多軸骨アンカー固定装置
【課題】拡大した回動角度の向きの調節を可能にする多軸骨アンカー固定装置を提供する。
【解決手段】多軸骨アンカー固定装置は、アンカー固定要素の球形外面部分を有する頭部に回動可能に接続される受け部(4′)を含み、受け部は頭部を収容するための収容空間(11′)を有し、収容空間(11′)は底部端に下方開口(12)を有し、さらに頭部(3)の一部を包含し、外側球形表面部分(51)を有し、かつ受け部の中で回動するスリーブ状挿入片(5)と、少なくとも部分的に収容空間(11′)に配置される圧力部材(6′)とを含み、圧力部材は頭部に接触して頭部に圧力を加える下面部分を有し、アンカー固定要素は、受け部(4′)に対して回動可能であり、圧力部材(6′)によって圧力を頭部に加えて受け部の中に頭部およびスリーブ状挿入片(5)を同時にロックすることによってある角度でロック可能である。
【解決手段】多軸骨アンカー固定装置は、アンカー固定要素の球形外面部分を有する頭部に回動可能に接続される受け部(4′)を含み、受け部は頭部を収容するための収容空間(11′)を有し、収容空間(11′)は底部端に下方開口(12)を有し、さらに頭部(3)の一部を包含し、外側球形表面部分(51)を有し、かつ受け部の中で回動するスリーブ状挿入片(5)と、少なくとも部分的に収容空間(11′)に配置される圧力部材(6′)とを含み、圧力部材は頭部に接触して頭部に圧力を加える下面部分を有し、アンカー固定要素は、受け部(4′)に対して回動可能であり、圧力部材(6′)によって圧力を頭部に加えて受け部の中に頭部およびスリーブ状挿入片(5)を同時にロックすることによってある角度でロック可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明は、回動角度が拡大された多軸骨アンカー固定装置に関する。骨アンカー固定装置は、骨または椎骨におけるアンカー固定のための骨アンカー固定要素と、骨アンカー固定要素を脊柱ロッドなどの安定化要素に結合するための受け部とを含み、骨アンカー固定要素は受け部の中で回動可能であり、拡大した回動角度で中心軸から回動して外れることができる。拡大した回動角度の向きは、中心軸の周りの360°の範囲内で選択可能であり、骨アンカー固定要素に対して受け部を回動させることによって自動的に達成される。
【背景技術】
【0002】
回動角度が拡大した多軸骨アンカー固定装置は特許文献1に記載されている。この骨アンカー固定装置は、骨ねじと、骨ねじの頭部のための座を有する受け部とを備える。ねじ部材が拡大した角度だけ少なくとも一方側に回動できるように、受け部の自由部との境界となる端縁は非対称構成となっている。変形された実施形態では、ねじ部材の頭部のための座として球形の底部を有する挿入片が設けられる。
【0003】
特許文献2は、角度形成が大きくなった多軸骨アンカーを記載する。多軸骨アンカーは、たとえばねじまたはフックなどのアンカー固定部材が、アンカー頭部内でアンカー固定部材を圧縮ロックする前に骨アンカーの中心軸の周りを大きな角度に多軸に回転できるように形作られかつ構成されるロッキング要素を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6,736,820号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2007/0118123号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2008/0154315号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2010/0211114号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2010/0298891号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2009/0093844号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2010/0191293号明細書
【特許文献8】国際公開第2008/153723号
【特許文献9】米国特許出願公開第2008/0015579号明細書
【特許文献10】米国特許出願公開第2006/0173456号明細書
【特許文献11】米国特許出願公開第2008/0009862号明細書
【特許文献12】米国特許出願公開第2007/0123862号明細書
【特許文献13】米国特許出願公開第2005/0049588号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の多軸骨アンカー固定装置は所望の向きの拡大した角度形成を与えるが、設計の簡単さという観点で、改良された多軸骨アンカー固定装置に対する必要性が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の目的は、拡大した回動角度の向きの調節を可能にし、高効率の固定を等しく与えつつ設計が単純な多軸骨アンカー固定装置を提供することである。
【0007】
目的は、請求項1に記載の多軸骨アンカー固定装置によって解決される。さらなる発展例が従属請求項に与えられる。
【0008】
多軸骨アンカー固定装置は、設計が単純なわずかな部品しか有していない。したがって、骨アンカー固定装置は製造が容易であり、費用対効果がよい。これは安全な固定を与える。というのも、受け部に対するアンカー固定要素の角度付けられた姿勢をロックする圧力が有効に加えられるのは軸方向にのみであるからである。骨アンカー固定装置にはいずれの可撓性部品または部分もない。したがって、角度付けられた姿勢の調節の間に拡大した回動角度の向きが何度か変化したとしても、これは信頼性が高い。
【0009】
受け部に対する骨アンカー固定要素の回動角度は、真っ直ぐな位置から計測して45°以上である。これにより、骨アンカー固定装置は、たとえば頸椎における外側塊固定術の適用に特に好適である。
【0010】
アンカー固定要素およびスリーブ状挿入片をロックするためのロッキング機構は、小さな表面に対して高いクランプ力を与える。したがって、ロッキング機構は効率的である。
【0011】
受け部の下方部には、載置用空間を必要とする挿入部材が配置されるが、受け部の上方部分は大きさが小さくなるように設計可能である。
【0012】
骨アンカー固定装置は、アンカー固定要素が上から挿入される頂部装填装置として、またはアンカー固定要素が底から挿入される底部装填装置として設計可能である。
【0013】
発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面による実施形態の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施の形態に従う、脊柱ロッドを有する多軸骨アンカー固定装置の分解斜視図である。
【図2】組立てられた状態の図1の骨アンカー固定装置の斜視図である。
【図3】ロッドおよび固定ねじがない、組立てられた状態の図1および図2の骨アンカー固定装置の、ロッド軸に沿って取られた断面図である。
【図4a)】図1の圧力要素の側面図である。
【図4b)】図4a)の線A−Aに沿って取られた圧力要素の断面図である。
【図4c)】圧力要素の底面図である。
【図4d)】圧力要素の斜視図である。
【図5a)】図1のスリーブ状挿入片の側面図である。
【図5b)】スリーブ状挿入片の斜視図である。
【図5c)】図5a)の線B−Bに沿ったスリーブ状挿入片の断面図である。
【図5d)】図5c)に示されるような挿入片の一部の拡大断面図である。
【図6a)】拡大した回動角度の向きに関して多軸骨アンカー固定装置を整列させるステップを示す図である。
【図6b)】拡大した回動角度の向きに関して多軸骨アンカー固定装置を整列させるステップを示す図である。
【図6c)】拡大した回動角度の向きに関して多軸骨アンカー固定装置を整列させるステップを示す図である。
【図6d)】拡大した回動角度の向きに関して多軸骨アンカー固定装置を整列させるステップを示す図である。
【図6e)】拡大した回動角度の向きに関して多軸骨アンカー固定装置を整列させるステップを示す図である。
【図7】多軸骨アンカー固定装置の第2の実施形態の分解斜視図である。
【図8】組立てられた状態の図7の骨アンカー固定装置の斜視図である。
【図9a)】骨アンカー固定要素が受け部に対して第1の位置を取る、ロッド軸に垂直に取られた、組立てられた状態の図7および図8の多軸骨アンカー固定装置の断面図である。
【図9b)】骨アンカー固定要素が受け部に対して第2の位置を取る、組立てられた状態の骨アンカー固定装置の断面図である。
【図10a)】第2の実施形態に従う骨アンカー固定装置の受け部の下方からの斜視図である。
【図10b)】図10a)の線C−Cに沿って取られた受け部の断面図である。
【図10c)】受け部の側面図である。
【図10d)】図10c)の線D−Dに沿って取られた受け部の断面図である。
【図11a)】スリーブ状挿入片および受け部を組立てるステップを示す図である。
【図11b)】スリーブ状挿入片および受け部を組立てるステップを示す図である。
【図11c)】スリーブ状挿入片および受け部を組立てるステップを示す図である。
【図11d)】スリーブ状挿入片および受け部を組立てるステップを示す図である。
【図11e)】スリーブ状挿入片および受け部を組立てるステップを示す図である。
【図11f)】スリーブ状挿入片および受け部を組立てるステップを示す図である。
【図11g)】スリーブ状挿入片および受け部を組立てるステップを示す図である。
【図12】スリーブ状挿入片を有する受け部と圧力要素を有する骨アンカー固定要素とを組立てる斜視図である。
【図13】変形された実施形態に従う多軸骨アンカー固定装置の分解斜視図である。
【図14】組立てられた状態の図13の多軸骨アンカー固定装置の断面図である。
【図15】多軸骨アンカー固定装置の第3の実施形態の分解斜視図である。
【図16】ロッド軸に垂直に取られた、ロッドを有するが固定装置を有しない、組立てられた状態の図15の多軸骨アンカー固定装置の断面図である。
