説明

大チルト角度および高コントラストを有した垂直配向ネマチック・モード液晶表示装置

【課題】フリンジ電界から生じる回位を克服するのに十分なプレチルト角度を有し、同時に高コントラストを達成するシステム、方法および装置を提供する。
【解決手段】反射型液晶オンシリコン(LCOS)表示装置は、透過性基板102と、反射基板104と、基板間に液晶液と、行列のピクセルを含む。LCOS表示装置は、フリンジ電界から生じる回位を解決し、同時に高コントラストを達成するのに十分なチルト角度を有する。液晶液の分子の表面方位角度が、入ってくる線形に偏光された入射光の偏光方向に対して、実質的に平行または垂直のいずれかである。入ってくる線形に偏光された入射光が受ける有効な複屈折が、実質的にゼロであり、液晶液の分子のプレチルトに依存しないので、光漏れは、最小である。透過性基板と反射基板の間で、液晶液の分子のツイストは、「オフ」状態のとき、約0°から約90°まで変わることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に液晶表示装置(LCD)に関し、より詳しくは反射型液晶オンシリコン(LCOS)表示装置[reflective liquid crystal on silicon display]に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、Hemasiri Vithanaによる2003年2月26日出願の「垂直アラインド・ネマチック反射型液晶表示装置中のフリンジ電界に起因する回位欠陥を、表示コントラストを損なわずに排除するための方法(Method to Eliminate the Disclination Defects Due to Fringe Fields in
Vertically Aligned Nematic Reflective LC Displays Without Hurting the Display
Contrast)」と題する米国仮特許出願第60/450,370号に基づき優先権を主張するものであり、これは、参照によりすべての目的で本明細書に組み込まれる。
【0003】
液晶表示装置技術では、フルスクリーン・サイズから、対角で測って1.3インチより小さいミニ表示装置、倍率系が必要なマイクロ表示装置まで、表示装置のサイズが減少してきた。マイクロ表示装置は、半導体集積回路(IC)のダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)のプロセス技術、たとえば液晶オンシリコン(LCOS)を使用して製造することができる。LCOSマイクロ表示装置は、反射面を有したシリコン基板バックプレーンと、カバー・ガラスと、その間に挿入された液晶層とから構成される。LCOSマイクロ表示装置は、複数の行と列で配列されたピクセルの行列として構成され、行と列の交点が、行列中のピクセルの位置を画定する。入射光に対して、各ピクセルは、反射ミラーの上の液晶セルである。液晶層中のすべての点における液晶ディレクタのチルト角度およびツイスト角度によって特徴付けられる、層中の液晶の分子配向を変化させることによって、入射光は、その偏光を変化させることができる。シリコン・バックプレーンは、ピクセルのアレイであり、通常は、そのピッチが、7〜20マイクロメータ(μm)である。各ピクセルは、ピクセル面積の大部分を占めるミラー面を有する。ミラー面は、カバー・ガラスの内側面(液晶側)上の透過性導電被覆である液晶表示装置カバー・グラス電極を有した、ピクセル・コンデンサを形成する電気導体でもある。この透過性導電被覆は、通常インジウム・スズ酸化物(ITO)である。各ピクセル・コンデンサが、一定電圧値まで充電されたとき、ピクセル・コンデンサのプレート間の液晶の液は、ピクセルに入射した光の偏光状態に作用する、その分子配向を変化させられる(ピクセル・ミラーからの反射)。
【0004】
反射型LCOSマイクロ表示装置は、高口径比(high aperture ratio)を有し、したがって透過型液晶表示装置より大きい輝度をもたらすことができる。これらのLCOSマイクロ表示装置の主な用途は、ホーム・シアター、たとえばプロジェクタ、フロント・プロジェクションおよびリヤ・プロジェクションのテレビ(大画面)の用途である。これらの用途には、高コントラストが、極めて重要である。高コントラストは、液晶表示装置中で使用される液晶光学モードに依存する。通常、垂直配向ネマチック(VAN)モードが、極めて高いコントラストを達成することができる、光学モードの1つであり、多くの液晶表示装置製造業者が、その表示装置中にこの特定の光学モードを使用し始めている。
【0005】
