説明

天井搬送設備の清掃装置

【課題】複数の清掃吸引部の吸引力が不足することを回避して、複数の清掃対象箇所の清掃を適切に行える天井搬送設備の清掃装置を提供する。
【解決手段】搬送用台車の走行ガイド部Lが天井側に設けられ、走行ガイド部Lに沿って走行自在な清掃用台車Wに、走行ガイド部Lにおける複数の清掃対象箇所に対して吸引作用する複数の清掃用吸引部Kと、それら複数の清掃用吸引部Kに連通接続された吸引式掃除機Gとが設けられ、複数の清掃用吸引部Kが、複数の作用単位に区分けされ、それら複数の作用単位の夫々と吸引式掃除機Gとの連通を選択的に断続する断続手段が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送用台車の走行ガイド部が天井側に設けられ、前記走行ガイド部に沿って走行自在な清掃用台車に、前記走行ガイド部における複数の清掃対象箇所に対して吸引作用する複数の清掃用吸引部と、それら複数の清掃用吸引部に連通接続された吸引式掃除機とが設けられた天井搬送設備の清掃装置に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる天井搬送設備の清掃装置は、清掃用台車を走行ガイドに沿って走行させることにより、走行ガイド部の複数の清掃対象箇所を清掃用吸引部にて清掃するものである。
すなわち、かかる天井搬送設備は、一般に、ダウンフロー式のクリーンルーム等のクリーンルームにて装備されて、例えば、シリコン基板を収納した容器を搬送する等、清浄な環境で物品を搬送するのに用いられることになる。
【0003】
このように、天井搬送設備は、クリーンルームに装備されることになるものの、走行ガイド部には、塵埃が付着堆積し易い箇所が存在することになる。
そして、走行ガイド部に付着堆積した塵埃を放置しておくと、その付着堆積した塵埃が、搬送用台車の走行に伴って生じる空気の流れや、走行ガイド部の振動によって、走行ガイド部から離脱して、天井搬送設備が設置された空間を汚染する不都合があるため、適当な時期に、清掃用台車を走行ガイドに沿って走行させることにより、走行ガイド部に付着堆積した塵埃を清掃できるようにしたものである。
【0004】
つまり、走行ガイド部において、塵埃が付着堆積し易い複数箇所を複数の清掃対象箇所として定めて、それらの清掃対象箇所に対応する複数の清掃吸引部を、清掃台車に装備させることにより、清掃用台車を走行ガイドに沿って走行させることにより、走行ガイド部の複数の清掃対象箇所を清掃用吸引部にて清掃できるようにしたものである。
【0005】
このような天井搬送設備の清掃装置の従来例として、複数の清掃吸引部と吸引式掃除機とが、単に連通接続されて、吸引式掃除機が作動されると、複数の清掃吸引部の全てが同時に吸引作用するように構成されたものがあった(例えば、特許文献1)。
【0006】
ちなみに、特許文献1の天井搬送設備の清掃装置は、搬送用台車に、複数の清掃用吸引部としての、複数の吸塵ノズルを装備し、かつ、搬送する物品の代わりに、吸引式掃除機としての、真空式掃除機を搭載して、その真空式掃除機と複数の吸塵ノズルとを、ダクト等を用いて接続することにより、清掃用台車を構成するようになっている。
つまり、通常は物品搬送作業を行う搬送用台車に、清掃作業を行うときには、複数の吸塵ノズルを装備し、かつ、真空式掃除機を搭載して、清掃作業を行えるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−271552号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の天井搬送設備の清掃装置は、吸引式掃除機を作動させると、複数の清掃吸引部の全てが同時に吸引作用するように、吸引式掃除機と複数の清掃吸引部とを単に連通接続するものであるため、複数の清掃吸引部の吸引力が不足して、適切な清掃を行えない虞があった。
【0009】
つまり、清掃用台車は、搬送用台車の走行ガイド部を用いて走行させるものであって、搬送する物品の代わりに、吸引式掃除機を搬送するものであるから、清掃用台車に装備する吸引式掃除機としては、物品の重量と同程度の重量のものにする必要がある。
このため、複数の清掃吸引部の吸引力を増大させるべく、大きな吸引力を備える大型の吸引式掃除機を装備することが望まれる場合においても、重量の制限により、大きな吸引力を有する吸引式掃除機を装備することができないため、複数の清掃吸引部の吸引力が不足して、適切な清掃を行えない虞があった。
【0010】
特に、走行ガイド部における清掃対象箇所が多くなる場合においては、それらの清掃対象箇所に対応する多数の清掃吸引部の全てを同時に吸引作用させると、その吸引力の不足が顕著となるものであった。
【0011】
ちなみに、清掃用台車に装備する吸引式掃除機は、駆動電力供給用のバッテリーを搭載する形態のものとなるため、重量の割には吸引能力が低くなる傾向になり、この点においても、複数の清掃吸引部の吸引力が不足する原因となるものであった。
【0012】
つまり、天井搬送設備においては、一般に、走行ガイド部に、搬送用台車に非接触状態で給電する給電線が保持されており、搬送用台車は、この給電線から供給される電力によって走行し、そして、走行停止状態において、給電線から供給される電力によって、物品の移載装置を作動させることになる。
したがって、清掃用台車は、給電線から供給される電力を用いて走行させることができるが、給電線から供給される電力は、清掃用台車を走行させるときには、その走行に消費されて、吸引掃除機を駆動する余剰分がないため、吸引掃除機には、大きな重量のバッテリーを搭載する必要があり、その結果、上述の如く、吸引式掃除機は、重量の割には吸引能力が低くなるものであった。
【0013】
本発明は、上記実情に鑑みて為されたものであって、その目的は、複数の清掃吸引部の吸引力が不足することを回避して、複数の清掃対象箇所の清掃を適切に行える天井搬送設備の清掃装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の天井搬送設備の清掃装置は、搬送用台車の走行ガイド部が天井側に設けられ、
前記走行ガイド部に沿って走行自在な清掃用台車に、前記走行ガイド部における複数の清掃対象箇所に対して吸引作用する複数の清掃用吸引部と、それら複数の清掃用吸引部に連通接続された吸引式掃除機とが設けられたものであって、その第1特徴構成は、
前記複数の清掃用吸引部が、複数の作用単位に区分けされ、それら複数の作用単位の夫々と前記吸引式掃除機との連通を選択的に断続する断続手段が設けられている点を特徴とする。
【0015】
すなわち、複数の作用単位の夫々と吸引式掃除機との連通を、断続手段によって選択的に断続させることにより、複数の清掃用吸引部を、区分けされた作用単位ごとに、吸引式掃除機に連通接続される状態に切換えることができる。
つまり、複数の作用単位の一つに属する清掃用吸引部と吸引式掃除機とを連通させ、かつ、他の作用単位に属する清掃用吸引部と吸引式掃除機とを連通させない状態にすることを、区分けされた作用単位ごとに行えることになる。
【0016】
したがって、走行ガイド部を清掃するときには、先ず、複数の作用単位の一つに属する清掃用吸引部と吸引式掃除機に連通させ、かつ、他の作用単位に属する清掃用吸引部と吸引式掃除機とを連通させない状態にして、清掃用台車を走行ガイドに沿って走行させることにより、吸引式掃除機と連通されている清掃用吸引部に対応する清掃対象箇所を清掃する。
【0017】
次に、複数の作用単位のうちの、未清掃の清掃対象箇所に対応する作用単位の一つに属する清掃用吸引部と吸引式掃除機とを連通させ、かつ、他の作用単位に属する清掃用吸引部と吸引式掃除機とを連通させない状態にして、清掃用台車を走行ガイドに沿って走行させることにより、吸引式掃除機と連通している清掃用吸引部に対応する清掃対象箇所を清掃するのであり、そして、複数の作用単位のうちで、吸引式掃除機を連通させるものを切換ながら、清掃対象箇所を清掃することを、複数の清掃対象箇所の全てを清掃するまで、繰り返すことになる。
【0018】
このように、複数の作用単位の夫々と吸引式掃除機との連通を、断続手段によって選択的に断続させることにより、複数の清掃用吸引部のうちの一部のみを、吸引式掃除機に連通させた状態で、走行ガイド部の複数の清掃対象箇所を清掃させるものであるから、吸引式掃除機の吸引能力が、複数の清掃用吸引部の全てを適正な吸引力にて同時に作動させることができない能力であっても、複数の清掃吸引部の吸引力が不足することを回避して、複数の清掃対象箇所を適切に清掃できるのである。
【0019】
要するに、本願発明の第1特徴構成によれば、複数の清掃吸引部の吸引力が不足することを回避して、複数の清掃対象箇所の清掃を適切に行える天井搬送設備の清掃装置を提供できる。
【0020】
本発明の天井搬送設備の清掃装置の第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記清掃用台車に、前記吸引式掃除機の排風を吸引して浄化用フィルタを通して排出するファンフィルタユニットが設けられている点を特徴とする。
【0021】
すなわち、吸引式掃除機の排風が、ファンフィルタユニットにより吸引され、浄化用フィルタを通して清浄化されて排出されることになる。
【0022】
このように、ファンフィルタユニットにより、吸引式掃除機の排風を清浄化して排出するものであるから、吸引式掃除機からの排風よって、天井搬送設備が設置されている空間が汚染することを抑制できる。
【0023】
しかも、ファンフィルタユニットは、浄化した空気を緩やかな風速にて排出することができるものであるから、吸引式掃除機からの排風の風速が高くても、天井搬送設備が設置されている空間の気流の流れが乱れることを抑制できるのである。
