大便器用洗浄装置
【課題】便器の利用者が便器周囲の機器に手を触れることなく、脱臭及び清浄を自動的に行なうことの出来る大便器用洗浄装置の提供。
【解決手段】オゾン(O3)を発生する装置(1)と、芳香剤を収容する芳香剤収容装置(2)と、芳香剤収容装置(2)の開口を開放し閉鎖する開閉装置(3)と、空気流を発生する装置(4)と、制御装置(5)とを有し、該制御装置(5)は、利用者がトイレに入室した場合に徐放された芳香剤を連行した気体流をトイレの上方の空間(E1)に放出する機能と、利用者がトイレ(100)から退室した際には芳香剤を連行した気体の放出を停止してオゾンを大量に含む気体をトイレ下方の空間(E2)に放出する機能とを有している。
【解決手段】オゾン(O3)を発生する装置(1)と、芳香剤を収容する芳香剤収容装置(2)と、芳香剤収容装置(2)の開口を開放し閉鎖する開閉装置(3)と、空気流を発生する装置(4)と、制御装置(5)とを有し、該制御装置(5)は、利用者がトイレに入室した場合に徐放された芳香剤を連行した気体流をトイレの上方の空間(E1)に放出する機能と、利用者がトイレ(100)から退室した際には芳香剤を連行した気体の放出を停止してオゾンを大量に含む気体をトイレ下方の空間(E2)に放出する機能とを有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個室式のトイレに用いられる大便器に関する。より詳細には、大便器の消臭或いは脱臭、滅菌、除菌或いは消毒を自動化する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
芳香剤によりトイレ内の悪臭を除去して、いわゆる「トイレのアニメティ」を実現するために、芳香及び洗浄作用を有する薬剤を貯水タンク等に設ける商品が、従来から種々存在する。
しかし、その様な芳香による脱臭、消臭は、薬剤が貯水タンク内の水に常時溶解することにより行われるものであり、薬剤の消費が早い。
また、洗浄水の経路中に薬剤を配置して、洗浄水が流れる際に薬剤が溶解して脱臭、消臭を行なうタイプのものが存在するが、その様なタイプにおいても当該薬剤の消費が早い。
【0003】
さらに、大便器周辺の各種機器のスイッチやレバー等を利用者が操作しない限り水が流れない構造を採用している場合が多く、利用者がスイッチやレバー等に手を触れることなく、自動的することが困難である。
それに加えて、貯水タンク内の水が流れない箇所、例えば大便器の便座シートに便や汚れが付着した場合には、清浄化が困難である。
さらに、完全に自動化されたトイレを新たに製造するには、多額の開発費が必要となり、これもまた実現が困難である。
【0004】
ここで、従来技術において、大便器を設置した個室(トイレ)をユーザーが使用したことを感知する技術と、小便に利用したか大便に利用したかの判断する技術は、既に存在している。
従来技術におけるその様な「感知(トイレをユーザーが使用したことの感知)」する技術及び「判断(小便か大便かの判断)」する技術を利用して、利用者が手を触れることなく「芳香による脱臭、消臭」及び「便座及び便座シートの清浄化」を自動的に行なう要請が存在する。
しかし、その様な要請に応えることが出来る従来技術は、未だに提案されていない。
【0005】
その他の従来技術として、例えば、貯水タンク内に薬剤収容部を設け、貯水タンクに供給される水の一部が薬剤収容部に供給されて薬剤を溶解し、薬剤収容部を設けた箇所への水の供給が途絶えた際に溶解した薬剤を貯水タンク内に流出する技術が提案されている(特許文献1参照)。
しかし、係る技術(特許文献1)は、薬剤収容部が貯水タンク内に設けられているので、貯水タンク内の水により薬剤が常時溶解され、薬剤が早期に消費されてしまうという問題を有している。
また、上述した従来技術の各種問題点を解消することが出来ない。
【特許文献1】特開2003−247256号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、便器を使用したことを感知し、小便をしたか大便をしたかの判断を行なう技術を利用して、便器の利用者が便器周囲の機器に手を触れることなく、脱臭(或いは、消臭)及び清浄を自動的に行なうことの出来る大便器用洗浄装置の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の大便器用洗浄装置は、オゾン(O3)を発生する装置(オゾナイザー1及び高圧電源)と、芳香剤を収容する芳香剤収容装置(芳香剤容器2)と、芳香剤収容装置(芳香剤容器2)の開口を開放し閉鎖する開閉装置(芳香剤容器の自動開閉蓋3)と、空気流を発生する装置(ファン4)と、制御装置(5)とを有し、該制御装置(5)は、自動流水装置(自動流水器6)が感知した利用者のトイレ(100)への入室及び退室を示す信号と大便に利用したか小便に利用したかの判断信号を受信する機能と、利用者がトイレ(100)に入室した場合に徐放された芳香剤を連行した気体(エアー)流をトイレの上方の空間(E1)に放出する機能と、利用者がトイレ(100)から退室した際には芳香剤を連行した気体の放出を停止してオゾンを大量に含む気体(オゾンエアー)をトイレ下方の空間(E2)に放出する機能と、前記判断信号に基づいてオゾンを大量に含む気体(オゾンエアー)をトイレ下方の空間(E2)に放出する時間を決定する機能とを有していることを特徴としている(請求項1)。
ここで、本発明の大便器用洗浄装置における「洗浄」なる文言は、本明細書においては、滅菌、除菌、有機物の酸化、消毒を包含する意味で用いられている。
【0008】
本発明において、前記制御装置(5)は、利用者がトイレ(100)を退室してから所定時間(セルフクリーニング待機の所定時間)が経過する間に利用者がトイレ(100)に入室しない場合(トイレを利用しない時間がセルフクリーニング待機の所定時間以上経過した場合)にはオゾンを大量に含む気体(オゾンエアー)をトイレ下方の空間(E2)に放出する機能(セルフクリーニング機能)を有するのが好ましい(請求項2)。
【0009】
また本発明において、前記制御装置(5)は、オゾンを大量に含む気体(オゾンエアー)をトイレ下方の空間(E2)に放出する際に、所定の放出時間が経過してオゾンを大量に含む気体(オゾンエアー)の放出を停止するべき時点で、当該オゾンを大量に含む気体(オゾンエアー)の放出が停止されない場合(ステップS24がNO)には、故障が生じたと判断して(本発明に係る大便器用洗浄装置を)強制終了する機能を有しているのが好ましい(請求項3)。
【0010】
或いは、本発明の大便器用洗浄装置は、オゾン(O3)を発生する装置(オゾナイザー1及び高圧電源)と、空気流を発生する装置(ファン4)と、制御装置(5)とを有し、該制御装置(5)は、自動流水装置(自動流水器6)が感知した利用者のトイレ(100)からの退室を示す信号と大便に利用したか小便に利用したかの判断信号を受信する機能と、利用者がトイレ(100)から退室した際にオゾンを大量に含む気体(オゾンエアー)をトイレ下方の空間(E2)に放出する機能と、前記判断信号に基づいてオゾンを大量に含む気体(オゾンエアー)をトイレ下方の空間(E2)に放出する時間を決定する機能とを有していることを特徴としている(請求項4)。
【0011】
係る大便器用洗浄装置(請求項4の大便器用洗浄装置)において、前記大便器用洗浄装置(請求項4の大便器用洗浄装置)に脱着可能な芳香剤用ユニット(720)を備え、該芳香剤用ユニット(720)は、芳香剤を収容する芳香剤収容装置(芳香剤容器2)と、芳香剤収容装置(芳香剤容器2)の開口を開放し閉鎖する開閉装置(芳香剤容器の自動開閉蓋3、開閉駆動装置3M)とを有しており、前記制御装置(5)は、自動流水装置(自動流水器6)が感知した利用者のトイレ(100)への入室信号を受信する機能と、利用者がトイレ(100)に入室した場合に徐放された芳香剤を連行した気体(エアー)流をトイレの上方の空間(E1)に放出する機能と、利用者がトイレ(100)から退室した際には芳香剤を連行した気体の放出を停止する機能を有しているのが好ましい(請求項5)。
【0012】
係る大便器用洗浄装置(請求項4、5の大便器用洗浄装置)においても、前記制御装置(5)は、利用者がトイレ(100)を退室してから所定時間(セルフクリーニング待機の所定時間)が経過する間に利用者がトイレ(10)に入室しない場合(トイレを利用しない時間がセルフクリーニング待機の所定時間以上経過した場合)にはオゾンを大量に含む気体(オゾンエアー)をトイレ下方の空間(E2)に放出する機能(セルフクリーニング機能)を有するのが好ましい。
また、前記制御装置(5)は、オゾンを大量に含む気体(オゾンエアー)をトイレ下方の空間(E2)に放出する際に、所定の放出時間が経過してオゾンを大量に含む気体(オゾンエアー)の放出を停止するべき時点で、当該オゾンを大量に含む気体(オゾンエアー)の放出が停止されない場合(ステップS24がNO)には、故障が生じたと判断して(本発明に係る大便器用洗浄装置を)強制終了する機能を有しているのが好ましい。
【0013】
本発明において、対象とするのは大便器であり、いわゆる「和式」便器、「洋式」便器の双方に適用可能である。
ただし、個室ではないトイレ、例えば複数の男性用小便器を配置したトイレは、本発明の対象ではない。
【発明の効果】
【0014】
上述する構成を具備する本発明によれば、利用者がトイレ(100)から退室した際には芳香剤を連行した気体の放出を停止してオゾンを大量に含む気体(オゾンエアー)をトイレ下方の空間(E2)に放出する様に構成されているので、放出されたオゾンが大便器(11)の周辺に飛散した有機物と反応して、当該有機物を迅速に酸化して滅菌し、腐敗を停止させて悪臭を遮断する。その結果、オゾンにより酸化された有機物の除菌、滅菌、消毒、消臭がおこなわれ、有機物が飛散した大便器(11)周辺の環境を清浄化する。それに加えて、大便器(11)の便座シートも除菌、滅菌、消毒され清浄化される。
また、本発明の大便器用洗浄装置は、作動用の電源が確保できるのであれば、大便器が装備されている個室(トイレ)内の任意の箇所へ極めて簡単に取り付けることが可能である。そのため、既存のトイレを大々的に改造することなく、容易に取り付けることが出来る。
【0015】
ここで、オゾンを大量に含む気体(オゾンエアー)が放出されるのは利用者がトイレ(10)から退室した後なので、利用者がオゾンを吸引してしまうことは防止される。
また、自動流水装置(自動流水器6)による大便に利用したか小便に利用したかの判断信号に基づいて、オゾンを大量に含む気体(オゾンエアー)をトイレ下方の空間(E2)に放出する時間を決定する様に構成されているので、適正流量のオゾンが放出される。そのため、オゾンの量が不足して滅菌、除菌、消毒或いは有機物の酸化が不十分であるという事態が防止されると共に、オゾンが過剰に放出され、残留したオゾンを利用者が吸引してしまう事態も回避することができる。
【0016】
また本発明によれば、利用者がトイレ(100)に入室した場合に徐放された芳香剤を連行した気体(エアー)流をトイレの上方の空間に放出するので、利用者が便器(11)を利用している間、大便器(11)が配置された個室内は芳香が漂う快適な空間となる。
そして、利用者がトイレ(100)から退室した際には芳香剤を連行した気体の放出を停止するので、芳香剤が必要以上に消費されることはなく、芳香剤の消費速度が鈍化し、同一容量であれば、従来の芳香剤に比較して、芳香剤が揮発してなくなってしまうまでの時間(芳香剤の寿命)が長期間化され、新たな芳香剤を補填する頻度を少なくすることが出来る。
【0017】
本発明において、利用者のトイレ(100)への入室及び退室を感知する機能と、大便に利用したか小便に利用したかを判断する機能を有する自動流水装置(自動流水器6)を備えているが、係る自動流水装置(6)としては、公知、市販のもの、例えば本出願人の先願に係る特開2007−218040号公報で開示された洗浄装置を用いることが可能である。
換言すれば、本発明によれば、公知、市販の自動流水装置(自動流水器6)をそのまま適用することが出来るので、大幅な工事を伴うこと無く、既存のトイレの設備をそのまま利用することが出来る。そのため、導入する際のコストを極めて低く抑えることが可能である。
【0018】
本発明において、利用者がトイレ(100)を退室してから所定時間(セルフクリーニング待機の所定時間)が経過する間に利用者がトイレ(100)に入室しない場合(トイレを利用しない時間がセルフクリーニング待機の所定時間以上経過した場合)に、オゾンを大量に含む気体(オゾンエアー)をトイレ下方の空間に放出する(セルフクリーニングを行なう)様に構成すれば(請求項2)、大便器(11)内壁面における側面部分(便器不使用時には、水に接触していない部分)において、当該側面部分に付着している有機物にオゾンが直接接触して反応し、有機物の腐敗を防止する。そのため、大便器(11)内壁面における側面部分に付着した有機物が乾燥することに起因して、悪臭が発生することを防止できる。
【0019】
また本発明において、所定の放出時間が経過してオゾンを大量に含む気体(オゾンエアー)の放出を停止するべき時点で、当該オゾンを大量に含む気体(オゾンエアー)の放出が停止されない場合(ステップS24がNO)に、故障が生じたと判断して本発明に係る大便器用洗浄装置を強制終了する様に構成すれば(請求項3)、強制終了と同時にオゾンの発生も遮断されるので、トイレ(100)に大量のオゾンが残存することが防止される。そして、トイレ(10)に入室した利用者が、個室内に残存しているオゾンを大量に吸引してしまうという不都合を回避することが出来る。
【0020】
さらに本発明の大便器用洗浄装置において、オゾン(O3)を大量に含む気体(オゾンエアー)をトイレ下方の空間(E2)に放出する構成は必須の構成要件であるが、芳香剤を連行した気体(エアー)流をトイレの上方の空間(E1)に放出する構成を選択的に脱着可能にすれば(請求項4、5)、趣味性或いは嗜好性が強く、好みの問題が大きい芳香剤の放出の有無を、本発明の大便器用洗浄装置の設置に際して、利用者によって選択させることが出来る。
その結果、構成が簡略化され、製造コストを低く抑えることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
先ず、図1〜図7に基づいて第1実施形態を説明する。
図1、図2において、第1実施形態を適用したトイレは、全体を符号100で示されている。トイレ100は周囲から仕切られた個室として構成されており、大便器11が設けられており、自動流水器6と第1実施形態に係る大便器用洗浄装置10とを有している。
ここで、自動流水器6は、利用者がトイレ100に入室して大便器11を使用したことを感知し、小便をしたか大便をしたかを判断する。そして、係る判断結果に基づいて、利用者がトイレ100を退室した際に、大便器11に対して適切な流量の洗浄水を流す様に構成されている。
【0022】
係る自動流水器6として、図示の実施形態においては、公知の市販品をそのまま適用することが出来る。
例えば、本出願人の先願に係る特開2007−218040号公報で開示された洗浄装置を用いることが可能である。もちろん、上述した自動流水器は特開2007−218040号公報の装置に限定されるものではない。
図示の実施形態で用いられる自動流水器6は、利用者がトイレ100に存在するか否か、或いは利用者が大便器11を利用しているか否かを判断するためのセンサも内蔵している。係るセンサとしては、赤外線方式のアクティブセンサやパッシブセンサ、利用者から発せされる赤外線や体温を検知するセンサ、その他の公知、市販のセンサが適用可能である。
また、図示の実施形態における自動流水器6は、直流電源を内蔵しているか、或いは、図示しない商用電源と電源ラインL1によって接続されている。そして、AC/DC変換装置を内蔵している。
【0023】
図1で示すように、自動流水器6と大便器用洗浄装置10とは、ケーブルL2で接続されている。このケーブルL2を介して、自動流水器6から「大便器11を使用したことの感知」、「小便をしたか大便をしたかの判断結果」についての信号(情報)が、「コマンド」として大便器用洗浄装置10の制御ユニット5に送られる。
それと共に、ケーブルL2は、大便器用洗浄装置10の駆動電流を、自動流水器6に内蔵された直流電源或いはAC/DC変換装置から供給する電源ケーブルとしても作用する。
【0024】
大便器用洗浄装置10は、ケーシング7を備えている。
ケーシング7内の下方領域にはオゾン発生器1と制御ユニット5が配置され、上方領域には芳香剤収容装置(以下、「芳香剤容器」と記載する)2が配置されている。
図1の上下方向について、オゾン発生器1及び制御ユニット5と、芳香剤容器2との間の領域には、送風ファン4が設けられている。
