多重化複数電極神経刺激装置
埋め込み可能な刺激装置が提供される。これらの装置の態様は、神経刺激のために構成された多重化複数電極部材を有する。この多重化複数電極部材は、2つまたはそれ以上の、共通の導線に電気的に接続された個別にアドレス可能なサテライト電極構造を有する。本サテライト構造は、1つまたは複数の電極に作動可能に接続された、気密密閉された内蔵回路コントローラを有する。本発明の装置を含むシステムと、さまざまな異なる適用において本システムおよび本装置を使用する方法も提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2008年11月13日出願の米国仮特許出願第61/114,433号の権利を主張し、その全ての内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、標的部位を刺激する電気装置およびシステムに関し、特に、個別にアドレス可能で、誘導性電源および電力貯蔵ユニットを含む、複数電極を有する多重化再充電式リードに関する。
【背景技術】
【0003】
埋め込み可能な神経刺激器が、慢性疼痛、振戦、パーキンソン病、てんかん、失禁または胃不全麻痺のようなさまざまな症状や状態の治療に、患者に神経刺激療法を施すため使用されている。埋め込み可能な神経刺激器は、電極を有する埋め込み可能なリードを介した電気パルスの形態で神経刺激療法を提供できる。前記に挙げられる症状または状態の治療のため、埋め込み可能なリードは、装置で治療が求められる特定の状況により、神経に沿って、脊柱の硬膜外腔またはくも膜下のスペース内および脳の周辺、または患者の他の器官あるいは組織に、埋め込むことができる。
【0004】
埋め込み可能なリードに関しては、リード本体を製作するため、導線、電極および絶縁物のようないくつかの構成要素を組み合わせることができる。リードは、リードの遠位端部から近位端部へ、リード本体の長さに伸びる1つまたは複数の導線を有してもよい。これらの導線は、遠位端部における1つまたは複数の電極を、リードの近位端部における1つまたは複数のコネクタに電気的に接続する。これらの電極は、組織または器官と電気的に接続または刺激ポイントを形成するよう設計される。リードコネクタ(ときどきターミナル、接点または接触電極と呼ばれる)は、電気的および機械的に、リードを埋め込み可能なパルス発振器またはRF受信器(刺激源)、または他の医療装置と接続するよう適合されている。導線の間の電気的絶縁、および外部からの接触に対する保護および本体との互換性のため、絶縁材がリード本体を形成し、導線を囲んでもよい。
【0005】
そのようなリードは、挿入部位において身体内に埋め込まれ、埋め込み部位から刺激部位(電極の配置領域)へ伸ばされてもよい。その埋め込み部位は、パルス発振器または受信器(刺激源を提供する)を受け入れて収容する皮下ポケットでもよい。埋め込み部位は、臀部近辺または胴体領域の他の場所のように、刺激部位から離れた位置に配置されてもよい。1つの一般的な構成は、埋め込み部位および挿入部位を背面下部に位置付け、リードは脊椎中の硬膜外腔を通って、背面中部、背面上部、頸部または脳領域のような刺激部位へ伸びる。
【0006】
現在のリードの設計には、パドルリードおよび経皮的リードとして公知のような、異なる形状がある。通常は経皮的リードより大きいパドルリードは、方向性があり、組織または領域への所望の刺激効果により、しばしば使用される。しかし、現在のパドルリードは外科的手段を用いた挿入を必要とし、よって、外科的手段での除去を必要とする。経皮的リードは、特殊な針を用いて、硬膜外腔内へ容易に導入するために設計されている。従って、そのようなリードは、パドル形状のリードより通常は小さく、断面がより円形に近い。この小さいサイズにより、身体への埋め込みが容易になり、身体のより多くの領域内への埋め込みが可能になり、埋め込みの望まれない副作用が最小化する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
埋め込み可能な神経刺激装置が提供される。これらの装置の態様は、神経刺激のために構成された多重化複数電極部材を有する。この多重化複数電極部材は、2つまたはそれ以上の、共通の導線に電気的に接続された個別にアドレス可能なサテライト電極構造を有する。これらのサテライト構造は、1つまたは複数の電極に作動可能に接続された、気密密閉された内蔵回路コントローラを有する。本発明の装置を含むシステムと、さまざまな異なる適用においてこれらのシステムおよび装置を使用する方法も提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】経皮的リードが、いくつかの個別にアドレス可能なサテライト電極構造を有する、本発明の態様による経皮的リードの図である。
【図1A】図1のリードの電極構造の分解図である。
【図1B】それぞれ4つと6つの電極を有する、図1の電極構造の分解図である。
【図1C】それぞれ4つと6つの電極を有する、図1の電極構造の分解図である。
【図2】本発明による、リード内に存在する可能性があるような、個別にアドレス可能なサテライト電極構造のより詳細な図である。
【図3A】本発明の1つの態様による、経皮的神経刺激システムおよびその部材の図である。
【図3B】本発明の1つの態様による、経皮的神経刺激システムおよびその部材の図である。
【図3C】本発明の1つの態様による、経皮的神経刺激システムおよびその部材の図である。
【図3D】本発明の1つの態様による、経皮的神経刺激システムおよびその部材の図である。
【図3E】本発明の1つの態様による、経皮的神経刺激システムおよびその部材の図である。
【図4】本発明による、システム内に存在する可能性がある、マルチポートコネクタの図である。
【図5】本発明による、システム内に存在する可能性がある、マルチバスコネクタの図である。
【図6A】本発明の他の態様による、経皮的神経刺激システムの図である。
【図6B】本発明の他の態様による、経皮的神経刺激システムの図である。
【図6C】本発明の他の態様による、経皮的神経刺激システムの図である。
【図7】本発明による、分岐状経皮的神経刺激システムの図である。
【図8】単独の電極を有する、個別にアドレス可能なサテライト電極構造の図である。
【図9】図8に示される個別にアドレス可能なサテライト電極構造を有する、本発明のパドルリードの図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
埋め込み可能な神経刺激装置が提供される。これらの装置の態様は、神経刺激のために構成された多重化複数電極部材を有する。この多重化複数電極部材は、2つまたはそれ以上の、共通の導線に電気的に接続された個別にアドレス可能なサテライト電極構造を有する。個別にアドレス可能なサテライト構造は、1つまたは複数の電極に作動可能に接続された、気密密閉された内蔵回路コントローラを有する。本発明の装置を含むシステムと、さまざまな異なる適用においてこれらのシステムおよび装置を使用する方法も提供される。
【0010】
本発明の種々の態様をさらに記載するが、まず本発明の装置を詳細に説明し、続いて神経刺激の適用を含むさまざまな適用における、同一物を使用したシステムおよび装置を説明する。
【0011】
図1は、リード200上で長手方向に配置された個別にアドレス可能なサテライト構造202である多重化複数電極部材を有するリード200を示す。リード200は、2つのバスワイヤS1およびS2を有し、バスワイヤS1およびS2は、個別にアドレス可能なサテライト電極構造202のような個別にアドレス可能なサテライト電極構造に接続されている。図1Aも、個別にアドレス可能なサテライト電極構造202を拡大図で示す。個別にアドレス可能なサテライト電極構造202は、サテライト202の円筒状外壁の四分円内に設置された電極212、214、216および218を有する。図1Bは、4つの電極の配置を示す。前述のように、任意の個別にアドレス可能なサテライト電極構造は、4つより多いか少ない電極構成要素を有してもよい。例えば、図1Cに示すように、6つの電極構成要素が存在してもよい。それぞれの個別にアドレス可能なサテライト電極構造は、構造内に内蔵回路部材も有し、内蔵回路部材は、例えば、異なる電極のどれが図1AのバスワイヤS1またはS2へ接続されるかを決定する神経刺激信号および/または構成信号を受信するため、他のサテライト構造および/または異なる制御ユニットと通信する。
【0012】
図2は、個別にアドレス可能な区分化電極構造400の1つのタイプの詳細を示す。図1A、図1Bおよび図2に示される構成は、四分円電極として見られる。図2に示すように、可撓性接続具401が、図1の導電性部材S1およびS2と同様に、気密密閉された構成要素403と細長形導電性部材405および407の間に提供される。この設計は、構成要素403と細長形導電性部材405および407の間に、可撓性接続具を設ける。さらに、接続具401は、構成要素403を所定の位置に保持するために、それぞれ固定構成要素404を有する。本発明の1つの態様によると、構成要素403は内蔵回路であり、本発明の他の態様によると、構成要素403は電力貯蔵ユニットおよび内蔵回路を有する筐体である。示されるように、細長形導電性部材405および407は、可撓性接続具401の内部管腔402内に取り付けられる。構成要素403は、本発明の1つの態様により、また例示の目的のため、以下、内蔵回路403と呼ぶ。内蔵回路403は、4つの異なる電極409A、409B、409Cおよび409Dが接合部411および417により装着されている。接合部は、構造400の反対側にも存在するが、図示しない。電極409A、409B、409Cおよび409Dは、適切な構成構造413内で接着している。構成構造413は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)のような任意の好都合な素材で作ってもよい。ガイドワイヤ管腔415は、内蔵回路403の下方を通り、細長形導電性部材405および407の下方および/または間を通り、電極409A、409B、409Cおよび409Dによって画定される領域を通るか包含されている。
【0013】
個別にアドレス可能なサテライト電極構造に関するさらなる詳細については、第WO2006/029090号として公開されたPCT特許出願番号第PCT/US2005/031559号、第WO2006/069323号として公開されたPCT特許出願番号第PCT/US2005/046815号、第WO2006/069322号として公開されたPCT特許出願番号第PCT/US2005/046811号および第US2008−0114230 A1号として公開された米国特許出願番号第11/939,524号に見ることができ、これらの公開は参照により本明細書に組み込まれる。
【0014】
