説明

太陽電池モジュール用基材およびその製造方法

【課題】太陽電池モジュール用基材を低コストで製造できる。
【解決手段】本発明の太陽電池モジュール用基材1は、ガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸させたプリプレグからなる絶縁層2の一方の面に、水蒸気バリア性、酸素バリア性及び絶縁性を有する非フッ素系樹脂のバリア層4を設けた。バリア層4はセラミック蒸着フィルムまたはガスバリア性積層フィルムからなる。セラミック蒸着フィルムは、ポリエステル系またはポリアミド系フィルムにガスバリア性を有する酸化アルミナまたはシリカを設けた。ガスバリア性積層フィルムは、ポリアミド系フィルムに、無機酸化物蒸着層からなる第一及び第二ガスバリア層の間に水溶性高分子溶液のガスバリア性被覆層を挟んだものを積層した。絶縁層2の他方の面には太陽電池セルに電気的に接続する回路層3を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、裏面にプラス電極(P型半導体電極)、マイナス電極(N型半導体電極)の両電極を備える太陽電池セルを固定するための太陽電池モジュール用基材およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自然エネルギーを利用する発電システムである太陽光発電の普及が急速に進められている。太陽光発電をするための太陽電池モジュールは、図7に示すように、受光側に配置された透光性基板120と、裏面側に配置された太陽電池モジュール用基材(バックシート)110と、透光性基板120および太陽電池モジュール用基材110の間に配置された多数の太陽電池セル130とを有している。また、太陽電池セル130は、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)フィルム等の封止用フィルム140a,140bに挟まれて封止されている。
従来、太陽電池モジュールにおいては、多数の太陽電池セル130,130・・・が、幅1〜3mmの配線材150で電気的に直列に接続されていた。太陽電池セル130は、太陽の受光面130aである表面側にマイナス電極(N型半導体電極)131、裏面側にプラス電極(P型半導体電極)132が設けられているため、配線材150で接続すると、太陽電池セル130の受光面130aの上に配線材150が重なり、光電変換の面積効率が低下する傾向にあった。
【0003】
上述した電極131,132の配置では、配線材150が太陽電池セル130の表側から裏側に回り込む構造になるため、各部材の熱膨張の差が原因で配線材150が断線することがあった。
そこで、特許文献1,2ではプラス電極とマイナス電極の両電極がセルの裏面に設置されたバックコンタクト方式の太陽電池セルが提案されている。この方式の太陽電池セルではセル裏面で直列に接続することが可能であり、セル表面の受光面積が犠牲にならず光電変換の面積効率の低下を防止できる。また、配線材を表側から裏側に回り込む構造にしなくてもよいため、各部材の熱膨張の差による配線材の断線も防止できる。
このバックコンタクト方式の太陽電池セルを用いて太陽電池モジュールを製造する際には、多数の太陽電池セルを、配線材を用いて電気的に直列に接続した後、EVAフィルムにより挟んで封止し、透光性基板と太陽電池モジュール用基材とで挟持していた。
【0004】
従来、太陽電池モジュール裏面のバリア層として裏面外部から水蒸気や酸素等が浸入するのを防ぐためにフッ化ビニル樹脂(PVF)フィルム(商品名「テドラー」;登録商標)が用いられている。
また、例えば特許文献3に記載された保護シートでは、太陽電池モジュールの裏面に用いる保護シートとして、フッ化ビニリデン、三フッ化エチレン、三フッ化塩化エチレン、四フッ化エチレン等のフッ素含有樹脂層を用いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−111122号公報
【特許文献2】特開2009−224597号公報
【特許文献3】特許第4177590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、太陽光発電の普及が進むにつれて低コスト化が求められ、太陽電池モジュール製造における生産性向上が重要になってきている。
しかしながら、上述したフッ化ビニル樹脂フィルムやフッ素含有樹脂層は高価であり、太陽電池モジュールの価格を上昇させるために太陽電池パネルの普及を妨げる要因になっていた。
【0007】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、バックコンタクト方式の太