ケーシング7の外側表面には、図1の上下方向において、オゾン発生器1及び制御ユニット5と、送風ファン4との間の領域に相当する位置に、オゾン(O3)を大量に含む気体(オゾンエアー)の吹出口73Bが形成されている。
【0025】
芳香剤容器2の上端部には、芳香剤放散用の自動開閉蓋(以下、「芳香剤容器の蓋」と記載する)3が設けられており、芳香剤容器の蓋3の上方には、芳香剤吹出口73Aが形成されている。
なお、芳香剤容器の蓋3の自動開閉機構と、オゾンエアーの吹出口73Bと、芳香剤吹出口73Aとについては、図5以降を参照して後述する。
ケーシング7は複数の部材で構成されているが、ケーシングの詳細や、ケーシング内の空気の流れ等についても、図5以降を参照して後述する。
【0026】
制御ユニット5は、「芳香剤容器の蓋の開閉制御」を行なう機能と、「便器使用後の消毒制御」を行なう機能と、「トイレの非利用時間帯におけるセルフクリーニング制御」を行なう機能と、「安全運転制御」を行なう機能とを備えている。
【0027】
「芳香剤容器の蓋の開閉制御」については、自動流水器6(より詳細には、自動流水器6に設置された図示しないセンサ)によってトイレが利用されている旨が検知されると、トイレ100に利用者が入室してから退出するまでの間、制御ユニット5は、芳香剤容器2の自動開閉蓋3を開放する制御を行なう。
「便器使用後の消毒制御」については、自動流水器6(より詳細には、自動流水器6に設置された図示しないセンサ)によって大便、小便の流水完了信号を受信したら、制御ユニット5はオゾン発生装置1及び送風ファン4に制御信号を送り、大便、小便の各々について設定された時間だけオゾンを発生させ、送風ファン4を駆動してオゾンを大量に包含する空気(オゾンエアー)を放出せしめる。
ここで、大便、小便の各々について設定されたオゾンを発生する時間は、例えば大便であれば90秒間、小便であれば30秒間である。
また、「便器使用後の消毒制御」における「消毒」なる文言は、除菌、滅菌、消毒、有機物の酸化等の意味を包含している。
【0028】
「トイレの非利用時間帯におけるセルフクリーニング制御」では、制御ユニット5は、利用者が退出した後、第1の所定時間(セルフクリーニング待機時間)が経過したら、第2の所定時間(セルフクリーニング設定時間)だけオゾンエアーを放出させると共に、送風ファン4を駆動させる。すなわち、長時間(第1の所定時間或いはセルフクリーニング待機時間よりも長い時間)に亘ってトイレが使用されなかった場合(例えば、3時間に亘ってトイレが使用されなかった場合)には、自動的にセルフクリーニングを行なう。セルフクリーニングの詳細については、図4を参照して後述する。
【0029】
「安全運転制御」について、前記「便器使用後の消毒制御」の最中に、換言すれば便器利用後にオゾンを大量に含む気体をトイレ内に放出している間に、次の利用者がトイレに入室した場合は、当該次の利用者はトイレ内に吹き込まれているオゾンを吸い込んでしまうことになり、好ましくはない。そのため制御ユニット5は、オゾン発生装置1でオゾンを発生している最中に次の利用者がトイレに入室した場合、速やかにオゾンの発生を停止する制御を行なう。
また、制御ユニット5は、機器の故障等の要因で、オゾンの発生が所定時間以上続いても停止しない場合には、図示の実施形態に係る大便器用洗浄装置10の作動を強制的に中止させて、例えばLEDランプ等の表示手段によって故障を知らせる制御を行なう。
【0030】
上述したように、大便器用洗浄装置10は、トイレ利用者がトイレ100から出た時(退室した際)、所定時間だけオゾンを放出するように構成されている。そして、放出されたオゾンは大便器11の周辺に飛散した有機物質(小便等)と反応し、有機物質を急速に酸化することにより、滅菌、除菌或いは消毒と、消臭とを行なう。
それに加えて、大便器11の便座シートにオゾンが接触することによって、便座シートが滅菌、除菌或いは消毒されて、清浄化される。すなわち、オゾンが放出されることにより、大便器11及びその周辺環境が、常時、清浄化される。
【0031】
図2において、芳香剤は個室(トイレ)100の上方空間E1に放出され、オゾンエアーは個室100の下方の領域E2へ放出される。すなわち、芳香剤の放出方向と、オゾンエアーの放出方向は、上下方向について逆方向となっている。
送風ファン4(図1参照)のモータを直流モータ(DCモータ)とし、そのDCモータに供給される直流電流の極性を切り換えることにより、送風ファン4の回転方向を正回転方向と逆回転方向に切り換えることが出来る。そして、芳香剤放出時とオゾンエアー放出時とで送風ファンの回転方向を(正回転方向と逆回転方向に)切り換えれば、単一のDCモータにより、芳香剤の放出(上方への放出)とオゾンエアーの放出(下方への放出)の双方に対応できる。
【0032】
芳香剤、消臭剤はアルコール揮発性であり、揮発した状態では上方へ浮遊し、トイレ100の上方の空間E1中を漂う。一方、オゾンは空気よりも分子量が大きいため、下方へ沈降する。
図2において、符号Hで示す境界線の上方領域E1が芳香剤及び/又は消臭剤が浮遊している空間であり、境界線Hの下方の領域E2がオゾンを多量に包含するエアー(オゾンエアー)が放出される領域である。
【0033】
芳香剤及び/又は消臭剤が浮遊している空間E1と、所定時間だけオゾンが存在する領域E2との境界は、図2で示す境界線Hの様に明確な境界として存在する訳ではなく、非常にあいまいな境界である。
その様な境界の大体の目安は、利用者の鼻の位置(上下方向位置)であり、利用者の鼻よりも上方の空間は芳香剤及び/又は消臭剤が浮遊している空間E1となり、利用者の鼻よりも下方の空間はオゾンが放出される領域E2となる。
【0034】
上述したように、オゾンエアー吹出口73B(図1参照)から吹き出したオゾンエアーは、図2において符号E2で示す領域、すなわち大便器11内、便座、便器周囲の領域(男性が小便をした際に、小便の飛沫が飛び散る領域)に滞留して、当該領域に飛び散った例えば小便の様な有機物と反応して、当該有機物を急激に酸化し、以って、消毒作用(除菌作用、滅菌作用、有機物の酸化作用を含む)及び消臭作用を奏する。
なお、領域E2と境界線Hとの間の領域(図2でE3と表示されている領域)には、芳香剤(或いは消臭剤)とオゾンエアーとが混在している。
なお図2において、符号12はトイレのドアを示している。
【0035】
芳香剤容器の蓋3は、利用者がトイレにいる時にのみ開放される。
利用者がトイレ100に入室していない時には、芳香剤を徐放しても利用者が方向を認識せず、無駄になってしまうので、芳香剤容器の蓋3は閉鎖されている。そして、利用者がトイレ100に入室していない時に芳香剤容器の蓋3を閉鎖することにより、揮発性の芳香剤の無駄使い(浪費)が防止され、芳香剤がなくなるまでの期間が長期化され、芳香剤を補填する頻度が減少する。
【0036】
大便器11の図示しない内壁面における側面部分(便器不使用時には、水に接触していない部分)が乾燥すると、大便に包含される有機物の酸化が進行し、悪臭が発生する。これに対して、大便器11の内壁面における側面部分における有機物の酸化を防止すれば、悪臭を防止できる。
そのため、大便器11の内壁面における図示しない側面部分が乾燥するのに十分な時間(セルフクリーニング待機時間)だけ、大便器11が不使用であることを検知した場合に(そのトイレがセルフクリーニング設定時間だけ不使用である場合に)、大便器11内にオゾンを放出して「セルフクリーニング」を行なう。
なお、「セルフクリーニング待機時間」は、大便器11の内壁面における図示しない側面部分が乾燥するのに十分な時間であり、オゾンO3を放出する頻度が過剰にならない程度であれば、任意に設定することが出来る。
【0037】
係る「セルフクリーニング」では、予め決定された時間(セルフクリーニング設定時間)だけ、オゾンを大量に含むエアーを大便器用洗浄装置10から大便器11に向かって放出し、大便器11の内壁面における側面部分に付着した有機物にオゾンを接触させる。すると、オゾンにより強烈な酸化反応が発生し、大便器11の内壁面における側面部分に付着した有機物を急激に酸化する。係る急激な酸化反応により、大便器11の内壁面における側面部分に付着した有機物はそれ以上腐敗しなくなり、腐敗による悪臭も防止される。セルフクリーニングについては、図4を参照して後述する。
ここで、オゾンを大量に含むエアーを大便器用洗浄装置10から大便器11に向かって放出する時間、すなわち「セルフクリーニング設定時間」については、大便器11の内壁面における側面部分に付着した有機物を、オゾンにより急激に酸化し、除菌、滅菌、消毒及び消臭するのに十分な時間であれば、任意に設定することが出来る。
なお、セルフクリーニング中は、大便器11の蓋11Rは自動的に開放されるように構成されていることが好ましい。大便器11の蓋11Rが自動的に開放されていれば、セルフクリーニング中に大便器用洗浄装置10から大便器11に向かって放出されるオゾンエアーが、大便器11の内壁面へ確実に到達するからである。
【0038】
ケーシング7に設けられたオゾンエアー吹出口73Bは、オゾンを大量に含むオゾンエアーが必ず大便器11の内壁面に到達するように、オゾンエアーの吹き出し方向が上下方向及び左右方向について、調節可能に構成されている。
オゾン噴射方向の調節機構としては、例えば可動式のルーバー9を用いることが好ましい。
【0039】
次に、図3を主として参照しつつ、自動流水器6における制御について説明する。
図3において、自動流水器6の図示しない制御装置は、人体検知手段(図示は省略)からの情報により、利用者が入室したか否か、或いは、入室して大便器11の便座に着座したか否かを判断する(ステップS1)。
利用者が入室(或いは、大便器11の便座に着座)するまで、自動流水器6は待機し(ステップS1がNOのループ)、利用者が入室(或いは、入室して大便器11の便座に着座)したならば(ステップS1がYES)、ステップS2に進む。
【0040】
ステップS2では、自動流水器6は利用時間の測定を開始すると共に、大便器用洗浄装置10の制御ユニット5に、トイレ100の利用が開始された旨(利用者がトイレ100に入室した旨、或いは、利用者が大便器11の便座に着座した旨)を、制御信号(或いはコマンド)として送信する。そしてステップS3に進む。
ステップS3では、利用者がトイレ100から退室(或いは便座から離脱)するまで待機しており(ステップS3がNOのループ)、退室(或いは便座から離脱)したならば(ステップS3がYES)、ステップS4に進む。
【0041】
ステップS4では、利用者がトイレ100から退室(或いは、大便器11の弁座から離脱)した時点で大便器11の利用時間の測定を終了する。それと共に自動流水器6は、大便器用洗浄装置10の制御ユニット5に、トイレ100の利用が終了した旨(利用者がトイレ100から退室した旨、或いは、利用者が大便器11の便座から離脱した旨)を、制御信号(或いはコマンド)として送信する。そして、ステップS5に進む。
ステップS5では、ステップS2における利用時間の測定開始時間と、ステップS5における利用時間の測定終了時間とから、トイレ100の利用時間を演算する。そして、トイレ100の利用時間から、自動流水器6は、トイレ100が大便に利用されたのか、或いは小便に利用されたのかを判定する。係る判定結果により、自動流水器6は大便器11で流す流水量を決定すると共に、大便、小便の判定結果を大便器用洗浄装置10の制御ユニット5に送る。
ステップS6では、自動流水器6は大便、小便の判定結果に従って、洗浄水を大便器11内に供給し、流水を行なう。流水が終わったなら、自動流水器6は、大便器用洗浄装置10の制御ユニット5に流水が終了した旨の信号を出力し(ステップS7)、ステップS8に進む。
【0042】
ステップS8では、ステップS1がYESからステップS7までの上述した処理に従って、蓄積された各種データ(たとえば、トイレの使用回数等のデータ)を更新する。
ここで、芳香剤の消費量はトイレの利用回数に比例する。すなわち、ステップS8で更新されたデータの内、トイレの利用回数に関するデータから、芳香剤の使用限界(寿命)或いは交換時期を正確に予測することが出来る。そのため、芳香剤の交換するか否かを判断するに当たっては、ステップS8で蓄積されたトイレの利用回数に関するデータに基づいて、判断されることになる。
【0043】
上述した様に、自動流水器6は公知の市販品をそのまま適用することが可能であり、適用される自動流水器の種類如何によっては、図3で示す制御とは異なる制御を行なう場合も存在することを付言する。
【0044】
次に、図4を主として参照しつつ、大便器用洗浄装置10の制御について説明する。
図4のステップS11において、大便器用洗浄装置10は、トイレ100の利用が開始されたか否かについて、自動流水器6から利用開始信号が入力されたか否かによって判断している。
自動流水器6から利用開始信号が入力されたならば(ステップS11がYES)、トイレ100の利用が開始されたと判断して、ステップS12に進む。
一方、自動流水器6から利用開始信号が入力されていないならば(ステップS11がNO)、トイレ100は利用されていないと判断して、ステップS28まで進む。
【0045】
自動流水器6から利用開始信号が入力されたならば(ステップS11がYES)、ステップS12において、セルフクリーニング待機時間の計測を終了する。セルフクリーニング待機時間の計測を終了することにより、「トイレ100がセルフクリーニング待機時間以上に亘って利用されていない」と判断されることはなく、セルフクリーニングは開始されない。それと共に、ステップS12では、芳香剤容器の蓋3を開放して、トイレ100内の上方の空間へ芳香剤を放出(徐放)する(ステップS13)。自動流水器6から利用開始信号が入力された(ステップS11がYES)のであれば、トイレ100内には利用者が存在するので、芳香剤を放出(徐放)することにより、トイレ100内の利用者は芳香を感知することが出来る。
【0046】
次のステップS14では、制御ユニット5は、自動流水器6からの利用終了信号を入力されたか否かを判断する。自動流水器6からの利用終了信号が入力されなければ(ステップS14がNOのループ)、芳香剤を放出した状態で待機する。
自動流水器6からの利用終了信号を入力したならば(ステップS14がYES)、トイレ100内に利用者がいなくなった(いなくなる)と判断して、芳香剤を連行した気体の放出を停止する (ステップS15)。
上述したように、トイレ100内から利用者が退室する際に芳香剤放出を終了させるため、芳香剤を無駄に消費することがなくなり、芳香剤の消費速度が鈍化し、芳香剤交換の頻度が減少する。
【0047】
ステップS16では、自動流水器6から流水が終了した旨の信号が入力されたか否かを判断する。
自動流水器6から大便器11における流水が終了した旨の信号が入力されていなければ、芳香剤放出を終了した状態(ステップS15の状態)で待機する(ステップS16がNOのループ)。
自動流水器6から大便器11における流水が終了した旨の信号が入力されたならば(ステップS16がYES)、オゾンO3の放出を開始する(ステップS17)。そして、ステップS18に進む。
【0048】
ステップS18では、自動流水器6から送信された判定信号に基づいて、大便器11が大便に利用されたのか、或いは小便に利用されたのかを判断する。
大便器11が大便に利用された旨の判定信号が入力されたのであれば、ステップS19に進み、オゾンO3の放出時間が長時間となるように設定し、例えば90秒間オゾンO3を放出する。
一方、大便器11が小便に利用された旨の判定信号が入力されたのであれば、ステップS20に進み、オゾンO3の放出時間を短時間に設定して、例えば30秒間オゾンO3を放出する。
【0049】
この様にオゾンO3放出時間を適正に設定することによって、適正量のオゾンが放出され、オゾン量が不足しているため、大便器11及びその周辺が十分に除菌、滅菌、消毒或いは有機物の酸化がされないという不都合や、オゾンの放出が過剰となってトイレ100内にオゾンが残存し、次にトイレ100を利用した利用者がオゾンを吸引してしまうという不都合が防止される。
ここでオゾンO3の放出時間は、上記した時間(大便の際に90秒間、小便の際に30秒間)に限定されるものではなく、大便器11及びその周辺の除菌、滅菌、消毒或いは有機物の酸化に十分で、しかも、残存したオゾンO3によりトイレ100の利用者(人体)に悪影響を及ぼさない様な時間であれば、自在に設定することが出来る。
なお、オゾンを大量に含む気体が放出されるのは、利用者がトイレを退出した後(自動流水器6からの利用終了信号を入力された後:ステップS14がYESとなった後)であり、自動流水器6からの大便、小便の判定信号が入力された後(ステップS18の判断後)であり、前述したとおり利用者がトイレ100から退室した後であり、当該利用者がオゾンを吸引してしまう恐れはない。