前述で要約したように、埋め込み可能な神経刺激装置が提供される。これらの埋め込み可能な神経刺激装置は、神経刺激のために構成される。そのようなものとして、埋め込み可能な神経刺激装置は、装置形状因子または形状、ならびに制御ユニットプログラミングの観点から、特に神経刺激の適用のために構成されている。本発明の装置は、従来の経皮的リード、パドルリードならびに他の神経刺激の特定の構成に見られる形状を含む、神経刺激の適用での使用に適切な、さまざまな形状であってもよい。神経刺激プロトコルに特定されたプログラミング(所定のタスクを遂行するためプロセッサにより実行される指示のセット)も、装置の個別にアドレス可能なサテライト電極構造の内蔵回路構成要素のような、本発明の装置の部材に含まれてもよい。これらの装置の一部でありうるプログラミングは、装置と異なる部材と関係する他の指示とともに採用された、所定のタスクのためのフルセットの指示または部分的セットの指示を有してもよく、そのような付加された指示は、装置が使用のあいだ作動可能に接続できる、異なる埋め込み可能な制御ユニット内に存在してもよい。
【0015】
本発明の装置は埋め込み可能であるので、身体の内部で見られる高塩分、高湿の環境を含む生理学的環境に存在するとき機能を維持するよう構成されている。本発明の埋め込み可能な装置は、1週間またはそれ以上、4週間またはそれ以上、6ヶ月またはそれ以上、1年またはそれ以上といった、5年またはそれ以上を含む2日またはそれ以上、これらの条件下で機能を維持するよう構成されている。一部のケースで、埋め込み可能な装置は、生理学的部位に、5年から70年またはそれ以上といった、10年から50年またはそれ以上の範囲の期間を含む、1年から80年またはそれ以上の範囲の期間埋め込まれたとき、機能を維持するよう構成されている。
【0016】
発明の装置は、多重化複数電極部材を有する。多重化複数電極部材は、2つまたはそれ以上の電極が1つまたは複数の導線を共有するように、直接または中間コネクタを通って共通の導線または共通の導線セットへ電気的に接続される、2つまたはそれ以上の電極を有する。「導線」と言う用語は、ワイヤ、ケーブルなどを含む、電気的に導電性の構成要素のさまざまな構成をいう。さまざまな異なる構造を、多重構成を提供するために導入してもよい。多重構成の権益は、第WO2004/052182号として公開されたPCT特許出願番号第PCT/US2003/039524号、第WO2006/029090号として公開されたPCT特許出願番号第PCT/US2005/031559号、第WO2006/069322号として公開されたPCT特許出願番号第PCT/US2005/046811号、第WO2006/069323号として公開されたPCT特許出願番号第PCT/US2005/046815号、第WO2007/075974号として公開されたPCT特許出願番号第PCT US2006/048944号の記載に含まれるが、これらに限定されない。これらの公開は参照により本明細書に組み込まれる。
【0017】
多重化複数電極部材は、2つまたはそれ以上の、個別にアドレス可能なサテライト電極構造を有する。一部のケースで、3つまたはそれ以上、4つまたはそれ以上、5つまたはそれ以上、6つまたはそれ以上、10個またはそれ以上、20個またはそれ以上(24個を含む)、30個またはそれ以上、50個またはそれ以上などといった、3つ以上の個別にアドレス可能なサテライト電極構造が本装置に存在する。個別にアドレス可能なサテライト電極構造は、本装置が作動可能に接続される、または体外制御ユニットへ接続される、離れて埋め込まれた制御ユニットのような、サテライト電極構造から離れた部位から個別に制御可能なものである。
【0018】
サテライト電極構造は、内蔵回路制御装置および少なくとも1つの電極構成要素を有する構造である。本発明のサテライト電極構造は、サテライト電極構造へアドレス可能性を与える内蔵回路の形態で、制御回路を有する。これらの構造の内蔵回路部材は、回路部材および固形支持体を有する構成物である。固形支持体は小さくてもよく、0.1〜20mmといった、0.5〜2mmを含む、0.01〜100mmの範囲の幅、0.1〜20mmといった、0.5〜2mmを含む、0.01〜100mmの範囲の長さ、また0.05〜2mmを含み、また0.1〜0.5mmを含む、0.01〜10mmの範囲の高さの寸法を取る。固形支持体構成要素は、チップ構成、シリンダ構成、球形構成、ディスク構成などさまざまな異なる構成をとってもよいが、これらに限定されない。意図する適用、製造の方法などに基き、特定の構成を選択してもよい。固形支持体が製作される素材は、使用用途で装置が構成される目的の特定の装置に依存してかなり変わるが、ある場合には、固形支持体は、シリコンのような半導体素材で作られる。
【0019】
個別にアドレス可能なサテライト電極構造の内蔵回路部材は、いくつかの異なる機能ブロック、すなわちモジュールを有してもよい。一部のケースで、これらの回路は少なくとも、電力抽出機能ブロック、エネルギー貯蔵機能ブロック、センサ機能ブロック、通信機能ブロックおよび装置構成機能ブロックなどの機能ブロックを有する。
【0020】
所定のサテライト電極構造内で、少なくともいくつかの、例えば2つまたはそれ以上から全てを含むまでの機能ブロックは単一の内蔵回路内に存在してもよい。単一の内蔵回路の単位は、装置のための全ての異なる所望の機能ブロックを有する単一の回路構造を意味する。これらの種類の構造では、内蔵回路は、半導体素材の薄い基板の表面に製作された、半導体および受動部材で作られた、小型化した電子回路であるモノリシック内蔵回路である。本発明のセンサも、個々の半導体装置で構築された小型化した電子回路で、ハイブリッド内蔵回路である内蔵回路,ならびに受動部材を有し、基板または回路板へ接着されている。
【0021】
所定のサテライト電極構造は、内蔵回路に接続された単一の電極構成要素、または同一の内蔵回路に接続された、3つまたはそれ以上の電極、4つまたはそれ以上の電極、6つまたはそれ以上の電極などのような、2つまたはそれ以上の電極を有してもよい。種々の態様において、例えば該構造が電極構造に区分化されている場合、該構造は、3つまたはそれ以上の電極のような、4つまたはそれ以上の電極を含む、2つまたはそれ以上の電極を有する。これらの種々の電極構成要素は、いくつかの異なる方法で電気的に接続される内蔵回路の制御に関連して3次元空間に配置されてもよい。例えば、これらの複数電極構成要素は、放射状に分散、すなわち内蔵回路の周りに軸方向に均一に配置される。あるいは、これらの複数電極構成要素は、内蔵回路の1つの側に位置決めてもよい。
【0022】
本装置の個別にアドレス可能なサテライト電極構造は、少なくとも装置の意図された寿命の間、該構造が機能を維持するように、埋め込まれた環境から内蔵回路を密閉する密閉構成要素を含むよう、気密密閉された内蔵回路部材を有してもよい。密閉構成要素が、1週間またはそれ以上、1ヶ月またはそれ以上、1年またはそれ以上、5年またはそれ以上、10年またはそれ以上、25年またはそれ以上、40年またはそれ以上といった所望の期間中埋め込まれた環境内でサテライト構造の機能を維持する限り、密閉構成要素の性質は、変化する可能性がある。
【0023】
一部のケースで、密閉構成要素は、共形の空隙のない密閉層であり、密閉層は少なくとも内蔵回路部材の外部表面の一部分に存在する(前述)。一部のケースで、この共形の空隙のない密閉層は、内蔵回路部材の外部表面の実質的に全てに存在してもよい。あるいは、この共形の空隙のない密閉層は、内蔵回路部材の1つの表面のみ、または1つの表面の部分のみといった、内蔵回路の表面のある部分だけに存在してもよい。そのようなものとして、いくつかのセンサは、共形の空隙のない密閉層内に完全に収容された内蔵回路部材を有する。他のセンサは、内蔵回路部材の表面上端のみが、共形の空隙のない密閉層に覆われるように構成される。
【0024】
共形の空隙のない密閉層は、「薄いフィルム」コーティングであってもよく、層にもたらす可能性がある構造の容量の増加が容量で1%またはそれ以下を含む、5%またはそれ以下のような、10%またはそれ以下の場合、接触する内蔵回路構造の全体の容量を実質的に増加させないような厚さになされている。一部のケースで、その密閉層は、0.3〜3.0μmの厚さのような、1.0μmの範囲の厚さを含む、0.1〜10.0μmの範囲の厚さを有する。
【0025】
本密閉層は、いくつかの異なるプロトコルのどのプロトコルを用いて内蔵回路部材上に生産してもよく、プロトコルはプラズマ強化化学蒸着、物理蒸着、スパッタ蒸着、蒸発、陰極アーク蒸着、低圧化学蒸着などのような平面加工を含むが、これに限定されない。
【0026】
本発明のセンサに採用される可能性がある共形の空隙のない密閉層のさらなる記載が、第W0/2007/120884号のもと公開されたPCT特許出願第PCT/US2007/009270号にあり、この公開は参照により本明細書に組み込まれる。
【0027】
少なくとも1つの導電性の供給および密閉層を有する耐蝕性容器も、密閉構成要素としての利点であり、密閉層および容器は内蔵回路部材を囲む気密密閉された入れ物を画定するために構成される。導電性の供給は、プラチナ、イリジウム、金属および半導体の合金、窒化物、半導体またはいくつかの他の有益な素材のような金属であってもよい。一部のケースで、耐蝕性容器はシリコンまたはセラミックを含む。寸法が変わる一方で、耐蝕性容器は、少なくとも50μmの厚さのような少なくとも1μmの厚さの壁部を有し、壁部は25〜100μmを含む、1〜125μmの範囲であってもよい。密閉層は金属であってもよく、ここで対象の金属はプラチナおよびプラチナ合金のような貴金属またはその合金を含む。密閉層の寸法は、一部のケースで2.0μmまたはそれ以上の厚さのような、20μmの厚さまたは厚さを含む、0.5μmまたはそれ以上の厚さの範囲で変化してもよく、密閉層の厚さは、1〜50μmのような、0.5〜100μmの範囲である。特定の構成では、構造はさらに気密密閉された容積領域内に存在する絶縁性素材を有する。一部のケースでは、その気密密閉された容積領域は1pl.〜1mlの範囲である。
【0028】
一部のケースで、体内の耐蝕性容器は、内蔵回路部材が容器の壁部により一方の側を除き全てにおいて結合するように、内蔵回路部材を保持するために構成された構造である。例えば、この容器は、側壁部および底部を有してもよく、容器が、部材が一方の側を除き全てにおいて結合する容積領域に保持されるような方法で内蔵回路部材を包含する限り、さまざまな異なる構成を有する。従って、この容器の形状は、正方形、円形、卵形、長方形または所望に応じて他の形状であってもよい。
【0029】
本発明のセンサを採用する可能性がある耐蝕性容器のさらなる記載が、第W0/2006/069323号のもと公開されたPCT特許出願第PCT/US2005/046815号にあり、この公開は参照により本明細書に組み込まれる。
【0030】
前記のように、本発明の多重化複数電極部材は、多重化リード構成要素に沿って、10個またはそれ以上、20個またはそれ以上、さらに24個またはそれ以上といった、2つまたはそれ以上の個別にアドレス可能なサテライト電極構造が長手方向にある、そうでなければ多重化リードに沿って長手方向または他の方向に配置される、単一の多重化リード構成要素を有してもよい。単一の多重化リード構成要素は、多重化部材および2つまたはそれ以上の個別にアドレス可能なサテライト構造が、多重化複数電極部材が2つまたはそれ以上の異なる、容易に分離可能な、共に接続される部材で作られないように、同一の物理的リード構造内に内蔵されていることを意味する。
【0031】