【図17a)】図15および図16に従う多軸骨アンカー固定装置の圧力部材の図である。
【図17b)】図15および図16に従う多軸骨アンカー固定装置の圧力部材の図である。
【図17c)】図15および図16に従う多軸骨アンカー固定装置の圧力部材の図である。
【図18a)】図15および図16に従う多軸骨アンカー固定装置の受け部の図である。
【図18b)】図15および図16に従う多軸骨アンカー固定装置の受け部の図である。
【図19a)】図15および図16に従う多軸骨アンカー固定装置を組立てるステップを示す図である。
【図19b)】図15および図16に従う多軸骨アンカー固定装置を組立てるステップを示す図である。
【図19c)】図15および図16に従う多軸骨アンカー固定装置を組立てるステップを示す図である。
【図19d)】図15および図16に従う多軸骨アンカー固定装置を組立てるステップを示す図である。
【図19e)】図15および図16に従う多軸骨アンカー固定装置を組立てるステップを示す図である。
【図19f)】図15および図16に従う多軸骨アンカー固定装置を組立てるステップを示す図である。
【図19g)】図15および図16に従う多軸骨アンカー固定装置を組立てるステップを示す図である。
【図20】組立て後の多軸骨アンカー固定装置の使用のステップの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1から図3に示されるように、第1の実施形態に従う多軸骨アンカー固定装置は、ねじ切りされたシャフト2および頭部3を有する骨ねじの形態の骨アンカー固定要素1を含む。頭部3は典型的に、球形の外面部分3aと、その自由端の、ドライバとの係合のための凹部3bとを有する。頭部3は骨アンカー固定要素1を安定化ロッド100に結合する受け部4に保持される。頭部3のための座を設けるスリーブ状挿入片5と骨アンカー固定要素の頭部3に圧力を加えるための圧力部材6とが受け部4に配置される。さらに、受け部4中でのロッド100の固着および固定のために、固定ねじ7の形態の固定要素が設けられる。
【0016】
受け部は頂部端4aおよび底部端4bを有し、中心軸Cおよび同軸ボア8が頂部端4aから底部端4bの方向に延在する。頂部端4aに隣接して、ロッドを受けるためのチャネルを形成する実質的にU字形の凹部9が設けられる。凹部9により、固定ねじ7と協働する雌ねじ10を備える2つの自由な脚部が形成される。
【0017】
同軸ボア8は、受け部4の下方部に設けられる収容空間11の中に向かって開いている。収容空間11は、受け部の底部端4bに下方開口12を有する。収容空間11は、スリーブ状挿入片5が着座する、受け部の底部端4b近くの着座部分13をさらに備える。着座部分13は、スリーブ状挿入片5および受け部4によって形成される玉継手用ソケットを設けるように球形を有する。着座部分13は先細であることもでき、または、玉継手を実現するのに用いることができる別の形状を有することができることに留意すべきである。下方開口12の内径は収容空間11の内径よりも小さい。同軸ボア8の内径は、頂部端4aと収容空間11との間で一定である必要がないことが留意される。これは、径が異なる部分を有してもよい。
【0018】
スリーブ状挿入片5は特に図3および図5a)から図5d)に示される。スリーブ状挿入片は上方端縁5aおよび下方端縁5bを備える。スリーブ状挿入片は、上方端縁と下方端縁との間に球形外面部分51を備える。スリーブ状挿入片の最大外径は受け部の下方開口12の内径より大きい。したがって、スリーブ状挿入片は、これが受け部に着座する際に下方開口12を通り抜けることができない。外側球形表面部分51の寸法は、スリーブ状挿入片5が、着座部分13に着座した際に受け部の中で回動および回転できるように受け部中の球形の着座部分13の寸法に対応する。スリーブ状挿入片5がその中心軸5cが受け部の中心軸Cと同軸となるように着座部分13の中で静止すると、下方端縁5bは下方開口12から突出する。スリーブ状挿入片5が受け部の中で回動すると、たとえば図3に示されるように、下方端縁5bの少なくとも一部が下方開口12から依然として突出する。
【0019】
スリーブ状挿入片5は中空であり、アンカー固定要素1の頭部3の球形外面部分3aの半径に対応する半径となるように球形に形作られた中央部分52を備える。中央部分52の下方端は肩部53を形成する。肩部53の内径は球形頭部3の最大外径よりも小さいので、玉継手と同様に、頭部3はスリーブ状挿入片5の中央球形部分52の中で回転および回動可能である。肩部53と下方端縁5bとの間に、シャフト2が下方端縁5bと接触するまで骨アンカー固定要素1の角度形成を許すように外向きに先細になる先細部分54が設けられる。球形中央部分52と上方端縁5aとの間に、外向きに先細になる先細部分55が設けられる。先細部分、および先細部分55と球形中央部分52との間の遷移部の内径は常に頭部3の最大外径よりも大きいので、頭部3を上方端縁5aから挿入することができる。圧力部材6の留め具として働き得る面取り部分56が上方端縁5aに設けられる。
【0020】
球形中央部分52および外側球形部分51の中心点は、内側中央球形部分52の中心点が底部端4bに向いた方向にシフトするようにオフセットされてもよい。これにより、骨アンカー固定要素1の角度形成範囲をさらに大きくすることができる。軸方向へのスリーブ状挿入片5の高さは軸方向への頭部3の高さよりも小さいため、頭部3がスリーブ状挿入片5の中に挿入されると、頭部3の球形外面3aの一部が依然としてスリーブ状挿入片5の上方端縁5aから突出する。
【0021】
圧力部材6は特に図1、図3、および図4a)から図4d)に示される。圧力部材6は実質的に円筒形であり、その外径は、それ自身が同軸ボア8および収容空間11内で移動可能なものである。これは上方端6aおよび下方端縁6bを有する。その下方端縁6bに隣接して、圧力部材6は、頭部3の外側球形表面部分3aの球形と一致する球形を有する球形凹部61を備える。
【0022】
下方端縁6bに隣接して、スリーブ状挿入片5の面取り部分56に当接することができる先細部分62が存在する。圧力部材6は、ロッド100をその中で受けるための円筒形凹部63を上方端6aに備える。さらに、圧力部材6は、工具によるねじ頭部3へのアクセスを可能にするための同軸ボア64を有する。同軸ボア64は、骨アンカー固定要素が図3に示されるような回動状態にある際に頭部3の一部がそれを通って延在できるようにするようにも構成される。軸方向における圧力部材6の高さは、固定ねじ7が締められると固定ねじ7が圧力部材6の上方端6aを押す一方、圧力部材6は骨アンカー固定要素の頭部3のみに作用するようなものである。
【0023】
第1の実施形態に従う骨アンカー固定装置は、スリーブ状挿入片5、骨アンカー固定要素1の頭部3、および圧力部材6が受け部4の中に配置されるように、予め組立てられてもよい。骨アンカー固定装置を組立てるため、スリーブ状挿入片5、骨アンカー固定要素1、および圧力部材6はすべて、頂部端4aを通して挿入される。圧力部材6は、円筒形凹部63がロッドを受けるための受け部のU字形凹部9と整列する整列位置に配置される。圧力部材6は、たとえば圧着によりこの位置に仮保持されてもよい。
【0024】
骨アンカー固定装置は、全体的にまたは部分的に、たとえばチタン、ステンレス鋼などの生体適合性金属、ニチノールなどの生体適合性合金、またはたとえばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの生体適合性プラスチック材料などの生体適合性材料からなる。
【0025】
第1の実施形態に従う骨アンカー固定装置の使用のステップを図6a)から図6e)に示す。まず、アンカー固定要素が、安定化すべき骨部または椎骨に挿入される。通常、安定化ロッドを安定化すべき骨部または椎骨に固定するためには、いくつかの骨アンカー固定装置が必要である。一例が図6a)に示される骨アンカー固定要素の挿入後、受け部4は、安定化ロッドを捉えることができるように、受け部4を回動および/または回転させることによって調節される。
【0026】
図6a)から図6e)に示される状態では、スリーブ状挿入片5および骨アンカー固定要素1の頭部3の両者とも、独立してかつ自由に回動可能である。スリーブ状挿入片5は受け部4の中で回転可能および回動可能であり、受け部4およびスリーブ状挿入片5は骨アンカー固定要素の頭部3に対して回転可能および回動可能である。スリーブ状挿入片5は、頭部3を受け部4で直接に受ける場合と比較して、拡大した角度形成範囲を与える。なぜなら、これは、下方開口12から突出し、これにより骨アンカー固定装置のシャフト2と下方開口12の端縁が与える当接部との間の距離が拡大するからである。スリーブ状挿入片5は受け部内で回転可能および回動可能であるので、拡大した角度形成範囲は、受け部の中心軸Cの周りの360°内の骨アンカー固定要素に対する受け部の任意の位置で達成可能である。図6b)に示すように、骨アンカー固定要素に対する受け部の回動はまず、本質的に、スリーブ状挿入片5の位置を維持する。骨アンカー固定要素のシャフト2が図6c)におよび図6d)に従う拡大部分に示されるようにスリーブ状挿入片5の下方端縁5bと接するや否や、スリーブ状挿入片5も回動される。シャフト2は、シャフト2が図6e)に示されるように受け部の下方開口12の端縁に当接するまで挿入片5を押す。したがって、図6e)では、受け部は骨アンカー固定要素1に対して最大回動角度で回動する。達成すべき最大回動角度は、スリーブ状挿入片5、受け部、および骨アンカー固定要素の寸法に依存するが、典型的には、真っ直ぐな、すなわち角度0の位置から計測した45°以上である。
【0027】
図6a)から図6e)では、ロッド軸を含有する平面で回動が行なわれる例を示すが、同じステップをロッド軸を含有する平面に対して90°で、または受け部4の中心軸Cの周りの360°内の任意の他の方向で行なえることに留意すべきである。
【0028】
最後に、ロッドを挿入し、内側ねじ7を締め、圧力部材6を頭部に対して押付け、頭部およびスリーブ状挿入片を同時にロックする。
【0029】
図7から図12は、骨アンカー固定装置の第2の実施形態を示す。第1の実施形態と同じまたは同様の部品および部分には同じ参照番号を指定し、その説明は繰返さない。第2の実施形態の骨アンカー固定装置は、第1の実施形態の骨アンカー固定装置とは受け部および圧力部材の構成において異なっている。すべての他の部品は第1の実施形態と同一である。
