説明

天板へのオプション部材の取付装置

【課題】オプション部材の向きを簡単に変更しうるようにし、その使い勝手を向上させうるようにした取付装置を提供する。
【解決手段】天板1に取付けた支持台30の上面に、側面視において下方に凹入する円弧状断面の受け面42を設け、この受け面42に、オプション部材A取付用の取付部材32における前記受け面42と補形をなす側面視円弧状の下面を、円弧面に沿って回動しうるように嵌合し、支持台30に、取付部材32が受け面42から上方に外れるのを阻止する外れ止め手段47、52と、取付部材32を、受け面42の曲率中心を中心とする複数の回動位置において係止する係止手段44、45、49とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、机やテーブル等の天板に、例えばコンセントボックス等のオプション部材を取付けるための取付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンセントボックス等のオプション部材を天板の上面に取付ける際には、例えば特許文献1に記載されているように、天板の端縁部における下面とコンセントボックスの底板とを上下より挟持する挟持手段が用いられるのが一般的である。
【特許文献1】特開2008−84558号公報(図2、図3等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献に記載されている挟持手段を用いてコンセントボックスを取付けると、コンセントボックスが、天板の上面に固定されてしまうため、コンセントボックスに設けた電源用コンセント、情報コンセント及び映像用コンセント等の向きを変更することができず、それらの差し込み口も一定方向を向くこととなる。
そのため、各種コンセントに接続されるケーブルの配線形態等を、天板に載置されたOA機器等の位置や大きさ、あるいは天板面の使用状況などに対応して、最適に変更することができず、使い勝手が悪いという問題がある。
【0004】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、オプション部材の向きを簡単に変更しうるようにし、その使い勝手を向上させうるようにした、天板へのオプション部材の取付装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によると、上記課題は、次の各項のようにして解決される。
(1)天板に取付けた支持台の上面に、側面視において下方に凹入または上方に凸状に突出する円弧状断面の受け面を設け、この受け面に、オプション部材取付用の取付部材における前記受け面と補形をなす側面視円弧状の下面を、円弧面に沿って回動しうるように嵌合し、前記支持台に、前記取付部材が受け面から上方に外れるのを阻止する外れ止め手段と、前記取付部材を、受け面の曲率中心を中心とする複数の回動位置において係止する係止手段とを設ける。
【0006】
このような構成とすると、オプション部材取付用の取付部材を、天板に取付けた支持台により、回動可能、かつ複数の回動位置に係止させうるように設けてあるので、オプション部材の天板に対する向きを変更することができ、オプション部材の使い勝手が向上する。
また、支持台の上面の受け面、及びそれに嵌合される取付部材の下面を、互いに補形をなす円弧状断面としてあるので、オプション部材の荷重を面で支えることができるとともに、支持台により、オプション部材を安定よく支持することができる。
【0007】
(2)上記(1)項において、外れ止め手段を、支持台の両側部に上向き突設した左右1対の起立片の内側面と、それに対向する取付部材の外側面における円弧状の下面の曲率中心部とのいずれか一方に突設した突軸と、同じく他方に設けられ、前記突軸が回動可能に嵌合する軸孔とを備えるものとする。
【0008】
このような構成とすると、簡単な手段で、支持台の上面により、取付部材を、脱落を防止しながら、円滑に回動しうるように支持することができる。
【0009】
(3)上記(2)項において、起立片を、側方に弾性変形しうるようにする。
【0010】
このような構成とすると、起立片を側方に弾性変形することにより、突軸を、それと対向する軸孔に側方より容易に嵌合することができる。
【0011】