単一の多重化リード構成要素で作られた多重化複数電極部材の他の例が、図3Aに示されている。図3Aでは、装置300は、硬膜外腔内の脊椎に沿って取り付けられるよう構造化することにより、神経刺激のために構成された多重化リード310を有する。リード310は脊椎の相当の長さに沿って、例えば、脊椎の長さの75パーセントまたはそれ以上のように、80パーセントまたはそれ以上を含んで、50パーセントまたはそれ以上伸びる。リード310の長さに沿って、長手方向に分散して、個別にアドレス可能なサテライト電極構造320がある。リード310は、IS−1接続のような適切な接続を介して、制御ユニット330に作動可能に接続される。
【0032】
図3Bでは、椎体340の断面が、脊髄345および脊髄神経350と共に示されている。装置300の一部分も断面で示されている。装置300の断面は脊髄345の表面に合致するような形状にされているので、装置300は、神経刺激のために構成される。図3Cは、装置300のより詳細な断面図である。図3Cに示すように、個別にアドレス可能なサテライト構造320は、共通の導線327および329、さらに4つの電極360に接続された気密密閉された内蔵回路部材325を有して示されている。
【0033】
ここで図3Cを参照すると、電極360は、装置300の内蔵回路325の一方の側に配置されている。所望される場所では、電極360は所定の個別にアドレス可能なサテライト電極構造320の部分であり、図3Dに示される構成のようにスタガ構成を有する。
【0034】
ここで図3Dを参照すると、電極372、374、376および378は、スタガ構成で装置の一方の側に沿って配置されている。
【0035】
ここで図3Eを参照すると、明確にするため装置300の両側が示されている。この構成は、装置300に放射状に配置された4つの電極382、384、386および388を有し、実際に均一に、装置300のリード構成要素の周りで軸方向に配置されている。
【0036】
前述のものと代替的な構成では、装置の多重化複数電極リード部材は、多重化複数電極リード部材を生産するために互いに作動可能に接続された、2つまたはそれ以上の異なる副部材で作られてもよい。例えば、本発明の多重化複数電極リード部材は、多重化リード(2つ以下など、3つ以下の導電性構成要素を有するリードなど)で作られた、第1の副部材、および2つまたはそれ以上の個別にアドレス可能なサテライト電極構造を有する第2の副部材を有してもよい。
【0037】
ここで図4を参照すると、多重化リード440を通して多重化複数電極部材430に接合された埋め込み可能なコントローラ420が示されている。コントローラ420は、IS−1接続を介して多重化リード440に接合される。多重化リード440は、マルチポートコネクタ450に電気的に接続され、マルチポートコネクタ450は、5つの異なる個別にアドレス可能なサテライト内蔵回路452、454、455、456および457を有し、個別にアドレス可能なサテライト構造がそれぞれの電極リードポート453に
提供される。また、コネクタ458および461を介してマルチポートコネクタ450に接合される電極リード460も示されている。リード460は、内蔵回路452が個別に制御可能な4つの電極462、463、464および465を有する。コネクタ441および451は、リード440をマルチポートコネクタ450と接合するため採用される。リード440の長さは特定の埋め込まれた構成によって大きく変わってもよく、一部のケースでリード440は、50mmまたはそれ以上、ならびに100mmまたはそれ以上の長さを含む、25mmまたはそれ以上の長さのような、10mmまたはそれ以上の長さであってもよい。
【0038】
2つまたはそれ以上の副部材で作られた多重化複数電極部材の他の例が図5に示されている。多重化複数電極部材500は、固定ポイント510、制御ユニット520およびマルチバスコネクタ530を有する。マルチバスコネクタ530は、多重化リード構成要素540、550または560に電気的に接続され、それに沿って2つまたはそれ以上の個別にアドレス可能なサテライト電極構造(図示せず)が長手方向に配置されている。制御ユニット520は、IS−1コネクタを通してなどで、多重化複数電極部材500に作動可能に接合される。
【0039】
本発明の装置は、直線状および分岐状を含む、さまざまな構成を有してもよい。直線状構成の例が図3Aに示されている。分岐状構成の例が図7に示されている。図7において、装置700は、脊髄および脊髄から分岐する複数の脊髄神経を有する天然神経系に類似した構成の、複数の分岐リード722、723、724、725、726、727および728を持つコア多重化複数電極リード710を有する。コアリード710およびそれぞれの分岐は多重構成を有し、構成内では2つのワイヤがそのリードの長さを通り、複数の個別にアドレス可能なサテライト電極構造がそのリードに沿って長手方向に配置され、コアリード710内の2つのワイヤに接続される。この多重構成のため、それぞれのリードは外径が小さいか薄形である。所望の場所では、それぞれの電極は刺激ならびに検出のために採用される。この方法で、断絶の一方の側の神経信号を検出し、それから断絶の他方の側で同一の信号を用いて刺激することにより、天然神経システム740内の断絶を埋めることが可能である。図7に示される分岐状構造は、所望に応じて、患者の神経系の一部または全体の神経系を置き換えるために採用してもよい。
【0040】
前述のように、装置の多重化複数電極部材は、1つまたは複数のリード部材を有してもよい。リード部材は幅の5倍またはそれ以上のような、幅の10、15、20、25、50、100倍またはそれ以上を含む、幅の2倍またはそれ以上の長さを持つ細長い構造である。特定のケースで、これらのリードは、50mmまたはそれ以上、ならびに100mmまたはそれ以上の長さを含む、25mmまたはそれ以上の長さのような、10mmまたはそれ以上の長さを有する。種々の態様でリードが近位端部および遠位端部を持つ細長い円筒状構造である場合、さまざまな異なるリード構成が採用できる。近位端部は、例えば「缶」または類似の装置内に存在する制御ユニットに接合するため、例えばIS−1コネクタのような、コネクタ構成要素を有してもよい。リードは、例えばガイドワイヤと共に使用するためやワイヤなどの1つまたは複数の導電性の構成要素を収容するため、1つまたは複数の管腔を有してもよい。遠位端部は、所望に応じて、例えば固定手段など、さまざまな異なる機能を有してもよい。リードは、内部の導線構成要素が、MP35N合金(ニッケル−コバルト−クロム−モリブデン合金)、プラチナ、プラチナ−10イリジウムなどのような適切な素材で作られたワイヤ、コイル、ケーブルを含む可能性があるとき、柔軟性がある構造として製作してもよい。リード本体は、ポリウレタンまたはシリコンを含むポリマー素材のような任意の適切な素材であってもよい。
【0041】
本発明のリード部材は、所望に応じて、さまざまな形状を有してもよい。一部のケースで、これらのリードは、従来の経皮的神経刺激リードに見られるような、標準の経皮的形状を有してもよい。一部のケースで、これらのリードは従来のパドル神経刺激リードに見られるような、標準のパドル形状を有してもよい。
【0042】
本発明の装置の製作において、さまざまな異なるプロトコルのどのプロトコルを採用してもよい。例えば、成形、蒸着および材料の除去、微小電気機械システム(MEMS)のような平面加工技術を採用してもよい。装置またはその部材の製作のある態様において採用される可能性がある蒸着技術は、電気メッキ、陰極アーク蒸着、プラズマ溶射、スパッタ蒸着、電子ビーム蒸着、物理蒸着、化学蒸着、プラズマ強化化学蒸着などを含むが、これらに限定されない。材料の除去技術の対象は、反応性イオンエッチング、異方性化学エッチング、等方性化学エッチング、例えば化学機械研磨、レーザ溶発、電子放電機械加工(EDM)などを用いた平坦化などを含むが、これらに限定されない。リソグラフプロトコルも対象である。ある態様においての対象は平面加工プロトコルの使用であり、そこでは、構造は、順次基板に適用されるさまざまな異なる材料の除去および蒸着プロトコルを用いて作られ、および/または、当初は平面の基板の一表面または複数の表面から、取り除かれる。
【0043】
一部のケースで、レーザカットワイヤが、本発明の装置のリード構成要素の導電性の構成要素のような、本発明の装置の導電性の構成要素として採用される。例えば、導電性の構成要素は、金属の単一のシートからのレーザカットであってもよい。レーザカット導電性構成要素のパターンは、リードの個別にアドレス可能なサテライト電極構造の配置に合致するよう選択してもよい。この方法で、導線および電極構造は整列され、それから所望のリード構造を生産するため適切なポリマー素材に覆われる。これらのレーザカット導電性構成要素は、直線状から曲線状、正弦波状または他の耐疲労性構成まで、さまざまな構成を有してもよい。レーザカットの代わりに、導線は前述のような蒸着プロトコルを用いて製造してもよい。
【0044】
本発明の装置は、任意の好都合なプロトコルを用いて埋め込んでもよい。経皮的およびパドルリードの標準埋め込み手順を、本発明の装置の埋め込みに適用してもよい。これらの装置は、埋め込みを容易にするよう構成される。例えば、装置は、所望の構成を想定するため、例えばガスまたは適切な液体培地で膨張するリード構成要素のような、展開式構成要素を有してもよい。
【0045】
埋め込み可能なコントローラに作動可能に接続された、もう1つの前述のような神経刺激装置を有するシステムも提供され、装置は埋め込み可能なパルス発振器であってもよい。この埋め込み可能なコントローラは、装置を本発明の多重化複数電極神経刺激装置と共に機能するよう、所望に応じて改変する可能性がある場合、神経刺激処置に現在採用されるいくつかの埋め込み可能なパルス発振器のいずれも含む、任意の適切なコントローラであってもよい。またこれらのシステムの部分は、所望に応じて、データおよび/または電力を送出し、および/またはデータを埋め込み可能な部材から受信するよう構成された体外制御ユニットを有する、任意の数の付加された部材であってもよい。
【0046】
本発明のシステムを用いた方法も提供される。本発明の方法は、一般的に、例えば前述のように、埋め込み可能なコントローラおよび神経刺激装置を有する、本発明のシステムの提供を含む。本システムは、任意の好都合なアプローチを用いて適切な対象に埋め込んでもよい。埋め込みに続き、所望に応じて、患者の症状を治療するため、本システムを採用してもよい。
【0047】
図6A〜図6Bは、システムおよびシステムを使用する方法の例を示す。図6Aにおいて、システム600は、ポート630において本体から出るように当初配置された、2つの多重化複数電極リード610および620を有する。リード610および620は、電力を供給しプログラミングの改良も可能にする、外部の制御ユニット640に接続される。図6Bに示すように、システム600が埋め込まれ最初にプログラムされると、図6Aの外部の制御ユニット640は、コネクタ660によりリード610および620に接合される、内部の制御ユニット650に置き換えられる。図6Cは図6Bのシステムの変形を示し、リード610および620が、コネクタ660および延長部材680を介して、離れて埋め込まれた制御ユニット670に接合される。
