説明

多重効果を有する視覚的ディスプレイを創出するための反射面を備えた容器

多次元の視覚的ディスプレイまたは錯視を創出するための容器(100)。容器(100)は、側壁(112)と、側壁(112)の外側表面上に装着された視覚的ディスプレイアセンブリ(120)とを含んでいる。ディスプレイアセンブリ(120)は外側表面に取り付けられた1つ以上のラベル中に提供されてもよく、側壁(112)の後方部(116)に取り付けられた反射面(128)を含んでいる。主要画像(129)は、反射面(128)と側壁(112)の外側表面との間に位置する。側壁(112)は湾曲しており、反射面(128)および主要画像(129)はこの湾曲した形状に一致するように装着される。フレーム要素(130)は、側壁(112)の前方部(114)に、内側を向いた面(140)に背景画像(144)を伴って提供される。フレーム要素(130)は、容器(100)を通して主要画像(129)および反射面(128)の上へと視線を提供するビューポート(138)を含み、反射面は背景画像(144)を観察者に向けて反射して主要画像(129)の後方に見えるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、消費者を魅了する視覚的描写を備えた容器のような物体であって特に容器を生産する包装技術およびラベル技術に関し、また、観察者にとって容器の表面から離れて見える画像、または、前景画像、主要画像もしくは中心画像、および背景画像などの多次元もしくは多層の複合画像を生じるようにラベルされた容器を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
製品を市場に出す企業は、混みあった小売り棚の上で自社製品を競合他社の製品と差別化するよりよい方法を常に探し求めている。このことは、水、アルコール飲料およびノンアルコール飲料、ならびにシャンプー、液状セッケンなどを含む他の多くの消費者製品のような、味、外観またはその他の特徴において類似している可能性のある製品については特に当てはまる。自社製品を差別化するために、これらの企業は、棚上でのアピール性を高め、消費者に販売時点または購買時点で競合他社の製品ではなく自社製品を選択させようとするために、包装に取り組んできた。例えば、シュリンクスリーブラベル、ラップアラウンド式ラベルまたはその他のラベルを使用して、消費者製品の容器を包装し、消費者を引きつけて製品を購入させることが意図された多彩な画像や人目を引く図形を含めることができる。製品の包装は、価格に基づいて、もしくはブランドへのこだわり以外の他の要因に基づいて選択される可能性のある製品にとって、また市場に出たばかりの製品にとって、特に重要である。これらの場合には、消費者は単にある製品の包装の具合を理由として、別の製品ではなくその製品を選択することが少なくない。
【0003】
製品は、ボトル、缶、ジャー、カップ、または、人の形もしくは丸太小屋の形のボトルにシロップを入れるなど変わった形状の容器、のうち少なくともいずれかに詰められることが多い。ウォツカのようなアルコール飲料は、消費者の注意を引きつけるために独特な形で提供されることもある。より一般的には、標準的な形状の容器またはボトルが使用されて、消費者を引きつけるために色彩に富んでいるかまたは多彩な画像もしくは図形画像を含んだラベルが貼付される。例えば、最近の包装革新には、消費者が容器の壁および容器中の液体を通して、容器の壁上に張り付けられているように見える画像を見ることができるように作られた、透明な液体容器のためのラベルが挙げられる。これらの容器では、画像は、容器の背面に取り付けられるラベル上に印刷されてもよいし、画像が容器の裏側に直接印刷されてもよい。いくつかの容器では、容器中の透明な液体を通して見ることができるか、または(例えば飲料が消費された後で懸賞の結果もしくはその他の情報を提供するために)より不透明な液体が除かれた後で見ることができる文字列を内側表面上に含む、ラップアラウンド式ラベルが貼付される。容器の包装は、画像の拡大、3次元画像の創出、または動く画像の創出のうち少なくともいずれかのためのレンズ材料を備えたラベルをも含む場合がある。包装コストをほとんどもしくは全く増加させずに新しい効果または視覚的描写をもたらす包装革新の開発は、現在も継続中の課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
消費者製品の棚上でのアピール性を高める革新的な包装デザインおよび包装技術が依然として求められている。そのような包装デザインおよび包装技術は、追加の包装コストを調整しつつ製品容器に差別化をもたらす視覚的描写もしくは図形画像を提供するだろう。ある場合には、工作コストまたは製造コストを調整するために、本発明の包装デザインおよび包装技術を既存の包装処理方法またはラベル処理方法に組み入れることが望ましいか
もしれない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、容器(ならびにそのような容器の製造方法)であって該容器の棚上でのアピール性を著しく高める多次元ディスプレイの創出に適したものを提供することにより、上記の問題に取り組む。本発明はさらに、容器またはその他の物体に取り付けることができる1つ以上のラベルまたはその他の視覚的ディスプレイアセンブリを提供する。一般に、容器は各々、透明または半透明の容器(例えばプラスチック、セラミック、もしくはガラスのボトル、ジャー、箱、またはその他の容器)の後方側に反射体または反射面を備えている。中心画像または主要画像はこの反射面上に印刷されるか、そうでなければ容器または反射面の後方側に提供される。フレーム要素が容器の前方側に提供され、このフレーム要素は画像パターンと、透明なビューポートもしくは視界窓(フレーム要素の任意の部分であって、観察者の視線が該部分を通り抜けるようになっており、完全すなわち閉じた状態のフレーム/境界線には限定されない、「ポート」または「窓」を備えている)とを備えている。フレーム要素は、明確な画像もしくは画像パターンを含んでもよいし、ビューポートを提供している非画像不明瞭化領域を画成する画像不明瞭化領域を単に提供してもよい(例えば、表面のつや消しまたはサンドブラスト処理と同時に一部分を透明またはほぼ透過性のまま残しておくことにより達成できるような不透明もしくは半透明の表面)。画像パターンは、容器の外側表面に当接している背景画像を含むことが可能であり、ビューポートは観察者の視線を容器の後方側ならびに反射面および主要画像へと向ける。背景画像の外側に面した側を見ることにより、あるいはフレーム要素上に提供される別の印刷画像により、前景画像が提供されてもよい。このようにして、観察者が、容器の前方側にある前景画像と、反射面上または反射面の前にある、容器後方部の中心画像もしくは主要画像と、さらに反射面を介した背景画像とを同時に見るので、該容器により多次元のグラフィックまたはディスプレイが有効に生成される。背景画像は、その位置が容器の前方側にあることと、反射面が使用されることとにより、観察者には主要画像もしくは中心画像よりも物理的に後方にあるように見える。
【0006】
反射面を用いて極めてダイナミックな視覚的効果を生成するための本発明の概念が、製品を差別化しようとする試みにおいて包装産業で容易に採用されるであろうことが期待される。これは一部には、印刷技術およびラベル技術を使用して反射面および画像を容易に提供することができるので、この包装概念にかかる追加コストが低いことによる。例えば、輪転グラビア印刷、フレキソ印刷またはその他の既知の印刷技術を使用して、画像を2枚の薄いプラスチックラベルの上に、または単一のラップアラウンド式ラベルの上に提供または印刷することができる。場合によっては、画像が単純に容器の側壁に直接印刷または付与されることもある。本発明の概念は、ガラス、セラミック、もしくはプラスチックのボトル、ジャー、缶、カップ、および製品を入れるために使用される他の容器のような、ほぼ任意の透明もしくは半透明の壁を有する物体に対して、または容器の一部分が半透過性か、少なくとも部分的に透過性の任意の容器に対して適用可能である(例えば、容器は、反射面と、フレーム要素のビューポートもしくは視界窓を提供する部分とが配置または提供される場所において、単に半透過性またはほぼ透過性であってもよい)。同様に、このディスプレイの概念を使用して包装される可能性のある製品の幅は実に大きく、水、ドリンク剤、炭酸飲料およびアルコール飲料、ならびに、シャンプー、石鹸、入浴用気泡剤、香水、化粧品、および他の多くの透明または半透明の物質のような、他の液体もしくは固体の消費者製品を含むと予想される。視覚的効果を製品の使用または除去の後で見ることができればよい場合には、不透明な製品でも本方法を使用して包装することが考えられる。本発明は、反射面が、反射された背景画像および歪みによって主要画像もしくは対象物の浮揚効果/センタリング効果を生じる;本発明に従って構成される容器および物体の光学的性質は、上記の主要画像のセンタリングを支援し、さらには視点切替(POV)による画像の変化および歪みを通じてアニメーション効果を生じうる、という点において
、「多重効果」と見なすこともできる。容器または物体の光学的性質はさらに、角度を外した表面からその容器または物体を見る(例えば、ビューポート/視界窓またはフレーム要素を通しては見ない)ときに、内部全反射により反射鏡と側壁との間の画像を「消す」ことで、消失効果も創出する。
【0007】
より詳細には、所望の視覚的効果を創出するために包装またはラベルが施された容器が提供される。該容器は、一部がほぼ透過性の材料で形成されている側壁を備え、該側壁は、製品(限定するものではないが、透明な液体など)を入れるための内部空間を画成している。側壁は、前方部と、前方部から遠位側にある後方部とを含んでいる。容器は密閉されてもよいし、着脱可能な蓋もしくはキャップを有していてもよいし、蓋無しのカップであってもよい。容器は、噴霧器の噴霧ヘッド、ポンプ式ディスペンサなどのような、ディスペンサ機構と一体化されてもよい(図示せず)。容器は、側壁の外側表面上に取り付けられた視覚的ディスプレイアセンブリをさらに含んでいる。しかしながら、いくつかの実施形態では、該視覚的ディスプレイアセンブリまたはその一部は、側壁の内側表面上に、または側壁の内部に、もしくは側壁の一部として提供される。ディスプレイアセンブリは、側壁の外側表面に貼付される1つ以上のラベルの中に設けられてもよく、側壁の後方部に取り付けられる反射鏡要素を含んでいる。反射鏡要素は、側壁の外側表面に近接し、場合によっては当接している反射面を含む。主要画像または中心画像(キャラクター、有名人などの印刷画像/写真画像など)は、反射面と側壁の外側表面との間に配置または提供される。主要画像は、反射面上に直接印刷されてもよいし、あるいは容器の側壁に付与されてもよい。ある種の実施形態では、後方部の側壁は湾曲しているかまたは弧状であり、反射面および主要画像は、後方部の形状に一致するように側壁に取り付けられて、例えば円形の断面を有するようになっていてもよい。容器はさらに、側壁の前方部にフレーム要素を備えてもよく、該フレーム要素は、容器の外側表面またはフレーム要素の内側表面に印刷された1つ以上の背景画像を含むことができる。フレーム要素はさらに、観察者の視線を容器を通して反射面および主要画像の上へと導く、背景画像を含まないビューポートまたは視界窓を含んでいてもよく、そうすることによって背景画像は反射面から同時に反射される。