(4)上記(1)〜(3)項のいずれかにおいて、係止手段を、支持台における受け面の形成部の一部を、後端部を中心として上下方向に弾性変形しうるように切除することにより設けられ、かつ前端部に下向きに押動操作可能な操作部を有する可動片と、この可動片と取付部材との対向部のいずれか一方に設けられた前後複数の係合孔と、同じく他方に設けられ、前記複数の係合孔に選択的に係合可能な突部とを備えるものとする。
【0012】
このような構成とすると、支持台に一体的に設けた可動片を、その前端部の操作部を押動して下方に弾性変形させることにより、係合孔より突部を離脱させて、別の係合孔に選択的に係合させうるので、オプション部材の位置変更が容易となる。
【0013】
(5)上記(4)項において、係合孔及び突部を、左右方向に長いものとする。
【0014】
このような構成とすると、係合孔と突部との係合領域が左右方向に長くなるので、それらの係合が外れて、取付部材が妄りに回動することはなく、かつ取付部材に取付けたオプション部材を、所定の回動位置に安定よく係止させることができる。
【0015】
(6)上記(1)〜(5)項のいずれかにおいて、取付部材に、オプション部材の下面に設けた複数の係合孔に下方より着脱可能に嵌合して係合される係合突部を設ける。
【0016】
このような構成とすると、取付部材に、オプション部材を、着脱可能として簡単に取り付けることができる
【0017】
(7)上記(1)〜(6)項のいずれかにおいて、支持台に、天板の下面に当接する下部クランプと、この下部クランプを支持台の下面に向かって引き寄せる締付手段とを設ける。
【0018】
このような構成とすると、支持台を、天板に何らの加工等を施すことなく、着脱可能に簡単に取り付けることができる。
【0019】
(8)上記(1)〜(7)項のいずれかにおいて、オプション部材を、電源用コンセント、ネットワーク通信用の情報コンセント、パソコン周辺機器接続用の機器接続用コンセント、映像用コンセント等の少なくともいずれか一つを備えるコンセントボックスとする。
【0020】
このような構成とすると、コンセントボックスに設けた各種のコンセントの向きを、天板に載置されたOA機器等の位置や大きさ、あるいは天板面の使用状況などに対応して変更することができるので、各種のコンセントに接続されるOA機器等のケーブルの配線形態を、最適なものとすることができ、コンセントボックスの使い勝手が向上する
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、オプション部材取付用の取付部材を、天板に取付けた支持台により、回動可能、かつ複数の回動位置に係止させうるように設けてあるので、オプション部材の天板に対する向きを変更することができ、オプション部材の使い勝手が向上する。
また、支持台の上面の受け面、及びそれに嵌合される取付部材の下面を、互いに補形をなす円弧状断面としてあるので、オプション部材の荷重を面で支えることができるとともに、支持台により、オプション部材を安定よく支持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、オプション部材であるコンセントボックスAを、本発明の取付装置Bにより机等の天板1に取付けた状態を、斜め前方より見た斜視図、図2は、同じく斜め後方より見た斜視図、図3は、コンセントボックスAと取付装置Bとの分解斜視図である。
【0023】
コンセントボックスAは、前面を左右方向に長く開口したコンセントボックス本体2と、この中に収容された複数(実施形態では6個)のコンセントユニット3と、互いに隣り合うコンセントユニット3の間において開口を閉塞する複数の塞ぎ板4とを備えている。
【0024】
各コンセントユニット3は、左右複数(6個)のコンセントホルダ5のそれぞれに、電源用コンセント6、ネットワーク通信用の情報コンセント7、及びパソコン周辺機器等を接続する機器接続用コンセント8を取付けたものよりなり(図3は、各コンセントを省略して示す)、電源用のコンセントユニット3のみが、塞ぎ板4を挟んで左右2個ずつ設けられている。なお、情報コンセント7には、例えばLAN用コネクタ等が、また、機器接続用コンセント7には、USBコネクタ等が、それぞれ用いられる。
【0025】
各コンセントホルダ5は、それぞれ、電源用コンセント6、情報コンセント7、及び機器接続用コンセント8を保持する、それに適した形状の保持部5aと、その前端に連設された方形の前面板5bとからなり、各コンセントホルダ5の保持部5aと前面板5bの上下寸法と左右寸法は、等しく設定されている。各コンセント6、7、8の前端部は、前面板5bの中央部に穿設された大きさの異なる嵌合孔9に、互いの前面が同一面に整合するように嵌合されている