【0048】
使用中、内科医または他の臨床医のような医療従事者は、患者に提供する神経刺激療法を確定するため、いくつかのプログラム可能なパラメータに値を選択してもよい。例えば、医療従事者は、患者に与える刺激波形に、電圧または現在の振幅およびパルス幅を選択し、ならびにパルスを患者に与える速度および負荷サイクルを選択してもよい。医療従事者は、パラメータとして、パルスを与えるために使用されるリードによって運ばれる電極セット内の特定電極、および選択した電極の極性を、選択してもよい。パラメータ値群は、患者に提供する神経刺激療法を駆動するという意味から、プログラムとみなしてもよい。
【0049】
医療従事者は、例えば図6Aにあるように、プログラミング装置を用いて、プログラミングセッションのあいだ患者にテストされるいくつかのプログラムに、パラメータ値を選択してもよい。このプログラミング装置は、それぞれのプログラムにより神経刺激を与えるため、本特許に埋め込まれた埋め込み可能な神経刺激器に指示し、医療従事者は、患者に試みたそれぞれのプログラムに、例えば速度情報などのフィードバックを患者から収集する。それから、医療従事者は、速度情報に基き、埋め込み可能な神経刺激器が長期間使用する1つまたは複数のプログラムを選択する。
【0050】
本発明の埋め込み可能な神経刺激器装置は、さまざまな異なる適用で採用してもよい。適用の例は、慢性疼痛、振戦、パーキンソン病、てんかん、失禁または胃不全麻痺のようなさまざまな症状や状態の治療のため患者に神経刺激療法を施す装置およびシステムの使用を含む。概して、埋め込み可能な神経刺激器は、電極を有するリードを介して電気パルスの形態で神経刺激療法を行う。前述の症状や状態の治療のため、例えば、電極は、患者の脊髄、骨盤神経または胃に隣接して、または脳の中に設置してもよい。
【0051】
図8は、個別にアドレス可能なサテライト電極構造810のレーザカット導電性構成要素800の断面図である。内蔵回路部材820は、レーザカット導電性構成要素800と電気的に接触している。共形の空隙のない層830は、内蔵回路820の頂部に存在し、ポリマーコーティングの上塗層の上で内蔵回路820を気密密閉する。蒸着した単一の電極850は、層830の頂部に存在し、コネクタ840を介して回路820に接合される。電極850は、陰極アーク蒸着のような好都合なプロトコルを用いて蒸着してもよい。
【0052】
図9は、複数の個別にアドレス可能なサテライト電極構造810を有するパドルリード900を示す。示された電極構造810の下に重なるのは、前述のように、導電性構成要素のレーザカットパターンであってもよい。示されるように、パドル900の全ての電極構造810は、パドル900が多重化構成を有するよう、2つのワイヤ910および920に接続される。
【0053】
装置または部材、よって例えば、リード構成要素、コネクタ構成要素、コントローラなどを有するキットも提供される。対象キットの種々の態様において、これらのキットはさらに、使用説明を得るための対象装置または構成要素の使用説明(例えば使用説明を提供するウェブページへユーザを誘導するウェブサイトURL)を有し、これらの使用説明は通常、基板上に印刷し、その基板は、包装挿入物、包装体、試薬容器などのうち1つまたは複数であってもよい。対象キットにおいて、好都合または望ましくありうる場合、1つまたは複数の部材が同一または異なる容器内に存在してもよい。
【0054】
本発明は記述された特定の態様に限定されるものではなく、変更されうるものとして理解すべきである。本明細書の使用語句は特定の態様を記述する目的のみで使用しており、本発明の範囲は添付の請求項のみにより限定されるので、使用語句は限定を意図するものではないことも理解すべきである。
【0055】
値の範囲が述べられる場合、文脈が明らかに他を述べていない限り最低限の単位の10分の1へのそれぞれの中間値、その範囲の最高限および最低限の中間値、および他のいかなる提示された中間値、または提示された範囲内の中間値は、本発明に含まれることが理解される。これらのより小さい範囲の最高限および最低限は、より小さい範囲内に独立して含まれ、提示された値内で特に除外された全ての限界次第で、本発明内にも含まれる。提示された範囲が限度値の1つまたは両方を含む場合、この含まれた限度値の片方または両方を除外する範囲も、本発明に含まれる。
【0056】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的および科学的用語は、本発明が属する当業者により一般的に理解されるものと同一の意味を持つ。本明細書に記載されたものに類似した、または等価であるいかなる方法および素材も、本発明の実践またはテストにおいて使用が可能であり、代表的な方法および素材の例示をここに記載する。
【0057】
本明細書で引用した全ての公開および特許は、それぞれの公開または特許が特定され独立して参照により組み込まれると示したものとして本明細書に参照により組み込まれ、引用された公開に関連した方法および/または素材を公開し記載するために、本明細書に参照により組み込まれる。あらゆる公開の引用は出願日前の公開のためであり、本発明が先の発明に基きそういった公開に先行しない認可と解釈されるべきではない。さらに、示された公開日は、独立して確認の必要の可能性がある実際の公開日と異なる可能性がある。
【0058】
本明細書および添付の請求項で使用する単数形「1つの」および「この」は、文脈が明らかに他を述べていない限り、複数形の指示対象を含むことを述べておく。また、請求項はあらゆる任意の構成要素を除外するよう起案されている可能性があることを述べておく。そのようなものとして、請求項の構成要素の記述に関した「単に」、「のみ」などの除外的用語の使用に、または「否定の」限定の使用に、この記述は先行の根拠として提供するよう意図される。
【0059】
この開示を読んで当業者には明らかになるように、本明細書で記載され説明されたそれぞれの個々の態様は、本発明の範囲または趣旨から逸脱することなく、他のいくつかの態様のいずれの機能から容易に分離するまたは結合することが可能な、個別の構成要素および機能を有する。記述された方法はいずれも、記述された事象の順番に、または論理的に可能な他のあらゆる順番に実行が可能である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、2008年11月13日出願の米国仮特許出願第61/114,433号の権利を主張し、その全ての内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、標的部位を刺激する電気装置およびシステムに関し、特に、個別にアドレス可能で、誘導性電源および電力貯蔵ユニットを含む、複数電極を有する多重化再充電式リードに関する。
【背景技術】
【0003】
埋め込み可能な神経刺激器が、慢性疼痛、振戦、パーキンソン病、てんかん、失禁または胃不全麻痺のようなさまざまな症状や状態の治療に、患者に神経刺激療法を施すため使用されている。埋め込み可能な神経刺激器は、電極を有する埋め込み可能なリードを介した電気パルスの形態で神経刺激療法を提供できる。前記に挙げられる症状または状態の治療のため、埋め込み可能なリードは、装置で治療が求められる特定の状況により、神経に沿って、脊柱の硬膜外腔またはくも膜下のスペース内および脳の周辺、または患者の他の器官あるいは組織に、埋め込むことができる。
【0004】
埋め込み可能なリードに関しては、リード本体を製作するため、導線、電極および絶縁物のようないくつかの構成要素を組み合わせることができる。リードは、リードの遠位端部から近位端部へ、リード本体の長さに伸びる1つまたは複数の導線を有してもよい。これらの導線は、遠位端部における1つまたは複数の電極を、リードの近位端部における1つまたは複数のコネクタに電気的に接続する。これらの電極は、組織または器官と電気的に接続または刺激ポイントを形成するよう設計される。リードコネクタ(ときどきターミナル、接点または接触電極と呼ばれる)は、電気的および機械的に、リードを埋め込み可能なパルス発振器またはRF受信器(刺激源)、または他の医療装置と接続するよう適合されている。導線の間の電気的絶縁、および外部からの接触に対する保護および本体との互換性のため、絶縁材がリード本体を形成し、導線を囲んでもよい。
【0005】
そのようなリードは、挿入部位において身体内に埋め込まれ、埋め込み部位から刺激部位(電極の配置領域)へ伸ばされてもよい。その埋め込み部位は、パルス発振器または受信器(刺激源を提供する)を受け入れて収容する皮下ポケットでもよい。埋め込み部位は、臀部近辺または胴体領域の他の場所のように、刺激部位から離れた位置に配置されてもよい。1つの一般的な構成は、埋め込み部位および挿入部位を背面下部に位置付け、リードは脊椎中の硬膜外腔を通って、背面中部、背面上部、頸部または脳領域のような刺激部位へ伸びる。
【0006】
現在のリードの設計には、パドルリードおよび経皮的リードとして公知のような、異なる形状がある。通常は経皮的リードより大きいパドルリードは、方向性があり、組織または領域への所望の刺激効果により、しばしば使用される。しかし、現在のパドルリードは外科的手段を用いた挿入を必要とし、よって、外科的手段での除去を必要とする。経皮的リードは、特殊な針を用いて、硬膜外腔内へ容易に導入するために設計されている。従って、そのようなリードは、パドル形状のリードより通常は小さく、断面がより円形に近い。この小さいサイズにより、身体への埋め込みが容易になり、身体のより多くの領域内への埋め込みが可能になり、埋め込みの望まれない副作用が最小化する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
埋め込み可能な神経刺激装置が提供される。これらの装置の態様は、神経刺激のために構成された多重化複数電極部材を有する。この多重化複数電極部材は、2つまたはそれ以上の、共通の導線に電気的に接続された個別にアドレス可能なサテライト電極構造を有する。これらのサテライト構造は、1つまたは複数の電極に作動可能に接続された、気密密閉された内蔵回路コントローラを有する。本発明の装置を含むシステムと、さまざまな異なる適用においてこれらのシステムおよび装置を使用する方法も提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】経皮的リードが、いくつかの個別にアドレス可能なサテライト電極構造を有する、本発明の態様による経皮的リードの図である。
【図1A】図1のリードの電極構造の分解図である。
【図1B】それぞれ4つと6つの電極を有する、図1の電極構造の分解図である。
【図1C】それぞれ4つと6つの電極を有する、図1の電極構造の分解図である。
【図2】本発明による、リード内に存在する可能性があるような、個別にアドレス可能なサテライト電極構造のより詳細な図である。
【図3A】本発明の1つの態様による、経皮的神経刺激システムおよびその部材の図である。
【図3B】本発明の1つの態様による、経皮的神経刺激システムおよびその部材の図である。
【図3C】本発明の1つの態様による、経皮的神経刺激システムおよびその部材の図である。
【図3D】本発明の1つの態様による、経皮的神経刺激システムおよびその部材の図である。