陽電池セルを用いた太陽電池モジュールを低コストで製造できるようにした太陽電池モジュール用基材およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による太陽電池モジュール用基材は、繊維および樹脂を含有する複合材料からなる絶縁層と、該絶縁層の一方の面に設けられていて水蒸気バリア性、酸素バリア性及び絶縁性を有する非フッ素系樹脂のバリア層とを有することを特徴とする。
また、本発明による太陽電池モジュール用基材の製造方法は、繊維および樹脂を含有する複合材料からなる絶縁層の一方の面に、水蒸気バリア性、酸素バリア性及び絶縁性を有する非フッ素系樹脂を接合することでバリア層を形成することを特徴とする。
本発明によれば、絶縁層の一方の面にバリア層として、水蒸気バリア性、酸素バリア性及び絶縁性を有する非フッ素系樹脂のバリア層を設けたことで、水蒸気バリア性及び酸素バリア性を含む耐候性が高く、絶縁性など長期信頼性を発揮すると共に、フッ化ビニル樹脂フィルムやフッ素含有樹脂層を用いた従来技術のバリア層と比較して厚みを薄くできて安価に太陽電池モジュール用基材を製造できる。
【0009】
また、バリア層は、酸化アルミナまたはシリカの層を設けたガスバリア性フィルムであることが好ましい。
或いは、バリア層は、ポリアミド系フィルムの前記絶縁層側の一方の面に、無機酸化物蒸着層からなる第一ガスバリア層と、水溶性高分子を含む溶液を塗布、乾燥することにより形成されたガスバリア性被覆層と、無機酸化物蒸着層からなる第二ガスバリア層とを順次積層してなるガスバリア性積層フィルムであることが好ましい。
これらガスバリア性フィルムやガスバリア性積層フィルムは、水蒸気バリア性及び酸素バリア性を含む耐候性が高く、絶縁性など長期信頼性を発揮できると共に、フッ化ビニル樹脂フィルムやフッ素含有樹脂層を用いた従来技術のバリア層と比較して厚みが薄く安価である。しかも、フッ素系樹脂と相違して使用済み後に焼却する際にダイオキシン等を発生しないから環境適合性が高い。
【0010】
また、バリア層の、絶縁層とは反対側の他方の面にPETフィルムを被着してなることが好ましい。
バリア層として設けたガスバリア性フィルムやガスバリア性積層フィルムは水蒸気バリア性や酸素バリア性を含む耐候性や長期信頼性は高いが、耐スクラッチ性に劣る特性があるため、バリア層にPETフィルムを被着することで耐スクラッチ性が高くなり、太陽電池パネルを屋外等に設置する際や設置状態で傷等がつきにくく製品寿命が一層長くなる。
また、絶縁層は、プリプレグであることが好ましい。
プリプレグは剛性が高く絶縁性等の電気信頼性が高いため、漏電を確実に防止できる。
また、プリプレグは網目状に配設されたガラス繊維に樹脂を含浸させてなることが好ましい。
【0011】
また、絶縁層の他方の面に設けられていて太陽電池セルに電気的に接続される回路層を
有していてもよい。
回路層に太陽電池セルを接続することよって、多数の太陽電池セルを一度の工程で電気的に直列に接続できる。すなわち、太陽電池セルの太陽電池モジュール用基材への積層と太陽電池セル同士の接続とを同時に行うことができて電気的接続の信頼性が高い。したがって、バックコンタクト方式の太陽電池セルを用いた太陽電池モジュールを簡便に製造できて生産性を高くできる。
また、絶縁層が複合材料からなることで、回路層との密着性が高くなる。さらに、絶縁層が複合材料からなるため、太陽電池モジュール用基材の寸法安定性および剛性が高い。
【0012】
また、回路層における太陽電池セルに接触する電極部にスタッドバンプが設けられてい
てもよい。
回路層の電極部にスタッドバンプが設けられているため、太陽電池セルの電極と容易に
接続できる上に、電気的接続の信頼性を向上させることができる。
また、回路層の電極部以外の部分が、絶縁性材料からなるオーバーコート層により被覆
されていてもよい。
回路層の電極部以外の部分がオーバーコート層によって被覆されるため、互いに隣接する回路層同士の短絡を防止できる。また、太陽電池モジュールの製造にEVAフィルムが用いられる場合には、EVAフィルムから放出される酢酸ガスによる回路層の腐食を防止できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明による太陽電池モジュール用基材及びその製造方法は、絶縁層の一方の面に、水蒸気バリア性、酸素バリア性及び絶縁性を有する非フッ素系樹脂のバリア層を設けたことで、水蒸気バリア性及び酸素バリア性を含む耐候性、絶縁性など長期信頼性を有すると共に、フッ化ビニル樹脂フィルムやフッ素含有樹脂層を用いた従来技術のバリア層と比較して厚みを薄くできて太陽電池モジュール用基材を安価に製造することができる。しかも、フッ素系樹脂と相違して使用後に廃棄焼却する際にダイオキシン等を発生しないから環境適合性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態による太陽電池モジュール用基材を示す断面模式図である。
【図2】実施形態による太陽電池モジュール用基材を含む太陽電池モジュールの断面模式図である。