【0008】
本発明の別の態様では、視覚的効果または錯視を生成するための包装システムが提供される。該システムは、光に対して少なくとも半透過性の部分を備えた側壁を有するボトルを含んでいる。側壁の第1の部分に、光を反射する表面を含んでいる反射鏡要素が装着または堆積される。また反射鏡要素は、反射面上に印刷された主要画像を含み、この画像は側壁の第1の部分に近接して、または接触して配置される。該システムはさらに、側壁の第2の部分に当接し、かつ印刷された主要画像とは間を空けて配置された、印刷された背景画像を含んでいる。背景画像は左右相称な特徴のものが選択されてもよいし、反射面において観察者に対して「正しく」見えるように鏡像として印刷されてもよい。このように、背景画像は反射面において見ることができ、ボトルの前方側を通して反射面を見ている人には主要画像の後方に距離をおいて見える。ほぼ透過性であり、典型的には側壁の内側表面によって画成される空間を横切って主要画像の正反対に位置するビューポートも、背景画像に隣接して提供される。不透明なフレームを使用してビューポートを画成してもよく、この不透明なフレーム上に前景画像を印刷または他の方法で提供することができる。この場合には、前景画像、主要画像および背景画像は、観察者には包装システムによって創出された複合ディスプレイの一部として全て同時に見える。
【0009】
本発明のさらに別の態様では、視覚的効果を生成するためのラベルが提供される。該ラベルは、反射要素、フレーム要素および主要画像を含んでいる。主要画像は反射要素に近接して配置または提供される。反射要素、フレーム要素および主要画像は、ラベルが物体に貼付されたときに、主要画像がフレーム要素を通してフレーム要素の鏡映と一緒に見えるように反射要素がフレーム要素に対して位置するように、ラベル上で配置構成される。
物体は、ボトル、カップ、缶、ボウル、様々な容器、玩具、新奇な製品などのような、多くの形をとることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】観察者に対して画像または図形を表示するための本発明の視覚的ディスプレイアセンブリを容器の外側に備えた、該容器の分解斜視図。
【図2】組み立てられた状態の図1の容器を示す図。
【図3】図1および2の容器の、図2の線3‐3における断面図。観察者が視覚的ディスプレイアセンブリのビューポートまたは視界窓を通して主要画像または中心画像を含んでいる反射面を見る視線または視野を示している。
【図4】反射鏡要素に設けられた反射面および中心画像と、フレーム要素に設けられた背景画像およびビューポートまたは視界窓とを備えた、本発明の実施形態に従って製造されたラップアラウンド式ラベルの内側表面(すなわち容器側壁の外側表面と接触する面)を示す図。
【図5】前景画像と、中心画像もしくは主要画像と、背景画像とを含む本発明による多次元ディスプレイを生成するために図4のラベルが貼付された容器を示す図。
【図6】「D」字形の断面を有するボトルに視覚的ディスプレイアセンブリを提供するため2つのラベルが使用されている本発明の別の容器についての、図3と同様の断面図。
【図7】容器の別の実施形態であって、長円形の断面形状の側壁を有し、フレーム要素および中心画像または主要画像が、別個のラベル、転写シールまたはステッカーの提供ではなく容器の側壁上に直接印刷されている容器の、図1と同様の分解斜視図。
【図8】視覚的ディスプレイアセンブリが容器の側壁の内側表面に配置されている、ボトル、カップ、グラス、ジャーなどのような本発明の別の容器の、図3と同様の断面図。
【図9】視覚的ディスプレイアセンブリが容器の側壁の内部に、または側壁の一部として提供されている、ボトル、ジャー、グラス、カップなどのような本発明の別の容器の、図3および8と同様の断面図。
【図10】(主要画像および反射面の正反対側にビューポートを有するのではなく)容器の中を見る角度が上に向かうようにフレーム要素が設けられている、本発明による別の容器の図2と同様の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
好ましい実施形態の詳細な説明
簡潔に述べると、本発明は、容器の表面から離れているように見える画像を創出するように包装またはラベルが施された容器に関する。本発明は、ほぼ透過性もしくは半透過性の壁を有し(または少なくとも一部分が半透過性もしくは透過性であり)、透明または半透明の液体を包含もしくは収容するために使用可能な容器とともに使用するのに特に適しているが、本発明はさらに、容器が空になったときにディスプレイを創出するのにも有用であり、記念品の容器、販売促進用の容器、再使用可能な容器とともに使用するのにも好ましい。本発明による容器は、透明または半透明の容器側壁(例えば透明またはほぼ透明なプラスチック、セラミックまたはガラスの側壁)の外側表面または内側表面に、該側壁の一体的構成要素として、または該側壁の内部に、視覚的ディスプレイアセンブリを提供することにより、そのような浮揚状態または多次元(もしくは「多重効果」)の結像を成し遂げることができる。
【0012】
視覚的ディスプレイアセンブリは、側壁の後方部(すなわち側壁のほぼ透過性または半透過性の部分)に提供される反射鏡要素から構成され、かつ側壁の前方部に設けられる任意選択のフレーム要素を含みうる。反射鏡要素は、該要素の内側に容器の側壁に近接して設置される反射面を含んでいる。中心画像または主要画像は、容器側壁の後方部に提供さ
れた反射面の前に配置され、例えば、反射面と接触するかまたは反射面に囲まれるように反射面上に印刷されるか、あるいは反射面と容器側壁との間に挟まれる。フレーム要素は、透過性であり観察者の視線が反射面上またはその近くの中心画像の方に向かうのを可能にする視界窓もしくはビューポートを含んでいる。フレーム要素は背景画像も含み、背景画像は容器の側壁上またはラベル(例えば前方のラベルまたはラップアラウンド式ラベルの前方部分)の内側表面上に提供されてもよいし、容器の側壁とフレーム要素との間に挟まれてもよい。
【0013】
背景画像は、反射面に反射されるので視界窓を通して見ることができる。フレーム要素は、ラベルの外側表面上の別個の印刷画像として、あるいは背景画像を提供するために使用される印刷画像の裏側として、前景画像を含むこともできる。これらの前景画像はビューポートの周りに配置され、容器の外から見ることができる。いくつかの実施形態では、容器の側壁は、反射鏡要素およびフレーム要素が断面において湾曲しているかまたは弧状であるような輪郭を含んでなる。これらの実施形態では、側壁の輪郭は円または放物線のように滑らかであってもよいし、湾曲部および直線部を含んで複雑または非連続的であってもよい。側壁の輪郭は二次元であっても三次元であってもよい。得られるディスプレイは、前景画像が中心画像の手前に見え、中心画像は後部壁上または容器の内側にあるように見え、背景画像は中心画像の後方にあるように見える、複合画像または複合ディスプレイを含んでなる。多くの場合、複合画像は、主要画像があたかも容器の中に浮かんでいるかのように、容器内部で主要画像の位置がずれる錯視を生み出す。本明細書中で述べる容器はこのようにして、2つの半筒状ラベル、ラップアラウンド式ラベルの一部、または印刷および貼付される構成要素の組み合わせ、のうち少なくともいずれかとして、2つ組もしくは2要素として容器に取り付けられた画像構成要素を組み合わせて複合画像を提供することにより、多層または多次元ディスプレイを有効に創出することができる。いくつかの実施形態では、視覚的ディスプレイは、ラベル、容器壁、さらには容器内の透明または半透明の液体がフレーム要素と反射鏡要素との間に介在することによって提供される光学的効果で増強される。
【0014】
画像のさらなる増強は、いくつかの実例においては、容器壁、反射面の曲率、容器の屈折率および直径(または広さ)、かつ/またはその他の光学パラメータに起因する歪みまたは光学的効果の原因となる画像を印刷することにより達成される。例えば、創出される画像が印刷された画像よりも幅広くなる光学的効果の原因となるように、主要画像または中心画像をより小さい幅で(すなわち細く)印刷してもよいし、同様に、見られる画像が印刷された画像より幅が狭くなる光学的効果の原因となるように、背景画像を所望の視覚的ディスプレイよりも大きい幅で印刷して背景画像をあらかじめ歪ませてもよい。
【0015】
フレーム要素は、いくつかの実施形態において、ラベルの外側表面上の不透明なフレームまたは背景の上に前景画像を印刷することにより形成され、前記背景が透明な視界窓(例えば円形、長円形、正方形、または観察者の視線が主要画像または中心画像の上に達するのを可能にするかまたは方向づけるのに有用な他の形状)を画成してもよい。これらの例では、背景画像は前景画像の後ろのラベル内側表面上に提供することができるが、典型的には視界窓の中には提供されない。他の実施形態では、フレーム要素は、透明なラベル上(例えばラベルの内側表面上またはラベルの外側表面上のうち少なくともいずれか一方)に提供されるか、あるいは容器の側壁上に直接形成され、容器の外部からも反射により視界窓を通しても見ることができるパターンを含んでいる。ある実施形態では、視界窓は必ずしも明確な形状ではなく単に印刷されるパターンの配置によって提供されてもよい(例えば、観察者は該パターンの透明な部分を通して反射面および主要画像および背景画像を見ることが可能であり、これらの透明な部分がこれらの実施形態において視界窓または入り口を構築する)。
【0016】
図1‐3は、反射面を使用して画像を表示するための本発明によって設計された容器100の1つの実施形態を示す。図のように、容器100は第1の部分または前方部114と第2の部分または後方部116とを有する側壁112を備えている。当然ながら、容器またはその他の物体の「前方」および「後方」という呼び方は比較的恣意的なものであってよく、容器または物体の、側壁のような概ね相対する2つの部分について述べることを意図している本発明を限定するものとみなすべきでない。側壁112は、半径Rの円筒断面を備えたボトルまたはジャー(例えば標準的な水もしくは飲料のボトル、消費者製品の容器など)を形成するために使用されている。そのようなボトルまたはジャーの形状は本発明を実施するために多くの形態をとることが可能であり、半径Rも幅広く変化可能であって例えば6.35mm(0.25インチ)から数インチ、最大で30.48cm(1フィート)またはそれ以上であってもよい。側壁112は一般に、透明であるかまたは薄く着色されたプラスチック、セラミック、またはガラスのような、透明または半透明の材料から形成される。側壁112は単一壁であってもよいし、多数の壁を含んでなるものでもよい。側壁112の厚さは本発明を限定するものではないが、所望の視覚的効果を達成するにあたって一般に側壁の厚さおよび材質性状が(例えば容器側壁112の屈折率を考慮に入れることにより)考慮される。
【0017】