プレチルト角度が、境界面において液晶ディレクタのチルト角度として、定義される。VANモードの液晶表示装置では、プレチルト角度は、表示装置に電界が印加されていないとき、小さく、したがって液晶液の分子配向(orientation of molecules)は、ほぼ基板表面に対して垂直である。したがって、線形に偏光され、表示基板に対して垂直に入射する光は、液晶層を通過するとき、わずかに複屈折(birefringence)する。このため、この垂直に入射され、線形に偏光された光は、表示装置の底部反射基板から反射されて戻ってくるときも含め、液晶液を通過するとき、ほとんど位相遅延を受けない。これによって、交差偏光子(たとえば、偏光用ビーム・スプリッタ(PBS))を使用したとき、極めて暗い「オフ」状態が、得られ、それによって極めて高いコントラストが、達成される。液晶液両端間に電界を印加したとき、大部分の液晶液中の分子は、基板表面上のアラインメント層によって定義される方向に向けて配向され、それによって液晶液の層の遅延が、増加される。したがって、線形に偏光された入射光は、液晶液中に進入し、次に表示装置の底部反射基板から反射されて戻るとき、位相が、遅延され始める。この結果、出射光(反射光)の偏光状態が、楕円になり、いくらかの光が、交差偏光子を通過し始める。電界を増加すると、最大輝度状態を達成するまで、この効果が増加する。
【0006】
典型的なVANモードでは、基板表面上の液晶液の分子配向は、基板表面のそれぞれの上のアラインメント層によって定義される。この配向(orientation)は、プレチルト角度および表面方位角度によって記述され、その表面方位角度は、基板面上への液晶ディレクタの射影に平行である。上部アラインメント層に直近する液晶液の分子の方位角度は、底部アラインメント層に直近する液晶液の分子の方位角度とは反対、すなわち反平行である。アラインメント層によって定義される方位角度は、図1aおよび1bに示すように、入ってくる線形に偏光された入射光の偏光方向に対して、45°の角度である。通常、VANモード表示装置では、分子のプレチルト角度は、極めて暗い「オフ」状態、したがって高コントラストを達成するために、小さく、たとえば4°より小さく保つことが必要である。このプレチルト角度は、表示装置中の逆チルト領域を防止するのには十分大きいが、隣接するピクセル間のフリンジ電界から生じる欠陥を克服することは、可能でない。フリンジ電界は、ピクセル・サイズが、LCOSマイクロ表示装置では通常であるような、小ささになったとき、極めて重要になる。たとえば、LCOSマイクロ表示装置のサイズは、対角で1インチの寸法となることができ、ピクセル・サイズが、約12μm×12μmである。高分解能が必要なとき、たとえばディジタル映画の用途では、ピクセル・サイズは、さらに減少して約9μm×9μmに、またはそれよりさらに小さくなることができる。そのような状況下では、フリンジ電界が、明確に断言されて、液晶は、アラインメント層のチルト方向によって定義される方向に沿って、配向されない。結局、これによって、ピクセルの境界のところで、通常回位として知られる欠陥が、生じることになる。これは、1つのピクセルが、「オン」状態にあり、隣接するピクセルが、「オフ」状態にあるとき、極めて明確に見られ、そこではフリンジ電界が、非常に強力である。
【0007】
上記の問題を克服するために、基板表面上のアラインメント層が生成するプレチルト角度を増加することが、必要である。実験的に、プレチルト角度は、フリンジ電界による作用に打ち勝つために、少なくとも8°でなければならないことが、確定されている。しかし、この大きさのプレチルト角度を有したVANモード液晶表示装置の暗状態は、交差偏光子を通る著しい量の光漏れが、存在し、それが達成することができる光コントラストは、そんなに高くない。したがって、VAN表示装置の固有特性、すなわち極めて暗い「オフ」状態を完全に達成することができない。これは、線形に偏光された入射光が受ける、液晶液の高プレチルト角度から生じる非ゼロの複屈折が、その一因である。従来は、この光漏れを止めるために、外部リターダを取り付けるなど、他の方法を使用する必要があった。一般に、これは、VAN液晶表示装置製造業者が、上記の問題を解決するために、すべて使用する、現在の方法である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、フリンジ電界から生じる回位を克服するのに十分なプレチルト角度を有し、同時に高コントラストを達成するシステム、方法および装置を提供することによって、上記で同定した問題、ならびに既存技術の他の欠点および欠陥を解決する。
【0009】
通常のVAN光学モードでは、表面方位角度は、入ってくる線形に偏光された入射光の偏光方向に対して45°である。したがって、入ってくる入射光が受ける、有効な複屈折が、存在し、それは、プレチルト角度が増加するにつれて増加し、したがって光漏れの量も増加する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
図1aに示す表示装置が、線形に偏光された入射光の偏光方向に対して45°だけ回転された場合、すなわち液晶液の分子の表面方位角度が、入ってくる線形に偏光された入射光の偏光方向に対して平行または垂直のいずれかの場合、光漏れは、最小になる。というのは、入ってくる線形に偏光された入射光が受ける有効な複屈折は、ゼロであり、液晶液の分子のプレチルトに依存しないからである。しかし、この配列は、実際の用途には適用することができない。というのは、「オン」状態が、上記で説明した理由と同じ理由で、明るくないからである。しかし、この特徴は、本発明では有利に使用される、すなわち上部および底部の基板によって生成される表面方位角度は、実質的に互いに垂直になるように設定される。やはり同時に、一方の基板によって生成される表面方位角度は、線形に偏光された入射光の偏光方向に対して、垂直/平行であり、一方、他方の基板による表面方位角度は、平行/垂直である。基本的に、これは、「オフ」状態中の90°ツイスト構造である。大多数の液晶層の分子は、その方位角度が、入ってくる線形に偏光された入射光の偏光方向に対して、45°で配向(orient)されないので、分子が、すべて同じチルト角度を有し、その表面方位角度が、線形に偏光された入射光の偏光方向に対して、すべて45°で配向されるVAN構造と比較して、入ってくる線形に偏光された入射光が受ける有効な複屈折は、最小になる。したがって、本発明では、たとえプレチルト角度が、フリンジ電界から生じる回位を排除するのに十分大きくとも、光漏れは、極めて少ない。