【図3E】本発明の1つの態様による、経皮的神経刺激システムおよびその部材の図である。
【図4】本発明による、システム内に存在する可能性がある、マルチポートコネクタの図である。
【図5】本発明による、システム内に存在する可能性がある、マルチバスコネクタの図である。
【図6A】本発明の他の態様による、経皮的神経刺激システムの図である。
【図6B】本発明の他の態様による、経皮的神経刺激システムの図である。
【図6C】本発明の他の態様による、経皮的神経刺激システムの図である。
【図7】本発明による、分岐状経皮的神経刺激システムの図である。
【図8】単独の電極を有する、個別にアドレス可能なサテライト電極構造の図である。
【図9】図8に示される個別にアドレス可能なサテライト電極構造を有する、本発明のパドルリードの図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
埋め込み可能な神経刺激装置が提供される。これらの装置の態様は、神経刺激のために構成された多重化複数電極部材を有する。この多重化複数電極部材は、2つまたはそれ以上の、共通の導線に電気的に接続された個別にアドレス可能なサテライト電極構造を有する。個別にアドレス可能なサテライト構造は、1つまたは複数の電極に作動可能に接続された、気密密閉された内蔵回路コントローラを有する。本発明の装置を含むシステムと、さまざまな異なる適用においてこれらのシステムおよび装置を使用する方法も提供される。
【0010】
本発明の種々の態様をさらに記載するが、まず本発明の装置を詳細に説明し、続いて神経刺激の適用を含むさまざまな適用における、同一物を使用したシステムおよび装置を説明する。
【0011】
図1は、リード200上で長手方向に配置された個別にアドレス可能なサテライト構造202である多重化複数電極部材を有するリード200を示す。リード200は、2つのバスワイヤS1およびS2を有し、バスワイヤS1およびS2は、個別にアドレス可能なサテライト電極構造202のような個別にアドレス可能なサテライト電極構造に接続されている。図1Aも、個別にアドレス可能なサテライト電極構造202を拡大図で示す。個別にアドレス可能なサテライト電極構造202は、サテライト202の円筒状外壁の四分円内に設置された電極212、214、216および218を有する。図1Bは、4つの電極の配置を示す。前述のように、任意の個別にアドレス可能なサテライト電極構造は、4つより多いか少ない電極構成要素を有してもよい。例えば、図1Cに示すように、6つの電極構成要素が存在してもよい。それぞれの個別にアドレス可能なサテライト電極構造は、構造内に内蔵回路部材も有し、内蔵回路部材は、例えば、異なる電極のどれが図1AのバスワイヤS1またはS2へ接続されるかを決定する神経刺激信号および/または構成信号を受信するため、他のサテライト構造および/または異なる制御ユニットと通信する。
【0012】
図2は、個別にアドレス可能な区分化電極構造400の1つのタイプの詳細を示す。図1A、図1Bおよび図2に示される構成は、四分円電極として見られる。図2に示すように、可撓性接続具401が、図1の導電性部材S1およびS2と同様に、気密密閉された構成要素403と細長形導電性部材405および407の間に提供される。この設計は、構成要素403と細長形導電性部材405および407の間に、可撓性接続具を設ける。さらに、接続具401は、構成要素403を所定の位置に保持するために、それぞれ固定構成要素404を有する。本発明の1つの態様によると、構成要素403は内蔵回路であり、本発明の他の態様によると、構成要素403は電力貯蔵ユニットおよび内蔵回路を有する筐体である。示されるように、細長形導電性部材405および407は、可撓性接続具401の内部管腔402内に取り付けられる。構成要素403は、本発明の1つの態様により、また例示の目的のため、以下、内蔵回路403と呼ぶ。内蔵回路403は、4つの異なる電極409A、409B、409Cおよび409Dが接合部411および417により装着されている。接合部は、構造400の反対側にも存在するが、図示しない。電極409A、409B、409Cおよび409Dは、適切な構成構造413内で接着している。構成構造413は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)のような任意の好都合な素材で作ってもよい。ガイドワイヤ管腔415は、内蔵回路403の下方を通り、細長形導電性部材405および407の下方および/または間を通り、電極409A、409B、409Cおよび409Dによって画定される領域を通るか包含されている。
【0013】
個別にアドレス可能なサテライト電極構造に関するさらなる詳細については、第WO2006/029090号として公開されたPCT特許出願番号第PCT/US2005/031559号、第WO2006/069323号として公開されたPCT特許出願番号第PCT/US2005/046815号、第WO2006/069322号として公開されたPCT特許出願番号第PCT/US2005/046811号および第US2008−0114230 A1号として公開された米国特許出願番号第11/939,524号に見ることができ、これらの公開は参照により本明細書に組み込まれる。
【0014】
前述で要約したように、埋め込み可能な神経刺激装置が提供される。これらの埋め込み可能な神経刺激装置は、神経刺激のために構成される。そのようなものとして、埋め込み可能な神経刺激装置は、装置形状因子または形状、ならびに制御ユニットプログラミングの観点から、特に神経刺激の適用のために構成されている。本発明の装置は、従来の経皮的リード、パドルリードならびに他の神経刺激の特定の構成に見られる形状を含む、神経刺激の適用での使用に適切な、さまざまな形状であってもよい。神経刺激プロトコルに特定されたプログラミング(所定のタスクを遂行するためプロセッサにより実行される指示のセット)も、装置の個別にアドレス可能なサテライト電極構造の内蔵回路構成要素のような、本発明の装置の部材に含まれてもよい。これらの装置の一部でありうるプログラミングは、装置と異なる部材と関係する他の指示とともに採用された、所定のタスクのためのフルセットの指示または部分的セットの指示を有してもよく、そのような付加された指示は、装置が使用のあいだ作動可能に接続できる、異なる埋め込み可能な制御ユニット内に存在してもよい。
【0015】
本発明の装置は埋め込み可能であるので、身体の内部で見られる高塩分、高湿の環境を含む生理学的環境に存在するとき機能を維持するよう構成されている。本発明の埋め込み可能な装置は、1週間またはそれ以上、4週間またはそれ以上、6ヶ月またはそれ以上、1年またはそれ以上といった、5年またはそれ以上を含む2日またはそれ以上、これらの条件下で機能を維持するよう構成されている。一部のケースで、埋め込み可能な装置は、生理学的部位に、5年から70年またはそれ以上といった、10年から50年またはそれ以上の範囲の期間を含む、1年から80年またはそれ以上の範囲の期間埋め込まれたとき、機能を維持するよう構成されている。
【0016】
発明の装置は、多重化複数電極部材を有する。多重化複数電極部材は、2つまたはそれ以上の電極が1つまたは複数の導線を共有するように、直接または中間コネクタを通って共通の導線または共通の導線セットへ電気的に接続される、2つまたはそれ以上の電極を有する。「導線」と言う用語は、ワイヤ、ケーブルなどを含む、電気的に導電性の構成要素のさまざまな構成をいう。さまざまな異なる構造を、多重構成を提供するために導入してもよい。多重構成の権益は、第WO2004/052182号として公開されたPCT特許出願番号第PCT/US2003/039524号、第WO2006/029090号として公開されたPCT特許出願番号第PCT/US2005/031559号、第WO2006/069322号として公開されたPCT特許出願番号第PCT/US2005/046811号、第WO2006/069323号として公開されたPCT特許出願番号第PCT/US2005/046815号、第WO2007/075974号として公開されたPCT特許出願番号第PCT US2006/048944号の記載に含まれるが、これらに限定されない。これらの公開は参照により本明細書に組み込まれる。
【0017】
多重化複数電極部材は、2つまたはそれ以上の、個別にアドレス可能なサテライト電極構造を有する。一部のケースで、3つまたはそれ以上、4つまたはそれ以上、5つまたはそれ以上、6つまたはそれ以上、10個またはそれ以上、20個またはそれ以上(24個を含む)、30個またはそれ以上、50個またはそれ以上などといった、3つ以上の個別にアドレス可能なサテライト電極構造が本装置に存在する。個別にアドレス可能なサテライト電極構造は、本装置が作動可能に接続される、または体外制御ユニットへ接続される、離れて埋め込まれた制御ユニットのような、サテライト電極構造から離れた部位から個別に制御可能なものである。
【0018】
サテライト電極構造は、内蔵回路制御装置および少なくとも1つの電極構成要素を有する構造である。本発明のサテライト電極構造は、サテライト電極構造へアドレス可能性を与える内蔵回路の形態で、制御回路を有する。これらの構造の内蔵回路部材は、回路部材および固形支持体を有する構成物である。固形支持体は小さくてもよく、0.1〜20mmといった、0.5〜2mmを含む、0.01〜100mmの範囲の幅、0.1〜20mmといった、0.5〜2mmを含む、0.01〜100mmの範囲の長さ、また0.05〜2mmを含み、また0.1〜0.5mmを含む、0.01〜10mmの範囲の高さの寸法を取る。固形支持体構成要素は、チップ構成、シリンダ構成、球形構成、ディスク構成などさまざまな異なる構成をとってもよいが、これらに限定されない。意図する適用、製造の方法などに基き、特定の構成を選択してもよい。固形支持体が製作される素材は、使用用途で装置が構成される目的の特定の装置に依存してかなり変わるが、ある場合には、固形支持体は、シリコンのような半導体素材で作られる。
【0019】
個別にアドレス可能なサテライト電極構造の内蔵回路部材は、いくつかの異なる機能ブロック、すなわちモジュールを有してもよい。一部のケースで、これらの回路は少なくとも、電力抽出機能ブロック、エネルギー貯蔵機能ブロック、センサ機能ブロック、通信機能ブロックおよび装置構成機能ブロックなどの機能ブロックを有する。
【0020】
所定のサテライト電極構造内で、少なくともいくつかの、例えば2つまたはそれ以上から全てを含むまでの機能ブロックは単一の内蔵回路内に存在してもよい。単一の内蔵回路の単位は、装置のための全ての異なる所望の機能ブロックを有する単一の回路構造を意味する。これらの種類の構造では、内蔵回路は、半導体素材の薄い基板の表面に製作された、半導体および受動部材で作られた、小型化した電子回路であるモノリシック内蔵回路である。本発明のセンサも、個々の半導体装置で構築された小型化した電子回路で、ハイブリッド内蔵回路である内蔵回路,ならびに受動部材を有し、基板または回路板へ接着されている。
【0021】