【0026】
縦断側面図である図4及び図5にも示すように、コンセントボックス本体2は、後端縁に下向片10aを有する合成樹脂製の上面板10と、この上面板10と同じ大きさの、後端縁に上向片11aを有する合成樹脂製の底面板11と、前端が若干内向きに折曲された合成樹脂製の左右の側面板12、12とからなっている。
【0027】
上面板10の下面の前後部には、下向片10aの長さとほぼ等しい突出寸法の下向突部13が、左右方向に等間隔おきに複数突設され、また、底面板11の上面における上記各下向突部13と対向する位置には、上向片11aの長さとほぼ等しい長さの上向突部14が突設されている。各下向突部13には、後記する止めねじ24を螺挿するための下方に開口する螺挿孔15が、また各上向突部14には、同じく止めねじ24を下方より挿入可能な挿入孔16が、それぞれ設けられている。
【0028】
上面板10の周縁部の下面と下向片10aの両側縁部の前面、及び底面板11の周縁部の上面と上向片11aの両側縁部の前面には、それぞれ凹溝17、17が連続して形成されている。
また、底面板11の上面には、上記各コンセントホルダ5における保持部5aを、左右方向に位置決めして載置するための前後方向を向く複数の突条18が、左右方向に等間隔をもって突設されている(図3参照)。なお、この突条18を、上面板10側の下面に設けてもよく、また、上面板10と底面板11との両方に設けてもよい。
【0029】
塞ぎ板4、各コンセントホルダ5における前面板5bの上下両端、及び左右の側面板12の上下両端と後端には、それぞれ、上面板10と底面板11の凹溝17、17に嵌合可能な嵌合片19が突設されている。
また、各コンセントホルダ5における嵌合片19より前方の前面板5bの上下両端には、左右方向を向く凹溝20、20が形成され、この両凹溝20、20には、各コンセント5、6、7の不使用時において、その前面を覆うカバー21の上下両端のL字状の対向片21a、21aが、左右方向にスライド可能に嵌合されるようになっている。
【0030】
さらに、図6の横断平面図に示すように、塞ぎ板4の両側端と、各コンセントホルダ5における前面板5bの両側端とには、それぞれ、互いに嵌合し合う上下方向を向く凹溝22と嵌合片23とが設けられている。
【0031】
次に、コンセントボックスAの組立て要領について説明する。
まず、複数のコンセントユニット3におけるコンセントホルダ5の保持部5aを、底面板11の上面に設けた左右複数の突条18、18間に位置させ、各コンセントユニット3を、左右方向に位置決めして底面板11の上面に載置する。
【0032】
ついで、底面板11に、上面板10を、それらの周縁部に形成した凹溝17、17に、塞ぎ板4、各コンセントホルダ5の前面板5b、及び左右の側面板12、12の上下両端に設けた嵌合片19、19を嵌合するようにして被せ、上面板10と底面板11とにより、塞ぎ材4とコンセントユニット3と側面板12とを仮挟持する。この際、互いに隣接する塞ぎ板4と各コンセントホルダ5の前面板5bとの対向面の凹溝22と嵌合片23同士を、側方より嵌合することにより、それらの対向面間に隙間が形成されたり、前後に位置ずれしたりするのを防止することができ、かつ塞ぎ板4の前面と、各コンセントホルダ5における前面板5bの前面とを、同一面に整合させることができる。
【0033】
ついで、底面板11の複数の上向突部14の挿入孔16に挿入した止めねじ24を、上面板10における各下向突部13の螺挿孔15にねじ込む。これにより、上面板10と底面板11により、各コンセントユニット3が強固に挟持されたコンセントボックスAが組立てられる。なお、図2に示すように、各コンセントユニット3の接続ケーブル25は、上面板10の下向片10aと、底面板11の上向片11aとの対向面に設けた切欠き26を介して、外部に配線することができる。
【0034】
上記構成のコンセントボックスAにおいては、上下及び左右寸法の等しい複数のコンセントホルダ5の前面板5bに設けた嵌合孔9に、各コンセントユニット3におけるコンセント6、7、8の前端部を嵌合し、前面板5bがコンセントボックス本体2の前面の開口面に位置するようにして、各コンセントユニット3を、コンセントボックス本体2における上面板10と底面板11とにより挟持して取付けているので、コンセントボックス本体2に、各種のコンセントユニット3を取付けるための専用の取付口を設けたり、ねじ等の固定手段を用いたりする必要はない。