【0050】
ステップS21では、所定のオゾンO3放出時間(例えば、大便では90秒間、小便では30秒間)が経過したか否かを判断する。所定のオゾンO3放出時間が経過したなら(ステップS21がYES)、ステップS23まで進む。
一方、所定のオゾンO3放出時間が経過していなければ(ステップS21がNO)、ステップS22で利用者がトイレ100に入室したか否かを判断し、利用者がトイレ100に入室した場合には(ステップS22がYES)、当該利用者がオゾンを吸引してしまうことを防止するため、オゾンエアーの放出を直ちに終了する(ステップS23)。
所定のオゾンO3放出時間が経過しておらず(ステップS21がNO)、且つ、トイレ100に利用者が入室しなければ(ステップS22がNO)、ステップS21に戻り、ステップS21が「NO」及びステップS22が「NO」のループを繰り返し、所定の放出時間に亘ってオゾンO3を放出し続け、大便器11及びその周辺を除菌、滅菌、消毒或いは有機物の酸化する。
【0051】
ステップS11において、上述したように、自動流水器6から利用開始信号が入力されておらず(ステップS11がNO)、トイレ100は利用されていないと判断されてステップS28に進んだならば、所定のセルフクリーニング待機時間が経過したか否かを判断する。
セルフクリーニング待機時間が経過していないなら(ステップS28がNO)、ステップS11まで戻り、ステップS11がNO及びステップS28がNOのループを繰り返す。
【0052】
所定のセルフクリーニング待機時間が経過したならば(ステップS28がYES)、ステップS29に進む。
ステップS29では、セルフクリーニング待機時間の計測を終了し、セルフクリーニングを開始して、大便器11の内壁面に向かってオゾンエアーを放出する(ステップS30)。
ステップS31では、予め定められたセルフクリーニング設定時間(セルフクリーニングの際にオゾンエアーを放出し続けるべき時間)が経過したか否かを判断する。オゾンエアーを放出し続けてセルフクリーニング設定時間を経過したならば(ステップS31がYES)、ステップS32に進み、セルフクリーニングを終了する。そして、ステップS23まで進む。
【0053】
一方、セルフクリーニング設定時間を経過していないならば(ステップS31がNO)、ステップS33に進み、オゾンエアーを放出している間に利用者がトイレ100に入室したか否かを判断する。
オゾンエアーを放出している間に利用者がトイレ100に入室した場合には(ステップS33がYES)、当該利用者がオゾンを吸引してしまうので、ステップS23に進み、オゾンの放出を終了する。
オゾンエアーを放出している間に利用者がトイレ100に入室しなければ(ステップS33がNO)、ステップS31に戻り、ステップS31がNOで且つステップS33がNOのループを繰り返し、セルフクリーニングを続行する。
【0054】
ステップS23では、制御ユニット5は、オゾンエアーの放出を終了させるべく制御旬号を出力する。そしてステップS24では、オゾンエアーの放出が停止されたか否かを判断する(ステップS24)。
オゾンの放出が停止されたならば(ステップS24がYES)、ステップS25に進み、セルフクリーニング待機時間の計測を開始する。
【0055】
ステップS24においてオゾンエアーの放出が停止されない場合には(ステップS24がNO)、大便器用洗浄装置10に故障が発生したと判断して、大便器用洗浄装置10の作動を強制終了させ(ステップS26)、図示しないブザー、ディスプレイ、その他の報知手段によって、故障が発生した旨を報知して(ステップS27)、制御を終了する。
係る報知(ステップS27)が為された場合には、大便器用洗浄装置10のメンテナンス担当者が報知を解除するまで、当該報知を続行するように構成されているのが好ましい。
ステップS26の強制終了工程とステップS27の報知工程とを制御に加えることにより、大便器用洗浄装置10の故障によりオゾンO3が不必要に放出され続ける事態が防止されるので、利用者がオゾンを吸い込んでしまう可能性を減少させることが出来て、図示の実施形態に係る大便器用洗浄装置10の安全性が向上する。
【0056】
図5〜図7は、第1実施形態に係る大便器用洗浄装置10をより詳細に示している。
図5は大便器用洗浄装置10の内部を示しており、図5で示す状態では大便器用洗浄装置10は停止している。
【0057】
図5において、ケーシング7は、上方カバー7A、下方カバー7B、ケーシングベース7Cとを有している。
上方カバー7Aは、前面部71A(図5の左方)と天井部72Aとを有し、前面部71Aの上部には芳香剤吹出口73Aが形成されている。
下方カバー7Bは、前面部71B(図5の左方)と、底部72Bとを有し、前面部71Bの下部と底部72Bとの境界部分にはオゾン吹出口73Bが形成されている。
オゾン吹出口73Bには、可動式ルーバー9が取り付けられている。
【0058】
ケーシングベース7Cは、バックプレート71Cと、バックプレート71Cの上下両端部であるフランジ部72Cと、棚部73Cと、水平仕切り部74Cとを有している。
水平仕切り部74Cは、上方カバー7Aと下方カバー7Bとの境界に位置している。そして、下方カバー7Bの上端近傍と、水平仕切り部74Cの上面とが、概略面一となっている。
【0059】
水平仕切り部74Cの中心には円形の通風口75Cが形成され、水平仕切り部74Cの下面側には、図示しない部材によって、DCモータ駆動の送風ファン4が取り付けられている。ここで、送風ファン4の中心と、円形の通風口75Cの中心とが整合するように、送風ファン4が水平仕切り部74Cに取り付けられている。
また、水平仕切り部74Cの下面であって、送風ファン4の周囲には、送風ファン4を包囲するように、例えば円筒状のフード40が取り付けられている。
なお、図5の例では、送風ファン駆動用のDCモータは回転方向の切換(正回転・逆回転の切換)が可能なタイプであって、且つ、送風ファン4は風量の調節が可能なタイプのものが用いられている。
【0060】
棚部73Cは、水平仕切り部74Cの上方に位置し、その上面に芳香剤容器2が載置されている。
図5では、芳香剤容器2は液状の芳香剤に対応しており、芳香剤貯留部21と、その上端のネック部(狭口部)22とを有している。ネック部22の上方は、図示しない開口部が開放している。芳香剤容器2に貯留された液状の芳香剤芯は、開口部から揮発して徐放される。
ここで、芳香剤容器2の図示しない開口部から、例えばフェルト状の芯材23が引き出されるように構成しても良い。その場合、芯材23に浸み込んだ液状の芳香剤は、芯材23のネック部22の開口部より突出した部分から、揮発して徐放される。
【0061】
図5で示す状態では、ネック部22の上端に自動開閉蓋3が当接し、ネック部上方を密封している。
自動開閉蓋3はハット(帽子)形状の蓋部31により構成されており、バックプレート71C側(図5では右側)にヒンジ3hを有し、上方カバー7Aの前面部71A側に通風孔32が開口している。そして、自動開閉蓋3のヒンジ31h側(図5では右側)の端部には、開閉駆動装置(例えば、ソレノイド駆動の開閉機構)3Mが設けられている。
図示の実施形態では、開閉駆動装置3Mにおけるソレノイドの諸元は、例えば、12V(ボルト)電源でストロークが8mm〜10mmである。
ここで、送風ファン4の送風量が十分で、且つ、自動開閉蓋3が充分軽量であれば、開閉機構3Mを省略することも可能である。
【0062】
自動開閉蓋3の通風孔32の下面側には、リード弁VがリベットRによって取り付けられている。
リード弁Vは、通風孔32の上方における空気の圧力が所定圧力以上に昇圧すると、(図7で示す様に)下方側に開弁する様に構成されている。
【0063】
図5において、ケーシング7の内部は、領域C1、C2、C3とに区画されている。
区画C1は、自動開閉蓋3の上方の領域である。
区画C2は、その上端が自動開閉蓋3であり、下端が水平仕切り部74Cとなっている領域である。
区画C3Fは、水平仕切り部74Cの下方の領域である。
【0064】
図5では、下方カバー7Bにおけるオゾン吹出口73Bの真上の前面部71Bに、側断面がコ字状のブラケット8Bが設けられている。
ブラケット8Bには、高電圧発生装置(例えば、トランス)8が取り付けられている。高電圧発生装置8は、オゾンを発生するのに必要な電流をオゾン発生装置1に供給している。
【0065】
また、ブラケット8Bにおいて、下方カバー7Bの前面部71B側(図5では左側)には、基盤50を有する制御ユニット5が設けられている。
基板50は、制御信号ライン(以下、「ライン」と記載する)Lc1で開閉駆動装置3Mと接続され、ラインLc2で送風ファン4の駆動用のDCモータと接続され、ラインLc3でオゾン発生装置1と接続され、電源ラインLeで高電圧発生装置8と接続されている。さらに基板50は、前述したように、ラインL2によって、図5では図示しない自動流水器6と接続されている。
高電圧発生装置8とオゾン発生装置1とはラインLhで接続されている。
【0066】
可動式ルーバー9の可動範囲は、左右方向(紙面に垂直な方向:紙面の表裏方向)については各々30°以上であり、上下方向については、水平(0°)から斜め下方に60°の範囲である。そして可動式ルーバー9は、この可動範囲内で左右方向及び/又は上下方向に揺動可能であり、係る揺動によってオゾンエアー放出の方向が変化する。
ここで、直接オゾンエアーと接触する可動式ルーバー9及びオゾン吹出口73Bは、耐オゾン樹脂(例えば、AES樹脂等)を材質としていることが好ましい。もちろん、ケーシング7全体を耐オゾン樹脂で構成されることが好ましい。
【0067】
図5では図示しない自動流水器6(図1、図2)から制御ユニットのコントロール基盤50には、ラインL2を介して、各種情報(コマンドやデータ)が送られる。
係る情報に基づいて、図4で説明した制御が行われ、コントロール基盤50から制御信号ラインLc1〜Lc3を介して、必要な制御信号が、送風ファン4その他の部材へ伝達される。
【0068】
図5において、制御ユニット5は制御盤(基盤50)を有する形態として表現されているが、制御ユニット5としては、チップ、ボード、ブロック、その他の形態であっても良い。
また、図5において制御ユニット5は大便器用洗浄装置10に内蔵されているが、大便器用洗浄装置10に外付けされるタイプの制御ユニットを使用しても良い。
【0069】
図6は、利用者がトイレを利用している際の大便器用洗浄装置10を示している。
図6で示すように、利用者がトイレを利用している際には、芳香剤容器2の自動開閉蓋3が開放して、徐放された芳香剤が送風ファン4の正回転により生じた空気流F2、F3に連行されて、大便器用洗浄装置10の上方の芳香剤吹出口73Aから放出される。
【0070】
図6において、利用開始信号が制御ユニット5に入力されると(図4の制御フローチャートのステップS11がYES)、制御ユニット5はラインLc1(図5)を介して開閉駆動装置3Mに制御信号を発信し、芳香剤容器2の自動開放蓋3を開放する。同時に、制御ユニット5はラインLc2(図5参照)を介して、送風ファン4の駆動モータに制御信号を発信して、送風ファン4を正回転させる。
【0071】
送風ファン4を正回転させると、ケーシング7の内部の領域C3が負圧となり、下方カバー7Bのオゾン吹出口73Bにおける可動式ルーバー9を経由して、外気がケーシング7の内部の領域C3に流入する。その際の空気流が、図6における符号F1で示されている。
ここで、自動開閉蓋3は既に開いており、領域C2は芳香剤吹出口73Aに連通している。領域C3に流入した空気は、送風ファン4によって領域C3から領域C2に流入し(矢印F2で示す空気流)、上方カバー71Aの芳香剤吹出口からケーシング外に流出する(矢印F3で示す空気流)。
【0072】
芳香剤容器2に貯留した芳香剤は揮発性であるので、芳香剤容器2から揮発して徐放された芳香剤Mは、矢印F3で示す空気流に連行されて、芳香剤吹出口73Aからケーシング外に放出される。
【0073】
図7は、利用者がトイレから退室した直後にオゾンにより除菌、滅菌、消毒或いは有機物の酸化をしている状態、或いは、セルフクリーニングの際にオゾンにより除菌、滅菌、消毒或いは有機物の酸化をしている状態を示している。
図7において、オゾン発生装置(オゾナイザー)1から発生したオゾンO3が、送風ファン4の逆回転により生じた空気流F11、F12に連行され、オゾンを大量に含んだオゾンエアーとなって、可動式ルーバー9を経由して、大便器用洗浄装置10の下方から放出される。
【0074】
図7において、自動流水器6から利用終了信号が制御ユニット5に入力され、且つ、自動流水器6から大便或いは小便の判定信号が入力されると(図4のステップS19或いはステップS20)、制御ユニット5はラインLc3(図5参照)を介して、オゾン発生装置1に制御信号を発信し、オゾンを発生させる。
同時に制御ユニット5は、ラインLc2(図5参照)を介して送風ファン4のDCモータに制御信号を送り、送風ファン4を逆回転させる。送風ファン4が逆回転すると、ケーシング7内の領域C2内は負圧となり、所定の圧力以下に降圧するとリード弁Vが開き、通風孔32が開放される。
【0075】
通風孔32が開放されると、矢印F11で示す様に、上方カバー7Aの芳香剤吹出口73Aから外気が領域C1に流入し、通風孔32から領域C2に流入する。領域C2に流入した空気流は、矢印F12で示す様に、送風ファン4の逆回転によって領域C3に流入する。
領域C3に流入した空気流F12は、オゾン発生装置1で発生したオゾンO3を連行して、矢印F13で示す様に、下方カバー7Bのオゾン吹出口73Bに設けた可動式ルーバー9を経由して、ケーシング外に放出される。
【0076】
図8を参照して第2実施形態を説明する。
図1〜図7の第1実施形態では、芳香剤の放出とオゾンエアーの放出とは、同一の送風ファン4の回転方向を、正回転と逆回転に切り換えることにより行なわれた。
これに対して、図8の第2実施形態に係る大便器用洗浄装置10Aでは、同一サイズの2個のファン4A、4Bを設け、芳香剤放出に際してはファン4Aを作動し、オゾンエアー放出の際にはファン4Bを作動している。
【0077】
図8において、上方カバー7Aと下方カバー7Bとの境界が符号Hで示されており、符号INが空気取入口を示している。ここで空気取入口1Nは、第1実施形態には設けられていない構成要件である。
図8で示す様に、空気取入口INの上方に芳香剤放出用のファン4Aが配置され、空気取入口INの下方にオゾンエアー放出用のファン4Bが配置されている。
【0078】
図8において、図5〜図7に比較して、高電圧発生装置8の配置がケーシングベース7Cのバックプレート71C寄り(図8では右側)に移動している。
オゾン発生装置1は、高電圧発生装置8の上方配置されている。
【0079】
芳香剤放出用のファン4Aは、ラインLc21を介して、制御ユニット5と接続している。また、オゾンエアー放出用のファン4Bは、ラインLc22を介して、制御ユニット5と接続している。
【0080】
図8において、芳香剤放出用のファン4Aを作動した場合における空気流を、矢印Faで示している。係る空気流Faは芳香剤放出に関連しており、芳香剤を連行する空気流の流線を示している。
一方、図8において、オゾン放出用のファン4Bを作動した場合の空気流が、矢印Fbで示されている。そして矢印Fbは、オゾンを連行する空気流の流線を示している。
【0081】
図8では図示を省略しているが、ケーシング7に関しては、ファンの増設に伴うファン支持部材を追加した点を除けば、図1〜図7の第1実施形態と概略同様である。
図8の第2実施形態における上記以外の構成及び作用効果については、図1〜図7の第1実施形態と同様である。
【0082】
図9を参照して、第3実施形態を説明する。
図9において、第3実施形態に係る大便器用洗浄装置は、全体が符号10Bで示されており、図8の第2実施形態と同様に、2個のファン、すなわち芳香剤放出用のファン4A及びオゾンエアー放出用のファン4Bを使い分けている。
ただし、図9の第3実施形態では、オゾンエアー放出用のファン4Bを芳香剤放出用のファン4Aに対して小型化し、且つ、オゾンエアー放出用のファン4Bを図8で示す位置よりも下方に配置している。
係る構成を採用することにより、空気取入口INの断面積を大きくして、大量の空気を取り入れることが可能となっている。
【0083】
そして図9の第3実施形態では、オゾンエアー放出用ファン4Bの配置や寸法を変更したことにより、オゾンエアー流路を構成する仕切り壁の配置が工夫されている。なお、図8では、オゾンエアー流路を構成する仕切り壁は特に設けられていない。
【0084】
図9において、芳香剤放出用のファン4Aとオゾンエアー放出用のファン4Bとの間の領域には、高電圧発生装置8及び制御ユニット5が配置されている。