所定のサテライト電極構造は、内蔵回路に接続された単一の電極構成要素、または同一の内蔵回路に接続された、3つまたはそれ以上の電極、4つまたはそれ以上の電極、6つまたはそれ以上の電極などのような、2つまたはそれ以上の電極を有してもよい。種々の態様において、例えば該構造が電極構造に区分化されている場合、該構造は、3つまたはそれ以上の電極のような、4つまたはそれ以上の電極を含む、2つまたはそれ以上の電極を有する。これらの種々の電極構成要素は、いくつかの異なる方法で電気的に接続される内蔵回路の制御に関連して3次元空間に配置されてもよい。例えば、これらの複数電極構成要素は、放射状に分散、すなわち内蔵回路の周りに軸方向に均一に配置される。あるいは、これらの複数電極構成要素は、内蔵回路の1つの側に位置決めてもよい。
【0022】
本装置の個別にアドレス可能なサテライト電極構造は、少なくとも装置の意図された寿命の間、該構造が機能を維持するように、埋め込まれた環境から内蔵回路を密閉する密閉構成要素を含むよう、気密密閉された内蔵回路部材を有してもよい。密閉構成要素が、1週間またはそれ以上、1ヶ月またはそれ以上、1年またはそれ以上、5年またはそれ以上、10年またはそれ以上、25年またはそれ以上、40年またはそれ以上といった所望の期間中埋め込まれた環境内でサテライト構造の機能を維持する限り、密閉構成要素の性質は、変化する可能性がある。
【0023】
一部のケースで、密閉構成要素は、共形の空隙のない密閉層であり、密閉層は少なくとも内蔵回路部材の外部表面の一部分に存在する(前述)。一部のケースで、この共形の空隙のない密閉層は、内蔵回路部材の外部表面の実質的に全てに存在してもよい。あるいは、この共形の空隙のない密閉層は、内蔵回路部材の1つの表面のみ、または1つの表面の部分のみといった、内蔵回路の表面のある部分だけに存在してもよい。そのようなものとして、いくつかのセンサは、共形の空隙のない密閉層内に完全に収容された内蔵回路部材を有する。他のセンサは、内蔵回路部材の表面上端のみが、共形の空隙のない密閉層に覆われるように構成される。
【0024】
共形の空隙のない密閉層は、「薄いフィルム」コーティングであってもよく、層にもたらす可能性がある構造の容量の増加が容量で1%またはそれ以下を含む、5%またはそれ以下のような、10%またはそれ以下の場合、接触する内蔵回路構造の全体の容量を実質的に増加させないような厚さになされている。一部のケースで、その密閉層は、0.3〜3.0μmの厚さのような、1.0μmの範囲の厚さを含む、0.1〜10.0μmの範囲の厚さを有する。
【0025】
本密閉層は、いくつかの異なるプロトコルのどのプロトコルを用いて内蔵回路部材上に生産してもよく、プロトコルはプラズマ強化化学蒸着、物理蒸着、スパッタ蒸着、蒸発、陰極アーク蒸着、低圧化学蒸着などのような平面加工を含むが、これに限定されない。
【0026】
本発明のセンサに採用される可能性がある共形の空隙のない密閉層のさらなる記載が、第W0/2007/120884号のもと公開されたPCT特許出願第PCT/US2007/009270号にあり、この公開は参照により本明細書に組み込まれる。
【0027】
少なくとも1つの導電性の供給および密閉層を有する耐蝕性容器も、密閉構成要素としての利点であり、密閉層および容器は内蔵回路部材を囲む気密密閉された入れ物を画定するために構成される。導電性の供給は、プラチナ、イリジウム、金属および半導体の合金、窒化物、半導体またはいくつかの他の有益な素材のような金属であってもよい。一部のケースで、耐蝕性容器はシリコンまたはセラミックを含む。寸法が変わる一方で、耐蝕性容器は、少なくとも50μmの厚さのような少なくとも1μmの厚さの壁部を有し、壁部は25〜100μmを含む、1〜125μmの範囲であってもよい。密閉層は金属であってもよく、ここで対象の金属はプラチナおよびプラチナ合金のような貴金属またはその合金を含む。密閉層の寸法は、一部のケースで2.0μmまたはそれ以上の厚さのような、20μmの厚さまたは厚さを含む、0.5μmまたはそれ以上の厚さの範囲で変化してもよく、密閉層の厚さは、1〜50μmのような、0.5〜100μmの範囲である。特定の構成では、構造はさらに気密密閉された容積領域内に存在する絶縁性素材を有する。一部のケースでは、その気密密閉された容積領域は1pl.〜1mlの範囲である。
【0028】
一部のケースで、体内の耐蝕性容器は、内蔵回路部材が容器の壁部により一方の側を除き全てにおいて結合するように、内蔵回路部材を保持するために構成された構造である。例えば、この容器は、側壁部および底部を有してもよく、容器が、部材が一方の側を除き全てにおいて結合する容積領域に保持されるような方法で内蔵回路部材を包含する限り、さまざまな異なる構成を有する。従って、この容器の形状は、正方形、円形、卵形、長方形または所望に応じて他の形状であってもよい。
【0029】
本発明のセンサを採用する可能性がある耐蝕性容器のさらなる記載が、第W0/2006/069323号のもと公開されたPCT特許出願第PCT/US2005/046815号にあり、この公開は参照により本明細書に組み込まれる。
【0030】
前記のように、本発明の多重化複数電極部材は、多重化リード構成要素に沿って、10個またはそれ以上、20個またはそれ以上、さらに24個またはそれ以上といった、2つまたはそれ以上の個別にアドレス可能なサテライト電極構造が長手方向にある、そうでなければ多重化リードに沿って長手方向または他の方向に配置される、単一の多重化リード構成要素を有してもよい。単一の多重化リード構成要素は、多重化部材および2つまたはそれ以上の個別にアドレス可能なサテライト構造が、多重化複数電極部材が2つまたはそれ以上の異なる、容易に分離可能な、共に接続される部材で作られないように、同一の物理的リード構造内に内蔵されていることを意味する。
【0031】
単一の多重化リード構成要素で作られた多重化複数電極部材の他の例が、図3Aに示されている。図3Aでは、装置300は、硬膜外腔内の脊椎に沿って取り付けられるよう構造化することにより、神経刺激のために構成された多重化リード310を有する。リード310は脊椎の相当の長さに沿って、例えば、脊椎の長さの75パーセントまたはそれ以上のように、80パーセントまたはそれ以上を含んで、50パーセントまたはそれ以上伸びる。リード310の長さに沿って、長手方向に分散して、個別にアドレス可能なサテライト電極構造320がある。リード310は、IS−1接続のような適切な接続を介して、制御ユニット330に作動可能に接続される。
【0032】
図3Bでは、椎体340の断面が、脊髄345および脊髄神経350と共に示されている。装置300の一部分も断面で示されている。装置300の断面は脊髄345の表面に合致するような形状にされているので、装置300は、神経刺激のために構成される。図3Cは、装置300のより詳細な断面図である。図3Cに示すように、個別にアドレス可能なサテライト構造320は、共通の導線327および329、さらに4つの電極360に接続された気密密閉された内蔵回路部材325を有して示されている。
【0033】
ここで図3Cを参照すると、電極360は、装置300の内蔵回路325の一方の側に配置されている。所望される場所では、電極360は所定の個別にアドレス可能なサテライト電極構造320の部分であり、図3Dに示される構成のようにスタガ構成を有する。
【0034】
ここで図3Dを参照すると、電極372、374、376および378は、スタガ構成で装置の一方の側に沿って配置されている。
【0035】
ここで図3Eを参照すると、明確にするため装置300の両側が示されている。この構成は、装置300に放射状に配置された4つの電極382、384、386および388を有し、実際に均一に、装置300のリード構成要素の周りで軸方向に配置されている。
【0036】
前述のものと代替的な構成では、装置の多重化複数電極リード部材は、多重化複数電極リード部材を生産するために互いに作動可能に接続された、2つまたはそれ以上の異なる副部材で作られてもよい。例えば、本発明の多重化複数電極リード部材は、多重化リード(2つ以下など、3つ以下の導電性構成要素を有するリードなど)で作られた、第1の副部材、および2つまたはそれ以上の個別にアドレス可能なサテライト電極構造を有する第2の副部材を有してもよい。
【0037】
ここで図4を参照すると、多重化リード440を通して多重化複数電極部材430に接合された埋め込み可能なコントローラ420が示されている。コントローラ420は、IS−1接続を介して多重化リード440に接合される。多重化リード440は、マルチポートコネクタ450に電気的に接続され、マルチポートコネクタ450は、5つの異なる個別にアドレス可能なサテライト内蔵回路452、454、455、456および457を有し、個別にアドレス可能なサテライト構造がそれぞれの電極リードポート453に
提供される。また、コネクタ458および461を介してマルチポートコネクタ450に接合される電極リード460も示されている。リード460は、内蔵回路452が個別に制御可能な4つの電極462、463、464および465を有する。コネクタ441および451は、リード440をマルチポートコネクタ450と接合するため採用される。リード440の長さは特定の埋め込まれた構成によって大きく変わってもよく、一部のケースでリード440は、50mmまたはそれ以上、ならびに100mmまたはそれ以上の長さを含む、25mmまたはそれ以上の長さのような、10mmまたはそれ以上の長さであってもよい。
【0038】
2つまたはそれ以上の副部材で作られた多重化複数電極部材の他の例が図5に示されている。多重化複数電極部材500は、固定ポイント510、制御ユニット520およびマルチバスコネクタ530を有する。マルチバスコネクタ530は、多重化リード構成要素540、550または560に電気的に接続され、それに沿って2つまたはそれ以上の個別にアドレス可能なサテライト電極構造(図示せず)が長手方向に配置されている。制御ユニット520は、IS−1コネクタを通してなどで、多重化複数電極部材500に作動可能に接合される。
【0039】
本発明の装置は、直線状および分岐状を含む、さまざまな構成を有してもよい。直線状構成の例が図3Aに示されている。分岐状構成の例が図7に示されている。図7において、装置700は、脊髄および脊髄から分岐する複数の脊髄神経を有する天然神経系に類似した構成の、複数の分岐リード722、723、724、725、726、727および728を持つコア多重化複数電極リード710を有する。コアリード710およびそれぞれの分岐は多重構成を有し、構成内では2つのワイヤがそのリードの長さを通り、複数の個別にアドレス可能なサテライト電極構造がそのリードに沿って長手方向に配置され、コアリード710内の2つのワイヤに接続される。この多重構成のため、それぞれのリードは外径が小さいか薄形である。所望の場所では、それぞれの電極は刺激ならびに検出のために採用される。この方法で、断絶の一方の側の神経信号を検出し、それから断絶の他方の側で同一の信号を用いて刺激することにより、天然神経システム740内の断絶を埋めることが可能である。図7に示される分岐状構造は、所望に応じて、患者の神経系の一部または全体の神経系を置き換えるために採用してもよい。
【0040】