【0035】
従って、上面板10を取外すだけで、各コンセントユニット3の左右位置や数量を容易に変更することができ、コンセントボックスA自体を交換したり、各種のコンセントを別のコンセントボックス本体2に付け替えたりする必要はない。
【0036】
また、各コンセントユニット3のコンセントホルダ5の左右寸法を等しくして、これらを、底面板11の上面に設けた複数の突条18、18間に位置決めして載置しうるようにしてあるので、各コンセントユニット3が左右方向に位置ずれする恐れはなく、かつ左右位置や数量の変更も容易となる。
【0037】
なお、上記コンセントボックスAにおいては、複数のコンセントユニット3が、電源用コンセント6と、ネットワーク通信用の情報コンセント7と、パソコン周辺機器接続用の機器接続用コンセント8とからなるものとしたが、図1の2点鎖線で示すように、例えば15ピンコネクタ等、パソコンのディスプレイ用ケーブルを接続するための映像用コンセント27を有するコンセントユニットを付加してもよい。
【0038】
また、各コンセントユニット3は、各コンセントホルダ5に、各種のコンセント6、7、8を取付けたものとしてあるが、コンセントホルダ5の左右寸法を大として、これに、上記各種のコンセント6、7、8、27のいずれかを複数、または組み合わせて取付けたコンセントユニットとしてもよい。
【0039】
次に、上記コンセントボックスAの取付装置Bについて説明する。
図1〜図5に示すように、取付装置Bは、天板1の端縁部を上下より挟持する支持台30及び下部クランプ31と、支持台30の上面に取付けられたコンセントボックスA取付用の取付部材32とを備えている。
【0040】
下部クランプ31は、側面視前向きコ字状をなす左右1対のクランプ金具33、33と、天板1の下面を押圧可能な、両側端部に後方に開口する上下2個の嵌合孔34、34を有する合成樹脂製のクランプ板35とからなり、両クランプ金具33における下部の前向片33aを、下側の嵌合孔34に嵌合することにより、下部クランプ31が構成されている。なお、天板1の厚さが大きいときには、上側の嵌合孔34に下部の前向片33aを嵌合して使用される。
【0041】
支持台30は、左右寸法が下部クランプ31のそれよりも長寸となるように、合成樹脂により一体成形され、左右の側端部に形成された上向膨出部36、36の下方には、図5に示すように、左右のクランプ金具33における上部の前向片33bが下方より挿入される凹部37が形成されている。
【0042】
両上向膨出部36の平坦をなす上面には、複数のリブ38により補強された円筒軸39、39が突設され、これらの円筒軸39に上方より挿通した左右2個の取付けねじ40、40を、上部の前向片33bの先端部に穿設しためねじ孔41に螺合させて締め込むことにより、天板1が支持台30と下部クランプ31により挟持されるようになっている(図5参照)。
【0043】
支持台30の中央部と上向膨出部36より外方の両側端部は、上面に側面視円弧状断面の受け面42、42が形成されるように、凹曲面状に湾曲されている。支持台30の中央部には、上記中央部の受け面42の後端部から前端部に向かって、平面視後向きコ字状のスリット43を形成することにより、後端部を中心として上下方向に弾性変形しうる可動片44が連設されている。この可動片44の中央部の上面には、左右方向を向く係止突条45が突設されている。
可動片44の前端部は、これを下向きに押動操作しうる上向きの操作部44aとなっている(図3、図4参照)。
【0044】
上記左右両端部の受け面42、42には、側方に弾性変形可能な起立片46、46が立設され、これらの上端部の対向面には、左右方向を向く短寸の突軸47、47が内向きに突設されている。なお、両突軸47と、これが嵌合する後記の係止溝52の中心は、取付部材32が、支持台30の受け面42の曲率中心を中心として回動しうるように、その曲率中心とほぼ整合する位置に設けてある。
【0045】
取付部材32は、支持台30の左右寸法とほぼ等寸をなし、中央部と両側端部とには、支持台30の中央部と両側端部の受け面42、42に回動可能に嵌合される、下面が受け面42と補形をなす等しい曲率とされた下向きの凸曲面部48、48が形成されている。
【0046】
図4に示すように、中央部の凸曲面部48の底部には、支持台30における可動片44の係止突条45が選択的に係合可能な左右方向を向く前後2つの係合孔49、49が、互いに平行に穿設されている。