オゾンエアー放出用のファン4Bの前端部(図9では左端部)から可動ルーバー9の後端(図9では右端)にかけて、仕切り板76が設けられている。仕切り板76は、後方(図9では右方)が下がるように傾斜している。
また、ケーシングベース7Cのバックプレート71Cにおいて、下方の所定の位置(上下方向について、仕切り板76の下端の高さ相当位置)には仕切り板77が設けられており、仕切り板77は、前方(図9では左方)に向かって下降するように傾斜している。
仕切り板76、77の下端は、可動式ルーバー9の空気導入側(可動式ルーバー9の後端:図9では可動式ルーバー9の右端)近傍に延在している。
【0085】
図9において、矢印Faは芳香剤放出時の気体流を示し、矢印Fbはオゾン放出時の気体流を示している。
図9の第3実施形態におけるその他の構成及び作用効果は、図8の第2実施形態と同様である。
【0086】
図10は、本発明の第4実施形態を示している。
図10において、第4実施形態に係る大便器用洗浄装置は、全体を符号10Cで示されている。
図8、図9の実施形態は、芳香剤放出用のファン4Aと、オゾンエアー放出用のファン4Bとを備えているが、図10の第4実施形態は、図1〜図7の第1実施形態と同様に、単一のファン4のみを設けている。
【0087】
図10において、符号Hは、ケーシング7の上方カバー7Aと下方カバー7Bとの境界を示している。
下方カバー7Bの上端近傍には、空気取入口INが形成されている。空気取入口INの後方(図10の右方)には送風ファン4が配置されており、送風ファン4の回転軸は水平方向に延在している。
送風ファン4の後方(図10の右方)には、風向バルブ92が設けられている。風向バルブ92は、ケーシング7内部に導入した空気の向きを、上方或いは下方の何れかに方向転換させる機能を有しており、バックプレート71Cの図示しないヒンジブラケットに回動自在に枢着されている。
【0088】
風向バルブ92の下方には、風向バルブ92を駆動するアクチュエータ(例えばソレノイド)90が、バックプレート71Cに取り付けられている。
アクチュエータ90と風向バルブ92とは、リンクロッド94によって接続されている。そして風向バルブ92の向き、すなわちケーシング7内部に導入した空気の向きを上方或いは下方の何れかに方向転換するかは、リンクロッド94を伸長、収縮することにより調節される。
アクチュエータ90は制御ユニット5の基盤50により制御されており、リンクロッド94を伸長、収縮して風向バルブ92の向きを調節し、以って、ケーシング7内部に導入した空気の向きを上方或いは下方に方向転換する。図10において、実線で示す風向バルブ92の状態では、空気取入口INから流入した空気F1は、下方へ方向転換されて矢印F2で示す空気流となり、図10では図示しないオゾナイザー8側に誘導(F2)される。
【0089】
図10の第4実施形態におけるその他の構成及び作用効果は、図1〜図9の各実施形態と同様である。
【0090】
図11は本発明の第5実施形態を示している。
図11において、第5実施形態に係る大便器用洗浄装置は、全体が符号10Dで示されている。
図1〜図10の各実施形態では、芳香剤容器2上方の部分(開口部を設けた箇所を含む)は、複数段(例えば2段)の段部(ネック)を設けて構成されている。
それに対して、図11の第5実施形態では、芳香剤容器2Aの開口部は、芳香剤収容部分21に対して段部を形成していない。
そして、芳香剤容器2Aの開口部を開閉する自動開閉蓋3Aは、図1〜図10の各実施形態における自動開閉蓋3の様なハット(帽子)形状をしておらず、平板状(円盤状)に構成されている。
【0091】
図11の第5実施形態において、自動開閉蓋3Aの面積が大き過ぎると送風ファン4における送風面積を完全に閉鎖してしまう恐れがあるので、自動開閉蓋3Aの代表寸法(円盤状の蓋の直径)は、例えば、ファンの羽根における回転直径の80%程度であるのが好ましい。
なお図11では、芳香剤容器2Aの開口部には弁座3Bが設けられ、その弁座3Bに芳香剤が除放するための通気口3Boが形成されている。
【0092】
図11の第5実施形態におけるその他の構成及び作用効果は、図1〜図10の各実施形態と同様である。
ここで、図1〜図10の各実施形態と、図12〜図18を参照して後述する実施形態において、図11の第5実施形態における平板状の自動開閉蓋3Aを適用することが可能である。
【0093】
次に、図12〜図18を参照して第6実施形態を説明する。
図1〜図11で示す大便器用洗浄装置は、何れも、芳香剤放出という機能と、オゾン放出という機能を有している。
これに対して、図12〜図18の第6実施形態では、芳香剤放出の機能は選択的であり、オゾンは放出するが芳香剤は放出しないというオプションが可能である。
【0094】
第6実施形態では、オゾンエアーを放出して大便器及びその周辺の滅菌、除菌、消毒、有機物の酸化を行なうことは必須であるが、芳香剤は利用者毎に嗜好性があり、好みの問題が大きいため必須とはしていない。
そのため、図12で示す(第6実施形態に係る大便器用洗浄装置の)基本的な構成では、オゾンを放出する構成は具備しているが、芳香剤を放出する構成はぐびしていない。
ただし、第6実施形態においても、図13で示すように、オゾンを放出する構成と、芳香剤を放出する構成とを併せ持つことが可能である。ただし、上述した通り、図13で示す芳香剤を放出する構成は、第6実施形態ではあくまでもオプションであり、必須の構成ではない。
【0095】
図12において、第6実施形態に係る大便器用洗浄装置は、全体が符号10Eで示されており、上端全面が傾斜した上方開口部701を有するケーシング700と、開口部701を覆うオゾンのみ対応のトップカバー(以下、「丈の低いめくらキャップ」と記載する:図14参照)710とを有している。
ケーシング700の底部702には空気導入口703が形成され、ケーシング700の前面704にはオゾン吹出口705が形成されている。
ケーシング700の内部で、オゾン吹出口705の真上には、水平仕切り部706が形成されている。水平仕切り部706は、ケーシング700の水平断面の約半分の面積を覆う様に配置され、且つ、一端が前面704の裏面側と接続している。そして、水平仕切り部706と概略面一の領域で、且つ、水平仕切り部706により覆われていない領域は、風向バルブ92によって開閉される。
風向バルブ92は、芳香剤を放出する構成を具備していない場合には、図12において実線で示す様に、常時閉鎖されている。
【0096】
ケーシング700の内部において、オゾン吹出口705に対応する位置には可動ルーバー9が設けられ、空気導入口703の真上には送風ファン4が配置されている。そして、送風ファン4と風向バルブ92との間の領域には、オゾン発生装置1が公知の手段によってケーシング700に取り付けられている。
風向バルブ92の上方には高電圧発生装置8が配置され、その高電圧発生装置8の前方(図12の左方)には、制御ユニット5が配置されている。
【0097】
上述した通り、図12で示す大便器用洗浄装置10Eは、オゾン(オゾンエアー)を放出する構成は有しているが、芳香剤を放出する構成は具備していない。
これに対して、図13において全体を符号10Fで示す大便器用洗浄装置は、図12における大便器用洗浄装置10Eのケーシング700上方に、芳香剤対応カバー(以下、「芳香キャップ」と記載する:図14参照)720を配置しており、芳香キャップ720の内部には、芳香剤容器2、芳香剤の自動開閉蓋3、自動開閉蓋3の開閉駆動装置3M、風向バルブ92の開閉用アクチュエータ90が内蔵されている。そして、芳香キャップ720には芳香剤吹出口720aが形成されている。
なお図13において、符号94は、アクチュエータ90と風向バルブ92とを接続するロッドリンクを示している。
【0098】
図12の状態では、前述したように、風向バルブ92の開閉用アクチュエータ90は設けられていないので、風向バルブ92は閉鎖した状態のままである。
そのため図12の状態では、オゾンエアーをトイレの下方の領域へ放出するのみであるため、風向バルブ92を開放する必要がない。
【0099】
それに対して、図13の状態では、芳香剤をトイレ上方の空間に放出する場合には、開閉用アクチュエータ90により風向バルブ92を開放し、送風ファン4で吸い込んだ空気を、上方の芳香キャップ720側に移動可能にしている。
ここで図13では、風向バルブ92を開放する際には、芳香剤用の開閉蓋3も開放する。そして、送風ファン4で吸い込まれたエアーが芳香材容器2から徐放された芳香剤を連行し、芳香剤を連行した空気流は矢印Faで示す様に、エアーは便器用洗浄装置10Fの上方からトイレの上方領域へ放出される。
なお図13において、矢印Fbで示す空気流は、オゾン放出時におけるケーシング内のエアーの流れを示している。
【0100】
ここで、図12で示す状態の大便器用洗浄装置10Eで説明した各種機器は、図14におけるベース700Bに内蔵されている。そして、図12で示す大便器用洗浄装置10Eのケーシングは、図14のベース700B(図12のケーシング700に相当)に、図14のフロントカバー700Fと、図14で立体的に示す高さの低いメクラキャップ710を被せて、図16の(1)で示す様に構成されている。
【0101】
一方、図13で示す状態の大便器用洗浄装置10Fのケーシングは、図14のベース700Bに、フロントカバー700Fと芳香キャップ720とを被せて、図15の(2)、或いは、図16の(2)で示す様に構成されている。
図16から明らかな様に、図14で示す丈の低いめくらキャップ710を用いた大便器用洗浄装置10E(図12)のケーシングは、図14の芳香キャップ720を用いた大便器用洗浄装置10F(図13)のケーシングとでは、図16の符号δで示す寸法差が生じる。
【0102】
図12で示す状態の大便器用洗浄装置10Eのケーシングを、図14におけるオゾンベース700Bに図14における丈の高いめくらキャップ711を被せて、図15の(1)で示す様に構成することも可能である。
また、図13で示す状態の大便器用洗浄装置10Fのケーシングを、図14のオゾンベース700Bに図14の芳香キャップ720を被せて、図15の(2)で示す様に構成することも可能である。
そのように構成すれば、図15で示す様に、大便器用洗浄装置10Eのケーシング(図15の(1)で示す)と、大便器用洗浄装置10Fのケーシング(図15の(2)で示す)とで、高さ方向の寸法差は生じない。その様に構成すれば、例えば、出荷時の梱包サイズを共通にすることができる。
【0103】
第6実施形態では、図12で示す大便器用洗浄装置10Eに対して、図13で示す大便器用洗浄装置10Fの例をオプション扱いとすることにより、製造時のオゾンベース(ケーシング)の型の共通化や、構造の簡略化が図られ、製造コストの削減にも貢献する。
【0104】
図17は第6実施形態の第1変形例を示している。
図17で示す変形例では、オゾンベース760Bに芳香剤キャップ725を組付ける方法が、図12〜図16とは異なる。
図17において、オゾンベース760Bの上方端部の四隅部には、例えば、円形断面の凹部(孔)Gが形成されている。一方、芳香キャップ725には、オゾンベース760Bの凹部Gに対応する個所に、円柱状の突起Tが設けられている。突起Tは、オゾンベース760Bの凹部Gに嵌合して、オゾンベース760Bと芳香剤キャップ725とを一体化している。
【0105】
図18は第6実施形態の第2変形例を示している。
図18では、オゾン専用タイプのベース770Bに、芳香キャップに相当する部材727を入れ子式に嵌め込んでいる。
図18のように、入れ子式に嵌め込む様に構成すれば、図17の第1変形例のように、凹部Gと突起Tとを形成する必要が無くなるので、製造コストを低減することが出来る。
【0106】
図12〜図18の第6実施形態におけるその他の構成及び作用効果は、図1〜図11の各実施形態と同様である。
【0107】
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではない旨を付記する。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明の第1実施形態のブロック図。
【図2】本発明の第1実施形態に係るトイレの断面図。
【図3】本発明の実施形態で用いられる自動流水器の制御フローチャート。
【図4】第1実施形態に係る大便器用洗浄装置の制御フローチャート。
【図5】第1実施形態に係る大便器用洗浄装置の断面図。
【図6】第1実施形態における芳香剤徐放時の空気流を示す断面図。
【図7】第1実施形態におけるオゾン発生時の空気流を示す断面図。
【図8】本発明の第2実施形態の断面図。
【図9】本発明の第3実施形態の断面図。
【図10】本発明の第4実施形態の断面図。
【図11】本発明の第5実施形態の部分断面図。
【図12】本発明の第6実施形態の基本タイプを示す断面図。
【図13】本発明の第6実施形態の芳香剤放出可能タイプを示す断面図。
【図14】本発明の第6実施形態におけるオゾンベースとフロントカバーとめくらキャップと芳香剤キャップの各々を示す斜視図。
【図15】本発明の第6実施形態において、オゾンベースと丈の高いめくらキャップとを組合せた大便器用洗浄装置と、オゾンベースと芳香剤キャップとを組合せた大大便器用洗浄装置とを比較して示す斜視図。
【図16】本発明の第6実施形態において、オゾンベースと丈の低いめくらキャップとを組合せた大便器用洗浄装置と、オゾンベースと芳香剤キャップとを組合せた大便器用洗浄装置とを比較して示す斜視図。
【図17】本発明の第6実施形態の第1変形例を示す斜視図。
【図18】本発明の第6実施形態の第2変形例を示す斜視図。
【符号の説明】
【0109】
1・・・オゾン発生器
2・・・芳香剤収容装置/芳香剤容器
3・・・自動開閉蓋/芳香剤容器の蓋
4・・・送風ファン
5・・・制御ユニット
6・・・自動流水器
7・・・ケーシング
8・・・高電圧発生装置
9・・・可動式ルーバー
10・・・大便器用洗浄装置
100・・・トイレット
【技術分野】
【0001】
本発明は、個室式のトイレに用いられる大便器に関する。より詳細には、大便器の消臭或いは脱臭、滅菌、除菌或いは消毒を自動化する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
芳香剤によりトイレ内の悪臭を除去して、いわゆる「トイレのアニメティ」を実現するために、芳香及び洗浄作用を有する薬剤を貯水タンク等に設ける商品が、従来から種々存在する。
しかし、その様な芳香による脱臭、消臭は、薬剤が貯水タンク内の水に常時溶解することにより行われるものであり、薬剤の消費が早い。
また、洗浄水の経路中に薬剤を配置して、洗浄水が流れる際に薬剤が溶解して脱臭、消臭を行なうタイプのものが存在するが、その様なタイプにおいても当該薬剤の消費が早い。
【0003】
さらに、大便器周辺の各種機器のスイッチやレバー等を利用者が操作しない限り水が流れない構造を採用している場合が多く、利用者がスイッチやレバー等に手を触れることなく、自動的することが困難である。
それに加えて、貯水タンク内の水が流れない箇所、例えば大便器の便座シートに便や汚れが付着した場合には、清浄化が困難である。
さらに、完全に自動化されたトイレを新たに製造するには、多額の開発費が必要となり、これもまた実現が困難である。
【0004】
ここで、従来技術において、大便器を設置した個室(トイレ)をユーザーが使用したことを感知する技術と、小便に利用したか大便に利用したかの判断する技術は、既に存在している。
従来技術におけるその様な「感知(トイレをユーザーが使用したことの感知)」する技術及び「判断(小便か大便かの判断)」する技術を利用して、利用者が手を触れることなく「芳香による脱臭、消臭」及び「便座及び便座シートの清浄化」を自動的に行なう要請が存在する。
しかし、その様な要請に応えることが出来る従来技術は、未だに提案されていない。
【0005】
その他の従来技術として、例えば、貯水タンク内に薬剤収容部を設け、貯水タンクに供給される水の一部が薬剤収容部に供給されて薬剤を溶解し、薬剤収容部を設けた箇所への水の供給が途絶えた際に溶解した薬剤を貯水タンク内に流出する技術が提案されている(特許文献1参照)。
しかし、係る技術(特許文献1)は、薬剤収容部が貯水タンク内に設けられているので、貯水タンク内の水により薬剤が常時溶解され、薬剤が早期に消費されてしまうという問題を有している。
また、上述した従来技術の各種問題点を解消することが出来ない。