【0011】
本発明の光学モードの重要な技術的特徴は、「オン」状態のときに、発揮される。「オン」状態では、本発明は、従来の90°ツイスト・ネマチック(TN)モードとは異なって動作し、本発明は、PBSを使用する液晶表示装置の用途中で望ましいような、極めて良好な明状態をもたらす。従来の90°TNモードでは、線形に偏光された光が、液晶層に進入するとき、およびそこから出て行くときともにツイスト構造によって「導波」され、それによってPBSを用いて暗状態をもたらすことになる。本発明によれば、明るい「オン」状態は、表示装置の液晶液中にキラル・ドーパントを加える必要がなく、達成される。
【0012】
底部および上部の基板における液晶液の分子の表面方位角度は、90°のツイストを生じるが、この光学モードは、「オン」状態では、従来の90°ツイスト・ネマチック・モードが動作するような、動作をしない。一方、本発明は、「オフ」状態では、VANモード表示のような動作をしない。本発明は、同じプレチルト角度を用いて、標準的なVANモード表示の暗状態よりもっと暗い暗状態を生じる。したがって、本発明は、VANまたは従来の90°ツイスト・ネマチック・モード表示のいずれでもない。
【0013】
グレイ階調、たとえば「オン」および「オフ」強度の中間になる、偏光子を通る光強度は、液晶層の両側に印加する電圧を制御することによって、得ることができる。交差偏光子(またはPBS)構成では、電圧を一定の最大輝度状態電圧まで増加するにつれて、出力部まで通過する光が、増加する。この最大輝度状態電圧の値は、液晶材料のパラメータ、セル・ギャップ、プレチルトおよび対象とする光の波長範囲に依存する。この電圧は、実験的に決定することができる。さらに、知覚されるグレイ階調は、液晶表示装置が、「オン」状態中にある時間と、「オフ」状態中にある時間とを制御することによって、制御することができる。さらに、カラーは、カラー・フィルタ、3パネル・システム構成でそれぞれが1色を表示する3つの表示装置の使用、またはフィールド順次式カラー(FSC)システム[field sequential color(FSC)system]の1つのマイクロ表示装置を用いることなど、この技術で知られた方法を用いて、生成することができる。
【0014】
液晶液の厚さ(d)(上部および底部の基板の内側面間の間隔)は、たとえば約3.5μm±0.2μmとすることができる。複屈折率(Δn)は、たとえば45℃で0.0830とすることができる。本発明中で使用される液晶液は、ネマチックであり、負の誘電体異方性(dielectric anisotropy)Δε(=ε−ε<0)を有し、ここでεおよびεは、液晶材料の誘電率(dielectric constant)の、(液晶分子に対する)平行および垂直成分である。厚さ(d)と複屈折率(Δn)のどのような組み合わせも、条件、Δn・d>λ/4が満たされる限り、使用できることが、企図され、本発明の範囲に含まれ、ここでλは、表示装置上に入射される光の波長である。
【0015】
VAN表示装置用に開発されたどのような液晶液も、本発明中に使用することができる。本発明によれば、キラル・ドーパントを液晶液中に導入する必要がない。典型的な液晶液は、たとえば、ただしこれらに限定されないが、メルク社(Merck)製MLC−6608、MLC−6609およびMLC−6610である。VAN表示装置用に使用される液晶材料の物理的特性は、負の誘電体異方性である、すなわち誘電率の垂直成分が、その平行成分より大きいことである。したがって、電界を加えることによって、液晶液の分子が、電界の方向に対して垂直に配列されることになる。たとえば、誘電体異方性は、約Δε=−3.1から約Δε=−4.2の範囲とすることができる。複屈折率は、約0.0777から約0.0996の範囲とすることができ、ネマチック相から等方相への遷移温度は、約80℃とすることができる。
【0016】
本発明の技術上の利点は、同じプレチルト角度によるVANモード表示装置に比較して、比較的高いプレチルト角度を使用してさえこの光学モードを用いると、極めてより暗い「オフ」状態を実現し、したがって高コントラストを実現することが可能であることである。プレチルト角度が大きいので、ピクセル境界における隣接するピクセルにわたるフリンジ電界から生じる、回位欠陥が、実質的に起こらない。他の技術的利点は、本発明の暗状態が、極めて良好で暗いので、光漏れを遮断するための外部リターダが、不要になることである。
【0017】