【0030】
スリーブ状挿入片5が存在する結果、挿入片用の空間を有するために、受け部の下方部分は、そのような挿入片を有しない受け部と比較して外径が大きくなってもよい。しかしながら、ロッドの場所では、受け部の大きさが小さい必要性が存在する。第2の実施形態に従う受け部4′は、特に図7、図8、および図10に見られるように、第1の実施形態の受け部と比較して、ロッドを捉える上側部分よりも小さな外径を有する。受け部4′は、頂部端4aに向けて先細になり大きさを小さくする、2つの先細外面部分41a、41bを有する。先細外面部分41a、41bは、U字形凹部9の長手方向軸に対応するロッドの長手方向軸を横断するように、互いから180°オフセットして位置する。したがって、ロッド軸方向の受け部4′の寸法は、第1の実施形態と比較して小さくなっている。十分な壁強度を有するために、同軸ボア8′の直径は、第1の実施形態の同軸ボア8と比較してより小さい。同軸ボア8′の直径はスリーブ状挿入片5の最大外径よりも小さい。同軸ボア8′は収容空間11′に向けて開いている。収容空間11′は、第1の実施形態のような着座部分13および下方開口12を有する。さらに、収容空間11′は、着座部分13と同軸ボア8′との間にドーム形部分14を有する。ドーム形部分14および着座部分13は、同軸ボア8′の内径よりも大きな、収容空間11′の最大内径を規定する。さらに受け部4′は、開口12から外向きに先細になって、骨アンカー固定要素の角度形成範囲をさらに大きくする外向き先細部分15を有してもよい。収容空間11′の大きさは、スリーブ状挿入片5が以下に説明されるように傾いた姿勢で頂部端4aから導入されるとその中で傾き得るようなものである。
【0031】
スリーブ状挿入片を頂部端4aから導入できるようにするため、同軸ボア8′および収容空間11′の内壁に2つの対向する凹部42a、42bが設けられる。凹部42a、42bはU字形凹部9と整列される。これらはU字形凹部9の底部から収容空間11′の中に延在する。
【0032】
凹部42a、42bの大きさは、スリーブ状挿入片5を90°傾いた姿勢で頂部端から導入可能であるようなものである。すなわち、凹部の幅は、その軸方向において、スリーブ状挿入片の高さよりも大きい。凹部42a、42bは、座13への挿入片5の傾きが可能であるような程度に、収容空間中に延在する。
【0033】
さらに、受け部は、図7から図10に示されるように、ピン17を受けるための少なくとも1つのピン穴16を備える。ピン穴16はチャネル軸に対して90°に配置される。第2のピン(図示せず)を受け部の他方側に設けてもよいが、第2のピンを設ける必要はない。
【0034】
図7および図9a)から図9b)に示されるように、圧力部材6′は、先細部分62の代わりに、円筒形主要部分よりも直径がわずかに小さな円筒形部分62′を有する点で圧力部材6と異なっている。下方円筒形部分62′の外径はスリーブ状挿入片5の上方先細部分55の内径よりも小さいため、下方円筒形部分62′は、少なくとも部分的にスリーブ状挿入片5の上方先細部分55内に配置される。これにより、圧力部材6′はスリーブ状挿入片5に触れることがない。
【0035】
圧力部材6′は、円筒形凹部63の円筒軸に垂直なその一方側のその外壁の中に、底部端縁6bに向けて閉じ、かつ上方端6aに向けて開く同軸凹部65を有する。下方端縁6bに向いた凹部65の底部は丸められていてもよい。凹部65は受け部を整列位置に保持するピン17を受けるように働くので、円筒形凹部63の円筒軸とロッドを受けるU字形凹部のチャネル軸とが整列される。凹部65およびピン17は、圧力部材6′の回転および抜けを防止するための装置を形成する。
【0036】
ピン穴、ピン、および凹部65の位置および寸法は、圧力部材6′が頭部3に対してわずかな予荷重を加えるように仮固定されるように構成されてもよい。これにより、頭部3は、これが固定ねじ7を締めるおよび圧力部材6′を押込むことによって最終的にロックされる前に、摩擦によってクランプされる。したがって、受け部を、骨アンカー固定要素に対して調節可能な角度付けられた姿勢に保持可能である。骨アンカー固定要素に対する受け部の回動は、摩擦力よりも大きい力を加えることによって依然として可能である。
【0037】
第2の実施形態の骨アンカー固定装置を組立てるステップを図11a)から図11g)に関して示す。まず、図11a)および図11b)に見られるように、スリーブ状挿入片は90°傾けられ、U字形凹部9の位置で受け部に挿入される。次に、図11c)および図11c)の断面図である図11d)に示されるように、挿入片5を収容空間11′の中へ下向きに移動させる。挿入片5の外径は下方開口12の内径よりも大きいので、挿入片は開口12の下方端縁を通り抜けることができない。次に、図11e)から、図11f)に従う受け部の断面図である図11g)に示されるように挿入片5が傾けられるので、これは最終的に、図11g)に示されるように着座部分13の中に着座する。その後、頭部3の上に圧力部材6′を載せた骨アンカー固定要素1が頂部端4aから挿入される。その後、圧力部材6′は、凹部65に係合するまでピン17をピン穴の中に導入することによって保持される。
【0038】
第2の実施の形態の骨アンカー固定装置の使用は第1の実施形態と同様である。
図13および図14は第2の実施形態の変形例を示す。第2の実施形態と同一のすべての部品には同じ参照番号を指定し、その説明は繰返さない。
【0039】
変形された第2の実施形態は、圧力部材および固定装置の設計において第2の実施形態と異なっている。骨アンカー固定装置は、別の頭部およびロッド固定を有する。ロッド固定は、円筒形凹部63の代わりにU字形凹部63′が設けられ、U字形凹部63′によって形成されるチャネルにロッドが挿入されるときロッド100上方に延在する脚部63a′、63b′を有する、軸方向により高い圧力部材6″によって達成される。さらに、圧力部材6″は、上方端6aに向けておよび下方端縁6bに向けて閉じている楕円形凹部65′を有してもよい。
【0040】
固定装置70は、受け部4′の雌ねじ10と協働する内側ねじ71を備える2つに分かれた固定装置である。内側ねじ71は、留めねじ72を受ける同軸のねじ切りされた穴を有する。留めねじ72がロッド100に対して作用する。内側ねじ71が締められると、これが圧力部材6″の頂部端6aを押さえ、骨アンカー固定要素の頭部3に対してのみ圧力を加える。留めねじ72を用いると、ロッド100を独立して固定することができる。
【0041】
変形された第2の実施形態に従う骨アンカー固定装置の組立ておよび使用は第2の実施形態と同様である。固定装置および変形された圧力部材は、第1の実施形態の骨アンカー固定装置と関連して用いることもできることを注記する。
【0042】
骨アンカー固定装置の第3の実施形態を図15から図20に示す。これは、スリーブ状挿入片が受け部の底部端4bから導入される点で以前の実施形態の骨アンカー固定装置と異なっている。これは、アンカー固定要素が底部端4bから導入可能ないわゆる底部装填多軸骨アンカー固定装置である点で以前の実施形態の骨アンカー固定装置と異なっている。以前の実施形態のように、同一または同様の特徴には同じ参照番号を指定し、その説明は繰返さない。
【0043】
第3の実施形態に従う多軸骨アンカー固定装置は、スリーブ状挿入片および圧力部材6″′を有するアンカー固定要素1を底部端4bから受けるようにサイズ決めされ形作られる受け部4″を有する。この目的のため、受け部は、その底部端に、互いから180°オフセットされ、ロッド軸に垂直な位置に位置する2つの凹部43a、43bを備える。凹部43a、43bは底部端4bに向かって開いており、たとえば図19a)に示されるように、スリーブ状挿入片5を90°傾いた姿勢で底部端4bから収容空間11″に導入可能なようにサイズ決めされ形作られる。凹部43a)および43b)をロッド軸に対して必ずしも90°に位置決めする必要はなく、ロッド軸に対して0°または任意の他の角度で位置決め可能であることに留意すべきである。それらがロッド軸に対して90°に位置すると、受け部の全体的な強度の弱まりが小さくなる。収容空間11″は、スリーブ状挿入片および圧力部材6″′がその中に装着された状態で頭部の挿入を可能にするように、実質的に中空の半球形である。このことは、収容空間11″が、スリーブ状挿入片5および圧力部材6″′がその上に装着された状態で頭部の導入および回転を可能にするようにサイズ決めされ形作られることを意味する。収容空間11″の中に開く同軸ボア8″の下方部分は、底部端4bに向けて外向きに先細になる部分18を有する。これにより、装着されたスリーブ状挿入片および圧力部材6″′を有する頭部3が収容空間11″の中で回転可能になる。
【0044】
同軸ボア8″は、以前の実施形態の同軸ボア8および8′と比較して、直径がより小さくなり得る。なぜなら、圧力部材および/またはスリーブ状挿入片をそれを通して導く必要がないからである。したがって、上方区域における受け部4′の大きさを小さくすることができる。図16に示されるような同軸ボア8″の直径は圧力部材6″′の最大外径よりも小さい。したがって、圧力部材6″′が抜けるのを回避する、圧力部材6′の仮固定を与える必要がない。
【0045】
第3の実施形態のスリーブ状挿入片5は以前の実施形態のスリーブ状挿入部材と実質的に同じである。
【0046】
図17a)から図17c)に示されるような圧力部材6″′は、上方端6aおよび下方端縁6bを有する回転対称部品である。これは、以前の実施形態のように下方端縁に隣接して球形の凹部61を有する。ロッドを受けるための円筒形凹部は存在しない。すなわち、上方端6aは平らな面である。さらに圧力部材6″′は、ドライバによる頭部3へのねじ頭部アクセスへのアクセスを可能にしかつ頭部3が骨アンカー固定要素が大きな角度で回動する際にそれを通って部分的に延在できるように、同軸ボア64を備える。下方端縁6bに隣接して、外面部分62が第1の実施形態のように先細にされる。上方端6aに隣接して小さな球形の外面部分67が存在し、これは、収容空間11′のドーム形部分14′と一致するようにサイズ決めされ形作られ、圧力要素がその上に装着された状態で頭部3の回転を容易にする。部分67は小さくてもよく、たとえばこれは、回転を容易にするように単に面取りされた部分であり得る。