つまり、例えば、天井搬送設備が設置されている空間が、ダウンフロー式のクリーンルームである場合には、ファンフィルタユニットを、下向きに排風するように装備することにより、その空間の気流の流れを乱すことを抑制できるのである。
【0024】
要するに、本発明の第2特徴構成によれば、上記第1特徴構成による作用効果に加えて、天井搬送設備が設置されている空間の汚染や気流の流れの乱れを抑制した状態で、走行ガイドの清掃を行なえる天井搬送設備の清掃装置を提供できる。
【0025】
本発明の天井搬送設備の清掃装置の第3特徴構成は、上記第2特徴構成に加えて、
前記吸引式掃除機が、区画形成された収納空間内に、その収納空間内に排風する状態で装備され、
前記ファンフィルタユニットが、前記収納空間内の空気を吸引する状態で設けられている点を特徴とする。
【0026】
すなわち、吸引式掃除機が、区画形成された収納空間内に装備され、かつ、その収納空間内に排風することになる。
そして、ファンフィルタユニットが、吸引式掃除機が装備される収納空間内の空気を吸引して、清浄化した空気を排出することになる。
【0027】
このように、ファンフィルタユニットが、吸引式掃除機が装備される収納空間内の空気を吸引するものであるから、吸引式掃除機から収納空間内に排出される排風によって、天井搬送設備が設置されている空間が汚染されることを抑制できることに加えて、吸引式掃除機が作動することによって発生する塵埃によって、天井搬送設備が設置されている空間が汚染されることをも抑制できる。
【0028】
つまり、吸引式掃除機が作動すると、その作動によって吸引式掃除機自体(例えば、駆動部)からも塵埃が発生することになるが、そのような塵埃は、ファンフィルタユニットにて捕捉されることになるため、吸引式掃除機自体から発生する塵埃によって、天井搬送設備が設置されている空間が汚染されることを抑制できるのである。
【0029】
要するに、本発明の第3特徴構成によれば、上記第2特徴構成による作用効果に加えて、吸引式掃除機自体から発生する塵埃によって、天井搬送設備が設置されている空間が汚染されることを抑制できる天井搬送設備の清掃装置を提供できる。
【0030】
本発明の天井搬送設備の清掃装置の第4特徴構成は、上記第1〜第3特徴構成のいずれかに加えて、
前記走行ガイド部における複数の清掃対象箇所が、前記搬送用台車の走行輪が走行する走行レールの走行面を含むものである点を特徴とする。
【0031】
すなわち、搬送用台車の走行輪が走行する走行レールの走行面が、走行ガイド部における清掃対象箇所として、清掃用台車の清掃用吸引部にて清掃されることになる。
【0032】
つまり、搬送用台車の走行輪が、走行レールの走行面に接触して走行すると、塵埃が発生するから、走行レールの走行面には、塵埃が付着堆積することになるが、走行レールの走行面が、清掃用台車の清掃用吸引部にて清掃されるため、走行レールの走行面に付着堆積した塵埃が除去されることになり、走行レールの走行面に付着堆積した塵埃にて天井搬送設備が設置された空間が汚染されることを抑制できる。
【0033】
要するに、本発明の第4特徴構成によれば、上記第1〜第3特徴構成のいずれかによる作用効果に加えて、搬送用台車の走行によって塵埃が付着堆積し易い走行レールの走行面を清掃できる天井搬送設備の清掃装置を提供できる。
【0034】
本発明の天井搬送設備の清掃装置の第5特徴構成は、上記第4特徴構成に加えて、
前記走行面に対する前記清掃用吸引部が、前記走行面に接触する吸引作用位置と前記走行面から上方に退避した退避位置とに昇降自在に設けられ、
前記走行面に対する前記清掃用吸引部を前記退避位置にて保持する保持手段が設けられている点を特徴とする。
【0035】
すなわち、走行面を清掃するときには、その走行面に対する清掃用吸引部を、走行面に接触する吸引用作用位置に位置させておくことにより、走行面に付着堆積する塵埃を的確に吸引除去できるのである。
【0036】
そして、走行面の清掃を行わないときには、その走行面に対する清掃用吸引部を、走行面から上方に退避した退避位置に位置させて、保持手段にて保持しておくことにより、走行面に対する清掃用吸引部が、走行面に接触して、塵埃を発生することを回避できるのである。
【0037】
要するに、本発明の第5特徴構成によれば、上記第4特徴構成の作用効果に加えて、走行面を清掃するときには、走行面に付着堆積する塵埃を的確に吸引除去でき、しかも、走行面の清掃を行わないときには、走行面に対する清掃用吸引部が、走行面に接触して、塵埃を発生することを回避できる天井搬送設備の清掃装置を提供できる。
【0038】
本発明の天井搬送設備の清掃装置の第6特徴構成は、上記第5特徴構成に加えて、
前記走行面に対する前記清掃用吸引部が、前記走行面に対向する吸引口を備えた筒状体の内部に、前記走行面に摺接する除塵ブラシを備える状態に構成されている点を特徴とする。
【0039】
すなわち、走行面に対する清掃用吸引部が、走行面に摺接する除塵ブラシによって走行面に付着堆積した塵埃を掻き取りながら、筒状体の吸引口より塵埃を吸引する形態で、走行面を清掃することになるため、走行面に付着して、単に吸引するだけでは除去し難い塵埃をも、適切に除去できることになる。
【0040】
しかも、走行面に摺接する除塵ブラシが、走行面に対向する吸引口を供えた筒状体の内部に装備されているから、除塵ブラシにて掻き取られた塵埃を筒状体にて適切に吸引できるため、除塵ブラシにて掻き取られた塵埃が、天井搬送設備が設置された空間に飛散することを抑制できる。
【0041】
要するに、本発明の第6特徴構成によれば、上記第5特徴構成による作用効果に加えて、走行面に摺接する除塵ブラシによって走行面に付着堆積した塵埃を掻き取ることによって、走行面に付着して、単に吸引するだけでは除去し難い塵埃をも、適切に除去でき、しかも、除塵ブラシにて掻き取られた塵埃が、天井搬送設備が設置された空間に飛散することを抑制できる天井搬送設備の清掃装置を提供できる。
【0042】
本発明の天井搬送設備の清掃装置の第7特徴構成は、上記第1〜第6特徴構成のいずれかに加えて、
前記走行ガイド部における複数の清掃対象箇所が、前記搬送用台車に非接触状態で給電する給電線を保持する保持部の上面を含むものである点を特徴とする。
【0043】
すなわち、搬送用台車に非接触状態で給電する給電線を保持する保持部の上面が、走行ガイド部における清掃対象箇所として、清掃用台車の清掃用吸引部にて清掃されることになる。
【0044】
つまり、給電線を保持する保持部の上面には、搬送用台車の走行輪が走行レールの走行面に接触して走行した際に発生する塵埃が付着堆積する等、種々の塵埃が付着堆積することになるが、保持部の上面が、清掃用台車の清掃用吸引部にて清掃されるため、保持部の上面に付着堆積した塵埃によって、天井搬送設備が設置された空間が汚染されることを抑制できる。
【0045】
要するに、本発明の第7特徴構成によれば、上記第1〜第6特徴構成のいずれかによる作用効果に加えて、給電線を保持する保持部の上面を清掃できる天井搬送設備の清掃装置を提供できる。
【0046】
本発明の天井搬送設備の清掃装置の第8特徴構成は、上記第7特徴構成に加えて、
前記保持部の上面に対する前記清掃用吸引部が、前記保持部の上面に接触する吸引作用位置と前記保持部の上面から上方に退避した退避位置とに昇降自在に設けられ、
前記保持部の上面に対する前記清掃用吸引部を前記退避位置にて保持する保持手段が設けられている点を特徴とする。
【0047】
すなわち、保持部の上面を清掃するときには、その保持部の上面に対する清掃用吸引部を、保持部の上面に接触する吸引用作用位置に位置させておくことにより、保持部の上面に付着堆積する塵埃を的確に吸引除去できるのである。
【0048】
そして、保持部の上面の清掃を行わないときには、その保持部の上面に対する清掃用吸引部を、保持部の上面から上方に退避した退避位置に位置させて、保持手段にて保持しておくことにより、保持部の上面に対する清掃用吸引部が、保持部の上面に接触して、塵埃を発生することを回避できるのである。
【0049】
要するに、本発明の第8特徴構成によれば、上記第7特徴構成の作用効果に加えて、保持部の上面を清掃するときには、その保持部の上面に付着堆積する塵埃を的確に吸引除去でき、しかも、保持部の上面の清掃を行わないときには、保持部の上面に対する清掃用吸引部が、保持部の上面に接触して、塵埃を発生することを回避できる天井搬送設備の清掃装置を提供できる。
【0050】
本発明の天井搬送設備の清掃装置の第9特徴構成は、上記第1〜第8特徴構成のいずれかに加えて、
前記走行ガイド部における複数の清掃対象箇所が、前記搬送用台車の上部に装備した上下方向に沿う軸心周りで回転するガイド輪を案内するガイドレールの案内面を含むものである点を特徴とする。
【0051】
すなわち、搬送用台車のガイド輪を案内するガイドレールの案内面が、走行ガイド部における清掃対象箇所として、清掃用台車の清掃用吸引部にて清掃されることになる。
つまり、搬送用台車の搬送経路には、分岐部や合流部が存在することになり、その分岐部や合流部での走行を行わせるために、搬送用台車の上部には、上下方向に沿う軸心周りで回転するガイド輪が装備されることになる。
【0052】
そして、ガイド輪が、ガイドレールの案内面に接触して移動すると、塵埃が発生するから、ガイドレールの案内面には、塵埃が付着堆積することになるが、ガイドレールの案内面が、清掃用台車の清掃用吸引部にて清掃されるため、ガイドレールの案内面に付着堆積した塵埃によって、天井搬送設備が設置された空間が汚染されることを抑制できる。
【0053】
要するに、本発明の第9特徴構成によれば、上記第1〜第8特徴構成のいずれかによる作用効果に加えて、搬送用台車のガイド輪が案内されるガイドレールの案内面を清掃できる天井搬送設備の清掃装置を提供できる。