マクネイル(McNeil)式偏光用ビーム・スプリッタを有したプロジェクション用途では、スキュー・レイを補正するために、すべてのカラー・チャネル(RGB)毎に、システム・リターダ、通常4分の1波長板が、存在する。標準のVANモード表示装置が、そのような用途の中に含まれるとき、このシステム・リターダを使用して、光漏れを止めることもできる。基本的に、スキュー・レイ補正と光漏れの間の妥協状態に入ることになる。しかし、これは、かなりの量の光漏れを生じる青チャネルには、うまく働かない。したがって、青チャネルのコントラストは、一般に他の2つのチャネル(赤および緑)より低い。実際、光漏れを止める適切なリターダは、実験で示されるように、約50ナノメータまたはそれより低い小さい遅延値を有したリターダである。良好な一様性を有したそのようなリターダは、見つけ難く、市場で容易に入手できない。本発明によれば、これは、問題にならない。というのは、可視スペクトル領域全体にわたり「オフ」状態が、極めて暗く、スキュー・レイの補正のためだけに、システム・リターダを使用することができるからである。青チャネルは、低コントラストもいずれも被ることがない。
【0018】
いくつかの光学アーキテクチャには、スキュー・レイ補正は、必要でない。このタイプのアーキテクチャの例は、ワイヤ・グリッド偏光用ビーム・スプリッタが、使用されて入力と出力のビーム経路を分離するアーキテクチャである。そのようなワイヤ・グリッド・ビーム・スプリッタは、ユタ州オレム市(Orem、Utah)のMoxtek Inc.,が、製造している。したがって、そのような用途には、本発明は、外部リターダを取り付ける余分のコストを省くことができるので、有利である。
【0019】
本発明は、実質的に透過性である第1の基板と、実質的に反射型であり、前記第1の基板と実質的に平行である第2の基板と、複屈折率(Δn)および負の誘電体異方性を有した液晶液とを含む反射型液晶表示装置であって、前記液晶液が、前記第1と第2の基板の間に在り、前記第1の基板が、前記液晶液に直近する第1の液晶アラインメント層を有し、前記第1の液晶アラインメント層に直近する前記液晶液の分子が、約2°から約15°までの第1のプレチルト角度および第1の方位角度を有し、前記第2の基板が、前記液晶液に直近する第2の液晶アラインメント層を有し、前記第2の液晶アラインメント層に直近する前記液晶液の分子が、約2°から約15°までの第2のプレチルト角度および第2の方位角度を有し、前記第2の方位角度が、前記第1の方位角度に対して実質的に垂直である、反射型液晶表示装置を対象とする。
【0020】
線形に偏光された入射光の偏光方向が、第1の表面方位角度とほぼ平行とすることができる。線形に偏光された入射光の偏光方向は、第1の表面方位角度とほぼ垂直とすることができる。
【0021】
グレーのシェード(shades of gray)は、実質的に電界がない状態から最大値を有する電界まで、前記第1と第2の基板の間の電界を変化させることによって、生成することができる。
【0022】
本発明は、実質的に透過性である第1の基板と、実質的に反射型であり、前記第1の基板と実質的に平行である第2の基板と、複屈折率(Δn)および負の誘電体異方性を有した液晶液(liquid crystal fluid)とを含む反射型液晶表示装置であって、前記液晶液が、前記第1と第2の基板の間に在り、前記第1の基板が、前記液晶液に直近する第1の液晶アラインメント層(liquid crystal alignment layer)を有し、前記第1の液晶アラインメント層に直近する前記液晶液の分子が、約2°から約15°までの第1のプレチルト角度(pretilt angle)および第1の方位角度を有し、前記第2の基板が、前記液晶液に直近する第2の液晶アラインメント層を有し、前記第2の液晶アラインメント(liquid crystal alignment)に直近する前記液晶液の分子が、約2°から約15°までの第2のプレチルト角度および第2の方位角度を有し、前記第2の方位角度が、前記第1の方位角度に対して実質的に垂直であり、電界(electric field)が、前記第1と第2の基板の間に加えられたとき、かなりの数の前記液晶液の分子が、そのチルト角度を増加させられ、電界が、前記第1と第2の基板の間に実質的に加えられないとき、かなりの数の前記液晶液の分子が、その方位角度を前記第1および第2の基板に対して実質的に垂直にさせられ、それによって、電界が、前記第1と第2の基板の間に加えられたとき、前記液晶液が、前記第1の基板で線形に偏光された入射光を、前記第2の基板に達したときほぼ円形に偏光された入射光に変化させ、前記第2の基板が、ほぼ円形に偏光された入射光を、反対の左右像でほぼ円形に偏光された光として反射して戻し、前記液晶液が、ほぼ円形に偏光された反射光を、前記第1の基板に達したときほぼ線形に偏光された反射光に変化させ、したがって線形に偏光された入射光の偏光方向および線形に偏光された反射光の偏光方向は、前記第1の基板においてほぼ互いに垂直になり、それによって、電界が、前記第1と第2の基板の間に実質的に加えられないとき、前記液晶液が、前記液晶液を通過する光の偏光状態を実質的に変化させず、したがって線形に偏光された入射光の偏光方向および線形に偏光された反射光の偏光方向は、前記第1の基板においてほぼ互いに平行になる、反射型液晶表示装置も対象とする。
【0023】