【特許文献1】特開2003−247256号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、便器を使用したことを感知し、小便をしたか大便をしたかの判断を行なう技術を利用して、便器の利用者が便器周囲の機器に手を触れることなく、脱臭(或いは、消臭)及び清浄を自動的に行なうことの出来る大便器用洗浄装置の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の大便器用洗浄装置は、オゾン(O3)を発生する装置(オゾナイザー1及び高圧電源)と、芳香剤を収容する芳香剤収容装置(芳香剤容器2)と、芳香剤収容装置(芳香剤容器2)の開口を開放し閉鎖する開閉装置(芳香剤容器の自動開閉蓋3)と、空気流を発生する装置(ファン4)と、制御装置(5)とを有し、該制御装置(5)は、自動流水装置(自動流水器6)が感知した利用者のトイレ(100)への入室及び退室を示す信号と大便に利用したか小便に利用したかの判断信号を受信する機能と、利用者がトイレ(100)に入室した場合に徐放された芳香剤を連行した気体(エアー)流をトイレの上方の空間(E1)に放出する機能と、利用者がトイレ(100)から退室した際には芳香剤を連行した気体の放出を停止してオゾンを大量に含む気体(オゾンエアー)をトイレ下方の空間(E2)に放出する機能と、前記判断信号に基づいてオゾンを大量に含む気体(オゾンエアー)をトイレ下方の空間(E2)に放出する時間を決定する機能とを有していることを特徴としている(請求項1)。
ここで、本発明の大便器用洗浄装置における「洗浄」なる文言は、本明細書においては、滅菌、除菌、有機物の酸化、消毒を包含する意味で用いられている。
【0008】
本発明において、前記制御装置(5)は、利用者がトイレ(100)を退室してから所定時間(セルフクリーニング待機の所定時間)が経過する間に利用者がトイレ(100)に入室しない場合(トイレを利用しない時間がセルフクリーニング待機の所定時間以上経過した場合)にはオゾンを大量に含む気体(オゾンエアー)をトイレ下方の空間(E2)に放出する機能(セルフクリーニング機能)を有するのが好ましい(請求項2)。
【0009】
また本発明において、前記制御装置(5)は、オゾンを大量に含む気体(オゾンエアー)をトイレ下方の空間(E2)に放出する際に、所定の放出時間が経過してオゾンを大量に含む気体(オゾンエアー)の放出を停止するべき時点で、当該オゾンを大量に含む気体(オゾンエアー)の放出が停止されない場合(ステップS24がNO)には、故障が生じたと判断して(本発明に係る大便器用洗浄装置を)強制終了する機能を有しているのが好ましい(請求項3)。
【0010】
或いは、本発明の大便器用洗浄装置は、オゾン(O3)を発生する装置(オゾナイザー1及び高圧電源)と、空気流を発生する装置(ファン4)と、制御装置(5)とを有し、該制御装置(5)は、自動流水装置(自動流水器6)が感知した利用者のトイレ(100)からの退室を示す信号と大便に利用したか小便に利用したかの判断信号を受信する機能と、利用者がトイレ(100)から退室した際にオゾンを大量に含む気体(オゾンエアー)をトイレ下方の空間(E2)に放出する機能と、前記判断信号に基づいてオゾンを大量に含む気体(オゾンエアー)をトイレ下方の空間(E2)に放出する時間を決定する機能とを有していることを特徴としている(請求項4)。
【0011】
係る大便器用洗浄装置(請求項4の大便器用洗浄装置)において、前記大便器用洗浄装置(請求項4の大便器用洗浄装置)に脱着可能な芳香剤用ユニット(720)を備え、該芳香剤用ユニット(720)は、芳香剤を収容する芳香剤収容装置(芳香剤容器2)と、芳香剤収容装置(芳香剤容器2)の開口を開放し閉鎖する開閉装置(芳香剤容器の自動開閉蓋3、開閉駆動装置3M)とを有しており、前記制御装置(5)は、自動流水装置(自動流水器6)が感知した利用者のトイレ(100)への入室信号を受信する機能と、利用者がトイレ(100)に入室した場合に徐放された芳香剤を連行した気体(エアー)流をトイレの上方の空間(E1)に放出する機能と、利用者がトイレ(100)から退室した際には芳香剤を連行した気体の放出を停止する機能を有しているのが好ましい(請求項5)。
【0012】
係る大便器用洗浄装置(請求項4、5の大便器用洗浄装置)においても、前記制御装置(5)は、利用者がトイレ(100)を退室してから所定時間(セルフクリーニング待機の所定時間)が経過する間に利用者がトイレ(10)に入室しない場合(トイレを利用しない時間がセルフクリーニング待機の所定時間以上経過した場合)にはオゾンを大量に含む気体(オゾンエアー)をトイレ下方の空間(E2)に放出する機能(セルフクリーニング機能)を有するのが好ましい。
また、前記制御装置(5)は、オゾンを大量に含む気体(オゾンエアー)をトイレ下方の空間(E2)に放出する際に、所定の放出時間が経過してオゾンを大量に含む気体(オゾンエアー)の放出を停止するべき時点で、当該オゾンを大量に含む気体(オゾンエアー)の放出が停止されない場合(ステップS24がNO)には、故障が生じたと判断して(本発明に係る大便器用洗浄装置を)強制終了する機能を有しているのが好ましい。
【0013】
本発明において、対象とするのは大便器であり、いわゆる「和式」便器、「洋式」便器の双方に適用可能である。
ただし、個室ではないトイレ、例えば複数の男性用小便器を配置したトイレは、本発明の対象ではない。
【発明の効果】
【0014】
上述する構成を具備する本発明によれば、利用者がトイレ(100)から退室した際には芳香剤を連行した気体の放出を停止してオゾンを大量に含む気体(オゾンエアー)をトイレ下方の空間(E2)に放出する様に構成されているので、放出されたオゾンが大便器(11)の周辺に飛散した有機物と反応して、当該有機物を迅速に酸化して滅菌し、腐敗を停止させて悪臭を遮断する。その結果、オゾンにより酸化された有機物の除菌、滅菌、消毒、消臭がおこなわれ、有機物が飛散した大便器(11)周辺の環境を清浄化する。それに加えて、大便器(11)の便座シートも除菌、滅菌、消毒され清浄化される。
また、本発明の大便器用洗浄装置は、作動用の電源が確保できるのであれば、大便器が装備されている個室(トイレ)内の任意の箇所へ極めて簡単に取り付けることが可能である。そのため、既存のトイレを大々的に改造することなく、容易に取り付けることが出来る。
【0015】
ここで、オゾンを大量に含む気体(オゾンエアー)が放出されるのは利用者がトイレ(10)から退室した後なので、利用者がオゾンを吸引してしまうことは防止される。
また、自動流水装置(自動流水器6)による大便に利用したか小便に利用したかの判断信号に基づいて、オゾンを大量に含む気体(オゾンエアー)をトイレ下方の空間(E2)に放出する時間を決定する様に構成されているので、適正流量のオゾンが放出される。そのため、オゾンの量が不足して滅菌、除菌、消毒或いは有機物の酸化が不十分であるという事態が防止されると共に、オゾンが過剰に放出され、残留したオゾンを利用者が吸引してしまう事態も回避することができる。
【0016】
また本発明によれば、利用者がトイレ(100)に入室した場合に徐放された芳香剤を連行した気体(エアー)流をトイレの上方の空間に放出するので、利用者が便器(11)を利用している間、大便器(11)が配置された個室内は芳香が漂う快適な空間となる。
そして、利用者がトイレ(100)から退室した際には芳香剤を連行した気体の放出を停止するので、芳香剤が必要以上に消費されることはなく、芳香剤の消費速度が鈍化し、同一容量であれば、従来の芳香剤に比較して、芳香剤が揮発してなくなってしまうまでの時間(芳香剤の寿命)が長期間化され、新たな芳香剤を補填する頻度を少なくすることが出来る。
【0017】
本発明において、利用者のトイレ(100)への入室及び退室を感知する機能と、大便に利用したか小便に利用したかを判断する機能を有する自動流水装置(自動流水器6)を備えているが、係る自動流水装置(6)としては、公知、市販のもの、例えば本出願人の先願に係る特開2007−218040号公報で開示された洗浄装置を用いることが可能である。
換言すれば、本発明によれば、公知、市販の自動流水装置(自動流水器6)をそのまま適用することが出来るので、大幅な工事を伴うこと無く、既存のトイレの設備をそのまま利用することが出来る。そのため、導入する際のコストを極めて低く抑えることが可能である。
【0018】
本発明において、利用者がトイレ(100)を退室してから所定時間(セルフクリーニング待機の所定時間)が経過する間に利用者がトイレ(100)に入室しない場合(トイレを利用しない時間がセルフクリーニング待機の所定時間以上経過した場合)に、オゾンを大量に含む気体(オゾンエアー)をトイレ下方の空間に放出する(セルフクリーニングを行なう)様に構成すれば(請求項2)、大便器(11)内壁面における側面部分(便器不使用時には、水に接触していない部分)において、当該側面部分に付着している有機物にオゾンが直接接触して反応し、有機物の腐敗を防止する。そのため、大便器(11)内壁面における側面部分に付着した有機物が乾燥することに起因して、悪臭が発生することを防止できる。
【0019】
また本発明において、所定の放出時間が経過してオゾンを大量に含む気体(オゾンエアー)の放出を停止するべき時点で、当該オゾンを大量に含む気体(オゾンエアー)の放出が停止されない場合(ステップS24がNO)に、故障が生じたと判断して本発明に係る大便器用洗浄装置を強制終了する様に構成すれば(請求項3)、強制終了と同時にオゾンの発生も遮断されるので、トイレ(100)に大量のオゾンが残存することが防止される。そして、トイレ(10)に入室した利用者が、個室内に残存しているオゾンを大量に吸引してしまうという不都合を回避することが出来る。
【0020】
さらに本発明の大便器用洗浄装置において、オゾン(O3)を大量に含む気体(オゾンエアー)をトイレ下方の空間(E2)に放出する構成は必須の構成要件であるが、芳香剤を連行した気体(エアー)流をトイレの上方の空間(E1)に放出する構成を選択的に脱着可能にすれば(請求項4、5)、趣味性或いは嗜好性が強く、好みの問題が大きい芳香剤の放出の有無を、本発明の大便器用洗浄装置の設置に際して、利用者によって選択させることが出来る。
その結果、構成が簡略化され、製造コストを低く抑えることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
先ず、図1〜図7に基づいて第1実施形態を説明する。
図1、図2において、第1実施形態を適用したトイレは、全体を符号100で示されている。トイレ100は周囲から仕切られた個室として構成されており、大便器11が設けられており、自動流水器6と第1実施形態に係る大便器用洗浄装置10とを有している。
ここで、自動流水器6は、利用者がトイレ100に入室して大便器11を使用したことを感知し、小便をしたか大便をしたかを判断する。そして、係る判断結果に基づいて、利用者がトイレ100を退室した際に、大便器11に対して適切な流量の洗浄水を流す様に構成されている。
【0022】
係る自動流水器6として、図示の実施形態においては、公知の市販品をそのまま適用することが出来る。
例えば、本出願人の先願に係る特開2007−218040号公報で開示された洗浄装置を用いることが可能である。もちろん、上述した自動流水器は特開2007−218040号公報の装置に限定されるものではない。
図示の実施形態で用いられる自動流水器6は、利用者がトイレ100に存在するか否か、或いは利用者が大便器11を利用しているか否かを判断するためのセンサも内蔵している。係るセンサとしては、赤外線方式のアクティブセンサやパッシブセンサ、利用者から発せされる赤外線や体温を検知するセンサ、その他の公知、市販のセンサが適用可能である。
また、図示の実施形態における自動流水器6は、直流電源を内蔵しているか、或いは、図示しない商用電源と電源ラインL1によって接続されている。そして、AC/DC変換装置を内蔵している。
【0023】
図1で示すように、自動流水器6と大便器用洗浄装置10とは、ケーブルL2で接続されている。このケーブルL2を介して、自動流水器6から「大便器11を使用したことの感知」、「小便をしたか大便をしたかの判断結果」についての信号(情報)が、「コマンド」として大便器用洗浄装置10の制御ユニット5に送られる。
それと共に、ケーブルL2は、大便器用洗浄装置10の駆動電流を、自動流水器6に内蔵された直流電源或いはAC/DC変換装置から供給する電源ケーブルとしても作用する。
【0024】
大便器用洗浄装置10は、ケーシング7を備えている。
ケーシング7内の下方領域にはオゾン発生器1と制御ユニット5が配置され、上方領域には芳香剤収容装置(以下、「芳香剤容器」と記載する)2が配置されている。
図1の上下方向について、オゾン発生器1及び制御ユニット5と、芳香剤容器2との間の領域には、送風ファン4が設けられている。
ケーシング7の外側表面には、図1の上下方向において、オゾン発生器1及び制御ユニット5と、送風ファン4との間の領域に相当する位置に、オゾン(O3)を大量に含む気体(オゾンエアー)の吹出口73Bが形成されている。
【0025】
芳香剤容器2の上端部には、芳香剤放散用の自動開閉蓋(以下、「芳香剤容器の蓋」と記載する)3が設けられており、芳香剤容器の蓋3の上方には、芳香剤吹出口73Aが形成されている。
なお、芳香剤容器の蓋3の自動開閉機構と、オゾンエアーの吹出口73Bと、芳香剤吹出口73Aとについては、図5以降を参照して後述する。
ケーシング7は複数の部材で構成されているが、ケーシングの詳細や、ケーシング内の空気の流れ等についても、図5以降を参照して後述する。
【0026】
制御ユニット5は、「芳香剤容器の蓋の開閉制御」を行なう機能と、「便器使用後の消毒制御」を行なう機能と、「トイレの非利用時間帯におけるセルフクリーニング制御」を行なう機能と、「安全運転制御」を行なう機能とを備えている。
【0027】
「芳香剤容器の蓋の開閉制御」については、自動流水器6(より詳細には、自動流水器6に設置された図示しないセンサ)によってトイレが利用されている旨が検知されると、トイレ100に利用者が入室してから退出するまでの間、制御ユニット5は、芳香剤容器2の自動開閉蓋3を開放する制御を行なう。
「便器使用後の消毒制御」については、自動流水器6(より詳細には、自動流水器6に設置された図示しないセンサ)によって大便、小便の流水完了信号を受信したら、制御ユニット5はオゾン発生装置1及び送風ファン4に制御信号を送り、大便、小便の各々について設定された時間だけオゾンを発生させ、送風ファン4を駆動してオゾンを大量に包含する空気(オゾンエアー)を放出せしめる。
ここで、大便、小便の各々について設定されたオゾンを発生する時間は、例えば大便であれば90秒間、小便であれば30秒間である。
また、「便器使用後の消毒制御」における「消毒」なる文言は、除菌、滅菌、消毒、有機物の酸化等の意味を包含している。
【0028】
「トイレの非利用時間帯におけるセルフクリーニング制御」では、制御ユニット5は、利用者が退出した後、第1の所定時間(セルフクリーニング待機時間)が経過したら、第2の所定時間(セルフクリーニング設定時間)だけオゾンエアーを放出させると共に、送風ファン4を駆動させる。すなわち、長時間(第1の所定時間或いはセルフクリーニング待機時間よりも長い時間)に亘ってトイレが使用されなかった場合(例えば、3時間に亘ってトイレが使用されなかった場合)には、自動的にセルフクリーニングを行なう。セルフクリーニングの詳細については、図4を参照して後述する。
【0029】
「安全運転制御」について、前記「便器使用後の消毒制御」の最中に、換言すれば便器利用後にオゾンを大量に含む気体をトイレ内に放出している間に、次の利用者がトイレに入室した場合は、当該次の利用者はトイレ内に吹き込まれているオゾンを吸い込んでしまうことになり、好ましくはない。そのため制御ユニット5は、オゾン発生装置1でオゾンを発生している最中に次の利用者がトイレに入室した場合、速やかにオゾンの発生を停止する制御を行なう。
また、制御ユニット5は、機器の故障等の要因で、オゾンの発生が所定時間以上続いても停止しない場合には、図示の実施形態に係る大便器用洗浄装置10の作動を強制的に中止させて、例えばLEDランプ等の表示手段によって故障を知らせる制御を行なう。
【0030】
上述したように、大便器用洗浄装置10は、トイレ利用者がトイレ100から出た時(退室した際)、所定時間だけオゾンを放出するように構成されている。そして、放出されたオゾンは大便器11の周辺に飛散した有機物質(小便等)と反応し、有機物質を急速に酸化することにより、滅菌、除菌或いは消毒と、消臭とを行なう。
それに加えて、大便器11の便座シートにオゾンが接触することによって、便座シートが滅菌、除菌或いは消毒されて、清浄化される。すなわち、オゾンが放出されることにより、大便器11及びその周辺環境が、常時、清浄化される。
【0031】