【0054】
本発明の天井搬送設備の清掃装置の第10特徴構成は、上記第9特徴構成に加えて、
前記案内面に対する前記清掃用吸引部が、前記案内面に摺接する除塵ブラシと、前記除塵ブラシの後方側箇所に装備された上向き開口状態の吸引用皿状体とを備える状態に構成されている点を特徴とする。
【0055】
すなわち、ガイドレールの案内面に対する清掃用吸引部が、案内面に摺接する除塵ブラシによって案内面に付着堆積した塵埃を掻き取りながら、掻き取られた塵埃を含む空気を上向き開口状態の吸引用皿状体にて吸引する形態で、案内面を清掃することになるため、案内面に付着して、単に吸引するだけでは除去し難い塵埃をも、適切に除去でき、しかも、除塵ブラシにて掻き取られた塵埃を含む空気を吸引用皿状体にて吸引することにより、除塵ブラシにて掻き取られた塵埃が、天井搬送設備が設置された空間に飛散することを抑制できる。
【0056】
ちなみに、ガイドレールの上部には、補強のために、ガイドレールの長手方向視にて横方向に張り出す張出し部を設けることが多く、この場合には、その張出し部の下面が、案内面の上端から連なる状態で存在することになる。
つまり、案内面は、上下方向に沿う軸心周りで回転するガイド輪を案内するものであるため、ガイドレールの長手方向視にて、上下方向に沿う面であるから、張出し部の下面が、案内面の上端から連なる状態で存在することになるのである。
したがって、ガイドレールの上部に張出し部を設ける場合には、ガイド輪がガイドレールの案内面に接触して移動して発生する塵埃が、張出し部の下面にも付着堆積することになるから、この張出し部の下面に付着堆積した塵埃を除去できるようにすべく、案内面に摺接する除塵ブラシを、張出し部の下面にも摺接するように構成することが好ましい。
【0057】
要するに、本発明の第10特徴構成によれば、上記第9特徴構成による作用効果に加えて、ガイドレールの案内面に摺接する除塵ブラシによって案内面に付着堆積した塵埃を掻き取ることによって、案内面に付着して、単に吸引するだけでは除去し難い塵埃をも、適切に除去でき、しかも、除塵ブラシにて掻き取られた塵埃が、天井搬送設備が設置された空間に飛散することを抑制できる天井搬送設備の清掃装置を提供できる。
【0058】
本発明の天井搬送設備の清掃装置の第11特徴構成は、上記第1〜第10特徴構成のいずれかに加えて、
前記搬送用台車、及び、前記清掃用台車が、前記走行ガイド部に沿って走行する前後一対の走行部と、それら前後一対の走行部の夫々に対して、それらの走行部の夫々から下方に延出される上下方向に沿う連結軸の軸心周りで相対回転自在な状態で、前記連結軸を介して吊り下げ支持される吊下げ部とを備えるように構成され、
前記搬送用台車の吊下げ部が、搬送する物品を支持する物品支持部に構成され、
前記清掃用台車の吊下げ部が、前記吸引式掃除機を支持する掃除機支持部に構成され、
前記清掃用台車の前記前後一対の走行部のうちの一方に、前記複数の清掃用吸引部及び前記断続手段が装備されている点を特徴とする。
【0059】
すなわち、搬送用台車及び清掃用台車が、前後一対の走行部を上下方向に沿う軸心周りで吊下げ部に対して揺動させながら走行できるため、走行ガイド部に湾曲経路部分(カーブ部分)を備えさせる場合において、その曲率半径を小さくできるのである。
つまり、走行ガイド部に、曲率半径の小さな湾曲経路部分(カーブ部分)を備えさせるようにして、搬送用台車による物品の搬送を効率良く行えるようにしながらも、清掃用台車によって、走行ガイド部における複数の清掃対象箇所を適切に清掃できるのである。
【0060】
また、搬送用台車は、前後一対の走行部にて吊下げ支持される吊下げ部を、搬送する物品を支持する物品支持部に構成するものであるから、搬送する物品の重量を前後の走行部にて分担して支持できるのであり、そして、清掃用台車は、前後一対の走行部にて吊下げ支持される吊下げ部を、吸引式掃除機を支持する掃除機支持部に構成するものであるから、重量の大きな吸引式掃除機の重量を前後の走行部にて分担して支持できるのである。
【0061】
さらに、清掃用台車は、前後一対の走行部のうちの一方に、複数の清掃用吸引部及び断続手段を装備するものであるから、搬送用台車の前後一対の走行部のうちの、複数の清掃用吸引部及び断続手段を装備しない走行部については、搬送用台車の走行部を兼用して構成できるのであり、清掃用台車の製作の低廉化を図ることができる。
【0062】
要するに、本発明の第11特徴構成によれば、上記第1〜第10特徴構成のいずれかによる作用効果に加えて、搬送用台車による物品の搬送を効率良く行えるようにしながらも、清掃用台車によって、走行ガイド部における複数の清掃対象箇所を適切に清掃でき、しかも、搬送用台車については、搬送する物品の重量を前後の走行部にて分担して適切に支持でき、かつ、清掃用台車については、重量の大きな吸引式掃除機の重量を前後の走行部にて分担して適切に支持でき、さらには、清掃用台車の製作の低廉化を図れる天井搬送設備の清掃装置を提供できる。
【0063】
本発明の天井搬送設備の清掃装置の第12特徴構成は、上記第11特徴構成に加えて、
前記清掃用台車における前後の前記連結軸のうちの、前記複数の清掃用吸引部及び前記断続手段が装備される前記走行部に対して前記吊下げ部を吊下げ支持する連結軸が、前記吸引式掃除機と前記複数の清掃用吸引部とを連通接続する流路の一部を形成すべく、筒状に形成され、
その流路を形成する連結軸の下端部に、前記吸引式掃除機から延出される可撓性の吸引ホースが接続されている点を特徴とする。
【0064】
すなわち、清掃用台車における前後の連結軸のうちの、複数の清掃用吸引部及び断続手段が装備される走行部に対して吊下げ部を吊下げ支持する連結軸が、筒状に形成されて、その連結軸によって、吸引式掃除機と複数の清掃用吸引部とを連通接続する流路の一部が形成され、そして、その流路を形成する連結軸の下端部に、吸引式掃除機から延出される可撓性の吸引ホースが接続されるのである。
【0065】
つまり、清掃台車の前後の走行部に対して吊下げ部を吊下げ支持する前後の連結軸のうちの、複数の清掃用吸引部及び断続手段が装備される走行部に対して吊下げ部を吊下げ支持する連結軸を筒状に形成し、そして、その連結軸の下端部に、吸引式掃除機から延出される可撓性の吸引ホースを接続するという簡素な構成にて、吸引式掃除機と複数の清掃用吸引部とを接続する流路のうちの、走行部と吊下げ部との連結箇所の流路部分を形成できるのである。
【0066】
要するに、本発明の第12特徴構成によれば、上記第11特徴構成による作用効果に加えて、吸引式掃除機と複数の清掃用吸引部とを連通接続する流路のうちの、走行部と吊下げ部との連結箇所の流路部分を、簡素な構成にて形成できる天井搬送設備の清掃装置を提供できる。
【0067】
本発明の天井搬送設備の清掃装置の第13特徴構成は、上記第11又は第12特徴構成に加えて、
前記清掃用台車における前後一対の走行部のうちの、前記複数の清掃用吸引部及び前記断続手段が装備される前記走行部に、前後一対の清掃台車側の走行輪が、側面視にて、前記連結軸の前後に振り分けられた状態で装備され、
前記複数の清掃用吸引部のうち、前記搬送用台車の走行輪が走行する走行レールの走行面に対して吸引作用する清掃用吸引部が、前後一対の前記清掃台車側の走行輪の間に配設されている点を特徴とする。
【0068】
すなわち、清掃用台車における前後一対の走行部のうちの、複数の清掃用吸引部及び断続手段が装備される走行部に、一対の清掃台車側の走行輪が、側面視にて、前記連結軸の前後に振り分けられた状態で装備されて、複数の清掃用吸引部のうち、搬送用台車の走行輪が走行する走行レールの走行面に対して吸引作用する清掃用吸引部が、前後一対の清掃台車側の走行輪の間に配設されているから、走行ガイド部の湾曲経路部分(カーブ部分)を走行する際にも、走行レールの走行面に対して吸引作用する清掃用吸引部を、走行レールの走行面に対する適正位置に位置させた状態で、適切に吸引作用させることができる。
【0069】
つまり、清掃用台車における前後一対の走行部は、走行ガイド部に湾曲経路部分(カーブ部分)が存在すると、その湾曲経路部分に沿って走行する状態となるように、連結軸の軸心周りで回転することになるが、複数の清掃用吸引部及び断続手段が装備される走行部に装備されている一対の清掃台車側の走行輪が、側面視にて、前記連結軸の前後に振り分けられた状態で装備されて、それら一対の清掃台車側の走行輪の間に、走行レールの走行面に対して吸引作用する清掃用吸引部が装備されているため、清掃用台車の走行部が連結軸の軸心周りで回転したときにも、走行レールに対する清掃用吸引部の車体横幅方向の位置を適正な位置に位置させて、適切な吸引作用を発揮させることができるのである。
【0070】
要するに、本発明の第13特徴構成によれば、上記第11又は第12特徴構成による作用効果に加えて、搬送用台車の走行輪が走行する走行レールの湾曲経路部分(カーブ部分)の走行面をも適切に清掃できる天井搬送設備の清掃装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】設定走行経路を示す概略平面図
【図2】搬送用台車の側面図
【図3】搬送用台車の正面図
【図4】搬送用台車の分岐部位での状態を示す平面図
【図5】清掃用台車の側面図
【図6】清掃用台車の正面図
【図7】清掃用台車の分岐部位での状態を示す平面図
【図8】清掃用台車の前方側走行部の正面図
【図9】同部の斜視図
【図10】同部の分解斜視図
【図11】前方側連結軸の装着部の縦断側面図
【図12】第2清掃部の斜視図
【図13】同部の一部切欠き側面図
【図14】第1清掃部の装着部の分解斜視図
【図15】同部の一部切欠き側面図
【図16】図15のXVI−XVI線矢視図