前記第1と第2の基板の間に、複数の第1の時間の間電界を加え、複数の第2の時間の間電界を加えないことができ、第1および第2の時間は、変化させて、グレーのシェードを生成することができる。第1および第2の時間は、変化させて、フィールド順次式カラーを生成することができる。
【0024】
本発明は、反射型液晶表示装置のための方法を対象とし、その方法は、実質的に透過性である第1の基板を設けるステップと、実質的に反射型であり、前記第1の基板と実質的に平行である第2の基板を設けるステップと、前記第1と第2の基板の間に在り、複屈折率(Δn)および負の誘電体異方性を有した液晶液を設けるステップと、前記第1の基板上に第1の液晶アラインメント層を設けるステップであって、前記第1の液晶アラインメント層が、前記液晶液に直近し、前記第1の液晶アラインメント層に直近する前記液晶液の分子が、約2°から約15°までの第1のプレチルト角度(pretilt angle)および第1の方位角度(azimuthal angle)を有する、ステップと、前記第2の基板上に第2の液晶アラインメント層を設けるステップであって、前記第2の液晶アラインメント層が、前記液晶液に直近し、前記第2の液晶アラインメント層に直近する前記液晶液の分子が、約2°から約15°までの第2のプレチルト角度および第2の方位角度を有し、前記第2の方位角度が、前記第1のチルトオリエンテーション方向(tilt orientation direction)に対して実質的に垂直である、ステップとを含み、したがって、電界が、前記第1と第2の基板の間に実質的に加えられないとき、前記液晶液が、そこを通過する光の偏光状態を変化させず、線形に偏光された入射光の偏光方向および線形に偏光された反射光の偏光方向が、第1の基板で実質的に互いに平行であり、最大値の電界を前記第1と第2の基板の間に加えたとき、前記液晶液が、前記第1の基板で線形に偏光された入射光を、前記第2の基板に達したときほぼ円形に偏光された入射光に変化させ、前記第2の基板が、ほぼ円形に偏光された入射光を、反対の左右像でほぼ円形に偏光された光として反射して戻し、前記液晶液が、ほぼ円形に偏光された反射光を、前記第1の基板に達したときほぼ線形に偏光された反射光に変化させ、したがって、線形に偏光された入射光の偏光方向および線形に偏光された反射光の偏光方向は、前記第1の基板においてほぼ互いに垂直になり、最大値より小さい電界を前記第1と第2の基板の間に加えたとき、前記液晶液が、線形に偏光された入射光の偏光状態を、前記液晶液中を通過するとき楕円に偏光された光に変化させ、前記第2の基板が反射して戻す、方法である。
【0025】
前記第1と第2の基板の間の電界を変化させることを利用して、前記第2の基板における入射光の偏光状態を、ほぼ線形の偏光から楕円の偏光に変化させて、グレーのシェードを生成することができ、電界が、実質的に存在しないとき、入射光の偏光は、前記第2の基板においてほぼ線形である。
【0026】
本発明は、さらに反射型液晶表示装置のための方法を対象とし、その方法は、実質的に透過性である第1の基板を設けるステップと、実質的に反射型であり、前記第1の基板と実質的に平行である第2の基板を設けるステップと、前記第1と第2の基板の間に在り、複屈折率(Δn)および負の誘電体異方性を有した液晶液を設けるステップと、前記第1の基板上に第1の液晶アラインメント層を設けるステップであって、前記第1の液晶アラインメント層が、前記液晶液に直近し、前記第1の液晶アラインメント層に直近する前記液晶液の分子が、約2°から約15°までの第1のプレチルト角度および第1の方位角度を有する、ステップと、前記第2の基板上に第2の液晶アラインメント層を設けるステップであって、前記第2の液晶アラインメント層が、前記液晶液に直近し、前記第2の液晶アラインメント層に直近する前記液晶液の分子が、約2°から約15°までの第2のプレチルト角度および第2の方位角度を有し、前記第2の方位角度が、前記第1の方位角度に対して実質的に垂直である、ステップとを含み、電界が、前記第1と第2の基板の間に実質的に加えられないとき、かなりの数の前記液晶液の分子が、前記第1および第2の基板に対してその配向を実質的に垂直にさせられ、電界を前記第1と第2の基板の間に加えたとき、かなりの数の前記液晶液の分子が、基板に対して平行になるようにそのチルトを変化させられ、それによって、電界を前記第1と第2の基板の間に加えたとき、前記液晶液が、前記第1の基板で線形に偏光された入射光を、前記第2の基板に達したときほぼ円形に偏光された入射光に変化させ、前記第2の基板が、ほぼ円形に偏光された入射光を、反対の左右像でほぼ円形に偏光された光として反射して戻し、前記液晶液が、ほぼ円形に偏光された反射光を、前記第1の基板に達したときほぼ線形に偏光された反射光に変化させ、したがって、線形に偏光された入射光の偏光方向および線形に偏光された反射光の偏光方向は、前記第1の基板においてほぼ互いに垂直になり、それによって、電界が、前記第1と第2の基板の間に実質的に加えられないとき、前記液晶液が、前記液晶液を通過する光の偏光状態を実質的に変化させず、したがって線形に偏光された入射光の偏光方向および線形に偏光された反射光の偏光方向は、前記第1の基板においてほぼ互いに平行になる、方法である。
【0027】