【図3】(a)はセラミック蒸着フィルムの要部断面模式図、(b)はガスバリア性積層フィルムの断面模式図である。
【図4】実施形態による太陽電池モジュール用基材の製造工程を示す断面模式図である。
【図5】実施形態による太陽電池モジュール用基材を用いた太陽電池モジュールの製造方法を示す断面模式図である。
【図6】変形例による太陽電池モジュール用基材を示す断面模式図である。
【図7】従来の太陽電池モジュールの一例を示す断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態による太陽電池モジュール用基材について説明する。
図1に示す本実施形態による太陽電池モジュール用基材1は、絶縁層2と、絶縁層2の一方の面即ち図示しない太陽電池セル側に設けられた回路層3と、絶縁層2の他方の面に設けられたバリア層4とを有する。そして、回路層3の太陽電池セルに接触する電極部3aにはスタッドバンプ5が設けられ、回路層3の電極部3a以外の部分である非電極部3bはオーバーコート層6で被覆されている。
太陽電池モジュール用基材1は後述する太陽電池セル12を挟んで受光面となる透光性基板11と接合されて一体化され、図2に示す太陽電池モジュール10を形成する。
【0016】
本実施形態による太陽電池モジュール用基材1を使用した太陽電池モジュール10を図2に示す。図2に示す太陽電池モジュール10は、光の入射面側である受光面側に配置された透光性基板11と、その裏面側に配置された太陽電池モジュール用基材1と、これら透光性基板11および太陽電池モジュール用基材1の間に配置された多数の太陽電池セル12,12、…と、太陽電池セル12,12、…を封止する封止層13とを具備する。
太陽電池モジュール用基材1はオーバーコート層6側で太陽電池セル12、12、…を挟んで透光性基板11と接合されている。
【0017】
次に図1の太陽電池モジュール用基材1を構成する各部材について説明する。
絶縁層2の太陽電池セル12側に設けた回路層3は、太陽電池セル12に電気的に接続される層である。回路層3は太陽電池モジュール用基材1に積層される多数の太陽電池セル12を電気的に直列に接続するパターンを有している。
回路層3を構成する材料として、電気抵抗が低い材料、例えば銅、アルミニウム、鉄−ニッケル合金などが使用される。また、導電性高分子を使用することもできる。
回路層3の表面は、スタッドバンプ5およびオーバーコート層6との密着性を向上させるために、ギ酸、硫酸、硝酸などの腐食性薬液によって粗面化処理が施されていることが好ましい。
【0018】
スタッドバンプ5は、回路層3と太陽電池セル12との電気的接続を補助する部材であり、太陽電池セル12の電極12aに対応して配設されている。本実施形態におけるスタッドバンプ5は例えば切頭円錐形になっており、先端がオーバーコート層6の表面から突出している。
スタッドバンプ5の材料として電気抵抗が低い材料が使用される。中でも回路層3との電気抵抗が低くなることから、銀、銅、錫、鉛、ニッケル、金よりなる群から選ばれる1種以上の金属を含有することが好ましい。特に、スタッドバンプ5は粘度が高く容易に切頭円錐形等の所望の形状に形成するために、銀、銅、錫、半田(銅と鉛が主成分である。)よりなる群から選ばれる1種以上の金属を含有する導電性ペーストにより形成されていることが好ましい。
【0019】
また、導電性ペーストは低温硬化タイプであることが好ましい。導電性ペーストが低温硬化タイプであれば、120〜160℃という低温で太陽電池セル12の電極12aと回路層3とをスタッドバンプ5によって電気的に接続できる。120〜160℃は、封止層13を構成する封止用フィルムとして使用可能なEVAフィルムの軟化、溶融、架橋が生じる温度であるから、封止用フィルムとしてEVAフィルムを用いる場合には、容易に加工できるため、太陽電池セル12の電極12aと導電性ペーストから形成されるスタッドバンプ5とをより容易に電気的に接続させることができる。
低温硬化タイプの導電性ペーストとしては、ポリマーと導電性フィラーを含有し、ポリマーの硬化による導電性フィラーの物理的接触によって導電性を発現するもの、有機物に銀もしくは銅を配位、還元させたナノ粒子を含有し、低温焼結(120〜160℃)させることにより導電性を発現するものが挙げられる。電気抵抗がより低くなる点では、後者の材料が好ましい。
【0020】
オーバーコート層6は絶縁性材料からなっている。オーバーコート層6を構成する絶縁性材料としては、例えばエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。これら樹脂は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、上記の樹脂に、シリカ(SiO)、マイカ、アルミナ、硫酸バリウムからなる群から選ばれる1種以上の無機粉末を含有してもよい。
【0021】