前述のように、装置の多重化複数電極部材は、1つまたは複数のリード部材を有してもよい。リード部材は幅の5倍またはそれ以上のような、幅の10、15、20、25、50、100倍またはそれ以上を含む、幅の2倍またはそれ以上の長さを持つ細長い構造である。特定のケースで、これらのリードは、50mmまたはそれ以上、ならびに100mmまたはそれ以上の長さを含む、25mmまたはそれ以上の長さのような、10mmまたはそれ以上の長さを有する。種々の態様でリードが近位端部および遠位端部を持つ細長い円筒状構造である場合、さまざまな異なるリード構成が採用できる。近位端部は、例えば「缶」または類似の装置内に存在する制御ユニットに接合するため、例えばIS−1コネクタのような、コネクタ構成要素を有してもよい。リードは、例えばガイドワイヤと共に使用するためやワイヤなどの1つまたは複数の導電性の構成要素を収容するため、1つまたは複数の管腔を有してもよい。遠位端部は、所望に応じて、例えば固定手段など、さまざまな異なる機能を有してもよい。リードは、内部の導線構成要素が、MP35N合金(ニッケル−コバルト−クロム−モリブデン合金)、プラチナ、プラチナ−10イリジウムなどのような適切な素材で作られたワイヤ、コイル、ケーブルを含む可能性があるとき、柔軟性がある構造として製作してもよい。リード本体は、ポリウレタンまたはシリコンを含むポリマー素材のような任意の適切な素材であってもよい。
【0041】
本発明のリード部材は、所望に応じて、さまざまな形状を有してもよい。一部のケースで、これらのリードは、従来の経皮的神経刺激リードに見られるような、標準の経皮的形状を有してもよい。一部のケースで、これらのリードは従来のパドル神経刺激リードに見られるような、標準のパドル形状を有してもよい。
【0042】
本発明の装置の製作において、さまざまな異なるプロトコルのどのプロトコルを採用してもよい。例えば、成形、蒸着および材料の除去、微小電気機械システム(MEMS)のような平面加工技術を採用してもよい。装置またはその部材の製作のある態様において採用される可能性がある蒸着技術は、電気メッキ、陰極アーク蒸着、プラズマ溶射、スパッタ蒸着、電子ビーム蒸着、物理蒸着、化学蒸着、プラズマ強化化学蒸着などを含むが、これらに限定されない。材料の除去技術の対象は、反応性イオンエッチング、異方性化学エッチング、等方性化学エッチング、例えば化学機械研磨、レーザ溶発、電子放電機械加工(EDM)などを用いた平坦化などを含むが、これらに限定されない。リソグラフプロトコルも対象である。ある態様においての対象は平面加工プロトコルの使用であり、そこでは、構造は、順次基板に適用されるさまざまな異なる材料の除去および蒸着プロトコルを用いて作られ、および/または、当初は平面の基板の一表面または複数の表面から、取り除かれる。
【0043】
一部のケースで、レーザカットワイヤが、本発明の装置のリード構成要素の導電性の構成要素のような、本発明の装置の導電性の構成要素として採用される。例えば、導電性の構成要素は、金属の単一のシートからのレーザカットであってもよい。レーザカット導電性構成要素のパターンは、リードの個別にアドレス可能なサテライト電極構造の配置に合致するよう選択してもよい。この方法で、導線および電極構造は整列され、それから所望のリード構造を生産するため適切なポリマー素材に覆われる。これらのレーザカット導電性構成要素は、直線状から曲線状、正弦波状または他の耐疲労性構成まで、さまざまな構成を有してもよい。レーザカットの代わりに、導線は前述のような蒸着プロトコルを用いて製造してもよい。
【0044】
本発明の装置は、任意の好都合なプロトコルを用いて埋め込んでもよい。経皮的およびパドルリードの標準埋め込み手順を、本発明の装置の埋め込みに適用してもよい。これらの装置は、埋め込みを容易にするよう構成される。例えば、装置は、所望の構成を想定するため、例えばガスまたは適切な液体培地で膨張するリード構成要素のような、展開式構成要素を有してもよい。
【0045】
埋め込み可能なコントローラに作動可能に接続された、もう1つの前述のような神経刺激装置を有するシステムも提供され、装置は埋め込み可能なパルス発振器であってもよい。この埋め込み可能なコントローラは、装置を本発明の多重化複数電極神経刺激装置と共に機能するよう、所望に応じて改変する可能性がある場合、神経刺激処置に現在採用されるいくつかの埋め込み可能なパルス発振器のいずれも含む、任意の適切なコントローラであってもよい。またこれらのシステムの部分は、所望に応じて、データおよび/または電力を送出し、および/またはデータを埋め込み可能な部材から受信するよう構成された体外制御ユニットを有する、任意の数の付加された部材であってもよい。
【0046】
本発明のシステムを用いた方法も提供される。本発明の方法は、一般的に、例えば前述のように、埋め込み可能なコントローラおよび神経刺激装置を有する、本発明のシステムの提供を含む。本システムは、任意の好都合なアプローチを用いて適切な対象に埋め込んでもよい。埋め込みに続き、所望に応じて、患者の症状を治療するため、本システムを採用してもよい。
【0047】
図6A〜図6Bは、システムおよびシステムを使用する方法の例を示す。図6Aにおいて、システム600は、ポート630において本体から出るように当初配置された、2つの多重化複数電極リード610および620を有する。リード610および620は、電力を供給しプログラミングの改良も可能にする、外部の制御ユニット640に接続される。図6Bに示すように、システム600が埋め込まれ最初にプログラムされると、図6Aの外部の制御ユニット640は、コネクタ660によりリード610および620に接合される、内部の制御ユニット650に置き換えられる。図6Cは図6Bのシステムの変形を示し、リード610および620が、コネクタ660および延長部材680を介して、離れて埋め込まれた制御ユニット670に接合される。
【0048】
使用中、内科医または他の臨床医のような医療従事者は、患者に提供する神経刺激療法を確定するため、いくつかのプログラム可能なパラメータに値を選択してもよい。例えば、医療従事者は、患者に与える刺激波形に、電圧または現在の振幅およびパルス幅を選択し、ならびにパルスを患者に与える速度および負荷サイクルを選択してもよい。医療従事者は、パラメータとして、パルスを与えるために使用されるリードによって運ばれる電極セット内の特定電極、および選択した電極の極性を、選択してもよい。パラメータ値群は、患者に提供する神経刺激療法を駆動するという意味から、プログラムとみなしてもよい。
【0049】
医療従事者は、例えば図6Aにあるように、プログラミング装置を用いて、プログラミングセッションのあいだ患者にテストされるいくつかのプログラムに、パラメータ値を選択してもよい。このプログラミング装置は、それぞれのプログラムにより神経刺激を与えるため、本特許に埋め込まれた埋め込み可能な神経刺激器に指示し、医療従事者は、患者に試みたそれぞれのプログラムに、例えば速度情報などのフィードバックを患者から収集する。それから、医療従事者は、速度情報に基き、埋め込み可能な神経刺激器が長期間使用する1つまたは複数のプログラムを選択する。
【0050】
本発明の埋め込み可能な神経刺激器装置は、さまざまな異なる適用で採用してもよい。適用の例は、慢性疼痛、振戦、パーキンソン病、てんかん、失禁または胃不全麻痺のようなさまざまな症状や状態の治療のため患者に神経刺激療法を施す装置およびシステムの使用を含む。概して、埋め込み可能な神経刺激器は、電極を有するリードを介して電気パルスの形態で神経刺激療法を行う。前述の症状や状態の治療のため、例えば、電極は、患者の脊髄、骨盤神経または胃に隣接して、または脳の中に設置してもよい。
【0051】
図8は、個別にアドレス可能なサテライト電極構造810のレーザカット導電性構成要素800の断面図である。内蔵回路部材820は、レーザカット導電性構成要素800と電気的に接触している。共形の空隙のない層830は、内蔵回路820の頂部に存在し、ポリマーコーティングの上塗層の上で内蔵回路820を気密密閉する。蒸着した単一の電極850は、層830の頂部に存在し、コネクタ840を介して回路820に接合される。電極850は、陰極アーク蒸着のような好都合なプロトコルを用いて蒸着してもよい。
【0052】
図9は、複数の個別にアドレス可能なサテライト電極構造810を有するパドルリード900を示す。示された電極構造810の下に重なるのは、前述のように、導電性構成要素のレーザカットパターンであってもよい。示されるように、パドル900の全ての電極構造810は、パドル900が多重化構成を有するよう、2つのワイヤ910および920に接続される。
【0053】
装置または部材、よって例えば、リード構成要素、コネクタ構成要素、コントローラなどを有するキットも提供される。対象キットの種々の態様において、これらのキットはさらに、使用説明を得るための対象装置または構成要素の使用説明(例えば使用説明を提供するウェブページへユーザを誘導するウェブサイトURL)を有し、これらの使用説明は通常、基板上に印刷し、その基板は、包装挿入物、包装体、試薬容器などのうち1つまたは複数であってもよい。対象キットにおいて、好都合または望ましくありうる場合、1つまたは複数の部材が同一または異なる容器内に存在してもよい。
【0054】
本発明は記述された特定の態様に限定されるものではなく、変更されうるものとして理解すべきである。本明細書の使用語句は特定の態様を記述する目的のみで使用しており、本発明の範囲は添付の請求項のみにより限定されるので、使用語句は限定を意図するものではないことも理解すべきである。
【0055】
値の範囲が述べられる場合、文脈が明らかに他を述べていない限り最低限の単位の10分の1へのそれぞれの中間値、その範囲の最高限および最低限の中間値、および他のいかなる提示された中間値、または提示された範囲内の中間値は、本発明に含まれることが理解される。これらのより小さい範囲の最高限および最低限は、より小さい範囲内に独立して含まれ、提示された値内で特に除外された全ての限界次第で、本発明内にも含まれる。提示された範囲が限度値の1つまたは両方を含む場合、この含まれた限度値の片方または両方を除外する範囲も、本発明に含まれる。
【0056】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的および科学的用語は、本発明が属する当業者により一般的に理解されるものと同一の意味を持つ。本明細書に記載されたものに類似した、または等価であるいかなる方法および素材も、本発明の実践またはテストにおいて使用が可能であり、代表的な方法および素材の例示をここに記載する。
【0057】
本明細書で引用した全ての公開および特許は、それぞれの公開または特許が特定され独立して参照により組み込まれると示したものとして本明細書に参照により組み込まれ、引用された公開に関連した方法および/または素材を公開し記載するために、本明細書に参照により組み込まれる。あらゆる公開の引用は出願日前の公開のためであり、本発明が先の発明に基きそういった公開に先行しない認可と解釈されるべきではない。さらに、示された公開日は、独立して確認の必要の可能性がある実際の公開日と異なる可能性がある。
【0058】