本発明は、さらに反射型液晶表示アセンブリを対象とし、そのアセンブリは、実質的に透過性である第1の基板と、実質的に反射型であり、前記第1の基板と実質的に平行に位置する第2の基板と、前記第1と第2の基板の間に在り、複屈折率(Δn)および負の誘電体異方性を有した液晶液と、前記第1および第2の基板上にそれぞれ在る第1および第2の液晶アラインメント層とを含み、前記第1および第2の液晶アラインメント層に直近する前記液の分子が、有限のプレチルト角度を有し、それぞれ第1および第2の方位角度で配向され、前記アセンブリが、(i)基板間に電界が、実質的に印加されていないとき、かなりの数の前記液の分子が、前記基板に対して実質的に垂直に配向され、(ii)基板間に最大値の電界が、印加されたとき、かなりの数の前記液の分子のチルト角度が、増加させられ、(iii)前記基板間に最大電界より小さい電界が、印加されたとき、かなりの数の前記液の分子が、中間のチルト角度で配向されるように、構成された、アセンブリである。
【0028】
本開示の他の技術的利点は、以下の図面、説明および特許請求の範囲から、当業者に容易に明らかになる。本発明の様々な実施形態は、述べられた利点のサブセットだけを達成する。本発明にとってクリティカルな利点は、1つとしてない。
【0029】
添付図面とともに行う以下の説明を参照すると、本開示およびその利点のより完全な理解が、得られる。
【0030】
本発明は、様々な修正および代替形式の余地があるとはいえ、具体的で例示的なその実施形態が、図面中に例として示してあり、本明細書で詳細に述べる。しかし、本明細書の具体的な実施形態の説明は、本発明を開示された特定の形に限定するように企図されたものでなく、それとは反対に、特許請求の範囲によって定義される本発明の精神および範囲に含まれる修正形態、等価物および代替形態をすべてカバーすることが、その意図であることを理解すべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明は、反射型液晶マイクロ表示装置を対象とし、その装置は、コンデンサ中に蓄電された電圧値によって制御される、光を修正する性質を有した液晶液の行列のピクセルを含み、そのコンデンサは、液晶マイクロ表示装置のピクセルの行列中のピクセルに相当する面積を含む。液晶液の分子は、入ってくる線形に偏光された入射光の偏光方向に対して、ほぼ平行または垂直のいずれかである表面方位角度を有する。
【0032】
本発明によれば、「オフ」状態(ピクセル・コンデンサの両端間に電界が印加されていない)では、液晶液の分子は、フリンジ電界から生じる回位を最小にするのにちょうど十分なだけのプレチルト角度(基板面の垂直方向から測る)を有する。透過性基板における液晶液の分子の方位角度は、反射基板における液晶液の分子の方位角度から、ほぼ90°である。この構成によって、「オフ」状態中のとき極めて暗い暗状態が得られ、高コントラストが得られることになる。
【0033】
液晶層へ電圧を印加すると、材料の負の誘電体異方性によって、大部分の層中の液晶分子のチルトが、基板に対して平行になる方向に変化する(図4参照)。
【0034】
ここで図面を参照すると、本発明の例示的実施形態の細部が、概略的に示してある。図面中の同じ要素は、同じ参照番号で示してあり、類似の要素は、異なる小文字の添字を付けた同じ番号で示してある。
【0035】
図1aおよび1bを参照すると、それぞれ「オフ」および「オン」状態にある、従来技術のVANモード液晶表示装置の概略図が、示してある。基板表面102、104上のアラインメント層が定義する液晶分子の方位角度が、互いに反平行であり、入ってくる線形に偏光された入射光の偏光方向と45°の角度である。VANモード液晶表示装置では、プレチルト角度θは、極めて暗い「オフ」状態、したがって高コントラストを達成するために、小さく、たとえば4°より小さく保つ必要がある。
【0036】
ここで図2を参照すると、液晶液中の例示的分子の方位角度(φ)およびチルト角度(θ)を示す、液晶表示装置の一部分の概略立面図が、示してある。ガラス(透過性)基板202および反射(ミラー)基板204が、互いに平行であり、全体的に番号206で示された液晶液をその間に有する。これらの平行な基板間の間隔(液晶液の厚さ)が、一般に「d」で示される。間隔(厚さ)dは、好ましくは約3.5μm±0.2μmとすることができることである。液晶液206は、複屈折率(Δn)が、好ましくは45℃で約0.0830とすることができることである。本発明に使用される液晶液は、ネマチックであり、負の誘電体異方性Δε(=ε−ε<0)を有し、ここでεおよびεは、液晶液の誘電率の、(ネマチック・ディレクタに対する)平行および垂直成分である。間隔(厚さ)(d)と複屈折率(Δn)のどのような組み合わせも、都合のよい電圧で有効な輝度状態を得るために、条件、Δn・d>λ/4が、ほぼ満たされる限り、使用することができることが、企図され、本発明の範囲に含まれる(ここでλは、表示装置上に入射される光の波長である)。たとえば、セル・ギャップが、ほぼ3.5μmであり、MLC−6608を使用し、プレチルト角度が、表面に垂直な軸から約8°であり、最大輝度状態電圧が、赤色(640nm)について4.0V、緑色(540nm)について3.5V、青色(470nm)について3.15Vである。
【0037】