次に、絶縁層2について説明する。絶縁層2は、繊維および樹脂を含有する複合材料からなり、好ましくは網目状に配設された繊維に樹脂が含浸させられた樹脂含有繊維からなるプリプレグを用いる。繊維としては、例えばガラスクロス、ガラス不織布、紙などが挙げられる。樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。
絶縁層2を構成するプリプレグは、例えば網目状に配設されたガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸させて構成されている。絶縁層2としてプリプレグを用いると反りが少なく電気絶縁性が高いという特性を呈する。
【0022】
次に、本実施形態における太陽電池モジュール用基材1におけるバリア層4について説明する。
バリア層4は空気透過を調整する層である。バリア層4として、水蒸気バリア性と酸素バリア性を含む耐候性、絶縁性など長期信頼性を有する材料が使用される。本実施形態では、例えば図3(a)に示すように、ポリエステル系フィルム(またはポリアミド系フィルム)14の片面にガスバリア層としてガスバリア性の高い酸化アルミナ15を設けた構成を有するセラミック蒸着フィルム16を用いている。或いは酸化アルミナ15に代えてシリカを設けてもよく、シリカもガスバリア性の高い材質である。特に酸化アルミナは透明度が高い特性を有していて好ましい。
これら酸化アルミナフィルムとシリカフィルムは蒸着によってプリプレグの絶縁層2に被着することができ、包括してセラミック蒸着フィルムとされている。しかし、酸化アルミナフィルムとシリカフィルムは蒸着によらず、ポリエステルフィルム14に積層した構成で接着剤を介して絶縁層2に接合することもできる。
なお、酸化アルミナフィルムとシリカフィルムを含むセラミック蒸着フィルム16は、GLフィルム(凸版印刷株式会社の商品名)として知られている。セラミック蒸着フィルム16はガスバリア性フィルムを構成する。
【0023】
また、バリア層4として、セラミック蒸着フィルム16に代えて、図3(b)に示すようなガスバリア性積層フィルム18を用いてもよい。ガスバリア性積層フィルム18は特許第4013604号公報に詳しく開示されており、ここでは簡単に説明する。なお、ガスバリア性積層フィルム18は、凸版印刷株式会社製の商品名「GXフィルム」として知られている。
図3に示すガスバリア性積層フィルム18は、ポリアミド系フィルム19の片面に、アンカーコート層20を介して厚さが1〜400nmの範囲の無機酸化物蒸着層からなる第一ガスバリア層(A層)21、水溶性高分子を含む溶液を塗布、乾燥することにより形成された厚さが0.05〜50μmの範囲のガスバリア性被覆層22、厚さが1〜400nmの範囲の無機酸化物蒸着層からなる第二ガスバリア層(B層)23を順次積層してなる積層フィルムである。更にヒートシール層24を積層しているが、省略してもよい。
そして、ガスバリア性被覆層22と、第一及び第二ガスバリア層(A、B)21,23との厚さの比率が、1/0.005〜1/1の範囲を満たしている。ガスバリア性積層フィルム18は透明であるが、透明でなくてもよい。
【0024】
このガスバリア性積層フィルム18は、アンカーコート層24が、アクリルポリオールに下記一般式(1)で表される。
R’Si(OR)3・・・・(1)
(但し、Rはアミノ基、イソシアネート基、スルホキシド基のいずれかの官能基、Rはアルキル基)3官能基のオルガノシランを処方した液を塗布、乾燥させて設けたアンカーコート層24である。アンカーコート層24を形成する樹脂として、ウレタンポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等を採用できる。
第一ガスバリア層(A層)21は高いバリア性を発現させるための層であって、このA層を構成する無機酸化物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムもしくはこれらの混合物を挙げることができる。
ガスバリア層の形成には、電子線加熱や誘導加熱、抵抗加熱を蒸発手段とした真空蒸着法の他、スパッタリング法、CVD法およびイオンプレーティング法などを用いることができる
【0025】
第一及び第二ガスバリア層21,23間に挟持されるガスバリア性被覆層22は、第一
ガスバリア層(A層)21を保護するとともに、第一ガスバリア層(A層)21との相乗効果により高いガスバリア性を発現するために設けられる。ガスバリア性被覆層22は、水溶性高分子と、(a)1種以上の金属アルコキシドおよびその加水分解物、または、(b)塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液あるいは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を塗布し、加熱乾燥してなるガスバリア性被膜層である。