容器100は、多層ディスプレイもしくは多次元ディスプレイを創出するための視覚的ディスプレイアセンブリ120を含んでいる。この実施形態におけるアセンブリ120は、反射鏡要素122およびフレーム要素130として考えることのできる2つの別個のラベルで形成されており、該アセンブリ120を含んでいる1または複数のラベルを加熱収縮することにより、反射鏡要素122を仮付けして反射鏡要素の上に1または複数のラベルを付与することにより、あるいは容器その他の物体の上または内部にアセンブリ120およびその構成要素を提供する他の有用な方法により、それぞれ側壁112の後方部および前方部116、114に例えば接着剤を用いて装着、貼付、または堆積される。反射鏡要素122は、外側表面124と、内側表面または接触面126とを備えたラベル基材(例えばプラスチック、例えば限定するものではないがポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、配向ポリプロピレン(OPP)、ポリエステルPETG、他のプラスチック、紙、またはラベル貼付に有用なその他の材料)を含んでいる。要素122の基材は、透明、半透明、不透明、または特定の用途のニーズに合った様々な透明度であってよい。製品データの提供、追加の図形の提供などのために、任意選択の文字列ボックスまたは図形ボックス125が外側表面124に印刷または貼付されてもよい。
【0018】
重要なこととして、反射鏡要素122は、該要素にぶつかった光を反射するように機能する材料から作られた反射面128を含んでいる。この点では、反射面128は、要素122の基材と一体的に形成されてもよいし、あるいは別の工程で取り付けられても、別個の要素として提供もしくは形成されてもよい。後者の場合では、反射面は、薄い金属箔、その他の箔であって例えば金属化ナイロン、金属化PETフィルム、もしくは反射特性を有する類似の箔、堆積コーティング、または反射面を生成する他の任意の単一材料もしくは材料の組み合わせであってよく、場合によっては反射面128において異なる屈折率を提供するコーティングをさらに含んでいてもよい。
【0019】
主要画像または中心画像129は、容器100の反射面128の上に、または反射面128に近接して、印刷または他の方法で配置もしくは提供される。いくつかの実施形態において画像129は、(容器100の長手方向軸に沿って測定した場合に)比較的長く、または高く、かつ比較的細くなるように選択される。これは、画像129を、側壁112(および前方のラベルもしくはフレーム要素130)ならびに容器100の中の任意の液体(図示せず)を通して見ると、より幅広く見えるからである。これは、画像129の観察時に期待または所望の寸法比により近く見えるための、画像129の「事前歪曲」とし
て考えることができる。画像129は図に示すような印刷画像でもよいし、あるいは、いくつかの実施形態では、画像129は、電子表示装置(液晶表示ディスプレイ、フラットスクリーンなど)を用いて提供される画像であっても、または「物体」であってもよい。2Dまたは3Dの物体のような、ほぼあらゆる非印刷画像もしくはモニタ/ディスプレイ画像を意味するものと考えられる物体が、反射面128の上または反射面128に近接して装着または提供される。例えば、主要画像129に使用される物体は、コイン、押し花、蝶もしくは昆虫の標本、またはその他のほぼあらゆる物体であってよく、これらの実施形態では、反射面128を側壁112から間を空けて配置し(または1以上の側壁部分から間を空けて配置し)、かつ物体を浅く(例えば半分)浮き上がらせて提供することが有用な場合がある。
【0020】
容器100は、空(または空気が入っているだけ)であってもよいし、内容物で満たされていてもよい。内容物で満たされている場合、該容器内に含まれる液体、固体またはその他の物質は、比較的不透明であってその液体が取り除かれた時にだけ画像129を見ることができるようになっていてもよいし、その液体は水、炭酸飲料、アルコール飲料、もしくは他の飲料、またはシャンプー、石鹸、入浴用気泡剤、香水、口内洗浄液、練り歯磨き、ヘアージェル、消毒剤などの消費者製品のように透過性または半透過性であってもよい。本発明は、容器100について特定の液体または内容物と共に使用するように限定されるものではなく、透明、ほぼ透明、または半透明の個別の液体または固体(例えば、光を大量に、またはごく少量だけ通し、かつ透明であるかまたは色の付いた、液体または固体)を用いて所望の画像を創出する際により有効かもしれない。
【0021】
視覚的ディスプレイアセンブリ120はまた、透明または半透明の基材、例えば透明なプラスチックもしくは類似の材料の薄層、から形成された個別のラベルを用いて提供可能なフレーム要素130も含んでおり、該要素は接着剤で側壁112に貼付され、接着剤は例えばラベル上またはフレーム要素130の外側部/境界部の付近に薄層として提供されればよい。図に示すように、フレーム要素130は外側表面132および内側表面140を有している。外側表面132は(該表面を白または1以上のその他の色に着色することなどによって)不透明またはほぼ不透明であってよく、この例においては星形で示されている1つ以上の前景画像または前景パターン134を含んでいる。そのような表面132の外側表面もしくは不透明なフレームは、透過性もしくは半透過性すなわちフレーム部分を不透明にするインクや印刷を含んでいないビューポートもしくは視界窓138を画成する。別例として、フレーム要素120は、フレーム要素120の材料に開いた開口部として形成された窓138を備えた半透明もしくは半不透明な材料の単一層から形成されてもよい。
【0022】
ポートまたは視界窓138は、観察者の視線がフレーム要素130を通り、容器壁112(およびその中に含まれる任意の内容物)を通り、反射面128および画像129へと達するように誘導または方向づける。ポート138の形状は長円形として図示されているが、他の実施形態では、形状は円形、正方形、長方形、三角形、もしくはその他の形状であり、ある場合にはポート138は、図7に示すように、不規則な形状を有する場合がある(ならびにいくつかの前景画像134をさらに含むこともある)。ポート138は典型的には、必要条件ではないものの画像129と同じかまたは画像129より小さい大きさであるように選択され、また画像129の形状と類似の形状を有するように図示されているが、この場合もそれは設計パラメータを限定するものではない。一般に、ポート138は、(例えば、容器100の外側の観察者およびその他の物体の鏡映を低減することによって)得られる視覚的描写または錯視を増強するために、前景画像134またはフレーム132のうち少なくともいずれかによって「覆われて」いない反射鏡または反射面128の量を最小限にするかまたは制御するような大きさと形状とを有するように選択される。窓138は恒久的に解放されていてもよいし、使用者が所望時に窓138を解放または露
出できるようにする着脱可能なカバーもしくはフラップ(図示せず)で覆われていてもよい。
【0023】
フレーム要素130の内側表面140には、1以上の背景画像144が提供される。これらの画像144は内側表面140に印刷またはその他の方法で取り付けられてもよいし、ある場合には、内側表面140とは別個の要素として提供されてもよい。画像144はポート138に隣接して配置され、ポート138を通して反射面128の上に見る時に画像129を囲むように配置される。画像144は、鏡像配置で印刷されて、反射面128において見た時に反転または転換されて(つまり、「正確に」)見えるようにされてもよいし、あるいは鏡に映して適切または正常に見えるように選択される。図に示すように、星形は、ひとつには星形が直接見る時または反射鏡もしくは反射面において見る時に適切な向きであるように見えるので、画像144に使用されている。他の実施形態では表面132は不透明ではなく、これらの実施形態において画像134および144は一般に、前景画像として直接的に、かつ反射面128を介して中心画像129の後方の背景画像として、見ることができる。
【0024】
画像134(およびフレーム/表面132)、画像144、および画像129は、別個の工程で転写シール、スタンプまたはラベルとして提供されてもよいが、より典型的には、これらの画像はラベルまたは要素122および130の上に印刷される。画像129、134、144を付与するために使用される詳細な処理方法は、ラベル産業および包装産業において使用される多くの印刷技術のうち任意のものでよい。例えば、フレキソ印刷のような種類の印刷はプラスチックおよびその他の材料の上にインクの薄い均一な被膜を付与するのに有用なので、上記画像をフレキソ印刷によって付与してもよい。別例として、輪転グラビア印刷を使用して要素122、130に画像用のインクを塗布してもよい。その他の場合には、スクリーン印刷、ウェブ印刷、パッド転写印刷、凸版印刷、インクジェット印刷、またはその他何らかの印刷技術を、本発明の実施のために使用することができる。
【0025】
図3は、容器100の断面図を示す。この図は、インク/画像の層および反射面の正確な比率を崩してより厚く示し、これらの層および反射面が断面図で見られるように示してある(例えば、インクは実際には厚さ0.005以下となりうるし、反射面128に使用される箔またはその他の材料もラベルまたは基材に対してかなり薄い、数ミル厚であってよい)。図のように、側壁112は、側壁112または容器によって画成される空間の中心から反射鏡要素122およびフレーム要素130の位置決めに隣接した地点までを測定した半径Rの円形の断面を規定する。反射鏡要素122は容器の後方部に配置され、一般に後方部の形状をとる。換言すれば、反射鏡要素122は容器100の中または該容器上に設置された時には半円筒形であり、その結果として主要画像129および反射面は、容器の半径Rによって規定される曲率で示されるように断面図においてアーチ形または半円形である。例えば、半径Rは、いくつかの実施形態では約6.35mm(約0.25インチ)から約15.24cm(約6インチ)まで変化しうる(さらに大きな容器も本開示の一部と考えられる)。この半円形またはアーチ形の断面は、反射された背景画像144が主要画像129(容器の内部空間または内部体積内で「浮揚する」ように、後方部116の表面または容器壁112の少し前方に見える)の後方にあるように見えるかまたはみなされるので、いくつかの実施形態において本発明の光学的効果または表示効果を達成するのに有用である。図のように、破線で示す、観察される背景画像144は、反射面128の使用、反射面128から容器側壁112のほぼ直径分だけ離れているフレーム要素130への背景画像の配置、ならびに反射面の湾曲によって引き起こされた歪みによって、主要画像129の後方の距離dにおいて見える、または表示される。
【0026】
反射面128の幅(または大きさ)は本発明を実施するために変更可能である。図のよ
うに、反射鏡要素122とフレーム要素130との間(例えば後方のラベルと前方のラベルとの間)に空間もしくは隙間があってもよいが、これは必須ではない。いくつかの実施形態では、反射面128は、容器の側壁112の周縁に沿って大きく伸び、容器側壁112の円周のおよそ4分の1から4分の3の範囲の幅を有していてもよく、ある場合には反射面が容器壁112の周囲に約120度以下の角度に伸びるようにおよそ3分の1以下の幅が使用される。図のように、内側表面126は、反射面128の境界線の付近に接着剤を用いるなどして容器側壁112の後方部116に取り付けられ、このことにより反射面128および主要画像129は強制的に容器側壁112の後方部116の外側表面に近接するかまたは接触/当接する。その後、要素122の基材が反射面128に重なって該基材の外側表面124は容器側壁112の外側に面し、データ要素125がこの表面124の上に印刷されるかまたは他の方法で提供される。