液晶液206の1個の分子206aが、例示する目的で示してある。チルト角度θは、基板202および204に垂直であるZ軸から測る。方位角度φは、XY面上のX軸から測り、X軸とXY面上への液晶液206の分子の投影との間の角度である。本発明によれば、ガラス基板における線形に偏光された入射光の偏光方向が、ガラス基板202において生成される方位角度に対して、ほぼ平行または垂直のいずれかになる。
【0038】
図3aを参照すると、「オフ」状態にある、本発明による液晶表示装置の概略図が、示してある。液晶液206の分子は、プレチルト角度θ(上記で定義)が、フリンジ電界に起因する回位を排除するのに十分なだけの大きさである、「オフ」状態で示してある。プレチルト角度θは、好ましくは約2°から約15°とすることができることである。もっとも好ましくは、プレチルト角度θは、約5°から約15°とすることができることである。入射光308の偏光状態は、液晶液206分子によって実質的に作用されず、実質的に線形に偏光された光として基板204で反射されて戻ることになり、その偏光方向は、線形に偏光された入射光の偏光方向と実質的に平行である。
【0039】
図3bを参照すると、「オン」状態にある、本発明による液晶表示装置の概略図が、示してある。液晶液206の配列は、最大電圧の駆動の下で形成され、基板202に進入する線形に偏光された入射光を、基板204においてほぼ円形に偏光された光になるようにする。基板204においてほぼ円形に偏光された入射光は、ほぼ円形に偏光された光、ただしそれとは反対の左右像を有した光として、反射されて戻ることになり、その光が、基板202に到達したとき、この反射光は、ほぼ線形に偏光されることになり、その偏光方向が、線形に偏光された入射光の偏光方向に対して、ほぼ垂直になる。
【0040】
ここで図4を参照すると、本発明による、「オフ」および「オン」状態である基板間に位置する液晶液206の分子の位置の関数として、液晶液206の分子のチルト角度および方位角度を表すグラフが、示してある。チルト角度θは、左側縦軸上に0°から90°まで示してあり、方位角度φは、右側縦軸上に0°から90°まで示してある。基板202と204の間に在る液晶液206の分子の位置は、水平軸上に0からdまで示してある。カーブ402によって、液晶液206の分子が、「オフ」状態中のときの、液晶液206の分子のチルト角度θを示す。カーブ404によって、液晶液206の分子が、「オフ」状態中のときの、液晶液206の分子の方位角度φを示す。カーブ410によって、液晶液206の分子が「オン」状態中のときの、液晶液206の分子のチルト角度θを示す。カーブ412によって、液晶液206の分子が、「オン」状態中のときの、液晶液206の分子の方位角度φを示す。中間のグレーのシェードに対応するチルト角度のカーブは、カーブ402と410の間に入ることになるはずで、方位角度のカーブは、カーブ404と412の間に入るはずである。
【0041】
したがって、本発明は、対象事項を実行し、上記で言及された目的および利点ならびにその中に本来的にある他の目的および利点を達成するように、よく適応する。本発明は、示され述べられており、本発明の例示的実施形態を参照して定義されるが、そのような参照は、本発明に対する限定を意味するものでなく、そのような限定は、推論されるべきでない。本発明は、関連する技術に通常の技術を有し本開示による恩恵を受ける当業者に思い浮かぶような、かなりの修正、変更ならびに形および機能における等価物を許容することができる。本発明の示し述べられた実施形態は、例示するだけであり、本発明の範囲を網羅するものでない。したがって、本発明は、特許請求の範囲が定める精神および範囲によってだけ限定され、すべての点で等価物に十分な認知を与えるものと企図される。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】図1aは「オフ」状態にある、従来技術のVANモード液晶表示装置の概略図であり、図1bは「オン」状態にある、従来技術のVANモード液晶表示装置の概略図である。
【図2】液晶液中の例示的分子の方位角度およびプレチルト角度を示す、液晶表示装置の一部分の概略立面図である。
【図3a】「オフ」状態にある、本発明による液晶表示装置の概略図である。
【図3b】「オン」状態にある、本発明による液晶表示装置の概略図である。
【図4】本発明による、「オフ」および「オン」状態中の基板間における分子位置の関数として、液晶液の分子のチルト角度および方位角度を表すグラフを集めた図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反射型液晶表示装置のための方法であって、
透過性である第1の基板を設けるステップと、
反射型であり、前記第1の基板と平行である第2の基板を設けるステップと、
前記第1と第2の基板の間に在り、複屈折率(Δn)および負の誘電体異方性を有した液晶液を設けるステップと、
前記第1の基板上に第1の液晶アラインメント層を設けるステップであって、前記第1の液晶アラインメント層が、前記液晶液に直近し、前記第1の液晶アラインメント層に直近する前記液晶液の分子が、2°から15°までの第1のプレチルト角度および第1の方位角度を有する、ステップと、