【0047】
図19a)から図19g)に関してここで組立てを説明する。図19a)は、組立て前の受け部および骨アンカー固定要素の側面図を示す。骨アンカー固定要素にはスリーブ状挿入片5および圧力部材6″′が設けられる。スリーブ状挿入片5および圧力部材6″′は、それらの中心軸が受け部の中心軸Cに垂直になるように傾けられる。スリーブ状挿入片5および圧力部材6″′がその上に装着された状態でこの姿勢で骨アンカー固定要素を保持する工具が存在してもよい。次に、これも側面図である図19b)に示されるように、スリーブ状挿入片5および圧力部材6″′を有する骨アンカー固定要素1は、底部端から下方開口12を通して収容空間11″の中へ、この傾いた姿勢で導入される。受け部および傾いたスリーブ状挿入片5は、凹部43a、43bが受け部の中に設けられた位置にスリーブ状挿入片を導入できるように、互いに対する向きが定められる。図19c)は、図19b)に示される位置のロッド軸に沿った側面図を示す。図19d)は、図19c)の線E−Eに沿った断面図を示す。図19d)に見られるように、底部端からさらに挿入されると、スリーブ状挿入片5は、同軸ボア8″および先細部分18の中に部分的に延在し得る。
【0048】
次に、骨アンカー固定装置の側面図である図19e)および図19f)に示されるように、スリーブ状挿入片5および圧力部材は、骨アンカー固定要素を回動させることによって収容空間11″内で回転される。骨アンカー固定要素1のシャフト2がスリーブ状挿入片の下方端縁5bに当接すると、スリーブ状挿入片5は骨アンカー固定要素とともに回動する。同時に、収容空間11″の壁に沿って圧力部材6″′が導かれる。最後に、図19g)に従う断面図に示されるように、スリーブ状挿入片および圧力部材は0角度位置にある。すなわち、それらの中心軸は受け部4″の中心軸Cと同軸である。
【0049】
最終的に多軸骨アンカー固定装置が組立てられると、圧力部材6″′はU字形凹部9の底部上にわずかに突出する。ロッド100が挿入されると、ロッドが圧力部材の上方の平らな面6aに触れる。内側ねじまたは別の固定装置を締めることにより、ロッドが圧力部材6″′に対して押さえられ、次に骨アンカー固定装置の頭部3を押さえ、スリーブ状挿入片5内での頭部、および受け部4″内でのスリーブ状挿入片5の角度付けられた姿勢を同時にロックする。
【0050】
記載の実施形態のさらなる変形例が考えられる。たとえば、骨アンカー固定要素については、すべての種類のアンカー固定要素を受け部とともに用い、組合せることができる。これらのアンカー固定要素は、たとえば、異なる長さの異なる直径を有するねじ、中空ねじ、異なるねじ山形態を有するねじ、骨折部用釘、フックなどである。頭部およびシャフトも互いに接続可能な別の部品であってもよい。
【0051】
受け部の変形例は、中心軸に垂直なU字形凹部の代わりに、傾斜しているもしくは側方に開いている、または閉じたチャネルの形態にあるロッド用凹部を含む。外側ナット、外側キャップ、差込ピンロッキング装置、または他のものを含む他の種類のロッキング装置も可能である。すべての実施形態で、頭部3に接触する圧力部材の内面部分が必ずしも球形である必要はない。これは、頭部に対して圧力を加えるのに好適な別の形状を有することができる。
【0052】
記載される異なる実施形態の一部を互いと組合せ可能であることをさらに注記する。
【符号の説明】
【0053】
1 アンカー固定要素、2 シャフト、3 頭部、4,4′,4″ 受け部、5 スリーブ状挿入片、6,6′,6″,6″′ 圧力部材、11,11′,11″ 収容空間。
【技術分野】
【0001】
発明は、回動角度が拡大された多軸骨アンカー固定装置に関する。骨アンカー固定装置は、骨または椎骨におけるアンカー固定のための骨アンカー固定要素と、骨アンカー固定要素を脊柱ロッドなどの安定化要素に結合するための受け部とを含み、骨アンカー固定要素は受け部の中で回動可能であり、拡大した回動角度で中心軸から回動して外れることができる。拡大した回動角度の向きは、中心軸の周りの360°の範囲内で選択可能であり、骨アンカー固定要素に対して受け部を回動させることによって自動的に達成される。
【背景技術】
【0002】
回動角度が拡大した多軸骨アンカー固定装置は特許文献1に記載されている。この骨アンカー固定装置は、骨ねじと、骨ねじの頭部のための座を有する受け部とを備える。ねじ部材が拡大した角度だけ少なくとも一方側に回動できるように、受け部の自由部との境界となる端縁は非対称構成となっている。変形された実施形態では、ねじ部材の頭部のための座として球形の底部を有する挿入片が設けられる。
【0003】
特許文献2は、角度形成が大きくなった多軸骨アンカーを記載する。多軸骨アンカーは、たとえばねじまたはフックなどのアンカー固定部材が、アンカー頭部内でアンカー固定部材を圧縮ロックする前に骨アンカーの中心軸の周りを大きな角度に多軸に回転できるように形作られかつ構成されるロッキング要素を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6,736,820号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2007/0118123号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2008/0154315号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2010/0211114号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2010/0298891号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2009/0093844号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2010/0191293号明細書
【特許文献8】国際公開第2008/153723号
【特許文献9】米国特許出願公開第2008/0015579号明細書
【特許文献10】米国特許出願公開第2006/0173456号明細書
【特許文献11】米国特許出願公開第2008/0009862号明細書
【特許文献12】米国特許出願公開第2007/0123862号明細書
【特許文献13】米国特許出願公開第2005/0049588号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の多軸骨アンカー固定装置は所望の向きの拡大した角度形成を与えるが、設計の簡単さという観点で、改良された多軸骨アンカー固定装置に対する必要性が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の目的は、拡大した回動角度の向きの調節を可能にし、高効率の固定を等しく与えつつ設計が単純な多軸骨アンカー固定装置を提供することである。
【0007】
目的は、請求項1に記載の多軸骨アンカー固定装置によって解決される。さらなる発展例が従属請求項に与えられる。
【0008】
多軸骨アンカー固定装置は、設計が単純なわずかな部品しか有していない。したがって、骨アンカー固定装置は製造が容易であり、費用対効果がよい。これは安全な固定を与える。というのも、受け部に対するアンカー固定要素の角度付けられた姿勢をロックする圧力が有効に加えられるのは軸方向にのみであるからである。骨アンカー固定装置にはいずれの可撓性部品または部分もない。したがって、角度付けられた姿勢の調節の間に拡大した回動角度の向きが何度か変化したとしても、これは信頼性が高い。
【0009】
受け部に対する骨アンカー固定要素の回動角度は、真っ直ぐな位置から計測して45°以上である。これにより、骨アンカー固定装置は、たとえば頸椎における外側塊固定術の適用に特に好適である。
【0010】
アンカー固定要素およびスリーブ状挿入片をロックするためのロッキング機構は、小さな表面に対して高いクランプ力を与える。したがって、ロッキング機構は効率的である。
【0011】
受け部の下方部には、載置用空間を必要とする挿入部材が配置されるが、受け部の上方部分は大きさが小さくなるように設計可能である。
【0012】
骨アンカー固定装置は、アンカー固定要素が上から挿入される頂部装填装置として、またはアンカー固定要素が底から挿入される底部装填装置として設計可能である。
【0013】
発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面による実施形態の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施の形態に従う、脊柱ロッドを有する多軸骨アンカー固定装置の分解斜視図である。
【図2】組立てられた状態の図1の骨アンカー固定装置の斜視図である。
【図3】ロッドおよび固定ねじがない、組立てられた状態の図1および図2の骨アンカー固定装置の、ロッド軸に沿って取られた断面図である。
【図4a)】図1の圧力要素の側面図である。
【図4b)】図4a)の線A−Aに沿って取られた圧力要素の断面図である。
【図4c)】圧力要素の底面図である。
【図4d)】圧力要素の斜視図である。
【図5a)】図1のスリーブ状挿入片の側面図である。
【図5b)】スリーブ状挿入片の斜視図である。
【図5c)】図5a)の線B−Bに沿ったスリーブ状挿入片の断面図である。
【図5d)】図5c)に示されるような挿入片の一部の拡大断面図である。
【図6a)】拡大した回動角度の向きに関して多軸骨アンカー固定装置を整列させるステップを示す図である。
【図6b)】拡大した回動角度の向きに関して多軸骨アンカー固定装置を整列させるステップを示す図である。
【図6c)】拡大した回動角度の向きに関して多軸骨アンカー固定装置を整列させるステップを示す図である。
【図6d)】拡大した回動角度の向きに関して多軸骨アンカー固定装置を整列させるステップを示す図である。