【図17】図15のXVII−XVII線矢視図
【図18】第3清掃部の装着部の分解斜視図
【図19】同部の正面図
【図20】同部の一部切欠き平面図
【図21】同部の一部切欠き側面図
【図22】第3清掃部の清掃作用状態を示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0072】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
先ず、天井搬送設備について説明すると、図2〜図4に示すように、走行レール1を備えた走行ガイド部Lが天井側に設けられ、走行ガイド部Lに沿って走行する搬送用台車2が設けられている。
すなわち、図1に示すように、搬送用台車2の設定走行経路が、複数の物品処理部3を経由する状態に設定され、走行ガイドRが、設定走行経路に沿って設置される。
設定走行経路は、直線状経路部分4と円弧状経路部分5とを組み合わせて設定され、搬送用台車2は、設定走行経路に沿って一定方向(図中矢印にて示す方向)に向けて走行するように構成されている。
【0073】
ちなみに、本実施形態においては、設定走行経路が、複数の物品処理部3を経由する環状の複数のサブ走行経路6aと、環状のメイン走行経路6bとを主要経路として備え、そして、メイン走行経路6bを走行する搬送用台車2をサブ走行経路6aに導く分岐接続経路6cと、サブ走行経路6aを走行する搬送用台車2をメイン走行経路6bに導く合流接続経路6dを備えている。
そして、メイン走行経路6bを走行する搬送用台車2が、分岐部位Mにおいて、分岐接続経路6cに分岐走行すること、分岐接続経路6cを走行する搬送用台車2が、合流部位Nにおいて、サブ走行経路6aに合流走行すること、サブ走行経路6aを走行する搬送用台車2が、分岐部位Mにおいて、合流接続経路6dに分岐走行すること、及び、合流接続経路6dを走行する搬送用台車2が、合流部位Nにおいて、メイン走行経路6bに合流走行することを行うことによって、搬送用台車2が、メイン走行経路6b及び複数のサブ走行経路6aに亘って走行するように構成されている。
【0074】
本実施形態においては、図1に示すように、複数台の搬送用台車2が装備されており、各搬送用台車2は、図2及び図3に示すように、半導体基板を収納した容器を物品7として搬送するように構成されている。
つまり、複数の物品処理部3としては、半導体基板に対して異なる処理を行う複数種が存在することになり、各搬送用台車2は、物品処理部3から受取った物品7を、別の処理を行う物品処理部3に搬送する作業を行うことになる。
尚、例示はしないが、物品7を一時的に保管する保管部が設けられる場合が多く、この場合には、搬送用台車2は、物品7を保管部に搬送することや、保管部から受取った物品7を物品処理部3に搬送する作業も行うことになる。
【0075】
走行ガイド部Lの走行レール1は、設定走行経路に沿って延びるように配設されるものであって、図3に示すように、走行レール用支持体8により天井部に吊下げ状態で設置され、また、図3及び図4に示すように、搬送用台車2の横幅方向に沿って、間隔を隔てて左右一対設けられている。
ちなみに、以下の説明においては、搬送用台車2の横幅方向を、台車横幅方向と略称し、搬送用台車2の前後幅方向を、台車前後幅方向と略称し、搬送用台車2の上下幅方向を、台車上下幅方向と略称する。
【0076】
搬送用台車2は、図2及び図3に示すように、走行ガイド部Lの下方に位置する車体本体部9と、走行ガイド部Lに沿って走行する前後一対の走行部10F、10Rとから構成されており、車体本体部9には、物品7を吊り下げ状態で把持する把持部11が備えられている。
そして、それら前後一対の走行部10F、10Rから下方に延出される上下方向に沿う連結軸12が、左右一対の走行レール1の間を通して下方に伸びる状態で設けられ、車体本体部9が、前後一対の走行部10F、10Rに対して、連結軸12の軸心周りで相対回転自在な状態で、連結軸12を介して吊下げ支持されている。
【0077】
ちなみに、本実施形態においては、搬送用台車2の車体本体部9が、前後一対の走行部10F、10Rに対して連結軸12を介して吊下げ支持される吊下げ部を構成し、かつ、その吊下げ部を構成する車体本体部9が、搬送する物品7を支持する物品支持部を構成することになる。
【0078】
前後一対の走行部10F、10Rの夫々には、電動式の駆動モータ13にて回転駆動される走行輪14が、左右一対の走行レール1夫々の上面にて形成される走行面を走行する状態で装備され、また、台車上下幅方向に沿う軸心周りで自由回転する案内輪15が、左右一対の走行レール1における内方側の側面に当接する状態で装備されている。
走行輪14は、前後一対の走行部10F、10Rの夫々について、台車横幅方向の両端部に1つずつ配設されており、案内輪15は、前後一対の走行部10F、10Rの夫々について、台車前後幅方向に並ぶ状態で2つずつ配設されている。
【0079】
したがって、搬送用台車2は、前後一対の走行部10F、10Rの案内輪15が一対の走行レール1にて案内されることによって、台車横幅方向での位置を規制されながら、前後一対の走行部10F、10Rの走行輪14が回転駆動されることによって、走行レール1に沿って走行するように構成されている。
また、搬送用台車2は、車体本体部9に対して前後一対の走行部10F、10Rが連結軸12の軸心周り(台車上下幅方向に沿う軸心周り)で屈曲することにより、設定走行経路における円弧状経路部分5をも良好に走行できるようになっている。
【0080】
車体本体部9は、台車前後方向の前端側と後端側とが下方側に延びて下方側が開放した逆U字状に形成されており、その下方側に延びる前端側と後端側との間に把持部11が配設されている。そして、車体本体部9には、把持部11を昇降させるための電動式の昇降用モータ16、及び、把持部11を上下軸心周りで旋回させるための電動式の旋回用モータ17が備えられている。
【0081】
つまり、昇降用モータ16は、索状体としてのベルト18が巻回された回転ドラム19を正逆に回転駆動して、ベルト18を巻き取り又は繰り出すことにより、把持部11を上昇位置と下降位置とに昇降させるように構成されている。
尚、上昇位置とは、図2及び図3に示すように、把持部11を車体本体部9に近接させた位置であり、下降位置とは、図示は省略するが、把持部11を物品処理部3の移載用ステーションに近接させた位置である。
【0082】
把持部11は、車体本体部9の上端部から下方側に延びる旋回軸20(図2参照)により、車体本体部9に対して上下軸心周りで回転自在に連結されている。そして、旋回用モータ17が、回転駆動力伝達部21を介して旋回軸20を上下軸心周りに回転駆動することによって、把持部11を上下軸心周りで旋回させるように構成されている。
【0083】
把持部11は、物品7を把持するための把持具22を備えて、その把持具22を、物品7を把持する把持姿勢とその把持を解除する把持解除姿勢とに電動式の把持用モータ23によって切換えるように構成されている。図3では、把持具22を把持姿勢に切り換えた状態を示している。
【0084】
搬送用台車2には、前後一対の走行部10F、10Rの走行作動、把持部11の昇降作動、及び、把持具22の姿勢切換作動等を制御して、搬送用台車2の運転を制御する台車側制御部(図示せず)が備えられている。
そして、台車側制御部は、複数の搬送用台車2の運行を管理する設備管理用コンピュータから、無線通信等により、搬送元のステーション及び搬送先のステーションを指定する搬送指令を受けると、その搬送指令にて指定された搬送元のステーションから搬送先のステーションに物品7を搬送する搬送処理を行うように構成されている。
【0085】
つまり、搬送用台車2には、各ステーションに対応する目標停止位置を検出するためのセンサや基準点からの搬送用台車2の走行距離を検出するためのセンサ等の各種センサが備えられている。
そして、台車側制御部は、それら各種センサの検出情報に基づいて、指定された搬送元のステーションに走行することや、搬送元のステーションから指定された搬送先のステーションに走行することを行うために、前後一対の走行部10F、10Rの走行作動を制御するように構成され、また、搬送元のステーションにおいては、搬送元のステーションから物品7を受け取るために、把持部11の昇降作動や把持具22の姿勢切換作動を制御し、かつ、搬送先のステーションにおいては、搬送先のステーションに物品7を卸すために、把持部11の昇降作動や把持具22の姿勢切換作動を制御ように構成されている。
【0086】
搬送用台車2は、外部から供給される電力にて駆動されるように構成されている。
すなわち、図3に示すように、走行ガイド部Lには、搬送用台車2に駆動用電力を供給するための左右一対の給電線24が、左右一対の走行レール1と同様に、設定走行経路沿って延びる状態で設けられている。
具体的には、左右一対の給電線24が、左右一対の走行レール1の夫々の下端部に、台車横幅方向の内方側に延出する状態で設けられた保持部24Aの先端部に固定支持されている。
【0087】
また、搬送用台車2の車体本体部9には、図2及び図3に示すように、左右の給電線24から無接触で駆動用電力が給電される単一の受電部(受電コイル)25が、前後一対の連結軸12の間に位置させる状態で設けられている。
そして、給電線24に交流電流を通電することで磁界を発生させ、この磁界により受電部25に駆動用電力を発生させて、無接触状態で搬送用台車2に給電を行うように構成されている。
【0088】
搬送用台車2の上部には、上下方向に沿う軸心(台車上下幅方向に沿う軸心)周りで回転するガイド輪26が装備され、走行ガイド部Lには、分岐部位M及び合流部位Nに対応させて、ガイド輪26を案内するガイドレール27が設けられている。