水溶性高分子は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。特にポリビニルアルコール(以下、PVAと略す)を本発明のコーティング剤に用いた場合にガスバリア性が最も優れる。
また、コーティング剤に使用される塩化錫は、塩化第一錫(SnCl2)、塩化第二錫(SnCl4)、あるいはそれらの混合物であってもよく、これら塩化錫は、無水物でも水和物でもあってもよい。
さらに、金属アルコキシドは、一般式、M(OR)n(M:Si,Ti,Al,Zr等の金属、R:CH3,C25等のアルキル基)で表せる化合物である。
【0026】
無機酸化物からなる第二ガスバリア層(B層)23は、第一ガスバリア層(A層)21およびガスバリア性被覆層22を保護するとともに、高い水蒸気バリア性と酸素ガスバリア性を維持するために設けられる。第一ガスバリア層(A層)21と同様、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムもしくはこれらの混合物を挙げることができる。
ガスバリア層の形成には、電子線加熱や誘導加熱、抵抗加熱を蒸発手段とした真空蒸着法の他、スパッタリング法、CVD法およびイオンプレーティング法などを用いることができるが、生産性の点から巻取りフィルム上に真空蒸着法を用いて層を形成する方法が好ましい。
【0027】
また、ヒートシール層24は熱可塑性樹脂であり、特に材質は限定されるものではないが、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状(直鎖状)低密度ポリエチレン、その他等の各種のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン系共重合体樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂(アイオノマー)を使用することができる。
【0028】
本実施形態による太陽電池モジュール用基材1におけるバリア層4として、上述したセラミック蒸着フィルム16(GLフィルム)とガスバリア性積層フィルム18(GXフィルム)のいずれを用いてもよく、いずれを用いても水蒸気や酸素等のガスバリア性に優れている。セラミック蒸着フィルム16(GLフィルム)とガスバリア性積層フィルム18(GXフィルム)は、蒸着や接着剤によって絶縁層2であるプリプレグに接合できる。
なお、バリア層4の外側である絶縁層2とは反対側の面にPETフィルムを被着して積層してもよい。PETフィルムを積層することで耐スクラッチ性が向上する。
【0029】
次に、太陽電池モジュール10の太陽電池モジュール用基材1以外の構成について説明する。
図2において、透光性基板11としては、例えばガラス基板、透明樹脂基板などが挙げられる。透明樹脂基板を構成する透明樹脂としては、例えばアクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートなどが挙げられる。
本実施形態に使用される太陽電池セル10は、裏面にプラス電極およびマイナス電極を備えるバックコンタクト方式のものである。太陽電池セル10としては、単結晶シリコン型、多結晶シリコン型、アモルファスシリコン型、化合物型、色素増感型などが挙げられる。これらの中でも、発電効率に優れる点では、単結晶シリコン型が好ましい。
封止層13は封止用フィルムにより形成される。封止用フィルムとしては、例えば、EVAフィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂フィルムなどが使用される。通常、封止用フィルムは、太陽電池セル10を挟み込むように2枚以上で使用される。
【0030】
次に、本実施形態による太陽電池モジュール用基材1の製造方法について、図4に基づいて説明する。
図4(a)において、絶縁層2として、ガラス繊維および半硬化の熱硬化性樹脂を含有するプリプレグからなる半硬化複合材料層2Aの一方の面に導電層3Aを積層し、半硬化複合材料層2Aの他方の面にバリア層4を積層し、加熱加圧処理する。
ここで、バリア層4として、セラミック蒸着フィルム16(GLフィルム)またはガスバリア性積層フィルム18(GXフィルム)を用いるため、プリプレグからなる絶縁層2の裏面に蒸着によって被着して接合できる。
そして、加熱加圧処理することで、半硬化複合材料層2Aは絶縁層2になる。
ここで、導電層3Aとしては、例えば銅、アルミニウム、鉄−ニッケル合金などの金属の金属箔を使用することができる。また、導電性高分子を含有する層であってもよい。
【0031】
次いで、図4(b)に示すように導電層3Aの上にレジストパターン25を設け、エッチング処理する。そして、図4(c)に示すような回路層3を形成する。この回路層3の形成では、フォトリソグラフィを適用する。