【図6e)】拡大した回動角度の向きに関して多軸骨アンカー固定装置を整列させるステップを示す図である。
【図7】多軸骨アンカー固定装置の第2の実施形態の分解斜視図である。
【図8】組立てられた状態の図7の骨アンカー固定装置の斜視図である。
【図9a)】骨アンカー固定要素が受け部に対して第1の位置を取る、ロッド軸に垂直に取られた、組立てられた状態の図7および図8の多軸骨アンカー固定装置の断面図である。
【図9b)】骨アンカー固定要素が受け部に対して第2の位置を取る、組立てられた状態の骨アンカー固定装置の断面図である。
【図10a)】第2の実施形態に従う骨アンカー固定装置の受け部の下方からの斜視図である。
【図10b)】図10a)の線C−Cに沿って取られた受け部の断面図である。
【図10c)】受け部の側面図である。
【図10d)】図10c)の線D−Dに沿って取られた受け部の断面図である。
【図11a)】スリーブ状挿入片および受け部を組立てるステップを示す図である。
【図11b)】スリーブ状挿入片および受け部を組立てるステップを示す図である。
【図11c)】スリーブ状挿入片および受け部を組立てるステップを示す図である。
【図11d)】スリーブ状挿入片および受け部を組立てるステップを示す図である。
【図11e)】スリーブ状挿入片および受け部を組立てるステップを示す図である。
【図11f)】スリーブ状挿入片および受け部を組立てるステップを示す図である。
【図11g)】スリーブ状挿入片および受け部を組立てるステップを示す図である。
【図12】スリーブ状挿入片を有する受け部と圧力要素を有する骨アンカー固定要素とを組立てる斜視図である。
【図13】変形された実施形態に従う多軸骨アンカー固定装置の分解斜視図である。
【図14】組立てられた状態の図13の多軸骨アンカー固定装置の断面図である。
【図15】多軸骨アンカー固定装置の第3の実施形態の分解斜視図である。
【図16】ロッド軸に垂直に取られた、ロッドを有するが固定装置を有しない、組立てられた状態の図15の多軸骨アンカー固定装置の断面図である。
【図17a)】図15および図16に従う多軸骨アンカー固定装置の圧力部材の図である。
【図17b)】図15および図16に従う多軸骨アンカー固定装置の圧力部材の図である。
【図17c)】図15および図16に従う多軸骨アンカー固定装置の圧力部材の図である。
【図18a)】図15および図16に従う多軸骨アンカー固定装置の受け部の図である。
【図18b)】図15および図16に従う多軸骨アンカー固定装置の受け部の図である。
【図19a)】図15および図16に従う多軸骨アンカー固定装置を組立てるステップを示す図である。
【図19b)】図15および図16に従う多軸骨アンカー固定装置を組立てるステップを示す図である。
【図19c)】図15および図16に従う多軸骨アンカー固定装置を組立てるステップを示す図である。
【図19d)】図15および図16に従う多軸骨アンカー固定装置を組立てるステップを示す図である。
【図19e)】図15および図16に従う多軸骨アンカー固定装置を組立てるステップを示す図である。
【図19f)】図15および図16に従う多軸骨アンカー固定装置を組立てるステップを示す図である。
【図19g)】図15および図16に従う多軸骨アンカー固定装置を組立てるステップを示す図である。
【図20】組立て後の多軸骨アンカー固定装置の使用のステップの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1から図3に示されるように、第1の実施形態に従う多軸骨アンカー固定装置は、ねじ切りされたシャフト2および頭部3を有する骨ねじの形態の骨アンカー固定要素1を含む。頭部3は典型的に、球形の外面部分3aと、その自由端の、ドライバとの係合のための凹部3bとを有する。頭部3は骨アンカー固定要素1を安定化ロッド100に結合する受け部4に保持される。頭部3のための座を設けるスリーブ状挿入片5と骨アンカー固定要素の頭部3に圧力を加えるための圧力部材6とが受け部4に配置される。さらに、受け部4中でのロッド100の固着および固定のために、固定ねじ7の形態の固定要素が設けられる。
【0016】
受け部は頂部端4aおよび底部端4bを有し、中心軸Cおよび同軸ボア8が頂部端4aから底部端4bの方向に延在する。頂部端4aに隣接して、ロッドを受けるためのチャネルを形成する実質的にU字形の凹部9が設けられる。凹部9により、固定ねじ7と協働する雌ねじ10を備える2つの自由な脚部が形成される。
【0017】
同軸ボア8は、受け部4の下方部に設けられる収容空間11の中に向かって開いている。収容空間11は、受け部の底部端4bに下方開口12を有する。収容空間11は、スリーブ状挿入片5が着座する、受け部の底部端4b近くの着座部分13をさらに備える。着座部分13は、スリーブ状挿入片5および受け部4によって形成される玉継手用ソケットを設けるように球形を有する。着座部分13は先細であることもでき、または、玉継手を実現するのに用いることができる別の形状を有することができることに留意すべきである。下方開口12の内径は収容空間11の内径よりも小さい。同軸ボア8の内径は、頂部端4aと収容空間11との間で一定である必要がないことが留意される。これは、径が異なる部分を有してもよい。
【0018】
スリーブ状挿入片5は特に図3および図5a)から図5d)に示される。スリーブ状挿入片は上方端縁5aおよび下方端縁5bを備える。スリーブ状挿入片は、上方端縁と下方端縁との間に球形外面部分51を備える。スリーブ状挿入片の最大外径は受け部の下方開口12の内径より大きい。したがって、スリーブ状挿入片は、これが受け部に着座する際に下方開口12を通り抜けることができない。外側球形表面部分51の寸法は、スリーブ状挿入片5が、着座部分13に着座した際に受け部の中で回動および回転できるように受け部中の球形の着座部分13の寸法に対応する。スリーブ状挿入片5がその中心軸5cが受け部の中心軸Cと同軸となるように着座部分13の中で静止すると、下方端縁5bは下方開口12から突出する。スリーブ状挿入片5が受け部の中で回動すると、たとえば図3に示されるように、下方端縁5bの少なくとも一部が下方開口12から依然として突出する。
【0019】
スリーブ状挿入片5は中空であり、アンカー固定要素1の頭部3の球形外面部分3aの半径に対応する半径となるように球形に形作られた中央部分52を備える。中央部分52の下方端は肩部53を形成する。肩部53の内径は球形頭部3の最大外径よりも小さいので、玉継手と同様に、頭部3はスリーブ状挿入片5の中央球形部分52の中で回転および回動可能である。肩部53と下方端縁5bとの間に、シャフト2が下方端縁5bと接触するまで骨アンカー固定要素1の角度形成を許すように外向きに先細になる先細部分54が設けられる。球形中央部分52と上方端縁5aとの間に、外向きに先細になる先細部分55が設けられる。先細部分、および先細部分55と球形中央部分52との間の遷移部の内径は常に頭部3の最大外径よりも大きいので、頭部3を上方端縁5aから挿入することができる。圧力部材6の留め具として働き得る面取り部分56が上方端縁5aに設けられる。
【0020】
球形中央部分52および外側球形部分51の中心点は、内側中央球形部分52の中心点が底部端4bに向いた方向にシフトするようにオフセットされてもよい。これにより、骨アンカー固定要素1の角度形成範囲をさらに大きくすることができる。軸方向へのスリーブ状挿入片5の高さは軸方向への頭部3の高さよりも小さいため、頭部3がスリーブ状挿入片5の中に挿入されると、頭部3の球形外面3aの一部が依然としてスリーブ状挿入片5の上方端縁5aから突出する。
【0021】
圧力部材6は特に図1、図3、および図4a)から図4d)に示される。圧力部材6は実質的に円筒形であり、その外径は、それ自身が同軸ボア8および収容空間11内で移動可能なものである。これは上方端6aおよび下方端縁6bを有する。その下方端縁6bに隣接して、圧力部材6は、頭部3の外側球形表面部分3aの球形と一致する球形を有する球形凹部61を備える。
【0022】
下方端縁6bに隣接して、スリーブ状挿入片5の面取り部分56に当接することができる先細部分62が存在する。圧力部材6は、ロッド100をその中で受けるための円筒形凹部63を上方端6aに備える。さらに、圧力部材6は、工具によるねじ頭部3へのアクセスを可能にするための同軸ボア64を有する。同軸ボア64は、骨アンカー固定要素が図3に示されるような回動状態にある際に頭部3の一部がそれを通って延在できるようにするようにも構成される。軸方向における圧力部材6の高さは、固定ねじ7が締められると固定ねじ7が圧力部材6の上方端6aを押す一方、圧力部材6は骨アンカー固定要素の頭部3のみに作用するようなものである。
【0023】
第1の実施形態に従う骨アンカー固定装置は、スリーブ状挿入片5、骨アンカー固定要素1の頭部3、および圧力部材6が受け部4の中に配置されるように、予め組立てられてもよい。骨アンカー固定装置を組立てるため、スリーブ状挿入片5、骨アンカー固定要素1、および圧力部材6はすべて、頂部端4aを通して挿入される。圧力部材6は、円筒形凹部63がロッドを受けるための受け部のU字形凹部9と整列する整列位置に配置される。圧力部材6は、たとえば圧着によりこの位置に仮保持されてもよい。
【0024】
骨アンカー固定装置は、全体的にまたは部分的に、たとえばチタン、ステンレス鋼などの生体適合性金属、ニチノールなどの生体適合性合金、またはたとえばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの生体適合性プラスチック材料などの生体適合性材料からなる。
【0025】
第1の実施形態に従う骨アンカー固定装置の使用のステップを図6a)から図6e)に示す。まず、アンカー固定要素が、安定化すべき骨部または椎骨に挿入される。通常、安定化ロッドを安定化すべき骨部または椎骨に固定するためには、いくつかの骨アンカー固定装置が必要である。一例が図6a)に示される骨アンカー固定要素の挿入後、受け部4は、安定化ロッドを捉えることができるように、受け部4を回動および/または回転させることによって調節される。
【0026】