【0027】
フレーム要素130は、例えば接着剤を使用して側壁112の外側表面に内側表面140を取り付けることによって、側壁112の前方部114に装着される。フレーム要素130は、ビューポートまたは視界窓138が、観察者の視線をビューポート138、容器およびその内容物を通して主要画像129および反射面128へと導くように、反射鏡要素122に相対して装着される。これは、ポート138ならびに前景画像および背景画像134、144と、反射鏡要素122ならびにその反射面128および主要画像129とを、見当合わせまたは整列させることと見なすことができる。図のように、内側表面140は容器側壁112の外側表面の前方部114と接触するかまたは近接し、その結果として背景画像144およびポート138が外側表面と近接または接触する。フレーム要素(またはラベル)130の基材は、容器側壁112からより遠位側にあり、典型的には容器側壁112から少なくともわずかに(例えば背景画像を提供するインク層の厚さ、およびフレーム要素130の基材の厚さの分だけ)間を空けて配置されている外側表面132および前景画像134を備えている。
【0028】
破線で示すように、容器100が観察者に提供する視線または視野により、視覚的ディスプレイが創出される。この視覚的ディスプレイには、フレーム要素130の表面132にある前景画像134、容器側壁112の後方部116にある反射鏡要素122の反射面128の上または前方の主要画像129、ならびに主要画像129の後方(すなわち画像129/反射面128の後方の距離dであって、容器の大きさ、容器内容物および後方部116における側壁112の屈折率、反射面128の曲率の大きさ、またはその他の光学パラメータもしくは容器100および視覚的ディスプレイアセンブリ120の特徴のうち少なくともいずれかによって決定されるもの)の背景画像144が含まれる。
【0029】
ある場合には、単一のラベル中に視覚的ディスプレイアセンブリを提供することが望ましいかもしれない。例えばそれは、主要画像、反射面、ならびにビューポートおよび画像を備えたフレーム要素を、より正確に見当合わせまたは整列させるのに有用であるかもしれない。さらに、多くの消費者製品が現在、加熱収縮などによって、接着剤を備えたボトル上で回転させることにより貼付されるラップアラウンド式ラベルを使用して包装されており、いくつかの実施形態では、視覚的ディスプレイアセンブリはそのようなラップアラウンド式ラベルまたは単一ピース型ラベル中に提供される。
【0030】
図4は、ラップアラウンド式ラベル422に設けられた本発明の一実施形態の視覚的ディスプレイアセンブリ420を示している。アセンブリ420は、ラベル422のイラスト入りの第1の表面または内側表面上に、背景画像432(すなわちこの例の波/水および雲)およびビューポートまたは視界窓440を含んでいるフレーム要素430を含んでいる。図1‐3に関して議論したように、ラベル422の基材は透過性でも半透過性でもよく、ポート440は図のように規則的な境界線で示すように画成されるかわりに、フレーム要素430の、背景画像432(および前景画像433)を含まない領域によって画
成される領域であってもよい。別例として、画像432は、ポート430を画成するために不透明または比較的不透明な景色もしくはフレームを創出してもよく、この景色またはその画像はラベル422が容器に貼付された時に対応する反射鏡要素によって反射される。画像432は、ラベル422の表面上に(フレキソ印刷またはその他の印刷方法を用いるなどして)印刷されてもよいし、あるいは接着剤もしくは他の接着技術を使用して貼付される転写シール、スタンプなどとして印刷されてもよい。
【0031】
アセンブリ420は、ラベル422の内側表面上に反射面452(例えば金属箔、金属化ナイロン、金属化PETフィルム、反射コーティングなど)を含んでいる反射鏡要素450をさらに含んでいる。反射面452は、別個の処理方法でラベル422の表面に付与されてもよいし、フレーム要素430を有するラベルシートに付与されてもよい。主要画像456は、反射面452の中央またはほぼ中央の位置など、反射面452の上に提供される。例えば、画像456は反射面452の上に印刷されるか、または転写シールもしくはステッカーとして貼付されるかのうち少なくともいずれか一方であってよい。他の実施形態では、画像456が容器壁112の外側表面上に印刷され、次いで反射面452がラベル422の表面に付与または貼付されかつポート、フレームもしくは窓を備え、該ポート、フレームもしくは窓を通して眺めるために画像456が露出される(換言すれば、画像456はすべての実施形態において反射面452の上に設けられるのではなく、いくつかの実施形態では反射面452に囲まれるか、隣接するか、または近接するかのうち少なくともいずれかであり、また容器の製造および組み立てが容易であるように反射面上に印刷または付与することもできる)。別の例においては、反射面452に穴部が切り抜かれるかまたは提供されて、画像456がこの穴部の中に配置される。具体的には、印刷画像456がラベル422の内側もしくは外側表面に(または容器の壁112の上もしくは中に)提供され、該主要画像と合致するように反射面の「穴部」が設けられ、このようにして、周辺光がラベル422を通って、場合によっては画像456を逆光で照らすように画像456を通って差している時に見ると、画像456はより際立つことができる。
【0032】
製品情報等を提示する場所を提供するなどのために、フレーム要素430と反射鏡要素450との間に空所446が提供されてもよいが、これは必須ではなく、要素430および450がラベル422の上で互いに当接してもよい。打ち抜き加工などによって、ほぼ任意の形状の反射鏡要素450を提供可能である。反射鏡要素は図4に示すような規則的な矩形形状であってもよいし、境界線が、特定の錯視に適合するか、またはラベル422の周囲部分と一体化するかのうち少なくともいずれか一方のために不規則であってもよい。典型的には反射面452は、所望の効果を達成するようにラベルの長さLLABELの一部分のみについて伸びる。例えば、ラベル422が容器の直径に合うように選択された長さLLABELを有する場合、反射面452の幅はおよそ2分の1未満であってラベル長LLABELのおよそ3分の1の幅を有する何らかの配置構成を備えているか、あるいは反射面が容器の円周に関して約120度にわたって伸びるようにさらに短くてもよい。所望の光学的効果を依然達成しつつコストを調整するために反射鏡要素452の大きさを最小限にすることが望ましいかもしれない。
【0033】
主要画像456は、所望の視覚的効果を達成するために選択可能な高さHimageおよび幅Wimageを有する。例えば、高さHimageは、画像456が印刷時には「丈が高く」て細いが、ラベル422の曲率および水その他の飲料または他の液体のような容器内容物の屈折率によってひずみ効果が生じた後には観察者にとってバランス良く、または「正常に」見えることになるように、幅Wimageと少なくとも等しいかまたは幅Wimageより十分に大きいように選択することができる。同様に、背景画像432は、反射された画像がより細く見えるようにすることができる光学的効果を担うように選択された印刷幅Wを有してもよく、例えば、画像が反射されたものについて所望される幅よりも大きい幅Wで印刷される。印刷画像の寸法について選択される調節または変更は
、対象とする容器の大きさ、側壁の材料および断面形状ならびにその容器について予定される内容物に応じて選択される。例えば、中心画像456は、容器400の長手方向軸に対して横方向または垂直な軸に関して測定した時、創出されるディスプレイにおいて提示される(すなわち観察者によって見られる)べき幅よりも20〜50パーセント(例えば約30パーセント)細くなるように予め歪ませることができる。同様に、背景画像432は、観察されるディスプレイにおいて所望の厚さまたは幅で見えるように、同様の量だけ幅広く作製することができる。
【0034】
ポート440はさらに、画像456の高さHimageとほぼ同じであるかまたは低い高さHportを有するように、かつ主要画像456の幅Wimageとほぼ同じであるかまたは狭い幅Wportを有するように、形成または画成されうる。しかしながら、いくつかの実施形態では、ポート440が意図的に画像456より小さくまたは大きく作製されて、所望の視覚的効果を達成する(それぞれについて例えば、観察者が容器を目に一層近付けてポート440を通して画像456を詳しく見るかまたは眺めるようにさせる、あるいは反射面452についてより大きな視野を提供する)ことができる。
【0035】
図5は、ラップアラウンド式ラベルを用いて多次元もしくは多層の視覚的ディスプレイを提供するように、図4に示す内側表面を備えたラベル422が容器の側壁112に取り付けられた容器400を例示している。側壁112は図1‐3に示されるような形状と円形断面とを有するものでよく、例えば、容器400は標準的なプラスチック、セラミック、もしくはガラスの飲料瓶または消費者製品用のボトルもしくはジャーを含みうる(例えば、ラップアラウンド式ラベル422が、加熱収縮法または回転法によって標準的な水のボトル、炭酸飲料もしくはドリンク剤のボトル、ビール、ワインもしくは他のアルコール飲料のボトルなどに貼付されてもよい)。他の実施形態では、ラップアラウンド式ラベル422は、多角形の断面を有する容器のように円形断面を持たないか、または1以上の比較的平坦な面を有する(現在製造されているスポーツドリンクまたはドリンク剤のボトルなどの)容器、長円形または楕円形の断面を備えたシャンプー、石鹸および他の消費者製品、ならびにその他の断面が円形でない容器に貼付されてもよい。反射鏡要素450がある程度湾曲している場合、より劇的な視覚的効果(例えば、図6を参照)を達成することが可能であるが、これは本発明を実施するために必須ではない。
【0036】
ラベル422が容器の側壁112に付与されると、フレーム要素430により、容器400を観察する者は前方部114のフレーム要素430の中に前景画像433を含んでいる視覚的ディスプレイを見ることが可能となる。さらに、ポートまたは窓440を通して、観察者は「浮揚している」ように見える主要画像456を見るが、これはひとつには背景画像432がラベル422またはフレーム要素430の内側に面している表面上に位置しているために、反射面452からの反射によって主要画像456の後方にあるように見えるからである。必須ではないが、主要画像456に対し適切な量の背景画像432を選択してこれらの画像を望ましい比率とし、浮揚または多次元の効果または錯視を増強することが望ましい場合が多い。さらに、ラベル422に鏡像として印刷されているか、または反射面452において見た場合に適切な向きに見える画像432(例えば、対称な図形または文字/記号(例えばA、O、I、Wなど))を選択することが一般に望ましい。いくつかの実施形態では、前景画像433は、フレーム要素430またはラベル422の第2の表面または外側に面している表面に印刷された追加の画像ではなく、単にフレーム要素430の内側表面または内表面に印刷または提供された背景画像432の裏側である。これらの実施形態では、星、雲、波などのような対称な画像などどちら側から見ても正しい向きに見え、さらには前景画像433として文脈上の意味をなすかまたは目を喜ばせるディスプレイを提供する画像を選択することはさらに一層望ましい。この場合、前景画像433は、透過性または少なくとも半透過性であるように選択されたラベル基材422を通して観察されることになろう。長さLlabelは典型的には、少なくとも側壁112