図2において、芳香剤は個室(トイレ)100の上方空間E1に放出され、オゾンエアーは個室100の下方の領域E2へ放出される。すなわち、芳香剤の放出方向と、オゾンエアーの放出方向は、上下方向について逆方向となっている。
送風ファン4(図1参照)のモータを直流モータ(DCモータ)とし、そのDCモータに供給される直流電流の極性を切り換えることにより、送風ファン4の回転方向を正回転方向と逆回転方向に切り換えることが出来る。そして、芳香剤放出時とオゾンエアー放出時とで送風ファンの回転方向を(正回転方向と逆回転方向に)切り換えれば、単一のDCモータにより、芳香剤の放出(上方への放出)とオゾンエアーの放出(下方への放出)の双方に対応できる。
【0032】
芳香剤、消臭剤はアルコール揮発性であり、揮発した状態では上方へ浮遊し、トイレ100の上方の空間E1中を漂う。一方、オゾンは空気よりも分子量が大きいため、下方へ沈降する。
図2において、符号Hで示す境界線の上方領域E1が芳香剤及び/又は消臭剤が浮遊している空間であり、境界線Hの下方の領域E2がオゾンを多量に包含するエアー(オゾンエアー)が放出される領域である。
【0033】
芳香剤及び/又は消臭剤が浮遊している空間E1と、所定時間だけオゾンが存在する領域E2との境界は、図2で示す境界線Hの様に明確な境界として存在する訳ではなく、非常にあいまいな境界である。
その様な境界の大体の目安は、利用者の鼻の位置(上下方向位置)であり、利用者の鼻よりも上方の空間は芳香剤及び/又は消臭剤が浮遊している空間E1となり、利用者の鼻よりも下方の空間はオゾンが放出される領域E2となる。
【0034】
上述したように、オゾンエアー吹出口73B(図1参照)から吹き出したオゾンエアーは、図2において符号E2で示す領域、すなわち大便器11内、便座、便器周囲の領域(男性が小便をした際に、小便の飛沫が飛び散る領域)に滞留して、当該領域に飛び散った例えば小便の様な有機物と反応して、当該有機物を急激に酸化し、以って、消毒作用(除菌作用、滅菌作用、有機物の酸化作用を含む)及び消臭作用を奏する。
なお、領域E2と境界線Hとの間の領域(図2でE3と表示されている領域)には、芳香剤(或いは消臭剤)とオゾンエアーとが混在している。
なお図2において、符号12はトイレのドアを示している。
【0035】
芳香剤容器の蓋3は、利用者がトイレにいる時にのみ開放される。
利用者がトイレ100に入室していない時には、芳香剤を徐放しても利用者が方向を認識せず、無駄になってしまうので、芳香剤容器の蓋3は閉鎖されている。そして、利用者がトイレ100に入室していない時に芳香剤容器の蓋3を閉鎖することにより、揮発性の芳香剤の無駄使い(浪費)が防止され、芳香剤がなくなるまでの期間が長期化され、芳香剤を補填する頻度が減少する。
【0036】
大便器11の図示しない内壁面における側面部分(便器不使用時には、水に接触していない部分)が乾燥すると、大便に包含される有機物の酸化が進行し、悪臭が発生する。これに対して、大便器11の内壁面における側面部分における有機物の酸化を防止すれば、悪臭を防止できる。
そのため、大便器11の内壁面における図示しない側面部分が乾燥するのに十分な時間(セルフクリーニング待機時間)だけ、大便器11が不使用であることを検知した場合に(そのトイレがセルフクリーニング設定時間だけ不使用である場合に)、大便器11内にオゾンを放出して「セルフクリーニング」を行なう。
なお、「セルフクリーニング待機時間」は、大便器11の内壁面における図示しない側面部分が乾燥するのに十分な時間であり、オゾンO3を放出する頻度が過剰にならない程度であれば、任意に設定することが出来る。
【0037】
係る「セルフクリーニング」では、予め決定された時間(セルフクリーニング設定時間)だけ、オゾンを大量に含むエアーを大便器用洗浄装置10から大便器11に向かって放出し、大便器11の内壁面における側面部分に付着した有機物にオゾンを接触させる。すると、オゾンにより強烈な酸化反応が発生し、大便器11の内壁面における側面部分に付着した有機物を急激に酸化する。係る急激な酸化反応により、大便器11の内壁面における側面部分に付着した有機物はそれ以上腐敗しなくなり、腐敗による悪臭も防止される。セルフクリーニングについては、図4を参照して後述する。
ここで、オゾンを大量に含むエアーを大便器用洗浄装置10から大便器11に向かって放出する時間、すなわち「セルフクリーニング設定時間」については、大便器11の内壁面における側面部分に付着した有機物を、オゾンにより急激に酸化し、除菌、滅菌、消毒及び消臭するのに十分な時間であれば、任意に設定することが出来る。
なお、セルフクリーニング中は、大便器11の蓋11Rは自動的に開放されるように構成されていることが好ましい。大便器11の蓋11Rが自動的に開放されていれば、セルフクリーニング中に大便器用洗浄装置10から大便器11に向かって放出されるオゾンエアーが、大便器11の内壁面へ確実に到達するからである。
【0038】
ケーシング7に設けられたオゾンエアー吹出口73Bは、オゾンを大量に含むオゾンエアーが必ず大便器11の内壁面に到達するように、オゾンエアーの吹き出し方向が上下方向及び左右方向について、調節可能に構成されている。
オゾン噴射方向の調節機構としては、例えば可動式のルーバー9を用いることが好ましい。
【0039】
次に、図3を主として参照しつつ、自動流水器6における制御について説明する。
図3において、自動流水器6の図示しない制御装置は、人体検知手段(図示は省略)からの情報により、利用者が入室したか否か、或いは、入室して大便器11の便座に着座したか否かを判断する(ステップS1)。
利用者が入室(或いは、大便器11の便座に着座)するまで、自動流水器6は待機し(ステップS1がNOのループ)、利用者が入室(或いは、入室して大便器11の便座に着座)したならば(ステップS1がYES)、ステップS2に進む。
【0040】
ステップS2では、自動流水器6は利用時間の測定を開始すると共に、大便器用洗浄装置10の制御ユニット5に、トイレ100の利用が開始された旨(利用者がトイレ100に入室した旨、或いは、利用者が大便器11の便座に着座した旨)を、制御信号(或いはコマンド)として送信する。そしてステップS3に進む。
ステップS3では、利用者がトイレ100から退室(或いは便座から離脱)するまで待機しており(ステップS3がNOのループ)、退室(或いは便座から離脱)したならば(ステップS3がYES)、ステップS4に進む。
【0041】
ステップS4では、利用者がトイレ100から退室(或いは、大便器11の弁座から離脱)した時点で大便器11の利用時間の測定を終了する。それと共に自動流水器6は、大便器用洗浄装置10の制御ユニット5に、トイレ100の利用が終了した旨(利用者がトイレ100から退室した旨、或いは、利用者が大便器11の便座から離脱した旨)を、制御信号(或いはコマンド)として送信する。そして、ステップS5に進む。
ステップS5では、ステップS2における利用時間の測定開始時間と、ステップS5における利用時間の測定終了時間とから、トイレ100の利用時間を演算する。そして、トイレ100の利用時間から、自動流水器6は、トイレ100が大便に利用されたのか、或いは小便に利用されたのかを判定する。係る判定結果により、自動流水器6は大便器11で流す流水量を決定すると共に、大便、小便の判定結果を大便器用洗浄装置10の制御ユニット5に送る。
ステップS6では、自動流水器6は大便、小便の判定結果に従って、洗浄水を大便器11内に供給し、流水を行なう。流水が終わったなら、自動流水器6は、大便器用洗浄装置10の制御ユニット5に流水が終了した旨の信号を出力し(ステップS7)、ステップS8に進む。
【0042】
ステップS8では、ステップS1がYESからステップS7までの上述した処理に従って、蓄積された各種データ(たとえば、トイレの使用回数等のデータ)を更新する。
ここで、芳香剤の消費量はトイレの利用回数に比例する。すなわち、ステップS8で更新されたデータの内、トイレの利用回数に関するデータから、芳香剤の使用限界(寿命)或いは交換時期を正確に予測することが出来る。そのため、芳香剤の交換するか否かを判断するに当たっては、ステップS8で蓄積されたトイレの利用回数に関するデータに基づいて、判断されることになる。
【0043】
上述した様に、自動流水器6は公知の市販品をそのまま適用することが可能であり、適用される自動流水器の種類如何によっては、図3で示す制御とは異なる制御を行なう場合も存在することを付言する。
【0044】
次に、図4を主として参照しつつ、大便器用洗浄装置10の制御について説明する。
図4のステップS11において、大便器用洗浄装置10は、トイレ100の利用が開始されたか否かについて、自動流水器6から利用開始信号が入力されたか否かによって判断している。
自動流水器6から利用開始信号が入力されたならば(ステップS11がYES)、トイレ100の利用が開始されたと判断して、ステップS12に進む。
一方、自動流水器6から利用開始信号が入力されていないならば(ステップS11がNO)、トイレ100は利用されていないと判断して、ステップS28まで進む。
【0045】
自動流水器6から利用開始信号が入力されたならば(ステップS11がYES)、ステップS12において、セルフクリーニング待機時間の計測を終了する。セルフクリーニング待機時間の計測を終了することにより、「トイレ100がセルフクリーニング待機時間以上に亘って利用されていない」と判断されることはなく、セルフクリーニングは開始されない。それと共に、ステップS12では、芳香剤容器の蓋3を開放して、トイレ100内の上方の空間へ芳香剤を放出(徐放)する(ステップS13)。自動流水器6から利用開始信号が入力された(ステップS11がYES)のであれば、トイレ100内には利用者が存在するので、芳香剤を放出(徐放)することにより、トイレ100内の利用者は芳香を感知することが出来る。
【0046】
次のステップS14では、制御ユニット5は、自動流水器6からの利用終了信号を入力されたか否かを判断する。自動流水器6からの利用終了信号が入力されなければ(ステップS14がNOのループ)、芳香剤を放出した状態で待機する。
自動流水器6からの利用終了信号を入力したならば(ステップS14がYES)、トイレ100内に利用者がいなくなった(いなくなる)と判断して、芳香剤を連行した気体の放出を停止する (ステップS15)。
上述したように、トイレ100内から利用者が退室する際に芳香剤放出を終了させるため、芳香剤を無駄に消費することがなくなり、芳香剤の消費速度が鈍化し、芳香剤交換の頻度が減少する。
【0047】
ステップS16では、自動流水器6から流水が終了した旨の信号が入力されたか否かを判断する。
自動流水器6から大便器11における流水が終了した旨の信号が入力されていなければ、芳香剤放出を終了した状態(ステップS15の状態)で待機する(ステップS16がNOのループ)。
自動流水器6から大便器11における流水が終了した旨の信号が入力されたならば(ステップS16がYES)、オゾンO3の放出を開始する(ステップS17)。そして、ステップS18に進む。
【0048】
ステップS18では、自動流水器6から送信された判定信号に基づいて、大便器11が大便に利用されたのか、或いは小便に利用されたのかを判断する。
大便器11が大便に利用された旨の判定信号が入力されたのであれば、ステップS19に進み、オゾンO3の放出時間が長時間となるように設定し、例えば90秒間オゾンO3を放出する。
一方、大便器11が小便に利用された旨の判定信号が入力されたのであれば、ステップS20に進み、オゾンO3の放出時間を短時間に設定して、例えば30秒間オゾンO3を放出する。
【0049】
この様にオゾンO3放出時間を適正に設定することによって、適正量のオゾンが放出され、オゾン量が不足しているため、大便器11及びその周辺が十分に除菌、滅菌、消毒或いは有機物の酸化がされないという不都合や、オゾンの放出が過剰となってトイレ100内にオゾンが残存し、次にトイレ100を利用した利用者がオゾンを吸引してしまうという不都合が防止される。
ここでオゾンO3の放出時間は、上記した時間(大便の際に90秒間、小便の際に30秒間)に限定されるものではなく、大便器11及びその周辺の除菌、滅菌、消毒或いは有機物の酸化に十分で、しかも、残存したオゾンO3によりトイレ100の利用者(人体)に悪影響を及ぼさない様な時間であれば、自在に設定することが出来る。
なお、オゾンを大量に含む気体が放出されるのは、利用者がトイレを退出した後(自動流水器6からの利用終了信号を入力された後:ステップS14がYESとなった後)であり、自動流水器6からの大便、小便の判定信号が入力された後(ステップS18の判断後)であり、前述したとおり利用者がトイレ100から退室した後であり、当該利用者がオゾンを吸引してしまう恐れはない。
【0050】
ステップS21では、所定のオゾンO3放出時間(例えば、大便では90秒間、小便では30秒間)が経過したか否かを判断する。所定のオゾンO3放出時間が経過したなら(ステップS21がYES)、ステップS23まで進む。
一方、所定のオゾンO3放出時間が経過していなければ(ステップS21がNO)、ステップS22で利用者がトイレ100に入室したか否かを判断し、利用者がトイレ100に入室した場合には(ステップS22がYES)、当該利用者がオゾンを吸引してしまうことを防止するため、オゾンエアーの放出を直ちに終了する(ステップS23)。
所定のオゾンO3放出時間が経過しておらず(ステップS21がNO)、且つ、トイレ100に利用者が入室しなければ(ステップS22がNO)、ステップS21に戻り、ステップS21が「NO」及びステップS22が「NO」のループを繰り返し、所定の放出時間に亘ってオゾンO3を放出し続け、大便器11及びその周辺を除菌、滅菌、消毒或いは有機物の酸化する。
【0051】
ステップS11において、上述したように、自動流水器6から利用開始信号が入力されておらず(ステップS11がNO)、トイレ100は利用されていないと判断されてステップS28に進んだならば、所定のセルフクリーニング待機時間が経過したか否かを判断する。
セルフクリーニング待機時間が経過していないなら(ステップS28がNO)、ステップS11まで戻り、ステップS11がNO及びステップS28がNOのループを繰り返す。
【0052】
所定のセルフクリーニング待機時間が経過したならば(ステップS28がYES)、ステップS29に進む。
ステップS29では、セルフクリーニング待機時間の計測を終了し、セルフクリーニングを開始して、大便器11の内壁面に向かってオゾンエアーを放出する(ステップS30)。
ステップS31では、予め定められたセルフクリーニング設定時間(セルフクリーニングの際にオゾンエアーを放出し続けるべき時間)が経過したか否かを判断する。オゾンエアーを放出し続けてセルフクリーニング設定時間を経過したならば(ステップS31がYES)、ステップS32に進み、セルフクリーニングを終了する。そして、ステップS23まで進む。
【0053】
一方、セルフクリーニング設定時間を経過していないならば(ステップS31がNO)、ステップS33に進み、オゾンエアーを放出している間に利用者がトイレ100に入室したか否かを判断する。
オゾンエアーを放出している間に利用者がトイレ100に入室した場合には(ステップS33がYES)、当該利用者がオゾンを吸引してしまうので、ステップS23に進み、オゾンの放出を終了する。
オゾンエアーを放出している間に利用者がトイレ100に入室しなければ(ステップS33がNO)、ステップS31に戻り、ステップS31がNOで且つステップS33がNOのループを繰り返し、セルフクリーニングを続行する。
【0054】
ステップS23では、制御ユニット5は、オゾンエアーの放出を終了させるべく制御旬号を出力する。そしてステップS24では、オゾンエアーの放出が停止されたか否かを判断する(ステップS24)。
オゾンの放出が停止されたならば(ステップS24がYES)、ステップS25に進み、セルフクリーニング待機時間の計測を開始する。
【0055】
ステップS24においてオゾンエアーの放出が停止されない場合には(ステップS24がNO)、大便器用洗浄装置10に故障が発生したと判断して、大便器用洗浄装置10の作動を強制終了させ(ステップS26)、図示しないブザー、ディスプレイ、その他の報知手段によって、故障が発生した旨を報知して(ステップS27)、制御を終了する。
係る報知(ステップS27)が為された場合には、大便器用洗浄装置10のメンテナンス担当者が報知を解除するまで、当該報知を続行するように構成されているのが好ましい。
ステップS26の強制終了工程とステップS27の報知工程とを制御に加えることにより、大便器用洗浄装置10の故障によりオゾンO3が不必要に放出され続ける事態が防止されるので、利用者がオゾンを吸い込んでしまう可能性を減少させることが出来て、図示の実施形態に係る大便器用洗浄装置10の安全性が向上する。