図6a)から図6e)に示される状態では、スリーブ状挿入片5および骨アンカー固定要素1の頭部3の両者とも、独立してかつ自由に回動可能である。スリーブ状挿入片5は受け部4の中で回転可能および回動可能であり、受け部4およびスリーブ状挿入片5は骨アンカー固定要素の頭部3に対して回転可能および回動可能である。スリーブ状挿入片5は、頭部3を受け部4で直接に受ける場合と比較して、拡大した角度形成範囲を与える。なぜなら、これは、下方開口12から突出し、これにより骨アンカー固定装置のシャフト2と下方開口12の端縁が与える当接部との間の距離が拡大するからである。スリーブ状挿入片5は受け部内で回転可能および回動可能であるので、拡大した角度形成範囲は、受け部の中心軸Cの周りの360°内の骨アンカー固定要素に対する受け部の任意の位置で達成可能である。図6b)に示すように、骨アンカー固定要素に対する受け部の回動はまず、本質的に、スリーブ状挿入片5の位置を維持する。骨アンカー固定要素のシャフト2が図6c)におよび図6d)に従う拡大部分に示されるようにスリーブ状挿入片5の下方端縁5bと接するや否や、スリーブ状挿入片5も回動される。シャフト2は、シャフト2が図6e)に示されるように受け部の下方開口12の端縁に当接するまで挿入片5を押す。したがって、図6e)では、受け部は骨アンカー固定要素1に対して最大回動角度で回動する。達成すべき最大回動角度は、スリーブ状挿入片5、受け部、および骨アンカー固定要素の寸法に依存するが、典型的には、真っ直ぐな、すなわち角度0の位置から計測した45°以上である。
【0027】
図6a)から図6e)では、ロッド軸を含有する平面で回動が行なわれる例を示すが、同じステップをロッド軸を含有する平面に対して90°で、または受け部4の中心軸Cの周りの360°内の任意の他の方向で行なえることに留意すべきである。
【0028】
最後に、ロッドを挿入し、内側ねじ7を締め、圧力部材6を頭部に対して押付け、頭部およびスリーブ状挿入片を同時にロックする。
【0029】
図7から図12は、骨アンカー固定装置の第2の実施形態を示す。第1の実施形態と同じまたは同様の部品および部分には同じ参照番号を指定し、その説明は繰返さない。第2の実施形態の骨アンカー固定装置は、第1の実施形態の骨アンカー固定装置とは受け部および圧力部材の構成において異なっている。すべての他の部品は第1の実施形態と同一である。
【0030】
スリーブ状挿入片5が存在する結果、挿入片用の空間を有するために、受け部の下方部分は、そのような挿入片を有しない受け部と比較して外径が大きくなってもよい。しかしながら、ロッドの場所では、受け部の大きさが小さい必要性が存在する。第2の実施形態に従う受け部4′は、特に図7、図8、および図10に見られるように、第1の実施形態の受け部と比較して、ロッドを捉える上側部分よりも小さな外径を有する。受け部4′は、頂部端4aに向けて先細になり大きさを小さくする、2つの先細外面部分41a、41bを有する。先細外面部分41a、41bは、U字形凹部9の長手方向軸に対応するロッドの長手方向軸を横断するように、互いから180°オフセットして位置する。したがって、ロッド軸方向の受け部4′の寸法は、第1の実施形態と比較して小さくなっている。十分な壁強度を有するために、同軸ボア8′の直径は、第1の実施形態の同軸ボア8と比較してより小さい。同軸ボア8′の直径はスリーブ状挿入片5の最大外径よりも小さい。同軸ボア8′は収容空間11′に向けて開いている。収容空間11′は、第1の実施形態のような着座部分13および下方開口12を有する。さらに、収容空間11′は、着座部分13と同軸ボア8′との間にドーム形部分14を有する。ドーム形部分14および着座部分13は、同軸ボア8′の内径よりも大きな、収容空間11′の最大内径を規定する。さらに受け部4′は、開口12から外向きに先細になって、骨アンカー固定要素の角度形成範囲をさらに大きくする外向き先細部分15を有してもよい。収容空間11′の大きさは、スリーブ状挿入片5が以下に説明されるように傾いた姿勢で頂部端4aから導入されるとその中で傾き得るようなものである。
【0031】
スリーブ状挿入片を頂部端4aから導入できるようにするため、同軸ボア8′および収容空間11′の内壁に2つの対向する凹部42a、42bが設けられる。凹部42a、42bはU字形凹部9と整列される。これらはU字形凹部9の底部から収容空間11′の中に延在する。
【0032】
凹部42a、42bの大きさは、スリーブ状挿入片5を90°傾いた姿勢で頂部端から導入可能であるようなものである。すなわち、凹部の幅は、その軸方向において、スリーブ状挿入片の高さよりも大きい。凹部42a、42bは、座13への挿入片5の傾きが可能であるような程度に、収容空間中に延在する。
【0033】
さらに、受け部は、図7から図10に示されるように、ピン17を受けるための少なくとも1つのピン穴16を備える。ピン穴16はチャネル軸に対して90°に配置される。第2のピン(図示せず)を受け部の他方側に設けてもよいが、第2のピンを設ける必要はない。
【0034】
図7および図9a)から図9b)に示されるように、圧力部材6′は、先細部分62の代わりに、円筒形主要部分よりも直径がわずかに小さな円筒形部分62′を有する点で圧力部材6と異なっている。下方円筒形部分62′の外径はスリーブ状挿入片5の上方先細部分55の内径よりも小さいため、下方円筒形部分62′は、少なくとも部分的にスリーブ状挿入片5の上方先細部分55内に配置される。これにより、圧力部材6′はスリーブ状挿入片5に触れることがない。
【0035】
圧力部材6′は、円筒形凹部63の円筒軸に垂直なその一方側のその外壁の中に、底部端縁6bに向けて閉じ、かつ上方端6aに向けて開く同軸凹部65を有する。下方端縁6bに向いた凹部65の底部は丸められていてもよい。凹部65は受け部を整列位置に保持するピン17を受けるように働くので、円筒形凹部63の円筒軸とロッドを受けるU字形凹部のチャネル軸とが整列される。凹部65およびピン17は、圧力部材6′の回転および抜けを防止するための装置を形成する。
【0036】
ピン穴、ピン、および凹部65の位置および寸法は、圧力部材6′が頭部3に対してわずかな予荷重を加えるように仮固定されるように構成されてもよい。これにより、頭部3は、これが固定ねじ7を締めるおよび圧力部材6′を押込むことによって最終的にロックされる前に、摩擦によってクランプされる。したがって、受け部を、骨アンカー固定要素に対して調節可能な角度付けられた姿勢に保持可能である。骨アンカー固定要素に対する受け部の回動は、摩擦力よりも大きい力を加えることによって依然として可能である。
【0037】
第2の実施形態の骨アンカー固定装置を組立てるステップを図11a)から図11g)に関して示す。まず、図11a)および図11b)に見られるように、スリーブ状挿入片は90°傾けられ、U字形凹部9の位置で受け部に挿入される。次に、図11c)および図11c)の断面図である図11d)に示されるように、挿入片5を収容空間11′の中へ下向きに移動させる。挿入片5の外径は下方開口12の内径よりも大きいので、挿入片は開口12の下方端縁を通り抜けることができない。次に、図11e)から、図11f)に従う受け部の断面図である図11g)に示されるように挿入片5が傾けられるので、これは最終的に、図11g)に示されるように着座部分13の中に着座する。その後、頭部3の上に圧力部材6′を載せた骨アンカー固定要素1が頂部端4aから挿入される。その後、圧力部材6′は、凹部65に係合するまでピン17をピン穴の中に導入することによって保持される。
【0038】
第2の実施の形態の骨アンカー固定装置の使用は第1の実施形態と同様である。
図13および図14は第2の実施形態の変形例を示す。第2の実施形態と同一のすべての部品には同じ参照番号を指定し、その説明は繰返さない。
【0039】
変形された第2の実施形態は、圧力部材および固定装置の設計において第2の実施形態と異なっている。骨アンカー固定装置は、別の頭部およびロッド固定を有する。ロッド固定は、円筒形凹部63の代わりにU字形凹部63′が設けられ、U字形凹部63′によって形成されるチャネルにロッドが挿入されるときロッド100上方に延在する脚部63a′、63b′を有する、軸方向により高い圧力部材6″によって達成される。さらに、圧力部材6″は、上方端6aに向けておよび下方端縁6bに向けて閉じている楕円形凹部65′を有してもよい。
【0040】
固定装置70は、受け部4′の雌ねじ10と協働する内側ねじ71を備える2つに分かれた固定装置である。内側ねじ71は、留めねじ72を受ける同軸のねじ切りされた穴を有する。留めねじ72がロッド100に対して作用する。内側ねじ71が締められると、これが圧力部材6″の頂部端6aを押さえ、骨アンカー固定要素の頭部3に対してのみ圧力を加える。留めねじ72を用いると、ロッド100を独立して固定することができる。
【0041】
変形された第2の実施形態に従う骨アンカー固定装置の組立ておよび使用は第2の実施形態と同様である。固定装置および変形された圧力部材は、第1の実施形態の骨アンカー固定装置と関連して用いることもできることを注記する。
【0042】
骨アンカー固定装置の第3の実施形態を図15から図20に示す。これは、スリーブ状挿入片が受け部の底部端4bから導入される点で以前の実施形態の骨アンカー固定装置と異なっている。これは、アンカー固定要素が底部端4bから導入可能ないわゆる底部装填多軸骨アンカー固定装置である点で以前の実施形態の骨アンカー固定装置と異なっている。以前の実施形態のように、同一または同様の特徴には同じ参照番号を指定し、その説明は繰返さない。
【0043】
第3の実施形態に従う多軸骨アンカー固定装置は、スリーブ状挿入片および圧力部材6″′を有するアンカー固定要素1を底部端4bから受けるようにサイズ決めされ形作られる受け部4″を有する。この目的のため、受け部は、その底部端に、互いから180°オフセットされ、ロッド軸に垂直な位置に位置する2つの凹部43a、43bを備える。凹部43a、43bは底部端4bに向かって開いており、たとえば図19a)に示されるように、スリーブ状挿入片5を90°傾いた姿勢で底部端4bから収容空間11″に導入可能なようにサイズ決めされ形作られる。凹部43a)および43b)をロッド軸に対して必ずしも90°に位置決めする必要はなく、ロッド軸に対して0°または任意の他の角度で位置決め可能であることに留意すべきである。それらがロッド軸に対して90°に位置すると、受け部の全体的な強度の弱まりが小さくなる。収容空間11″は、スリーブ状挿入片および圧力部材6″′がその中に装着された状態で頭部の挿入を可能にするように、実質的に中空の半球形である。このことは、収容空間11″が、スリーブ状挿入片5および圧力部材6″′がその上に装着された状態で頭部の導入および回転を可能にするようにサイズ決めされ形作られることを意味する。収容空間11″の中に開く同軸ボア8″の下方部分は、底部端4bに向けて外向きに先細になる部分18を有する。これにより、装着されたスリーブ状挿入片および圧力部材6″′を有する頭部3が収容空間11″の中で回転可能になる。