本明細書および添付の請求項で使用する単数形「1つの」および「この」は、文脈が明らかに他を述べていない限り、複数形の指示対象を含むことを述べておく。また、請求項はあらゆる任意の構成要素を除外するよう起案されている可能性があることを述べておく。そのようなものとして、請求項の構成要素の記述に関した「単に」、「のみ」などの除外的用語の使用に、または「否定の」限定の使用に、この記述は先行の根拠として提供するよう意図される。
【0059】
この開示を読んで当業者には明らかになるように、本明細書で記載され説明されたそれぞれの個々の態様は、本発明の範囲または趣旨から逸脱することなく、他のいくつかの態様のいずれの機能から容易に分離するまたは結合することが可能な、個別の構成要素および機能を有する。記述された方法はいずれも、記述された事象の順番に、または論理的に可能な他のあらゆる順番に実行が可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
標的部位を刺激するための埋め込み可能な装置であって、
少なくとも1つの導線を有する多重化リードと、
前記導線に沿って所定の位置に固定された複数の多重化アドレス可能なユニットであって、それぞれのアドレス可能なユニットが、
複数のポートを画定するマルチポートコネクタであって、前記それぞれのポートが、前記マルチポートコネクタに電気的に接続されかつ固定される電極リードを受け入れ、前記それぞれの電極リードは、複数の個別に励起する電極を有するマルチポートコネクタと、
前記マルチポートコネクタ内の画定された前記ポートの数に対応する複数の個別にアドレス可能な内蔵回路であって、前記それぞれの回路は前記対応するポートにおいて前記対応する電極リードに電気的に接続され、前記それぞれの回路は、前記対応するポート内の前記個々の電極リードの前記それぞれの複数の個別に励起する電極へ流れる電力を制御する内蔵回路と、を備えるアドレス可能なユニットと、
前記アドレス可能なユニットから遠位の前記導線の一方の端に電気的に接続された気密密閉された制御ユニットであって、制御情報および電力を、前記導線を通してそれぞれの前記複数の多重化アドレス可能なユニットに提供する制御ユニットと、を備える埋め込み可能な装置。
【請求項2】
前記多重化アドレス可能なユニットが、直線状構成に配置され多重化されている、請求項1に記載の埋め込み可能な装置。
【請求項3】
前記多重化アドレス可能なユニットが、分岐状構成に配置され多重化されている、請求項1に記載の埋め込み可能な装置。
【請求項4】
少なくとも1つの前記電極リードが、4つの前記個別に励起する電極を備える、請求項1に記載の埋め込み可能な装置。
【請求項5】
前記4つの個別に励起する電極が、前記個々の電極リードの周りに均一にかつ軸方向に配置された、請求項4に記載の埋め込み可能な装置。
【請求項6】
少なくとも1つの他の前記電極リードが、6つの前記個別に励起する電極を備える、請求項5に記載の埋め込み可能な装置。
【請求項7】
前記6つの個別に励起する電極が、前記個々の電極リードの周りに均一にかつ軸方向に配置された、請求項6に記載の埋め込み可能な装置。
【請求項8】
前記多重化リードがさらに、一方の端において前記制御ユニットに電気的に接続され、少なくとも導線の長さの一部分に沿って前記アドレス可能なユニットへ電気的に接続される第2の導線を備える、請求項1に記載の埋め込み可能な装置。
【請求項9】
少なくとも1つの電極の前記複数の個別に励起する電極が、前記個々の電極リードの周りに放射状に配置された、請求項1に記載の埋め込み可能な装置。
【請求項10】
前記標的部位が脊髄神経であり、前記装置が少なくとも部分的に前記脊髄神経を囲む形状にされ、前記多重化リードがさらに前記複数のアドレス可能なユニットの少なくとも一部分に固定されかつ電気的に接続される第2の導線を備える、請求項1に記載の埋め込み可能な装置。
【請求項11】
少なくとも1つの前記電極リードの前記複数の個別に励起する電極が、前記個々の電極リードの一方の端に配置される、請求項10に記載の埋め込み可能な装置。
【請求項12】
少なくとも1つの他の前記電極リードの前記複数の個別に励起する電極が、前記個々の電極リードに沿って交互に配列された、請求項11に記載の埋め込み可能な装置。
【請求項13】
請求項1に記載の埋め込み可能な装置であって、
さらに、前記制御ユニットに電気的に接続された標的リードであって、
前記標的リードの長さの少なくとも一部分に沿って伸びる伝導ワイヤと、
前記標的リードの一方の端において前記伝導ワイヤへ電気的に接続されかつ配置された気密密閉されたアドレス可能な標的コントローラと、
複数の電極を有する複数のアドレス可能な標的ユニットであって、それぞれの標的ユニットが前記標的コントローラを通して前記伝導ワイヤに電気的に接続される標的ユニットと、を有する標的リードを備え、
前記制御ユニットがプログラミング情報を前記標的リードの前記標的コントローラに送信する、請求項1に記載の埋め込み可能な装置。
【請求項14】
前記システムがさらに、前記内蔵回路コントローラを通して前記電極構造に電力を供給するため、前記リードの前記導線に接続された電力貯蔵ユニットを備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記複数の個別にアドレス可能な内蔵回路が気密密閉されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項1】
標的部位を刺激するための埋め込み可能な装置であって、
少なくとも1つの導線を有する多重化リードと、
前記導線に沿って所定の位置に固定された複数の多重化アドレス可能なユニットであって、それぞれのアドレス可能なユニットが、
複数のポートを画定するマルチポートコネクタであって、前記それぞれのポートが、前記マルチポートコネクタに電気的に接続されかつ固定される電極リードを受け入れ、前記それぞれの電極リードは、複数の個別に励起する電極を有するマルチポートコネクタと、
前記マルチポートコネクタ内の画定された前記ポートの数に対応する複数の個別にアドレス可能な内蔵回路であって、前記それぞれの回路は前記対応するポートにおいて前記対応する電極リードに電気的に接続され、前記それぞれの回路は、前記対応するポート内の前記個々の電極リードの前記それぞれの複数の個別に励起する電極へ流れる電力を制御する内蔵回路と、を備えるアドレス可能なユニットと、
前記アドレス可能なユニットから遠位の前記導線の一方の端に電気的に接続された気密密閉された制御ユニットであって、制御情報および電力を、前記導線を通してそれぞれの前記複数の多重化アドレス可能なユニットに提供する制御ユニットと、を備える埋め込み可能な装置。
【請求項2】
前記多重化アドレス可能なユニットが、直線状構成に配置され多重化されている、請求項1に記載の埋め込み可能な装置。
【請求項3】
前記多重化アドレス可能なユニットが、分岐状構成に配置され多重化されている、請求項1に記載の埋め込み可能な装置。
【請求項4】
少なくとも1つの前記電極リードが、4つの前記個別に励起する電極を備える、請求項1に記載の埋め込み可能な装置。
【請求項5】
前記4つの個別に励起する電極が、前記個々の電極リードの周りに均一にかつ軸方向に配置された、請求項4に記載の埋め込み可能な装置。
【請求項6】
少なくとも1つの他の前記電極リードが、6つの前記個別に励起する電極を備える、請求項5に記載の埋め込み可能な装置。
【請求項7】
前記6つの個別に励起する電極が、前記個々の電極リードの周りに均一にかつ軸方向に配置された、請求項6に記載の埋め込み可能な装置。
【請求項8】
前記多重化リードがさらに、一方の端において前記制御ユニットに電気的に接続され、少なくとも導線の長さの一部分に沿って前記アドレス可能なユニットへ電気的に接続される第2の導線を備える、請求項1に記載の埋め込み可能な装置。
【請求項9】
少なくとも1つの電極の前記複数の個別に励起する電極が、前記個々の電極リードの周りに放射状に配置された、請求項1に記載の埋め込み可能な装置。
【請求項10】
前記標的部位が脊髄神経であり、前記装置が少なくとも部分的に前記脊髄神経を囲む形状にされ、前記多重化リードがさらに前記複数のアドレス可能なユニットの少なくとも一部分に固定されかつ電気的に接続される第2の導線を備える、請求項1に記載の埋め込み可能な装置。
【請求項11】
少なくとも1つの前記電極リードの前記複数の個別に励起する電極が、前記個々の電極リードの一方の端に配置される、請求項10に記載の埋め込み可能な装置。
【請求項12】
少なくとも1つの他の前記電極リードの前記複数の個別に励起する電極が、前記個々の電極リードに沿って交互に配列された、請求項11に記載の埋め込み可能な装置。
【請求項13】
請求項1に記載の埋め込み可能な装置であって、
さらに、前記制御ユニットに電気的に接続された標的リードであって、
前記標的リードの長さの少なくとも一部分に沿って伸びる伝導ワイヤと、
前記標的リードの一方の端において前記伝導ワイヤへ電気的に接続されかつ配置された気密密閉されたアドレス可能な標的コントローラと、
複数の電極を有する複数のアドレス可能な標的ユニットであって、それぞれの標的ユニットが前記標的コントローラを通して前記伝導ワイヤに電気的に接続される標的ユニットと、を有する標的リードを備え、
前記制御ユニットがプログラミング情報を前記標的リードの前記標的コントローラに送信する、請求項1に記載の埋め込み可能な装置。
【請求項14】
前記システムがさらに、前記内蔵回路コントローラを通して前記電極構造に電力を供給するため、前記リードの前記導線に接続された電力貯蔵ユニットを備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記複数の個別にアドレス可能な内蔵回路が気密密閉されている、請求項12に記載のシステム。
【図1】
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9】
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9】
【公表番号】特表2012−508624(P2012−508624A)
【公表日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−536539(P2011−536539)
【出願日】平成21年11月13日(2009.11.13)
【国際出願番号】PCT/US2009/064468
【国際公開番号】WO2010/057046
【国際公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(505222679)プロテウス バイオメディカル インコーポレイテッド (65)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月13日(2009.11.13)
【国際出願番号】PCT/US2009/064468
【国際公開番号】WO2010/057046
【国際公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(505222679)プロテウス バイオメディカル インコーポレイテッド (65)
【Fターム(参考)】
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