このガイドレール27は、図3に示すように、走行レール1に連結支持された状態で、走行レール1の長手方向に沿って適当間隔おきに設置された逆U字状の枠体28に支持されている。
尚、図4は、サブ走行経路6aにおける分岐部位Mを代表として示すものであり、合流部位Nについては図示を省略する。
【0089】
ガイドレール27は、分岐部位Mにおいては、搬送用台車2の分岐走行方向を定めるために、ガイド輪26を案内することになり、また、分岐部位M及び合流部位Nにおいて、台車横幅方向の一方側のみに走行レール1が位置する状態になっても、搬送用台車2の姿勢を適正姿勢に維持すべく、ガイド輪26を案内することになる。
【0090】
説明を加えると、分岐部位M及び合流部位Nの走行経路中には、連結軸12を通過させるために、搬送用台車2の横幅方向の一方側のみにしか走行レール1が位置しない経路部分が存在することになるため、ガイド輪26をガイドレール27にて案内することによって、搬送用台車2の姿勢を適正姿勢に維持するようになっている。
また、分岐部位Mにおいては、搬送用台車2を直線状経路部分4に沿って走行させる状態と、円弧状経路部分5に沿って走行させる状態とに切換える必要があるため、ガイド輪26をガイドレール27にて案内することによって、搬送用台車2の分岐方向を選択できるようになっている。
【0091】
ガイドレール27は、図4に示すように、平面視形状が2又状となるように形成されるものであって、ガイド輪26を案内する案内面として、直線状経路部分4において作用する第1案内面27aと、円弧状経路部分5において作用する第2案内面27bとを備える状態に構成されている。
【0092】
ガイド輪26は、搬送用台車2の前後一対の走行部10F、10Rの夫々に備えられるものであって、前後一対の走行部10F、10Rの夫々には、ガイド輪26のガイドレール27に対する台車横幅方向での位置を変更して、ガイド輪26を第1案内面27aにて案内する状態と第2案内面27bにて案内する状態とに切換える案内面切換手段29が備えられている。
【0093】
案内面切換手段29は、モータ等の駆動部30(図2参照)により上下軸心周りに揺動自在な揺動アーム31と、揺動アーム31の先端部に設けられた移動体32と、移動体32を台車横幅方向に移動自在に案内する移動案内部33とを備えており、ガイド輪26が、移動体32の先端部に上下軸心周りで回転自在に支持されている。
そして、案内面切換手段29は、駆動部30により揺動アーム31を揺動させることによって、ガイド輪26の位置を台車横幅方向に位置変更させて、ガイド輪26が案内される案内面を、第1案内面27aと第2案内面27bとに切換えるように構成されている。
尚、図3では、案内面切換手段29が、ガイドレール27の第1案内面27aにてガイド輪26を案内する状態に切り換えたときを示し、図4では、案内面切換手段29が、ガイドレール27の第2案内面27bにてガイド輪26を案内する状態に切り換えたときを示している。
【0094】
合流部位Nについては、図示は省略するが、上述の分岐部位Mと同様に、平面視形状が2又状のガイドレール27が配設されることになる。
そして、案内面切換手段29が、駆動部30により揺動アーム31を揺動させることによって、ガイド輪26の位置を台車横幅方向に位置変更させて、ガイド輪26が案内される案内面を、第1案内面27aと第2案内面27bとに切換えるように構成されている。
【0095】
ちなみに、図3に示すように、ガイドレール27の上部には、補強のために、ガイドレールの長手方向視にて横方向に張り出す張出し部27Aが設けられており、この張出し部27Aの下面が、第1案内面27aまたは第2案内面27bの上端から連なる状態で存在することになる。
【0096】
このように構成された天井搬送設備においては、走行ガイド部Lにおける左右一対の走行レール1の走行面、左右一対の給電線24の夫々に対応する左右一対の保持部24Aの上面、及び、ガイドレール27の第1案内面27aおよび第2案内面27bに塵埃が付着堆積する虞があるため、次に述べる清掃装置が設けられている。
すなわち、図5〜図8に示すように、走行ガイド部Lに沿って走行自在な清掃用台車Wが設けられており、この清掃用台車Wには、走行ガイド部Lにおける左右一対の走行レール1の走行面、左右一対の給電線24の夫々に対応する左右一対の保持部24Aの上面、及び、ガイドレール27の第1案内面27aおよび第2案内面27bを、走行ガイド部Lにおける複数の清掃対象箇所として、これら複数の清掃対象箇所に対して吸引作用する複数の清掃用吸引部Kが装備されている。
また、清掃用台車Wには、複数の清掃用吸引部Kに連通接続される吸引式掃除機Gが設けられている。
【0097】
そして、吸引式掃除機Gを作動させた状態で、清掃用台車Wを走行ガイド部Lに沿って走行させることにより、走行ガイド部Lにおける左右一対の走行レール1の走行面、左右一対の給電線24の夫々に対応する左右一対の保持部24Aの上面、及び、ガイドレール27の第1案内面27aおよび第2案内面27bに付着堆積した塵埃を除去できるように構成されている。
【0098】
さらに、複数の清掃用吸引部Kが、複数の作用単位に区分けされ、それら複数の作用単位夫々と吸引式掃除機Gとの連通を選択的に断続する断続手段Eが、清掃用台車Wに装備されている(図10、図18参照)。
つまり、本実施形態においては、複数の清掃用吸引部Kが、左右一対の走行レール1の走行面を清掃する左右一対の清掃用吸引部K(以下、第1清掃部K1と呼称)、ガイドレール27の第1案内面27aおよび第2案内面27bを清掃する清掃用吸引部K(以下、第2清掃部K2と呼称)、及び、左右一対の給電線24の保持部24Aの上面を清掃する左右一対の清掃用吸引部K(以下、第1清掃部K3と呼称)の夫々を、一つの作用単位とするように区分けされている。
【0099】
したがって、本実施形態においては、断続手段Eの操作によって、走行ガイド部Lにおける左右一対の走行レール1の走行面を清掃する状態、ガイドレール27の第1案内面27aおよび第2案内面27bを清掃状態、及び、左右一対の給電線24の夫々に対応する左右一対の保持部24Aの上面を清掃する状態に切り換えながら、走行ガイド部Lに対する清掃を行うように構成されており、その詳細は後述する。
【0100】
ちなみに、本実施形態においては、清掃用台車Wを用いて、走行ガイド部Lにおける複数のサブ走行経路6aに対する清掃を行い、メイン走行経路6bに対する清掃は行わないものとする。
そして、複数のサブ走行経路6aの清掃を行うときには、複数のサブ走行経路6aのうちで、清掃対象とするサブ走行経路6aから搬送用台車2を離脱走行させた状態で、その清掃対象とするサブ走行経路6aに対して、清掃用台車Wを装着して、清掃用台車Wを清掃対象とするサブ走行経路6aを走行させるようにすることを、複数のサブ走行経路6aについて順次行うことになる。
尚、複数のサブ走行経路6aの全てにおいて搬送用台車2を走行させるときには、清掃用台車Wをサブ走行経路6aから取外すことになる。
【0101】
ちなみに、例示はしないが、サブ走行経路6aの一部、つまり、左右一対の走行レール1の一部が、清掃用台車Wを載置した状態で、走行レール1として機能する上昇位置と、床面近くに下降させた台車着脱位置とに昇降操作自在に構成されており、この昇降によって、サブ走行経路6aに対して清掃用台車Wを装着及び離脱させることができるようになっている。
【0102】
清掃用台車Wは、図5〜図7に示すように、走行ガイド部Lの下方に位置する台車本体部41と、走行ガイド部Lに沿って走行する前後一対の走行部42F、42Rとを備えており、台車本体部41には、吸引式掃除機Gが備えられている。
そして、前後一対の走行部42F、42Rから下方に向けて延出される前後一対の連結軸43F、43Rが、左右一対の走行レール1の間を通して下方に伸びる状態で設けられ、台車本体部41が、前後一対の走行部42F、42Rに対して、前後一対の連結軸43F、43R夫々の上下方向に沿う軸心周りで相対回転自在な状態で、連結軸43F、43Rを介して吊下げ支持されている。
【0103】
ちなみに、本実施形態においては、清掃用台車2Fの台車本体部41が、前後一対の走行部42F、42Rに対して連結軸43F、43Rを介して吊下げ支持される吊下げ部を構成し、かつ、その吊下げ部を構成する台車本体部41が、吸引式掃除機Gを支持する掃除機支持部を構成することになる。
また、以下の説明においては、清掃用台車Wの横幅方向を、台車横幅方向と略称し、清掃用台車Wの前後幅方向を、台車前後幅方向と略称し、清掃用台車Wの上下幅方向を、台車上下幅方向と略称する。
【0104】
以下、清掃用台車Wの構成について説明するが、搬送用台車2の構成との関係を明確にするために、搬送用台車2の構成部材と同じ部材については、搬送用台車2の構成部材について付した符号と同じ符号を付して説明する。
ちなみに、前後一対の走行部42F、42Rのうち、後方側の走行部42Rは、搬送用台車2の前後一対の走行部10F、10Rのうちの後方側の走行部10Rと同じ仕様に構成され、前後一対の走行部42F、42Rのうち、前方側の走行部42Fは、上述した複数の清掃用吸引部K及び断続手段Eを備えるものであって、搬送用台車2の前後一対の走行部10F、10Rのうちの前方側の走行部10Fとは異なる仕様に構成されている。
【0105】
すなわち、清掃用台車Wの前後一対の走行部42F、42Rの夫々には、搬送用台車2の前後一対の走行部10F、10Rの夫々と同様に、台車上下幅方向に沿う軸心周りで自由回転する案内輪15が、左右一対の走行レール1における内方側の側面に当接する状態で装備され、案内面切換手段29にて台車横幅方向に位置変更されるガイド輪26が装備されている。