フォトリソグラフィでは、まず、導電層3Aの表面の全面にレジスト層を設ける。その際、レジスト層としてドライフィルムレジストを用いてもよいしウェットレジストを導電層3Aに塗工して形成したものでもよい。
次いで、レジスト層の上にフォトマスクを配置し、露光し、現像してレジストパターン25を設ける。次に、レジストパターン25で被覆されていない導電層3Aをエッチング処理して除去する。エッチングとしては、ドライエッチング、ウェットエッチングのいずれであってもよいが、通常は、ウェットエッチングが適用される。
その後、レジストパターン25を剥離する。このように、導電層3Aをパターン加工して、回路層3を得る。得られた回路層3の表面には粗面化処理を施してもよい。回路層3の表面に粗面化処理を施すと、スタッドバンプ14の密着性を向上させることができる。粗面化処理は、例えば、腐食性薬液を回路層12の表面に接触させる方法を適用することができる。
【0032】
次いで、図4(d)に示すように、絶縁性のオーバーコート材を回路層3の非電極部3bに塗工してオーバーコート層6を形成する。
オーバーコート材としては、例えば熱可塑性樹脂を含有する塗工液、熱硬化性成分を含有する塗工液、光硬化性成分を含有する塗工液などを使用できる。熱可塑性樹脂を含有する塗工液を使用した場合には、塗工後、乾燥処理を行う。熱硬化性成分を含有する塗工液を使用した場合には、塗工後に熱硬化処理を行う。光硬化性成分を含有する塗工液を用いる場合には光硬化処理を行う。
【0033】
次いで、回路層3の電極部3aにスタッドバンプ5を形成する。スタッドバンプ5の形成方法としては、例えばめっき、スクリーン印刷、ディスペンス、転写などの方法を適用することができる。その際、容易に所望の形状にできることから、銀、銅、錫、半田よりなる群から選ばれる1種以上の金属を含有する導電性ペーストを用いることが好ましい。さらには、太陽電池セル12の電極12aとスタッドバンプ5とをより容易に電気的に接続させることができる点では、低温硬化タイプの導電性ペーストがより好ましい。
以上の製造方法により、図1に示す太陽電池モジュール用基材1を製造できる。
上記製造方法によれば、絶縁層2と回路層3との密着性を高くできる。また、絶縁層2としてプリプレグを用いているため、得られる太陽電池モジュール用基材1の寸法安定性および剛性を高くできる。
【0034】
つぎに、本実施形態による太陽電池モジュール用基材1を用いた太陽電池モジュール10の製造方法について、図5により説明する。
図5において、太陽電池モジュール用基材1のオーバーコート層6上に、封止用フィルム13A、太陽電池セル12、封止用フィルム13B、透光性基板11を順次積層する。その際、太陽電池セル12の電極12aに太陽電池モジュール用基材1のスタッドバンプ5が対向するように配置する。
次いで、太陽電池モジュール用基材1、封止用フィルム13A、太陽電池セル12、封止用フィルム13B、透光性基板11の積層体を加熱加圧する。この加熱加圧により、スタッドバンプ5を封止用フィルム13Aに貫通させて太陽電池セル12の電極12aに接触させ、さらにスタッドバンプ5の先端を押し潰して充分な接続面積を確保する。
このようにして、太陽電池モジュール用基材1、封止用フィルム13A、太陽電池セル12、封止用フィルム13B、透光性基板11を密着させると同時に、太陽電池セル12を回路層3により電気的に直列に接続することができ、図2に示す太陽電池モジュール10が得られる。
【0035】
上述した本実施形態による太陽電池モジュール用基材1によれば、次の作用効果を奏する。
本実施形態による太陽電池モジュール用基材1は寸法安定性および剛性に優れている。そのため、太陽電池モジュール10を製造する際に、太陽電池モジュール用基材1に封止用フィルム13A、太陽電池セル12、封止用フィルム13B、透光性基板11を高い位置精度で積層できる。
また、太陽電池モジュール10は、本実施形態による太陽電池モジュール用基材1を用いたものであるため、バックコンタクト方式の太陽電池セル12を積層すると同時に多数の太陽電池セル12,12、…を電気的に直列に接続することで得られる。
【0036】
また、本実施形態による太陽電池モジュール用基材1によれば、バリア層4として非フッ素系樹脂で
あるセラミック蒸着フィルム16やガスバリア性積層フィルム18を用いたから、高い水蒸気バリア性と酸素バリア性を含む耐候性、絶縁性など長期信頼性を発揮することができる。
しかも、プリプレグからなる絶縁層2に対して、セラミック蒸着フィルム16やガスバリア性積層フィルム18からなるバリア層4を蒸着によって接合できるから、従来バリア層として用いていたフッ化ビニル樹脂やフッ素系樹脂(「テドラー」)と比較して厚みを12〜20ナノメートルと薄層に形成できると共に安価になる。そのため、太陽電池モジュール10の価格を抑制して普及に貢献できる。
