前記第2の複数の窓アセンブリは航空機の客室の第2の区域に配置される、請求項79に記載の窓システム。
【請求項82】
構造であって、
複数の窓と、
前記窓に作動的に関連付けられる窓制御アセンブリとを備え、前記窓制御アセンブリは、
複数のエレクトロクロミック装置を含み、各々のエレクトロクロミック装置はそれぞれの窓に作動的に関連付けられ、前記窓制御アセンブリは、さらに、
複数の制御モジュールを含み、各々の制御モジュールは少なくとも1つのエレクトロクロミック装置に作動的に結合され、前記装置を活性化および不活性化するために電界を制御可能に調整するように適合され、前記窓制御アセンブリは、さらに、
前記装置に作動的に結合され、選択された態様で前記装置を活性化および不活性化するために前記装置の前記電界を調整するように適合されるメインコントローラを含む、構造。
【請求項83】
各々のエレクトロクロミック装置は、窓用の日除けを作動的に形成する、請求項82に記載の構造。
【請求項84】
各々の制御モジュールは、着席するユーザが利用できるように位置決めされる、請求項83に記載の構造。
【請求項85】
前記メインコントローラは前記制御モジュールから離れて間隔を空けられる、請求項82に記載の構造。
【請求項86】
航空機であって、
機体に作動的に結合される胴体と、
前記胴体および前記機体のうちの少なくとも1つの中に形成される複数の窓アセンブリ
と、
前記胴体の中に配置されるサービスシステムとを備え、前記サービスシステムは、
複数の照明アセンブリと、
複数の制御モジュールとを含み、各々の制御モジュールは前記照明アセンブリのうちの少なくとも1つに作動的に結合され、前記サービスシステムは、さらに、
複数の電気的に作動される日除けを含む窓制御システムを含み、各々の日除けは前記窓アセンブリのうちのそれぞれ1つに作動的に関連付けられ、少なくとも1つの制御モジュールに作動的に結合され、前記制御モジュールは前記日除けを制御可能に活性化および不活性化するように適合され、前記サービスシステムは、さらに、
前記日除けに作動的に結合され、選択された態様で前記複数の日除けを活性化および不活性化するために前記日除けを調整するように適合されるメインコントローラを含む、航空機。
【請求項87】
各々の日除けは窓アセンブリに隣接して作動的に配置される、請求項86に記載の航空機。
【請求項88】
各々の日除けは窓アセンブリの構成要素である、請求項86に記載の航空機。
【請求項89】
前記電気的に作動される日除けのうちの少なくとも1つは、
第1の透明電極と、
前記第1の透明電極とともに作動的に位置決めされ、前記第1の透明電極から離れて間隔を空けられる第2の透明電極と、
前記第1および第2の透明電極の間に配置されるエレクトロクロミック層と、
前記第1および第2の透明電極の間に、前記エレクトロクロミック層に隣接して配置される電解質層とを含む、請求項86に記載の航空機。
【請求項90】
複数の窓を通る光を制御する方法であって、
各々の窓に作動的に関連付けられる少なくとも1つのエレクトロクロミック装置を設けることと、
複数の制御モジュールを設けることとを備え、各々の制御モジュールは少なくとも1つのエレクトロクロミック装置に作動的に結合され、少なくとも1つの装置を制御可能に活性化および不活性化するように適合され、前記方法は、さらに、
前記装置に作動的に結合され、選択された態様で前記装置を制御するように適合されるメインコントローラを設けることと、
前記装置の少なくともいくつかの特徴的な色を調整することとを備える、方法。
【請求項91】
前記装置の少なくともいくつかの前記特徴的な色を調整することは、前記メインコントローラを使用して前記装置を調整することを含む、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記メインコントローラを使用して前記装置を調整することは、少なくとも1つの制御モジュールからの制御信号を手動制御することを含む、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
前記装置は窓用の日除けとして機能する、請求項90に記載の方法。
【請求項94】
前記制御モジュールは、列をなして配置され、着席する乗客が利用できるように航空機の座席に関連付けられる、請求項90に記載の方法。
【請求項95】
前記メインコントローラは、航空機の客室乗務員が利用できる、請求項90に記載の方法。
【請求項96】
エレクトロクロミックシステムであって、
エレクトロクロミック装置と、
前記エレクトロクロミック装置に作動的に結合され、前記エレクトロクロミック装置を制御可能に活性化および不活性化するように適合される制御モジュールと、
前記装置に作動的に結合され、前記装置を制御可能に活性化および不活性化するために前記制御モジュールを手動制御するように適合されるメインコントローラとを備える、エレクトロクロミックシステム。
【請求項97】
前記エレクトロクロミック装置に作動的に関連付けられる窓部材をさらに備える、請求項95に記載のシステム。
【請求項98】
乗物の客室における照明レベルを調整する方法であって、
前記乗物の窓に作動的に関連付けられるエレクトロクロミック装置を設けることと、
前記エレクトロクロミック装置に作動的に結合され、前記エレクトロクロミック装置を制御可能に活性化および不活性化するように適合される制御モジュールを設けることと、
前記制御モジュールおよび前記エレクトロクロミック装置のうちの少なくとも1つに作動的に結合されるメインコントローラを設けることと、
前記制御モジュールを制御可能に調整することによって前記エレクトロクロミック装置の特徴を調整することと、
前記メインコントローラを使用して前記制御モジュールを手動制御することによって前記エレクトロクロミック装置の前記特徴を調整することとを備える、方法。
【請求項99】
前記エレクトロクロミック装置は前記窓用の日除けとして作動する、請求項97に記載の方法。
【請求項100】
前記エレクトロクロミック装置の特徴を調整することは、不透明度を調整することを含む、請求項97に記載の方法。
【請求項101】
前記エレクトロクロミック装置の特徴を調整することは、前記装置に結合される電界を調整することを含む、請求項97に記載の方法。
【請求項102】
乗物の客室における環境を制御するためのシステムであって、
前記客室の中の座席近くに位置する少なくとも1つの個々の環境制御装置と、
前記制御装置を手動制御するように配置される乗務員手動制御装置と、
選択された飛行/運行条件に反応して前記制御装置を自動的に手動制御するように配置されるプロセッサとを備える、システム。
【請求項103】
前記制御装置は窓用の日除けを作動させる、請求項102に記載のシステム。
【請求項104】
前記制御装置はエレクトロクロミック装置を作動させる、請求項102に記載のシステム。
【請求項105】
航空機の客室であって、
少なくとも1つの窓と、
前記窓を作動的に遮光するように配置される少なくとも1つの日除けと、
前記日除けを作動させるように配置される少なくとも1つの座席制御装置と、
乗務員が前記座席制御装置を手動制御することができるように配置される少なくとも1つの手動制御装置と、
飛行/運行条件に基づいて前記日除けを自動的にセットするように配置される少なくとも1つのプロセッサとを備える、航空機の客室。
【請求項106】
前記日除けはエレクトロクロミック装置を含む、請求項105に記載のシステム。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15A】
image rotate

【図15B】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公表番号】特表2007−529036(P2007−529036A)
【公表日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−502839(P2007−502839)
【出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【国際出願番号】PCT/US2005/006149
【国際公開番号】WO2005/093507
【国際公開日】平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願人】(500520743)ザ・ボーイング・カンパニー (773)
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
【Fターム(参考)】