案内輪15は、前後一対の走行部42F、42Rの夫々について、台車前後幅方向に並ぶ状態で2つずつ配設されている。
【0106】
そして、前後一対の走行部42F、42Rのうちの後方側の走行部42Rには、搬送用台車2の前後一対の走行部10F、10Rと同様に、電動式の駆動モータ13にて回転駆動された走行輪14が、左右一対の走行レール1夫々の上面にて形成される走行面を走行する状態で装備されている。
また、前後一対の走行部42F、42Rのうちの前方側の走行部42Fには、自由回転する走行輪44が、左右一対の走行レール1夫々の上面にて形成される走行面を走行する状態で装備されている。この走行輪44は、台車横幅方向の両端部に、側面視にて、連結軸43Fの前後に振り分けられた状態で装備されている。
【0107】
したがって、清掃用台車Wは、前後一対の走行部42F、42Rの案内輪15が一対の走行レール1にて案内されることによって、台車横幅方向での位置を規制されながら、後方側の走行部42Rの走行輪14が回転駆動されることによって、走行レール1に沿って走行するように構成されている。
また、清掃用台車Wは、台車本体部41に対して前後一対の走行部42F、42Rが上下軸心周りで屈曲することにより、設定走行経路における円弧状経路部分5をも良好に走行できるようになっている。
【0108】
さらに、清掃用台車Wは、分岐部位M及び合流部位Nの走行経路中に、台車横幅方向の一方側のみにしか走行レール1が位置しない経路部分が存在しても、ガイド輪26がガイドレール27にて案内されることによって、その姿勢が維持されるようになっており、また、分岐部位M及び合流部位Nにおいては、ガイド輪26の台車横幅方向での位置を切換えることによって、清掃用台車W2を直線状経路部分4に沿って走行させる状態と、円弧状経路部分5に沿って走行させる状態とに切換えることができるようになっている。
【0109】
また、台車本体部41の上部には、左右の給電線24から無接触で駆動用電力が給電される単一の受電部(受電コイル)25が設けられており、清掃用台車Wは、無接触状態で供給される駆動用電力により作動されるように構成されている。
つまり、清掃用台車Wには、後方側の走行部42Rの走行作動、及び、前後一対の走行部42F、42Rにおける案内面切換手段29の作動等を制御して、清掃用台車Wの運転を制御する運転制御部(図示せず)が備えられている。
【0110】
そして、運転制御部は、上述の設備管理用コンピュータから、無線通信等により、出発位置及び目的位置を指定する走行指令を受けると、その走行指令にて指定された出発位置から目的位置まで走行する清掃処理を行うように構成されている。
つまり、清掃用台車Wには、設定走行経路上における現在位置を検出するためのセンサや基準点からの清掃用台車Wの走行距離を検出するためのセンサ等の各種のセンサが装備されており、運転制御部は、各種センサの検出情報に基づいて、指定された出発位置から目的位置に走行すべく、後方側の走行部42Rの走行作動、及び、前後一対の走行部42F、42Rにおける案内面切換手段29の作動等を制御するように構成されている。
【0111】
ちなみに、清掃処理を行うときには、作業員が、設備管理用コンピュータに対して、出発位置及び目的位置を指定する作業指令を指令することになる。また、作業員は、清掃処理を行うときには、吸引式掃除機Gの作動スイッチを入り操作して、吸引式掃除機Gを作動させた状態に操作することになる。
【0112】
台車本体部41は、上述の如く、吸引式掃除機Gを支持するものであって、具体的には、上部及び側部を囲む下向き開口のケーシング45を備えて、そのケーシング45の下部開口を閉じる状態で、排気部Dを備えている。
そして、吸引式掃除機Gが、ケーシング45と排気部Dにて区画形成された収納空間Uの内部に、その収納空間U内に排風する状態で設けられている。
【0113】
吸引式掃除機Gは、搭載したバッテリー(図示せず)にて駆動されるように構成されるものであって、詳述はしないが、ケーシング45の側壁の一部が、バッテリーの交換のために、開閉できるように構成されている。
【0114】
排気部Dは、吸引式掃除機Gの排風を吸引して下方に向けて排出するファンフィルタユニット46にて構成されるものであって、具体的には、ファンフィルタユニット46が、車体前後幅方向及び車体横幅方向に2個ずつ並ぶ状態に配設されて、吸引式掃除機Gを収納する収納区間内の空気を吸引する状態で設けられている。
ちなみに、ケーシング45の上部壁には、例示はしないが、排気部Dの排気作用に伴って外気を導入する開口が形成されている。
【0115】
ファンフィルタユニット46は、浄化用フィルタ46Aおよび送風ファン46Bを備えるものであって、送風ファン46Bの通風作用によって、収納空間から吸引して浄化用フィルタ46Aを通過させた空気を下方に向けて排出するように構成されている。
ちなみに、本実施形態においては、ファンフィルタユニット46は、上述した受電部(受電コイル)25に供給された電力にて駆動されるように構成されている。
【0116】
次に、複数の清掃用吸引部Kとしての、第1清掃部K1〜第3清掃部K3、断続手段E、及び、それらを装備する前方側の走行部42Fについて詳述する。
すなわち、図8〜図10に示すように、前方側の走行部42Fは、水平方向に沿う姿勢の板状の下部枠体47、下部枠体47の左右両端部に立設する状態にボルト接続された左右一対の横枠体48、及び、左右の横枠体48の上部にボルト接続されて、左右の横枠体48同士を接続する上部枠体49を備えている。
【0117】
下部枠体47には、案内輪15が装備され、左右の横枠体48の夫々には、前後一対の走行輪44が装備され、上部枠体49には、案内面切換手段29を構成する移動案内部33が装備され、この移動案内部33に案内される移動体32に、ガイド輪26が装備されている。
また、下部枠体47の前端部には、逆U字状の支持枠50が装備され、この支持枠50には、案内面切換手段29を構成する駆動部30及び揺動アーム31が装備されている。
【0118】
図11に示すように、下部枠体10の下面には、前方側の連結軸43Fの上端部がボルト接続され、その連結軸43Fの上下方向の中間部には、台車本体部41のケーシング45が、軸受51にて回転自在に支持される状態で取り付けられている。
つまり、前方側の連結軸43が、前方側の走行部42Fに対して固定される状態で設けられ、台車本体部41のケーシング45が、前方側の連結軸43Fに対して、その軸心周りで回転自在に取付けられている。
【0119】
前方側の連結軸43Fが、吸引式掃除機Gと複数の清掃用吸引部Kとを連通接続する流路の一部を形成すべく、筒状に形成され、その連結軸43Fの下端部に、吸引式掃除機Gから延出される可撓性の吸引ホースGhが接続されている。
吸引ホースGhの上端部は、台車本体部41のケーシング45に固定支持され、そして、滑性の優れた軸受用筒体52を介して、連結軸43Fに外嵌装着されており、台車本体部41に対して前方側の走行部42Fが、連結軸43Fの軸心周りで回転するするきに、連結軸43Fに対して吸引ホースGhが相対回転するように構成されている。
【0120】
下部枠体10における連結軸43Fの取り付け部には、流路形成用の連通孔53が形成され、下部枠体10の上部には、上部が閉じた筒状体54が、その内部空間を連通孔53と連通させた状態でボルト接続されている。
その筒状体54には、左右一対の走行レール1の走行面に対する第1清掃部K1に対応する左右一対の第1流路形成体55(図10、図16参照)、及び、ガイドレール27の第1案内面27aおよび第2案内面27bに対する第2清掃部K2に対応する第2流路形成体56(図10、図13参照)が接続されている。
【0121】
一対の第1流路形成体55には、回転ハンドルHにて開閉操作される開閉弁55Aが装備されており、この開閉弁55Aを開閉することにより、第1清掃部K1を、吸引作用状態と停止状態とに切換えることができるように構成されている。
また、第2流路形成体56には、回転ハンドルHにて開閉操作される開閉弁56Aが装備されており、この開閉弁56Aを開閉することにより、第2清掃部K2を、吸引作用状態と停止状態とに切換えることができるように構成されている。
【0122】
図18及び図20に示すように、前方側の連結軸43Fの上端側近くには、左右一対の給電線24を保持する左右一対の保持部24Aの上面に対する第3清掃部K3対応する左右一対の連通孔57が形成され、それら連通孔57を開閉する左右一対のスライド板58aが、一つの操作把持部58Aを備えた開閉用枠体58から延出される状態で設けられている。
そして、左右一対のスライド板58aにて左右の連通孔57を開閉することにより、左右一対の第3清掃部K3を、吸引作用状態と停止状態とに切換えることができるように構成されている。
【0123】
したがって、本実施形態においては、第1流路形成体55に装備した開閉弁55A、第2流路形成体56に装備した開閉弁56A、及び、左右一対のスライド板58aによって、上述した断続手段Eが構成されている。
【0124】
図14〜図16に示すように、接続孔59を備えた流路形成板48Aが、横枠体48にボルト連結され、この流路形成板48Aの接続孔59に、第1流路形成体55の端部が嵌合接続されている。
そして、走行レール1の走行面に対向する吸引口60Aを下部に備えかつ上部が閉じられた筒状体60が、流路形成板48Aに密着する状態で設けられ、筒状体60の流路形成板48Aに対向する箇所には、接続孔59と連通する連通孔61が形成されており、第1流路形成体55に装備した開閉弁55Aを開いた状態においては、吸引式掃除機Gの吸引力にて、筒状体60が、走行レール1の走行面に対して吸引作用するように構成されている。
つまり、筒状体60が、第1清掃部K1を構成することになり、また、この筒状体60は、上述の前後一対の走行輪44の間に配設されている。