【0044】
同軸ボア8″は、以前の実施形態の同軸ボア8および8′と比較して、直径がより小さくなり得る。なぜなら、圧力部材および/またはスリーブ状挿入片をそれを通して導く必要がないからである。したがって、上方区域における受け部4′の大きさを小さくすることができる。図16に示されるような同軸ボア8″の直径は圧力部材6″′の最大外径よりも小さい。したがって、圧力部材6″′が抜けるのを回避する、圧力部材6′の仮固定を与える必要がない。
【0045】
第3の実施形態のスリーブ状挿入片5は以前の実施形態のスリーブ状挿入部材と実質的に同じである。
【0046】
図17a)から図17c)に示されるような圧力部材6″′は、上方端6aおよび下方端縁6bを有する回転対称部品である。これは、以前の実施形態のように下方端縁に隣接して球形の凹部61を有する。ロッドを受けるための円筒形凹部は存在しない。すなわち、上方端6aは平らな面である。さらに圧力部材6″′は、ドライバによる頭部3へのねじ頭部アクセスへのアクセスを可能にしかつ頭部3が骨アンカー固定要素が大きな角度で回動する際にそれを通って部分的に延在できるように、同軸ボア64を備える。下方端縁6bに隣接して、外面部分62が第1の実施形態のように先細にされる。上方端6aに隣接して小さな球形の外面部分67が存在し、これは、収容空間11′のドーム形部分14′と一致するようにサイズ決めされ形作られ、圧力要素がその上に装着された状態で頭部3の回転を容易にする。部分67は小さくてもよく、たとえばこれは、回転を容易にするように単に面取りされた部分であり得る。
【0047】
図19a)から図19g)に関してここで組立てを説明する。図19a)は、組立て前の受け部および骨アンカー固定要素の側面図を示す。骨アンカー固定要素にはスリーブ状挿入片5および圧力部材6″′が設けられる。スリーブ状挿入片5および圧力部材6″′は、それらの中心軸が受け部の中心軸Cに垂直になるように傾けられる。スリーブ状挿入片5および圧力部材6″′がその上に装着された状態でこの姿勢で骨アンカー固定要素を保持する工具が存在してもよい。次に、これも側面図である図19b)に示されるように、スリーブ状挿入片5および圧力部材6″′を有する骨アンカー固定要素1は、底部端から下方開口12を通して収容空間11″の中へ、この傾いた姿勢で導入される。受け部および傾いたスリーブ状挿入片5は、凹部43a、43bが受け部の中に設けられた位置にスリーブ状挿入片を導入できるように、互いに対する向きが定められる。図19c)は、図19b)に示される位置のロッド軸に沿った側面図を示す。図19d)は、図19c)の線E−Eに沿った断面図を示す。図19d)に見られるように、底部端からさらに挿入されると、スリーブ状挿入片5は、同軸ボア8″および先細部分18の中に部分的に延在し得る。
【0048】
次に、骨アンカー固定装置の側面図である図19e)および図19f)に示されるように、スリーブ状挿入片5および圧力部材は、骨アンカー固定要素を回動させることによって収容空間11″内で回転される。骨アンカー固定要素1のシャフト2がスリーブ状挿入片の下方端縁5bに当接すると、スリーブ状挿入片5は骨アンカー固定要素とともに回動する。同時に、収容空間11″の壁に沿って圧力部材6″′が導かれる。最後に、図19g)に従う断面図に示されるように、スリーブ状挿入片および圧力部材は0角度位置にある。すなわち、それらの中心軸は受け部4″の中心軸Cと同軸である。
【0049】
最終的に多軸骨アンカー固定装置が組立てられると、圧力部材6″′はU字形凹部9の底部上にわずかに突出する。ロッド100が挿入されると、ロッドが圧力部材の上方の平らな面6aに触れる。内側ねじまたは別の固定装置を締めることにより、ロッドが圧力部材6″′に対して押さえられ、次に骨アンカー固定装置の頭部3を押さえ、スリーブ状挿入片5内での頭部、および受け部4″内でのスリーブ状挿入片5の角度付けられた姿勢を同時にロックする。
【0050】
記載の実施形態のさらなる変形例が考えられる。たとえば、骨アンカー固定要素については、すべての種類のアンカー固定要素を受け部とともに用い、組合せることができる。これらのアンカー固定要素は、たとえば、異なる長さの異なる直径を有するねじ、中空ねじ、異なるねじ山形態を有するねじ、骨折部用釘、フックなどである。頭部およびシャフトも互いに接続可能な別の部品であってもよい。
【0051】
受け部の変形例は、中心軸に垂直なU字形凹部の代わりに、傾斜しているもしくは側方に開いている、または閉じたチャネルの形態にあるロッド用凹部を含む。外側ナット、外側キャップ、差込ピンロッキング装置、または他のものを含む他の種類のロッキング装置も可能である。すべての実施形態で、頭部3に接触する圧力部材の内面部分が必ずしも球形である必要はない。これは、頭部に対して圧力を加えるのに好適な別の形状を有することができる。
【0052】
記載される異なる実施形態の一部を互いと組合せ可能であることをさらに注記する。
【符号の説明】
【0053】
1 アンカー固定要素、2 シャフト、3 頭部、4,4′,4″ 受け部、5 スリーブ状挿入片、6,6′,6″,6″′ 圧力部材、11,11′,11″ 収容空間。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多軸骨アンカー固定装置であって、
骨におけるアンカー固定のためのシャフト(2)および頭部(3)を有するアンカー固定要素(1)を含み、頭部は球形外面部分(3a)を有し、さらに
前記頭部(3)に回動可能に接続される受け部(4,4′,4″)を含み、受け部は頂部端(4a)および底部端(4b)、頂部端および底部端を通って延在する長手方向軸(C)、ロッド(100)を受けるための横断チャネル(9)、ならびに頭部(3)を収容するための収容空間(11,11′,11″)を有し、収容空間(11,11′,11″)は底部端(4b)に下方開口(12)を有し、さらに
頭部(3)の一部を包含し、外側球形表面部分(51)を有し、かつ受け部の中で回動するように構成されるスリーブ状挿入片(5)を含み、スリーブ状挿入片(5)の下方端縁(5b)は、スリーブ状挿入片がそのスリーブ軸(5c)が長手方向軸(C)と同軸である位置で受け部に着座する際に下方開口(12)を通って延在し、さらに
少なくとも部分的に収容空間(11,11′,11″)に配置される圧力部材(6,6′,6″,6″′)を含み、圧力部材は頭部(3)に接触して頭部に圧力を加える下面部分(63)を有し、
アンカー固定要素(1)は、受け部(4,4′,4″)に対して回動可能であり、圧力部材(6,6′,6″,6″′)によって圧力を頭部(3)に加えて受け部の中に頭部およびスリーブ状挿入片(5)を同時にロックすることによってある角度でロック可能である、多軸骨アンカー固定装置。
【請求項2】
スリーブ状挿入片(5)およびアンカー固定要素(1)は、アンカー固定要素(1)のシャフト(2)とスリーブ状挿入片(5)の下方端縁(5b)とが接触しなくなると独立して回動可能である、請求項1に記載の多軸骨アンカー固定装置。
【請求項3】
アンカー固定要素(1)のシャフト(2)が回動されてスリーブ状挿入片(5)の下方端縁(5b)と係合した際、アンカー固定要素(1)をさらに回動させるとスリーブ状挿入片(5)がアンカー固定要素(1)とともに回動する、請求項1から2のうち1項に記載の多軸骨アンカー固定装置。
【請求項4】
頭部(3)に接触する圧力部材(6,6′,6″,6″′)の下面部分(61)は少なくとも部分的に球形である、請求項1から3のうち1項に記載の多軸骨アンカー固定装置。
【請求項5】
圧力部材(6,6′,6″,6″′)が頭部(3)に接している際、圧力部材(6,6′,6″,6″′)とスリーブ状挿入片(5)との間に空隙が存在する、請求項1から4のうち1項に記載の多軸骨アンカー固定装置。
【請求項6】
スリーブ状挿入片(5)は、頭部(3)のための座を形成する内側球面部分(52)を有する、請求項1から5のうち1項に記載の多軸骨アンカー固定装置。
【請求項7】
スリーブ状挿入片(5)の外側球面部分(51)および内側球面部分(52)の中心点はスリーブ軸の軸方向に互いからオフセットされている、請求項6に記載の多軸骨アンカー固定装置。
【請求項8】
内側球面部分(52)の中心点は受け部(4)の底部端(4b)に向けてシフトしている、請求項7に記載の多軸骨アンカー固定装置。
【請求項9】
圧力部材(6′,6″,6″′)は受け部(4′)に保持され、これにより、圧力部材は頭部(3)に対して予荷重を加え、アンカー固定要素(1)の角度付けられた姿勢の最終的なロッキングの前に摩擦によって頭部をクランプする、請求項1から8のうち1項に記載の多軸骨アンカー固定装置。
【請求項10】
スリーブ状挿入片(5)は回転対称である、請求項1から9のうち1項に記載の多軸骨アンカー固定装置。
【請求項11】
下方開口(12)は円形の断面を有し、スリーブ状挿入片(5)の最大外径は下方開口(12)の内側円直径よりも大きい、請求項1から10のうち1項に記載の多軸骨アンカー固定装置。
【請求項12】
圧力部材(6,6′,6″,6″′)は、収容空間(11,11′,11″)の中へ開き、アンカー固定要素が回動すると頭部(3)の少なくとも一部を収容するように構成される通路(64)を有する、請求項1から11のうち1項に記載の多軸骨アンカー固定装置。
【請求項13】
受け部(4)は、頂部端(4a)から収容空間(11)中に延在する通路(8)を有し、頂部端(4a)での通路(8)の内径は、頂部端(4a)からのスリーブ状挿入片(5)の挿入を許すように構成される、請求項1から12のうち1項に記載の多軸骨アンカー固定装置。