の円周の周囲長であるように、また時にはラベル422を容器の側壁112に取り付けるのに使用される重なり部分を得るためわずかに長くなるように、選択される。
【0037】
本説明の全体にわたって議論されるように、本発明の視覚的ディスプレイアセンブリおよび包装概念は、種々様々の容器の材料および形状とともに使用可能である。容器は、その容器が満杯のときにも見えるように透明もしくは半透明の液体、ゲル、固体または気体で満たされてもよいし、あるいは、内容物が少なくとも部分的に移動または除去されたときにディスプレイを提示するように、不透明な液体、ゲルまたは固体と共に使用されてもよい。これらの多様な実施形態を念頭において、図6および7は本発明の追加の実施形態を例証している。
【0038】
図6の容器600は、非円形の断面を備えた側壁(例えば透明なプラスチック、セラミックまたはガラス)612を含むものとして示されている。具体的には、この典型的な実施形態600は、平らな(もしくは少しだけ湾曲している)第1または前方の壁または部分614と、半円形もしくは弧状の(あるいは、図には示さないが他の実施形態では放物線状、楕円形などの)断面を備えた半円筒状の第2または後方の壁または部分616とを呈する。すなわち容器600は「D」字型の断面形状を有する。この容器600では、反射鏡要素622が側壁612の湾曲した後方部616に取り付けられて、後方部616における側壁612の半径Rで曲率が定義される湾曲状もしくは弧状の断面形状を同様に呈している。反射鏡要素622は、側壁612から遠い側に外側表面624を備えた、不透明または透過性のいずれでもよい基材を含んでおり、任意選択で容器600の外部から見ることができる文字列または図形を含むことができる。反射面628は反射鏡要素622の基材の内側表面上に設けられ、基材628の全体にわたっていても一部を覆っていてもよい。主要画像629は反射面628の上に、または反射面628に隣接して(例えば反射面628に囲まれるように)提供され、反射面628または後方部616に直接印刷されてもよいし取り付けられてもよい。
【0039】
フレーム要素630は、側壁612の平らな前方部614に装着または提供される。フレーム要素630は、図1の要素130に類似のものであって前方部614の外側表面に隣接して提供される背景画像644を備えたものでよい。ラベルまたはフレーム要素630は、視界窓またはビューポート638が設けられた透過性または半透過性の層または基材632を含み、視界窓またはビューポートは例えば背景画像644および前景画像634の配置、大きさおよび形状によって画成された形状および大きさを備えている。前景画像634は、図のように個別の構成要素(例えばインクの層、転写シールなど)であってもよいし、または背景画像644を片側から見たものであってもよい。使用時には、容器600は観察者の視線を前景画像634に、またポート638を通って反射面628へと向け、該反射面において背景画像644は、主要画像または中心画像629に隣接して、また該画像の後方に見ることができる。
【0040】
図7は、入浴用気泡剤、石鹸、シャンプーなどのような非円筒状の容器を使用する多くの消費者製品に有用な容器700を示す。側壁712は、長円形、楕円形、またはその他の非円形の断面を有する前方部714および後方部(または前方壁および後方/背面壁)を含むものとして示されている。反射鏡要素722は、例えば接着剤を用いて後方部716に取り付けられて、後方部716の湾曲形状を呈する。この形状は、楕円の一部として、または比較的大きな円から得られた弧として考えることが可能であり、この形状から、反射鏡要素722について容器100、400および600と比較した場合に曲率が少量またはわずかとなる。ある場合には、反射鏡要素722は、本発明を実施するために平面であっても、ごくわずかに湾曲していても、ほぼ平面であってもよい。反射鏡要素722は内側表面726上に反射面728を含み、この反射面728は、容器700の内部に面するように、側壁712の後方部716の外表面と近接して、または外表面と接触した状
態に配置される。主要画像または中心画像は、他の実施形態で示すように反射面728上に、または反射面728付近に提供されうる。
【0041】
容器700は、1つ以上の画像が容器の側壁712の外側表面上に直接印刷されうる(そうでなければ別個のラベル、ステッカー、スタンプまたは転写シールなどにより付与されうる)ことを例証している。図のように、主要画像729(例えばこの例では城または建物)は後方部716の側壁712の外側表面に直接的に、印刷または他の方法で取り付けられ、かつ反射鏡要素722によって覆われて、反射面728が画像279を取り囲むかまたは該画像の1つ以上の側面に隣接するようになっている。同様に、この容器700のフレーム要素730は、透明な側壁712の前方部714の外側表面上に直接印刷または提供される。フレーム要素730は、容器700の外部から、また容器700を通して反射面728を介して見ることができる、前景画像および背景画像の両方を提供する、1以上の画像744を含むものとして示される。いくつかの実施例では、フレーム要素730はいかなる印刷画像も含まず、その代わりに画像、場面、パターン、文字列、テクスチャ(例えば、細部または画像を伴うことも伴わないこともあるが、単に、テクスチャ加工された表面内に非画像不明瞭化領域かつ/または透明な視界領域を設けることによって提供または画成可能なビューポートまたは視界窓を画成している画像不明瞭化フィルムを提供しているもの)またはこれらの任意の組み合わせであって、表面のテクスチャ加工(つや消し加工、サンドブラスト加工もしくはその他の方法で加工されたガラス、プラスチックなど)、輪郭の成型など多数の方法で提供することができるものである。例えば、フレーム要素730に、非画像の不明瞭部分を含んでいる不透明または半透明のフィルムのような、画像不明瞭化フィルムで作成された壁または縁が提供されて、ビューポートまたは視界窓(例えば、上記半透明または不透明な領域内の透明またはほぼ透過性の領域など)が提供されてもよい。より具体的には、画像744の内側に面した側を反射する反射面728および主要画像729は、フレーム要素730における画像744の配置構成によって画成される視界窓またはビューポート738を通して見ることができる。換言すれば、ポート738は、画像744を含んでいないフレーム要素730の透明または半透明の領域であり、観察者は画像744どうしの間に作成されたパターンを通して見ることにより、側壁712のポート738部分を見通すことができる。別例として、ポート738は、側壁712の外側表面を部分的に露出する切欠部分によって形成されてもよい。他の実施形態では、画像744の一部または全てが、透明または部分的に透明なラベル、転写シール、スタンプなどの上に提供されることもある。
【0042】
本発明についてある程度具体的に説明かつ例証してきたが、当然ながら、本開示は単に実施例を用いてなされたのであり、また以降に主張するように、当業者であれば、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、部分の組み合わせおよび配置構成において多数の変更をなすことができる。例えば、上記に示し説明した視覚的ディスプレイアセンブリは、単一の主要画像を備えた単一の反射面と単一の視界窓とを含んでいるが、他の実施形態は、観察者の視線を、1以上の反射面の上または該反射面に近接して提供された1以上の主要画像に向けるために2以上の視界窓を含んでいてもよい。画像および反射面は、典型的には容器の外側に湾曲している(すなわち凸面である)、容器の滑らかな外側表面上に提供されうるが、いくつかの実施形態では、容器の内側に向かって湾曲している(すなわち凹面の)装着面が、印刷画像に予め加える歪みを考慮しつつ利用されてもよい。さらに、円筒状のボトル/容器または物体によって提供されるレンズのような両凸面の棒状レンズは、主要画像のような画像を水平寸法について拡大する一方、他の実施形態の両凹面および平板型凹面の棒状レンズは、画像を水平寸法について縮小する。本発明のいくつかの実例においては平板型の反射鏡または反射面が良好に機能するかもしれない。例えば、容器が平面状の背面を有し該背面上に反射鏡を備え、凹面状の(例えば丸型または棒状の)前方の表面または側壁(背面壁の反対側)にビューポートを備えている場合、ビューポートの反射は歪み、観察者は平面反射鏡を用いても容器の外側の画像を認識することはな
いであろう。従って、ビューポートが反射された面の歪みおよび湾曲した反射鏡の歪みの両方について考慮することが重要である。
【0043】
例証した実施形態は、視覚的ディスプレイアセンブリを提供するために容器に付与されている1つまたは2つのラベルを概論的に示している。しかしながら、容器の側壁上に直接印刷するなどの他の方法により、または堆積技術により、視覚的ディスプレイアセンブリまたはその一部が提供されうることは、包装産業および印刷業の当業者には容易に理解されるであろう。例えば、背景画像および主要画像が側壁の内側表面もしくは外側表面上に印刷または堆積され、続いて主要画像を覆って反射面もしくは反射層が、ならびに背景画像を覆ってビューポートを備えたフレーム要素が、付与または装着されればよい。別例として、主要画像および反射鏡要素がラベル技術によって提供される一方でフレーム要素が堆積によって提供されてもよいし、またはそのような印刷法、堆積法もしくはラベル法の任意の組み合わせを、本発明の容器または物体を形成するために使用してもよい。
【0044】
さらに、本発明のある実施形態は、視覚的ディスプレイアセンブリの1以上の構成要素を、内側表面上のような容器側壁内に、そのような側壁の一体部品として(例えば側壁の内側および/または外側表面の3D輪郭削りを提供することなどによる)、多層もしくは多要素の側壁内に(例えば、背景画像、主要画像、または反射面もしくは他の構成要素のうち少なくともいずれかが多部分の側壁の2つの層(例えば内側層および外側層)の間にはさまれてもよいし他の方法で設けられてもよい)、あるいは側壁によって画成された空間内にも、提供する。
【0045】
図8は本発明の容器800を示しており、該容器はボトル、ジャー、グラス、カップまたはその他の容器の形態で提供されてもよいが、例証を容易にするために図1‐3に示したものに類似の側壁112を使用して示されている。側壁112は半径Rの円筒断面を有するものとして示されているが、当然ながら、側壁112は傾斜をなして(すなわち一方の端の半径がより小さくなって)いてもよいし、かつ/または長円形、正方形、長方形のような異なる形状のものであってもよい。図のように、視覚的ディスプレイアセンブリは、側壁114の前方部および側壁116の後方部の内側表面において容器の空間内に配置されているが、これは特にカップもしくはグラスのような開口容器において有用な場合がある。フレーム要素130および反射鏡要素122は、二部品構成のラベル、転写シールなどの場合のような、切り離された構成要素またはアセンブリとして提供されるように示されている。別例として、反射鏡要素122およびフレーム要素130は、側壁112の内側周囲に部分的または完全に伸びる単一のラベルの中に提供されてもよい。他の実施形態では、フレーム要素130または反射鏡要素122(または前記要素の1つ以上の部分、例えば主要画像129、背景画像144、反射層もしくは反射面128など)が図8に示すように側壁112の内側表面上に提供され、もう一方が図1‐3に示すように側壁112の外側表面上に提供される。