前記第2の基板上に第2の液晶アラインメント層を設けるステップであって、前記第2の液晶アラインメント層が、前記液晶液に直近し、前記第2の液晶アラインメント層に直近する前記液晶液の分子が、2°から15°までの第2のプレチルト角度および第2の方位角度を有し、前記第2の方位角度が、前記第1の方位角度に対して垂直である、ステップとを含み、
電界が、前記第1と第2の基板の間に加えられないとき、
前記液晶液が、そこを通過する光の偏光状態を変化させず、したがって線形に偏光された入射光の偏光方向および線形に偏光された反射光の偏光方向が、前記第1の基板において互いに平行であり、
最大値の電界を前記第1と第2の基板の間に加えたとき、
前記液晶液が、前記第1の基板で線形に偏光された入射光を、前記第2の基板に達したとき円形に偏光された入射光に変化させ、前記第2の基板が、円形に偏光された入射光を、反対の左右像で円形に偏光された光として反射して戻し、前記液晶液が、円形に偏光された反射光を、前記第1の基板に達したとき線形に偏光された反射光に変化させ、
したがって、線形に偏光された入射光の偏光方向および線形に偏光された反射光の偏光方向が、前記第1の基板において互いに垂直になり、
最大値より小さい電界を前記第1と第2の基板の間に加えたとき、
前記液晶液が、線形に偏光された入射光の偏光状態を、前記液晶液中を通過するとき楕円に偏光された光に変化させ、前記第2の基板が反射して戻す、方法。
【請求項2】
反射型液晶表示装置のための方法であって、
透過性である第1の基板を設けるステップと、
反射型であり、前記第1の基板と平行である第2の基板を設けるステップと、
前記第1と第2の基板の間に在り、複屈折率(Δn)および負の誘電体異方性を有した液晶液を設けるステップと、
前記第1の基板上に第1の液晶アラインメント層を設けるステップであって、前記第1の液晶アラインメント層が、前記液晶液に直近し、前記第1の液晶アラインメント層に直近する前記液晶液の分子が、2°から15°までの第1のプレチルト角度および第1の方位角度を有する、ステップと、
前記第2の基板上に第2の液晶アラインメント層を設けるステップであって、前記第2の液晶アラインメント層が、前記液晶液に直近し、前記第2の液晶アラインメント層に直近する前記液晶液の分子が、2°から15°までの第2のプレチルト角度および第2の方位角度を有し、前記第2の方位角度が、前記第1の方位角度に対して垂直である、ステップとを含み、
電界が、前記第1と第2の基板の間に加えられないとき、前記液晶液の分子が、前記第1および第2の基板に対してその方位角度を垂直にさせられ、
電界を前記第1と第2の基板の間に加えたとき、前記液晶液の分子が、そのチルト角度を増加させられ、
それによって、電界を前記第1と第2の基板の間に加えたとき、
前記液晶液が、前記第1の基板で線形に偏光された入射光を、前記第2の基板に達したとき円形に偏光された入射光に変化させ、
前記第2の基板が、円形に偏光された入射光を、反対の左右像で円形に偏光された光として反射して戻し、
前記液晶液が、円形に偏光された反射光を、前記第1の基板に達したとき線形に偏光された反射光に変化させ、
したがって、線形に偏光された入射光の偏光方向および線形に偏光された反射光の偏光方向が、前記第1の基板において互いに垂直になり、
それによって、前記第1と第2の基板の間に電界を加えないとき、
前記液晶液が、前記液晶液を通過する光の偏光状態を変化させず、
したがって、線形に偏光された入射光の偏光方向および線形に偏光された反射光の偏光方向が、前記第1の基板において互いに平行になり、
前記第1の基板上の線形偏光子の偏光方向が前記第1の方位角度に対して平行かまたは垂直である、
方法。
【請求項3】
反射型液晶表示アセンブリであって、
透過性である第1の基板と、
反射型であり、前記第1の基板と平行に位置する第2の基板と、
前記第1と第2の基板の間に在り、複屈折率(Δn)および負の誘電体異方性を有した液晶液と、
前記第1および第2の基板上にそれぞれ在る、第1および第2の液晶アラインメント層とを含み、
前記第1および第2の液晶アラインメント層に直近する前記液の分子が、有限のプレチルト角度を有し、それぞれ第1および第2の方位角度で配向され、
前記反射型液晶表示アセンブリが、
(i)電界が、前記基板間に印加されないとき、前記液の分子が、前記基板に対して垂直に配向され、
(ii)最大値の電界が、前記基板間に印加されたとき、前記液の分子のチルト角度が、増加させられ、
(iii)最大電界より小さい電界が、前記基板間に印加されたとき、前記液の分子が、中間のチルト角度に配向されるように、構成され、
前記第1の基板上の線形偏光子の偏光方向が、前記第1の方位角度に対して平行かまたは垂直である、
アセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−253191(P2011−253191A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−151746(P2011−151746)
【出願日】平成23年7月8日(2011.7.8)
【分割の表示】特願2006−503891(P2006−503891)の分割
【原出願日】平成16年2月26日(2004.2.26)
【出願人】(506043240)
【Fターム(参考)】