【0056】
図5〜図7は、第1実施形態に係る大便器用洗浄装置10をより詳細に示している。
図5は大便器用洗浄装置10の内部を示しており、図5で示す状態では大便器用洗浄装置10は停止している。
【0057】
図5において、ケーシング7は、上方カバー7A、下方カバー7B、ケーシングベース7Cとを有している。
上方カバー7Aは、前面部71A(図5の左方)と天井部72Aとを有し、前面部71Aの上部には芳香剤吹出口73Aが形成されている。
下方カバー7Bは、前面部71B(図5の左方)と、底部72Bとを有し、前面部71Bの下部と底部72Bとの境界部分にはオゾン吹出口73Bが形成されている。
オゾン吹出口73Bには、可動式ルーバー9が取り付けられている。
【0058】
ケーシングベース7Cは、バックプレート71Cと、バックプレート71Cの上下両端部であるフランジ部72Cと、棚部73Cと、水平仕切り部74Cとを有している。
水平仕切り部74Cは、上方カバー7Aと下方カバー7Bとの境界に位置している。そして、下方カバー7Bの上端近傍と、水平仕切り部74Cの上面とが、概略面一となっている。
【0059】
水平仕切り部74Cの中心には円形の通風口75Cが形成され、水平仕切り部74Cの下面側には、図示しない部材によって、DCモータ駆動の送風ファン4が取り付けられている。ここで、送風ファン4の中心と、円形の通風口75Cの中心とが整合するように、送風ファン4が水平仕切り部74Cに取り付けられている。
また、水平仕切り部74Cの下面であって、送風ファン4の周囲には、送風ファン4を包囲するように、例えば円筒状のフード40が取り付けられている。
なお、図5の例では、送風ファン駆動用のDCモータは回転方向の切換(正回転・逆回転の切換)が可能なタイプであって、且つ、送風ファン4は風量の調節が可能なタイプのものが用いられている。
【0060】
棚部73Cは、水平仕切り部74Cの上方に位置し、その上面に芳香剤容器2が載置されている。
図5では、芳香剤容器2は液状の芳香剤に対応しており、芳香剤貯留部21と、その上端のネック部(狭口部)22とを有している。ネック部22の上方は、図示しない開口部が開放している。芳香剤容器2に貯留された液状の芳香剤芯は、開口部から揮発して徐放される。
ここで、芳香剤容器2の図示しない開口部から、例えばフェルト状の芯材23が引き出されるように構成しても良い。その場合、芯材23に浸み込んだ液状の芳香剤は、芯材23のネック部22の開口部より突出した部分から、揮発して徐放される。
【0061】
図5で示す状態では、ネック部22の上端に自動開閉蓋3が当接し、ネック部上方を密封している。
自動開閉蓋3はハット(帽子)形状の蓋部31により構成されており、バックプレート71C側(図5では右側)にヒンジ3hを有し、上方カバー7Aの前面部71A側に通風孔32が開口している。そして、自動開閉蓋3のヒンジ31h側(図5では右側)の端部には、開閉駆動装置(例えば、ソレノイド駆動の開閉機構)3Mが設けられている。
図示の実施形態では、開閉駆動装置3Mにおけるソレノイドの諸元は、例えば、12V(ボルト)電源でストロークが8mm〜10mmである。
ここで、送風ファン4の送風量が十分で、且つ、自動開閉蓋3が充分軽量であれば、開閉機構3Mを省略することも可能である。
【0062】
自動開閉蓋3の通風孔32の下面側には、リード弁VがリベットRによって取り付けられている。
リード弁Vは、通風孔32の上方における空気の圧力が所定圧力以上に昇圧すると、(図7で示す様に)下方側に開弁する様に構成されている。
【0063】
図5において、ケーシング7の内部は、領域C1、C2、C3とに区画されている。
区画C1は、自動開閉蓋3の上方の領域である。
区画C2は、その上端が自動開閉蓋3であり、下端が水平仕切り部74Cとなっている領域である。
区画C3Fは、水平仕切り部74Cの下方の領域である。
【0064】
図5では、下方カバー7Bにおけるオゾン吹出口73Bの真上の前面部71Bに、側断面がコ字状のブラケット8Bが設けられている。
ブラケット8Bには、高電圧発生装置(例えば、トランス)8が取り付けられている。高電圧発生装置8は、オゾンを発生するのに必要な電流をオゾン発生装置1に供給している。
【0065】
また、ブラケット8Bにおいて、下方カバー7Bの前面部71B側(図5では左側)には、基盤50を有する制御ユニット5が設けられている。
基板50は、制御信号ライン(以下、「ライン」と記載する)Lc1で開閉駆動装置3Mと接続され、ラインLc2で送風ファン4の駆動用のDCモータと接続され、ラインLc3でオゾン発生装置1と接続され、電源ラインLeで高電圧発生装置8と接続されている。さらに基板50は、前述したように、ラインL2によって、図5では図示しない自動流水器6と接続されている。
高電圧発生装置8とオゾン発生装置1とはラインLhで接続されている。
【0066】
可動式ルーバー9の可動範囲は、左右方向(紙面に垂直な方向:紙面の表裏方向)については各々30°以上であり、上下方向については、水平(0°)から斜め下方に60°の範囲である。そして可動式ルーバー9は、この可動範囲内で左右方向及び/又は上下方向に揺動可能であり、係る揺動によってオゾンエアー放出の方向が変化する。
ここで、直接オゾンエアーと接触する可動式ルーバー9及びオゾン吹出口73Bは、耐オゾン樹脂(例えば、AES樹脂等)を材質としていることが好ましい。もちろん、ケーシング7全体を耐オゾン樹脂で構成されることが好ましい。
【0067】
図5では図示しない自動流水器6(図1、図2)から制御ユニットのコントロール基盤50には、ラインL2を介して、各種情報(コマンドやデータ)が送られる。
係る情報に基づいて、図4で説明した制御が行われ、コントロール基盤50から制御信号ラインLc1〜Lc3を介して、必要な制御信号が、送風ファン4その他の部材へ伝達される。
【0068】
図5において、制御ユニット5は制御盤(基盤50)を有する形態として表現されているが、制御ユニット5としては、チップ、ボード、ブロック、その他の形態であっても良い。
また、図5において制御ユニット5は大便器用洗浄装置10に内蔵されているが、大便器用洗浄装置10に外付けされるタイプの制御ユニットを使用しても良い。
【0069】
図6は、利用者がトイレを利用している際の大便器用洗浄装置10を示している。
図6で示すように、利用者がトイレを利用している際には、芳香剤容器2の自動開閉蓋3が開放して、徐放された芳香剤が送風ファン4の正回転により生じた空気流F2、F3に連行されて、大便器用洗浄装置10の上方の芳香剤吹出口73Aから放出される。
【0070】
図6において、利用開始信号が制御ユニット5に入力されると(図4の制御フローチャートのステップS11がYES)、制御ユニット5はラインLc1(図5)を介して開閉駆動装置3Mに制御信号を発信し、芳香剤容器2の自動開放蓋3を開放する。同時に、制御ユニット5はラインLc2(図5参照)を介して、送風ファン4の駆動モータに制御信号を発信して、送風ファン4を正回転させる。
【0071】
送風ファン4を正回転させると、ケーシング7の内部の領域C3が負圧となり、下方カバー7Bのオゾン吹出口73Bにおける可動式ルーバー9を経由して、外気がケーシング7の内部の領域C3に流入する。その際の空気流が、図6における符号F1で示されている。
ここで、自動開閉蓋3は既に開いており、領域C2は芳香剤吹出口73Aに連通している。領域C3に流入した空気は、送風ファン4によって領域C3から領域C2に流入し(矢印F2で示す空気流)、上方カバー71Aの芳香剤吹出口からケーシング外に流出する(矢印F3で示す空気流)。
【0072】
芳香剤容器2に貯留した芳香剤は揮発性であるので、芳香剤容器2から揮発して徐放された芳香剤Mは、矢印F3で示す空気流に連行されて、芳香剤吹出口73Aからケーシング外に放出される。
【0073】
図7は、利用者がトイレから退室した直後にオゾンにより除菌、滅菌、消毒或いは有機物の酸化をしている状態、或いは、セルフクリーニングの際にオゾンにより除菌、滅菌、消毒或いは有機物の酸化をしている状態を示している。
図7において、オゾン発生装置(オゾナイザー)1から発生したオゾンO3が、送風ファン4の逆回転により生じた空気流F11、F12に連行され、オゾンを大量に含んだオゾンエアーとなって、可動式ルーバー9を経由して、大便器用洗浄装置10の下方から放出される。
【0074】
図7において、自動流水器6から利用終了信号が制御ユニット5に入力され、且つ、自動流水器6から大便或いは小便の判定信号が入力されると(図4のステップS19或いはステップS20)、制御ユニット5はラインLc3(図5参照)を介して、オゾン発生装置1に制御信号を発信し、オゾンを発生させる。
同時に制御ユニット5は、ラインLc2(図5参照)を介して送風ファン4のDCモータに制御信号を送り、送風ファン4を逆回転させる。送風ファン4が逆回転すると、ケーシング7内の領域C2内は負圧となり、所定の圧力以下に降圧するとリード弁Vが開き、通風孔32が開放される。
【0075】
通風孔32が開放されると、矢印F11で示す様に、上方カバー7Aの芳香剤吹出口73Aから外気が領域C1に流入し、通風孔32から領域C2に流入する。領域C2に流入した空気流は、矢印F12で示す様に、送風ファン4の逆回転によって領域C3に流入する。
領域C3に流入した空気流F12は、オゾン発生装置1で発生したオゾンO3を連行して、矢印F13で示す様に、下方カバー7Bのオゾン吹出口73Bに設けた可動式ルーバー9を経由して、ケーシング外に放出される。
【0076】
図8を参照して第2実施形態を説明する。
図1〜図7の第1実施形態では、芳香剤の放出とオゾンエアーの放出とは、同一の送風ファン4の回転方向を、正回転と逆回転に切り換えることにより行なわれた。
これに対して、図8の第2実施形態に係る大便器用洗浄装置10Aでは、同一サイズの2個のファン4A、4Bを設け、芳香剤放出に際してはファン4Aを作動し、オゾンエアー放出の際にはファン4Bを作動している。
【0077】
図8において、上方カバー7Aと下方カバー7Bとの境界が符号Hで示されており、符号INが空気取入口を示している。ここで空気取入口1Nは、第1実施形態には設けられていない構成要件である。
図8で示す様に、空気取入口INの上方に芳香剤放出用のファン4Aが配置され、空気取入口INの下方にオゾンエアー放出用のファン4Bが配置されている。
【0078】
図8において、図5〜図7に比較して、高電圧発生装置8の配置がケーシングベース7Cのバックプレート71C寄り(図8では右側)に移動している。
オゾン発生装置1は、高電圧発生装置8の上方配置されている。
【0079】
芳香剤放出用のファン4Aは、ラインLc21を介して、制御ユニット5と接続している。また、オゾンエアー放出用のファン4Bは、ラインLc22を介して、制御ユニット5と接続している。
【0080】
図8において、芳香剤放出用のファン4Aを作動した場合における空気流を、矢印Faで示している。係る空気流Faは芳香剤放出に関連しており、芳香剤を連行する空気流の流線を示している。
一方、図8において、オゾン放出用のファン4Bを作動した場合の空気流が、矢印Fbで示されている。そして矢印Fbは、オゾンを連行する空気流の流線を示している。
【0081】
図8では図示を省略しているが、ケーシング7に関しては、ファンの増設に伴うファン支持部材を追加した点を除けば、図1〜図7の第1実施形態と概略同様である。
図8の第2実施形態における上記以外の構成及び作用効果については、図1〜図7の第1実施形態と同様である。
【0082】
図9を参照して、第3実施形態を説明する。
図9において、第3実施形態に係る大便器用洗浄装置は、全体が符号10Bで示されており、図8の第2実施形態と同様に、2個のファン、すなわち芳香剤放出用のファン4A及びオゾンエアー放出用のファン4Bを使い分けている。
ただし、図9の第3実施形態では、オゾンエアー放出用のファン4Bを芳香剤放出用のファン4Aに対して小型化し、且つ、オゾンエアー放出用のファン4Bを図8で示す位置よりも下方に配置している。
係る構成を採用することにより、空気取入口INの断面積を大きくして、大量の空気を取り入れることが可能となっている。
【0083】
そして図9の第3実施形態では、オゾンエアー放出用ファン4Bの配置や寸法を変更したことにより、オゾンエアー流路を構成する仕切り壁の配置が工夫されている。なお、図8では、オゾンエアー流路を構成する仕切り壁は特に設けられていない。
【0084】
図9において、芳香剤放出用のファン4Aとオゾンエアー放出用のファン4Bとの間の領域には、高電圧発生装置8及び制御ユニット5が配置されている。
オゾンエアー放出用のファン4Bの前端部(図9では左端部)から可動ルーバー9の後端(図9では右端)にかけて、仕切り板76が設けられている。仕切り板76は、後方(図9では右方)が下がるように傾斜している。
また、ケーシングベース7Cのバックプレート71Cにおいて、下方の所定の位置(上下方向について、仕切り板76の下端の高さ相当位置)には仕切り板77が設けられており、仕切り板77は、前方(図9では左方)に向かって下降するように傾斜している。
仕切り板76、77の下端は、可動式ルーバー9の空気導入側(可動式ルーバー9の後端:図9では可動式ルーバー9の右端)近傍に延在している。
【0085】
図9において、矢印Faは芳香剤放出時の気体流を示し、矢印Fbはオゾン放出時の気体流を示している。
図9の第3実施形態におけるその他の構成及び作用効果は、図8の第2実施形態と同様である。
【0086】
図10は、本発明の第4実施形態を示している。
図10において、第4実施形態に係る大便器用洗浄装置は、全体を符号10Cで示されている。
図8、図9の実施形態は、芳香剤放出用のファン4Aと、オゾンエアー放出用のファン4Bとを備えているが、図10の第4実施形態は、図1〜図7の第1実施形態と同様に、単一のファン4のみを設けている。
【0087】
図10において、符号Hは、ケーシング7の上方カバー7Aと下方カバー7Bとの境界を示している。
下方カバー7Bの上端近傍には、空気取入口INが形成されている。空気取入口INの後方(図10の右方)には送風ファン4が配置されており、送風ファン4の回転軸は水平方向に延在している。
送風ファン4の後方(図10の右方)には、風向バルブ92が設けられている。風向バルブ92は、ケーシング7内部に導入した空気の向きを、上方或いは下方の何れかに方向転換させる機能を有しており、バックプレート71Cの図示しないヒンジブラケットに回動自在に枢着されている。
【0088】
風向バルブ92の下方には、風向バルブ92を駆動するアクチュエータ(例えばソレノイド)90が、バックプレート71Cに取り付けられている。
アクチュエータ90と風向バルブ92とは、リンクロッド94によって接続されている。そして風向バルブ92の向き、すなわちケーシング7内部に導入した空気の向きを上方或いは下方の何れかに方向転換するかは、リンクロッド94を伸長、収縮することにより調節される。
アクチュエータ90は制御ユニット5の基盤50により制御されており、リンクロッド94を伸長、収縮して風向バルブ92の向きを調節し、以って、ケーシング7内部に導入した空気の向きを上方或いは下方に方向転換する。図10において、実線で示す風向バルブ92の状態では、空気取入口INから流入した空気F1は、下方へ方向転換されて矢印F2で示す空気流となり、図10では図示しないオゾナイザー8側に誘導(F2)される。
【0089】
図10の第4実施形態におけるその他の構成及び作用効果は、図1〜図9の各実施形態と同様である。
【0090】
図11は本発明の第5実施形態を示している。
図11において、第5実施形態に係る大便器用洗浄装置は、全体が符号10Dで示されている。
図1〜図10の各実施形態では、芳香剤容器2上方の部分(開口部を設けた箇所を含む)は、複数段(例えば2段)の段部(ネック)を設けて構成されている。
それに対して、図11の第5実施形態では、芳香剤容器2Aの開口部は、芳香剤収容部分21に対して段部を形成していない。
そして、芳香剤容器2Aの開口部を開閉する自動開閉蓋3Aは、図1〜図10の各実施形態における自動開閉蓋3の様なハット(帽子)形状をしておらず、平板状(円盤状)に構成されている。
【0091】
図11の第5実施形態において、自動開閉蓋3Aの面積が大き過ぎると送風ファン4における送風面積を完全に閉鎖してしまう恐れがあるので、自動開閉蓋3Aの代表寸法(円盤状の蓋の直径)は、例えば、ファンの羽根における回転直径の80%程度であるのが好ましい。
なお図11では、芳香剤容器2Aの開口部には弁座3Bが設けられ、その弁座3Bに芳香剤が除放するための通気口3Boが形成されている。