【0046】
図9は、本発明の容器900の別の実施形態をさらに示している。この断面図は、図3および8の容器100および800の断面図に似ており、容器900は、ボトル、ジャー、もしくはその他の「閉じた」容器、またはグラスもしくはカップのような開口容器からなるものでよい。側壁912は、側壁912の2つの構成要素の間に視覚的ディスプレイアセンブリ120またはその一部を収容、保持、もしくは狭装するように構成されているので、他の実施形態の側壁112とは異なっている。ある場合には、このことは、内側シェルと外側シェルとの間のポケットもしくは中空空間を備え、前記ポケットが側壁の周囲もしくは容器の周長全体に沿って伸びている側壁を提供することにより達成されうる。そのような実施形態では、視覚的ディスプレイアセンブリは、単一のラベルもしくは「カード」のような単一部品として提供されてもよいし、壁内のポケットもしくは中空空間に挿入される2枚のカードもしくはラベルのような2以上の部品構成で提供されてもよい。こ
の場合も、主要画像129、背景画像144、前景画像134および反射面のような視覚的ディスプレイアセンブリの一部が、側壁912の内側表面に、側壁912の外側表面に、または図のように側壁912の内部に別々に提供されてもよい。
【0047】
図のように、容器900は前方部914を備えた側壁912を有し、該前方部にフレーム要素130が提供または配置されている。側壁912はさらに、反射鏡要素122が提供または配置される後方部916を含んでいる。より具体的には、側壁912は、側壁912の前方部914と、前方部914から伸びる前方ポケット壁915とによって形成されたポケットもしくは中空空間を含んでいる(例えば、側壁912は、前方部914にフレーム要素130を収容するためにポケットを画成している二部構造を有してもよい)。同様に、側壁912は、側壁912の後方部916と、後方部916から伸びる後方ポケット壁917とによって形成された第2のポケットもしくは中空空間を含んでいる。ポケット壁915、917は、幅が図のようにほぼフレーム要素130および反射鏡要素122の幅であるように、またはより大きいように選択されるとよい。さらに、ポケット壁915、917は、容器側壁912の高さにわたって伸びてもよいし、容器900の軸線に沿って測定した場合にフレーム要素130または反射鏡要素122とほぼ同じ長さを有するだけでもよい。ある場合には、ポケット壁915、917によって形成されるポケットは、(シャツポケットに類似のポケットを形成するなど)比較的薄いか、あるいは外側へ向かって伸びて容器壁912の外側表面に気泡もしくは部分球(もしくは他の形状)を形成してもよい。上記に議論されるように、側壁912は、反射鏡要素122(または少なくとも反射面128)およびフレーム要素130(または少なくともビューポート138)が提供される場所では一般に半透過性または透過性である。同様に、ポケット壁915、917は一般に透過性または半透過性の材料から形成されるか、半透明またはほぼ透過性の部分を含み、例えばビューポート138を通って反射面128および主要画像129に至る視線を提供する。
【0048】
いくつかの実施形態では、前景画像、背景画像または主要画像のうち少なくともいずれかは、交換を可能にする方法で提供されてもよい。例えば、これらの画像のうち1つ以上が、取り外し可能な転写シール、ステッカーなどであって、異なる画像の異なる転写シール、ステッカーなどと取り替えることができるように(例えば、ユーザーが主要画像を自身の写真に取り替えてディスプレイ内に配置することが可能なように)容器が構成されうる。これらの実施形態には、主要画像を、反射面にある空間に(反射面が装着または提供されている基材中に穴部もしくは隙間をあけることなどにより)「埋め込み」または挿入可能なステッカーまたは転写シール(または個別のラベル)上に提供することが挙げられる。別例として、画像を、着色、絵付けなどを用いるなどして変更に対応させてもよいし、あるいは、例えば画像を置くことができる空間またはカンバス領域を提供することによって、画像が後で消費者によって提供されてもよい。ある場合には、(例えば、メモリから別の画像を示すために反射面上もしくはフレーム要素中に提供されるスクリーンを変更することにより)画像の交換が可能なように、画像が印刷ではなく電子機器を使用して提供されてもよい。
【0049】
本発明は、1または複数のラベル、転写スクリーンおよびその他の包装の形態をとりうる光学的錯視アセンブリ(または視覚的ディスプレイアセンブリ)と、上記に議論されるような容器の形態をとるかまたは下記に述べる他の形態(例えば固体の透過性の物体)をとりうるレンズ系とを提供する。光学的錯視アセンブリは、反射面を備えた反射鏡要素の上またはその付近に提供される主要画像を含んでいる。反射面は典型的には、(少なくとも1つの軸上で)少なくともわずかにまたは部分的に湾曲している、すなわち非平面である。多くの場合、これは、プラスチック容器に取り付けられたラップアラウンド式ラベルで見られるような、薄い可撓性のプラスチック層上の、または前記層に取り付けられた、適合性を有する反射鏡要素(例えば金属層、金属化プラスチックなど)に反射面を設ける
ことにより達成される。この場合、反射面は、容器または他の物体の壁の外側表面の曲りもしくは形状を呈するように、該容器または他の物体に付与されるとよい。対照的に、反射鏡を使用する従来のデバイスは一般に剛性の平面反射鏡(例えば前方外側表面から45度にセットされた反射鏡)を使用し、容器内またはレンズ部分内部(反射鏡を備えた立方体内など)に3次元の物体を置くことにより該デバイスの効果を達成するだけの場合が多い。本発明の実施形態の湾曲した反射鏡は、観察者が反射鏡に見ているものをよりうまく偽装しまたは見えないようにすることにより、著しい改善を提供する。
【0050】
本発明の光学的錯視アセンブリおよびレンズ系はいくつかの望ましい効果を達成する。近位に印刷画像および遠位に前景画像を備えた反射面がレンズ系の光学特性とともに、印刷画像が反射面の前方に、例えば容器または他の物体の内部などに見えるという錯視を生み出す。しかしながら、上記の構成(図1‐7に関するものなど)はまた、反射面の反対側の容器もしくは物体のビューポートもしくは視界部分を通して主として見える錯視も創出する。従って、観察者がビューポートまたはそのようなポートの周囲の、フレームを通らない視角や視線を選ぶ場合、観察者は典型的には主要画像を見ることができないか、少なくとも画像が容器または物体の内部に投影されているようには見えない。この「消失」画像または画像消去は、本発明によって達成される錯視を助長する。例えば、図1の容器100を上部または底部から(例えば、ボトル内を上向きまたは下向きに)見ると画像129は容器壁112の内側には見ることができないが、画像129はポート138を通すとはっきり見ることができ、また容器壁112の内側にあるように見える。一般に、壁または表面が画像にほぼ平行であるかぎりは、観察者は主要画像または対象物129を多くの角度から(透明な視界を備えた壁または表面を通して対象物へ向けて)見ることができるが、角度が外れているかまたは垂直方向の壁から見る場合、観察者は画像129を見ることができない。その上さらに、本発明は、容器もしくは物体が動かされるか、または観察者がビューポートを通した視線もしくは視角を変更するために移動するにつれて、投影されている主要画像も移動するように見えるかまたはアニメーション化されるという点で、自動的にアニメーション化する錯視を提供する。この錯視は、いくつかの実施形態においては、湾曲した反射面および円柱レンズ(例えば容器の壁および内容物)を組み合わせて使用することにより達成される。これらの実施形態では、視角の変化により、主要画像が前景画像および反射された背景画像と相対的に移動する。この自動アニメーション効果は、主要画像を、反射鏡の表面から、また前景画像および反射された背景画像からより良好に分離することによって、錯視を向上させる。多くの場合、容器の側壁または物体の本体であってその上または中に視覚的ディスプレイアセンブリが提供されるものは、観察者が容器の側壁および内部を通して見ることが可能となるようにほぼ光透過性または半透過性となろう(該容器は、さらなるレンズ材料の提供により光学的効果を加える液体または固体で満たされていてもよいし、有色もしくは不透明な液体または固体で満たされていてもよい)。しかしながら、透過性または半透過性であるような側壁の一部を単に提供することが望ましいかもしれない。例えば、側壁は、反射鏡要素またはその反射面のみが配置された場所、およびフレーム要素またはそのビューポートもしくは視界窓だけが配置もしくは提供された場所において半透過性であって、側壁または物体本体の残りのうちの一部または全部についてはより低い透過性〜不透明であってよい。
【0051】
上記の記述は、容器中に望ましい視覚的描写を達成するための、近接した主要画像を備えた反射面(例えば湾曲もしくは非平面反射鏡)、前景画像かつ/または背景画像、ならびにレンズまたは光学系を含んでいる視覚的ディスプレイアセンブリの発明概念の使用について詳細に説明するものである。しかしながら、これらの発明概念は、標準的ではない「容器」ならびに他の多くの物体および製品へと容易に拡張することができる。例えば、図1‐7の中の容器は平滑または比較的平滑な側壁を有するものとして示されている。いくつかの実施形態では、反射面の反対側の側壁(例えば図1などの前方側壁114)は、ビューポートを創出し、かつ前景画像および背景画像を創出するために、テクスチャ加工
される。例えば、1以上のビューポートもしくは視界窓を提供するために前方側壁に1以上の平滑領域が提供され、形状は側壁中の隆起面もしくは陥凹面として提供されてもよい。これらのテクスチャ加工された形状または表面はその後、前景において画像と見なされ、さらに反射面から反射される(例えば、山、星、雲、または洞穴もしくは他のデザインのようなほぼあらゆる形状/デザイン)。ビューポート/視界窓の周囲のこれらのテクスチャ加工された表面もしくは形状は、(吹込み成型などで使用する特定の型を提供することによるものなど)容器の製作時に側壁中に提供されてもよいし、別の工程で後から取り付けられてもよい(例えば、3次元の表面を備えたプラスチックラベルが容器側壁に取り付けられてもよい)。ここでも、本明細書に記載の画像は、堆積技術により、また表面(例えば、ラベル基材もしくは容器側壁の内側もしくは外側表面、または物体の表面)に材料を付加するかまたは表面から材料を除去する技術により、提供されうる。
【0052】