また、上述したフッ化ビニリデンや三フッ化エチレン等のフッ素含有樹脂層を外層に設けた保護シート等と比較しても、低廉である上に使用後に焼却する際にダイオキシン等が発生しないから環境安全性が高いという効果がある。
【0037】
また、本実施形態による太陽電池モジュール用基材1を用いた太陽電池モジュール10によれば、絶縁層2の一方の面に設けられた回路層3に太陽電池セル12を積層することよって、太陽電池セル12を電気的に直列に接続できる。しかも、太陽電池セル12の太陽電池モジュール用基材1への積層と太陽電池セル12同士の接続とを同時に行うことができるため、太陽電池モジュール12を容易に製造でき、その生産性を高くできる。しかも、太陽電池モジュール用基材1は熱や圧力によって劣化しない。
また、回路層3に接する絶縁層2は複合材料からなるプリプレグであり、絶縁層2を形成するための半硬化複合材料層2Aは半硬化の熱硬化性樹脂を含有しているため、加熱加圧処理によって絶縁層2の両側の回路層3およびバリア層4を架橋する。そのため、絶縁層2と回路層3およびバリア層4との密着性は高くなる。さらに、絶縁層2が複合材料からなるため、太陽電池モジュール用基材1の寸法安定性と剛性に優れる。
特に、例えば、従来、絶縁層2として広く使用されているPET基材、PEN基材を含む太陽電池モジュール用基材(バックシート)よりも寸法安定性および剛性に優れるから、本実施形態による太陽電池モジュール用基材1は優れた物性を有するものとなる。
【0038】
また、太陽電池モジュール10は、本実施形態による太陽電池モジュール用基材1に封止用フィルム13A、13Bにより封止された太陽電池セル12を積層した際には、スタッドバンプ5が封止用フィルム13Aを貫通するため、太陽電池セル12の電極に電気的により容易に接続させることができる。また、スタッドバンプ5を用いることで、確実にかつ充分な面積で接続させることができるため、電気的接続の信頼性を向上させる。
また、太陽電池モジュール用基材1は、オーバーコート層6を有しているため、互いに隣接する回路層3の短絡を防止できる上、封止用フィルムとしてEVAフィルムを用いた場合には、EVAフィルムから放出される酢酸ガスによる回路層3の腐食を防止できる。
【0039】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜の構成や材料等の変更が可能であり、これらも本発明に含まれる。
以下に、上述した実施形態と同一または同様な部材、部品については同一の符号を用いて説明する。
例えば、上述した実施形態による太陽電池モジュール用基材1は、プリプレグによる絶縁層2に対してセラミック蒸着フィルム16やガスバリア性積層フィルム18を蒸着によって接合する構成であるが、これに代えて接着剤によって接合してもよい。
図6はそのような変形例による太陽電池モジュール用基材1Aを示す図であり、絶縁層2とバリア層4、そして絶縁層2と回路層3及びオーバーコート層6とはそれぞれ接着剤28で接合されて一体化されている。接着剤28として、例えばエポキシ系、ウレタン系、アクリル系樹脂等を用いることができる。
【0040】
また、上述の実施形態等では、スタッドバンプ5およびオーバーコート層6を有しているが、これらは任意である。しかし、より簡便に太陽電池モジュール10を製造できる点では、スタッドバンプ5を有することが好ましい。また、互いに隣接する回路層3の短絡を防止できる上、EVAフィルムから放出される酢酸ガスによる回路層3の腐食を防止できる点で、オーバーコート層6を有することが好ましい。
スタッドバンプ5の形状は、切頭円錐形に限らず、円錐形、円筒形、三角錐形、半球状などであってもよい。なお、本発明はバックコンタクト方式の太陽電池モジュールでなくてもよく、適宜の方式の太陽電池モジュールに適用できる。例えば、上述の従来技術の方式のものにも適用できる。
【実施例】
【0041】
以下、本発明の太陽電池モジュール用基材1の実施例について具体的に説明する。
まず、図4(a)に示すように、厚さ200μmのプリプレグ(商品名:MCL−E−67N、日立化成工業製)からなる半硬化複合材料層2Aの一方の面に、厚さ35μmの導電層3A(商品名:JTC銅箔、日鉱金属製)を積層すると共に、半硬化複合材料層2Aの他方の面に厚さ25μmのセラミック蒸着フィルム16(商品名「GLフィルム」凸版印刷株式会社製)をバリア層4として積層し、積層体を得た。
なお、凸版印刷株式会社製の酸化アルミナを層状に設けたGLフィルムは、水蒸気と酸素のバリア性について次の特性を有している。即ち、水蒸気は2g/m/日以下の透過性能であり、酸素は4cc/m/日以下の透過特性を有している。
次いで、その積層体を、真空度:2kPa、温度:170℃、圧力:2MPa、加熱加圧時間120分の条件で加熱加圧した。この処理により、半硬化複合材料層2Aを絶縁層2とした。
【0042】