【0092】
図11の第5実施形態におけるその他の構成及び作用効果は、図1〜図10の各実施形態と同様である。
ここで、図1〜図10の各実施形態と、図12〜図18を参照して後述する実施形態において、図11の第5実施形態における平板状の自動開閉蓋3Aを適用することが可能である。
【0093】
次に、図12〜図18を参照して第6実施形態を説明する。
図1〜図11で示す大便器用洗浄装置は、何れも、芳香剤放出という機能と、オゾン放出という機能を有している。
これに対して、図12〜図18の第6実施形態では、芳香剤放出の機能は選択的であり、オゾンは放出するが芳香剤は放出しないというオプションが可能である。
【0094】
第6実施形態では、オゾンエアーを放出して大便器及びその周辺の滅菌、除菌、消毒、有機物の酸化を行なうことは必須であるが、芳香剤は利用者毎に嗜好性があり、好みの問題が大きいため必須とはしていない。
そのため、図12で示す(第6実施形態に係る大便器用洗浄装置の)基本的な構成では、オゾンを放出する構成は具備しているが、芳香剤を放出する構成はぐびしていない。
ただし、第6実施形態においても、図13で示すように、オゾンを放出する構成と、芳香剤を放出する構成とを併せ持つことが可能である。ただし、上述した通り、図13で示す芳香剤を放出する構成は、第6実施形態ではあくまでもオプションであり、必須の構成ではない。
【0095】
図12において、第6実施形態に係る大便器用洗浄装置は、全体が符号10Eで示されており、上端全面が傾斜した上方開口部701を有するケーシング700と、開口部701を覆うオゾンのみ対応のトップカバー(以下、「丈の低いめくらキャップ」と記載する:図14参照)710とを有している。
ケーシング700の底部702には空気導入口703が形成され、ケーシング700の前面704にはオゾン吹出口705が形成されている。
ケーシング700の内部で、オゾン吹出口705の真上には、水平仕切り部706が形成されている。水平仕切り部706は、ケーシング700の水平断面の約半分の面積を覆う様に配置され、且つ、一端が前面704の裏面側と接続している。そして、水平仕切り部706と概略面一の領域で、且つ、水平仕切り部706により覆われていない領域は、風向バルブ92によって開閉される。
風向バルブ92は、芳香剤を放出する構成を具備していない場合には、図12において実線で示す様に、常時閉鎖されている。
【0096】
ケーシング700の内部において、オゾン吹出口705に対応する位置には可動ルーバー9が設けられ、空気導入口703の真上には送風ファン4が配置されている。そして、送風ファン4と風向バルブ92との間の領域には、オゾン発生装置1が公知の手段によってケーシング700に取り付けられている。
風向バルブ92の上方には高電圧発生装置8が配置され、その高電圧発生装置8の前方(図12の左方)には、制御ユニット5が配置されている。
【0097】
上述した通り、図12で示す大便器用洗浄装置10Eは、オゾン(オゾンエアー)を放出する構成は有しているが、芳香剤を放出する構成は具備していない。
これに対して、図13において全体を符号10Fで示す大便器用洗浄装置は、図12における大便器用洗浄装置10Eのケーシング700上方に、芳香剤対応カバー(以下、「芳香キャップ」と記載する:図14参照)720を配置しており、芳香キャップ720の内部には、芳香剤容器2、芳香剤の自動開閉蓋3、自動開閉蓋3の開閉駆動装置3M、風向バルブ92の開閉用アクチュエータ90が内蔵されている。そして、芳香キャップ720には芳香剤吹出口720aが形成されている。
なお図13において、符号94は、アクチュエータ90と風向バルブ92とを接続するロッドリンクを示している。
【0098】
図12の状態では、前述したように、風向バルブ92の開閉用アクチュエータ90は設けられていないので、風向バルブ92は閉鎖した状態のままである。
そのため図12の状態では、オゾンエアーをトイレの下方の領域へ放出するのみであるため、風向バルブ92を開放する必要がない。
【0099】
それに対して、図13の状態では、芳香剤をトイレ上方の空間に放出する場合には、開閉用アクチュエータ90により風向バルブ92を開放し、送風ファン4で吸い込んだ空気を、上方の芳香キャップ720側に移動可能にしている。
ここで図13では、風向バルブ92を開放する際には、芳香剤用の開閉蓋3も開放する。そして、送風ファン4で吸い込まれたエアーが芳香材容器2から徐放された芳香剤を連行し、芳香剤を連行した空気流は矢印Faで示す様に、エアーは便器用洗浄装置10Fの上方からトイレの上方領域へ放出される。
なお図13において、矢印Fbで示す空気流は、オゾン放出時におけるケーシング内のエアーの流れを示している。
【0100】
ここで、図12で示す状態の大便器用洗浄装置10Eで説明した各種機器は、図14におけるベース700Bに内蔵されている。そして、図12で示す大便器用洗浄装置10Eのケーシングは、図14のベース700B(図12のケーシング700に相当)に、図14のフロントカバー700Fと、図14で立体的に示す高さの低いメクラキャップ710を被せて、図16の(1)で示す様に構成されている。
【0101】
一方、図13で示す状態の大便器用洗浄装置10Fのケーシングは、図14のベース700Bに、フロントカバー700Fと芳香キャップ720とを被せて、図15の(2)、或いは、図16の(2)で示す様に構成されている。
図16から明らかな様に、図14で示す丈の低いめくらキャップ710を用いた大便器用洗浄装置10E(図12)のケーシングは、図14の芳香キャップ720を用いた大便器用洗浄装置10F(図13)のケーシングとでは、図16の符号δで示す寸法差が生じる。
【0102】
図12で示す状態の大便器用洗浄装置10Eのケーシングを、図14におけるオゾンベース700Bに図14における丈の高いめくらキャップ711を被せて、図15の(1)で示す様に構成することも可能である。
また、図13で示す状態の大便器用洗浄装置10Fのケーシングを、図14のオゾンベース700Bに図14の芳香キャップ720を被せて、図15の(2)で示す様に構成することも可能である。
そのように構成すれば、図15で示す様に、大便器用洗浄装置10Eのケーシング(図15の(1)で示す)と、大便器用洗浄装置10Fのケーシング(図15の(2)で示す)とで、高さ方向の寸法差は生じない。その様に構成すれば、例えば、出荷時の梱包サイズを共通にすることができる。
【0103】
第6実施形態では、図12で示す大便器用洗浄装置10Eに対して、図13で示す大便器用洗浄装置10Fの例をオプション扱いとすることにより、製造時のオゾンベース(ケーシング)の型の共通化や、構造の簡略化が図られ、製造コストの削減にも貢献する。
【0104】
図17は第6実施形態の第1変形例を示している。
図17で示す変形例では、オゾンベース760Bに芳香剤キャップ725を組付ける方法が、図12〜図16とは異なる。
図17において、オゾンベース760Bの上方端部の四隅部には、例えば、円形断面の凹部(孔)Gが形成されている。一方、芳香キャップ725には、オゾンベース760Bの凹部Gに対応する個所に、円柱状の突起Tが設けられている。突起Tは、オゾンベース760Bの凹部Gに嵌合して、オゾンベース760Bと芳香剤キャップ725とを一体化している。
【0105】
図18は第6実施形態の第2変形例を示している。
図18では、オゾン専用タイプのベース770Bに、芳香キャップに相当する部材727を入れ子式に嵌め込んでいる。
図18のように、入れ子式に嵌め込む様に構成すれば、図17の第1変形例のように、凹部Gと突起Tとを形成する必要が無くなるので、製造コストを低減することが出来る。
【0106】
図12〜図18の第6実施形態におけるその他の構成及び作用効果は、図1〜図11の各実施形態と同様である。
【0107】
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではない旨を付記する。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明の第1実施形態のブロック図。
【図2】本発明の第1実施形態に係るトイレの断面図。
【図3】本発明の実施形態で用いられる自動流水器の制御フローチャート。
【図4】第1実施形態に係る大便器用洗浄装置の制御フローチャート。
【図5】第1実施形態に係る大便器用洗浄装置の断面図。
【図6】第1実施形態における芳香剤徐放時の空気流を示す断面図。
【図7】第1実施形態におけるオゾン発生時の空気流を示す断面図。
【図8】本発明の第2実施形態の断面図。
【図9】本発明の第3実施形態の断面図。
【図10】本発明の第4実施形態の断面図。
【図11】本発明の第5実施形態の部分断面図。
【図12】本発明の第6実施形態の基本タイプを示す断面図。
【図13】本発明の第6実施形態の芳香剤放出可能タイプを示す断面図。
【図14】本発明の第6実施形態におけるオゾンベースとフロントカバーとめくらキャップと芳香剤キャップの各々を示す斜視図。
【図15】本発明の第6実施形態において、オゾンベースと丈の高いめくらキャップとを組合せた大便器用洗浄装置と、オゾンベースと芳香剤キャップとを組合せた大大便器用洗浄装置とを比較して示す斜視図。
【図16】本発明の第6実施形態において、オゾンベースと丈の低いめくらキャップとを組合せた大便器用洗浄装置と、オゾンベースと芳香剤キャップとを組合せた大便器用洗浄装置とを比較して示す斜視図。
【図17】本発明の第6実施形態の第1変形例を示す斜視図。
【図18】本発明の第6実施形態の第2変形例を示す斜視図。
【符号の説明】
【0109】
1・・・オゾン発生器
2・・・芳香剤収容装置/芳香剤容器
3・・・自動開閉蓋/芳香剤容器の蓋
4・・・送風ファン
5・・・制御ユニット
6・・・自動流水器
7・・・ケーシング
8・・・高電圧発生装置
9・・・可動式ルーバー
10・・・大便器用洗浄装置
100・・・トイレット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オゾンを発生する装置(1)と、芳香剤を収容する芳香剤収容装置(2)と、芳香剤収容装置(2)の開口を開放し閉鎖する開閉装置(3、3M)と、空気流を発生する装置(4)と、制御装置(5)とを有し、該制御装置(5)は、自動流水装置(6)が感知した利用者のトイレ(100)への入室及び退室を示す信号と大便に利用したか小便に利用したかの判断信号を受信する機能と、利用者がトイレ(100)に入室した場合に徐放された芳香剤を連行した気体流をトイレ(100)の上方の空間(E1)に放出する機能と、利用者がトイレ(100)から退室した際には芳香剤を連行した気体の放出を停止してオゾンを大量に含む気体をトイレ下方の空間(E2)に放出する機能と、前記判断信号に基づいてオゾンを大量に含む気体をトイレ下方の空間(E2)に放出する時間を決定する機能とを有していることを特徴とする大便器用洗浄装置。
【請求項2】
前記制御装置(5)は、利用者がトイレ(100)を退室してから所定時間が経過する間に利用者がトイレ(100)に入室しない場合にはオゾンを大量に含む気体をトイレ下方の空間(E2)に放出する機能を有する請求項1の大便器用洗浄装置。
【請求項3】
前記制御装置(5)は、オゾンを大量に含む気体をトイレ下方の空間(E2)に放出する際に、所定の放出時間が経過してオゾンを大量に含む気体の放出を停止するべき時点で、当該オゾンを大量に含む気体の放出が停止されない場合には、故障が生じたと判断して強制終了する機能を有している請求項1、2の何れかの大便器用洗浄装置。
【請求項4】
オゾンを発生する装置(1)と、空気流を発生する装置(4)と、制御装置(5)とを有し、該制御装置(5)は、自動流水装置(6)が感知した利用者のトイレ(100)からの退室を示す信号と大便に利用したか小便に利用したかの判断信号を受信する機能と、利用者がトイレ(100)から退室した際にオゾンを大量に含む気体をトイレ下方の空間(E2)に放出する機能と、前記判断信号に基づいてオゾンを大量に含む気体をトイレ下方の空間(E2)に放出する時間を決定する機能とを有していることを特徴とする大便器用洗浄装置。
【請求項5】
脱着可能な芳香剤用ユニット(720)を備え、該芳香剤用ユニット(720)は、芳香剤を収容する芳香剤収容装置(2)と、芳香剤収容装置(2)の開口を開放し閉鎖する開閉装置(3、3M)とを有しており、前記制御装置(5)は、自動流水装置(6)が感知した利用者のトイレ(100)への入室信号を受信する機能と、利用者がトイレ(100)に入室した場合に徐放された芳香剤を連行した気体流をトイレの上方の空間(E1)に放出する機能と、利用者がトイレ(10)から退室した際には芳香剤を連行した気体の放出を停止する機能を有している請求項4の大便器用洗浄装置。
【請求項1】
オゾンを発生する装置(1)と、芳香剤を収容する芳香剤収容装置(2)と、芳香剤収容装置(2)の開口を開放し閉鎖する開閉装置(3、3M)と、空気流を発生する装置(4)と、制御装置(5)とを有し、該制御装置(5)は、自動流水装置(6)が感知した利用者のトイレ(100)への入室及び退室を示す信号と大便に利用したか小便に利用したかの判断信号を受信する機能と、利用者がトイレ(100)に入室した場合に徐放された芳香剤を連行した気体流をトイレ(100)の上方の空間(E1)に放出する機能と、利用者がトイレ(100)から退室した際には芳香剤を連行した気体の放出を停止してオゾンを大量に含む気体をトイレ下方の空間(E2)に放出する機能と、前記判断信号に基づいてオゾンを大量に含む気体をトイレ下方の空間(E2)に放出する時間を決定する機能とを有していることを特徴とする大便器用洗浄装置。
【請求項2】
前記制御装置(5)は、利用者がトイレ(100)を退室してから所定時間が経過する間に利用者がトイレ(100)に入室しない場合にはオゾンを大量に含む気体をトイレ下方の空間(E2)に放出する機能を有する請求項1の大便器用洗浄装置。
【請求項3】
前記制御装置(5)は、オゾンを大量に含む気体をトイレ下方の空間(E2)に放出する際に、所定の放出時間が経過してオゾンを大量に含む気体の放出を停止するべき時点で、当該オゾンを大量に含む気体の放出が停止されない場合には、故障が生じたと判断して強制終了する機能を有している請求項1、2の何れかの大便器用洗浄装置。
【請求項4】
オゾンを発生する装置(1)と、空気流を発生する装置(4)と、制御装置(5)とを有し、該制御装置(5)は、自動流水装置(6)が感知した利用者のトイレ(100)からの退室を示す信号と大便に利用したか小便に利用したかの判断信号を受信する機能と、利用者がトイレ(100)から退室した際にオゾンを大量に含む気体をトイレ下方の空間(E2)に放出する機能と、前記判断信号に基づいてオゾンを大量に含む気体をトイレ下方の空間(E2)に放出する時間を決定する機能とを有していることを特徴とする大便器用洗浄装置。
【請求項5】
脱着可能な芳香剤用ユニット(720)を備え、該芳香剤用ユニット(720)は、芳香剤を収容する芳香剤収容装置(2)と、芳香剤収容装置(2)の開口を開放し閉鎖する開閉装置(3、3M)とを有しており、前記制御装置(5)は、自動流水装置(6)が感知した利用者のトイレ(100)への入室信号を受信する機能と、利用者がトイレ(100)に入室した場合に徐放された芳香剤を連行した気体流をトイレの上方の空間(E1)に放出する機能と、利用者がトイレ(10)から退室した際には芳香剤を連行した気体の放出を停止する機能を有している請求項4の大便器用洗浄装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
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【図11】
【図12】
【図13】
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【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2009−281096(P2009−281096A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−136188(P2008−136188)
【出願日】平成20年5月26日(2008.5.26)
【出願人】(506059193)エコ・デベロプメント株式会社 (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月26日(2008.5.26)
【出願人】(506059193)エコ・デベロプメント株式会社 (4)
【Fターム(参考)】
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