また、両側端部の凸曲面部48の下面には、図3に示すように、支持台30の起立片46が挿通可能な、この起立片46の下部の前後寸法よりも大きい前後寸法の挿通孔50(左方のものは図示略)が穿設されている。
【0047】
図3及び図4に示すように、上記左右の挿通孔50と近接する取付部材32の両側部の上面には、前後方向を向く起立片51、51が突設され、両起立片51の上端の前後方向を向く中央部には、上記左右の起立片46の突軸47が嵌合する半円状の係止溝52、52が設けられている。なお、係止溝52に替えて、突軸47が回動可能に嵌合可能な軸孔としてもよい。
【0048】
支持台30の各受け面42により、取付部材32の各凸曲面部48の下面を支持し、取付部材32の左右の挿通孔50に挿入した起立片46、46の突軸47を、取付部材32の左右の起立片51、51の係止溝52に嵌合することにより、支持台30と取付部材32とが連結され、かつ取付部材32は、突軸47を中心として、受け面42に沿って上下方向に回動することができる。
また、支持台30における可動片44の係止突条45を、操作部44aを押動操作して、取付部材32に設けた前後の係合孔49に選択的に係合させることにより、取付部材32を、その上面がほぼ水平をなす位置と、同じく前上方に向かって傾斜する傾斜位置との2位置で停止保持することができる(図4、図8参照)。
【0049】
図3及び図5に示すように、取付部材32の前端部の両側端部には、前部側が前後方向に弾性変形可能な下向操作片53aとなっている側面視概ね下向U字状の左右1対の係合突部53、53が、上向きに突設されている。
また、取付部材32の後端上部の中央部には、係合突部である後向き倒立L字状をなす左右1対の係合片54、54が設けられている。55、55は、左右の取付けねじ40の頭部を遊通するためと、取付けねじ40の回動操作を容易とするための通孔である。
【0050】
取付部材32にコンセントボックスAを取付けるには、コンセントボックス本体2における底面板11の後端部の中央部に穿設された係合孔56、56に、取付部材32の左右の係合片54、54を嵌合して、それらの上端部を、係合孔56の後上部の開口縁に係止させる。
【0051】
ついで、取付部材32における前側の係合突部53、53を、底面板11の前端部に穿設された方形をなす左右1対の係合孔57、57に嵌合し、下向操作片53aの前面下部に形成された左右方向を向く係合溝58を、係合孔57の前部側の開口縁に弾性係合させる。これにより、取付部材32の上面に、コンセントボックスAが着脱可能に取付けられる。なお、底面板11には、取付けねじ40の頭部が干渉しないように、通孔59、59が穿設されている。
【0052】
コンセントボックスAを取付けた取付装置Bを、天板1の後端部に固定したのち、上述したように、支持台30における可動片44の係止突条45を、操作部44aを押動操作して、取付部材32に設けた前後の係合孔49に選択的に係合させると、コンセントボックスAを、図1に示す水平位置と、図7に示す斜め前上方を向く傾斜位置との2位置に、向きを変更することができる。
従って、各種コンセント6、7、8における差し込み口の上下位置が変更可能となり、それらに接続されるケーブルの配線形態を、天板1に載置されるOA機器等の位置や大きさ、あるいは、天板1の使用状況等に対応して、最適に変更することができる。
【0053】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
上記実施形態の取付装置Bにおいては、取付部材32に、係合孔49を2個設けたものとしてあるが、これを2個以上設けてもよく、このようにすれば、コンセントボックスAの位置を、2位置以上に変更することができる。
また、上記実施形態とは反対に、係合孔49を支持台30側に、係止突条45を取付部材32側に、それぞれ設けてもよい。
【0054】
さらに、上記実施形態では、支持台30の受け面42を、下方に凹入する凹曲面状とし、かつ取付部材32の下面を、受け面42と補形をなす下向きの突曲面状としてあるが、それらを、逆向きの円弧状断面とすることもある。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の取付装置により、コンセントボックスを天板に取付けた状態を、斜め前方より見た斜視図である。