【0125】
図14〜図17に示すように、筒状体60の吸引口60Aにおける前壁部分及び左右の側壁部分の内面側に、弾性変形自在な材料(例えば、合成ゴム)にて形成された左右一対の第1摺接体62Aがボルト固定され、また、筒状体60の吸引口60Aにおける後壁部分の内面側に、弾性変形自在な材料(例えば、合成ゴム)にて形成された第2摺接体62Bがボルト固定されている。
【0126】
第1摺接体62Aにおける筒状体60の左右の側壁部分に対応する部分、及び、第2摺接体62Bが、筒状体60よりも大きく下方に突出する状態で設けられて、走行レール1の走行面に摺接するように構成され、かつ、第1摺接体62Aの筒状体60の前壁部分に対応する部分が、筒状体60よりも下方に突出するものの、走行レール1の走行面に摺接しない状態となるように構成されている。
したがって、第1清掃部K1は、第1摺接体62A及び第2摺接体62Bを走行レール1の走行面に接触させた状態で、筒状体60が走行レール1に沿って移動されることにより、走行レール1の走行面に付着堆積した塵埃を吸引するように構成されている。
【0127】
また、図15及び図16に示すように、筒状体60の内部に、走行レール1の走行面に摺接する除塵ブラシ63が装備されている。この除塵ブラシ63は、その上端側の支持枠63Aが筒状体60の内面部にボルト固定した板バネ64にて支持される状態で設けられるものであって、走行レール1の走行面に接触する際に、板バネ64の弾性力にて走行面に圧接されるように構成されている。
したがって、第1清掃部K1は、清掃用台車Wの走行に伴って、走行レール1の走行面に付着堆積した塵埃を除塵ブラシ63にて掻き取り、掻き取られた塵埃を筒状体60にて吸引するように構成されている。
【0128】
また、図14及び図17に示すように、筒状体60の前面部には、筒状体60の横外方に突出する状態で不織布65が設けられている。この不織布65は、内部に装備した板バネ製の芯材65aにて、筒状体60の横外方に突出する突出部分65Aが外方側ほど前方に位置する傾斜姿勢になるように構成され、且つ、突出部分65Aが走行レール1の走行面に接触しかつ筒状体60の前面側に位置する本体部分65Bが走行レール1の走行面よりも上方に位置する状態に構成されている(図15参照)。
したがって、第1清掃部K1は、清掃用台車Wの走行に伴って、走行レール1の走行面における筒状体60の横外方に位置する部分に存在する塵埃を不織布65にて筒状体60側に案内移動させて、案内移動されてくる塵埃を筒状体60にて吸引するように構成されている。
【0129】
さらに、図14及び図15に示すように、第1清掃部K1としての筒状体60が、第1摺接体62A及び第2摺接体62Bを走行レール1の走行面に接触させる吸引位置と走行面から上方に退避した退避位置とに昇降自在に設けられ、かつ、退避位置にて保持手段Jにて保持されるように構成されている。
すなわち、筒状体60における横枠体48に対向する箇所には、筒状体60を横枠体48に取付けるための板状の支持枠60Bが、筒状体60よりも前方並びに後方に突出状態で設けられている。
そして、支持枠60Bにおける前方突出部分及び後方突出部分の夫々に、上下方向に沿う長孔状の連結孔66が形成され、支持枠60Bを横枠体48に締め付け固定する一対のハンドル付のボルト67が、連結孔66を挿通して横枠体48に螺合する状態で設けられている。
【0130】
したがって、一対のハンドル付のボルト67を緩めた状態において、筒状体60を吸引位置と退避位置とに昇降させることができ、また、筒状体60を退避位置に位置させた状態で、一対のハンドル付のボルト67を締め付けることにより、筒状体60を退避位置にて保持することができ、かつ、筒状体60を吸引位置に位置させた状態で、一対のハンドル付のボルト67を締め付けることにより、筒状体60を吸引位置にて保持することができるように構成されている。
ちなみに、本実施形態においては、第1清掃部K1としての筒状体60を退避位置にて保持する保持手段Jが、一対のハンドル付のボルト67にて構成されることになる。
【0131】
尚、筒状体60を吸引位置に位置させた状態で、一対のハンドル付のボルト67を締め付けることに代えて、一対のハンドル付のボルト67の締め付けを緩めておいて、走行レール1の走行面に追従して、筒状体60を昇降させる形態で実施してもよい。
【0132】
図9及び図10に示すように、ガイドレール27の第1案内面27aおよび第2案内面27bに対する第2清掃部K2は、第1案内面27aおよび第2案内面27bに摺接する除塵ブラシ68と、その除塵ブラシ68の後方側箇所に装備された上向き開口状態の吸引用皿状体69とを備える状態に構成されている。
【0133】
除塵ブラシ68は、図12及び図13に示すように、ガイド輪26が支持されている移動体32に支持されており、そして、ガイド輪26が第1案内面27aにて案内されるときに、第1案内面27aに摺接作用する第1ブラシ68aと、ガイド輪26が第2案内面27bにて案内されるときに、第2案内面27bに摺接作用する第2ブラシ68bとを備えている。
ちなみに、本実施形態においては、清掃用台車Wを用いて、走行ガイド部Lにおける複数のサブ走行経路6aに対する清掃を行い、メイン走行経路6bに対する清掃は行わないものであり、そして、図1に例示するサブ走行経路6aが単なる環状であるため、サブ走行経路6aを走行するときには、ガイド輪26が第2案内面27bにて案内される状態が維持されるため、ガイドレール27の第2案内面27bが第2ブラシ68bにて掻き取り作用されることになる。
【0134】
尚、サブ走行経路6aが、二つの環状部分を接続した状態等に構成されて、ガイド輪26が第1案内面27aにて案内される状態や、ガイド輪26が第2案内面27bにて案内される状態に切換えられる場合には、第1案内面27aが第1ブラシ68aにて掻き取り作用され、第2案内面27bが第2ブラシ68bにて掻き取り作用されることになる。
【0135】
また、図12及び図13に示すように、除塵ブラシ68における第1ブラシ68a及び第2ブラシ68bが、ガイドレール27の張出し部27Aの下面に対しても摺接するように構成されて、第1案内面27aや第2案内面27bの上端から連なる状態で存在する張出し部27Aの下面に対しても掻き取り作用するように構成されている。
【0136】
図10及び図13に示すように、吸引用皿状体69は、その後端側部分に、下方に膨出する膨出部69Aを備えるものであって、その膨出部69Aに、第2流路形成体56が接続されている。
したがって、第2清掃部K2は、清掃用台車Wの走行に伴って、ガイドレール27の第1案内面27aや第2案内面27b、及び、張出し部27Aの下面に付着堆積した塵埃を除塵ブラシ68にて掻き取り、掻き取られた塵埃を吸引用皿状体69にて吸引するように構成されている。
【0137】
左右一対の第3清掃部K3は、給電線24を保持する保持部24Aの上面に対して吸引作用する吸引口70Aを備えた吸引体70を用いて構成されている。
左右一対の第3清掃部K3としての左右の吸引体70は、上述の如く、左右一対のスライド板58aにて、連結軸43Fの左右の連通孔57を開閉することにより、吸引作用状態と停止状態とに切換えられることになり、また、保持部24Aの上面に接触する吸引作用位置と保持部24Aの上面から上方に退避した退避位置とに昇降自在に設けられ、そして、保持手段Qにて、退避位置に保持されるように構成されている。
【0138】
すなわち、吸引体70は、図18及び図21に示すように、側面視形状が船形を呈するように形成され、そして、その後端側に、下方に開口した吸込み用空間Sを備えるものであって、その吸込み用空間Sの下部開口が、上述の吸引口70Aとして機能するように構成され、また、吸込み用空間Sの内方側の側面部には、接続孔70Bが開口されている。
さらに、吸引体70には、吸引口70Aの後部側及び横外方側を覆う状態で、保持部24Aの上面に摺接する摺接体71が下方に突出する状態で設けられている。この摺接体71は、弾性変形自在な材料(例えば、合成ゴム)にて形成されている。
【0139】
連結軸43Fの上端側の前面部に、左右一対のスライド板58aの支持枠72がボルト接続され、その支持枠72に、左右一対の中継枠73がボルト連結されている。
そして、吸引体70が、中継枠73に対して、前後のリンク74A、74Bにて、中継枠73に密着した状態で、平行姿勢で昇降できるように支持されている。
尚、図22に示すように、保持部24Aの上面には、給電線24の端部接続部が存在することにより、上方への突出部が存在することになるが、吸引体70が昇降自在であるため、保持部24Aの上面に突出部が存在しても、保持部24Aの上面を適切に清掃できるようになっている。
【0140】
中継枠73には、連結軸43Fの連通孔57と吸引体70の接続孔70Bとを連通させる中継孔73Aが形成されており、連通孔57の吸引力が吸引体70の吸込み用空間Sに作用するように構成されている。
【0141】
図18に示すように、支持枠72の左右両側部には、左右一対のスライド板58aを挿通させるための凹入部72aが形成され、左右一対のスライド板58aは、図19及び図20に示すように、支持枠72の凹入部72aを挿通し、かつ、支持枠72と左右の中継枠73Aとの間に挟まれる状態で、スライドするように構成されている。
【0142】
図21に示すように、左右一対のスライド板58aを備える開閉用枠体58を、スライド板58aにて連通孔57を閉じるように前方側に操作した際に、上述の前後のリンク73A、73Bのうちの、前方側のリンク73Aを上方側に押圧揺動させる押圧部58Bが、開閉用枠体58に装備されており、開閉用枠体58の押圧部58Bにて前方側のリンク73Aを上方側に押圧揺動させることにより、吸引体70を退避位置に保持できるように構成されている。