【請求項14】
受け部は頂部端(4a)から収容空間(11′,11″)中に延在する通路(8′,8″)を有し、頂部端(4a)での通路(8′,8″)の内径はスリーブ状挿入片(5)の最大外径よりも小さい、請求項1から12のうち1項に記載の多軸骨アンカー固定装置。
【請求項15】
ロッドを受けるためのチャネル(9)は頂部端(4a)に隣接するU字形凹部によって形成され、2つの凹部(42a,42b)は、底部端(4b)の方向にU字形凹部から下向きに延在して、傾いた姿勢での頂部端(4a)からのスリーブ状挿入片(5)の挿入を可能にする、請求項13または14に記載の多軸骨アンカー固定装置。
【請求項16】
圧力部材(6,6′,6″)はロッドを受けるように構成される凹部を有する、請求項1から15のうち1項に記載の多軸骨アンカー固定装置。
【請求項17】
収容空間(11″)は、収容空間(11″)の壁の中への下方開口(12)の境界となる端縁から延在し、下方開口からのスリーブ状挿入片(5)の挿入を可能にするように構成される2つの対向する凹部(43a,43b)を備える、請求項1から12のうち1項に記載の多軸骨アンカー固定装置。
【請求項18】
収容空間(11)は、下方開口(12)から傾いた状態で導入される際にスリーブ状挿入片(5)の傾きを許すようにサイズ決めされ形作られる、請求項17に記載の多軸骨アンカー固定装置。
【請求項1】
多軸骨アンカー固定装置であって、
骨におけるアンカー固定のためのシャフト(2)および頭部(3)を有するアンカー固定要素(1)を含み、頭部は球形外面部分(3a)を有し、さらに
前記頭部(3)に回動可能に接続される受け部(4,4′,4″)を含み、受け部は頂部端(4a)および底部端(4b)、頂部端および底部端を通って延在する長手方向軸(C)、ロッド(100)を受けるための横断チャネル(9)、ならびに頭部(3)を収容するための収容空間(11,11′,11″)を有し、収容空間(11,11′,11″)は底部端(4b)に下方開口(12)を有し、さらに
頭部(3)の一部を包含し、外側球形表面部分(51)を有し、かつ受け部の中で回動するように構成されるスリーブ状挿入片(5)を含み、スリーブ状挿入片(5)の下方端縁(5b)は、スリーブ状挿入片がそのスリーブ軸(5c)が長手方向軸(C)と同軸である位置で受け部に着座する際に下方開口(12)を通って延在し、さらに
少なくとも部分的に収容空間(11,11′,11″)に配置される圧力部材(6,6′,6″,6″′)を含み、圧力部材は頭部(3)に接触して頭部に圧力を加える下面部分(63)を有し、
アンカー固定要素(1)は、受け部(4,4′,4″)に対して回動可能であり、圧力部材(6,6′,6″,6″′)によって圧力を頭部(3)に加えて受け部の中に頭部およびスリーブ状挿入片(5)を同時にロックすることによってある角度でロック可能である、多軸骨アンカー固定装置。
【請求項2】
スリーブ状挿入片(5)およびアンカー固定要素(1)は、アンカー固定要素(1)のシャフト(2)とスリーブ状挿入片(5)の下方端縁(5b)とが接触しなくなると独立して回動可能である、請求項1に記載の多軸骨アンカー固定装置。
【請求項3】
アンカー固定要素(1)のシャフト(2)が回動されてスリーブ状挿入片(5)の下方端縁(5b)と係合した際、アンカー固定要素(1)をさらに回動させるとスリーブ状挿入片(5)がアンカー固定要素(1)とともに回動する、請求項1から2のうち1項に記載の多軸骨アンカー固定装置。
【請求項4】
頭部(3)に接触する圧力部材(6,6′,6″,6″′)の下面部分(61)は少なくとも部分的に球形である、請求項1から3のうち1項に記載の多軸骨アンカー固定装置。
【請求項5】
圧力部材(6,6′,6″,6″′)が頭部(3)に接している際、圧力部材(6,6′,6″,6″′)とスリーブ状挿入片(5)との間に空隙が存在する、請求項1から4のうち1項に記載の多軸骨アンカー固定装置。
【請求項6】
スリーブ状挿入片(5)は、頭部(3)のための座を形成する内側球面部分(52)を有する、請求項1から5のうち1項に記載の多軸骨アンカー固定装置。
【請求項7】
スリーブ状挿入片(5)の外側球面部分(51)および内側球面部分(52)の中心点はスリーブ軸の軸方向に互いからオフセットされている、請求項6に記載の多軸骨アンカー固定装置。
【請求項8】
内側球面部分(52)の中心点は受け部(4)の底部端(4b)に向けてシフトしている、請求項7に記載の多軸骨アンカー固定装置。
【請求項9】
圧力部材(6′,6″,6″′)は受け部(4′)に保持され、これにより、圧力部材は頭部(3)に対して予荷重を加え、アンカー固定要素(1)の角度付けられた姿勢の最終的なロッキングの前に摩擦によって頭部をクランプする、請求項1から8のうち1項に記載の多軸骨アンカー固定装置。
【請求項10】
スリーブ状挿入片(5)は回転対称である、請求項1から9のうち1項に記載の多軸骨アンカー固定装置。
【請求項11】
下方開口(12)は円形の断面を有し、スリーブ状挿入片(5)の最大外径は下方開口(12)の内側円直径よりも大きい、請求項1から10のうち1項に記載の多軸骨アンカー固定装置。
【請求項12】
圧力部材(6,6′,6″,6″′)は、収容空間(11,11′,11″)の中へ開き、アンカー固定要素が回動すると頭部(3)の少なくとも一部を収容するように構成される通路(64)を有する、請求項1から11のうち1項に記載の多軸骨アンカー固定装置。
【請求項13】
受け部(4)は、頂部端(4a)から収容空間(11)中に延在する通路(8)を有し、頂部端(4a)での通路(8)の内径は、頂部端(4a)からのスリーブ状挿入片(5)の挿入を許すように構成される、請求項1から12のうち1項に記載の多軸骨アンカー固定装置。
【請求項14】
受け部は頂部端(4a)から収容空間(11′,11″)中に延在する通路(8′,8″)を有し、頂部端(4a)での通路(8′,8″)の内径はスリーブ状挿入片(5)の最大外径よりも小さい、請求項1から12のうち1項に記載の多軸骨アンカー固定装置。
【請求項15】
ロッドを受けるためのチャネル(9)は頂部端(4a)に隣接するU字形凹部によって形成され、2つの凹部(42a,42b)は、底部端(4b)の方向にU字形凹部から下向きに延在して、傾いた姿勢での頂部端(4a)からのスリーブ状挿入片(5)の挿入を可能にする、請求項13または14に記載の多軸骨アンカー固定装置。
【請求項16】
圧力部材(6,6′,6″)はロッドを受けるように構成される凹部を有する、請求項1から15のうち1項に記載の多軸骨アンカー固定装置。
【請求項17】
収容空間(11″)は、収容空間(11″)の壁の中への下方開口(12)の境界となる端縁から延在し、下方開口からのスリーブ状挿入片(5)の挿入を可能にするように構成される2つの対向する凹部(43a,43b)を備える、請求項1から12のうち1項に記載の多軸骨アンカー固定装置。
【請求項18】
収容空間(11)は、下方開口(12)から傾いた状態で導入される際にスリーブ状挿入片(5)の傾きを許すようにサイズ決めされ形作られる、請求項17に記載の多軸骨アンカー固定装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4a)】
【図4b)】
【図4c)】
【図4d)】
【図5a)】
【図5b)】
【図5c)】
【図5d)】
【図6a)】
【図6b)】
【図6c)】
【図6d)】
【図6e)】
【図7】
【図8】
【図9a)】
【図9b)】
【図10a)】
【図10b)】
【図10c)】
【図10d)】
【図11a)】
【図11b)】
【図11c)】
【図11d)】
【図11e)】
【図11f)】
【図11g)】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17a)】
【図17b)】
【図17c)】
【図18a)】
【図18b)】
【図19a)】
【図19b)】
【図19c)】
【図19d)】
【図19e)】
【図19f)】
【図19g)】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4a)】
【図4b)】
【図4c)】
【図4d)】
【図5a)】
【図5b)】
【図5c)】
【図5d)】
【図6a)】
【図6b)】
【図6c)】
【図6d)】
【図6e)】
【図7】
【図8】
【図9a)】
【図9b)】
【図10a)】
【図10b)】
【図10c)】
【図10d)】
【図11a)】
【図11b)】
【図11c)】
【図11d)】
【図11e)】
【図11f)】
【図11g)】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17a)】
【図17b)】
【図17c)】
【図18a)】
【図18b)】
【図19a)】
【図19b)】
【図19c)】
【図19d)】
【図19e)】
【図19f)】
【図19g)】
【図20】
【公開番号】特開2012−110707(P2012−110707A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254090(P2011−254090)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(511211737)ビーダーマン・テクノロジーズ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンディートゲゼルシャフト (30)
【氏名又は名称原語表記】BIEDERMANN TECHNOLOGIES GMBH & CO. KG
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(511211737)ビーダーマン・テクノロジーズ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンディートゲゼルシャフト (30)
【氏名又は名称原語表記】BIEDERMANN TECHNOLOGIES GMBH & CO. KG
【Fターム(参考)】
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