【図2】同じく、斜め後方より見た斜視図である。
【図3】コンセントボックス、及びその取付装置の分解斜視図である。
【図4】図1のIV-IV線拡大縦断側面図である。
【図5】図2のV-V線拡大縦断側面図である。
【図6】図1のVI-VI線拡大横断平面図である。
【図7】コンセントボックスの上下位置を変更した状態を、斜め前方より見た斜視図である。
【図8】図7のVIII-VIII線拡大縦断側面図である。
【符号の説明】
【0056】
1 天板
2 コンセントボックス本体
3 コンセントユニット
4 塞ぎ板
5 コンセントホルダ
5a 保持部
5b 前面板
6 電源用コンセント
7 情報コンセント
8 機器接続用コンセント
9 嵌合孔
10 上面板
10a 下向片
11 底面板
11a 上向片
12 側面板
13 下向突部
14 上向突部
15 螺挿孔
16 挿入孔
17 凹溝
18 突条
19 嵌合片
20 凹溝
21 カバー
21a 対向片
22 凹溝
23 嵌合片
24 止めねじ
25 接続ケーブル
26 切欠き
27 映像用コンセント
30 支持台
31 下部クランプ
32 取付部材
33 クランプ金具
33a 前向片
33b 前向片
34 嵌合孔
35 クランプ板
36 上向膨出部
37 凹部
38 リブ
39 円筒軸
40 取付けねじ(締付手段)
41 めねじ孔
42 受け面
43 スリット
44 可動片
44a 操作部
45 係止突条
46 起立片
47 突軸
48 突曲面部
49 係合孔
50 挿通孔
51 起立片
52 係止溝
53 係合突部
53a 下向操作片
54 係合片
55 通孔
56 係合孔
57 係合孔
58 係合溝
59 通孔
A コンセントボックス
B 取付装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板に取付けた支持台の上面に、側面視において下方に凹入または上方に凸状に突出する円弧状断面の受け面を設け、この受け面に、オプション部材取付用の取付部材における前記受け面と補形をなす側面視円弧状の下面を、円弧面に沿って回動しうるように嵌合し、前記支持台に、前記取付部材が受け面から上方に外れるのを阻止する外れ止め手段と、前記取付部材を、受け面の曲率中心を中心とする複数の回動位置において係止する係止手段とを設けたことを特徴とする天板へのオプション部材の取付装置。
【請求項2】
外れ止め手段を、支持台の両側部に上向き突設した左右1対の起立片の内側面と、それに対向する取付部材の外側面における円弧状の下面の曲率中心部とのいずれか一方に突設した突軸と、同じく他方に設けられ、前記突軸が回動可能に嵌合する軸孔とを備えるものとした請求項1記載の天板へのオプション部材の取付装置。
【請求項3】
起立片を、側方に弾性変形しうるようにしてなる請求項2記載の天板へのオプション部材の取付装置。
【請求項4】
係止手段を、支持台における受け面の形成部の一部を、後端部を中心として上下方向に弾性変形しうるように切除することにより設けられ、かつ前端部に下向きに押動操作可能な操作部を有する可動片と、この可動片と取付部材との対向部のいずれか一方に設けられた前後複数の係合孔と、同じく他方に設けられ、前記複数の係合孔に選択的に係合可能な突部とを備えるものとした請求項1〜3のいずれかに記載の天板へのオプション部材の取付装置。
【請求項5】
係合孔及び突部を、左右方向に長いものとした請求項4記載の天板へのオプション部材の取付装置。
【請求項6】
取付部材に、オプション部材の下面に設けた複数の係合孔に下方より着脱可能に嵌合して係合される係合突部を設けてなる請求項1〜5のいずれかに記載の天板へのオプション部材の取付装置。
【請求項7】
支持台に、天板の下面に当接する下部クランプと、この下部クランプを支持台の下面に向かって引き寄せる締付手段とを設けてなる請求項1〜6のいずれかに記載の天板へのオプション部材の取付装置。
【請求項8】
オプション部材を、電源用コンセント、ネットワーク通信用の情報コンセント、パソコン周辺機器接続用の機器接続用コンセント、映像用コンセント等の少なくともいずれか一つを備えるコンセントボックスとしてなる請求項1〜7のいずれかに記載の天板へのオプション部材の取付装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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