したがって、本実施形態においては、開閉用枠体58の押圧部58Bにて、吸引体70を退避位置に保持する保持手段Qが構成されている。
【0143】
また、図20に示すように、支持枠72には、連通孔57を閉じる位置にスライド板58aを位置させた状態、及び、連通孔57を開く位置にスライド板58aを位置させた状態の夫々にて、スライド板58aの内面に形成した凹部Tに嵌合する位置決めボール75が装備されており、開閉用枠体58を、連通孔57の閉じ位置および連通孔57の開き位置の夫々にて、位置決めできるように構成されている。
【0144】
清掃用台車Wは、以上の如く構成されたものであって、次に、清掃用台車Wを用いた清掃方法について説明する。
まず、複数のサブ走行経路6aのうちの清掃対象とするサブ走行経路6aには、搬送用台車2が存在しない状態となるように、搬送用台車2の走行を制御する。
次に、清掃対象とするサブ走行経路6aに、清掃用台車Wを装填する。
【0145】
本実施形態においては、第1清掃部K1〜第3清掃部K3の夫々が、複数の作用単位に相当するものであるから、断続手段Eによって、第1清掃部K1〜第3清掃部K3のうちの一つと吸引式掃除機Gとを連通させる状態で切換える。
そして、吸引式掃除機Gを作動状態にして、清掃用台車Wを走行させることにより、第1清掃部K1〜第3清掃部K3のうちの吸引式掃除機Gと連通状態となっている清掃部にて走行ガイド部Lの清掃を行うことになる。
【0146】
ちなみに、本実施形態においては、環状のサブ走行経路6aの清掃を行うものであるから、第1清掃部K1〜第3清掃部K3のうちの一つを吸引式掃除機Gに連通させた状態において、清掃用台車Wを、サブ走行経路6aに沿って一周走行させるようにする。
【0147】
第1清掃部K1〜第3清掃部K3のうちの一つの清掃部による清掃が終了すると、第1清掃部K1〜第3清掃部K3のうちの未清掃の清掃部による清掃を行うべく、断続手段Eによって、第1清掃部K1〜第3清掃部K3のうちの一つと吸引式掃除機Gとを連通させる状態に切換え、そして、吸引式掃除機Gを作動状態にして、清掃用台車Wを走行させることを、第1清掃部K1〜第3清掃部K3の全ての清掃が終了するまで繰り返すことになる。
【0148】
〔別実施形態〕
次に、別実施形態を列記する。
(1)上記実施形態では、清掃用台車によって、複数のサブ走行経路とメイン走行経路とを備える場合において、サブ走行経路のみを清掃する場合を例示したが、搬送台車による物品搬送を一時的に停止することができる場合には、清掃用台車によって、メイン走行経路の清掃をも行うようにしてもよい。
【0149】
(2)上記実施形態では、複数の清掃吸引部としての、第1清掃部〜第3清掃部を備えさせて、第1清掃部、第2清掃部、及び、第3清掃部の夫々を作用単位として区分けする場合を例示したが、第1清掃部と第2清掃部とを一つの作用単位としてもよく、作用単位の区分け形態は種々変更できるものである。
【0150】
(3)上記実施形態では、搬送用台車の前後一対の走行部と、清掃用台車の後方側の走行部とを兼用構成する場合を例示したが、清掃用台車の後方側の走行部を、搬送用台車の前後一対の走行部とは異なる構成にしてもよい。
【0151】
(4)走行ガイド部における複数の清掃対象箇所としては、上記実施形態に例示するものに限らず、走行ガイドにおける清掃の必要がある種々の箇所を清掃対象箇所とすることができる。
【0152】
(5)上記実施形態では、清掃用台車の前後一対の走行部のうちの一つのみに、駆動される走行輪を備えさせる形態を例示したが、前後一対の走行部の夫々に、駆動される走行輪を備えさせるようにしてもよい。
【0153】
(6)上記実施形態では、吸引式掃除機をバッテリーにて駆動するように、吸引式掃除機自体にバッテリーを搭載する場合を例示したが、吸引式掃除機を駆動するバッテリーを、吸引掃除機とは別個に清掃用台車に搭載する形態で実施してもよい。
【符号の説明】
【0154】
1 走行レール
2 搬送用台車
9 吊下げ部
10F、10R走行部
12 連結軸
14 走行輪
24 給電線
24A 保持部
27 ガイドレール
27a、27b案内面
41 吊下げ部
42F、42R走行部
43F、43R連結軸
44 清掃台車側の走行輪
46 ファンフィルタユニット
46A 浄化用フィルタ
60 筒状体
60A 吸引口
63 除塵ブラシ
68 除塵ブラシ
69 吸引用皿状体
E 断続手段
G 吸引式掃除機
Gh 吸引ホース
J 保持手段
K 清掃用吸引部
L 走行ガイド部
U 収納空間
W 清掃用台車

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送用台車の走行ガイド部が天井側に設けられ、
前記走行ガイド部に沿って走行自在な清掃用台車に、前記走行ガイド部における複数の清掃対象箇所に対して吸引作用する複数の清掃用吸引部と、それら複数の清掃用吸引部に連通接続された吸引式掃除機とが設けられた天井搬送設備の清掃装置であって、
前記複数の清掃用吸引部が、複数の作用単位に区分けされ、それら複数の作用単位の夫々と前記吸引式掃除機との連通を選択的に断続する断続手段が設けられている天井搬送設備の清掃装置。
【請求項2】
前記清掃用台車に、前記吸引式掃除機の排風を吸引して浄化用フィルタを通して排出するファンフィルタユニットが設けられている請求項1記載の天井搬送設備の清掃装置。
【請求項3】
前記吸引式掃除機が、区画形成された収納空間内に、その収納空間内に排風する状態で装備され、
前記ファンフィルタユニットが、前記収納空間内の空気を吸引する状態で設けられている請求項2記載の天井搬送設備の清掃装置。
【請求項4】
前記走行ガイド部における複数の清掃対象箇所が、前記搬送用台車の走行輪が走行する走行レールの走行面を含むものである請求項1〜3のいずれか1項に記載の天井搬送設備の清掃装置。
【請求項5】
前記走行面に対する前記清掃用吸引部が、前記走行面に接触する吸引作用位置と前記走行面から上方に退避した退避位置とに昇降自在に設けられ、
前記走行面に対する前記清掃用吸引部を前記退避位置にて保持する保持手段が設けられている請求項4記載の天井搬送設備の清掃装置。
【請求項6】
前記走行面に対する前記清掃用吸引部が、前記走行面に対向する吸引口を備えた筒状体の内部に、前記走行面に摺接する除塵ブラシを備える状態に構成されている請求項5記載の天井搬送設備の清掃装置。
【請求項7】
前記走行ガイド部における複数の清掃対象箇所が、前記搬送用台車に非接触状態で給電する給電線を保持する保持部の上面を含むものである請求項1〜6のいずれか1項に記載の天井搬送設備の清掃装置。
【請求項8】
前記保持部の上面に対する前記清掃用吸引部が、前記保持部の上面に接触する吸引作用位置と前記保持部の上面から上方に退避した退避位置とに昇降自在に設けられ、
前記保持部の上面に対する前記清掃用吸引部を前記退避位置にて保持する保持手段が設けられている請求項7記載の天井搬送設備の清掃装置。
【請求項9】
前記走行ガイド部における複数の清掃対象箇所が、前記搬送用台車の上部に装備した上下方向に沿う軸心周りで回転するガイド輪を案内するガイドレールの案内面を含むものである請求項1〜8のいずれか1項に記載の天井搬送設備の清掃装置。
【請求項10】
前記案内面に対する前記清掃用吸引部が、前記案内面に摺接する除塵ブラシと、前記除塵ブラシの後方側箇所に装備された上向き開口状態の吸引用皿状体とを備える状態に構成されている請求項9記載の天井搬送設備の清掃装置。
【請求項11】
前記搬送用台車、及び、前記清掃用台車が、前記走行ガイド部に沿って走行する前後一対の走行部と、それら前後一対の走行部の夫々に対して、それらの走行部の夫々から下方に延出される上下方向に沿う連結軸の軸心周りで相対回転自在な状態で、前記連結軸を介して吊り下げ支持される吊下げ部とを備えるように構成され、
前記搬送用台車の吊下げ部が、搬送する物品を支持する物品支持部に構成され、
前記清掃用台車の吊下げ部が、前記吸引式掃除機を支持する掃除機支持部に構成され、
前記清掃用台車の前記前後一対の走行部のうちの一方に、前記複数の清掃用吸引部及び前記断続手段が装備されている請求項1〜10のいずれか1項に記載の天井搬送設備の清掃装置。
【請求項12】
前記清掃用台車における前後の前記連結軸のうちの、前記複数の清掃用吸引部及び前記断続手段が装備される前記走行部に対して前記吊下げ部を吊下げ支持する連結軸が、前記吸引式掃除機と前記複数の清掃用吸引部とを連通接続する流路の一部を形成すべく、筒状に形成され、
その流路を形成する連結軸の下端部に、前記吸引式掃除機から延出される可撓性の吸引ホースが接続されている請求項11記載の天井搬送設備の清掃装置。
【請求項13】
前記清掃用台車における前後一対の走行部のうちの、前記複数の清掃用吸引部及び前記断続手段が装備される前記走行部に、前後一対の清掃台車側の走行輪が、側面視にて、前記連結軸の前後に振り分けられた状態で装備され、
前記複数の清掃用吸引部のうち、前記搬送用台車の走行輪が走行する走行レールの走行面に対して吸引作用する清掃用吸引部が、前後一対の前記清掃台車側の走行輪の間に配設されている請求項11又は12に記載の天井搬送設備の清掃装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2013−605(P2013−605A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−130566(P2011−130566)
【出願日】平成23年6月10日(2011.6.10)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】