別の実施例において、視覚的ディスプレイアセンブリは1または複数の薄い可撓性ラベルを備えたものとしてではなく、より強剛な包装アセンブリとして提供されうる。これは、プラスチック、セラミック、ガラスまたは他の材料から形成される(あるいは少なくともビューポート部分にそのような透明もしくは半透明の材料を含んでいる)単一の部分品または包装アセンブリを提供することを包含しうる。該包装アセンブリは、円筒状、長円形、クラムシェル形、またはその他の断面を有しうる。側壁は典型的には比較的強剛であり、例えば1000分の15〜20以上のプラスチック、セラミック、ガラスもしくは他の材料である。この包装アセンブリは、ビューポート、前景画像および背景画像を備えたフレーム要素と、さらに反射面および主要画像(包装内容物の上または中にも提供可能である)とを含んでいる。この包装アセンブリの側壁は該アセンブリにレンズを提供してもよく、内容物は包装アセンブリの内側に置かれればよい。他の場合には、レンズ要素が容器側壁の内部に挿入されて、側壁が、レンズ要素をぴったり覆うスリーブとして、またはレンズ要素を閉じ込めるかもしくはレンズ要素の周囲を包むシェル(例えば二等分のクラムシェルなど)として作用している。レンズ要素は図1‐7に記載のようなボトルもしくは容器でもよいし、プラスチック、セラミック、ガラスなどから形成されたロッドもしくは円筒のような固形物体などの他の形態を呈してもよい。包装アセンブリの側壁は、側壁と緊密もしくは密接に結合するように構成されてもよいし、ある場合には、前方および後方の側壁のうち一方もしくは両方との間に空間が残されて異なる視覚効果が達成されるように(例えば3D効果が達成されるように)なっている。
【0053】
さらに別の実施形態では、図1‐7の容器が固形物体(例えばブロック、ロッドなど)に置き換えられている。例えば、視覚的ディスプレイアセンブリに該アセンブリのフレーム要素および反射鏡要素を提供する1または複数のラベルが、ガラス、セラミック、もしくはプラスチック(例えば、アクリルなど)のロッドのような透明または半透明の材料から形成された円筒に付与されうる。図1‐7の容器の代わりに円筒状の物体を使用することにより、同様の、またはある場合には改善された視覚的効果/結果が達成されるが、これは固形物体の光学特性が容器中に提供される液体と比較してより容易に理解されかつ所望の結果を達成するために選択されるからである。
【0054】
本発明を組み入れることが可能な製品の数および種類が多数であるので、上記の記載および特許請求の範囲の様々な請求項の言語の幅広さの内に包含されると考えられる、代表的な製品群を列挙することは有用かもしれない。「容器」は、比較的広義の用語でありかつ外側表面を有する壁を備えたほぼあらゆる物体を含むように意図されており、物体の形状および大きさを規定する容器壁を備えた固形の物体を含みうる。例えば、容器は単純なボトル、グラス、カップ、ジャーなどでも特異な容器であってもよく、標準的または平凡な形状および寸法であっても、丸形/球状の外形寸法を伴って著しく多種多様でも、あるいは液体、固体もしくは他の物質を入れるための円形、円筒状、もしくは他の形状の部分を備えた物体であってもよい。次いで、そのような物体の外側表面上に視覚的ディスプレ
イアセンブリが一般に付与または提供される。他の場合では、視覚的ディスプレイアセンブリはこれらの壁のうちの1つの一部として提供されるか、あるいはまさに内側表面上に提供されることもある。本発明の容器および視覚的ディスプレイアセンブリを利用する製品には、限定するものではないが、入浴用気泡剤、シャンプー、および他の消費者製品のボトルもしくは容器、哺乳瓶、水槽、スポーツボトル、ペン、香水容器、フロントガラス液、半透明の油容器、歯生期幼児用具やがらがらなどのような円筒状もしくは非平面状の表面を備えた玩具、ビーチボール、浮き道具、およびその他の膨張式の玩具および物品、シリンジ、静脈内の小袋、接着剤のチューブ/パッケージ、グローブ(例えば、容器中に3Dの物体と、入っている液体中のグリッターのような浮遊物体とを含みうるスノーグローブ)、家庭用/ビジネス用水ボトルおよび浄水器、消費者用水ボトル、カップおよび炭酸飲料容器が挙げられる。ここでも、容器内の液体、固体または他の物質は、光学的成果の増強を成し遂げる(例えば、追加のレンズまたはレンズ要素/アセンブリ厚を提供する)ために、所望の屈折率およびその他の特性などの光学的特性に関して選択可能である(例えば水、ウォツカ、シャンプーなど)。
【0055】
本明細書に記載の発明概念は、固体でありうる非標準的な容器および物体に適用可能であることが理解されれば、本発明の視覚的ディスプレイアセンブリを組み入れることが可能な製品および装置の列挙をさらに拡張することができる。下記は、視覚的ディスプレイアセンブリを組み入れることが可能なその他の製品を非限定的に列挙するものである。すなわち、装飾品、「容器」の内部を照らすためのLEDもしくは他の光源を備えたデバイス、目覚まし時計、壁掛け(フローティング)型/アニメーション式の時刻表示装置、壁掛け型のプラズマタイプテレビおよび電子機器、ランプ、コミック本、装身具、キーホルダーなど。
【0056】
さらに、上記の非標準的な容器の実施形態および容器の実施形態(図1‐7に示すようなもの)は、付加的効果を達成するため、または付加的特徴を有するように適合されてもよい。例えば、容器の内容物を照らすかまたは1以上の画像を照らして所望の効果を達成する(例えば光源で画像の一部を選択的に照らす)ために、容器またはアセンブリの上または内側にLEDなどのような光源が提供される場合がある。従来の卓上スタンド、懐中電灯、または照明付き展示スタンド/展示ケースのようなその他の補足照明を、得られる光の量または質を増大させるために使用することができる。補足照明の使用により、錯視を生み出すために使用できる光量が増加し、かつ錯視の質を改善し、反射率の低いフィルムを補い、かつ/または、周囲の照明だけに依存していてはパフォーマンスが制限されたであろう暗い画像またはデザインを許容することができる。補足照明を調整して、色もしくは偏光のうち少なくともいずれか、または周囲の照明だけでは容易に制御できないその他の特性を提供し、したがって、種々様々の視覚効果を可能とすることができる。
【0057】
視覚的ディスプレイ要素またはそのようなディスプレイ要素の一部が、1つ以上の画像の変更を可能にするために入れ替え可能であってもよい。別例として、視覚的ディスプレイアセンブリまたはその一部が移動可能であって(例えば、容器の周縁の周りで回転させることができるか、または容器/物体上で上下に移動/摺動させることができるラベルもしくはスリーブ上にアセンブリが提供されればよい)、表示されている画像の変更(例えば、前景画像および背景画像の変更または主要画像の変更のうち少なくともいずれか)のために使用可能であってもよい。視覚的ディスプレイアセンブリは、様々な画像を示すかまたは物話を伝えるかのうち少なくともいずれか一方のための複数のパネル画を提供するために、複数のビューポートおよび/または反射面を含むことができる。いくつかの実施形態では、容器の側壁、ラベル材料、画像のインク、および/または容器の内容物が、温度変化と共に変化する(例えば、様々な温度範囲の中で、別のキャラクター、変化したキャラクター、別の/変化した背景および/または前景画像などを示す)ように、温度感受性であってもよい。視覚的ディスプレイアセンブリにおいて使用される画像は、暗闇中で
見ることができる(すなわち、暗闇で光を生じる)か、またはブラックライト下で見ることができるようなインクで印刷されてもよい。画像は典型的には反射面に近接するように示され、(例えば電子表示装置などによって)着脱可能、交換可能、または変更可能のうち少なくともいずれかであってよく、ある場合には、主要画像が(例えば電子表示装置によって画像を、(反射面の近くのリザーバもしくは容器側壁により画成された空間内の)液体中、または容器などの移動とともに回転するスイベル上などに提供することによって)移動可能であってもよい。画像は、投影されたものすなわち投影画像であってもよく、また発光性、光感受性、温度感受性などのような他の所望の特性を有していてもよい。
【0058】
特定の実装において使用される画像は、審美的なもの、娯楽的なもの、または情報を提供するもののうち少なくともいずれかであってよい。例えば、画像は、ゲームの部分品、クーポンまたは容器の内部に面して形成されるので安全なUPCコードを実装するバーコードを含んでいてもよい。セキュリティ画像(例えばバーコード)が、いずれも複合画像の中にあるはずの主要画像、前景画像および/または背景画像の一部を占めていてもよい。複合画像を容器の損傷または内容物の変化に対し非常に敏感であるように作製することができるので、上記のことは、セキュリティ画像自体の改ざんを阻止するのみならず製品/容器の保全性をある程度確認することができる。画像は、原材料、栄養成分、使用説明書などのような製品情報を表示するために使用することもできる。画像は、製品と文脈的に結びついていてもよいし(例えばレモン風味の飲料中に浮揚しているレモン)、製品とは文脈的に無関係であってもよい(例えば、カップ内側の漫画のキャラクターまたは映画宣伝用の画像)。
【0059】
ある場合には、容器または物体が上方または下方から見られたときに視覚効果を提供することが望ましいかもしれない。図1‐9に示す実施形態は一般に、主要画像の正反対側にあるビューポートまたは視界窓を示している(例えば、ビューポートの中心、ならびに主要画像および/または反射面の中心が、容器または物体を通り抜ける単一の水平面上に存在しうる)。しかしながら、ビューポートと主要画像もしくは反射面との「対向」配置は、ビューポートと主要画像および反射面とをほぼ任意の間隔を置いて配置することを含むように、より広く解釈されることが意図されている。例えば、容器の実施形態において、フレーム要素を、主要画像もしくは反射面から容器の反対側の表面上もしくは壁上にどのように配置しても、対向配置であるとみなされることになる。一般に、フレーム要素と反射鏡要素とは、間隔を空けて配置され、それらの全体または一部が平行な平面中に設けられる(例えば円筒形の容器壁上で180度の間隔を空けるなど)。水平線よりも上方または下方の視線から(または極端な視角で)主要画像を見るために(例えば容器が目の高さに十分に保持または配置されていない)、フレーム要素中の異なる位置にビューポートを提供することは有用である。
【0060】
図10は、容器が目の高さより下方(または水平線より下方)から見られたときに視覚的効果を提供するように適合された容器1000を例証している。図のように、容器1000は、図2の容器について示したような容器側壁の後方部に取り付けられた反射鏡要素120を含んでいる。しかしながら、図2の容器とは対照的に、容器1000は、容器1000の前方部もしくは前方側壁114に、反射鏡要素120中の主要画像129に対して低く配置されたビューポートまたは視界窓1138を含んでいるフレーム要素1130を含んでいる。例えば、ポート1138の中心は主要画像129の中心よりも数分の1インチ〜数インチまたはそれ以上低く、視角が数度から例えば30〜60度以上のようなはるかに大きな角度まで変動するようになっている(そのような視角は一般に、主要画像129を通過する水平面からビューポート1130または該ポート1130の中心点まで計測される(例えば、ビューポートと、容器1000および画像129を二分する水平面とによって提供される視線))。
【0061】