次いで、導電層3Aの表面にドライフィルムレジスト(商品名:RY3315、日立化成工業製)を、ロールラミネーターを用いて、温度:110℃、搬送速度:0.5m/分の条件で貼り付けた。その後、フォトマスクを用いた露光(露光量:80mJ/cm)、現像(1質量%のNaCO、温度:30℃)により、図4(b)に示すような、レジストパターン25を形成した。
次いで、露出している導電層3Aを塩化銅(温度:50℃)によりエッチングした後、50℃、5質量%の水酸化ナトリウム水溶液によりレジストパターン25を剥離して、図4(c)に示すような、回路パターンを有する回路層3を形成した。
【0043】
次いで、回路層3の表面に、マイクロエッチング剤(商品名:CZ8100、メック
製)を、30℃で50秒間接触させて、粗面化処理を施した。
次いで、絶縁性のオーバーコート材(商品名:SR7000、日立化成工業製)をスクリーン印刷機により回路層3の非電極部3bに塗工した。その後、70℃で30分間プリベークを施し、高圧水銀ランプで2000mJ/cmの紫外線を照射し、170℃で60分間のポストベークを施して、図4(d)に示すような、オーバーコート層6を形成した。
次いで、回路層3の電極部3aに、銀ペースト(商品名:SD1114、ハリマ化成製)をスクリーン印刷機により印刷して、切頭円錐形のスタッドバンプ5を形成した。これにより、太陽電池モジュール用基材1を得た。
また、バリア層4として、GLフィルムに代えてガスバリア性積層フィルム18(商品名「GXフィルム」凸版印刷株式会社製)を用いて同様に太陽電池モジュール用基材1を製造した。
【0044】
次いで、図5に示すように、各太陽電池モジュール用基材1に、EVAフィルム(封止用フィルム13A)、太陽電池セル12、EVAフィルム(封止用フィルム13B)、ガラス基板(透光性基板11)を積層した。その際、太陽電池セル12の電極12aに太陽電池モジュール用基材1のスタッドバンプ5が対向するように配置した。
次いで、太陽電池モジュール用基材1/封止用フィルム13A/太陽電池セル12/封止用フィルム13B/透光性基板11の積層体を加熱加圧し、スタッドバンプ5を封止用フィルム13Aに貫通させた。これにより、スタッドバンプ5と太陽電池セル12の電極12aとを接続して、図2に示す太陽電池モジュール10を2種類得た。
【符号の説明】
【0045】
1、1A 太陽電池モジュール用基材
2 絶縁層
3 回路層
3A 導電層
3a 電極部
3b 非電極部
4 バリア層
5 スタッドバンプ
6 オーバーコート層
11 透光性基板
12 太陽電池セル
12a 電極
13 封止層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維および樹脂を含有する複合材料からなる絶縁層と、該絶縁層の一方の面に設けられていて水蒸気バリア性、酸素バリア性及び絶縁性を有する非フッソ系樹脂のバリア層とを有することを特徴とする太陽電池モジュール用基材。
【請求項2】
前記バリア層は、酸化アルミナまたはシリカの層を設けたガスバリア性フィルムである請求項1に記載された太陽電池モジュール用基材。
【請求項3】
前記バリア層は、ポリアミド系フィルムの前記絶縁層側の一方の面に、無機酸化物蒸着層からなる第一ガスバリア層と、水溶性高分子を含む溶液を塗布、乾燥することにより形成されたガスバリア性被覆層と、無機酸化物蒸着層からなる第二ガスバリア層とを順次積層してなるガスバリア性積層フィルムである請求項1に記載された太陽電池モジュール用基材。
【請求項4】
前記バリア層の、絶縁層とは反対側の他方の面にPETフィルムを被着してなる請求項1乃至3のいずれかに記載された太陽電池モジュール用基材。
【請求項5】
前記絶縁層は、プリプレグである請求項1乃至4のいずれかに記載された太陽電池モジュール用基材。
【請求項6】
前記絶縁層の他方の面に設けられていて太陽電池セルに電気的に接続される回路層を有している請求項1乃至5のいずれかに記載された太陽電池モジュール用基材。
【請求項7】
前記回路層における太陽電池セルに接触する電極部にスタッドバンプが設けられている請求項6に記載された太陽電池モジュール用基材。
【請求項8】
前記回路層の電極部以外の部分が、絶縁性材料からなるオーバーコート層により被覆されている請求項7に記載された太陽電池モジュール用基材。
【請求項9】
繊維および樹脂を含有する複合材料からなる絶縁層の一方の面に、水蒸気バリア性、酸素バリア性及び絶縁性を有する非フッ素系樹脂を接合することでバリア層を形成することを特徴とする太陽電池モジュール用基材の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−159724(P2011−159724A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−18973(P2010−18973)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】