フレーム要素1130は、不明瞭な非画像であって典型的には透明またはほぼ透過性であるポート1138の大きさおよび形状を規定する、半透明または不透明な外側表面1132を含む。表面1132は画像不明瞭化領域であり、図2に示す画像134のような前景画像を含んでもよいし、パターンを伴って、またはパターンなしで、つや消しまたは他の場合には(例えば隆起面または陥凹面で)テクスチャ加工されていてもよい。フレーム要素1130は、(製品情報、UPCラベルなどのような)容器1000の外部から読むことができる文字列または情報を備えたデータ部分またはテキスト部分1134をさらに含むように示されており、該部分1134は一般に、画像129を見えにくくする半透明または不透明な背景上に設けられることになろう。図2のフレーム要素130の場合のように、フレーム要素1130は背景画像1144が提供されている内側表面1140を含んでいる(ただし、これらの画像1144は、前方側壁114の上または中に別々に提供されてもよいし、側壁114から間隔を空けて、視界のある側壁114と反射面128との間に提供されてもよい)。画像1144が反射面128から反射されてビューポート1138を通るように、ビューポート1138に関する画像1144の配置を選択する。いくつかの実施形態では、画像1144は、主要画像を二分する平面の上方であって、その二分平面の下方にビューポート1138が容器1000の前方部114上に提供される距離と一致または近似した距離に提供される。このようにして、主要画像129は背景画像1144の鏡映と同時にビューポート1138を通して見ることができる。他の実施形態では、ビューポートがフレーム要素1130の上方部分に提供され、背景画像がフレーム要素1130の下方部分に配置されてもよい。図示されていない他の場合では、複数のビューポートが複数の視角から所望の視覚的効果を生じるように提供される。例えば、高所、目の高さ、および低所からの視覚またはカメラアングルにおける効果を生じるように3つのビューポートが提供されてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
視覚的効果を創出するための容器であって、
前方部と、前方部から遠位側にある後方部とを含んでなり、前方部および後方部の少なくとも一部が光に対して少なくとも半透過性であることを特徴とする側壁、ならびに
側壁の表面上または側壁内部の視覚的ディスプレイアセンブリであって、該アセンブリは側壁の後方部に近接した反射鏡要素を含んでなり、反射鏡要素は側壁の外側表面に近接した反射面と、該反射面および側壁の表面に近接した主要画像とを含んでいることを特徴とするアセンブリ
を含んでなる容器。
【請求項2】
側壁の表面は側壁の外側表面である、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
主要画像は、反射面と側壁の表面との間に配置されている、請求項1に記載の容器。
【請求項4】
主要画像は、反射面上に提供された印刷画像である、請求項1に記載の容器。
【請求項5】
側壁は後方部において湾曲しており、反射面および主要画像は側壁上においてその湾曲した後方部に一致している、請求項1に記載の容器。
【請求項6】
側壁は円形の断面を有する、請求項5に記載の容器。
【請求項7】
視覚的ディスプレイアセンブリは側壁の前方部にフレーム要素をさらに含んでなり、フレーム要素は、側壁の前方部を通した視界を少なくとも見えにくくする画像不明瞭化領域を含んでなり、かつ画像不明瞭化領域内に、光に対してほぼ透過性である視界領域を含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の容器。
【請求項8】
視覚的ディスプレイアセンブリは側壁の前方部にフレーム要素をさらに含んでなり、フレーム要素は1以上の背景画像を含んでなる、請求項1に記載の容器。
【請求項9】
フレーム要素は、背景画像を含まないほぼ透過性の視界窓をさらに含む、請求項8に記載の容器。
【請求項10】
フレーム要素は、視界窓の外側境界線を画成している前景画像をさらに含んでなり、前景画像は、背景画像がフレーム要素を通して直接見えないように遮蔽しており、背景画像は反射面を介して視界窓を通して見ることができる、請求項9に記載の容器。
【請求項11】
反射鏡要素およびフレーム要素は、容器の側壁の外側表面に取り付けられた1以上のラベル上に提供されている、請求項8に記載の容器。
【請求項12】
前方部と後方部との間の内部空間に半透過性またはほぼ透過性の物質をさらに含む、請求項1に記載の容器。
【請求項13】
多次元の視覚的ディスプレイを創出するための容器であって、
前方側壁と向かい合わせて後方側壁を含む少なくとも2つの部分を含んでなる側壁と、
後方側壁に近接した主要画像要素と、
後方側壁に近接した反射面と、反射面は主要画像要素に近接していることと、
前方側壁に近接したフレーム要素と、フレーム要素は該フレーム要素上に背景画像要素を含んでなることと、
からなる容器。
【請求項14】
主要画像は反射面と前方側壁との間に配置されている、請求項13に記載の容器。
【請求項15】
フレーム要素は、窓を画成するビューポートをさらに含んでなり、前記窓を通して視線が主要画像要素および隣接する反射面へともたらされる、請求項13に記載の容器。
【請求項16】
主要画像要素は、反射面の上に印刷される画像を規定するインクの層を含んでなる、請求項15に記載の容器。
【請求項17】
後方側壁は半円形の断面を有し、反射面および主要画像要素は後方側壁の半円形の断面に基づいた曲率を有する、請求項13に記載の容器。
【請求項18】
ラベルがフレーム要素を含み、該ラベルは前方側壁および後方側壁によって規定される容器の周縁の周りに伸びる、請求項13に記載の容器。
【請求項19】
視覚的効果を提供するための包装システムであって、
光に対して少なくとも半透過性の側壁を含んでなるボトルと、
側壁の第1の部分にある反射面と、反射面に近接した主要画像と、反射面は側壁の第1の部分に近接して配置されていることと、
側壁の第2の部分に近接し、主要画像からは間隔を空けて位置している背景画像と、従って背景画像は反射面において見ることができることと
からなる包装システム。
【請求項20】
背景画像は反射面において主要画像と同時に見ることができる、請求項19に記載の包装システム。
【請求項21】
ほぼ透過性であり、かつ側壁の内側表面によって画成された空間を横切って主要画像の正反対の側壁上に位置するビューポートをさらに含んでなる、請求項19に記載の包装システム。
【請求項22】
ビューポートを画成している不透明なフレームをさらに含んでなり、該フレームと側壁との間に背景画像が配置されている、請求項21に記載の包装システム。
【請求項23】
不透明なフレームに付与された前景画像をさらに含んでなることによって、前景画像、主要画像、および背景画像をシステム内で同時に見ることができる、請求項22に記載の包装システム。
【請求項24】
背景画像は、鏡像の形式で印刷された画像を含んでなる、請求項19に記載の包装システム。
【請求項25】
ボトルは、少なくとも側壁の第1の部分に非平面の断面を有する、請求項19に記載の包装システム。
【請求項26】
視覚的効果を達成するために容器とともに使用するためのラベルであって、
容器の側壁と接触するための内側表面と、
容器の側壁から遠位側に配置するための外側表面と、
ほぼ透過性の視界領域と少なくとも1つの背景画像とを含んでなる、基材の第1の部分に提供されたフレーム要素と、
基材の第2の部分に提供された反射面を含んでなる反射鏡要素と、ラベルが容器に付与された時、反射面はフレーム要素の反対側の容器側壁上に配置されることと
からなるラベル。
【請求項27】
内側表面および外側表面は基材上にあり、基材はほぼ透過性である、請求項26に記載のラベル。
【請求項28】
少なくとも1つの背景画像は内側表面上にある、請求項26に記載のラベル。
【請求項29】
少なくとも1つの背景画像は外側表面上にある、請求項26に記載のラベル。
【請求項30】
少なくとも1つの背景画像は埋め込まれた表面上にある、請求項26に記載のラベル。
【請求項31】
反射鏡要素は、反射面に付与された主要画像をさらに含んでなる、請求項26に記載のラベル。
【請求項32】
主要画像および背景画像はそれぞれ反射面および内側表面に付与されたインクを含んでなる、請求項31に記載のラベル。
【請求項33】
フレーム要素は、基材の外側表面上に見ることができる前景画像をさらに含んでなり、前景画像は視界領域の外側に配置されている、請求項26に記載のラベル。
【請求項34】
視覚的効果を創出するための容器を製造する方法であって、
製品を入れるための内部空間を画成する側壁を備えた容器を提供する工程であって、側壁は前方部および後方部を含んでなることを特徴とする工程と、
反射要素、
フレーム要素、および
反射要素に近接した主要画像を含んでなるラベルを提供する工程であって、反射要素は、ラベルが物体に貼付されたときに、主要画像がフレーム要素を通してフレーム要素の鏡映と一緒に見えるようにフレーム要素に対して配置されることを特徴とする工程と、
容器の側壁の前方部および後方部に少なくとも部分的に接触するように、ラベルを容器の側壁に取り付ける工程であって、反射面が容器の側壁において側壁の後方部に配置され、フレーム要素が側壁の前方部に少なくとも部分的に配置されることを特徴とする工程とからなる方法。
【請求項35】
側壁の後方部に近接して主要画像を提供する工程であって、取り付ける工程の後に反射面が主要画像の周縁の周りに配置されることを特徴とする工程をさらに含んでなる、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
主要画像を提供する工程は、容器の側壁上に主要画像を印刷することを含んでなる、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
主要画像は、反射鏡要素の反射面の上に印刷されたインクを含んでなる、請求項34に記載の方法。
【請求項38】
側壁は円形の断面を有し、基材は、ラベルが側壁に貼付される場所の側壁の少なくとも円周の周りの長さを有する、請求項34に記載の方法。
【請求項39】
視覚的効果を生成するためのラベルであって、
反射要素と、
フレーム要素と、
反射要素に近接した主要画像とを含んでなり、反射要素は、ラベルが貼付されたときに
主要画像がフレーム要素を通してフレーム要素の鏡映と一緒に見えるようにフレーム要素に対して配置されることを特徴とするラベル。
【請求項40】
請求項39に記載のラベルを含んでなるボトル。
【請求項41】
請求項39に記載のラベルを含んでなる容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2010−509138(P2010−509138A)
【公表日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−523871(P2009−523871)
【出願日】平成19年5月29日(2007.5.29)
【国際出願番号】PCT/US2007/069866
【国際公開番号】WO2008/021606
【国際公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(504399716)ディズニー エンタープライゼス インコーポレイテッド (73)
【Fターム(参考)】